JP5609784B2 - 電解Cu箔製造ドラム用チタン合金厚板とその製造方法 - Google Patents
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特許文献2には、最表面から1/3板厚にわたる板面に平行な表層部において、平均粒径が40μm以下であり、さらに、集合組織が[0001]0°〜±45°TD、かつ、[0001]0°〜±25°RD(ただし、[0001]はc軸方位、TDは板幅方向、RDは圧延方向)であることを特徴とする表層部組織に優れた純チタン製銅箔製造ドラム用チタンが提案されている。
特許文献4には、Cuを質量%で0.15%以上、0.5%未満、特許文献5には、Cuを0.5%以上、2.1%以下含むCu箔製造ドラム用チタン板が提案されている。
また、同特許文献には、「集合組織が[0001]0°〜±45°TD、かつ、[0001]0°〜±25°RD(ただしTDは板幅方向、RDは圧延方向)であることを特徴とする」という定性的な記述はあるが、集合組織の特徴を定量的に記載していない。
本発明はかかる知見に基づいて完成させたものであり、その要旨とするところは以下の通りである。
本発明(1)のチタン合金厚板は、質量%で、Al:0.4〜1.8%と残部チタン、不可避不純物からなる。
まず、各組成を上記範囲に限定した理由について説明する。
また、電解Cu箔製造用ドラムとしての使用に伴い、板厚の若干の減少が発生するため、板厚は4mm以上であることが必要である。
本発明で問題とするのは、肉眼で判別できる「マクロ模様」のみならず、研磨時の表面の毟れの不均一に起因する直径数十μm以下のミクロサイズの欠陥である。毟れは、結晶粒が微細であるほど微小となる。十分に微小な毟れは、欠陥ではない。微細な結晶粒による毟れの抑制効果は平均結晶粒度が8.2以上で顕著となる。結晶粒は微細なほど良いが、実質的には平均結晶粒度8.2〜10.5の範囲のものが望ましい。
チタン製ドラム材表面の毟れとは、図1のaに示す部分のこと、である。c軸のTD方向への倒れの角度が、TD方向に±45°、また、c軸のRD方向への倒れの角度が±25°であるような楕円の領域というのは、図2の模式図に示す楕円の部分である。
Cu箔製造ドラム用チタン材でこれまで問題になっていたのは主にマクロ不均一模様に関するものである。マクロ不均一模様は肉眼で容易に識別できる程度、大きさで言うと数mmレベルの表面欠陥で、粗大粒の残存や、熱間圧延時に残留した筋状の圧延組織等に起因するものであるため、熱間圧延時にクロス圧延を行うことや、α温度域での加工量を十分取ること等により解決されていた。
すなわち、最終圧延方向RD、圧延面の法線ND、圧延幅方向をTD、(0001)面の法線をc軸としたとき、圧延面より法線方向からのα相の(0001)面極点図において、c軸のTD方向への倒れの角度が−45〜45°、また、c軸のRD方向への倒れの角度が−25〜25°であるような楕円の領域にc軸が存在する結晶粒の総面積をA、それ以外の結晶粒の総面積をBとし、面積比A/Bが3.0以上である集合組織とする。
まず、当該試料の観察表面を化学研磨し、電子線後方散乱回折法;EBSP(Electron Back Scattering Diffraction Pattern)を用いて結晶方位解析する。1mm×1mmの領域を、ステップ1〜2μmでスキャンし、(0001)極点図(図3)を作図する。
面積比A/Bを3.0以上とするのは、3.0未満だと中央付近への集積が少なく、c軸が板面に対して倒れた結晶粒が多くなり、研磨時の毟れが顕著となるためである。面積比A/Bの上限はAが100%で、Bがゼロとなる場合であるが、実際にはそのような場合はなく、面積比A/Bは3.0〜19.0であることが好ましい。
(1)の成分からなるチタン合金を800〜900℃に加熱後圧延することにより、α単相温度域において圧延を行うことが可能となる。(1)記載の成分からなるチタン合金をα単相温度域で圧延し、600〜750℃の熱処理を施し再結晶させることにより、粒成長を抑制し、微細結晶粒組織を得ることができる。
熱処理温度は600℃未満では再結晶が不十分であり、750℃以上では粒成長により粗粒となるため、600〜750℃とした。
結晶粒度が8.2より著しく大きな結晶粒を得るにはα温度域での熱間加工、熱処理の後に冷間圧延を行うことがより効果的である。圧下率は30%より小さいと結晶組織微細化の効果が得られないため、圧下率30%以上とした。圧下率は高いほど微細組織が得られ、(1)記載の集合組織を十分形成させるためには40%以上の圧下を行うことが望ましい。冷間圧延後の熱処理温度は600℃未満では再結晶が不十分であり、750℃以上では粒成長により粗粒となるため、600〜750℃とした。
(実験1)
表1に示した成分からなるインゴット200kgを、真空アーク2回溶解により準備し、これを熱間鍛造後、スケール除去し、表2に示す厚さのスラブとした。このスラブについて、表2に示す加熱温度、熱間圧延圧下率、熱処理温度の条件により、加熱して熱間圧延を行い、熱処理を施してCu箔製造ドラム用のチタン板を作製した。
No.2−1〜14は、本発明の実施例である。電解Cu箔製造ドラムの板厚は10mm以下程度であるため、熱間圧延後の板厚は7、8、9、10mmとし、熱間圧延前の板厚を20〜150mmにすることにより、熱間圧延の圧下率60%以上を確保した。
また、熱間圧延時の加熱温度が、920℃とβ温度域にはずれたNo.2−16では、粒成長が顕著となり、結晶粒度が7.3前後と小さく、ビッカース硬度も110未満で低め、なおかつ研磨時の毟れもやや多かった。
熱処理温度が本発明より低いNo.2−19では、再結晶せず筋状のマクロ模様が残り不適、熱処理温度が本発明より高いNo.2−20では、結晶粒度が小さく、集合組織の発達が不十分であった。
一方、Alの含有量が本発明よりも多いNo.2−23では、研磨斑を起因とするマクロ模様が発生し、使用不可であった。
表1に示したNo.1−1〜10の成分からなるインゴット200kgを、真空アーク2回溶解により準備し、これを熱間鍛造後、スケール除去し、表3に示す厚さのスラブとした。このスラブについて、表3に示す加熱温度、熱間圧延圧下率、熱処理(I)温度、冷間圧延圧下率、熱処理(II)温度の条件により、加熱して熱間圧延を行い、熱処理(I)を施した後、冷間圧延を行い、熱処理(II)を施してCu箔製造ドラム用のチタン板を作製した。実験1と同じく表3に各測定値、および研磨毟れ、マクロ模様等の評価をまとめた。
Claims (3)
- 質量%で、Al:0.4〜1.8%を含み、残部チタンと不可避不純物からなり、
板厚が4mm以上で、表面下1.0mmおよび1/2板厚部の板面に平行な部位において、平均結晶粒度が8.2以上、かつ、ビッカース硬度が115以上、145以下であり、
表面下1mmから1/2板厚部にわたる板面に平行な部位において、集合組織が、最終圧延方向RD、圧延面の法線ND、圧延幅方向をTD、(0001)面の法線をc軸としたとき、圧延面より法線方向からのα相の(0001)面極点図において、c軸のTD方向への倒れの角度が−45〜45°、また、c軸のRD方向への倒れの角度が−25〜25°である楕円の領域にc軸が存在する結晶粒の総面積をA、それ以外の結晶粒の総面積をBとし、面積比A/Bが3.0以上であることを特徴とする電解Cu箔製造ドラム用チタン合金厚板。 - 請求項1記載の電解Cu箔製造ドラム用チタン合金厚板の製造方法であって、請求項1の成分からなるチタン合金を800〜900℃に加熱し、圧下率60%以上の熱間圧延を行い、600〜750℃の熱処理を施すことを特徴とするチタン合金厚板の製造方法。
- 請求項1記載の電解Cu箔製造ドラム用チタン合金厚板の製造方法であって、請求項1の成分からなるチタン合金を800〜900℃に加熱し、圧下率60%以上の熱間圧延を行い、600〜750℃の熱処理を施した後、圧下率30%以上の冷間圧延を行い、その後600〜750℃で熱処理を行うことを特徴とするチタン合金厚板の製造方法。
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