JP5595301B2 - 銅電解液 - Google Patents

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Description

本発明は、電解銅箔の製造に用いる銅電解液、特に表面が平滑で、高抗張力および優れた伸び特性を有し、かつ抗張力の経時変化が小さい銅箔の製造に用いる銅電解液に関する。
一般に、電解銅箔を製造するには、表面を研磨した回転する金属製陰極ドラムと、該陰極ドラムのほぼ下半分の位置に配置した該陰極ドラムの周囲を囲む不溶性金属アノード(陽極)を使用し、前記陰極ドラムとアノードとの間に銅電解液を流動させるとともに、これらの間に電位を与えて陰極ドラム上に銅を電着させ、所定厚みになったところで該陰極ドラムから電着した銅を引き剥がして連続的に銅箔を製造する。
このようにして得た銅箔は一般的に生箔と言われているが、その後いくつかの表面処理を施してプリント配線板等に使用されている。
従来の銅箔製造装置の概要を図1に示す。この電解銅箔装置は、電解液を収容する電解槽の中に、陰極ドラム1が設置されている。この陰極ドラム1は電解液中に部分的(ほぼ下半分)に浸漬された状態で回転するようになっている。
この陰極ドラム1の外周下半分を取り囲むように、不溶性アノード(陽極)2が設けられている。この陰極ドラム1とアノード2の間は一定の間隙3があり、この間を電解液が流動するようになっている。図1の装置には2枚のアノード板が配置されている。
この図1では、下方から電解液が供給され、この電解液は陰極ドラム1とアノード2の間隙3を通り、アノード2の上縁から溢流し、さらにこの電解液は循環するように構成されている。陰極ドラム1とアノード2の間には整流器を介して、両者の間に所定の電圧が維持できるようになっている。
陰極ドラム1が回転するにつれ、電解液から電着した銅は厚みを増大し、ある厚み以上になったところで、この生箔4を剥離し、連続的に巻き取っていく。このようにして製造された生箔は、陰極ドラム1とアノード2の間の距離、供給される電解液の流速あるいは供給する電気量により厚みを調整する。
このような電解銅箔製造装置によって製造される銅箔は、陰極ドラムと接触する面は鏡面となるが、反対側の面は凸凹のある粗面となる。通常の電解では、この粗面の凸凹が激しく、エッチング時にアンダーカットが発生し易く、ファインパターン化が困難であるという問題を有している。
一方、最近ではプリント配線板の高密度化に伴い、回路幅の狭小化、多層化に伴いファインパターン化が可能である銅箔が要求されるようになってきた。このファインパターン化のためには、エッチング速度と均一溶解性を持つ銅箔、すなわちエッチング特性に優れた銅箔が必要である。
他方、プリント配線板用銅箔に求められる性能は、常温における伸びだけでなく、熱応力によるクラック防止のための高温伸び特性、さらにはプリント配線板の寸法安定性のために高い引張り強さが求められている。
ところが、上記のような粗面の凸凹が激しい銅箔は、上記のようにファインパターン化には全く適合しないという問題を有している。このようなことから粗面のロープロファイル化が検討されている。
一般に、このロープロファイル化のためには、膠やチオ尿素を電解液に多量添加することによって達成できることが知られている。
しかし、このような添加剤は、常温及び高温における伸び率が急激に低下し、プリント配線板用銅箔としての性能を大きく低下させてしまうという問題を有している。
こうした課題を解決して表面平滑性、常温及び高温における伸びと抗張力の優れた銅箔を製造するため、本出願人はすでに特定の骨格を有するアミン化合物と有機硫黄化合物を添加剤として含む銅電解液を提案している(特許文献1)。
特開2004−107786号公報
また近年車載用リチウムイオン電池の利用が拡大しているが、こうした用途に使用する銅箔としては、表面平滑性の他に特に高抗張力、かつ常温アニールによる抗張力の低下(銅箔製造後、時間の経過とともに軟化し抗張力が低下する現象)が小さいことが要求されている。抗張力が弱いと活物質を塗布する際にシワが発生し易くなるという問題が生じる。
しかし、前記特定の骨格を有するアミン化合物と有機硫黄化合物の組み合わせでは、表面の平滑性、高抗張力は満足するが、銅箔製造後常温アニールにより抗張力の低下をきたすという問題がある。
本発明は、特に車載用リチウムイオン電池用電極に要求される特性を満たす、すなわち、表面が平滑で、高抗張力及び優れた伸び特性を有し、かつ常温アニールされ難く、抗張力の経時的変化が小さい電解銅箔を製造するための銅電解液を提供することを目的とする。
本発明者らは、鋭意検討した結果、前記問題の解決には銅電解液に特定の添加剤を選択することが有効であるとの知見を得た。本発明者らはこの知見に基づいて、陰極ドラムとアノードとの間に銅電解液を流して陰極ドラム上に銅を電着させ、電着した銅箔を該陰極ドラムから剥離して連続的に銅箔を製造する電解銅箔製造方法において、特定のアミン化合物とエポキシ化合物との反応により得られた化合物と有機硫黄化合物あるいは更に特定の含窒素化合物を含有する銅電解液を用いて電解することにより、表面が平滑で、高抗張力を有し、かつ常温アニールされ難く経時的な抗張力の変化が小さい電解銅箔を得ることができることを見いだし本発明に至った。
すなわち、本発明は以下の構成よりなる。
(1)下記(A)、(B)を添加剤として含有することを特徴とする銅箔製造用銅電解液。
(A)ポリエチレンイミン又は(ポリ)アルキレンポリアミン化合物と、下記式で表されるエポキシ化合物との反応により得られた化合物
Figure 0005595301

(但し、Aはヒドロキシ基、アルコキシ基、フェノキシ基、(メタ)アクリロキシ基、−OCH2CH=CH2、又はハロゲンを表す。)
(B)下記一般式(3)又は(4)で表される有機硫黄化合物
X−R 1 −(S) n −R 2 −Y (3)
4 −S−R 3 −SO 3 Z (4)
(一般式(3)及び(4)中、R 1 、R 2 、及びR 3 は炭素数1〜8のアルキレン基であり、R 4 は、水素、
Figure 0005595301

からなる一群から選ばれるものであり、Xは水素、スルホン酸基、ホスホン酸基、スルホン酸基又はホスホン酸基のアルカリ金属塩又はアンモニウム塩からなる一群から選ばれるものであり、Yはスルホン酸基、ホスホン酸基、スルホン酸基又はホスホン酸基のアルカリ金属塩からなる一群かから選ばれるものであり、Zは水素、ナトリウム、カリウムのいずれかであり、nは2又は3である。)

(2)更に下記(C)を含有することを特徴とする前記(1)記載の銅箔製造用銅電解液。
(C)メルカプト基含有含窒素複素環化合物
(3)前記ポリエチレンイミン又は(ポリ)アルキレンポリアミン化合物と、エポキシ化合物との反応により得られた化合物が、下記式で表される構造を有することを特徴とする前記(1)又は(2)に記載の銅箔製造用銅電解液。
Figure 0005595301

(但し、Rはアルキレン基を表し、Aはヒドロキシ基、アルコキシ基、フェノキシ基、(メタ)アクリロキシ基、−OCH2CH=CH2、又はハロゲンを表す。)
)前記一般式(3)で表される有機硫黄化合物が下記の群から選ばれることを特徴とする前記(1)〜(3)のいずれか1項に記載の銅箔製造用銅電解液。
23P−(CH23−S−S−(CH23−PO32
HO3S−(CH24−S−S−(CH24−SO3
NaO3S−(CH23−S−S−(CH23−SO3Na
HO3S−(CH22−S−S−(CH22−SO3
CH3−S−S−CH2−SO3
NaO3S−(CH23−S−S−S−(CH23−SO3Na
(CH32CH−S−S−(CH22−SO3
)前記一般式(4)で表される有機硫黄化合物が下記の群から選ばれることを特徴とする前記(1)〜(4)のいずれか1項に記載の銅箔製造用銅電解液。
Figure 0005595301

)前記メルカプト基含有含窒素複素環化合物の該複素環がベンゼン環と含窒素5員複素環とが2個の炭素原子を共有した縮合環構造からなることを特徴とする前記(2)〜()のいずれか一項に記載の銅箔製造用銅電解液。
)前記メルカプト基含有含窒素複素環化合物が2−メルカプトベンゾオキサゾール、2−メルカプトベンゾイミダゾール、2−メルカプト−5−ベンゾイミダゾールスルホン酸またはその塩から選ばれることを特徴とする前記(2)〜()のいずれか一項に記載の銅箔製造用銅電解液。
)前記(1)〜()のいずれか一項に記載の銅箔製造用銅電解液を用いて得られた銅箔であって、表面粗さRzが2.0μm以下、製箔後常温24時間後の抗張力が50kg/mm2以上であり、製箔後常温24時間後の伸びが5%以上であることを特徴とする銅箔。
本発明の銅電解液によれば、表面平滑性に優れ、高抗張力及び優れた伸び特性を有し、かつ、常温アニールされ難い銅箔を製造することができる。該銅箔はプリント配線などの用途のための銅張り積層基板等一般的な銅箔用途はもとより、リチウムイオン電池電極用銅箔としての要求も満たすことができる。
電解銅箔製造装置の一例を示す図である。
本発明においては、銅電解液中に、(A)ポリエチレンイミン又は(ポリ)アルキレンポリアミン化合物と下記式で表されるエポキシ化合物との反応により得られた化合物と、(B)有機硫黄化合物とを添加剤として含むことが重要である。
Figure 0005595301
(但し、Aはヒドロキシ基、アルコキシ基、フェノキシ基、(メタ)アクリロキシ基、−OCH2CH=CH2、又はハロゲンを表す。)
ポリエチレンイミンとしては、エチレンイミンを開環重合することにより得られるものであれば線状ポリエチレンイミンでも部分的に分岐構造あるいは架橋構造を含むポリエチレンイミンでもよい。例えば下記構造を有する日本触媒のエポミン(商標)を例示することが出来る。
Figure 0005595301
ポリエチレンイミンとしては、分子量300〜100,000のものを用いることが好ましく、銅箔の物性の安定性からは、分子量が大きい方が好ましい。
また、(ポリ)アルキレンポリアミン化合物としては、下記構造を有する(ポリ)アルキレンポリアミンを好ましく用いることができる。
NH2{(CH2)nNH}mH
(nは1〜5の整数を、mは1〜7の整数を表す。)
上記式で表される化合物としては、(ポリ)エチレンポリアミン類が好ましく、エチレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、ペンタエチレンヘキサミン、ヘキサエチレンヘプタミン等が挙げられ、エチレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、ペンタエチレンヘキサミンがより好ましい。
前記エポキシ化合物は、下記一般式で表される。
Figure 0005595301
(但し、Aはヒドロキシ基、アルコキシ基、フェノキシ基、(メタ)アクリロキシ基、−OCH2CH=CH2、又はハロゲンを表す。)
前記Aのアルコキシ基としては、炭素数1〜10のアルコキシ基が好ましい。
前記エポキシ化合物としては、グリシドール、メチルグリシジルエーテル、フェニルグリシジルエーテル、オクチルグリシジルエーテル、メタクリル酸グリシジル、アリルグリシジルエーテル、エピクロルヒドリンを例示することが出来る。
前記ポリエチレンイミン又は(ポリ)アルキレンポリアミンと、エポキシ化合物の反応は、ポリエチレンイミンまたは(ポリ)アルキレンポリアミン化合物にエポキシ化合物を室温で滴下することにより行なうことができる。
前記ポリエチレンイミン又は(ポリ)アルキレンポリアミン化合物と、エポキシ化合物の反応の際のエポキシ化合物の添加量は、ポリエチレンイミン又は(ポリ)アルキレンポリアミンのアミン価(固形分1gに含まれるアミンのmmol数)に対して0.5〜3当量が好ましい。特には1〜3当量が好ましい。
前記ポリエチレンイミン又は(ポリ)アルキレンポリアミンと、エポキシ化合物の反応により得られる化合物は、ポリエチレンイミン又は(ポリ)アルキレンポリアミンのNにエポキシ化合物が付加した以下の構造を含む含窒素重合体である。
Figure 0005595301
(但し、Rはアルキレン基を表し、Aはヒドロキシ基、アルコキシ基、フェノキシ基、(メタ)アクリロキシ基、−OCH2CH=CH2、又はハロゲンを表す。)
前記ポリエチレンイミン又は(ポリ)アルキレンポリアミンと、エポキシ化合物の反応により得られる化合物は、13C−NMRにより、原料のポリエチレンイミン又は(ポリ)アルキレンアミン化合物の1級、2級アミンが3級化していることが確認できる。このことにより、ポリエチレンイミン又は(ポリ)アルキレンポリアミンの1級、2級アミンのNとエポキシ化合物とが反応し、上記の構造を含む含窒素重合体となることがわかる。
反応物においては、ポリエチレンイミン又は(ポリ)アルキレンポリアミンの1級、2級アミンは、すべて3級化していることが好ましい。
また、前記ポリエチレンイミン又は(ポリ)アルキレンポリアミンと、エポキシ化合物の反応において、エポキシ化合物をポリエチレンイミン又は(ポリ)アルキレンポリアミンの1級、2級アミンを、すべて3級化させる量よりも過剰に添加して得られる化合物が好ましい場合がある。詳細は不明であるが、エポキシ化合物を過剰に添加すると、過剰のエポキシ化合物は上記反応により得られる化合物の水酸基へ縮合付加され、エポキシ化合物の添加量によりその長さが異なる化合物となると推測される。従って、エポキシ化合物の添加量は、ポリエチレンイミン又は(ポリ)アルキレンポリアミンのアミン価(固形分1gに含まれるアミンのmmol数)に対し、特には1〜3当量が好ましい。
本発明の銅電解液は、更に有機硫黄化合物を含有する。
前記有機硫黄化合物としては下記一般式(3)又は(4)で表される化合物が好ましい。
X−R1−(S)n−R2−Y (3)
4−S−R3−SO3Z (4)
(一般式(3)及び(4)中、R1、R2、及びR3は炭素数1〜8のアルキレン基であり、R4は、水素、
Figure 0005595301
からなる一群から選ばれるものであり、Xは水素、スルホン酸基、ホスホン酸基、スルホン酸基又はホスホン酸基のアルカリ金属塩又はアンモニウム塩からなる一群から選ばれるものであり、Yはスルホン酸基、ホスホン酸基、スルホン酸基又はホスホン酸基のアルカリ金属塩からなる一群かから選ばれるものであり、Zは水素、ナトリウム、カリウムのいずれかであり、nは2又は3である。)
上記一般式(3)で表される有機硫黄化合物としては、例えば以下のものが挙げられ、好ましく用いられる。
23P−(CH23−S−S−(CH23−PO32
HO3S−(CH24−S−S−(CH24−SO3
NaO3S−(CH23−S−S−(CH23−SO3Na
HO3S−(CH22−S−S−(CH22−SO3
CH3−S−S−CH2−SO3
NaO3S−(CH23−S−S−S−(CH23−SO3Na
(CH32CH−S−S−(CH22−SO3
また、上記一般式(4)で表される有機硫黄化合物としては、例えば以下のものが挙げられ、好ましく用いられる。
Figure 0005595301
銅電解液中に前記(A)成分と(B)成分を含有させることにより、表面平滑性、常温及び高温における伸びと抗張力の優れた銅箔を得ることができる。(A)成分のみであると、常温軟化を抑制する効果が小さくなり、また銅箔の平滑性も低下する。
銅電解液中の(A)成分と(B)成分の比は重量比で1:5〜5:1が好ましく、さらに好ましくは1:2〜2:1である。また、(A)成分の銅電解液中の濃度は1〜100mg/Lが好ましく、10〜50mg/Lがより好ましい。
本発明の銅電解液は、更にメルカプト基を有する含窒素複素環化合物を含有することが好ましく、より好ましくは、前記メルカプト基含有含窒素複素環化合物の該複素環がベンゼン環と含窒素5員複素環とが2個の炭素原子を共有した縮合環構造からなるものである。更に好ましくは、メルカプト基を有する含窒素複素環化合物が2−メルカプトベンゾオキサゾール、2−メルカプトベンゾイミダゾール、2−メルカプト−5−ベンゾイミダゾールスルホン酸またはその塩である。
メルカプト基を有する含窒素複素環化合物の電解液中の濃度は、1〜100mg/Lが好ましい。
前記メルカプト基を有する含窒素複素環化合物を含有することにより、製箔後の軟化(抗張力の低下)を防ぐことができる。
本発明の銅電解液は、前記添加剤の選択が重要であり、その他については従来の銅電解液と同様である。
すなわち、電解液中の銅源としては、硫酸とともに銅、硫酸銅等を使用することができる。好ましい銅濃度は、30〜200g/Lであり、より好ましくは50〜150g/Lである。
また、銅電解液中には、上記(A)、(B)、(C)成分の他に、塩素イオン、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール等のポリエーテル化合物、ポリエチレンイミン、フェナジン染料、膠、セルロース等の公知の添加剤を添加してもよい。
塩素イオンは銅箔表面の平滑性を高めるために添加する。その濃度は10〜120mg/Lであることが好ましく、30〜80mg/Lであることがより好ましい。
また、本発明の銅電解液を使用して銅箔を製造するための電解条件についても、特に制限はなく、公知の電解法により銅箔を製造することができる。
例えば、電解電流密度30〜100A/dm2、電解液温度20〜70℃にて銅箔を製造することができる。
本発明の銅電解液を使用して製造された銅箔は、その表面が平滑であり、表面粗さRzが2.0μm以下、好ましくは1.8μm以下、より好ましくは1.5μm以下となる。また、製造後常温24時間経過後においても抗張力として少なくとも50kg/mm2を有し、また同5%以上の伸びを保持することができる。製造後常温24時間経過後の抗張力は50kg/mm2以上が好ましく、より好ましくは60kg/mm2以上である。また、製造後常温24時間経過後の伸びは5%以上が好ましく、より好ましくは8%以上である。
製造後常温24時間経過後においても抗張力として少なくとも50kg/mm2を有し、製造後常温24時間経過後においても5%以上の伸びを保持することができることにより、リチウムイオン電池電極に用いた際の活物質を塗布する際のシワの発生を抑制することができる。また、銅箔を巻き取る際に関してもシワを発生することなく巻き取ることができる。
以下に実施例を示し、本発明をさらに詳細に説明する。
実施例1〜9及び比較例1〜5
図1に示すような電解銅箔製造装置を使用して12μmの電解銅箔を製造した。電解液組成は次の通りであり、添加剤の添加量は表1記載の通りである。
Cu: 80g/L
2SO4:140g/L
Cl: 45mg/L
液温: 50℃
電流密度:50A/dm2
添加剤(A−1−1)
A−1−1:ポリエチレンイミン(日本触媒製エポミンSP−200)とグリシドール
との反応物
以下の方法で合成した。
ポリエチレンイミン(日本触媒製エポミンSP−200、分子量10,000)30gをフラスコに分取し、水を25g添加し、冷却管を取付け窒素雰囲気下室温でグリシドール77gを滴下した。滴下終了後50℃で5時間加熱撹拌し、13C−NMRにより、ポリエチレンイミンの1級、2級アミンがすべて3級化していることを確認し目的物を得た。
添加剤(A−1−2)
A−1−2:ポリエチレンイミン(日本触媒製エポミンSP−1000)とグリシドー
ルとの反応物
以下の方法で合成した。
ポリエチレンイミン(日本触媒製エポミンP−1000、分子量70,000)30gをフラスコに分取し、水を20g添加し、冷却管を取付け窒素雰囲気下室温でグリシドール52gを滴下した。滴下終了後50℃で5時間加熱撹拌し、13C−NMRにより、ポリエチレンイミンの1級、2級アミンがすべて3級化していることを確認し目的物を得た。
添加剤(A−1−3)
A−1−3:ポリエチレンイミン(日本触媒製エポミンSP−200)とグリシドール
との反応物
以下の方法で合成した。
ポリエチレンイミン(日本触媒製エポミンSP−200、分子量10,000)30gをフラスコに分取し、水を20g添加し、冷却管を取付け窒素雰囲気下室温でグリシドール52gを滴下した。滴下終了後50℃で5時間加熱撹拌し、13C−NMRにより、ポリエチレンイミンの1級、2級アミンがすべて3級化していることを確認し目的物を得た。
添加剤(A−2−1)
A−2−1:テトラエチレンペンタミン(純正化学製)とグリシドールとの反応物
以下の方法で合成した。
テトラエチレンペンタミン(純正化学製)20gをフラスコに分取し、水を18g添加し、冷却管を取付け窒素雰囲気下室温でグリシドール55gを滴下した。滴下終了後50℃で5時間加熱撹拌し、13C−NMRにより、テトラエチレンペンタミンの1級、2級アミンがすべて3級化していることを確認し目的物を得た。
添加剤(B):ビス(3−スルフォプロピル)ジスルファイド2ナトリウム
(RASCHIG社製 SPS)
3−メルカプト−1−プロパンスルホン酸ナトリウム(MPS)
添加剤(C):
C−1:2−メルカプトベンゾオキサゾール
C−2:2−メルカプトベンゾイミダゾール
C−3:2−メルカプト−5−ベンゾイミダゾールスルホン酸Na
得られた電解銅箔の抗張力(kg/mm2)、伸び(%)それぞれについて初期値、及び製造後常温で24時間後の測定値をIPC−TM650に準じて測定した。また、表面粗さRz(μm)をJIS B 0601に準じて測定した。結果を表1に示す。
Figure 0005595301
上記表1に示す通り、本発明の添加剤を添加した実施例1〜9については抗張力が初期値及び製造後24時間経過後の測定値においても53.5〜72.8kg/mm2と高抗張力で、かつ常温アニールし難く、安定した高抗張力を示している。また伸びについても初期値及び製造後24時間経過後の測定値においても5.2〜10.5%と優れた伸び特性を示している。
1 陰極ドラム
2 アノード
3 間隙
4 生箔

Claims (8)

  1. 下記(A)、(B)を添加剤として含有することを特徴とする銅箔製造用銅電解液。
    (A)ポリエチレンイミン又は(ポリ)アルキレンポリアミン化合物と、下記式で表されるエポキシ化合物との反応により得られた化合物
    Figure 0005595301

    (但し、Aはヒドロキシ基、アルコキシ基、フェノキシ基、(メタ)アクリロキシ基、−OCH2CH=CH2、又はハロゲンを表す。)
    (B)下記一般式(3)又は(4)で表される有機硫黄化合物
    X−R 1 −(S) n −R 2 −Y (3)
    4 −S−R 3 −SO 3 Z (4)
    (一般式(3)及び(4)中、R 1 、R 2 、及びR 3 は炭素数1〜8のアルキレン基であり、R 4 は、水素、
    Figure 0005595301

    からなる一群から選ばれるものであり、Xは水素、スルホン酸基、ホスホン酸基、スルホン酸基又はホスホン酸基のアルカリ金属塩又はアンモニウム塩からなる一群から選ばれるものであり、Yはスルホン酸基、ホスホン酸基、スルホン酸基又はホスホン酸基のアルカリ金属塩からなる一群かから選ばれるものであり、Zは水素、ナトリウム、カリウムのいずれかであり、nは2又は3である。)
  2. 更に下記(C)を含有することを特徴とする請求項1記載の銅箔製造用銅電解液。
    (C)メルカプト基含有含窒素複素環化合物
  3. 前記ポリエチレンイミン又は(ポリ)アルキレンポリアミン化合物と、エポキシ化合物との反応により得られた化合物が、下記式で表される構造を有することを特徴とする請求項1又は2に記載の銅箔製造用銅電解液。
    Figure 0005595301

    (但し、Rはアルキレン基を表し、Aはヒドロキシ基、アルコキシ基、フェノキシ基、(メタ)アクリロキシ基、−OCH2CH=CH2、又はハロゲンを表す。)
  4. 前記一般式(3)で表される有機硫黄化合物が下記の群から選ばれることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の銅箔製造用銅電解液。
    23P−(CH23−S−S−(CH23−PO32
    HO3S−(CH24−S−S−(CH24−SO3
    NaO3S−(CH23−S−S−(CH23−SO3Na
    HO3S−(CH22−S−S−(CH22−SO3
    CH3−S−S−CH2−SO3
    NaO3S−(CH23−S−S−S−(CH23−SO3Na
    (CH32CH−S−S−(CH22−SO3
  5. 前記一般式(4)で表される有機硫黄化合物が下記の群から選ばれることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の銅箔製造用銅電解液。
    Figure 0005595301
  6. 前記メルカプト基含有含窒素複素環化合物の該複素環がベンゼン環と含窒素5員複素環とが2個の炭素原子を共有した縮合環構造からなることを特徴とする請求項2〜のいずれか一項に記載の銅箔製造用銅電解液。
  7. 前記メルカプト基含有含窒素複素環化合物が2−メルカプトベンゾオキサゾール、2−メルカプトベンゾイミダゾール、2−メルカプト−5−ベンゾイミダゾールスルホン酸またはその塩から選ばれることを特徴とする請求項2〜のいずれか一項に記載の銅箔製造用銅電解液。
  8. 請求項1〜のいずれか一項に記載の銅箔製造用銅電解液を用いて得られた銅箔であって、表面粗さRzが2.0μm以下、製箔後常温24時間後の抗張力が50kg/mm2以上であり、製箔後常温24時間後の伸びが5%以上であることを特徴とする銅箔。
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