JP2013149881A - 構造体、液滴吐出ヘッド及び画像形成装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】個別外部電極23及び共通外部電極25の一部をFPC15から露出させ、個別外部電極23及び共通外部電極25とFPC15の電極32とをハンダを介在させて重ね合わせる。個別外部電極23及び共通外部電極25の露出している部分にはいずれの基板を透過せずに照射し、FPC15の電極32には透過性部材のFPC15の基板を透過させてレーザ光を照射する。そして、個別外部電極23及び共通外部電極25とFPC15の電極32との発熱によりハンダ41を溶融、硬化させて、圧電素子12の個別外部電極23及び共通外部電極25とFPC15の電極32を接合させる。
【選択図】図5
Description
図1は本発明の一実施形態に係る構造体で構成されている液滴吐出ヘッドの構成例を示す分解斜視図である。図2は本液滴吐出ヘッドのノズル列に直交する方向の断面図である。両図に示す本液滴吐出ヘッドは、SUS基板で形成した流路基板1と、この流路基板1の下面に接合した振動板2と、流路基板1の上面に接合したノズル板3とを有し、これらによって液滴を吐出する複数のノズル4がそれぞれノズル連通路5を介して連通する個別流路としての複数の液室(加圧液室、圧力室、加圧室、流路などとも称される。)6、液室6にインクを供給する供給路を兼ねた流体抵抗部7、この流体抵抗部7を介して液室6と連通する連通部8を形成し、連通部8に振動板2に形成した供給口9を介して後述するフレーム17に形成した共通液室10からインクを供給する。そして、流路基板1は、流路板1Aと連通板1Bとを接着して構成している。この流路基板1は、SUS基板を、酸性エッチング液を用いてエッチング、あるいは打ち抜き(プレス)などの機械加工することで、連通路5、加圧液室6、流体抵抗部7などの開口をそれぞれ形成している。
まず、圧電素子12の個別外部電極23、共通外部電極25とFPC15の個別配線電極32A、共通電極32Bを位置合わせする。ここで、個別外部電極23、共通外部電極25が露出するように、FPC15を重ね合わせる。ここでは、図5(b)に示すように、FPC15の電極重ね長L2を圧電素子12の電極長L1の約1/2としている。次に、FPC15を、ガラス等のレーザ光透過性材料の部材やエアーブロー、窒素ガスブロー等(図示せず)で加圧した状態で、図5(b)中点線で示す照射領域52の電極重ね部分である、個別外部電極23及び共通外部電極25の露出している部分に、及びFPC15を透過して電極32にレーザ光を照射する。各電極の発熱によりハンダ41を溶融、硬化させて、圧電素子12の個別外部電極23及び共通外部電極25とFPC15の電極32とを接合する。ここで、圧電素子12の個別外部電極23及び共通外部電極25は、表層がスズ(Sn)またはその合金からなる。電極表層材料としては、ハンダ接合可能な金属である金(Au),銀(Ag)やその合金等も使用できるが、ここでは後述する800〜1000[nm]の波長を有するレーザ光に対して比較的吸収率の高い材料であるスズ(Sn)またはその合金を用いた。
はじめに、本液滴吐出ヘッドの概略を説明する。圧電素子形成基板60は、圧電素子70、弾性変形部80を形成した流路形成基板61に、ノズル板3を接合し、ノズル4に繋がる空間をインク液室としている。流路形成基板61は、面方位(110)のシリコン単結晶基板からなる。流路形成基板61の一方の面は開口面となり、他方の面には予め熱酸化により形成した二酸化シリコン等からなる弾性膜80が形成されている。一方、流路形成基板61の開口面には、シリコン単結晶基板を異方性エッチングすることにより、複数の隔壁により区画された圧力発生室6が並設されている。また、流路形成基板61の開口面側には、ノズル開口4が穿設されたノズル板3が接着剤や熱溶着フィルム等を介して接合されている。ノズル板3は、一方の面で流路形成基板61の一面を全面的に覆い、シリコン単結晶基板を衝撃や外力から保護する補強板の役目も果たす。一方、流路形成基板61の開口面とは反対側の弾性膜80の上には、下電極膜72と、サブミクロンから数ミクロン厚の圧電体層71と、上電極膜73とが成膜及びリソグラフィ法により積層形成されて圧電素子70を構成している。ここで、圧電素子70は、下電極膜72、圧電体層71、及び上電極膜73を含む部分をいう。一般的には、圧電素子70の何れか一方の電極を共通電極とし、他方の電極及び圧電体層71を各圧力発生室毎にパターニングして構成する。そして、ここではパターニングされた何れか一方の電極及び圧電体層71から構成され、両電極への電圧の印加により圧電歪みが生じる部分を圧電体能動部という。本実施形態では、下電極膜72を圧電素子70の共通電極とし、上電極膜73を圧電素子70の個別電極としているが、駆動回路や配線の都合でこれを逆にしても支障はない。何れの場合においても、各圧力発生室毎に圧電体能動部が形成されていることになる。また、ここでは、圧電素子70と当該圧電素子70の駆動により変位が生じる振動板とを合わせて圧電アクチュエータと称する。上述した例では、弾性膜80及び下電極膜72が振動板として作用するが、下電極膜が弾性膜を兼ねるようにしてもよい。
まず、圧電素子形成基板60の端子電極76とFPC15の電極32を位置合わせする。ここで、圧電素子形成基板60の端子電極76をほぼ完全に覆い、配線74の端子部が露出するように、FPC15を重ね合わせる。次に、FPC15を、ガラス等のレーザ光透過性部材やエアーブロー、窒素ガスブロー等(図示せず)で加圧した状態で、レーザ光をL3部である配線74の端子部、FPC15の電極32、ハンダ41に照射する。そして、ハンダ41を溶融、硬化させて、圧電素子形成基板60の端子電極76とFPC15の電極32を接合する。
上記実施形態及び上記実施例1において、FPC15の圧電素子または圧電素子形成基板との接続端子の反対側の端子は、制御用のPCB90と接続している。PCBは、ガラエポ等の基材91、銅配線(電極)92、ソルダーレジスト93等からなり、端子電極上には、ペースト状のハンダ41を印刷に形成した。ハンダ41は、実施例1に記載のように、スパッタ、めっき法等により形成することもでき、またFPC15の電極32上に形成することもできる。FPC15は、上記実施形態及び上記実施例1と同様の構成からなり、FPC15の電極32の幅はPCB90の端子電極92の幅よりも小さくしている。
まず、PCB90の端子電極92とFPC15の電極32を位置合わせする。ここで、端子電極92が露出するように、FPC15を重ね合わせる。ここでは、FPC15の電極重ね長L6をPCB90の端子電極長L5の約1/2としている。そして、FPC15を、ガラス等のレーザ光透過性部材やエアーブロー、窒素ガスブロー等(図示せず)で加圧した状態で、レーザ光をL5部であるハンダ41、FPC15の電極32に照射する。そして、ハンダ41を溶融硬化させて、PCB90の端子電極92とFPC15の電極32を接合する。また、レーザ光は、FPC15の基材31(ポリイミド等)に対して、透過率の高い800〜1000[nm]の波長を有するものであることが好ましい。なお、配線92の端子上の露出ハンダ41に照射するレーザ光と、FPC15の電極32、FPC基材に覆われたハンダ41に照射するレーザ光を分けて2ビーム以上にすることもできる。その場合は、露出ハンダ41に照射するレーザ光の波長をハンダに吸収しやすい波長とすることもできる。また、露出のハンダ41のみにレーザ光を照射し、ハンダを溶融硬化させて、端子電極92とFPC15の電極32を接合することも可能であるが、FPC15の電極32の温度分布が大きくなり、ハンダ41の膜厚分布が生じる可能性がある。このため、露出ハンダ41のレーザ光の吸収率を高くすることで熱効率を良くするか、あるいはできるかぎり、露出ハンダ41とFPC15の電極32、FPC基材に覆われたハンダ41にレーザ光を同時照射することが好ましい。本構成で、L5≒L6とし、FPC15の電極32、FPC基材に覆われたハンダ41のみにレーザ光を照射したところ、FPCの基材が焦げ焼損した。そこで、レーザの出力を小さくしFPCの基材が焦げないレーザ光照射条件としたが、ハンダ41が溶融せず、接合できなかった。
本発明に係る画像形成装置の一例について説明する。この画像形成装置はシリアル型画像形成装置であり、左右の側板201A、201Bに横架したガイド部材である主従のガイドロッド231、232でキャリッジ233を主走査方向に摺動自在に保持する。そして、図示しない主走査モータによってタイミングベルトを介して矢示方向(キャリッジ主走査方向)に移動走査する。
(態様1)
第1の基板の端子電極の一部は、第2の基板の端縁から露出しており、第1の基板の端子電極の露出部分には各基板を透過させずにレーザ光を照射し、かつ第2の基板の端子電極には第2の基板を透過させてレーザ光を照射してハンダを溶融、硬化させ、第1の基板の端子電極と第2の基板の端子電極を接合した。これによれば、上記実施形態について説明したように、個別外部電極23及び共通外部電極25の一部がFPC15の端縁から露出するようにFPC15を圧電素子12にハンダを介在させて重ね合わせる。FPC15を透過してFPC15の電極32にレーザ光を照射し、個別外部電極23及び共通外部電極25の一部の露出している部分にはレーザ光を直接に照射する。個別外部電極23及び共通外部電極25の露出部分には、露出部分で反射した反射光がFPC15の基板に入射しないように、かつ各基板を透過させずに、レーザ光を照射する。FPC15の電極32にはFPC15を透過させて照射する。これにより、個別外部電極23及び共通外部電極25とFPC15の電極32との各発熱により各端子電極による発熱温度をハンダ溶融温度以上にできる。このようにハンダを溶融させるためのレーザ光は、個別外部電極23及び共通外部電極25の露出部分とFPC15の電極32とにそれぞれに照射されるので、FPC15の電極32のみに照射する場合に比してFPC15を透過するレーザ光の照射量は抑えられる。これにより、FPC15が焼損するような高温にはならない。また、個別外部電極23及び共通外部電極25の露出部分で反射した反射光がFPC15の基板に入射しないようにレーザ光を露出部分に照射しているので、当該露出部分で反射した反射光はFPC15の基板に入射されない。このため、FPC15の基板では個別外部電極23及び共通外部電極25の露出部分で反射した反射光による発熱が生じにくくなるので、FPC15の基板がさらに焼損するのを防止できる。そして、圧電素子12の個別外部電極23及び共通外部電極25とFPC15の電極32との発熱によってハンダ41を溶融、硬化させて、圧電素子12の個別外部電極23及び共通外部電極25とFPC15の電極32を接合させる。個別外部電極23及び共通外部電極25の一部の露出している部分と、各端子電極が重なっている部分とにレーザ光を照射することで、個別外部電極23及び共通外部電極25とFPC15の電極32との両方の端子電極の発熱によってハンダ41を加熱することができる。このため、各基板へのレーザ光の照射量を調整して各基板の端子電極の発熱を調整することにより、各基板が焼損するような高温になることを防ぎながらハンダに接する両面から加熱することで、ハンダを効率良く加熱することができる。よって、端子電極間が良好に接合した端子電極間接合構造体を有する構造体とすることができる。
また、端子電極ピッチの微細化や端子電極長の短小化により各端子電極の個々の大きさは小さくなる場合がある。この場合、個別外部電極23及び共通外部電極25の露出部分に、レーザ光を局所的に集光させて照射することで、個別外部電極23及び共通外部電極25をハンダ溶融温度以上に発熱させることができる。一方、FPC15の電極32の面積が減った場合、FPC15の基板を透過して電極32へのレーザ光の照射量が減り、電極32の発熱量が減る。ここで、FPC15の電極32の放熱量が大きい場合、FPC15の電極32の温度はハンダ溶融温度以上にならない場合がある。しかし、個別外部電極23及び共通外部電極25の露出部分へのレーザ光の照射量を調整することで、ハンダにおける温度をハンダ溶融温度以上にすることができる。この場合でも個別外部電極23及び共通外部電極25の露出部分で反射した反射光がFPC15の基板に入射しないようにレーザ光を露出部分に照射しているので反射光はFPC15の基板に入射されない。このため、FPC15の基板では個別外部電極23及び共通外部電極25の露出部分で反射した反射光による発熱は生じにくくなるのでFPC15の基板が焼損するのを防止できる。これらにより、端子電極ピッチの微細化や端子電極長の短小化により各端子電極における被照射部分の大きさが小さくなっても、FPC15の基板を焼損することなくハンダを十分溶融させることができる。よって、端子電極間が良好に接合した端子電極間接合構造体を有する構造体とすることができるという特有な効果が得られる。
(態様2)
(態様1)において、第1の基板の端子電極の表面が、第2の基板の端子電極よりも、レーザ光の吸収率が高い。これによれば、上記実施形態について説明したように、個別外部電極23及び共通外部電極25を十分に加熱することができることで、ハンダを十分に溶融させ、個別外部電極23及び共通外部電極25とFPC15とを良好に接合することができる。
(態様3)
(態様1)又は(態様2)において、第2の基板の端子電極の電極幅が、第1の基板の端子電極の電極幅よりも小さい。これによれば、上記実施形態について説明したように、個別外部電極23及び共通外部電極25にレーザ光がより一層多く照射され、個別外部電極23及び共通外部電極25を十分に加熱することができることで、ハンダを十分に溶融させ、個別外部電極23及び共通外部電極25とFPC15とを良好に接合することができる。
(態様4)
(態様1)〜(態様3)のいずれかにおいて、端子部が端子電極及び端子電極に接続される配線部を有し、該配線部が第1の基板の端子電極の露出している被照射部分に含まれている。これによれば、上記実施形態について説明したように、圧電素子形成基板60の端子電極76をほぼ完全に覆い、配線74の端子部が露出するように、FPC15を重ね合わせる。レーザ光を配線74の端子部、FPC電極32、ハンダ41に照射し、ハンダ41を溶融、硬化させて、圧電素子形成基板60の端子電極76とFPC電極32を接合することができる。
(態様5)
(態様1)〜(態様4)のいずれかの端子電極間接合構造体で構成されていることを特徴とする液滴吐出ヘッドである。これによれば、上記実施形態について説明したように、電素子と配線基板の接続不良がなく、液滴吐出ヘッドの信頼性が向上し、安定した液滴吐出を行うことができる。
(態様6)
(態様5)の液滴吐出ヘッドを備えたことを特徴とする画像形成装置である。これによれば、上記実施形態について説明したように、圧電素子と配線基板の接続不良がなく、記録ヘッドの信頼性が向上し、安定した記録を行うことができる。
12A 駆動用圧電素子柱
12B 支柱用圧電素子柱
13 ベース
15 FPC
15A 電極部
15B
23 個別外部電極
25 共通外部電極
31 基材
32 電極
32A 個別配線電極
32B 共通電極
41 ハンダ
52 照射領域
Claims (6)
- 第1の基板と、光透過性材料からなる第2の基板とを備え、各基板にそれぞれ設けられた端子電極同士をハンダを介して重ね合わせ、前記ハンダを溶融、硬化させて各端子電極を接合した端子電極間接合構造体を有する構造体であって、
前記第1の基板の端子電極の一部は、前記第2の基板の端縁から露出しており、
前記第1の基板の端子電極の露出部分には各基板を透過させずにレーザ光を照射し、かつ前記第2の基板の端子電極には前記第2の基板を透過させてレーザ光を照射して前記ハンダを溶融、硬化させ、前記第1の基板の端子電極と前記第2の基板の端子電極を接合したことを特徴とする構造体。 - 請求項1記載の構造体において、
前記第1の基板の端子電極の表面が、前記第2の基板の端子電極よりも、レーザ光の吸収率が高いことを特徴とする構造体。 - 請求項1又は2に記載の構造体において、
前記第2の基板の端子電極における電極幅が、前記第1の基板の端子電極における電極幅よりも小さいことを特徴する構造体。 - 請求項1〜3のいずれかに記載の構造体において、
前記第1の基板の端子電極と前記第2の基板の端子電極との端子部が、前記端子電極及び前記端子電極に接続される配線部を有し、該配線部が前記第1の基板の端子電極の露出している被照射部分に含まれていることを特徴とする構造体。 - 請求項1〜4のいずれかに記載の構造体で構成されていることを特徴とする液滴吐出ヘッド。
- 請求項5記載の液滴吐出ヘッドを備えたことを特徴とする画像形成装置。
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