JP2014177717A - 無機繊維不織布用バインダー - Google Patents

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Tatsuhiko Hasegawa
達彦 長谷川
Masayoshi Fujita
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Abstract

【課題】 無機繊維とバインダーを強固に接着させることで優れた機械的強度が維持される不織布を与える無機繊維不織布用バインダーを提供する。
【解決手段】 粒子表面の少なくとも一部が、反応性官能基を有するシランカップリング剤で被覆された樹脂粒子を含有してなる無機繊維不織布用バインダー;該反応性官能基が、エポキシ基、アミノ基、(メタ)アクリロイル基、ビニル基およびイソシアネート基からなる群から選ばれる少なくとも1種であることが好ましい。
【選択図】なし

Description

本発明は無機繊維不織布用バインダーに関する。さらに詳しくは無機繊維不織布(ガラスチョップドストランドマット等。以下同じ。)において、無機繊維とバインダーを強固に接着させることで機械的強度を向上させることができ、かつバインダーの付着量を低減しても該不織布の均一で優れた機械的強度(引張り強さ等の機械的強度、以下同じ。)を維持することができる無機繊維不織布用バインダーに関する。
従来、無機繊維不織布用バインダーとしては、機械粉砕により粉末化された不飽和ポリエステル樹脂を使用したもの(例えば特許文献1〜3参照)が知られている。しかしながら、特許文献1〜3に記載のバインダーでは、無機繊維不織布の機械的強度が十分ではなく、さらに機械的強度に優れた無機繊維不織布用バインダーが求められている。
特許3857224号 特開2003−48255号公報 特開2004−263124号公報
本発明の目的は、無機繊維とバインダーを強固に接着させることで優れた機械的強度が維持される不織布を与える無機繊維不織布用バインダーを提供することにある。
本発明者らは、上記課題を解決するため鋭意検討した結果、本発明に到達した。すなわち、本発明は、粒子表面の少なくとも一部が、反応性官能基を有するシランカップリング剤(K)で被覆された樹脂粒子(A)を含有してなる無機繊維不織布用バインダー(X)である。
本発明の無機繊維不織布用バインダー(X)は下記の効果を奏する。
(1)無機繊維間の接着性に優れる。
(2)無機繊維不織布に均一で優れた機械的強度を付与できる。
[樹脂粒子(A)の構成樹脂]
樹脂粒子(A)を構成する樹脂としては、特に限定されるものではないが、例えばポリエステル樹脂(PS)、ポリウレタン樹脂(PU)、ポリアミド樹脂(PA)およびスチレンアクリル共重合樹脂(SA)等が挙げられる。これらのうち無機繊維との接着性の観点から好ましいのはポリエステル樹脂(PS)、スチレンアクリル共重合樹脂(SA)、とくに好ましいのはポリエステル樹脂(PS)である。
[ポリエステル樹脂(PS)]
ポリエステル樹脂(PS)には、ポリ(2〜6またはそれ以上)カルボン酸(エステル形成性誘導体も含む)(a1)と低分子ポリオール(a2)との重縮合物、カルボキシル基と水酸基を同一分子内に有する化合物(a3)の自己縮合物、およびラクトン(a4)の開環重縮合物等が含まれる。
ポリカルボン酸(a1)としては、脂肪族[炭素数(以下Cと略記)3〜30、例えばコハク酸、マレイン酸、フマル酸、グルタル酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、トリカルバリル酸]、芳香族[C8〜30、例えばフタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、テトラブロムフタル酸、トリメリット酸、ピロメリット酸]、および脂環含有ポリカルボン酸[C6〜50、例えば1,3−シクロブタンジカルボン酸、1,3−シクロペンタンジカルボン酸、1,2−および1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、1,3−および1,4−ジカルボキシメチルシクロヘキサン、ジシクロヘキシル−4,4’−ジカルボン酸、ダイマー酸];これらのポリカルボン酸のエステル形成性誘導体〔酸無水物(無水マレイン酸、無水フタル酸等)、低級アルキル(C1〜4)エステル[ジメチルエステル(テレフタル酸ジメチル等)、ジエチルエステル(マレイン酸ジエチル等)等]、酸ハライド(テレフタル酸ジクロライド等)等〕;およびこれら2種以上の混合物が挙げられる。これらのうち、ポリエステル樹脂の着色防止の観点から好ましいのは、脂肪族ポリカルボン酸である。
低分子ポリオール(a2)としては、水酸基1個当たりの数平均分子量[以下Mnと略記。測定は後述の測定条件のゲルパーミエイションクロマトグラフィー(GPC)法による。以下同じ。]が300未満(好ましくは分子量31以上かつMn250以下)の2価〜10価またはそれ以上(好ましくは2〜3価)のポリオールが使用できる。
(a2)としては、2価アルコール(a21)、3価〜10価またはそれ以上の多価アルコール(a22)、およびこれらのアルコールまたは多価(2価〜3価またはそれ以上)フェノールのアルキレンオキサイド(以下AOと略記。C2〜10)低モル(2〜10モル)付加物(a23)、並びにこれらの2種以上の混合物が挙げられる。
AOとしては、エチレンオキサイド(以下EOと略記)、1,2−プロピレンオキサイド(以下POと略記)、1,2−、1,3−および2,3−ブチレンオキサイド、テトラヒドロフラン(以下THFと略記)、スチレンオキサイド、C5〜10またはそれ以上のα−オレフィンオキサイド、エピクロルヒドリン、およびこれらの2種以上の併用(ブロックおよび/またはランダム付加)が挙げられる。
これらのAOのうち、後述する無機繊維不織布の機械的強度、および無機繊維強化プラスチック(FRP)への適用におけるスチレンモノマー等の無機繊維への浸透性の観点から好ましいのは、EO、PO、およびこれらの併用である。
2価アルコール(a21)としては、脂肪族アルコール〔直鎖アルコール[C2〜10、例えばエチレングリコール、ジエチレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール(以下それぞれEG、DEG、PG、1,4−BD、1,5−PD、1,6−HDと略記)]等;分岐鎖を有するアルコール[1,2−プロピレングリコール、ネオペンチルグリコール(以下それぞれ1,2−PG、NPGと略記)、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、2,2−ジエチル−1,3−プロパンジオール、1,2−、1,3−および2,3−ブタンジオール等]〕;および環を有するアルコール〔C8以上かつMn600未満、例えば脂環含有アルコール[1,4−ビス(ヒドロキシメチル)シクロヘキサン等]、芳香脂肪族アルコール(m−およびp−キシリレングリコール等)等〕が挙げられる。
3価〜10価またはそれ以上の多価アルコール(a22)の具体例としてはアルカンポリオール[C3〜10、例えばグリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ソルビトール(以下それぞれGR、TMP、PE、SOと略記)]、該アルカンポリオールの分子間もしくは分子内脱水物[ジPE、ポリGR(重合度2〜8)、ソルビタン等]、糖類およびその誘導体(配糖体)(ショ糖、メチルグルコシド等)が挙げられる。
上記(a21)、(a22)のうち無機繊維不織布の機械的強度の観点から好ましいのは脂肪族アルコール、さらに好ましいのは、EG、DEG、PGおよび1,4−BDである。
前記AO付加物(a23)の具体例としては、上記(a21)、(a22)のAO低モル付加物、および多価(2価〜3価またはそれ以上)フェノールのAO低モル付加物が挙げられる。
該多価フェノールには、C6〜18の2価フェノール、例えば単環2価フェノール(ハイドロキノン、カテコール、レゾルシノール、ウルシオール等)、ビスフェノール化合物(ビスフェノールA、−F、−C、−B、−ADおよび−S、4,4’−ジヒドロキシジフェニル−2,2−ブタン等)、ジヒドロキシビフェニル、および縮合多環2価フェノール[ジヒドロキシナフタレン(1,5−ジヒドロキシナフタレン等)、ビナフトール等];並びに3価またはそれ以上の多価フェノール、例えば単環多価フェノール(ピロガロール、フロログルシノール等)、および1価もしくは2価フェノール(フェノール、クレゾール、キシレノール、レゾルシノール等)とアルデヒド(ホルムアルデヒド、グルタルアルデヒド等)もしくはケトン(アセトン等)との縮合物(フェノールもしくはクレゾールノボラック樹脂、レゾール中間体、フェノールとグリオキザールもしくはグルタルアルデヒドとの縮合反応で得られるポリフェノール、レゾルシンとアセトンとの縮合反応で得られるポリフェノール等)が含まれる。
前記カルボキシル基と水酸基を同一分子内に有する化合物(a3)の具体例としては、C2〜10、例えば乳酸、グリコール酸、β−ヒドロキシ酪酸、ヒドロキシピバリン酸、ヒドロキシ吉草酸;およびこれらの2種以上の混合物が挙げられる。
前記ラクトン(a4)にはC4〜15(好ましくはC6〜12)のもの、例えばε−カプロラクトン、γ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトンが挙げられる。
本発明において前記GPCの測定は下記の条件で行うものとする。
<GPC測定条件>
[1]装置 :HLC−8220[東ソー(株)製]
[2]カラム :TSKgel SuperMultiporeHZ−M
[東ソー(株)製]
[3]溶離液 :THF(テトラヒドロフラン)
[4]基準物質:ポリスチレン
[5]注入条件:サンプル濃度2.5mg/ml、カラム温度40℃
上記のポリエステル樹脂(PS)のうち迅速な重縮合反応の観点およびFRP等への適用における無機繊維不織布へのスチレン等の浸透性の観点から好ましいのは、ポリカルボン酸(a1)と低分子ポリオール(a2)との重縮合物、さらに好ましいのは(a1)と(a21)および/または(a23)との重縮合物、とくに好ましいのは脂肪族ポリカルボン酸と環を有する多価フェノールもしくは芳香脂肪族アルコールのAO低モル付加物との重縮合物である。
上記の重縮合時の反応温度は、通常100〜300℃、好ましくは130〜220℃である。該重縮合反応は通常常圧または減圧(例えば6kPa以下)で行われる。
また、該反応は得られるポリエステル樹脂の着色防止の観点から窒素等の不活性ガス雰囲気下で行うことが望ましい。
該重縮合反応時の(a1)と(a2)の反応当量比(カルボキシル基/水酸基の当量比)は、迅速な重縮合反応および得られるポリエステル樹脂の安定性の観点から好ましくは0.85〜1.4、さらに好ましくは0.9〜1.2である。
該製造後のポリエステル樹脂の酸価(mgKOH/g。以下においては数値のみを示す。)は、耐水性の観点から好ましくは20以下、さらに好ましくは0〜15である。
該重縮合反応は、無触媒でも、エステル化触媒を使用してもいずれでもよい。
エステル化触媒としては、プロトン酸(リン酸等)、金属(アルカリ金属、アルカリ土類金属、遷移金属、2B、4A、4Bおよび5B族金属等)含有化合物[カルボン酸(C2〜4)塩、炭酸塩、硫酸塩、リン酸塩、酸化物、塩化物、水酸化物、アルコキシド等]が挙げられる。
これらのうち反応性の観点から好ましいのはカルボン酸塩[2B、4A、4Bおよび5B族金属のカルボン酸(C2〜4)塩]、金属酸化物、および金属アルコキシド、得られるポリエステル樹脂の着色防止の観点からさらに好ましいのは酢酸亜鉛、酢酸ジルコニル、テトラブチルチタネート、ビス〔2,2’−[(2−ヒドロキシエチル)イミノ−κN]−ビス[エタノレート−κO]〕チタネート、三酸化アンチモンおよびジブチルスズオキサイドである。
エステル化触媒の使用量は、ポリカルボン酸(a1)と低分子ポリオール(a2)の合計重量に基づいて、反応性および着色防止の観点から好ましくは0.005〜3%、さらに好ましくは0.01〜1%である。
また、該反応を促進するため、有機溶剤を加えて還流させることもできる。反応終了後、有機溶剤は除去するのが好ましい。
有機溶剤としては、水酸基のような活性水素を有しないものであれば特に制限はなく、例えば炭化水素(トルエン、キシレン等)、ケトン(メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等)が挙げられる。
また、前記カルボキシル基と水酸基を同一分子内に有する化合物(a3)の自己縮合反応、およびラクトン(a4)の開環重縮合反応は、上記(a1)と(a2)との重縮合反応における反応条件に準じて実施することができる。
本発明におけるポリエステル樹脂(PS)の重量平均分子量(以下Mwと略記。測定は前記測定条件のGPC法による。)は、無機繊維不織布の機械的強度の観点から好ましくは7,000〜60,000、さらに好ましくは10,000〜55,000、また、Mnは同様の観点から好ましくは2,500〜7,000、さらに好ましくは3,000〜6,000である。
[ポリウレタン樹脂(PU)]
ポリウレタン樹脂(PU)には、ポリ(2〜3またはそれ以上)イソシアネート(b1)と活性水素含有化合物(b2)との重付加物が含まれる。
ポリイソシアネート(以下PIと略記)(b1)としては、ジイソシアネート(以下DIと略記)および3官能(以下TIと略記)またはそれ以上の多官能イソシアネート、例えば、炭素数(以下Cと略記)(NCO基中の炭素を除く、以下同様)6〜20の芳香族PI;C2〜18の脂肪族PI;C6〜15の脂環式PI;C8〜15の芳香脂肪族PIおよびこれらのPIの変性物(ウレタン基、カルボジイミド基、アロファネート基、ビューレット基、ウレトジオン基、ウレトイミン基、イソシアヌレート基またはオキサゾリドン基含有変性物等);およびこれらの2種以上の混合物が含まれる。
芳香族PIとしては、例えば1,3−および/または1,4−フェニレンジイソシアネート、2,4−および/または2,6−トリレンジイソシアネート(以下TDIと略記)、粗製TDI、2,4’−および/または4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(以下MDIと略記)、4,4’−ジイソシアナトビフェニル、3,3’−ジメチル−4,4’−ジイソシアナトビフェニル、3,3’−ジメチル−4,4’−ジイソシアナトジフェニルメタン、粗製MDI〔粗製ジアミノジフェニルメタン[ホルムアルデヒドとアニリンとの縮合生成物で、ジアミノジフェニルメタンと少量の(例えば5〜20重量%)3官能以上のポリアミンとの混合物]のホスゲン化物、一般的にポリアリールPI(以下PAPIと略記)と称する。〕、1,5−ナフチレンジイソシアネート、4,4’,4’’−トリフェニルメタントリイソシアネート、m−およびp−イソシアナトフェニルスルホニルイソシアネートが挙げられる。
脂肪族PIとしては、例えばエチレンジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート(以下HDIと略記)、ドデカメチレンジイソシアネート、1,6,11−ウンデカントリイソシアネート、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、リジンジイソシアネート(2,6−ジイソシアナトメチルカプロエート)、ビス(2−イソシアナトエチル)フマレート、ビス(2−イソシアナトエチル)カーボネート、2−イソシアナトエチル−2,6−ジイソシアナトヘキサノエートが挙げられる。
脂環式PIの具体例としては、例えばイソホロンジイソシアネート(以下IPDIと略記)、ジシクロヘキシルメタン−4,4’および/または2,4’−ジイソシアネート(以下水添MDIと略記)、シクロヘキシレンジイソシアネート、メチルシクロヘキシレンジイソシアネート、ビス(2−イソシアナトエチル)−4−シクロヘキセン−1,2−ジカルボキシレート、2,5−および/または2,6−ノルボルナンジイソシアネートが挙げられる。
芳香脂肪族PIの具体例としては、例えばm−および/またはp−キシリレンジイソシアネート、α,α,α’,α’−テトラメチルキシリレンジイソシアネートが挙げられる。
PIの変性物の具体例としては、例えば変性MDI(ウレタン変性MDI、カルボジイミド変性MDI、トリヒドロカルビルホスフェート変性MDI)、ウレタン変性TDI、ビューレット変性HDI、イソシアヌレート変性HDI、イソシアヌレート変性IPDIなどのポリイソシアネートの変性物およびこれらの2種以上の混合物[例えば変性MDIとウレタン変性TDI(イソシアネート基含有プレポリマー)との併用]が含まれる。これらのうちで好ましいものは、経日による変色が少ないという観点で良好な脂肪族および脂環式ポリイソシアネート、さらに好ましいものは、HDI、IPDI、水添MDIである。
PI(b1)と反応させる活性水素含有化合物(b2)としては、低分子多官能活性水素含有化合物(b21)および高分子ポリオール(b22)が挙げられる。
この低分子多官能活性水素含有化合物(b21)には、低分子ポリオールおよび低分子ポリアミンが挙げられる。
低分子ポリオールとしては、前記(a2)と同じものが使用できる。低分子ポリオールのうち好ましいのは2価アルコール、さらに好ましいのは2価の脂肪族アルコール、とくに好ましいのは1,4−BDおよびNPGである。
低分子多官能活性水素含有化合物のうち低分子ポリアミンには、アミノ基に含まれる活性水素1個当たりのMnが300未満(好ましくは分子量30以上かつMn250以下)のジアミンおよび3官能またはそれ以上のポリアミンが挙げられ、前記ポリイソシアネート(b1)のイソシアネート基がアミノ基に置き換わったものが含まれる。
ジアミンとしては、脂肪族(エチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン等)、脂環式(4,4’−ジアミノ−3,3’−ジメチルジシクロヘキシルメタン、4,4’−ジアミノ−3,3’−ジメチルジシクロヘキシルメタン、ジアミノシクロヘキサン、イソホロンジアミン等)、芳香族(ジエチルトルエンジアミン等)、芳香脂肪族(キシリレンジアミン、α,α,α’,α’−テトラメチルキシリレンジアミン等)および複素環ジアミン(ピペラジン等)が挙げられる。
3官能またはそれ以上のポリアミンとしてはポリアルキレン(C2〜6)ポリアミン(ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン等)、ポリフェニルメタンポリアミン(ホルムアルデヒドとアニリンとの縮合生成物等)、およびこれらの2種以上の混合物が挙げられる。
これらの低分子ポリアミンのうち後述する無機繊維不織布の機械的強度の観点から好ましいのは脂環式および脂肪族ジアミン、さらに好ましいのはイソホロンジアミンおよびヘキサメチレンジアミンである。
活性水素含有化合物(b2)のうち、高分子ポリオール(b22)としては、水酸基当量が300以上の2価〜4価またはそれ以上(好ましくは2〜3価)のポリオールが使用できる。
高分子ポリオールには、ポリエステルポリオール、ポリエーテルポリオール、およびこれら2種以上の混合物が含まれる。高分子ポリオールの水酸基当量は、ガラスチョップドストランドマットの柔軟性および機械的強度の観点から、好ましくは300〜10,000、さらに好ましくは500〜5,000、とくに好ましくは800〜3,000である。
ポリエステルポリオールとしては、例えば、縮合系ポリエステルポリオール(ポリオールとポリカルボン酸との重縮合物)、ポリラクトンポリオール(ポリオールを開始剤とするラクトンモノマーの開環重合物)、ポリカーボネートポリオール[ポリオールとアルキレン(C2〜4)カーボネート(エチレンカーボネート等)との反応物、ポリオールと、ホスゲン化カーボネートもしくはジフェニルカーボネートとのエステル交換反応物];およびこれらの2種以上の混合物が挙げられる。
ポリエステルポリオールを構成するポリオールとしては前記低分子ポリオールおよび/またはポリエーテルポリオール(後述)が使用できる。
縮合系ポリエステルポリオールを構成するポリカルボン酸には、ポリカルボン酸およびそのエステル形成性誘導体が含まれる。
ポリカルボン酸としては、脂肪族(2〜6価、C3〜30のポリカルボン酸、例えばコハク酸、グルタル酸、マレイン酸、フマル酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ヘキサヒドロフタル酸)、芳香族(2〜6価、C8〜30のポリカルボン酸、例えばオルト−、イソ−およびテレフタル酸、テトラブロム−およびテトラクロルフタル酸、トリメリット酸、ピロメリット酸)および脂環含有ジカルボン酸(2〜6価、C6〜50のポリカルボン酸、例えば1,3−シクロブタンジカルボン酸、1,3−シクロペンタンジカルボン酸、1,2−および1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、1,3−および1,4−ジカルボキシメチルシクロヘキサン、ジシクロヘキシル−4,4’−ジカルボン酸、ダイマー酸)、これらのエステル形成性誘導体[酸無水物(無水マレイン酸等)、低級アルキル(C1〜4)エステル〔ジメチルエステル(テレフタル酸ジメチル等)、ジエチルエステル(マレイン酸ジエチル等)等〕、酸ハライド(テレフタル酸ジクロライド等)]、およびこれらの2種以上の混合物が挙げられる。
これらのポリカルボン酸のうち無機繊維との接着性の観点から好ましいのは、脂肪族ポリカルボン酸である。
ポリラクトンポリオールを構成するラクトンモノマーとしては、C3〜20(好ましくは4〜12)のラクトン、例えばβ−ラクトン(β−プロピオラクトン等)、γ−ラクトン(γ−ブチロラクトン等)、δ−ラクトン(δ−バレロラクトン等)、ε−ラクトン(ε−カプロラクトン等)、大環状ラクトン(エナントラクトン、ウンデカノラクトン、ドデカラクトン等)]、およびこれらの2種以上の混合物が挙げられる。
これらのうち無機繊維不織布の機械的強度の観点から好ましいのはγ−ブチロラクトン、ε−カプロラクトン、およびこれらの混合物である。
高分子ポリオールのうち、ポリエーテルポリオールには、2個以上の活性水素原子を有する化合物のAO付加物が含まれる。
2個以上の活性水素原子を有する化合物としては、低分子ポリオール(前記)、多価フェノール(前記)、アミン[1級モノアミン、例えばアルキルもしくはアルケニルアミン(C1〜20)、芳香族アミン(アニリン等)、アルカノールアミン(ヒドロキシルアルキル基がC2〜4)、ポリアミン(前記)、複素環ポリアミン、例えばピペラジン、アミノアルキル(C2〜4)ピペラジン(アミノエチルピペラジン等)]等が挙げられる。
本発明におけるポリウレタン樹脂(PU)のうち、無機繊維不織布の柔軟性および機械的強度の観点から好ましいのは、脂肪族および/または脂環式ポリイソシアネートと高分子ポリオールとの重付加物であり、さらに好ましいのは脂環式ポリイソシアネートとポリエステルポリオールとの重付加物である。
ポリウレタン樹脂(PU)の製造は、通常の方法で行うことができ、ポリイソシアネート(b1)と活性水素含有化合物(b2)とをすべて一括反応させる方法(ワンショット法)、およびこれらの反応成分の一部を予め反応させてイソシアネート基もしくは水酸基末端ウレタンプレポリマーを経由して多段反応させる方法(プレポリマー法)等が挙げられる。これらのうち加熱溶融時の粘度およびブロッキング防止の観点から好ましいのはイソシアネート基末端ウレタンプレポリマーと前記低分子多官能活性水素含有化合物(ここでは伸長剤および/または架橋剤として使用)を反応させる方法である。
ワンショット法における(b1)と(b2)の当量比(NCO/活性水素)は、通常、0.7〜1.3当量、加熱溶融時の粘度の観点から好ましくは0.8〜1.2である。
また、プレポリマー法におけるイソシアネート基末端ウレタンプレポリマーは、好ましくはポリイソシアネート(b1)と高分子ポリオール(b22)、および必要により前記低分子多官能活性水素含有化合物(b21)との反応により形成される。その際の(b1)と(b22)および(b21)の当量比(NCO/活性水素)は、(b1)1当量に対し、(b22)は通常0.1〜0.6当量、好ましくは0.2〜0.5当量、(b21)は通常0〜0.2当量、好ましくは0.05〜0.10当量である。
また、イソシアネート基末端ウレタンプレポリマーのイソシアネート基含量は、通常0.5〜10重量%、好ましくは1.5〜6重量%である。
伸長剤としては、前記の、2価アルコール(脂肪族アルコール、環を有するもの等)、ジアミン(脂肪族、脂環式、芳香族、芳香脂肪族および複素環ジアミン等)、これらジアミンのケチミン化合物[ジアミンと、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン(以下MIBKと略記)等のケトンとのケチミン等]、および水が挙げられる。これらのうちポリウレタン樹脂(PU)の無機繊維との接着性の観点から好ましいのはケチミン化合物である。
(PU)の製造においては、必要に応じて、分子量を調整するための末端封止剤を使用することができる。末端封止剤としては、低分子モノオール、低分子モノアミン等が挙げられる。
低分子モノオールとしては、C1〜10のもの、例えば脂肪族アルコール(メタノール、エタノール、n−およびi−プロパノール、n−ブタノール、2−エチルヘキサノール、1−オクタノール等)、芳香脂肪族アルコール(ベンジルアルコール等);低分子モノアミンとしては、C1〜18のもの、例えば脂肪族モノアミン[モノアルキルアミン(メチルアミン、エチルアミン、プロピルアミン、n−ブチルアミン等)等]が挙げられる。
また、ポリウレタン樹脂(PU)のMwは、無機繊維不織布の機械強度および加熱溶融時の粘度の観点から、好ましくは10,000〜100,000、さらに好ましくは1,5000〜60,000、また、Mnは同様の観点から好ましくは1,500〜30,000、さらに好ましくは2,000〜20,000である。
[ポリアミド樹脂(PA)]
ポリアミド樹脂(PA)には、ポリ(2〜6またはそれ以上)カルボン酸(エステル形成性誘導体も含む)(c1)と低分子ポリアミン(c2)との重縮合物、カルボキシル基とアミノ基を同一分子内に有する化合物(c3)の縮合物、およびラクタム(c4)の開環重縮合物等が含まれる。
ポリカルボン酸(c1)としては、前記ポリカルボン酸(a1)と同じものが挙げられる。
低分子ポリアミン(c2)としては、アミノ基1個当たりのMnが300未満(好ましくは分子量30以上かつMn250以下)の2価〜4価またはそれ以上(好ましくは2〜3価)のポリアミンが使用できる。(c2)には、2価アミン(c21)、3価〜4価またはそれ以上のポリアミン(c22)、並びにこれらの2種以上の混合物が含まれる。
2価アミン(c21)としては、脂肪族ジアミン[直鎖アミン(エチレンジアミン、1,4−ブタンジアミン、1,5−ペンタンジアミン、1,6−ヘキサンジアミン等)];分岐鎖を有するジアミン[3−メチル−1,5−ペンタンジアミン、2,2−ジエチル−1,3−プロパンジアミン、1,2−、1,3−および2,3−ブタンジアミン等];脂環含有ジアミン[(1,4−ビス)ジアミノメチルシクロヘキサン、ダイマージアミン、イソホロンジアミン(以下IPDAと略記)、ジシクロヘキシルメタン−4,4’および/または2,4’−ジアミン(以下PACMと略記)等];および芳香環含有ジアミン[ジフェニルメタン−4,4’および/または2,4’−ジアミン等]が挙げられる。
3価〜4価またはそれ以上のポリアミン(c22)としてはアルカンポリアミン[C4〜10、例えば3,3’−ジアミノジプロピルアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、ペンタエチレンヘキサミン等]が挙げられる。
上記(c21)、(c22)のうち無機繊維不織布の機械的強度および(PA)の着色防止の観点から好ましいのは脂肪族ジアミン、脂環含有ジアミン、さらに好ましいのは、エチレンジアミン、IPDA、PACM、ダイマージアミンである。
カルボキシル基とアミノ基を同一分子内に有する化合物(c3)としては、C2〜C10、例えばグリシン、アラニン、グルタミン酸、γ−アミノ酪酸等のアミノ酸が挙げられる。これらのうち無機繊維不織布の機械的強度およびポリアミド樹脂(PA)の着色防止の観点から好ましいのはグリシンおよびアラニンである。
ラクタム(c4)としては、C3〜20(好ましくは4〜12)のラクタム、例えばβ−ラクタム(β−プロピオラクタム等)、γ−ラクタム(γ−ブチロラクタム等)、δ−ラクタム(δ−バレロラクタム等)、ε−ラクタム(ε−カプロラクタム等)、大環状ラクタム(エナントラクタム、ウンデカノラクタム、ラウロラクタム等)]、およびこれらの2種以上の混合物が挙げられる。これらのうち無機繊維不織布の機械的強度の観点から好ましいのはγ−ブチロラクタムおよびε−カプロラクタムである。
上記ポリアミド樹脂(PA)のうち、重縮合反応時の迅速性および後述するFRP等への適用における無機繊維不織布へのスチレン等の浸透性の観点から好ましいのはポリカルボン酸(c1)と低分子ポリアミン(c2)との重縮合物、さらに好ましいのは、脂環含有ポリカルボン酸と脂環含有ポリアミンの重縮合物である。
(PA)製造の際、重縮合時の反応温度は、通常100〜300℃、好ましくは130〜220℃である。該重縮合反応は通常常圧で反応させた後、必要により減圧(例えば40kPa以下)で行われる。また該反応は(PA)の着色防止の観点から窒素等の不活性ガス雰囲気下で行うことが望ましい。
(c1)と(c2)の重縮合反応時の反応当量比(カルボキシル基/アミノ基の当量比)は、迅速な重縮合反応および得られる(PA)の安定性の観点から好ましくは0.6〜1.4、さらに好ましくは0.7〜1.2である。
得られる(PA)の酸価は、耐水性の観点から好ましくは10以下、さらに好ましくは0〜3である。
また、該重縮合反応では、反応促進のため、有機溶剤を加えて還流させることもできる。
有機溶剤としては、水酸基およびアミノ基のような活性水素基を有しないもの、例えば、炭化水素(トルエン、キシレン等)、ケトン(メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等)が挙げられる。
有機溶剤の使用量は、(c1)と(c2)の合計重量に基づいて通常50%以下、生産性および安全性の観点から好ましくは5〜25%である。有機溶剤は無機繊維不織布の生産の観点から反応終了後は除去することが望ましい。
(c1)と(c2)の重縮合反応による(PA)は、通常次のようにして製造することができる。まず、冷却管、撹拌棒、温度計および窒素導入管を備えた反応容器中に、前記のアミン成分および酸成分を仕込み、窒素雰囲気下で加熱し通常130〜220℃で4〜6時間反応させ、その後、必要により5〜40kPaの減圧下でさらに通常1〜5時間反応させることで、ポリアミド樹脂を製造することができる。
また、前記(c3)の縮合反応、および(c4)の開環重縮合反応は、上記(c1)と(c2)との重縮合反応における反応条件に準じて実施することができる。
ポリアミド樹脂(PA)のMwは、無機繊維不織布の機械的強度および樹脂の加熱溶融時の粘度の観点から、好ましくは4,000〜60,000、さらに好ましくは6,000〜25,000、Mnは同様の観点から好ましくは2,000〜15,000、さらに好ましくは3,000〜8,000である。
[スチレンアクリル共重合樹脂(SA)]
スチレンアクリル共重合樹脂(SA)には、後述する芳香環含有単量体(d1)、(d1)以外のラジカル重合性単量体(d2)および重合開始剤(d3)、必要に応じて連鎖移動剤(d4)を用いて重合したものが含まれる。
(d1)としては、スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、ヒドロキシスチレン、ジクロルスチレン、ジビニルベンゼン、ジビニルトルエン等が挙げられる。これらのうち無機繊維不織布の機械的強度の観点から好ましくはスチレン、α−メチルスチレン、さらに好ましくはスチレンである。
(d2)としては、次の(i)〜(vi)が挙げられる。
(i)炭素数1〜50のアルキル基を有するアルキル(メタ)アクリレート;メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ドデシル(メタ)アクリレート、ヘキサデシル(メタ)アクリレート、ヘプタデシル(メタ)アクリレート、エイコシル(メタ)アクリレート等、(ii)エチレン性不飽和カルボン酸(塩)およびその誘導体(塩);(メタ)アクリル酸(塩)、(iii)ヒドロキシル基含有(メタ)アクリレート;ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート等、(iv)アミド含有エチレン性不飽和単量体;(メタ)アクリルアミド、N−メチロール(メタ)アクリルアミド等、(v)ポリアルキレングリコール鎖を有するエチレン性不飽和単量体;ポリエチレングリコール(分子量300)モノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコール(分子量500)モノアクリレート、メチルアルコールエチレンオキサイド10モル付加物(メタ)アクリレート、ラウリルアルコールエチレンオキサイド30モル付加物(メタ)アクリレート等、(vi)ジまたはポリビニル化合物;エチレングリコールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート等。
これらの(d2)のうち樹脂物性および無機繊維不織布の機械的強度の観点から、好ましくは(i)および(ii)であり、さらに好ましくは(i)である。
(d3)および(d4)は、特に制限がなく公知のものが使用できる。
(SA)の重合方法としては、溶液重合、乳化重合、懸濁および塊状重合のいずれでもよい。溶液重合の場合の溶剤としては、水、アルコール(メタノール、エタノール、イソプロパノール等)、ケトン(アセトン、メチルイソブチルケトン等)、エーテル類(テトラヒドロフラン等)、脂肪族炭化水素(ヘキサン、ヘプタン等)、芳香族炭化水素(トルエン、キシレン等)、ハロゲン溶剤(エチレンジクロライド等)およびこれらの混合物等があげられる。
重合温度としては、通常50〜250℃、好ましくは60〜200℃である。常圧下重合溶液の沸点以下の温度、常圧下重合溶液の沸点、および加圧下重合溶液の沸点以上の温度等があげられる。また分散媒、乳化剤、分散剤等を使用する場合は特に制限がなく公知のものが使用できる。
スチレンアクリル共重合樹脂(SA)のMwは、無機繊維不織布の機械的強度および樹脂の加熱溶融時の粘度の観点から、好ましくは3,000〜60,000、さらに好ましくは5,000〜25,000、Mnは同様の観点から好ましくは2,000〜15,000、さらに好ましくは2,000〜8,000である。
[樹脂粒子(A)]
本発明における樹脂粒子(A)は、前記樹脂を、例えば粉砕機「サンプルミル」[商品名、型番「SK-M10」、協立理工(株)製。以下同じ。]を用いて、通常、回転数10,000〜15,000rpmで1〜5分間粉砕して粒子状とした後、目開きの異なる篩を組み合わせる等で篩い分けることにより製造することができる。
本発明における樹脂粒子(A)の体積平均粒子径[Dv]は、粉体流動性、バインダー(X)の発塵性および後述する無機繊維不織布の機械的強度の観点から、好ましくは50〜500μm、さらに好ましくは75〜350μm、とくに好ましくは100〜250μmである。
ここにおいて、Dvはレーザー回折散乱法により求めることができ、測定装置としては、例えば粒度分布測定器[商品名「マイクロトラックMT3000II 粒度分析計」、日機装(株)製]が挙げられる。実施例における[Dv]は該方法で測定した。
[反応性官能基を有するシランカップリング剤(K)]
本発明における反応性官能基を有するシランカップリング剤(K)はアルコキシシリル基以外の反応性官能基を有するものであり、(K)としては、例えば該反応性官能基がエポキシ基、アミノ基、(メタ)アクリル基、ビニル基およびイソシアネート基からなる群から選ばれる少なくとの1種であるシランカップリング剤が挙げられる。ここにおいて(メタ)アクロイル基とはアクリロイル基および/またはメタクリロイル基を意味する。
(K)としては、エポキシ基を有するもの(K1);例えば3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン[商品名「KBM−1003」、信越化学(株)製]、3−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン[商品名「Z−6044」、東レ・ダウコーニング(株)製]、アミノ基を有するもの(K2);例えば3−アミノプロピルトリエトキシシラン[商品名「KBM−903」、信越化学(株)製]、3−(2−アミノエチル)アミノプロピルトリメトキシシラン[商品名「Z−6020」、東レ・ダウコーニング(株)製]、(メタ)アクリロイル基を有するもの(K3);例えば3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン[商品名「Z−6030、東レ・ダウコーニング(株)製]、3-アルコキシプロピルトリメトキシシラン[商品名「KBM−5103」、信越化学(株)製]、ビニル基を有するもの(K4);例えばビニルトリメトキシシラン[商品名「KBM−1003」、信越化学(株)製]、イソシアネート基を有するもの(K5);例えば3−イソシアネートプロピルトリエトキシシラン[商品名「KBE−9007」、信越化学(株)製]、メルカプト基を有するもの(K6);例えば3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン[商品名「KBM−803」、信越化学(株)製]が挙げられる。
上記(K)のうち、無機繊維不織布の機械的強度および迅速な硬化速度の観点から、好ましくは(K1)〜(K5)であり、さらに好ましくは(K1)、(K3)、(K4)である。また、(K)は1種でも、2種以上併用しても、いずれでもよい。
[無機繊維不織布用バインダー(X)]
本発明の無機繊維不織布用バインダー(X)は、粒子表面の少なくとも一部が、前記シランカップリング剤(K)で被覆された樹脂粒子(A)を含有してなる。
(K)の使用量は、バインダー(X)の無機繊維の接着性および粉体流動性の観点から、(A)の重量に基づいて、好ましくは0.01〜3%、さらに好ましくは0.1〜2.5%、とくに好ましくは0.3〜2%である。
樹脂粒子(A)に上記(K)を添加、混合することで、(K)で少なくとも一部が被覆された樹脂粒子(A)を得ることができる。
ここにおいて、混合機としてはプラネタリーミキサー、ナウタミキサ(登録商標)、タンブラーミキサー等の粉体混合機が挙げられる。これらのうち混合効率の観点から、プラネタリーミキサー[例えば機器名「HIVIS MIX」、型番「T.K.HIVIS MIX F model.03」、特殊理化工業(株)製。以下同じ。]等が挙げられる。
混合条件としては、生産性の観点から、5〜40℃で、2〜50rpmの回転数で5〜90分混合するのが好ましい。
(K)で少なくとも一部が被覆された樹脂粒子(A)の(K)による被覆率は、無機繊維不織布の機械的強度および迅速な硬化速度の観点から好ましくは60%以上、より好ましくは75%以上、さらに好ましくは90%以上である。
ここにおいて、該被覆率はバインダー粒子100個の走査型電子顕微鏡(以下SEM)の画像およびエネルギー分散型X線分光法によるSi元素の存在分布(Si原子1個につき面積100nm2)の画像をそれぞれ解析し、平均値を算出することで求めることができる。該測定装置としてはエネルギー分散型X線分析装置付きSEM[型番「JSM−7000F」、日本電子(株)製]、と画像解析式粒度分布測定ソフトウェア[商品名「Mac−View」、(株)マウンテック製]が挙げられる。実施例における被覆率は該方法に従った。
無機繊維不織布用バインダー(X)には、必要に応じ、本発明の効果を阻害しない範囲で、ブロッキング防止剤(B1)、滑剤(B2)および親水性付与剤(B3)からなる群から選ばれる1種または2種以上の添加剤(B)を含有させることができる。(A)、(K)および(B)の添加する順序は、とくに限定されることはないが、粉体流動性の観点から(K)で被覆された(A)に(B)を添加するのが好ましい。
(B)の合計の使用量は、(A)の重量に基づいて通常8%以下、添加効果および無機繊維間の接着性の観点から好ましくは0.01〜5%、さらに好ましくは0.1〜3%である。
ブロッキング防止剤(B1)としては、高級脂肪酸もしくはその塩、ケイ素もしくは金属の酸化物、ケイ素もしくは金属の炭化物、炭酸カルシウム、タルク、有機樹脂、およびこれらの混合物からなる微粒子等が挙げられる。
高級脂肪酸としては、C8〜24の脂肪酸、例えばラウリン酸、ステアリン酸;高級脂肪酸の塩としては、上記高級脂肪酸の、アルカリ金属(Li、Na、K等)、アルカリ土類金属(Mg、Ca、Ba等)、Zn、Cu、Ni、CoおよびAl等の塩;ケイ素もしくは金属の酸化物としては、二酸化ケイ素、酸化ケイ素、酸化アルミニウム、酸化鉄、酸化チタン、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム等;ケイ素もしくは金属の炭化物としては、炭化ケイ素、炭化アルミニウム等;有機樹脂としては、ポリオレフィン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリ(メタ)アクリレート樹脂、シリコン樹脂、ポリウレタン樹脂、フェノール樹脂、ポリ四フッ化エチレン樹脂、セルロースパウダー等が挙げられる。これらのうち、バインダー(X)のブロッキング防止および粉体流動性の観点から好ましいのは高級脂肪酸金属塩、およびケイ素もしくは金属の酸化物である。ケイ素酸化物の市販品としては、「AEROSIL 200」、「AEROSIL 380」、「AEROSIL R972」[商品名、いずれも日本アエロジル(株)製]等が挙げられる。
(B1)の使用量は、(A)の重量に基づいて通常5%以下、バインダー(X)のブロッキング防止および無機繊維間の接着性の観点から好ましくは0.01〜2%、さらに好ましくは0.1〜1%である。
滑剤(B2)としては、ワックス、低分子量ポリエチレン、高級アルコール、高級脂肪酸(金属塩)、高級脂肪酸エステル、高級脂肪酸アミド等が挙げられる。
ワックスとしては、カルナウバワックス等;低分子量ポリエチレンとしては、Mn1,000〜10,000のポリエチレン等;高級アルコールとしては、C10〜24、例えばステアリルアルコール;高級脂肪酸エステルとしては、前記C8〜24の高級脂肪酸と多価(2〜4)アルコールのAO(C2〜3)付加物とのエステル(EGのEO5モル付加物のモノステアレート等);高級脂肪酸アミドとしては、C10〜40、例えばステアリン酸アミドが挙げられる。
これらのうち、バインダー(X)の粉体流動性および無機繊維間の接着性の観点から好ましいのは、高級脂肪酸と多価アルコールのAO付加物とのエステルおよび高級脂肪酸アミドである。
(B2)の使用量は、(A)の重量に基づいて通常5%以下、バインダー(X)の粉体流動性および無機繊維間の接着性の観点から好ましくは0.01〜2%、さらに好ましくは0.1〜1%である。
親水性付与剤(B3)としてはポリビニルアルコール(Mn1,000〜10,000)、カルボキシルメチルセルロース、アルギン酸ソーダ、ポリエチレングリコール(以下、PEGと略記、Mn200〜20,000)、PEG(Mn100〜2,000)鎖含有オルガノポリシロキサン(Mn200〜50,000)、デンプン、ポリアクリル酸ナトリウム(Mn500〜20,000)、第4級アンモニウム塩基を有する(メタ)アクリロイル基含有ポリマー等が挙げられる。
これらのうち、後述の無機繊維不織布の製造時に噴霧される水と(X)との親和性および無機繊維間の接着性の観点から好ましいのはPEGおよびPEG鎖含有オルガノポリシロキサンである。
(B3)の使用量は、(A)の重量に基づいて通常5%以下、後述の無機CS積層体上に噴霧される水と(X)との親和性および無機繊維間の接着性の観点から好ましくは0.01〜2%、さらに好ましくは0.1〜1%である。
[無機繊維不織布]
本発明の無機繊維不織布は、無機繊維積層体と、前記粒子表面の少なくとも一部が、反応性官能基を有するシランカップリング剤(K)で被覆された樹脂粒子(A)を含有してなる無機繊維不織布用バインダー(X)から構成されるものである。
ここにおいて無機繊維とは、石、スラグ、ガラス等の溶融物を繊維化して得られる鉱物繊維、および炭素繊維等が含まれる。
該溶融物は、所望の物性値を有する石、岩、鉱物等を混合した鉱物組成物を炉内で溶融することにより得られる。該鉱物繊維の具体例としては、ガラス繊維等が挙げられる。これらの製造方法としては、ダイレクトメルト法、マーブルメルト法、が挙げられ特に限定されることはない。
前記ガラス繊維は、クレー(SiO2、Al23)、コレマナイト(B23、CaO)等をダイレクトメルト法等により溶融し、紡糸される。ガラス繊維には、これらの原料の組成比によってEガラス(一般用)、Cガラス(耐酸性)、Sガラス(高強度)等に区分され、FRP用強化材として用いられるガラス繊維としてはEガラス、Sガラスが広く使われている。
上記炭素繊維は、アクリル繊維またはピッチ(石油、石炭、コールタール等の副生成物)を原料に高温で炭化して作成される繊維である。該炭素繊維には、アクリル繊維を使ったPAN(ポリアクリロニトリル)系、ピッチを使っピッチ系が含まれる。
上記無機繊維のうち、工業上の観点から好ましいのはガラス繊維である。
本発明の無機繊維不織布は、具体的には例えば以下の工程で製造することができる。
(1)金網上に無機繊維を方向性無秩序に均一な厚みになるように散布して無機繊維積層体を得る。
(2)所定量の水道水を該積層体の上面または下面側から積層体表面全体が濡れるように霧吹きにて噴霧する。
(3)所定量のバインダー(X)を積層体の上面側から均一に散布して、付着させる。
(4)積層体表面の全体が湿るように霧吹きにて所定量の水道水を上面側から噴霧し、所定量のバインダー(X)を均一に散布して、付着させる。
(5)上記(4)の工程は必要により、さらに1回または2回以上繰り返してもよい。
(6)上記(5)までの工程で得られたバインダー(X)付着積層体を85〜200℃で1〜10分間加熱した後、ロールプレス機により0.01〜5MPaの圧力でプレスしてバインダー(X)で結合された無機繊維不織布を得る。
該無機繊維不織布の目付量(1m2当たりの無機繊維不織布重量、単位はg/m2、以下において数値のみを示す)は、用途に応じて40〜950が使い分けられる。例えば、自動車天井材用であれば、40〜200、好ましくは80〜150である。また、船舶・建材用であれば200〜950、好ましくは300〜600である。
ここにおいて不織布とは、無機繊維積層体にバインダーを付着させ、加熱して該バインダーを溶融後、該積層体中の無機繊維間を接着したものであり、厚みが0.05〜2mm程度のものを指す。
本発明の無機繊維不織布は、前記バインダー(X)と無機繊維が強固に接着されたものであるため、後述の機械的強度、機械的強度の均一性、破断部位の材料破壊率に優れる。
該材料破壊率は不織布の機械的強度の観点から、好ましくは20%以上、さらに好ましくは30%以上、とくに好ましくは40%以上である。ここにおいて破断部位の材料破壊率(%)は、引張試験後の試験片の破断部位のバインダーを走査型電子顕微鏡でランダムに選んで、それぞれのバインダーが材料破壊しているのか界面剥離しているのかを判別し、次式により算出できる。後述の実施例における破断部位の材料破壊率は該方法に従った。
[破断部位の材料破壊率(%)]=
100×(材料破壊の個数)/[(材料破壊の個数)+(界面剥離の個数)]
[無機繊維強化プラスチック成形品]
本発明の無機繊維強化プラスチック(FRP)成形品は、本発明の無機繊維不織布を強化材として成形してなる。該成形品の成形法については特に制限されることはなく、ハンドレイアップ法、スプレーアップ法、プリフォーム法、マッチドダイ法およびSMC法等が挙げられる。これらのうち例えばハンドレイアップ法は通常以下の手順で行われる。
(1)成形型表面に離型剤を塗布する。
(2)ローラー等を用いて均一な厚みになるよう室温(15〜25℃)でマトリックス樹脂(不飽和ポリエステル樹脂等)を成形型表面に塗布する。
(3)約40℃に温度調整した温風炉内で該樹脂をゲル化させる。
(4)無機繊維不織布を成形型表面にフィットさせ、マトリックス樹脂をスチレンモノマー等で希釈した溶液をローラー等により無機繊維不織布上に積層し、ローラーにより空気抜きを行う。
(5)積層体を温風炉内で硬化させる。
(6)型から取り出し成形品を得る。
ハンドレイアップ法を含む前記成形法で得られる成形品のマトリックス樹脂としては、熱硬化性樹脂(不飽和ポリエステル樹脂、ビニルエステル樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ポリウレタン樹脂、シリコン樹脂、変性アクリル樹脂、フラン樹脂等)、および熱可塑性樹脂(ABS樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、ポリイミド樹脂等)が挙げられる。
これらのうち、例えば上記ハンドレイアップ法の場合は、熱硬化性樹脂が用いられ、成形時の作業性の観点から好ましいのは、不飽和ポリエステル樹脂およびビニルエステル樹脂である。
以下実施例により本発明をさらに説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。実施例中の部は重量部、%は特記する場合以外は重量%を表す。
実施例1
(1)ポリエステル樹脂(PS−1)
反応容器にビスフェノールAのPO3モル付加物1,638.6部、無水マレイン酸422部、ジブチルスズオキシド0.14部を仕込み、窒素雰囲気下180℃、5時間反応させた後、200℃に昇温し、2kPaの減圧下でさらに6時間反応させ、ポリエステル樹脂(PS−1)を得た。(PS−1)のMnは4,800であった。
(2)樹脂粒子(A−1)の製造
(PS−1)100gを高速ハンマーミルを用いてフィード量12.7g/min、回転数12,500rpmで粉砕し、該高速ハンマーミルの粉砕部出口に装着された1.0mmφ丸穴分級スクリーンを通過させて粉砕物を分級した。分級して得られた樹脂粉末を目開き350μmの篩で篩い分け、これを通過した(PS)粒子(A−1)を得た。
(3)バインダー(X−1)の製造
(A−1)100部にメタクリロイル基を有するシランカップリング剤(K−1)[商品名「KBM−503」、信越化学(株)製]1.5部を加えた後、プラネタリーミキサー[機器名「HIVIS MIX」、特殊理化工業(株)製。以下同じ。]で回転数30rpm、20分間混合し、無機繊維不織布用バインダー(X−1)を得た。(A−1)の(K−1)による被覆率は96%であった。
(4)無機繊維不織布(NW−1)の製造
ガラス繊維[ガラスストランド、商品名「ロービングERS2310−821」、セントラル硝子(株)製、以下同じ。]を約5cm長さにカットし、ガラスチョップドストランド(以下、ガラスCSと略記)を得た。離型処理した奥行き21cm×幅27cmのステンレス金網(搬送用ネット)に該ガラスCS24.8gを方向性無秩序に均一厚みになるよう散布して無機繊維積層体とし、次に該積層体の上面側から霧吹きにて水を均一噴霧して、該積層体に7.4gの水[無機繊維積層体の重量に対して30%]を付着させた。
次に該積層体の上面側からバインダー(X−1)0.74g[無機繊維積層体重量に対して3%]を均一に付着させた。その後、200℃の循風乾燥機内で3分間、水分の除去およびバインダーの溶融をさせ、つづいてロール温度を30℃に調整したロール型プレス機[機種名「ESTロールプレス DIP−400E」、えびの興産(株)製、以下同じ。]により冷却プレス(プレス圧力0.2MPa、プレス直前積層体表面温度140℃、以下同じ。)し、目付量450g/m2の無機繊維不織布(NW−1)を得た。
実施例2
反応容器にEG558部、NPG82部、無水フタル酸217部、テレフタル酸558部およびビス〔2,2’−[(2−ヒドロキシエチル)イミノ−κN]−ビス[エタノレート−κO]〕チタネート5部を仕込み、窒素雰囲気下210℃、5時間反応させ、その後同温度で2kPaの減圧下1時間反応させた。120℃まで冷却した後、MDIを86部を仕込み、5時間反応させてポリウレタン樹脂(PU−1)を得た。(PU−1)のMnは4,100であった。
(2)樹脂粒子(A−2)の製造
実施例1において(PS−1)を(PU−1)に代えたこと以外は実施例1と同様にして樹脂粒子(A−2)を得た。
(3)バインダー(X−2)の製造
(A−2)100部にイソシアネート基を有するシランカップリング剤(K−2)[商品名「KBE−9007」、信越化学(株)製]0.5部を加えた後、プラネタリーミキサーで回転数30rpm、30分間混合し、無機繊維不織布用バインダー(X−2)を得た。(A−2)の(K−2)による被覆率は81%であった。
(4)無機繊維不織布(NW−2)の製造
離型処理した奥行き21cm×幅27cmのステンレス金網(搬送用ネット)に前記ガラスCS5.6gを方向性無秩序に均一厚みになるよう散布して無機繊維積層体とし、次に該積層体の上面側から霧吹きにて水を均一噴霧して、該積層体に6.0gの水[無機繊維積層体の重量に対して107%]を付着させた。
次に該積層体の上面側からバインダー(X−1)0.62g[無機繊維積層体重量に対して11%]を均一に付着させた。その後、200℃の循風乾燥機内で3分間、水分の除去およびバインダーの溶融をさせ、つづいてロール表面30℃に温度調整したロール型プレス機により冷却プレスし、目付量110g/m2の無機繊維不織布(NW−2)を得た。
実施例3
(1)ポリアミド樹脂(PA−1)の製造
反応容器に、ダイマー酸[商品名「EMPOL 1061」、コグニスジャパン(株)製]1,645部、IPDA540部を仕込み、窒素雰囲気下、160℃で2時間反応させた。その後、180℃および200℃で各2時間反応させた。次に5〜6kPaの減圧下で反応させ、酸価が2になったところで、取り出した後、室温に冷却してポリアミド樹脂(PA−1)を得た。(PA−1)のMnは3,900であった。
(2)樹脂粒子(A−3)の製造
実施例1において(PS−1)を(PA−1)に代えたこと以外は実施例1と同様にして樹脂粒子(A−3)を得た。
(3)バインダー(X−3)の製造
(A−3)100部にエポキシ基を有するシランカップリング剤(K−3)[商品名「Z−6040」、東レ・ダウコーニング(株)製]0.5部を加えた後、プラネタリーミキサーで回転数30rpm、20分間混合し、無機繊維不織布用バインダー(X−3)を得た。(A−3)の(K−3)による被覆率は84%であった。
(4)無機繊維不織布(NW−3)の製造
離型処理した奥行き21cm×幅27cmのステンレス金網(搬送用ネット)に前記ガラスCS32.8gを方向性無秩序に均一厚みになるよう散布して無機繊維積層体とし、次に該積層体の上面側から霧吹きにて水を均一噴霧して、該積層体に9.8gの水[無機繊維積層体の重量に対して30%]を付着させた。
次に該積層体の上面側からバインダー(X−1)1.2g[無機繊維積層体重量に対して3.7%]を均一に付着させた。その後、200℃の循風乾燥機内で3分間、水分の除去およびバインダーの溶融をさせ、つづいてロール温度を30℃に調整したロール型プレス機により冷却プレスし、目付量600g/m2の無機繊維不織布(NW−3)を得た。
実施例4
(1)スチレンアクリル共重合樹脂(SA−1)の製造
反応容器にキシレン500部を仕込み140℃に昇温した。別途、モノマー溶液1,306部〔スチレン646部、2−エチルヘキシルアクリレート571部、メタクリル酸89部の混合液〕および開始剤溶液67部〔ジ−tert−ブチルパーオキシド7部、キシレン60部の混合液〕を調製し、それぞれを反応容器に140℃の条件で3時間かけて滴下した。滴下終了後同温度でさらに1時間熟成させた。さらに開始剤液7部〔ジ−tert−ブチルパーオキシド1部、キシレン6部の混合液〕を加えた後2時間熟成させた。その後、144℃に昇温してキシレンを留去した。キシレンが500部留去したところで180℃に昇温して2kPaの減圧下にし、キシレンを完全に留去してスチレンアクリル共重合樹脂(SA−1)を得た。(SA−1)のMnは10,500であった。
(2)樹脂粒子(A−4)の製造
実施例1において(PS−1)を(SA−1)に代えたこと以外は実施例1と同様にして樹脂粒子(A−4)を得た。
(3)バインダー(X−4)の製造
(A−4)100部にアミノ基を有するシランカップリング剤(K−4)[商品名「Z−6020」、東レ・ダウコーニング(株)製]0.04部を加えた後、プラネタリーミキサーで40rpm、30分間混合し、無機繊維不織布用バインダー(X−4)を得た。(A−4)の(K−4)による被覆率は46%であった。
(4)無機繊維不織布(NW−4)の製造
実施例1において(X−1)を(X−4)に代えたこと以外は実施例1と同様にして無機繊維不織布(NW−4)を得た。
実施例5
(1)ポリエステル樹脂(PS−2)の製造
反応容器にビスフェノールAのEO2モル付加物1,215部、1,6−HG145部、無水マレイン酸467部、三酸化アンチモン5部を仕込み、200℃で5時間反応させた。同温度で2kPaの減圧下、4時間反応させることで、ポリエステル樹脂(PS−2)を得た。(PS−2)のMnは4,500であった。
(2)樹脂粒子(A−5)の製造
実施例1において(PS−1)を(PS−2)に代えたこと以外は実施例1と同様にして樹脂粒子(A−5)を得た。
(3)バインダー(X−5)の製造
(A−5)100部にメルカプト基を有するシランカップリング剤(K−5)[商品名「KBM−802」、信越化学(株)製]1.8部を加えた後、プラネタリーミキサーで30rpm、20分間混合し、無機繊維不織布用バインダー(X−5)を得た。(A−5)の(K−5)による被覆率は96%であった。
(4)無機繊維不織布(NW−5)の製造
実施例1において(X−1)を(X−5)に代えたことおよびガラスストランドを炭素繊維ストランド[商品名「パイロフィルTR30S3L」、PAN系、目付200mg/m(繊維1m当たりの重量)、三菱レイヨン(株)製]に代えたこと以外は実施例1と同様にして無機繊維不織布(NW−5)を得た。
実施例6
(1)ポリエステル樹脂(PS−3)の製造
反応容器にPG1,314部、テレフタル酸1,148部、ジブチルスズオキシド1.5部を仕込み、窒素ガスで0.3MPaまで加圧したのち220℃まで昇温した。同温度で6時間反応させ、反応容器内の圧力を0.3MPaから2kPaに減圧し、さらに1時間反応させた。圧力を常圧に戻した後、180℃に冷却した。そこへDEG247.4部を仕込み、常圧のまま同温度で2時間撹拌した後、220℃まで昇温した。同温度で2kPaまで減圧し、5時間反応させたところで取り出し、ポリエステル樹脂(PS−3)を得た。(PS−3)のMnは5,600であった。
(2)樹脂粒子(A−6)の製造
実施例1において(PS−1)を(PS−3)に代えたこと以外は実施例1と同様にして樹脂粒子(A−6)を得た。
(3)バインダー(X−6)の製造
(A−6)100部にビニル基を有するシランカップリング剤(K−6)[商品名「KBM−1003」、信越化学(株)製]1.0部を加えた後、プラネタリーミキサーで30rpm、20分間混合した。(A−6)の(K−6)による被覆率は93%であった。さらにブロッキング防止剤(B−1)[商品名「AEROSIL 200」、日本アエロジル(株)製]0.2部添加、混合し、無機繊維不織布用バインダー(X−6)を得た。
(4)無機繊維不織布(NW−6)の製造
実施例1において(X−1)を(X−6)に代えたこと以外は実施例1と同様にして無機繊維不織布(NW−6)を得た。
実施例7
(1)バインダー(X−7)の製造
(A−1)100部にビニル基を有するシランカップリング剤(K−7)[商品名「KBM−1403」、信越化学(株)製]0.8部を加えた後、プラネタリーミキサーで30rpm、20分間混合した。(A−1)の(K−7)による被覆率は63%であった。さらにブロッキング防止剤(B−2)[商品名「AEROSIL 380」、日本アエロジル(株)製]0.1部添加、混合し、無機繊維不織布用バインダー(X−7)を得た。
(2)無機繊維不織布(NW−7)の製造
実施例1において(X−1)を(X−7)に代えたこと以外は実施例1と同様にして無機繊維不織布(NW−7)を得た。
実施例8
(1)バインダー(X−8)の製造
(A−1)100部にアクリロイル基を有するシランカップリング剤(K−8)[商品名「KBM−5103」、信越化学(株)製]1.0部を加えた後、プラネタリーミキサーで30rpm、20分間混合した。(A−1)の(K−8)による被覆率は94%であった。さらにブロッキング防止剤(B−3)[商品名「AEROSIL R972」、日本アエロジル(株)製]0.05部添加、混合し、無機繊維不織布用バインダー(X−8)を得た。
(2)無機繊維不織布(NW−8)の製造
実施例1において(X−1)を(X−8)に代えたこと以外は実施例1と同様にして無機繊維不織布(NW−8)を得た。
実施例9
(1)バインダー(X−9)の製造
(A−5)100部にメタクリロイル基を有するシランカップリング剤(K−9)[商品名「KBE−502、信越化学(株)製]5.5部を加えた後、プラネタリーミキサーで30rpm、20分間混合した。(A−5)の(K−9)による被覆率は99%であった。さらにブロッキング防止剤(B−4)[商品名「SZ−2000」、堺化学(株)製]0.1部添加、混合し、無機繊維不織布用バインダー(X−9)を得た。
(2)無機繊維不織布(NW−9)の製造
実施例1において(X−1)を(X−9)に代えたこと以外は実施例1と同様にして無機繊維不織布(NW−9)を得た。
実施例10
(1)バインダー(X−10)の製造
(A−6)100部にエポキシ基を有するシランカップリング剤(K−10)[商品名「KBM−303、信越化学(株)製]2.5部を加えた後、プラネタリーミキサーで30rpm、20分間混合した。(A−6)の(K−10)による被覆率は98%であった。さらにブロッキング防止剤(B−5)[商品名「レオロシール QS−09」、トクヤマ(株)製]0.5部添加、混合し、無機繊維不織布用バインダー(X−10)を得た。
(2)無機繊維不織布(NW−10)の製造
実施例1において(X−1)を(X−10)に代えたこと以外は実施例1と同様にして無機繊維不織布(NW−10)を得た。
比較例1
(1)バインダー(X’−1)の製造
(A−1)100部にブロッキング防止剤(B−1)0.2部添加、混合し、バインダー(X’−1)を得た。
(2)無機繊維不織布(NW’−1)の製造
実施例1において(X−1)を(X’−1)に代えたこと以外は実施例1と同様にして無機繊維不織布(NW’−1)を得た。
比較例2
(1)バインダー(X’−2)の製造
(A−2)100部にブロッキング防止剤(B−2)0.2部添加、混合し、バインダー(X’−2)を得た。
(2)無機繊維不織布(NW’−2)の製造
実施例2において(X−2)を(X’−2)に代えたこと以外は実施例1と同様にして無機繊維不織布(NW’−2)を得た。
比較例3
(1)バインダー(X’−3)の製造
(A−3)100部にブロッキング防止剤(B−3)0.1部添加、混合し、バインダー(X’−3)を得た。
(2)無機繊維不織布(NW’−3)の製造
実施例3において(X−3)を(X’−3)に代えたこと以外は実施例1と同様にして無機繊維不織布(NW’−3)を得た。
比較例4
(1)バインダー(X’−4)の製造
(A−4)100部にブロッキング防止剤(B−3)0.1部添加、混合し、バインダー(X’−4)を得た。
(2)無機繊維不織布(NW’−4)の製造
実施例4において(X−4)を(X’−4)に代えたこと以外は実施例1と同様にして無機繊維不織布(NW’−4)を得た。
比較例5
(1)バインダー(X’−5)の製造
(A−5)100部にブロッキング防止剤(B−4)0.1部添加、混合し、バインダー(X’−5)を得た。
(2)無機繊維不織布(NW’−5)の製造
実施例5において(X−5)を(X’−5)に代えたこと以外は実施例1と同様にして無機繊維不織布(NW’−5)を得た。
比較例6
(1)バインダー(X’−6)の製造
(A−6)100部にブロッキング防止剤(B−1)0.25部添加、混合し、バインダー(X’−6)を得た。
(2)無機繊維不織布(NW’−6)の製造
実施例6において(X−6)を(X’−6)に代えたこと以外は実施例1と同様にして無機繊維不織布(NW’−6)を得た。
上記で得られた無機繊維不織布用バインダー(X−1)〜(X−10)、(X’−1)〜(X’−6)の構成等、および無機繊維不織布(NW−1)〜(NW−10)、(NW’−1)〜(NW’−6)を下記評価方法で評価した結果等を表1、2に示す。
<評価方法>
(1)無機繊維不織布の引張強度(kgf)(機械的強度の評価)
各無機繊維不織布を2枚ずつ作成し、無機繊維不織布1枚あたりタテ150mm×ヨコ50mmの試験片を4枚ずつ切り出た。これらについてJIS R3420「ガラス繊維一般試験方法」の「7.4引張強さ」に準じて引張強度を測定し、試験片8枚の平均値を求め、該平均値を下記の基準で評価した。
<評価基準>
◎:9.5kgf以上
○:8.5kgf以上9.5kgf未満
△:6kgf以上8.5kgf未満
×:6kgf未満
(2)破断部位の材料破壊率(%)(無機繊維とバインダーの接着性の評価)
上記(1)の引張試験後の試験片の破断部位をそれぞれ切り出し、破断部位のバインダーを走査型電子顕微鏡(100倍)でランダムに10ヶ所選んで写真を撮った。それぞれのバインダーが材料破壊しているのか界面剥離しているのかを判別した。引張試験後の残り7枚の試験片についても同様に行い、破断部位の材料破壊率を下記式で算出した。

[破断部位の材料破壊率](%)=100×(材料破壊の個数)/80
(3)無機繊維不織布の引張強度の最大値と最小値の差(機械的強度の均一性の評価)
試験片8枚の引張強度の最大値と最小値の差を求め下記の基準で評価した。
<評価基準>
◎:2kgf以下
○:2kgf超3.5kgf以下
△:3.5kgf超5kgf以下
×:5kgf超
Figure 2014177717
Figure 2014177717
表1、2の結果から、本発明のバインダー(X)は比較のものに比べ、無機繊維間を強固に接着し、機械的強度に優れる無機繊維不織布を与えることがわかる。
本発明の無機繊維不織布は、無機繊維強化プラスチック成形品用の強化材等として用いられ、該成形品は、自動車用部材(自動車成形天井材等)、小型船舶(カヌー、ボート、ヨット、モーターボート等)の船体、住宅用部材(建材、バスタブ、浄化槽等)、風車のブレード等の幅広い分野に適用できることから、極めて有用である。

Claims (9)

  1. 粒子表面の少なくとも一部が、反応性官能基を有するシランカップリング剤(K)で被覆された樹脂粒子(A)を含有してなる無機繊維不織布用バインダー(X)。
  2. (K)の有する反応性官能基が、エポキシ基、アミノ基、(メタ)アクリロイル基、ビニル基およびイソシアネート基からなる群から選ばれる少なくとも1種である請求項1記載のバインダー。
  3. (A)を構成する樹脂が、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリアミド樹脂、スチレンアクリル共重合樹脂からなる群から選ばれる少なくとも1種である請求項1または2記載のバインダー。
  4. (A)の重量に基づく(K)の割合が、0.01〜3%である請求項1〜3いずれか記載のバインダー。
  5. 請求項1〜4のいずれか記載のバインダーを用いて無機繊維積層体を結合させてなる無機繊維不織布。
  6. 破断部位の材料破壊率が、20%以上である請求項5記載の不織布。
  7. 請求項5または6記載の不織布を強化材として成形してなる無機繊維強化プラスチック成形品。
  8. プラスチック成形品が、自動車成形天井材、小型船舶船体、建材、バスタブ、浄化槽または風車のブレード用である請求項7記載の成形品。
  9. 無機繊維積層体にバインダーを散布し、加熱、溶融後、該積層体をプレス成形して不織布を製造する方法において、請求項1〜4のいずれか記載のバインダー(X)を用いることを特徴とする無機繊維不織布の製造方法。
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JP2018095673A (ja) * 2016-12-08 2018-06-21 王子ホールディングス株式会社 繊維強化熱可塑性樹脂シートとその製造方法、金属張積層シート、複合体およびシリカ微粒子担持ガラス繊維不織布とその製造方法

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