JP5592984B2 - 湿式電子写真用印刷用紙 - Google Patents

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Description

本発明は、湿式電子写真印刷に用いられる印刷用紙に関するものである。更に詳しくは、液体トナーを使った電子写真方式を用いて印刷する時に、転写ドラムから紙への液体トナーの転移性、液体トナーの紙への定着性及び走行性が良好で、かつ、オフセット印刷方式又は凸版印刷方式での印刷にも好適に使用可能な非塗工の普通紙タイプの紙又は板紙の湿式電子写真用印刷用紙に関する。
商業印刷の主体は、キャスト紙、アート紙、コート紙、微塗工紙、非塗工の普通紙又は板紙を用いたオフセット印刷方式である。しかし、近年は多品種小ロット印刷に対応するため、乾式電子写真方式、湿式電子写真方式又はインクジェット方式といった可変情報を扱えるオンデマンド印刷方式が開発されている。これらのオンデマンド印刷方式の中でも湿式電子写真方式は、オフセット印刷に近い画像が得られるため、急速に需要が伸びてきている。湿式電子写真印刷の分野が、今後更に成長するためには、次に述べる用紙の適性の他に、専用紙ではなく、安価で入手し易い一般的に商業印刷にも好適に使用可能な用紙が使用できることが重要な点となる。
湿式電子写真方式は、感光体上に現像された液体トナーを転写ドラムへ転移させ、液体トナー中の溶剤を熱によって揮散させ、熱及び圧力によって転写ドラムから紙へ転写して印刷を行う。湿式電子写真用印刷用紙には、液体トナーの転写ドラムから用紙への転移性、トナー定着性及び用紙の走行性が求められる。液体トナーの転写ドラムから用紙への転移性が不足すると、印刷時の操業性悪化又は1枚毎に印刷情報を変える場合に汚れが発生するなどの問題が発生する。液体トナーの定着性が弱いと、印刷後の印刷面同士の擦れなどによって、印刷面からトナーが欠落する場合がある。
液体トナーの定着性を高める方法として、用紙にイミン系化合物を抄き込んだり、塗布したりする、いわゆるサファイヤ処理が行われてきた。サファイヤ処理した用紙は、液体トナーの定着性には有効であるが、一般紙と異なり製造コストが高い、経時で性能が劣化する、変色するなどの問題点があった。
そこで、サファイヤ処理を行わない普通紙タイプの湿式電子写真印刷用紙の提案がいくつかなされている。液体トナーの定着性を改善する目的で、パーカープリントサーフで測定した表面平滑度が4.7ミクロン以上であり、内添サイズ剤の種類を限定した用紙が提案されている(例えば、特許文献1を参照。)。また、液体トナーの定着性を改善する目的で、ガーレー透気度が200秒以上であり、ブリストー法吸収係数が3.2ml/m・ms1/2以下であり、且つパーカープリントサーフで測定した表面粗さが6.5〜10μmである用紙が提案されている(例えば、特許文献2を参照。)。
特開平10−171148号公報 特開2001−75303号公報
しかしながら、特許文献1に記載の方法は、表面の平滑性を粗くすることによって液体トナーの定着性を改善する試みであるが、得られた用紙は、液体トナーの定着性を必ずしも満足できるものではない。また、サイズ剤の種類に限定があり、アルキルケテンダイマーを使用することができないという問題があった。特許文献2のように200秒以上という高い透気度を有する用紙は、液体トナーの転写ドラムから紙への転移性が悪化するという問題がある。これまで、非塗工の普通紙タイプの湿式電子写真用紙のうち、転写ドラムから紙への液体トナーの転移性及び液体トナーの紙への定着性が良好なものはほとんど無いのが現状である。
本発明の目的は、液体トナーを使った電子写真方式を用いて印刷する時に、転写ドラムから紙への液体トナーの転移性及び液体トナーの紙への定着性が良好で、かつ、一般的な商業印刷のオフセット印刷方式又は凸版印刷方式での印刷にも好適に使用可能な安価な非塗工の普通紙タイプの湿式電子写真用印刷用紙を提供することである。
本発明者らは、湿式電子写真用印刷用紙の印刷適性について、鋭意検討を重ねた結果、透気性及び平滑性を制御することによって、課題を達成できることを見出した。
本発明に係る湿式電子写真用印刷用紙では、基紙が、内添填料と内添サイズ剤とを含有し、前記基紙の表面に表面紙力増強剤及び外添サイズ剤を塗布した非塗工の湿式電子写真用印刷用紙において、前記基紙は、イミン系化合物を含まず、前記外添サイズ剤が、アルキルケテンダイマーを含み、前記内添サイズ剤が、アルケニル無水コハク酸であり、ガーレー透気度が40秒以下であり、かつ、ベック平滑度が10秒以上であることを特徴とする。
本発明に係る湿式電子写真用印刷用紙では、前記表面紙力増強剤が、澱粉系表面紙力増強剤、ポリビニルアルコール系表面紙力増強剤又はポリアクリルアミド系表面紙力増強剤の少なくとも1種を含むことが好ましい。液体トナーの転移性及び定着性を更に向上させることができる。
本発明に係る湿式電子写真用印刷用紙では、前記填料として、炭酸カルシウムを全填料の合計量に対して14〜100質量%含み、前記湿式電子写真用印刷用紙の全質量を100質量%としたとき、炭酸カルシウムの含有量が、4質量%以上であり、かつ、灰分が、4〜35質量%であることが好ましい。液体トナーの転移性及び定着性を更に向上させることができる。
本発明に係る湿式電子写真用印刷用紙では、搬送方向のガーレー剛度が1.0mN以上であることが好ましい。枚葉の形態で供給する場合に、搬送不良を少なくすることができる。
本発明は、液体トナーを使った電子写真方式を用いて印刷する時に、転写ドラムから紙への液体トナーの転移性及び液体トナーの紙への定着性が良好で、かつ、一般的な商業印刷のオフセット印刷方式又は凸版印刷方式での印刷にも好適に使用可能な安価な非塗工の普通紙タイプの湿式電子写真用印刷用紙を提供することができる。
次に、本発明について実施形態を示して詳細に説明するが、本発明はこれらの記載に限定して解釈されない。本発明の効果を奏する限り、実施形態は種々の変形をしてもよい。第二実施形態は参考形態である。
本発明者らは、非塗工の普通紙タイプの湿式電子写真印刷において、紙への液体トナーの転移性及び定着性を良好とするためには、用紙の透気性を高め、かつ、平滑性を一定の範囲に収めることが非常に重要であることを見出した。さらに、サイズ剤としてアルキルケテンダイマーを使用すると、液体トナーの転移性が悪化する場合があるが、透気性を高くすることで、アルキルケテンダイマーの悪影響を排除できることを見出した。
用紙の透気性を高めることは、すなわち、用紙中の空隙を増やすことであり、空隙が増すことによって、液体トナーが、用紙表面に接触して密着し易くなり、かつ、液体トナーの溶剤分を紙中へ吸収し易くなるため、液体トナーの転移性及び定着性が向上すると考えられる。用紙の透気性の指標であるガーレー透気度(JIS P8117:2009「紙及び板紙−透気度及び透気抵抗度試験方法(中間領域)−ガーレー法」)は、100ccの空気が紙中を抜ける時間で計測され、数値が小さいほど透気性が高いことを意味する。また、用紙表面の平滑性は、粗いほど液体トナーと用紙との密着性が悪くなり、液体トナーの転移性及び定着性が悪化する。用紙の平滑性の指標であるベック平滑度(JIS P8119:1998「紙及び板紙−ベック平滑度試験機による平滑度試験方法」)は、10ccの空気が紙の表面から漏れる時間で計測され、数値が小さいほど平滑性が低いことを意味する。用紙の透気性及び平滑性を適正な範囲に収めることで、液体トナーの転移性及び定着性が向上すると考えられる。
印刷用紙には、通常、吸水性を制御するためにサイズ剤が使用される。湿式電子写真用印刷用紙では、液体トナーの転移性及び定着性を向上させる観点では、サイズ剤は使用しないことが好ましいが、抄紙時の表面サイズ液若しくはオフセット印刷時の湿し水の吸液性の制御又はペンなどによる筆記時のにじみ防止のために、サイズ剤が必要となる。サイズ剤の種類の中で、アルキルケテンダイマーは、用紙表面を滑り易くする効果、サイズ性の劣化が少ないなどの効果を期待して使用される場合が多い。しかし、アルキルケテンダイマーは、液体トナーの用紙への転移性を阻害することが知られている。よって、アルキルケテンダイマーを使用する場合は、用紙の透気度を低く抑える必要がある。
第一実施形態に係る湿式電子写真用印刷用紙では、基紙が、内添填料と内添サイズ剤とを含有し、前記基紙の表面に表面紙力増強剤及び外添サイズ剤を塗布した非塗工の湿式電子写真用印刷用紙において、前記外添サイズ剤が、アルキルケテンダイマーを含み、前記内添サイズ剤が、アルケニル無水コハク酸であり、ガーレー透気度が40秒以下であり、かつ、ベック平滑度が10秒以上である。このような構成とすることで、液体トナーの転移性及び定着性を保ち、かつ、オフセット印刷方式又は凸版印刷方式での印刷にも好適に使用可能な印刷用紙を得ることができる。
第一実施形態に係る湿式電子写真用印刷用紙では、ガーレー透気度が40秒以下である。より好ましくは、30秒以下である。ガーレー透気度が、40秒を超えると、液体トナーの転移性及び定着性が不足する。ただし、ガーレー透気度は、5秒以上とすることが好ましい。より好ましくは、10秒以上である。ガーレー透気度が、5秒未満では、エアーによるバキューム方式において、枚葉用紙の給紙で重送の問題が発生する場合がある。
第一実施形態に係る湿式電子写真用印刷用紙では、ベック平滑度が10秒以上である。より好ましくは、20秒以上である。ベック平滑度が、10秒未満では、液体トナーの転移性及び定着性が不足する。ただし、ベック平滑度は、150秒以下とすることが好ましい。より好ましくは、120秒以下である。150秒を超える高平滑性を求めると、ガーレー透気度を80秒以下に制御することが非常に困難となり、液体トナーの転移性及び定着性が不足する場合がある。
ここで、ガーレー透気度を40秒以下に制御する方法としては、例えば、パルプの叩解によるフリーネスを制御する方法、抄紙機のプレスの線圧を制御する方法若しくはカレンダーの線圧を制御する方法又はこれらを組み合わせて制御する方法がある。加えて、嵩高剤の使用、基紙表面への各種塗布液の配合及び塗布量の組み合わせ又は填料の種類及び配合量の組み合わせによって制御することができる。パルプのフリーネス(カナダ標準ろ水度)(JIS P 8121:1995「パルプのろ水度試験方法」)は、例えば、パルプとして広葉樹さらしクラフトパルプ(LBKP)を用いる場合には、300〜600ccとすることが好ましい。より好ましくは、350〜550ccである。フリーネスが300cc未満では、ガーレー透気度が高くなりすぎる場合がある。600ccを超えると、ガーレー透気度が低くなりすぎる場合がある。また、紙層強度が低下して、印刷時に問題が発生する場合がある。
また、ベック平滑度を10秒以上に制御する方法は、例えば、抄紙機のプレス、マシンカレンダー、スーパーカレンダー、ソフトカレンダーなど公知のカレンダー装置による平滑化処理である。
第一実施形態に係る湿式電子写真用印刷用紙では、基紙の表面に表面紙力増強剤及び外添サイズ剤を塗布する。外添サイズ剤は、アルキルケテンダイマーを含む。外添サイズ剤は、例えば、該外添サイズ剤を含有する塗布液として、基紙の表面に塗布する。外添サイズ剤の塗布量は、固形分換算で、用紙の片面あたり、0.001〜0.030g/mとすることが好ましい。より好ましくは、0.005〜0.010g/mである。
第一実施形態は、例えば、次のように変形することができる。第一実施形態の変形形態に係る湿式電子写真用印刷用紙では、基紙が、内添サイズ剤を更に含有し、内添サイズ剤が、アルキルケテンダイマーを含むことが好ましい。内添サイズ剤及び外添サイズ剤として、アルキルケテンダイマーを用いることで、用紙表面を滑り易くする効果、サイズ性の劣化が少ないなどの効果を更に高めることができる。内添サイズ剤の含有量は、基紙を構成するパルプの全固形分に対して、0.01〜0.10質量%が好ましい。より好ましくは、0.01〜0.05質量%である。
また、サイズ剤として、アルキルケテンダイマー以外のサイズ剤を併用することが可能である。併用可能なサイズ剤は、従来公知のサイズ剤を使用でき、例えば、ロジン系サイズ剤、アルケニル無水コハク酸、スチレン‐アクリル系サイズ剤、スチレン‐マレイン酸系サイズ剤、高級脂肪酸アミド系サイズ剤、オレフィン系サイズ剤、アクリレート系サイズ剤である。特に好ましい形態としては、外添サイズ剤としてアルキルケテンダイマーを使用し、内添サイズ剤としてロジン系サイズ剤又はアルケニル無水コハク酸の少なくともいずれか1種を使用する形態である。
表面紙力増強剤としては、特に制限はないが、例えば、澱粉系表面紙力増強剤、ポリビニルアルコール系表面紙力増強剤、ポリアクリルアミド系表面紙力増強剤、尿素ホルムアルデヒド系表面紙力増強剤、メラミンホルムアルデヒド系表面紙力増強剤、ポリアミドエポキシ系表面紙力増強剤である。これらは、1種を単独で使用するか又は2種以上を併用することができる。本実施形態に係る湿式電子写真用印刷用紙では、表面紙力増強剤が、澱粉系表面紙力増強剤、ポリビニルアルコール系表面紙力増強剤又はポリアクリルアミド系表面紙力増強剤の少なくとも1種を含むことが好ましい。澱粉系表面紙力増強剤は、例えば、酸化澱粉、カチオン化澱粉、両性澱粉、グラフト化澱粉、燐酸エステル化澱粉、自家変成澱粉である。自家変性は、例えば、酵素又は熱化学的作用による変性である。ポリビニルアルコール系表面紙力増強剤は、例えば、ポリビニルアルコール、変性ポリビニルアルコールである。ポリビニルアルコールは、完全ケン化タイプ、部分ケン化タイプ、中間ケン化タイプを含む。ポリアクリルアミド系表面紙力増強剤は、例えば、アニオン性ポリアクリルアミド、ノニオン性ポリアクリルアミド、カチオン性ポリアクリルアミドである。澱粉系表面紙力増強剤、ポリビニルアルコール系表面紙力増強剤又はポリアクリルアミド系表面紙力増強剤の少なくともいずれか1種又は2種以上を併用することで、一般的な商業印刷であるオフセット印刷又は凸版印刷に必要な表面強度を維持しつつ、液体トナーの転移性及び定着性を更に向上させることができる。特に、ポリビニルアルコール系表面紙力増強剤又はポリアクリルアミド系表面紙力増強剤が好ましく、澱粉系表面紙力増強剤とポリビニルアルコール系表面紙力増強剤との併用又は澱粉系表面紙力増強剤とポリアクリルアミド系表面紙力増強剤との併用が特に好ましい。
表面紙力増強剤を塗布する表面は、基紙の片面又は両面である。本実施形態では、両面であることが好ましい。基紙表面への表面紙力増強剤の塗布量としては、固形分換算で、用紙の片面あたり、0.05〜3.00g/mであることが好ましい。より好ましくは、0.50〜2.50g/mである。0.05g/m未満では、湿式電子写真印刷を含めた印刷時の紙剥け、粉落ち、紙加工時の用紙表層剥離などの問題が発生する場合がある。3.00g/mを超えると、透気度が上昇することによって、液体トナーの転移性不足、定着性不足、ベタツキなどの問題が発生する場合がある。また、ポリビニルアルコール系表面紙力増強剤は、液体トナーの転移性、定着性向上に効果的であるが、透気性が低くなりやすいため、ポリビニルアルコール系表面紙力増強剤の塗布量は、固形分換算で、用紙の片面あたり、0.05〜0.75g/mであることが好ましい。より好ましくは、0.05〜0.4g/mである。
表面紙力増強剤は、例えば、該表面紙力増強剤を含有する塗布液として、基紙の表面に塗布する。塗布液中の表面紙力増強剤の含有量は、1〜20質量%であることが好ましい。より好ましくは、4〜15質量%である。
表面紙力増強剤を含有する塗布液と外添サイズ剤を含有する塗布液とは、個々に基紙の表面に塗布するか、又は両者を混合した混合液として同時に塗布してもよい。個々に塗布する場合には、塗布する順番は特に限定されない。さらに、これらの塗布液には、本発明の目的とする効果を損なわない範囲で、導電剤、カチオン化剤、着色染料、着色顔料、蛍光増白剤など公知の助剤を適宜配合してもよい。また、これらの塗布液の基紙表面への塗布手段としては、特に限定されるものではなく、サイズプレス、ゲートロールサイズプレス、シムサイザー、ロッドコーター、エアーナイフコーターなど公知の塗布機を用いることができる。
第一実施形態に係る湿式電子写真用印刷用紙においては、基紙に填料を含有させる。填料としては、従来公知の顔料を使用することが可能であり、例えば、炭酸カルシウム、タルク、カオリン、焼成カオリン、二酸化チタン、合成シリカである。これらは、単独で使用するか、又は2種以上を併用してもよい。これらの填料の中でも、液体トナーの定着性を更に向上できる点で、炭酸カルシウムを用いることが好ましい。さらに、炭酸カルシウムのなかでも、軽質炭酸カルシウムがより好ましい。炭酸カルシウムは、防滑剤としての機能があるため、滑剤としての効果が期待できるタルクを炭酸カルシウムと併用することが好ましい。炭酸カルシウムとタルクとの配合割合は、14:86〜95:5とすることが好ましい。より好ましくは、20:80〜90:10である。用紙表面の滑り性を適性範囲に収めることができる。二酸化チタンは、印刷用紙の画像裏抜け防止効果が高いため、二酸化チタンを更に併用することが好ましい。二酸化チタンの配合量は、画像裏抜け防止効果及びコストの点から、灰分として0.5〜5質量%であることが好ましい。より好ましくは、1〜3質量%である。
第一実施形態に係る湿式電子写真用印刷用紙では、填料として、炭酸カルシウムを全填料の合計量に対して14〜100質量%含み、湿式電子写真用印刷用紙の全質量を100質量%としたとき、炭酸カルシウムの含有量が、4質量%以上であり、かつ、灰分が、4〜35質量%であることが好ましい。液体トナーの転移性及び定着性を更に向上させることができる。
灰分は、湿式電子写真用印刷用紙の全質量を100質量%としたとき、4〜35質量%であることが好ましい。より好ましくは、6〜33質量%である。灰分が4質量%未満では、液体トナーの転移性及び定着性が弱くなる場合がある。灰分が35質量%を超えると、液体トナーの転移性及び定着性の改良効果が飽和し、表面強度が低下するため、紙剥けや粉落ちの問題が発生する場合がある。
炭酸カルシウムは、用紙の表面に転移した液体トナー残存溶媒を吸収し易いため、炭酸カルシウムを配合することによって、液体トナーの転移性及び定着性を更に向上させることができる。炭酸カルシウムは、全填料の合計量に対して、14〜100質量%であることが好ましい。より好ましくは、20〜100質量%である。炭酸カルシウムの全填料の合計量に対する含有量が14質量%未満の場合は、液体トナーの転移性及び定着性が弱くなる場合がある。炭酸カルシウムの用紙全体に対する含有量は、4質量%以上であることが好ましい。4質量%未満では、液体トナーの転移性及び定着性が弱くなる場合がある。ただし、炭酸カルシウムの用紙全体に対する含有量は、基紙の表面強度の低下又は抄造ワイヤの磨耗が早くなるおそれがあるため、35質量%以下とすることが好ましい。より好ましくは、25質量%以下である。
第一実施形態に係る湿式電子写真用印刷用紙では、湿式電子写真方式の印刷機に枚葉の形態で供給を行う場合の搬送方向のガーレー剛度(JAPAN TAPPI No.40:2000年)が、1.0mN以上であることが好ましい。より好ましくは、1.5mN以上である。ガーレー剛度は、紙、板紙の走行性の指標である。湿式電子写真方式では、用紙を枚葉の形態で供給することがある。枚葉の形態で供給する場合、搬送方向の紙の剛性が弱いと用紙を供給する時に、搬送不良が発生するところ、ガーレー剛度を1.0mN以上とすることで、枚葉の形態で供給した際の搬送不良の少ない印刷用紙を供給することができる。ガーレー剛度が、1.0mN未満では、転写ドラムへ用紙を供給するときに、搬送不良の問題が発生する場合がある。なお、ガーレー剛度は、40mN以下とすることが好ましい。より好ましくは、30mN以下とする。
基紙としては、主として、原料パルプを含む紙を用いる。原料パルプとしては、例えば、LBKP(広葉樹さらしクラフトパルプ)、NBKP(針葉樹さらしクラフトパルプ)などの化学パルプ、GP(砕木パルプ)、PGW(加圧式砕木パルプ)、RMP(リファイナーメカニカルパルプ)、TMP(サーモメカニカルパルプ)、CTMP(ケミサーモメカニカルパルプ)、CMP(ケミメカニカルパルプ)、CGP(ケミグランドパルプ)などの機械パルプ、DIP(脱インキパルプ)などの木材パルプ及びケナフ、バガス、竹、コットンなどの非木材パルプである。これらは、単独で使用するか又は任意の割合で混合して使用することが可能である。また、本発明の目的とする効果を損なわない範囲において、合成繊維を更に配合することができる。環境保全の観点から、ECF(Elemental Chlorine Free)パルプ、TCF(Totally Chlorine Free)パルプ、DIP、植林木から得られるパルプがより好ましい。
原料パルプは、離解機及び叩解機を使用して適切な叩解度(フリーネス)を有するパルプスラリーとする。パルプスラリーには、填料と内添サイズ剤とを配合して紙料を調製する。紙料には、湿潤紙力増強剤、乾燥紙力増強剤などの内添紙力増強剤、嵩高剤、歩留り向上剤、濾水性向上剤、硫酸バンド、カチオン化剤、着色染料、着色顔料、蛍光増白剤、蛍光消色剤などの公知の助剤を、本発明の目的とする効果を損なわない範囲で更に配合することが可能である。
紙料を抄紙機で抄紙し、基紙を抄造する。抄紙方法は、特に限定されるものではなく、長網抄紙機、長網多層抄紙機、円網抄紙機、円網多層抄紙機、長網円網コンビ多層抄紙機、ツインワイヤー抄紙機などの各種装置で製造できる。抄紙方式は、特に限定されず、酸性抄紙又は中性抄紙のいずれかを選択できる。ただし、填料として炭酸カルシウムを高配合する場合は、中性抄紙が好ましい。
基紙の坪量は、特に限定されないが、40〜350g/mであることが好ましく、より好ましくは、80〜300g/mである。
第一実施形態に係る湿式電子写真用印刷用紙の製造方法は、紙料調製工程と、抄紙工程と、表面サイズ工程と、カレンダー工程とを有する。紙料調製工程は、原料パルプを適度に叩解したパルプスラリーに、填料と必要に応じて内添サイズ剤と助剤とを配合して紙料を調製する工程である。抄紙工程は、紙料を抄紙機で抄紙して基紙を作製する工程である。表面サイズ工程は、基紙の表面に、表面紙力増強剤を含有する塗布液及び外添サイズ剤を含有する塗布液を塗布する工程である。カレンダー工程は、カレンダー装置を用いて用紙の表面を平滑化する工程である。このようにして、本実施形態に係る湿式電子写真用印刷用紙は、塗工工程などの加工工程を行わないため、安価に製造することができる。
第一実施形態は、外添サイズ剤を必須とする形態であるが、本発明は、サイズ剤の基紙への付与手段に制限されない。第二実施形態に係る湿式電子写真用印刷用紙では、基紙が、填料と内添サイズ剤とを含有し、基紙の表面に表面紙力増強剤を塗布した非塗工の湿式電子写真用印刷用紙において、内添サイズ剤が、アルキルケテンダイマーを含み、ガーレー透気度が40秒以下であり、かつ、ベック平滑度が10秒以上である。なお、第一実施形態に係る湿式電子写真用印刷用紙と第二実施形態に係る湿式電子写真用印刷用紙との相違は、アルキルケテンダイマーを含むサイズ剤を、外添サイズ剤として基紙に付与するか(第一実施形態)、又は内添サイズ剤として基紙に付与するか(第二実施形態)だけである。したがって、第二実施形態に係る湿式電子写真用印刷用紙は、基紙の構成、填料の種類及びその含有量、サイズ剤の種類及びその含有量、表面紙力増強剤の種類及びその含有量について、第一実施形態に係る湿式電子写真用印刷用紙と同等である。さらに、第一実施形態に係る湿式電子写真用印刷用紙と同等に、ガーレー透気度及びベック平滑度を適正に制御することで、紙への液体トナーの転移性及び定着性を良好とする効果を奏する。また、ガーレー剛度を適正に制御することで、走行性を良好とする効果を奏する。
第二実施形態に係る湿式電子写真用印刷用紙の製造方法は、紙料調製工程において、内添サイズ剤を必須として配合し、表面サイズ工程において、外添サイズ液を含有する塗布液を塗布しないこと以外は、第一実施形態に係る湿式電子写真用印刷用紙の製造方法と同様である。
第一実施形態、変形形態及び第二実施形態に係る湿式電子写真用印刷用紙は、湿式電子写真用印刷用紙としての使用に留まらず、乾式電子写真方式の複写機・プリンターの記録用紙、インクジェット方式の記録用紙として使用することができる。
次に、実施例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。また、例中の「部」、「%」は、特に断らない限りそれぞれ「質量部」、「質量%」を示す。なお、添加部数は、固形分換算の値である。
得られた湿式電子写真用印刷用紙について、以下に示す評価法に基づいて試験を行った。
(ガーレー透気度)
JIS P8117:2009年に準拠して測定した。
(ベック平滑度)
JIS P8119:1998年に準拠して測定した。
(全灰分)
JIS P8251:2003年「紙,板紙及びパルプ−灰分試験方法−525℃燃焼法」に準拠して測定した。
(ガーレー剛度)
JAPAN TAPPI No.40:2000年に準拠して測定した。
(フリーネス)
JIS P8121:1995年に準拠して測定した。
得られた湿式電子写真印刷機について、走行性、液体トナー転移性及び液体トナー定着性を、次の方法にて評価を行った。評価にあたり、湿式写真印刷機としてHP社製「HP Indigo5500 Digital Press」を使用し、幅320mm及び長さ460mmの寸法の用紙を用いて、ブラック、シアン、マゼンタ及びイエローの4色単色印刷のベタを含む画像の印刷を行った。
(走行性)
1000枚印刷を2回行ったときの全搬送不良回数を計測した。
◎:搬送不良回数が0回である(実用レベル)。
○:搬送不良回数が1回である(実用レベル)。
△:搬送不良回数が2回である(実用上下限レベル)。
×:搬送不良回数が3回以上である(実用不可レベル)。
(液体トナー転移性)
6000枚印刷後の転写ドラム上のトナーの残存状況を目視で評価した。
◎:転写ドラム上にトナーの汚れが無く、良好である(実用レベル)。
○:転写ドラム上にトナーの汚れがほとんど無く、良好である(実用レベル)。
△:転写ドラム上にトナーの汚れが多少あるが、実用上問題無い(実用下限レベル)。
×:転写ドラム上にトナーの汚れが酷い(実用上不可レベル)。
(液体トナー定着性)
印刷後、24時間経過した印刷サンプルの各色ベタ部に粘着テープ(セロテープ(登録商標)R、ニチバン社製)を貼り付け、180度剥離で約5mm/秒の速さで粘着テープを剥離した。剥離後の紙表面上の液体トナーの定着度合いを目視で評価した。
◎:粘着テープへの液体トナーの付着が無く、粘着テープの剥離跡の印刷濃度は変わらない(実用レベル)。
○:液体トナーが粘着テープに多少取られるが、粘着テープの剥離跡の印刷濃度はほとんど変わらない(実用レベル)。
△:液体トナーが粘着テープに取られ、粘着テープの剥離跡の印刷濃度がやや低下しているが、実用上問題無い(実用下限レベル)。
×:液体トナーが粘着テープに多く付着し、粘着テープの剥離跡に白く抜けた部分が発生している(実用上不可レベル)。
次に、得られた湿式電子写真用印刷用紙について、オフセット印刷適性として耐刷力を、次の方法にて評価を行った。
(耐刷力)
オフセット印刷機として、小森社製「リスロン40(L−40)」を使用し、墨、藍、紅及び黄インキにて4色印刷を8500枚/時の印刷速度で印刷し、耐刷力を評価した。
◎:ブランケットの汚れがほとんど無く、良好である(実用レベル)。
○:ブランケットの汚れが多少あるが、画線部の抜けがほとんど無く、良好である(実用レベル)。
△:ブランケットの汚れが多く、画線部の抜けが有る(実用上下限レベル)。
×:ブランケットの汚れが酷く、画線部の抜けも多い(実用上不可レベル)。
(実施例1)
パルプとしてECF漂白したLBKP100部をフリーネス450mlに叩解してパルプスラリーとし、このパルプスラリーに、内添紙力増強剤としてカチオン化澱粉(ネオタック30T:日本食品加工社製)1.0部と、填料として炭酸カルシウム(TP121:奥多摩工業社製)5部及びタルク(タルクNTL:日本タルク社製)15部と、内添サイズ剤としてアルケニル無水コハク酸(AS1523:星光PMC社製)0.05部と、硫酸バンド1部とを添加し、紙料を調製した。この紙料をオントップ型ツインワイヤー式抄紙機で抄紙して基紙を得た。次いで、ゲートロール装置にて、表面サイズ液として、表面紙力増強剤として酸化澱粉(エースA:王子コーンスターチ社製)12%液及び外添サイズ剤としてアルキルケテンダイマー(SE2380:星光PMC社製)0.1%液を混合した混合液を、基紙の両面あたりの塗布量が固形質量2g/m(片面あたり、1g/m)となるように塗布し、乾燥した。その後、マシンカレンダーで平坦化処理して、坪量105g/mの湿式電子写真用印刷用紙を得た。ガーレー透気度は28秒、ベック平滑度は40秒であった。用紙の全質量に対する炭酸カルシウムの含有量は、4.4%であった。
(実施例2)
実施例1において、フリーネスを300mlに変更し、プレス線圧調整及びマシンカレンダー調整によって、ガーレー透気度36秒、ベック平滑度103秒に変更し、坪量82g/mに変更した以外は、実施例1に記載したとおりの条件で湿式電子写真用印刷用紙を得た。用紙の全質量に対する炭酸カルシウムの含有量は、4.6%であった。
(実施例3)
実施例1において、フリーネスを550mlに変更し、プレス線圧調整及びマシンカレンダー調整によって、ガーレー透気度12秒、ベック平滑度18秒に変更し、坪量205g/mに変更した以外は、実施例1に記載したとおりの条件で湿式電子写真用印刷用紙を得た。用紙の全質量に対する炭酸カルシウムの含有量は、4.7%であった。
(参考例4)
実施例1において、内添サイズ剤をアルキルケテンダイマー(サイズパインK−287:荒川化学工業社製)0.05部に変更し、プレス線圧調整及びマシンカレンダー調整によって、ガーレー透気度22秒、ベック平滑度47秒に変更した以外は、実施例1に記載したとおりの条件で湿式電子写真用印刷用紙を得た。用紙の全質量に対する炭酸カルシウムの含有量は、4.3%であった。
(実施例5)
実施例1において、表面サイズ液を、表面紙力増強剤として酸化澱粉(エースA:王子コーンスターチ社製)10%液及び変性ポリアクリルアミド(ST−5000:星光PMC社製)2%液と外添サイズ剤としてアルキルケテンダイマー(SE2380:星光PMC社製)0.1%液との混合液に変更し、プレス線圧調整及びマシンカレンダー調整によって、ガーレー透気度29秒、ベック平滑度33秒に変更した以外は、実施例1に記載したとおりの条件で湿式電子写真用印刷用紙を得た。用紙の全質量に対する炭酸カルシウムの含有量は、4.5%であった。
(参考例6)
実施例1において、内添サイズ剤を中性ロジンサイズ剤0.2質量部(CC1401:星光PMC社製)に変更し、プレス線圧調整及びマシンカレンダー調整によって、ガーレー透気度21秒、ベック平滑度20秒に変更した以外は、実施例1に記載したとおりの条件で湿式電子写真用印刷用紙を得た。用紙の全質量に対する炭酸カルシウムの含有量は、4.2%であった。
(実施例7)
実施例1において、表面サイズ液を、表面紙力増強剤として酸化澱粉(エースA:王子コーンスターチ社製)10%液及び変性ポリアクリルアミド(ST−5000:星光PMC社製)2%液と外添サイズ剤としてアルキルケテンダイマー(SE2380:星光PMC社製)0.1%液との混合液に変更し、この表面サイズ液の塗布装置を2本ロールサイズプレスに変更して、塗布量を基紙の両面あたり固形質量5.5g/m(片面あたり、2.75g/m)に変更、プレス線圧調整及びマシンカレンダー調整によって、ガーレー透気度30秒、ベック平滑度26秒に変更した以外は、実施例1に記載したとおりの条件で湿式電子写真用印刷用紙を得た。用紙の全質量に対する炭酸カルシウムの含有量は、4.5%であった。
(実施例8)
実施例7において、パルプをECF漂白したLBKP50部及び漂白したDIP50部に変更し、表面サイズ液を、表面紙力増強剤として酸化澱粉(エースA:王子コーンスターチ社製)10%液及びポリビニルアルコール(PVA−117:クラレ社製)1%液と外添サイズ剤としてアルキルケテンダイマー(SE2380:星光PMC社製)0.1%液との混合液に変更し、プレス線圧調整及びマシンカレンダー調整によって、ガーレー透気度35秒、ベック平滑度33秒に変更した以外は、実施例7に記載したとおりの条件で湿式電子写真用印刷用紙を得た。用紙の全質量に対する炭酸カルシウムの含有量は、4.6%であった。
(参考例9)
参考例6において、填料を炭酸カルシウム(TP121:奥多摩工業社製)15部及びタルク(タルクNTL:日本タルク社製)1部に変更し、プレス線圧調整及びマシンカレンダー調整によって、ガーレー透気度22秒、ベック平滑度35秒に変更した以外は、参考例6に記載したとおりの条件で湿式電子写真用印刷用紙を得た。用紙の全質量に対する炭酸カルシウムの含有量は、13.0%であった。
(参考例10)
参考例6において、填料を炭酸カルシウム(TP121:奥多摩工業社製)17部及びタルク(タルクNTL:日本タルク社製)17部に変更し、プレス線圧調整及びマシンカレンダー調整によって、ガーレー透気度23秒、ベック平滑度52秒に変更した以外は、参考例6に記載したとおりの条件で湿式電子写真用印刷用紙を得た。用紙の全質量に対する炭酸カルシウムの含有量は、15.3%であった。
(参考例11)
参考例6において、填料を炭酸カルシウム(TP121:奥多摩工業社製)5部及びタルク(タルクNTL:日本タルク社製)1部に変更し、プレス線圧調整及びマシンカレンダー調整によって、ガーレー透気度34秒、ベック平滑度23秒に変更した以外は、参考例6に記載したとおりの条件で湿式電子写真用印刷用紙を得た。用紙の全質量に対する炭酸カルシウムの含有量は、4.2%であった。
(参考例12)
参考例6において、填料を炭酸カルシウム(TP121:奥多摩工業社製)17部の単独に変更し、プレス線圧調整及びマシンカレンダー調整によって、ガーレー透気度20秒、ベック平滑度35秒に変更した以外は、参考例6に記載したとおりの条件で湿式電子写真用印刷用紙を得た。用紙の全質量に対する炭酸カルシウムの含有量は、14.8%であった。
(参考例13)
参考例6において、填料を炭酸カルシウム(TP121:奥多摩工業社製)2部及びタルク(タルクNTL:日本タルク社製)12部に変更し、プレス線圧調整及びマシンカレンダー調整によって、ガーレー透気度37秒、ベック平滑度32秒に変更した以外は、参考例6に記載したとおりの条件で湿式電子写真用印刷用紙を得た。用紙の全質量に対する炭酸カルシウムの含有量は、1.8%であった。
(参考例14)
参考例13において、表面サイズ液を、表面紙力増強剤として変性ポリアクリルアミド(ST−5000:星光PMC社製)4%液と外添サイズ剤としてアルキルケテンダイマー(SE2380:星光PMC社製)0.1%液との混合液に変更し、表面サイズ液の塗布量を基紙の両面あたり固形質量0.7g/m(片面あたり、0.35g/m)に変更し、プレス線圧調整及びマシンカレンダー調整によって、ガーレー透気度24秒、ベック平滑度31秒に変更した以外は、参考例13に記載したとおりの条件で湿式電子写真用印刷用紙を得た。用紙の全質量に対する炭酸カルシウムの含有量は、1.6%であった。
(参考例15)
参考例6において、填料を炭酸カルシウム(TP121:奥多摩工業社製)3部の単独に変更し、プレス線圧調整及びマシンカレンダー調整によって、ガーレー透気度30秒、ベック平滑度23秒に変更した以外は、参考例6に記載したとおりの条件で湿式電子写真用印刷用紙を得た。用紙の全質量に対する炭酸カルシウムの含有量は、2.4%であった。
(実施例16)
実施例1において、プレス線圧調整及びマシンカレンダー調整によって、ガーレー透気度5秒及びベック平滑度10秒に変更した以外は、実施例1に記載したとおりの条件で湿式電子写真用印刷用紙を得た。用紙の全質量に対する炭酸カルシウムの含有量は、4.4%であった。
(参考例17)
実施例1において、内添サイズ剤をアルキルケテンダイマー(サイズパインK−287:荒川化学工業社製)0.05部に変更し、表面サイズ液として、表面紙力増強剤として酸化澱粉(エースA:王子コーンスターチ社製)12%液を用いた以外は、実施例1に記載したとおりの条件で湿式電子写真用印刷用紙を得た。ガーレー透気度及びベック平滑度は、実施例1と同様であった。また、用紙の全質量に対する炭酸カルシウムの含有量は、4.1%であった。
(比較例1)
フリーネスを250mlに変更し、プレス線圧調整及びマシンカレンダー調整によって、ガーレー透気度55秒、ベック平滑度68秒に変更した以外は、実施例1に記載したとおりの条件で湿式電子写真用印刷用紙を得た。
(比較例2)
フリーネスを620mlに変更し、プレス線圧調整及びマシンカレンダー調整によって、ガーレー透気度15秒、ベック平滑度7秒に変更した以外は、実施例1に記載したとおりの条件で湿式電子写真用印刷用紙を得た。
(比較例3)
フリーネスを250mlに変更し、プレス線圧調整及びマシンカレンダー調整によって、ガーレー透気度43秒、ベック平滑度8秒に変更した以外は、実施例8に記載したとおりの条件で湿式電子写真用印刷用紙を得た。
(比較例4)
表面サイズ液を塗布無しに変更し、プレス線圧調整及びマシンカレンダー調整によって、ガーレー透気度26秒、ベック平滑度31秒に変更した以外は、参考例4に記載したとおりの条件で湿式電子写真用印刷用紙を得た。
(比較例5)
フリーネスを620mlに変更し、プレス線圧調整及びマシンカレンダー調整によって、ガーレー透気度6秒、ベック平滑度8秒に変更し、坪量64g/mに変更した以外は、実施例1に記載したとおりの条件でガーレー剛度0.903mNの湿式電子写真用印刷用紙を得た。用紙の全質量に対する炭酸カルシウムの含有量は、4.1%であった。


Figure 0005592984
実施例1〜3,5,7,8,16、参考例4,6,9〜15,17と比較例1〜3、5を比較することで、ガーレー透気度を40秒以下にし、ベック平滑度を10秒以上にすることによって、液体トナーの転移性及び定着性が良好であることが確認できた。また、実施例1〜3,5,7,8,16、参考例4,6,9〜15,17と比較例4とを比較することで、表面紙力増強剤を配合した表面サイズ液を原紙表面に塗布することによって、液体トナー転移性及び定着性とオフセット印刷適性とを兼ね備えることができることが確認できた。
参考例6、9〜12と参考例13〜15とを比較することで、全填料中の炭酸カルシウムの配合割合を14〜100質量%とし、灰分を4〜35質量%とし、かつ、炭酸カルシウムの添加率を4質量%以上にすることによって、液体トナーの転移性及び定着性が良好であることが確認できた。
実施例1と参考例17とを比較することで、アルキルケテンダイマーは、内添サイズ剤として配合する又は外添サイズ剤として配合するのいずれであっても、液体トナーの転移性及び定着性が良好な用紙が得られることが確認できた。
実施例1〜3,5,7,8,16、参考例4,6,9〜15,17と比較例5とを比較することで、ガーレー剛度を1mN以上にすることで、枚葉供給時における走行性が良好であることが確認できた。
表1から明らかなように、表面紙力増強剤を原紙表面に塗布し、ガーレー透気度及びベック平滑度を制御することによって、液体トナーの転移性及び定着性が良好で、かつ、商業印刷の主体であるオフセット印刷適性も有する湿式電子写真用印刷用紙を得ることができた。また、ガーレー剛度を1mN以上にすることによって、枚葉での走行性も良好な湿式電子写真用印刷用紙を得ることができた。

Claims (4)

  1. 基紙が、内添填料と内添サイズ剤とを含有し、
    前記基紙の表面に表面紙力増強剤及び外添サイズ剤を塗布した非塗工の湿式電子写真用印刷用紙において、
    前記基紙は、イミン系化合物を含まず、
    前記外添サイズ剤が、アルキルケテンダイマーを含み、
    前記内添サイズ剤が、アルケニル無水コハク酸であり、
    ガーレー透気度が40秒以下であり、かつ、ベック平滑度が10秒以上であることを特徴とする湿式電子写真用印刷用紙。
  2. 前記表面紙力増強剤が、澱粉系表面紙力増強剤、ポリビニルアルコール系表面紙力増強剤又はポリアクリルアミド系表面紙力増強剤の少なくとも1種を含むことを特徴とする請求項1に記載の湿式電子写真用印刷用紙。
  3. 前記填料として、炭酸カルシウムを全填料の合計量に対して14〜100質量%含み、
    前記湿式電子写真用印刷用紙の全質量を100質量%としたとき、炭酸カルシウムの含有量が、4質量%以上であり、かつ、灰分が、4〜35質量%であることを特徴とする請求項1又は2に記載の湿式電子写真用印刷用紙。
  4. 搬送方向のガーレー剛度が1.0mN以上であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一つに記載の湿式電子写真用印刷用紙。
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