JP5599507B2 - 差動復調装置及び差動復調方法 - Google Patents
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Description
また、特許文献1に記載された技術では、位相回転量が時間的に変動する移動受信環境であり、その変動速度が信号伝送速度と同等であるような場合は、復調信号が位相回転の影響を受け易くなるため受信信号の信頼性が低下する。
そこで、本発明は、受信信号の振幅及び位相が時々刻々と変化する伝送路環境、並びに、受信信号と雑音の電力が拮抗する劣悪な伝送路環境であっても、復調信号の信頼性を向上することを目的とする。
図1は、実施の形態1に係る差動復調装置100の構成を概略的に示すブロック図である。本実施の形態に係る差動復調装置100は、差動復調時に基準信号を参照することにより、雑音及び位相回転の影響を効率的に抑制し、強雑音環境下であっても復調性能を高く維持できるように構成されている。また、差動復調装置100は、受信信号の信頼性、言い換えると、受信信号と基準信号との比較結果に応じて、加重係数を逐次生成し、この加重係数を用いて基準信号の更新を行うことで、受信信号における累積的な位相回転の影響を排除できるように構成されている。
Y(m+1)=∠{X(m+1)Z*(m)} :(1)
また、第1物理量Dk(m)及び第1比較信号D(m)は、図2及び図3で示された何れか一方の方法で算出され、第2物理量Ek(m)及び第2比較信号E(m)は、図2及び図3で示された何れか他方の方法で算出されてもよい。
さらに、第1物理量Dk(m)、第1比較信号D(m)、第2物理量Ek(m)及び第2比較信号E(m)は、図2及び図3で示された方法とは異なる方法を用いて算出されてもよい。
算出部105における上記の処理は、下記の(4)式で示すことができる。
算出部105における上記の処理は、下記の(5)式で示すことができる。但し、H1(m)はN個の第2物理量Ek(m)の調和平均である。
算出部105における上記の処理は、下記の(6)式で示すことができる。但し、selmin{ }は括弧内に含まれる数値から選択されたi個の数値の最小値を意味する。また、H2(m)はN個から選択されたi個の第2物理量Ek(m)の調和平均である。
そして、算出部105は、算出された加重係数W(m)を更新部106に与える。
ABS{Sk(m+1)}=α(m) :(8)
∠{Sk(m+1)}=∠{Sk(m)}−β(m) :(9)
以上のような更新を行うことにより、参照信号Z(m)として選択された基準素信号S1(m)を更新した、更新済みの基準素信号S1(m+1)の信号点は、基準素信号S1(m)の信号点と、遅延信号X(m)の信号点との間に配置される。そして、加重係数W(m)の値が大きいほど、遅延信号X(m)の信頼度が高いことになるため、更新済みの基準素信号S1(m+1)の信号点は、遅延信号X(m)に近い位置に配置される。
図6は、実施の形態2に係る差動復調装置200の構成を概略的に示すブロック図である。図示するように、差動復調装置200は、差動復調部101と、遅延部202と、比較部103と、選択部204と、算出部105と、更新部206とを備える。実施の形態2に係る差動復調装置200は、遅延部202、選択部204及び更新部206での処理において、実施の形態1に係る差動復調装置100と異なっている。
Z(m)=Sc(m) (F(m)≦R1) :(10)
Z(m)=X(m) (F(m)>R1) :(11)
図7は、実施の形態3に係る差動復調装置300の構成を概略的に示すブロック図である。図示するように、差動復調装置300は、差動復調部101と、遅延部102と、比較部103と、選択部304と、算出部105と、更新部306とを備える。実施の形態3に係る差動復調装置300は、選択部304及び更新部306での処理において、実施の形態1に係る差動復調装置100と異なっている。
また、選択部304は、参照信号Z(m)の大きさを示す更新制御信号G(m)を、更新部306に与える。例えば、選択部304は、参照信号Z(m)の振幅又は電力の値を示す更新制御信号G(m)を生成し、この更新制御信号G(m)を更新部306に与える。但し、参照信号Z(m)の大きさはこれらに限られるものではない。
G(m)=|Z(m)|2 :(12)
なお、更新制御信号G(m)の算出方法は、上記以外のものであってもよい。
ABS{Sk(m+1)}=α(m) (G(m)≦R2) :(13)
∠{Sk(m+1)}=∠{Sk(m)}−β(m) (G(m)≦R2) :(14)
ABS{Sk(m+1)}=ABS{Sk(m)} (G(m)>R2) :(15)
∠{Sk(m+1)}=∠{Sk(m)} (G(m)>R2) :(16)
但し、更新制御信号G(m)を参照する方法であれば、基準信号S(m)の更新の停止又は再開を行う方法は、上記に限られるものではない。また、更新制御信号G(m)を参照して基準信号S(m)の更新を制御する方法であれば、その制御内容は、更新の停止及び再開ではなくてもよい。
図8は、実施の形態4に係る差動復調装置400の構成を概略的に示すブロック図である。図示するように、差動復調装置400は、差動復調部101と、遅延部402と、比較部103と、選択部404と、算出部105と、更新部406とを備える。実施の形態4に係る差動復調装置400は、遅延部402、選択部404及び更新部406での処理において、実施の形態1に係る差動復調装置100と異なっている。
但し、更新制御信号G(m)を参照する方法であれば、基準信号S(m)の更新の停止又は再開を行う方法は、上記に限られるものではない。また、更新制御信号G(m)を参照して基準信号S(m)の更新を制御する方法であれば、当該制御内容は、更新の停止及び再開と異なるものであってもよい。
Claims (22)
- 入力信号を所定時間遅延させて遅延信号とする遅延部と、
前記入力信号が取り得る値に対応する複数の基準素信号と前記遅延信号との間の差分を示す1以上の物理量を算出する比較部と、
前記1以上の物理量の内、絶対値が最小となる1つの物理量の算出に用いられた基準素信号を参照信号として選択する選択部と、
前記入力信号と前記参照信号との間の位相差により、前記入力信号の復調を行う差動復調部と、を備え、
前記基準素信号の各々は、前記1以上の物理量の少なくとも一部を参照することで更新されること
を特徴とする差動復調装置。 - 前記比較部は、前記遅延信号と、前記基準素信号との間のユークリッド距離及び位相差分の少なくとも何れか一方を、前記物理量として算出すること、
を特徴とする請求項1に記載の差動復調装置。 - 前記1以上の物理量の少なくとも一部を用いて加重係数を算出する算出部と、
前記加重係数を用いて、前記1以上の基準素信号を更新する更新部と、をさらに備えること
を特徴とする請求項1又は2に記載の差動復調装置。 - 前記加重係数は、前記1つの物理量の逆数に比例すること
を特徴とする請求項3に記載の差動復調装置。 - 前記加重係数は、前記1以上の物理量の逆数の全ての総和に対する、前記1つの物理量の逆数の比率に比例すること
を特徴とする請求項3に記載の差動復調装置。 - 前記加重係数は、前記1以上の物理量から選択された物理量の逆数の総和に対する、前記1つの物理量の逆数の比率に比例すること
を特徴とする請求項3に記載の差動復調装置。 - 前記更新部は、前記遅延信号の信号点と、前記参照信号の信号点との間に、前記参照信号に対応する基準素信号を更新した更新済みの基準素信号の信号点が位置するように、前記1以上の基準素信号を更新すること
を特徴とする請求項3から6の何れか一項に記載の差動復調装置。 - 前記更新部は、前記加重係数の値が大きいほど、前記参照信号に対応する基準素信号を更新した更新済みの基準素信号の信号点が、前記遅延信号の信号点に近くなるようにすること
を特徴とする請求項7に記載の差動復調装置。 - 前記更新部は、前記基準素信号と、前記更新済みの基準素信号との間の差分値を示す更新差分を算出し、
前記選択部は、
前記更新差分が第1閾値以下である場合に、前記基準素信号を前記参照信号として選択し、
前記更新差分が前記第1閾値よりも大きい場合に、前記遅延信号を前記参照信号として選択すること
を特徴とする請求項1から8の何れか一項に記載の差動復調装置。 - 前記更新部は、前記参照信号の大きさが第2閾値以下である場合に、前記基準素信号を更新すること
を特徴とする請求項3から8の何れか一項に記載の差動復調装置。 - 前記更新部は、前記基準素信号と、前記更新済みの基準素信号との間の差分値を示す更新差分を算出し、
前記選択部は、
前記更新差分が第1閾値以下である場合に、前記基準素信号を前記参照信号として選択し、
前記更新差分が前記第1閾値よりも大きい場合に、前記遅延信号を前記参照信号として選択すること
を特徴とする請求項10に記載の差動復調装置。 - 入力信号を所定時間遅延させて遅延信号とする遅延過程と、
前記入力信号が取り得る値に対応する複数の基準素信号と前記遅延信号との間の差分を示す1以上の物理量を算出する比較過程と、
前記1以上の物理量の内、絶対値が最小となる1つの物理量の算出に用いられた基準素信号を参照信号として選択する選択過程と、
前記入力信号と前記参照信号との間の位相差により、前記入力信号の復調を行う差動復調過程と、を有し、
前記基準素信号の各々は、前記1以上の物理量の少なくとも一部を参照することで更新されること
を特徴とする差動復調方法。 - 前記比較過程は、前記遅延信号と、前記基準素信号との間のユークリッド距離及び位相差分の少なくとも何れか一方を、前記物理量として算出すること、
を特徴とする請求項12に記載の差動復調方法。 - 前記1以上の物理量の少なくとも一部を用いて加重係数を算出する算出過程と、
前記加重係数を用いて、前記1以上の基準素信号を更新する更新過程と、をさらに有すること
を特徴とする請求項12又は13に記載の差動復調方法。 - 前記加重係数は、前記1つの物理量の逆数に比例すること
を特徴とする請求項14に記載の差動復調方法。 - 前記加重係数は、前記1以上の物理量の逆数の全ての総和に対する、前記1つの物理量の逆数の比率に比例すること
を特徴とする請求項14に記載の差動復調方法。 - 前記加重係数は、前記1以上の物理量から選択された物理量の逆数の総和に対する、前記1つの物理量の逆数の比率に比例すること
を特徴とする請求項14に記載の差動復調方法。 - 前記更新過程は、前記遅延信号の信号点と、前記参照信号の信号点との間に、前記参照信号に対応する基準素信号を更新した更新済みの基準素信号の信号点が位置するように、前記1以上の基準素信号を更新すること
を特徴とする請求項14から17の何れか一項に記載の差動復調方法。 - 前記更新過程は、前記加重係数の値が大きいほど、前記参照信号に対応する基準素信号を更新した更新済みの基準素信号の信号点が、前記遅延信号の信号点に近くなるようにすること
を特徴とする請求項18に記載の差動復調方法。 - 前記更新過程は、前記基準素信号と、前記更新済みの基準素信号との間の差分値を示す更新差分を算出し、
前記選択過程は、
前記更新差分が第1閾値以下である場合に、前記基準素信号を前記参照信号として選択し、
前記更新差分が前記第1閾値よりも大きい場合に、前記遅延信号を前記参照信号として選択すること
を特徴とする請求項12から19の何れか一項に記載の差動復調方法。 - 前記更新過程は、前記参照信号の大きさが第2閾値以下である場合に、前記基準素信号を更新すること
を特徴とする請求項14から19の何れか一項に記載の差動復調方法。 - 前記更新過程は、前記基準素信号と、前記更新済みの基準素信号との間の差分値を示す更新差分を算出し、
前記選択過程は、
前記更新差分が第1閾値以下である場合に、前記基準素信号を前記参照信号として選択し、
前記更新差分が前記第1閾値よりも大きい場合に、前記遅延信号を前記参照信号として選択すること
を特徴とする請求項21に記載の差動復調方法。
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