JP5044592B2 - ガラスチョップドストランドマット用バインダー - Google Patents
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Description
(1)数10〜数100本のガラス単繊維(繊維径約10μm前後)をサイジング剤で集束させガラスストランドを得る。
(2)該ガラスストランドを所定の長さに切断して束状のガラスチョップドストランドを得る。
(3)該ガラスチョップドストランドを搬送用ネット上に方向を無秩序に分散させて積層体とする。
(4)該積層体にバインダー粉末を散布し、オーブンチャンバーで加熱することによりガラスチョップドストランド間をバインダーで結合させてガラスチョップドストランドマットを得る。
このバインダーについては、従来から機械粉砕により粉末化された不飽和ポリエステル樹脂が多く使用されてきた(例えば、特許文献1)。
(1)ガラスチョップドストランドマットに均一な強度を付与できる。
(2)従来より少ない使用量でガラスチョップドストランドに均一な強度を付与できる。
(3)柔軟性に優れるガラスチョップドストランドマットを与える。
本発明のポリエステル樹脂粉末(A)の体積平均粒子径DVは100〜250μm、好ましくは110〜230μm、さらに好ましくは120〜220μmである。DVが100μm未満ではガラスチョップドストランド積層体へのバインダーの均一付着生が悪く、ガラスチョップドストランドマット強度にバラツキが生じて品質が損なわれることとなり、250μmを超えるとバインダーの重い自重で、積層体に付着せずに、積層体の隙間から落下するバインダー量が増えること、および積層体の単位重量当たりのバインダー粒子の個数が少なくなり、積層体とバインダーとの接着点が少なくなることから、該マット作成時のバインダー必要量が増大する。
ここで、円形度とは、下記式で算出される値であり、粒子を顕微鏡で撮影し、その写真を画像処理することで測定、算出できる[(株)キーエンス製の超深度形状測定顕微鏡「VK−8500」、およびその付属の同社製の形状解析ソフト「VK−H1A7」による画像解析、(株)セイシン企業製の粒度・形状分布測定器「PITA−1」による解析等]。また、数平均円形度とは、後述する方法で求められる値である。
円形度=4πF/L2 (但し、F:粒子の投影面積、L:粒子の投影周囲長)
本発明においては、全微粒子個々の円形度が前記の範囲にある必要はなく、円形度の数平均値(数平均円形度)が上記範囲であればよい。
なお、円形度については、「コンクリートの劣化・硬化課程の非接触全視野ひずみ計測」委員会研究成果報告書、第三章 建設分野における光学的全視野計測を用いた実験・研究、3.6デジタル技術を用いた骨材の形状評価、に解説されている。
(a2)としては、2価アルコール(a21)、3価〜10価またはそれ以上の多価アルコール(a22)、およびこれらのアルコールまたは多価(2価〜3価またはそれ以上)フェノールのアルキレンオキサイド(以下AOと略記。C2〜10)低モル(1〜10モル)付加物;並びにこれらの2種以上の混合物が挙げられる。
該多価フェノールには、C6〜18の2価フェノール、例えば単環2価フェノール(ハイドロキノン、カテコール、レゾルシノール、ウルシオール等)、ビスフェノール(ビスフェノールA、−F、−C、−B、−ADおよび−S、ジヒドロキシビフェニル、4,4’−ジヒドロキシジフェニル−2,2−ブタン等)、および縮合多環2価フェノール[ジヒドロキシナフタレン(例えば1,5−ジヒドロキシナフタレン)、ビナフトール等];並びに3価〜8価またはそれ以上の多価フェノール、例えば単環多価フェノール(ピロガロール、フロログルシノール、および1価もしくは2価フェノール(フェノール、クレゾール、キシレノール、レゾルシノール等)のアルデヒドもしくはケトン(ホルムアルデヒド、グルタールアルデヒド、グリオキザール、アセトン)低縮合物(例えばフェノールもしくはクレゾールノボラック樹脂、レゾールの中間体、フェノールとグリオキザールもしくはグルタールアルデヒドの縮合反応によって得られるポリフェノール、およびレゾルシンとアセトンの縮合反応によって得られるポリフェノール)が含まれる。
該重縮合反応時の(a1)と(a2)の反応当量比(カルボキシル基/水酸基の当量比)は、迅速な重縮合反応および得られるポリエステル樹脂の物性の安定性の観点から好ましくは1/0.7〜1/1.1、さらに好ましくは0.9/1〜1.2/1である。該製造後の該ポリエステル樹脂の酸価は、耐水性の観点から好ましくは20以下、さらに好ましくは0〜15である。
エステル化触媒としては、プロトン酸(リン酸等)、金属(アルカリ金属、アルカリ土類金属、遷移金属、2B、4A、4Bおよび5B族金属等)の、カルボン酸(C2〜4)塩、炭酸塩、硫酸塩、リン酸塩、酸化物、塩化物、水酸化物、アルコキシド等が挙げられる。
これらのうち反応性の観点から好ましいのは2B、4A、4Bおよび5B族金属の、カルボン酸(C2〜4)塩、酸化物、アルコキシド、生成物の低着色性の観点からさらに好ましいのは三酸化アンチモン、モノブチル錫オキシド、テトラブチルチタネート、テトラブトキシチタネート、テトラブチルジルコネート、酢酸ジルコニル、酢酸亜鉛である。
エステル化触媒の使用量は、所望の分子量が得られる量であれば特に制限されないが、ポリカルボン酸(a1)と低分子ポリオール(a2)の合計重量に基づいて、反応性および低着色性の観点から好ましくは0.005〜3%、さらに好ましくは0.01〜1%である。
まず、冷却管、撹拌棒、温度計および窒素導入管を備えた反応容器中に、前記の、アルコール成分、酸成分および触媒(ジブチルチンオキサイド等)を仕込み、窒素雰囲気下で加熱し通常150〜170℃で4〜6時間反応させ、その後200℃まで昇温し、3〜4kPaの減圧下でさらに通常6〜8時間、酸価を確認しながら反応させ、酸価(単位:mgKOH/g)が20以下となった後、180℃まで冷却して取り出すことでポリエステル樹脂を得る。
(1)粉砕法
上記ポリエステル樹脂を、例えばサンプルミル[型番「SK−M10」、協立理工(株)製]を用いて回転数約10,000rpmで3〜5分間粉砕して粒子状とした後、目開きの異なる篩を組み合わせる等で篩い分けることにより、ポリエステル樹脂粉末(A)を得る方法。
上記ポリエステル樹脂の有機溶剤[エステル(酢酸エチル、酢酸ブチル等)、ケトン(アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソプロピルケトン等)等]溶液を、分散機を用いて、分散剤を含有する水媒体中に分散させて、該ポリエステル樹脂の分散体を形成させ、該分散体から樹脂粒子を分離乾燥してポリエステル樹脂粉末(A)を得る方法。
これらの高分子型分散剤のMwは通常3,000〜1,000,000、好ましくは5,000〜100,000である。
また、該ポリエステル樹脂の重量に対する、分散剤と水からなる水媒体の使用量は、ポリエステル樹脂の分散性および該樹脂の体積平均粒子径の観点から好ましくは50〜1,000%、さらに好ましくは100〜1,000%である。
分散剤を含有する水媒体中に前記ポリエステル樹脂の有機溶剤溶液を分散させるに際しては、必要により該有機溶剤溶液を低粘度化するために40〜100℃に加温してもよい。
前記(2)における有機溶剤溶液に必要に応じて分散剤を添加し、貧溶媒(シクロヘキサン、石油エーテル等)を徐々に添加した後、前記分散機を用いて混合し、析出した樹脂粒子を沈殿させるか、または上記有機溶剤溶液を温度差(例えば高温の該有機溶剤溶液を徐々に冷却する)による溶解度の違いを利用して樹脂粒子を沈殿させ、該樹脂粒子を分離乾燥してポリエステル樹脂粉末(A)を得る方法。
また、該ポリエステル樹脂の重量に対する、分散剤と前記溶媒とからなる分散媒体の使用量は、ポリエステル樹脂の分散性および該樹脂の体積平均粒子径の観点から好ましくは50〜1,000%、さらに好ましくは100〜1,000%である。
ポリエステル樹脂粉末(A)を含有してなる本発明のガラスチョップドストランドマット用バインダーには、(A)以外に、必要に応じて、ブロッキング防止剤(B1)、滑剤(B2)、親水性付与剤(B3)からなる群から選ばれる1種または2種以上の添加剤(B)を含有させることができる。これらの添加剤(B)は、通常ポリエステル樹脂を粉砕し、篩い分けした後に添加される。
(B)の合計の使用量は、ポリエステル樹脂粉末(A)の重量に基づいて通常8%以下、好ましくは0.01〜5%、さらに好ましくは0.1〜3%である。
高級脂肪酸としては、C8〜24、例えばラウリン酸、ステアリン酸;
高級脂肪酸の塩としては、上記高級脂肪酸のアルカリ金属(Na、K、Li等)、アルカリ土類金属(Ca、Ba、Mg等)、Zn、Cu、Ni、CoおよびAl等の塩;
珪素もしくは金属の酸化物としては、二酸化珪素、酸化珪素、酸化アルミニウム、酸化鉄、酸化チタン、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム等、該炭化物としては、炭化珪素および炭化アルミニウム等;
有機樹脂としては、ポリオレフィン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリ(メタ)アクリル樹脂、シリコン樹脂、ポリウレタン樹脂、フェノール樹脂、ポリ四弗化エチレン樹脂、セルロースパウダー等が挙げられる。
これらのうち、粉体流動性の観点から好ましいのは高級脂肪酸の金属塩、および珪素もしくは金属の酸化物である。
ワックスとしては、カルナウバワックス等;低分子量ポリエチレンとしては、Mn1,000〜10,000のポリエチレン等;高級アルコールとしては、C10〜24、例えばステアリン酸;高級脂肪酸エステルとしては、C10〜36、例えばステアリン酸ブチル、高級脂肪酸(C10〜24)の多価(2〜4)アルコールAO(C2〜3)付加物エステル(EGのEO5モル付加物のモノステアレート等);高級脂肪酸アミドとしては、C10〜40、例えばステアリン酸アミドが挙げられる。
これらのうち、ガラス繊維の結合性の観点から好ましいのは高級脂肪酸(C10〜24)の多価(2〜4)アルコールAO(C2〜3)付加物エステルおよび高級脂肪酸アミドである。
これらのうち、ガラス繊維の結合性の観点から好ましいのはPEGおよびPEG鎖含有オルガノポリシロキサンである。
本発明のガラスチョップドストランドマットは、ガラスチョップドストランド積層体とポリエステル樹脂粉末(A)を含有するガラスチョップドストランドマット用バインダーから構成され、例えば以下の工程で製造することができる。
(1)離型処理した平板金型内にガラスチョップドストランドを方向性無秩序に均一厚み
になるよう散布してガラスチョップドストランド積層体を得る。
(2)散布したガラスチョップドストランドとほぼ同量の水道水をガラスチョップドスト
ランドの表面が十分湿るように霧吹きにて噴霧する。
(3)所定量のガラスチョップドストランドマット用バインダーを均一付着させる。
(4)上記(1)〜(3)の操作を1〜3回またはそれ以上繰り返して積層体を得る。
(5)150〜170℃に加熱したプレス機によりプレスしてバインダーにより結合され
たガラスチョップドストランドマットを得る。
ここにおいて、引張強さは後述のJIS R3420に準拠して測定され、上記引張強さの最大値と最小値の差は、10枚の試験片について得られた値の最大値と最小値の差で評価される。
(1)成形型表面に離型剤を塗布する。
(2)ローラーなどを用いて均一な厚みになるよう室温(15〜25℃)でマトリックス
樹脂(不飽和ポリエステル樹脂等)を塗布する。
(3)約40℃に温度調整した温風炉内で該樹脂をゲル化させる。
(4)ガラスチョップドストランドマットを成形型表面にフィットさせ、マトリックス樹
脂をスチレンモノマー等で薄めた溶液をローラー等によりガラスチョップドストラ
ンドマット上に積層し、ローラーにより空気抜きを行う。
(5)積層体を温風炉内で硬化させる。
(6)型から取り出し成形品を得る。
これらのうち、例えば上記ハンドレイアップ法の場合は、熱硬化性樹脂が用いられ、成形時の作業性の観点から好ましいのは、不飽和ポリエステル樹脂およびビニルエステル樹脂である。
(1)ポリエステル樹脂の製造
冷却管、撹拌棒、温度計および窒素導入管の付いた反応容器中に、ビスフェノールAのEO2.2モル付加物3,365部、フマル酸1,123部、ジブチル錫オキサイド6部を仕込み、窒素雰囲気中180℃で4時間反応させた。その後、200℃まで昇温し、3〜4kPaの減圧下で5.5時間反応させた後、さらに210℃まで昇温し反応生成物の酸価が16.0になったところで180℃まで冷却して取り出し、(ポリエステル樹脂−1)を得た。
(ポリエステル樹脂−1)100部をサンプルミル[機器名「SK−M10」、協立理工(株)製、以下同じ。]を用いて回転数10,000rpmで5分間粉砕した。得られた樹脂粉末を目開き180μmの篩で篩い分け、これを通過した樹脂粉末をさらに目開き150μmの篩で篩い分けて、150μmの篩上に残ったポリエステル樹脂粉末(A−1)を得た。
(A−1)のMwは30,000、Mnは2,800、軟化点は116℃、Tgは53℃であり、体積平均粒子径(DV)、300μm以上の粒子の全粒子に占める比率、変動係数(CV)75μm以下の粒子の全粒子に占める比率、および(DV)/(DN)等の各値は表1に示す。
(A−1)10部にブロッキング防止剤[商品名「AEROSIL200」、日本アエロジル(株)製、以下同じ。]0.03部を加えた後、混合し、バインダー(X−1)を得た。
(1)ポリエステル樹脂粉末(A−2)の製造
(ポリエステル樹脂−1)100部をサンプルミルを用いて回転数12,500rpmで3分間粉砕した。得られた樹脂粉末を目開き250μmの篩で篩い分け、これを通過した樹脂粉末をさらに目開き212μmの篩で篩い分けて、212μmの篩い上に残ったポリエステル樹脂粉末(A−2)を得た。
(A−2)のMw、Mn、軟化点およびTgは(A−1)に同じであり、その他の評価項目の値は表1に示す。
(2)バインダー(X−2)の製造
(A−2)10部にブロッキング防止剤0.03部を加えた後、混合し、バインダー(X−2)を得た。
(1)ポリエステル樹脂粉末(A−3)の製造
(ポリエステル樹脂−1)100部をサンプルミルを用いて回転数12,500rpmで3分間粉砕した後、得られた樹脂粉末を目開き106μmの篩で篩い分け、篩を通過したポリエステル樹脂粉末(A−3)を得た。
(A−3)のMw、Mn、軟化点およびTgは(A−1)に同じであり、その他の評価項目の値は表1に示す。
(2)バインダー(X−3)の製造
(A−3)10部にブロッキング防止剤0.03部を加えた後、混合し、バインダー(X−3)を得た。
(1)ポリエステル樹脂粉末(A−4)の製造
(ポリエステル樹脂−1)100部をサンプルミルを用いて回転数15,000rpmで5分間粉砕した後、得られた樹脂粉末を目開き160μmの篩で篩い分け、これを通過した樹脂粉末をさらに目開き150μmの篩いで篩い分けて、150μmの篩い上に残ったポリエステル樹脂粉末(A−4)を得た
(A−4)のMw、Mn、軟化点およびTgは(A−1)に同じであり、その他の評価項目の値は表1に示す。
(2)バインダー(X−4)の製造
(A−4)10部にブロッキング防止剤0.03部を加えた後、混合し、バインダー(X−4)を得た。
(1)ポリエステル樹脂粉末(A−5)の製造
(ポリエステル樹脂−1)100部を酢酸エチル200部に溶解、混合し、これにノニルフェノールEO14モル付加物[商品名「ノニポール200」、三洋化成工業(株)製、以下同じ。]4部を水500部で希釈した液を添加した後、高速剪断式分散機[商品名「ウルトラディスパーザー」、ヤマト科学(株)製]を用い、回転数9,000rpmで5分間混合した。次にこの混合液を反応容器に仕込み、50℃まで昇温し、20〜30kPaの減圧下で酢酸エチルを留去して(ポリエステル樹脂−1)からなる樹脂粒子分散液を得た。次いでこの樹脂粒子分散液を遠心分離し、上澄み液を除去後、さらに水を加えて遠心分離する工程を2回繰り返した。沈降層を、50℃、1.3kPaの減圧条件で乾燥させた。得られた樹脂粉末を目開き250μmの篩いで篩い分け、これを通過した樹脂粉末をさらに目開き212μmの篩で篩い分けて、212μmの篩上に残ったポリエステル樹脂粉末(A−5)を得た。
(A−5)のMw、Mn、軟化点およびTgは(A−1)に同じで、数平均円形度は0.93であった。数平均円形度の測定は後述の方法に従った。その他の評価項目の値は表1に示す。
(2)バインダー(X−5)の製造
(A−5)10部にブロッキング防止剤0.03部を加えた後、混合し、バインダー(X−5)を得た。
(1)ポリエステル樹脂の製造
製造例1の(1)において、3〜4kPaの減圧下での5.5時間の反応に代えて1時間反応させた後、さらに210℃まで昇温し反応生成物の酸価が19.0になったところで180℃まで冷却して取り出したこと以外は、製造例1の(1)と同様にして(ポリエステル樹脂−2)を得た。
製造例1の(2)において、(ポリエステル樹脂−1)100部に代えて(ポリエステル樹脂−2)100部を用いたこと以外は製造例1の(2)と同様にしてポリエステル樹脂粉末(A−6)を得た。
(A−6)のMwは6,500、Mnは2,300、軟化点は88℃、Tgは48℃であり、その他の評価項目の値は表1に示す。
(A−6)10部にブロッキング防止剤0.03部を加えた後、混合し、バインダー(X−6)を得た。
(1)ポリエステル樹脂の製造
製造例1の(1)において、3〜4kPaの減圧下での5.5時間の反応に代えて8時間反応させた後、さらに210℃まで昇温し反応生成物の酸価が5.5になったところで180℃まで冷却して取り出したこと以外は、製造例1の(1)と同様にして(ポリエステル樹脂−3)を得た。
製造例1の(2)において、(ポリエステル樹脂−1)100部に代えて(ポリエステル樹脂−3)100部を用いたこと以外は製造例1の(2)と同様にしてポリエステル樹脂粉末(A−7)を得た。
(A−7)のMwは40,000、Mnは4,300、軟化点は130℃、Tgは56℃であり、その他の評価項目の値は表1に示す。
(A−7)10部にブロッキング防止剤0.03部を加えた後、混合し、バインダー(X−7)を得た。
(1)ポリエステル樹脂粉末(A’−1)の製造
(ポリエステル樹脂−1)100部をサンプルミルを用いて回転数12,500rpmで3分間粉砕した後、得られた樹脂粉末を目開き180μmの篩で篩い分け、篩を通過したポリエステル樹脂粉末(A’−1)を得た。(A’−1)のMw、Mn、軟化点およびTgは(A−1)に同じであり、その他の評価項目の値は表1に示す。
(2)バインダー(X’−1)の製造
(A’−1)10部にブロッキング防止剤0.03部を加えた後、混合し、バインダー(X’−1)を得た。
(2)ポリエステル樹脂粉末(A’−2)の製造
(ポリエステル樹脂−1)100部をサンプルミルを用いて回転数12,500rpmで3分間粉砕した後、得られた樹脂粉末を目開き150μmの篩で篩い分け、篩上に残ったポリエステル樹脂粉末(A’−2)を得た。(A’−2)のMw、Mn、軟化点およびTgは(A−1)に同じであり、その他の評価項目の値は表1に示す。
(2)バインダー(X’−2)の製造
(A’−2)10部にブロッキング防止剤0.03部を加えた後、混合し、バインダー(X’−2)を得た。
(1)ポリエステル樹脂粉末(A’−3)の製造
(ポリエステル樹脂−1)100部をサンプルミルを用いて回転数7,500rpmで3分間粉砕した、得られた樹脂粉末を目開き250μmの篩で篩い分け、篩を通過したポリエステル樹脂粉末(A’−3)を得た。(A’−3)のMw、Mn、軟化点およびTgは(A−1)に同じであり、その他の評価項目の値は表1に示す。
(2)バインダー(X’−3)の製造
(A’−3)10部にブロッキング防止剤0.03部を加えた後、混合し、バインダー(X’−3)を得た。
(1)ポリエステル樹脂粉末(A’−4)の製造
(ポリエステル樹脂−1)100部をサンプルミルを用いて回転数12,500rpmで3分間粉砕した。得られた樹脂粉末を目開き300μmの篩いで篩い分け、これを通過した樹脂粉末をさらに目開き250μmの篩いで篩い分けて、250μmの篩い上に残ったポリエステル樹脂粉末(A’−4)を得た。
(A’−4)のMw、Mn、軟化点およびTgは(A−1)に同じであり、その他の評価項目の値は表1に示す。
(2)バインダー(X’−4)の製造
(A’−4)10部にブロッキング防止剤0.03部を加えた後、混合し、バインダー(X’−4)を得た。
(1)ポリエステル樹脂粉末(A’−5)の製造
(ポリエステル樹脂−1)100部をサンプルミルを用いて回転数12,500rpmで3分間粉砕した。得られた樹脂粉末を目開き106μmの篩いで篩い分け、これを通過した樹脂粉末をさらに目開き75μmの篩で篩い分けて、75μmの篩上に残ったポリエステル樹脂粉末(A’−5)を得た。
(A’−5)のMw、Mn、軟化点およびTgは(A−1)に同じであり、その他の評価項目の値は表1に示す。
(2)バインダー(X’−5)の製造
(A’−5)10部にブロッキング防止剤0.03部を加えた後、混合し、バインダー(X’−5)を得た。
ガラスチョップドストランド用のガラスストランド(平均ストランド番手T=30tex、ガラス繊維の密度d=2.5g/cm3、ガラスストランド直径K=123.6μm)を、東技研(株)製ガラスチョッパーを用いて約5cmの長さに切断し、ガラスチョップドストランドを得た。
離型処理した75cm×40cm×3cmの平板金型内に該ガラスチョップドストランド45.0gを方向性無秩序に均一厚みになるように散布し、次に該ガラスチョップドストランドの散布体の表面が湿る程度まで霧吹きで水道水を噴霧した。
次に、散布したガラスチョップドストランドの重量の3.0%相当量である1.35gのバインダー(X−1)を均一にガラスチョップドストランド散布体上に散布した。
さらにその上に、同様にして45.0gのガラスチョップドストランドの散布、水道水噴霧、1.35gのバインダー(X−1)の散布、の操作を2度繰り返した。その結果、合計ガラスチョップドストランド135.0gに対してその3.0%相当量の4.05gのバインダー(X−1)を散布した3層構造のガラスチョップドストランド積層体を形成した。
その後、150℃に加熱したロール型プレス機により1.5m/分のスピードで熱プレスし、厚さ1.2mm、マットの目付量(1m2当たりのマットに使用したガラスチョップドストランドの量。以下同じ。)450g/m2、強熱減量2.70重量%(強熱減量率93%)のガラスチョップドストランドマット(GM−1)を得た。
(1)試験片約5gを磁性るつぼに入れ、105℃で30分間乾燥させた後、デシケータ内で室温まで放冷し、0.1mg単位まで重量(m1)を測定する。該乾燥した試験片入り磁性るつぼを625℃に温度調整した電気炉内に入れ、扉を開いたまま5分間燃焼させた後、扉を閉め、さらに10分間燃焼させた。その後試験片入り磁性るつぼを取り出しデシケータ内で室温まで放冷し、0.1mg単位まで重量(m2)を測定する。
(2)試験片を入れない空の上記磁性るつぼについて、105℃で30分間乾燥させた後、デシケータ内で室温まで放冷し、0.1mg単位まで重量(m0)を測定する。
(3)下記式から強熱減量を算出する。
強熱減量(重量%)=100×[(m1)−(m2)]/[(m1)−(m0)]
強熱減量率は、落下バインダー量低減およびガラスチョップドストランドマットの必要強度の観点から好ましくは90%以上、さらに好ましくは93%以上である。
実施例1において、バインダー(X−1)をバインダー(X−2)に代えたこと以外は実施例1と同様にして、厚み1.2mm、マットの目付量450g/m2、強熱減量2.64%(強熱減量率91%)のガラスチョップドストランドマット(GM−2)を得た。
実施例1において、バインダー(X−1)をバインダー(X−3)に代えたこと以外は実施例1と同様にして、厚み1.2mm、マットの目付量450g/m2、強熱減量2.75%(強熱減量率95%)のガラスチョップドストランドマット(GM−3)を得た。
実施例1において、ガラスチョップドストランド用のガラスストランドを、平均ストランド番手T=10tex、ガラス繊維の密度d=2.5g/cm3、ストランド直径K=71.4μmのガラスストランドに代え、バインダー(X−1)をバインダー(X−2)に代えたこと以外は実施例1と同様にして、厚み1.1mm、マットの目付量450g/m2、強熱減量2.65%(強熱減量率91%)のガラスチョップドストランドマット(GM−4)を得た。
実施例1において、ガラスチョップドストランド用のガラスストランドを、平均ストランド番手T=120tex、ガラス繊維の密度d=2.5g/cm3、ストランド直径K=247.2μmのガラスストランドに代え、バインダー(X−1)をバインダー(X−3)に代えたこと以外は実施例1と同様にして、厚み1.4mm、マットの目付量450g/m2、強熱減量2.76%(強熱減量率95%)のガラスチョップドストランドマット(GM−5)を得た。
実施例1において、バインダー(X−1)をバインダー(X−4)に代えたこと以外は実施例1と同様にして、厚み1.2mm、マットの目付量450g/m2、強熱減量2.81%(強熱減量率97%)のガラスチョップドストランドマット(GM−6)を得た。
実施例1において、バインダー(X−1)をバインダー(X−5)に代えたこと以外は実施例1と同様にして、厚み1.2mm、マットの目付量450g/m2、強熱減量2.83%(強熱減量率97%)のガラスチョップドストランドマット(GM−7)を得た。
実施例1において、1回当たりの散布でガラスチョップドストランド45.0gを5.0g、バインダー(X−1)1.35gをバインダー(X−6)0.15gに代え、これを3回行ったこと以外は、実施例1と同様にして合計ガラスチョップドストランド15.0gに対してその3.0%相当量の0.45gのバインダー(X−6)を散布した3層構造のガラスチョップドストランド積層体を形成した。
その後、実施例1と同様に熱プレスし、厚さ0.3mm、マットの目付量50g/m2、強熱減量2.62重量%(強熱減量率90%)のガラスチョップドストランドマット(GM−8)を得た。
実施例1において、1回当たりの散布でガラスチョップドストランド45.0gを58.0g、バインダー(X−1)1.35gをバインダー(X−7)1.74gに代え、これを3回行ったこと以外は、実施例1と同様にして合計ガラスチョップドストランド174.0gに対してその3.0%相当量の5.22gのバインダー(X−7)を散布した3層構造のガラスチョップドストランド積層体を形成した。
その後、実施例1と同様に熱プレスし、厚さ1.6mm、マットの目付量580g/m2、強熱減量2.91重量%(強熱減量率100%)のガラスチョップドストランドマット(GM−9)を得た。
実施例1において、バインダー(X−1)をバインダ−(X’−1)に代えたこと以外は実施例1と同様にして、厚み1.2mm、マットの目付量450g/m2、強熱減量2.76%(強熱減量率95%)のガラスチョップドストランドマット(GM’−1)を得た。
実施例1において、バインダー(X−1)をバインダ−(X’−2)に代えたこと以外は実施例1と同様にして、厚み1.2mm、マットの目付量450g/m2、強熱減量2.44%(強熱減量率84%)のガラスチョップドストランドマット(GM’−2)を得た。
実施例1において、バインダー(X−1)をバインダ−(X’−3)に代えたこと以外は実施例1と同様にして、厚み1.2mm、マットの目付量450g/m2、強熱減量2.55%(強熱減量率88%)のガラスチョップドストランドマット(GM’−3)を得た。
実施例1において、ガラスチョップドストランド用のガラスストランドを、平均ストランド番手T=10tex、ガラス繊維の密度d=2.5g/cm3、ストランド直径K=71.4μmのガラスストランドに代え、バインダー(X−1)をバインダ−(X’−4)に代えたこと以外は実施例1と同様にして、厚み1.1mm、マットの目付量450g/m2、強熱減量2.49%(強熱減量率86%)のガラスチョップドストランドマット(GM’−4)を得た。
実施例1において、バインダー(X−1)をバインダ−(X’−5)に代えたこと以外は実施例1と同様にして、厚み1.2mm、マットの目付量450g/m2、強熱減量2.73%(強熱減量率94%)のガラスチョップドストランドマット(GM’−5)を得た。
下記項目について評価し、結果を表1に示す。
(1)軟化点(℃)
JIS K2207「石油アスファルト」の「6.4軟化点試験方法(環球法)」に準拠して、自動軟化点試験器[機器名「ASP−5」、田中科学機器製作(株)製]により測定した。
JIS K7121「プラスチックの転移温度測定法」に準拠して、「RDC−220」[機器名、セイコー電子工業(株)製]により測定した。
「マイクロトラック9320HRA粒度分析計」[機器名、日機装(株)製]を用いたレーザー回折散乱法により測定した。
(4)体積基準の粒子径分布の変動係数(CV)(%)
変動係数(CV)は、以下の計算式より算出される値であり、標準偏差、および体積平均粒子径(DV)は「マイクロトラック9320HRA粒度分析計」を用いたレーザー回折散乱法により測定した。
変動係数(CV)=[標準偏差/体積平均粒子径(DV)]×100
(DV)と(DN)の各値は「マイクロトラック9320HRA粒度分析計」を用いたレーザー回折散乱法により測定した。
(株)キーエンス製の超深度形状測定顕微鏡「VK−8500」で写真撮影し、同社製の付属の形状解析ソフト「VK−H1A7」で画像解析を行い、数平均円形度を求めた。
ここで、数平均円形度とは、無作為に取り出した30個の粒子各々の円形度を測定し、これを数平均する操作を10回繰り返し、得られた10個の値を単純平均した値である。
(7)強熱減量(重量%)
JIS R3420「ガラス繊維一般試験方法」の「7.3.2強熱減量」に準拠して測定される値で、マット重量に基づく、ガラス繊維を除く付着バインダー量の割合(重量%)を表す。
強熱減量率は下記の式から算出される。
強熱減量率(%)=[強熱減量(重量%)/2.91]×100
ガラスチョップドストランドマット(GM−1)〜(GM−9)、(GM’−1)〜(GM’−5)のそれぞれから、幅50mm×長さ150mmに切り出した試験片10枚ずつ作成し、これらをJIS R3420「ガラス繊維一般試験方法」の「7.4引張強さ」に準拠して測定した。具体的には次の手順で行った。
(i)試験片を25℃、湿度65%(JIS K7100で規定される標準雰囲気)の条件で1時間、静置する。
(ii)試験片の長さ方向の両端部を上下の各クランプで掴み、クランプ間の距離を100mmに調整する。
(ii)「オートグラフAGS−500D」[機器名、(株)島津製作所製]を用い、引張速度100mm/分で引張試験を行い、試験片が破断するまでに要した力を引張強さとする。
ガラスチョップドストランドマット(GM−1)〜(GM−9)、(GM’−1)〜(GM’−5)のそれぞれから幅20mm×長さ100mmに切り出した試験片を各10枚ずつ作成し、これらをASTM D256に準拠して測定した。
[1]引張強さの平均値
試験片10枚の引張強さの平均値を求め、下記の基準で評価した。
○ 130N超
△ 70N以上130N未満
× 70N未満
試験片10枚の引張強さの最大値と最小値の差を求め、下記の基準で評価した。
○ 40N未満
△ 40N以上80N未満
× 80N以上
[3]強熱減量当たりの引張強さ
試験片10枚の引張強さの平均値を強熱減量(重量%)で除し下記の基準で評価した。
○ 50N超
△ 30N以上50N未満
× 30N未満
○ 1.5×10-3MPa未満
△ 1.5×10-3MPa以上2.0×10-3MPa未満
× 2.0×10-3MPa以上
さらに、表1から本発明のガラスチョップドストランドマットは、比較のものに比べ曲げ弾性率が適度で柔軟性に優れることから、該マットを用いたガラス繊維強化プラスチック成形品作成時の成形型へのフィット性等で作業性の向上に大きく寄与し得ることがわかる。
Claims (7)
- レーザー回折散乱法による体積平均粒子径DVが100〜250μmであり、体積平均粒子径D V と数平均粒子径D N の比[D V /D N ]が1〜1.5であり、300μm以上の体積基準粒子径を有する粒子の割合が20重量%以下であり、75μm以下の体積基準粒子径を有する粒子の割合が20重量%以下であり、かつ、体積基準の粒子径分布の変動係数CVが0.1〜30%であるポリエステル樹脂粉末(A)を含有してなることを特徴とするガラスチョップドストランドマット用バインダー。
- (A)の数平均円形度が0.8〜1.0である請求項1 記載のバインダー。
- 請求項1または2記載のバインダーでガラスチョップドストランド積層体を結合させてなるガラスチョップドストランドマット。
- マットの引張強さの最大値と最小値の差が、40N未満である請求項3記載のマット。
- 請求項3または4記載のマットを強化材として成形してなるガラス繊維強化プラスチック成形品。
- ガラス繊維強化プラスチック成形品が、自動車成形天井材、小型船舶船体、バスタブまたは浄化槽用である請求項5記載の成形品。
- ガラスチョップドストランド散布、水散布およびバインダー散布からなる工程を経て形成されるガラスチョップドストランド積層体を加熱プレス成形してガラスチョップドストランドマットを製造する方法において、請求項1または2記載のバインダーを用いることを特徴とするガラスチョップドストランドマットの製造方法。
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