JP5594557B2 - 圧電アクチュエータと液滴吐出ヘッド及び画像形成装置 - Google Patents

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Description

この発明は、例えばインク滴等の液滴を吐出するための駆動源となる圧電アクチュエータと、圧電アクチュエータを使用した液滴吐出ヘッド及び画像形成装置に関するものである。
一般に、プリンタ、ファックス、複写機、プロッタあるいはこれらの内の複数の機能を複合した画像形成装置としては、例えば、インクの液滴を吐出する液滴吐出ヘッドで構成した記録ヘッドを備え、記録媒体を搬送しながら、インク滴を記録媒体に付着させて画像形成を行うものがある。この液滴吐出ヘッドとしては、インク滴を吐出する複数の並列されたノズルに個別に対応して配置された複数の液室の少なくとも一部の壁面を振動板で形成し、この振動板を圧電素子によって変形させて液室の容積を変化させてインク滴を吐出させる圧電アクチュエータを使用した液滴吐出ヘッドが知られている。このような圧電アクチュエータは、例えば導電性を有するベース部材に接合された積層型圧電素子を用いて、内部電極を端面に引き出した外部電極にFPC(フレキシブルプリントケーブル)などの配線手段の電極を接合し、各圧電素子に画像信号に応じた駆動信号を与えるようにしている。この積層型圧電素子の外部電極にFPCを接続する方法が特許文献1や特許文献2に開示されている。特許文献1と特許文献2には圧電素子と導電部材を導電性接着剤で接続している。
特開2007−196438号公報 特開2007−55021号公報
特許文献1と特許文献2に示すように、圧電素子と導電部材を導電性接着剤で接合していると、ベース部材と圧電素子間の接合抵抗が大きく、このため吐出特性の低下が起こるという問題がある。
この発明は、このような問題を解消し、ベース部材と圧電素子間で導通をとり、吐出特性の良好な圧電アクチュエータと液滴吐出ヘッド及び画像形成装置を提供することを目的とするものである。
この発明の圧電アクチュエータは、複数の圧電素子柱を有する圧電部材にフレキシブルプリント基板を接合して給電を行う圧電アクチュエータにおいて、前記圧電部材の長手方向の両端部を除いた少なくとも三面に半田層の外部電極を有し、その一面は前記圧電部材を保持するベース部材と導通している。
そして、前記圧電部材の圧電材料は前記半田層の半田溶融及び固化により前記ベース部材に半田接合され、前記圧電部材に形成された前記半田層のなかで前記ベース部材と導通する面とは異なる一面にフレキシブルプリント基板が接続され、前記フレキシブルプリント基板と接続する前記圧電部材の面は、前記ベース部材と接続する前記圧電部材の面に対して鋭角に形成されていることを特徴とする。
また、前記圧電部材を保持するベース部材と導通する半田層は前記圧電部材の他の一面に形成された半田層と導通していることを特徴とする。
また、前記圧電部材と前記ベース部材の半田層による接合部を接着材で補強し、ベース部材と圧電部材をより強固に連結することを特徴とする。
さらに、前記圧電部材に対して前記半田層がスパッタ又は蒸着により形成されていることを特徴とする。
この発明の液滴吐出ヘッドは、前記圧電アクチュエータを有し、圧電アクチュエータを駆動して液滴を吐出することを特徴とする。
この発明の画像形成装置は、前記液滴吐出ヘッドを有し、液滴吐出ヘッドからインク滴を吐出させて記録媒体に画像を形成することを特徴とする。
この発明は、複数の圧電素子柱を有する圧電部材の少なくとも三面に半田層の外部電極を設け、半田層の一面で圧電部材を保持するベース部材と導通させることにより、圧電部材とベース部材の接合抵抗を下げることができ、安定した駆動特性の圧電アクチュエータを得ることができる。
そして、圧電部材の圧電材料とベース部材とを半田層を利用して半田溶融及び固化により接合するから、接合工数を削減することができる。しかも、フレキシブルプリント基板と接続する圧電部材の面をベース部材と接続する圧電部材の面に対して鋭角に形成することにより、フレキシブルプリント基板と接続する圧電部材の面に所定の厚さの半田層を安定して形成することができる。
さらに、圧電部材を保持するベース部材と導通する半田層を圧電部材の他の一面に形成された半田層と導通させることにより、圧電部材の共通電極をベース部材に安定して接続することができる。
この発明の圧電アクチュエータを使用した液滴吐出ヘッドは、半田によるベース部材と圧電部材を接合することにより、共通電極に個別電極からの電流が集中しても安定した吐出特性を得ることができる。
この液滴吐出ヘッドを使用した画像形成装置は、安定してインク滴を吐出して良好な画像を安定して形成することができる。
図1と図2は、この発明の圧電アクチュエータを有する液滴吐出ヘッドの構成を示し、図1は分解斜視図、図2はノズル配列方向と直交する方向(液室長手方向)に沿う断面図である。図に示すように、液滴吐出ヘッド1はノズル板2と、連通板3aと流路板3bを有する流路基板(液室基板)3と、振動板4と2列の圧電素子群5とベース部材6とが重ねられ、かつ2つの圧電素子群5にFPC7が接合された状態でフレーム8内に収容されて構成されている。ノズル板2にはインクが吐出されるノズル9が2列に設けられている。
流路基板3及び流路基板3の上面に接合したノズル板2と下面に接合した振動板4により加圧液室10と、加圧液室10にインクを供給する供給路を兼ねた流体抵抗部11及び加圧液室10とインク滴を吐出するノズル9を連通する連通孔12を形成している。ノズル板2のノズル9は各加圧液室10に対応して直径10〜30μmで形成されている。
ノズル板2は、ステンレス、ニッケルなどの金属、ポリイミド樹脂フィルムなどの樹脂、シリコン及びそれらの組み合わせからなるものを用いることができる。また、吐出面(吐出方向の表面)には、インクとの撥水性を確保するため、メッキ被膜あるいは撥水剤コーティングなどの周知の方法で撥水膜を形成している。流路基板3の流路板3bはSUS基板を酸性エッチング液によるエッチングあるいはプレスなどの機械加工により各加圧液室10と流体抵抗部11をそれぞれ形成され、連通板3aは各加圧液室10とノズル9を連通する複数の連通孔12が形成されている。この各加圧液室10のピッチは、例えば150dpiで並んでいる。振動板4は、例えばニッケルの金属プレートから形成されているが、樹脂部材あるいは樹脂部材と金属部材の積層部材などで形成することもできる。
2つの圧電素子群5は、ベース部材6に取り付けられており、流路板3bの各加圧液室10においてエネルギー発生手段として機能する。すなわち、図2に示すように、FPC7がそれぞれ接続された2つの圧電素子群5とベース部材6とで圧電アクチュエータ13を構成し、加圧液室10の1つの壁を形成する振動板4に接合される。この各圧電素子群5は、駆動制御のための制御部(図示せず)にFPC7を介して電気的に接続される。FPC7は柔軟性があり大きく変形させることが可能な薄膜状の部材で形成されており、図示しないが内方に複数の電路が設けられている。
圧電素子群5を構成する圧電素子部材14は、図3の断面図に示すように、圧電層(圧電材料層)15と内部電極16aと内部電極16bとを交互に積層して形成される。内部電極16aと内部電極16bを有する内部電極層は、図4(a),(b)の平面図に示すように、それぞれ電極のない部分17が異なるパターン形状で形成されている。積層して形成された圧電素子群5の長さ方向の両側面には電極が形成されないようにスパッタ法を用いて、他の3面に個別電極18と共通電極19及びベース部材6との接合層20を同時に成膜させる。これら金属層としては、下地層の上に半田層を用いるのが好適であり、例えば1層目としてCr層を、2層目としてCu-Ni層を形成し、3層目に半田をスパッタにより成膜した。成膜する半田膜厚は厚い方がよく、例えば半田を2μm成膜した。このようにして得られた金属層を加工面21によりカットして圧電素子群5の個別電極18と共通電極19を形成する。この圧電素子部材14をベース部材6に接合して溝加工(スリット加工)して複数の圧電素子柱を有する圧電素子群5を形成する。この場合、圧電素子部材14を振動板4との接合面との反対側の面をベース部材6上に半田接合することで固定して複数の圧電素子柱を形成する。この圧電素子部材14をベース部材6に接合するとき、圧電素子部材14の外部電極としてCr層とCu-Ni層及び半田層で形成し、AuやAgを使用していないため、コストの面でも有利である。また、ベース部材6と圧電素子部材14の接合した部分に対して接着剤を用いて補強を行ってもよい。この接合した部分を接着剤で補強することにより、ベース部材6と圧電素子部材14をより強固に連結することができる。
この半田層が成膜された圧電素子部材14のノズル配列方向と直交する方向(液室長手方向)に沿う断面図を図5に示す。図5(a)の矢印に示すように圧電素子部材14のベース部材6との接合面方向からスパッタを行うことにより、圧電素子部材14の3面同時に半田を成膜して、個別電極18と共通電極19及びベース部材6との接合層20を同時に成膜することができる。この場合、両側面は底面と比較して35%程度の膜厚しか成膜できない。そこで図5(b)に示すように、FPC7と接着する面をベース部材6との接合面に対して鋭角にしてスパッタを行うことにより、より厚い膜の個別電極18を形成することができる。このベース部材6との接合面に対して鋭角に形成された個別電極18にFPC7を密着させて接合を行えば、図6に示すように、FPC7が圧電素子部材14とベース部材6にならうために、より効果的に接合することができる。
一方、FPC7には各加圧液室10に対応する各チャンネルを駆動する駆動波形(電気信号)を印加するためのドライバIC22を複数搭載している。このように、FPC7に複数のドライバIC22を搭載することで、各ドライバIC22毎に電気信号を設定することができるようになる。また、FPC7と圧電素子部材14との接合の際の半田は圧電素子部材14にあらかじめ存在するため、FPC7側に半田めっきを行う必要がなく、非常にコスト面でも有利である。また、FPC7と圧電素子部材14の接合と、ベース部材6と圧電素子部材14の接合ともに半田接合を行うことにより接合工数を削減することができる。
また、共通電極19は個別電極18からの電流が集中するため、共通電極19はある程度の面積が必要であるが、ベース部材6と圧電素子部材14を半田接合して共通電極19と接続することにより、ベース部材6と圧電素子部材14の間の接合抵抗を下げることができる。例えば、導電性接着剤等を用いてベース部材6と圧電素子部材14を接合すると、その間の接合抵抗が大きい。この抵抗値が大きいと、吐出の効率が低下することが判っている。さらに、長い圧電素子または複数の圧電素子を用いる場合等において、半田によるベース部材6と圧電素子部材14を接合することにより、共通電極19に個別電極18からの電流が集中しても安定した吐出特性を得ることができる。
なお、圧電素子部材14の圧電方向としてd33方向の変位を用いて加圧液室10内のインクを加圧する構成とすることも、圧電素子部材14の圧電方向としてd31方向の変位を用いて加圧液室10内のインクを加圧する構成とすることもできる。前記圧電素子部材14にはd33方向の変位を用いた構成をとっている。
FPC7と圧電素子部材14を接続するための加熱方法としては、ヒータ等を用いた接触加熱方法とレーザ等を用いた非接触加熱方法がある。圧電素子部材14の外部電極を構成する半田層は、FPC7を透過可能なレーザ光の照射またはヒータによる熱圧着等により溶融する。すなわち、FPC7に比較して低い融点を有する材料であり、かつ導電性を有する材料から構成されたものであればよく、鉛(Pb)を含有しないものであることが望ましい。この半田層はスズ(Sn)及びスマス(Bi)を主成分とする半田が用いられている。このように鉛が含有されていないことから、環境保護の観点において効果的であるとともに、スズ(Sn)及びビスマス(Bi)が主成分の半田部材は非鉛の部材の中では非常に低い融点を有していることから、FPC7と圧電素子部材14にダメージを与えることなく容易に溶着することができる。
また、レーザによる加熱の際は、ガラス等の剛性部材でFPC7と圧電素子部材14を密着させて接合させてもよいが、エアー圧によってFPC7と圧電素子部材14を密着させながらレーザによって接合する方が好ましい。圧電素子部材14にFPC7をレーザにより接合する接合装置を図7の構成図を参照して説明する。
接合装置50は、FPC7を保持する第1部材保持機構51と、ベース部材6に接合した圧電素子群5を保持する第2部材保持機構52と、第1部材保持機構51と第2部材保持機構52の上部に設けられたレーザ照射機構53とエアー抑え機構54及び撮像装置55とを有する。第1部材保持機構51はFPC7を保持して位置を調整する調整ステージ56を有する。レーザ照射機構53とエアー抑え機構54及び撮像装置55はてXY方向調整部57aとZ軸方向調整部57bを有するレーザ照射位置調整機構57に設けられている。エアー抑え機構54は、円筒状の筒体の先端部がテーパ状に形成され、この先端部は局所的な気体の吹き付けが可能な口径とされ、後端部近傍が不図示の圧縮空気供給手段に連結されている。このエアー抑え機構54は中心軸線がレーザ照射機構53から出射されるレーザ光と同軸となるように、レーザ照射機構53の下面に気密的に取り付けられレーザ照射機構53と一体化しており、レーザ照射機構53と協働して後端部から先端部に通じる局所押圧風路を形成している。
この接合装置50で第2部材保持機構52に保持した圧電素子群5の圧電素子部材14に第1部材保持機構51で保持したFPC7を接合するとき、まず、破線で示すように、レーザ照射位置調整機構57によりレーザ照射機構53とエアー抑え機構54及び撮像装置55を移動して撮像装置55をFPC7の電極の上方に位置させて、FPC7の電極と圧電素子部材14の例えば個別電極18とが適切な状態で対向するように、撮像装置55からの映像に基づいて第1部材保持機構51の調整ステージ56の位置調整を行う。この位置調整の後、実線で示すように、レーザ照射位置調整機構57によりレーザ照射機構53とエアー抑え機構54及び撮像装置55を移動して適切に対向されたFPC7の電極と圧電素子部材14の個別電極13とを接合すべくレーザ光を照射できる位置にレーザ照射機構53を位置合わせする。その後、エアー抑え機構54に圧縮空気供給手段から加圧空気を供給して局所押圧風路へ送り込みながらレーザ照射機構53でレーザ光を照射する。エアー抑え機構54の先端部から噴出した加圧空気はレーザ光の軸線と一致する位置で局所的にFPC7の上面に当たり、レーザ光により照射される個所の周辺を圧電素子部材14へ向けて局所的に押圧し、FPC7の電極と圧電素子部材14の個別電極18を密着させ、照射されているレーザ光でFPC7の電極と圧電素子部材14の個別電極18を接合する。この状態でレーザ照射位置調整機構57によりレーザ照射機構53とエアー抑え機構54及び撮像装置55をX軸方向に移動してレーザ光の照射位置を走査してFPC7の電極と圧電素子部材14の個別電極18の全体を順次密着させて接合する。
このレーザ照射機構53の発光部としては半導体レーザを採用したが、接合すべく照射する個所への吸収率がよく、FPC7の透過率がよいものであれば、例えば、連続的に出射されたYAGレーザであっても良い。
前記説明では圧電素子部材14の個別電極18にFPC7を接合した場合について示したが、薄膜状であり互いに並列された複数の電極が設けられているものであればよく、例えば、TAB(Tape Automated Bonding)を用いた場合、FPC7の場合と同様に効果的である。また、前記説明では圧電アクチュエータ13の圧電素子部材14とFPC7を接合した場合について示したが、薄膜状の配電部材に設けられた複数の並列された電極と、他の配電部材に設けられた複数の並列された電極とを電気的に接合する場合にも同様に適用することができる。
また、前記説明では液滴吐出ヘッド1のアクチュエータとして圧電素子群5を有する圧電アクチュエータ13を使用した場合について示したが、インクを液滴として吐出させるべく駆動する素子であれば、例えば、圧電素子の他に、加熱による気泡で押し出す発熱素子または静電気による撓み変形で押し出す方式の素子等であっても良い。
次に、前記のように構成した液滴吐出ヘッド1と、液滴吐出ヘッド1にインクを供給するインクタンクとを一体化したヘッド一体型インクカートリッジ31を図8に示す。図に示すように、液滴吐出ヘッド1とインクタンク32を一体化すると、小型化と低コスト化を図ることができるとともに信頼性を向上することができる。
この液滴吐出ユニット1を搭載した画像形成装置を図9の斜視図と図10の機構部の構成を示す側面図と図11の機構部の要部を示す平面図を参照して説明する。
図9に示すように、画像形成装置は、装置本体101と、装置本体101に装着された記録用紙を装填するための給紙トレイ102と、装置本体101に着脱自在に装着されて画像が記録(形成)された記録用紙をストックするための排紙トレイ103とを備えている。また、装置本体101の前面の一端部側(給排紙トレイ部の側方)には、前面から装置本体101の前方側に突き出し、上面よりも低くなったインクカートリッジを装填するためのカートリッジ装填部104を有し、このカートリッジ装填部104の上面は操作ボタンや表示器などを設ける操作/表示部105を配置している。
このカートリッジ装填部104には、色の異なる記録液(インク)、例えば黒(K)インク、シアン(C)インク、マゼンタ(M)インク、イエロー(Y)インクをそれぞれ収容した複数の記録液カートリッジであるインクカートリッジ110k、110c、110m、110yを、装置本体101の前面側から後方側に向って挿入して装填可能とし、このカートリッジ装填部104の前面側には、インクカートリッジ110を着脱するときに開く前カバー106を開閉可能に設けている。
操作/表示部105には、各色のインクカートリッジ110k、110c、110m、110yの装着位置(配置位置)に対応する配置位置で、各色のインクカートリッジ110k、110c、110m、110yの残量がニアーエンド及びエンドになったことを表示するための各色の残量表示部111k、111c、111m、111yを配置している。また、操作/表示部105には、電源ボタン112と用紙送り/印刷再開ボタン113及びキャンセルボタン114も配置している。
この画像形成装置の機構部は、図10に示すように、ガイドロッド121とステー122とでキャリッジ123を主走査方向に摺動自在に保持してキャリッジ走査方向に移動走査する。このキャリッジ123には、ブラック(K)、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)の各色のインク滴をそれぞれ吐出するノズル列を有する各色毎の液滴吐出ヘッド1を複数のノズルを主走査方向と交叉する方向に配列し、インク滴吐出方向を下方に向けて装着している。また、キャリッジ123には、図11に示すように、液滴吐出ヘッド1に各色のインクを供給するための各色のサブタンク131k、131c、131m、131yを搭載している。この各色のサブタンク131には各色のインク供給チューブ108を介して、カートリッジ装填部104に装着された各色のインクカートリッジ110から供給ポンプユニット107を介して各色のインクが補充供給される。
また、給紙トレイ102の用紙積載部(圧板)141上に積載した記録用紙142を給紙するための給送手段である給紙部として、用紙積載部141から記録用紙142を1枚ずつ分離給送する半月コロ(給紙コロ)143及び給紙コロ143に対向し、摩擦係数の大きな材質からなる分離パッド144を備え、この分離パッド144は給紙コロ143側に付勢されている。そして、給紙部から給紙された記録用紙142を液滴吐出1の下方側に送り込むために、記録用紙142を案内するガイド部材145とカウンタローラ146と搬送ガイド部材147と先端加圧コロ149を有する押さえ部材148とを備えるとともに、給送された記録用紙142を静電吸着して液滴吐出1に対向する位置で搬送するための搬送手段である搬送ベルト151を備えている。
この搬送ベルト151は、無端状ベルトであり、搬送ローラ152とテンションローラ153との間に掛け渡されて、ベルト搬送方向(副走査方向)に周回するように構成している。この搬送ベルト151は、例えば、抵抗制御を行っていない純粋な厚さ40μm程度の樹脂材、例えばETFEピュア材で形成した用紙吸着面となる表層と、この表層と同材質でカーボンによる抵抗制御を行った裏層(中抵抗層、アース層)とを有している。そして、搬送ベルト151の表面を帯電させるための帯電手段である帯電ローラ156を備えている。帯電ローラ156は、搬送ベルト151の表層に接触し、搬送ベルト151の回動に従動して回転するように配置され、加圧力として軸の両端に所定の押圧力をかけている。また、搬送ベルト151の裏側には、液滴吐出ヘッド1による印写領域に対応してガイド部材157を配置している。この搬送ベルト151は、副走査モータによって搬送ローラ152が回転駆動されることによってベルト搬送方向(副走査方向)に周回移動する。
さらに、液滴吐出ヘッド1で記録された記録用紙142を排紙するための排紙部として、搬送ベルト151から記録用紙142を分離するための分離爪161と、排紙ローラ162及び排紙コロ163とを備え、排紙ローラ162の下方に排紙トレイ103を備えている。
また、装置本体101の背面部には両面ユニット171が着脱自在に装着されている。この両面ユニット171は搬送ベルト151の逆方向回転で戻される記録用紙142を取り込んで反転させて再度カウンタローラ146と搬送ベルト151との間に給紙する。また、この両面ユニット171の上面には手差しトレイ172を設けている。
さらに、図11に示すように、キャリッジ123の走査方向一方側の非印字領域には、液滴吐出ヘッド1のノズルの状態を維持し、回復するための回復手段を含む維持回復機構81を配置している。この維持回復機構181には、各色毎の液滴吐出ヘッド1のノズル面をキャピングするためのキャップ部材182とノズル面をワイピングするワイパーブレード183と空吐出したインクを受ける空吐出受け部184などを備えている。また、キャリッジ123の走査方向の他方側の非印字領域には、同様に、空吐出時の液滴を受けるための空吐出受け185を配置している。
このように構成した画像形成装置においては、給紙トレイ102から記録用紙142が1枚ずつ分離給紙され、略鉛直上方に給紙された記録用紙142はガイド部材145で案内され、搬送ベルト151とカウンタローラ146との間に挟まれて搬送され、更に先端を搬送ガイド部材147で案内されて先端加圧コロ149で搬送ベルト151に押し付けられ、略90度搬送方向を転換される。このとき、図示しない制御部によって高圧電源から帯電ローラ156に対してプラス出力とマイナス出力とが交互に繰り返すように、つまり交番する電圧が印加され、搬送ベルト151が交番する帯電電圧パターン、すなわち、周回方向である副走査方向に、プラスとマイナスが所定の幅で帯状に交互に帯電されたものとなる。このプラスとマイナス交互に帯電した搬送ベルト151上に記録用紙142が給送されると、記録用紙142が搬送ベルト151に吸着され、搬送ベルト151の周回移動によって記録用紙142が副走査方向に搬送される。そこで、キャリッジ123を移動させながら画像信号に応じて液滴吐出ヘッド1を駆動することにより、停止している記録用紙142にインク滴を吐出して1行分を記録し、記録用紙142を所定量搬送後、次の行の記録を行う。記録終了信号又は記録用紙142の後端が記録領域に到達した信号を受けることにより、記録動作を終了して、記録用紙142を排紙トレイ103に排紙する。
このようにこの画像形成装置においては液滴吐出ヘッド1を備えるので、安定した特性でインクを吐出させることができ、高画質の画像を安定して形成することができる。
前記説明では液滴吐出ヘッド1をインクジェット方式の画像形成装置に適用した場合について示したが、インク以外の液滴、例えばパターニング用の液体レジストの吐出や遺伝子分析試料を吐出するためなどにも適用することできる。
この発明の液滴吐出ヘッドの構成を示す分解斜視図である。 液滴吐出ヘッドのノズル配列方向と直交する方向に沿う断面図である。 圧電アクチュエータの構成を示す断面図である。 圧電素子部材の内部電極を有する内部電極層の構成を示す平面断面図である。 圧電素子群のノズル配列方向と直交する方向に沿う断面図である。 圧電素子群にFPCを接合した状態を示す部分断面図である。 圧電素子群にFPCをレーザにより接合する接合装置の構成図である。 ヘッド一体型インクカートリッジを示す斜視図である。 画像形成装置を示す斜視図である。 画像形成装置の機構部の構成を示す側面図である。 画像形成装置の機構部の要部を示す平面図である。
符号の説明
1;液滴吐出ヘッド、2;ノズル板、3;流路基板(液室基板)、4;振動板、
5;圧電素子群、6;ベース部材、7;FPC、8;フレーム、9;ノズル、
10;加圧液室、11;流体抵抗部、12;連通孔、13;圧電アクチュエータ、
14;圧電素子部材、15;圧電層(圧電材料層)、16;内部電極、
18;個別電極、19;共通電極、20;ベース部材との接合層、
22;ドライバIC、31;一体型インクカートリッジ、32;インクタンク、
101;画像形成装置の装置本体。

Claims (6)

  1. 複数の圧電素子柱を有する圧電部材にフレキシブルプリント基板を接合して給電を行う圧電アクチュエータにおいて、
    前記圧電部材の長手方向の両端部を除いた少なくとも三面に半田層の外部電極を有し、前記半田層の一面は前記圧電部材を保持するベース部材と対向する一面の前記半田層の半田溶融及び固化により、該一面が前記ベース部材と導通するとともに、前記圧電部材の圧電材料が前記ベース部材に半田接合され
    前記圧電部材に形成された前記半田層のなかで前記ベース部材と導通する面とは異なる一面にフレキシブルプリント基板が接続され、
    前記フレキシブルプリント基板と接続する前記圧電部材の面は、前記ベース部材と接続する前記圧電部材の面に対して鋭角に形成されていることを特徴とする圧電アクチュエータ。
  2. 前記圧電部材を保持するベース部材と導通する半田層は前記圧電部材の他の一面に形成された半田層と導通していることを特徴とする請求項1記載の圧電アクチュエータ。
  3. 前記圧電部材と前記ベース部材の半田層による接合部を接着材で補強したことを特徴とする請求項1又は2記載の圧電アクチュエータ。
  4. 前記圧電部材に対して前記半田層がスパッタ又は蒸着により形成されていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の圧電アクチュエータ
  5. 求項1乃至のいずれかに記載の圧電アクチュエータを有し、前記圧電アクチュエータを駆動して液滴を吐出することを特徴とする液滴吐出ヘッド。
  6. 請求項記載の液滴吐出ヘッドを有し、前記液滴吐出ヘッドからインク滴を吐出させて記録媒体に画像を形成することを特徴とする画像形成装置。
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