JP5602339B2 - イミド変性エラストマー - Google Patents
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Description
したがって、より優れたイミド変性エラストマーの開発が望まれている。
前記nは1〜100の整数、好ましくは2〜50の整数を示す。前記mは2〜100の整数、好ましくは2〜50の整数を示す。
上記反応行程式(A)に示すように、まず、ジイソシアナート(a)とポリオール(b)から分子両末端にイソシアナート基を有するウレタンプレポリマー(c)を得る。本発明のイミド変性エラストマー(I)は、このウレタンプレポリマー(c)をエラストマー成分とするので、ゴム状領域(室温付近)の弾性率が低くなり、よりエラスティックにすることができると共に、このウレタンプレポリマー(c)の分子量を制御することにより、主鎖に連続した2つのイミドユニットを、その分布を制御しつつ所望の割合で導入することが可能となる。
上記で得られたウレタンプレポリマー(c)を用いて、反応行程式(B)に従ってイミド前駆体であるポリウレタン−ウレア化合物(e)を合成する。すなわち、ウレタンプレポリマー(c)をジアミン化合物(d)でウレア結合により鎖延長してポリウレタン−ウレア化合物(e)を得る。
特に、1,4−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン(TPE−Q)、1,3−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン(TPE−R)を用いると、耐溶剤性に優れるイミド変性エラストマー(I)を得ることができる。
上記で得られたポリウレタン−ウレア化合物(e)を用いて、反応行程式(C)に従ってイミド変性エラストマー(I)を合成する。すなわち、テトラカルボン酸二無水物(f)でウレア結合部にイミドユニットを導入してブロック共重合体であるイミド変性エラストマー(I)を得る。
<合成例1>
前記反応行程式(A)〜(C)に従ってイミド変性エラストマー(1)を合成した。
(ウレタンプレポリマーの合成)
まず、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアナート(MDI)[日本ポリウレタン工業(株)社製]を減圧蒸留した。また、ポリカーボネートジオール(PCD)[日本ポリウレタン工業(株)社製の商品名「二ッポラン981」、重量平均分子量:1,000]を80℃、2〜3mmHg、24時間の条件で減圧乾燥した。
上記で得たウレタンプレポリマー10gを脱水処理したN−メチル−2−ピロリドン(NMP)60mlに溶解させたものと、4,4’−ジアミノジフェニルメタン(MDA)1.034gを脱水処理したNMP20mlに溶解させたものとを、攪拌機およびガス導入管を備えた500mlの四つ口セパラブルフラスコにそれぞれ加え、アルゴン雰囲気下、室温(23℃)で24時間攪拌して、ポリウレタン−ウレア化合物の溶液を得た。
上記で得たポリウレタン−ウレア化合物の溶液中に、無水ピロメリット酸(PMDA)2.276gを加え、アルゴンガス雰囲気下、150℃で2時間攪拌して、ポリウレタンアミック酸(PUA)溶液を得た。ついで、該PUA溶液を遠心成形機に流し込み、150℃で1,000rpm、1時間遠心成形してPUAシートを得た。このPUAシートを減圧デシケータ内で200℃、2時間加熱処理(脱水縮合反応)して、厚さ100μmのシート状のイミド変性エラストマー(1)(PUIシート)を得た(イミド分率:35重量%)。なお、前記イミド分率は、前記式(α)から算出して得た値である。
まず、ポリカプロラクトンジオール(PCL)[ダイセル化学(株)社製の商品名「プラクセル210」、重量平均分子量:1,000]を80℃、2〜3mmHg、24時間の条件で減圧乾燥した。ついで、PCD69.6gに代えて、上記のPCLを69.6g用いた以外は、上記合成例1と同様にして、重量平均分子量が0.6×104のウレタンプレポリマーを得た。
上記合成例1と同様にして重量平均分子量が0.8×104のウレタンプレポリマーを得、MDA1.034gに代えて、1,3−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン(TPE−R)を1.525g用いた以外は、上記合成例1と同様にして、ポリウレタン−ウレア化合物の溶液を得た。
上記合成例1と同様にして重量平均分子量が0.8×104のウレタンプレポリマーを得、MDA1.034gに代えて、1,4−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン(TPE−Q)を1.525g用いた以外は、上記合成例1と同様にして、ポリウレタン−ウレア化合物の溶液を得た。
上記合成例2と同様にして重量平均分子量が0.6×104のウレタンプレポリマーを得、MDA1.034gに代えて、TPE−Rを1.525g用いた以外は、上記合成例2と同様にして、ポリウレタン−ウレア化合物の溶液を得た。
上記合成例2と同様にして重量平均分子量が0.6×104のウレタンプレポリマーを得、MDA1.034gに代えて、TPE−Qを1.525g用いた以外は、上記合成例2と同様にして、ポリウレタン−ウレア化合物の溶液を得た。
上記合成例1〜6で得たイミド変性エラストマー(1)〜(6)の各PUIシートについて、引張試験、引裂き試験、応力緩和、熱老化試験、動的粘弾性試験および耐溶剤性試験を行った。各試験方法を以下に示すと共に、その結果を表2に示す。
PUIシートを3号ダンベルで打ち抜き、標線間20mm、500mm/分の条件で、JIS K6251に準拠し、100%引張応力、破断強度および破断伸びをそれぞれ測定した。
PUIシートをダンベルで切り込みなしアングル形に打ち抜き、500m/分の条件で、JIS K6252に準拠して引裂き強度を測定した。
PUIシートを1号ダンベルで打ち抜き、チャック間50mmで取り付け、500mm/分で5mm伸長させて停止し、停止後30秒後の応力と3630秒後の応力とを測定した。そして、各測定値を式:(3630秒後の応力/30秒後の応力)×100に当てはめて応力緩和(%)を算出した。
PUIシートを3号ダンベルで打ち抜き、150℃、180℃および200℃の各温度において96時間、ギアオーブン中で熱老化後、上記した引張試験方法と同じ条件で、JIS K6257に準拠して引張試験を行った。そして、熱老化前後の破断強度を式:[(熱老化後の破断強度/熱老化前の強度)−1]×100に当てはめて耐熱老化破断強度(Tb)変化率(%)を算出した。
セイコーインスツルメンツ社(Seiko Instruments Inc.)製の動的粘弾性測定装置「DMS 6100」を用い、20Hz、5℃/分、−100〜400℃の昇温過程にて測定した。
PUIシートをトルエンに室温(23℃)で96時間浸漬し、浸漬前後の重量増加を計量した。より具体的には、PUIシートから幅2.0cm、長さ3.0cmの試験片を切り出し、この試験片を前記条件で溶剤に浸漬し、浸漬前後の重量を下記式(β)に当てはめて膨潤率(重量変化率)(%)を算出した。
市販の耐熱性ポリエステルおよび耐熱性ポリウレタンを厚さ100μmのシート状にしたものについて、前記実施例1,2および参考例1〜4と同様にして引張試験、引裂き試験、応力緩和、熱老化試験、動的粘弾性試験および耐溶剤性試験を行った。その結果を表2に示す。なお、用いた耐熱性ポリエステルおよび耐熱性ポリウレタンは、以下の通りである。
・耐熱性ポリエステル:東洋紡績(株)社製の商品名「ペルプレンC−2000」
・耐熱性ポリウレタン:BASFジャパン(株)社製の商品名「エラストランC85A50」
ポリアミド酸溶液(宇部興産(株)社製の商品名「UワニスA」)を遠心成形機に流し込み、150℃で1,000rpm、1時間遠心成形してシート状にした後、減圧デシケータ内で200℃、2時間加熱処理(脱水縮合反応)して、厚さ100μmのシート状のポリイミド樹脂を得た。得られたポリイミド樹脂シートについて、前記実施例1,2および参考例1〜4と同様にして引張試験、引裂き試験、応力緩和、熱老化試験、動的粘弾性試験および耐溶剤性試験を行った。その結果を表2に示す。
Claims (4)
- ジイソシアナートとポリオールとから得た分子両末端にイソシアナト基を有するウレタンプレポリマーをジアミン化合物でウレア結合により鎖延長し、テトラカルボン酸二無水物でウレア結合部にイミドユニットを導入したブロック共重合体であり、
前記ポリオールが、ポリヘキサメチレンカーボネートジオールであり、
前記ジアミン化合物が、1,4−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼンおよび1,3−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼンから選ばれる少なくとも1種であるとともに、
一般式(I):
- 前記ウレタンプレポリマーの重量平均分子量が300〜50,000である請求項1記載のイミド変性エラストマー。
- 50℃での貯蔵弾性率E’が5×106〜5×108Paである請求項1〜3のいずれかに記載のイミド変性エラストマー。
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