以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。かかる実施形態に示す寸法、材料、その他具体的な数値等は、発明の理解を容易とするための例示にすぎず、特に断る場合を除き、本発明を限定するものではない。なお、本明細書および図面において、実質的に同一の機能、構成を有する要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略し、また本発明に直接関係のない要素は図示を省略する。
図1は、本実施形態の遊技機本体1の斜視図であり、扉が開放された状態を示している。図示のように、遊技機本体1は、略矩形状に組まれた四辺によって囲繞空間が形成される外枠2と、この外枠2にヒンジ機構によって開閉自在に取り付けられた中枠3と、この中枠3と同様に、ヒンジ機構によって外枠2に開閉自在に取り付けられた前枠4と、を備えている。
中枠3は、外枠2と同様に、略矩形状に組まれた四辺によって囲繞空間が形成されており、この囲繞空間に遊技盤5が保持されている。また、前枠4には、ガラス製または樹脂製の透過板6が保持されている。そして、これら中枠3および前枠4を外枠2に対して閉じると、遊技盤5と透過板6とが所定の間隔を維持して略平行に対面するとともに、遊技機本体1の正面側から、透過板6を介して遊技盤5が視認可能となる。
図2は、遊技機本体1の正面図である。この図に示すように、前枠4の下部には、遊技機本体1の正面側に突出する操作ハンドル7が設けられており、この操作ハンドル7を遊技者が操作すると、当該操作ハンドル7の操作量に応じた強度で、不図示の発射装置によって遊技球が発射される。このようにして発射された遊技球は、遊技盤5に設けられたレール8a、8b間を上昇して遊技領域9に導かれることとなる。
遊技領域9は、遊技盤5と透過板6との間隔に形成される空間であって、遊技球が流下または転動可能な領域である。遊技盤5には、多数の釘や風車が設けられており、遊技領域9に導かれた遊技球が釘や風車に衝突して、不規則な方向に流下、転動するようにしている。
遊技領域9には、遊技球が入賞可能な一般入賞口10、第1始動口11、第2始動口12が設けられており、これら一般入賞口10、第1始動口11、第2始動口12に遊技球が入賞すると、それぞれ所定の賞球が遊技者に払い出される。
なお、第1始動口11または第2始動口12に遊技球が入賞すると特別図柄の抽選が行われ、遊技者にとって有利な特別遊技の実行可否や、以後の遊技状態をどのような遊技状態にするかといった種々の遊技利益(状態)が決定される。したがって、遊技者は、第1始動口11または第2始動口12に遊技球が入賞すると、所定の賞球を獲得するのと同時に、種々の遊技利益を受ける権利獲得の機会を獲得することとなる。また、第2始動口12は、可動片12bを開閉可能に備えており、この可動片12bの状態に応じて、第2始動口12への遊技球の進入容易性が変化するようになっている。
さらに、遊技領域9にはアタッカー装置13が設けられている。このアタッカー装置13は、遊技球が入賞可能な大入賞口14と、この大入賞口14を開閉する開閉扉14bと、を備えており、通常、開閉扉14bが大入賞口14を閉扉して、大入賞口14への遊技球の入賞が不可能となっている。これに対して、所定条件が成立して特別遊技が実行されると、開閉扉14bが開放されて、大入賞口14への遊技球の入賞が可能となる。そして、大入賞口14に遊技球が入賞すると、所定の賞球が遊技者に払い出される。
なお、遊技領域9の最下部には、一般入賞口10、第1始動口11、第2始動口12、大入賞口14のいずれにも入賞しなかった遊技球を、遊技領域9から遊技盤5の背面側に排出する排出口15が設けられている。
そして、上記の遊技盤5の中央には、遊技機本体1の正面側から背面側に貫通する貫通孔5aが形成されており、遊技盤5の背面に固定された液晶表示装置からなる演出表示部16が、貫通孔5aを介して遊技機本体1の正面側から視認可能に配置されている。この演出表示部16には種々の画像が表示されるが、特に、上記の第1始動口11または第2始動口12に遊技球が入球した場合には、演出図柄が変動表示されて大当たりの抽選結果が遊技者に報知されることとなる。
また、遊技盤5には、貫通孔5aの上方にキャラクターの顔を模した第1役物本体17が設けられており、その近傍には、遊技機やキャラクター等の名称が施された化粧板21を有する第2役物本体20が設けられている。詳しくは後述するが、第2役物本体20は、図2の実線で示すように、演出表示部16の前面上方の第1の位置と、図2の破線で示すように、第1の位置から鉛直下方に自重により落下して演出表示部16の中央前面の一部を被覆する第2の位置とに位置変位可能に設けられている。また、第2役物本体20は、第1役物本体17よりも僅かに遊技機本体1の正面側に位置しており、両役物本体17、20が相互に干渉しないように配置されている。
図3は、第2役物本体20の背面側の斜視図である。この図に示すように、第2役物本体20は、遊技機の名称が施された化粧板21と、この化粧板21の背面に固定された支持ケース22と、これら化粧板21と支持ケース22との間に収容された照明用基板23と、を備えている。なお、支持ケース22は、透過性を有する樹脂で構成されているが、説明の都合上、各図においては、支持ケース22を実線で示すとともに、支持ケース22によって被覆される部位を省略している。
照明用基板23は、化粧板21に対面する表面に配設され、第2役物本体20の正面方向に照射光を照射して、化粧板21を背面から照射する不図示のLEDからなる本体照射部を備えている。また、支持ケース22に対面する照明用基板23の裏面には、LEDによって構成される間接照射部24が配設されている。図2に示すように、第2役物本体20は第1役物本体17よりも遊技機本体1の正面側に位置しており、したがって、間接照射部24も第1役物本体17よりも遊技機本体1の正面側に位置している。この間接照射部24は、第2役物本体20が第1の位置に保持されているときに、第1役物本体17に向けて照射光を照射する。
より詳細に説明すると、化粧板21を背面から照射する本体照射部、および、第1役物本体17を照射する間接照射部24は、照射制御手段によって制御される。第2役物本体20が第1の位置に保持された状態では、図2に示すように、第2役物本体20が第1役物本体17と近接して位置している。また、このとき、間接照射部24は、第1役物本体17よりも遊技機本体1の正面側に位置している。照射制御手段は、第2役物本体20が第1の位置に保持されているときに、間接照射部24からの照射光の照射を許可、すなわち、間接照射部24から照射光を発光させる。
このように、本来、化粧板21を照射するための照明用基板23の裏面に間接照射部24を設け、この間接照射部24によって第1役物本体17を照射することにより、第1役物本体17の質感が向上し、演出効果を向上することが可能となる。また、第1役物本体17と第2役物本体20との干渉を防ぐべく、第1役物本体17を第2役物本体20よりも遊技機本体1の背面側に位置させると、遊技盤5等に設けた照明装置によって第1役物本体17を照射することが困難となり、第1役物本体17の印象が低下するおそれがある。しかしながら、上記のように、第2役物本体20を第1役物本体17よりも遊技機本体1の正面側に位置させて、第2役物本体20の背面側に設けられた間接照射部24によって第1役物本体17を照射することにより、第1役物本体17の印象の低下を抑制することも可能となる。
なお、第2役物本体20が第2の位置に保持されているときには、間接照射部24が第1役物本体17から離間するため、照射制御手段は間接照射部24の照射を制限する。つまり、第2役物本体20が第2の位置に保持されているときには、照射制御手段は間接照射部24が発光しないように制御する。このように、第2役物本体20が第2の位置に保持されているときに、間接照射部24による第1役物本体17への照射がなくなるが、第2役物本体20が第2の位置に保持されている場合には、遊技者の意識が第2役物本体20に集中するため、第1役物本体17の印象や質感が低下したとしても、演出効果が特段低下する心配はない。
そして、上記のように、演出表示部16における演出図柄の変動表示中に、第2役物本体20を第1の位置から第2の位置に落下(移動)させたり、あるいは、第1の位置または第2の位置において第2役物本体20を可動(揺動)したりするのが、遊技盤5の背面に固定された演出役物装置50である。この演出役物装置50の構成について以下に詳細に説明する。
図4は、演出役物装置50の斜視図である。この図に示すように、演出役物装置50は、長手方向を鉛直方向に沿わせて遊技盤5に固定されるガイド部材100と、このガイド部材100に案内されて上記の第1の位置および第2の位置に位置変位するとともに、上記の第2役物本体20を可動自在に支持する移動体200と、を備えて構成される。なお、以下では、演出役物装置50が遊技盤5に固定された状態において、遊技機本体1の幅方向に一致する方向をx方向とし、鉛直方向に沿う方向をy方向とし、遊技機本体1の厚さ方向に一致する方向をz方向として説明する。また、上記y方向における矢印の先端方向が遊技機本体1の上側となり、上記z方向における矢印の先端方向が遊技機本体1の正面側となる。
図4に示すように、ガイド部材100は、その長手方向をy方向に沿わせて遊技盤5に固定される。ガイド部材100は、遊技盤5にネジ止めによって固定されるベース体101と、このベース体101の正面側にネジ止めによって固定される第1カバー部材102および第2カバー部材103と、からなるケーシング104を備えている。ベース体101には、ガイドレール105がy方向に沿って固定されており、このガイドレール105に案内されて、移動体200が第1の位置と第2の位置との間で位置変位することとなる。
図5は、ガイド部材100の正面図、図6は、ガイド部材100の背面図である。なお、図5においては、説明の都合上、第1カバー部材102および第2カバー部材103をベース体101から取り外した状態を示している。図5に示すように、ガイドレール105には、摺動体105aが摺動自在に係合されている。この摺動体105aは、上記した移動体200が取り付け可能に構成されており、移動体200が取り付けられた状態で摺動体105aがガイドレール105に案内されることにより、移動体200が第1の位置と第2の位置との間で位置変位することとなる。また、ベース体101には、ガイドレール105の下端よりもさらに下方位置において、上記した第2カバー部材103内に収容されるコイルスプリング106(圧縮コイルバネ)が設けられている。
このコイルスプリング106は、ガイドレール105に沿って第1の位置から落下する上記の移動体200に対して、鉛直上方に付勢力を作用させる付勢部材であり、移動体200の落下による衝撃を緩衝する機能を有している。また、ベース体101には、コイルスプリング106の付勢力に抗して鉛直下方に落下する移動体200に接触し、当該移動体200を第2の位置に保持するストッパー107が設けられている。
さらに、ベース体101の正面側であってガイドレール105の上端近傍には、ソレノイドからなる第1アクチュエータ110が固定されている。この第1アクチュエータ110は、ロッド110aを備えており、このロッド110aがガイドレール105と平行に、かつ、当該ガイドレール105の長手方向に沿って出没するように配置されている。ロッド110aは、第1アクチュエータ110が未通電状態にあるとき、スプリングの弾性力によって図示の突出状態に維持されており、第1アクチュエータ110が通電されると、スプリングの弾性力に抗して図中上方に没入した没入状態となる。
上記のロッド110aの先端には、連係部材111が回転自在に連結されている。この連係部材111は、L字型に屈曲した薄板片によって構成されており、その屈曲部111aがベース体101に回転自在に軸支されている。そして、連係部材111は、その一端がロッド110aに回転自在に連結されており、ロッド110aの出没に伴って、屈曲部111aを回転軸として揺動する。このように、連係部材111が揺動すると、当該連係部材111の他端に設けられた伝達部111bが、ガイドレール105の長手方向に略直交する方向(x方向)に揺動することとなる。なお、この連係部材111は、ロッド110aの動力を第1の位置にある上記の移動体200に伝達するものであるが、その動力伝達の詳細については後述する。
また、図6に示すように、ベース体101の背面側であってガイドレール105の下端近傍には、上記の第1アクチュエータ110と同一部材であるソレノイドからなる第2アクチュエータ120が固定されている。この第2アクチュエータ120は、ロッド120aを備えており、このロッド120aがガイドレール105と平行に、かつ、当該ガイドレール105の長手方向に沿って出没するように配置されている。このロッド120aは、第2アクチュエータ120が未通電状態にあるとき、スプリングの弾性力によって図示の突出状態に維持されており、第2アクチュエータ120が通電されると、スプリングの弾性力に抗して図中上方に没入した没入状態となる。
上記のロッド120aの先端には、連係部材121が回転自在に連結されている。この連係部材121は、L字型に屈曲した薄板片によって構成されており、その屈曲部121aがベース体101に回転自在に軸支されている。そして、連係部材121は、その一端がロッド120aに回転自在に連結されており、ロッド120aの出没に伴って、屈曲部121aを回転軸として揺動する。このように、連係部材121が揺動すると、当該連係部材121の他端に設けられた伝達部121bが、ガイドレール105の長手方向に略直交する方向(x方向)に揺動することとなる。なお、伝達部121bは、連係部材121の他端からz方向(正面側)に突出しており、上記した連係部材111の伝達部111bとz方向の位置が一致している。この連係部材121は、ロッド120aの動力を第2の位置にある上記の移動体200に伝達するものであるが、その動力伝達の詳細については後述する。
そして、図5および図6に示すように、ベース体101の背面側には、位置変位用アクチュエータを構成する電動モータ130が固定されており、この電動モータ130の出力軸130aが、ベース体101の背面側から正面側に向けて貫通している。そして、ベース体101の正面側には、電動モータ130の出力軸130aに固定された第1ギヤ131が設けられており、この第1ギヤ131に噛合する第2ギヤ132と、この第2ギヤ132に噛合する第3ギヤ133と、がベース体101に回転自在に支持されている。
したがって、電動モータ130が回転すると、当該電動モータ130の回転力が第1ギヤ131および第2ギヤ132を介して第3ギヤ133に伝達されることとなる。なお、上記の第1ギヤ131、第2ギヤ132および第3ギヤ133によって回転伝達体134が構成される。そして、電動モータ130の出力軸130aは、一方向(図5中F方向)にのみ回転するように制御される。したがって、第1ギヤ131の回転方向はF方向となり、第2ギヤ132の回転方向はF方向と反対方向(図5中R方向)となり、第3ギヤ133の回転方向はF方向となる。また、ベース体101には、第3ギヤ133のF方向の回転を許容しつつ、当該第3ギヤ133の逆転、すなわち、R方向の回転を規制する逆転防止部材135が設けられている。
図7および図8は、回転伝達体134を説明する図であり、図7は、回転伝達体134の正面側の斜視図を示し、図8は、回転伝達体134の背面側の斜視図を示している。これらの図に示すように、第3ギヤ133は、全周にわたって形成された歯部133aの歯幅(z方向の厚さ)が、第1ギヤ131および第2ギヤ132よりも大きく構成されている。ここで、歯部133aのうち、歯幅方向(z方向)の中央よりも正面側を歯部133a1とし、歯幅方向(z方向)の中央よりも背面側を歯部133a2とした場合、第3ギヤ133には、歯部133a1を回転方向に一部欠落させた欠落部133bが形成されている。
詳しくは後述するが、第3ギヤ133の歯部133aは、第2ギヤ132と噛合するとともに、上記の移動体200に設けられたラック202(図9参照)とも噛合する。このとき、第2ギヤ132は、歯部133a2において第3ギヤ133に噛合し、ラック202は、歯部133a1において第3ギヤ133に噛合する。したがって、第3ギヤ133と第2ギヤ132との噛合関係は常時維持されることとなるが、第3ギヤ133の回転角度によっては、欠落部133bがラック202と対面したところで当該第3ギヤ133とラック202との噛合関係が断たれることとなる。
また、図8に示すように、第3ギヤ133には、歯部133aよりも背面側において、当該第3ギヤ133と一体回転する係合部136および突片137が、互いに回転方向に位相をずらして設けられている。これら係合部136および突片137は、その回転軌跡上に逆転防止部材135が位置する関係を有している。
逆転防止部材135は、ベース体101に揺動自在に支持されており、通常、バネの付勢力によって、係合部136および突片137の回転軌跡上に突出した図示の突出位置にある。そして、逆転防止部材135は、第3ギヤ133の回転に伴ってF方向に回転する係合部136および突片137との接触により、当該係合部136および突片137の回転軌跡上から退避した退避位置へと揺動する。
この状態から、さらに係合部136および突片137がF方向に回転すると、逆転防止部材135と、係合部136または突片137との接触が解除され、係合部136および突片137は、バネの付勢力によって退避位置から突出位置に復帰する。一方、係合部136および突片137がF方向と逆方向(R方向)に回転して逆転防止部材135に接触した場合には、当該逆転防止部材135が突出位置に保持されたままとなり、第3ギヤ133のR方向の回転が規制される。このように、逆転防止部材135は、第3ギヤ133のF方向への回転を許容しつつ、R方向への回転を規制することとなる。
次に、上記の構成からなるガイド部材100の摺動体105aに取り付けられ、ガイドレール105に案内されて第1の位置と第2の位置との間で位置変位する移動体200について説明する。
図9は移動体200の正面側の斜視図、図10は移動体200の背面側の斜視図、図11は移動体200の正面図、図12は移動体200の背面図、図13は移動体200の下面図である。これらの図に示すように、移動体200は、上記の摺動体105aに取り付けられる被ガイド部201aと、この被ガイド部201aから移動体200の移動方向(y方向)と交差(直交)する方向(x方向)に突出して第2役物本体20を可動自在に支持する突出部201bとを有する本体部材201を備えている。そして、本体部材201において、被ガイド部201aにおける突出部201bの突出方向とは反対側に位置する側面には、ラック202が、その長手方向をy方向に沿わせて固定されている。
ラック202は、上記の第3ギヤ133の歯部133a(133a1)に噛合する噛合部202aが、x方向、より詳細には突出部201bの突出方向とは反対方向に臨むように形成されている。この噛合部202aは、第3ギヤ133の回転力を移動体200の直線運動に変換するものであり、この噛合部202aによって、移動体200がガイドレール105に案内されて直線運動することとなる。
また、ラック202には、噛合部202aの歯幅方向(z方向)の一方側(正面側)に突出するとともに、ガイド部材100(ガイドレール105)の長手方向に沿って延在する凸条部202bと、噛合部202aの歯幅方向(z方向)の他方側(背面側)に臨む(突出する)とともに、ガイド部材100(ガイドレール105)の長手方向に沿って延在する当て止め部202cと、が設けられている。このように、ラック202には、噛合部202a、凸条部202b、当て止め部202cがそれぞれ異なる面に設けられている。
なお、凸条部202bおよび当て止め部202cは、ガイド部材100(ガイドレール105)の長手方向に沿った軸の軸回り方向への移動体200の傾倒を抑止するためのものである。この凸条部202bおよび当て止め部202cによってもたらされる移動体200の傾倒抑止機能について、図14を用いて説明する。
図14は、図4におけるA−A線の断面を示す図である。この図に示すように、ガイド部材100のガイドレール105に移動体200が係合された状態では、ラック202が、ケーシング104内、より具体的には、ベース体101と第1カバー部材102との対向間隔に収容される。このとき、ケーシング104には、互いに対向する一対の対向部102a、101aが設けられており、凸条部202bには、第1カバー部材102の対向部102aが対向し、当て止め部202cには、ベース体101の対向部101aが対向する。なお、多少の寸法誤差を考慮し、凸条部202bと対向部102aとの間、および、当て止め部202cと対向部101aとの間には、いずれも僅かな間隙が維持されるように設計されているが、高い寸法精度を実現可能であれば、両者が互いに接触するように設計しても構わない。
また、第1カバー部材102には、対向部102aから対向部101a側に起立するとともに、凸条部202bの両側面に対向する一対の起立部102bが設けられている。これら一対の起立部102bは、y方向に延在しており、また、x方向に所定の間隔を維持して平行に配置され、これら一対の起立部102b間に凸条部202bを位置させている。つまり、対向部102aおよび一対の起立部102bによって、凸条部202bが摺動自在に嵌合される凹部が形成されることとなる。
このように、本実施形態においては、上記一対の対向部101a、102aと、一対の起立部102bとによって傾倒抑止部が構成されており、移動体200がガイド部材100(ガイドレール105)の長手方向に沿った軸の軸回り方向に傾倒したとき、傾倒抑止部に凸条部202bもしくは当て止め部202cが接触し、当該移動体200の傾倒が抑止されることとなる。仮に、移動体200が上記の軸回り方向に傾倒してしまうと、第3ギヤ133とラック202との噛合面が片当たりして、第3ギヤ133やラック202が早期に劣化、損傷してしまったり、また、移動体200の傾倒が大きい場合には、遊技盤5や透過板6に第2役物本体20が衝突してしまったりするおそれがあるが、こうしたおそれを上記の傾倒抑止部によって解消することが可能となる。
なお、図10〜図13に示すように、ラック202の上端近傍であって、噛合部202aよりも背面側には、当該噛合部202aと同一方向に突出する被係合部203が設けられている。この被係合部203は、第3ギヤ133とラック202とが噛合する前に、上記した第3ギヤ133の係合部136(図8参照)に係合することにより、第3ギヤ133の歯部133aとラック202の噛合部202aとの位置合わせを行うものであるが、その詳細については後述する。
また、図10〜図13からも明らかなように、突出部201bの背面には、スライド部材210(スライド部)が対向配置されている。このスライド部材210は、薄板の長板部材によって構成されており、その長手方向を突出部201bの突出方向に沿わせて配置されている。このスライド部材210には、長手方向に長さを有するスライドガイド孔210aが一対、当該スライド部材210の長手方向に一定の間隔を維持して形成されている。そして、突出部201bの背面には、スライドガイド孔210aを貫通するスライドガイドネジ211が設けられており、このスライドガイドネジ211にガイドされて、スライドガイド孔210aの範囲内でスライド部材210がx方向に往復動可能となっている。
なお、スライド部材210の先端には、z方向に貫通する伝達孔210cが形成されており、スライド部材210の基端には、上記した連係部材111、121に連係される被連係部210dが設けられている。また、突出部201bには、スライド部材210の上方に位置し、z方向に貫通する貫通孔からなる回転支持部220が形成されている。
そして、第2役物本体20の支持ケース22には、背面側に突出する回転支持軸22aおよび伝達軸22b(図3参照)が設けられており、回転支持軸22aが突出部201bの回転支持部220に回転自在に支持され、伝達軸22bがスライド部材210の伝達孔210cに挿通されている。したがって、スライド部材210がx方向にスライドすると、このスライド部材210のx方向の直線運動が伝達孔210cを介して伝達軸22bに伝達され、伝達軸22bに対してx方向の付勢力が作用する。このようにして伝達軸22bにx方向の付勢力が作用すると、第2役物本体20は、スライド部材210のx方向の直線運動に伴って回転支持軸22aを軸として揺動することとなる。なお、突出部201bの先端には、第2役物本体20の揺動方向に沿った長孔状の揺動ガイド孔221が形成されており、この揺動ガイド孔221に、支持ケース22の背面に固定された揺動ガイドネジ22cが挿通されている。これら揺動ガイド孔221および揺動ガイドネジ22cは、第2役物本体20の揺動をガイドするものである。
また、図9〜図13に示すように、本体部材201の被ガイド部201aの下端には、緩衝保持部材230が固定されている。この緩衝保持部材230は、移動体200がガイド部材100に係合された状態で、ストッパー107に対面する接触部230aと、この接触部230aよりも鉛直下方に突出する突起部230bと、を備えている。この突起部230bは、移動体200が第1の位置から第2の位置へと落下する過程において、ガイド部材100に設けられたコイルスプリング106を圧縮するものであり、接触部230aがストッパー107に接触したところで、移動体200のそれ以上の落下が規制されることとなる。したがって、接触部230aがストッパー107に接触したところが、上記の第2の位置となる。
次に、上記の構成からなる演出役物装置50の動作について詳細に説明する。
図15および図16は、第2役物本体20が第1の位置に保持された状態の演出役物装置50を示す図であり、図15は演出役物装置50の正面図、図16は演出役物装置50の背面図である。なお、図15においては、説明の都合上、ガイド部材100から第1カバー部材102および第2カバー部材103を取り外した状態を示している。これらの図に示すように、移動体200は、被ガイド部201aが摺動体105aにネジ止めされることによって、ガイド部材100(ガイドレール105)に係合されている。そして、通常は、図示のように、移動体200がガイドレール105の上端近傍に保持されており、第2役物本体20が、図示の第1の位置に保持されることとなる。このように、第2役物本体20を第1の位置に保持するための保持力、すなわち、移動体200をガイドレール105の上端近傍に保持する保持力は、回転伝達体134によってもたらされている。
図17は、第2役物本体20が第1の位置に保持されているときの回転伝達体134およびラック202の噛合状態を示す図である。この図に示すように、第2役物本体20が第1の位置にあるとき、第3ギヤ133の歯部133a(歯部133a1)は、ラック202の噛合部202aの最下部に噛合されている。このとき、第3ギヤ133には、その回転方向の一定範囲に亘って歯部133a1を欠落させた欠落部133bが形成されており、回転方向(F方向)に連続する歯部133a1の最後部、換言すれば、欠落部133bに対して第3ギヤ133の回転方向(F方向)直前に位置する部分が、ラック202の噛合部202aに噛合している。
このように、ラック202と第3ギヤ133とが噛合状態に維持されている場合、移動体200の自重がラック202を介して第3ギヤ133に作用する。したがって、第2役物本体20が第1の位置にあるとき、第3ギヤ133にはF方向と反対方向であるR方向の回転力が作用する。ただし、このR方向の回転力は、第3ギヤ133から第2ギヤ132および第1ギヤ131を介して電動モータ130に伝達され、この電動モータ130の負荷によって回転伝達体134の回転が抑止されており、これによってラック202と第3ギヤ133との間の噛合関係が図示の状態に維持されることとなる。
なお、この状態では、突片137が、逆転防止部材135よりも第3ギヤ133の回転方向(F方向)前方に位置している。したがって、仮に、移動体200の自重によって、第3ギヤ133がR方向に回転したとしても、図示の突出位置に保持される逆転防止部材135に突片137が接触し、第3ギヤ133の逆転(R方向の回転)が規制されることとなる。
図18〜図21は、第2役物本体20の可動態様を説明する図であり、図18は、第2役物本体20の第1の位置における可動前の状態を示す正面図、図19は、第2役物本体20の第1の位置における可動前の状態を示す背面図、図20は、第2役物本体20の第1の位置における可動後の状態を示す正面図、図21は、第2役物本体20の第1の位置における可動後の状態を示す背面図である。なお、図18および図20においては、説明の都合上、移動体200の一部の部品を取り外して示している。
上記のようにして第2役物本体20が第1の位置に保持されているとき、図18に示すように、移動体200におけるスライド部材210の被連係部210dが、連係部材111の伝達部111bとx方向に対向配置される。このとき、伝達部111bと、被連係部210dとの間には僅かな間隙が維持されている。また、この状態では、図19に示すように、スライド部材210が、x方向においてガイド部材100側に位置しており、スライドガイドネジ211が、スライドガイド孔210aにおける図19中、左側の内壁に接触したところで静止している。なお、移動体200には、スライド部材210を図19において右方に付勢する付勢力を作用させる弾性部材が設けられており、この弾性部材によって、通常、スライド部材210が図18、図19に示す位置に保持されている。また、スライド部材210が図示の位置に保持されているとき、化粧板21は、その長手方向をx方向に沿わせた状態で静止している。
そして、上記の状態から、第1アクチュエータ110を通電すると、図20に示すように、ロッド110aが鉛直上方に没入するとともに、このロッド110aの没入に伴って連係部材111が屈曲部111aを中心に揺動し、これによって伝達部111bがx方向に揺動する。このように、伝達部111bがx方向に揺動すると、伝達部111bがスライド部材210の被連係部210dに接触するとともに、この被連係部210dの揺動によって、スライド部材210がx方向にスライドする。
スライド部材210がx方向にスライドすると、図21に示すように、伝達孔210cによって伝達軸22bがx方向に押し出され、これによって、揺動ガイドネジ22cを軸として第2役物本体20が揺動し、化粧板21がx方向に対して傾いた状態となる。したがって、移動体200(第2役物本体20)が第1の位置にあるときに、第1アクチュエータ110の通電および未通電を短時間のうちに繰り返すことにより、スライド部材210が往復動するとともに、このスライド部材210の往復動に伴って、化粧板21が回転方向に繰り返し揺動することとなる。以上のように、移動体200が第1の位置にあるときに、第1アクチュエータ110が第2役物本体20に連係されるとともに、第1アクチュエータ110を制御することにより、第2役物本体20が可動(揺動)することとなる。
なお、上記のとおり、第2役物本体20が第1の位置にあるとき、当該第2役物本体20は、第1役物本体17よりも遊技機本体1の正面側に位置している(図1)。したがって、第1の位置において、照明制御手段が、第2役物本体20の背面側に設けられた間接照射部24(図3参照)を発光制御することにより、第1役物本体17が間接照射され、当該第1役物本体17の質感が向上し、演出効果を向上することができる。また、間接照射部24は、第2役物本体20と一体となって揺動するので、こうした揺動に伴って第1役物本体17への照射態様が変更される。このように、揺動に伴う第2役物本体20の注目度の高まりに加え、照射態様の変更に伴う第1役物本体17の印象度の向上ももたらされるため、一層の演出効果の向上がもたらされることとなる。
また、図17に示すように、第2役物本体20が第1の位置に保持された状態、換言すると、第3ギヤ133の歯部133aと、ラック202の噛合部202aとの噛合によって移動体200が第1の位置に保持された状態で、電動モータ130を正転させると、第3ギヤ133がF方向に回転する。すると、欠落部133bがラック202に対面して第3ギヤ133とラック202との噛合が解除され、移動体200は、その自重によって、第1の位置から当該第1の位置よりも鉛直下方に位置する第2の位置まで、ガイドレール105に沿って落下することとなる。
図22および図23は、第2役物本体20が第2の位置に保持された状態の演出役物装置50を示す図であり、図22は演出役物装置50の正面図、図23は演出役物装置50の背面図である。なお、図22においては、説明の都合上、ガイド部材100から第1カバー部材102および第2カバー部材103を取り外した状態を示している。上記のように、自重によって移動体200が第1の位置から鉛直下方に落下すると、その落下過程において、移動体200の下部に設けられた突起部230bがコイルスプリング106に接触するとともに、コイルスプリング106を圧縮しながら移動体200が鉛直下方に落下する。そして、最終的に接触部230aがストッパー107に接触したところで、移動体200の落下が規制され、図22に示す第2の位置に移動体200が保持されることとなる。
このように、移動体200を自重で落下させることにより、第2役物本体20の移動に迫力をもたせながらも、接触部230aがストッパー107に接触する際の衝撃がコイルスプリング106によって緩衝されるので、演出役物装置50の損傷を防ぎながら演出効果を向上することが可能となる。なお、第2役物本体20が第2の位置に保持された状態、すなわち、接触部230aがストッパー107に接触した状態においても、コイルスプリング106による鉛直上方への付勢力が移動体200に作用している。ただし、このコイルスプリング106は、その付勢力が、移動体200の自重による鉛直下方への重力よりも弱くなるようにバネ定数が設定されており、第3ギヤ133とラック202との噛合が解除された状態では、移動体200の接触部230aがストッパー107に確実に接触するように設計されている。
図24および図25は、第2役物本体20の可動態様を説明する図であり、図24は、第2役物本体20の第2の位置における可動前の状態を示す背面図、図25は、第2役物本体20の第2の位置における可動後の状態を示す背面図である。
上記のようにして第2役物本体20が第2の位置に保持されているとき、図24に示すように、移動体200におけるスライド部材210の被連係部210dが、連係部材121の伝達部121bとx方向に対向配置される。このとき、伝達部121bと、被連係部210dとの間には僅かな間隙が維持されている。また、この状態では、スライド部材210が、不図示の弾性部材の弾性力により、x方向においてガイド部材100側に位置しており、スライドガイドネジ211が、スライドガイド孔210aにおける図24中、左側の内壁に接触したところで静止している。また、スライド部材210が図示の位置に保持されているとき、化粧板21は、その長手方向をx方向に沿わせた状態で静止している。
そして、上記の状態から、第2アクチュエータ120を通電すると、図25に示すように、ロッド120aが鉛直上方に没入するとともに、このロッド120aの没入に伴って連係部材121が屈曲部121aを中心に揺動し、これによって伝達部121bがx方向に揺動する。このように、伝達部121bがx方向に揺動すると、伝達部121bがスライド部材210の被連係部210dに接触するとともに、この被連係部210dの揺動によって、スライド部材210がx方向に往復動(摺動)する。
スライド部材210がx方向にスライドすると、伝達孔210cによって伝達軸22bがx方向に押し出され、これによって、揺動ガイドネジ22cを軸として第2役物本体20が揺動し、化粧板21がx方向に対して傾いた状態となる。したがって、移動体200(第2役物本体20)が第2の位置にあるときに、第2アクチュエータ120の通電および未通電を短時間のうちに繰り返すことにより、スライド部材210が往復動するとともに、このスライド部材210の往復動に伴って、化粧板21が回転方向に繰り返し揺動することとなる。以上のように、移動体200が第2の位置にあるときに、第2アクチュエータ120が第2役物本体20に連係されるとともに、第2アクチュエータ120を制御することにより、第2役物本体20が可動(揺動)することとなる。
なお、第2役物本体20が第2の位置にあるときには、間接照射部24の照射対象である第1役物本体17が第2役物本体20から離間しており、間接照射部24によって第1役物本体17を照射することができない。したがって、第2役物本体20が第2の位置にあるときには、照射制御手段は間接照射部24の発光を停止させることとなる。なお、第2の位置においても、間接照射部24からの照射を継続しても構わない。しかしながら、第2の位置においては、第2役物本体20の背面側に演出表示部16が位置しているため、間接照射部24からの照射光が演出表示部16に当たって乱反射する等、演出効果が低下するおそれもある。そのため、本実施形態においては、第2役物本体20が第2の位置にある場合には、照射制御手段が間接照射部24の発光を停止させることとしている。
次に、上記のようにして第2の位置に保持されている移動体200の第1の位置への復帰動作について図26〜図28を用いて説明する。
図26は、第2役物本体20が第2の位置に保持されているときの回転伝達体134およびラック202の噛合状態を示す図である。この図に示すように、移動体200が第2の位置に保持されているとき、ラック202の噛合部202aには、第3ギヤ133の欠落部133bが対面しており、ラック202と第3ギヤ133との噛合が解除された状態となっている。この状態から電動モータ130を正転させて第3ギヤ133をF方向に回転させると、図27および図28に示す状態となる。
図27および図28は、第2役物本体20が第2の位置に保持されている状態で電動モータ130を正転させたときの回転伝達体134およびラック202の噛合状態を示す図であり、図27は背面側の斜視図、図28は正面側の斜視図である。第2役物本体20(移動体200)が第2の位置に保持された状態で電動モータ130を正転させると、第3ギヤ133がF方向に回転し、図27に示すように、第3ギヤ133の係合部136が、ラック202の被係合部203に鉛直下方から係合する。このとき、図28に示すように、ラック202の噛合部202aには、いまだ第3ギヤ133の欠落部133bが対向しており、第3ギヤ133とラック202との噛合関係が解除されたままとなっている。
そして、図27に示すように、係合部136と被係合部203とが係合した状態でさらに第3ギヤ133がF方向に回転すると、移動体200を第2の位置から第1の位置に向かう方向(鉛直上方)へ移動させるように、係合部136が被係合部203を押し上げる。このように、係合部136がラック202を鉛直上方に押し上げながら第3ギヤ133がF方向に回転すると、係合部136と被係合部203との係合が解除される前に、欠落部133bよりも第3ギヤ133の回転方向後方側に位置する歯部133aが、ラック202の噛合部202aに噛合される。したがって、以後は、第3ギヤ133とラック202とが噛合状態にあることから、第3ギヤ133の回転に伴って移動体200が第1の位置まで鉛直上方に移動し、移動体200が第1の位置に到達したところで、電動モータ130の通電を停止することにより、移動体200(第2役物本体20)が第1の位置に保持されることとなる。
上記のように、係合部136と被係合部203とを係合させることにより、第3ギヤ133の歯部133aと、ラック202の噛合部202aとが噛合する際の位置合わせがなされ、常に所望の位置において、両者を確実に噛合させることが可能となる。また、ラック202にはコイルスプリング106によって鉛直上方への付勢力が作用しているため、係合部136と被係合部203とが係合する際や、ラック202と第3ギヤ133とが噛合する際に、第3ギヤ133に作用する負荷が軽減される。したがって、回転伝達体134の摩耗劣化の速度が低下するとともに、電動モータ130のエネルギー効率を向上することも可能となる。
以上のように、本実施形態の演出役物装置50によれば、第1アクチュエータ110および第2アクチュエータ120が、移動体200とは離別して設けられている。そして、第1アクチュエータ110は、移動体200が第1の位置にあるときに第2役物本体20に連係されて当該第2役物本体20を可動させ、移動体200が第2の位置にあるときに第2役物本体20との連係が解除される。また、第2アクチュエータ120は、移動体200が第2の位置にあるときに第2役物本体20に連係されて当該第2役物本体20を可動させ、移動体200が第1の位置にあるときに第2役物本体20との連係が解除される。
つまり、移動体200には、第1の位置および第2の位置で第2役物本体20を可動するためのアクチュエータが設けられていないため、移動体200が軽量化され、電動モータ130に対する負荷を軽減して当該電動モータ130の故障リスクを低減することができる。また、第1アクチュエータ110および第2アクチュエータ120が移動体200とともに移動することがないため、これら両アクチュエータ110、120の故障リスクも低減されるとともに、両アクチュエータ110、120への配線の取り回し等の設計作業も簡素化することができる。
また、上記一対の対向部101a、102aと、一対の起立部102bとによって傾倒抑止部が構成されており、移動体200がガイド部材100(ガイドレール105)の長手方向に沿った軸の軸回り方向に傾倒したとき、傾倒抑止部に凸条部202bもしくは当て止め部202cが接触し、当該移動体200の傾倒が抑止されることとなる。仮に、移動体200が上記の軸回り方向に傾倒してしまうと、第3ギヤ133とラック202との噛合面が片当たりして、第3ギヤ133やラック202が早期に劣化、損傷してしまったり、また、移動体200の傾倒が大きい場合には、遊技盤5や透過板6に第2役物本体20が衝突してしまったりするおそれがあるが、こうしたおそれを上記の傾倒抑止部によって解消することが可能となる。
また、本来、化粧板21を照射するための照明用基板23の裏面に間接照射部24を設け、この間接照射部24によって第1役物本体17を照射することにより、第1役物本体17の質感が向上し、演出効果を向上することが可能となる。
なお、上記実施形態においては、第1の位置から前記第2の位置へ落下する移動体200に対して鉛直上方に付勢力を作用させる付勢部材としてコイルスプリング106を設けることとしたが、付勢部材の構成はこれに限らない。例えば、移動体200の上方に設けた引張バネによって付勢部材を構成してもよい。いずれにしても、付勢部材は、移動体200に対して、それを鉛直上方に付勢する付勢力を作用させるものであればよい。
また、上記実施形態においては、第3ギヤ133に欠落部133bを設けるとともに、この欠落部133bをラック202に対面させることで、第3ギヤ133とラック202との噛合状態を解除することとした。しかしながら、第3ギヤ133とラック202とが噛合状態に維持されたり、あるいは、その噛合状態を解除したりすることができれば、具体的な構成は特に限定されない。したがって、例えば、第3ギヤ133がアクチュエータ等によって移動可能に設けられており、第3ギヤ133の位置変位によって、第3ギヤ133とラック202とを噛合させたり、あるいは、その噛合状態を解除したりするようにしてもよい。
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明はかかる実施形態に限定されないことは言うまでもない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された範疇において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。