JP5612888B2 - 抗酸化剤、紫外線傷害抑制剤及び抗光老化化粧料 - Google Patents

抗酸化剤、紫外線傷害抑制剤及び抗光老化化粧料 Download PDF

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Description

本発明は、特定培地で培養したSaccharomyces cerevisiae の菌体抽出液からなることを特徴とする抗酸化効果に優れた皮膚外用剤ならびに紫外線傷害を抑制する効果の高い抗光老化化粧料に関する。
近年、老化の原因としてフリーラジカルや活性酸素がとりあげられ、生体成分の酸化による機能低下が大きな問題となっている。なかでも紫外線に常にさらされている皮膚は、このような酸化ストレスのダメージが最も大きな器官の一つであり、紫外線により発生した種々の活性酸素が、皮脂や脂質の過酸化、蛋白変性、酵素阻害等を引き起こし、皮膚の炎症などの原因となる。また、紫外線により真皮のヒアルロン酸やコラーゲンの産生が低下すると共に、コラーゲンの変性が生じ、肌の弾力やハリが低下しシワの原因になる。さらに、表皮細胞が紫外線に照射されると各種のサイトカインを産生し、メラニン産生を増大させる。例えばエンドセリンや、チオレドキシンなどのサイトカインは紫外線照射により表皮細胞から産生されメラノサイトに働きかけてメラニン産生を促進させ光老化によるシミの原因になっている。これら紫外線が原因となる光老化により生じるシワ・シミを防ぐ方法の一つにフリーラジカルや活性酸素を除去する抗酸化剤を配合する方法が知られている。
生体は活性酸素種を除去する自己防御機構としてSODなどの抗酸化機構を有しているものの、生体組織の防御能力を超えた活性酸素が生体組織の老化の原因となる。フリーラジカルを捕捉する能力を備える抗酸化剤は、ラジカル連鎖反応を抑制・停止させることができるので、このような抗酸化剤を配合した皮膚外用剤は、光酸化ストレスによる皮膚老化、例えば、シミ、シワ、タルミなどの予防・改善効果が期待できる。このため従来より、光老化によるシワ防止を目的として用いられるフリーラジカル消去剤にはアスコルビン酸、トコフェロール、3,5−tert−ブチル−4−ヒドロキシトルエン(BHT)、スーパーオキシドジスムターゼ(SOD)等が用いられてきた。
しかし、皮膚の光老化防止又は抗酸化を目的として用いられるSODは不安定であり、製剤化が難しく、トコフェロールも効果が充分であるとは言えない。また、合成化合物であるBHT等は安全性に問題があり、配合量に制限があることから、化学合成品ではなく、安定でかつ副作用が少ないとともにより効果の高い天然原料が望まれてきた。
酵母の菌体抽出液には抗酸化効果があることが知られており、特開平8−100175(特許文献1)には、酵母を細胞壁溶解酵素あるいはタンパク質分解酵素により処理し抽出した水溶性の抗酸化作用を有する酵母タンパク質分解物の記載がなされている。また、特開2006−271261(特許文献2)には抗酸化健康食品として、発酵活性を有しないサッカロマイセスセレビシエを配合した抗酸化健康食品に関する記載がなされている。
特開2006−197897(特許文献3)には酵母を培養する培地成分として、焼酎蒸留残液を原料として用いて、米麹及び酵母の存在下で発酵させた抗酸化作用を有する飲食品の記載がある。
さらに、特開2006−109768(特許文献4)には、サトウキビから砂糖を分離した糖蜜および/または柑橘果汁窄汁残渣より回収する果汁蜜で酵母を培養し、ラジカル消去活性の高い酵母含有組成物を得る方法の記載があり、特開2006−94800(特許文献5)には廃糖蜜を乳酸菌、乳酸菌と酵母、乳酸菌と枯草菌、又は乳酸菌と酵母と枯草菌を用いて発酵させることを特徴とする抗酸化作用が増強された組成物の記載がなされている。
特開2004−141163(特許文献6)には、モモタマナ(Terminalia catappa)の葉を乳酸菌、乳酸菌と酵母、乳酸菌と枯草菌、又は乳酸菌と酵母と枯草菌が用いて発酵させて得られる抗酸化効果の高い組成物が、また、特開2004−73050(特許文献7)には、沖縄に自生しうるミカン科(Rutaceae)植物及び/又はキク科(Asteraceae)植物を、乳酸菌、乳酸菌と酵母、乳酸菌と枯草菌、又は乳酸菌と酵母と枯草菌を用いて発酵させる発酵組成物、また特開2004−43505(特許文献8)には、グアバ抽出物と、米糠類、大豆類及び炭素源を含む培地に微生物を接種し、発酵培養して得られる米糠・大豆発酵物を含有することを特徴とする発酵組成物が記載されている。
特開2002−335881(特許文献9)には、イチゴ、イチジク、ウメ、ブルーベリー、ラズベリー、リンゴ、キウイ等の果実、あるいは柑橘類の皮を加熱殺菌し、Saccharomyces cerevisiaeを接種して発酵させ、これに砂糖、ペクチン等を加えて加熱濃縮してジャムを製造する抗酸化性に優れ、風味のよい食品の記載がある。
特開平10−150971号(特許文献10)には、穀類の麹、酵母及び水により一次酢醪を調製する工程と、この一次酢醪にさつまいもを加えて二次酢醪を調製してアルコール発酵液を生成する工程と、このアルコール発酵液に水と酢酸菌を添加して三次酢醪を調製して酢酸発酵させる工程とを有する「さつまいも酢の製造方法」が開示されている。特開2006−197826(特許文献11)には、蒸煮して磨砕した紫サツマイモと水の混合物に有機酸とでんぷん分解酵素とアルコール発酵酵母培養液を添加してもろみを構成し糖化とアルコール発酵を並行して行いアルコール発酵液を生成する糖化・アルコール発酵工程と、アルコール発酵液に酢酸菌培養液を添加して酢酸発酵を行い酢酸を生成する酢酸発酵工程とを有する紫サツマイモ酢の製造方法が開示されている。
上記に記載したように培地等にいろいろなものを添加し、また各種の微生物を用いて培養した組成物が記載されている。しかしながら、紫サツマイモの抽出液を培地に添加し、Saccharomyces cerevisiae で培養し、培養後の菌体抽出液を利用した抗酸化剤、紫外線傷害抑制剤の記載はなされていない。
特開平8−100175号公報 特開2006−271261号公報 特開2006−197897号公報 特開2006−109768号公報 特開2006−94800号公報 特開2004−141163号公報 特開2004−73050号公報 特開2004−43505号公報 特開2002−335881号公報 特開平10−150971号公報 特開2006−197826号公報
上述のように、各種培地にて酵母菌をはじめとして、各種の菌を培養して、抗酸化物質を得ているが、いずれも満足いく効果ではなかった。そこで、本願においては、紫サツマイモの抽出液を培地に添加し、Saccharomyces cerevisiae で培養した培養後の菌体抽出液が、これまでにない高い抗酸化効果を有する物質を得ることを課題とし、更には、紫外線照射による光老化で生じるシワ・シミの抑制に有効な化粧品に応用することを課題とする。
酵母菌の培養に通常用いられる培地に、紫サツマイモ抽出液を加え、Saccharomyces cerevisiae で培養し、培養終了後、菌体と培養液とに分離し、本培養菌体の抽出液を効果成分として用いる。
本発明によると紫サツマイモの抽出液を添加した培地でSaccharomyces cerevisiae で培養した培養後の菌体抽出液は、高い抗酸化性物質を含有するため、紫外線による細胞の損傷を抑制する作用が顕著である。紫外線は皮膚内で活性酸素を生成し、表皮細胞にアポトーシスを起こさせると共に、種々のサイトカインを産生しメラニン産生を促進させる。紫外線照射により表皮細胞は傷害され細胞数の減少を招くと共に、表皮の角化が抑制され表皮バリアーの形成が不十分となる。このため、皮膚の水分保持がすくなくなり、かさかさした肌になると共に炎症も起こり易い肌となる。また、真皮の線維芽細胞は、紫外線照射によりコラーゲン・ヒアルロン酸の産生が抑制され、肌のハリ・弾力が低下する。従って、かかる酵母菌体抽出液を配合してなる本発明の化粧料は、それら両作用の複合に基づく相乗的効果により、紫外線による光老化によるシワ・シミ・タルミなどの皮膚の老化や不健全化の症状の予防或いは改善に多面的かつすぐれた効果を発揮して、皮膚を真に健全で若々しい状態に維持し、改善する効果を有する。又、本発明化粧料で活性成分として用いる酵母菌体抽出液は、皮膚に対する刺激性が全くなく、このため本発明の化粧料は生体安全性にも大変すぐれたものである。
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明で用いるSaccharomyces cerevisiae は市販されているパン酵母、または分譲されているSaccharomyces cerevisiae
に属する酵母であれば特に制限なく使用できる。また、酵母は糖類が存在する自然界からも容易に分離することができるため、植物や土などから分離した酵母であっても、Saccharomyces cerevisiae に属する酵母であれば使用できる。
また、培地に添加する紫サツマイモは、サツマイモ(Ipomoea batatas L.)の品種のひとつであり、アントシアニン色素を含むのが特徴で、このためイモの中身が紫色を呈している。
代表的な品種としては、アヤムラサキ、ムラサキマサリ、パープルスイートロード、種子島紫いも(出願中商標)、紫宝(登録商標)、魚豚紫1号などの品種が知られているが、いずれの紫サツマイモでも本発明に使用できる。
本発明に用いる紫サツマイモ抽出液の調製法は特に限定されないが、例えば種々の適当な有機溶媒を用いて低温下から加温下で抽出することができる。抽出溶媒としては、例えば、水;メチルアルコール、エチルアルコール等の低級1価アルコール;グリセリン、プロピレングリコール、1、3−ブチレングリコール等の液状多価アルコール;アセトン、メチルエチルケトン等のケトン;酢酸エチルなどのアルキルエステル;ベンゼン、ヘキサン等の炭化水素;ジエチルエーテル等のエーテル類;ジクロルメタン、クロロホルム等のハロゲン化アルカン等の1種または2種以上を用いることが出来る。そのうち、水、エチルアルコール、1、3−ブチレングリコールの1種または2種以上の混合溶媒が特に好適に示される。
抽出方法は紫サツマイモをそのまま、あるいは細切したものを質量比で2〜1000倍量、特に5〜100倍量の溶媒を用いることが出来る。常温抽出の場合には、0℃以上、特に20℃〜40℃で1時間以上、特に3〜7日間行うのが好適である。また、60〜100℃で0.5〜24時間、加熱抽出しても良い。
以上のような条件で得られる紫サツマイモ抽出物は、ろ過等の処理をして溶液のまま用いても良いが、更に必要により、濃縮、粉末化したものを適宜使い分けて用いることが出来る。
Saccharomyces cerevisiae を培養する培地としては、一般的にはYM培地、YPD培地などが代表的であるが、グルコースのような糖原料と、酵母エキスのような微量ビタミン類、ミネラル類などの栄養素を含有する物質が含まれていれば培養が可能である。また、酵母の生育に必要なアミノ酸、ビタミン、ミネラル、糖源、窒素源を加えた合成培地でも培養が可能である。基本培地の炭素源としては、グルコース、フルクトース、マンノース、ガラクトース等の単糖類、シュクロース、マルトース、トレハロース等の二糖類を用いることができる。基本培地の窒素源としては、イーストエキス、モルトエキス、ペプトン、ポリペプトン、カザミノ酸等の有機物、硝酸カルシウム、硫酸アンモニウム、硝酸ナトリウム、塩化アンモニウム等の窒素含有化合物を用いることができる。また、ビタミン類としては、例えばビオチン、チアミン(ビタミンB1)、ピリドキシン(ビタミンB6)、パントテン酸、イノシトール、ニコチン酸等を用いることができる。ミネラルとしては、例えばリン、窒素、カリウム、カルシウム、マグネシウム、イオウ、鉄、マンガン、亜鉛、ホウ素、銅、モリブデン、塩素、ナトリウム、ヨウ素、コバルト等が挙げられ、これらの成分は例えば硝酸カリウム、硝酸ナトリウム、硝酸カルシウム、塩化カリウム、リン酸1水素カリウム、リン酸2水素カリウム、塩化カルシウム、硫酸マグネシウム、硫酸ナトリウム、硫酸第一鉄、硫酸第二鉄、硫酸マンガン、硫酸亜鉛、ホウ酸、硫酸銅、モリブデン酸ナトリウム、三酸化モリブデン、ヨウ化カリウム、塩化コバルト等の化合物として用いることができる。
前記以外の培地組成であっても、酵母菌培養に適している培地であれば、本発明に適用されるのは勿論である。さらに、培地には水或いは水と低級アルコール類(メタノール、エタノール、プロパノールなど)もしくはグリコール類(エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、グリセリンなど)との混液等を添加して培養しても良い。
前記の組成からなる培地は、これを培養工程に供する前に、殺菌を行って培養の障害となる雑菌を除去する。この場合殺菌除去方法としては、培養組成物を予め殺菌した上、無菌水等の無菌媒体に懸濁する方法を用いてもよく、又培養組成物を媒体に懸濁した後、懸濁液を加熱殺菌する方法を用いるようにしてもよい。加熱殺菌法としては、懸濁液を120〜130℃で10〜20分間加熱するオートクレーブ殺菌法や、懸濁液を80〜90℃に60〜120分間保持することを1日1回2〜3日間繰り返す間断殺菌法が一般に用いられる。
次に、この無菌化した培養液を培養タンクに入れ、これに酵母を植菌して培養を行う。Saccharomyces cerevisiae
の接種量は10〜10個/mLが適量である。接種量が上記の範囲より多くなっても培養の進行時間は殆ど変わらず、一方上記の範囲より少なくなると培養完了までに長時間を要することとなって好ましくない。
培養温度は一般に5〜50℃の範囲、好ましくは酵母菌の生育至適温度である20〜40℃の範囲である。培養日数は、至適温度に於いて一般に1〜10日、好ましくは2〜5日の範囲である。培養日数が上記の一般的範囲より短くなると培養が十分に行われず菌体抽出液の有効性が低下する傾向にあり、一方10日を越えて長くしても有効性のそれ以上の上昇は認められないだけでなく、菌体への着色や培養臭の増加が生ずることとなっていずれも好ましくない。
以上の培養処理が終ったならば、酵母菌体と培養液を分離させ培養の進行を止める。培養物はろ過、或いは遠心分離などの固液分離手段によって培養液を分取し、酵母菌体と分離する。得られた酵母菌は、菌体中の抗酸化性物質を抽出するために、水と有機溶媒の混液などで抽出する。このとき用いる有機溶媒は特に限定されないが、例えば種々の適当な有機溶媒を用いて低温下から加温下で抽出することができる。抽出溶媒としては、例えば、水;メチルアルコール、エチルアルコール等の低級1価アルコール;グリセリン、プロピレングリコール、1、3−ブチレングリコール等の液状多価アルコール;アセトン、メチルエチルケトン等のケトン;酢酸エチルなどのアルキルエステル;ベンゼン、ヘキサン等の炭化水素;ジエチルエーテル等のエーテル類;ジクロルメタン、クロロホルム等のハロゲン化アルカン等の1種または2種以上を用いることが出来る。そのうち、水、エチルアルコール、1、3−ブチレングリコールの1種または2種以上の混合溶媒が特に好適に示される。また、酵母菌体の細胞壁を分解させるβ-グルカナーゼなどの酵素を作用させる方法や、酸、アルカリによる加水分解により、菌体内成分を抽出する方法が可能である。これらの抽出方法の中でも、50%エタノール水混液は、極性の低い成分から極性の高い成分まで容易に抽出出来るので、最適である。
本発明のSaccharomyces cerevisiae の培養後の菌体抽出液を配合してなる化粧料としては、例えば乳液、クリーム、ローション、エッセンス、パック、洗顔料などの基礎化粧料、口紅、ファンデーション、リキッドファンデーション、メイクアッププレスドパウダー、おしろい、アイシャドーなどのメイクアップ化粧料、洗顔料、ボディーシャンプー、石けんなどの清浄用化粧料、さらには浴剤等が挙げられるが、勿論これらに限定されるものではない。
本発明の化粧料中に於けるSaccharomyces cerevisiae の培養後の菌体抽出液の配合量は、菌体抽出液の固形分として、基礎化粧料の場合は、一般に0.001〜10質量%、好ましくは0.01〜1質量%の範囲、メイクアップ化粧料の場合は、一般に0.001〜5質量%、好ましくは0.01〜0.5質量%の範囲、清浄用化粧料の場合は、一般に0.001〜5質量%、好ましくは0.01〜0.5質量%の範囲である。
本発明の化粧料には、上記の必須成分の他に、通常化粧料に用いられる配合成分、例えば油性成分、界面活性剤、保湿剤、増粘剤、防腐・殺菌剤、粉体成分、紫外線吸収剤、色素、香料等を必要に応じて適宜配合することができる。
油性成分としては、例えばオリーブ油、ホホバ油、ヒマシ油、大豆油、米油、米胚芽油、ヤシ油、パーム油、カカオ油、メドウフォーム油、シアーバター、ティーツリー油、アボガド油、マカデミアナッツ油、植物由来スクワランなどの植物由来の油脂類;ミンク油、タートル油などの動物由来の油脂類;ミツロウ、カルナウバロウ、ライスワックス、ラノリンなどのロウ類;流動パラフィン、ワセリン、パラフィンワックス、スクワランなどの炭化水素類;ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、イソステアリン酸、cis−11−エイコセン酸などの脂肪酸類;ラウリルアルコール、セタノール、ステアリルアルコールなどの高級アルコール類;ミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソプロピル、オレイン酸ブチル、2−エチルヘキシルグリセライド、高級脂肪酸オクチルドデシル(ステアリン酸オクチルドデシル等)などの合成エステル類及び合成トリグリセライド類等が挙げられる。
界面活性剤としては,例えばポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレンソルビトール脂肪酸エステルなどの非イオン界面活性剤;脂肪酸塩、アルキル硫酸塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩、ポリオキシエチレン脂肪酸アミン硫酸塩、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル燐酸塩、α−スルホン化脂肪酸アルキルエステル塩、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル燐酸塩などのアニオン界面活性剤;第四級アンモニウム塩、第一級〜第三級脂肪酸アミン塩、トリアルキルベンジルアンモニウム塩、アルキルピリジニウム塩、2−アルキル−1−アルキル−1−ヒドロキシエチルイミダゾリニウム塩、N,N−ジアルキルモルフォルニウム塩、ポリエチレンポリアミン脂肪酸アミド塩などのカチオン界面活性剤;N,N−ジメチル−N−アルキル−N−カルボキシメチルアンモニオベタイン、N,N,N−トリアルキル−N−アルキレンアンモニオカルボキシベタイン、N−アシルアミドプロピル−N′,N′−ジメチル−N′−β−ヒドロキシプロピルアンモニオスルホベタインなどの両性界面活性剤等を使用することができる。
保湿剤としては、例えばグリセリン、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、ポリエチレングリコールなどのグリコール類、マルチトール、ソルビトール、キシリトール、トレハロース、グルコース等の糖類、ピロリドンカルボン酸ナトリウム、乳酸菌発酵米、ムコ多糖類(例えば、ヒアルロン酸及びその誘導体、コンドロイチン及びその誘導体、ヘパリン及びその誘導体など)、エラスチン及びその誘導体、コラーゲン及びその誘導体、加水分解シルク蛋白質、NMF関連物質、乳酸、尿素、高級脂肪酸オクチルドデシル、フィトステロール、大豆リン脂質、イソステアリン酸コレステリル、海藻抽出物、各種アミノ酸及びそれらの誘導体等が挙げられる。
増粘剤としては、例えばアルギン酸、寒天、カラギーナン、フコイダン、ファーセララン等の褐藻、緑藻或いは紅藻由来成分、ビャッキュウ抽出物、ペクチン、ローカストビーンガム、アロエ多糖体等の多糖類、キサンタンガム、トラガントガム、グアーガム等のガム類、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース等のセルロース誘導体、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、カルボキシビニルポリマー、アクリル酸・メタクリル酸共重合体等の合成高分子類;ヒアルロン酸及びその誘導体、ポリグルタミン酸及びその誘導体、グルコシルトレハロースと加水分解水添デンプンを主体とする糖化合物等が挙げられる。
防腐・殺菌剤としては、例えば尿素;パラオキシ安息香酸メチル、パラオキシ安息香酸エチル、パラオキシ安息香酸プロピル、パラオキシ安息香酸ブチルなどのパラオキシ安息香酸エステル類;フェノキシエタノール、ジクロロフェン、ヘキサクロロフェン、塩酸クロルヘキシジン、塩化ベンザルコニウム、サリチル酸、エタノール、ウンデシレン酸、フェノール類、ジャーマル(イミダゾデイニールウレア)、1,2−ペンタンジオール、ウドなどのタラノキ属植物の抽出物、各種精油類、樹皮乾留物、プロポリスエキス等がある。
粉体成分としては、例えばセリサイト、酸化チタン、タルク、カオリン、ベントナイト、酸化亜鉛、炭酸マグネシウム、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム、硫酸バリウム、無水ケイ酸、雲母、6−又は12−ナイロンパウダー、ポリエチレンパウダー、シルクパウダー、セルロース系パウダー等がある。
紫外線吸収剤としては、例えばパラアミノ安息香酸エチル、パラジメチルアミノ安息香酸エチルヘキシル、サリチル酸アミル及びその誘導体、パラメトキシ桂皮酸2−エチルヘキシル、桂皮酸オクチル、オキシベンゾン、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン−5−スルホン酸塩、4−ターシャリーブチル−4−メトキシベンゾイルメタン、2−(2−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、ウロカニン酸、ウロカニン酸エチル、アロエ抽出物等がある。
本発明以外の抗酸化剤としては、例えばスーパーオキシドディスムターゼ(Superoxide dismutase)、カタラーゼなどの生体内活性酸素分解酵素、ビタミンE、ビタミンDなどのビタミン類及びその誘導体、ブチルヒドロキシアニソール、ブチルヒドロキシトルエン、没食子酸プロピル、ユビデカキノン(ユビキノン)、ルチン、ルチングルコシド、γ−オリザノール等がある。
さらに必要ならば、本発明で用いる発酵物の作用効果及び特長を損なわない範囲で、他の活性成分(美白剤、皮膚老化防止・肌荒れ改善剤、抗炎症剤等)を配合してもよく、かかるものとしては、例えば美白剤であれば、トラネキサム酸及びその誘導体、t−シクロアミノ酸誘導体、コウジ酸及びその誘導体、アスコルビン酸及びその誘導体、ハイドロキノン誘導体、エラグ酸及びその誘導体、レゾルシノール誘導体、胎盤抽出物、システイン、ソウハクヒ抽出物、ユキノシタ抽出物、ハマメリス抽出物、イタドリ抽出物、甘草抽出物、ゲンノショウコ抽出物、ユキノシタ抽出物、ナツメ抽出物、シャクヤク抽出物、トウキ抽出物、モモ抽出物、緑藻類、紅藻類又は褐藻類の海藻の抽出物、リノール酸及びその誘導体もしくは加工物(例えばリノール酸メントールエステルなど)、2,5−ジヒドロキシ安息香酸誘導体等が、皮膚老化防止・肌荒れ改善成分であれば、動物又は魚由来のコラーゲン及びその誘導体、エラスチン及びその誘導体、セラミドなどの細胞間脂質、胎盤抽出物、ニコチン酸及びその誘導体、グリチルリチン酸及びその誘導体(ジカリウム塩等)、t−シクロアミノ酸誘導体、ビタミンA前駆体、ビタミンA及びその誘導体、ビタミンE及びその誘導体、アラントイン、α−ヒドロキシ酸類、ジイソプロピルアミンジクロロアセテート、γ−アミノ−β−ヒドロキシ酪酸、コエンザイムQ−10、アデノシン、α−リポ酸、ピコリン、カルニチン及びその誘導体、ゲンチアナエキス、甘草エキス、ハトムギエキス、カミツレエキス、ニンジンエキス、アロエエキスなどの生薬抽出エキス、米発酵エキス、緑藻類、紅藻類又は褐藻類の海藻の抽出物、ソウハクヒエキス、ブナ抽出物、キダチアロエ抽出物、マンネンロウ抽出物、イチョウ抽出物、スギナ抽出物、ベニバナ抽出物、オタネニンジン抽出物、セイヨウニワトコ抽出物、ハゴロモグサ抽出物、レンゲ抽出物、マンゴー抽出物、卵殻膜抽出タンパク質、デオキシリボ核酸カリウム塩、紫蘭根抽出物、ムラサキシキブ抽出物、イネ抽出物等が、又抗炎症成分であれば、例えばグアイアズレンスルホン酸ナトリウム、グアイアズレンスルホン酸エチルなどのアズレン誘導体、グリチルリチン酸ジカリウム、グリチルリチン酸ステアリルなどのグリチルリチン酸誘導体、アラントイン、カンゾウ抽出物、クジン抽出物、シャクヤク抽出物、ボタンピ抽出物、レンギョウ抽出物、リュウタン抽出物、トウキンセンカ抽出物、パセリ抽出物、オトギリソウ抽出物等が挙げられる。
次に、実施例として、DPPH(1,1−diphenyl−2−picrylhydrazyl)を用いたラジカル消去活性の測定による、本発明品の効果を具体的に説明する。紫外線が皮膚に照射されると、皮膚内において活性酸素ラジカルが生成し、この活性酸素ラジカルにより皮膚に炎症や傷害をもたらすことが知られている。DPPHラジカル消去試験は、紫外線による皮膚内で生じる活性酸素ラジカル消去を想定した試験である。DPPHはそれ自体が安定なラジカルであり、ラジカル消去物質すなわち、抗酸化物質が存在すると安定な物質に変化する。DPPHラジカルが消去されると溶液の紫色が次第に退色することから、この吸光の変化を吸光光度計で測定することによって化合物のもつ抗酸化力を測定する。具体的には、あらかじめエタノールに溶解しておいたDPPHを、被験液に加えて撹拌し、室温で一定時間放置した後、540nmの吸光度を測定し対照群に対して減少した吸光度をDPPHラジカル消去活性とする。また、表皮細胞の紫外線防御効果は、ヒト表皮細胞Hacat細胞を用いて試験を行った。処方例(化粧料の実施例)及び試験例を挙げて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はそれらに限定されるものではない。なお、以下に於いて、部はすべて質量部を、又%はすべて質量%を意味する。
Saccharomyces cerevisiae の採取方法
市販されているパン酵母(日清スパーカメリア・ドライイースト:日清フーズ(株))を購入し、120℃で15分間滅菌したYM培地100mlを添加した三角フラスコに0.1g懸濁し、28℃、150rpmで3日間回転培養を行った。懸濁液を1白金耳取り、YM寒天培地上で引き伸ばして単独コロニーを得、これを以下の実験に使用した。なお、YM培地の組成はペプトン5g/L、酵母エキス3g/L、麦芽エキス3g/L、グルコース10g/Lであり、YM寒天培地はYM培地に寒天20g/Lを添加し、加熱溶解して作成した。
紫サツマイモ抽出液の調製方法
紫サツマイモは市販されている紫サツマイモ(種子島紫いも)を購入し、1cm角に細切した。粉砕物100gに精製水150gを加え、80℃で2時間加熱抽出した。抽出液は遠心分離器で上澄み液を取り、培養液に添加した。
酵母の培養と菌体培養液の調製方法
培地はYNB(Yeast Nitrogen Base) with Ammonium Sulfate 合成培地にグルコースを2.0%添加した。培地50mlに前記抽出液の調製方法で調製した紫サツマイモ抽出液5mlを加え、120℃、15分間オートクレーブで滅菌処理を行った。培地を冷却後、1白金耳の酵母菌を植え付け、28℃、150rpm、で4日間培養を行った。培養後、2,000rpm、5分間の遠心分離により、菌体と培養液を分離した。分離した菌体に50%エタノール水溶液3mlを加え、室温で1昼夜放置した。その後3000rpmで5分間遠心分離を行い、上清を取り菌体抽出液とした。
YNB(Yeast Nitrogen Base) with Ammonium Sulfate 合成培地の組成は、硫酸アンモニウム5,000、リン酸二水素カリウム1,000、硫酸マグネシウム500、塩化ナトリウム100、塩化カルシウム100、ビオチン0.002、パントテン酸カルシウム0.4、葉酸0.002、イノシトール2.0、ナイアシン0.4、パラアミノ安息香酸0.2、塩酸ピリドキシン0.4、リボフラビン0.2、塩酸チアミン0.4、ホウ酸0.5、硫酸銅0.04、ヨウ化カリウム0.1、塩化第二鉄0.2、硫酸マンガン0.4、モリブデン酸ナトリウム0.2、硫酸亜鉛0.4(単位は全てmg/L)からなる。
DPPH試験
DPPH溶液の調製方法
(A)MES(2-(N-モルホリノ)エタンスルホン酸)5.52gを水100mlに溶かし、1N−NaOHでPH6.1に調製する。
(B)DPPH(1,1−ジフェニルー2−ピクリルヒドラジル)15.7mgをエタノール100mlに溶解する。
(C)精製水
DPPH溶液は(A):(B):(C)=1:4:3容量の割合で混合し調製する。
(D)Trolox溶液の調製
Trolox
25mgをDMSO(ジメチルスルホキシド)10mlに溶解し、10mM溶液を作成した。
(E)DPPH試験
測定は試験溶液10μlを96well plateの1well中に加え、次いでDPPH溶液 190μlを迅速に加え混合する。10分後、各wellの吸光度を540nmで測定する。試験溶液のTrolox当量は、0.1mM、0.3mM、0.5mM、1.0mM、3.0mM、5.0mM、10mMのTrolox溶液10μlをとり、DPPH溶液190μlを加え混合し、10分後の540nmの吸光度を測定し、Trolox濃度と540nmの吸光度値の検量線を作成する。試験溶液の540nmの吸光度値から、検量線によりTrolox当量を算出した。標準物質として使用するTroloxは、トコフェロールと類似した構造を有する物質である。Troloxを1とした場合、α-、γ-、δ-トコフェロールは、それぞれ0.50、0.74、1.36を示すといわれております。
表−1に培地に各種抽出液添加して培養した場合の菌体抽出液のDPPHラジカル消去試験の結果を示した。
表−1には紫サツマイモ抽出液のほかにサツマイモ抽出液を培地に添加して培養した場合の菌体抽出液の結果も示した。サツマイモ抽出液は市販されているサツマイモ(鳴門金時)を用い、前記紫サツマイモ抽出液の調製方法で示した方法と同じ方法により抽出液を得、試験に供した。
表−1の結果より、紫サツマイモ抽出物を10%添加した培養前の培地のDPPH消去活性が0.215mM Trolox当量を示した。0.215mM Trolox当量は、この培養液がTrolox 0.215mMのDPPH消去活性の強さを示すことを示しており、この値が高いほど抗酸化活性が高いことを示すものである。
このDPPH消去活性が培養後では、培養液で0.510mM、菌体抽出液で6.81mM Trolox当量を示した。一方、紫サツマイモ抽出液を添加しないYNB培地のみでパン酵母を培養した培養液および菌体抽出液のDPPH消去活性は0.153mM、−0.07mM Trolox当量であり、明らかに紫サツマイモ抽出液を添加して培養したことにより、菌体抽出液の抗酸化活性が高くなったことが明らかである。
同じく、比較対照としてサツマイモ抽出液を10%添加して培養した結果、培養前の培地のDPPH消去活性が0.024mM Trolox当量を示したのに対し、培養後では培養液、菌体抽出液のDPPH消去活性がそれぞれ、0.187mM、0.55mM Trolox当量を示した。この結果からも明らかなように、紫サツマイモ抽出液を添加して培養したことにより、菌体抽出液の抗酸化活性が高くなったことが明らかとなった。
尚、紫サツマイモ、サツマイモをエタノール、エタノール水混液、1,3-ブチレングリコール、1,3−ブチレングリコール水混液等で抽出した抽出液を培地に添加した場合においても、同様の傾向が確認された。
紫外線照射による細胞増殖試験
〔細胞の調製〕
ヒト表皮細胞であるHacat細胞を5%FBSを添加したD−MEM培地に分散し24well plateに5×10/wellになるよう細胞を播種し1日間、37℃で培養を行ない50%程度のコンフルーエント状態にした。翌日、各菌体抽出液を細胞培養液500μlに対して25μl添加し2時間、37℃にてインキュベートを行った。その後、培地を捨て、PBS(−)溶液で細胞を洗浄した。洗浄した細胞に15mJ/cm2量のUV−Bを照射した後、5%FBSを添加したD−MEM培地500μlを添加して、2日間培養した。培養終了後、培養液を捨てPBS(−)で洗浄後、10%中性ホルマリン溶液を30分間添加し細胞を固定した。10%中性ホルマリン溶液を除去し、精製水で細胞を洗浄後、0.05%−ナフトールブルーブラック溶液(9%酢酸、0.1M酢酸ナトリウム)で30分間染色した。染色後、細胞を精製水で洗浄し、0.05N−NaOH溶液500μlでナフトールブルーブラック色素を抽出し、595nmの吸光度を測定することによって各well中の細胞数の比較を行った。なお、細胞数の比較はコントロール区の吸光度値を100とした場合の割合を求めて算出した。
表−2に紫サツマイモ、サツマイモ抽出液を添加して培養した酵母菌体抽出液の紫外線照射後の細胞増殖試験の結果を示した。表中の値はUV−B非照射群の細胞増殖度を100とした場合のUV−B照射群の細胞増殖度を示した。各種酵母菌体抽出液を添加しなかった群、すなわち50%エタノール水溶液添加区の細胞増殖度は、非照射群の58%の増殖度を示した。これはUV−B照射により細胞増殖が約半分に抑制されたことを示している。
紫サツマイモ抽出液を10%培地に添加して培養した酵母菌体抽出液をUV−B照射前に添加しておいた群では、細胞増殖度が90%を示した。また対照としてサツマイモ抽出液を添加して培養した酵母菌体抽出液をUV−B照射前に添加した群では、細胞増殖が71%となり、UV−B傷害による細胞死の抑制効果が少ないことが示された。またYNB培地のみで培養した酵母菌体抽出液添加群の細胞増殖は、57%となり、UV−B傷害による細胞死を抑制できないことが示された。
尚、紫サツマイモ、サツマイモをエタノール、エタノール水混液、1,3-ブチレングリコール、1,3−ブチレングリコール水混液等で抽出した抽出液を培地に添加した場合においても、同様の傾向が確認された。
次に、本発明の培養処理物を配合した処方例を示すが、本発明はこれに限定されるものでない。
化粧料の処方例
(1)化粧用クリーム(質量%)
a)ミツロウ・・・2.0
b)ステアリルアルコール・・・5.0
c)ステアリン酸・・・8.0
d)スクワラン・・・10.0
e)自己乳化型グリセリルモノステアレート・・・3.0
f)ポリオキシエチレンセチルエーテル(20E.O.)・・・1.0
g)紫サツマイモ抽出液添加培養後培養液・・・2.0
h)1,3−ブチレングリコール・・・5.0
i)水酸化カリウム・・・0.3
j)防腐剤・酸化防止剤・・・適量
k)精製水・・・残部
製法
a)〜f)までを加熱溶解し、80℃に保つ。h)〜k)までを加熱溶解し、80℃に保ち、a)〜f)に加えて乳化し、40℃まで撹拌しながら冷却する。その後、g)を加え、攪拌し均一に溶解する。
(2)乳液(質量%)
a)ミツロウ・・・0.5
b)ワセリン・・・2.0
c)スクワラン・・・8.0
d)ソルビタンセスキオレエート・・・0.8
e)ポリオキシエチレンオレイルエーテル(20E.O.)・・・1.2
f)紫サツマイモ抽出液添加培養菌体抽出液・・・5.0
g)1,3− ブチレングリコール・・・7.0
h)カルボキシビニルポリマー・・・0.2
i)水酸化カリウム・・・0.1
j)精製水・・・残部
k)防腐剤・酸化防止剤・・・適量
l)エタノール・・・7.0
製法
a)〜e)までを加熱溶解し、80℃に保つ。g)〜k)までを加熱溶解し、80℃に保ち、a)〜e)に加えて乳化し、50℃まで撹拌しながら冷却する。50℃でf)、l)を添加し、40℃まで攪拌、冷却する。
(3)化粧水 (質量%)
a)紫サツマイモ抽出液添加培養菌体抽出液・・・10.0
b)グリセリン・・・5.0
c)ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート(20E.O.)・・・1.0
d)エタノール・・・6.0
e)香料・・・適量
f)防腐剤・酸化防止剤・・・適量
g)精製水・・・残部
製法
a)〜g)までを混合し、均一に溶解する。
(4)洗顔料(質量%)
a)ステアリン酸・・・12 .0
b)ミリスチン酸・・・14 .0
c)ラウリン酸・・・5.0
d)ホホバ油・・・3.0
e)グリセリン・・・10.0
f)ソルビトール・・・15.0
g)1,3−ブチレングリコール・・・10.0
h)POE(20)グリセロールモノステアリン酸・・・2.0
i)水酸化カリウム・・・5.0
j)水・・・残部
k)キレート剤・・・適量
l)香料・・・適量
m)紫サツマイモ抽出液添加培養後培養液・・・1.0
製法
a)〜h)までを加熱溶解し70℃に保つ。j)にi)を溶解後a)〜h)に加えケン化する。その後k)、l)を入れ攪拌しながら冷却する。50℃でm)を添加し、40℃まで攪拌、冷却する。
(5)パウダーファンデーション(質量%)
a)酸化チタン・・・13.0
b)セリサイト・・・25.0
c)タルク・・・残部
d)ベンガラ・・・0.8
e)黄酸化鉄・・・2.5
f)黒酸化鉄・・・0.1
g)紫サツマイモ抽出液添加培養後培養液・・・0.05
h)スクワラン・・・10.0
i)セスキオレイン酸ソルビタン・・・3.5
j)防腐剤・・・適量
製法
顔料a)〜f)を混合し、粉砕機にかけて粉砕する。これを高速ブレンダーに移し、g)〜j)を混合する。これを粉砕機で処理し、圧縮成形する。
塗布によるヒトでの効果確認試験
本発明の化粧料の抗シワ改善効果につき、使用テストにより効果試験を行った。使用テストは、それぞれ30〜60才の10名の女性をパネラーとし、毎日朝と夜の2回、1ケ月にわたり洗顔後に試験化粧料を顔面に塗布することにより行った。試験化粧料は、段落0050に記載の化粧料を用いた。対照品としては上記の化粧料から、紫サツマイモ抽出液添加培養菌体抽出液の変わりに表中の抽出物に置き換えたものを使用した。結果を表−3に示す。なお、評価基準は下記の基準により評価した。
<抗シワ効果評価基準>
・有効‥‥‥‥肌のシワが改善された。
・やや有効‥‥肌のシワがやや改善された。
・無効‥‥‥‥かわらない。
表―3の結果から明らかなように、紫サツマイモ抽出液を添加してSaccharomyces cerevisiae で培養した培養菌体抽出物を配合した化粧料は皮膚のシワ改善効果に対し有効であった。
尚、紫サツマイモ、サツマイモをエタノール、エタノール水混液、1,3-ブチレングリコール、1,3−ブチレングリコール水混液等で抽出した抽出液を培地に添加した場合においても、同様の傾向が確認された。
以上詳述したごとく、本発明の化粧料は、シワ改善効果に優れているので紫外線や、外的環境から受ける肌の炎症などにより生じる光老化によるシワの改善に幅広く適用することができる。また、本発明の化粧料は安全性が高く、安心して使用することができる。

Claims (4)

  1. 紫サツマイモ抽出液を配合した培地で培養したSaccharomyces cerevisiae の菌体抽出液からなる抗酸化剤。
  2. 紫サツマイモ抽出液を配合した培地で培養したSaccharomyces cerevisiae の菌体抽出液からなる紫外線傷害抑制剤。
  3. 請求項1および/または請求項2記載の各剤を配合したことを特徴とする化粧料。
  4. 請求項1および/または請求項2記載の各剤を配合したことを特徴とする抗光老化化粧料。
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