JP5593631B2 - Icカードを固定した封入台紙 - Google Patents
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Description
特には、発行者がこれらICカードを利用者に送付する際、「郵便区分け機」による仕分け処理時に、区分け機のローラ圧により接触式ICカードのICモジュールが損傷することのないように考慮したことを特徴とするICカードを固定した封入台紙に関する。
図6の場合は、封入台紙10jにICカード1を係止させる切り欠き1a,1bを設けて、当該切り欠きにICカード1の対角のコーナー部を差し込んで固定するものである。
図6では、単票のICカード用封入台紙10jとされているが、二つ折りの台紙であってもよい。また、ICカード1の一枚のみを保持するものであってもよい。
図7は、切り欠きを設けず封入台紙10jにICカード1を再剥離性の両面粘着テープ4をあらかじめ貼り付けておき、その両面粘着テープ4にICカード1を押しつけて固定する方法である。両面粘着テープ4はICカード1のほぼ中心に位置するうように貼られる。図示しないが、切り欠きと両面粘着テープ4の双方を設けてもよいものである。
そこで、特許文献6のように、郵送用封筒のICモジュール1mが対面する位置に保護部材を設けることなども提案されている。
本願は、このような「郵便区分け機」によりICカード封入郵便物が処理された場合にも上記のような損傷を受けないようにすることを目的とするものである。
(1)郵便物を表裏からゴムベルトで挟み搬送する機構
(2)郵便物を上方に持ち上げる際に、郵便物の自重によるスリップや傾きを防ぐための表裏のローラ搬送機構
(3)郵便物の搬送経路を切り替えるための駆動ローラ機構
(4)郵便物の方向変更のためのローラとゴムベルトによる搬送機構
郵便物15は、ローラ軸20,21に取り付けたゴム巻きローラにより挟まれて搬送される。ローラ軸20は3輪の表面ゴム巻きローラ20a,20b,20cを有しており、ローラ軸21も3輪の表面ゴム巻きローラ21a,21b,21cを有している。
図8(B)のように、ローラ20aと20b,20bと20cは、互いに約30mmの間隔で軸20に保持され、ローラ21a,21b,21cも同一間隔で軸21に保持されている。各ゴム巻きローラの幅はいずれも7mm程度である。
ローラ軸20とローラ軸21は約10mm前後にずれるように配置されているので、ローラ20aと21a、20bと21b、20cと21cの各ローラ対は郵便物10が無い状態でも直接は接触しないようにされている。なお、ローラ配列は、メーカーや機種により若干の違いがあるが、郵便物を上昇搬送させる箇所では、滑りを防止するため概ねこのような構造をとることが通例である。
同封されている封入物は、ある程度、ICモジュールの負荷軽減に役立つものの、IC部保護を目的に作成されたものではないため、十分な保護効果が得られないことが多い。
特許文献5は、ICカード封入用封筒のICモジュール対面位置部分に保護部材を設けることを提案し、特許文献6は、ICカード封入用封入物においてICモジュール位置部分に保護構造を設けることを提案している。
本発明のICカードを固定した封入台紙(以下、単に「封入台紙」ともいう。)10は、郵送用封筒内に納まる大きさであり、台紙10にICカード1が固定されている。勿論、ICカードを1枚に限らず2枚を固定するようにしてもよいものである。
第1形態では、封入台紙10に、ICカード1のICモジュール1mが接触端子板1tを外面にして固定されており、ICモジュール1mの接触端子板1tとその周囲域を含む部分(図1(A)の鎖線kで囲む域内)の反対側面領域と前記封入台紙10との間が再剥離性であって柔軟な接着剤3により接着されている。
図1(A)では、鎖線kが囲む域は、接触端子板1tに対し左右に5mm程度、上下に2mm程度拡張した範囲に図示されている。なお、ICモジュール1mの表面外形は接触端子板1tの外形と実質的に同一となる。
両面テープによる接着域の無い図6の従来の封入台紙10jと比較しても圧力が分散するのは同様である。固化した後の接着剤が十分に柔軟性でない場合であっても、7mm程度のローラ幅よりも接触端子板の面積(通常、10〜11mm×12〜13mm程度)は広いので、圧力を分散して平均化する効果を生じる。
あるいはまた、「その周囲域」が、上記のICモジュールの接触端子板の上下縁及び左縁から8mmを超えない範囲を含み、さらに右縁(ICカードの中心方向側の縁)からは20mmを超えない範囲であるようにしてもよい。ICカード1の中心方向側に接着域を拡張するのが、カードの重心側を接着して安定した接着が得られるからである。
第2形態では、封入台紙10に、ICカード1のICモジュール1mが接触端子板1tを外面にして固定されている状態にあり、ICモジュール1mの接触端子板1tとその周囲域を含む部分の反対側面領域と前記封入台紙10との間がICカードに対して再剥離性の両面接着テープ4により接着されている特徴がある。
図2(A)の場合は、両面接着テープ4の接着域が、ICモジュール1mの上下縁から2mm、左縁からは5mmの範囲までであり、右縁(ICカードの中心方向側の縁)からは、20mmの範囲までに拡大されている。ICカード1の前記域以外の部分の反対側面領域と封入台紙10との間は、接着テープによっては接着されない状態にされている。
「その周囲域」の意味は第1形態と同様であり、以下の第3、第4形態も同様である。
第3形態では、封入台紙10に、ICカード1のICモジュール1mが接触端子板1tを外面にして固定されている状態において、ICモジュール1mの接触端子板1tとその周囲域を含む部分の反対側面領域と前記封入台紙10との間が、接触端子板1tの中心であるICチップ2位置を含む部分を除いて、2乃至4の複数箇所に分割したICカードに対して再剥離性であって柔軟な接着剤3により接着され、ICカード1の前記域以外の部分の反対側面領域と封入台紙との間は接着されない状態にされているものである。
ICチップ位置を含む部分を除いてとは、ICチップ2を含み、ICチップ2に2〜3mmに近接した周囲等も非接着域になることを意味する。図4においても同様である。
図3(A)の場合は、左右2箇所に分割されて接着されているが、ICモジュール1mの接触端子板1tとその周囲域を含む部分内において、その四隅角部の4箇所をスポット状に接着してもよい。
ICチップ2の位置部分が非接着域であって、ほぼその周囲が柔軟な接着剤4となるので、ICチップ2自体には直接ローラ圧が伝達され難くなる利点がある。
第4形態は、ICモジュール1mの接触端子板1tとその周囲域を含む部分の反対側面領域と前記封入台紙10との間が、接触端子板1tの中心であるICチップ2位置を含む部分を除いて、複数の再剥離性の両面接着テープ片、または環状または中抜き矩形形状の再剥離性の両面接着テープ4により接着され、ICカード1の前記域以外の部分の反対側面領域と封入台紙との間は接着されない状態にされていることを特徴とする。
図4の場合は、鎖線kで囲まれた中抜き矩形形状の再剥離性の両面接着テープ4により接着された状態を示している。ただし、複数の再剥離性の両面接着テープ4片を接着してもよいものである。両面接着テープ4の接着領域は、中抜き部を除き、図2(A)とほぼ同じ領域となっている。
ICチップ2の位置部分が非接着域であって、ほぼその周囲が両面接着テープ4となるので、ICチップ2自体には直接ローラ圧が伝達され難くなる特徴がある。
第5形態では、封入台紙10に、ICカード1のICモジュール1mが接触端子板1tを外面にして固定されている状態において、ICモジュール1mの接触端子板1tとその周囲域を含む部分の反対側面領域と前記封入台紙10との間が、接触端子板1tの中心であるICチップ2位置を含む部分は再剥離性であって柔軟な液状接着剤3により接着され、前記ICチップ2位置を除く部分は再剥離性の両面接着テープ4により接着され、ICカード1の前記域以外の部分の反対側面領域と封入台紙10との間は接着されない状態にされていることを特徴とする。
ICチップ2の位置部分が柔軟な接着剤3で固定され、その周囲が両面接着テープ4となるので、ICチップ2自体には直接ローラ圧を伝達し難くするとともに、固化した液状接着剤の薄膜状物がクッション材の役割をして、ICチップ2を保護することになる。
(1)<封入台紙>
紙層間剥離を生じ難い上質紙やコート紙、板紙、樹脂含浸紙等を使用できる。例えば、填料を全パルプ繊維分に対して2〜10質量%含有させた原紙の表面に、澱粉および合成サイズ剤からなる途被液を塗布、乾燥して得られる基材が、紙層破れを起こさない材料として好ましい。ただし、接着材料自体は封入台紙に対しては強接着または永久接着してもよいから、紙層間剥離が生じないことが絶対必須条件ではない。
再剥離性とは、一旦ICカードを接着しても、ICカードを剥がして実用する際は、接着面から比較的に低い抵抗でICカードを損傷または汚損させないで、かつ糊残りなく剥離させる性質のことをいう。ただし、接着状態から衝撃程度で剥離してしまう場合は、封入台紙に固定する意味がなくなってしまう。
目安として、ICカード1の基材と接着剤層との間の接着力(180度剥離接着強度)が、2.4CN/cmから80CN/cmであれば、通常は再剥離性であると言え、80CN/cmを超える値であれば強接着性と考えられる。
ただし、ICカード1のプラスチック基材から剥離できれば、上記数値を超える接着剤であっても目的に適合することもある。本発明では、ICカードが剥離可能でICカード表面を変質したり、痕跡をのこさないものを再剥離性とする。再剥離後、再び接着性を有する必要はない。
なお、塩化ビニル樹脂、ウレタン樹脂からなる溶剤形の強力ボンド接着剤では、ICカード表面を変質させて不適であることが確認されている。スチレンブタジエンゴム系でシクロヘキサン、ノルマルヘキサン等を使用するボンドGクリヤーは、ICカードに対して強接着しないが、接着後の剥離ではカード面に痕跡を残すことが認められた。
通常、基材を中心層としてその両面に粘着層を設け、両面の粘着層が剥離紙で保護されている状態のものが使用される。中心層基材が不織布やゴム系、発泡材料等のクッション性のものが好ましい。中心層基材と両面の再剥離性粘着層を含めた全体厚みが、20μm程度から800μm未満程度のものを使用できる。20μm未満でも効果は得られると考えられるが、厚み20μm未満の両面接着テープは入手し難い状況である。
粘着性の両面接着テープは、基材を中心層としてICカード側面が再剥離性であればよく、封入台紙側とは強接着しても構わない。通常、両面再剥離性であるが、その場合にも紙である封入台紙側に対しては、ICカード側よりは強接着するものが好ましい。
両面接着テープの場合も、ICカードと接着剤層との間の接着力(引張りせん断接着強度)が、2.4CN/cmから80CN/cmであれば再剥離性であると言え、80CN/cmを超える値であれば強接着性と考えられる。上記と同様に、やや強接着性であっても目的に適合する場合もある。
このICカード1の接触端子板(大きさ;10mm×12mm)1tの上下縁側を各2mm、左右縁側を各5mm拡大した領域の背面側を、酢酸ビニル樹脂系の水性形の木工用ボンド接着剤(コニシ株式会社製、品番♯04469)を用いて接着した。なお、ICカードを剥離した後の接着剤層の厚みは、25μmであり、剥離した後の接着剤層3のショアAゴム硬度は約50であった。
このICカード1の接触端子板(大きさ;10mm×12mm)1tの四周の外縁を各1mm拡大した領域の背面側を、無溶剤形の特殊シリコーン変性ポリマーを使用した弾性接着剤(セメダイン株式会社製、品番♯PM165−R)を用いて接着した。なお、ICカードを剥離した後の接着剤層の厚みは、35μmであり、剥離した後の接着剤層3のショアAゴム硬度は約30であった。
このICカード1の接触端子板(大きさ;10mm×12mm)1tの上下縁側を各2mm、左右縁側を各8mm拡大した領域の背面側を、不織布ベースのアクリル系粘着剤からなる再剥離性両面テープ(株式会社寺岡製作所製、品番No7220、全体厚み0.15mm)を用いて接着した。
このICカード1の接触端子板(大きさ;10mm×12mm)1tの上下縁側を各2mm、左右縁側を各8mm拡大した領域の背面側を、PETフィルム基材のアクリル系粘着剤からなる再剥離性両面粘着テープ(テサテープ株式会社製、品番tesa62010L、全体厚み0.125mm)を用いて接着した。このテープのカード側粘着力は、10〜50CN/cmの弱粘着であり、台紙側は440〜600CN/cmの強粘着なものである。
このICカード1の接触端子板(大きさ;10mm×12mm)1tの上下縁側を各2mm、左縁側を8mm、右縁側を15mm拡大した領域の背面側を、特殊発泡体ベースのアクリル系粘着剤からなる再剥離性両面テープ(コニシ株式会社製、品番♯04686、全体厚み0.75mm)を用いて接着した。
このICカード1の接触端子板(大きさ;10mm×12mm)1tの上下縁側を各2mm、左右縁側を各5mm拡大した領域の背面側を、不織布ベースのアクリル系粘着剤からなる再剥離性両面テープ(株式会社寺岡製作所製、品番No7220、全体厚み0.15mm)のICチップ2部分となる中心部を5mm×5mmで打ち抜いて接着した。
このICカード1の接触端子板(大きさ;10mm×12mm)1tの上下縁側を各2mm、左右縁側を各8mm拡大した領域の背面側を、特殊発泡体ベースのアクリル系粘着剤からなる再剥離性両面テープ(コニシ株式会社製、品番♯04686、全体厚み0.75mm)のICチップ2部分となる中心部を5mm×5mmで打ち抜いて台紙10に接着し、5mm角の打ち抜き部に、酢酸ビニル樹脂系の水性形の木工用ボンド接着剤(コニシ株式会社製、品番♯04469)を滴下してからICカード1を接着した。
ICカード用封入台紙10jとして上質紙(90kg/46判)を使用し、対角部に切り欠き1a,1bを、図6のように設けて1枚の接触式ICカードを保持できるように準備した。これに実施例1と同一のものである表裏面がPET樹脂からなる、厚み0.78mmのICカード1を使用し、接着剤や両面接着テープを使用せずに、切り欠き1a,1bにICカード1の対角コーナー部を差し込むだけで保持させた。
ICカード用封入台紙10は、実施例1と同一のものを使用した。ICカード1も実施例1と同一のものである表裏面がPET樹脂からなる、厚み0.78mmのICカード1を使用した。
このICカード1の接触端子板(大きさ;10mm×12mm)1tの上下縁側を各2mm、左右縁側を各8mm拡大した領域の背面側を、スチレンブタジエンゴム系で、溶剤にシクロヘキサン、ノルマルヘキサンを使用するボンド接着剤(コニシ株式会社製、品番CPクリヤー)を用いて接着した。なお、ICカードを剥離した後の接着剤層の厚みは、25μmであり、剥離した後の接着剤層3のショアAゴム硬度は約60であった。
この郵便物を「郵便区分け機」と類似する搬送機構を持つ試作試験機で区分け処理を繰り返し(各5回)実施したが、実施例1から実施例7、比較例2のものは、ICモジュール1mが損傷を受けることはなかった(試料点数各5点)。
ただし、比較例2のものは、ICカード1に対して、接着の痕跡を残すことが認められ、使用に適さないことが確認された。
一方、本発明のICカード用封入台紙10を使用しない比較例1の郵便物では、同一処理回数、試料点数において、1点のICモジュール1mの損傷が生じた。
以上の結果から、本発明のICカード封入台紙10がICモジュールの保護に有効に機能することが確認できた。
1m ICモジュール
1t 接触端子板
2 ICチップ
3 再剥離性の接着剤
4 再剥離性の両面接着テープ
10 ICカードを固定した封入台紙、封入台紙
15 郵便物
Claims (2)
- プラスチック製ICカードを郵送する封入台紙において、前記ICカードは前記ICカードのICモジュール部分の接触端子板を外面にして、前記ICカードの前記外面と反対側の面であって少なくとも前記ICモジュール部分に対応する領域を含む面と、前記封入台紙との間が再剥離性の柔軟な接着剤により接着されており、前記ICモジュール部分のICチップ位置を除いて接着されていることを特徴とするICカードを固定した封入台紙。
- プラスチック製ICカードを郵送する封入台紙において、前記ICカードは前記ICカードのICモジュール部分の接触端子板を外面にして、前記ICカードの前記外面と反対側の面であって少なくとも前記ICモジュール部分に対応する領域を含む面と、前記封入台紙との間が再剥離性の両面接着テープにより接着されており、前記ICモジュール部分のICチップ位置を除いて接着されていることを特徴とするICカードを固定した封入台紙。
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