JP5339528B2 - 入球ユニット - Google Patents

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本発明は、遊技領域を流下する遊技球が流入可能な入球ユニット等に係り、特に遊技球の流入が困難な状態と流入が容易な状態とを揺動開閉により実現する開閉扉を有する入球ユニット等に関する。
パチンコ機等の遊技機においては、弾球された球が遊技領域(遊技盤面上又はその近傍に形成された領域であって、球の流下による遊技や演出を実現するための領域。)を流下して、その流下の過程で球が遊技領域内の遊技釘(ゲージともいう。)や羽根車に衝突しつつ転回して流下方向が変化する。その結果、遊技領域上に配置された各種入賞口に球が入賞すれば所定の景品球払出しがされ、一方いずれの入賞口にも入賞せずアウト口に球が流入すれば景品球払出しはされない。遊技者は、弾球における自らの技量を発揮して、又は球の流下における偶然性を利用しつつ球の入賞及び景品球払出しを期待し、遊技を楽しむのである。
遊技者は、パチンコ機において大当りに入賞すると多くの景品球払出しを得ることができるため、大当りになることを期待して遊技を行う。この大当り遊技は、例えば抽選手段と、抽選手段による抽選の契機となる始動入賞口と、を備える遊技機において、始動入賞口への遊技球の入球を契機として行われる抽選結果が大当りとなることにより実行される。また、特定の大当りに入賞すると、抽選手段の抽選確率が高くなり、次回の大当り入賞を受けやすくする確率変動機能を有する遊技機が多く提供されている。
この確率変動状態は、通常の遊技状態よりも大当りの抽選確率が高くなり、次回の大当りが入賞しやすくなるため、遊技者は、現在の遊技が確率変動状態であるか否かに興味を持ちつつ遊技を行う。また、確率変動状態から通常状態への遊技状態の変化及び通常状態から確率変動状態への遊技状態の変化は、大当り遊技を経てから行われるように構成されており、遊技者は大当り遊技の前後で遊技状態が変化したか否かを確認して、遊技者にとって有利な状態であるか否かを判別している。
更に、非特許文献1には、遊技状態が変化する大当り遊技と、遊技状態が変化しない小当りと、を組み合わせて現在の遊技状態に対する遊技者の期待感を高めるように構成した遊技機が提供されている。大当り遊技は、開閉扉付きの大入賞口(いわゆる、アタッカー。)の開閉扉の開閉動作を繰り返すことにより行われており、小当り遊技は、大当り遊技と同様に大入賞口の開閉扉の開閉動作を繰り返すことにより行われているが、小当り遊技を経ても遊技状態が変化しない。
このように構成された大当り遊技と小当り遊技とを組み合わせることにより、現在の遊技状態に対する遊技者の期待感を高めることができる。例えば、非特許文献1に記載の遊技機は、大当り遊技であっても小当り遊技であっても大入賞口の開閉扉を9回開閉させており、この開閉扉の開閉動作は比較的高速かつ短時間で実行されている。
また、入賞口を有する入賞装置の前方には、遊技者からの不正アクセスを防止するための透明板(ガラス)が設けられている。例えば、大入賞口を開閉する開閉扉を有する入賞装置においては、開閉扉を閉状態から開状態に向けて移動する際に、上方から遊技領域を落下してきた遊技球がその開閉扉と透明板との間に挟まって、球噛みが生じてしまうおそれがあり、特に高速かつ短時間で繰り返し開閉操作を行う入賞装置においては問題となることがあった。
このような問題を鑑みて特許文献1には、遊技球が入賞する入賞開口と、入賞開口に対し、開方向に変動して第1の状態になるとともに閉方向に変動して第2の状態になる開閉部材と、所定の駆動源と、を含む可変入賞装置が記載されている。この可変入賞装置の駆動源は、開閉部材を閉方向に変動させるための閉方向変動力を作用させる力作用状態と、閉方向変動力を解除する力解除状態と、に切換可能である。また、開閉部材は、駆動源の力解除状態で開方向に変動する所定の大きさの開方向変動力が生じるように構成されており、駆動源が力解除状態に切り換わることにより開閉板が開方向変動力の作用により開方向に変動する。
この可変入賞装置によれば、所定の駆動源が開閉部材を閉方向に変動させるための閉方向変動力を作用させる力作用状態になっている場合に、開閉部材が入賞開口に対し閉方向に変動されて遊技者にとって不利な第2の状態になる。また、この駆動源は、力作用状態から閉方向変動力を解除する力解除状態に切換可能であり、その力解除状態では、開閉部材が開方向に変動する所定の大きさの変動力が生じるように構成されている。その結果、駆動源が力解除状態に切り換わることにより、開閉部材が変動力の作用により開方向に変動する。
つまり、開閉部材に対する対向部材と開閉部材との間での球噛みが問題となる開閉部材の開方向への変動時においては、開閉部材を開方向に変動させるための力が駆動源から開閉部材に付与されず、その結果、駆動源に発生する摩擦抵抗をも考慮して開方向への大きな力を開閉部材に付与する必要がなく、その分小さな力により開閉部材を開方向に変動させることが可能となる。
したがって、開閉部材を開方向に変動させるに際し、駆動源の摩擦抵抗をも考慮した大きな力により開方向に変動させる必要がなくなり、小さな力で開閉部材を開方向に変動させることが可能となるために、開閉部材とその対向部材との間での球噛みを防止することが可能となる。
特開2008−132082号公報
「CRぱちんこ キン肉マン関連記事」、パチンコ攻略マガジン2月22日号、株式会社双葉社、平成21年2月22日発行、16頁から21頁
また、開閉部材によって入賞開口が閉鎖された状態では、遊技領域を流下する遊技球が可変入賞装置の開閉部材の前方を通過する。しかし、可変入賞装置が装着された遊技盤には、遊技球の流下方向を変化させる遊技釘等の部品が配置されており、これらの部品に衝突等することにより遊技領域を通過する遊技球の軌跡が変更されて、入賞開口を閉じた開閉部材に衝突するおそれがある。
入賞開口を閉じた開閉部材に遊技球が衝突すると、その衝撃により閉鎖したはずの開閉部材が再び開いてしまい、球噛みが発生するおそれがあった。更に、開閉部材が再び開いてしまうと、大当り遊技等が再び実行されているかのような誤解を遊技者に与えてしまい、公平な遊技を実現できないおそれがあった。更に、入賞開口を閉じた開閉部材に遊技球が衝突すると、開閉部材の表面が傷ついてしまうおそれがあった。
本発明は、上記の事情に鑑みて為されたものであり、入球口を開閉する開閉扉を有する入球ユニットにおいて、開閉扉の表面を保護すると共に、一旦閉位置となった開閉扉が不測に開放することを防止して、球噛みの発生を防止するとともに公平な遊技を実行することができる入球ユニット及び遊技機を提供することを例示的課題とする。
本発明の例示的な側面としての入球ユニットは、遊技領域を流下する遊技球を流入させる入球口と、入球口への遊技球の流入が困難な状態を実現する閉位置と流入が容易な状態を実現する開位置との間を揺動する開閉扉と、開閉扉を開閉駆動する駆動手段と、駆動手段の駆動力を開閉扉に伝達する伝達手段と、を備える入球ユニットであって、伝達手段は、開閉扉を揺動開閉させる第1伝達手段と、開閉扉の回転軸を移動させる第2伝達手段と、を有しており、第2伝達手段は、開閉扉が閉位置に向かって移動する際に回転軸を後方に移動させるように構成されている。
入球ユニットは、遊技領域を流下する遊技球が流入可能な入球口を備えており、この入球口への遊技球の流入が容易な状態と流入が困難な状態とを開閉扉によって実現する。開閉扉には、第1伝達手段及び第2伝達手段を介して駆動手段の駆動力が伝達されるように構成されている。開閉扉は、入球口への遊技球の流入が困難な状態を実現する閉位置と流入が容易な状態を実現する開位置との間を第1伝達手段によって揺動され、第2伝達手段によって回転軸が移動されるように構成されている。
開閉扉の回転軸は、開閉扉が閉位置に向かって移動する際に後方に移動する。したがって、開閉扉が開位置の状態よりも開閉扉が閉位置の状態の方が、開閉扉の回転軸が後方に配置される。開閉扉の回転軸を前後方向に移動することにより、遊技領域と開閉扉との前後方向における相対位置を変化させることができる。
例えば遊技盤に装着された入球ユニットにおいて、遊技盤の表面と開閉扉の表面との相対位置を変化させることができる。具体的には、開閉扉が閉位置に向かう際に回転軸が後方に移動するため、開閉扉の閉位置の状態において開閉扉を後方に配置して、遊技領域を流下する遊技球が開閉扉に衝突することを防止して、開閉扉の表面が傷ついたり、遊技球の衝突の衝撃により開閉扉が不測に開いたりすることを防ぐことができる。
一旦閉位置に移動した開閉扉が再び開くことを防止することにより、球噛みの発生を防止するとともに、遊技者に対して公平な遊技を提供することができる。更に、一旦閉位置の移動した開閉扉が再び開くことを防止することにより、遊技球の衝突による開閉扉の揺動等を防ぐことができ、比較的高速かつ短時間で開閉扉を揺動開閉することが可能となる。
また、近年、閉位置の開閉扉を無理に開放させて、遊技球を入球口に入球させる不正行為が行われることがある。このような不正行為は、遊技盤の表面側から閉位置の開閉扉と入球口との間の隙間に異物を侵入させ、異物を開閉扉に引っ掛けて無理に開放することによって行われる。しかし、開閉扉が閉位置の状態において開閉扉の回転軸を後方に移動することにより、開閉扉が開いた状態よりも開閉扉全体を後方に移動することができ、開閉扉の閉鎖状態において遊技盤面側から開閉扉を開放する不正行為を防止することができる。
開閉扉が閉位置の状態において、第1伝達手段と駆動手段との間には、第1の隙間が設けられ、かつ第2伝達手段と駆動手段との間には、第2の隙間が設けられており、第2伝達手段と駆動手段との第2の隙間は、第1伝達手段と駆動手段との第1の隙間よりも駆動手段の駆動方向において長く構成されている。
このように第1伝達手段と駆動手段との間に第1の隙間が設けられ、第2伝達手段と駆動手段との間に第2の隙間が設けられていることにより、例えば、開閉扉に遊技球が衝突して開閉扉が振動し、その振動が第1伝達手段及び第2伝達手段に伝達しても、第1の隙間及び第2の隙間によって振動を吸収して駆動手段に振動を伝達することを防ぐことができる。また、駆動手段に振動が発生した場合であっても、その振動を開閉扉に伝達することを防ぐことができる。
更に、第2伝達手段と駆動手段との第2の隙間が、第1伝達手段と駆動手段との第1の隙間よりも駆動手段の駆動方向において長く構成されているため、開閉扉が閉位置の状態から駆動手段が駆動した際に、まず第1伝達手段に駆動力が伝達されて開閉扉が開位置に向かって、その後第2伝達手段に駆動力が伝達されて開閉扉の回転軸が前方に向けて移動する。このように開閉扉を傾けつつ前方に移動するように構成することにより、開閉扉を略垂直の状態で前方に移動する構成と比べて、開閉扉に遊技球を入球させ易くすることができる。
更に、駆動手段の駆動力を第1伝達手段と第2伝達手段に伝達するタイミングをずらすことにより、駆動手段の駆動力を第1伝達手段と第2伝達手段に略同時に伝達する構成と比べて、駆動手段の負荷を軽減することができる。
また、本発明の他の例示的な側面としての遊技機は、遊技領域が設けられた遊技盤と、遊技盤を保持する遊技機枠と、上記に記載の入球ユニットと、を有しており、遊技機枠は、遊技盤の表面に設けられた遊技領域の前方において遊技盤と離間して配置された透明板を備えており、入球ユニットは、遊技盤に装着されており、入球ユニットの開閉扉が開位置の状態において、遊技領域を流下する遊技球が入球ユニットの入球口に流入するように構成され、かつ開閉扉と透明板との間の距離が遊技球の半径未満となるように構成されている。
このように構成された遊技機によれば、開閉扉が開位置の状態において、遊技盤の表面に設けられた遊技領域を流下する遊技球を入球ユニットの入球口に流入させることができる。また、開閉扉が開位置の状態において開閉扉と透明板との距離が遊技球の半径未満となるように回転軸を移動するため、開閉扉と透明板との間に遊技球が滞留等することを防止することができる。
開閉扉と透明板との間の距離が遊技球の半径以上あると、遊技領域を流下する遊技球が透明板と開閉扉との間に挟まったり、透明板と開閉扉との間に滞留したりして、球詰まり等の不具合が発生するおそれがある。しかし、開閉扉が開位置の状態において開閉扉と透明板との距離が遊技球の半径未満となるように回転軸を移動することにより、遊技領域を流下する遊技球が透明板と開閉扉との間に挟まったり、透明板と開閉扉との間に滞留したりすることを防ぐことができる。なお、透明板は、遊技盤の前方に配置された透明な部材であればよく、ガラス製の透明部材や樹脂製の透明部材を例示することができる。
また、回転軸は、開閉扉が閉位置の状態において、遊技盤より後方に配置されていることが望ましい。このように回転軸を配置することにより、開閉扉が閉位置の状態において遊技盤の前方から開閉扉にアクセスし難くし、開閉扉が不正開放されることを効果的に防止することができる。更に、開閉扉が閉位置の状態において遊技盤より後方に回転軸を配置することにより、閉位置の状態において開閉扉に遊技球が衝突等して開閉扉の表面が傷ついたり、開閉扉が不測に開放したりすることを更に効果的に防ぐことができる。
本発明の更なる目的又はその他の特徴は、以下添付図面を参照して説明される好ましい実施の形態によって明らかにされるであろう。
本発明によれば、開閉扉が閉位置に向かって移動する際に開閉扉の回転軸を後方に移動することができる。開閉扉の回転軸を前後方向に移動することにより、遊技領域と開閉扉との前後方向における相対位置を変化させることができる。開閉扉の閉位置の状態において開閉扉を後方に配置して、遊技領域を流下する遊技球が開閉扉に衝突し難くして、開閉扉の表面が傷ついたり、開閉扉が不測に開いたりすることを防ぐことができる。一旦閉位置に移動した開閉扉が再び不測に開くことを防止することにより、球噛みの発生を防止するとともに、遊技者に対して公平な遊技を提供することができる。
更に、開閉扉が開位置の状態において開閉扉と透明板との距離が遊技球の半径未満となるように回転軸を移動して、遊技領域を流下する遊技球が透明板と開閉扉との間に挟まったり、透明板と開閉扉との間に滞留したりすることを防ぐことができる。加えて、開閉扉が閉位置の状態において、回転軸を遊技盤より後方に配置することにより、遊技盤の前方から閉位置の開閉扉にアクセスし難くし、開閉扉に対する不正行為を防止することができる。
本発明の実施の形態に係るパチンコ機の正面図である。 図1に示すパチンコ機の背面図である。 図1に示す入球ユニットの正面図である。 入球ユニットの平面図である。 入球ユニットの内部機構を模式的に示した平面図である。 入球ユニットの内部機構を模式的に示した右側面図である。 入球ユニットの開放態様を示す模式側面図である。 入球ユニットの開放態様を示す模式側面図である。 図7に示すA部分の部分拡大図である。 入球ユニットの閉鎖態様を示す模式側面図である。 入球ユニットの閉鎖態様を示す模式側面図である。
以下、本発明の実施の形態について図面を用いて説明する。図1は、本発明の実施の形態に係る入球ユニット40を有するパチンコ機(遊技機)2の正面図であり、図2は、図1に示すパチンコ機2の背面図である。このパチンコ機2は、遊技機枠3、遊技盤ユニット5、ガラス10、発射ユニット(不図示)、球皿14を有している。発射ユニットは、1個ずつ遊技球23を遊技盤ユニット5に構成される遊技領域16に向けて発射可能である。
パチンコ機2は、遊技者が後述する発射装置ハンドル15を操作することによって、遊技領域16に向けて球が発射ユニットによって発射され、球の流下による遊技が実現される。なお、遊技機は、パチンコ機2の他にパチンコ式スロットマシン機、コインゲーム機等のアーケードマシン、各種ゲーム機を概念することができ、要するに、遊技媒体の流下による遊技を実現する遊技領域を有するあらゆる遊技機が含まれる。
なお、パチンコ機においても、アレンジボール機、雀球機等の組合せ式パチンコ機、いわゆるデジパチタイプ(1種タイプ)やハネモノタイプ(2種タイプ)のパチンコ機等のあらゆるパチンコ機が概念できるが、本実施の形態においては、デジパチ遊技(1種遊技、図柄変動遊技ともいう。)を実現するいわゆる1種タイプのパチンコ機について例示説明する。なお、図柄変動遊技については後述する。
パチンコ機2の遊技機枠3は、後述する遊技盤ユニット5を保持するためのもので、このパチンコ機2の周囲側面及び前方又はそれに加えて後方を囲むように構成される。遊技機枠3の内部側には、遊技盤ユニット5の他にも後述する各種制御基板や遊技媒体用の経路等各種機構部品が配置され、遊技機枠3によって周囲側面及び前方又はそれに加えて後方からのパチンコ機2内部側への不正アクセスが防止されるようになっている。
パチンコ機2の周囲を囲む外枠4、その内側にヒンジ22によって前方開閉可能に揺動支持されて遊技盤ユニット5を保持する前枠9、前枠9の前方にヒンジ22によって前方開閉可能に揺動支持されガラス10及びその周囲を装飾する装飾部材32を保持するガラス枠12、を有して遊技機枠3が構成される。なお、ガラス10は、遊技機枠3内部側に保持された遊技盤6を前方から遊技者が視認することができるようにするための透明部材である。
ガラス10は、遊技盤6に対して一定距離以上離間して配置された透明板である。ガラス10は、2枚の透明平板ガラスで形成されてガラス枠12の裏面側に保持され、遊技盤6との間に遊技球23が流下する流下空間を形成する機能、遊技者がガラス10を通して遊技盤6を視認できるように視認性を確保する機能、遊技者が遊技盤6に不正にアクセス(接触)できないように不正アクセスを防止する機能、を発揮する。
球皿14は、遊技者の持ち球を貯留するためにパチンコ機2の前面に配置された皿部材であって、本実施の形態においては上球皿14aと下球皿14bとを有している。上球皿14aは、球抜き部材14cを有して遊技盤6の下方、すなわちガラス枠12の下方部分に配置され、下球皿14bは、その上球皿14aの更に下方に配置されている。
発射ユニットは、球送り装置(不図示)によって球皿14の一部としての上球皿14aから発射位置に送り出された遊技球23を遊技領域16の上部に向けて発射(弾球)するためのものである。発射ユニットは、例えば発射位置の遊技球23を弾球する発射杆、その発射杆を駆動する発射モータ、発射杆を付勢して弾球力を発生させる発射バネ等を有してユニット構成され、前枠9に取り付けられている。その発射ユニットによる球発射のため、遊技者の操作に基づいて球発射のオンオフ及びその発射強度調整を実現する発射装置ハンドル15がパチンコ機2の前面下方に設けられている。
遊技盤ユニット5は、遊技盤面6a側の略中央に遊技役物としてのセンター役物7が配置された遊技盤6を有しており、その遊技盤面6aには多数の遊技釘27も配置されている。センター役物7の中央部には、画像表示手段としての演出表示装置7aが配置されるとともに、この演出表示装置7aの表示部7bを露出させるための表示開口部7dが形成されている。
遊技盤6は、その表面側に遊技球23の流下による遊技を実現するための遊技領域16を構成するための盤状部材であり、遊技盤6を前方から遊技者にとって視認可能となるように遊技機枠3(本実施の形態においては、遊技機枠3の一部としての前枠9。)に保持されている。その遊技盤6の表面には略円形状に周囲を囲むようにレール飾り26が取り付けられており、レール飾り26の外レール26aが遊技盤に対して立設するように配置されている。そして、レール飾り26の外レール26aによって画定され、外レール26aに面した略円形状の領域が遊技領域16となっている。
遊技釘27は、遊技領域16を流下する遊技球23と衝突してその流下方向を変更させる流下変更部材であり、多数が遊技領域16内に配置されている。また、遊技領域16には、始動入賞口29等の入賞部材、普通入賞口28及び大入賞口(入球口)42を有する入球ユニット40、及びアウト口30が配置されている。更に、遊技領域16には、ゲート33、風車34等が配置されており、流下する遊技球23が各入球部材に流入したり、ゲート33を通過したり、風車34を回転させたりすることによって、遊技球23による流下遊技を楽しむことができるようになっている。
センター役物7は、演出表示装置7aの周囲を覆うように構成されており、図柄変動遊技(1種遊技)を実現するものである。センター役物7の上部には、図柄表示手段としての第1図柄(特別図柄)表示装置17が配置されるとともに、センター役物7の中央部には、演出表示装置7aが配置されている。
第1図柄(特別図柄)表示装置17には、抽選手段の抽選結果である第1図柄の変動が表示される。第1図柄は、始動入賞口29への遊技球23の入球を契機として実行される第1抽選の結果に対応した図柄である。第1図柄の変動表示が所定の当選態様で停止することにより第1特別遊技としての大当りが発生する。
演出表示装置7aは、例えば、液晶表示装置・有機ELディスプレイ・LED等により構成されて遊技者が遊技盤面6a側から視認可能となるように配置され、その表示部7b上に映像表示を行うものである。この演出表示装置7aの表示部7bには、第1図柄に連動する第1装飾図柄の表示がなされる。第1装飾図柄は、第1抽選手段の抽選結果を視覚的に演出するための図柄であり、第1の遊技に対応する。また、例えば、キャラクター等によるストーリー仕立ての映像としての演出映像も表示部7b上に表示されるようになっている。演出表示装置7aには、遊技制御手段としての演出制御基板が中継基板を介して電気的に接続されており、演出制御基板によって画像表示が制御される。
遊技盤6の裏面側には、パチンコ機2の全体の制御を行う遊技制御手段としての主制御基板を収容した主制御基板ケース35と、演出表示装置7aの画像表示等演出の制御等を行う演出制御基板を収容した演出制御基板ケース36と、賞球の払出しを制御する払出制御基板(図示せず)を収容した払出制御基板ケース37と、電源基板(図示せず)を収容した電源基板ケース38と、が配置されている。この各制御基板ケースに収容された各制御基板によって遊技が実現される。更に、遊技盤6の裏面側には、パチンコ機2の遊技状態等の遊技情報を外部に出力するための外部出力端子板39が設けられている。
図示しない球発射装置により遊技球23が発射されると、遊技球23はレール飾り26の外レール26aに沿いつつ進行して遊技領域16内の上部に至る。その後、遊技球23は、複数の通過軌跡に沿って移動し、あるものはレール飾り26の外レール26aに沿って右側に移動し、あるものはゲージに衝突しつつ遊技領域16内を下方に流下し、あるものは普通入賞口28に流入して一定数の景品球払出しの契機となり、あるものはいずれの入球装置にも流入せずに遊技領域16内最下部に位置するアウト口30に流入してアウト球としてパチンコ機2の外部側へと排出される。
図柄変動遊技中に遊技球23が始動入賞口29に流入すると、その流入に起因して演出表示装置7aの表示図柄7cが回転表示(第1の特別遊技の抽選)を開始し、その表示図柄7cが所定の図柄(例えば、「7・7・7」。)で停止表示すれば、図柄変動遊技における大当り(第1の特別遊技。以下、図柄変動大当りという。)が発生する。そして、入球ユニット40の大入賞口(入球口)42が開放して多量の入賞球を受け入れ、多量の景品球が球皿14へと払い出されるようになっている。
次いで、図3から図11に基づいて遊技盤6に装着された入球ユニット40について詳細に説明する。図3から図6は、遊技盤6から取り外した状態の入球ユニット40を示した図である。図3は正面図であり、図4は平面図である。また、図5は内部機構を模式的に示した平面図であり、図6は内部機構を模式的に示した右側面図である。なお、以下の説明における前後、左右及び上下は、遊技者が正面からパチンコ機2を視認した状態における方向である。
入球ユニット40は、遊技盤6に取り付けるためのベース部材41と、ベース部材41に開口形成され、遊技球23の流入口となる大入賞口(入球口)42と、大入賞口42への入球を容易な状態と困難な状態とを実現する開閉扉43と、開閉扉43を開閉駆動するソレノイド44と、ソレノイド44の駆動力を開閉扉43に伝達する伝達手段45,46と、大入賞口42に入球した遊技球23を入球ユニット40外部に導く球通路47と、ソレノイド44、伝達手段45,46及び球通路47を内包するカバー部材48と、普通入賞口28と、を有する。
入球ユニット40は、遊技盤6に装着された状態において、正面視にてベース部材41、開閉扉43、普通入賞口28が視認できるように配置されている。開閉扉43は、開位置と閉位置との間を揺動開閉するように構成されており、開閉扉43が開位置の状態においては、正面から大入賞口42を視認可能であって、遊技領域16を流下する遊技球23が大入賞口42に入球可能となる。一方、開閉扉43が閉位置の状態においては、正面から大入賞口42が視認不可能であって、遊技領域16を流下する遊技球23が大入賞口42に入球不可能となる。
図3及び図4に示すように、ベース部材41及び開閉扉43の後方には、カバー部材48が設けられており、カバー部材48内には、開閉扉43を開閉駆動するソレノイド44と、ソレノイド44の駆動力を開閉扉43に伝達する伝達手段45,46と、大入賞口42に入球した遊技球23が通過する球通路47が設けられている。
ソレノイド44は、通電及び断電されることにより前後方向に移動するプランジャ44aと、プランジャ44aの移動に基づいて弾性変形するバネ部材(弾性部材)44bと、を有する。ソレノイド44が通電されると、プランジャ44aが後方にスライド移動し、バネ部材44bが弾性変形する。プランジャ44aが後方にスライド移動すると、開閉扉43が開位置に向かって移動する。一方、ソレノイド44が断電されると、バネ部材44bの弾性力によってプランジャ44aが前方にスライド移動する。プランジャ44aが前方にスライド移動すると、開閉扉43が閉位置に向かって移動する。
また、開閉扉43は、第1伝達部材45が接触可能な係合部43aが設けられている。係合部43aは、曲線形状の面であり、第1伝達部材45によって押圧されるように構成されている。開閉扉43は、係合部43aが第1伝達部材45によって押圧されることにより、回転軸43bを中心に回転する。
ソレノイド44の前端部には、伝達手段45,46が係合している。伝達手段は、開閉扉43を揺動開閉させる第1伝達部材(第1伝達手段)45と、開閉扉43の回転軸43bを前後方向に移動させる第2伝達部材(第2伝達手段)46と、を有する。第1伝達部材45は、プランジャ44aの先端のプレートを挟むように配置された一対の突起部45aを有しており、プランジャ44aが前後方向にスライド移動することにより、回転軸45bを中心に回転するように構成されている。第1伝達部材45は、開閉扉43と係合可能な係合部45cを有している。第1伝達部材45は、回転することにより、係合部45cによって開閉扉43を押圧して開閉扉43を揺動開閉させる。
第1伝達部材45は、プランジャ44aによって突起部45aが前方に押圧されると、回転軸45bを中心に反時計回り方向(図7に示す−Y方向。)に回転し、開閉扉43を閉位置に向けて揺動させる。また、第1伝達部材45は、プランジャ44aによって突起部45aが後方に押圧されると、回転軸45bを中心に時計回り方向(図7に示すY方向。)に回転し、開閉扉43を開位置に向けて揺動させる。
第1伝達部材45の右方には、プランジャ44aの下端部と係合する第2伝達部材46が配置されている。第2伝達部材46は、プランジャ44aのスライド移動に伴って回転する第2伝達回転部46aと、第2伝達回転部46aによって押圧され、前後方向にスライド移動する第2伝達スライド部46bと、を備えている。第2伝達回転部46aは、プランジャ44aの先端のプレートを挟むように配置された挟持部46cと、第2伝達スライド部46bから突出形成された突起部46eと連結される連結部46dと、を備えている。第2伝達回転部46aは、プランジャ44aによって挟持部46cが押圧されることにより、回転軸46gを中心に回転するように構成されている。
第2伝達回転部46aの挟持部46cは回転軸46gより上方に配置され、連結部46dは回転軸46gより下方に配置されている。第2伝達回転部46aは、挟持部46cが前方に押圧されることにより、回転軸46gを中心に反時計回り方向(図7に示す−Z方向。)に回転し、連結部46dによって第2伝達スライド部46bを後方に押圧する。一方、第2伝達回転部46aは、挟持部46cが後方に押圧されることにより、回転軸46gを中心に時計回り方向(図7に示すZ方向。)に回転し、連結部46dによって第2伝達スライド部46bを前方に押圧する。
第2伝達スライド部46bは、前後方向にスライド移動するように構成されており、第2伝達回転部46aに向けて突出形成された突起部46eと、開閉扉43の回転軸43bを回転可能に保持する軸保持部46fと、を備えている。第2伝達スライド部46bは、第2伝達回転部46aの連結部46dによって突起部46eが前方に押圧されると、軸保持部46fを介して開閉扉43の回転軸43bを前方に移動する。また、連結部46dによって突起部46eが後方に押圧されると、軸保持部46fを介して開閉扉43の回転軸43bを後方に移動する。
次いで、このように構成された入球ユニット40の開閉扉43の開閉態様について詳細に説明する。図7、図8、図10、及び図11は、開閉扉43の開閉態様を模式的に示した図である。図7、図8、図10、及び図11においては、説明のため、カバー部材48、ベース部材41等、駆動機構以外の部材を省略して示している。図7(a)及び図11(h)は開閉扉43が閉位置の状態を示しており、図8(h)及び図11(a)は開閉扉43が開位置の状態を示している。図7及び図8は、(a)から(h)に向かって開閉扉43が徐々に開放する態様を示している。図10及び図11は、(a)から(h)に向かって開閉扉43が徐々に閉鎖する態様を示している。
まず、図7及び図8に基づいて、閉位置から開位置への開閉扉43の移動態様を説明する。(a)は閉位置の状態を示している。(a)に示す状態は、ソレノイド44は通電されておらず、プランジャ44aはバネ部材44bの弾性力によって前方(図示するX方向)に押圧されている。ソレノイド44と第1伝達部材45の突起部45aとの間には、図9に示すように第1の隙間T1が設けられており、ソレノイド44と第2伝達部材46の挟持部46cとの間には、第2の隙間T2が設けられている。
図9は、図7に示すA部分を拡大した部分拡大図である。ソレノイド44と突起部45aとの第1の隙間T1は、ソレノイド44と挟持部46cとの第2の隙間T2よりも短く構成されている。第1の隙間T1と第2の隙間T2とを異なる長さにすることにより、第1伝達部材45の移動タイミングと、第2伝達部材46の移動タイミングをずらすことができ、両方の部材を同じタイミングで移動する構成と比べて、ソレノイド44に係る負荷を軽減することができる。
また、第1の隙間T1と第2の隙間T2を設けることにより、例えば、閉位置の開閉扉43に遊技球23が衝突して開閉扉43が振動し、その振動が第1伝達部材45及び第2伝達部材46に伝達しても、第1の隙間T1及び第2の隙間T2によって振動を吸収して、ソレノイド44に振動が伝達することを防ぐことができる。
また、ソレノイド44のプランジャ44aは、バネ部材44bの弾性力によって前方に移動するように構成されている。バネ部材44bが勢いよく復元する(元の状態に戻る)と、バネ部材44bは、プランジャ44aを前方に移動させた後、振動して再び弾性変形し、プランジャ44aを後方に移動させてしまうおそれがある。しかし、開閉扉43が閉位置の状態において、第1の隙間T1と第2の隙間T2とが設けられていることにより、プランジャ44aの所定長さ(第1の隙間T1以下の長さ)の移動を第1の隙間T1及び第2の隙間T2で吸収し、バネ部材44bの振動による開閉扉43の揺動を防ぐことができる。
更に、ソレノイド44と第2伝達部材46の第2の隙間T2は、第1伝達部材45とソレノイド44との第1の隙間T1よりもソレノイド44の駆動方向(図示する閉位置の状態において後方)に長く形成されている。したがって、開閉扉43が閉位置の状態からソレノイド44が通電された際に、まず第1伝達部材45に駆動力が伝達されて開閉扉43が傾斜し、その後第2伝達部材46に駆動力が伝達されて開閉扉43の回転軸43bが前方に向けて移動する。
次いで、(a)の状態においてソレノイド44が通電されると、(a)に示す状態から後方(図示する−X方向)にプランジャ44aが移動して(b)に示す状態となる。(b)は、(a)の状態からプランジャ44aが後方に第1の隙間T1分の長さ移動した状態であり、プランジャ44aと突起部45aとが当接する。(a)の状態から(b)の状態になるまでの間は、突起部45aとプランジャ44aとが接していないため、第1伝達部材45は移動しない。また、第2の隙間T2は、第1の隙間T1より長く形成されているため、(b)に示す状態においてプランジャ44aと挟持部46cとは接していない。
(b)に示す状態からプランジャ44aが更に後方に移動すると(c)に示す状態となる。(c)は、(a)の状態からプランジャ44aが後方に第2の隙間T2分の長さ移動した状態であり、プランジャ44aと挟持部46cとが当接する。(b)の状態から(c)の状態になるまでの間は、挟持部46cとプランジャ44aとが接していないため、第2伝達部材46は移動しない。
一方、第1伝達部材45は、突起部45aが後方に押圧され、回転軸45bを中心に時計回り方向(図示するY方向)に回転する。第1伝達部材45が回転すると、第1伝達部材45の係合部45cによって開閉扉43が押圧されて開位置に向かって移動する。また、プランジャ44aが後方に移動することにより、バネ部材44bが弾性変形する。
(c)に示す状態からプランジャ44aが更に後方に移動すると(d)に示す状態となる。第1伝達部材45は、突起部45aが更に後方に押圧され、回転軸45bを中心に時計回り方向に回転して、開閉扉43が更に開位置に向かって移動する。また、第2伝達部材46の第2伝達回転部46aは、挟持部46cが後方に押圧され、回転軸46gを中心に時計回り方向(図7に示すZ方向)に回転して、連結部46dが前方に移動する。第2伝達回転部46aの連結部46dが前方に移動すると、第2伝達スライド部46bの突起部46eが前方に押圧されて、開閉扉43の回転軸43bが前方に移動する。
(d)に示す状態からプランジャ44aが更に後方に移動すると(e)の状態となり、(e)の状態から(f)の状態、(g)の状態、(h)の状態と徐々に変化する。(h)に示す開位置に向かう変化に伴って、開閉扉43の開放角度が大きくなり、開閉扉43の回転軸43bの位置が前方に移動する。また、バネ部材44bの弾性変形は大きくなる。そして、(h)に示す状態では、開閉扉43の開放角度が最も大きくなると共に回転軸43bの位置が最前部となり、大入賞口42への遊技球23の入球が容易な状態を実現することができる。
また、(g)に示す状態では、開閉扉43の前端部とガラス10との距離は、遊技球23の半径未満である。遊技領域16を流下する遊技球23がガラス10と開閉扉43との間に挟まったり、ガラス10と開閉扉43との間に滞留したりすることを防ぐことができる。
次いで、図10及び図11に基づいて、閉位置から開位置への開閉扉43の移動態様を説明する。(a)は開位置の状態を示している。(a)に示す状態は、ソレノイド44は通電されており、プランジャ44aは前方(図7に示すX方向)に押圧されている。第1伝達部材45の突起部45aとソレノイド44との間には、第1の隙間が設けられ、第2伝達部材46の挟持部46cとソレノイド44との間には、第2の隙間が設けられている。挟持部46cとソレノイド44との第2の隙間は、第1伝達部材45の突起部45aとソレノイド44との第1の隙間より長く構成されている。
ソレノイド44が断電されると、バネ部材44bの復元による弾性力がプランジャ44aに対して作用し、(a)に示す状態から前方(図7に示すX方向)にプランジャ44aが移動して(b)に示す状態となる。(b)は、(a)に示す状態から突起部45aとソレノイド44との第1の隙間分前方に移動した状態であり、プランジャ44aと突起部45aとが当接する。また、第2伝達部材46の挟持部46cとソレノイド44との第2の隙間は、突起部45aとソレノイド44との第1の隙間より長く形成されているため、(b)に示す状態においてプランジャ44aと挟持部46cとは接していない。
(b)に示す状態からプランジャ44aが更に前方に移動すると(c)に示す状態となる。(c)は、(a)の状態から挟持部46cとソレノイド44との第2の隙間分の長さ前方に移動した状態であり、プランジャ44aと挟持部46cとが当接する。(b)の状態から(c)の状態になるまでの間は、挟持部46cがプランジャ44aによって押圧されないため、第2伝達部材46は移動しない。
一方、第1伝達部材45は、突起部45aが前方に押圧され、回転軸45bを中心に反時計回り方向(図7に示す−Y方向)に回転する。第1伝達部材45が回転すると、開閉扉43が第1伝達部材45の係合部45cによって押圧されて閉位置に向かって移動する。
(c)に示す状態からプランジャ44aが更に前方に移動すると(d)に示す状態となる。第1伝達部材45は、突起部45aが更に前方に押圧され、回転軸45bを中心に反時計回り方向に回転して、開閉扉43が更に閉位置に向かって移動する。また、第2伝達部材46の第2伝達回転部46aは、挟持部46cが前方に押圧され、回転軸46gを中心に反時計回り方向(図7に示す−Z方向)に回転して、連結部46dが後方に移動する。第2伝達回転部46aの連結部46dが後方に移動すると、第2伝達スライド部46bの突起部46eが後方に押圧され、軸保持部46fを介して開閉扉43の回転軸43bが後方に移動する。(c)の状態から(d)の状態になるまでの間は、開閉扉43は、閉位置に向かって立ち上がりつつ後方に移動する。
(d)に示す状態からプランジャ44aが更に後方に移動すると(e)の状態となり、(e)の状態から(f)の状態、(g)の状態、(h)の状態と徐々に変化する。(h)に示す開位置に向かう変化に伴って、開閉扉43の開放角度が小さくなり、開閉扉43の回転軸43bの位置が後方に移動する。また、バネ部材44bの弾性変形は小さくなる。そして、(h)に示す状態では、開閉扉43が大入賞口42を閉じると共に回転軸43bの位置が最後部となり、大入賞口42への遊技球23の入球が困難な状態を実現することができる。
また、(h)に示す状態では、開閉扉43の回転軸43bは、遊技盤面6aより後方に配置されている。回転軸43bを遊技盤6の後方に配置することにより、開閉扉43が閉位置の状態において遊技盤6の前方から開閉扉43にアクセスし難くし、開閉扉43が不正開放されることを効果的に防止することができる。
更に、開閉扉43が閉位置の状態において遊技盤6より後方に回転軸43bを配置することにより、閉位置の状態において開閉扉43に遊技球23が衝突等して開閉扉43の表面が傷ついたり、開閉扉43が不測に開放したりすることを更に効果的に防ぐことができる。
以上のように、本実施の形態に係る入球ユニット40によれば、開閉扉43の回転軸43bを前後方向に移動することができ、遊技領域16と開閉扉43との前後方向における相対位置を変化させることができる。また、開閉扉43が閉位置に向かう際に回転軸43bが後方に移動するため、開閉扉43が閉位置の状態において遊技領域16を流下する遊技球23が開閉扉43に衝突することを防止して、開閉扉43の表面が傷ついたり、一旦閉位置に移動した開閉扉43が再び開いたりすることを防止することができる。
更に、第2伝達部材46は、開閉扉43が開位置の状態において開閉扉43とガラス10との距離が遊技球23の半径未満となるように回転軸43bを移動するため、開閉扉43とガラス10との間に遊技球23が滞留したり、開閉扉43とガラス10との間に遊技球23が挟まったりすることを防止することができる。
また、開閉扉43が閉位置の状態において、第2伝達部材46は、開閉扉43の回転軸43bが遊技盤6より後方になるように回転軸43bを移動するため、開閉扉43が閉位置の状態において遊技盤6の前方から開閉扉43への不正アクセスを防止できる。更に、遊技盤6より後方に回転軸43bを配置することにより、閉位置の開閉扉43に遊技球23が衝突等して開閉扉43の表面が傷つくことを防止して、開閉扉43の表面を保護することができる。
以上、本発明の好ましい実施の形態を説明したが、本発明はこれらに限定されるものではなく、その要旨の範囲内で様々な変形や変更が可能である。
T1:ソレノイドと第1伝達部材の突起部との第1の隙間
T2:ソレノイドと第2伝達部材の挟持部との第2の隙間
2:パチンコ機(遊技機)
3:遊技機枠
4:外枠
5:遊技盤ユニット
6:遊技盤
6a:遊技盤面
7:センター役物
7a:演出表示装置
7b:表示部
7c:表示図柄
7d:表示開口部
9:前枠
10:ガラス(透明板)
12:ガラス枠
14:球皿
14a:上球皿
14b:下球皿
14c:球抜き部材
15:発射装置ハンドル
16:遊技領域
17:第1図柄(特別図柄)表示装置
22:ヒンジ
23:遊技球
26:レール飾り
26a:外レール
27:遊技釘
28:普通入賞口
29:始動入賞口
30:アウト口
32:装飾部材
33:ゲート
34:風車
35:主制御基板ケース
36:演出制御基板ケース
37:払出制御基板ケース
38:電源基板ケース
39:外部出力端子板
40:入球ユニット
41:ベース部材
42:大入賞口(入球口)
43:開閉扉
43a:係合部
43b:回転軸
44:ソレノイド
44a:プランジャ
44b:バネ部材(弾性部材)
45:第1伝達部材(第1伝達手段)
45a:突起部
45b:回転軸
45c:係合部
46:第2伝達部材(第2伝達手段)
46a:第2伝達回転部
46b:第2伝達スライド部
46c:挟持部
46d:連結部
46e:突起部
46f:軸保持部
46g:回転軸
47:球通路
48:カバー部材

Claims (1)

  1. 遊技領域を流下する遊技球を流入させる入球口と、
    該入球口への遊技球の流入が困難な状態を実現する閉位置と該流入が容易な状態を実現する開位置との間を揺動する開閉扉と、
    該開閉扉を開閉駆動する駆動手段と、
    該駆動手段の駆動力を前記開閉扉に伝達する伝達手段と、を備える入球ユニットであって、
    前記伝達手段は、前記開閉扉を揺動開閉させる第1伝達手段と、該開閉扉の回転軸を移動させる第2伝達手段と、を有しており、
    該第2伝達手段は、前記開閉扉が開位置に向かって移動する際に前記回転軸を前方に移動させるように構成されており、
    前記開閉扉が閉位置の状態において、前記第1伝達手段と前記駆動手段との間には、第1の隙間が設けられ、かつ前記第2伝達手段と前記駆動手段との間には、第2の隙間が設けられており、
    前記第2伝達手段と前記駆動手段との第2の隙間は、前記第1伝達手段と前記駆動手段との第1の隙間よりも前記駆動手段の駆動方向において長く構成されている、入球ユニット。
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