JP5599925B2 - 遊技機 - Google Patents
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また、アタッカー(大入賞装置)と称される可変入賞装置は、一枚扉をソレノイドによって前後方向へ回動させることによって入賞口を開閉する構造であり、特許文献1、2には、アタッカーの扉の開閉構造が開示されている。
ところで、本出願人は、電チューに代えて新規構造の可変入賞装置を開発するべく、従来の一対の羽根に代えて、アタッカーにおける一枚扉の開閉構造を適用することを試みている。
可変入賞装置100は、図示しない遊技盤に形成された取付穴に装着されるベース部材の前面に開口形成された入賞口102を開閉するために下部の軸支部110aを回動自在に軸支された扉部材110と、入賞口102の後方においてベース部材によって支持されたソレノイド120と、ソレノイド120からの駆動力を扉部材110に伝達する駆動伝達部材130と、を概略備えている。
扉部材110は、その下部後方に被作用片111を突設した構成を備えている。
ソレノイド120は、ベース部材101によって固定されたソレノイド本体121と、先端にフランジ部122aを備え、ソレノイド本体から前後に出没自在に支持されたプランジャ122と、プランジャを突出方向へ付勢するコイルバネ123と、を備えている。駆動伝達部材130は、上部にベース部材101によって前後方向へ回動自在に軸支された軸支部131aを備え、且つ下部に二股分岐部131b、131cを備えたレバー131と、レバー131の上部から前方上部へ突設されてプランジャのフランジ部122aの前面と後面を挟み込むように二股に分岐された作用部材132aと、を備えている。
本発明は上記に鑑みてなされたものであり、ソレノイドの駆動源として前後方向へ開閉動作する一枚の扉部材を備えた可変入賞装置において、構成を複雑化することなく扉部材を全開位置で静止させるようにした遊技機を提供することを目的としている。
図1は本発明の一実施形態に係る遊技機の一例としてのパチンコ遊技機の全体正面図であり、図2は図1のパチンコ遊技機の遊技盤部分の拡大図である。
遊技盤1の前面側には、ガラス板を支持したガラス枠2が開閉可能に取り付けられている。また遊技盤1の下部には遊技球を貯留する受け皿部3と、受け皿部内の遊技球を発射する発射レバー4が設けられている。また、受け皿部3の上面には遊技機用ボタンスイッチや、遊技球の購入ボタン、購入取り消しボタン(何れも図示せず)が設けられている。
遊技盤1の裏面には、液晶画面、主制御基板とサブ制御基板等、遊技の進行、演出に関わる裏部品を組み付けた合成樹脂製の機構板(何れも図示せず)が開閉自在に装着されている。遊技盤1における遊技領域1aの周囲には、発射レバー4を操作することにより発射装置から発射された遊技球を遊技領域1aの上部に案内したり、アウト口10に案内する外レールR1、及び内レールR2が設けられている。
センター部材5の中央下方には、図柄表示装置6の特別図柄を可変表示させるための可変入賞装置11が設けられている。図柄表示装置6の左側には、普通図柄表示装置16に表示される普通図柄を作動させるためのゲート12が設けられている。また、可変入賞装置11の右側には、特別遊技状態の一つである大当たり状態のときに開成状態になる開閉扉13aを有する大入賞装置(可変入賞装置)13が設けられている。
可変入賞装置11は、図柄表示装置6を可変表示させる手段であり、入賞口(下始動口)21と、入賞口を開閉する一枚の扉部材30とを備えている。
また遊技盤1には普通入賞口14やアウト口10等が設けられていると共に、風車15や図示しない多数の遊技釘が突設されている。遊技釘は、遊技球の落下速度を遅くすると共に、落下方向を複雑に変化させて遊技進行上の興趣を高めている。
また図柄表示装置6に表示される特別図柄は、停止図柄が予め定められた図柄の組合せ、例えば同一図柄の組合せとなった場合に大当たり状態となるように構成されている。また特別図柄は可変入賞装置11の扉部材の開成動作により遊技球が誘導される下始動口21において遊技球を検出することを条件に乱数制御等により表示がスクロールする等、所定の変動パターンで所定時間変動(可変)して図柄で停止するようになっている。その際、有効ライン上に2個の停止図柄が同一となった場合に、リーチ状態が発生し、このリーチ状態において、有効ライン上の最後の停止図柄が既に停止している2個の図柄と同一となった場合に大当たり状態が発生する。なお、特別図柄としては、数字図柄、アルファベット図柄、キャラクター図柄等が使用可能である。
可変入賞装置11は、遊技盤1に形成した取付穴内に貫通した状態で組み込まれる。
可変入賞装置11は、前面に入賞口(下始動口)21を有し、且つ遊技盤前部に配置される前部ユニット(第1のユニット)20と、前部ユニット20の後部に配置(隣接配置)されて扉部材30を駆動する駆動機構60を搭載した後部ユニット(第2のユニット)50と、入賞口21の下部に設けた軸穴55により下部軸支部32を軸支されて前後方向へ開閉動作することにより入賞口21を開閉する扉部材30と、を備えている。
扉部材30は、普通図柄表示装置16の普通図柄が所定態様で停止したときに所定時間、開成動作するように構成されている。
なお、下始動口としての入賞口21の上方には上始動口26が配置されており、下始動口21と上始動口26とを一つのユニット中に配置したワンユニット形式の可変入賞装置を構成している。
扉部材30は、閉止時に入賞口21への遊技球の入球を阻止するに足る形状を有した扉本体31と、扉本体下部の両側部に設けた下部軸支部32と、扉本体31の下部から後方へ突出したアーム33aの先端に配置された被作用片33と、を備えている。
後部ユニット(第2のユニット)50は、駆動機構60を支持した状態で遊技盤の背面側に配置される後部ベース部材(第2のベース部材)51を備えている。後部ベース部材51は前方に位置する第1の後部ベース部材51Aと、後方に配置された第2の後部ベース部材51Bと、から構成されている。
なお、図示した実施形態では、第1のユニットを前部ユニット20とし、第2のユニットを後部ユニット50としたが、両ユニットは前後位置関係で隣接する必要はなく、例えば上下位置関係、その他の位置関係で隣接していてもよい。
駆動伝達部材65は、例えば弾性を有した樹脂材料から構成する。
プランジャ63は、ソレノイド本体62の前面に設けた挿通孔62aによって前方へ出没自在に支持され、且つ弾性部材64によって前方へ付勢されている。プランジャ先端のフランジ部63aは駆動伝達部材65の被係合部67間に挟まれた状態で組み付けられることにより、プランジャが出没する時の直線移動力を駆動伝達部材65の回動力に変換する。ソレノイド本体62に通電していないときには、プランジャは弾性部材によって突出した状態とされる。
一方、ソレノイド61の励磁時(通電時)にはプランジャ63が吸引されて後方(退避方向)へ退避して被係合部67を後方(開放方向)へ引くことによってレバー前部68aによる被作用片33の係止状態を解消して閉止状態にあった扉部材を開放方向へ回動させる。なお、扉部材は常に自重によって開放方向へ付勢されており、閉止位置にある時にはレバー前部68aによって同位置に保持されているに過ぎない。従って、レバーが開放方向へ移動してレバー前部68aによる保持がなくなると扉部材は自重によって開放方向へ回動し、図7(b)の中間状態を経て図7(c)、図8(c)に示した全開位置まで回動する。ソレノイド本体への通電によりプランジャが引っ込むことによりレバー68が開放方向(前方)へいち早く回動すると(図7(c)の位置)、支えを失った扉部材は開放方向へ自重によって回動を開始する。扉部材の全開位置は、先行して全開放位置に達したレバー前部68aにより規定されており、被作用片33がレバー前部と当接した位置が全開位置となる。
これに対して本発明では、後部ベース部材、或いはソレノイド本体に、駆動伝達部材65が扉部材を開放させる方向へ回動する範囲を規制するストッパ70を設けた。ストッパ70は、プランジャの後方への退避限界位置を本来の位置よりも前方に変位させた位置としているため、駆動伝達部材65のレバー前部68aが最大限前方に回動した位置を図7(c)中に示した位置に止めることができる。つまり、ストッパ70を設けた場合のレバー前部68aの最前位置は、ストッパ70が存在しない場合のレバー前部68aの最前位置よりも後方に退避した位置に留まる。このため、レバー前部68aと接することにより開放角度が規定される被作用片33の位置も後方寄りとなり、扉部材30の開放角度が過大となることを防止できる。
従来の下部ストッパはレバー前部が全開位置を越えてさらに開放方向へ移動することを厳格に阻止する構造であるため、全開位置にあるレバー前部は若干であってもそれ以上は開放方向に変位、変形することができず、そのために衝突する被作用片33を緩衝することができなかった。一方、下部ストッパを設けない本実施形態では、開放位置にあるレバー前部68aが弾性変形可能な状態を維持されており、しかも部品間の精度誤差、組み付け誤差によって若干の範囲で図7(c)に示した全開位置よりも更に開放方向(反時計回り方向)へ変位することができるため、扉部材の開放時にレバー前部に衝突してくる被作用片33の勢いを減殺、緩衝させてバウンドの発生を防止することができる。
一方、ストッパ70を設けた場合には、全開時であってもレバー前部68aの内側面の位置は図7(c)(d)中に示した後方位置に止まるため、扉部材30の全開位置が実線で示した位置に止まる。
更に、レバー前部68aの開放方向への変位を直接規制する下部ストッパが存在しないため、レバー前部自体の弾性緩衝作用を発揮できると共に、部品精度バラツキや組付けのバラツキによって、レバー前部が図示の全開位置を越えて若干開放方向へ変位可能となる。このようにレバー前部の位置が全開位置よりも若干開放方向へ変位できるように構成したため(クッション機能を持たせたため)、扉部材の被作用片33がレバー前部と衝突した時にその勢いを緩衝することができ、バウンドを発生させることなく全開位置に達した時点で扉部材を直ちに静止させることが可能となる。
なお、ストッパ70を、駆動伝達部材の当接部材69と対応するソレノイド本体62の側部に設けても良い。
なお、ストッパ70と当接部材69との接触位置P1(図7(c))を、扉部材開放時における被作用片33とレバー前部68aとの接触位置P2(図7(c))に対して十分に上方に配置した点が本発明の一つの特徴である。即ち、接触位置P1が、揺動軸支部66を間に挟んで接触位置P2よりも十分に離間した上方位置にあることにより、接触位置P2における被作用片33とレバー前部68aとの衝突により発生するエネルギーを、駆動伝達部材のレバー68、揺動軸支部66を経てストッパ70に伝搬させて吸収緩和(バウンド防止)することができる。
また、上記実施形態では、ソレノイド(駆動源)のプランジャ(出没部材)を前後方向へ出没させることにより、駆動伝達部材、及び扉部材を開閉動作させる構成としたがこれは一例に過ぎず、プランジャをソレノイド本体から斜め方向(斜め上下方向、斜め横方向等々)に出没させることによって、これらの部材を開閉動作させるように構成してもよい。つまり、出没部材の出没方向は実施形態に限定されるものではない。
なお、前記実施形態と同一部分には同一符号を付して説明する。
扉部材30の下部側面から夫々突設された2つの下部軸支部32は、前部ユニット20と後部ユニット50とに跨って設けた2つの軸穴55によって夫々回動自在に軸支されている。各軸穴55は後部ベース部材51の開口部54の対向する2つの内側壁の前端縁に夫々設けた2つの凹所56と、各凹所56内に前方から嵌合して軸穴55を形成する嵌合突起42aと、から構成される。嵌合突起42aは、図11(b)に示すように本例では前飾り42の後部に突設されている。
軸穴55は、円筒状の下部軸支部32を収容して回動自在に支持できるようにその上下幅が設定されていると共に、所定の範囲内で下部軸支部32が軸穴内で後方、又は/及び、前方へ移動できるように下部軸支部32の直径よりも前後方向(横方向)寸法が長く設定されている。
厳密に言えば、軸穴55内で下部軸支部32を回動自在に軸支する限りは、下部軸支部と、その前後方向にある軸穴内壁との間に僅かなクリアランスがある。具体的には、例えば下部軸支部の直径を3mmとした場合に、前後方向クリアランスは0.1(0.05×2)mm程度である。しかし、この程度の僅かなクリアランスでは、扉部材の全開時のバウンドを解消する程度に下部軸支部を前後方向へ進退させることはできない。
更に具体的には下部軸支部の直径が3mmであるとすれば、下部軸支部と軸穴との間の前後方向ギャップは、0.3〜0.75mmの範囲とする。但し、クリアランスが大きすぎる場合にはそこにゴミが詰まり易くなり、扉部材の開閉性能を低下させる原因となるため、例えば0.3mm程度に設定するのが好ましい。
即ち、閉止位置にあった扉部材が全開位置に達したときに被作用片33がレバー前部68aと接触してバウンドを起こす代わりに、下部軸支部32が被作用片33を中心とした半径で軸穴55内を前後動することによりバウンドを起こす原因となるエネルギーを吸収緩和する。より正確には、図9(b)(c)に示すように、扉部材は、被作用片33とレバー前部68aとの接触位置P2を回動中心とし、且つ接触位置P2と下部支持軸32の中心点までの距離rを半径として、前後方向へ若干変位する。
つまり、扉部材の閉止時に軸穴55の前端部に下部軸支部が位置している場合には、扉部材の開放時の勢いによって下部軸支部は軸穴の前端部から一旦後方へ向けて移動してから、直ちに前方へ復帰する。即ち、扉部材が開放方向へ自重によって回動する場合には、下部軸支部は図9(b)に示すように時計回り方向へ回動するが、この時に発生する扉部材にバウンドをもたらす原因となる過大な加速を下部軸支部が後方→前方へ往復移動することによって吸収緩和する。
本発明者が高速度カメラを用いて扉部材の開閉動作を観察したところ、下部軸支部が軸穴内で往復動作することによって、扉部材のバウンドが解消されていることが確認されている。
扉部材の閉止時に下部軸支部が軸穴の中間位置にある場合には、下部軸支部は一旦後方へ移動してから前方へ移動することにより、扉部材にバウンドをもたらす原因となる過大な加速を解消することができる。
また、扉部材の閉止時に下部軸支部が軸穴の後端位置にある場合(図12の状態)には、扉部材の開放時の勢いによって下部軸支部は軸穴の後端部から一旦前方へ向けて移動してから直ちに後方へ復帰する。即ち、扉部材が開放方向へ自重によって回動する場合には、下部軸支部は時計回り方向へ回動するが、この時に発生する扉部材にバウンドをもたらす原因となる過大な加速を下部軸支部が前方→後方へ往復移動することによって吸収緩和することができる。この場合は、被作用片がレバー前部と衝突することによって扉部材を閉止方向へバウンドさせようとする力が発生するが、この力は下部軸支部が軸穴内を前方へ移動してから後方へ復帰する力に変換されることによって解消される。
なお、本発明の扉部材の開閉機構の構造は、図示説明した可変入賞装置11のみならず、大入賞装置(可変入賞装置)13の開閉扉13a、その他の入賞装置の扉にも適用することができる。
Claims (1)
- 遊技盤面に組み付けられる可変入賞装置を備えた遊技機であって、
前記可変入賞装置は、前記遊技盤面を流下する遊技球を受け入れる入賞口を前面に有する前部ユニットと、該前部ユニットの後部に配置されて前記扉部材を駆動する駆動機構を搭載した後部ユニットと、前記後部ユニット、又は/及び、前記前部ユニットに設けられて扉部材の下部軸支部を回動自在に軸支する軸穴と、を備え、
前記扉部材は、閉止時に前記入賞口への遊技球の入球を阻止する扉本体と、該扉本体下部に設けた前記下部軸支部と、該扉本体の下部から後方へ突出した被作用片と、を備え、且つ該下部軸支部を中心として開閉動作し、
前記後部ユニットは、前記駆動機構を支持した状態で前記遊技盤に配置される後部ベース部材を備え、
前記駆動機構は、前記後部ベース部材により支持されたソレノイド本体、該ソレノイド本体により前方へ向けて出没自在に支持されて前後動するプランジャ、及び該プランジャを前方へ付勢する弾性部材を備えたソレノイドと、該後部ベース部材によって前後方向へ揺動自在に軸支され、上部に前記プランジャと係合する被係合部を、下部に前記扉部材の被作用片と係合するレバーを備えた駆動伝達部材と、を備え、
前記ソレノイドの非励磁時には前記プランジャが前方へ突出して前記被係合部を前方へ押圧することによって前記レバーが前記被作用片を後方に回動させて前記扉部材を閉止方向へ回動させ、前記ソレノイドの励磁時には前記プランジャが後方へ退避して前記被係合部を後方へ引くことによって前記レバーが前記被作用片を前方に回動させて前記扉部材を開放方向へ回動させ、
前記軸穴は、前記扉部材の下部軸支部を回動自在に軸支すると共に、閉止位置にあった該扉部材が開放方向へ回動する際に該下部軸支部が該軸穴内を後方、又は/及び、前方へ移動することを許容する構成を備えており、
前記扉部材が閉止位置から開放位置に移動した場合に、前記被作用片と前記駆動伝達部材との接触位置を中心として、前記下部軸支部が前記軸穴内を前後方向へ変位することを特徴とする遊技機。
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