JP5531931B2 - 板面集合組織の発達した電解Cu箔製造ドラム用チタン合金板とその製造方法 - Google Patents

板面集合組織の発達した電解Cu箔製造ドラム用チタン合金板とその製造方法 Download PDF

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本発明は、電子部品の多層配線板、フレキシブル配線板やリチウムイオン電池の負極集電体などに使用される銅箔(Cu箔と記す)を製造するためのドラム用チタン材であって、均一でかつ緻密な板面金属組織を有する材料およびその製造方法に関するものである。
これらの用途に用いられるCu箔は、Cu原料を硫酸溶液に溶解させた硫酸銅溶液中で、Pbやチタンなどの不溶性金属を陽極、幅1m以上、直径数mのドラムを陰極とし、ドラムを回転させつつドラム上にCuを連続的に電析させ、これを連続的に剥離させ、ロール状に巻き取るという方法で製造されている。ドラムの材料としては、耐食性に優れること、Cu箔の剥離性に優れること、などの観点から、チタンが使用されている。
しかし、いかに高耐食性のチタン材といえども、使用中に電解液中で徐々に腐食を受けて、新たに出現した面の状態がCu箔に転写されるようになる。金属の腐蝕というのは、その金属材料の有する組織、結晶方位、欠陥、偏析、加工歪み、残留歪みなど様々な内質要因によってその程度が異なることが知られており、このような不均質な内質状態の材料からなるドラムが使用中に腐蝕を受けると、必ずしも均質な面状態が維持できなくなる。
このような不均質な組織のうち、肉眼で判別できるものを「マクロ模様」と呼ぶ。銅箔製造用チタンドラムの場合、マクロ組織は、表面を600番のサンドペーパーで研磨した後、硝酸約10%、弗酸約5%、残り水のエッチング液に数十秒〜数分間浸漬することにより得られる。何らかの原因により、数ミリメートル長さでも不均質な組織があると、それらの部分はエッチング状態が異なるため、肉眼で判別される。したがって、素材チタン材のマクロ組織を均質にすること、すなわちマクロ組織中に生ずるいわゆる「マクロ模様」を低減することが、ドラムの均質な腐蝕を達成し、高精度かつ均質な厚さのCu箔を製造するための必須事項である。
これに対して、特許文献1には、チタン材料を、950℃以上に加熱し粗圧延した後、700℃以下の温度に加熱した後仕上げ圧延を粗圧延の方向に直角な方向にクロス圧延する方法が記載されている。
特許文献2には、最表面から1/3板厚にわたる板面に平行な表層部において、平均粒径が40μm以下であり、さらに、集合組織が[0001]0°〜±45°TD、かつ、[0001]0°〜±25°RD(ただしTDは板幅方向、RDは圧延方向)であることを特徴とする表層部組織に優れた純チタン製銅箔製造ドラム用チタンが提案されている。
また、特許文献3には、結晶粒度7.0以上、かつ初期水素含有量が35ppm以下であることを特徴とする電解銅箔製造用のチタン材とその製造方法として、圧延開始温度を200℃以上550℃未満、圧延終了温度を200℃以上で圧下率40%以上の圧延を行う方法が提案されている。
特許文献4には、Cuを質量%で0.15%以上、0.5%未満、特許文献5には、Cuを0.5%以上、2.1%以下含む銅箔製造ドラム用チタンが提案されている。
特開昭60−9866号公報 特開2002−285267号公報 特開2002−194585号公報 特開2009−41064号公報 特開2005−298853号公報
近年、電子部品で使用される銅箔の表面品質は、銅箔の薄肉化に伴いさらに厳しく問われるようになり、肉眼で判別できる「マクロ模様」のみならず、研磨時の表面の毟(むし)れの不均一に起因する直径数十μm以下のミクロサイズの欠陥も問題となる場合が出てきている。チタン製ドラム材表面の毟れとは、図1のaに示す部分のことである。
特許文献1に開示された方法は、仕上げ熱延における加熱温度を低下させることにより、粗大結晶粒起因のマクロ模様の出現を抑制し、仕上げ圧延を粗圧延の方向に直角な方向にクロス圧延を行うことにより、圧延方向に生じるバンド状のマクロ模様を抑制するものであるが、上記ミクロサイズの欠陥の出現は抑制できない。
また特許文献2には、純チタンにおいて、β温度域における分塊鍛造後急冷、α温度域で粗圧延後、仕上げ圧延を650〜750℃の温度で、粗圧延の方向に直角な方向にクロス圧延し、焼鈍後、冷延、再焼鈍を行うということにより、特徴のある集合組織を得、マクロ的不均一模様のない銅箔製造ドラム用純チタン材を得ている。しかし、この方法は工程が複雑、かつ、製造条件管理も煩雑である。また、集合組織は、[0001]軸が板法線方向とほぼ平行な(傾きは25°以内)、Center-Pole-texture、[0001]軸が板幅方向に35〜45°傾く、Split-TD-textureおよび[0001]軸が板幅方向に35〜45°傾く、Split-RD-textureの単一もしくは複合的集合組織である。しかし、熱間圧延まま材において、[0001]軸が板幅方向に70°以上傾くTransverse-textureも全結晶粒の割合が数十%以上存在するため、その後の工程を経た板材においても、Transverse-textureが充分抑制されない場合があり、その場合、隣接する結晶粒の面方位が大きく異なる部分ができるため、その境界では、研磨時の毟られ方が顕著となり、ミクロレベルの欠陥が生じ、ミクロサイズの疵をきらう高級銅箔を製造するドラム材としては品質的に不十分な場合があった。また、同特許文献には、「集合組織が[0001]0°〜±45°TD、かつ、[0001]0°〜±25°RD(ただしTDは板幅方向、RDは圧延方向)であることを特徴とする」という定性的な記述はあるが、集合組織の特徴を定量的に記載していない問題もある。
特許文献3では、平均結晶粒度7.0以上、かつ初期水素含有量が35ppm以下であることを特徴とする電解銅箔製造用のチタン材とその製造方法として、圧延開始温度を200℃以上550℃未満、圧延終了温度を200℃以上で圧下率40%以上の圧延を行う方法が提案されているが、結晶粒度7.0以上、かつ水素含有量35ppm以下の純チタン材は、純チタン製品としては極普通の結晶粒度、かつ、水素含有量であり、この程度の組織微細化と水素含有量抑制による水素化物の生成抑制だけでは、ミクロサイズの欠陥は抑制できない。
特許文献4では、Cuを質量%で0.15%以上、0.5%未満、特許文献5には、Cuを0.5%以上、2.1%以下含む銅箔製造ドラム用チタン、および、α+β二相温度域に加熱し、熱間圧延を行い、500℃以上β変態点以下の温度域で焼鈍、さらに冷間圧延を行い、500℃以上、β変態点以下の温度域で焼鈍する製造方法が提案されているが、この方法は工程が複雑、かつ、製造条件管理も煩雑である。また、ミクロサイズの欠陥の抑制に関しても不十分である。
以上のような現状に鑑み、本発明は、銅箔製造ドラム用チタン材で、マクロ模様のみならず、研磨時の毟れに起因するミクロサイズの欠陥;直径数十μm以下の欠陥がなく均一微細な板面金属組織を有し、複雑な加工熱処理に頼ることなく製造可能で、高品質の電解Cu箔を製造することのできるドラム用チタン材、及びその製造方法を提供しようとするものである。
本発明者らは、Cu添加チタン合金について、その表面結晶方位と研磨時の表面の毟れ状態、およびミクロサイズの欠陥発生の関係を調査し、その製造方法について鋭意検討を重ねた結果、マクロ模様だけでなく、ミクロサイズの欠陥を抑制可能な集合組織を見出し、その製造プロセスを見出すにいたった。
本発明はかかる知見に基づいて完成させたものであり、その要旨とするところは以下の通りである。
(1)質量%で、Cu:0.3〜1.1%、Fe:0.04%以下、酸素:0.1%以下、水素:0.006%以下を含み、残部チタンと不可避不純物からなり、表面下1.0mmおよび1/2板厚部の板面に平行な部位において、平均結晶粒度が8.2以上であり、かつビッカース硬度が115以上、145以下であり、最終圧延方向RD、圧延面の法線ND、圧延幅方向をTD、(0001)面の法線をc軸としたとき、表面下1.0mmおよび1/2板厚部の板面に平行な部位において、集合組織が、圧延面より法線方向からのα相の(0001)面極点図において、c軸の倒れの角度が、ND軸を中心とするウルフネットにおいて、TD方向に±45°を長軸、RD方向に±25°を短軸とする楕円の範囲内に存在する結晶粒の総面積をA、それ以外の結晶粒の総面積をBとし、面積比A/Bが3.0以上であることを特徴とする電解Cu箔製造ドラム用チタン板。
(2)α+β二相域加熱による熱間圧延工程を経て仕上げ圧延によりチタン材を得るための製造方法であって、仕上げ圧延工程は、チタン材の圧延開始温度が200℃以上700℃以下で、当該チタン材を圧下率40%以上で圧延加工し、最後に550〜700℃で10〜30minの熱処理を施すことを特徴とする(1)に記載の電解Cu箔製造ドラム用チタン板の製造方法。
本発明により、ミクロサイズの欠陥発生が少なく均一微細な板面金属組織を有し、高品質の電解Cu箔を製造するに適した、電解Cu箔製造ドラム用チタン板及びその製造方法を、複雑な加工熱処理工程を経ることなく提供することができる。
チタン材の表面に生じた毟れを示す顕微鏡写真 ND軸を中心とするウルフネットにおいて、TD方向に±45°を長軸、RD方向に±25°を短軸とする楕円の領域を示す模式図 EBSP結晶方位解析における(0001)極点図の例
本発明のチタン板において、質量%で、Cu:0.3〜1.1%、Fe:0.04%以下、酸素:0.1%以下、水素:0.006%以下と残部チタン及び不可避不純物からなることとした。
まず、各組成を上記範囲に限定した理由について説明する。
Cuを本発明のCu濃度範囲(0.3〜1.1%)で含有するチタン合金は、α+βの二相となる温度範囲が840〜870℃と広い温度範囲となる。そこで、このようなチタン素材を用い、α+β二相温度域に加熱して熱間圧延することにより、単相組織に比べて著しく結晶粒成長が抑制されるため、より微細な組織となる。加工再結晶組織は、加工前の組織が微細であるほど均質微細となる。また、結晶組織が微細化した結果として、ビッカース硬度を高めることができる。
本発明ではさらに、上記Cu量を含むチタン合金をα+β二相温度域で熱間圧延した後、本発明のチタン板の製造方法に示す仕上げ圧延と熱処理を行うことにより、最終圧延方向RD、圧延面の法線ND、圧延幅方向をTD、(0001)面の法線をc軸としたとき、表面下1.0mmおよび1/2板厚部の板面に平行な部位において、集合組織が、圧延面より法線方向からのα相の(0001)面極点図において、c軸が、ND軸を中心とするウルフネットにおいて、TD方向に±45°を長軸、RD方向に±25°を短軸とする楕円の領域に存在する結晶粒の総面積をA、それ以外の結晶粒の総面積をBとし、面積比A/Bを3.0以上とすることができる。ND軸を中心とするウルフネットにおいて、TD方向に±45°を長軸、RD方向に±25°を短軸とする楕円の領域というのは、図2の模式図に示す楕円の部分である。なお、ウルフネットとは、半球上に緯線と経線の格子を置き、それらを円盤の上にステレオ投影した曲線をいう(図2)。
こうして、α+β二相域圧延によって平均結晶粒度が8.2以上の微細な結晶とするとともに、さらに面積比A/Bが3.0以上の、大部分の結晶粒のc軸が板面に対して垂直(圧延面の法線ND方向)に近い集合組織を有し、最終的にマクロ不均一組織はもとより、ミクロサイズの欠陥もない均質微細な結晶組織とすることによる相乗効果により、ビッカース硬度が115以上、145以下の高い硬度を実現することができ、研磨時にミクロサイズの欠陥、また、同欠陥の原因となる表面の毟れが微小または発生しにくい組織を得る技術である。
これを実現するためには、Cuの添加量は0.3〜1.1%であることが必要である。Cuが0.3%未満の場合、二相域圧延を行っても平均結晶粒度を8.2以上とするのが困難であるため、Cu量の下限は0.3%とした。また、1.1%を超えて含有すると、仕上圧延の際にTi2Cuの析出が起こりやすくなり、マクロ不均一模様を生じる場合が出てくるためである。
Fe、酸素、水素を本発明範囲に限定した理由について説明する。
Feは、β相を安定化する元素であり、α相中への固溶量は極めて小さく最も多量に固溶する温度においても高々0.04%である。これを超えてFeが添加されると、Feの濃化したβ相が出現するようになるが、このβ相は腐蝕環境下で優先的に溶解し、ピット状の窪みとなりやすい。このような窪みが面上に存在すると、電析するCu箔に転写されるため、高品質のCu箔が製造できなくなる。したがって、Fe含有量は0.04%以下であることが必要である。Fe量の下限は特に規定しないが、不純物として通常0.005%以上含有している。
純チタンや主要なチタン合金は、hcp構造のα相を主相としており、酸素はこれを強化する合金元素である。電解Cu箔製造ドラムは、板を冷間で曲げて円筒状のドラムに成形するため、軟質の方が成形しやすく、また成形後の残留応力も小さく、均質となる。この残留応力もマクロ模様発生の一因であり、これを低減するために、本発明では酸素の含有量を0.1%以下とした。酸素量の下限は特に規定しないが、不純物として通常0.005%以上含有している。
Hを0.006%以下としたのは、水素化物の生成を抑制するためである。水素化物が生成すると衝撃特性が劣化し、加工時やハンドリング時に支障をきたす可能性がある。H濃度が0.006%以下であれば、平均結晶粒度8.2以上の材料中において水素化物が生成することはほとんどないため、上限を0.006%とした。下限は、水素化物を発生しないという点から、低いほど良いが、通常不純物として0.001%以上は含有していることが多い。なお、不可避不純物とは、精錬、溶解等の製造工程で、材料中への混入が避けられない不純物元素を指すものであり、例えば0.05%以下の窒素、炭素、水素、Ni、Cr、Mn、Mg、Sn、Al、V、Siなどを指す。
Fe、酸素及び水素の含有量を各々上に記載の範囲内に制御するためには、チタン原料として高純度のスポンジチタンを用い、スクラップチタンの使用比率を調整すれば良い。更に、加熱の際に微量の過剰酸素を雰囲気に供給するなどして雰囲気を調整し、水素の含有量を制御することができる。
また、本発明において、最終圧延方向RD、圧延面の法線ND、圧延幅方向をTD、(0001)面の法線をc軸としたとき、表面下1.0mmおよび1/2板厚部の板面に平行な部位において、集合組織が、圧延面より法線方向からのα相の(0001)面極点図において、c軸の倒れの角度が、ND軸を中心とするウルフネットにおいて、TD方向に±45°を長軸、RD方向に±25°を短軸とする楕円の範囲内に存在する結晶粒の総面積をA、それ以外の結晶粒の総面積をBとし、面積比A/Bが3.0以上であることを特徴とする電解Cu箔製造ドラム用チタン板とした。集合組織を上記のように規定した理由は前述のとおりチタン板の硬度を上昇させる効果に加え、以下のとおりの効果を得るためである。
銅箔製造ドラム用チタン材でこれまで問題になっていたのは主にマクロ不均一模様に関するものであるが、マクロ不均一模様は肉眼で容易に識別できる程度、大きさでいうと数mmレベルの表面欠陥で、粗大粒の残存や、熱間圧延時に残留した筋状の圧延組織等に起因するものであるため、熱間圧延時にクロス圧延を行うことや、α温度域での加工量を十分取ること等により解決されていた。
一方、直径数十μm以下のミクロサイズの欠陥は、隣接する結晶粒の方位が関係している。α型チタン材料の各結晶粒はHCP構造をしているが、HCPの底面(0001)面は最稠密であるため、柱面(10−10)面に比べ硬度が高く、研磨条件によっては、表面の毟られ方が異なる。したがって、これらの面が隣接して存在すると一方はあまり毟られず、一方は顕著に毟られるため、境界部分の差が顕著となり、直径数十μm(結晶粒径と同等サイズ)以下のミクロサイズの欠陥として認識されるようになるのである。ドラム材の各結晶粒が完全にランダムだとしても、上記のような組み合わせはどこかに生じるため、局所的に欠陥が生じることになる。このような事実に鑑み、発明者らは、結晶粒のほとんどが底面(0001)面か、それに近い方位の面に揃っていれば、研磨時の欠陥は抑制できることを見出した。
すなわち、最終圧延方向RD、圧延面の法線ND、圧延幅方向をTD、(0001)面の法線をc軸としたとき、圧延面より法線方向からのα相の(0001)面極点図において、ND軸を中心とするウルフネットの、TD方向に±45°を長軸、RD方向に±25°を短軸とする楕円の領域にc軸が存在する結晶粒の総面積をA、それ以外の結晶粒の総面積をBとし、面積比A/Bが3.0以上であることを特徴とする集合組織である。
チタン材のc軸はRD方向に比べTD方向には倒れ方が大きい。c軸のTD方向への倒れの角度は±45°とした。上限を45°としたのは、これを超えると角度0°の結晶粒表面との硬度差が顕著となるため、研磨時の毟れの差が大きくなるためである。c軸のRD方向への倒れの角度は±25°である。c軸はRD方向へはTD方向に比べ倒れないため、上限は25°とした。
本発明において、ND軸を中心とするウルフネットの、TD方向に±45°を長軸、RD方向に±25°を短軸とする楕円の領域にc軸が存在する結晶粒の総面積A、それ以外の結晶粒の総面積B、面積比A/Bは以下のようにして算出する。
まず、当該試料の観察表面を化学研磨し、電子線後方散乱回折法;EBSP(Electron Back Scattering Diffraction Pattern)を用いて結晶方位解析する。1mm×1mmの領域を、ステップ1〜2μmでスキャンし、(0001)極点図(図3)を作図する。図中の黒い点は、(0001)面の法線すなわちc軸が、板面の法線(ND軸)に対して傾斜した角度を示している。その角度は、図2に示すウルフネットに重ね合わせることにより読み取ることができる。ウルフネットでTD方向に−45〜45°、RD方向に−25〜25°となる楕円(図2中のb)内にある黒点の密度とそれ以外の部分にある黒点の密度の比が、本発明で規定する、c軸が楕円bの領域にある結晶粒の総面積Aと、c軸が楕円b以外の部分にある結晶粒の総面積Bの比A/Bに相当する。楕円bの領域及びそれ以外の領域にある黒点の密度は、それぞれ画像解析により読み取ることにより得る。A/B3.0以上は、観察範囲の結晶粒の中で75%以上の結晶粒のc軸が、中央付近の領域に集まっていることを意味する。3.0以上としたのは、3.0未満だと中央付近への集積が少なく、c軸が板面に対して倒れた結晶粒が多くなり、研磨時の毟れが顕著となるためである。上限はAが100%で、Bがゼロとなる場合であるが、実際にはそのような場合はなく、3.0〜19.0である。また、A/B3.0以上は、表面から1/2厚の深さにわたって均一に満足されることが好ましいが、発明者らは、本発明の電解Cu箔製造ドラム用Ti合金板において、表面から1.0mmの面及び1/2厚の面におけるA/Bが3.0以上であれば表面から1/2厚までの間でもA/Bは、ほぼ均一に3.0以上であることを確認した。
本発明において、平均結晶粒度と硬度を、表面下1.0mmおよび1/2板厚部の板面に平行な部位において、平均結晶粒度が8.2以上であり、かつ、ビッカース硬度が115以上、145以下であると規定した。平均結晶粒度が8.2以上としたのは以下の理由による。全ての結晶粒のc軸方位を板面にほぼ垂直に揃えるのは困難であり、c軸がTD方向に倒れた結晶粒もある割合で存在する。そのような場合に、研磨時の毟れが周囲と異なる場所があったとしても、結晶粒が微細であれば、数十μmレベルよりもさらに狭い領域となり目立ちにくくなるため、欠陥と認識されにくくなる。この効果は平均結晶粒度が8.2以上で有効となる。再結晶していれば、結晶粒は微細なほど良いが、実質的には8.2〜10.5の範囲のものが望ましい。また、研磨時の毟れを小さく、または、毟れそのものを発生しにくくするため、表面の硬度はある程度の硬さを有することが望ましい。ビッカース硬度115以上であれば、毟れは微小となり、欠陥として目立ちにくくなる。ただし硬すぎると研磨そのものが困難となるため上限を145とした。
また、結晶粒度及び硬度の条件は、表面から1/2厚の深さにわたって均一に満足されることが好ましいが、発明者らは、本発明の電解Cu箔製造ドラム用Ti合金板において、表面から1.0mmの面及び1/2厚の面において結晶粒度が8.2〜10.5の範囲であり、ビッカース硬度が115〜145の範囲であれば表面から1/2厚までの間でも結晶粒度が8.2〜10.5の範囲であり、ビッカース硬度が115〜145の範囲であることを確認した。
本発明の電解Cu箔製造ドラム用チタン板の製造方法は、α+β二相域加熱による熱間圧延工程を経て仕上げ圧延によりチタン材料を得る製造方法であって、仕上げ圧延工程を、圧延開始温度300℃以上700℃以下、圧下率40%以上で行い、最後に550〜700℃で10〜30minの熱処理を施すことを特徴とする。
本発明の成分組成を有するチタン材をα+β二相温度域で加熱し、直後に熱間圧延すると、Cuを本発明範囲で含有しているので十分なα+β二相温度域において熱間圧延を行うことができる。α+β二相温度域としては、840〜880℃であるため、加工発熱を考慮して、加熱温度は830〜870℃とすることが望ましい。このように、α+β二相域温度で熱間圧延を行うことにより、均質な結晶組織を得ることができる。α+β二相域で熱間圧延すると、α相とβ相が互いの結晶粒成長を妨げ合うために、結晶粒径の粗大化を防止できる。その後冷却時に、β相はα相に変態し、結果的に、平均結晶粒径の小さなα単相組織が得られる。
次に、仕上げ圧延において、圧延開始温度200℃以上700℃以下、圧下率40%以上の圧延を行う。仕上げ圧延において、通常の熱間圧延温度より低い温度で圧延することにより、本発明に規定する極めて強い集合組織が形成されることが可能となる。この時、700℃を超えると、集合組織の形成が不十分となり、200℃未満では、圧延時に疵が発生しやすくなり、かつ圧延形状が悪くなるため、200℃以上、700℃以下とした。
仕上げ圧延時の圧下率は40%以上とした。圧下率40%未満では、本発明に規定する集合組織の形成が不十分であり、研磨時の毟れを起因とするミクロサイズの欠陥が生じる危険性が高まるためである。
さらに、仕上げ圧延後、当該チタン材を550〜700℃で熱処理する。これは、200〜700℃での仕上げ圧延により高度に蓄積した歪みを核として再結晶を促進させ、均質微細再結晶組織を得るための工程である。したがって、焼鈍温度の下限は、再結晶温度550℃、できるだけ細粒とすべく、上限温度は結晶粒径を微細とするため、700℃とした。保定時間としては、10min以下だと面内の均一な温度分布が達成されず、結晶粒径が混粒化するのでよくない。また、保定時間が30min以上であれば表面酸化が過剰になり、後続の脱酸化膜工程の負荷が大きくなり、また生産性が悪いなどの理由で好ましくない。以上の理由から、冷間圧延後の最終焼鈍条件としては、550〜700℃の温度範囲において10〜30minの保定を行うように規定した。
本発明を、実施例を用いてさらに詳しく説明する。
表1に示した成分からなるインゴット200kgを、真空アーク2回溶解により準備し、これを分塊圧延して厚さ150mmのスラブとした。このスラブについて、熱間圧延工程を経て仕上げ圧延を行った。熱間圧延時の加熱温度、熱間圧延後の板厚、仕上げ圧延の開始温度、仕上げ圧延後の板厚と圧下率を表2に示した。
これらの試料の表層下1mm、および1/2板厚部の表面を機械研磨し鏡面にした後、コロイダルシリカを用いて研磨した。その後、FE−SEM(Field Emission-Scanning Electron Microscope)/EBSPを用いて結晶方位解析を実施した。なお、EBSP測定については、試料の平均的な情報を得るため、試料ごとに1mm×1mmの範囲、5視野をステップ2μmで測定し、(0001)極点図を作図、ND軸を中心とするウルフネットでTD方向に−45〜45°、RD方向に−25〜25°となる楕円(図2中のb)内にある黒点の密度とそれ以外の部分にある黒点の密度を画像解析により求め、その比(A/B)を求めた。
また、50mm×70mmの試験片を切り出し、表面下1mmの面と板厚1/2の面をフライス加工により表出し、サンドペーパー研磨600番で研磨した後、ポリビニール・アルコールのアセタール化物を結合剤とする弾性砥石(砥粒はSiC、粒度#600、以下PVA砥石と称す)により研磨し、SEM観察により、表面の状態を観察した。尚、潤滑油は石油を使用した。表面の状態は、PVA研磨後の毟れの状態を観察した。100×130μmの領域に発生する毟れの個数が、5個以上あれば「やや多い」、2〜4個であれば「微少」、1個以下を「ほぼ無し」と評価した。
結晶粒度は小片の表層下1mmと1/2板厚部の表面のそれぞれ任意の5箇所のミクロ組織を光学顕微鏡観察し、ミクロ組織よりJISG0551に準拠して測定した。ビッカース硬度についても同様の面の硬度を荷重1kgで5点測定し、平均した。
表2に製造条件と各測定値、および研磨時毟れの評価をまとめた。
No.1〜14は、本発明の実施例である。粗圧延の加熱温度は、それぞれの合金組成でα+βの2相となる温度である。電解Cu箔製造ドラムの板厚は10mm以下程度であるため、仕上げ圧延後の板厚は7、8、9、10mmとし、粗圧延材の板厚を19〜70mmにすることにより、仕上げ圧延の圧下率を確保した。
本発明のいずれの試作材についても、表面下1mm、1/2板厚部のいずれの表面においても、c軸の板面法線方向への集積を示すA/Bは3.0以上であり、結晶粒度も8.2以上、ビッカース硬度も115以上、145以下であった。また、表面下1mmをPVA研磨した際の毟れの発生は、「ほぼ無し」または「微少」であり、毟れを起因とするミクロ欠陥の発生が抑制された電解Cu箔製造ドラム用チタン材料が製造できた。
また、表2のNo.3の試料を用いて、厚みを変えて、表面下0.5mm、2mm、3mm、4mmの面を、上に記載の方法で研磨し、各々の面で A/B、結晶粒度、及び硬度を評価した。その結果、各厚みの面で、A/B、結晶粒度、及び硬度は、各々測定誤差の範囲内でほぼ一致した。
一方、粗圧延時の加熱温度が、800℃とα+β温度域を低温側にはずれ、α単相の温度域であったNo.15では、粗圧延時の粒成長の抑制が不十分となり、最終焼鈍材の結晶粒度も7.7と低く、ビッカース硬度も110前後でやや低め、なおかつ研磨時の毟れもやや多かった。また、粗圧延時の加熱温度が、920℃とα+β温度域を高温側にはずれ、β単相の温度域であったNo.16でも、粗圧延時に粒成長が顕著となり、最終焼鈍材の結晶粒度が7.3前後と低く、ビッカース硬度も110未満で低め、なおかつ研磨時の毟れもやや多かった。
仕上圧延の開始温度が700℃よりも高いNo.17では、1/2板厚部でのA/Bが小さく、また、結晶粒度が低く、さらに、PVA研磨時の毟れがやや多かった。仕上圧延の圧下率が低いNo.18では、表面下1mm、および1/2板厚部ともにA/Bが小さく、集合組織が十分発達せず、また結晶粒度も低く、硬度も低め、PVA研磨時の毟れもやや多かった。仕上圧延温度が低いNo.19では、変形抵抗が大きく圧延が困難であり、板形状が悪くなる上に硬度が大きくPVA研磨が困難であった。Cu添加なしのNo.20では、集合組織が十分発達せず、また結晶粒度、硬度ともに低く、研磨時の毟れがやや多かった。また、Cu添加量が少ないNo.21でも同様の結果であった。Cu添加量の多いNo.22では、Cuの偏析が大きく、また、Ti2Cuの析出が多くマクロ不均一模様が発生した。
また、Cu含有量が本発明の範囲外であった、表1の1−8,1−9,1−10材を用いたNo.20〜22については、本発明の製造条件で製造しても、いずれも、結晶粒度、及び/或いは、A/Bの何れかが本発明条件を満たさず、研磨時毟れが多く、Cu箔製造用のドラムに適したチタン合金板は得られなかった。
Feを上限以上の0.08%含むNo.1−11材を、No.5と同じプロセスで厚さ9mmの板を作製し、ドラム形状に加工し電解液に浸けて使用したところ、粒界にFeが濃化していたため、粒界が優先的に溶解し窪みとなってマクロ不均一模様が発生した。また、酸素を上限以上の0.15%含むNo.1−12をNo.5と同じプロセスで厚さ9mmの板を作製し、ドラム形状に加工使用としたところ、加工時に入った残留応力によりマクロ不均一模様が発生した。水素を上限以上の0.010%含む1−13をNo.5と同じプロセスで厚さ9mmの板を作製し、ドラム形状に加工すべく板を切断したところ、切断部に割れが生じ、ドラムへの加工が不能となった。

Claims (2)

  1. 質量%で、
    Cu:0.3〜1.1%、
    Fe:0.04%以下、
    酸素:0.1%以下
    水素:0.006%以下
    を含み、残部チタンと不可避不純物からなり、
    表面下1.0mmおよび1/2板厚部の板面に平行な部位において、平均結晶粒度が8.2以上であり、かつビッカース硬度が115以上、145以下であり、
    最終圧延方向RD、圧延面の法線ND、圧延幅方向をTD、(0001)面の法線をc軸としたとき、表面下1.0mmおよび1/2板厚部の板面に平行な部位において、集合組織が、圧延面より法線方向からのα相の(0001)面極点図において、c軸の倒れの角度が、ND軸を中心とするウルフネットにおいて、TD方向に±45°を長軸、RD方向に±25°を短軸とする楕円の範囲内に存在する結晶粒の総面積をA、それ以外の結晶粒の総面積をBとし、面積比A/Bが3.0以上であることを特徴とする電解Cu箔製造ドラム用チタン板。
  2. α+β二相域加熱による熱間圧延工程を経て仕上げ圧延によりチタン材を得るための製造方法であって、仕上げ圧延工程は、チタン材の圧延開始温度が200℃以上700℃以下で、当該チタン材を圧下率40%以上で圧延加工し、最後に550〜700℃で10〜30minの熱処理を施すことを特徴とする請求項1に記載の電解Cu箔製造ドラム用チタン板の製造方法。
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