JP4583898B2 - 超音波探傷装置 - Google Patents

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Description

本発明は、固体と固体との接合部を非破壊で検査する超音波探傷装置に関するもので、特に、センサを直接アクセスできない部分における腐食量を計測する超音波探傷装置に関する。なお、本願において、「腐食」および「空隙」という文言を用いているが、両者は同じものを指すものとする。
この種の超音波探傷装置を実現するための従来の方法として、パイプの架台部分における外面腐食の腐食量を求めるものがある(例えば、特許文献1参照)。架台で覆われた試験体の部分に腐食がある場合は、センサを腐食部に直接アクセスできない状態にあり、当然、目視検査もできない。
このような場合には、試験体の表面の一端から送信用の表面波探触子により表面波を発生させ、試験体の表面の他端において、架台部分を伝搬した表面波を受信用の表面波探触子により受信し、エコーを記録する。そして、あらかじめ作成しておいたエコー高さとノッチの深さとの相関から、腐食の深さを推定するというものである。
特開2000−55890号公報(第1頁、図1)
しかしながら、従来技術には次のような課題がある。この検査方法は、送信用の表面波探触子および受信用の表面波探触子のそれぞれと、試験体との接触状態によりエコー高さが変化するという難点をもつ。特許文献1には、接触部分の伝搬損失を補正することについても記載されているが、表面波探触子における伝搬損失を求めるには、接触状態を厳しく管理する必要がある。言い換えれば、接触状態を厳しく管理しないと、特許文献1で示されている方法を腐食量の推定に適用することができない。
さらに、この検査方法は、パイプの架台部分の外面腐食を想定したものであり、パイプの周囲がコンクリート等の固体で固められた状態までは想定していない。パイプの周囲がコンクリート等の固体で固められた状態では、表面波が固体中へ漏洩していくので、伝搬に伴う減衰が大きい。このため、受信用の表面波探触子で受信されるエコーは、SN比が非常に悪い信号となり、試験体とコンクリート等の固体との境界部分の腐食量を計測することが困難になるという問題がある。
本発明は上述のような課題を解決するためになされたもので、試験体の周囲がコンクリート等の固体で固められた状態においても、試験体とコンクリート等の固体との境界部分の腐食量を計測できる超音波探傷装置を得ることを目的としている。
本発明に係る超音波探傷装置は、励振信号に基づいて生成した超音波を試験体中に送信し、試験体中を伝搬した超音波の反射波を受信して反射波電気信号を出力する送受信用探触子と、反射波電気信号のエコー高さの周波数特性の特異点を示す特徴周波数に対応する試験体の空隙の深さを空隙データとしてあらかじめ記憶する記憶部を有し、励振信号を生成して送受信用探触子に出力し、送受信用探触子からの反射波電気信号に基づいて、反射波電気信号のエコー高さの周波数特性を求め、周波数特性から特異点を示す特徴周波数を特定し、特定した特徴周波数に対応する空隙の深さを記憶部に記憶された空隙データに基づいて求めることにより試験体と試験体に接触している固体との境界面における腐食の深さを推定する送受信制御装置とを備えた超音波探傷装置であって、試験体中を伝搬した超音波の透過波を受信して透過波電気信号を出力する受信用探触子をさらに備え、送受信制御装置は、受信用探触子からの透過波電気信号のエコー高さが所定の閾値以下である場合には、送受信用探触子から試験体に送信した超音波に異常があると判断するものである。
本発明によれば、試験体の周囲がコンクリート等の固体で固められた状態においても、反射波電気信号のエコー高さの周波数特性を求めることにより、試験体とコンクリート等の固体との境界部分の腐食量を推定することができる超音波探傷装置を得ることができる。
以下、本発明の超音波探傷装置の好適な実施の形態につき図面を用いて説明する。
実施の形態1.
図1は、本発明の実施の形態1における超音波探傷装置の構成図である。図1において、超音波探傷装置は、送受信用探触子1、受信用探触子2、および送受信制御装置3で構成される。また、被検査対象である試験体11は、その表面の一部がコンクリート等の固体12で固められた状態にある。ここで、試験体11は、例えば、パイプあるいは鋼板などに相当する。さらに、空隙13は、試験体11と固体12との間に発生した試験体11の腐食を示している。
送受信用探触子1は、試験体11と接触するように配置され、電気信号として送受信制御装置3から受信した励振信号により励振されることにより、励振信号を超音波に変換する。そして、送受信用探触子1は、試験体11に空隙13が発生していないかを調べるために、変換した超音波を試験体11内に送信する。さらに、送受信用探触子1は、試験体11内を伝搬する超音波が空隙13により散乱された反射波を受信して反射波電気信号に変換して、この反射波電気信号を送受信制御装置3に対して出力する。
一方、受信用探触子2は、固体12を挟んで送受信用探触子1と対向する位置に、試験体11と接触するように配置される。そして、受信用探触子2は、試験体11内を伝搬する超音波の透過波を受信して透過波電気信号に変換して、この透過波電気信号を送受信制御装置3に対して出力する。
送受信制御装置3は、任意波形発生部31、送信部32、受信部33、信号処理部34、および記憶部35で構成される。任意波形発生部31は、任意のキャリア周波数fによるバースト信号を発生させることができる波形発生部である。図2は、本発明の実施の形態1における任意波形発生部31で発生される信号波形の説明図である。図2の波形は、信号の立ち上がり部分および立ち下がり部分に振幅変調を掛けたものを示しており、この信号を、以下の説明においては、「変調バースト信号」と呼ぶことにする。
任意波形発生部31によって発生されたあるキャリア周波数fを有する変調バースト信号は、送信部32で増幅され、送受信用探触子1を励振するための励振信号となる。そして、送信部32は、送受信用探触子1に対して、この励振信号を出力する。
また、受信部33は、送信部32から送信されたあるキャリア周波数fを有する変調バースト信号に対応した受信信号として、送受信用探触子1からの反射波電気信号および受信用探触子2からの透過波電気信号を受信し、増幅したそれぞれの信号を信号処理部34に出力する。
信号処理部34は、増幅された反射波電気信号および透過波電気信号をA/D変換してディジタル信号に変換し、反射波のエコーおよび透過波のエコーのディジタル信号を生成する。さらに、信号処理部34は、ディジタル信号である反射波のエコーおよび透過波のエコーを、キャリア周波数fと関連づけて周波数特性データとして記憶部35に記憶させる。
このようにして、送受信制御装置3は、上述の一連の動作を行うことにより、ある1つのキャリア周波数fに関する周波数特性データを記憶部35に記憶させることができる。そして、送受信制御装置3は、この一連の動作を変調バースト信号のキャリア周波数fを変えて繰り返し行うことにより、複数のキャリア周波数fに対する反射波のエコー、および透過波のエコーのディジタル信号を取得でき、周波数特性データとして記憶部35に記憶させることができる。
ここで、キャリア周波数fを変える範囲および繰り返しの回数などは、送受信用探触子1および受信用探触子2の周波数特性に基づいて、あらかじめ決めておくことができる。次に、このようにして収集された周波数特性データに基づいて、空隙13の深さを推定する方法について説明する。
試験体11の厚さが、試験体11内を伝搬する超音波の波長と同程度〜数倍程度である場合には、試験体11内を伝搬する超音波は、板波(すなわち、薄い板状の物体全体が振動しながら伝搬する波)となる。送受信用探触子1が、通常用いられている斜角探触子と同じタイプである場合には、板波の振動方向は、図1の紙面と平行となる(すなわち、板波は、紙面に対して上下方向あるいは左右方向の振動となる)。この板波は、Lamb波と呼ばれるが、以下の説明においては、簡単のため「板波」と称して説明する。
試験体11内を伝搬する板波は、複雑な伝搬形態を示す。また、周波数によってその伝搬形態は異なる。この様子を音場シミュレーションによって確認した結果を、次に示す。図3は、本発明の実施の形態1における探傷に関するシミュレーション条件を示す図であり、送受信用探触子1および受信用探触子2の入射角をともに57°としている。
送受信用探触子1および受信用探触子2のくさびの材料としては、ポリスチロールを仮定しており、試験体11の材料としては、厚さ9mmの鋼板を仮定した。さらに、コンクリート等の固体12としては、長さ300mmのモルタルを仮定した。また、腐食の深さを模擬して、モルタルと鋼板との間に深さdの空隙13を設けている。
図4は、本発明の実施の形態1におけるキャリア周波数f=0.6MHzの変調バースト信号を仮定し、空隙の深さdを2mmとした場合の音場シミュレーション結果である。なお、図4は、送受信用探触子1を励振してから180μs〜240μsの音場を、10μs毎の7つのスナップショットで示しており、一番上の図が送受信用探触子1を励振してから180μs後の音場であり、一番下の図が240μs後の音場である。
音場を見やすくするため、モルタルがある部分を拡大して表示しており、送受信用探触子1および受信用探触子2は図示していない。さらに、鋼板内を伝搬する板波を濃淡で示している。また、モルタル内に漏洩する超音波も、濃淡で示している。時間が経過するとともに、白っぽく見える部分が右側に移動しているが、これが超音波の伝搬を示すものである。
図4において、180μsの段階では、図の左側から伝搬してきた板波がモルタルのある領域まで到達し、すでにモルタル内にエネルギーを漏洩している様子を示している。次に、190μsの段階では、板波が空隙13の左側に到達しているが、この空隙の深さdが2mmという小さな深さであるため、空隙の左側ではあまり板波は散乱されていない。
次に、200μsの段階では、板波が空隙13の下に潜り込み、空隙13の右側まで到達している様子を示している。次に、210μsの段階では、板波が空隙13の右側で散乱される様子を示しており、散乱波の強さは、空隙13の左側における散乱と比較すると、かなり強くなっている。
通常の超音波探傷において、超音波の伝搬を妨げるような障害物がない場合には、超音波は、散乱されないが、板波の場合は、伝搬する鋼板の板厚が変化しただけ散乱が生じる。これは、板波固有の特徴である。また、板厚の変化によって生じる散乱の強さは、伝搬する鋼板の板厚、周波数、空隙の深さdによって変化すると考えられる。
散乱された板波は、図4中では左方向へ(すなわち、送受信用探触子1の方向へ)伝搬していき、反射波のエコーとして送受信用探触子1で受信される。一方、透過した板波は、図4中では右方向へ(すなわち、受信用探触子2の方向へ)伝搬していき、透過波のエコーとして受信用探触子2で受信される。
図5は、本発明の実施の形態1におけるシミュレーションで得られた反射波のエコーおよび透過波のエコーを示す図である。図5に示すように、上記シミュレーションの条件では、反射波と透過波がエコーとして受信され、このような反射波あるいは透過波の波形の振幅のピーク値がエコー高さに相当する。図6は、本発明の実施の形態1における板波の反射波および透過波の伝搬経路を示す図である。図に示すように、板波が散乱される場所は、空隙の左側と右側の2箇所である。
このように、空隙13がある場合には、反射波および透過波がエコーとして受信されるが、そのエコー高さは、板厚、周波数、空隙の深さdによって変化すると考えられる。そこで、板厚を9mmに固定し、キャリア周波数fおよび空隙の深さdを変化させて同様のシミュレーションを行い、エコー高さの周波数特性を求めた。
図7は、本発明の実施の形態1における反射波のエコー高さの周波数特性を示す図である。この周波数特性は、キャリア周波数fを0.2MHzから1.0MHzまで0.1MHzステップで変化させた場合の反射波のエコー高さの周波数特性を示しており、空隙13の深さdをパラメータとしている。空隙13の深さdは、0、2、3、4、6mmの5通りである。
次に、図7の反射波のエコー高さの周波数特性について説明する。0.5MHz以下の低周波数領域では、空隙の深さdが大きい程、エコー高さが大きくなっている。この低周波数領域で受信されているエコーは、板波が空隙の左側で散乱された反射波に相当し、通常の超音波探傷と同様に障害物の大きさに対応した大きさのエコーが受信されている。なお、d=0mmでもエコーが受信されているように見えるが、これは、モルタルの左端部で散乱された板波であるので、無視してよい。
一方0.5MHz以上の高周波数領域では、鋼板の底面付近にエネルギーが集中する特殊なモードで板波が伝搬していく。この様子を、図8を用いて説明する。図8は、本発明の実施の形態1におけるキャリア周波数f=0.8MHzの変調バースト信号を仮定し、空隙の深さdを4mmとした場合の音場シミュレーション結果である。すなわち、左記の図4と比較すると、キャリア周波数fを0.6MHzから0.8MHzとし、空隙の深さdを2mmから4mmとしている点が異なる。
図8においては、キャリア周波数が高いために、板波のエネルギーが鋼板の底面に集中している様子が分かる。鋼板の底面付近にエネルギーが集中するので、モルタル内に漏洩するエネルギーを抑制でき、その結果、伝搬に伴う減衰量が小さくなるので、長距離伝搬可能な板波となる。すなわち、周波数が高いと減衰が大きいという一般的な考えとは逆の現象が起こる。
このような現象における板波では、モルタルと鋼板との境界面付近のエネルギーが小さいため、空隙13の深さdが小さいと、空隙13の左側では殆ど散乱されない。図8は、d=4mmの場合の図であるが、例えば、d=1mm程度であると、板波は、空隙13の左側で殆ど散乱されずに、空隙13の下に潜るような状態となる。
空隙13の下に潜った板波は、鋼板の底面付近にエネルギーが集中するような特殊なモードから、通常の板波のモードに変換される。そして、板波は、空隙13の右側にさしかかったときに散乱され、大きな反射波が発生する。0.5MHz以上の高周波数領域で受信されたエコーは、このように空隙13の右側で散乱された反射波である。
空隙13の右側で散乱される強度は、伝搬する鋼板の板厚、周波数、空隙13の深さdによって変化すると考えられるので、図7に示すような複雑な周波数特性となる。例えば、d=2mmの場合には、0.6MHzのときに極大値を示し、d=4mmの場合には、0.8MHzで極大値を示す。
次に、反射波のエコー高さの周波数特性を用いた空隙13の深さdの計測方法を説明する。上述したように、送受信用探触子1で受信される反射波のエコーは、0.5MHz以上の高周波数領域では、図7に示したような複雑な周波数特性を示す。この特性は、板厚、周波数、および空隙13の深さdに依存するが、これらのパラメータの内、検査時に不明なものは空隙13の深さdだけである。
すなわち、検査を行う前に、あらかじめ図7の周波数特性を求めておけば、空隙13の深さdを求めることができる。例えば、キャリア周波数fを変化させて反射波を送受信用探触子1で受信し、反射波のエコー高さの周波数特性を求め、極大値を示す周波数が0.6MHzの場合には、d=2mmと計測結果を出力し、極大値を示す周波数が0.8MHzの場合には、d=4mmと計測結果を出力するようにする。
また、0.5MHz以下の低周波数領域で、通常の超音波探傷と同様に、反射波のエコー高さに応じてdを求めるという計測方法もある。しかし、エコー高さは、送受信用探触子1と試験体11との接触状態に大きく依存するので、接触状態を厳しく管理しなければならないという難点がある。
これに対し、0.5MHz以上の高周波数領域において、反射波の周波数特性からdを計測するという方法は、送受信用探触子1と試験体11との接触状態にあまり依存しない。すなわち、送受信用探触子1と試験体11との接触状態に応じて、観測される反射波電気信号の振幅の大きさは異なるものの、周波数特性が示す特徴としては、大きな差異が無く計測でき、例えば、極大値を示す周波数は、接触状態に依存せずに同一の値を抽出できる傾向にある。したがって、本発明の超音波探傷装置においては、送受信用探触子1と試験体11との接触状態を厳しく管理する必要はない。
上述では、反射波のエコー高さの周波数特性について説明してきたが、次に、透過波のエコー高さの周波数特性について説明する。図9は、本発明の実施の形態1における透過波のエコー高さの周波数特性を示す図であり、図7と同様のシミュレーションによって得られた透過波のエコー高さの周波数特性である。
図に示すように、dの値によって振幅の変化は多少見られるものの、図7に示した反射波の周波数特性のようにdの値による差異は見られない。すなわち、透過波のエコー高さの周波数特性を用いて空隙13の深さdを計測することは困難である。
しかし、透過波を全く無視して、反射波のエコー高さの周波数特性だけでdの値を計測することも困難である。その理由を以下に説明する。
反射波のエコー高さの周波数特性だけでdの値を計測すると、反射波のエコーが受信されていない場合には空隙13がないものとして「d=0mm」と判定する。しかし、送受信用探触子1と試験体11との接触状態が極端に悪い場合、あるいは送受信用探触子1が故障した場合でも、反射波のエコーは受信されない。すなわち、空隙13がない場合だけでなく、装置が正常に動作していない場合でも、反射波のエコーは受信されない。したがって、装置が正常に動作しているかどうかをチェックする機能が必要となる。このチェックに、透過波のエコーを用いることができる。
透過波のエコーは、送受信用探触子1と試験体11との接触状態が極端に悪い場合や、送受信用探触子1が故障した場合には、当然受信されない。しかし、装置が正常に動作している場合には、空隙13の有無や深さに係わらず、受信される。したがって、透過波のエコーが受信されている場合には「正常」、受信されていない場合には「異常」というチェック機能の判断材料として、透過波のエコーを用いる。
もしも、受信用探触子2により受信された透過波から送受信用探触子1が「異常」であると判断された場合は、オペレータは、送受信用探触子1だけ単体の動作確認を行うか、あるいは送受信用探触子1と試験体11との接触状態のチェックなどを行い、装置のセットアップをやり直すこととなる。
以上、空隙13の深さdの計測方法について述べたが、これはそのまま腐食の深さの計測方法であり、フローチャートを用いて一連の処理を説明する。図10は、本発明の実施の形態1における超音波探傷装置の腐食量の求め方を説明するためのフローチャートである。なお、計測開始の前に、送受信制御装置3は、空隙13の深さが既知である試験体11の反射波の周波数特性をあらかじめ求め、特徴周波数に対応する試験体11の空隙13の深さを空隙データとして記憶部35にあらかじめ記憶しておく。この特徴周波数とは、反射波電気信号のエコー高さの周波数特性の特異点を示す周波数のことであり、例えば、極大値を示す周波数とすることができる。
ステップS1001において、送受信制御装置3内の任意波形発生部31は、探傷を開始するキャリア周波数を設定する。この時の周波数は、所要の周波数範囲内であればよく、所要の周波数の下限や上限である必要はない。
次に、ステップS1002において、任意波形発生部31は、設定したキャリア周波数に基づいて変調バースト信号を作成し、送信部32に送信する。
次に、ステップS1003において、送信部32は、任意波形発生部31から受信した変調バースト信号を増幅して出力し、送受信用探触子1を励振する。送受信用探触子1の入射角は、板波が効率よく励振されるような角度に設定する。その結果、試験体11中へは、板波が伝搬していく。
次に、ステップS1004において、送受信用探触子1および受信用探触子2で、伝搬する板波の反射波および透過波をエコーとして受信する。ここで、受信用探触子2の入射角は、送受信用探触子1の入射角と同じでも構わないし、異なっていても構わない。ただし、試験体11中を伝搬してきた板波を効率よく受信できるような入射角に設定する。
次に、ステップS1005において、受信部33は、送受信用探触子1および受信用探触子2で受信されたエコーを増幅し、信号処理部34に送る。
次に、ステップS1006において、信号処理部34は、増幅後の反射波のエコーおよび透過波のエコーをA/D変換し、ディジタル信号に変換後のデータを、先のステップS1002で作成した変調バースト信号に対応するキャリア周波数と関連づけて周波数特性データとして記憶部35に記憶させる。
次に、ステップS1007において、信号処理部34は、あらかじめ定めておいた複数のキャリア周波数全てを用いて探傷し、複数のキャリア周波数に対する周波数特性データを収集完了したか否かを判断する。周波数特性データの収集が完了していないと判断した場合には、ステップS1008へ進む。一方、周波数特性データの収集が完了したと判断した場合には、ステップS1009へ進む。
なお、あらかじめ定めておいた複数のキャリア周波数とは、送受信用探触子1および受信用探触子2の周波数特性に基づいて決めるものである。例えば、f=0.2MHz、0.3MHz、0.4MHz、・・・0.8MHz、0.9MHz、1.0MHzのように決める。キャリア周波数の決め方は、場合によって様々であるが、変化をさせる範囲およびその周波数間隔は、図7に示したように、空隙13の深さによって周波数特性の差異が明らかに表れるように選択する。
周波数特性データの収集が完了していない場合には、ステップS1008において、任意波形発生部31は、先に設定したキャリア周波数以外の新たなキャリア周波数を設定する。その後、ステップS1002〜S1007の処理を繰り返し行うことにより、新たなキャリア周波数に対する周波数特性データを求め、記憶部35に蓄えることとなる。
このような処理を繰り返すことにより、あらかじめ定めておいた複数のキャリア周波数に対する一通りの周波数特性データがそろった場合には、信号処理部34によるステップS1009以降の処理に移行する。まず、ステップS1009において、信号処理部34は、キャリア周波数およびエコーを関連づけた周波数特性データを記憶部35から読み出す。
次に、ステップS1010において、信号処理部34は、読み出した周波数特性データに基づいて、受信用探触子2で透過波のエコーが受信されているか否かを判定する。具体的には、信号処理部34は、透過波のエコー高さが所定の閾値を超えているかどうかを判定し、閾値を超えていない場合には、異常状態であることをオペレータに対して知らせる。その後、ステップS1013において、オペレータは、装置のセットアップをやり直すこととなる。
一方、閾値を超えている場合には、信号処理部34は、装置が正常に動作しているものとしてステップS1011以降の処理を行う。ステップS1011において、信号処理部34は、読み出した周波数特性データに基づいて、キャリア周波数に対する送受信用探触子1で得られた反射波のエコーの高さの周波数特性から特徴周波数を求める。
図10のフローチャートにおいては、特徴周波数として極大値を示す周波数を求めることとする。すなわち、各キャリア周波数に対する反射波のエコー高さから、エコー高さが極大値を示すキャリア周波数を特定することにより、特徴周波数を求める。
そして、最終的に、ステップS1012において、信号処理部34は、反射波のエコーの周波数特性データから特定された極大値を示す周波数に対応して、あらかじめ空隙データとして記憶部35に記憶されている極大値を示す周波数(特徴周波数)に対応する空隙の深さから、空隙の深さを特定し、特定した空隙の深さを腐食の深さとして腐食量を推定する。
以上が、本発明の実施の形態1の超音波探傷装置による腐食の深さの推定を行う一連の処理であるが、ここで説明を補足する。まず、ステップS1002で作成する変調バースト信号であるが、どの程度振幅変調をかける必要があるのかは、場合によって異なるので、適宜決める必要がある。場合によっては、振幅変調をかけない信号を用いても構わない。
振幅変調をかけることにより、キャリア周波数fの周波数成分の特性をより正確に得ることができる。これに対して、振幅変調をかけない場合には、振幅変調をかけた場合と比較すると、キャリア周波数f以外の他の周波数成分の影響が特性として表れやすくはなるものの、発生させる信号を単純化できるメリットがある。
次に、ステップS1008のキャリア周波数の変え方であるが、所要周波数の範囲であれば一様増加や一様減少に変える必要はない。キャリア周波数をランダムに変化させても構わない。勿論、一様増加や一様減少に変化させてもよい。また、周波数間隔も等間隔であっても等間隔でなくても構わない。結果的に、空隙13の深さによって周波数特性の差異が明らかに表れるようにあらかじめ定められるキャリア周波数を選択することとなる。
さらに、送受信用探触子1および受信用探触子2の周波数特性であるが、これらは、空隙の深さ(すなわち、腐食量)による周波数特性の差異が明確になる程度の広帯域であることが望ましい。また、これらの探触子の周波数特性を補正してエコー高さの周波数特性を求め、この周波数特性から腐食量を求めても構わない。
また、図1あるいは図3において、送受信用探触子1を図の左側に、受信用探触子2を図の右側に設置した場合について説明した。しかしながら、図の右側付近の腐食量を計測したい場合には、2つの探触子の設置位置を交換しても構わない。送受信用探触子1で受信される反射波のエコーを用いて計測するので、腐食の位置が送受信用探触子1に近いほど、SN比の高い信号が得られる。
また、コンクリート等の固体で覆われた部分の腐食の発生位置が不明である場合には、2つの探触子の設置位置を左右で交換した2通りの周波数特性データを取得して、腐食の深さを推定することもできる。あるいは、受信用探触子2に送受信用探触子1と同じような送受信機能を持たせ、送信部32から切り換え操作を行うことによっても、2通りの周波数特性データを取得することができる。
さらに、ここでは特徴周波数として周波数特性の極大値を用いて腐食の深さを推定する方法について説明したが、周波数特性の特徴を用いた計測であれば、特徴周波数は極大値にこだわる必要はない。例えば、エコー高さの周波数特性を計算した結果、極小値を用いて腐食量が推定できるのであれば、極小値を特徴周波数として用いることもできる。あるいは、極大値と極小値との組み合わせから腐食量を推定することも可能である。
最後に、送受信用探触子1および受信用探触子2の入射角について説明する。これらの探触子の入射角は、板波を効率よく送信および受信できるように設定する必要があるが、これは、試験体11の厚さや周波数によって異なる。試験体11の厚さや、送受信用探触子1および受信用探触子2が動作する周波数帯が変わると、これらに応じて適宜変える必要がある。
実施の形態1によれば、キャリア周波数を変えた変調バースト信号を用いて探傷を行い、キャリア周波数に対する反射波のエコー高さの周波数特性から腐食の深さを推定することができる。さらに、エコー高さの周波数特性から特定される特徴周波数は、探触子と試験体との接触状況に依存しない。これにより、探触子と試験体との接触状況を厳しく管理せずに腐食量の推定を行うことができ、試験体の周囲がコンクリート等の固体で固められた状態においても、試験体とコンクリート等の固体との境界部分の腐食量を推定することができる。
実施の形態2.
実施の形態1では、任意波形発生部31において変調バースト信号を発生し、この変調バースト信号のキャリア周波数を変えて探傷し、特徴周波数に対応する空隙の深さを示す空隙データから空隙13の深さを推定した。この場合には、キャリア周波数を変えて探傷することにより周波数特性データを取得するので、腐食量の推定に時間がかかる。
そこで、本実施の形態2では、1つの励振信号の中に広い周波数帯域を持つ信号を用いて腐食量の推定を行う場合について説明する。なお、装置の構成は、図1と同じであるので省略し、動作について以下に説明する。
本実施の形態2における超音波探傷装置は、広い周波数帯域を持った信号で送受信用探触子1を励振し、送受信用探触子1で受信された反射波のエコーの周波数スペクトラムを信号処理部34で算出する。このようにして、広い周波数帯域を持った1つの励振信号に基づく周波数スペクトラムから空隙13の深さを推定すれば、変調バースト信号のキャリア周波数を変えて探傷を行う方法よりも、短時間で腐食量の結果が得られる。
図11は、本発明の実施の形態2における任意波形発生部31で発生される信号波形の説明図である。広い周波数帯域を持つ信号とは、図11に示すようなスパイク状の信号である。本実施の形態2では、変調バースト信号のキャリア周波数を変えて探傷する代わりに、図11に示すような広い周波数帯域を持つスパイク状の信号で送受信用探触子1を励振することで、空隙13の深さを求めるものである。
図12は、本発明の実施の形態2における超音波探傷装置の腐食量の求め方を説明するためのフローチャートである。なお、実施の形態1と同様に、計測開始の前に、送受信制御装置3は、空隙13の深さが既知である試験体11の反射波の周波数スペクトラムをあらかじめ求め、特徴周波数に対応する試験体11の空隙13の深さを空隙データとして記憶部35にあらかじめ記憶しておく。この特徴周波数とは、反射波の周波数スペクトラムの特異点を示す周波数のことであり、例えば、極大値を示す周波数とすることができる。
ステップS1201において、任意波形発生部31は、スパイク状の信号を発生させ、送信部32に送信する。スパイク状の信号とは、図11に示したような振幅が負の信号荷は限定されず、振幅が正であるような信号も含む。また、インパルス状の信号も、スパイク状の信号に含まれる。
次に、ステップS1202において、送信部32は、任意波形発生部31で発生したスパイク状の信号を増幅し、送受信用探触子1を励振する。送受信用探触子1の入射角は、板波が効率よく励振されるような角度に設定する。その結果、試験体11中へは、板波が伝搬していく。
次に、ステップS1203において、送受信用探触子1および受信用探触子2で、伝搬する板波の反射波および透過波をエコーとして受信する。ここで、受信用探触子2の入射角は、送受信用探触子1の入射角と同じでも構わないし、異なっていても構わない。ただし、試験体11中を伝搬してきた板波を効率よく受信できるような入射角に設定する。
次に、ステップS1204において、受信部33は、送受信用探触子1および受信用探触子2で受信されたエコーを増幅し、信号処理部34に送る。
次に、ステップS1205において、信号処理部34は、増幅後の反射波のエコーおよび透過波のエコーを直接A/D変換し、ディジタル信号に変換後の受信エコー信号のデータを、記憶部35に記憶させる。
次に、ステップS1206において、信号処理部34は、記憶部35に記憶されている受信エコー信号を読み出す。
次に、ステップS1207において、信号処理部34は、読み出した受信エコー信号に基づいて、受信用探触子2で透過波のエコーが受信されているか否かを判定する。具体的には、信号処理部34は、エコーの高さが所定の閾値を超えているかどうかを判定し、閾値を超えていない場合には、異常状態であることをオペレータに対して知らせる。その後、ステップS1210において、オペレータは、装置のセットアップをやり直すこととなる。
一方、閾値を超えている場合には、信号処理部34は、装置が正常に動作しているものとしてステップS1208以降の処理を行う。ステップS1208において、信号処理部34は、読み出した反射波の受信エコー信号に対して周波数解析を行うことにより、送受信用探触子1で得られたエコーの周波数スペクトラムを求める。さらに、信号処理部34は、周波数スペクトラムが極大値を示す周波数を特徴周波数として求める。
ここで、周波数スペクトラムを求める方法としては、高速フーリエ変換があるが、高速フーリエ変換を用いなくても、他の方法で求めることができるのであれば、他の方法を用いても構わない。また、高速フーリエ変換の場合、受信エコー信号に種々の窓関数(例えば、矩形、ハミング、ハニング、カイザー、など)を掛けることがしばしば行われるが、どのような窓関数を用いるかは、送受信用探触子1の周波数特性等によって適宜決める。
そして、最終的に、ステップS1209において、信号処理部34は、反射波のエコーの周波数スペクトラムから特定された極大値を示す周波数に対応して、あらかじめ空隙データとして記憶部35に記憶されている極大値を示す周波数(特徴周波数)に対応する空隙の深さから、空隙の深さを特定し、特定した空隙の深さを腐食の深さとして腐食量を推定する。
以上が、本発明の実施の形態2の超音波探傷装置による腐食の深さの推定を行う一連の処理であるが、ここで説明を補足する。実施の形態2では、スパイク状の信号を任意波形発生部31で発生させるが、これは広い周波数帯域の信号を送受信用探触子1で励振し、広い周波数帯域の信号を送受信用探触子1および受信用探触子2で受信する必要があるためである。すなわち、試験体11へ伝搬していく超音波の周波数スペクトラムが広帯域であればスパイク状の信号のこだわる必要はない。例えば、階段状の信号でも構わない。
さらに、本実施の形態2における周波数スペクトラムの特徴周波数は、実施の形態1で説明した反射波の周波数特性における特徴周波数と同様に、送受信用探触子1と試験体11との接触状態にあまり依存せずに求めることができる。
さらに、送受信用探触子1および受信用探触子2の周波数特性であるが、これらは、実施の形態1と同様に腐食量による周波数スペクトラムの差異が明確になる程度の広帯域であることが望ましい。また、これらの探触子の周波数特性を補正してエコーの周波数スペクトラムを求め、この周波数スペクトラムから腐食量を求めても構わない。
また、実施の形態1と同様に、図の右側付近の腐食量を計測したい場合には、2つの探触子の設置位置を交換しても構わない。送受信用探触子1で受信される反射波のエコーを用いて計測するので、腐食の位置が送受信用探触子1に近いほど、SN比の高い信号が得られる。
また、コンクリート等の固体で覆われた部分の腐食の発生位置が不明である場合には、2つの探触子の設置位置を左右で交換した2通りの周波数スペクトラムのデータを取得して、腐食の深さを推定することもできる。あるいは、受信用探触子2に送受信用探触子1と同じような送受信機能を持たせ、送信部32から切り換え操作を行うことによっても、2通りの周波数スペクトラムのデータを取得することができる。
さらに、ここでは特徴周波数として周波数スペクトラムの極大値を用いて腐食の深さを計測する方法について説明したが、周波数スペクトラムの特徴を用いた計測であれば、特徴周波数は極大値にこだわる必要はない。例えば、エコーの周波数スペクトラムを計算した結果、極小値を用いて腐食量が計測できるのであれば、極小値を特徴周波数として用いることもできる。あるいは、極大値と極小値との組み合わせから腐食量を推定することも可能である。
最後に、送受信用探触子1および受信用探触子2の入射角について説明する。これらの探触子の入射角は、実施の形態1と同様に、板波を効率よく送信および受信できるように設定する必要があるが、これは、試験体11の厚さや周波数によって異なる。試験体11の厚さや、送受信用探触子1および受信用探触子2が動作する周波数帯が変わると、これらに応じて適宜変える必要がある。
実施の形態2によれば、広い周波数帯域を持つ信号を用いて探傷を行い、周波数スペクトラムの特性から腐食の深さを推定することができる。さらに、周波数スペクトラムの特性から特定される特徴周波数は、探触子と試験体との接触状況に依存しない。これにより、探触子と試験体との接触状況を厳しく管理せずに腐食量の推定を行うことができ、試験体の周囲がコンクリート等の固体で固められた状態においても、試験体とコンクリート等の固体との境界部分の腐食量を推定することができる。
さらに、キャリア周波数を変えた複数の変調バースト信号を用いずに、広い周波数帯域を持つ1種類の励振信号を用いて腐食量の推定を行うことができるため、腐食量の推定にかかる時間を短縮することができる。
本発明の実施の形態1における超音波探傷装置の構成図である。 本発明の実施の形態1における任意波形発生部で発生される信号波形の説明図である。 本発明の実施の形態1における探傷に関するシミュレーション条件を示す図である。 本発明の実施の形態1におけるキャリア周波数f=0.6MHzの変調バースト信号を仮定し、空隙の深さdを2mmとした場合の音場シミュレーション結果である。 本発明の実施の形態1におけるシミュレーションで得られた反射波のエコーおよび透過波のエコーを示す図である。 本発明の実施の形態1における板波の反射波および透過波の伝搬経路を示す図である。 本発明の実施の形態1における反射波のエコー高さの周波数特性を示す図である。 本発明の実施の形態1におけるキャリア周波数f=0.8MHzの変調バースト信号を仮定し、空隙の深さdを4mmとした場合の音場シミュレーション結果である。 本発明の実施の形態1における透過波のエコー高さの周波数特性を示す図である。 本発明の実施の形態1における超音波探傷装置の腐食量の求め方を説明するためのフローチャートである。 本発明の実施の形態2における任意波形発生部で発生される信号波形の説明図である。 本発明の実施の形態2における超音波探傷装置の腐食量の求め方を説明するためのフローチャートである。
符号の説明
1 送受信用探触子、2 受信用探触子、3 送受信制御装置、11 試験体、12 固体、31 任意波形発生部、32 送信部、33 受信部、34 信号処理部、35 記憶部。

Claims (7)

  1. 励振信号に基づいて生成した超音波を試験体中に送信し、前記試験体中を伝搬した超音波の反射波を受信して反射波電気信号を出力する送受信用探触子と、
    反射波電気信号のエコー高さの周波数特性の特異点を示す特徴周波数に対応する試験体の空隙の深さを空隙データとしてあらかじめ記憶する記憶部を有し、前記励振信号を生成して前記送受信用探触子に出力し、前記送受信用探触子からの前記反射波電気信号に基づいて、前記反射波電気信号のエコー高さの周波数特性を求め、前記周波数特性から特異点を示す特徴周波数を特定し、特定した前記特徴周波数に対応する空隙の深さを前記記憶部に記憶された前記空隙データに基づいて求めることにより前記試験体と前記試験体に接触している固体との境界面における腐食の深さを推定する送受信制御装置と
    を備えた超音波探傷装置であって、
    前記試験体中を伝搬した前記超音波の透過波を受信して透過波電気信号を出力する受信用探触子をさらに備え、
    前記送受信制御装置は、前記受信用探触子からの前記透過波電気信号のエコー高さが所定の閾値以下である場合には、前記送受信用探触子から試験体に送信した超音波に異常があると判断する
    ことを特徴とする超音波探傷装置。
  2. 請求項に記載の超音波探傷装置において、
    前記送受信制御装置は、
    キャリア周波数の異なる複数のバースト信号を前記励振信号として発生させる任意波形発生部と、
    キャリア周波数の異なる前記励振信号を前記送受信用探触子に順次出力する送信部と、
    前記送受信用探触子からの前記反射波電気信号を増幅する受信部と、
    増幅された前記反射波電気信号のエコー高さを前記キャリア周波数と対応づけて周波数特性として前記記憶部に記憶させ、前記周波数特性から特異点を示す特徴周波数を特定し、特定した前記特徴周波数に対応する空隙の深さを前記記憶部に記憶された前記空隙データに基づいて求める信号処理部と
    を備えたことを特徴とする超音波探傷装置。
  3. 請求項に記載の超音波探傷装置において、
    前記信号処理部は、前記周波数特性においてエコー高さが極大値を示す周波数を特異点を示す特徴周波数として特定することにより腐食の深さを推定することを特徴とする超音波探傷装置。
  4. 請求項に記載の超音波探傷装置において、
    前記信号処理部は、前記周波数特性においてエコー高さが極小値を示す周波数を特異点を示す特徴周波数として特定することにより腐食の深さを推定することを特徴とする超音波探傷装置。
  5. 請求項に記載の超音波探傷装置において、
    前記送受信制御装置は、
    広い周波数帯域を有する信号を前記励振信号として発生させる任意波形発生部と、
    前記励振信号を前記送受信用探触子に出力する送信部と、
    前記送受信用探触子からの前記反射波電気信号を増幅する受信部と、
    増幅された前記反射波電気信号の周波数スペクトラムを計算し、前記周波数スペクトラムから特異点を示す特徴周波数を特定し、特定した前記特徴周波数に対応する空隙の深さを前記記憶部に記憶された前記空隙データに基づいて求める信号処理部と
    を備えたことを特徴とする超音波探傷装置。
  6. 請求項に記載の超音波探傷装置において、
    前記信号処理部は、前記周波数スペクトラムが極大値を示す周波数を特異点を示す特徴周波数として特定することにより腐食の深さを推定することを特徴とする超音波探傷装置。
  7. 請求項に記載の超音波探傷装置において、
    前記信号処理部は、前記周波数スペクトラムが極小値を示す周波数を特異点を示す特徴周波数として特定することにより腐食の深さを推定することを特徴とする超音波探傷装置。
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