最先端の技術があるにもかかわらず、現場硬化型または現場形成型ガスケット組成物として電気化学電池部品と共に使用するために適したシーラント組成物、ならびに燃料電池部品にシーラントを適用する方法およびシステムの必要性が依然としてある。
単一電池配置においては、流体流れ場プレートが、アノード側およびカソード側のそれぞれに設けられる。これらのプレートは電流コレクタとして働き、電極を支持し、アノード表面およびカソード表面それぞれへの燃料および酸化剤のアクセスチャネルを提供し、電池の動作時に形成される水を除去するために一部の燃料電池設計においてチャネルを提供する。複数の電池の配列においては、構成部品を積層して、複数の個別の燃料電池を有する燃料電池アセンブリが提供される。2つ以上の燃料電池を一般的には直列に、時折並列に互いに接続して、アセンブリの全出力を増大させることができる。直列配置においては、あるプレートの一方の側が1つの電池のアノードプレートとして働き、そのプレートのもう一方の側は隣接する電池のカソードプレートとして働くことができる。このような直列接続の複数の燃料電池の配列は、燃料電池スタックと称され、通常その組み立てられた状態でタイロッドおよびエンドプレートによって一緒に保持される。このスタックは、典型的には、燃料および酸化剤をアノードおよびカソード流れ場チャネルに方向づけるためのマニホルドおよび流入ポートを備える。
燃料電池の中央の要素は、ガス拡散層(「GDL」)とイオン伝導性ポリマー電解質との間に配置された2つの電極(アノード、カソード)を備えるMEAである。各電極層は、白金、パラジウム、ルテニウムおよび/またはニッケルなどの電気化学触媒を含む。GDLは、電極材料へのガス輸送および電極材料からのガス輸送を容易にし、電流を伝導するために、電極の上に配置する。燃料(水素)および酸化剤(酸素)を供給すると、2つの電気化学半電池反応が起こる。アノードに供給された水素が酸化されて、触媒の存在下プロトンおよび電子を生成する。得られたプロトンは、水環境内で電解質を越えてカソードへと輸送される。外部回路中を移動してからカソードに到達することが可能となる電子によって、有用な電気エネルギーが利用される。カソードでは、空気からの気体酸素が還元され、プロトンおよび電子と結合する。電池反応全体により、水素1モルおよび酸素1/2モル当たり1モルの水がもたらされる。
燃料電池を組み立てると、膜電極アセンブリが、セパレータプレート、典型的には二極性または単極性プレート間に押し込まれる。これらのプレートは、反応ガス用の流れチャネルを内蔵し、熱伝達用の導管も含むことができる。したがって、本発明は、電池内に水和反応ガスを密閉するための方法を提供する。このプロセスの第1のステップは、膜電極アセンブリの縁部上への液状シーラントの圧縮成形を含む。望ましくは、非電導性シーラントがガス拡散層に浸透して、燃料電池内における電気的短絡を防止する。この成形プロセスの結果、容易に取り扱うことができる縁部シールを備えた膜電極アセンブリを提供することができる。いったんアセンブリが提供されると、この成形された膜電極アセンブリをセパレータプレートと併せて配置して、単電池(unit cell)を提供する。燃料電池スタックは通常、複数の単電池で構成される。
本発明の一実施形態によれば、液状射出成形(liquid injection molding)プロセスにおいて、1液型の熱硬化性炭化水素シーラントを使用することができる。このシーラントは、モールド型の形状をとることが可能となるように、その未硬化状態において吸出し可能な(pumpable)粘度を有する。このシーラントは、アリル終端炭化水素、反応性希釈剤、有機水素ポリシロキサン、禁止剤および触媒を含むことができる。反応性希釈剤は、硬化シールの架橋密度がもたらされるように、一官能性であっても、二官能性であっても、三官能性であっても、または多官能性であってもよい。触媒および禁止剤の適当量が、高温でシーラントが硬化されるように選択される。典型的な硬化温度は、50〜200℃の範囲内である。硬化温度は、望ましくは、シーラントが時宜に即して完全に硬化されるように、また膜と適合するように選択される。たとえば、典型的なペルフルオロスルホン酸PEMを130℃よりも高く加熱することはできない。本発明による成形プロセスでは、膜を電極およびGDLと共に射出成形機のモールド型内に設置し、クランプして閉じた。1液型の炭化水素シーラントを適当な温度で加熱したモールド型、すなわちダイ内に注入し、硬化してMEAに縁部シールを設けた。
本発明の炭化水素シーラント材料により、シリコーン、エチレンプロピレンジエンモノマー(「EPDM」)ゴム、フルオロエラストマー類など他の典型的なシールおよびガスケット材料を超えるいくつかの利点がもたらされる。シリコーンは通常、燃料電池の攻撃的な酸性および熱条件においては長時間安定であることはなく、有機汚染物質に対する必要な感度も提供しない。EPDMゴムは、燃料電池内で組み立てられた後、電気的短絡を防止するためのガス拡散層への必要な含浸を提供しない。フルオロエラストマーは一般的に高価で、プロトン交換膜の劣化温度よりも高い温度で硬化する必要がある。
本発明の成形MEA設計により、他のシール構成を超えるいくつかの利点がもたらされる。5層のMEA上に直接シールを射出成形することによって、縁部シールを設けて反応ガスのMEAからの漏れを防止する。硬化シールにより、MEA(PEM、電極、GDL)の後に続く部品をまとめて保持するための方法がもたらされる。シーラントは、射出成形プロセス中にGDLに含浸させる。これにより、MEAへのシールの付着力が向上し、短絡をもたらすことになるGDLの接触が防止される。この一段階シーリングプロセスにより組立て時間が低減され、燃料電池スタック中のシールの数が低減される。
本発明の一態様においては、液状射出成形シーラントを使用して、膜電極アセンブリのガス拡散層に含浸させることができ、また重合させて、膜電極アセンブリがシーラントの付与温度を上回る温度で動作することができるように膜電極アセンブリの縁部に沿ってシールを作り出すことができる。PEM燃料電池の通常の動作温度は、約90℃である。典型的なMEAの温度上限は約130℃である。したがって、公知の熱可塑性シーラントは通常、90℃〜130℃の温度範囲内で加工される。熱可塑性シーラントは、90℃未満では溶融してはならない。というのは、そうでなければ燃料電池が動作しているときに流出してしまうからである。さらに、より速い製造時間を得るために、熱可塑性物質の加工温度を130℃よりも高く上昇させることはできない。というのは、MEAが劣化してしまうからである。本発明の一態様においては、熱硬化性シーラントの使用が有利である。熱硬化性シーラントは、低温でモールド型および/またはMEAの部品、すなわちGDLに流れ込むことができ、また90℃〜130℃の温度範囲内で硬化して、燃料電池の動作温度においてだけでなく、通常の動作温度をはるかに上回る温度においても安定な架橋材料を提供することができる。有用な組成物には、官能性炭化水素および官能性フッ素含有ポリマーを含めることができる。
本発明の別の態様においては、液状射出成形プロセスにおいて硬化性炭化水素シーラントを使用する。このシーラントは、官能性炭化水素、反応性希釈剤、有機水素ポリシロキサン、禁止剤および触媒を含むことができる。触媒および禁止剤の量は、短時間、たとえば約15分以内に130℃以下でシーラントが硬化されるように望ましくは選択される。成形プロセスにおいて、このシーラントを、適当な温度でモールド型またはダイを介して膜電極アセンブリ上に直接射出することができ、また硬化して膜電極アセンブリに縁部シールを提供することができる。
本発明の別の態様においては、特定の電磁放射、たとえば紫外線に対して透明または透過性であるモールド型またはダイにポリマー組成物を射出する。この組成物を射出し、所与の波長の電磁放射にダイを介してさらし、重合させてシールを形成する。
本発明の別の態様においては、Bステージ組成物を膜電極アセンブリへと溶融含浸させ、重合させて機能性シールを提供する。
本発明の一態様においては、燃料電池を形成するための方法が、ガス拡散層を備える膜電極アセンブリを提供するステップ、キャビティを有するモールド型を提供するステップ、キャビティが膜電極アセンブリと流体連通するようにモールド型を位置決めするステップ、キャビティ中に硬化性液状シーラント組成物を付与(塗布)するステップ、および組成物を硬化するステップを含む。シーラントを付与(塗布)するステップは、シーラントがガス拡散層に浸透するようにシーラントに圧力を加えるステップおよび/または膜電極アセンブリの縁部が完全にシーラントで覆われるようにシーラントを付与(塗布)するステップをさらに含むことができる。組成物を硬化するステップは、約130℃以下の温度で、望ましくは約100℃以下の温度で、より望ましくは約室温を含めた約90℃以下の温度でシーラントを熱硬化することをさらに含むことができる。この硬化ステップは、化学線を提供してシーラントを約室温で硬化するステップを含むことができる。望ましくは、硬化性シーラント組成物は、(メタ)アクリレート、ウレタン、ポリエーテル、ポリオレフィン、ポリエステル、これらのコポリマーおよびこれらの組合せから選択される化学線硬化性材料を含む。有用な熱硬化性シーラント組成物は、アルケニル終端炭化水素オリゴマーと、多官能性アルケニルモノマーと、少なくとも約2つの水素化ケイ素官能基を有するシリル硬化剤と、ヒドロシリル化触媒とを含む。望ましくは、アルケニル終端炭化水素オリゴマーはアルケニル終端ポリイソブチレンオリゴマーを含む。
本発明の別の態様においては、燃料電池を形成するためのシステムは、対向する合わせ面を有する第1および第2のモールド型部材であって、合わせ面の少なくとも1つがガスケットの形のキャビティおよびキャビティと流体連通するポートを有し、それらの少なくとも1つが化学線を透過させる第1および第2のモールド型部材と、化学線の線源であって、そこから発生した化学線が、対向する合わせ面が実質的な当接関係に配置されたときに、キャビティに透過可能(伝達可能)である線源とを備える。望ましくは、燃料電池部品が、第1および第2モールド型部材間に固定的に配置可能であり、キャビティは燃料電池部品と流体連通する。あるいは、モールド型部材の一方が膜電極アセンブリなどの燃料電池部品であってもよく、その上に現場硬化型ガスケットを形成して一体ガスケットを提供することができる。
本発明の別の態様においては、燃料電池を形成するためのシステムが、対向する合わせ面を有する第1および第2のモールド型部材を備え、合わせ面の少なくとも1つがガスケットの形のキャビティおよびキャビティと流体連通するポートを有し、対向する合わせ面が実質的な当接関係に配置されたときに、熱エネルギーがキャビティに透過可能となるように、モールド型部材の少なくとも1つが加熱可能である。望ましくは、燃料電池部品が、第1および第2モールド型部材間に固定的に配置可能であり、キャビティは燃料電池部品と流体連通する。あるいは、モールド型部材の一方が膜電極アセンブリなどの燃料電池部品であってもよく、その上に現場硬化型ガスケットを形成して一体ガスケットを提供することができる。
本発明の別の態様においては、硬化シーラント組成物がアセンブリの周縁部の上に配置されたMEAが提供され、硬化シーラント組成物は、アルケニル終端ジアリルポリイソブチレンオリゴマーと、約1個の水素原子のみがシリコン原子と結合している少なくとも約2つの水素化ケイ素官能基を有するシリル硬化剤と、ヒドロシリル化触媒とを含む。硬化した組成物は、多官能性アルケニルモノマーを含むことができる。
本発明の別の態様においては、硬化シーラント組成物がアセンブリの周縁部の上に配置されたMEAが提供され、硬化シーラント組成物は、(メタ)アクリレート、ウレタン、ポリエーテル、ポリオレフィン、ポリエステル、これらのコポリマーおよびこれらの組合せから選択される化学線硬化性材料を含む。
本発明の別の態様において、燃料電池が提供される。この燃料電池は、硬化シーラントを有する燃料電池部品を備え、硬化シーラントは、テレケリック官能性ポリイソブチレンと、有機水素ポリシロキサン架橋剤と、白金触媒と、光開始剤とを含む。テレケリック官能性ポリイソブチレンは、アルケニル終端ジアリルポリイソブチレンオリゴマーを含むことができる。燃料電池部品は、カソード流れ場プレート、アノード流れ場プレート、樹脂フレーム、ガス拡散層、アノード触媒層、カソード触媒層、膜電解質、膜電極アセンブリフレームおよびこれらの組合せであってよい。
本発明の別の態様において、燃料電池を形成するための方法は、基板を備える燃料電池部品を提供すること、キャビティを有するモールド型を提供すること、キャビティが基板と流体連通するようにモールド型を位置決めすること、テレケリック官能性ポリイソブチレンと、少なくとも約2つの水素化ケイ素官能基を有するシリル架橋剤と、白金触媒と、光開始剤とを含む硬化性液状シーラント組成物をキャビティ内に付与(塗布)すること、および組成物を化学線で硬化することを含む。テレケリック官能性ポリイソブチレンは、アルケニル終端ジアリルPIBオリゴマーを含むことができる。燃料電池部品は、カソード流れ場プレート、アノード流れ場プレート、樹脂フレーム、ガス拡散層、アノード触媒層、カソード触媒層、膜電解質、膜電極アセンブリフレームおよびこれらの組合せであってよい。
本発明の別の態様において、燃料電池を形成するための方法は、基板を含む燃料電池部品を提供すること、キャビティを有するモールド型を提供すること、キャビティが基板と流体連通するようにモールド型を位置決めすること、(メタ)アクリレート、ウレタン、ポリエーテル、ポリオレフィン、ポリエステル、これらのコポリマーおよびこれらの組合せから選択される化学線硬化性材料を含む硬化性液状シーラント組成物をキャビティ中に付与(塗布)すること、および組成物を化学線で硬化することを含む。硬化性組成物は、アルケニル終端ジアリルPIBオリゴマーなどのテレケリック官能性PIBを含むことができる。燃料電池部品は、カソード流れ場プレート、アノード流れ場プレート、樹脂フレーム、ガス拡散層、アノード触媒層、カソード触媒層、膜電解質、膜電極アセンブリフレームおよびこれらの組合せであってよい。
本発明の別の態様において、燃料電池を形成するための方法は、基板を含む第1の燃料電池部品および基板を含む第2の燃料電池部品を提供すること、その第1の部分がテレケリック官能性ポリイソブチレンおよび有機水素ポリシロキサンを、第2の部分が光開始剤を含む2液型の化学線硬化性液状シーラントを提供すること、第1の燃料電池部品の基板にシーラントの第1の部分を付与(塗布)すること、第2の燃料電池部品の基板にシーラントの第2の部分を付与(塗布)すること、第1および第2の燃料電池部品の基板を近接して並置して位置合わせすること、およびシーラントを化学線で硬化することを含む。同一であっても異なっていてもよい第1または第2の燃料電池部品は、カソード流れ場プレート、アノード流れ場プレート、樹脂フレーム、ガス拡散層、アノード触媒層、カソード触媒層、膜電解質、MEAフレームおよびこれらの組合せであってよい。基板を位置合わせするステップは、キャビティを有するモールド型を提供すること、およびキャビティが基板と流体連通するようにモールド型を位置決めすることをさらに含むことができる。望ましくは、モールド型が、紫外線などの化学線に対して透過性である。
本発明は、燃料電池部品を接着し封止するための方法、組成物およびシステムも提供する。燃料電池の部品を接着し封止するために使用するシーラント組成物は、別々には安定であるが、組み合わせるまたはエネルギー源にさらすと硬化性となる2つ以上の成分を含む。2成分シーラントの系では、シーラントの第1の部分を第1の燃料電池部品基板に付与(塗布)することができ、第2の部分を第2の燃料電池基板に付与(塗布)することができる。これらの基板を接合し、シーラントを硬化して接着した燃料電池部品アセンブリを形成する。
本発明の別の態様において、燃料電池部品を形成するための方法は、第1の部分が開始剤を含み、第2の部分が重合可能な材料を含む2液型のシーラントを提供すること、第1の燃料電池部品の基板に、シーラントの第1の部分を付与(塗布)すること、第2の燃料電池部品の基板に、シーラントの第2の部分を付与(塗布)すること、第1および第2の燃料電池部品の基板を近接して並置して位置合わせすること、およびシーラントを硬化して、第1および第2の燃料電池部品を互いに接着することを含む。望ましくは、開始剤は化学線開始剤であり、それによりシーラントが化学線によって硬化される。重合可能な材料は、重合可能なモノマー、オリゴマー、テレケリックポリマー、官能性ポリマーおよびこれらの組合せでよい。望ましくは、官能基はエポキシ、アリル、ビニル、(メタ)アクリレート、イミド、アミド、ウレタンおよびこれらの組合せである。接着しようとする有用な燃料電池部品には、カソード流れ場プレート、アノード流れ場プレート、樹脂フレーム、ガス拡散層、アノード触媒層、カソード触媒層、膜電解質、膜電極アセンブリフレームおよびこれらの組合せが含まれる。
本発明の別の態様において、燃料電池部品を形成するための方法は、第1の部分が開始剤を含み、第2の部分が重合可能な材料を含む2液型のシーラントを提供すること、第1および第2のセパレータプレートならびに第1および第2の樹脂フレームを提供すること、第1のセパレータプレートの一方の側面または両側面、望ましくは両側面をシーラントの第1の部分でコーティングすること、第1のセパレータプレート上のシーラントの第1の部分を、化学線で活性化すること、第1の樹脂フレームの一方の側面または両側面、望ましくは一側面をシーラントの第2の部分でコーティングすること、第1のセパレータプレートと第1の樹脂フレームとを近接して並置して整合させること、シーラントを硬化して、第1のセパレータプレートと第1の樹脂フレームとを互いに接着すること、第2のセパレータプレートの一方の側面または両側面、望ましくは両側面をシーラントの第2の部分でコーティングすること、第2の樹脂フレームの一方の側面または両側面、望ましくは一側面をシーラントの第1の部分でコーティングすること、第2の樹脂フレーム上のシーラントの第1の部分を、化学線で活性化すること、第2のセパレータプレートと第2の樹脂フレームとを近接して並置して整合させること、シーラントを硬化して、第2のセパレータプレートと第2の樹脂フレームとを互いに接着すること、第1および第2のセパレータプレートを近接して並置して整合させること、シーラントを硬化して前記第1および第2のセパレータプレートを互いに接着させて、二極性セパレータプレートを形成することを含む。望ましくは、開始剤は化学線開始剤であり、それによりシーラントが化学線によって硬化される。重合可能な材料は、重合可能なモノマー、オリゴマー、テレケリックポリマー、官能性ポリマーおよびこれらの組合せでよい。望ましくは、官能基はエポキシ、アリル、ビニル、(メタ)アクリレート、イミド、アミド、ウレタンおよびこれらの組合せである。接着しようとする有用な燃料電池部品には、カソード流れ場プレート、アノード流れ場プレート、樹脂フレーム、ガス拡散層、アノード触媒層、カソード触媒層、膜電解質、膜電極アセンブリフレームおよびこれらの組合せが含まれる。
本発明の別の態様においては、燃料電池部品を形成するためのシステムが、2液型のシーラントの、開始剤を含む第1の部分を提供するための第1のディスペンサと、2部構成のシーラントの、重合可能な材料を含む第2の部分を提供するための第2のディスペンサと、第1の燃料電池部品の基板にシーラントの第1の部分を付与(塗布)するための第1のステーションと、第2の燃料電池部品の基板にシーラントの第2の部分を付与(塗布)するための第2のステーションと、第1および第2の燃料電池部品の基板を近接して並置して位置合わせするための第3のステーションと、シーラントを硬化して、第1および第2の燃料電池部品を互いに結合するための硬化ステーションとを備える。望ましくは、開始剤は化学線開始剤であり、それによりシーラントが化学線によって硬化される。重合可能な材料は、重合可能なモノマー、オリゴマー、テレケリックポリマー、官能性ポリマーおよびこれらの組合せでよい。望ましくは、官能基はエポキシ、アリル、ビニル、(メタ)アクリレート、イミド、アミド、ウレタンおよびこれらの組合せである。接着しようとする有用な燃料電池部品には、カソード流れ場プレート、アノード流れ場プレート、樹脂フレーム、ガス拡散層、アノード触媒層、カソード触媒層、膜電解質、膜電極アセンブリフレームおよびこれらの組合せが含まれる。
本発明は、漏れに対する封止が改善された、燃料電池などの電気化学電池も対象とする。この電気化学電池は、(a)合わせ面を有する第1の電気化学電池部品と、(b)第1の電気化学電池部品の合わせ面の上に配置された硬化シーラント組成物と、(c)その場所でシールを提供する硬化シーラント組成物の上に当接して配置された合わせ面を有する第2の電気化学電池部品とを備える。硬化シーラント組成物は有利には、重合可能なポリイソブチレンの反応生成物、アルケニル終端ポリイソブチレンオリゴマー、約1つの水素原子のみがシリコン原子と結合している少なくとも約2つの水素化ケイ素官能基を有するシリル硬化剤、およびヒドロシリル化触媒を含む。さらに、このシーラント組成物は、第1の電気化学電池部品の合わせ面に接着接合させることができる。
この硬化シーラント組成物は、第2の電池部品の合わせ面に接着結合していてもしていなくてもよい。組成物が第2の電池の合わせ面に接着結合している場合、組成物は現場形成型ガスケットとして働く。組成物が第2の電池の合わせ面に接着結合していない場合、組成物は現場硬化型ガスケットとして働く。第1の電池部品は様々で、典型的にはカソード流れ場プレート、アノード流れ場プレート、ガス拡散層、アノード触媒層、カソード触媒層、膜電解質、膜電極アセンブリフレームおよびこれらの組合せである。同様に、第2の電池部品も、第1の電池部品とは異なることを条件に、典型的にはカソード流れ場プレート、アノード流れ場プレート、ガス拡散層、アノード触媒層、カソード触媒層、膜電解質、膜電極アセンブリフレームおよびこれらの組合せである。
望ましくは、硬化シーラント組成物は、1,9−デカジエン、TVCHおよびその組合せから選択される硬化性多官能性アルケニルモノマーを含む。
本発明の別の態様においては、電気化学電池に現場硬化型組成物が備わっている。この電気化学電池は、(a)合わせ面を有する第1の電気化学電池部品と、(b)第1の電気化学電池部品の合わせ面の上に配置された硬化シーラント組成物と、(c)その場所でシールを提供する硬化シーラント組成物の上に当接して配置された合わせ面を有する第2の電気化学電池部品とを備える。硬化シーラント組成物は有利には、アルケニル終端ポリイソブチレンオリゴマー、多官能性アルケニルモノマー、少なくとも約2つの水素化ケイ素官能基を有するシリル硬化剤、およびヒドロシリル化触媒を含む。望ましくは、アルケニル終端ポリイソブチレンオリゴマーは、アルケニル終端ジアリルポリイソブチレンオリゴマーである。望ましくは、約1つの水素原子のみが、シリル硬化剤中の任意のシリコン原子と結合している。
燃料電池などの電気化学電池を形成するための方法も提供される。本発明の一態様においては、電気化学電池を形成するための方法は、(a)各々が合わせ面を有する第1および第2の電気化学電池部品を提供するステップと、(b)アルケニル終端ポリイソブチレンオリゴマーと、多官能性アルケニルモノマーと、少なくとも約2つの水素化ケイ素官能基を有するシリル硬化剤と、ヒドロシリル化触媒とを含む硬化性シーラント組成物を、第1の電気化学電池部品または第2の電気化学電池部品の少なくとも一方の合わせ面に付与(塗布)するステップと、(c)シーラント組成物を硬化するステップと、(d)第2の電気化学電池部品の合わせ面を第1の電気化学電池部品の合わせ面と位置合わせするステップとを含む。望ましくは、アルケニル終端ポリイソブチレンオリゴマーが、アルケニル終端ポリイソブチレンオリゴマーである。望ましくは、約1つの結合水素原子のみが、シリル硬化剤中の任意のシリコン原子と結合している。
本発明の別の態様においては、電気化学電池を形成するための方法は、(a)合わせ面を有する第1の電気化学電池部品を提供するステップと、(b)第2の電気化学電池部品の合わせ面を第1の電気化学電池部品の合わせ面と整合させるステップと、(c)アルケニル終端ポリイソブチレンオリゴマーと、少なくとも約2つの水素化ケイ素官能基を有するシリル硬化剤と、ヒドロシリル化触媒とを含む硬化性シーラント組成物を、第1または第2の電気化学電池部品の少なくとも一方の合わせ面の少なくとも一部に付与(塗布)するステップと、(d)シーラント組成物を硬化して第1および第2の合わせ面を接着結合するステップとを含む。望ましくは、アルケニル終端ポリイソブチレンオリゴマーが、アルケニル終端ジアリルポリイソブチレンオリゴマーである。望ましくは、約1つの水素原子のみが、シリル硬化剤中の任意のシリコン原子と結合している。
本発明の別の態様においては、追加の硬化性ポリイソブチレン含有組成物中におけるポットライフを向上させるための方法が提供される。この方法は、組成物へのTVCHの添加を含む。望ましくは、全組成に基づき、約0.1〜約40重量パーセントのTVCH、より望ましくは約1〜約20重量パーセントのTVCHを添加する。望ましくは、この方法は、全組成に基づき少なくとも約15モルppm(molar−parts−per−million:mppm)までヒドロシリル化触媒を添加するステップをさらに含む。
本発明の別の態様においては、追加の硬化性組成物が提供される。この組成物は、アルケニル終端ポリイソブチレンオリゴマーと、多官能性アルケニルモノマーと、少なくとも約2つの水素化ケイ素官能基を有するシリル硬化剤と、ヒドロシリル化触媒とを含む。望ましくは、アルケニル終端ポリイソブチレンオリゴマーがジアリルポリイソブチレンオリゴマーである。望ましくは、約1つの水素原子のみが、シリル硬化剤中の任意のシリコン原子と結合している。望ましくは、組成物の水素化ケイ素対アルケニルモル比が少なくとも1.2:1またはそれ以上である。望ましくは、多官能性アルケニルモノマーが、1,9−デカジエン、TVCHおよびこれらの組合せから選択される。望ましくは、シリル硬化剤が、1,9−デカジエンと2,4,6,8−テトラメチルシクロテトラシロキサンとの反応生成物である二環式化合物を含む。
本発明のこれらの、また他の目的、態様、特徴および利点が、添付の図面と併せて読むべき本発明の例示的な諸実施形態についての以下の詳細な説明から明らかとなるであろう。図面中、同様の参照文字は、異なる図を通して同じ部分または要素を指す。図面は必ずしも原寸に比例しておらず、代わりに本発明の原理の説明に重きを置いている。
本発明は、電気化学電池の部品を接着するための方法および組成物を対象とする。本明細書中で使用する電気化学電池は、化学反応および化学的燃焼を含むがこれらに限定されない化学的な源から電気を生成する装置である。有用な電気化学電池には、燃料電池、乾電池、湿電池等が含まれる。以下により詳細に説明する燃料電池は、化学反応物の燃焼を使用して電気を生成する。湿電池は液状電解質を有する。乾電池は多孔質媒体中に吸収されているか、またはそうでなければ流動性であることが抑制されている電解質を有する。
図1は、燃料電池10などの電気化学燃料電池の基本的要素の断面図を示す。電気化学燃料電池は、燃料および酸化剤を電気および反応生成物に変換する。燃料電池10は、片側に開口冷却剤チャネル14を有し第2の側にアノード流れチャネル16を有するアノード流れ場プレート12と、ガス拡散層18と、アノード触媒20、プロトン交換膜22と、カソード触媒24と、第2のガス拡散層26と、片側に開口冷却剤チャネル30を有し第2の側にカソード流れチャネル32を有するカソード流れ場プレート28で構成され、これらは図1に示すように相互に関連している。アノード触媒20、プロトン交換膜22およびカソード触媒24の組合せ、また場合によりガス拡散層18および26は、しばしば膜電極アセンブリ36と称される。ガス拡散層18および26は、典型的には炭素繊維紙などの多孔質導電性シート材料で形成されている。しかしながら、本発明は炭素繊維紙の使用に限定されず、他の材料を適切に使用することもできる。しかしながら、燃料電池は、部品のこのような図示した配置に限定されない。アノードおよびカソード触媒層20および24は、典型的には細かく粉砕した形の白金である。アノード34およびカソード36を電気的に結合して(図示せず)、外部負荷(図示せず)へ電極間の電子を伝導するための経路を提供する。流れ場プレート12および28は、典型的には黒鉛含浸プラスチック、圧縮および剥離黒鉛、多孔質黒鉛、ステンレス鋼または他の黒鉛組成物で形成される。これらのプレートは、表面ぬれなどの表面特性をもたらすために処理することができるが、未処理のままでもよい。しかしながら、本発明は、流れ場プレートとして使用するためのこのような材料の使用に限定されず、他の材料を適切に使用することができる。さらに、本発明は、図1に示す燃料電池部品およびそれらの配置に限定されない。たとえば、一部の燃料電池では、流れ場プレートが、金属または金属含有材料、限定されないが典型的にはステンレス鋼から作製される。これらの流れ場プレートは、図1に示すように、二極性プレート、すなわち、対向するプレート表面に流れチャネルを有するプレートでよい。あるいは、これらの二極性プレートを、単極性プレートを互いに固定することによって作製することもできる。
さらに、図18に示すように、一部の燃料電池の設計では、膜電極アセンブリ136とセパレータプレート112との間、また膜電極アセンブリ136とセパレータプレート118との間の樹脂フレーム115を利用して、膜電極アセンブリ136の耐久性を向上させ、また燃料電池の組立て時に、膜電極アセンブリ136とセパレータプレート112との間、また膜電極アセンブリ136とセパレータプレート128との間に正確な間隔(spacing)を提供する。このような設計においては、セパレータプレート112と樹脂フレーム115との間、セパレータプレート128と樹脂フレーム115との間にシールを設けることが必要である。
さらに、本発明は、図1に示す燃料電池部品およびそれらの配置に限定されない。たとえば、直接メタノール型燃料電池(「DMFC」)は、冷却剤チャネル以外は図1に示す同じ部品で構成することができる。さらに、燃料電池10は、内部または外部マニホルド(図示せず)を用いて設計することもできる。
本発明をPEM燃料電池に関して説明してきたが、本発明は任意のタイプの燃料電池に適用可能であることを理解されたい。本発明における概念は、リン酸型燃料電池、アルカリ燃料電池、固体電解質型燃料電池や溶融炭酸塩型燃料電池などの高温型燃料電池、ならびに他の電気化学装置に適用することができる。
アノード34では、アノード流れチャネル16を通って移動する燃料(図示せず)が、ガス拡散層18に浸透し、アノード触媒層20で反応して水素カチオン(プロトン)を形成し、これら水素カチオンがプロトン交換膜22の中を通ってカソード38へと移動する。プロトン交換膜22は、アノード34からカソード38への水素イオンの移動を容易にする。水素イオンを伝導することに加えて、プロトン交換膜22は、酸素含有酸化剤流から水素含有燃料流を分離する。
カソード38では、空気や実質的な純酸素などの酸素含有ガスが、プロトン交換膜22を横断したカチオンまたは水素イオンと反応して、反応生成物として液状水を形成する。水素/酸素燃料電池におけるアノードおよびカソード反応を以下の式に示す。
アノード反応:H2 → 2H+ + 2e− (I)
カソード反応:1/2O2 + 2H+ + 2e− → H2O (II)
単一電池配置においては、流体流れ場プレートが、アノード側およびカソード側のそれぞれに設けられる。これらのプレートは電流コレクタとして働き、電極を支持し、アノード表面およびカソード表面それぞれへの燃料および酸化剤のアクセスチャネルを提供し、電池の動作時に形成される水を除去するために一部の燃料電池設計においてチャネルを提供する。複数の電池の配列においては、複数の個別の燃料電池を有する燃料電池アセンブリが提供されるように部品を積層する。2つ以上の燃料電池10を一般的には直列に、時折並列に互いに接続して、アセンブリの全出力を増大させることができる。直列配置においては、所与のプレートの一方の側がある電池のアノードプレートとして働き、そのプレートのもう一方の側は隣接する電池のカソードプレートとして働くことができる。このような直列接続の複数の燃料電池の配列は、燃料電池スタック(図示せず)と称され、通常その組み立てられた状態でタイロッドおよびエンドプレートによって一緒に保持される。このスタックは、典型的には、燃料および酸化剤をアノードおよびカソード流れ場チャネルに方向づけるためのマニホルドおよび流入ポートを備える。
図2は、燃料電池10の基本的要素の断面図を示し、電池アセンブリ10’が提供されるように隣接する要素の一部がそれらの間に硬化したまたは硬化性の組成物40を有する。図2に示すように、組成物40は、アノード場プレート12を封止し、かつ/またはガス拡散層18に接着する。カソード場プレート28も封止されかつ/またはガス拡散層26に接着される。この実施形態では、燃料電池アセンブリ10’は、アノード触媒20およびカソード触媒24がその上に配置された、事前に形成された膜電池アセンブリ36を有することが多い。燃料電池アセンブリ10’の様々な部品間に配置される組成物40は、同じ組成物であっても異なる組成物であってもよい。加えて、図2に示すように、組成物40は、アノード流れ場プレート12を封止し、かつ/または第2のカソード流れプレート28’など第2の燃料電池の部品に接着することができる。さらに、図2に示すように、組成物40は、カソード流れ場プレート28を封止し、かつ/または第2のアノード流れプレート12’など第3の燃料電池の部品に接着することができる。このようにして、部品が封止接合および/または接着接合された複数の燃料電池で燃料電池アセンブリ10’を形成して、複数電池電気化学装置を提供する。
図3は、電池アセンブリ10’’の基本的要素の断面図を示し、隣接する要素の一部がそれらの間に、同じであっても異なっていてもよい硬化したまたは硬化性の組成物40を有する。本発明のこの実施形態においては、ガス拡散層18がアノード流れ場プレート12の延在する末端壁13間に配置され、ガス拡散層26がカソード流れ場プレート28の延在する末端壁27間に配置される。組成物40を使用して、アノード流れ場プレート12を封止し、かつ/またはアノード触媒20に接着すると共に、カソード流れプレートを封止し、かつ/またはカソード触媒24に接着する。
図4は、電池アセンブリ10’’’の基本的要素の断面図を示し、隣接する要素の一部がそれらの間に、同じであっても異なっていてもよい硬化したまたは硬化性の組成物40を有する。本発明のこの実施形態においては、ガス拡散層18およびアノード触媒20がアノード流れ場プレート12の延在する末端壁13間に配置され、ガス拡散層26およびカソード触媒24がカソード流れ場プレート28の延在する末端壁27間に配置される。組成物40を使用して、アノード流れ場プレート12を封止し、かつ/またはプロトン交換膜22に接着すると共に、カソード流れプレートを封止し、かつ/またはプロトン交換膜22に接着する。
図5は、電池アセンブリ10’’’’の基本的要素の断面図を示し、隣接する要素の一部がそれらの間に、同じであっても異なっていてもよい硬化したまたは硬化性の組成物40を有する。本発明のこの実施形態においては、ガス拡散層18およびアノード触媒20が膜電池アセンブリ36の膜電池アセンブリフレーム42間に配置され、ガス拡散層26およびカソード触媒24が膜電池アセンブリ36の膜電池アセンブリフレーム42間に配置される。組成物40を使用して、アノード流れ場プレート12を封止し、かつ/または膜電極アセンブリフレーム42に接着すると共にカソード流れプレートを封止し、かつ/または膜電極アセンブリフレーム42に接着する。
組成物40は現場硬化型または現場形成型組成物でよく、それにより現場硬化型または現場形成型ガスケットとして働く。本明細書中で使用する語句「現場硬化型」およびその変形は、ある部品の表面に付与(塗布)されその場所で硬化される組成物を指す。封止は、ある部品と別の部品との組立て時に硬化材料を圧縮することにより実現される。この組成物は、典型的には、トレーシング(tracing)、スクリーン印刷等によって精密なパターンで付与(塗布)される。さらには、組成物を被膜として基板上に付与(塗布)することもできる。このような付与(塗布)技法は、大規模または大量生産が可能である。本明細書中で使用する語句「現場形成型」およびその変形は、2つの組み立てられた部品間に配置され両方の部品に対して硬化される組成物を指す。現場形成型および/または現場硬化型ガスケットとして重合可能な組成物を使用すると、モジュール式または統合式の燃料アセンブリスタック設計が可能となる。望ましくは、この組成物は、燃料アセンブリスタック設計の組立て時に封止が容易となるように圧縮性組成物である。
図6〜図9には、隣接する燃料電池部品がカソード流れ場プレート28およびアノード流れ場プレート12’として示してあるが、他の隣接する燃料電池部品も本発明と共に適切に使用することができる。本明細書中で使用する語句「合わせ面」およびその変形は、両者の間にシールを形成することができるように別の基板と近位で位置合わせ可能な基板の表面を指す。
図6に示すように、組成物40を現場硬化型ガスケットとして形成することができ、この場合アノード流れ場プレート12’上に組成物40を配置し硬化するが、カソード流れ場プレート28上には硬化のためには配置しない。図7に示すように、燃料アセンブリを組み立てると、流れ場プレート12’とカソード流れ場プレート28とは互いに圧迫し合い、それにより組成物40が現場硬化型ガスケットとして働く。組成物40は流れ場プレート12’に接着接合および封止接合されるが、カソード流れ場プレート28を封止係合するだけである。したがって、燃料電池アセンブリを容易にこの接合部で解体することができる。というのは、組成物40はカソード流れ場プレート28とは接着接合していないからである。
図8に示すように、組成物40は現場形成型組成物であってもよく、この場合組成物40は流れ場プレート12’にカソード流れ場プレート28を封止接合および接着接合する。図6〜図8に示すように、組成物40は平らな平面ストリップとして示してある。しかしながら、本発明はこれに限定されない。
図9に示すように、組成物40は現場硬化型ガスケットで、アノード流れ場プレート12’上にビードとして配置される。組成物40は、燃料電池部品の組立て時にカソード流れ場プレート28を封止係合する。しかしながら、本発明はこれに限定されず、突起および/または切り欠きを有する合わせ面など、他の形状を適切に使用することもできる。
さらに、組成物40は、燃料電池部品の周縁または周縁部に付与(塗布)することもできる。望ましくは、組成物40は燃料電池部品の周縁を覆うだけでなく、燃料電池部品の周囲または周縁端部を超えて延在する。このように、その周縁またはその周縁の一部分付近に組成物40が配置されているまたは延在している燃料電池部品を、別の燃料電池部品と合わせるように位置合わせして、これらの2つの部品を封止係合させることができる。言い換えると、燃料電池部品の周縁面は、燃料電池部品を封止係合させるためにそこに本発明の組成物を付与(塗布)することができる合わせ面であってもよい。
図18は、膜電極アセンブリ136の耐久性を向上させ、また燃料電池の組立て時に膜電極アセンブリ136とセパレータプレート112との間および膜電極アセンブリ136とセパレータプレート128との間に正確な間隔を提供するために、膜電極アセンブリ136とセパレータプレート112との間、また膜電極アセンブリ136とセパレータプレート128との間の樹脂フレーム115を有する燃料電池を示す。このような設計においては、セパレータプレート112と樹脂フレーム115との間、セパレータプレート128と樹脂フレーム115との間にシールを設けることが必要である。
図19は、膜電池アセンブリ136の周縁部133に、または周縁部133付近に硬化したまたは硬化性組成物140を有する膜電池アセンブリ136を示す。以下に説明するように、組成物140は、燃料電池の異なる部品を互いに封止および/または接着するために有用である。
しかしながら、本発明は、膜電極アセンブリ136などの燃料電池部品を有し、膜電極アセンブリ136の周縁部133に、または周縁部133付近に組成物140を有する構成に限定されない。たとえば、図20に示すように、硬化したまたは硬化性組成物140は、膜電極アセンブリ136の周縁部133に、または周縁部133付近に配置し、かつ膜電極アセンブリ136の周縁端部135を覆うこともできる。
図21は、燃料電池110の基本的要素の断面図を示し、燃料電池アセンブリ110’が提供されるように、隣接する要素の一部がそれらの間に硬化したまたは硬化性の組成物140を有する。図21に示すように、組成物140はアノード流れ場プレート112を封止し、かつ/またはガス拡散層118または膜電極アセンブリ136に接着する。カソード場プレート128も封止され、かつ/またはガス拡散層126または膜電極アセンブリ136に接着される。本実施例において、燃料電池アセンブリ110’は、アノード触媒120およびカソード触媒124がその上に配置された、事前に形成された膜電池アセンブリ136を有することが多い。燃料電池アセンブリ110’の様々な部品間に配置される組成物140は、同じ組成物であっても異なる組成物であってもよい。加えて、図21に示すように、組成物140は、カソード流れプレート128を封止し、かつ/または第2のアノード流れプレート112’など第2の燃料電池の部品に接着することができる。さらに、図21に示すように、組成物140は、第2のアノード流れプレート112’を封止し、かつ/または第2の膜電極アセンブリ136’など第2の燃料電池の部品に接着することができる。このようにして、部品が封止接合および/または接着接合された複数の燃料電池で燃料電池アセンブリ110’を形成して、複数電池電気化学装置を提供する。
図22は、本発明による現場硬化型ガスケットの形成に有用なモールド型48の斜視図である。モールド型48は、図のように相互に間連する上部モールド型部材50と、下部モールド型部材136’と、注入ポート52とを備える。この実施形態では、組成物140を下部モールド型部材136’上に配置して、その場所でまたはその上にガスケットを形成する。本発明のこの実施形態では、下部モールド型部材136’が望ましくは燃料電池部品、たとえば、膜電極アセンブリ136である。しかしながら、本発明は、下部モールド型部品として膜電極アセンブリ136を使用することに限定されず、他の燃料電池部品が下部モールド型部品であってもよい。図25に示すように、注入ポート52は、モールド型キャビティ54と流体連通している。
図23は、軸23−23に沿った図22のモールド型48の断面図である。図23に示すように、上部モールド型部材50はモールド型キャビティを備える。液状のガスケット形成組成物を、注入ポート52を通してモールド型キャビティ54に導入することができる。
図24は、図23のモールド型48の部分分解図である。モールド型部材50は合わせ面56を備え、モールド型部材136’は合わせ面58を備える。モールド型部材50および136’は、合わせ面56および58が互いに実質的に近接して並置されるよう、図23に示すように互いに整合させることができる。図24に示すように、ガスケット140は、モールド型キャビティ54が取り除かれ、合わせ面58に接合される。
図25に示すように、モールド型キャビティ54は閉周囲設計の形をしている。図25にはモールド型キャビティ54が丸みを帯びた矩形として示してあるが、本発明はこれに限定されず、他の形状のキャビティを適切に使用することができる。さらに、図24には、モールド型キャビティ54の断面形状が矩形または方形として示してあるが、本発明はこれに限定されず、円、楕円、封止の改善のための延長部を有する幾何学的形状など、他の断面形状を適切に使用することができる。
図25に示すように、モールド型50は第2のポート60を備えることができる。第2のポート60は、モールド型キャビティ54と流体連通している。第2のポート60を使用して、ガスケット形成材料で満たされているキャビティ54のガス抜きをすることができる。ポート52を通してキャビティ54にガスケット形成材料を導入するため、第2のポート60を通って空気が逃げて、モールド型キャビティ54のガス抜きをすることができる。第2のポート60の寸法が本発明を限定することはない。望ましくは、第2のポート60の寸法、すなわち、断面の範囲は、空気の脱出が可能となるように最小限に抑えるが、そこを流れるガスケット形成材料の液体の流れを制限するように十分に小さい。言い換えると、第2のポート60は、その中を空気は流れることができるが液状ガスケット形成材料の実質的な流れは阻止されるピンホールの大きさでよい。さらに、本発明は、単一ポート52または単一ポート60を使用することに限定されず、ガスケット材料の導入および/または空気の放出のために複数のポートを使用することができる。
図26は、図25の軸26−26に沿ったモールド型部材50の断面図である。図26に示すように、注入ポート52は、適切にはモールド型部材50のキャビティまたは穴でよい。注入ポート52の一部がネジ山(図示せず)を有していても、その中を通してガスケット形成材料を送り届けることができるバルブ(図示せず)またはチューブもしくはホース(図示せず)を有していてもよい。
図27は、図25の軸27−27に沿ったモールド型部材50の断面図である。図27に示すように、ポート60は、適切にはモールド型部材50のキャビティまたは穴でよい。ポート60の一部が、空気および/またはガスケット形成材料の脱出を制御するためのバルブ(図示せず)を有していてもよい。
図28は、図25の軸28−28に沿ったモールド型部材50の断面図である。モールド型キャビティ54は、モールド型部材50中にその合わせ面56で延在するものとして示してある。
図29は、本発明による現場硬化型ガスケットの形成に有用なモールド型48’’の斜視図である。モールド型48’’は、上部モールド型部材50、下部モールド型部材70を備える。図30Aおよび図30Bに示すように、モールド型部材50および70は上述のようにして互いに当接可能で(fittable)、それらの間に膜電極アセンブリ136などの燃料電池部品を配置することができるように構成される。図30Aに示すように、本発明のモールド型48’’を使用して、燃料電池部品136の対向する側面の周縁部上にガスケット140を形成することができる。図30Bに示すように、本発明のモールド型48’’を使用して、燃料電池部品136の対向する側面上に、また燃料電池部品136の周縁側面を覆ってガスケット140を形成することもできる。
図31は、モールド型部材50、70を透明材料で作製することができること、またはモールド型部材50、70が透明材料を含むことができることを示す、モールド型部材50、70の斜視図である。望ましくは、モールド型部材50、70は透明である、すなわち、化学線、たとえば、紫外線に対して透過性または実質的に透過性である。透明なモールド型部材50、70の断面図を図32に示す。
本発明のこの態様の方法は、液状の化学線硬化性ガスケット形成組成物の注入前に、または注入時にキャビティのガス抜きをするステップをさらに含むことができる。望ましくは、このガス抜きをするステップは、キャビティ54と流体連通している第2のポート60を通してガス抜きをすることを含む。
キャビティ54のガス抜きにより、また上述の流体特性により、液状組成物が、過度の液状処理圧力を必要とすることなく十分にキャビティ54を満たす。望ましくは、液状組成物は、690kPa(100psig)以下の流体処理圧力でキャビティ54を十分に満たす。
組成物を硬化したまたは少なくとも部分的に硬化した後、モールド型部材50、136’または50、70を互いに解除してガスケットを露出させることができ、その後、ガスケット140をモールド型キャビティ54から取り外すことができる。ガスケット140を、望ましくは、燃料電池部品、たとえば、膜電極アセンブリ136に配置および/または固定する。
上部モールド型部材50、70が溝またはモールド型キャビティ54を有するものとして本発明を説明してきたが、本発明はこれに限定されない。たとえば、下部モールド型部材136’、70および/または膜電極アセンブリ136などの燃料電池部品が、上部モールド型部材のモールド型キャビティ54に加えて、または上部モールド型部材のモールド型キャビティ54の代わりに、シールの設置および形成用の溝またはモールド型キャビティを有することもできる。
さらに、本発明の燃料電池の流れ場プレートは、二極性プレート、すなわち、対向するプレート表面に流れチャネルを有するプレートでよい。たとえば、図33〜図34に示すように、二極性流れ場プレート119を、片側だけに流れチャネルを有する単極性プレート112、128から作製することができる。単極性プレート112、128を互いに固定して二極性プレート119を形成することができる。本発明の一態様では、本発明の組成物で、また本発明の方法によって、プレート112および128の封止も行う。
燃料電池バリアシーラントの物理的特性要件の要求があるため、ポリイソブチレンなど表面エネルギーが低いポリマー類が望ましい。架橋結合をもたらすためには、ビニル終端ポリイソブチレンなどのテレケリック官能性ポリイソブチレン類がより望ましい。これらテレケリック官能性ポリイソブチレン類は、適切な可溶性有機水素ポリシロキサン架橋剤と反応して硬化シーラントを形成することができる。典型的には、本発明の前に、白金触媒の存在下、以下のように架橋を行った。
ヒドロシリル化により硬化した有機ベースの配合物を、典型的には白金触媒を用いて熱硬化するが、このような硬化は通常、高温で少なくとも1時間を要する。しかしながら、このような硬化条件により、連続製造プロセスが制限される。
本発明の一態様においては、本発明の液状シーラント組成物を、室温または室温付近で短時間内に、たとえば、約5分以内に硬化することができる。より望ましくは、この液状組成物を1分以内に硬化する、たとえば、30秒以内に硬化する。
望ましくは、本発明で使用する硬化シーラント組成物は、アルケニル終端ポリイソブチレンオリゴマー、たとえば、アルケニル終端ジアリルポリイソブチレンオリゴマーと、任意に多官能性アルケニルモノマーと、少なくとも1つの水素原子がシリコン原子に結合しているシリル硬化剤または架橋剤と、ヒドロシリル化触媒とを含むことができる。望ましくは、約1個の水素原子だけが、シリル硬化剤中の任意のシリコン原子と結合している。
本発明の組成物は改質されら分子構造を有し、その結果機械的特性、架橋密度および反応熱が高まる。本発明の組成物は式(A−A + Af + Bf)によって表すことができ、式中、「A−A」はアルケニル終端ポリイソブチレンオリゴマー、たとえば、ジアリルポリイソブチレンのアルケニル基を示し、「A」はアルケニル基を示し、「B」はSi−H基を示し、「f」は対応する官能基の数を指す。
アルケニルと水素化物が共に二官能性である場合、重合により直線構造がもたらされる。しかしながら、このような直線構造における官能性水素化物基の数により、反応ネットワークの全体としての官能性および架橋密度が限定される。単一のモノマーまたはオリゴマーに3つ以上のアルケニル基を組み込むことによって、架橋密度が増大し、機械的特性が向上する。
3つ以上のアルケニル基を有する1つの有用な多官能性アルケニルモノマーは、下記化学式のTVCHである。
TVCHは、低粘度(1.3mPas)の三官能性モノマーである。TVCHのモル質量は、1モル当たり162.3グラムである。しかしながら、本発明は、三官能性モノマーの使用に限定されず、4つ以上のアルケニル基を有するモノマー類を、本発明の組成物と共に適切に使用することもできる。
アルケニル基を2つ有する有用な1つの多官能性アルケニルモノマーは、1,9−デカジエン(CAS No.1647−16−1)であり、その分子量は1モル当たり138.25グラムである。
多官能性アルケニルモノマーまたはアルケニルモノマー類の組合せは、全組成に基づく約0.01重量パーセント〜約90重量パーセントの量で存在することができる。望ましくは、多官能性アルケニルモノマーまたはアルケニルモノマー類の組合せは、全組成に基づく約0.1重量パーセント〜約50重量パーセントの量で存在することができる。より望ましくは、多官能性アルケニルモノマーまたはアルケニルモノマー類の組合せは、全組成に基づく約1重量パーセント〜約10重量パーセントの量を含めた、全組成に基づく約1重量パーセント〜約20重量パーセントの量で存在することができる。
相溶性も重量な問題であり、本発明の二官能性オリゴマーと適合する多官能性モノマー類のみを組み込むことが望ましい。2相に分離した多官能性モノマー類は適合しない。TVCHは、本発明のポリイソブチレン樹脂と完全に適合している。重量百分率が最大約20重量パーセントのTVCHでは、得られる本発明の組成物により、アルケニル樹脂と混合した場合に透明な単一相溶液が形成される。
有用なジアルケニル終端線状ポリ(イソブチレン)オリゴマー類は、日本の大阪にある株式会社カネカから、EP200A、EP400AおよびEP600Aとして市販されている。これら3種のオリゴマー類は、同じ官能性を有するが、分子量が異なる。EP200A、EP400AおよびEP600Aの近似分子量(Mn)は、それぞれ5,000、10,000および20,000である。これら3種のオリゴマー類は、それぞれ25℃で944,300センチポアズ(「cps」)から1,500,000cps、2,711,000cpsと粘度も異なる。
本発明の組成物は、反応性水素化ケイ素官能基を少なくとも2つ、すなわち、Si−H基を少なくとも2つ有するシリコーンを含むこともできる。この成分は、アルケニル終端ポリイソブチレンオリゴマー向けの硬化剤または架橋剤として機能する。ヒドロシリル化触媒の存在下、架橋成分中のシリコンと結合した水素原子が、ヒドロシリル化と称される、反応性オリゴマー中の不飽和基との付加反応を受ける。この反応性オリゴマーは不飽和基を少なくとも2つ含むため、シリコーン架橋成分は、硬化生成物中で最終的な架橋構造を実現するために、望ましくは少なくとも2つのシリコンと結合した水素原子を含むことができる。シリコーン架橋成分中に存在するシリコンと結合した有機基は、実質的にエチレン不飽和またはアセチレン不飽和でないということ以外は、反応性シリコーン成分について上に記載したような置換または非置換の一価炭化水素ラジカルと同じ群から選択することができる。シリコーン架橋剤は、直鎖構造、分岐した直鎖構造、環状構造またはネットワーク構造でよい分子構造を有することができる。
シリコーン架橋成分は、望ましくは下記式に従う幅広い化合物から選択することができる。
式中、R
1、R
2およびR
3のうち少なくとも2つはHであり、そうでなければR
1、R
2およびR
3は同一であっても異なってもよく、アルキル、アルケニル、アリール、アルコキシ、アルケニルオキシ、アリールオキシ、(メタ)アクリルまたは(メタ)アクリルオキシを含めた炭化水素ラジカルなど、C
1−20からの置換または非置換炭化水素ラジカルでよく、したがってSiH基は末端で結合していても、ペンダント基としてシロキサン骨格に沿って結合していても、またはその両方でもよく、R
4は、C
1−20のアルキル、アルケニル、アリール、アルコキシ、アルケニルオキシ、アリールオキシ、(メタ)アクリルまたは(メタ)アクリルオキシを含めた炭化水素ラジカルなど、C
1−20からの置換または非置換炭化水素ラジカルでよく、望ましくはメチルなどのアルキル基であり、xは10〜1,000の整数であり、yは1〜20の整数である。望ましくは、R
2およびR
3が共に水素ではない、たとえば、R
1がHで、R
2およびR
3の両方ではなくいずれか一方がHである。望ましくは、HではないR基はメチルである。水素化ケイ素架橋剤は、所望の量の架橋を実現するのに十分な量で、望ましくは組成物の約0.5〜約40重量パーセントの量で、より望ましくは、組成物の約1〜約20重量パーセントの量で存在すべきである。
二環式架橋化合物を一段階反応で調製したが、本発明の官能性炭化水素エラストマー類と適合した。2モルの2,4,6,8−テトラメチルシクロテトラシロキサンを、触媒の存在下1モルの1,9−デカジエンと反応させて液状水素化物を生成した。この液状水素化物は炭化水素オリゴマー類と適合し、またアルケニルオリゴマー類と反応して、燃料電池等の封止に有用なエラストマー類を形成する。このような有用な二環式架橋化合物は、本発明の実施に際して有用である。しかしながら、本発明はこれに限定されず、フルオロエーテル類など他の二環式化学構造を適切に使用することもできる。この二環式架橋剤は、所望の量の架橋を実現するのに十分な量で、望ましくは組成物の約0.5〜約40重量パーセントの量で、より望ましくは、組成物の約1〜約20重量パーセントの量で存在すべきである。
本発明の二環式架橋剤の構造は、以下に示すような、1,9−デカジエンと2,4,6,8−テトラメチルシクロテトラシロキサンとの反応生成物である。
有用な白金触媒には、米国特許第3159601号および第3159662号に記載されている白金炭化水素錯体、米国特許第3220972号に記載されている白金アルコラート触媒、米国特許第3814730号に記載されている白金錯体、および米国特許第3516946号に記載されている塩化白金−オレフィン錯体などの白金または白金含有錯体が含まれる。白金または白金含有触媒に関するこれらの特許のそれぞれは、参照により本明細書中に明示的に援用される。望ましくは、白金または白金含有錯体はジカルボニル白金シクロビニル錯体、白金シクロビニル錯体、白金ジビニル錯体またはこれらの組合せである。
白金触媒は、組成物が約130℃以下の温度で、望ましくは約100℃以下の温度で、より望ましくは約90℃以下の温度で硬化するように十分な量であってよい。より望ましくは、本発明の組成物を紫外線なとの化学線によって硬化することができるように、以下に記載する光開始剤のうちの1つまたは複数などの光開始剤。望ましくは、室温で、または室温付近で約5分以内に液状組成物を硬化することができる。より望ましくは、液状組成物を1分以内に硬化する、たとえば、30秒以内に硬化する。
本発明の一態様において、液状のガスケット形成材料としては、化学線硬化性(メタ)アクリレート類、ウレタン類、ポリエーテル類、ポリオレフィン類、ポリエステル類、これらのコポリマーおよびこれらの組合せを挙げることができる。望ましくは、この硬化性材料は、少なくとも2つの(メタ)アクリロイルペンダント基を有する(メタ)アクリロイル終端材料を含む。望ましくは、(メタ)アクリロイルペンダント基は一般式−OC(O)C(R1)=CH2で表され、式中、R1は水素またはメチルである。より望ましくは、液状ガスケット形成材料は(メタ)アクリロイル終端ポリ(メタ)アクリレートである。この(メタ)アクリロイル終端ポリ(メタ)アクリレートは、望ましくは約3,000〜約40,000の、より望ましくは約8,000〜約15,000の分子量を有することができる。さらに、この(メタ)アクリロイル終端ポリ(メタ)アクリレートは、25℃(77°F)で望ましくは約200Pas(200,000cPs)〜約800Pas(800,000cPs)の、より望ましくは約450Pas(450,000cPs)〜約500Pas(500,000cPs)の粘度を有することができる。このような硬化性(メタ)アクリロイル終端材料の詳細は、Nakagawaらの欧州特許出願第1059308号A1に見ることができ、また日本の株式会社カネカから市販されている。
本発明の別の態様においては、硬化性シーラントを液状射出成形プロセスで使用することができる。セパレータプレートおよび樹脂フレームを、モールド型内で積み重ね整合させることができる。これらの部品を、たとえばカソード樹脂フレーム、カソードセパレータ、アノードセパレータおよびアノード樹脂フレームの順に下から上へ積み重ねる。これらの燃料電池部品は、1つまたは複数の連続的な経路またはゲートを含むことができ、これらの経路またはゲートにより、シーラントが、上面、下面および/または縁部に成形シールを提供しながら各部品中を通過し部品を接着することが可能となる。このシーラントは、モールド型の形状をとることが可能となるように、その未硬化状態において吸出し可能な粘度を有する。この硬化性シーラントを、適当な温度の加熱したモールド型、すなわちダイに注入して、燃料電池部品を接着し封止する。
本発明の別の態様においては、硬化性シーラントを液状射出成形プロセスで使用する。2つのセパレータプレートを、セパレータの冷却剤経路側が互いに向かい合うように、モールド型内で積み重ね整合させる。これらのセパレータは、1つまたは複数の連続的な経路を含むことができ、これらの経路により、シーラントが、各端部および/または縁部に成形シールを提供しながら各部品を接着することが可能となる。このシーラントは、モールド型の形状をとることが可能となるように、その未硬化状態において吸出し可能な粘度を有する。この硬化性シーラントを、適当な温度の加熱したモールド型、すなわちダイに注入して、セパレータを接着し封止する。連続的な経路がない場合には、縁部が封止された二極性プレートを製造する。
本発明の別の態様においては、硬化性シーラントを液状射出成形プロセスで使用する。1つまたは複数のゲートまたはホールを有することができる、樹脂フレームなどの燃料電池部品を、モールド型、すなわちダイ内に設置する。このシーラントは、モールド型の形状をとることが可能となるように、その未硬化状態において吸出し可能な粘度を有する。この硬化性シーラントを、適当な温度の加熱したモールド型、すなわちダイに注入してシーラントを硬化する。一体化したシールを両側に、また場合によっては縁部に有する樹脂フレームが提供される。
選択した部品を別のプロセスにおいて接着し、その後接着し封止するために本発明で説明した方法に進むことができることも想定される。一例として、MEAおよび接着アセンブリを、成形プロセスにおいて積み重ね整合させる。接着アセンブリは、一例として、樹脂フレームおよびセパレータで構成することができる。これらMEAおよび接着アセンブリは、1つまたは複数の連続的な経路を含むことができ、これらの経路により、シーラントが、各端部および/または縁部に成形シールを提供しながら各部品を接着することが可能となる。このシーラントは、モールド型の形状をとることが可能となるように、その未硬化状態において吸出し可能な粘度を有する。この硬化性シーラントを、適当な温度の加熱したモールド型、すなわちダイに注入して、セパレータを接着し封止する。
本発明の一態様において、本発明で使用する硬化シーラント組成物は、アルケニル終端ポリイソブチレンオリゴマー、たとえば、アルケニル終端ジアリルポリイソブチレンオリゴマーと、場合により多官能性アルケニルモノマーと、シリコン原子に結合した水素原子を少なくとも1つ有するシリル硬化剤または架橋剤と、ヒドロシリル化触媒とを含む。望ましくは、約1個の結合水素原子だけが、シリル硬化剤中の任意のシリコン原子と結合している。
望ましくは、この液状組成物は光開始剤を含むこともできる。上で言及した本発明の利益および利点を提供するために、複数の光開始剤を組成物中に採用することもできる。光開始剤により、光硬化性組成物全体を化学線などの電磁放射にさらした場合に、硬化プロセスの速度が高まる。本発明で使用するための適切な光開始剤の例には、「IRGACURE」および「DAROCUR」の商品名でCiba Specialty Chemicalsから市販されている光開始剤、特に、「IRGACURE」184(1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン)、907(2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルホリノプロパン−1−オン)、369(2−ベンジル−2−N,N−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)−1−ブタノン)、500(1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトンとベンゾフェノンとの組合せ)、651(2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン)、1700(ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル−2,4,4−トリメチルペンチル)ホスフィンオキシドと2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−プロパン−1−オンとの組合せ)、および819[ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルホスフィンオキシド]、ならびに「DAROCUR」1173(2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−1−プロパン−1−オン)および4265(2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニル−ホスフィンオキシドと2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−プロパン−1−オンとの組合せ)、ならびに可視光[青]光開始剤、dl−カンファーキノンおよび「IRGACURE」784DCが含まれるが、これらに限定されない。もちろん、これらの材料の組合せを本発明で採用することもできる。
本発明において有用な他の光開始剤には、ピルビン酸メチル、ピルビン酸エチル、ピルビン酸プロピル、ピルビン酸ブチルなどのピルビン酸アルキル、およびフェニル、ベンジルなどのピルビン酸アリール、ならびに適宜置換されたこれらの誘導体が含まれる。本発明における使用に特に適している光開始剤には、紫外線光開始剤、例えば2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン(たとえば、「IRGACURE」651)、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−1−プロパン(たとえば、「DAROCUR」1173)、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルホスフィンオキシド(たとえば、「IRGACURE」819)、および紫外線/可視光開始剤の組合せのビス(2,6−ジメトキシベンゾイル−2,4,4−トリメチルペンチル)ホスフィンオキシドと2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−プロパン−1−オン(たとえば、「IRGACURE」1700)、ならびに可視光開始剤のビス(η5−2,4−シクロペンタジエン−1−イル)−ビス[2,6−ジフルオロ−3−(1H−ピロール−1−イル)フェニル]チタン(たとえば、「IRGACURE」784DC)が含まれる。有用な化学線には、紫外光、可視光およびこれらの組合せが含まれる。望ましくは、液状ガスケット形成材料を硬化するために使用する化学線は、約200nm〜約1,000nmの波長を有する。有用な紫外線には、UVA(約320nm〜約410nm)、UVB(約290nm〜約320nm)、UVC(約220nm〜約290nm)およびこれらの組合せが含まれるが、これらに限定されない。有用な可視光には、青色光、緑色光およびこれらの組合せが含まれるが、これらに限定されない。このような有用な可視光は、約450nm〜約550nmの波長を有する。
しかしながら、本発明は紫外線の使用だけに限定されず、熱、圧力、紫外線、マイクロ波、超音波、電磁放射など他のエネルギー源を使用して、組成物の1種または複数種の重合を開始することができる。加えて、活性化剤なしで開始剤が活性となることもある。さらに、この開始プロセスは、組立て前、組立て時、および/または組立て後に適用することができる。
場合により、液状組成物の導入前に、キャビティ54に離型剤を付与(塗布)することができる。必要に応じて、離型剤は、モールド型キャビティから硬化ガスケットの容易な取り外しに役立つ。有用な離型組成物には、ポリテトラフルオロエチレンなどの乾燥スプレー、ならびにシリコーンや有機油などのスプレー式油(spray−on−oils)またはふき取り式油(wipe−on−oils)が含まれるが、これらに限定されない。有用な離型組成物には、化学的および/または物理的に金属表面と反応するベタイン基、ヒドロキシル基、カルボキシル基、アンモニウム塩基、これらの組合せなどの有機親水基で少なくとも1つの末端が末端置換されたC6〜C14のペルフルオロアルキル化合物を含む組成物が含まれるが、これらに限定されない。Henkel’s Frekoteの銘柄で販売されているものなど、様々な離型剤が利用可能である。加えて、離型剤は、モールド型形状に成形することができる熱可塑性フィルムであってもよい。
上記(メタ)アクリロイル終端ポリ(メタ)アクリレート組成物に加えて、組成物はさらに、(メタ)アクリロイル終端ポリエーテル、(メタ)アクリロイル終端ポリオレフィン、(メタ)アクリロイル終端ポリウレタン、(メタ)アクリロイル終端ポリエステル、(メタ)アクリロイル終端シリコーン、これらのコポリマーおよびこれらの組合せから選択される少なくとも2つの(メタ)アクリロイルペンダント基を有する(メタ)アクリロイル終端化合物を含むことができる。
この組成物はさらに、単官能性(メタ)アクリレートを含むことができる。有用な単官能性単官能性(メタ)アクリレート類は、一般構造CH2=C(R)COOR2に包含され、式中、RはH、CH3、C2H5またはClなどのハロゲンであり、R2はC1−8のモノシクロアルキルまたはビシクロアルキル、複素環中に最大2個の酸素原子を有する3〜8員環の複素環ラジカル、H、アルキル、アルキル部分がC1−8の直鎖または分岐の炭素原子鎖であるヒドロキシアルキルまたはアミノアルキルである。具体的な単官能性(メタ)アクリレートモノマー類の中でも、ヒドロキシプロピルメタクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、メチルメタクリレート、テトラヒドロフルフリルメタクリレート、シクロヘキシルメタクリレート、2−アミノプロピルメタクリレートおよびこれらの対応するアクリレート類が特に望ましく、上記構造の一部に対応する。
本発明の別の態様においては、本発明のポリ(メタ)アクリレート組成物は、場合により、ポリ(メタ)アクリレートポリマーまたはコポリマーを約0%〜90%、少なくとも2(メタ)アクリレート官能基を含むポリ(メタ)アクリレートポリマーまたはコポリマーを約0%〜約90%、単官能性および/または多官能性(メタ)アクリレートモノマー類を約0重量%〜約90重量%、光開始剤を約0重量%〜約20重量%、酸化防止剤などの添加剤を約0重量%〜約20重量%、ヒュームドシリカなどの充填剤を約0重量%〜約20重量%、レオロジー調整剤を約0重量%〜約20重量%、接着促進剤を約0重量%〜約20重量%、および/または蛍光剤もしくは顔料を約0重量%〜約20重量%含むことができる。
本発明の別の態様においては、シーラント組成物40が、末端アルケニルもしくはアリル基を有する線状PIBオリゴマーに基づかない重合可能な材料、および/または、それぞれシリコン原子と結合している少なくとも2つの水素原子を有していない架橋剤を含むことができる。たとえば、本発明の組成物は、分岐PIBオリゴマー骨格を含むことができる。さらに、この線状のまたは分岐したPIBオリゴマー骨格は、内部もしくはペンダント型のアルケニル、または場合により末端にアルケニルもしくはアリル末端基がない他の官能基を含むことができる。さらに、このオリゴマー骨格は、PIBと別のモノマー、たとえばスチレンとのコポリマーを含むこともできる。コポリマーは、ランダムまたはブロックコポリマーでよい。
さらに、アルケニルおよび/またはアリル末端基がないまたは実質的にない線状のまたは分岐したPIBポリマーまたはコポリマー組成物を、本発明において適切に使用することもできる。たとえば、1つまたは複数の末端にSi−CH3末端および/またはペンダント基を1つまたは複数有するこのような線状のまたは分岐したPIBポリマーまたはコポリマー組成物を、本発明において使用することができる。たとえば、1つまたは複数の末端またはペンダントSi−CH3基は、以下のように表すことができる。
式中同一であっても異なっていてもよいR
5、R
6およびR
7はアルキルであり、同一であっても異なっていてもよく、C
1−20からの置換または非置換炭化水素ラジカルでよく、このような炭化水素ラジカルにはアルキル、アルケニル、アリール、アルコキシ、アルケニルオキシ、アリールオキシ、(メタ)アクリルまたは(メタ)アクリルオキシが含まれる。ただし、R
5、R
6およびR
7のうち少なくとも1つはメチルなどのアルキル基である。ラジカル開始剤の使用を利用して、アルキル基、たとえばメチル基から水素を取り去ることができる。得られたアルキルまたはメチルラジカルは、アルケンまたはビニル官能基を有する化合物と反応する。アルケンまたはビニル官能基を有する適切な化合物には、TVCHおよび/または1,9−デカジエンなど上述の多官能性アルケニルモノマー類が含まれるが、これらに限定されない。このようなラジカル開始重合の前、この線状または分岐したPIBポリマーまたはコポリマー組成物に実質的にはSi−H基がない。
別の非限定的な例として、線状または分岐したPIBポリマーまたはコポリマー組成物の1つまたは複数の末端を、以下のように表されるテトラアルキルジシロキサン、望ましくはテトラメチルジシロキサンでキャップすることができる。
式中同一であっても異なっていてもよいR
8、R
9、R
10およびR
11は、アルキルであり、同一であっても異なっていてもよく、アルキル、アルケニル、アリール、アルコキシ、アルケニルオキシ、アリールオキシ、(メタ)アクリルまたは(メタ)アクリルオキシが含まれる炭化水素ラジカルなど、C
1−20からの置換または非置換炭化水素ラジカル、望ましくはメチルなどのアルキル基でよい。このような組成物は、上述のヒドロシリル化触媒により硬化することができ、また場合により、TVCHや1,9−デカジエンなど上述の多官能性アルケニルモノマー類を含むこともできる。
本発明の有用な組成物の追加の例には、エポキシドおよび/またはビニルエーテル末端基を有する線状または分岐したPIBポリマーまたはコポリマー組成物が含まれる。非限定的な例には、PIB脂環式エポキシドおよびPIBビニルエーテルが含まれる。有用な脂環式エポキシド基には、下記が含まれる。
式中、R
12はC
1−20のアルキルまたはHである。有用なPIBビニルエーテル基には下記が含まれる。
さらに、過酸化剤により本発明の組成物を硬化させるか、または硬化を開始させることができる。特に、1つまたは複数のペンダントまたは末端Si−CH3を有する上記化合物は、ペルオキシ剤により開始することができる。ペルオキシ架橋剤および開始剤を含めた有用なペルオキシ剤には、ヒドロペルオキシ重合開始剤、たとえば、式ROOHの有機ヒドロペルオキシド開始剤が含まれ、式中、Rは一般に、最大約18個の炭素を含む炭化水素ラジカル、望ましくは最大約12個の炭素原子を含むアルキル、アリールまたはアラルキルラジカルである。このようなヒドロペルオキシド類の典型的な例には、クメンヒドロペルオキシド、メチルエチルケトンヒドロペルオキシド、ならびにメチルブテン、セタン、シクロヘキサンなど様々な他の炭化水素の酸素化(oxygenation)によって形成されるヒドロペルオキシド類が含まれる。過酸化水素など他のペルオキシ開始剤、あるいは加水分解または分解してヒドロペルオキシド類を形成する有機ペルオキシド類または過酸エステルなどの材料を使用することもできる。
本発明の一態様においては、2液型シーラントを使用してセパレータプレート12、112、28、128と樹脂フレーム15、115とを接着する。シーラントの部分A(A液)は紫外線により活性化される開始剤を含むことができ、この紫外線により活性化される開始剤は、酸、塩基、ラジカル、アニオン性および/またはカチオン性開始剤でよい。シーラントの部分B(B液)は、重合可能なモノマー、オリゴマー、テレケリックポリマーおよび/または官能性ポリマーを含むことができる。官能基は、一例として、エポキシ、アリル、ビニル、(メタ)アクリレート、イミド、アミドまたはウレタンでよい。樹脂フレーム15、115は、燃料電池アセンブリ10、110内に間隔をあけるために使用する。セパレータ12、112、28、128のガス経路側に樹脂フレーム15、115を設置し、各要素間にシールを提供する。第1の製造ラインでは、セパレータプレート12、112、通常ステンレス鋼などの金属シートを、望ましくはその両側をシーラントの部分Aでコーティングし、切断し、型打ちして反応ガスおよび冷却剤用経路のために必要なチャネルを生成し、紫外線で活性化する。樹脂フレーム15、115の少なくとも片側をシーラントの部分Bでコーティングし、コーティングしたセパレータプレート12、112と共に組み立てて、フレームを接着させたアノードセパレータを提供する。第2の製造ラインでは、第2のセパレータプレート12、112、通常ステンレス鋼のシートを、望ましくはその両側をシーラントの部分Bでコーティングし、切断し、型打ちして反応ガスおよび冷却剤用経路のために必要なチャネルを生成して、セパレータプレート28、128を形成する。少なくとも片側をシーラントの部分Aでコーティングし紫外線を照射した第2の樹脂フレーム15、115を、セパレータプレート28、128と共に組み立てて、フレームを接着させたカソードセパレータを提供する。最後に、その一方の側にシーラントの部分Aのコーティングが露出している接着アノードセパレータと、その一方の側にシーラントの部分Bのコーティングが露出している接着カソードセパレータとが位置を合わせられるようにこれら2つの製造ラインが出会い、シーラントの部分Aおよび部分Bが反応し、燃料電池界面を封止して接着アセンブリを形成する。
本発明の別の態様においては、2液型のシーラントを使用してセパレータプレート12、112、28、128を接着する。シーラントの部分Aは紫外線により活性化される開始剤を含むことができ、この紫外線により活性化される開始剤は、酸、塩基、ラジカル、アニオン性および/またはカチオン性開始剤でよい。シーラントの部分Bは、重合可能なモノマー、オリゴマー、テレケリックポリマーおよび/または官能性ポリマーで構成される。官能基は、一例として、エポキシ、アリル、ビニル、(メタ)アクリレート、イミド、アミドまたはウレタンでよい。部分Aを第1のセパレータプレートに付与(塗布)し、部分Bを第2のセパレータプレートに付与(塗布)する。アノードセパレータ12、112の冷却剤経路側に部分Aを付与(塗布)する。カソードセパレータ28、128の冷却剤経路側に部分Bを付与(塗布)する。アノードセパレータ12、112上で、部分Aは紫外線を受けて開始剤を活性化し、その後カソードセパレータ28、128と共に圧縮により組み立てる。部分Aと部分Bとが反応し部品を封止して二極性プレート119を形成するように、セパレータ12、112、28、128を接合する。
本発明の別の態様においては、1液型のシーラントを使用してセパレータプレート12、112、28、128と樹脂フレーム15、115とを接着する。紫外線により活性化される酸、塩基、ラジカル、アニオン性および/またはカチオン性開始剤ならびに重合可能なモノマー、オリゴマー、テレケリックポリマーおよび/または官能性ポリマーで構成することができるシーラントを一方の基板に付与(塗布)し、このシーラントに紫外線を照射し、第2の基板で押し付けてシールを形成することができる。
本発明の別の態様においては、2液型の組成物を使用して接着封止する。部分Aを第1の基板に付与(塗布)する。部分Bを第2の基板に付与(塗布)する。これら2つの基板を組合せ固定する。これら2つの基板を互いに合わせることよって、またはこれらの基板を組み合わせ、圧力、熱、超音波、マイクロ波、これらの任意の組合せなど何らかの形の追加のエネルギーを使用することによって、その最も簡単な形で重合を実現することができる。
図35は、本発明に従って燃料電池や接着燃料電池部品などの接着アセンブリを形成するためのシステム80を示す。システム80は、異なる燃料電池部品を処理するための異なるステーション82、84を備える。このシステムは、2液型のシーラント組成物の第1および第2の部分をそれぞれ分配して異なる燃料電池部品をコーティングするためのディスペンサ86および88を備える。このシステムは、化学線などのエネルギー源90をさらに備える。
本発明の別の態様においては、モジュール型アセンブリおよびガスケットから燃料電池スタックを作製することができる。第1のステップにおいて、樹脂フレームを有するMEAを生成する。紫外線により活性化される単一成分のシーラントで、アノードおよびカソード樹脂フレームについて樹脂フレームの片側をコーティングする。このシーラントを紫外線照射で活性化し、MEAの両側に樹脂フレームを固定する。第2のステップにおいて、2液型シーラントを用いて樹脂フレームにセパレータを接着する。2成分系では、部分Aを基板1に付与(塗布)し、部分Bを基板2に付与(塗布)することになる。部分AおよびBは、組み合わせると、本発明の一形態で重合することができる。樹脂フレームを有するMEAの樹脂フレームを部分Aでコーティングし、その後紫外線照射により活性化する。同時に、セパレータの反応ガス側を部分Bでコーティングする。樹脂フレームを有するMEAを、アノードおよびカソードセパレータと共に固定して、単電池(アノードセパレータ、アノード樹脂フレーム、MEA、カソード樹脂フレーム、カソードセパレータ)を生成する。次のステップにおいて、2部構成のシーラントで単電池を互いに接着して、たとえば10個など選択した数の単電池を含むモジュールを形成する。単電池のコーティング操作を継続し、1つまたは複数の基板の表面に未硬化ポリマーを付与(塗布)する操作を行う。アノードセパレータの冷却剤経路側を部分Aでコーティングし、紫外線照射により活性化することができる。カソードセパレータの冷却剤経路側を部分Bでコーティングすることができる。これらの電池を積み重ね固定して、部分Aを部分Bと反応させ、モジュールの冷却剤経路を封止する。モジュール両端のセパレータは、上述のプロセスにおいてコーティングしなくてもよい。別個の製造ラインにおいて、シートメタルおよび紫外線により活性化されるシーラントからガスケットを生成する。ロール状のシートメタルを切断し、紫外線により活性化される単一成分のシーラントでコーティングし、紫外線下に設置する。所望の数の電池を実現するまでガスケットとモジュールとを交互に積み重ねることによって、燃料電池スタックを組み立てることができる。樹脂フレームおよびセパレータの両側を適当なシーラントでコーティングし、第1の部品に固定し、その後第2の部品に固定することができることも考えられる。
本発明の別の態様においては、モジュール型アセンブリおよびガスケットから燃料電池スタックを作製することができる。第1のステップにおいて、樹脂フレームを有するMEAを生成する。紫外線により活性化される単一成分のシーラントで、2種の樹脂フレームについて樹脂フレームの片側をコーティングする。このシーラントを紫外線照射により活性化し、MEAのどちらかの片側に樹脂フレームを固定する。第2のステップにおいて、樹脂フレームを有するMEAに、2部構成のシーラントを用いて接着セパレータを封止する。2成分系では、シーラントの部分Aを第1の基板に付与(塗布)し、シーラントの部分Bを第2の基板に付与(塗布)することになる。シーラントの部分AおよびBは、組み合わせると、重合して本発明の一態様による接着アセンブリを形成する。たとえば、アノード樹脂フレームを、シーラントの部分Aでコーティングし、その後紫外線照射により活性化することができる。樹脂フレームを有するMEAを、接着セパレータと共に固定して、単電池(カソードセパレータ、アノードセパレータ、アノード樹脂フレーム、MEAおよびカソード樹脂フレーム)を生成することができる。アノードおよびカソードセパレータは、2部構成のシーラントを用いて別の製造ラインにおいて接着する。アノードセパレータの冷却剤経路側をシーラントの部分Aでコーティングし、その後紫外線照射により活性化する。カソードセパレータの冷却剤経路側をシーラントの部分Bでコーティングし、アノードセパレータに固定してシーラントの部分Aを部分Bと反応させる。次のステップにおいて、2部構成のシーラントで単電池を互いに接着して、一例として10個など、選択した数の単電池を含むモジュールを形成する。単電池にコーティング操作を行う。カソードセパレータのガス経路側をシーラントの部分Aでコーティングし、紫外線照射により活性化することができる。カソード樹脂フレームをシーラントの部分Bでコーティングすることができる。これらの単電池を積み重ね固定して、シーラントの部分Aをシーラントの部分Bと反応させて、接着単電池のモジュールを生成する。モジュール両端のセパレータおよび樹脂フレームは、上述のプロセスにおいてコーティングしなくてもよい。別個の製造ラインにおいて、シートメタルおよび紫外線により活性化されるシーラントからガスケットを生成する。ロール状のシートメタルを切断し、紫外線により活性化される単一成分のシーラントでコーティングし、紫外線下に設置する。スタック内の所望の数の電池を実現するまでガスケットとモジュールとを交互に積み重ねることによって、燃料電池スタックを組み立てることができる。樹脂フレームおよびセパレータの両側を適当なシーラントでコーティングし、第1の部品に固定し、その後第2の部品に固定することができる。
以下の非限定的な実施例は、本発明をさらに説明するためのものである。
<実施例1>
粘度データ
TVCHは、アルケニル官能性ポリイソブチレン樹脂の粘度の低減に非常に効果的であった。数平均分子量(Mn)が5,000、10,000および20,000のアルケニル官能性ポリイソブチレンにおいて、粘度の低減が観測された。本発明の組成物No.2〜No.4およびNo.6〜No.8用の、また比較組成物No.1およびNo.5用の、Mnが10,000および20,000のアルケニル官能性ポリイソブチレンについて、詳細を図11および図12、表1および表2に示す。
TVCHは、これらのアルケニル官能性ポリイソブチレン樹脂の粘度の低減に効果的であった。得られた本発明の組成物が分離することはなく、これらのアルケニル官能性ポリイソブチレン樹脂を伴う最大約20重量パーセントのTVCH濃度により、透明な単一相の溶液または組成物が形成された。
<実施例2>
DSCおよび安定性の結果
アルケニル基に対するSi−Hのモル比およびアルケニル基に対する白金のモル比を一定に維持しながら、TVCHありおよびなしの調合物を調製した。以下の表3に示す比較組成物No.9は、TVCHなしで調製し、硬化した。この組成物の反応熱は、1グラム当たり29ジュールであった。白金触媒の量が異なる本発明の組成物No.10〜No.14は、アルケニルポリイソブチレン100グラムに基づき、5重量パーセントのTVCHを含んでいた。TVCHを含む本発明の組成物については、1グラム当たり約83ジュールまで反応熱が増大した。
TVCHの添加により、表3に示すように、反応のピーク発熱が96℃から137℃まで上昇した。ビニル基は通常アリル基よりも反応性が高いため、このことは予期せぬことであった。TVCHの添加により、以下で検討する一部非常に望ましいが予期せぬ結果がもたらされた。低温(100℃未満)で動作するPEM燃料電池については130℃を下回る、好ましくは110℃を下回る硬化温度を保持することが望ましいため、白金触媒濃度を変えることによってピーク発熱温度を下げることが可能であるかどうかを決定するために、一連の実験を行った。それらの実験、すなわち、本発明の組成物No.10〜No.14により、図12に示すように、アルケニル基の濃度に基づき白金の量を20mppmから60mppmに増大させることによって、ピーク発熱温度を137℃から約92℃まで下げることができた。ピーク発熱温度のこの低下は、活性化エネルギーは高いままであったが活性化温度が著しく低下したことを示していた。したがって、これらの実験は、反応熱を増大させることができ、またスクリーン印刷、液体分配、液体成形操作および他のタイプの付与(塗布)法に有用な粘度を維持しながらピーク発熱温度を下げることができることを示していた。ピーク発熱の変化率は、この一連の実験においては60mppmを上回り劇的に減少したが、触媒濃度を増大させることによりもたらすことができる利益には実際には限界がある。
TVCHなしの比較組成物No.15〜No.18において触媒の濃度を15mppmに増大させることによって、表4に示すように、混合操作中数分以内にゲル化が観測された。表4に示すように組成物内の触媒の量を低減させることによってこれに影響を及ぼすことが可能であった。TVCHの添加なしでより高い触媒濃度を用いると、単一成分組成物として材料を作製し、ゲル化を観測することなく組成物を付与(塗布)することが困難であった。
禁止剤を使用すると、時間の関数としての粘度の変化を低減する手助けをすることができる。しかしながら、禁止剤は、燃料電池内で使用した場合、組成物から拡散するまたは抽出され、電池の性能に望ましくない影響を引き起こす可能性がある。これらの変化として、装置の出力全体の減少に反映される疎水性/親水性バランスおよび燃料電池触媒の変化を挙げることができるが、これらに限定されない。
TVCHの予期しなかった安定化効果により、より高濃度の白金触媒を使用すること、ゲル化なしで組成物を作製すること、および架橋してポリマーネットワークになる部分を用いて安定性を向上させることが可能となり、それにより最終用途における種の拡散または抽出が低減される。架橋して最終的なネットワークとなることはない低濃度の禁止剤と共にTVCHを使用することもできる。
本発明の組成物にTVCHを添加した場合、本発明の混合組成物の貯蔵寿命に予期せぬ改善が観測された。このことは、本発明の組成物No.20〜No.24を比較組成物No.19と比較することによって表5において強調される。TVCHを有する本発明の組成物No.20〜No.24は、TVCHを含んでいない比較組成物No.19と比較した場合、時間の関数として粘度がよりゆっくりと増加した。たとえば、表5に示すTVCHなしの比較組成物No.19は、数分以内に室温で混合プロセス中にゲル化した。同じ触媒充填レベルおよびより高い触媒充填レベルでTVCHを添加すると、組成物はより長時間液状のままであったため、基板上に材料を付与(塗布)するまたは成形するための実用的な時間が提供された。
定式化物理的特性データ(圧縮永久ひずみ、硬度&機械的特性)
ポリアルキル水素シロキサンの含量を変えることによってアルケニル基の総数に対するSi−Hの量を変えながら、アルケニル終端PIBに対して一定比率のTVCHを用いて本発明の組成物25〜30を調製して、物理的特性、機械的特性および熱力学特性の変化を測定した。「A」官能基(「NA」)の数の「B」官能基(「NB」)の数に対する比は、化学量論的不均衡(stoichiometric imbalance)(r=NA/NB)と称される。表6および表7ならびに図13は、化学量論的不均衡が増大するにつれて、アルケニル基に対するSi−Hの比が増大し、機械的特性が増大する一方で圧縮永久ひずみ値が減少したことを示している。最適な特性は、約1.4対1.0(Si−H対アルケニル基)の化学量論的不均衡で得られた。圧縮永久ひずみの絶対値は、劇的に8%まで減少したが、この値はエラストマーでは非常に低く、予期せぬものである。
アルケニル基の総数に対するSi−Hのモル比1.5:1でアルケニル終端PIBおよびポリアルキル水素シロキサンを用いて比較組成物No.31を調製した。比較組成物No.31は、TVCHを含んでいなかった。比較組成物No.31に禁止剤−−3,5−ジメチル−1−ヘキシン−オール−−を添加して、圧縮試験を行うことができるように組成物の硬化速度を抑制した。禁止剤なしでは、組成物が2〜3分以内にゲル化した。比較組成物No.31は、圧縮永久ひずみが22%であると観測された。表6に示すように、本発明の組成物No.30は、比較組成物No.31と比較して大幅に向上した圧縮永久ひずみ特性を有していた。本発明の組成物No.30および比較組成物No.31についてのSi−H対アルケニルモル比は、同じ1.5:1であった。
引張強度、弾性率、硬度の増大および対応する破断点伸びの減少は、アルケニル基に対するSi−Hが増大するにつれて架橋密度の増大と一致していた。
表7および図14に示すように、反応熱の最大値近くで最適な機械的特性が生じることが観測された。化学量論比1:1で、温度の関数としてプロットした反応熱からのエンタルピーが温度上限180℃では二峰性であることも観測された(図15参照)。化学量論的不均衡に基づく本発明の組成物が、温度上限約140℃では単一の非対称曲線を有していた(図16参照)。100℃未満で動作する燃料電池には、より低温がより良い。反応の大部分は120℃未満で完了した。このことは、低温PEM燃料電池には望ましい。高温ではPEMの性能が重度に劣化することがあるため、120℃未満など、130℃未満の硬化温度を維持することが望ましい。
数学的減算法を用いて化学量論比が1:1および1.5:1の組成物について赤外スペクトルを比較して、化学量論的なネットワークと比較して過剰な量のSi−Hを含む硬化ネットワーク中には過剰な濃度のSi−Hが存在することを確認した。この減算スペクトルは、4000cm−1から1200cm−1までのきちんとした架橋剤についてのスペクトルと一致していた。
<実施例4>
1,9−デカジエンを有する本発明の組成物
1,9−デカジエンおよび二環式デカジエン架橋剤を用いて以下の表8に示すような本発明の組成物No.32を調製した。この組成物は、優れた反応データ、たとえば、発熱データおよび反応熱を示した。
表9に示す成分から以下のように本発明の基本調合物を調製した。
混合手順
1.全ての成分を添加する。
2.均一になるまで15分間Cowlesブレードで混合する。
紫外線により活性化される白金錯体を使用し、またヒドロシリル化反応を照射により開始し、放射の除去後も継続する(後硬化)。
試験した紫外線で変わりやすい錯体には、以下が含まれる。
以下に示すように、潜在的に有害な熱の除去を伴って硬化時間の実質的な削減を実現した。
<実施例6>
紫外線硬化ポリイソブチレン/シラン
実施例5で使用した本発明の基本調合物A、すなわち、フェニルシラン架橋剤を有する不飽和PIBを本実施例で使用した。
以下の触媒の組合せを、本発明の基本調合物Aにおいて評価した。
a.CH2Cl2中で本発明の基本調合物A100gを3%のPt(acac)20.68gと混合することによって、本発明の組成物No.33(Pt(acac)2、(49.6%Pt)@100ppmのPt)を調製した。
b.EtOAc中で本発明の基本調合物A100gを5%のTMMCP0.16gと混合することによって、本発明の組成物No.34(TMMCP、(61.1%Pt)@50ppmのPt)を調製した。
c.EtOAc中で本発明の基本調合物A100gを5%のTMMCP0.32gと混合することによって、本発明の組成物No.35(TMMCP、(61.1%Pt)@100ppmのPt)を調製した。
本発明の組成物No.33〜35の5グラム試料を、小さいアルミニウム製のパンに設置し、以下の表10に示すように、8mW/cm2UV−BでOrielランプを、または100mW/cm2UV−BでZeta7216を照射した。
上記結果により、紫外線により活性化される白金硬化の実現可能性が確認され、硬化時間は熱硬化から大幅に削減される。Orielランプで硬化した本発明の組成物No.35は、熱硬化した対照と同じまたは熱硬化した対照よりも優れた表面特性を示した。データが示すように、より高い強度をより短時間照射するよりも、より低い強度をより長時間照射することがより望ましいようである。
<実施例7>
紫外線硬化ポリイソブチレン/シラン、200ppmのPt
実施例5による本発明の基本調合物A、すなわち、フェニルシラン架橋剤を有する不飽和PIBを本実施例で使用した。
以下の触媒の組合せを評価した。
a.CH2Cl2中で本発明の基本調合物A50gを3%のPt(acac)20.68gと混合することによって、本発明の組成物No.36(Pt(acac)2、(49.6%Pt)@200ppmのPt)を調製した。
b.EtOAc中で本発明の基本調合物A50gを5%のTMMCP0.32gと混合することによって、本発明の組成物No.37(TMMCP、(61.1%Pt)@200ppmのPt)を調製した。
本発明の組成物No.36およびNo.37の5グラム試料を、小さいアルミニウム製のパンに設置し、以下の表11に示すように、8mW/cm2UV−BでOrielランプを照射した。
以上に示すように、最適な硬化は3分の照射後に得られ、後硬化は24時間後に著しく明白で、またPt(acac)2の系で最も顕著である。