JP5591265B2 - 無機繊維不織布用バインダー - Google Patents

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Description

本発明は無機繊維不織布用バインダーに関する。さらに詳しくは、均一で優れた機械的強度を有する無機繊維不織布を与える無機繊維不織布用バインダーに関する。
無機繊維不織布は通常、以下の方法で得られる。
(1)数10〜数100本の無機単繊維(繊維径約10〜25μm)をサイジング剤で集束させストランドを得る。
(2)該ストランドを所定の長さに切断して無機チョップドストランド(以下無機CSと略記)を得る。
(3)該無機CSを、一定速度で進退稼動する搬送用ネット上に方向を無秩序に散布、分散させて無機CS積層体とする。
(4)所定量の水を無機CS積層体の上面または下面側から噴霧する。
(5)該積層体の上面側からバインダーを散布したものをオーブンチャンバーで加熱することにより、融着したバインダーで無機CS同士を結合させ、さらにプレスすることにより無機繊維不織布を得る。なお、無機繊維不織布には低〜高目付量のものがあり、これらの目付量(1m2当たりの無機繊維不織布重量、以下同じ。)は通常40〜950g/m2である。
従来、無機繊維不織布用のバインダーとしては、機械粉砕により粉末化された不飽和ポリエステル樹脂(例えば特許文献1、2参照)が知られており、エンボス加工されたローラー付きの散布機から無機CS積層体上に、目付量に応じて調整される量のバインダーが散布されている。散布されたバインダーは、得られる無機繊維不織布の機械的強度(引張強度等、以下同じ。)に通常はそのすべてが寄与するわけではなく、無機CS積層体中の無機CSの交点に付着したものが主として寄与するとされる。
特開昭57−55931号公報 特開2003−301035号公報
そこで、従来のバインダーでは無機CSの交点に極力付着させて無機繊維不織布に十分な機械的強度を付与するために、多量のバインダー散布が必要であったこと、該多量散布でバインダーが無機CS積層体の表裏面に偏在して付着したり、無機CSの交点以外の無機CS上にも多量のバインダーが付着して、得られる無機繊維不織布の機械的強度が不均一になったり、無機繊維不織布が柔軟性に欠けたものになること等、工業上種々の問題があった。
本発明の目的は、低散布量でも無機CS交点へのバインダーの付着性に優れ、機械的強度が均一で柔軟性に優れる無機繊維不織布を与えるバインダーを提供することにある。
なお、本発明において柔軟性に優れるとは、後述の適度な曲げ弾性率を有することを意味する。該柔軟性に優れる無機繊維不織布は、後述する無機繊維強化プラスチック(以下FRPと略記)作製時における複雑な成形型へのフィット性に優れ、曲げ等の変形力に対して、折れ、破れまたは毛羽立ち等の不都合が生じることがない。
本発明者は、上記課題を解決するため鋭意検討した結果、本発明に到達した。すなわち、本発明は、1H−NMR(プロトン核磁気共鳴)分析において、2.7〜3.1ppmのスペクトルの積分値(α)と、6.2〜7.0ppmのスペクトルの積分値(β)の合計に基づく(α)の割合が1〜10%であり、3〜50mgKOH/gの酸価を有する不飽和基含有ポリエステル樹脂(PS)を含有してなる無機繊維不織布用バインダー(X)である。
本発明の無機繊維不織布用バインダーは、下記の効果を奏する。
(1)低散布量でも無機CS積層体の無機CS交点への付着性に優れる。
(2)均一で優れた機械的強度の無機繊維不織布を与える。
(3)得られる無機繊維不織布は柔軟性に優れる。
[不飽和基含有ポリエステル樹脂(PS)]
本発明における不飽和基含有ポリエステル樹脂(PS)は、不飽和基を有するポリカルボン酸(a1)およびポリオール(a2)を含有するポリエステル形成成分(a)を重縮合させてなる。なお、以下において、ポリカルボン酸にはエステル形成性誘導体〔酸無水物、低級[炭素数(以下Cと略記)1〜4、以下同じ。]アルキルエステル、酸ハライド等〕も含まれるものとする。
不飽和基を有するポリカルボン酸(a1)としては、2価〜3価またはそれ以上のもの、例えば脂肪族ポリカルボン酸(a11)、脂環含有ポリカルボン酸(a12)、およびこれらのエステル形成性誘導体が挙げられる。
(a11)としては、ジカルボン酸(C4〜10、例えば、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、メサコン酸、シトラコン酸、グルタコン酸)、トリカルボン酸(C5〜11、例えば、アコニット酸、1,1,2−エテントリカルボン酸)等が挙げられる。
(a12)としては、ジカルボン酸(C8〜12、例えばシクロヘキセンジカルボン酸、シクロオクテンジカルボン酸)、トリカルボン酸(C9〜13、例えばシクロヘキセントリカルボン酸、シクロオクテントリカルボン酸)等が挙げられる。
上記のエステル形成性誘導体には、酸無水物[C4〜10、例えば無水マレイン酸、無水イタコン酸、無水シトラコン酸、無水シクロヘキセンジカルボン酸等]、低級アルキル(C1〜4、以下同じ。)エステル[C6〜20、例えばジメチルエステル(フマル酸ジメチル、マレイン酸ジメチル、シクロヘキセンジメチル等)、ジエチルエステル(マレイン酸ジエチル、フマル酸ジエチル、シクロヘキセンジエチル等)等]、酸ハライド(C4〜10、例えばフマリルクロライド、マレイルクロライド、イタコニルクロライド)等が含まれる。
これらの(a1)のうち、FRP作製時のFRP樹脂(スチレンモノマー等、以下同じ。)と(PS)との相溶性の観点から好ましいのはジカルボン酸、さらに好ましいのは脂肪族ジカルボン酸、とくに好ましいのはマレイン酸、フマル酸およびそれらの無水物、とくに好ましいのは無水マレイン酸である。
ポリエステル樹脂(PS)を構成するポリカルボン酸としては、本発明の効果を阻害しない範囲で必要により(a1)の他に、不飽和基を有しない脂肪族、芳香環含有および脂環含有ポリ(2価〜3価またはそれ以上)カルボン酸、これらのエステル形成性誘導体、並びにこれらの混合物等を含有させることができる。
該不飽和基を有しないポリカルボン酸等を含有させる場合の含有量は、(a1)の重量に基づいて通常50%以下、本発明の効果の観点から好ましくは40%以下である。
上記脂肪族ポリカルボン酸としては、C2〜30で2〜3価のもの、例えばグルタル酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、トリカルバリル酸;
芳香環含有ポリカルボン酸としては、C8〜30で2〜4価のもの、例えばオルト−、イソ−およびテレフタル酸、テトラブロムフタル酸、トリメリット酸、ピロメリット酸;
脂環含有ポリカルボン酸としては、C6〜50で2〜3価のもの、例えば1,3−シクロブタンジカルボン酸、1,3−シクロペンタンジカルボン酸、1,2−および1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、1,3−および1,4−ジカルボキシメチルシクロヘキサン、ジシクロヘキシル−4,4’−ジカルボン酸、ダイマー酸;
エステル形成性誘導体としては、酸無水物(無水フタル酸、無水コハク酸等)、低級アルキル(C1〜4)エステル[ジメチルエステル(テレフタル酸ジメチル等)、ジエチルエステル(フタル酸ジエチル等)等]、酸ハライド(テレフタル酸ジクロライド等)等が挙げられる。
これらの不飽和基を有しないポリカルボン酸およびそのエステル形成性誘導体のうち、前記不飽和基を有するポリカルボン酸(a1)との相溶性の観点から好ましいのは脂肪族ポリカルボン酸、さらに好ましいのはグルタル酸、コハク酸およびアジピン酸、また、後述のFRP作製時のスチレンモノマーと親和性の観点から好ましいのは芳香環含有ポリカルボン酸、さらに好ましいのはオルト−、イソ−およびテレフタル酸である。
ポリオール(a2)としては、水酸基当量〔水酸基1個当たりの、数平均分子量[以下Mnと略記。測定は後述の条件でのゲルパーミエイションクロマトグラフィー(GPC)法による。]〕が(PS)樹脂の樹脂物性の観点から好ましくは300以下、さらに好ましくは31〜250のポリオールが使用できる。
(a2)としては、2価アルコール(a21)、3価〜10価またはそれ以上の多価アルコール(a22)、およびこれらのアルコールまたは多価(2価〜3価またはそれ以上)フェノールのアルキレンオキサイド(以下AOと略記。C2〜10)低モル(2〜10モル。以下同じ。)付加物(a23)、並びにこれらの2種以上の混合物が挙げられる。
AOとしては、エチレンオキサイド(以下EOと略記)、プロピレンオキサイド(以下POと略記)、1,2−、1,3−および2,3−ブチレンオキサイド、テトラヒドロフラン(以下THFと略記)、スチレンオキサイド、C5〜10またはそれ以上のα−オレフィンオキサイド、エピクロルヒドリン、およびこれらの2種以上の併用(ブロックおよび/またはランダム付加)が挙げられる。
これらのAOのうち、後述する無機繊維不織布の機械的強度、および無機繊維強化プラスチック(FRP)への適用におけるスチレンモノマー等の無機繊維不織布への浸透性の観点から好ましいのは、EO、PO、およびこれらの併用である。
2価アルコール(a21)としては、脂肪族アルコール〔直鎖アルコール[C2〜10、例えばエチレングリコール、ジエチレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール(以下それぞれEG、DEG、1,3−PG、1,4−BD、1,5−PD、1,6−HDと略記)]等〕、および分岐鎖を有するアルコール[C3〜15、例えば1,2−プロピレングリコール、ネオペンチルグリコール(以下それぞれ1,2−PG、NPGと略記)、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、2,2−ジエチル−1,3−プロパンジオール、1,2−、1,3−および2,3−ブタンジオール]〕;脂環含有アルコール[C5〜10、例えば1,3−シクロペンタンジオール、1,4−シクロヘキサンジオール、1,4−ビス(ヒドロキシメチル)シクロヘキサン];芳香環含有脂肪族アルコール[C8〜15、例えばm−およびp−キシリレングリコール]等が挙げられる。
3価〜10価またはそれ以上の多価アルコール(a22)の具体例としては、アルカンポリオール[C3〜10、例えばグリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ソルビトール(以下それぞれGR、TMP、PE、SOと略記)]、該アルカンポリオールの分子間もしくは分子内脱水物[C6〜30、例えばジPE、ポリGR(重合度2〜8)、ソルビタン]、糖類およびその誘導体(配糖体)(C6〜20、例えば果糖、ブドウ糖、ショ糖、メチルグルコシド)が挙げられる。
上記(a21)、(a22)のうち(PS)の溶融特性の観点から好ましいのは(a21)、さらに好ましいのは脂肪族アルコール、とくに好ましいのは1,4−BDおよびNPGである。
前記AO付加物(a23)の具体例としては、上記(a21)、(a22)のAO低(2〜10)モル付加物、および多価(2価〜3価またはそれ以上)フェノールのAO低(2〜10)モル付加物等が挙げられる。
該多価フェノールのうち、2価フェノールには、C6〜18のもの、例えば単環(ハイドロキノン、カテコール、レゾルシノール、ウルシオール等)、縮合多環[ジヒドロキシナフタレン(1,5−ジヒドロキシナフタレン等)、ビナフトール等]、ビスフェノール化合物(ビスフェノールA、−F、−C、−B、−ADおよび−S、4,4’−ジヒドロキシジフェニル−2,2−ブタン等)、ジヒドロキシビフェニル;並びに、3価またはそれ以上の多価フェノールには、C6以上かつMn1,500以下のもの、例えば単環(ピロガロール、フロログルシノール等)、および1価もしくは2価フェノール(フェノール、クレゾール、キシレノール、レゾルシノール等)とアルデヒド(ホルムアルデヒド、グルタルアルデヒド等)もしくはケトン(アセトン等)との縮合物(フェノールもしくはクレゾールノボラック樹脂、レゾール中間体、フェノールとグリオキザールもしくはグルタルアルデヒドとの縮合反応で得られるポリフェノール、レゾルシンとアセトンとの縮合反応で得られるポリフェノール等)が含まれる。
上記ポリオール(a2)のうち、FRP作製時のFRP樹脂と(PS)との相溶性の観点から好ましいのはビスフェノールAのAO付加物および脂肪族アルコール、さらに好ましいのがビスフェノールAのAO付加物である。
本発明におけるポリエステル樹脂(PS)は、前記不飽和基を有するポリカルボン酸(a1)およびポリオール(a2)を含有するポリエステル形成成分(a)を重縮合させることにより得られる。
重縮合時の反応温度は、エステル化および適度な架橋体生成の反応促進の観点から好ましくは210〜225℃、さらに好ましくは215〜220℃である。また、重縮合時の反応時間は、架橋体生成の促進および(PS)の溶融粘度の観点から好ましくは1〜10時間、さらに好ましくは1.5〜9時間である。
(PS)の製造における重縮合時の反応条件は、適度な架橋体生成の促進および溶融粘度の観点から好ましくは反応温度が210〜225℃で反応時間が1〜10時間、さらに好ましくは反応温度が215〜220℃で反応時間が1.5〜9時間である。
該重縮合反応は、エステル化触媒を使用してもよい。
エステル化触媒としては、プロトン酸(リン酸等)、金属(アルカリ金属、アルカリ土類金属、遷移金属、2B、4A、4B、5Aおよび5B族金属等)含有化合物[カルボン酸(C2〜4)塩、炭酸塩、硫酸塩、リン酸塩、酸化物、塩化物、水酸化物、アルコキシド等]等が挙げられる。
これらのうち反応性および得られるポリエステル樹脂の着色防止の観点から好ましいのは金属含有化合物、さらに好ましいのは2B、4A、4B、5Aおよび5B族金属の、カルボン酸(C2〜4)塩、酸化物およびアルコキシド、とくに好ましいのは酢酸亜鉛、酢酸ジルコニル、テトラブチルチタネート、ビス〔2,2’−[(2−ヒドロキシエチル)イミノ−κN]−ビス[エタノレート−κO]〕チタネート、三酸化アンチモンおよびジブチルスズオキサイドである。
エステル化触媒の使用量は、ポリエステル形成成分(a)の合計重量に基づいて、反応性および着色防止の観点から好ましくは0.005〜3%、さらに好ましくは0.01〜1%である。
該重縮合反応は通常、常圧または減圧(例えば6kPa以下)で行われる。また、該反応は得られるポリエステル樹脂(PS)の着色防止の観点から窒素等の不活性ガス雰囲気下で行うことが望ましい。
該重縮合反応時において、前記(a1)および必要により加えられる不飽和基を有しないポリカルボン酸に由来するカルボキシル基とポリオール(a2)に由来する水酸基との反応当量比(カルボキシル基/水酸基の当量比、以下同じ。)は、迅速な重縮合反応および得られるポリエステル樹脂の安定性の観点から好ましくは0.85〜1.2、さらに好ましくは0.90〜1.1であ
る。
また、該反応を促進するため、有機溶剤を加えて還流させることもできる。反応終了後、有機溶剤は除去するのが望ましい。
有機溶剤としては、水酸基のような活性水素を有しないもの、例えば炭化水素(トルエン、キシレン等)、ケトン(メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等)が挙げられる。
本発明における不飽和基含有ポリエステル樹脂(PS)は、1H−NMR分析において、2.7〜3.1ppmのスペクトルの積分値(α)と、6.2〜7.0ppmのスペクトルの積分値(β)との合計に基づく(α)の割合(%)が1〜10%、好ましくは1.5〜7%である。該割合が1%未満では無機繊維不織布の柔軟性が悪くなり、10%を超えると無機繊維不織布の機械的強度が悪くなる。
ここにおいて、1H−NMR測定条件は下記のとおりである。
1H−NMR測定条件>
[1]装置 :AV400NデジタルNMR[BRUKER(株)製]
[2]溶媒 :重クロロホルム(CDCl3
[3]基準物質 :テトラメチルシラン(TMS)
[4]サンプル濃度:50mg/ml
[5]積算回数 :256回
1H−NMR分析において、6.2〜7.0ppmのスペクトルには、不飽和基含有ポリエステル樹脂(PS)中の不飽和基に直結するプロトンに由来するスペクトルが含まれ、2.7〜3.1ppmのスペクトルには、該不飽和基を介する架橋で形成されるメチンプロトンに由来するスペクトルが含まれるものと推定される。従って、上記(α)と(β)の合計に基づく(α)の割合(%)は、(PS)中の架橋量の多寡を示すものとなり、該割合が大きいほど架橋量が多く、小さいほど架橋量が少ないことが示されているものと考えられる。
本発明において、該(α)と(β)の合計に基づく(α)の割合(%)は、(PS)の製造における重縮合時の反応温度および反応時間を前記の条件とすることにより上記の範囲とすることができる。
ポリエステル樹脂(PS)は、3〜50(好ましくは5〜25)mgKOH/gの酸価(以下は数値のみを示す。)を有する。酸価が3未満では無機CS交点へのバインダーの付着性が悪くなり、50を超えると得られる無機繊維不織布の耐水性が悪くなる。
本発明において、(PS)の酸価は、(PS)の製造時の重縮合反応において、カルボキシル基/水酸基の当量比を前記のように好ましくは0.85〜1.2に調整する等により上記範囲とすることができる。この調整には、該当量比の範囲内において、重縮合反応の開始から終了まで一定の当量比で行う場合と重縮合反応の過程で該当量比を変更して調整する場合が含まれる。
本発明における酸価は以下の手順にて求められる。
<酸価測定法>
(1)1,4−ジオキサン30mLに試料10gを溶解させる。
(2)アセトン/メタノール(体積比1/1)混合溶液20mLを追加、撹拌して均一溶液とする。
(3)該溶液をKOHのメタノール溶液(0.1mol/L)にて滴定する。
(4)試料を含有しないブランク溶液についても同様に滴定する。
(5)下記式より酸価を算出する。
酸価(mgKOH/g)=5.61×f×(V1−V0)/S

但し、f :KOHメタノール溶液の力価
1:試料含有溶液についてのKOHメタノール溶液滴定量(mL)
0:ブランク溶液についてのKOHメタノール溶液滴定量(mL)
S :試料重量(g)
(PS)の重量平均分子量(以下Mwと略記。測定は後述の条件でのGPC法による。)は、後述する無機繊維不織布の機械的強度およびバインダーの加熱溶融時の溶融粘度の観点から好ましくは10,000〜90,000、さらに好ましくは15,000〜55,000、また、Mnは同様の観点から好ましくは1,000〜10,000、さらに好ましくは3,000〜9,000である。
(PS)は、160℃において、無機繊維不織布の機械的強度、柔軟性およびバインダーと無機繊維との密着性の観点から好ましくは20〜160、さらに好ましくは50〜130の溶融粘度(単位:Pa・s、以下は数値のみを示す。測定はJIS K6862、「ホットメルト接着剤の溶融粘度試験方法」に準拠。以下同じ。)を有する。
(PS)の軟化点[測定は環球法(JIS K2207、「石油アスファルト」の「6.4軟化点試験法」)に準拠。以下同じ。]は、無機繊維不織布の粘着性の発現防止と無機繊維不織布製造工程中の加熱時におけるバインダーの適度な溶融性の観点、および後加工の作業性(後述のFRPへの適用における型へのフィット性等、以下同じ。)の観点から好ましくは60〜150℃、さらに好ましくは80〜130℃である。
(PS)の示差熱分析法によるガラス転移温度(以下Tgと略記。測定はJIS K7121、「プラスチックの転移温度測定方法」に準拠。以下同じ。)は、バインダー貯蔵時のブロッキング防止とバインダーによる無機CS間の交点における結合性の観点、および後加工の作業性の観点から好ましくは40〜60℃、さらに好ましくは45〜55℃である。
本発明における不飽和基含有ポリエステル樹脂(PS)は、後述する本発明のバインダー(X)として用いるに際しては、必要により本発明の効果を阻害しない範囲でその他のポリエステル樹脂(Q)として、カルボキシル基と水酸基を同一分子内に有する化合物(a3)の自己縮合物、ラクトン(a4)の開環重縮合物等を併用することができる。
(Q)の併用量は、(PS)の重量に基づいて通常30%以下、本発明の効果の観点から好ましくは20%以下、さらに好ましくは10%以下である。
(a3)としては、C2〜10のもの、例えば乳酸、グリコール酸、β−ヒドロキシル酪酸、ヒドロキシピバリン酸、ヒドロキシ吉草酸、およびこれらの2種以上の混合物が挙げられる。
ラクトン(a4)としては、C3〜20(好ましくは4〜12)のラクトン、例えばβ−ラクトン(β−プロピオラクトン等)、γ−ラクトン(γ−ブチロラクトン等)、δ−ラクトン(δ−バレロラクトン等)、ε−ラクトン(ε−カプロラクトン等)、大環状ラクトン(エナントラクトン、ウンデカノラクトン、ドデカラクトン等)、およびこれらの2種以上の混合物が挙げられる。これらのうちFRP作製時のFRP樹脂と(PS)との相溶性の観点から好ましいのはγ−ブチロラクトン、ε−カプロラクトン、およびこれらの混合物である。
前記(a3)の自己縮合反応、および(a4)の開環重縮合反応は、前記(a1)を含むポリカルボン酸と(a2)との重縮合反応における反応条件に準じて実施することができる。
該ポリエステル樹脂(Q)のMwは、無機繊維不織布の機械的強度およびバインダーの加熱溶融時の溶融粘度の観点から好ましくは10,000〜100,000、さらに好ましくは15,000〜75,000、また、Mnは同様の観点から好ましくは2,500〜7,000、さらに好ましくは3,000〜6,000である。
前記GPCの測定条件は次のとおりである。
<GPC測定条件>
[1]装置 :HLC−8220[東ソー(株)製]
[2]カラム :TSKgel SuperMultiporeHZ−M
[東ソー(株)製]
[3]溶離液 :テトラヒドロフラン
[4]基準物質:ポリスチレン
[5]注入条件:サンプル濃度2.5mg/ml、カラム温度40℃
[ポリエステル樹脂(PS)粒子(A)]
本発明における(PS)粒子(A)は、上記(PS)を、例えば分級スクリーン(0.2〜3mmφ丸穴)を装着した防音ケース付き高速衝撃式粉砕機[商品名「MIKRO−PULVERIZER」、型番「AP−BL」、ホソカワミクロン(株)製。以下高速ハンマーミルと表記。]を用いてフィード量11.4〜13.8g/minで連続投入しながら、回転数10,000〜20,000rpmで粉砕し、該分級スクリーンを通過してきた粒子を、目開きの異なる篩を組み合わせる等で篩い分けることにより得ることができる。
(A)の体積平均粒子径Dvは、粉体流動性および無機繊維不織布の機械的強度の観点から、60〜350μm、好ましくは120〜250μmである。
ここにおいて、Dvはレーザー回折散乱法により求めることができ、測定装置としては、例えば粒度分布測定器[商品名「マイクロトラックMT3000II 粒度分析計」、日機装(株)製](以下マイクロトラックと略記)が挙げられる。
[無機繊維不織布用バインダー(X)]
本発明の無機繊維不織布用バインダー(X)は前記(PS)粒子(A)を含有してなり、必要に応じて、ブロッキング防止剤(B1)、滑剤(B2)および親水性付与剤(B3)からなる群から選ばれる1種または2種以上の添加剤(B)を含有させることができる。これらの添加剤(B)は、通常(PS)を粉砕し、篩い分けした後に添加される。
(B)の合計の使用量は、(A)の重量に基づいて通常8%以下、添加効果および無機繊維不織布の機械的強度の観点から好ましくは0.01〜5%、さらに好ましくは0.1〜3%である。
ブロッキング防止剤(B1)としては、高級脂肪酸もしくはその塩、ケイ素もしくは金属の酸化物、ケイ素もしくは金属の炭化物、炭酸カルシウム、タルク、有機樹脂、およびこれらの混合物からなる微粒子等が挙げられる。
高級脂肪酸としては、C8〜24の脂肪酸、例えばラウリン酸、ステアリン酸;高級脂肪酸の塩としては、上記高級脂肪酸の、アルカリ金属(Li、Na、K等)、アルカリ土類金属(Mg、Ca、Ba等)、Zn、Cu、Ni、CoおよびAl等の塩;ケイ素もしくは金属の酸化物としては、二酸化ケイ素、酸化ケイ素、酸化アルミニウム、酸化鉄、酸化チタン、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム等;ケイ素もしくは金属の炭化物としては、炭化ケイ素、炭化アルミニウム等;有機樹脂としては、ポリオレフィン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリ(メタ)アクリレート樹脂、シリコン樹脂、ポリウレタン樹脂、フェノール樹脂、ポリ四フッ化エチレン樹脂、セルロースパウダー等が挙げられる。これらのうち、(A)のブロッキング防止および粉体流動性の観点から好ましいのは高級脂肪酸金属塩、およびケイ素もしくは金属の酸化物である。ケイ素酸化物の市販品としては、「AEROSIL 200」、「AEROSIL 380」、「AEROSIL R972」[商品名、いずれも日本アエロジル(株)製]等が挙げられる。
(B1)の使用量は、(A)の重量に基づいて通常5%以下、バインダーのブロッキング防止および無機CS間の結合性の観点から好ましくは0.01〜2%、さらに好ましくは0.1〜1%である。
滑剤(B2)としては、ワックス、低分子量ポリエチレン、高級アルコール、高級脂肪酸(金属塩)、高級脂肪酸エステル、高級脂肪酸アミド等が挙げられる。
ワックスとしては、カルナウバワックス等;低分子量ポリエチレンとしては、Mn1,000〜10,000のポリエチレン等;高級アルコールとしては、C10〜24、例えばステアリルアルコール等;高級脂肪酸エステルとしては、前記C8〜24の高級脂肪酸と多価(2〜4)アルコールのAO(C2〜3)付加物とのエステル(EGのEO5モル付加物のモノステアレート等);高級脂肪酸アミドとしては、C10〜40、例えばステアリン酸アミドが挙げられる。
これらのうち、(A)の粉体流動性および無機CS間の結合性の観点から好ましいのは、高級脂肪酸と多価アルコールのAO付加物とのエステルおよび高級脂肪酸アミドである。
(B2)の使用量は、(A)の重量に基づいて通常5%以下、(A)の粉体流動性および無機繊維ストランド間の結合性の観点から好ましくは0.01〜2%、さらに好ましくは0.1〜1%である。
親水性付与剤(B3)としてはポリビニルアルコール(Mn1,000〜10,000)、カルボキシルメチルセルロース、アルギン酸ソーダ、ポリエチレングリコール(以下PEGと略記)(Mn200〜20,000)、PEG(Mn100〜2,000)鎖含有オルガノポリシロキサン(Mn200〜50,000)、デンプン、ポリアクリル酸ナトリウム(Mn500〜20,000)、第4級アンモニウム塩基を有する(メタ)アクリロイル基含有ポリマー等が挙げられる。
これらのうち、後述の無機繊維不織布の製造時に噴霧される水と(A)との親和性および無機CS間の結合性の観点から好ましいのはPEGおよびPEG鎖含有オルガノポリシロキサンである。
(B3)の使用量は、(A)の重量に基づいて通常5%以下、後述の無機CS積層体上に噴霧される水と(A)との親和性および無機CS間の結合性の観点から好ましくは0.01〜2%、さらに好ましくは0.1〜1%である。
[無機繊維不織布]
本発明の無機繊維不織布は、後述の無機CS積層体中の無機CS間を、前記バインダー(X)で結合して得られる。
ここにおいて無機繊維には、石、スラグ、ガラス等の溶融物を繊維化して得られる鉱物繊維、および炭素繊維等が含まれる。
該溶融物は、所望の物性値を有する石、岩、鉱物等を混合した鉱物組成物を炉内で溶融することにより得られる。該鉱物繊維の具体例としては、ガラス繊維、ロックウール、ストーンウール等が挙げられる。これらの製造方法としては、遠心法(ロータリー法)、火焔吹き付け法、吹き飛ばし法等が挙げられ特に限定されることはない。
前記炭素繊維は、アクリル繊維またはピッチ(石油、石炭、コールタール等の副成物)を原料としてこれらを高温で炭化させて形成される繊維であり、アクリル繊維を使った炭素繊維はポリアクリロニトリル(PAN)系、ピッチを使った炭素繊維はピッチ(PITCH)系と区分される。
これらの無機繊維のうち、FRP等への適用におけるマトリックス樹脂との接着性の観点から好ましいのはガラス繊維および炭素繊維、さらに好ましいのはガラス繊維である。
本発明の無機繊維不織布は、具体的には例えば以下の工程で製造することができる。
(1)金網上に無機CSを方向性無秩序に均一な厚みになるように散布して無機CS積層体を得る。
(2)所定量の水を該積層体の上面または下面側から該無機CS積層体の表面全体が均一に濡れるように霧吹きにて噴霧する。
(3)所定量のバインダーを該無機CS積層体の上面側から均一に散布して、付着させる。
(4)該無機CS積層体表面の全体が湿るように霧吹きにて所定量の水を上面側から噴霧し、所定量のバインダーを均一に散布して、付着させる。
(5)上記(4)の工程は必要により、さらに1回または2回以上繰り返してもよい。
(6)上記(5)までの工程で得られたバインダー付着積層体を85〜200℃で1〜10分間加熱した後70〜230℃に温度調整した加圧成形機により0.01〜5MPaでプレス(加熱プレス成形)、または該加熱後冷却しながらロールプレス機(ロール温度は0〜30℃に温度調整しておく)により0.01〜5MPaの圧力でプレス(冷却プレス成形)してバインダーで結合された無機繊維不織布を得る。
該無機繊維不織布の目付量(1m2当たりの無機繊維不織布重量、単位はg/m2)は、用途に応じて40〜950が使い分けられる。例えば、自動車天井材用であれば、40〜200、好ましくは80〜150である。また、船舶・建材用であれば200〜950、好ましくは300〜600である。
上記(2)、(4)および(5)で噴霧した水の付着量は、それぞれバインダーを含まない無機CS積層体の重量に基づいて、バインダーの付着性および後工程での乾燥容易性の観点から好ましくは10〜1,000%、さらに好ましくは20〜700%である。噴霧した水は、無機CS積層体中の主として交点に付着し、本発明のバインダー(X)は該交点における水との付着性に優れる。
無機CS積層体の重量に基づくバインダーの付着割合[バインダー付着量(%)]は、無機繊維不織布の機械的強度およびハンドリング性(柔軟性、後述する無機繊維強化プラスチック成形品作成時の成形型へのフィット性等、以下同じ。)の観点から好ましくは1〜20%、さらに好ましくは2〜15%である。該割合は用途によっても好ましい範囲が選択され、たとえば、自動車天井材用であれば、好ましくは6〜20%、さらに好ましくは8〜15%であり、また船舶・建材用であれば、好ましくは1〜5%、さらに好ましくは2〜4%である。
本発明の無機繊維不織布の引張強度の変動係数は、無機繊維不織布の柔軟性、機械的強度の均一性の観点から好ましくは50%以下、さらに好ましくは45%以下である。該変動係数は後述の方法で測定される。
[無機繊維強化プラスチック成形品]
本発明の無機繊維強化プラスチック(FRP)成形品は、本発明の無機繊維不織布を強化材として成形してなる。該成形品の成形法については特に制限されることはなく、ハンドレイアップ法、スプレーアップ法、プリフォーム法、マッチドダイ法およびSMC法等が挙げられる。これらのうち例えばハンドレイアップ法は通常以下の手順で行われる。
(1)成形型表面に離型剤を塗布する。
(2)ローラー等を用いて均一な厚みになるよう室温(15〜25℃)でマトリックス樹脂(不飽和ポリエステル樹脂等)を成形型表面に塗布する。
(3)約40℃に温度調整した温風炉内で該樹脂をゲル化させる。
(4)無機繊維不織布を成形型表面にフィットさせ、マトリックス樹脂をスチレンモノマー等で希釈した溶液をローラー等により無機繊維不織布上に積層し、ローラーにより空気抜きを行う。
(5)積層体を温風炉内で硬化させる。
(6)型から取り出し成形品を得る。
ハンドレイアップ法を含む前記成形法で得られる成形品のマトリックス樹脂としては、熱硬化性樹脂(不飽和ポリエステル樹脂、ビニルエステル樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ポリウレタン樹脂、シリコン樹脂、変性アクリル樹脂、フラン樹脂等)、および熱可塑性樹脂(ABS樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、ポリイミド樹脂等)が挙げられる。
これらのうち、例えば上記ハンドレイアップ法の場合は、熱硬化性樹脂が用いられ、成形時の作業性の観点から好ましいのは、不飽和ポリエステル樹脂およびビニルエステル樹脂である。
以下実施例により本発明をさらに説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。実施例中の部は重量部、%は特記する場合以外は重量%を表す。
実施例1
(1)不飽和基含有ポリエステル樹脂(PS−1)の製造
反応容器中に、ビスフェノールAのEO2.2モル付加物3,455部、フマル酸1,123部、ジブチルスズオキサイド6部を仕込み、窒素雰囲気下180℃で5時間反応させた。その後、215℃まで昇温し、2kPaの減圧下、同温度で5時間反応させ、軟化点が115℃になったところで該樹脂を取り出した後、室温に冷却してポリエステル樹脂(PS−1)を得た。(PS−1)の特性値を表1に示す。
(2)(PS)粒子(A−1)の製造
(PS−1)1,000部を高速ハンマーミルを用いてサンプル供給量12g/分、ハンマー回転数12,500rpmで粉砕し、該高速ハンマーミルの粉砕部出口に装着された1.0mmφ丸穴分級スクリーンを通過させて粉砕物を分級した。分級して得られた樹脂粉末を目開き350μmの篩で篩い分け、これを通過した(PS)粒子(A−1)を得た。マイクロトラックによる(以下同じ。)(A−1)のDvは230μmであった。
(3)バインダー(X−1)の製造
(A−1)1,000部にブロッキング防止剤(B−1)[商品名「AEROSIL 200」、日本アエロジル(株)製。以下同じ。]2部を加えた後、混合し、(PS)粒子(A−1)を含有してなるバインダー(X−1)を得た。
(4)無機繊維不織布(GM−1)の製造
ガラスストランド[商品名「ロービングERS2310−821」、セントラル硝子(株)製、以下同じ。]を約5cm長さにカットして無機CSを得た。奥行き21cm×幅27cmの離型処理したステンレス金網(搬送用ネット)上に該無機CS24.5gを方向無秩序に均一厚みになるように散布して積層体を得た。該積層体の下面側から下面全体に霧吹きで噴霧し水道水を7.3g[積層体重量(W−1)に基づいて30%]を付着させた。
次にエンボス加工されたローラー(綾目#22、ローラー径60mm)つきの粉体散布機[商品名「ニッカK−III]、ニッカ(株)製、以下粉体散布機という。]を用いて積層体上面側から均一にバインダー(X−1)0.49g[積層体重量(W−1)に基づいて2.0%]を付着させた。その後、振動試験装置[商品名「3軸振動テスターMACS II」、ヤマト科学(株)製、以下同じ。]にて該積層体に振動変位10mm、振動周期3回/秒の振動を2秒間与えた。さらに、該積層体の上面側から水道水を上面全体に霧吹きで噴霧し、水道水7.3g[積層体重量(W−1)に基づいて30%]を付着させ、さらに粉体散布機を用いて積層体上面側から均一にバインダー(X−1)0.15g[積層体重量(W−1)に基づいて0.6%]を追加付着させた。
その後、200℃に温度調整した乾燥機で2分間乾燥させ、さらに続けて2分間バインダーを溶融させた。乾燥機から取り出し後すぐに30℃に温度調整したロールプレス機[機種名「ESTロールプレス DIP−400E」、えびの興産(株)製、以下同じ。]にてプレス(プレス直前積層体表面温度130℃、プレス直後積層体表面温度100℃、プレス圧力0.4MPa)して目付量450g/m2の無機繊維不織布(GM−1)を得た。
実施例2
(1)不飽和基含有ポリエステル樹脂(PS−2)の製造
反応容器中に、ビスフェノールAのEO2.2モル付加物3,455部、無水マレイン酸1,026部、ジブチルスズオキサイド6部を仕込み、窒素雰囲気下180℃で5時間反応させた。その後、215℃まで昇温し、2kPaの減圧下、同温度で1.5時間反応させ、軟化点が110℃になったところで該樹脂を取り出した後、室温に冷却してポリエステル樹脂(PS−2)を得た。(PS−2)の特性値を表1に示す。
(2)(PS)粒子(A−2)の製造
実施例1(2)における(PS−1)を(PS−2)に代えたこと以外は実施例1(2)と同様にして(PS)粒子(A−2)を得た。(A−2)のDvは220μmであった。
(3)バインダー(X−2)の製造
実施例1(3)における(A−1)を(A−2)に代えたこと以外は実施例1(3)と同様にして(PS)粒子(A−2)を含有してなるバインダー(X−2)を得た。
(4)無機繊維不織布の製造(GM−2)
実施例1(4)における(X−1)を(X−2)に代えたこと以外は実施例1(4)と同様にして(GM−2)を得た。
実施例3
(1)不飽和基含有ポリエステル樹脂(PS−3)の製造
反応容器中に、ビスフェノールAのEO2.2モル付加物3,455部、フマル酸850部、テレフタル酸310部、ビス〔2,2’−[(2−ヒドロキシエチル)イミノ−κN]−ビス[エタノレート−κO]〕チタネート15部を仕込み、窒素雰囲気下180℃で5時間反応させた。その後、215℃まで昇温し、2kPaの減圧下、同温度で8時間反応させた。その後、無水マレイン酸314部を仕込み、215℃で1時間反応させたところで該樹脂を取り出した後、室温に冷却してポリエステル樹脂(PS−3)を得た。(PS−3)の特性値を表1に示す。
(2)(PS)粒子(A−3)の製造
実施例1(2)における(PS−1)を(PS−3)に代えたこと以外は実施例1(2)と同様にして(PS)粒子(A−3)を得た。(A−3)のDvは235μmであった。
(3)バインダー(X−3)の製造
実施例1(3)における(A−1)を(A−3)に代えたこと以外は実施例1(3)と同様にして(PS)粒子(A−3)を含有してなるバインダー(X−3)を得た。
(4)無機繊維不織布の製造(GM−3)
実施例1(4)における(X−1)を(X−3)に代えたこと以外は実施例1(4)と同様にして(GM−3)を得た。
実施例4
(1)不飽和基含有ポリエステル樹脂(PS−4)の製造
反応容器中に、ビスフェノールAのPO2.0モル付加物3,415部、フマル酸640部、テレフタル酸502部、ジブチルスズオキサイド10部を仕込み、窒素雰囲気下180℃で6時間反応させた。その後、215℃まで昇温し、2kPaの減圧下、同温度で9時間反応させ、軟化点が118℃になったところで該樹脂を取り出した後、室温に冷却してポリエステル樹脂(PS−4)を得た。(PS−4)の特性値を表1に示す。
(2)(PS)粒子(A−4)の製造
実施例1(2)における(PS−1)を(PS−4)に代えたこと以外は実施例1(2)と同様にして(PS)粒子(A−4)を得た。(A−4)のDvは225μmであった。
(3)バインダー(X−4)の製造
実施例1(3)における(A−1)を(A−4)に代えたこと以外は実施例1(3)と同様にして(PS)粒子(A−4)を含有してなるバインダー(X−4)を得た。
(4)無機繊維不織布の製造(GM−4)
実施例1(4)における(X−1)を(X−4)に代えたこと以外は実施例1(4)と同様にして(GM−4)を得た。
実施例5
(1)不飽和基含有ポリエステル樹脂(PS−5)の製造
反応容器中に、ビスフェノールAのEO2.0モル付加物3,422部、マレイン酸1,057部、ビス〔2,2’−[(2−ヒドロキシエチル)イミノ−κN]−ビス[エタノレート−κO]〕チタネート15部を仕込み、窒素雰囲気下180℃で5時間反応させた。その後、220℃まで昇温し、2kPaの減圧下、同温度で3時間反応させ、軟化点が102℃になったところで該樹脂を取り出した後、室温に冷却してポリエステル樹脂(PS−5)を得た。(PS−5)の特性値を表1に示す。
(2)(PS)粒子(A−5)の製造
(PS−5)1,000部を高速ハンマーミルを用いてサンプル供給量12g/分、ハンマー回転数14,000rpmで粉砕し、該高速ハンマーミルの粉砕部出口に装着された1.0mmφ丸穴分級スクリーンを通過させて粉砕物を分級した。分級して得られた樹脂粉末を目開き212μmの篩で篩い分け、これを通過した樹脂粒子をさらに75μmの篩で篩い分けて、75μmの篩の上に残ったPS粒子(A−5)を得た。(A−5)のDvは150μmであった。
(3)バインダー(X−5)の製造
(A−5)1,000部にブロッキング防止剤(B−2)[商品名「AEROSIL 380」、日本アエロジル(株)製。以下同じ。]5部を加えた後、混合し、(PS)粒子(A−5)を含有してなるバインダー(X−5)を得た。
(4)無機繊維不織布の製造(GM−5)
実施例1(4)における(X−1)を(X−5)に代えたこと以外は実施例1(4)と同様にして(GM−5)を得た。
実施例6
(1)無機繊維不織布の製造(GM−6)
ガラスストランドを約5cm長さにカットして無機CSを得た。奥行き21cm×幅27cmの離型処理したステンレス金網(搬送用ネット)上に該無機CS5.67gを方向無秩序に均一厚みになるように散布して積層体を得た。該積層体の下面側から下面全体に霧吹きで噴霧し水道水を5.7g[積層体重量(W−1)に基づいて100%]を付着させた。
次に粉体散布機を用いて積層体上面側から均一にバインダー(X−1)0.48g[積層体重量(W−1)に基づいて8.5%]を付着させた。
その後、200℃に温度調整した乾燥機で2分間乾燥させ、さらに続けて2分間バインダーを溶融させた。乾燥機から取り出し後すぐに30℃に温度調整したロールプレス機にてプレス(プレス直前積層体表面温度130℃、プレス直後積層体表面温度100℃、プレス圧力0.4MPa)して目付量100g/m2の無機繊維不織布(GM−6)を得た。
実施例7
(1)無機繊維不織布の製造(GM−7)
ガラスストランドを約5cm長さにカットして無機CSを得た。奥行き21cm×幅27cmの離型処理したステンレス金網(搬送用ネット)上に該無機CS34.0gを方向無秩序に均一厚みになるように散布して積層体を得た。該積層体の下面側から下面全体に霧吹きで噴霧し水道水を13.6g[積層体重量(W−1)に基づいて40%]を付着させた。
次に粉体散布機を用いて積層体上面側から均一にバインダー(X−1)0.68g[積層体重量(W−1)に基づいて2.0%]を付着させた。その後、振動試験装置にて該積層体に振動変位15mm、振動周期5回/秒の振動を2秒間与えた。さらに、該積層体の上面側から水道水を上面全体に霧吹きで噴霧し、水道水13.6g[積層体重量(W−1)に基づいて40%]を付着させ、さらに粉体散布機を用いて積層体上面側から均一にバインダー(X−1)0.17g[積層体重量(W−1)に基づいて0.5%]を追加付着させた。
その後、200℃に温度調整した乾燥機で3分間乾燥させ、さらに続けて2分間バインダーを溶融させた。乾燥機から取り出し後すぐに30℃に温度調整したロールプレス機にてプレス(プレス直前積層体表面温度130℃、プレス直後積層体表面温度100℃、プレス圧力0.4MPa)して目付量600g/m2の無機繊維不織布(GM−7)を得た。
実施例8
(1)無機繊維不織布の製造(GM−8)
ガラスストランドを約5cm長さにカットして無機CSを得た。奥行き21cm×幅27cmの離型処理したステンレス金網(搬送用ネット)上に該無機CS51.0gを方向無秩序に均一厚みになるように散布して積層体を得た。該積層体の下面側から下面全体に霧吹きで噴霧し水道水を20.4g[積層体重量(W−1)に基づいて40%]を付着させた。
次に粉体散布機を用いて積層体上面側から均一にバインダー(X−1)1.02g[積層体重量(W−1)に基づいて2.0%]を付着させた。その後、振動試験装置にて該積層体に振動変位15mm、振動周期7回/秒の振動を2秒間与えた。さらに、該積層体の上面側から水道水を上面全体に霧吹きで噴霧し、水道水20.4g[積層体重量(W−1)に基づいて40%]を付着させ、さらに粉体散布機を用いて積層体上面側から均一にバインダー(X−1)0.26g[積層体重量(W−1)に基づいて0.5%]を追加付着させた。
その後、200℃に温度調整した乾燥機で4分間乾燥させ、さらに続けて2分間バインダーを溶融させた。乾燥機から取り出し後すぐに30℃に温度調整したロールプレス機にてプレス(プレス直前積層体表面温度130℃、プレス直後積層体表面温度100℃、プレス圧力0.4MPa)して目付量900g/m2の無機繊維不織布(GM−8)を得た。
実施例9
(1)(PS)粒子(A−6)の製造
(PS−1)1,000部を高速ハンマーミルを用いてサンプル供給量12g/分、ハンマー回転数14,500rpmで粉砕し、該高速ハンマーミルの粉砕部出口に装着された1.0mmφ丸穴分級スクリーンを通過させて粉砕物を分級した。分級して得られた樹脂粉末を目開き212μmの篩で篩い分け、これを通過した樹脂粒子をさらに75μmの篩で篩い分けて、75μmの篩の上に残ったPS粒子(A−6)を得た。(A−6)のDvは135μmであった。
(2)バインダー(X−6)の製造
実施例5(3)における(A−5)を(A−6)に代えたこと以外は同様にして、(PS)粒子(A−6)を含有してなるバインダー(X−6)を得た。
(3)無機繊維不織布(GM−9)の製造
ガラスストランドを約5cm長さにカットして無機CSを得た。奥行き21cm×幅27cmの離型処理したステンレス金網(搬送用ネット)上に該無機CS17.0gを方向無秩序に均一厚みになるように散布して積層体を得た。該積層体の下面側から下面全体に霧吹きで噴霧し水道水を4.25g[積層体重量(W−1)に基づいて25%]を付着させた。
次に粉体散布機を用いて積層体上面側から均一にバインダー(X−6)0.39g[積層体重量(W−1)に基づいて2.3%]を付着させた。その後、振動試験装置にて該積層体に振動変位15mm、振動周期3回/秒の振動を2秒間与えた。さらに、該積層体の上面側から水道水を上面全体に霧吹きで噴霧し、水道水4.25g[積層体重量(W−1)に基づいて25%]を付着させ、さらに粉体散布機を用いて積層体上面側から均一にバインダー(X−6)0.12g[積層体重量(W−1)に基づいて0.7%]を追加付着させた。
その後、200℃に温度調整した乾燥機で2分間乾燥させ、さらに続けて2分間バインダーを溶融させた。乾燥機から取り出し後すぐに30℃に温度調整したロールプレス機にてプレス(プレス直前積層体表面温度130℃、プレス直後積層体表面温度100℃、プレス圧力0.4MPa)して目付量300g/m2の無機繊維不織布(GM−9)を得た。
実施例10
(1)(PS)粒子(A−7)の製造
(PS−1)1,000部を高速ハンマーミルを用いてサンプル供給量12g/分、ハンマー回転数15,000rpmで粉砕し、該高速ハンマーミルの粉砕部出口に装着された1.0mmφ丸穴分級スクリーンを通過させて粉砕物を分級した。分級して得られた樹脂粉末を目開き180μmの篩で篩い分け、これを通過した樹脂粒子をさらに54μmの篩で篩い分けて、54μmの篩の上に残った(PS)粒子(A−7)を得た。(A−7)のDvは115μmであった。
(2)バインダー(X−7)の製造
(A−5)1,000部にブロッキング防止剤(B−3)[商品名「AEROSIL R−972」、日本アエロジル(株)製。以下同じ。]5部を加えた後、混合し、(PS)粒子(A−7)を含有してなるバインダー(X−7)を得た。
(3)無機繊維不織布(GM−10)の製造
実施例1(4)における(X−1)を(X−7)に代えたこと以外は実施例1(4)と同様にして無機繊維不織布(GM−10)を得た。
実施例11[炭素繊維不織布(CM−1)の製造]
実施例1(4)におけるガラスストランドを炭素繊維[商品名「パイロフィルTR30S3L」、PAN系、目付200mg/m(繊維1mあたりの重量)、三菱レイヨン(株)製]ストランドに代えたこと以外は実施例1(4)と同様にして無機繊維不織布(CM−1)を得た。
比較例1
(1)不飽和基含有ポリエステル樹脂(PS−1’)の製造
反応容器中に、ビスフェノールAのEO2.2モル付加物3,455部、フマル酸1,123部、ジブチルスズオキサイド6部を仕込み、窒素雰囲気下180℃で5時間反応させた。その後、同温度で2kPaの減圧下4時間反応させ、軟化点が110℃になったところで該樹脂を取り出した後、室温に冷却してポリエステル樹脂(PS−1’)を得た。(PS−1’)の特性値を表2に示す。
(2)(PS)粒子(A−1’)の製造
実施例1(2)における(PS−1)を(PS−1’)に代えたこと以外は実施例1(2)と同様にして(PS)粒子(A−1’)を得た。(A−1’)のDvは240μmであった。
(3)バインダー(X−1’)の製造
実施例1(3)における(A−1)を(A−1’)に代えたこと以外は実施例1(3)と同様にして(PS)粒子(A−1’)を含有してなるバインダー(X−1’)を得た。
(4)無機繊維不織布の製造(GM−1’)
実施例1(4)における(X−1)を(X−1’)に代えたこと以外は実施例1(4)と同様にして無機繊維不織布(GM−1’)を得た。
比較例2
(1)不飽和基含有ポリエステル樹脂(PS−2’)の製造
反応容器中に、ビスフェノールAのEO2.2モル付加物3,455部、フマル酸1,123部、ジブチルスズオキサイド6部を仕込み、窒素雰囲気下180℃で5時間反応させた。その後、215℃まで昇温し、2kPaの減圧下、同温度で11時間反応させ、軟化点が125℃になったところで該樹脂を取り出した後、室温に冷却してポリエステル樹脂(PS−2’)を得た。(PS−2’)の特性値を表2に示す。
(2)(PS)粒子(A−2’)の製造
実施例1(2)における(PS−1)を(PS−2’)に代えたこと以外は実施例1(2)と同様にして(PS)粒子(A−2’)を得た。(A−2’)のDvは225μmであった。
(3)バインダー(X−2’)の製造
実施例1(3)における(A−1)を(A−2’)に代えたこと以外は実施例1(3)と同様にして(PS)粒子(A−2’)を含有してなるバインダー(X−2’)を得た。
(4)無機繊維不織布の製造(GM−2’)
実施例1(4)における(X−1)を(X−2’)に代えたこと以外は実施例1(4)と同様にして無機繊維不織布(GM−2’)を得た。
比較例3
(1)不飽和基含有ポリエステル樹脂(PS−3’)の製造
反応容器中に、ビスフェノールAのEO2.2モル付加物3,455部、フマル酸1,123部、ジブチルスズオキサイド6部を仕込み、窒素雰囲気下180℃で5時間反応させた。その後、215℃まで昇温し、2kPaの減圧下、同温度で10時間反応させた。その後、無水マレイン酸を353部仕込み同温度で1時間反応させたところで該樹脂を取り出した後、室温に冷却してポリエステル樹脂(PS−3’)を得た。(PS−3’)の物性は表2記載のとおりである。
(2)(PS)粒子(A−3’)の製造
実施例1(2)における(PS−1)を(PS−3’)に代えたこと以外は実施例1(2)と同様にして(PS)粒子(A−3’)を得た。(A−3’)のDvは220μmであった。
(3)バインダー(X−3’)の製造
実施例1(3)における(A−1)を(A−3’)に代えたこと以外は実施例1(3)と同様にして(PS)粒子(A−3’)を含有してなるバインダー(X−3’)を得た。
(4)無機繊維不織布の製造(GM−2’)
実施例1(4)における(X−1)を(X−3’)に代えたこと以外は実施例1(4)と同様にして無機繊維不織布(GM−3’)を得た。
比較例4
(1)(PS)粒子(A−4’)の製造
実施例9(1)における(PS−1)を(PS−2’)に代えたこと以外は実施例9(1)と同様にして(PS)粒子(A−4’)を得た。(A−4’)のDvは130μmであった。
(2)バインダー(X−4’)の製造
実施例9(2)における(A−6)を(A−4’)に代えたこと以外は実施例9(2)と同様にして(PS)粒子(A−4’)を含有してなるバインダー(X−4’)を得た。
(3)無機繊維不織布(GM−4’)の製造
実施例9(3)における(X−6)を(X−4’)に代えたこと以外は実施例9(3)と同様にして無機繊維不織布(GM−4’)を得た。
比較例5
(1)不飽和基含有ポリエステル樹脂(PS−4’)の製造
反応容器中に、ビスフェノールAのEO2.2モル付加物3,455部、フマル酸661部、テレフタル酸672部、ジブチルスズオキサイド6部を仕込み、窒素雰囲気下180℃で5時間反応させた。その後、200℃まで昇温し、2kPaの減圧下、同温度で3時間反応させ、軟化点が107℃になったところで該樹脂を取り出した後、室温に冷却してポリエステル樹脂(PS−4’)を得た。(PS−4’)の特性値を表2に示す。
(2)(PS)粒子(A−5’)の製造
実施例5(2)における(PS−5)を(PS−4’)に代えたこと以外は実施例5(2)と同様にして(PS)粒子(A−5’)を得た。(A−5’)のDvは155μmであった。
(3)バインダー(X−5’)の製造
実施例5(3)における(A−5)を(A−5’)に代えたこと以外は実施例5(3)と同様にして(PS)粒子(A−5’)を含有してなるバインダー(X−5’)を得た。
(4)無機繊維不織布の製造(GM−5’)
実施例5(4)における(X−5)を(X−5’)に代えたこと以外は実施例5(4)と同様にして無機繊維不織布(GM−5’)を得た。
上記で得られた無機繊維不織布について以下の方法に従って性能評価した。結果を表1、2に示す。
<評価方法>
(1)無機繊維不織布の引張強度(kgf)(機械的強度の評価)
各無機繊維不織布を5枚ずつ作成し、無機繊維不織布1枚あたりタテ150mm×ヨコ50mmの試験片を4枚ずつ切り出し、計20枚の試験片を作成した。これらについてJIS R3420「ガラス繊維一般試験方法」の「7.4引張強さ」に準じて引張強度を測定し、試験片20枚の平均値を得た。
(2)無機繊維不織布の引張強度の均一性(機械的強度の均一性の評価)
試験片20枚の引張強度の標準偏差(σ)を求め、引張強度の変動係数を下記式より算出し、下記の基準で評価した。

引張強度の変動係数(%)=100×σ/引張強度の平均値

<評価基準>
○:50%以下
△:50%超60%以下
×:60%超
(3)無機繊維不織布の曲げ弾性率(柔軟性評価)(Pa)
無機繊維不織布からタテ20mm×ヨコ100mmの試験片を20枚ずつ切り出し、ASTM D256に準拠して測定した。20枚の試験片の平均値を下記の基準で評価した。
<評価基準>
○:0.5〜3.0
△:0.1以上0.5未満および3.0超4.0以下
×:0.1未満および4.0超
Figure 0005591265
Figure 0005591265
表1、2の結果から、本発明のバインダーは比較のものに比べ、バインダーが低散布量でも均一で優れた機械的強度の無機繊維不織布を与えることがわかる。
本発明のバインダーを付着させて無機CSを結合してなる無機繊維不織布は、無機繊維強化プラスチック成形品用の強化材等として用いられ、該成形品は、自動車用部材(成形天井材等)、小型船舶(カヌー、ボート、ヨット、モーターボート等)の船体、住宅用部材(建材、バスタブ、浄化槽等)、風車のブレード等の幅広い分野に適用できることから、極めて有用である。

Claims (10)

1H−NMR分析において、2.7〜3.1ppmのスペクトルの積分値(α)と、6.2〜7.0ppmのスペクトルの積分値(β)の合計に基づく(α)の割合が1〜10%であり、3〜50mgKOH/gの酸価を有する不飽和基含有ポリエステル樹脂(PS)を含有してなる無機繊維不織布用バインダー(X)。
不飽和基含有ポリエステル樹脂(PS)が、160℃において20〜160Pa・sの溶融粘度を有する請求項1記載のバインダー。
請求項1または2記載のバインダーを付着させて無機チョップドストランド積層体を結合してなる無機繊維不織布。
バインダー付着量が、無機チョップドストランド積層体の重量に基づいて1〜20%である請求項3記載の無機繊維不織布。
無機繊維不織布の引張強度の変動係数が50%以下である請求項3または4記載の無機繊維不織布。
請求項3〜5のいずれか記載の無機繊維不織布を強化材として成形してなる無機繊維強化プラスチック成形品。
プラスチック成形品が、自動車成形天井材、小型船舶船体、建材、バスタブ、浄化槽または風車のブレード用である請求項6記載の成形品。
不飽和基を有するポリカルボン酸(a1)およびポリオール(a2)を含有するポリエステル形成成分(a)を、エステル化触媒の存在下、215〜220℃で1.5〜9時間反応させることを特徴とする、3〜50mgKOH/gの酸価、および160℃において20〜160Pa・sの溶融粘度を有するポリエステル樹脂(PS)を含有する無機繊維不織布用バインダー(X)の製造方法。
不飽和基を有するポリカルボン酸(a1)およびポリオール(a2)を含有するポリエステル形成成分(a)を、エステル化触媒の存在下、215〜220℃で1.5〜9時間反応させることを特徴とする、不飽和基含有ポリエステル樹脂(PS)を含有してなる無機繊維不織布用バインダーの製造方法において、(PS)が1H−NMR分析において、2.7〜3.1ppmのスペクトルの積分値(α)と、6.2〜7.0ppmのスペクトルの積分値(β)の合計に基づく(α)の割合が1〜10%であり、3〜50mgKOH/gの酸価を有する無機繊維不織布用バインダー(X)の製造方法。
無機チョップドストランド積層体に水およびバインダーを散布し、加熱してバインダーを溶融後、該積層体をプレス成形して無機繊維不織布を製造する方法において、請求項1または2記載のバインダー(X)を用いることを特徴とする無機繊維不織布の製造方法。
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