JP5594587B2 - フラン誘導体 - Google Patents

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本発明は、新規なフラン誘導体に関する。本化合物は、反応性と電荷輸送性(ホール輸送性)機能を併せ持ち、ディールス・アルダー反応により熱可塑性樹脂あるいは架橋硬化樹脂を形成することができ、得られた樹脂が電荷輸送機能を発現することで有機EL、有機電子写真感光体、有機TFT、有機太陽電池等の有機デバイス用半導体材料として有用である。
従来では、電荷輸送機能を樹脂に持たせる方法としては、電荷輸送性材料をバインダー樹脂中に分散させる方法が最も一般的であり、特に、電子写真感光体では、広く使用されている。しかしながら、電荷輸送機能部の機械的強度や耐熱性を上げる為には、電荷輸送性材料とバインダー樹脂を一体化させることが有利であり、そのような取り組みが行われてきた。
それらの中で、電荷輸送性構造体にラジカル重合性基を持たせた電荷輸送性モノマー及びその重合体が提案され、トリフェニルアミン骨格を有するアクリル酸エステル類及びその重合体が開示されている(例えば、特許文献1、2参照)。
また、二つ以上のラジカル重合性基を有する電荷輸送性モノマーの電子写真感光体への応用例が示され、多数の電荷輸送性モノマーが提案されている。中でも架橋性の良好なアクリル酸エステル系化合物が多数開示されている(例えば、特許文献3、4参照)。
これらの電荷輸送性モノマーを用い、耐摩耗性が高い架橋電荷輸送材料を形成できるが、架橋反応する際、重合開始剤を使用したり、紫外線或いは電子線を照射したりすることにより、得られた架橋電荷輸送材料の電気特性劣化は避けられない。
また、これまでの架橋膜が一度架橋構造になると、熱可塑性と溶解性を失うので、再利用ができず、廃棄時に焼却又は埋立て処分する必要があった。
一方、ディールス・アルダー反応は触媒を使用しないケースもあり、副生成物が少ない可逆反応として知られ、この反応を利用して樹脂合成の例が報告されている(例えば、特許文献5、非特許文献1)。したがって、ディールス・アルダー反応を利用した電荷輸送層を感光体に適用できれば、耐摩耗性や電荷輸送性に優れており、廃棄時の再利用も可能な環境負荷の少ない電子写真感光体が期待される。
しかしながら、そのような材料はこれまで知られていなかった。
本発明は、上述した実情を考慮してなされたもので、良好な電荷輸送性を有し、ディールス・アルダー反応が可能であり、各種有機デバイス用材料となるフラン誘導体を提供することを目的とする。
本発明の上記課題は、下記(1)〜(3)及び(4)〜(6)によって解決される。
(1)「下記一般式(1)で表されるフラン誘導体;
Figure 0005594587
(式中、Ar1、Ar2は置換基を有してもよいアリール基を表し、R1は炭素数1〜6のアルキレン基を表す。)」、
(2)「下記一般式(2)で表される前記(1)項記載のフラン誘導体;
Figure 0005594587
(式中、R1は炭素数1〜6のアルキレン基を表し、R2〜R11は各々独立して、置換基を有してもよい炭素数1〜6のアルキル基、置換基を有してもよい炭素数1〜6のアルコキシ基、置換基を有してもよいアリール基を表す。)」、
(3)「下記一般式(3)で表される前記(2)項記載のフラン誘導体;
Figure 0005594587
(式中、R2〜R11は各々独立して、置換基を有してもよい炭素数1〜6のアルキル基、置換基を有してもよい炭素数1〜6のアルコキシ基、置換基を有してもよいアリール基を表す。)」。
(4)「下記一般式(4)で表されるフラン誘導体;
Figure 0005594587
(式中、Ar1、Ar2は置換基を有しても良いアリール基を表し、R1は炭素数1〜6のアルキレン基を表す。)」、
(5)「下記一般式(5)で表される前記(4)項記載のフラン誘導体;
Figure 0005594587
(式中、R1は炭素数1〜6のアルキレン基を表し、R2〜R11は各々独立して、置換基を有しても良い炭素数1〜6のアルキル基、置換基を有しても良い炭素数1〜6のアルコキシ基、置換基を有しても良いアリール基を表す。)」、
(6)「下記一般式(6)で表される前記(5)項記載のフラン誘導体;
Figure 0005594587
(式中、R2〜R11は各々独立して、置換基を有しても良い炭素数1〜6のアルキル基、置換基を有しても良い炭素数1〜6のアルコキシ基、置換基を有しても良いアリール基を表す。)」。
本発明の前記一般式(1)、(2)、(3)、(4)、(5)、(6)で表されるフラン誘導体は、新規化合物であり、反応性と電荷輸送性(ホール輸送性)機能を併せ持ち、ディールス・アルダー反応により熱可塑性樹脂あるいは架橋硬化樹脂を形成することができ、得られた樹脂が電荷輸送機能を発現することで有機EL、有機電子写真感光体、有機TFT、有機太陽電池等の有機デバイス用半導体材料として有用である。
実施例1で得られたフラン誘導体の赤外吸収スペクトル図(KBr錠剤法)である。 実施例2で得られたフラン誘導体の赤外吸収スペクトル図(KBr錠剤法)である。
以下、本発明の実施形態を詳細に説明する。
ディールス・アルダー反応は、ジエンとジエノフィルとの反応であり、多くの化合物に適用できるが、電気特性劣化が少ないことと反応温度が穏やかなことから、ジエンにフラン誘導体を用い、ジエノフィルに多官能マレイミドを用いる組み合わせが有機感光体を含む有機デバイス用材料に最適である。とりわけ、電子供与性を示すホール輸送性化合物をフラン誘導体とすることが、反応性やホール輸送性を発揮させるに有利であることが分かった。そこで、本発明は優れたディールス・アルダー反応性とホール輸送性を有する好適なフラン誘導体として、前記一般式(1)、(2)、(3)、(4)、(5)、(6)で表されるフラン誘導体を提供する。
前記一般式(1)、(2)、(3)(4)、(5)、(6)において、R1は炭素数1〜6のアルキレン基を表し、メチレンが好ましい。
Ar1、Ar2は、置換基を有してもよいアリール基であり、置換基を有してもよいアリール基としては、フェニル基、ナフチル基、ビフェニリル基、ターフェニリル基、ピレニル基、フルオレニル基、9,9−ジメチル−2−フルオレニル基、アズレニル基、アントリル基、トリフェニレニル基、クリセニル基、及び、下記一般式(7)、(8)、(9)、(10)で表される基等が挙げられる。
Figure 0005594587
Figure 0005594587
(式中、Xは−O−、−S−、−SO−、−SO−、−CO−及び下記一般式(9)、(10)で表される以下の2価基を表す。)
Figure 0005594587
Figure 0005594587
(ここで、R12、R13は水素原子、ハロゲン原子、置換を有してもよいアルキル基、置換を有してもよいアリール基を表し、aは1〜12の整数、bは1〜3の整数を表す。)
これらの置換基としては、ハロゲン原子、置換基を有してもよい炭素数1〜6のアルキル基、置換基を有してもよいアルコキシ基が挙げられる。
ハロゲン原子の具体例として、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子を挙げることができる。また、炭素数1〜6のアルキル基の置換基としては、ハロゲン原子、フェニル基が挙げられる。また、置換基を有してもよいアルコキシ基は、上記置換基を有してもよい炭素数1〜6のアルキル基を有するアルコキシ基を表し、その具体例としては、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、i−プロポキシ基、t−ブトキシ基、n−ブトキシ基、ベンジルオキシ基等が挙げられる。
前記R2〜R11は、それぞれ独立して、置換基を有してもよい炭素数1〜6のアルキル基、置換基を有してもよいアルコキシ基、置換基を有してもよいアリール基を表す。炭素数1〜6のアルキル基の置換基としては、ハロゲン原子、フェニル基が挙げられる。
置換基を有してもよい炭素数1〜6のアルキル基の具体例としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、t−ブチル基、s−ブチル基、n−ブチル基、i−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、シクロヘキシル基、トリフルオロメチル基、ベンジル基、4−クロロベンジル基、4−メチルベンジル基等が挙げられる。
また、アルコキシ基は、上記置換基を有してもよい炭素数1〜6のアルキル基を有するアルコキシ基を表し、その具体例としては、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、i−プロポキシ基、t−ブトキシ基、n−ブトキシ基、ベンジルオキシ基等が挙げられる。
また、アリール基としては、フェニル基、ナフチル基、ビフェニリル基、ターフェニリル基、ピレニル基、フルオレニル基、9,9−ジメチル−2−フルオレニル基、アズレニル基、アントリル基、トリフェニレニル基、クリセニル基等が挙げられる。
これらの置換基としては、ハロゲン原子や炭素数1〜6のアルキル基が挙げられる。ハロゲン原子、炭素数1〜6のアルキル基は、上記記載と同様である。
一般式(1)(2)、(3)の本化合物の例示化合物を下記に示す。
Figure 0005594587
Figure 0005594587
次に、一般式(4)、(5)、(6)の本化合物の例示化合物を下記に示す。
Figure 0005594587
Figure 0005594587
本発明のフラン誘導体は新規物質であり、例えば一般式(1)〜(3)のフラン誘導体は下記の光延反応により容易に合成することができる。
Figure 0005594587
また、一般式(4)〜(6)のフラン誘導体は下記の光延反応により容易に合成することができる。
Figure 0005594587
すなわち、本発明のフラン誘導体は、触媒とするアゾジカルボン酸エステルとトリフェニルホスフィンの存在下、アルコール体とジフェノール誘導体とを脱水縮合させることによって製造される。
ここで使用されるアゾジカルボン酸エステルとトリフェニルホスフィンは何れも市販品が使える。アゾジカルボン酸エステルは1,1’−(アゾジカルボニル)ジピペリジン、アゾジカルボン酸ジ−tert−ブチル、アゾジカルボン酸ジベンジル、アゾジカルボン酸ジエチル、アゾジカルボン酸ジイソプロピル、アゾジカルボン酸ジメチルなどが挙げられる。トリフェニルホスフィンは4−(ジメチルアミノ)フェニルジフェニルホスフィン、ジシクロヘキシルフェニルホスフィン、ジエチルフェニルホスフィン、ジフェニル−2−ピリジルホスフィン、イソプロピルジフェニルホスフィン、フェノキシジフェニルホスフィン、トリ−n−オクチルホスフィン、トリ−tert−ブチルホスフィン、トリブチルホスフィン、トリシクロヘキシルホスフィン、トリ−n−ヘキシルホスフィン、トリフェニルホスフィンなどが挙げられる。
使用できるアルコール体としては、下記一般式(12)で表されるアルコールを使用することができる。
Figure 0005594587
R1は、一般式(1)〜(3)及び(4)〜(6)と同様であり、例えばフルフリルアルコールなどが挙げられ、市販品と合成品とも使用できる。
ジフェノール誘導体としては、下記一般式(13)で表されるジフェノール誘導体を使用することができる。
Figure 0005594587
Ar,Arは、一般式(1)〜(6)と同様であり、例えば、特許第3540099号公報に記載されるような、従来公知の化合物及び合成方法により得ることができる。
使用できる溶媒としては、ピリジン、トリエチルアミン、テトラヒドロフラン、ジメチルホルムアミド、ジエチルエーテル、ジメチルスルホキシド、ジクロロメタン、クロロホルムおよびトルエン等が挙げられる。
反応温度は、−5℃から溶媒の沸点の範囲で実施可能であり、0℃から室温の範囲が好ましい。さらに、反応は窒素、アルゴン等の不活性ガス気流下に実施することが好ましい。反応時間は通常1時間から24時間で完結する。
以下、本発明の実施例について説明するが、本発明は下記実施例に限定されるものではない。
かき混ぜ装置、温度計、滴下漏斗をつけた反応容器に、下記分子式で表されるジフェノール誘導体10g、フルフリルアルコール4.06g(東京化成品製)、トリブチルホスフィン10.05g(東京化成品製)、脱水ジクロロメタン200mlを入れ、窒素気流下、1,1’−(アゾジカルボニル)ジピペリジン12.53g(東京化成品製)を溶かしたジクロロメタン溶液30mlを3℃でゆっくり滴下し、さらに同温度で10時間反応を行った。その後、ろ過して、エバポレーターにより反応溶媒を除き、粗収物の黄色粉体を得、さらにシリカゲルによりカラム精製を行った後、淡黄色粉体のフラン誘導体(例示化合物No.2)4.53gを得た。
Figure 0005594587
元素分析結果を以下に示す。
元素分析値(%)
C H N
実測値 81.85% 5.80% 1.96%
計算値 82.09% 5.79% 2.18%
また、赤外吸収スペクトル(KBr錠剤法)を図1に示す。
かき混ぜ装置、温度計、滴下漏斗をつけた反応容器に、下記分子式で表されるジフェノール誘導体10g、フルフリルアルコール4.04g(東京化成品製)、トリブチルホスフィン10g(東京化成品製)、脱水ジクロロメタン200mlを入れ、窒素気流下、1,1’−(アゾジカルボニル)ジピペリジン12.47g(東京化成品製)を溶かしたジクロロメタン溶液30mlを1℃でゆっくり滴下し、さらに同温度で10時間反応を行った。その後、ろ過して、エバポレーターにより反応溶媒を除き、粗収物の白色粉体を得、さらにシリカゲルによりカラム精製を行った後、白色粉体のフラン誘導体(例示化合物No.2)4.53gを得た。
Figure 0005594587
元素分析結果を以下に示す。
元素分析値(%)
C H N
実測値 81.83% 6.09% 2.17%
計算値 81.55% 6.20% 1.98%
また、赤外吸収スペクトル(KBr錠剤法)を図2に示す。
(応用例1)
アルミ板上にメタノール/ブタノール混合溶媒に溶解したポリアミド樹脂(CM−8000:東レ社製)溶液をドクターブレードで塗布し、自然乾燥して0.3μmの中間層を設けた。この上に電荷発生物質として下記式で表されるビスアゾ化合物をシクロヘキサノンと2−ブタノンの混合溶媒中でボールミルにより粉砕し、得られた分散液をドクターブレードで塗布し、自然乾燥して0.5μmの電荷発生層を形成した。
Figure 0005594587
次に、形成した電荷発生層の上に下記組成の電荷輸送層塗工液をドクターブレードで塗布し、自然乾燥し、自然乾燥し、次いで130℃で30分間乾燥して厚さ20μmの電荷輸送層を形成して感光体を作製した。(部は重量部を表す)。
実施例1で得られたフラン誘導体(例示化合物No.2) 1.75部
ポリカーボネート樹脂(パンライトTS2050、帝人化成社製) 2.5部
テトラヒドロフラン 24.1部
かくしてつくられた感光体について市販の静電複写紙試験装置[(株)川口電機製作所製SP428型]を用いて暗所で−6KVのコロナ放電を20秒間行って帯電せしめた後、感光体の表面電位V(V)を測定し、更に20秒間暗所に放置した後、表面電位V(V)を測定した。次いで、タングステンランプ光を感光体表面での照度が5.3 luxになるように照射して、Vが1/2になるまでの時間(秒)を求め、露光量E1/2(lux・sec)を算出した。その結果を、以下に示す。
= −1360 V
= −1079 V
1/2= 1.15 lux・sec
(応用例2)
アルミ板上に応用例1と同様に中間層と電荷発生層をそれぞれ形成して、その上に下記組成の電荷輸送層塗工液をドクターブレードで塗布し、自然乾燥し、次いで80℃で8時間乾燥して厚さ17μmの電荷輸送層を形成して感光体を作製した。(部は重量部を表す)。
実施例で得られたフラン誘導体(例示化合物No.2) 3部
2,2−ジ(2−フリル)プロパン(東京化成) 0.9部
下記構造で表れるトリスマレイミド(非特許文献1により得られる) 2.4部
ジクロロメタン 25.2部
Figure 0005594587
応用例1と同様に電気特性の評価を行った。その結果を、以下に示す。
= −1067 V
= −920 V
1/2 = 1.68 lux・sec
(応用例3)
スライダガラス板の上に応用例2の電荷輸送層塗工液をドクターブレードで塗布し、自然乾燥し、次いで80℃で8時間乾燥して厚さ17μmの膜を形成した。フィッシャーインストルメンツ製表面皮膜物性試験機フィッシャースコープH−100を使用して、該膜の弾性仕事率およびユニバーサル硬度を測定した。その結果を、以下に示す。
ユニバーサル硬度:249.6N/mm2
弾性仕事率:40.7%
応用例1の結果より、本発明のフラン誘導体は良好な電気特性を有し、電荷輸送性材料として使える。
応用例2と3の結果から、ディールス・アルダー反応により本発明のフラン誘導体と多官能マレイミド化合物からなる電荷輸送層が電気特性と機械強度に優れることは明らかであった。
(応用例4)
アルミ板上にメタノール/ブタノール混合溶媒に溶解したポリアミド樹脂(CM−8000:東レ社製)溶液をドクターブレードで塗布し、自然乾燥して0.3μmの中間層を設けた。この上に電荷発生物質として下記式で表されるビスアゾ化合物をシクロヘキサノンと2−ブタノンの混合溶媒中でボールミルにより粉砕し、得られた分散液をドクターブレードで塗布し、自然乾燥して0.5μmの電荷発生層を形成した。
Figure 0005594587
次に、形成した電荷発生層の上に下記組成の電荷輸送層塗工液をドクターブレードで塗布し、自然乾燥し、自然乾燥し、次いで130℃で30分間乾燥して厚さ20μmの電荷輸送層を形成して感光体を作製した。(部は重量部を表す)。
実施例で得られたフラン誘導体(例示化合物No.22) 1.75部
ポリカーボネート樹脂(パンライトTS2050、帝人化成社製) 2.5部
テトラヒドロフラン 24.1部
かくしてつくられた感光体について市販の静電複写紙試験装置[(株)川口電機製作所製SP428型]を用いて暗所で−6KVのコロナ放電を20秒間行って帯電せしめた後、感光体の表面電位V(V)を測定し、更に20秒間暗所に放置した後、表面電位V(V)を測定した。次いで、タングステンランプ光を感光体表面での照度が5.3 luxになるように照射して、Vが1/2になるまでの時間(秒)を求め、露光量E1/2(lux・sec)を算出した。その結果を、以下に示す。
= −1574 V
= −1377 V
1/2= 2.06 lux・sec
(応用例5)
アルミ板上に応用例4と同様に中間層と電荷発生層をそれぞれ形成して、その上に下記組成の電荷輸送層塗工液をドクターブレードで塗布し、自然乾燥し、次いで80℃で8時間乾燥して厚さ17μmの電荷輸送層を形成して感光体を作製した。(部は重量部を表す)。
実施例で得られたフラン誘導体(例示化合物No.22) 3部
2,2−ジ(2−フリル)プロパン(東京化成) 0.9部
下記構造で表れるトリスマレイミド(非特許文献1により得られる) 2.4部
ジクロロメタン 25.2部
Figure 0005594587
応用例4と同様に電気特性の評価を行った。その結果を、以下に示す。
= −1367 V
= −1020 V
1/2 = 2.18 lux・sec
(応用例6)
スライダガラス板の上に応用例5の電荷輸送層塗工液をドクターブレードで塗布し、自然乾燥し、次いで80℃で8時間乾燥して厚さ17μmの膜を形成した。フィッシャーインストルメンツ製表面皮膜物性試験機フィッシャースコープH−100を使用して、該膜の弾性仕事率およびユニバーサル硬度を測定した。その結果を、以下に示す。
ユニバーサル硬度:229.5N/mm2
弾性仕事率:40.1%
応用例4の結果より、本発明のフラン誘導体は良好な電気特性を有し、電荷輸送性材料として使える。
応用例5と6の結果から、ディールス・アルダー反応により本発明のフラン誘導体と多官能マレイミド化合物からなる電荷輸送層が電気特性と機械強度に優れることは明らかであった。
特開平5−202135号公報 特開2006−52190号公報 特開2000−066424号公報 特開2000−206716号公報 特開2004−231660号公報
Science誌、1698〜1702ページ(2002年)

Claims (6)

  1. 下記一般式(1)で表されるフラン誘導体。
    Figure 0005594587
    (式中、Ar1、Ar2は置換基を有してもよいアリール基を表し、R1は炭素数1〜6のアルキレン基を表す。)
  2. 下記一般式(2)で表される請求項1記載のフラン誘導体。
    Figure 0005594587

    (式中、R1は炭素数1〜6のアルキレン基を表し、R2〜R11は各々独立して、置換基を有してもよい炭素数1〜6のアルキル基、置換基を有してもよい炭素数1〜6のアルコキシ基、置換基を有してもよいアリール基を表す。)
  3. 下記一般式(3)で表される請求項2記載のフラン誘導体。
    Figure 0005594587
    (式中、R2〜R11は各々独立して、置換基を有してもよい炭素数1〜6のアルキル基、置換基を有してもよい炭素数1〜6のアルコキシ基、置換基を有してもよいアリール基を表す。)
  4. 下記一般式(4)で表されるフラン誘導体;
    Figure 0005594587
    (式中、Ar1、Ar2は置換基を有しても良いアリール基を表し、R1は炭素数1〜6のアルキレン基を表す。)
  5. 下記一般式(5)で表される請求項4に記載のフラン誘導体;
    Figure 0005594587
    (式中、R1は炭素数1〜6のアルキレン基を表し、R2〜R11は各々独立して、置換基を有しても良い炭素数1〜6のアルキル基、置換基を有しても良い炭素数1〜6のアルコキシ基、置換基を有しても良いアリール基を表す。)
  6. 下記一般式(6)で表される請求項5に記載のフラン誘導体;
    Figure 0005594587
    (式中、R2〜R11は各々独立して、置換基を有しても良い炭素数1〜6のアルキル基、置換基を有しても良い炭素数1〜6のアルコキシ基、置換基を有しても良いアリール基を表す。)
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