上記従来の各装置等においては、情報の提供者と提供された情報を利用する利用者とが特定できる関係にあるため、例えば、利用者の行動に伴って情報の提供者に報酬(アフィリエイト)を容易に支払うことが可能となる。しかし、特に、不特定多数の人間を対象にして広告を表示する場合、この表示された広告を実際に閲覧して広告商品を購入した人を特定することは極めて難しく、このため、広告(情報)を表示(配信)したことによる広告効果を適切に評価することができず、その結果、例えば、広告を表示するための表示媒体を提供した人に対して適切な報酬(アフィリエイト)を支払うことが難しくなる。
又、広告の表示内容に基づく広告効果に関し、上記特許文献5に示された従来の広告表示システムにおいては、車外の人、すなわち、広告表示装置を介して広告(情報)を閲覧できる閲覧者に対して、走行地域に応じた広告データに基づく広告を広告表示装置に表示して宣伝するものである。一般に、広告効果、所謂、宣伝効果は、この広告或いは情報を見る側の関心の高さや興味の有無によって効果が上がったり下がったりする傾向を有する。この点に関し、走行地域に応じて一義的に広告表示装置に広告が表示される上記従来の広告表示システムでは、表示される広告が必ずしも閲覧者の関心や興味のある情報であるとは限らず、良好な広告効果(宣伝効果)を上げているとは言えない可能性がある。
又、広告の表示態様に基づく広告効果に関して、上記特許文献5に示された従来の広告表示システムにおいては、特定の車両を想定し、この特定の車両が個々に広告データに基づいて広告表示装置を利用して広告を表示するものである。このため、広告を見る閲覧者(視聴者)が限られる、言い換えれば、広告の表示密度が低いために良好な広告効果を上げているとは言い難い。この点に関し、近年、広告の表示密度を高めて広告効果すなわち宣伝効果を上げることを目的として、特定の地域や特定の空間に同一の事業者の広告を集中して(占有して)呈示する手法が採用される場合がある。このように、集中して(占有して)広告を呈示することにより、閲覧者(視聴者)が広告を見る機会が増えるため広告効果(宣伝効果)を高めることができると言われている。しかし、車両を用いてこのような手法を採用しようとすると、車両は移動するものであるため、特定の車両が同一地域に同一の事業者の広告を集中して(占有して)呈示することは困難となる。
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、その目的の一つは、広告表示による広告効果を適切に評価して適切な報酬を支払う広告呈示システム、広告呈示装置及び広告提供装置を提供することにある。
上記目的を達成するために、本発明の特徴は、広告を表す広告情報を取得し、この取得した広告情報に基づいて所定の広告を不特定多数の人間に対して表示して呈示する広告呈示手段と、この広告呈示手段に対して前記広告情報を提供する広告情報提供手段とを備えた広告呈示システムであって、前記広告呈示手段による前記所定の広告の呈示によって変化するものであって、前記所定の広告の対象である広告商品の販売実績の変化に関する実績情報を取得する実績情報取得手段と、前記取得された実績情報に基づいて、前記広告呈示手段による前記所定の広告の呈示に対して支払う報酬を決定する報酬決定手段とを備えることにある。この場合、前記実績情報取得手段は、例えば、ネットワークを介して接続されて、前記広告商品を販売する店舗から前記実績情報を取得することができる。又、この場合、前記報酬決定手段は、例えば、時限又は利用制限を設定して前記報酬を決定することができる。
これらによれば、広告提供手段から提供される広告情報に基づき、広告呈示手段によって広告商品を宣伝するための所定の広告が不特定多数の人間(閲覧者)に対して呈示されると、この呈示によって変化する広告商品の販売実績の変化に関する実績情報を取得し、この実績情報に基づいて広告の呈示に対して支払う報酬を決定することができる。すなわち、実績情報によって表される広告商品の販売実績の変化は、広告呈示手段によって所定の広告が呈示されることと相関しているため、実績情報に基づくことにより、不特定多数の人間に対して広告を呈示することに伴う広告効果を適切に評価して報酬を決定することができる。又、実績情報については、広告商品を販売する店舗からネットワークを介して取得することができるため、例えば、広告呈示手段によって表示された所定の広告を見た人(閲覧者)がインターネット上に開設された店舗等を利用して広告商品を購入した場合であっても、正確な実績情報を取得することができて、広告の呈示に対する適切な報酬を決定することができる。又、決定される報酬に対して時限や利用制限を設定することにより、例えば、報酬が、所謂、ポイントして支払われる場合には、このポイントの利用を促すことができる。
この場合、前記広告呈示手段の位置を表す位置情報を取得する位置情報取得手段を備え、前記実績情報取得手段は、前記取得された位置情報によって表される前記広告呈示手段の位置から所定距離以内における前記広告商品の販売実績の変化に関する前記実績情報を取得することができる。そして、この場合には、前記実績情報取得手段は、例えば、前記広告呈示手段が前記所定の広告の呈示を終了してから所定の時間内或いは所定の時間が経過した後における前記広告商品の販売実績の変化に関する前記実績情報を取得することができる。又、これらの場合には、前記報酬決定手段は、例えば、前記取得された実績情報に基づいて、前記広告商品の販売実績の変化のうち、前記広告商品の販売数量に関連する増加量が予め設定された所定の増加量よりも大きいときに、前記広告商品の販売数量に関連する増加量に応じた報酬を決定することができる。
これらによれば、所定の広告を呈示する広告呈示手段の位置から所定距離以内における広告商品の販売実績の変化に関する実績情報であったり、更に詳しくは、広告呈示手段による所定の広告の呈示が終了してから所定の時間内或いは所定の時間が経過した後における広告商品の販売実績の変化に関する実績情報を取得することができる。これにより、広告呈示手段によって所定の広告が呈示されることと、実績情報によって表される広告商品の販売実績の変化との相関をより高精度に評価することができ、この高精度な実績情報に基づくことによって、広告を表示することに伴う広告効果をより適切に評価することができて、例えば、広告商品の販売数量に関連する増加量に応じて報酬を決定することができる。
又、これらの場合、前記広告呈示手段は、少なくとも、周囲に存在する情報端末装置と近距離無線通信可能とされており、前記実績情報取得手段は、前記広告呈示手段と前記情報端末装置との間における近距離無線通信の実績に関する通信実績情報を取得する通信実績情報取得手段と、前記取得された通信実績情報に関連付けられた前記情報端末装置のユーザによる前記広告商品の購入に関する広告商品購入情報を取得する広告商品購入情報取得手段とを備えていて、前記取得された広告商品購入情報に基づいて、前記広告商品の販売実績の変化に関する前記実績情報を取得することができる。この場合、前記情報端末装置は、例えば、前記近距離無線通信によって前記広告呈示手段から前記広告情報を取得し、前記ユーザに対して前記取得した広告情報に基づく前記所定の広告を呈示することができる。又、これらの場合、前記通信実績情報取得手段による前記通信実績情報の取得は、例えば、前記情報端末装置のユーザによって許可又は禁止されるようにすることができる。又、これらの場合、前記報酬決定手段は、例えば、前記取得された通信実績情報に基づき、少なくとも、前記広告呈示手段と前記情報端末装置との間で近距離無線通信の実績があるときに、前記情報端末装置のユーザに対して支払う所定の報酬を決定することができる。更に、この場合には、前記報酬決定手段によって決定された前記所定の報酬を表す報酬情報は、例えば、前記情報端末装置に送信されるようにすることができる。
これらによれば、広告呈示手段と近距離無線通信した実績のある情報端末装置のユーザが実際に広告商品を購入したことに基づく実績情報を取得することができる。これにより、広告呈示手段によって所定の広告が呈示されることと、実績情報によって表される広告商品の販売実績の変化との相関を極めて高精度に評価することができ、この高精度な実績情報に基づくことによって、広告を表示することに伴う広告効果をより適切に評価することができる。又、通信実績情報の取得に関しては、情報端末装置のユーザが許可又は禁止することができるため、例えば、報酬を得たいときは近距離無線通信の通信実績情報の取得を許可し、プライバシーを確保したいときは近距離無線通信の通信実績情報の取得を禁止することができる。
又、本発明の他の特徴は、広告を表示する表示部と、この表示部による広告の表示を制御する制御部とを備えた広告呈示装置において、前記制御部が、外部から取得した広告を表す広告情報を取得し、この取得した広告情報に基づいて、不特定多数の人間に対して所定の広告を前記表示部に表示して呈示し、前記所定の広告の対象である広告商品の販売実績の変化に応じて、前記所定の広告の呈示に対して支払われる報酬を取得することにもある。この場合、前記制御部は、少なくとも、前記表示部の位置を表す位置情報を取得し、前記取得した位置情報によって表される前記表示部の位置から所定距離以内における前記広告商品の販売実績の変化に応じて、前記所定の広告の呈示に対して支払われる報酬を取得することができる。又、これらの場合、前記制御部は、例えば、少なくとも、前記表示部の周囲に存在する情報端末装置との間における近距離無線通信により、前記外部から取得した前記広告情報を前記情報端末装置に配信することができる。更に、これらの場合、前記表示部は、例えば、車両の外板の外表面上に設けられていて、前記車両の外方に向けて画像を表示することができる。
これらによれば、外部から取得した広告情報に基づいて不特定多数の人間に対して所定の広告を呈示することにより、この提示した所定の広告に対応する広告商品の販売実績の変化に応じて、所定の広告の呈示に対して支払われる報酬を取得することができる。これにより、広告を呈示することに伴う広告効果が適切に評価され、この評価に基づて適切に決定された報酬を取得することができる。
又、本発明の他の特徴は、外部に対して広告を表す広告情報を提供する広告提供装置において、外部に対して所定の広告を表す広告情報を提供することによって変化するものであって、前記所定の広告の対象である広告商品の販売実績の変化に関する実績情報を取得する実績情報取得手段と、前記取得された実績情報に基づいて、前記外部に対して支払う報酬を決定する報酬決定手段とを備えることにもある。この場合、前記所定の広告を表す広告情報を提供した前記外部の位置を表す位置情報を取得する位置情報取得手段を備え、前記実績情報取得手段は、前記取得された位置情報によって表される前記外部の位置から所定距離以内における前記広告商品の販売実績の変化に関する前記実績情報を取得することができる。この場合、前記実績情報取得手段は、例えば、前記所定の広告を表す広告情報を前記外部に提供してから所定の時間内或いは所定の時間が経過した後における前記広告商品の販売実績の変化に関する前記実績情報を取得することができる。
又、これらの場合、前記実績情報取得手段は、前記所定の広告を表す広告情報を提供した前記外部の周辺に存在する情報端末装置と前記外部との間における近距離無線通信の実績に関する通信実績情報を取得する通信実績情報取得手段と、前記取得された通信実績情報に関連付けられた前記情報端末装置のユーザによる前記広告商品の購入に関する広告商品購入情報を取得する広告商品購入情報取得手段とを備えていて、前記取得された広告商品購入情報に基づいて、前記広告商品の販売実績の変化に関する実績情報を取得することができる。そして、この場合、前記通信実績情報取得手段による前記通信実績情報の取得は、例えば、前記情報端末装置のユーザによって許可又は禁止されるようにすることができる。
これらによれば、外部に対して所定の広告を表す広告情報を提供すると、この提供によって変化する広告商品の販売実績の変化に関する実績情報を取得し、この実績情報に基づいて外部に対して支払う報酬を決定することができる。すなわち、実績情報によって表される広告商品の販売実績の変化は、外部に対して所定の広告を表す広告情報を提供することと相関しているため、実績情報に基づくことにより、広告情報を提供することに伴う広告効果を適切に評価して報酬を決定することができる。
又、所定の広告を表す広告情報を提供した外部の位置から所定距離以内における広告商品の販売実績の変化に関する実績情報であったり、更に詳しくは、所定の広告を表す広告情報を提供してから所定の時間内或いは所定の時間が経過した後における広告商品の販売実績の変化に関する実績情報を取得することができる。これにより、所定の広告を表す広告情報を外部に提供することと、実績情報によって表される広告商品の販売実績の変化との相関をより高精度に評価することができ、この高精度な実績情報に基づくことによって、広告情報を提供することに伴う広告効果をより適切に評価することができる。
更に、所定の広告を表す広告情報を提供した外部と近距離無線通信した実績のある情報端末装置のユーザが実際に広告商品を購入したことに基づく実績情報を取得することができる。これにより、所定の広告を表す広告情報を外部に提供することと、実績情報によって表される広告商品の販売実績の変化との相関を極めて高精度に評価することができ、この高精度な実績情報に基づくことによって、広告を表示することに伴う広告効果をより適切に評価することができる。
ここで、車両を介して表示する広告の表示内容及び表示態様に関し、例えば、車両を介して表示する情報として、少なくとも閲覧者が関心を有している広告情報を配信することを可能とする場合には、車両の周囲に存在して各種情報を閲覧する閲覧者に対して、前記車両を介して情報を配信する車両情報配信装置であって、前記車両のユーザに関する情報、及び、前記車両の周囲に存在する閲覧者に関する情報を取得する情報取得手段と、前記取得された前記車両のユーザに関する情報及び前記閲覧者に関する情報に基づいて所定の情報を取得し、この取得した前記所定の情報を前記車両を介して配信する情報配信手段とを備えた車両情報配信装置を採用するとよい。この場合、前記情報取得手段によって取得される前記車両のユーザに関する情報及び前記閲覧者に関する情報は、少なくとも、前記車両のユーザ及び前記閲覧者のそれぞれの趣向を含む趣向情報及び前記車両のユーザと前記閲覧者との間の間柄を表す間柄情報であるとよい。
これによれば、情報配信手段は、車両のユーザに関する情報及び閲覧者に関する情報、より具体的には、車両のユーザ及び閲覧者の趣向情報や間柄情報に基づいて所定の情報(広告情報を含む)を取得して、車両を介して閲覧者に対して配信することができる。従って、例えば、車両のユーザの趣向情報及び閲覧者の趣向情報に応じた車両のユーザと閲覧者の趣向に一致する情報や、車両のユーザ及び閲覧者の間柄情報に応じた車両のユーザと閲覧者の間柄に合わせた情報、言い換えれば、車両のユーザが閲覧者に対して提供したい情報であり、かつ、閲覧者が関心を有している情報を自動的に配信することができる。尚、この場合における「配信」とは、直接的な通信による情報の提供や、例えば、センタ(サーバ)を介したセキュアな情報の提供を含むものとする。
この場合、前記情報配信手段は、前記取得された前記車両のユーザに関する情報及び前記閲覧者に関する情報に基づいて、前記車両のユーザ及び前記閲覧者が特定の関係にあるときは、前記車両のユーザから前記閲覧者へのメッセージを前記所定の情報として取得して前記車両を介して配信することができる。
これによれば、車両のユーザと閲覧者との間に特定の関係(例えば、家族、友人、ソーシャルネットワーキングサービス(SNS)を利用したコミュニティーの友人、同窓、同郷、同業者等の関係)がある場合には、例えば、車両のユーザは別途操作を行うことなく、閲覧者に対してメッセージ(広告情報を含む)を配信することができる。従って、車両のユーザが閲覧者に対して提供したい情報(メッセージ)であり、かつ、閲覧者が関心を有している情報(メッセージ)を自動的に配信することができる。
又、これらの場合、前記情報配信手段は、前記閲覧者が前記車両と異なる他の車両に乗車しており、前記車両のユーザと前記他の車両に乗車した前記閲覧者とが所定の関係を有するときには、前記ユーザの乗車した前記車両を介して前記他の車両に乗車した前記閲覧者に対して配信する前記所定の情報に連動する所定の情報を更に取得し、この取得した前記連動する所定の情報を前記閲覧者の乗車した前記他の車両を介して配信することができる。
これによれば、車両のユーザと他の車両に乗車した閲覧者とが所定の関係、例えば、目的地が同一又は近似、或いは、進行方向が同一又は近似する関係であるときには、車両のユーザと他の車両に乗車した閲覧者とがツーリング(並走)しながら移動することができる。そして、この場合においては、車両を介して他の車両に乗車する閲覧者に配信する所定の情報(例えば、画像や映像)に連動する所定の情報を、他の車両を介して車両のユーザに配信することができる。これにより、ツーリングしている車両と他の車両がそれぞれ一体感を高める情報(広告情報を含む)を互いに配信しあうことができる。
又、これらの場合、前記情報配信手段は、前記取得された前記閲覧者に関する情報に基づいて、所定の広告を表す広告情報を前記所定の情報として取得して前記車両を介して配信することができる。
これによれば、情報配信手段は、車両のユーザに関する情報及び閲覧者に関する情報、より具体的には、趣向情報や間柄情報に基づいて、少なくとも閲覧者の趣向に応じた(関心を有している)広告情報を所定の情報として取得して、車両を介して閲覧者に対して配信することができる。従って、例えば、車両のユーザの趣向情報及び閲覧者の趣向情報に応じて、車両のユーザと閲覧者の趣向に一致する広告情報、言い換えれば、車両のユーザが閲覧者に対して提供したい情報であり、かつ、閲覧者が関心のある情報を自動的に配信することができる。
又、これらの場合、前記車両を介して配信される前記所定の情報は、例えば、前記車両に設けられて、前記車両の外方に存在する前記閲覧者が視認可能な表示部に表示されるものであるとよく、この場合には、前記表示部は、例えば、前記車両の外板の外表面上に設けられて、前記車両の外方に向けて画像を表示するものとすることができる。これらによれば、車両の外方に存在する閲覧者に対して車体全体で情報を表示することができるため、極めて良好な視認性を確保することができる。或いは、これらの場合、前記車両を介して配信される前記所定の情報は、例えば、限定された閲覧者のみが視認可能な表示装置に表示されるものであるとよく、この場合には、前記表示装置は、例えば、前記車両と通信し、前記配信された前記所定の情報を取得して表示するものとすることができる。これらによれば、限定された閲覧者に対してのみ情報を表示することができるため、例えば、プライバシーやセキュリティーの確保が必要な情報を適切に限定された(特定の)閲覧者に配信(表示)することができる。
又、本発明の他の特徴は、車両の周囲に存在して各種情報を閲覧する閲覧者に対して、前記車両を介して情報を配信する車両情報配信システムであって、前記車両と、前記閲覧者が所持する携帯情報端末装置又は前記閲覧者が乗車した前記車両と異なる他の車両とが互いに近接している状況を取得する近接状況取得手段と、前記車両に近接した前記携帯情報端末装置又は前記他の車両から前記閲覧者に関する情報を取得する閲覧者情報取得手段と、前記取得された前記閲覧者に関する情報に基づいて、所定の広告を表す広告情報を取得して前記車両を介して配信する情報配信手段とを備えたことにもある。この場合、前記閲覧者情報取得手段によって取得される前記閲覧者に関する情報は、少なくとも、前記閲覧者の趣向を含む趣向情報であるとよい。
これらによれば、車両と、閲覧者が所持する携帯情報端末装置又は閲覧者が乗車した他の車両とが互いに近接している状況(或いは、すれ違った状況)が取得されることのみをもって、例えば、閲覧者の趣向に応じた広告情報を、車両を介して配信することができる。これにより、閲覧者に関する情報を一元的に管理することができ、閲覧者のプライバシーを適切に保護する(確保する)ことができる。
尚、この場合においても、前記車両を介して配信される前記広告情報は、例えば、前記車両に設けられて、前記車両の外方に存在する前記閲覧者が視認可能な表示部に表示されるものであるとよく、この場合には、前記表示部は、例えば、前記車両の外板の外表面上に設けられて、前記車両の外方に向けて画像を表示するものとすることができる。これらによれば、車両の外方に存在する閲覧者に対して車体全体で広告を表示することができるため、極めて良好な視認性を確保することができる。或いは、これらの場合、前記車両を介して配信される前記広告情報は、例えば、限定された閲覧者のみが視認可能な表示装置に表示されるものであるとよく、この場合には、前記表示装置は、例えば、前記車両と通信し、前記配信された前記広告情報を取得して表示するものとすることができる。これらによれば、限定された閲覧者に対してのみ広告を表示することができるため、例えば、プライバシーやセキュリティーの確保が必要な情報を適切に限定された(特定の)閲覧者に配信(表示)することができる。
又、車両を介して表示する広告の表示内容及び表示態様に関し、例えば、車両を用いて特定の地域内にて特定の事業者の広告を集中して呈示することを可能とする場合には、車両によって広告を表示して呈示する車両用広告呈示システムにおいて、車両の外方に向けて広告の画像を表示する表示部を有して特定の領域内に存在可能な複数の車両に関する車両情報を取得する車両情報取得手段と、前記複数の車両に対して前記表示部により表示する広告に関する広告情報を送信する広告情報送信手段とを備え、前記送信される広告情報は、前記複数の車両が前記特定の領域内に存在するときに、前記複数の車両が有するそれぞれの前記表示部間で広告の画像を連動して表示する表示態様に関する情報を含むようにした車両用広告呈示システムを採用するとよい。
これによれば、広告情報送信手段は、車両情報取得手段によって取得された車両情報(例えば、車両の現在位置情報等)に基づき、特定の領域内に存在可能な複数の車両に対して広告情報を送信することができる。そして、同一の広告情報を取得した複数の車両が特定の領域内に存在するときには、同一の広告情報に基づいて、複数の車両のそれぞれの表示部は連動して表示する表示態様によって広告の画像を車両の外方に向けて表示することができる。これにより、特定の領域内における複数の車両、より具体的には、複数の車両が有する表示部が、例えば、特定の事業者の広告の画像を集中して(占有して)表示することによって広告密度を効果的に高めることができ、その結果、閲覧者(視聴者)が広告を見る機会を増やして広告効果(宣伝効果)を飛躍的に向上させることができる。
この場合、前記広告の画像を連動して表示する表示態様には、前記複数の車両が有するそれぞれの前記表示部が広告の画像を同期して表示する表示態様が含まれる。
これによれば、複数の車両のそれぞれに設けられた表示部が、例えば、表示する広告の画像を同期(同一と)したり、広告の画像を表示するタイミングを同期(同一と)したりする等、互いに同期して広告の画像を一斉に表示することができる。このように同期して広告の画像を表示することにより、車両の外方に存在する視聴者に対して強い印象を与えることができ、その結果、広告効果(宣伝効果)を飛躍的に向上させることができる。
又、これらの場合、前記広告情報は、例えば、同一又は特定の関係にある事業者による広告に関する情報とすることができる。これによれば、特定の領域内にて同一の事業者の広告を集中して(占有して)呈示することができ、広告密度を効果的に高めて広告効果(宣伝効果)を飛躍的に向上させることができる。又、特定の領域内にて特定の関係にある事業者、例えば、コラボレーションしている事業者たちの広告を集中して(占有して)呈示することができ、この場合には、例えば、コラボレーションした商品等の広告効果(宣伝効果)を飛躍的に向上させることができる。
又、これらの場合、前記複数の車両は、例えば、前記広告情報に基づいてそれぞれの前記表示部に広告の画像を連動して表示するときに、互いに通信することができる。これによれば、それぞれの表示部が所定の表示態様により広告の画像を表示するとき、具体的には、広告の画像を連動して表示するときや、広告の画像を同期して表示するときに、複数の車両同士が互いに通信することによって、より適切にかつ正確に連動して(同期を含む)広告の画像を表示することができる。従って、このように適切にかつ正確に連動して(同期を含む)広告の画像を表示することによって、広告効果(宣伝効果)を飛躍的に向上させることができる。
又、これらの場合、前記広告情報送信手段は、例えば、前記特定の領域内に存在する複数の車両に対して前記広告情報を送信することができる。これによれば、既に、特定の領域内に存在する複数の車両に対してのみ広告情報を送信することができるため、広告情報送信手段による送信処理に係る負担を軽減することができるとともに、広告情報送信手段の構成を簡略化することが可能となる。
又、これらの場合、前記広告情報送信手段は、例えば、前記特定の領域内に存在する一の車両に対して前記広告情報を送信し、前記一の車両は、前記特定の領域内に存在する複数の他の車両に対して前記広告情報送信手段から受信して取得した前記広告情報を送信することができる。これによれば、既に、特定の領域内に存在する一の車両に対してのみ広告情報を送信することによって、一の車両が特定の領域内に存在する他の車両に対して同一の広告情報を送信する(伝播させる)ことができるため、広告情報送信手段による送信処理に係る負担を軽減することができるとともに、広告情報送信手段の構成を簡略化することが可能となる。
更に、これらの場合、前記表示部は、例えば、前記車両の外板の外表面上に設けられて、前記車両の外方に向けて広告の画像を表示することができる。これによれば、車体全体で広告の画像を表示することができるため、視聴者に対して強い印象を与えることができ、その結果、広告効果(宣伝効果)を飛躍的に向上させることができる。
a.第1実施形態
以下、本発明の実施形態に係る広告呈示装置及び広告提供装置を備えた広告呈示システムについて図面を用いて説明する。図1は、本発明の第1実施形態に係る広告呈示システムを概略的に示した概略ブロック図である。この第1実施形態における広告呈示システムは、図1に示すように、車両10(広告呈示装置)と、情報管理センタ20(広告提供装置)と、車両10を中心として所定距離以内に存在する店舗30とからなるものである。そして、この広告呈示システムにおいては、情報管理センタ20から送信される広告を表す広告情報に基づいて車両10が広告を表示し、この車両10から所定距離以内に存在する店舗(或いは自販機)30にて車両10によって表示された広告の対象である広告商品の販売実績に有意な変化が生じたときに車両10のユーザすなわち広告配信者に報酬(還元ポイント)が支払われる。このように、この広告呈示システムを構成することにより、広告の表示媒体として車両10を提供したユーザすなわち広告配信者に対して、広告した商品の販売実績に応じたすなわち広告の表示に伴う広告効果を評価して適切な報酬を支払うことができる。
車両10は、広告の表示媒体となり得るものあり、車両10の外方に向けて画像(映像)やメッセージ等からなる広告を不特定多数の人間に対して表示して呈示する表示部としての車体表示部11を備えている。車体表示部11は、周知の自発光型パネル(例えば、プラズマ表示パネルや有機EL表示パネル等)や透過光型表示パネル(例えば、バックライトを有する液晶表示パネル等)を備えるとともに、これらの表示パネルを作動させるための周知の駆動回路(図示省略)を備えている。
ここで、車体表示部11は、車両10の外方に向けて画像(映像)を表示するものである。このため、本実施形態における車体表示部11は、車両10の外板の外表面上に、例えば、上述した薄板状の自発光型表示パネルや透過光型表示パネルを貼付するように設けられる。具体的には、図3に概略的に示すように、車両10の外形を形成するフード(ボンネット)、左右のサイドパネル(フェンダやドアパネル、ピラー等)、ルーフやトランクリッド(リアゲート)、或いは、必要な透明性を確保できる場合にはフロント、リア及びサイドガラスに対して、薄板状に形成された車体表示部11を貼付するとともにこの貼付した車体表示部11の外表面に透明な保護層(例えば、ポリカーボネート等の樹脂材料)を設ける。これにより、貼付された車体表示部11は、種々の画像(映像)やメッセージ等からなる広告を車両10の外方に向けて表示(再生)することができる。
又、車両10は、図2に示すように、電子制御ユニット12、通信ユニット13、記憶ユニット14及び位置検出ユニット15を備えている。
電子制御ユニット12は、CPU、ROM、RAM等を主要構成部品とするマイクロコンピュータであり、各種プログラムを実行することにより、車両10(より詳しくは、車体表示部11)の作動を統括的に制御する。このため、電子制御ユニット12に対して、通信ユニット13、記憶ユニット14及び位置検出ユニット15がそれぞれ電気的に通信可能に接続されている。
通信ユニット13は、情報管理センタ20等の外部との間における種々の通信を可能とするものである。尚、通信ユニット13による通信方法自体は、本発明に直接関係するものではなく、周知の通信方法(例えば、Bluetooth(登録商標)やWi-Fi(登録商標)、NFC(Near Field Communication)を利用した近・中距離通信、通信基地局を含む携帯電話回線網及びインターネット回線網を利用したネットワーク通信等)を採用することができる。これにより、後述するように、電子制御ユニット12が通信ユニット13を利用して情報管理センタ20と通信し、所定の広告を表す広告情報を含む各種情報やデータを送受信することができる。
記憶ユニット14は、ハードディスクや半導体メモリ等の記憶媒体及び同記憶媒体のドライブ装置を含むものであり、各種プログラム及び各種データを更新可能に記憶している。ここで、記憶ユニット14に記憶される各種データとしては、例えば、後述するように情報管理センタ20から車体表示部11に表示するように送信(配信)される広告情報に含まれる画像(映像)データや車体表示部11を利用した表示に関する輝度等の情報が書き込まれた情報テーブル等がある。
位置検出ユニット15は、車両10の現在位置を検出するものである。このため、位置検出ユニット15は、例えば、3つ以上のGPS(Global Positioning System)衛星からそれぞれ検出されるGPS信号を取得し、これらのGPS信号に基づいて車両10(車体表示部11)の現在位置を検出したり、通信ユニット13と協働して携帯電話回線網用の通信基地局からの送信信号を取得し、この送信信号に基づいて車両10(車体表示部11)の現在位置を検出したり、或いは、GPS衛星からのGPS信号と通信基地局からの送信信号の両方に基づいて車両10(車体表示部11)の現在位置を検出する。そして、位置検出ユニット15は、検出した現在位置を表す現在位置情報を電子制御ユニット12に出力するようになっている。尚、位置検出ユニット15は、その現在位置検出機能によって車両10の進行方向を検出することが可能であり、検出した進行方向を表す進行方向情報をも電子制御ユニット12に出力することができるようになっている。
本実施形態における情報管理センタ20は、広告表示を希望する事業者(依頼主)から提供される広告情報を管理し、車両10の現在位置に応じて、或いは、要求に応じて、管理している広告情報を送信(配信)するものである。又、情報管理センタ20は、車両10(より詳しくは、車体表示部11)を介して広告を表示することにより、広告された広告商品を販売する店舗30における販売実績に有意な変化が生じているか否かを判断し、変化が生じている場合には広告の表示媒体として車両10の車体表示部11の使用を許可したユーザ(すなわち、広告配信者)に対して適切な報酬(還元ポイント)を決定して支払う(還元する)還元処理を実行するものである。従って、本実施形態における情報管理センタ20は、実績情報取得手段と、報酬決定手段と、位置情報取得手段とを備えるものである。
このため、情報管理センタ20は、図4に示すように、情報管理サーバ21と、通信ユニット22と、記憶ユニット23とを備えている。情報管理サーバ21は、CPU、ROM、RAM等を主要構成部品とするマイクロコンピュータであり、後述のプログラムを含む各種プログラムを実行することにより、情報管理センタ20を統括的に制御する。このため、情報管理サーバ21に対して、通信ユニット22及び記憶ユニット23がそれぞれ電気的に通信可能に接続されている。
通信ユニット22は、車両10や店舗30との間における種々の通信を可能とするものである。尚、通信ユニット22による通信自体も、本発明に直接関係するものではなく、周知の通信方法(例えば、通信基地局を含む携帯電話回線網及びインターネット回線網を利用したネットワーク通信等)を採用することができる。これにより、後述するように、車両10から現在位置情報(或いは、車両10の目的地情報や進行方向情報等)受信したり、車両10に対して画像(映像)やメッセージ等からなる広告情報をを送信(配信)したりすることができる。又、後述するように、所定の店舗30から広告商品の販売実績、すなわち、販売数量や売上高等を表す実績情報を受信したり、実績情報に基づく報酬(還元ポイント)を広告配信者である車両10(より詳しくは、車両10のユーザ)に送信(還元)したりすることができる。
記憶ユニット23は、ハードディスクや半導体メモリ等の記憶媒体及び同記憶媒体のドライブ装置を含むものであり、情報管理サーバ21が情報管理センタ20の作動を統括的に制御するために必要な後述のプログラムを含む各種プログラム及び各種データを予め或いは更新可能に記憶している。そして、記憶ユニット23の所定記憶位置には、広告の表示媒体となり得る車両10のユーザである広告配信者に関する情報を始め、広告呈示システムを利用し得るユーザに関する情報を、例えば、車両10に設けられた通信ユニット13等に予め割り当てられている固有識別情報に関連付けて検索可能に記憶するユーザ情報データベース23aと、広告表示を希望する事業者ごとに作成された広告情報を検索可能に記憶する広告情報データベース23bと、広告された広告商品ごとに店舗30における販売の実績変化量(販売数量や販売金額(売上高))に対して還元するポイントの還元率を検索可能に記憶する還元処理情報データベース23cと、地図データ等を用いて広告商品を販売する店舗30の所在位置を検索可能に記憶する店舗位置情報データベース23dとが構成されている。
店舗30は、車両10の車体表示部11に表示されて広告される広告商品を販売するものであり、例えば、スーパーマーケットやコンビニエンスストア、自動販売機(自販機)等である。そして、店舗30は、図5に概略的に示すように、電子制御ユニット31、通信ユニット32及び記憶ユニット33から構成されるコンピュータ装置を備えている。
電子制御ユニット31は、CPU、ROM、RAM等を主要構成部品とするマイクロコンピュータであり、各種プログラムを実行することにより、店舗30の作動を統括的に制御する。このため、電子制御ユニット31に対して、通信ユニット32及び記憶ユニット33がそれぞれ電気的に通信可能に接続されている。
通信ユニット32は、情報管理センタ20との間における種々の通信を可能とするものである。尚、通信ユニット22による通信自体も、本発明に直接関係するものではなく、周知の通信方法(例えば、Bluetooth(登録商標)やWi-Fi(登録商標)、NFC(Near Field Communication)を利用した近・中距離通信、通信基地局を含む携帯電話回線網及びインターネット回線網を利用したネットワーク通信等)を採用することができる。これにより、後述するように、情報管理センタ20から広告商品の販売実績、すなわち、販売数量や売上高等を表す実績情報の送信要求を表す要求情報を受信したり、この要求情報に応じて情報管理センタ20に該当する実績情報を送信したりすることができる。
記憶ユニット33は、ハードディスクや半導体メモリ等の記憶媒体及び同記憶媒体のドライブ装置を含むものであり、各種プログラム及び各種データを記憶している。そして、記憶ユニット33の所定記憶位置には、店舗30にて販売する各種商品の販売実績、すなわち、販売数量や売上高等を表す実績情報を商品ごとに検索可能に記憶する販売実績データベース33aが構築されている。
次に、本実施形態に係り、車両10、情報管理センタ20及び店舗30によって構成される広告呈示システムにおける情報管理センタ20の作動を図6を用いて詳細に説明する。
車両10のユーザ(広告配信者)は、例えば、車両10の車室内に設けられた操作入力手段(図示省略)又は自身が所有している情報端末装置を利用して、情報管理センタ20の情報管理サーバ21によって車両10の車体表示部11が広告表示に用いられることに関し、予め利用を許容することを情報管理センタ20に登録しておく。尚、情報管理センタ20においては、情報管理サーバ21が、例えば、記憶ユニット23に構築されたユーザ情報データベース23aに利用を許容することを更新可能に記憶する。そして、このように、広告配信者(ユーザ)によって広告表示に車両10の車体表示部11を利用することが許容された状態では、車両10の電子制御ユニット12は、位置検出ユニット15から取得した現在位置情報を通信ユニット13を介して情報管理センタ20に送信する。このとき、送信される現在位置情報には、通信ユニット13に予め割り当てられた固有識別情報が付与されて情報管理センタ20に送信される。
情報管理センタ20においては、情報管理サーバ21が、通信ユニット22を介して、車両10の電子制御ユニット12によって送信された固有識別情報及び現在位置情報を受信する。そして、情報管理サーバ21は、受信して取得した固有識別情報及び現在位置情報を記憶ユニット23の所定記憶位置に一時的に記憶する。一方で、情報管理サーバ21は、図6に示す広告呈示プログラムの実行を所定の短い時間間隔によりステップS10にて開始しており、ステップS11にて、前記受信した現在位置情報に対応する広告情報を取得する。
ここで、広告情報データベース23bに記憶されている広告情報について、具体的に説明しておく。情報管理センタ20においては、情報管理サーバ21が、例えば、広告表示を希望する各事業者から取得した希望広告内容情報に基づいて、広告情報を作成し、広告情報データベース23bに検索可能に記憶している。すなわち、情報管理サーバ21は、例えば、各事業者から取得した希望する広告内容を表す希望広告内容情報に基づいて、広告を表示(呈示)すべき地域及び広告を表示(呈示)する時間帯を特定する。そして、この地域及び時間帯に関連付けて事業者から提供された広告を表す画像(映像)データを特定するとともに、この特定した画像(映像)データの表示態様を関連付けて特定する。これにより、情報管理サーバ21は、各事業者が広告表示を希望する地域ごとに広告内容の詳細を定めた広告情報を作成し、この作成した広告情報を、例えば、地域ごとに広告情報データベース23bに検索可能に記憶している。
このため、情報管理サーバ21は、上述したように、一時的に記憶した現在位置情報によって表される車両10の現在位置を用いて広告情報データベース23bを検索し、この現在位置から移動可能な地域を含む広告情報を抽出して取得する。そして、情報管理サーバ21は、該当する広告情報を取得すると、ステップS12に進む。
ステップS12においては、情報管理サーバ21は、通信ユニット22を介して、前記ステップS11にて取得した広告情報を車両10に送信(配信)するとともに、車両10の電子制御ユニット12に対して送信(配信)した広告情報に基づいて車体表示部11に広告を表示すること指示する指示情報を送信する。尚、前記ステップS11における検索処理において、現在位置から移動可能な地域を含む広告情報が存在しない場合には、情報管理サーバ21は、該当する広告情報が存在しないことを表す報知情報を車両10に送信(配信)する。
車両10においては、電子制御ユニット12が、情報管理センタ20から送信された広告情報及び指示情報、又は、報知情報を、通信ユニット13を介して受信する。そして、電子制御ユニット12は、受信して取得した広告情報及び指示情報、又は、報知情報を、記憶ユニット14の所定記憶位置に検索可能に記憶する。尚、情報管理センタ20の管理サーバ21から報知情報を取得した場合には、車両10が移動可能な範囲内にて該当する広告情報が存在しないため、電子制御ユニット12は、例えば、車室内に設けられたディスプレイ又はスピーカから表示すべき広告が存在しないことをユーザに報知する。
そして、電子制御ユニット12は、指示情報に従って、位置検出ユニット15によって検出されている車両10の現在位置と、情報管理センタ20から取得した広告情報に含まれている広告を表示する地域とを比較し、車両10の現在位置が広告を表示する地域内に存在しているか否かを判定する。又、電子制御ユニット12は、情報管理センタ20から取得した広告情報に含まれている広告を表示する時間帯に基づき、現在の時刻が広告を表示する時間帯に入っているか否かを判定する。そして、電子制御ユニット12は、車両10の現在位置が広告を表示する地域内に存在し、かつ、現在の時刻が広告を表示する時間帯に入っていれば、広告情報に基づいて広告を車体表示部11により表示する。これにより、車両10の周囲に存在する不特定多数の人間(閲覧者)に対して、広告を呈示することができる。このように車体表示部11に広告情報に基づく広告を表示すると、電子制御ユニット12は、情報管理センタ20に対して広告表示を開始したことを表す表示開始情報を送信するようになっている。一方、広告情報に基づいて、例えば、表示する時間帯を経過して広告表示を終了すると、電子制御ユニット12は、情報管理センタ20に対して広告表示を終了したことを表す表示終了情報を送信するようになっている。
このため、情報管理センタ20においては、情報管理サーバ21が、ステップS13にて、車両10の電子制御ユニット12から表示終了情報を受信して取得しており、車両10の車体表示部11による広告表示が終了していれば「Yes」と判定してステップS14に進む。一方、未だ表示終了情報を受信して取得していなければ、情報管理サーバ21は「No」と判定してステップS19に進み、広告呈示プログラムの実行を一旦終了する。そして、所定の短い時間の経過後、再び、ステップS10にて同プログラムの実行を開始する。
ステップS14においては、情報管理サーバ21は、車両10の車体表示部11による広告表示が終了してから予め設定された所定の時間T分が経過したか否かを判定する。すなわち、情報管理サーバ21は、車両10の電子制御ユニット12から表示終了情報を取得してから所定の時間T分が経過していれば、「Yes」と判定してステップS15に進む。一方、未だ表示終了情報を受信してから所定の時間T分が経過していなければ、情報管理サーバ21は「No」と判定してステップS19に進み、広告呈示プログラムの実行を一旦終了する。そして、所定の短い時間の経過後、再び、ステップS10にて同プログラムの実行を開始する。
ステップS15においては、情報管理サーバ21は、図1に示したように、広告情報に基づいて広告を表示した車両10の現在位置(広告表示地点)を中心とした所定距離以内に存在する店舗30を検索する。そして、情報管理サーバ21は、検索した店舗30から車両10の車体表示部11を用いて広告した広告商品の実績情報を取得する。すなわち、情報管理サーバ21は、広告表示地点を用いて店舗位置情報データベース23dを検索し、広告表示地点を中心として所定距離以内に存在する店舗30を抽出する。そして、情報管理サーバ21は、抽出した店舗30に対して、広告商品の実績情報を送信を要求する要求情報を送信する。尚、本実施形態においては、広告表示が終了してから所定の時間T分が経過した後に実績情報を取得(収集)するために要求情報を送信するように実施するが、広告表示が終了した後に、直ちに要求情報を送信して、情報管理サーバ21が広告表示の終了後に即座に実績情報の取得(収集)を開始するように実施することも可能である。
店舗30においては、電子制御ユニット31が通信ユニット32を介して、情報管理センタ20から送信された要求情報を受信する。そして、電子制御ユニット31は、要求情報に含まれる広告商品を特定する情報を用いて、記憶ユニット33の所定記憶位置に構築された販売実績データベース33aを検索し、広告商品の実績情報に関し、車両10の電子制御ユニット12が広告表示を終了してから所定の時間T分が経過するまでの間の実績情報すなわち所定の時間T分内における実績情報を取得する。そして、電子制御ユニット31は、取得した広告商品の実績情報を、通信ユニット32を介して、情報管理センタ20に送信する。
情報管理センタ20においては、情報管理サーバ21が、通信ユニット22を介して、店舗30の電子制御ユニット31から送信された広告商品の実績情報を受信する。そして、情報管理サーバ21は、広告商品の実績情報を受信して取得し、記憶ユニット23の所定記憶位置に一時的に記憶すると、ステップS16に進む。
ステップS16においては、情報管理サーバ21は、前記ステップS15にて店舗30から取得して記憶ユニット23の所定記憶位置に一時的に記憶した広告商品の実績情報に基づき、販売実績に有意な変化があるか否かを判定する。具体的に、情報管理サーバ21は、例えば、車両10の電子制御ユニット12が広告表示を終了してから所定の時間T分が経過するまでの間の販売実績、言い換えれば、広告商品の販売数量や販売金額(売上高)が、予め設定された基準(すなわち、所定の販売数や販売金額(売上高))を超えるような有意な変化が生じていれば、「Yes」と判定してステップS17に進む。一方、車両10の電子制御ユニット12が広告表示を終了してから所定の時間T分が経過するまでの間の広告商品の販売数や販売金額(売上高)が、予め設定された基準を超えるような有意な変化が生じていなければ、情報管理サーバ21は「No」と判定してステップS19に進み、広告呈示プログラムの実行を一旦終了する。そして、所定の短い時間の経過後、再び、ステップS10にて同プログラムの実行を開始する。
ステップS17においては、情報管理サーバ21は、前記ステップS16における判定処理に従い、販売実績の有意な変化に応じた還元ポイントを取得する。すなわち、情報管理サーバ21は、例えば、車両10の電子制御ユニット12が広告表示を終了してから所定の時間T分が経過するまでの間に変化した広告商品の販売の実績変化量(すなわち、販売数量や販売金額(売上高)の増加量)を、前記ステップS15にて取得した広告商品の実績情報に基づいて算出する。そして、情報管理サーバ21は、算出した実績変化量を用いて還元処理情報データベース23cを検索し、算出した実績変化量に対応する還元率を取得し、この還元率に基づいて還元ポイントを取得する。このように、還元ポイントを取得すると、情報管理サーバ21はステップS18に進む。
ステップS18においては、情報管理サーバ21は、前記ステップS17にて取得した還元ポイントを表す還元情報を、広告表示のために車両10の車体表示部11の利用を許容したユーザすなわち広告配信者に送信して還元処理を実行する。すなわち、情報管理サーバ21は、例えば、車両10の現在位置情報とともに送信される固有識別情報を用いてユーザ情報データベース23aを検索し、広告配信者を特定する。そして、情報管理サーバ21は、特定した広告配信者に関連付けて、例えば、ユーザ情報データベース23aに還元ポイントを蓄積するとともに、特定した広告配信者が所有している車両10又は広告配信者が利用している情報端末装置に対して還元情報を送信して、還元処理を実行する。
このように還元処理が実行されると、車両10のユーザすなわち広告配信者においては、情報管理センタ20から送信された還元情報に基づいて、例えば、車両10の車室内に設けられたディスプレイや利用している情報端末装置のディスプレイに今回報酬として還元された還元ポイント数(或いは、金額)が表示されるとともに、この還元ポイントの利用可能な店舗等が表示される。これにより、広告配信者は、還元された還元ポイントを利用することが可能となる。
尚、還元ポイントの利用に関し、例えば、広告配信者(車両10のユーザ)が還元ポイント利用可能な店舗にて買い物をした場合、店舗に備えられた端末装置に対してユーザID等の識別情報を入力したり、広告配信者(車両10のユーザ)が所持している携帯情報端末装置を利用して近距離無線通信により決済したり、広告配信者(車両10のユーザ)が所持しているクレジットカードを利用して決済することにより、自動的に情報管理センタ20に蓄積された還元ポイントが消費されて、例えば、買い物の料金が割り引かれるようになっている。
このように、前記ステップS18にて広告配信者に対する還元処理を実行すると、情報管理サーバ21はステップS19に進む。そして、情報管理サーバ21は、ステップS19にて広告呈示プログラムの実行を一旦終了し、所定の短い時間の経過後、再び、ステップS10にて同プログラムの実行を開始する。
以上の説明からも理解できるように、この第1実施形態によれば、広告提供手段(広告提供装置)としての情報管理センタ20から提供される広告情報に基づき、広告呈示手段(広告呈示装置)としての車両10の車体表示部11によって広告商品を宣伝するための所定の広告が表示(呈示)されると、この表示(呈示)によって変化する広告商品の販売実績の変化に関する実績情報を取得し、この実績情報に基づいて広告の呈示に対して支払う報酬としての還元ポイントを決定することができる。ここで、この第1実施形態においては、車両10(車体表示部11)の位置から所定距離以内に存在する店舗30から、車両10の車体表示部11による所定の広告表示が終了してから所定の時間T分が経過した後における広告商品の販売実績の変化に関する実績情報を取得することができる。
これにより、実績情報によって表される広告商品の販売実績の変化は、車両10の車体表示部11によって所定の広告が呈示されることと相関するものとなるため、実績情報に基づくことにより、不特定多数の人間に対して広告を呈示することに伴う広告効果を適切に評価して還元ポイントを決定することができる。又、実績情報については、車両10(車体表示部11)から所定距離以内に存在して広告商品を販売する店舗30からネットワークを介して取得することができるため、例えば、車両10の車体表示部11によって表示された所定の広告を見た閲覧者(広告受信者)がインターネット上に開設された店舗30を利用して広告商品を購入した場合であっても、正確な実績情報を取得することができて、広告の呈示に対する適切な還元ポイントを決定することができる。
b.第2実施形態
次に、本発明の第2実施形態に係る広告呈示システムについて図面を用いて説明する。尚、以下、第2実施形態を詳細に説明するにあたっては、上記第1実施形態と同一部分に同一の符号を付し、その詳細な説明を省略する。図7は、第2実施形態に係る広告呈示システムを概略的に示した概略ブロック図である。この第2実施形態おける広告呈示システムは、車両10と、情報管理センタ20と、店舗30と、車両10及び店舗30と近距離無線通信可能な情報端末装置40とからなるものである。そして、この広告呈示システムにおいては、情報管理センタ20から送信される広告を表す広告情報に基づいて車両10が広告を表示するとともに車両10の周囲に存在する情報端末装置40に広告情報を配信し、情報端末装置40のユーザが配信された広告情報に基づいて店舗30にて広告商品を購入することによって車両10のユーザすなわち広告配信者と情報端末装置40のユーザすなわち広告受信者に報酬(還元ポイント)が支払われる。このように、この広告呈示システムを構成することにより、広告の表示媒体としての車両10を提供した広告配信者及び車両10を介して配信された広告情報に基づいて広告商品を購入した広告受信者に対して、適切な報酬を支払うことができる。
情報端末装置40は、ユーザが所持しながら移動可能なものであり、例えば、携帯電話やスマートフォン、タブレット型端末、ノートパソコン等を採用することができる。そして、情報端末装置40は、ユーザである広告受信者が車両10の周囲に位置するとき、この車両10を介して広告情報を取得して蓄積し、この蓄積した広告情報に基づいて店舗30にて広告商品の購入した履歴を表す購入履歴情報(広告商品購入情報)を情報管理センタ20に送信するようになっている。このため、情報端末装置40は、図8に概略的に示すように、電子制御ユニット41、表示ユニット42、通信ユニット43及び記憶ユニット44を備えている。
電子制御ユニット41は、CPU、ROM、RAM等を主要構成部品とするマイクロコンピュータであり、各種プログラムを実行することにより、情報端末装置40の作動を統括的に制御する。このため、電子制御ユニット41に対して、表示ユニット42、通信ユニット43及び記憶ユニット44がそれぞれ電気的に通信可能に接続されている。
表示ユニット42は、表示器と操作器とを兼用したタッチパネル式液晶ディスプレイである。通信ユニット43は、車両10や情報管理センタ20、店舗30との間における種々の通信を可能とするものである。尚、通信ユニット43による通信方法自体も、本発明の直接関係するものではなく、周知の通信方法(例えば、Bluetooth(登録商標)やWi-Fi(登録商標)、NFC(Near Field Communication)を利用した近・中距離通信、通信基地局を含む携帯電話回線網及びインターネット回線網を利用したネットワーク通信等)を採用することができる。これにより、後述するように、電子制御ユニット41が通信ユニット43を利用して、車両10の電子制御ユニット12や店舗30の電子制御ユニット31との間で近距離無線通信して各種情報(具体的には、MACアドレス等の固有識別情報や広告情報等)を送受信したり、情報管理センタ20の情報管理サーバ21との間でネットワーク通信して購入履歴情報を送信することができる。記憶ユニット44は、ハードディスクや半導体メモリ等の記憶媒体及び同記憶媒体のドライブ装置を含むものであり、各種プログラム及び各種データを更新可能に記憶している。
次に、車両10、情報管理センタ20、店舗30及び情報端末装置40によって構成される第2実施形態の広告呈示システムの作動を図9に示したタイムチャートを用いて詳細に説明する。
まず、この第2実施形態においては、情報端末装置40のユーザ(広告受信者)は、情報管理センタ20の記憶ユニット23に構築されているユーザ情報データベース23aに自身を識別するための識別情報を登録する。具体的に、情報端末装置40のユーザは、通信ユニット43を介して情報管理センタ20にアクセスし、表示ユニット42の入力機能を利用してユーザ名やユーザID等の識別情報とともに、情報端末装置40に予め割り当てられた固有識別情報(具体的には、MACアドレスや電話番号等)を入力し、情報管理センタ20に送信する。尚、情報端末装置40の固有識別情報(特に、MACアドレス)については、ユーザが通信ユニット43を介して情報管理センタ20にアクセスしているときに自動的に付与されて送信されるようになっている。
情報管理センタ20においては、情報管理サーバ21が通信ユニット22を介して、情報端末装置40を所持しているユーザ(広告受信者)によって送信された識別情報及び固有識別情報を受信して取得する。そして、情報管理サーバ21は、取得した識別情報と固有識別情報とを互いに関連付けて検索可能にユーザ情報データベース23aに記憶する(登録する)。
又、この第2実施形態においても、車両10のユーザ(すなわち、広告配信者)は、情報管理センタ20の情報管理サーバ21によって車両10の車体表示部11が広告表示に利用されることを許容する。これにより、車両10の電子制御ユニット12は、例えば、上記第1実施形態と同様に、位置検出ユニット15から取得した現在位置情報を通信ユニット13を介して情報管理センタ20に送信する。
情報管理センタ20においては、情報管理サーバ21が、通信ユニット22を介して、広告の表示媒体となり得る車両10から送信された現在位置情報及び固有識別情報を受信して取得する。そして、情報管理サーバ21は、図9に示すタイムチャートに従って、例えば、上記第1実施形態と同様に、車両10から取得した現在位置情報によって表される現在位置から移動可能な地域を含む広告情報を広告情報データベース23bから抽出して取得し、この広告情報とともに、同広告情報に基づいて車体表示部11に広告を表示することを指示する指示情報を車両10に送信(配信)する。
車両10においては、電子制御ユニット12が、通信ユニット13を介して、情報管理センタ20から送信された広告情報及び指示情報を受信して取得し、記憶ユニット14の所定記憶位置に一時的に記憶する。そして、電子制御ユニット12は、指示情報に従い、取得した広告情報に基づく広告を車体表示部11に表示させる。これにより、車両10の外方に位置する人に対して、事業者が希望する広告が効果的に表示される。
一方、車両10の周辺に情報端末装置40を所持しているユーザ(広告受信者)が存在している、或いは、情報端末装置40を所持してるユーザ(広告受信者)の周辺を車両10が走行していると、車両10の電子制御ユニット12及び情報端末装置40の電子制御ユニット41は、それぞれ、通信ユニット13及び通信ユニット43を介して互いに通信(所謂、すれ違い通信)する。
すなわち、車両10の電子制御ユニット12は、例えば、通信ユニット13を用いたBluetooth(登録商標)やWi-Fi(登録商標)、NFCによる近距離無線通信を利用して、常に、車両10の周辺に通信対象、具体的には、通信ユニット43を有する情報端末装置40が存在しているか否かをサーチしている。そして、通信対象である情報端末装置40が存在すると、車両10に電子制御ユニット12は、例えば、通信対象である情報端末装置40の電子制御ユニット41との間で互いに固有識別情報であるMACアドレスを交換し、近距離無線通信を確立する。尚、交換した固有識別情報であるMACアドレスが本発明の通信実績情報に相当する。そして、車両10の電子制御ユニット12は、このように確立された近距離無線通信を利用して、上述したように情報管理センタ20から取得した広告情報を情報端末装置40に送信(配信)する。
続いて、図9に示すように、情報端末装置40においては、電子制御ユニット41が、車両10の電子制御ユニット12から送信(配信)された(所謂、すれ違い配信された)広告情報及び交換した固有識別情報(MACアドレス)を互いに関連付けて記憶ユニット44の所定記憶位置に検索可能に蓄積して記憶する。このように、すれ違い配信によって広告情報及び固有識別情報を互いに関連付けて記憶ユニット44内に蓄積すると、電子制御ユニット41は、例えば、表示ユニット42を利用して、ユーザ(広告受信者)に対して広告情報を取得したことを報知する。
情報端末装置40のユーザ(広告受信者)は、例えば、表示ユニット42の表示ディスプレイ上に表示されている広告情報を取得した旨の報知に従い、広告情報によって広告されている広告商品を店舗30にて購入する。このとき、ユーザ(広告受信者)は、広告商品の購入に際して、情報端末装置40を利用した周知の電子決済を利用する。すなわち、情報端末装置40の電子制御ユニット41は、通信ユニット43及び通信ユニット32を用いたNFCによる近距離無線通信を利用して、店舗30の電子制御ユニット31と互いに通信し、購入した広告商品を電子決済する。このように、電子決済することにより、電子制御ユニット41は、店舗30の電子制御ユニット31から広告商品を購入したこと及び購入代金(販売金額)を表す購入履歴情報を取得し、この取得した購入履歴情報を広告商品の広告情報に関連付けて、言い換えれば、購入履歴情報、広告情報及び車両10の固有識別情報を互いに関連付けて記憶ユニット44の所定記憶位置に検索可能に記憶する。
続いて、電子制御ユニット41は、図9に示すように、記憶ユニット44の所定記憶位置に記憶した購入履歴情報を、通信ユニット43を利用して、情報管理センタ40に送信する。このとき、電子制御ユニット41は、記憶ユニット44内にて購入履歴情報に関連付けられている車両10の固有識別情報、及び、情報端末装置40の固有識別情報も併せて、情報管理センタ40に送信する。
尚、この購入履歴情報の情報管理センタ40への送信に関しては、上述のように情報端末装置40の電子制御ユニット41が通信ユニット43を介して送信することに加えて、或いは、代えて、店舗30の電子制御ユニット31が通信ユニット32を介して広告商品の購入履歴情報を送信することも可能である。この場合、すれ違い配信によって取得した広告情報を記憶ユニット44に記憶する際、電子制御ユニット41は、広告情報をすれ違い配信した車両10の固有識別情報(MACアドレス)及び広告情報を取得した情報端末装置40の固有識別情報(MACアドレス)を、例えば、バーコード化して記憶しておく。
そして、情報端末装置40のユーザが、例えば、広告商品の会計時に店舗30の店員に対して、対象となる広告情報を表示ユニット42を利用して提示するとともに、この広告情報に関連付けられて表示されるバーコードを読み取らせる。これにより、店舗30の電子制御ユニット31は、通信ユニット32を介して、情報端末装置40のユーザ(広告受信者)によって購入された広告商品の購入履歴情報とともに、車両10の固有識別情報、及び、情報端末装置40の固有識別情報を情報管理センタ20に送信することができる。
情報管理センタ20においては、図9に示すように、情報管理サーバ21が、通信ユニット22を介して、情報端末装置40(又は店舗30)から送信された購入履歴情報、車両10の固有識別情報、及び、情報端末装置40の固有識別情報を受信して取得する。そして、情報管理サーバ21は、取得した各情報を記憶ユニット23の所定記憶位置に一時的に記憶する。
続いて、情報管理サーバ21は、取得した購入履歴情報に基づき、車両10からすれ違い配信によって広告情報を取得した情報端末装置40のユーザ(広告受信者)が対象となる広告商品を購入している場合には、購入履歴情報に含まれる購入代金(販売金額)を取得する。そして、情報管理サーバ21は、取得した購入代金(販売金額)を用いて還元処理情報データベース23cを検索して購入代金(販売金額)すなわち実績変化量に対応する還元率を取得し、この還元率に基づいて還元ポイントを決定する。
このように還元ポイントを決定すると、情報管理サーバ21は、上記第1実施形態と同様にして、決定した還元ポイントを表す還元情報を、広告表示のために車両10の車体表示部11の利用を許容したユーザ(広告配信者)及び広告表示を見た後に広告商品を購入した情報端末装置40のユーザ(広告受信者)に送信して還元処理を実行する。すなわち、情報管理サーバ21は、購入履歴情報とともに送信される車両10の固有識別情報を用いてユーザ情報データベース23aを検索し、広告配信者を特定する。又、情報管理サーバ21は、購入履歴情報とともに送信される情報端末装置40の固有識別情報を用いてユーザ情報データベース23aを検索し、広告受信者を特定する。これにより、情報管理サーバ21は、例えば、特定した広告配信者に関連付けてユーザ情報データベース23aに還元ポイントを蓄積するとともに、特定した広告受信者に関連付けてユーザ情報データベース23aに還元ポイントを蓄積する。そして、情報管理サーバ21は、特定した広告配信者が所有している車両10又は広告配信者が利用している情報端末装置に対して還元情報を送信するとともに、特定した広告受信者が所持している情報端末装置40に対して還元情報を送信して、還元処理を実行する。
このように、情報管理センタ20から車両10(広告配信者)と情報端末装置40(広告受信者)とに対して、それぞれ、還元情報が送信されると、図9に示すように、広告配信者及び広告受信者のそれぞれに還元ポイントが付与される。具体的には、車両10のユーザすなわち広告配信者においては、情報管理センタ20から送信された還元情報に基づいて、例えば、車両10の車室内に設けられたディスプレイや利用している情報端末装置のディスプレイに今回報酬として還元された還元ポイント数(或いは、金額)が表示されるとともに、この還元ポイントの利用可能な店舗等が表示される。一方、情報端末装置40のユーザすなわち広告受信者においては、情報管理センタ20から送信された還元情報に基づいて、表示ユニット42に今回報酬として還元された還元ポイント数(或いは、金額)が表示されるとともに、この還元ポイントの利用可能な店舗等が表示される。これにより、広告配信者及び広告受信者は、上記第1実施形態と同様に、還元された還元ポイントを利用することが可能となる。
以上の説明からも理解できるように、上記第2実施形態によれば、購入履歴情報に基づき、車体表示部11を備えた車両10と近距離無線通信した実績のある情報端末装置40のユーザ(広告受信者)が実際に広告商品を購入したことに応じた実績情報を取得することができる。これにより、車両10の車体表示部11によって所定の広告が呈示されることと、実績情報によって表される広告商品の販売実績の変化との相関を極めて高精度に評価することができ、この高精度な実績情報に基づくことによって、広告を表示することに伴う広告効果をより適切に評価することができる。その他の効果については、上記第1実施形態と同様である。
b−1.第2実施形態の変形例
上記第2実施形態においては、図9に示したように、情報端末装置40の電子制御ユニット41が、すれ違い配信によって車両10の電子制御ユニット12から広告情報を取得し、この広告情報に基づいて広告商品を購入した購入履歴情報を送信することによって、情報管理センタ20が報酬還元処理を実行するように実施した。この場合、図9にて破線により示すように、車両10の電子制御ユニット12と情報端末装置40の電子制御ユニット41との間ですれ違い配信によって広告情報の送受信が完了した時点(すれ違い配信が完了したことをトリガーとして)、情報管理センタ20にて報酬還元処理の実行が開始されるように実施することも可能である。
すなわち、この場合においては、車両10の電子制御ユニット12は、情報端末装置40の電子制御ユニット41との間ですれ違い配信が完了すると、交換した固有識別情報(MACアドレス)を記憶ユニット14の所定記憶位置に記憶し、通信ユニット13を介して、情報管理センタ20にアクセスする。そして、電子制御ユニット12は、すれ違い配信に伴って交換した情報端末装置40の固有識別情報(MACアドレス)と車両10の固有識別情報(MACアドレス)とを互いに関連付け、通信実績情報として送信する。
これにより、情報管理センタ20においては、情報管理サーバ21が、予め決定されている還元率に基づいて還元ポイントを決定する。そして、情報管理サーバ21は、決定した還元ポイントを表す還元情報を、広告表示のために車両10の車体表示部11の利用を許容したユーザ(広告配信者)及びすれ違い配信によって広告情報を取得した情報端末装置40のユーザ(広告受信者)に送信して還元処理を実行する。これにより、車両10のユーザすなわち広告配信者においては、情報管理センタ20から送信された還元情報に基づいて、例えば、車両10の車室内に設けられたディスプレイや利用している情報端末装置のディスプレイに今回報酬として還元された還元ポイント数(或いは、金額)が表示されるとともに、この還元ポイントの利用可能な店舗等が表示される。一方、情報端末装置40のユーザすなわち広告受信者においては、情報管理センタ20から送信された還元情報に基づいて、表示ユニット42に今回のすれ違い配信による報酬として還元された還元ポイント数(或いは、金額)が表示されるとともに、この還元ポイントの利用可能な店舗等が表示される。これにより、特に、広告受信者は、例えば、広告商品を購入するときに、既に還元された還元ポイントを利用することが可能となる。
c.その他の変形例
上記第1実施形態、第2実施形態及びその変形例においては、情報管理センタ20から車両10に送信(配信)される広告情報に関して、特に限定されるものではなく、広告の表示媒体となり得る車両10の現在位置から移動可能な地域で表示すべき広告であれば如何なる広告情報、言い換えれば、如何なる情報であってもよいとして実施した。すなわち、上記第1実施形態、第2実施形態及びその変形例においては、車両10の車体表示部11を介して広告(情報)を配信(表示)することと、広告商品の売り上げ等に有意な変化が生じることとの相関を明確にすることにより、広告配信者や広告受信者に適切な報酬を支払うように実施した。
ところで、広告表示をより効果的なものとして広告商品の購入を促進するために、例えば、車両10の車体表示部11を介して配信(表示)する広告(情報)の内容や表示態様を変更して実施することは有効である。以下、この車両10の車体表示部11を介して配信(表示)する広告(情報)の内容や表示態様を変更して実施する変形例を説明するが、上記各実施形態と同一部分に同一の符号を付し、その説明を省略する。すなわち、以下の説明においては、広告表示に関する変形例を示すものであり、広告表示以外の部分については、上記各実施形態及び上記変形例と全く同様に実施されるものである。
c−1.広告(情報)の表示内容を広告受信者の関心に合わせて変更する場合
上述したように、一般に、広告効果、所謂、宣伝効果は、表示される広告或いは情報を見る側(閲覧者側)の関心の高さや興味の有無によって効果が上がったり下がったりする傾向を有する。このため、車両10の車体表示部11を介して配信(表示)する広告(情報)の内容を広告受信者(或いは、広告配信者)の関心に合わせて変更する場合を説明する。
この場合においては、情報管理センタ20の記憶ユニット23に構築されているユーザ情報データベース23aに趣向情報及び間柄情報が記憶される。具体的に説明すると、車両10のユーザ(広告配信者)は、例えば、車両10に設けられた図示省略の操作ユニットや自身が所有する情報端末装置を利用して、情報管理センタ20にアクセスする。そして、車両10のユーザは、自身の趣向として、ユーザ名やユーザIDに加えて、現在関心や興味を持っている事項(例えば、現在の仕事に関する事柄や趣味に関する事柄等)や、自身の嗜好に関する事項(例えば、自身が愛用している製品やこの製品に関連する情報等)を、例えば、車両10の通信ユニット13に予め割り当てられた固有識別情報(具体的には、MACアドレスや電話番号等)とともに情報管理センタ20に送信する。尚、通信ユニット13の固有識別情報については、ユーザが車両10の通信ユニット13を介して情報管理センタ20にアクセスしているときには自動的に付与されて送信されるようになっている。
更に、車両10のユーザは、自身に関わりのある人物、具体的には、家族、友人、SNS上での友人、知人、同窓、同郷、或いは、同業者等の素性を明かしても問題のない特定の関係にある人物について、例えば、これら人物が閲覧者となったときに所持している情報端末装置40(或いは、乗車している他車両10の通信ユニット13)に予め割り当てられた固有識別情報(具体的には、MACアドレスや電話番号等)を間柄ごとに分別して情報管理センタ20に送信する。尚、自身に関わりのある人物が所持している情報端末装置40(或いは、乗車している他車両10の通信ユニット13)の固有識別情報については、情報管理センタ20の情報管理サーバ21が、例えば、送信された電話番号に基づいて他の管理センタに機器情報を問い合わせることによってMACアドレスを取得するようにすることも可能である。
情報管理センタ20においては、情報管理サーバ21が通信ユニット22を介して、車両10のユーザによって通信ユニット13の固有識別情報とともに送信された前記趣向を表す各種情報や自身に関わりのある人物が所持している情報端末装置40の固有識別情報を受信して取得する。そして、情報管理サーバ21は、取得した趣向を表す各種情報を通信ユニット13の固有識別情報に関連付けて趣向情報として検索可能にユーザ情報データベース23aに検索可能に記憶する(登録する)。更に、情報管理サーバ21は、取得した情報端末装置40の固有識別情報を指定された間柄ごとに分け、それぞれの情報端末装置40の固有識別情報を通信ユニット13の固有識別情報に関連付けて間柄情報として検索可能にユーザ情報データベース23aに検索可能に記憶する(登録する)。
一方、情報端末装置40を所持しているユーザ(広告受信者)は、この情報端末装置40を利用して、情報管理センタ20にアクセスする。そして、広告受信者は、自身の趣向として、ユーザ名やユーザIDに加えて、現在関心や興味を持っている事項(例えば、現在の仕事に関する事柄や趣味に関する事柄等)や、自身の嗜好に関する事項(例えば、自身が愛用している製品やこの製品に関連する情報等)を、例えば、情報端末装置40の通信ユニット43に予め割り当てられた固有識別情報(具体的には、MACアドレスや電話番号等)とともに情報管理センタ20に送信する。尚、通信ユニット43の固有識別情報については、広告受信者が情報端末装置40の通信ユニット43を介して情報管理センタ20にアクセスしているときには自動的に付与されて送信されるようになっている。
情報管理センタ20においては、情報管理サーバ21が通信ユニット22を介して、情報端末装置40を所持しているユーザ(広告受信者)によって通信ユニット43の固有識別情報とともに送信された前記趣向を表す各種情報を受信して取得する。そして、情報管理サーバ21は、取得した趣向を表す各種情報を通信ユニット43の固有識別情報に関連付けて趣向情報として検索可能にユーザ情報データベース23aに記憶する(登録する)。
そして、上記のように、車両10のユーザ及び情報端末装置40を所持しているユーザが趣向情報及び間柄情報を情報管理センタ20に対して登録した状態において、車両10の電子制御ユニット12と情報端末装置40の電子制御ユニット41とが互いにすれ違い通信すると、情報管理センタ20の情報管理サーバ21は、図10に示す情報配信プログラムを実行する。すなわち、情報管理サーバ21は、図10に示す情報配信プログラムを所定の短い時間間隔によりステップS50にて開始し、ステップS51にて車両10の周辺に情報端末装置40を所持した閲覧者(広告受信者)が存在しているか否かを判定する。具体的に、情報管理サーバ21は、上述したすれ違い通信により、車両10の電子制御ユニット12から、車両10の固有識別情報と情報端末装置40の固有識別情報を受信すると、車両10の周囲に閲覧者としての情報端末装置40のユーザ(広告受信者)が存在しているため、ステップS51にて「Yes」と判定してステップS52に進む。一方、すれ違いが行われておらず車両10の周囲に閲覧者(広告受信者)が存在していなければ、情報管理サーバ21は、ステップS51にて「No」と判定してステップS60に進んで情報配信プログラムの実行を終了し、所定の短い時間の経過後、再び、ステップS50にて同プログラムの実行を開始する。
ステップS52においては、情報管理サーバ21は、車両10の電子制御ユニット12によって送信された車両10の固有識別情報と情報端末装置40の固有識別情報を用いて記憶ユニット23のユーザ情報データベース23aを検索し、情報端末装置40の固有識別情報に関連して記憶(登録)されている閲覧者(広告受信者)に関する情報を取得する。具体的に説明すると、情報管理サーバ21は、まず、車両10の固有識別情報を用いてユーザ情報データベース23aを検索し、この固有識別情報に関連付けれらている間柄情報を取得する。そして、取得した間柄情報によって表される特定の人物のうちで、情報端末装置40の固有識別情報と一致する人物(広告受信者)が存在すれば、該当する間柄情報を取得する。又、情報管理サーバ21は、情報端末装置40の固有識別情報を用いてユーザ情報データベース23aを検索し、この固有識別情報に関連付けられている趣向情報が記憶(登録)されていれば、該当する趣向情報を取得する。そして、情報管理サーバ21は、情報端末装置40の固有識別情報に関連した間柄情報及び趣向情報を取得できた場合には、これら各情報を閲覧者情報として取得してステップS53に進む。
ステップS53においては、情報管理サーバ21は、車両10のユーザ(広告配信者)と閲覧者である情報端末装置40のユーザ(広告受信者)との間に特定の関係(具体的には、家族、友人或いは知人等の関係)があるか否かを判定する。すなわち、情報管理サーバ21は、前記ステップS52にて間柄情報を取得できていれば、車両10のユーザ(広告配信者)と情報端末装置40のユーザ(広告受信者)との間に特定の関係があるため、「Yes」と判定してステップS54に進む。一方、前記ステップS52にて間柄情報を取得できていなければ、車両10のユーザ(広告配信者)と情報端末装置40のユーザ(広告受信者)との間に特定の関係がないため、情報管理サーバ21は「No」と判定してステップS59に進み、後述する「趣向対応広告配信ルーチン」を実行する。
ステップS54においては、情報管理サーバ21は、前記ステップS53にて判定した情報端末装置40のユーザ(広告受信者)との間柄に対応する情報(広告情報を含む)をメッセージ情報データベース23bから取得する。具体的に説明すると、前記ステップS53における判定処理によって、例えば、情報端末装置40のユーザ(広告受信者)との間柄が家族である場合には、広告情報に代えて「一緒に帰ろう」等の家族間で共有したいメッセージや画像を表す画像データを取得し、情報端末装置40のユーザ(広告受信者)との間柄が友人である場合には、広告情報に代えて「お疲れ様」や「送ろうか?」、「遊びに行こう」等の友人間で共有したいメッセージや画像を表す画像データを取得する。そして、情報管理サーバ21は、取得した情報(画像(映像)やメッセージを表す画像データ)を、通信ユニット22を介して、車両10に送信する。このように、情報端末装置40のユーザ(広告受信者)との間柄に対応する情報を車両10に対して送信すると、情報管理サーバ21は、ステップS55に進む。
ここで、車両10においては、電子制御ユニット12が、通信ユニット13を介して、情報管理センタ20の情報管理サーバ21によって送信された画像データを受信して取得し、取得した画像データを記憶ユニット14の所定記憶位置に一旦記憶する。そして、電子制御ユニット12は、記憶ユニット14の所定記憶位置に記憶した画像データを駆動回路を介して車体表示部11に供給する。これにより、車体表示部11は、所定の表示態様によって、図11に概略的に示すように、例えば、メッセージに含まれる文字や図形をスクロールさせたり点滅させたりして、車両10の周囲に存在する特定の関係にある情報端末装置40のユーザ(広告受信者)に対して情報(メッセージ)を表示する。従って、車両10の電子制御ユニット12は、車両10のユーザ(広告配信者)が情報端末装置40のユーザ(広告受信者)に対して提供したい情報(メッセージ)を表示することができるとともに、閲覧者にとっては自身に関連した(関心のある)情報(メッセージ)が車両10を介して提供(表示)されるようになる。
ステップS55においては、情報管理サーバ21は、車両10のユーザ(広告配信者)に対して、現在、車体表示部11を利用して、特定の関係にある情報端末装置40のユーザ(広告受信者)に対して広告に代えて所定の情報(メッセージ)が表示されていることを通知する。具体的に、情報管理サーバ21は、通信ユニット22を介して、車両10の電子制御ユニット12に対して、現在、前記ステップS54にて送信した画像データに基づく情報を車体表示部11に表示させていることをユーザに通知(報知)するように指令する指令情報を送信する。そして、情報管理サーバ21は、指令情報を送信すると、ステップS56に進む。
ここで、車両10においては、電子制御ユニット12が、通信ユニット13を介して、情報管理センタ20の情報管理サーバ21によって送信された指令情報を受信して取得する。そして、電子制御ユニット12は、例えば、車両10の車室内に搭載されている表示ディスプレイやスピーカを利用して、現在、車両10の周囲に存在する特定の関係にある情報端末装置40のユーザ(広告受信者)に対して所定の情報(メッセージ)を表示していることを通知(報知)する。尚、この場合、車両10が停止中であるときには表示ディスプレイ上に通知(報知)を表示し、車両10が走行中であるときにはスピーカから音声により通知(報知)を行う。これにより、車両10のユーザは、乗車した状態で、車体表示部11によって閲覧者に提供したい情報が自動的に表示されていることを容易に把握することができる。
ステップS56においては、情報管理サーバ21は、特定の関係にある情報端末装置40のユーザ(広告受信者)(又は、車両10のユーザ(広告配信者))が、例えば、前記ステップS54における情報表示処理によって表示された情報に応じて、車両10に乗車することを要求している(相乗りすることを要求している)か、或いは、現在、特定の関係にある情報端末装置40のユーザ(広告受信者)が他の車両10に乗車しており、情報端末装置40のユーザ(広告受信者)(又は、車両10のユーザ(広告配信者))がツーリング(並走)しながら移動することを要求しているかを判定する。すなわち、情報端末装置40のユーザ(広告受信者)(又は、車両10のユーザ(広告配信者))は、前記ステップS54にて表示された情報に応じて、同一目的地(或いは同一方向)に移動することに関し、相乗り又はツーリングを要求する場合には、情報端末装置40の通信ユニット43又は車両10の通信ユニット13を介して、情報管理センタ20に要求情報を送信する。尚、この要求情報については、特定の関係にある情報端末装置40のユーザ(広告受信者)、又は、場合によっては自車両10のユーザ(広告配信者)が送信可能であるが、以下の説明においては、その理解を容易とするために、相乗りを要求する要求情報を情報端末装置40を所持しているユーザ(広告受信者)が送信し、ツーリングを要求する要求情報を他の車両10に乗車した情報端末装置40のユーザ(広告受信者)が送信する場合を例示して説明する。
ここで、情報端末装置40のユーザ(広告受信者)から相乗り又はツーリングの要求がなされた場合には、情報管理サーバ21は、車両10のユーザ(広告受信者)と特定の関係にある情報端末装置40のユーザ(広告受信者)から要求がなされたことを表す情報を自車両10に送信するようになっている。これにより、車両10のユーザ(広告配信者)は、特定の関係にある情報端末装置40のユーザ(広告受信者)が相乗り又はツーリングを要求しているか否かを把握することができる。そして、この場合、車両10のユーザ(広告配信者)は、情報管理センタ20の情報管理サーバ21に対して、情報端末装置40のユーザ(広告受信者)による要求に対応するか拒否するかを示すことができる。尚、以下の説明においては、車両10のユーザ(広告配信者)が閲覧者である情報端末装置40のユーザ(広告受信者)による要求に対応するものとして説明する。
情報管理センタ20においては、情報管理サーバ21が、通信ユニット22を介して、情報端末装置40のユーザ(広告受信者)からの要求情報を受信して取得していれば、ステップS56にて「Yes」と判定してステップS57に進む。一方、情報端末装置40のユーザ(広告受信者)からの要求情報を取得していなれば、情報管理サーバ21はステップS56にて「No」と判定してステップS60に進んで情報配信プログラムの実行を終了し、所定の短い時間の経過後、再び、ステップS50にて同プログラムの実行を開始する。
ステップS57においては、情報管理サーバ21は、前記要求情報を送信した相手すなわち情報端末装置40のユーザ(広告受信者)に対して、具体的な内容を確認するための確認情報を送信する。そして、情報管理サーバ21は、前記要求情報を送信した相手に対して確認情報を送信すると、ステップS58に進む。
ステップS58においては、情報管理サーバ21は、前記ステップS17にて送信した確認情報に応答して情報端末装置40のユーザ(広告受信者)から送信された具体的な内容を示す応答情報を受信する。そして、情報管理サーバ21は、応答情報によって表される具体的な内容を車両10のユーザ(広告配信者)に対して通知する。具体的に、情報管理サーバ21は、情報端末装置40のユーザ(広告受信者)が相乗りやツーリングを要求する地点(目的地)や方向を表す通知情報を車両10に送信する。このとき、情報管理サーバ21は、ツーリングの要求に関し、応答情報によって表される目的地までの経路をツーリングマッチングデータベース23cに記憶されている地図データ及び道路データを用いて探索する。ここで、情報管理サーバ21は、車両10から現在位置情報(進行方向情報)を取得しており、車両10の進行方向に対して閲覧者によって指定された目的地まで探索した経路の一部又は全部が一致する(マッチングする)ときには、車両10と他の車両10とがツーリング(並走)しながら移動することが可能である。このため、情報管理サーバ21は、ツーリングしながらの移動が可能であるか否かを判定し、このツーリング可否情報を含んだ通知情報を車両10に送信する。
更に、情報管理サーバ21は、通知情報に加えて、車両10のユーザ(広告配信者)が要求に対応する状況では、例えば、情報端末装置40のユーザ(広告受信者)によって相乗り要求がなされている場合には相乗り要求に対応することを示す情報(メッセージ)を表す画像データを自車両10に送信し、情報端末装置40のユーザ(広告受信者)によってツーリング要求がなされている場合には車両10の車体表示部11と他の車両10の車体表示部11とが連動して一体感を高める情報(メッセージや画像)を表す画像データを車両10及び他の車両10に送信する。そして、情報管理サーバ21は、通知情報及び画像データを送信すると、ステップS60に進んで情報配信プログラムの実行を終了し、所定の短い時間の経過後、再び、ステップS50にて同プログラムの実行を開始する。
車両10においては、電子制御ユニット12が、通信ユニット13を介して、情報管理センタ20の情報管理サーバ21によって送信された通知情報及び画像データを受信して取得する。そして、電子制御ユニット12は、取得した通知情報に基づき、車両10の車室内に搭載されている表示ディスプレイやスピーカを利用して、例えば、情報端末装置40のユーザ(広告受信者)がある地点までの相乗りを要求していることや、他の車両10に乗車している情報端末装置40のユーザ(広告受信者)がある目的地までツーリングしながら移動することを要求していることを通知(報知)する。尚、この場合においても、車両10が停止中であるときには表示ディスプレイ上に通知(報知)を表示し、車両10が走行中であるときにはスピーカから音声により通知(報知)を行う。
そして、情報端末装置40のユーザ(広告受信者)が相乗りを要求している場合には、車両10の電子制御ユニット12は、情報管理センタ20の情報管理サーバ21から取得した画像データを駆動回路を介して車体表示部11に供給する。これにより、相乗りを希望している情報端末装置40のユーザ(広告受信者)に対して、広告表示に代えて、例えば、「どうぞ!」や「待ってて!」等の情報(メッセージ)を表示することができる。一方、他の車両10に乗車している情報端末装置40のユーザ(広告受信者)がツーリングを要求している場合には、車両10の電子制御ユニット12及び他の車両10の電子制御ユニット12は、それぞれ、情報管理センタ20の情報管理サーバ21から取得した画像データを駆動回路を介して車体表示部11に供給する。これにより、ツーリングしている車両10の車体表示部11及び他の車両10の車体表示部11は、例えば、図12に概略的に示すように、一体感を高める情報(画像)を互いに連動しながら表示することができる。
一方で、情報管理サーバ21は、前記ステップS53にて、車両10のユーザ(広告配信者)と情報端末装置40のユーザ(広告受信者)との間に特定の関係がなく「No」と判定した場合には、情報として広告を表示(配信)するためにステップS59に進んで「趣向対応広告配信ルーチン」を実行する。以下、この「趣向対応広告配信ルーチン」を詳細に説明する。
この「趣向対応広告配信ルーチン」は、図13に示すように、ステップS70にてその実行が開始され、続くステップS71にて、情報管理サーバ21は、情報端末装置40のユーザ(広告受信者)の趣向情報に趣向が登録されているか(含まれているか)否かを判定する。すなわち、情報管理サーバ21は、「情報配信プログラム」における前記ステップS52にて、取得した情報端末装置40のユーザ(広告受信者)の趣向情報に趣向が含まれていれば、「Yes」と判定してステップS72に進む。一方、情報端末装置40のユーザ(広告受信者)の趣向情報に趣向が何ら含まれていなければ、情報管理サーバ21は「No」と判定してステップS75に進む。
ステップS72においては、情報管理サーバ21は、車両10のユーザ(広告配信者)の趣向情報に趣向が登録されているか(含まれているか)否かを判定する。すなわち、情報管理サーバ21は、車両10の固有識別情報を用いてユーザ情報データベース23aを検索し、この固有識別情報に関連付けられている趣向情報が記憶(登録)されていれば、該当する趣向情報を取得する。そして、情報管理サーバ21は、取得した車両10のユーザの趣向情報に趣向が含まれていれば「Yes」と判定してステップS73に進む。一方、自車両10のユーザの趣向情報に趣向が何ら含まれていなければ、情報管理サーバ21は「No」と判定してステップS74に進む。
ステップS73においては、情報管理サーバ21は、車両10のユーザ(広告配信者)の趣向と情報端末装置40のユーザ(広告受信者)の趣向とに合致する広告情報を取得し、この取得した広告情報を車両10に送信する。具体的に説明すると、今、車両10のユーザが、趣向情報に含まれる趣向であって現在関心や興味を持っている事項として、例えば、所持しているスマートフォンのアクセサリに関心があることを登録しており、車両10のユーザ(広告配信者)と特定の関係にない情報端末装置40のユーザ(広告受信者)が、趣向情報に含まれる趣向であって現在関心や興味を持っている事項として、例えば、スマートフォンの購入を検討していることを登録している状況を想定する。
この場合、情報管理サーバ21は、車両10のユーザ(広告配信者)の趣向と情報端末装置40のユーザ(広告受信者)の趣向とに合致するキーワードとして、ユーザが所持する「スマートフォン」及びこのスマートフォンに用いられる「アクセサリ」を抽出し、この「スマートフォン」及び「アクセサリ」に関連する広告情報を、広告情報データベース23dを検索して取得する。そして、情報管理サーバ21は、取得した「スマートフォン」及び「アクセサリ」に関連する広告情報を表す画像データを、通信ユニット22を介して、車両10に送信する。このように、「スマートフォン」及び「アクセサリ」に関連する広告情報を表す画像データを送信すると、情報管理サーバ21は、ステップS76に進み「趣向対応広告配信ルーチン」を一旦終了して「情報配信プログラム」のステップS59に戻る。そして、情報管理サーバ21は、「情報配信プログラム」におけるステップS60に進んで情報配信プログラムの実行を終了し、所定の短い時間の経過後、再び、ステップS50にて同プログラムの実行を開始する。
車両10においては、電子制御ユニット12が、通信ユニット13を介して、情報管理センタ20の情報管理サーバ21によって送信された「スマートフォン」及び「アクセサリ」に関連する広告情報を表す画像データを受信して取得し、取得した画像データを記憶ユニット14の所定記憶位置に一旦記憶する。そして、電子制御ユニット12は、記憶ユニット14の所定記憶位置に記憶した画像データを駆動回路を介して車体表示部11に供給する。これにより、車体表示部11は、車両10のユーザ(広告配信者)が所持する「スマートフォン」やこのスマートフォンに用いられる「アクセサリ」の広告を表示する。従って、車両10の電子制御ユニット12は、車両10のユーザ(広告配信者))が情報端末装置40のユーザ(広告受信者)に対して提供したい広告(自身が所持する「スマートフォン」の「アクセサリ」に関する情報)を表示することができるとともに、情報端末装置40のユーザ(広告受信者)にとっては自身に関連した(関心のある)広告(「スマートフォン」に関する情報)が車両10を介して提供(表示)することができる。
一方、ステップS74においては、情報管理サーバ21は、情報端末装置40のユーザ(広告受信者)の趣向に合致する広告情報を取得し、この取得した広告情報を車両10に送信する。具体的に状況を想定して説明すると、車両10のユーザ(広告配信者)と特定の関係にない情報端末装置40のユーザ(広告受信者)は、趣向情報に含まれる趣向であって現在関心や興味を持っている事項として、例えば、スマートフォンの購入を検討していることを登録しているとする。従って、この場合においては、情報管理サーバ21は、情報端末装置40のユーザ(広告受信者)の趣向に合致するキーワードとして、「スマートフォン」を抽出し、この「スマートフォン」に関連する広告情報を、広告情報データベース23dを検索して取得する。これにより、情報管理サーバ21は、取得した「スマートフォン」に関連する広告情報を表す画像データを、通信ユニット22を介して、車両10に送信してステップS76に進み「趣向対応広告配信ルーチン」を一旦終了して「情報配信プログラム」のステップS59に戻る。そして、情報管理サーバ21は、「情報配信プログラム」におけるステップS60に進んで情報配信プログラムの実行を終了し、所定の短い時間の経過後、再び、ステップS50にて同プログラムの実行を開始する。
車両10においては、電子制御ユニット12が、通信ユニット13を介して、情報管理センタ20の情報管理サーバ21によって送信された「スマートフォン」に関連する広告情報を表す画像データを受信して取得し、取得した画像データを記憶ユニット14の所定記憶位置に一旦記憶する。そして、電子制御ユニット12は、記憶ユニット14の所定記憶位置に記憶した画像データを駆動回路を介して車体表示部11に供給する。これにより、車体表示部11は、各スマートフォンメーカやキャリアが製造販売する「スマートフォン」に関連する広告を表示する。従って、車両10の電子制御ユニット12は、情報端末装置40のユーザ(広告受信者)にとって自身に関連した(関心のある)広告(「スマートフォン」に関する情報)が車両10を介して提供(表示)することができる。
又、前記ステップS71における「No」判定に従い、情報管理サーバ21は、ステップS75を実行する。このステップS75が実行される状況は、少なくとも情報端末装置40のユーザ(広告受信者)の趣向が登録されていないときに実行されるものである。このため、情報管理サーバ21は、広告情報を車両10の車体表示部11に表示させるにあたり、例えば、商品種やメーカ等を問わすに広告情報を表示するために予め設定された広告表示設定に基づいて、広告情報を取得する。すなわち、情報管理サーバ21は、例えば、フリーキーワードにより広告情報データベース23dを検索し、広告情報を取得する。そして、情報管理サーバ21は、取得した種々雑多な広告情報を表す画像データを、通信ユニット22を介して、車両10に送信する。車両10においては、電子制御ユニット12が、通信ユニット13を介して、情報管理センタ20の情報管理サーバ21によって送信された広告情報を表す画像データを受信して取得し、取得した画像データを記憶ユニット14の所定記憶位置に一旦記憶する。そして、電子制御ユニット12は、記憶ユニット14の所定記憶位置に記憶した画像データを駆動回路を介して車体表示部11に供給する。これにより、車体表示部11は、商品種やメーカ等を何ら問わない種々雑多な広告を表示する。
そして、情報管理サーバ21は、ステップS76に進んで「趣向対応広告配信ルーチン」を一旦終了して「情報配信プログラム」のステップS59に戻る。そして、情報管理サーバ21は、「情報配信プログラム」におけるステップS60に進んで情報配信プログラムの実行を終了し、所定の短い時間の経過後、再び、ステップS50にて同プログラムの実行を開始する。
以上の説明からも理解できるように、上記変形例によれば、情報管理センタ20から配信された広告(情報を含む)を表示する(配信する)車両10のユーザ(広告配信者)と、車両10の車体表示部11に表示される(配信される)広告(情報を含む)を閲覧する情報端末装置40のユーザ(広告受信者)との間の特定の関係(間柄)に対応した情報(広告を含む)を自動的に配信して表示(配信)することができる。これにより、少なくとも情報端末装置40のユーザ(広告受信者)が関心を持っている(興味を持っている)情報である広告(コンテンツ)を適切に、かつ、自動的に配信して表示することができる。
上記変形例においては、情報端末装置40のユーザ(広告受信者)に関連した(関心や興味のある)情報を車両10の車体表示部11に表示するように実施した。この場合、車両10の車体表示部11は、車外に向けて情報を表示するものであるため、状況によっては、不特定多数の人が車体表示部11に表示される情報を閲覧することになる。このため、車両10の周囲に存在する閲覧者である情報端末装置40のユーザ(広告受信者)に対して選択的に情報を提供するように実施することも可能である。
具体的に、車両10の電子制御ユニット12は、例えば、通信ユニット13によるBluetooth(登録商標)やWi-Fi(登録商標)、NFCによる近距離無線通信を利用して、上述したように、情報端末装置40との間で通信を確立することができる。従って、この通信を利用して、車両10の電子制御ユニット12は、上述したように情報管理センタ20の情報管理サーバ21によって送信されたメッセージや画像、広告等の画像データを、車体表示部11により表示することなく、通信ユニット13を利用して情報端末装置40に送信する。
これにより、車両10と通信可能な情報端末装置40を所持している限定されたユーザ(広告配信者)は、例えば、情報端末装置40の表示ユニット42上に表示されるメッセージや画像、広告を閲覧することができる。又、車両10と通信可能な他の車両10に乗車している限定された情報端末装置40のユーザ(広告受信者)は、例えば、車室内に設けられた表示ディスプレイ上に表示されるメッセージや画像、広告を閲覧することができる。すなわち、情報端末装置40や他の車両10のように、情報の提供先を選択する(限定する)ことにより、不特定多数の人が情報を閲覧できる状況を回避することができる。その結果、車両10のユーザ(広告配信者)及び情報端末装置40のユーザ(広告受信者)のプライバシーを適切に保護することができる。
又、上記変形例においては、車両10から送信される固有識別情報を取得することによって、情報管理センタ20の情報管理サーバ21が車両10のユーザ(広告配信者)と情報端末装置40のユーザ(広告受信者)との間柄等を判断し、この判断した間柄に応じた適切な情報を車両10に送信するように実施した。この場合、情報管理センタ20による上記判断等を車両10側で実行するように実施することも可能である。この場合には、車両10の電子制御ユニット12は、上述したユーザ情報データベース23aに相当するように車両10に設けられたデータベースを検索することによって、或いは、外部から固有識別情報、趣向情報及び間柄情報を取得することによって、車両10のユーザ(広告配信者)と特定の関係にある情報端末装置40のユーザ(広告受信者)を判断するとともに特定の関係にない情報端末装置40のユーザ(広告受信者)を判断し、上述した変形例と同様に、それぞれに対応した適切な情報(広告)を車体表示部11に表示させることができる。
ところで、車両10側で間柄等を判断する場合には、特に、特定の関係にない情報端末装置40のユーザ(広告受信者)に関する固有識別情報、趣向情報及び間柄情報等を電子制御ユニット12が取得することになる。この場合、プライバシー保護の観点から、可能な限り、特定の関係にない情報端末装置40のユーザ(広告受信者)に関する固有識別情報、趣向情報及び間柄情報等を取得することを避けることが好ましい。このため、例えば、上述した「趣向対応広告配信」ルーチンを実行して広告情報を車体表示部11に表示させる場合、すなわち、自車両10のユーザ(広告配信者)と特定の関係にない情報端末装置40のユーザ(広告受信者)に広告情報を提供する場合には、上述したように、車両10とのすれ違い通信によって情報端末装置40の固有識別情報が取得されたことを起因(トリガー)とし、情報管理センタ20側で取得された情報端末装置40の固有識別情報に基づいて特定される情報端末装置40のユーザ(広告受信者)の趣向に対応する広告情報を表す画像データを送信するように実施することができる。このように、特定の関係にない情報端末装置40のユーザ(広告受信者)については情報管理センタ20側の判断により広告情報が決定されることにより、車両10側で不必要な個人情報を取得する必要がなく、プライバシーやセキュリティーを良好に確保することができ、上記変形例と同様の効果が期待できる。
c−2.広告の表示密度を高める表示態様をにより広告を表示(配信)する場合
上述したように、広告の表示密度を高めて広告効果すなわち宣伝効果を上げることを目的として、特定の地域や特定の空間に同一の事業者の広告を集中して(占有して)呈示する手法が採用される場合がある。このため、複数の車両10の車体表示部11を介して、特定の広告(情報)を集中して配信(表示)する場合を説明する。
この場合においては、各車両10の電子制御ユニット12は、図14に示す車両10側の広告呈示プログラムの実行を所定の短い時間間隔によりステップS100にて開始する。一方、情報管理センタ20の情報管理サーバ21は、図14に示す情報管理センタ20側の広告呈示プログラムの実行を所定の短い時間間隔によりステップC100にて開始する。
各車両10においては、電子制御ユニット12が、ステップS101にて、後述する広告占有表示したか否かを表す表示判定フラグFRGの値を、広告占有表示していないことを表す「0」に設定しているか否かを判定する。すなわち、電子制御ユニット12は、表示判定フラグFRGの値を「0」に設定していれば、「Yes」と判定してステップS102に進む。一方、表示判定フラグFRGの値を、広告占有表示したことを表す「1」に設定していれば、電子制御ユニット12は「No」と判定してステップS108に進み、広告占有表示の終了判定処理を実行する。
ステップS102においては、電子制御ユニット12は、車両10のユーザ(広告配信者)によって、搭載されている車体表示部11を利用して広告表示することが許可されているか否かを判定する。すなわち、車両10のユーザ(広告配信者)により、広告表示を許可することが設定されていれば、電子制御ユニット12はステップS102にて「Yes」と判定してステップS103に進む。一方、車両10のユーザ(広告配信者)によって広告表示を許可しないことが設定されていれば、電子制御ユニット12は「No」と判定してステップS110に進み、広告呈示プログラムの実行を終了する。尚、この場合には、車両10のユーザ(広告配信者)によって広告表示が許可されていないため、電子制御ユニット12は以後の広告呈示プログラムの実行を終了する。
ステップS103においては、電子制御ユニット12は、前記ステップS102の判定処理に従い、現在、車両10のユーザ(広告配信者)によって広告表示が許可されているため、車両10の現在位置情報を情報管理センタ20に送信する。すなわち、電子制御ユニット12は、位置検出ユニット15によって検出された車両10の現在位置を取得する。そして、電子制御ユニット12は、取得した現在位置を表す現在位置情報とともに、車両10の固有識別情報を通信ユニット13を利用して情報管理センタ20に送信する。
情報管理センタ20においては、情報管理サーバ21が、ステップC100にて情報管理センタ20側の広告呈示プログラムの実行を開始しており、ステップC101にて、前記車両10側の広告呈示プログラムにおけるステップS103にて送信された車両10の現在位置情報及び固有識別情報を、車両情報として通信ユニット22を介して受信する。そして、情報管理サーバ21は、受信して取得した現在位置情報及び固有識別情報を互いに関連付けて、例えば、記憶ユニット23の所定記憶位置に一時的に記憶して、ステップC102に進む。
ステップC102においては、情報管理サーバ21は、前記ステップC101にて一時的に記憶した現在位置情報によって表される車両10の現在位置を用いて広告情報データベース23bを検索し、この現在位置から移動可能な地域を含む広告情報を抽出して取得する。そして、情報管理サーバ21は、該当する広告情報を取得すると、ステップC103に進む。尚、この検索において、現在位置から移動可能な地域を含む広告情報が存在しない場合には、情報管理サーバ21は、該当する広告情報が存在しないことを表す報知情報を取得する。
ステップC103においては、情報管理サーバ21は、前記ステップC102にて取得した広告情報又は報知情報を、通信ユニット22を介して、前記ステップC101にて取得した固有識別情報を用いて車両10に送信する。そして、情報管理サーバ21は、ステップC104に進み、広告呈示プログラムの実行を一旦終了し、所定の短い時間の経過後、再び、ステップC100にて実行を開始する。
車両10においては、電子制御ユニット12が、車両10側の広告呈示プログラムにおけるステップS104にて、前記情報管理センタ20側の広告呈示プログラムにおけるステップC103にて送信された広告情報又は報知情報を、通信ユニット13を介して受信する。そして、電子制御ユニット12は、受信して取得した広告情報又は報知情報を、記憶ユニット14の所定記憶位置に検索可能に記憶し、ステップS105に進む。尚、情報管理センタ20の管理サーバ21から報知情報を取得した場合には、車両10が移動可能な範囲内にて該当する広告情報が存在しないため、電子制御ユニット12は、例えば、車室内に設けられたディスプレイ又はスピーカから表示すべき広告が存在しないことをユーザに報知することができる。
ステップS105においては、電子制御ユニット12は、前記ステップS104にて取得した広告情報に基づいて、広告占有表示を開始するか否かを判定する。以下、この判定を具体的に説明する。
電子制御ユニット12は、位置検出ユニット15によって検出されている車両10の現在位置と、前記ステップS104にて取得した広告情報に含まれている広告を表示する特定の地域とを比較し、車両10の現在位置が広告を表示する特定の地域内に存在しているか否かを判定する。又、電子制御ユニット12は、前記ステップS104にて取得した広告情報に含まれている広告を表示する時間帯に基づき、現在の時刻が広告を表示する時間帯に入っているか否かを判定する。そして、電子制御ユニット12は、車両10の現在位置が広告を表示する特定の地域内に存在し、かつ、現在の時刻が広告を表示する時間帯に入っていれば、広告情報に基づいて広告を占有して表示するために「Yes」と判定してステップS106に進む。一方、車両10の現在位置が広告を表示する特定の地域内に存在しない、又は、現在の時刻が広告を表示する時間帯に入っていなければ、未だ広告を占有して表示する必要がないため電子制御ユニット12は「No」と判定してステップS110に進み、広告呈示プログラムの実行を一旦終了する。そして、所定の短い時間の経過後、再び、ステップS100にて同プログラムの実行を開始する。
ステップS106においては、電子制御ユニット12は、前記ステップS104にて取得した広告情報に基づいて、広告を表示する特定の地域内にて他の車両10と連携し、特定の広告を占有(ジャック)して表示する。以下、この広告の占有表示を具体的に説明する。
前記ステップS104にて取得した広告情報と同一の広告情報を取得した全ての車両10においては、広告を表示する特定の地域内に存在し、かつ、現在の時刻が広告を表示する時間帯に入っていると、取得した広告情報に基づき、該当する全ての車両10がそれぞれの車体表示部11上に広告を指定された表示態様により表示する。この場合、該当する車両10は、広告を表示する特定の地域内に点在したり、或いは、駐車場等の一か所に集まっていたりしており、これらの車両10が所定の表示態様によって広告を連携して表示することにより、特定の地域内における広告の表示密度が高まってその広告効果を飛躍的に高めることができる。
ここで、広告効果を高めるために広告情報によって指定される表示態様を具体的に説明しておく。各車両10が取得する広告情報において指定される表示態様としては、基本的に、複数の車両10、より詳しくは、複数の車体表示部11が連動して所定の広告を表示する「連動表示」であり、この「連動表示」には更に「事業者連動」と「視聴者連動」とが含まれる。又、「連動表示」の一態様として、「同期表示」があり、この「同期表示」には「静止画表示」が含まれる。
「連動表示」は、図15に概略的に示すように、例えば、広告を表示する特定の地域内に存在する各車両10において、それぞれの車体表示部11が連動して順に或いは同期して同一又は複数の画像(映像)やメッセージを表示したり、背景の色を変更して同一の画像(映像)やメッセージを表示したりする表示態様である。そして、それぞれの車体表示部11が連動して画像(映像)やメッセージを表示する一例として、特定の関係(所謂、コラボレーションしている関係等)にある複数の事業者に関連する画像(映像)をこれら各事業者の関係に合わせて複数の車両10の車体表示部11が互いに連動して順に表示するすなわち「事業者連動」や、画像(映像)を視聴者(閲覧者)である情報端末装置40のユーザ(広告受信者)の性別や年齢等に合わせて複数の車両10の車体表示部11が互いに連動して順に表示するすなわち「視聴者連動」がある。このような表示態様としての「連動表示」が指定されることにより、特定の地域内に存在する複数の車両10においてそれぞれの車体表示部11が互いに連動して順に画像(映像)やメッセージをを表示することになるため、この画像(映像)やメッセージすなわち広告を見た情報端末装置40のユーザ(広告受信者)に対して広告効果を高めることができる。
又、「連動表示」の一態様としての「同期表示」は、図16に概略的に示すように、例えば、広告を表示する特定の地域内に存在する各車両10において、それぞれの車体表示部11が同一の画像(映像)やメッセージを同期して一斉に表示したり、視聴者(閲覧者)である情報端末装置40のユーザ(広告受信者)の性別や年齢等に合わせて(視聴者に連動して)、それぞれの車体表示部11が同一の画像(映像)やメッセージを同期して一斉に表示したりする表示態様である。そして、それぞれの車体表示部11が同期して画像(映像)やメッセージを表示する一例として、広告を表示する特定の地域内に存在する各車両10がそれぞれの車体表示部11に同一の静止画像を、広告を表示する時間帯において表示し続けるすなわち「静止画表示」がある。このような表示態様としての「同期表示」が指定されることにより、特定の地域内に存在する複数の車両10においてそれぞれの車体表示部11が全て同期された画像(映像)やメッセージをを一斉に表示することになるため、この画像(映像)やメッセージすなわち広告を見た情報端末装置40のユーザ(広告受信者)に対して強い印象を与えて宣伝効果を高めることができる。
従って、電子制御ユニット12は、ステップS106にて、前記ステップS104にて取得した広告情報に基づいて、車体表示部11による表示を制御する。具体的に、電子制御ユニット12は、取得した広告情報に含まれる画像(映像)データを駆動回路を介して車体表示部11に供給する。又、電子制御ユニット12は、広告情報に含まれている表示態様を確認し、例えば、「同期表示」が指定されていれば、通信ユニット13を利用して、他の車両10の電子制御ユニット12と互いに通信することによって表示する広告内容や表示タイミングを合わせ、車体表示部11に画像(映像)データすなわち広告を同期して表示させる。或いは、広告情報に含まれている表示態様を確認し、例えば、「連動表示」が指定されていれば、通信ユニット13を利用して、他の車両10の電子制御ユニット12と互いに通信することによって表示順序を合わせ、車体表示部11に画像(映像)データすなわち広告を他の車体表示部11と連動して(例えば、スクロールさせて)表示させる。このように、車両10同士が通信することにより、より適切にかつ正確に連動して或いは同期して、広告を表示することができる。
このように、広告情報に従い、特定の地域内で広告を占有表示すると、電子制御ユニット12は、表示判定フラグFRGの値を「0」に代えて、広告を占有表示したことを表す「1」に設定する。そして、電子制御ユニット12は、ステップS107に進む。
ステップS107においては、電子制御ユニット12は、表示判定フラグFRGが「1」であるか否かを判定する。すなわち、電子制御ユニット12は、前記ステップS106にて広告の占有表示が完了しており表示判定フラグFRGの値を「1」に設定していれば、現在、継続して広告を占有表示しているため、「Yes」と判定してステップS108に進む。一方、例えば、他の車両10(より詳しくは、他の電子制御ユニット12)と連携の調整中であり、未だ表示判定フラグFRGの値を「1」に変更できていない場合には、電子制御ユニット12は「No」と判定してステップS110に進み、広告呈示プログラムの実行を一旦終了する。そして、所定の短い時間の経過後、再び、ステップS100にて同プログラムの実行を開始する。
ステップS108においては、電子制御ユニット12は、前記ステップS104にて取得した広告情報に基づいて、広告占有表示を終了するか否かを判定する。すなわち、電子制御ユニット12は、位置検出ユニット15によって検出されている車両10の現在位置と、前記ステップS104にて取得した広告情報に含まれている広告を表示する特定の地域とを比較し、車両10の現在位置が広告を表示する特定の地域内に存在していないか否かを判定する。又、電子制御ユニット12は、前記ステップS104にて取得した広告情報に含まれている広告を表示する時間帯に基づき、現在の時刻が広告を表示する時間帯に入っていないか否かを判定する。
そして、電子制御ユニット12は、車両10の現在位置が広告を表示する特定の地域内に存在しない、又は、現在の時刻が広告を表示する時間帯に入っていなければ、広告情報に基づいて広告を占有して表示する必要がないため、「Yes」と判定してステップS109に進む。一方、未だ、車両10の現在位置が広告を表示する特定の地域内に存在し、かつ、現在の時刻が広告を表示する時間帯に入っていれば、広告を継続して占有表示するために「No」と判定してステップS110に進み、広告呈示プログラムの実行を一旦終了する。そして、所定の短い時間の経過後、再び、ステップS100にて同プログラムの実行を開始する。
ステップS109においては、電子制御ユニット12は、前記ステップS108「No」判定処理に従い、駆動回路を介して車体表示部11による画像(映像)やメッセージの表示を停止させる。そして、電子制御ユニット12は、ステップS110に進んで広告呈示プログラムの実行を一旦終了し、所定の短い時間の経過後、再び、ステップS100にて同プログラムの実行を開始する。
以上の説明からも理解できるように、上記変形例によれば、情報管理センタ20は、車両10から送信された現在位置情報に基づき、広告を表示する特定の地域に移動可能であって特定の地域内に存在可能な複数の車両10に対して広告情報を送信することができる。そして、同一の広告情報を取得した複数の車両10が特定の領域内に存在するときには、同一の広告情報に基づいて、複数の車両10のそれぞれの車体表示部11は連動表示や同期表示によって広告(或いは情報)を車両10の外方に向けて表示することができる。これにより、特定の地域内における複数の車両10、より詳しくは、複数の車両10に設けられた車体表示部11が、例えば、特定の事業者やコラボレーションしている事業者の広告を集中して(占有して)表示することによって広告密度を効果的に高めることができ、その結果、情報端末装置40のユーザ(広告受信者)が広告を見る機会を増やしたり、強い印象を与えて、広告効果(宣伝効果)を飛躍的に向上させることができる。
上記変形例においては、情報管理センタ20が、広告情報に基づき、広告を表示する特定の地域に移動可能な各車両10に対して対応する広告情報を送信(配信)するように実施した。この場合、少なくとも情報管理センタ20における広告情報の送信機能(広告情報送信手段)を有していて広告表示を希望する店舗30から各種情報を送信できる送信エリア内に存在する全ての車両10に対して、店舗30の広告情報を送信(提供)するように実施することも可能である。この場合においても、広告を表示する特定の地域に相当する送信エリア内に位置する車両10の電子制御ユニット12は、上記変形例の場合と同様に、取得した広告情報に基づいて、送信エリア内で他の車両10の車体表示部11と連携して自身の車体表示部11に広告(或いは情報)を所定の表示態様により表示させることができて、広告を占有表示することができる。従って、上記変形例と同様の効果が期待できるとともに、車両10が送信エリア内に存在するか否かを判定する必要がなく、簡便に店舗30の広告効果を高めることができる。
本発明の実施にあたっては、上記各実施形態及び各変形例に限定されるものではなく、本発明の目的を逸脱しない限りにおいて、種々の変更が可能である。
例えば、上記各実施形態及び各変形例においては、広告配信者である車両10のユーザ及び広告受信者である情報端末装置40のユーザに還元ポイントが付与されるように実施した。この場合、付与される還元ポイントに関し、例えば、所定の期間内のみ利用できるように時限や利用制限を設定することが可能である。又、還元ポイントに代えて、例えば、所定の期間内のみ利用できる或いは購入できる商品が制限されるクーポンを配布するように実施することも可能である。このように時限や利用制限を設定することによって、還元ポイント(クーポン)の利用を効果的に促すことができる。
又、上記第2実施形態においては、広告配信者である車両10のユーザと広告受信者である情報端末装置40のユーザとの両方に還元ポイントを付与するように実施した。この場合、広告表示に協力している車両10のユーザに対してのみ、広告商品の販売実績に関する実績情報に対応した還元ポイントを付与するように実施可能であることは言うまでもない。
又、上記第2実施形態においては、車両10の電子制御ユニット12と情報端末装置40の電子制御ユニット41とが常にすれ違い通信可能なように、常にサーチするように実施した。又、情報端末装置40のユーザが広告商品の購入すると、この広告商品の購入に関する購入履歴情報が自動的に情報管理センタ20の情報管理サーバ21に送信されるように実施した。この場合、情報端末装置40のユーザの意思に応じて、すれ違い通信の可否や購入履歴情報の送信可否が設定される、すなわち、近距離無線通信の実績の取得を許可又は禁止するように実施することが可能である。これにより、情報端末装置40のユーザは、例えば、還元ポイントの付与のようなサービスを受けたい意思があるときに限り、近距離無線通信を許可することが可能となるため、情報端末装置40のユーザのプライバシーやセキュリティーを良好に確保することができる。
又、上記第2実施形態においては、すれ違い配信によって取得された広告情報や購入履歴情報を情報端末装置40の記憶ユニット44の所定記憶位置に蓄積して記憶するように実施した。この場合、情報端末装置40への負荷を低減するとともにリソースを有効に利用するために、例えば、古い広告情報や古い(過去の)購入履歴情報を自動的に順次消去したり、情報端末装置40のユーザ自身が手動により消去できるようにしたりすることが可能である。これにより、不要な情報を適切に消去することができて、十分にリソースを確保することができる。
又、上記第2実施形態においては、すれ違い配信によって取得した広告情報を情報端末装置40における記憶ユニット44の所定記憶位置に蓄積して記憶するように実施した。そして、情報端末装置40のユーザが、例えば、同装置40の通信ユニット43を利用した近距離無線通信によって店舗30の電子制御ユニット31と通信し、広告商品を購入することによって所定の還元ポイントが付与されるように実施した。
この場合、例えば、情報端末装置40がすれ違い配信によって車両10から広告情報を取得した場合、取得した広告情報を車両10及び情報端末装置40の固有識別情報とともにネットワーク上にて一時的にセキュアに保存しておき、例えば、自宅に設置されたコンピュータによりインターネットを利用して広告商品を購入する場合等、情報端末装置40を利用することなく広告商品を購入する場合においても、適切に所定の還元ポイントが付与されるように実施することも可能である。この場合においては、インターネットを利用して広告商品の購入する時にネットワーク上にセキュアに保存されている広告情報と車両10及び情報端末装置40の固有識別情報を取得することによって、上記第2実施形態と同様に、購入履歴情報を取得することができる。そして、取得した購入履歴情報を情報管理センタ20に送信することによって、上記第2実施形態と同様に、情報管理サーバ21は、所定の還元ポイントを車両10及び情報端末装置40のユーザに付与することができる。又、この場合においては、情報端末装置40を利用することなく、還元ポイントを利用して広告商品を購入することができるため、例えば、情報端末装置40として車両に搭載された車載情報端末装置を採用することが可能となる。
又、上記各実施形態及び各変形例においては、表示部として、薄板状とされた周知の自発光型表示パネルや透過光型表示パネル等からなる車体表示部11を車両10の外板の外表面上に設置(貼付)するように実施した。この場合、車両10の外方に位置する広告の視聴者に対して見やすい広告を呈示可能であれば、如何なるものを採用して車体表示部11を構成し、実施可能であることは言うまでもない。このような車体表示部11としては、例えば、周知の自発光型表示パネル(例えば、プラズマ表示パネルや有機EL表示パネル等)や透過光型表示パネル(例えば、バックライトを有する液晶表示パネル等)からなる、所謂、筐体を有するディスプレイ装置を採用することができる。
又、上記各実施形態及び各変形例においては、移動可能な車両10の車体表示部11を利用して所定の広告を表示するように実施した。この場合、広告を表示する媒体である表示部としては、例えば、建物の壁等に固定されたディスプレイ装置、所謂、デジタルサイネージを利用して所定の広告を表示するように実施可能であることは言うまでもない。この場合においても、所定の広告を適切に表示することができるため、上記各実施形態及び各変形例と同様の効果が期待できる。
更に、上記第1実施形態と上記第2実施形態とを組み合わせて実施することも可能である。このように、上記第1及び第2実施形態を組み合わせて実施する場合には、上述した第1実施形態による効果と第2実施形態による効果とが得られるため、より好適である。