JP2021178479A - 回路基板及び液体吐出ヘッド - Google Patents
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Abstract
【課題】電極に接続される配線パターンの熱伝導の均一化を図ることによって、可撓性プリント基板と回路基板の電極同士の接続不良を抑制可能な回路基板及び液体吐出ヘッドを提供する。【解決手段】回路基板は、半田接続によって可撓性プリント基板の電極と接続される複数の電極と、前記複数の電極にそれぞれ接続される複数の配線パターンと、を備え、前記各配線パターンは、同材質で等体積に形成される。【選択図】図6
Description
本発明は、回路基板及び液体吐出ヘッドに関する。
従来、多数の電子部品を用いる電子機器においては、配線の簡素化等のために可撓性プリント基板を採用している。可撓性プリント基板は、電子部品を実装した回路基板に接続される。可撓性プリント基板と回路基板との接続は、それぞれの基板に設けられた複数の電極同士を半田接続することなどで行われる。
この種の可撓性プリント基板と回路基板との接続に関して、接続不良を防止する技術が提案されている(例えば、特許文献1)。特許文献1には、可撓性プリント基板の複数の電極と回路基板の複数の電極(出力端子)とをヒートバーで同時に加熱して半田付けするものが開示されている。
上記従来の技術では、回路基板に形成される電極群(出力端子群)の一方の端部と回路基板の一方側端部との距離を、電極群の他方の端部と回路基板の他方側端部との距離と同一にしている。これによって、可撓性プリント基板と回路基板の電極同士を複数同時に熱圧着する際に、回路基板の両端部の熱伝導を同一とするものである。
しかしながら、上記従来の技術は、回路基板の両端部の熱伝導を同一にして電極同士の接続不良を防止するもので、電極に接続される配線パターンの熱伝導を考慮したものではない。このため、回路基板に形成される配線パターンによっては、配線パターン毎に熱伝導が異なり、電極毎の半田溶融状態が不均一となって、一部の電極で接続不良が発生してしまうおそれがあった。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであって、電極に接続される配線パターンによる熱伝導の均一化を図ることによって、電極同士の接続不良を抑制可能な回路基板及び液体吐出ヘッドを提供することを目的とする。
上述した目的を達成するために、本発明の回路基板は、半田接続によって可撓性プリント基板の電極と接続される複数の電極と、前記複数の電極にそれぞれ接続される複数の配線パターンと、を備え、前記各配線パターンは、同材質で等体積に形成されるものである。
本発明によれば、可撓性プリント基板と回路基板とを半田接続する際に、電極に接続される配線パターンによる熱伝導の均一化を図ることによって、電極同士の接続不良を抑制できるという効果を奏する。
以下に図面を参照して、回路基板、及びこの回路基板を用いた液体吐出ヘッドの実施形態を詳細に説明する。
(画像形成装置の機構)
まず、本発明の液体吐出ヘッドを備える画像形成装置について説明する。図1、図2は、画像形成装置1の機構部を示す図である。この画像形成装置1はシリアル型画像形成装置であり、左右の側板2A、2Bに横架したガイド部材である主従のガイドロッド3、4でキャリッジ5を主走査方向に摺動自在に保持する。キャリッジ5は、図示しない主走査モータによってタイミングベルトを介して矢示方向(キャリッジ主走査方向)に移動走査する。
まず、本発明の液体吐出ヘッドを備える画像形成装置について説明する。図1、図2は、画像形成装置1の機構部を示す図である。この画像形成装置1はシリアル型画像形成装置であり、左右の側板2A、2Bに横架したガイド部材である主従のガイドロッド3、4でキャリッジ5を主走査方向に摺動自在に保持する。キャリッジ5は、図示しない主走査モータによってタイミングベルトを介して矢示方向(キャリッジ主走査方向)に移動走査する。
このキャリッジ5には、イエロー(Y)、シアン(C)、マゼンタ(M)、ブラック(K)の各色のインク滴を吐出するための記録ヘッド6A、6B(区別しないときは「記録ヘッド6」という。)を複数のノズルからなるノズル列を主走査方向と直交する副走査方向に配列し、インク滴吐出方向を下方に向けて装着している。
記録ヘッド6(液体吐出ヘッド)は、それぞれ2つのノズル列を有し、記録ヘッド6Aの一方のノズル列はブラック(K)の液滴を、他方のノズル列はシアン(C)の液滴を、記録ヘッド6Bの一方のノズル列はマゼンタ(M)の液滴を、他方のノズル列はイエロー(Y)の液滴を、それぞれ吐出する。
また、キャリッジ5には、記録ヘッド6のノズル列に対応して各色のインクを供給するためのヘッドタンク7A、7B(区別しないときは「ヘッドタンク7」という。)を搭載している。このヘッドタンク7には各色の供給チューブ8を介して、各色のインクカートリッジ9k、9c、9m、9yから各色のインクが補充供給される。なお、各インクカートリッジ9k、9c、9m、9yは、それぞれブラック、シアン、マゼンタ、イエローのインクを収容している。
一方、給紙トレイ10(図2参照)の用紙積載部(圧板)11上に積載した用紙12を給紙するための給紙部として、用紙積載部11から用紙12を1枚ずつ分離給送する半月コロ(給紙コロ)13及び、給紙コロ13に対向し摩擦係数の大きな材質からなる分離パッド14を備え、この分離パッド14は給紙コロ13側に付勢されている。
そして、画像形成装置1は、給紙トレイ10から給紙された用紙12を記録ヘッド6の下方側に送り込むために、用紙12を案内するガイド部材15と、カウンタローラ16と、搬送ガイド部材17と、先端加圧コロ18を有する押さえ部材19とを備えるとともに、給送された用紙12を静電吸着して記録ヘッド6に対向する位置で搬送するための搬送手段である搬送ベルト20を備えている。
この搬送ベルト20は、無端状ベルトであり、搬送ローラ21とテンションローラ22との間に掛け渡されて、ベルト搬送方向(副走査方向)に周回するように構成している。また、画像形成装置1は、搬送ベルト20の表面を帯電させるための帯電手段である帯電ローラ23を備えている。この帯電ローラ23は、搬送ベルト20の表層に接触し、搬送ベルト20の回動に従動して回転するように配置されている。この搬送ベルト20は、図示しない副走査モータによってタイミングベルトを介して搬送ローラ21が回転駆動されることによってベルト搬送方向に周回移動する。
さらに、画像形成装置1は、記録ヘッド6で記録された用紙12を排紙するための排紙部として、搬送ベルト20から用紙12を分離するための分離爪24、排紙ローラ25、及び排紙コロ26を備え、排紙ローラ25の下方に排紙トレイ27を備えている。
また、装置本体の背面部には両面ユニット28が着脱自在に装着されている。この両面ユニット28は搬送ベルト20の逆方向回転で戻される用紙12を取り込んで反転させて再度カウンタローラ16と搬送ベルト20との間に給紙する。また、この両面ユニット28の上面は手差しトレイ29としている。
さらに、図1に示すように、キャリッジ5の主走査方向一方側の非印字領域には、記録ヘッド6のノズルの状態を維持し、回復するための維持回復機構30を配置している。この維持回復機構30には、記録ヘッド6の各ノズル面をキャッピングするための各キャップ部材(以下「キャップ」という。)31A、31B(区別しないときは「キャップ31」という。)と、ノズル面をワイピングするためのブレード部材であるワイパーブレード32と、増粘した記録液を排出するために記録に寄与しない液滴を吐出させる空吐出を行うときの液滴を受ける空吐出受け33などを備えている。
また、キャリッジ5の主走査方向他方側の非印字領域には、記録中などに増粘した記録液を排出するために記録に寄与しない液滴を吐出させる空吐出を行うときの液滴を受ける液体回収容器であるインク回収ユニット(空吐出受け)34を配置し、このインク回収ユニット34には記録ヘッド6のノズル列方向に沿った開口部35などを備えている。
このように構成したこの画像形成装置においては、給紙トレイ10から用紙12が1枚ずつ分離給紙され、略鉛直上方に給紙された用紙12はガイド部材15で案内され、搬送ベルト20とカウンタローラ16との間に挟まれて搬送され、更に先端を搬送ガイド部材17で案内されて先端加圧コロ18で搬送ベルト20に押し付けられ、略90°搬送方向を転換される。
このとき、帯電ローラ23に対してプラス出力とマイナス出力とが交互に繰り返すように、つまり交番する電圧が印加され、搬送ベルト20が交番する帯電電圧パターン、すなわち、周回方向である副走査方向に、プラスとマイナスが所定の幅で帯状に交互に帯電されたものとなる。このプラス、マイナス交互に帯電した搬送ベルト20上に用紙12が給送されると、用紙12が搬送ベルト20に吸着され、搬送ベルト20の周回移動によって用紙12が副走査方向に搬送される。
そこで、キャリッジ5を移動させながら画像信号に応じて記録ヘッド6を駆動することにより、停止している用紙12にインク滴を吐出して1行分を記録し、用紙12を所定量搬送後、次の行の記録を行う。記録終了信号又は用紙12の後端が記録領域に到達した信号を受けることにより、記録動作を終了して、用紙12を排紙トレイ27に排紙する。
(記録ヘッド)
次に記録ヘッド6について、図3、図4を参照して詳細に説明する。この記録ヘッド6は、インク供給口61と共通液室62となる彫り込みを形成したフレーム63と、流体抵抗部64、加圧液室65となる彫り込みを形成するとともにノズル66に連通する液体導入部67を形成した流路板68と、ノズル66を形成するノズルプレート69と、凸部70、ダイアフラム部71およびインク流入口73を有する振動板74と、振動板74に接着層を介して接合された積層型圧電素子75と、積層型圧電素子75を固定しているベース76を備えている。ベース76はチタン酸バリウム系セラミックからなり、積層型圧電素子75を2列配置して接合している。
次に記録ヘッド6について、図3、図4を参照して詳細に説明する。この記録ヘッド6は、インク供給口61と共通液室62となる彫り込みを形成したフレーム63と、流体抵抗部64、加圧液室65となる彫り込みを形成するとともにノズル66に連通する液体導入部67を形成した流路板68と、ノズル66を形成するノズルプレート69と、凸部70、ダイアフラム部71およびインク流入口73を有する振動板74と、振動板74に接着層を介して接合された積層型圧電素子75と、積層型圧電素子75を固定しているベース76を備えている。ベース76はチタン酸バリウム系セラミックからなり、積層型圧電素子75を2列配置して接合している。
積層型圧電素子75はハーフカットのダイシング加工により櫛歯上に分割され、1つ毎に駆動部77と支持部(非駆動部)78(共に図4参照)として使用する。積層型圧電素子75は、厚さ10〜50μm/1層のチタン酸ジルコン酸鉛(PZT)の圧電層75Aと、厚さ数μm/1層の銀・パラジューム(AgPd)からなる内部電極層75Bとを交互に積層したものである。積層型圧電素子75は、圧電層75Aと内部電極層75Bを交互に端面の端面電極(外部電極)である個別電極79、共通電極80に電気的に接続したものである。
また、本発明の記録ヘッドは厚み方向変位であるd33方式での積層型圧電素子75を使用する構成とし、積層型圧電素子75の伸縮により加圧液室65を収縮、膨張させるようになっている。積層型圧電素子75は、駆動信号が印加され充電が行われると伸長し、また充電された電荷が放電すると反対方向に収縮するようになっている。
駆動部の個別電極79には可撓性プリント基板であるフレキシブル基板90の一端が半田接合されている。また、共通電極80は積層型圧電素子75の端部に電極層を設けて回し込んでフレキシブル基板90のGnd電極に接合している。フレキシブル基板90の他端は、図示しないドライバIC等が実装された回路基板100(図6等参照)と半田接続されており、これにより駆動部77への駆動電圧印加を制御している。
振動板74は、薄膜のダイアフラム部71と、このダイアフラム部71の中央部に形成した駆動部77となる積層型圧電素子75と接合する島状の凸部(アイランド部)70と、支持部78に接合する梁を含む厚膜部と、インク流入口73となる開口を電鋳工法によるNiメッキ膜を2層重ねて形成している。
流路板68は、シリコン単結晶基板を用いて、流体抵抗部64、加圧液室65、液体導入部67となる彫り込み、およびノズル66に対する位置に連通口81となる貫通口をエッチング工法でパターニングしたものである。エッチングで残された部分が加圧液室65の隔壁82(図4参照)となる。
ノズルプレート69は、金属材料、例えば電鋳工法によるNiメッキ膜等で形成したもので、インク滴を飛翔させるための微細な吐出口であるノズル66を多数形成している。このノズル66の内部形状(内側形状)は、ホーン形状(略円柱形状又は略円錘台形状でもよい。)に形成している。
ノズルプレート69のインク吐出面(ノズル表面側)は、図示しない撥水性の表面処理を施した撥水処理層を設けている。PTFE−Ni共析メッキやフッ素樹脂の電着塗装、蒸発性のあるフッ素樹脂(例えばフッ化ピッチなど)を蒸着コートしたもの、シリコン系樹脂・フッ素系樹脂の溶剤塗布後の焼き付け等、インク物性に応じて選定した撥水処理膜を設けて、インクの滴形状、飛翔特性を安定化し、高品位の画像品質を得られるようにしている。また、インク供給口61と共通液室62となる彫り込みを形成するフレーム63は樹脂成形で作製している。
このように構成した記録ヘッド6においては、記録信号に応じて駆動部77に駆動波形(10〜50Vのパルス電圧)を印加することによって、駆動部77に積層方向の変位が生起し、振動板74を介して加圧液室65が加圧されて圧力が上昇し、ノズル66からインク滴が吐出される。その後、インク滴吐出の終了に伴い、加圧液室65内のインク圧力が低減し、インクの流れの慣性と駆動パルスの放電過程によって加圧液室65内に負圧が発生してインク充填行程へ移行する。このとき、ヘッドタンク7から供給されたインクは共通液室62に流入し、共通液室62からインク流入口73を経て液体導入部67、流体抵抗部64を通り、加圧液室65内に充填される。
流体抵抗部64は、吐出後の残留圧力振動の減衰に効果が有る反面、表面張力による最充填(リフィル)に対して抵抗になる。流体抵抗部を適宜に選択することで、残留圧力の減衰とリフィル時間のバランスが取れ、次のインク滴吐出動作に移行するまでの時間(駆動周期)を短くできる。
(ヘッドドライバ)
次に記録ヘッド6を制御するヘッドドライバについて、図5を参照して簡単に説明する。ヘッドドライバは、データ転送部からの転送クロック及びシリアル通信データにより画像データ及び波形データを入力するシフトレジスタ6Xと、シフトレジスタ6Xの各レジスト値をラッチ信号によってラッチするためのラッチ回路6Yと、駆動回路6Zを備えており、階調データにより駆動信号が選択されて圧電素子に印加される。
次に記録ヘッド6を制御するヘッドドライバについて、図5を参照して簡単に説明する。ヘッドドライバは、データ転送部からの転送クロック及びシリアル通信データにより画像データ及び波形データを入力するシフトレジスタ6Xと、シフトレジスタ6Xの各レジスト値をラッチ信号によってラッチするためのラッチ回路6Yと、駆動回路6Zを備えており、階調データにより駆動信号が選択されて圧電素子に印加される。
(回路基板:第1の実施形態)
次に、第1の実施形態に係る回路基板100及び当該回路基板100とフレキシブル基板90との接続構造について、図6〜図8を参照して説明する。回路基板100は、基板本体101を備える。
次に、第1の実施形態に係る回路基板100及び当該回路基板100とフレキシブル基板90との接続構造について、図6〜図8を参照して説明する。回路基板100は、基板本体101を備える。
基板本体101は、絶縁材で構成され、図6に示すように、その表面に、電極102、スルーホール103、および配線パターン104がそれぞれ複数形成されている。また、基板本体101には、表面(一面)及び裏面(他の面)に配線パターン104に接続される図示しない電子部品が実装されている。なお、基板本体101は、多層構造で構成されていてもよい。
電極102は、基板本体101の長手方向に複数形成されている。電極102は、基板本体101の一側縁から、基板本体101の短手方向に沿って延び、電極102同士は所定間隔を保つよう形成されている。各電極102は、銅箔などの導体で構成され、フレキシブル基板が備える複数の電極とそれぞれ半田接続される。各電極102は、同材質、同一形状、同一厚で形成されており、同じ体積、同じ表面積となっている。
スルーホール103は、各電極102のそれぞれに対応して形成されている。スルーホール103は、基板本体101を貫通する貫通孔103Aと、貫通孔103Aの周囲に設けられる導体からなるランド103Bとを備える。貫通孔103Aの内面は、導体で構成されるとともにランド103Bと接続されている。スルーホール103は、基板本体101の表面と裏面を電気的に接続する。各スルーホール103は、同材質、同一形状、同一厚で形成されており、同じ体積、同じ表面積となっている。なお、回路基板100が多層構造の回路基板である場合は、スルーホール103は、各層を貫通して当該各層間を電気的に接続する。
配線パターン104は、導体で構成され、電極102とスルーホール103とを接続する。配線パターン104も電極102と同様に基板の短手方向に沿って延び、その幅は電極102の幅よりも狭く形成されている。各配線パターン104は、同材質、同一形状、同一厚で形成されており、同じ体積、同じ表面積となっている。なお、上記のように各配線パターン104同士の体積は、同一とすることが望ましいが、多少の相違は許容されるものである。すなわち、各配線パターン104同士は、各電極102が同時に加熱された際に各配線パターン104による熱伝導が均一化されるような等体積であればよい。ここで、各配線パターン104による熱伝導の均一化、言い換えれば、各電極102から各スルーホール103までの熱伝導の均一化とは、電極102とフレキシブル基板90の電極91(図7参照)との熱圧着時に、配線パターン104によって電極102に加わる熱が逃げる値が均一化されることを意味する。
図7に示すように、フレキシブル基板90は、一端に設けられた複数の電極91とこれら各電極91にそれぞれ連なる複数の配線パターン92とを備えている。配線パターン92は、フレキシブル基板90の他端まで延び、記録ヘッド6の駆動部77の個別電極79に接続される。図中、110は、フレキシブル基板90および回路基板100の各電極にそれぞれ形成された半田層である。なお、半田層110は、フレキシブル基板90および回路基板100のいずれか一方のみに形成してもよい。フレキシブル基板の配線パターン92は、回路基板100の配線パターン104によりも細く形成されており、熱圧着時の熱伝導を考慮する必要はない。
図8は、ヒータチップを使用して熱圧着した状態を説明する断面模式図である。回路基板100の各電極102と、フレキシブル基板90の各電極91とを半田層110を介して重ね合わせ、これらをヒータチップで各電極を均一に加熱して同時に熱圧着する。これにより、半田層110を溶融硬化させることで、回路基板100の電極102とフレキシブル基板90の電極91とが接合される。回路基板100とフレキシブル基板90とを組み合わせて電気的配線を構成することで、各基板のサイズ及び配置上の制約を回避して記録ヘッド6の設計の自由度を高めている。
上記構成においては、フレキシブル基板90の電極91と回路基板100の電極102とを熱圧着する際、各電極102に接続される配線パターン104のそれぞれは、同材質で構成され、かつ、体積が略等しい等体積となっているので、各配線パターン104による熱伝導は均一化される。このため、各電極102における半田層110の溶融状態が均一化され、各電極102と各電極91との接合状態のばらつきを低減することができる。したがって、各電極102と各電極91との接続不良を抑制することができる。
しかも、回路基板100は、全ての配線パターン104が同材質、かつ、等体積であることに加えて、全ての電極102、スルーホール103についても、同材質、かつ、等体積としている。このため、熱圧着の際に、各電極102、各スルーホール103の熱伝導も均一化される。したがって、各電極102における半田層110の溶融状態がより均一化されることから、各電極102と各電極91との接続不良をより効果的に抑制することができる。
(回路基板:第2の実施形態)
次に、回路基板100の第2の実施形態について、図9を参照して説明する。なお、第1の実施形態と同様の構成については、重複した説明は省略する。
次に、回路基板100の第2の実施形態について、図9を参照して説明する。なお、第1の実施形態と同様の構成については、重複した説明は省略する。
複数の配線パターン104は、3種類の配線パターン104A、104B、及び104Cを有する。配線パターン104Aは、基板本体101の短手方向に延びる長さが最も長く、配線パターン104Bは、上記長さが配線パターン104Aよりも短く、配線パターン104Cは、上記長さが配線パターン104Bよりも短い。また、これら配線パターン104A〜104Cの厚さは同一である。したがって、これら配線パターン104A〜104Cは、それぞれ異なる体積となっている。
一端が各電極102に接続される各配線パターン104の他端には、それぞれ電極部105が形成されている。各電極部105は、導体で構成されていて、電極102と同形状となっている。
基板本体101の表面には、シート状の絶縁性伝熱部材106が設けられている。絶縁性伝熱部材106は、全ての電極部105と接触してこれら電極部105を覆うように設けられる。また、絶縁性伝熱部材106は、各電極102は覆わず、かつ、各配線パターン104の一部と接触して覆い、これら各配線パターン104を同じ長さ(体積)だけ露出させている。また、絶縁性伝熱部材106は、各電極部105間及び各配線パターン間を絶縁する。フレキシブル基板90と回路基板100との熱圧着時に各電極102に加わった熱は、配線パターン104、電極部105を介して絶縁性伝熱部材106に熱伝導される。
上記構成において、フレキシブル基板90の電極91と回路基板100の電極102とを熱圧着すると、各電極102に加わった熱は、配線パターン104及び電極部105を介して絶縁性伝熱部材106に熱伝導される。このとき、全ての電極部105は、絶縁性伝熱部材106に接触しているため、各電極102に加わった熱は、熱容量の大きな共通の絶縁性伝熱部材106に伝熱される。このため、配線パターン104A〜104Cの体積が異なっているにも拘わらず、各配線パターン104による熱伝導は均一化される。
しかも、絶縁性伝熱部材106は、各配線パターン104を同じ長さ(体積)だけ露出させている。言い換えれば、各電極102から絶縁性伝熱部材106に至る各配線パターンの長さを均一にしている。すなわち、各配線パターン104の露出する部分は、同材質、同体積であるため、各配線パターン104による熱伝導はより均一化される。したがって、第1の実施形態と同様に、各電極102における半田層110の溶融状態がより均一化されることから、各電極102と各電極91との接続不良を抑制することができる。
(回路基板:第3の実施形態)
次に、回路基板100の第3の実施形態について、図10を参照して説明する。なお、第2の実施形態と同様の構成については、重複した説明は省略する。
次に、回路基板100の第3の実施形態について、図10を参照して説明する。なお、第2の実施形態と同様の構成については、重複した説明は省略する。
図10に示すように、一端が各電極102に接続される各配線パターン104の他端には、それぞれスルーホール103が形成されている。各スルーホール103は、第1の実施例のスルーホール103と同様の構成である。各スルーホール103は、基板本体101の裏面に形成されたベタパターン107に接続されている。ベタパターンは、基板において、信号を伝達するための配線パターンが形成されていない空き領域に面状に広がって形成された導電体のパターンで、配線パターンにおける熱伝導を無視できる程度の大きな体積で形成される。
ベタパターン107は、熱伝導に関して、第2の実施形態における絶縁性伝熱部材106と同様な機能を奏する。すなわち、フレキシブル基板90の電極91と回路基板100の電極102とを熱圧着すると、各電極102に加わった熱は、配線パターン104及びスルーホール103を介してベタパターン107に伝熱される。このとき、各電極102に加わった熱は、共通のベタパターン107に伝熱されて、各配線パターン104による熱伝導は均一化される。したがって、第2の実施形態と同様に、各電極102における半田層110の溶融状態がより均一化されることから、各電極102と各電極91との接続不良を抑制することができる。
(回路基板:第4の実施形態)
次に、回路基板100の第4の実施形態について説明する。本実施形態の回路基板100は、電極102、スルーホール103、及び配線パターン104が図10に示す第3の実施形態の回路基板100と同様である。
次に、回路基板100の第4の実施形態について説明する。本実施形態の回路基板100は、電極102、スルーホール103、及び配線パターン104が図10に示す第3の実施形態の回路基板100と同様である。
本実施形態の回路基板100が第3の実施形態の回路基板と異なる点は、各配線パターン104による熱伝導の均一化を図る手段として、ベタパターン107を形成することに代えて、各配線パターン104を構成する材質を異ならせた点である。
具体的には、配線パターン104Aの材質は、配線パターン104Aよりも体積が小さい配線パターン104Bの材質よりも伝熱性が高い材質である。また、配線パターン104Bの材質は、配線パターン104Bよりも体積が小さい配線パターン104Cの材質よりも伝熱性が高い材質とする。これによって、各配線パターン104による熱伝導が均一化されて、各電極102と各電極91との接続不良を抑制することができる。
(画像形成装置の変形例)
次に、本発明の液体吐出ヘッドが設けられる画像形成装置の変形例を図11、図12を参照して説明する。
次に、本発明の液体吐出ヘッドが設けられる画像形成装置の変形例を図11、図12を参照して説明する。
図11、図12に示す画像形成装置200は、ライン型画像形成装置であり、装置本体201と、用紙202を積載し給紙する給紙トレイ203と、印刷された用紙202を積載する排紙トレイ204と、用紙202を給紙トレイ203から排紙トレイ204まで搬送する搬送ユニット205と、搬送ユニット205によって搬送される用紙202に液滴を吐出し印字する記録ヘッド(液体吐出ヘッド)250(図12参照)を構成するヘッドモジュールアレイ260を含む画像形成ユニット206と、印刷終了後又は所要のタイミングで画像形成ユニット206の各ヘッドモジュールアレイ260の複数のヘッドの維持回復を行う維持回復機構であるヘッドクリーニング装置207と、ヘッドクリーニング装置207を開閉する搬送ガイド部208と、画像形成ユニット206のヘッドモジュールアレイ260にインクを供給する図示しないサブタンクやメインタンクで構成されるインク供給系とを備えている。なお、被記録媒体は、用紙202に限られず、OHPシートなどの他の材料からなるシートも用いられる。
装置本体201は、図示しない前後側板及びステーなどで構成されており、給紙トレイ203上に積載されている用紙202は、分離ローラ211及び給紙ローラ212によって1枚ずつ搬送ユニット205に給紙される。
搬送ユニット205は、搬送駆動ローラ213Aと搬送従動ローラ213Bと、これらの搬送駆動ローラ213A、搬送従動ローラ213B間に掛け回された無端状の搬送ベルト214とを備えている。この搬送ベルト214の表面には複数の図示しない吸引穴が形成されており、搬送ベルト214の下部には用紙202を吸引する吸引ファン215が配置されている。また、搬送駆動ローラ213A、搬送従動ローラ213B上部には、それぞれ搬送ガイドローラ216A、216Bが図示しないガイドに保持されて、自重にて搬送ベルト214に当接している。
搬送ベルト214は、搬送駆動ローラ213Aが図示しないモータにより回転されることで周回移動し、用紙202は搬送ベルト214上に吸引ファン215により吸い付けられ、搬送ベルト214の周回移動によって搬送される。なお、搬送従動ローラ213B、搬送ガイドローラ216A、216Bは搬送ベルト214に従動して回転する。
搬送ユニット205の上部には、用紙202に印字する液滴を吐出するヘッドモジュールアレイ260で構成される画像形成ユニット206が矢示A方向(及び逆方向)に移動可能に配置されている。この画像形成ユニット206は、維持回復動作時(クリーニング時)にはヘッドクリーニング装置207上方まで移動され、画像形成時には図11の位置に戻される。
画像形成ユニット206は、搬送ベルト214上に吸着保持されて搬送される用紙202に対して4色分のインク(イエローY、マゼンタM、シアンC、ブラックK)の液滴を吐出するライン型記録ヘッドを構成するヘッドモジュールアレイ260を有している。ヘッドモジュールアレイ260では、各列の記録ヘッド250にインクを分配して供給する分岐部材261が一体に設けられている。分岐部材261には図示しないサブタンクからインクが供給され、サブタンクにはメインタンクからインクが供給される。なお使用するインク色はこれら4色に限らず再現する色や階調の領域を拡大するためにレッド、グリーン、ブルー、グレー等の色を加える構成となる場合もある。
また、ヘッド配列方向(図12においてX方向、用紙搬送方向に対して直交する方向)において隣り合う2つの記録ヘッド250の端部の1又は複数のノズルが重なり合う(重複する)ように記録ヘッド250は配列されている。これにより、2つの記録ヘッド250それぞれのノズルによって同じ記録位置(ドット位置)に記録を行うことができる。この同じ記録位置に記録を行うことのできる記録ヘッド250の端部のノズルを「重複ノズル」といい、重複ノズルの領域を「繋ぎ部」、「ノズル列重複部分」、「重複ノズル領域(又は部分)若しくは「オーバーラップ領域(又は部分)」という。
搬送ユニット205の下流側には用紙202を排紙トレイ204に排紙する搬送ガイド部208が設けられている。搬送ガイド部208にて案内されて搬送される用紙202は排紙トレイ204に排紙される。排紙トレイ204は、用紙202の幅方向を規制する対のサイドフェンス241と用紙202の先端を規制するエンドフェンス242を備えている。
ヘッドクリーニング装置207は、維持回復機構であり、画像形成ユニット206の各記録ヘッド250に対応するキャップ部材271及び図示しないワイパ部材と、キャップ部材271で記録ヘッド250のノズル面(ノズルが形成された面)をキャッピングした状態でノズルからインクを吸引するための吸引ポンプ272が配置されている。
また、この画像形成装置200においては、印刷終了後、液滴を吐出する記録ヘッド250のノズル面をヘッドクリーニング装置207のキャップ部材271でキャッピングした状態でノズルからインクを吸引する場合、あるいは、記録ヘッド250のノズル面に付着したインクをワイピング部材で清掃する場合は、図11にも示すように、印刷停止後、搬送ユニット205全体が搬送従動ローラ213Bを支点に矢印B方向に回動し、画像形成ユニット206との間の空間を画像形成時よりも大きくすることで、画像形成ユニット206の移動スペースを確保するようにしている。このとき、ヘッドクリーニング装置207上部に配置されている搬送ガイド部208の搬送ガイド板273も支点274にて矢印C方向上方に回動され、ヘッドクリーニング装置207の上方が開放される。
そして、搬送ユニット205と搬送ガイド部208がそれぞれ解放(解除)された後に、画像形成ユニット206が用紙通紙方向(矢示A方向)に移動し、ヘッドクリーニング装置207上方で停止され、キャップ部材271などが上昇して各記録ヘッド250のクリーニング動作(維持回復動作)に移行する。
以上説明したとおり、各実施形態で示した回路基板及びこの回路基板を備えた液体吐出ヘッドにおいては、回路基板とフレキシブル基板とを半田接続する際に生じる接続不良を抑制することができ、製造効率を高めることができる。
なお、上記実施形態においては、液体吐出ヘッドをインクジェットヘッドに適用したが、インク以外の液体、例えば、パターニング用の液体レジストを吐出する液体吐出ヘッドなどにも適用できる。さらに、上記実施形態においては、回路基板100を液体吐出ヘッドに適用したが、各種電子機器に広く適用することができる。
また、上記各実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定するものではない。各実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。
90 可撓性プリント基板(フレキシブル基板)
100 回路基板
102 電極
104 配線パターン
106 絶縁性伝熱部材(伝熱部材)
107 ベタパターン(伝熱部材)
100 回路基板
102 電極
104 配線パターン
106 絶縁性伝熱部材(伝熱部材)
107 ベタパターン(伝熱部材)
Claims (6)
- 半田接続によって可撓性プリント基板の電極と接続される複数の電極と、
前記複数の電極にそれぞれ接続される複数の配線パターンと、を備え、
前記各配線パターンは、同材質で等体積に形成される
ことを特徴とする回路基板。 - 半田接続によって可撓性プリント基板の電極と接続される複数の電極と、
前記複数の電極にそれぞれ一端部が接続される複数の配線パターンと、
前記配線パターンの他端部にそれぞれ接続される複数の電極部と、
前記各電極部および各配線パターンの一部が共通に接続される伝熱部材と、を備え、
前記各配線パターンのうち前記伝熱部材に接続されていない部分は、同材質で等体積に形成される
ことを特徴とする回路基板。 - 前記伝熱部材は、前記各電極部および各配線パターンを覆って形成される絶縁性伝熱部材である
ことを特徴とする請求項2に記載の回路基板。 - 前記複数の電極にそれぞれ接続される複数の配線パターンには、それぞれ同材質で等体積に形成されるスルーホールが接続される
ことを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の回路基板。 - 回路基板の一面に形成され、半田接続によって可撓性プリント基板の電極と接続される複数の電極と、
前記回路基板の一面に形成され、前記複数の電極にそれぞれ接続される複数の配線パターンと、
前記複数のパターンにそれぞれ接続され、前記回路基板の一面と他の面とを接続する複数のスルーホールと、
前記回路基板の他の面に形成され、前記複数のスルーホールと接続されるベタパターンと、を備え、
前記ベタパターンの体積は、前記複数の配線パターンの熱伝導を無視できる大きさを有することを特徴とする回路基板。 - 請求項1ないし5のいずれかに記載された回路基板を備えた
ことを特徴とする液体吐出ヘッド。
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