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本発明は、表面サイズ剤を含む処理液で表面処理を施した印刷用紙に関するものである。更に詳しくは、サイズ性、オフセット印刷適性、電子写真印刷適性に優れた印刷用紙に関するものである。
近年、環境保護の観点から、紙の使用量をできるだけ減量する、あるいは古紙の利用を更に進めることが求められてきている。紙の使用量を減らすという点では、印刷用紙をできるだけ軽量化させることが求められている。また、古紙の利用という点では、古紙パルプの使用が求められている。
印刷用紙を軽量化させた場合は、用紙の不透明度が低下するため、紙中に含まれる填料を増加して不透明度を補うのが一般的な技術であるが、填料を増やすと印刷用紙のサイズ性は低下する。また、古紙の配合率を上げた場合にも、古紙パルプ由来の界面活性剤やアニオントラッシュのために内添サイズ剤の歩留まりが低下するためにサイズ性が低下する。従って、いずれのケースにおいてもサイズ性の向上が課題となる。
印刷用紙のサイズ剤に関しては、一般的に行われている中性紙の印刷用紙を製造する際には、内添サイズ剤としてアルケニル無水コハク酸、アルキルケテンダイマー(以下、AKDと略す)、中性ロジンサイズ剤等が使用されている。これらのうち、AKDはC16〜C22の直鎖の炭化水素基の部分が疎水性部分となるため、比較的少量の添加量でサイズ性を発揮することができることから広く使用されている。
しかし、前述のサイズ性向上対策としてAKDの内添量増で対応しようとした場合、抄紙機のプレスからドライヤーパートにおいてサイズ剤由来の汚れが発生しやすい。AKD由来の汚れは強固な固まりであり、汚れがひどくなった場合には、紙自身の表面に型が転写されて紙表面の外観を損なうことや、断紙を引き起こすことがある。
このような問題に対し、内添サイズ剤との定着性を向上させるための添加物を添加し、サイズ剤の歩留まり率を向上させることで、内添サイズ剤の添加量を抑えようとする試みが示されている(例えば、特許文献1、非特許文献1参照)。しかし、これらの方法では内添サイズ剤の添加量を減らした際のサイズ性が十分に得られず、また、内添サイズ剤による抄紙機の汚れを解消するまでには至らなかった。
印刷用紙のサイズ性を向上させる別の方法として、スチレン−アクリル系、スチレン−マレイン系、オレフィン系、AKD系等の各種表面サイズ剤を使用することが挙げられる。しかしながら、スチレン−アクリル系、スチレン−マレイン系、オレフィン系のサイズ剤では充分なサイズ性改善効果が得られない。一方、AKD系表面サイズ剤を使用した場合は、サイズプレスでのロール表面汚れや、アフタードライヤーでのドラム表面汚れが発生することがある。また、原紙表面にAKD系表面サイズ剤の塗工量が多い印刷用紙は紙が滑りやすくなり、また、オフセット印刷時におけるインキ乾燥性や、電子写真印刷で印刷された際のトナー定着性が悪化しやすい。
近年、中性紙の表面サイズ剤として適用するための低融点のAKDサイズ剤が報告されている(例えば、非特許文献2参照)。従来、内添サイズ剤や表面サイズ用に使用されてきたAKDと比較して、融点が40℃以下の低融点AKD(以下、低融点AKDと称する)は、疎水性を示す炭化水素基の部分が直鎖ではなく、分岐構造を有した炭化水素基からなるAKDである。また、通常のAKDを加熱溶融した後に冷却した際には非常に硬い固化物となるが、低融点AKDの場合には比較的柔らかい固化物が形成される。このため、操業時にサイズプレスをはじめとする塗工機まわりやアフタードライヤーで汚れの発生が抑制される。低融点AKDを用いてサイズ性を発現させる試みも示されている(例えば、特許文献2参照)が、前述のような填料配合量が高い印刷用紙、あるいは古紙パルプを配合した印刷用紙などに適用する場合については、未だ検討されていない。
特許公開2000−27092号公報 特許公開平10−310993号公報
紙パ技協誌、第47巻第2号、p56−p60(1993) 永尾和樹、他3名、"新規なAKD系表面サイズ剤について"、紙パルプ技術タイムス、2007年7月、第50巻、第7号、p.15−17
サイズ剤由来の汚れによる抄紙機の操業性低下を起こすことなく、サイズ性、オフセット印刷適性、電子写真印刷適性に優れた古紙パルプを含む印刷用紙を提供することにある。
本発明の上記課題は、以下の方法によって達成された。
(1)古紙パルプの配合比率が20%以上のパルプ原料を使った原紙の少なくとも片面に、バインダーと表面サイズ剤とを含む処理液で表面処理を行った印刷用紙において、原紙の灰分が10〜25質量%であり、内添サイズ剤としてアルキルケテンダイマーを対パルプ0.05〜0.13質量%添加し、かつ表面サイズ剤として、融点が40℃以下の低融点アルキルケテンダイマーが片面当たり0.03〜0.07g/m 付着していることを特徴とする印刷用紙。
(2)処理液に表面サイズ剤として融点が40℃以下の低融点アルキルケテンダイマー(A)と、スチレン−アクリル系、オレフィン系から選ばれる少なくとも1種の表面サイズ剤(B)を含有し、AとBの質量比(A/B)が2/1〜12/1である処理液で表面処理を行った(1)記載の印刷用紙。
製造時にサイズ剤由来の汚れによる抄紙機の操業性低下を起こすことなく、サイズ性、オフセット印刷適性、電子写真印刷適性に優れた古紙パルプを含む印刷用紙を提供することができる。
抄紙機の操業性を低下させることなく、サイズ性に優れた古紙パルプの配合比率が20%以上の印刷用紙を提供するには、融点が40℃以下の低融点アルキルケテンダイマー(以下、低融点AKDと称する)を原紙の片面あたり0.01〜0.12g/m付着させることで達成される。低融点AKDの付着量が0.01g/mより少ない場合にはサイズ性が十分に発現しない。一方、低融点AKDの塗工量が0.12g/mよりも多い場合、サイズ性向上効果は飽和する。
本発明の印刷用紙は、灰分が10〜25質量%であることが好ましい。10質量%未満では、優れた不透明度を得られないことがある。また、25質量%を超える場合には、サイズ性が低下することがある。
本発明の印刷用紙は、全パルプのうち古紙パルプの配合比率が20〜100%であることが好ましい。環境保護の観点からは、古紙パルプの配合比率が多いほど好ましく、本発明においてはパルプ全量が古紙パルプでもよい。
また、本発明の印刷用紙は、内添サイズ剤としてAKDを対パルプ0.05〜0.13質量%添加し、かつ表面サイズ剤として低融点AKDが0.03〜0.07g/m付着していることが好ましい。
内添サイズ剤としてのAKDの添加量が対パルプ0.05質量%未満の場合は、原紙のサイズ性が低いため、表面サイズ剤として原紙に塗布する低融点AKDが原紙表面にとどまらず、原紙内部に浸透してしまうため、サイズ性が発現しにくくなる。逆に、内添サイズ剤としてのAKDの添加量が対パルプ0.15質量%を超える場合は、操業時の汚れの発生、オフセット印刷時のオフセット印刷インキの乾燥性悪化、電子写真印刷時のトナー定着性悪化などが生じることがある。
表面サイズ剤としての低融点AKDの付着量が0.03g/mよりも少ない場合、十分なサイズ性向上効果が得られない。また、低融点AKDの付着量が0.07g/mよりも多い場合には、サイズ性は充分に確保することができるが、オフセット印刷インキの乾燥性や電子写真印刷時のトナー定着性が悪化することがある。
更に、表面サイズ剤として低融点AKD(A)とスチレン−アクリル系またはオレフィン系から選ばれる少なくとも1種の表面サイズ剤(B)を併用し、AとBの質量比(A/B)が2/1〜12/1に調整することが好ましい。
スチレン−アクリル系、オレフィン系表面サイズ剤はいずれもオフセット印刷用インキや電子写真印刷のトナーとの親和性が高く、単独あるいは両者を併用することで印刷適性を改善させる効果がある。しかし、印刷用紙に充分なサイズ性を付与するためには、低融点AKDとの併用が必要となる。この際、低融点AKD(A)と併用する表面サイズ剤(B)の質量比(A/B)が12/1よりも大きい時には、スチレン−アクリル系及び/またはオレフィン系表面サイズ剤が低融点AKDよりも相対的に少なく、印刷適性の改善効果が充分ではない。一方、質量比が2/1よりも小さい場合には、オフセット印刷時におけるインキ乾燥性や電子写真印刷におけるトナー定着性の改良効果は飽和する。
本発明の印刷用紙の原紙に内添する填料は特に限定されるものではなく、公知の填料の中から適宜選択して使用することができる。このような填料としては、例えばタルク、カオリン、イライト、クレー、炭酸カルシウム、二酸化チタンなどの無機填料、及びプラスチックピグメントなどの有機填料等を挙げることができる。本発明においてはカオリン、イライト、炭酸カルシウムを単独または2種類以上を併用して用いることが好ましい。
本発明の印刷用紙を製造する際に使用されるパルプとしては、LBKP、NBKP、LBSP、NBSP、TMP、CTMP、BCTMP、GP、RGP、CGP等の各種パルプやDIPなどの各種古紙パルプ、ケナフ等の非木材繊維が挙げられ、必要に応じて、1種または2種以上を併用して用いることができる。
本発明の表面処理液に使用するバインダーとしては、酸化デンプン、エステル化デンプン、酵素変性デンプン、カチオン化デンプンなどのデンプン類、ポリビニルアルコール及びその誘導体、カゼイン、大豆タンパク質類、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース等のセルロース誘導体が挙げられる。
本発明の表面処理液を本発明の印刷用紙の原紙に塗工する方法としては、特に制限はなく、サイズプレス、フィルムプレスコーター、ゲートロールコーター、ブレードコーター、エアナイフコーター、カーテンコーターなどが選択できる。
以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。なお、実施例中の部及び%は、特に指定のない限り全て質量部及び質量%を示す。
<原紙の作製>
下記条件で印刷用紙用の原紙1〜11を作製した。
<原紙1>
濾水度450mlCSFのLBKP80質量%、濾水度400mlCSFの上質紙DIP20質量%からなるパルプ配合とし、全パルプ100質量%に対して、下記の薬品を配合し調製したパルプスラリーを用いて坪量60g/mの原紙を長網抄紙機において抄造した。抄造した原紙1の灰分は5%であった。
<内添薬品配合>
硫酸バンド 1.0%
軽質炭酸カルシウム(商品名:TP121、奥多摩工業社製) 10%
カチオン化澱粉(商品名:ネオタック40T、日本食品加工製) 0.8%
AKDサイズ剤(商品名:サイズパインK−903−20、荒川化学社製) 0.05%
歩留まり剤(商品名:ハイモロックNR11LS、ハイモ社製) 0.01%
<原紙2>
LBKPの配合率50%、上質紙DIP50%に変更した以外は、原紙1と同一の内容で原紙2を抄造した。原紙2の灰分は5%であった。
<原紙3>
LBKPの配合率30%、上質紙DIP70%に変更した以外は、原紙1と同一の内容
で原紙3を抄造した。原紙3の灰分は5%であった。
<原紙4>
上質紙DIP100%に変更した以外は、原紙1と同一の内容で原紙4を抄造した。原紙4の灰分は5%であった。
<原紙5>
軽質炭酸カルシウムの配合量を10%から20%に変更した以外は、原紙1と同一の内容で原紙5を抄造した。原紙5の灰分は10%であった。
<原紙6>
軽質炭酸カルシウムの配合量を10%から34%に変更した以外は、原紙1と同一の内容で原紙6を抄造した。原紙6の灰分は17%であった。
<原紙7>
軽質炭酸カルシウムの配合量を10%から50%に変更した以外は、原紙1と同一の内容で原紙7を抄造した。原紙7の灰分は25%であった。
<原紙8>
軽質炭酸カルシウムの配合量を10%から54%に変更した以外は、原紙1と同一の内容で原紙8を抄造した。原紙8の灰分は27%であった。
<原紙9>
AKDサイズ剤の配合量を0.05%から0.03%に変更した以外は、原紙1と同一の内容で原紙9を抄造した。原紙9の灰分は5%であった。
<原紙10>
AKDサイズ剤の配合量を0.05%から0.13%に変更した以外は、原紙1と同一の内容で原紙10を抄造した。原紙10の灰分は5%であった。
<原紙11>
AKDサイズ剤の配合量を0.05%から0.15%に変更した以外は、原紙1と同一の内容で原紙11を抄造した。原紙11の灰分は5%であった。
<サイズプレス液の作製>
下記条件でサイズプレス液1〜14を作製した。
<サイズプレス液1〜14>
酸化澱粉(商品名:MS3800、日本食品化工社製) 3.0%
表面サイズ剤 表1に記載した使用薬品、サイズプレス液に対する配合量
<サイズプレス条件>
サイズプレスはウエット塗布量を40g/mとした。各サイズプレス液でのサイズ剤の付着量を表1に示した。
Figure 0005161824
<サイズプレス処理>
表2に示した原紙及びサイズプレス液の組合せで、サイズプレス処理を行った。また、サイズプレス後はシリンダードライヤーで乾燥し、カレンダーで平滑化処理を行い、坪量64g/m、密度0.75g/cmに調整し、実施例1〜3、参考例1〜17及び比較例1〜5の印刷用紙を作製した。
Figure 0005161824
<評価>
実施例1〜、参考例1〜17および比較例1〜5の印刷用紙について、製造時における操業性と作製された印刷用紙の品質を下記の項目について評価した。
<操業性(原紙)>
印刷用紙の原紙を製造した際の、プレスからドライヤーにかけての各ロールの汚れ具合を目視評価した。
3:ロール部分に汚れなし。
2:ロール部分を斜光で見た場合にわずかに曇りがある。
1:ロール部分に汚れが見られ、紙離れも不安定になる。
評価結果で「2」以上であれば問題がないと判断する。
<操業性(サイズプレス)>
印刷用紙の原紙の上にサイズプレスを行った場合、コーター周りからドライヤーにかけての汚れ具合を目視評価した。
3:ロール部分に汚れなし。
2:ロール部分を斜光で見た場合にわずかに曇りがある。
1:ロール部分に汚れが見られ、紙離れも不安定になる。
評価結果で「2」以上であれば問題がないと判断する。
<サイズ性>
JIS P8122に従って、各印刷用紙のステキヒトサイズを測定した。印刷用紙が印刷時の湿し水で表面が濡れたりした場合の耐性や用紙の筆記性を考慮すると、64g/m換算で7秒以上であれば実用上問題ない。
<不透明度>
JIS P8149に従って、各印刷用紙の不透明度を測定した。64g/mの印刷用紙として、86%以上あれば印刷時の裏抜けが少ないものと判断した。
<インキ乾燥性>
印刷時のインキ乾燥性の指標として、「RI−1型印刷試験器」にてインキの定着性を下記の条件にて評価した。評価用インキはDIC社製「スペースカラーフュージョンG墨」0.7cc、ドラム回転数は70rpmでRI印刷を行った。印刷して60分後に印刷部分にセロハンテープを貼り、すぐに剥がした時のセロハンテープへのインキの転写の程度を目視評価した。
5:セロハンテープへのインキ転写が見られない。
4:セロハンテープのところどころにインキ転写が見られる。
3:セロハンテープへ斑状にインキ転写が見られる。
2:セロハンテープの半分以上の部分にインキ転写が見られる。
1:セロハンテープの全面にインキ転写が見られる。
評価結果で「3」以上であれば問題ないと判断する。
<トナー定着性>
コピー用紙としての使用を考慮し、トナー定着性を下記の条件にて評価した。コピー機はシャープ社製「MX−450F」で各サンプルに黒ベタを印刷し、印刷直後に黒ベタ部の半分にセロハンテープを貼った後すぐに剥がした。セロハンテープを貼っていない黒ベタ部の濃度と、剥がした後の部分の黒ベタ部の濃度を、サカタインクスエンジニアリング社製濃度計「SpectroEye」にてそれぞれ測定し、「((剥離後の濃度)/(剥離前の濃度))×100」をトナー残存率として算出した。トナー残存率80%以上が実用上必要であり、90%以上あれば良いレベル、97%以上あれば非常に良いレベルである。
以上の評価結果を表3に示す。
Figure 0005161824
参考例1〜4と比較例1、2を比較することで、表面サイズ剤として原紙表面に低融点AKDを0.01〜0.12g/m塗布することで、サイズ性が向上することがわかる。更に、低融点AKDの塗布量が0.12g/mを超えた場合には、オフセット印刷インキの乾燥性と電子写真印刷時のトナー定着性が悪化する。
参考例3、5〜7と比較例3、4を比較することで、原紙に古紙パルプが配合されていても、表面サイズ剤として原紙表面に低融点AKDを塗布することで、サイズ性が向上することがわかる。
参考例6と比較例5を比較することで、従来の表面サイズ用のAKDを原紙表面に塗布する場合には、サイズプレス以降のドライヤーなどで汚れが発生するが、本発明の低融点AKDを原紙表面に塗布する場合には、汚れが発生しないことがわかる。また、従来の表面サイズ用のAKDを塗布した印刷用紙は、オフセット印刷時におけるオフセット印刷インキの乾燥性が悪く、電子写真印刷時のトナーの定着性が悪化するが、本発明の低融点AKDを塗布した印刷用紙では、オフセット印刷時におけるオフセット印刷インキの乾燥性や電子写真印刷時のトナーの定着性に優れることがわかる。
参考例8〜10と参考例4、11を比較することで、原紙の灰分を10〜25%とすることで、不透明度が86%以上で、サイズ性にも優れ、オフセット印刷時におけるオフセット印刷インキの乾燥性や電子写真印刷時のトナーの定着性がより優れた印刷用紙を提供することができることがわかる。
参考例1〜4、12〜14を比較することで、内添サイズ剤として使用されるAKDの添加量が対パルプ0.05〜0.13質量%であり、表面サイズ剤として塗布された低融点AKDの付着量を0.03〜0.07g/mに調整して本発明の印刷用紙を製造することで、製造時における抄紙機での操業性がより安定し、サイズ性、オフセット印刷インキの乾燥性と電子写真印刷時のトナー定着性がより優れた印刷用紙を提供することができることがわかる。
参考例9と、参考例15〜17および実施例1〜3を比較することで、表面サイズ剤として、スチレン−アクリル系、オレフィン系から選ばれる少なくとも1種と、低融点AKD(A)と、スチレン−アクリル系またはオレフィン系表面サイズ剤(B)の質量比が、A/Bが2/1〜12/1になるように塗布することで、更に、オフセット印刷インキの乾燥性と電子写真印刷時のトナー定着性により優れた印刷用紙を提供することができることがわかる。
本発明において、少なくとも融点が40℃以下の低融点アルキルケテンダイマーを表面サイズ剤として使用することにより、生産時における操業性が良く、サイズ性に優れ、オフセット印刷においてインキ乾燥性に優れ、電子写真印刷においてトナー定着性に優れた古紙パルプを含んだ印刷用紙を提供することができる。

Claims (1)

  1. オフセット印刷および電子写真印刷に用いる印刷用紙であって、古紙パルプの配合比率が20%以上のパルプ原料を使った原紙の少なくとも片面に、バインダーと表面サイズ剤とを含む処理液で表面処理を行った印刷用紙において、原紙の灰分が10〜25質量%であり、内添サイズ剤としてアルキルケテンダイマーを対パルプ0.05〜0.13質量%添加し、かつ表面サイズ剤として融点が40℃以下の低融点アルキルケテンダイマー(A)およびオレフィン系から選ばれる少なくとも1種(B)を含有し、AとBの質量比(A/B)が2/1〜12/1であって、かつ融点が40℃以下の低融点アルキルケテンダイマーが片面あたり0.03〜0.07g/m付着していることを特徴とする印刷用紙。
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