JP5627563B2 - 表面探傷装置及び表面探傷方法 - Google Patents

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本発明は、棒鋼や線材等の被検査材の表面付近に存在する欠陥を検出する表面探傷装置及び表面探傷方法に関する。
金属材料である棒鋼や線材等の表面及び表面皮下に存在する欠陥を非破壊で検出する方法として、磁粉探傷法、浸透探傷法、渦流探傷法、超音波探傷法などが知られている。
磁粉探傷法及び浸透探傷法はともに湿式の検査技術である。そのため、磁粉液や蛍光浸透剤の被検査材表面への散布量変化による輝度の変動、被検査材の表面粗度分布などの影響を大きく受けるので、検査結果の再現性が良くない。
また、渦流探傷法は、乾式の検査技術であって、誘導電流の変化を検出することで被検査材の欠陥とその深さを検出する。この渦流探傷法は、金属材料の表層部分の検査が可能であるものの、欠陥以外の組織変化や磁気変化も検出してしまうので、検出結果において欠陥だけを弁別するのが難しい。
そこで、特許文献1で用いられるような超音波を用いた超音波探傷法が採用されることが多い。超音波探傷法としては、垂直探傷法と斜角探傷法と表面探傷法の3つの技術が一般に用いられる。
垂直探傷法は、被検査材の表面に対して垂直に進行する超音波を用いて被検査材内を探傷する技術であり、斜角探傷法は、被検査材の表面に対して斜めに進行する超音波を用いて被検査材内又は被検査材表面を探傷する技術である。これら被検査材内を探傷する技術に対し、表面探傷法は、被検査材の表面を伝播する表面超音波を用いて被検査材表面を探傷する技術である。
このうち表面探傷法では、超音波探触子から被検査材の表面近傍を伝播する表面超音波を送出し、被検査材の表面又は表面皮下に存在する欠陥で反射して戻ってきた反射超音波を超音波探触子で受信することで、被検査材の表面欠陥及び表面皮下欠陥を検出できる。
特許文献1に開示の超音波探傷用探触子は、上述の表面探傷法を用いたものであり、回転する円柱体の表面に、接触媒質の膜を介して表面波探触子を円柱体の回転軸方向に線状若しくはこれに近い帯状に接触させ、前記表面波探触子から円柱体回転方向の逆方向に向かって超音波を伝播させるとともに、表面波伝播領域における円柱体表面には接触媒質の膜が形成されないようにして、円柱体表層部に存在する欠陥を検出する円柱体表層部の超音波探傷方法に使用する探触子であって、前記探触子の前面下部に接触媒質膜側へ突出する板状体が設置されており、前記板状体の突出長さは前記探触子の下面と前記円柱体表面との間のギャップの30〜50%の範囲内で調整自在であることを特徴とする。
これによって、特許文献1は、従来と同等の探傷精度が達成できるとともに、探傷時間を短縮し得るとしている。
特許第2726359号公報
特許文献1に開示の超音波探傷用探触子は、表面波探触子から円柱体の回転方向の逆方向に向かって超音波を伝播させて円柱体表面を探傷するものである。つまり、超音波は、円柱体表面の周方向に沿って該円柱体の軸心周りに送出される。送出された超音波(表面波)は、円柱体の表面近傍に欠陥が存在すれば、その欠陥で反射して表面波探触子に戻ってくる。特許文献1の超音波探傷用探触子は、反射して戻ってきた反射表面波を受波することで、円柱体の表面近傍に欠陥が存在することを検知する。
しかし、特許文献1の超音波探傷用探触子では、一回の表面波の送出で探傷できる範囲が、円柱体の軸心方向に沿ってほぼ表面波探触子の幅に相当する範囲であるため、表面波探触子の幅での探傷を何度も繰り返して長尺の円柱体の表面欠陥を検査しなくてはならないという制約がある。このような制約の下では、探傷時間の大幅な短縮は困難である。
また、特許文献1の超音波探傷用探触子では、円柱体に表面波を送出するために、表面波探触子と円柱体表面の間に水などの接触媒質が用いられており、表面波探触子から出て円柱体表面に残った接触媒質が、表面波探触子から送出された表面波の伝播方向(伝播先)に必ず存在する構成となっている。円柱体表面に残った接触媒質は表面波を反射したり減衰させたりするので、接触媒質を除去する部材が必要となり、探傷装置の構成を小型化及び簡素化するのは困難である。
さらに、円柱体であっても、特に小径の線材などの場合、線材に対する表面波探触子の位置合わせが困難である。つまり、表面波探触子における超音波を送出する送出面では、有効に超音波を送出できる領域が一部分に限られているので、この有効な超音波を送出できる領域が確実に円柱体の表面と対向するように、表面波探触子の位置を調整しなくてはならない。しかし、製造工程におけるオンラインでは、小径線材は常に振動している場合が多く、この線材の振動に合わせて表面波探触子の位置を調整することは事実上不可能であると言っても過言ではない。
そこで本発明は、上記問題点に鑑み、棒鋼や鋼片、特に小径の線材などの被検査材の表層部分を伝播する表面超音波を用いた表面探傷において、接触媒質による誤探傷を回避し、探傷時間を大幅に短縮でき、且つ、振動する被検査材に確実に表面超音波を送出できる表面探傷装置及び表面探傷方法を提供することを目的とする。
上述の目的を達成するため、本発明においては以下の技術的手段を講じた。
本発明の表面探傷装置は、長尺の被検査材に対して当該被検査材の周表面を伝播する表面超音波を送出する送信部と、送出された超音波が被検査材の表面の欠陥で反射して戻った反射超音波を受信する受信部とを有する探触子が備えられた表面探傷装置において、前記探触子は、表面超音波を送出できる帯状の有効送出領域を有し、送信部から送出される表面超音波の送出方向が前記被検査材の周方向に対して斜めとなるように、前記有効送出領域を被検査材の長手方向に対して斜めにし、且つ前記有効送出領域を被検査材の幅方向一端側から他端側へ亘るように配備していることを特徴とする。
ここで、前記探触子は、長手方向に沿って移動する前記被検査材に対して、前記表面超音波の送出方向が前記被検査材の移動方向における上流側に向かって前記周方向に対して斜めとなるように配置されていてもよい。
また、前記探触子から送出された表面超音波が伝播する先に、前記探触子からの表面超音波の送出を確認するために当該表面超音波を受波する他の探触子が備えられていてもよい。
また、前記他の探触子は、ドライカップリング方式の探触子であってもよい。
本発明の表面探傷方法は、長尺の被検査材に対して当該被検査材の周表面を伝播する表面超音波を送出し、送出された超音波が被検査材の表面の欠陥で反射して戻った反射超音波を受信する表面探傷方法において、前記表面超音波を、前記被検査材の周方向に対して斜めとなる方向に送出するために、表面超音波を送出できる帯状の有効送出領域を、被検査材の長手方向に対して斜めにし、且つ前記有効送出領域を被検査材の幅方向一端側から他端側へ亘るように配備することを特徴とする。
ここで、長手方向に沿って移動する前記被検査材に対して、前記表面超音波を、前記被検査材の移動方向における上流側に向かって前記周方向に対して斜めとなる方向に送出してもよい。
また、前記表面超音波が伝播する先で、前記表面超音波の送出を確認するために当該表面超音波を受波してもよい。
本発明によれば、棒鋼や鋼片、特に小径の線材などの被検査材の表層部分を伝播する表面超音波を用いた表面探傷において、接触媒質による誤探傷を回避し、探傷時間を大幅に短縮でき、且つ、振動する被検査材に確実に表面超音波を送出できる表面探傷装置及び表面探傷方法を提供することができる。
金型から引き抜かれて伸線された被検査材と、被検査材に対する本発明の実施形態による表面探傷装置の配置及び構成を示す概略図である。 センサヘッドの本実施形態による配置を示す図であり、(a)は斜視図、(b)は上面図である。 本実施形態による確認用センサヘッドを備えた表面探傷装置の概略構成を示す図である。 センサヘッドの従来の配置を示す図であり、(a)は斜視図、(b)は上面図である。
以下、本発明の実施形態を、図を基に説明する。
図1〜図4を参照しながら、以下に、本発明の実施形態による表面探傷装置1について説明すると共に、表面探傷装置1を用いた表面探傷方法について説明する。
本実施形態による表面探傷装置1は、棒鋼や鋼片、特に小径の線材などの長尺の被検査材Sの表面や表面皮下に存在する欠陥を、超音波を用いて検出(探傷)する装置である。被検査材Sは、例えば鉄やアルミニウムなどの金属製線材である。
表面探傷装置1は、被検査材Sの表面直下を伝播する表面超音波(表面波)を送出する送信部及び少なくとも被検査材Sの表面及び表面皮下に存在する欠陥で反射して戻った反射超音波を受波する受信部を有する探触子3を備え、探触子3は、長尺の被検査材Sの外周面上に配置されている。
図1は、長尺の被検査材Sの表面欠陥及び表面皮下欠陥を検出する表面探傷装置1の概略構成を示す図である。
被検査材Sは、例えば金型Dを用いて引き抜き伸線された線材であって、通材方向である伸線方向に対して垂直な断面の形状が、被検査材Sのいずれの位置における断面も金型Dの形状に対応したほぼ同一の略円形である。被検査材Sは、秒速数メートルから数十メートル程度の伸線速度で連続的に製造されるので、伸線方向に対して垂直な断面で適宜切断されることで、伸線方向(つまり、被検査材Sの移動方向)を長手方向とする棒状や柱状となり得るものである。
次に、図1を参照しながら、上述の被検査材Sの表面及び表面皮下に存在する欠陥の検出に用いる表面探傷装置1について説明する。図1は、金型Dから伸線された被検査材Sと、被検査材Sに対する表面探傷装置1の配置及び構成を示す概略図である。
表面探傷装置1は、探触子3(第1の探触子)とセンサホルダ4とからなるセンサヘッド2、超音波探傷器5、及び信号記録処理装置6を含んで構成されるものであり、センサヘッド2が、金型Dから伸線された被検査材Sの下部に配置されている。
まず、表面欠陥及び表面皮下欠陥に用いるセンサヘッド2の構成について説明する。
センサヘッド2は、探触子3と、探触子3を保持するセンサホルダ4と、センサホルダ4を支持し被検査材Sに当接させるホルダ支持体(図示せず)からなるものである。
探触子3は、例えば圧電素子によって構成されており、所定電圧のパルス電圧が加えられるとパルス電圧に対応する周波数の表面超音波(表面波)を送出する送信部としての機能と、表面欠陥及び表面皮下欠陥で反射して戻ってきた反射超音波(反射表面波)を受波する受信部としての機能とを有するものである。探触子3は、反射表面波を受波すると、受波した反射表面波に対応するパルス電圧を発生することで受信部としての機能を実現する。圧電素子型探触子では、送信部と受信部を同一の振動子で実現する場合が多いが、送信部と受信部とで独立した振動子を用いる場合もある。
なお、圧電素子の代わりに、電磁コイルを用いたローレンツ型横波発生用センサなどの電磁超音波センサを用いて、探触子3を構成してもよい。電磁超音波センサは、表面超音波を送出する送信部として機能する送出コイルと、欠陥などで反射して戻ってきた反射表面波を受波する受信部として機能する受波コイルとを有するものであったり、両者を併用したものであったりする。
センサホルダ4は、例えば略立方体で下方が開放された箱型の筐体であって、その内部において、超音波である表面波(レーリー波)を送出及び受波する探触子3を有している。探触子3は、センサホルダ4内において、ある一方向に向かって表面超音波を送出するように設けられているので、センサホルダ4からの表面超音波の送出方向は一方向に決まっている。
さらにセンサホルダ4は、探触子3と被検査材Sとの間で超音波を伝達する接触媒質を探触子3に供給するための接触媒質供給管7と、供給された接触媒質を探触子3から回収するための接触媒質回収管(図示せず)を有するものである。このような構成のセンサホルダ4は、ホルダ支持体(図示せず)によって、被検査材Sに対する所定位置に支持されている。
ここで、接触媒質とは、水、グリセリンペースト、油など、超音波を伝達する物質のことである。
超音波探傷器5は、センサヘッド2に備えられた探触子3に接続されており、探触子3の送信部として働く圧電素子へ所定電圧のパルス電圧を出力する。また、超音波探傷器5は、圧電素子が反射表面波を受波して受信部として機能したときに生じたパルス電圧を受け取り、後述する信号記録処理装置6に反射表面波信号として出力するものである。
信号記録処理装置6は、超音波探傷器5に接続されており、超音波探傷器5から出力された反射表面波信号を受信して、受信した反射表面波信号を基に反射表面波(エコー)の強度と到達時間を検出し、被検査材Sの表面欠陥及び表面皮下欠陥の位置などを算出するものである。
図1に示すように、上述の構成の表面探傷装置1を被検査材Sの検査ラインに設置して、センサヘッド2を被検査材Sに当接させる。このときセンサヘッド2は、被検査材Sの下方で探触子3を上方に向けて、探触子3と被検査材Sの下部面が対向するように配置される。被検査材Sの下方に配置されたセンサヘッド2は、表面波の送出方向が被検査材Sの軸心方向に対して垂直ではなく斜めに所定角度θをなすように配置される。このセンサヘッド2の配置は、本実施形態による表面探傷装置1特有の特徴的な構成であり、この特徴的な構成によって、センサヘッド2から送出された表面超音波を、被検査材Sの外表面上で被検査材Sの長手方向(軸心方向)に垂直となる方向(周方向という)に対して斜めに送出し、図1、図3に示す如く、表面波を被検査材Sの表面上で螺旋状に伝播させることができる。
センサヘッド2の従来の配置と比較しながら、センサヘッド2の本実施形態による配置について詳細に説明する。
まず、センサヘッド2の従来の配置について説明する。
図4は、センサヘッド2の従来の配置を示す図であり、図4(a)は斜視図、図4(b)は上面図である。センサヘッド2の探触子3には、効果的に表面超音波を送出できる領域(有効送出領域)8が存在し、その有効送出領域8がハッチングで示されている。この有効送出領域8から矢印で示す送出方向に向かって表面超音波が送出される。
従来の配置では、センサヘッド2は、表面超音波の送出方向が被検査材Sの長手方向(軸心方向)に対してほぼ垂直となるように配置されている。これによって、センサヘッド2から送出された表面超音波は、被検査材Sの外表面上で被検査材Sの長手方向(軸心方向)に対して垂直となる方向(被検査材Sの周方向という)に沿って、表面波として伝播する。
伝播した表面波は、表面欠陥及び表面皮下欠陥がなければ、被検査材Sの周方向に沿って被検査材Sの表面(外周面)を一周してセンサヘッド2に戻り、欠陥があれば、その欠陥で送出方向とは反対方向に反射してセンサヘッド2に戻る。つまり、従来の配置では、センサヘッド2から送出された超音波は、被検査材Sの外周面を一周して、又は一周の途中で反射してセンサヘッド2に戻ってくる。
このように、従来の配置では、探触子3の有効送出領域8から送出された超音波が、被検査材Sの外周面を一周以上伝播することなく探触子3に戻ってくるので、被検査材Sの外周面において一回の超音波の送出で探傷できる範囲は、外周面において被検査材Sの長手方向(軸心方向)に沿った有効送出領域8に対応した範囲に制限される。これに加えて、従来の配置では、被検査材Sを有効送出領域8に対して正確に位置決めするのが困難である。
具体的には、図4(b)に示すように、有効送出領域8が帯状に細長いので、超音波の送出方向が被検査材Sの長手方向(軸心方向)に対してほぼ垂直となるようにセンサヘッド2を配置すると、有効送出領域8と被検査材Sの長手方向(軸心方向)が互いにほぼ平行となる。さらに、センサヘッド2と対向する被検査材Sの外周面はセンサヘッド2に向かって湾曲しているので、平面の探触子3と被検査材Sの湾曲した外周面(湾曲面)とが対向することになり、被検査材Sの湾曲面のうちセンサヘッド2と接触し探触子3と最も近接する最近接部分は、被検査材Sの長手方向(軸心方向)に沿ったごくわずかの部分である。
この状態で、有効送出領域8が最近接部分と正確に重なって対向するようにセンサヘッド2を位置決め、アラインメントするのは、容易ではない。さらに、金型Dを用いた伸線などによって移動する被検査材Sを探傷する場合、被検査材Sが振動することもあるので、センサヘッド2の有効送出領域8と被検査材Sの最近接部分とがずれてしまい、両者を常に正確に対向させるのは非常に困難である。
次に、センサヘッド2の本実施形態による配置について説明する。
図2は、センサヘッド2の本実施形態による配置を示す図であり、図2(a)は斜視図、図2(b)は上面図である。
図2(a)に示すように、本実施形態によるセンサヘッド2は、表面超音波の送出方向が被検査材Sの移動方向(通材方向)における上流側に向い、且つ被検査材Sの周方向に対して斜めとなるように配置されている。言い換えれば、センサヘッド2は、表面超音波の送出方向が被検査材Sの長手方向(軸心方向)に対してほぼ垂直方向ではなく斜めとなるように配置されている。これによって、センサヘッド2から一旦送出された表面超音波は、被検査材Sの表面上で被検査材Sの長手方向(軸心方向)に対して斜めとなる方向に沿って螺旋状に、被検査材Sの通材方向上流側へ伝播し、そのほとんどはセンサヘッド2には戻らない。
表面波は、表面欠陥及び表面皮下欠陥がなければ、被検査材Sの移動方向における上流側に向かって被検査材Sの表面(外周面)を螺旋状に上流へ伝播し、欠陥があればその欠陥で伝播方向とは反対方向に反射してセンサヘッド2に戻り、欠陥検出のための信号として信号記録処理装置6によって処理される。このように、本実施形態によるセンサヘッド2の配置では、センサヘッド2から送出された表面超音波は、被検査材Sの外周面を螺旋状に複数回周回し、欠陥によって螺旋状の周回途中で反射すればセンサヘッド2に戻ってくる。
表面波を被検査材Sの上流側(非下流側)へ送波する理由は次の通りである。
センサヘッド2から送波される表面超音波を被検査材Sへ確実に伝えるために、センサヘッド2(探触子3)と被検査材Sとの間には、接触媒質が供給される。供給された接触媒質は、センサヘッド2から下流側に位置する被検査材Sの表面(下面)に存在することになる。この接触媒質は表面波を減衰させたり反射させたりし、誤った探傷結果を導くといった望ましくない現象を引き起こす。そこで、本実施形態のセンサヘッド2は、接触媒質が存在しない領域(センサヘッド2より上流側に位置する被検査材Sの表面領域)に向けて、検査用の表面超音波を送出することとしている。
さらに、本実施形態によるセンサヘッド2の配置では、探触子3の有効送出領域8から送出された表面超音波が、被検査材Sの外周面を螺旋状に複数周周回して被検査材Sの長手方向(軸心方向)に伝播する。従って、被検査材Sの外周面において一回の超音波の送出で探傷できる範囲が有効送出領域8の大きさ(被検査材Sの長手方向に沿った有効送出領域8の長さ)に限定されることがなく、センサヘッド2の従来の配置と比較して、一回の超音波の送出でより広い範囲を探傷することができるので、被検査材Sの探傷時間を大幅に短縮することができるようになる。
これに加えて、センサヘッド2の本実施形態による配置では、被検査材Sに対するセンサヘッド2(有効送出領域8)のアラインメントを容易に行うができる。
具体的には、図2(b)の左図に示すように、帯状の有効送出領域8と被検査材Sの長手方向(軸心方向)が互いに斜めとなる。このとき、被検査材Sの湾曲面のうち探触子3と最も近接する最近接部分は、有効送出領域8のうち太線で表す領域9と対向する。このように斜めにセンサヘッド2を配置すると、センサヘッド2は、被検査材Sが振動した場合でも被検査材Sに対して確実に表面超音波を送出することができる。
図2(b)の右図は、被検査材Sが、移動方向に対して垂直方向(図に向かって左右方向)に振動したときの状態を示している。図に示すように、被検査材Sが振動しても、被検査材Sの最近接部分は、太線で表すように有効送出領域8のいずれかの部分(領域9)と対向している。このように、被検査材Sが振動した場合でも被検査材Sの最近接部分が有効送出領域8との対向を維持できるので、センサヘッド2の本実施形態による配置を適用することで被検査材Sに対するセンサヘッド2の位置決め、アラインメントをある程度ラフにすることが可能となるともに、被検査材Sの製造ラインにおいて、振動する被検査材Sのオンラインでの探傷を容易かつ高速に実施することができるようになる。
上述のように、本実施形態によるセンサヘッド2は、表面超音波の送出方向が被検査材Sの長手方向(軸心方向)に対してほぼ垂直方向ではなく斜めとなるように配置される。具体的にセンサヘッド2は、超音波の送出方向が、被検査材Sの長手方向(軸心方向)に対してほぼ垂直となる向きと平行となる向きとの間で斜め方向となるように配置されている。つまり、センサヘッド2から送出された超音波が、欠陥による反射以外でセンサヘッド2に戻ることなく、被検査材Sの表面を移動方向における上流側に向かって螺旋状に伝播するのであれば、被検査材Sの長手方向(軸心方向)に対する表面超音波の送出方向(センサヘッド2の斜め方向(角度θ))は任意に決めることができる。
このような表面探傷装置1によれば、超音波の周波数や振動子の大きさなどを適切に選択することで、表面超音波が螺旋状に伝播する範囲、すなわち被検査材Sにおける探傷可能な範囲(探傷範囲)を変更することができる。
しかし、探傷を正確に行うためには、表面探傷装置1において、センサヘッド2から送出された表面超音波が探傷範囲にわたって伝播していることを当該表面超音波を受波することによって確認する確認用探触子12(他の探触子、第2の探触子)が備えられていることが好ましい。表面探傷装置1が、確認用探触子12を有する確認用センサヘッド11を備えていれば、センサヘッド2が反射表面波を検出していない状態が、「被検査材Sに欠陥が存在していない」ことを示しているのか、「探触子3の送信部から超音波が送出されていない」ことを示しているのかを、確実に判断することができる。
すなわち、確認用センサヘッド11が表面超音波を受波していると共に、センサヘッド2が表面超音波を受波していない状態であれば、「被検査材Sに表面疵、表面欠陥が存在しない」と判断することができる。一方、確認用センサヘッド11が表面超音波を受波せず、センサヘッド2も表面超音波を受波していない状態であれば、「何らかの原因でセンサヘッド2が表面超音波を送波していない」と判断することができる。
図3は、確認用センサヘッド11を備えた表面探傷装置10の概略構成を示す図である。確認用センサヘッド11は、表面波が伝播する先、つまり被検査材Sの移動方向の上流側に設けられており、センサヘッド2から被検査材Sの表面を伝播してきた表面波を受信する。確認用センサヘッド11の確認用探触子12としては、センサヘッド2の探触子3と同じものを用いることができるが、表面超音波を送出する必要がないので、表面超音波の送信部としての機能を持たなくても、反射超音波(反射表面波)を受波する受信部としての機能を有する探触子を備えていればよい。このような確認用探触子12を備える確認用センサヘッド11を、被検査材Sの移動方向の上流側に設ける。
さらに、確認用探触子12の接触媒質として、センサヘッド2と同様に水、グリセリンペースト、油などの液状や粘性の物質を用いると、被検査材Sの移動方向の下流側から伝播する表面波の伝播経路に接触媒質が存在することになる。上述の通り、この接触媒質は表面波を減衰させたり反射させたりといった望ましくない現象を引き起こすので、確認用探触子12の接触媒質にドライカップリング材を用いて、確認用探触子12をドライカップリング方式の探触子とするのが好ましい。ドライカップリング材は、ゴムや樹脂からなる弾性体などを用いることができる。
ここで、確認用センサヘッド11の確認用探触子12が、センサヘッド2の有効送出領域8のように、表面波を効果的に受波する有効受波領域を有していて、その有効受波領域が帯状に細長い形状である場合、確認用センサヘッド11は、帯状の有効受波領域が被検査材Sの長手方向(軸心方向)に対して斜めとなるように設けられるとよい。このように確認用センサヘッド11が設けられると、被検査材Sが振動しても、被検査材Sの最近接部分は、有効受波領域との対向を維持することができる。
以上述べたように、本発明の実施形態による表面探傷装置1,10においては、センサヘッド2から送出される表面超音波の送出方向が被検査材Sの周方向に対して斜めとなるように(被検査材Sの軸心方向に交差する(直交交差は除く)ように)、センサヘッド2が配置されているため、表面超音波が被検査材Sの周方向を上流側に螺旋状に伝播するようになる。そのため、接触媒体の影響を受けることなく、被検査材S表面の広範囲に亘る探傷が可能となる。加えて、センサヘッド2が被検査材Sの軸心方向に対して斜めとなっているため、被検査材Sに対するセンサヘッド2のアラインメントが容易になる。
なお、今回開示された実施形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。特に、今回開示された実施形態において、明示的に開示されていない事項、例えば、運転条件や操業条件、各種パラメータ、構成物の寸法、重量、体積などは、当業者が通常実施する範囲を逸脱するものではなく、通常の当業者であれば、容易に想定することが可能な値を採用している。
なお、上述の実施形態において、被検査材Sを線材として例示したが、被検査材Sは線材に限らず棒鋼や鋼片、パイプ等でもよい。つまり、線材より径が大きな被検査材Sに対しても本願発明の表面探傷装置及び表面探傷方法を適用することができる。
また、被検査材Sにおいて、伸線方向に対して垂直な断面の形状は略円形には限らない。この被検査材Sの断面形状は、四角形や六角形などの多角形であっても構わない。断面形状が多角形の場合、多角形の各角部が、表面波を反射しない程度の大きさの角度であるか、例えば弧を描く滑らかな丸みを帯びた形状であればよい。
また、実施形態の説明においては、被検査材Sの下部面と探触子3とが対向するように、センサヘッド2を被検査材Sの下方から当接させていたが、被検査材Sの側方乃至は上方からセンサヘッド2を当接させるようにしても何ら問題はない。
1 表面探傷装置
2 センサヘッド
3 探触子
4 センサホルダ
5 超音波探傷器
6 信号記録処理装置
7 接触媒質供給管
8 有効送出領域
9 領域
10 表面探傷装置
11 確認用センサヘッド
12 確認用探触子
D 金型
S 被検査材

Claims (7)

  1. 長尺の被検査材に対して当該被検査材の周表面を伝播する表面超音波を送出する送信部と、送出された超音波が被検査材の表面の欠陥で反射して戻った反射超音波を受信する受信部とを有する探触子が備えられた表面探傷装置において、
    前記探触子は、表面超音波を送出できる帯状の有効送出領域を有し、送信部から送出される表面超音波の送出方向が前記被検査材の周方向に対して斜めとなるように、前記有効送出領域を被検査材の長手方向に対して斜めにし、且つ前記有効送出領域を被検査材の幅方向一端側から他端側へ亘るように配備していることを特徴とする表面探傷装置。
  2. 前記探触子は、長手方向に沿って移動する前記被検査材に対して、前記表面超音波の送出方向が前記被検査材の移動方向における上流側に向かって前記周方向に対して斜めとなるように配置されていることを特徴とする請求項1に記載の表面探傷装置。
  3. 前記探触子から送出された表面超音波が伝播する先に、前記探触子からの表面超音波の送出を確認するために当該表面超音波を受波する他の探触子が備えられていることを特徴とする請求項1又は2に記載の表面探傷装置。
  4. 前記他の探触子は、ドライカップリング方式の探触子であることを特徴とする請求項3に記載の表面探傷装置。
  5. 長尺の被検査材に対して当該被検査材の周表面を伝播する表面超音波を送出し、送出された超音波が被検査材の表面の欠陥で反射して戻った反射超音波を受信する表面探傷方法において、
    前記表面超音波を、前記被検査材の周方向に対して斜めとなる方向に送出するために、表面超音波を送出できる帯状の有効送出領域を、被検査材の長手方向に対して斜めにし、且つ前記有効送出領域を被検査材の幅方向一端側から他端側へ亘るように配備することを特徴とする表面探傷方法。
  6. 長手方向に沿って移動する前記被検査材に対して、前記表面超音波を、前記被検査材の
    移動方向における上流側に向かって前記周方向に対して斜めとなる方向に送出することを特徴とする請求項5に記載の表面探傷方法。
  7. 前記表面超音波が伝播する先で、前記表面超音波の送出を確認するために当該表面超音波を受波することを特徴とする請求項5又は6に記載の表面探傷方法。
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