JP4405821B2 - 超音波信号検出方法及び装置 - Google Patents

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Description

本発明は、超音波信号検出方法及び装置に係り、特に、非破壊検査法の一種である超音波探傷法に用いるのに好適な、粗大な内部構造を有するコンクリート、レンガ、金属、樹脂等からなる検査対象物(被検体とも称する)中に存在し得る内部きずをSN比を高く検出するため、あるいは板厚を高精度に測定するための信号処理に関する。
構造物の損傷を初期の段階で非破壊検出することや構造物の肉厚を非破壊測定することは、構造物の保守、メンテナンスにおいて非常に重要な課題である。又、様々な製品の内部きずを非破壊で検出することや製品の肉厚を非破壊測定することは、製造業にとって非常に重要な技術課題である。ここで、構造物や製品の材質として、コンクリート、レンガ、金属、樹脂等が挙げられる。
構造物のメンテナンスへの非破壊検査適用の目的は、構造物を構成する部材の疲労、損傷、及び腐蝕等による減肉が原因となって発生する破壊を未然に防止して、安全を確保することにある。又、疲労、損傷、及び減肉を初期の軽度な段階で検出して、適当な対策を施し、構造物の寿命を延長することも、この目的に含まれる。
製品の非破壊検査の目的は、製品の内部品質を詳細にチェックして、有害な内部きずを有する製品や、肉厚が不足して規定を満たさない製品の需要家への納入を防止すること、積極的には、内部きずの発生状況や製品の肉厚変化を詳しく解析することにより製造技術の問題点を明らかにし、内部きずや肉厚不足が発生しない製造技術を確立することにある。
このような非破壊検査法と広く総称して呼ばれる検査法の中でも、構造物や製品内部の検査には超音波探傷法が適している。構造物の非破壊検査における検出対象は、疲労による割れ、損傷によるミクロレベルの材質変化などである。製品の非破壊検査における検出対象は、異物質の含有、ボイド、内部割れ等である。これらの内部あるいは内部に達するきずの検出を行なうことを探傷と称している。
超音波探傷法で利用される超音波は、縦波と横波に大別される。縦波は、空気や水を伝わる音波と同様に物体や媒体を伝わる粗密振動(粗密波とも呼ばれる)である。被検体の表面に対し垂直に超音波を伝搬させて探傷を行なう場合(垂直探傷と称する)に用いられるのは、この縦波である場合が多い。一方、横波は、せん断歪みの伝搬であり、溶接部等の斜角探傷に用いられることが多い。
一般に超音波の被検体への送信は、圧電振動子に電気パルスを印加して高周波のパルス振動を発生させ、この振動を適当な接触媒質(水や油等)を介して被検体に導くことにより行なわれる。超音波の受信は、送信と逆の過程で行なわれ、圧電振動子が受けた振動によって生起される電圧あるいは電流を適当な電気機器で観測する。
圧電振動子を内蔵し、受けた電気パルスにより超音波を発振するセンサを超音波送信子、圧電振動子を内蔵し、受けた振動を電気信号に変換するセンサを超音波受信子と称するが、構造に特別な違いはなく、圧電振動子を内蔵したセンサは、超音波の送信にも受信にも使えるのが一般的である。又、前記センサは超音波の送信及び受信を兼用する場合が多く、このとき、このセンサは超音波送受信子と称される。又、超音波送信子、超音波受信子、超音波送受信子という名称は、センサの機能から付けられた名称であるが、探査を行なう道具という意味で超音波プローブや超音波探触子の名称も多く用いられる。
圧電振動子による超音波送受信子を用いた超音波探傷法は、油等を介して超音波送受信子を被検体にあてがい超音波の送受信を行なう直接接触法と、水等の媒体を介在させて被検体に超音波を送受信する液浸法(媒体が水の場合は水浸法)とに大別される。
従来技術として図11に示した直接接触法を例にとり、超音波探傷の原理を以下に簡単に説明する。図11は直接接触法の一般的な構成を示している。検査する被検体210に超音波プローブ211をあてがい、油等の接触媒質を介して被検体210に超音波を送信し、該被検体210の表面及び内部からの反射波(エコー)を、接触媒質を介して超音波プローブ211により受信してきずの検出を行なう。この場合、超音波プローブ211は超音波の送信及び受信を兼用している。超音波送受信子が発した超音波を被検体に当てると、その表面で超音波は反射して再度接触媒質を通り超音波送受信子へ戻る(以下、この被検体表面からの反射波を、表面エコーと称する)。一方、これと同時に、超音波が入射した被検体表面に超音波振動が起こり、その振動が被検体内に伝搬する。被検体内に何もきずが無ければ、伝搬した超音波振動は、その被検体の反対側の表面(例えば板の表面に超音波を当てたのであれば板の裏面。以下、板以外の形状のものも総称するため、底面と称する)まで伝わった後、該底面で反射して被検体内を逆向きに伝搬し、被検体の表面に向かって戻り、再度接触媒質を通り超音波送受信子へ戻る(以下、この反射波を、底面エコーと称する)。
被検体内に何らかのきずが有った場合は、被検体に入射した超音波は該きずで反射し、被検体の表面に向けて戻り、接触媒質を通り抜けて超音波送受信子へ戻る(以下、きずエコーと称する)。きずエコーが超音波送受信子へ戻るタイミングは、伝搬路程の長さ(以下、ビーム路程と称する)の差に応じて底面エコーよりも早くなる。このきずエコーを検出することが超音波探傷の基本原理である。
以下、従来の超音波探傷方法の問題点を説明する。
(1)高減衰材の探傷において、減衰によって微弱となったエコー信号を検出するために信号増幅のゲインを上げると、白色雑音によってSN比が低下する。
(2)粗い内部組織によって超音波の散乱が大きい場合、高い振幅の林状エコーが受信され、表示器上に表示されるので、底面エコーやきずエコー等の検出すべきエコーのSN比が低下する。
これらの問題に対する従来技術は下記のものがある。
(1)パルス圧縮(特許文献1)
(2)ウェーブレット変換(特許文献2)
特開平08−233788号公報 特開2001−165912号公報
しかしながら、これらの従来技術には、以下の(1)〜(2)のような問題点がある。
(1)特許文献1に記載されたパルス圧縮法は、送信信号をチャープ波やM系列符号波とし、受信信号と送信信号との相関を取ることによってエコー信号を検出する。従って、送信回路として従来のスパイクパルス送信回路よりも複雑な回路が必要となり、装置のコストが高くなっていた。又、送信回路がチャープ波やM系列符号波を発生させるため大型化するので、可搬型の装置を構成し難い問題もあった。
(2)特許文献2に記載のウェーブレット変換法は、簡単に言えば、時系列信号である入力信号を、周波数毎に時系列信号に変換する処理である。しかし、どの周波数がエコー信号のSN比改善に有効か判別するため、例えばニューラルネット等の別の判別手段が必要であり、信号処理が複雑になる問題があった。又、信号処理に時間がかかり、リアルタイム計測に向かない問題もあった。
本発明は、上記の事情に鑑みなされたものであって、比較的簡単な構成の装置で、白色雑音や林状エコーによるノイズの振幅を抑圧し、リアルタイムでSN比の高い信号が得られるようにすることを目的とする。
本発明は、マッチドフィルタを用いた超音波信号検出方法において、検査対象物とほぼ同等の音響インピーダンスを有し、且つ超音波減衰率が検査対象物とほぼ同等若しくは同等以下の固体媒体において底面エコー信号波形やきずエコー信号波形を測定し、これらの信号波形に対して、検査対象物と該固体媒体における超音波減衰率の周波数特性や超音波伝搬路長による差異を補正して得た底面エコー信号波形やきずエコー信号波形をマッチドフィルタの参照信号とし、且つ白色雑音波形及び/又は林状エコー信号波形をマッチドフィルタの雑音信号とし、これらの参照信号と雑音信号に基づいてマッチドフィルタの係数信号を設定することにより、上記課題を解決したものである。
本発明は、又、マッチドフィルタを用いた超音波信号検出方法において、超音波探触子感度のインパルス応答を予め測定し、且つ底面やきずの応答関数を予め算定し、且つ検査対象物の超音波減衰率の周波数特性を予め測定し、該超音波探触子の駆動信号波形、及び該超音波探触子感度のインパルス応答波形、及び該底面やきずの応答関数波形のコンボリューションを行ない、これによって得られた波形に該超音波減衰率の周波数特性の補正を行なって得た底面エコー信号波形やきずエコー信号波形をマッチドフィルタの参照信号とし、且つ白色雑音波形や林状エコー信号波形をマッチドフィルタの雑音信号とし、これらの参照信号と雑音信号に基づいてマッチドフィルタの係数信号を設定することにより、上記課題を解決したものである。
本発明は、又、マッチドフィルタを用いた超音波信号検出装置において、検査対象物とほぼ同等の音響インピーダンスを有し、且つ超音波減衰率が検査対象物とほぼ同等若しくは同等以下の固体媒体において底面エコー信号波形やきずエコー信号波形を測定し、これらの信号波形に対して、検査対象物と該固体媒体における超音波減衰率の周波数特性や超音波伝搬路長による差異を補正して得られた底面エコー信号波形やきずエコー信号波形がマッチドフィルタの参照信号とされ、且つ白色雑音波形及び/又は林状エコー信号波形がマッチドフィルタの雑音信号とされ、これらの参照信号と雑音信号に基づいてマッチドフィルタの係数信号が設定されていることを特徴とする超音波信号検出装置により、前記課題を解決したものである。
本発明は、又、マッチドフィルタを用いた超音波信号検出装置において、超音波探触子感度のインパルス応答を予め測定し、且つ底面やきずの応答関数を予め算定し、且つ検査対象物の超音波減衰率の周波数特性を予め測定し、該超音波探触子の駆動信号波形、及び該超音波探触子感度のインパルス応答波形、及び該底面やきずの応答関数波形のコンボリューションを行ない、これによって得られた波形に該超音波減衰率の周波数特性の補正を行なって得られた底面エコー信号波形やきずエコー信号波形がマッチドフィルタの参照信号とされ、且つ白色雑音波形や林状エコー信号波形がマッチドフィルタの雑音信号とされ、これらの参照信号と雑音信号に基づいてマッチドフィルタの係数信号が設定されていることを特徴とする超音波信号検出装置により、前記課題を解決したものである。
又、前記参照信号とする底面エコー信号波形及び/又はきずエコー信号波形を、超音波探触子を定位置に固定するか、あるいは超音波探触子を移動させながら、複数回超音波の送受信を行ない、同期加算又は同期加算平均を行なって得るようにしたものである。
又、検査対象物の超音波減衰率の周波数特性を予め測定するに際し、該測定に用いるエコー信号波形を、超音波探触子を定位置に固定するか、あるいは超音波探触子を移動させながら、複数回超音波の送受信を行ない、同期加算又は同期加算平均を行なって得るようにしたものである。
又、きずの種類に対応して準備した、係数が異なる複数のマッチドフィルタの中から、最もSN比の高いマッチドフィルタを選択するようにしたものである。
又、選択されたマッチドフィルタにより、きずの種類を推定するようにしたものである。
本発明は、以上のように構成したので、比較的簡単な構成の装置で、白色雑音や林状エコーによるノイズの振幅を抑圧し、リアルタイムでSN比の高い信号が得られるようになり、粗大な内部構造を有するコンクリート、レンガ、金属、樹脂等からなる被検体中に存在し得る内部きずを超音波を用いて検出する非破壊検査や、被検体の肉厚を測定する非破壊測定において極めて有用である。
以下、図面を用いて本発明を詳細に説明する。
図1は、本発明による超音波信号検出方法の信号処理を示す流れ図であり、図2は、マッチドフィルタの構成を示す説明図である。
超音波測定システムに入力される信号は、本来取得したい信号f(t)に雑音信号n(t)が重畳されたものとして表わすことができる。超音波測定システムの出力のうち、本来取得したい信号による応答をy(t)、雑音信号による応答をy(t)とすると、任意の時刻Nにおける出力のSN比は、
Figure 0004405821
と表わすことができる。上記のSN比が最大となるように係数信号を決定する。
ここで入力信号をx(t)(x(t)=f(t)+n(t))と呼び換え、図2のとおり、前記信号x(t)が伝搬するディレイラインの各タップからの信号を、係数信号h(k)で重み付けする回路を通して足し合わせる。このとき、y(t)、y(t)は下記の式で表わされる。
Figure 0004405821
すると、雑音による応答成分の二乗平均は下記のとおりとなる。
Figure 0004405821
ここで、R(k)は雑音n(t)の自己相関関数であり、自己相関関数の求め方は、例えば電子情報通信学会「ディジタル信号処理」(コロナ社、東京、1975)に記載されており公知である。自己相関関数R(k)は、(5)式で表わされる。
Figure 0004405821
ここでσは標準偏差、
Figure 0004405821
は平均値で(6)式、(7)式で表わされる。
Figure 0004405821
SN比を最大にするには、t=N0における信号f(N0)の出力をy(N0)とすると、式(4)を最小にすればよい。そのため、評価関数として、
Figure 0004405821
を定義すると、最適な係数信号は、
Figure 0004405821
を満足する。従って、下記(10)式が得られ、雑音信号n(t)を設定し、更にf(t)として既知の参照信号を設定したうえで、この連立一次方程式をhについて解くことにより、最適な係数信号h(k)を決定できる。
Figure 0004405821
雑音信号、参照信号の設定方法は表1のとおりとすると良い。なお、表1及び以下では、検査対象物とほぼ同等の音響インピーダンスを有し、且つ超音波減衰率が検査対象物とほぼ同等若しくは同等以下の固体媒体のことを対比試験片と称する。
Figure 0004405821
白色雑音や林状エコー等の雑音信号は、図3に示す超音波測定システムの超音波受信器12から出力される受信信号をA/D変換器13にてA/D変換し、A/D変換後のディジタル化された受信信号を得た後、該信号から雑音が現われている部分を切り出して取得することができる。図3において、1は被検体、10は超音波探触子、11は超音波送信器である。
参照信号は表1に示すとおり、場合に応じて複数の信号を選択して用いる。
実試験体の底面エコー信号波形あるいはきずエコー信号波形を参照信号として用いる場合は、図3に示すように、雑音信号の場合と同様に超音波測定システムの超音波受信器12から出力される被検体1からの受信信号をA/D変換器13にてA/D変換し、A/D変換後のディジタル化された受信信号を得た後、該信号から底面エコーあるいはきずエコーが現われている部分を切り出して取得する。
ところで、実試験体の底面エコーやきずエコーは、該試験体での超音波の散乱あるいは吸収減衰が大きい場合には必ずしも十分なSN比で取得できるとは限らない。この場合には、超音波探触子10の位置を固定するか、あるいは、超音波探触子10を移動させながら、超音波探触子10から複数回にわたり超音波を送信してエコーを受信し、超音波受信器12から出力される被検体1からの受信信号を超音波送信に同期してA/D変換器13にてA/D変換した後、A/D変換後のディジタル化された受信信号を加算又は加算平均(同期加算、あるいは空間的平均)するとよい。
対比試験片の底面エコー信号波形あるいはきずエコー信号波形を参照信号として用いる場合は、図4に示すように超音波探触子10を適当な接触媒質を介して対比試験片2に当接させて超音波の送受信を行ない、超音波受信器12から出力される対比試験片2からの受信信号をA/D変換器13にてA/D変換し、A/D変換後のディジタル化された受信信号を得た後、該信号から対比試験片2の底面エコーあるいはきずエコーが現われている部分を切り出して取得する。
実試験体と対比試験片との間に超音波減衰率の周波数特性に違いがある場合や対比試験片の底面やきずまでの超音波伝搬路長と実試験体の底面やきずまでの超音波伝搬路長との間に違いがある場合には、その差を測定して、差に応じて参照信号を補正することが必要である。
超音波減衰率の周波数特性の補正は、具体的には以下のとおり行なうとよい。図4に示すとおり、対比試験片2に適当な接触媒質を介して超音波探触子10を当接させ、対比試験片2の底面エコー(第1回底面エコー)と第2回底面エコーとをディジタル化された信号として取得する。これらを用いて対比試験片2における超音波減衰率の周波数特性を求めることができる。次に被検体1に超音波探触子10を適当な接触媒質を介して当接させて同様の測定を行ない、被検体1における超音波減衰率の周波数特性を求めることができる。両者の差異が、被検体1と対比試験片2との超音波減衰率の周波数特性の違いを表わすので、これに応じて参照信号を補正する。
なお、被検体1における超音波減衰率が大きく第2回底面エコーの取得が困難な場合は、被検体1及び対比試験片2におけるそれぞれの底面エコー(第1回底面エコー)の振幅比に基づいて、対比試験片2の超音波減衰率の周波数特性から被検体1の超音波減衰率の周波数特性を推定してもよい。
システム応答からの予測信号を参照信号として用いる場合は、図5に示すフローチャートに従って参照信号を取得する。
ここで、ステップ100における超音波探触子感度のインパルス応答の測定は、従来公知の方法を使用することができる。又、ステップ110の底面又はきずの応答関数は、無限大平面、円形平面きず、球面きず等の周波数応答関数を用いて算定することができる。
ステップ120の超音波探触子の駆動信号波形は、例えば図6に示すように電流プローブ50によって超音波送信器11からの駆動電流波形を検出し、適当なプリアンプ51で増幅した後にA/D変換器13でA/D変換して取得することができる。
このようにして得られた超音波探触子感度のインパルス応答波形、底面又はきずの応答関数波形、超音波探触子の駆動信号波形のコンボリューションをステップ130で行なうことにより、超音波減衰を考慮しない底面又はきずのシステム応答予測信号波形を得ることができる。
次に、ステップ140で超音波減衰率の周波数特性を測定して、前記底面又はきずのシステム応答予測信号波形を補正することにより、ステップ150で参照信号を取得することができる。
なお、超音波減衰率の周波数特性にフーリエ逆変換を行って超音波減衰率の時間関数が算定できるとき、又は超音波減衰率の時間関数が直接取得できるときは、ステップ130におけるコンボリューションに超音波減衰率の時間関数を含めて行い、超音波減衰を考慮した底面又はきずのシステム応答予測信号波形を得ることもできる。
超音波減衰率の測定は、以下のとおり行なう。被検体1に適当な接触媒質を介して超音波探触子10を当接させ、被検体1の底面エコー(第1回底面エコー)と第2回底面エコーとをディジタル化された信号として取得する。これら信号を用いて超音波減衰率の周波数特性を求めることができる。被検体1における第2回底面エコーの取得が困難な場合は、上述したように被検体1及び対比試験片2におけるそれぞれの底面エコー(第1回底面エコー)の振幅比に基づいて、対比試験片2の超音波減衰率の周波数特性から被検体1の超音波減衰率の周波数特性を推定してもよい。更に底面エコー(第1回底面エコー)の取得も困難な場合は、複数の種類の超音波減衰率の周波数特性を仮定して、それぞれの超音波減衰率の周波数特性に対応した複数の参照信号を得て、被検体の測定においてSN比が最良となる参照信号を選択してもよい。
以下、図6を用いて、システム応答予測信号を参照信号として用いる場合の実施例を説明する。本実施例はマッチドフィルタの係数信号の設定段階(フェーズ1)とその後の係数信号が設定されたマッチドフィルタを含む超音波測定システムによる被検体の測定段階(フェーズ2)の2段階に分けて説明する。
〔フェーズ1〕:
超音波探触子感度のインパルス応答波形は既に測定され、超音波探触子感度のインパルス応答波形記憶部23に記憶されているものとする。又、底面又はきず応答関数波形も、被検体1の底面又はきずに応じて既に算定され、底面又はきず応答関数波形算定部22に記憶されているものとする。
セレクタ14は、A/D変換器13によってディジタル信号とされた信号を、信号に応じて適切な処理部あるいは記憶部に選択送付する機能を有している。
超音波送信器11からの一定周期の駆動信号(電気パルス)によって、超音波探触子10は被検体1に超音波を送信し、エコーを受信する。前記駆動信号は電流プローブ50によって検出され、プリアンプ51により適当なレベルに増幅された後、A/D変換器13に入力されてA/D変換されディジタル信号とされた後、セレクタ14に送られ、駆動波形記憶部21に記憶される。
超音波探触子10に受信されたエコー信号は、超音波受信器12により適切なレベルに増幅された後、A/D変換器13にてA/D変換され、ディジタル信号とされた受信信号は、セレクタ14に送られる。エコー信号のSN比が十分でない場合には、超音波探触子10の位置を固定するか、あるいは、超音波探触子10を移動させながら、超音波探触子10から複数回にわたり超音波を送信してエコーを受信し、超音波受信器12から出力される被検体1からの受信信号を、超音波送信に同期してA/D変換器13にてA/D変換し、ディジタル化された受信信号を加算又は加算平均する。この場合も加算又は加算平均された受信信号は、セレクタ14に送られる。
a.雑音信号波形の取得
セレクタ14からの信号はゲート演算部15に送られ、白色雑音又は林状エコーが現われている部分が所定データ数切り出され、雑音信号記憶部27に記憶される。
b.超音波減衰率の周波数特性の測定
セレクタ14からの信号は超音波減衰率測定部20に送られ、被検体1の底面エコー(第1回底面エコー)と第2回底面エコーとが抽出された後、これらを用いて被検体1における超音波減衰率の周波数特性が求められ、記憶される。
c.参照信号の作成
駆動波形記憶部21に記憶された駆動波形、底面又はきず応答関数波形算定部22に記憶された底面又はきず応答関数波形、及び超音波探触子感度のインパルス応答波形記憶部23に記憶された超音波探触子感度のインパルス応答波形は、演算部24においてコンボリューションされて、超音波減衰が無い場合の底面又はきずの波形が生成される。該信号は、次に、超音波減衰率測定部20に記憶された超音波減衰率の周波数特性に基づいて、減衰補正部25において超音波減衰率の補正を施された後、参照信号記憶部26に記憶される。
d.マッチドフィルタの係数信号の決定
参照信号記憶部26に記憶された参照信号、及び雑音信号記憶部27に記憶された雑音信号を用いて、係数信号決定部28において(10)式に基づき、マッチドフィルタ16の係数信号が決定され、該係数信号はマッチドフィルタ16に供給されて、マッチドフィルタの設定が完了する。
〔フェーズ2〕:
セレクタ14は、A/D変換器13からのディジタル化された超音波受信信号データをマッチドフィルタ16へ向けるように調整されている。
超音波送信器11からの一定周期の駆動信号(電気パルス)によって、超音波探触子10は被検体1に超音波を送信し、エコーを受信する。超音波探触子10に受信されたエコー信号は、超音波受信器12により適切なレベルに増幅された後、A/D変換器13にてA/D変換され、ディジタル信号とされた受信信号は、セレクタ14を仲介してマッチドフィルタ16に送られ、受信信号に含まれている白色雑音や林状エコーの振幅が低減されて出力される。
図7は、被検体として厚さ0.25mのコンクリートモルタルに周波数0.2MHz、周波数帯域幅100%の超音波探触子を接触媒質を介してあてがい、底面エコーの観察を行なった結果である。Tは送信パルスや被検体の表面反射波及びその残響が重なったものである。B1は第1回底面エコー、B2は第2回底面エコーである。
第1回底面エコーB1は、かなり高いSN比を有しているが、第2回底面エコーB2は、高周波の雑音の中でベースラインのうねりとして辛うじて識別できる程度である。第2回底面エコーB2の近傍を拡大した信号波形を図8に示す。雑音成分は白色雑音と林状エコーの複合雑音となっている。
図9は、底面エコーのシステム応答の予測信号波形を、超音波減衰率の補正を加えて参照信号とし、雑音を白色雑音エコーと林状エコーの複合雑音として、係数信号を算定したマッチドフィルタを用いて第2回底面エコーB2のSN比向上を図った結果を示している。第2回底面エコーB2のSN比は大幅に向上し、マッチドフィルタによって大きなSN比向上を図ることができることが分かる。
以下、図10を用いて、システム応答予測信号を参照信号として用いる場合の別の実施例を説明する。本実施例は、マッチドフィルタの係数信号の設定段階(フェーズ1)とその後の係数信号が設定されたマッチドフィルタを含む超音波測定システムによる被検体の測定段階(フェーズ2)の2段階に分けて説明する。
この実施例2の実施例1との違いは、きずの種類毎に応答関数波形算定部62を複数設けたこと、マッチドフィルタ66もきずの種類毎に複数設けたことにある。きずの種類によって応答関数波形は異なるため、1種類のきずの応答関数波形を準備してマッチドフィルタの係数を設定したのでは、これと異なる種類のきずに対して十分なSN比向上が得られない場合がある。この対策として、本実施例では、複数種のきずの応答関数波形を準備し、これに応じてきず種別に準備したマッチドフィルタの係数を決定するようにして、いかなる種類のきずを検出した場合であっても、いずれかのマッチドフィルタからSN比の良い信号が出力されるようにした。
〔フェーズ1〕:
超音波探触子感度のインパルス応答波形は既に測定され、超音波探触子感度のインパルス応答波形記憶部23に記憶されているものとする。きずの種類として、大きな平面きず(底面はこれに含まれる)、小さな平面きず、球形きず、帯状きず、円柱きず、及び曲面きずを想定し、これらのきずの応答関数波形も、そのきず形状に応じて既に算定され、大きな平面きずの応答関数波形算定部62aから曲面きずの応答関数波形算定部62fまでに記憶されているものとする。
なお、応答関数波形及びマッチドフィルタを準備するきずの種類は、これに限定されず、被検体に存在し得るきずの種類に応じて選択すればよい。
セレクタ14は、A/D変換器13によってディジタル信号とされた信号を、信号に応じて適切な処理部あるいは記憶部に選択送付する機能を有している。
超音波送信器11からの一定周期の駆動信号(電気パルス)によって、超音波探触子10は被検体1に超音波を送信し、エコーを受信する。前記駆動信号は電流プローブ50によって検出され、プリアンプ51により適当なレベルに増幅された後、A/D変換器13に入力されてA/D変換されディジタル信号とされた後、セレクタ14に送られ、駆動波形記憶部21に記憶される。
超音波探触子10に受信されたエコー信号は、超音波受信器12により適切なレベルに増幅された後、A/D変換器13にてA/D変換される。このようにしてディジタル信号とされた受信信号は、セレクタ14に送られる。エコー信号のSN比が十分でない場合には、超音波探触子10の位置を固定するか、あるいは、超音波探触子10を移動させながら、超音波探触子10から複数回にわたり超音波を送信してエコーを受信し、超音波受信器12から出力される被検体1からの受信信号を、超音波送信に同期してA/D変換器13にてA/D変換し、ディジタル化された受信信号を加算又は加算平均する。この場合も加算平均された受信信号は、セレクタ14に送られる。
マッチドフィルタの係数は以下のa〜cの工程によって設定される。
a.雑音信号波形の取得
セレクタ14からの信号はゲート演算部15に送られ、白色雑音又は林状エコーが現われている部分が所定データ数切り出され、雑音信号記憶部27に記憶される。
b.超音波減衰率の周波数特性の測定
セレクタ14からの信号は超音波減衰率測定部20に送られ、被検体1の底面エコー(第1回底面エコー)と第2回底面エコーとが抽出された後、これらを用いて被検体1における超音波減衰率の周波数特性が求められ、記憶される。
c.参照信号の作成及びマッチドフィルタの係数信号の決定
この工程では、大きな平面きずの応答関数波形算定部62aから曲面きずの応答関数波形算定部62fまでに記憶されている応答関数波形を用いて、きずの種類に応じて、きず種別に準備したマッチドフィルタ66a〜66fの係数の設定を行なう。セレクタ70及び71は、きずの種類に応じて応答関数波形とマッチドフィルタとを対応させるために用いる。セレクタ70及びセレクタ71は連動する構成になっている。
まず、セレクタ70が、大きな平面きずの応答関数波形算定部62aからのデータを演算部24に向けるように調整される。同時にセレクタ71が、係数信号決定部28からのデータを大きな平面きず用マッチドフィルタ66aに向けるように調整される。この後、駆動波形記憶部21に記憶された駆動波形、大きな平面きずの応答関数波形算定部62aに記憶された大きな平面きずの応答関数波形、及び超音波探触子感度のインパルス応答波形記憶部23に記憶された超音波探触子感度のインパルス応答波形は、演算部24においてコンボリューションされて、超音波減衰が無い場合の大きな平面きずのエコー波形が生成される。該信号は、次に、超音波減衰率測定部20に記憶された超音波減衰率の周波数特性に基づいて、減衰補正部25において超音波減衰率の補正を施された後、参照信号記憶部26に記憶される。更に、参照信号記憶部26に記憶された参照信号、及び雑音信号記憶部27に記憶された雑音信号を用いて、係数信号決定部28において(10)式に基づき、大きな平面きず用マッチドフィルタ66aの係数信号が決定され、該係数信号は、セレクタ71を介して、大きな平面きず用マッチドフィルタ66aに供給されて、大きな平面きず用マッチドフィルタ66aの設定が完了する。
次に、セレクタ70が、小さな平面きずの応答関数波形算定部62bからのデータを演算部24に向けるように調整される。同時にセレクタ71が、係数信号決定部28からのデータを小さな平面きず用マッチドフィルタ66bに向けるように調整される。この後、前記大きな平面きず用マッチドフィルタ66aの係数設定と同様の処理が行なわれ、小さな平面きず用マッチドフィルタ66bの設定が完了する。
他のマッチドフィルタ66c〜66fについても上記と同様の処理を行なうことによって、きず種類別のマッチドフィルタ66a〜66fまでの全ての係数が設定される。
〔フェーズ2〕:
セレクタ14は、A/D変換器13からのディジタル化された超音波受信信号データをマッチドフィルタ66a〜66fへ向けるように調整されている。
超音波送信器11からの一定周期の駆動信号(電気パルス)によって、超音波探触子10は被検体1に超音波を送信し、エコーを受信する。超音波探触子10に受信されたエコー信号は、超音波受信器12により適切なレベルに増幅された後、A/D変換器13にてA/D変換され、ディジタル信号とされた受信信号は、セレクタ14を仲介してマッチドフィルタ66a〜66fに送られ、受信信号に含まれている白色雑音や林状エコーの振幅が低減されて出力される。マッチドフィルタ66a〜66fの出力は比較器72に送られ、ここで最もSN比が高い信号が選択されて出力される。このようにすることによって、いかなる種類のきずであってもSN比が大きく向上した信号によって検出される。
なお、この実施例では、どのマッチドフィルタの信号が最もSN比が高かったかを調べることによって、きずの種類を推定することも可能である。例えば、マッチドフィルタ66a〜66fの出力のうち、66cのSN比が最も高ければ、検出されたきずは球形きずであると推定することができる。
前記実施例においては、いずれも単一の探触子で超音波の送信と受信を行なう超音波送受信子が用いられていたが、本発明の適用対象はこれに限定されず、送信子と受信子が別体であってもよい。検出対象も板状材に限定されず、管状材や柱状材であってもよい。
本発明による超音波信号検出方法の信号処理を示す流れ図 本発明で用いられるマッチドフィルタの構成を示す説明図 同じく参照信号の取得方法を示す説明図 同じく参照信号の別の取得方法を示す説明図 同じくシステム応答に基づく予測信号を参照信号とする場合の処理の流れ図 本発明の1番目の実施例を示す一部断面図を含むブロック図 本発明の1番目の実施例を適用する前の超音波信号波形を示す線図 図7におけるB2エコー近傍の信号波形の拡大図 本発明の1番目の実施例を適用した場合の超音波信号波形を示す線図 本発明の2番目の実施例を示す一部断面図を含むブロック図 従来技術の一例を示す説明図
符号の説明
1…被検体
10…超音波探触子
11…超音波送信器
12…超音波受信器
13…A/D変換器
14…セレクタ
15…ゲート演算部
16…マッチドフィルタ
20…超音波減衰率測定部
21…駆動波形記憶部
22…底面又はきず応答関数波形算定部
23…超音波探触子感度のインパルス応答記憶部
24…演算部
25…減衰補正部
26…参照信号記憶部
27…雑音信号記憶部
28…係数信号決定部
50…電流プローブ
51…プリアンプ
62a〜62f…きず種毎の応答関数波形算定部
66a〜66f…きず種別のマッチドフィルタ
70、71…セレクタ
72…比較器

Claims (12)

  1. マッチドフィルタを用いた超音波信号検出方法において、
    検査対象物とほぼ同等の音響インピーダンスを有し、且つ超音波減衰率が検査対象物とほぼ同等若しくは同等以下の固体媒体において底面エコー信号波形やきずエコー信号波形を測定し、これらの信号波形に対して、検査対象物と該固体媒体における超音波減衰率の周波数特性や超音波伝搬路長による差異を補正して得た底面エコー信号波形やきずエコー信号波形をマッチドフィルタの参照信号とし、且つ白色雑音波形や林状エコー信号波形をマッチドフィルタの雑音信号とし、これらの参照信号と雑音信号に基づいてマッチドフィルタの係数信号を設定することを特徴とする超音波信号検出方法。
  2. 請求項1に記載の超音波信号検出方法において、前記参照信号とする底面エコー信号波形やきずエコー信号波形を、超音波探触子を定位置に固定するか、あるいは超音波探触子を移動させながら、複数回超音波の送受信を行ない、同期加算又は同期加算平均を行なって得ることを特徴とする超音波信号検出方法。
  3. マッチドフィルタを用いた超音波信号検出方法において、超音波探触子感度のインパルス応答を予め測定し、且つ底面やきずの応答関数を予め算定し、且つ検査対象物の超音波減衰率の周波数特性を予め測定し、該超音波探触子の駆動信号波形、及び該超音波探触子感度のインパルス応答波形、及び該底面やきずの応答関数波形のコンボリューションを行ない、これによって得られた波形に該超音波減衰率の周波数特性の補正を行なって得た底面エコー信号波形やきずエコー信号波形をマッチドフィルタの参照信号とし、且つ白色雑音波形や林状エコー信号波形をマッチドフィルタの雑音信号とし、これらの参照信号と雑音信号に基づいてマッチドフィルタの係数信号を設定することを特徴とする超音波信号検出方法。
  4. 請求項に記載の超音波信号検出方法において、検査対象物の超音波減衰率の周波数特性を予め測定するに際し、該測定に用いるエコー信号波形を、超音波探触子を定位置に固定するか、あるいは超音波探触子を移動させながら、複数回超音波の送受信を行ない、同期加算又は同期加算平均を行なって得ることを特徴とする超音波信号検出方法。
  5. 請求項1乃至のいずれかに記載の超音波信号検出方法において、きずの種類に対応して準備した、係数が異なる複数のマッチドフィルタの中から、最もSN比の高いマッチドフィルタを選択することを特徴とする超音波信号検出方法。
  6. 請求項に記載の超音波信号検出方法において、選択されたマッチドフィルタにより、きずの種類を推定することを特徴とする超音波信号検出方法。
  7. マッチドフィルタを用いた超音波信号検出装置において、
    検査対象物とほぼ同等の音響インピーダンスを有し、且つ超音波減衰率が検査対象物とほぼ同等若しくは同等以下の固体媒体において底面エコー信号波形やきずエコー信号波形を測定し、これらの信号波形に対して、検査対象物と該固体媒体における超音波減衰率の周波数特性や超音波伝搬路長による差異を補正して得られた底面エコー信号波形やきずエコー信号波形がマッチドフィルタの参照信号とされ、且つ白色雑音波形や林状エコー信号波形がマッチドフィルタの雑音信号とされ、これらの参照信号と雑音信号に基づいてマッチドフィルタの係数信号が設定されていることを特徴とする超音波信号検出装置。
  8. 請求項に記載の超音波信号検出装置において、前記参照信号とする底面エコー信号波形やきずエコー信号波形が、超音波探触子を定位置に固定するか、あるいは超音波探触子を移動させながら、複数回超音波の送受信を行ない、同期加算又は同期加算平均を行なって得られたものであることを特徴とする超音波信号検出装置。
  9. マッチドフィルタを用いた超音波信号検出装置において、超音波探触子感度のインパルス応答を予め測定し、且つ底面やきずの応答関数を予め算定し、且つ検査対象物の超音波減衰率の周波数特性を予め測定し、該超音波探触子の駆動信号波形、及び該超音波探触子感度のインパルス応答波形、及び該底面やきずの応答関数波形のコンボリューションを行ない、これによって得られた波形に該超音波減衰率の周波数特性の補正を行なって得られた底面エコー信号波形やきずエコー信号波形がマッチドフィルタの参照信号とされ、且つ白色雑音波形や林状エコー信号波形がマッチドフィルタの雑音信号とされ、これらの参照信号と雑音信号に基づいてマッチドフィルタの係数信号が設定されていることを特徴とする超音波信号検出装置。
  10. 請求項に記載の超音波信号検出装置において、検査対象物の超音波減衰率の周波数特性を予め測定するに際し、該測定に用いるエコー信号波形が、超音波探触子を定位置に固定するか、あるいは超音波探触子を移動させながら、複数回超音波の送受信を行ない、同期加算又は同期加算平均を行なって得られたものであることを特徴とする超音波信号検出装置。
  11. 請求項乃至10のいずれかに記載の超音波信号検出装置において、きずの種類に対応して係数が異なる複数のマッチドフィルタを備え、該複数のマッチドフィルタの中から、最もSN比の高いマッチドフィルタを選択するようにされていることを特徴とする超音波信号検出装置。
  12. 請求項11に記載の超音波信号検出装置において、選択されたマッチドフィルタにより、きずの種類を推定するようにされていることを特徴とする超音波信号検出装置。
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