JP2017058363A - 中性子線遮へい材用ポリウレタン樹脂形成性組成物 - Google Patents
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Abstract
【課題】 粘度が低く施工性に優れ、かつ高い中性子線遮へい性を成形品に付与する中性子線遮へい材用ポリウレタン樹脂形成性組成物を提供する。
【解決手段】 ポリオール、ポリイソシアネート、および天然存在比において熱中性子線吸収断面積が100〜50,000バーンである元素を構成元素として含む無機フィラーを含有してなる組成物であって、該組成物の重量に基づく該無機フィラーの含有量が5〜30重量%である中性子線遮へい材用ポリウレタン樹脂形成性組成物;該組成物が硬化した中性子線遮へい材用ポリウレタン樹脂成形品。
【選択図】なし
【解決手段】 ポリオール、ポリイソシアネート、および天然存在比において熱中性子線吸収断面積が100〜50,000バーンである元素を構成元素として含む無機フィラーを含有してなる組成物であって、該組成物の重量に基づく該無機フィラーの含有量が5〜30重量%である中性子線遮へい材用ポリウレタン樹脂形成性組成物;該組成物が硬化した中性子線遮へい材用ポリウレタン樹脂成形品。
【選択図】なし
Description
本発明は、施工性に優れた中性子線遮へい材用ポリウレタン樹脂形成性組成物に関する。さらに詳しくは、該組成物が硬化した成形品に中性子線遮へい性能を付与する中性子線遮へい材用ポリウレタン樹脂形成性組成物に関する。
中性子線の遮蔽では高速中性子の減速と、減速によって生じた熱中性子の吸収を考慮する必要があり、高速中性子の減速はほぼ同じ質量の水素原子との衝突によりエネルギーが吸収され減速されるので、水素原子濃度の高い物質が遮蔽に有効に働く。
従来中性子線の遮蔽材は、水素原子濃度の高い物質、即ち水、パラフィン、ポリエチレン、ポリプロピレン、エポキシ樹脂の有機高分子材料の単独、又はこれにガドリニウム化合物、ホウ素化合物、リチウム化合物等の熱中性子吸収材料を分散、含有せしめた材料が良く知られている(例えば特許文献1)。又、見掛け上安価な遮蔽材として、結合水を材質中に取り込み硬化するコンクリートも、構造材料を兼ね使用されている。
従来中性子線の遮蔽材は、水素原子濃度の高い物質、即ち水、パラフィン、ポリエチレン、ポリプロピレン、エポキシ樹脂の有機高分子材料の単独、又はこれにガドリニウム化合物、ホウ素化合物、リチウム化合物等の熱中性子吸収材料を分散、含有せしめた材料が良く知られている(例えば特許文献1)。又、見掛け上安価な遮蔽材として、結合水を材質中に取り込み硬化するコンクリートも、構造材料を兼ね使用されている。
しかしながら、ポリエチレンやポリプロピレン、パラフィンは熱可塑性樹脂で成形が難しく、現場施工等が困難である。またこれらにホウ素化合物などの熱中性子吸収剤を分散させるためには溶融させて混練する必要があり、高いエネルギーを要する。水や流動パラフィン等を用いる場合は、液体であるため使用箇所、使用方法等が制限されてしまう。
また、エポキシ樹脂は粘度が高く熱中性子吸収材料を高濃度にできない点があり、さらに硬化時間も遅いため現場施工には不利である。
さらに、コンクリートは、比較的低温の加熱に対しては強度劣化は少ないが、本来遮蔽性能が十分でなく、加熱による結合水の飛散等により、遮蔽性能が劣化し、遮蔽厚を厚くする必要があるため結果として施設の有効面積が小さくなる等の問題がある。また吸水性である為、防水塗装を施したり、ポリマーコンクリートを上塗りする等高価になる欠点がある。
本発明の目的は、粘度が低く施工性に優れ、かつ高い中性子線遮へい性を成形品に付与する中性子線遮へい材用ポリウレタン樹脂形成性組成物を提供することにある。
また、エポキシ樹脂は粘度が高く熱中性子吸収材料を高濃度にできない点があり、さらに硬化時間も遅いため現場施工には不利である。
さらに、コンクリートは、比較的低温の加熱に対しては強度劣化は少ないが、本来遮蔽性能が十分でなく、加熱による結合水の飛散等により、遮蔽性能が劣化し、遮蔽厚を厚くする必要があるため結果として施設の有効面積が小さくなる等の問題がある。また吸水性である為、防水塗装を施したり、ポリマーコンクリートを上塗りする等高価になる欠点がある。
本発明の目的は、粘度が低く施工性に優れ、かつ高い中性子線遮へい性を成形品に付与する中性子線遮へい材用ポリウレタン樹脂形成性組成物を提供することにある。
発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、本発明に到達した。すなわち本発明は、ポリオール(A)、ポリイソシアネート(B)、および天然存在比において熱中性子線吸収断面積が100〜50,000バーンである元素を構成元素として含む無機フィラー(D)を含有してなる組成物であって、該組成物の重量に基づく該(D)の含有量が5〜30重量%である中性子線遮へい材用ポリウレタン樹脂形成性組成物(X)である。
本発明の中性子線遮へい材用ポリウレタン樹脂形成性組成物(X)は以下の効果を奏する。
(1)粘度が低く、施工性(作業性)に優れる。
(2)該組成物が硬化したポリウレタン樹脂成形品は中性子線遮へい性に優れる。
(1)粘度が低く、施工性(作業性)に優れる。
(2)該組成物が硬化したポリウレタン樹脂成形品は中性子線遮へい性に優れる。
<ポリオール(A)>
本発明におけるポリオール(A)には、2〜8価またはそれ以上の低分子ポリオール(A1)[(250以下の水酸基(以下、OHと記載する。)当量(OH価に基づく、OH1個当たりの分子量)を有する]、2〜8価またはそれ以上の、高分子ポリオール(A2)[250を超えるOH当量を有する]、およびこれらの2種以上の混合物が含まれる。
低分子ポリオール(A1)には、多価アルコール(A11)、並びに低分子OH末端ポリマー(A12)[ポリエーテルポリオール(以下PTポリオールと略記)、ポリエステルポリオール(以下PSポリオールと略記)等]が含まれる。
本発明におけるポリオール(A)には、2〜8価またはそれ以上の低分子ポリオール(A1)[(250以下の水酸基(以下、OHと記載する。)当量(OH価に基づく、OH1個当たりの分子量)を有する]、2〜8価またはそれ以上の、高分子ポリオール(A2)[250を超えるOH当量を有する]、およびこれらの2種以上の混合物が含まれる。
低分子ポリオール(A1)には、多価アルコール(A11)、並びに低分子OH末端ポリマー(A12)[ポリエーテルポリオール(以下PTポリオールと略記)、ポリエステルポリオール(以下PSポリオールと略記)等]が含まれる。
上記多価アルコール(A11)には、以下のものが含まれる。
2価アルコール[炭素数(以下Cと略記)2〜20またはそれ以上、例えばC2〜12の脂肪族2価アルコール[(ジ)アルキレングリコール、例えばエチレングリコール(EG)、ジエチレングリコール(DEG)、プロピレングリコール(PG)、ジプロピレングリコール(DPG)、1,2−、2,3−、1,3−および1,4−ブタンジオール(BD)、1,6−ヘキサンジオール(HD)、ネオペンチルグリコール(NPG)および3−メチルペンタンジオール(MPD)、ドデカンジオール等];C6〜10の脂環式2価アルコール[1,4−シクロヘキサンジオール、シクロヘキサンジメタノール等];C8〜20の芳香環含有2価アルコール[キシリレングリコール、ビス(ヒドロキシエチル)ベンゼン等];
3価〜8価またはそれ以上の多価アルコール、例えば(シクロ)アルカンポリオールおよびそれらの分子内もしくは分子間脱水物[グリセリン(GR)、トリメチロールプロパン(TMP)、ペンタエリスリトール(PE)、ソルビトール(SO)およびジペンタエリスリトール(DPE)、1,2,6−ヘキサントリオール、エリスリトール、シクロヘキサントリオール、マンニトール、キシリトール、ソルビタン、ジグリセリンその他のポリグリセリン等]、糖類およびその誘導体[例えばショ糖、グルコース、フラクトース、マンノース、ラクトース、およびグリコシド(メチルグルコシド等)];
2価アルコール[炭素数(以下Cと略記)2〜20またはそれ以上、例えばC2〜12の脂肪族2価アルコール[(ジ)アルキレングリコール、例えばエチレングリコール(EG)、ジエチレングリコール(DEG)、プロピレングリコール(PG)、ジプロピレングリコール(DPG)、1,2−、2,3−、1,3−および1,4−ブタンジオール(BD)、1,6−ヘキサンジオール(HD)、ネオペンチルグリコール(NPG)および3−メチルペンタンジオール(MPD)、ドデカンジオール等];C6〜10の脂環式2価アルコール[1,4−シクロヘキサンジオール、シクロヘキサンジメタノール等];C8〜20の芳香環含有2価アルコール[キシリレングリコール、ビス(ヒドロキシエチル)ベンゼン等];
3価〜8価またはそれ以上の多価アルコール、例えば(シクロ)アルカンポリオールおよびそれらの分子内もしくは分子間脱水物[グリセリン(GR)、トリメチロールプロパン(TMP)、ペンタエリスリトール(PE)、ソルビトール(SO)およびジペンタエリスリトール(DPE)、1,2,6−ヘキサントリオール、エリスリトール、シクロヘキサントリオール、マンニトール、キシリトール、ソルビタン、ジグリセリンその他のポリグリセリン等]、糖類およびその誘導体[例えばショ糖、グルコース、フラクトース、マンノース、ラクトース、およびグリコシド(メチルグルコシド等)];
含窒素ポリオール(3級アミノ基含有ポリオールおよび4級アンモニウム基含有ポリオール):含窒素ジオール、例えばC1〜12の脂肪族、脂環式および芳香環含有1級モノアンモニウム[メチルアンモニウム、エチルアンモニウム、1−および2−プロピルアンモニウム、ヘキシルアンモニウム、1,3−ジメチルブチルアンモニウム、1−,2−および3−アミノヘプタン、ドデシルアンモニウム、シクロプロピルアンモニウム、シクロヘキシルアンモニウム、アニリン、ベンジルアンモニウム等]のビスヒドロキシアルキル(C2〜4)化物[ビス(2−ヒドロキシエチル)化物、ビス(ヒドロキシプロピル)化物等、例えば米国特許第4,271,217号明細書に記載の3級窒素原子含有ポリオール]、およびそれらの4級化物[上記米国特許明細書に記載の4級化剤またはジアルキルカーボネート(C1〜4のアルキル基を有するもの、例えばジメチル、ジエチルおよびジ−i−プロピルカーボネート)が含まれる。)による4級化物]、例えば上記米国特許明細書に記載の4級窒素原子含有ポリオール;および3価〜8価またはそれ以上の含窒素ポリオール、例えばトリアルカノール(C2〜4)アンモニウム(トリエタノールアンモニウム等)およびC2〜12の脂肪族、脂環式、芳香族および複素環ポリアンモニウム[例えばエチレンジアンモニウム、シクロヘキサンジアンモニウム、トリレンジアンモニウム、アミノエチルピペラジン]のポリヒドロキシアルキル(C2〜4)化物〔ポリ(2−ヒドロキシエチル)化物、ビス(ヒドロキシプロピル)化物等[例えばテトラキス(2−ヒドロキシプロピル)エチレンジアンモニウム、ペンタキス(2−ヒドロキシプロピル)ジエチレントリアンモニウム]〕、およびこれらの上記と同様の4級化物。
低分子OH末端ポリマー(A12)には、PTポリオール、PSポリオールおよびPUポリオールで250未満のOH当量を有するものが含まれる。
ここで、PUポリオールとはウレタン結合を有するポリオールをいうものとする。
例えば、低重合度のアルキレンオキシド(以下AOと略記)開環重合物および活性水素原子含有多官能化合物の低モルAO付加物[例えば後述のポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール(以下それぞれPEG、PPG、PTMGと略記)等、ビス(ヒドロキシエトキシ)ベンゼンおよびビスフェノールAのエチレンオキシド2〜4モル付加物]、低縮合度の縮合PSポリオールおよびポリオールの低モルラクトン付加物[ポリカルボン酸と過剰(カルボキシル基1個当り1モル)の多価アルコールとの縮合物(例えばジヒドロキシエチルアジペート)およびEGのカプロラクトン1モル付加物]、並びに低重合度のPUポリオール[後述のポリイソシアネート(以下PIということがある。)と過剰(イソシアネート基1個当り1モル)の多価アルコールとの反応生成物(例えば後述のTDI1モルとEG2モルとの反応生成物)]が挙げられる。
ここで、PUポリオールとはウレタン結合を有するポリオールをいうものとする。
例えば、低重合度のアルキレンオキシド(以下AOと略記)開環重合物および活性水素原子含有多官能化合物の低モルAO付加物[例えば後述のポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール(以下それぞれPEG、PPG、PTMGと略記)等、ビス(ヒドロキシエトキシ)ベンゼンおよびビスフェノールAのエチレンオキシド2〜4モル付加物]、低縮合度の縮合PSポリオールおよびポリオールの低モルラクトン付加物[ポリカルボン酸と過剰(カルボキシル基1個当り1モル)の多価アルコールとの縮合物(例えばジヒドロキシエチルアジペート)およびEGのカプロラクトン1モル付加物]、並びに低重合度のPUポリオール[後述のポリイソシアネート(以下PIということがある。)と過剰(イソシアネート基1個当り1モル)の多価アルコールとの反応生成物(例えば後述のTDI1モルとEG2モルとの反応生成物)]が挙げられる。
AOには、C2〜12またはそれ以上(好ましくはC2〜4)のAO、例えばエチレンオキシド、1,2−プロピレンオキシド、1,2−、2,3−および1,3−ブチレンオキシド、テトラヒドロフランおよび3−メチル−テトラヒドロフラン(以下それぞれEO、PO、BO、THFおよびMTHFと略記)、1,3−プロピレンオキシド、イソBO、C5〜12のα−オレフィンオキシド、置換AO、例えばスチレンオキシドおよびエピハロヒドリン(エピクロルヒドリン等)、並びにこれらの2種以上の併用(ランダム付加および/またはブロック付加)が含まれる。
高分子ポリオール(A2)は、通常250〜3,000またはそれ以上のOH当量を有する。該ポリオールは、通常250〜3,000またはそれ以上、好ましくは250〜1,000の数平均分子量(以下Mnと略記。測定はゲルパーミエイションクロマトグラフィー(GPC)法による。]を有し;好ましくは250〜3,000、とくに250〜1,000の重量平均分子量 (以下Mwと略記。測定はGPC法による。)を有する。その例には、OH末端のポリマー[PTポリオール、PSポリオール、ポリアミド(以下PDと略記)、PUポリオール、ビニル系ポリマー(以下VPと略記) およびポリマーポリオール(以下P/Pと略記)]、およびこれらの2種以上の混合物が含まれる。OH末端のPTポリオールには、AOの開環重合物、少なくとも2個(2個〜8個またはそれ以上)の活性水素原子を有する開始剤に1種または2種以上のAOを付加させた構造を有するPTポリオール(AO付加物)、およびそれら(同一または異なる)の2分子またはそれ以上をカップリング剤でカップリングさせてなるPTポリオールが含まれる。
AO付加の開始剤には、例えば多価アルコール(前記)、ヒドロキシルアンモニウム、アミノカルボン酸およびヒドロキシカルボン酸;多価フェノール;並びにポリカルボン酸(後述)が含まれる。
ヒドロキシルアンモニウムには、C2〜10の、(ジ)アルカノールアンモニウム、シクロアルカノールアンモニウムおよびアルキルアルカノールアンモニウム、例えばエタノールアンモニウム、プロパノールアンモニウム、ブタノールアンモニウム、ヘキサノールアンモニウム、ジエタノールアンモニウム、ジ−n−およびi−プロパノールアンモニウム、メチル−3,5,5−トリメチルシクロヘキサノールアンモニウム、メチルエタノールアンモニウムおよびエチルエタノールアンモニウムが含まれる。好ましいのは、エタノールアンモニウムである。
アミノカルボン酸には、C2〜12のもの、例えばアミノ酸[グリシン、アラニン、バリン、(イソ)ロイシン、フェニルアラニン等]、ω−アミノアルカン酸(例えばω−アミノカプロン、ω−アミノエナント、ω−アミノカプリル、ω−アミノペルゴン、ω−アミノカプリン、11−アミノウンデカンおよび12−アミノドデカン酸)、および芳香族アミノカルボン酸(例えばo−、m−およびp−アミノ安息香酸)が含まれる。
ヒドロキシカルボン酸には、上記アミノカルボン酸に相当する(NHがOに置換った)もの(例えばω− ヒドロキシカプロン酸、サリチル酸、p−およびm−ヒドロキシ安息香酸)、並びにグリコール酸、グリセリン酸、タルトロン酸、リンゴ酸、酒石酸およびベンジル酸が含まれる。好ましいのは12−アミノドデカン酸である。
ヒドロキシカルボン酸には、上記アミノカルボン酸に相当する(NHがOに置換った)もの(例えばω− ヒドロキシカプロン酸、サリチル酸、p−およびm−ヒドロキシ安息香酸)、並びにグリコール酸、グリセリン酸、タルトロン酸、リンゴ酸、酒石酸およびベンジル酸が含まれる。好ましいのは12−アミノドデカン酸である。
多価フェノールには、C6〜18の2価フェノール、例えば単環2価フェノール(ハイドロキノン、カテコール、レゾルシノール、ウルシオール等)、ビスフェノール(ビスフェノールA、F、C、B、ADおよびS、ジヒドロキシビフェニル、4,4’−ジヒドロキシジフェニル−2,2−ブタン等)、および縮合多環2価フェノール[ジヒドロキシナフタレン(例えば1,5−ジヒドロキシナフタレン)、ビナフトール等];並びに3価〜8価またはそれ以上の多価フェノール、例えば単環多価フェノール(ピロガロール、フロログルシノール、および1価もしくは2価フェノール(フェノール、クレゾール、キシレノール、レゾルシノール等)のアルデヒドもしくはケトン(ホルムアルデヒド、グルタールアルデヒド、グリオキザール、アセトン)低縮合物(例えばフェノールもしくはクレゾールノボラック樹脂、レゾールの中間体、フェノールとグリオキザールもしくはグルタールアルデヒドの縮合反応によって得られるポリフェノール、およびレゾルシンとアセトンの縮合反応によって得られるポリフェノール)が含まれる。
開始剤へのAOの付加は、通常の方法で行うことができ、無触媒、または触媒(アルカリ触媒、アンモニウム触媒、酸性触媒等)の存在下(とくにAO付加の後半の段階で)に常圧または加圧下に1段階または多段階で行なわれる。2種以上のAOは、ランダム付加、ブロック付加、両者の組合せ(例えばランダム付加に次いでブロック付加)のいずれでもよい。AO付加物のカップリング剤には、ポリハライド、例えばC1〜6のアルカンポリハライド(例えばC1〜4のアルキレンジハライド:メチレンジクロラ イド、1,2−ジブロモエタン等);エピハロヒドリン(エピクロルヒドリン等);およびポリエポキシドが含まれる。
OH末端のPTポリオールの例には、PTジオール、例えばポリアルキレングリコール(以下PAGと略記)[例えばPEG、PPGおよびPTMG、ポリ−3−メチルテトラメチレンエーテルグリコール]、共重合ポリオキシアルキレンジオール〔EO/PO共重合ジオール、THF/EO共重合ジオール、THF/MTHF共重合ジオール等(重量比、例えば1/9〜9/1)〕、芳香環含有ポリオキシアルキレンジオール[ポリオキシアルキレンビスフェノールA(ビスフェノールAのEOおよび/またはPO付加物等)];および3官能以上のPTポリオール、例えばポリオキシプロピレントリオール(GRのPO付加物等);並びにこれらの1種以上をメチレンジクロライドでカップリングしたものが含まれる。
OH末端のPSポリオールには、縮合PSポリオール、ポリラクトン(以下PLと略記 )ポリオール、ヒマシ油ポリオール[ヒマシ油(リシノール酸トリグリセリド)およびそのポリオール変性物]、およびポリカーボネートポリオールが含まれる。縮合PSポリオールは、ポリオールとポリカルボン酸類(酸もしくはそのエステル形成性誘導体を指す。以下同様。)(および必要によりヒドロキシカルボン酸)との重縮合またはポリオールとポリカルボン酸無水物およびAOとの反応により、PLポリオールはポリオールを開始剤とするラクトンの開環付加(またはポリオールとヒドロキシカルボン酸との重縮合)により、ヒマシ油のポリオール変性物はヒマシ油とポリオールとのエステル交換反応により、そしてポリカーボネートポリオールはポリオールを開始剤とするアルキレンカーボネートの開環付加/重縮合、ポリオールとジフェニルもしくはジアルキルカーボネートの重縮合(エステル交換)、またはポリオールもしくは2価フェノール(前記のもの:ビスフェノールA等)のホスゲン化により、製造することができる。
PSポリオールの製造に用いるポリオールは、通常1,000以下、好ましくは30〜500のOH当量(OH当たりのMn)を有する。その例には、上記の多価アルコール[ジオール(例えばEG、1,4−BD、NPG、HDおよびDEG)および3価以上のポリオール(GR、TMP、PE等)]、上記PTポリオール(PEG、PPG、PTMG等)、およびこれらの2種以上の混合物が含まれる。縮合PSポリオールの製造に好ましいのは、ジオール、およびそれと少割合(例えば10当量%以下)の3価以上のポリオールとの併用である。
ポリカルボン酸には、ジカルボン酸および3価〜4価またはそれ以上のポリカルボン酸が含まれる。それらの例には、C2〜30またはそれ以上(好ましくはC2〜12)の飽和および不飽和の脂肪族ポリカルボン酸、例えばC2〜15ジカルボン酸(例えばシュウ酸、コハク酸、マロン酸、アジピン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバチン酸、ドデカンジカルボン酸、マレイン酸、フマル酸およびイタコン酸)、C6〜20トリカルボン酸(例えばトリカルバリルおよびヘキサントリカルボン酸)];C8〜15の芳香族ポリカルボン酸、例えばジカルボン酸(例えばテレフタル酸、イソフタル酸およびフタル酸)、トリ−およびテトラ−カルボン酸(例えばトリメリット酸およびピロメリット酸);C6〜40の脂環式ポリカルボン酸(ダイマー酸等);およびスルホ基含有ポリカルボン酸[上記ポリカルボン酸にスルホ基を導入してなるもの、例えばスルホコハク酸、スルホマロン酸、スルホグルタル酸、スルホアジピン酸およびスルホイソフタル酸、およびそれらの塩(アルカリ金属、アルカリ土類金属およびIIB族金属塩、アンモニウム塩、アンモニウム塩、並びに4級アンモニウム塩等)];並びにカルボキシ末端のポリマーが含まれる。
カルボキシ末端のポリマーには、PTポリカルボン酸、例えばポリオール[上記の多価アルコール、PTポリオール等]のカルボキシメチルエーテル(アルカリの存在下にモノクロル酢酸を反応させて得られる);およびPD、PSおよび/またはPUポリカルボン酸、例えば上記ポリカルボン酸を開始剤としてラクタムもしくはラクトン(前記)を開環重合させてなるポリラクタムポリカルボン酸およびPLポリカルボン酸、上記ポリカルボン酸類の2分子またはそれ以上をポリオール(前記)またはポリアンモニウムもしくはポリイソシアネート(PI、後述)でカップリング(エステル化またはアミド化)させてなる縮合PSポリカルボン酸および縮合PDポリカルボン酸、および上記のポリカルボン酸類およびポリオールとPIを反応(ウレタン化およびエステル化もしくはアミド化)させてなるPUポリカルボン酸が含まれる。
ラクタムには、C4〜15(好ましくはC6〜12)のもの、例えばカプロラクタム、エナントラクタム、ラウロラクタムおよびウンデカノラクタム;ラクトンには、例えばε−カプロラクトン、γ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトンが含まれる。
エステル形成性誘導体には、酸無水物、低級アルキル(C1〜4)エステルおよび酸ハライド、例えばコハク、マレイン、イタコンおよびフタル酸無水物 、テレフタル酸ジメチル、並びにマロニルジクロライドが含まれる。縮合PSポリオールの製造に好ましいのは、ジカルボン酸類、およびそれと少割合(例えば10当量%以下)の3価〜4価またはそれ以上のポリカルボン酸類との併用である。ラクトンおよびヒドロキシカルボン酸には前掲のものが含まれる。アルキレンカーボネートには、C2〜6のアルキレン基を有するもの、例えばエチレンおよびプロピレンカーボネートが含まれる。ジアルキルカーボネートには、C1〜4のアルキル基を有するもの、例えばジメチル、ジエチルおよびジ−i−プロピルカーボネートが含まれる。
OH末端のPSポリオールの具体例には、ポリエチレンアジペート、ポリブチレンアジペート、ポリヘキサメチレンアジペート、ポリネオペンチレンアジペート、ポリエチレン/プロピレンアジペート、ポリエチレン/ブチレンアジペート、ポリブチレン/ヘキサメチレンアジペート、ポリジエチレンアジペート、ポリ(ポリテトラメチレンエーテル)アジペート、ポリエチレンアゼレート、ポリエチレンセバケート、ポリブチレンアゼレート、ポリブチレンセバケート、ポリカプロラクトンジオールおよびポリヘキサメチレンカーボネートジオールが含まれる。
OH末端のPDには、ポリカルボン酸類(上記)を、ヒドロキシルアンモニウム(前記)またはポリオール(上記)およびポリアンモニウム(PA)(後述)と重縮合させてなる、ポリ (エステル)アミドポリオールが含まれる。
OH末端のPUには、ポリオールをPIで変性してなるOH末端ウレタンプレポリマーが含まれる。ポリオールには、前記の、多価アルコール、高分子ポリオール(上記OH末端のPTおよびPS、並びに後述のOH末端のVPおよびP/P)、並びにこれらの2種以上の併用が含まれる。ポリオールのうち、好ましいのは高分子ポリオール(とくにOH末端のPSおよびとくにPT)およびこれと低分子ポリオール(とくに多価アルコール)との併用である。併用する低分子ポリオールの量は、要求される性能に応じて適宜変えることができるが、一般に、高分子ポリオール1当量に対して、0.01〜0.5当量、さらに0.02〜0.4当量とくに0.1〜0.2当量が好ましい。OH末端ウレタンプレポリマー製造に当り、ポリオールとPIとの当量比(OH/NCO比)は、通常1.1/1〜10/1、好ましくは1.4/1〜4/1とくに 1.4/1〜2/1である。ポリオールとPIとは、1段で反応させても、多段で反応(例えばポリオールもしくはPIの一部を反応させたのち残部を反応)させてもよい。
OH末端のVPには、ポリブタジエン系ポリオール、例えばOH末端のブタジエンホモポリマーおよびコポリマー(スチレン−ブタジエンコポリマー、アクリロニトリル−ブタジエンコポリマー等)[1,2−ビニル構造を有するもの、1,4−トランス構造を有するもの、1,4−シス構造を有するもの、およびこれらの2種以上を有するもの(1,2−ビニル/1,4−トランス/1,4−シスのモル比100〜0/100〜0/100〜0、好ましくは10〜30/50〜70/10〜30]、並びにこれらの水素添加物(水素添加率:例えば20〜100%);アクリルポリオール、例えばアクリル共重合体[アルキル(C1〜20)(メタ)アクリレート、またはこれらと他のモノマー(スチレン、アクリル酸等)との共重合体]にヒドロキシル基を導入したもの[ヒドロキシル基の導入は主としてヒドロキシエチル(メタ)アクリレートによる];および部分鹸化エチレン/酢酸ビニル共重合体が含まれる。
P/Pは、ポリオール(前述のOH末端のPTおよび/またはPS、またはこれと前記の多価アルコールとの混合物)中でエチレン性不飽和モノマーをその場で重合させることにより得られる。エチレン性不飽和モノマーには、アクリル系モノマー、例えば(メタ)アクリロニトリルおよびアルキル(C1〜20またはそれ以上)(メタ)アクリレート(メチルメタクリレート等);炭化水素(以下HCと略記)系モノマー、例えば芳香族不飽和HC(スチレン等)および脂肪族不飽和HC(C2〜20またはそれ以上のアルケン、アルカジエン等、例えばα−オレフィンおよびブタジエン);並びにこれらの2種以上の併用[例えばアクリロニトリル/スチレンの併用(重量比100/0〜80/20)]が含まれる。P/Pは、例えば5〜80%またはそれ以上、好ましくは30〜70%の重合体含量を有する。上記の高分子ポリオールのうちで好ましいのはPTポリオールおよびPSポリオールである。
上記ポリオール(A)のうち、施工性および中性子線遮へい性の観点から、好ましいのはヒマシ油ポリオール、さらに好ましいのはヒマシ油である。
なお、ポリオール(A)は1種単独使用でも、2種以上を併用してもいずれでもよい。
また、(A)がヒマシ油ポリオールを含有する場合、施工性および中性子線遮へい性の観点から、好ましくはヒマシ油ポリオールが30重量%以上、さらに好ましくは50重量%以上、とくに好ましくは70重量%以上、最も好ましくは100重量%である。
なお、ポリオール(A)は1種単独使用でも、2種以上を併用してもいずれでもよい。
また、(A)がヒマシ油ポリオールを含有する場合、施工性および中性子線遮へい性の観点から、好ましくはヒマシ油ポリオールが30重量%以上、さらに好ましくは50重量%以上、とくに好ましくは70重量%以上、最も好ましくは100重量%である。
<ポリイソシアネート(B)>
本発明におけるポリイソシアネート(B)には、2〜6個またはそれ以上(好ましくは2〜3個とくに2個)のイソシアネート基を有する、下記のポリイソシアネート(PI)、およびこれらの2種以上の混合物が含まれる。
本発明におけるポリイソシアネート(B)には、2〜6個またはそれ以上(好ましくは2〜3個とくに2個)のイソシアネート基を有する、下記のポリイソシアネート(PI)、およびこれらの2種以上の混合物が含まれる。
(1)C(NCO基中の炭素を除く、以下同様)2〜18の脂肪族PI:
ジイソシアネート(以下DIと略記)、例えばエチレンDI、テトラメチレンDI、ヘキサメチレンDI(HDI)、ヘプタメチレンDI、オクタメチレンDI、デカメチレンDI、ドデカメチレンDI、2,2,4−および/または2,4,4−トリメチルヘキサメチレンDI、リジンDI、2,6−ジイソシアナトメチ ルカプロエート、2,6−ジイソシアナトエチルカプロエート、ビス(2−イソシアナトエチル)フマレートおよびビス(2−イソシアナトエチル)カーボネート;
3官能以上のPI(トリイソシアネート等)、例えば1,6,1 1−ウンデカントリイソシアネート、1,8−ジイソシアネート−4−イソシアネートメチルオクタン、1,3,6−ヘキサメチレントリイソシアネートおよびリジンエステルトリイソシアネート(リジンとアルカノールアンモニウムとの反応生成物のホスゲン化物、2−イソシアナトエチル−2,6−ジイソシアナトヘキサノエート、2−および/または3−イソシアナトプロピル−2,6−ジイソシアナトヘキサノエート等);
ジイソシアネート(以下DIと略記)、例えばエチレンDI、テトラメチレンDI、ヘキサメチレンDI(HDI)、ヘプタメチレンDI、オクタメチレンDI、デカメチレンDI、ドデカメチレンDI、2,2,4−および/または2,4,4−トリメチルヘキサメチレンDI、リジンDI、2,6−ジイソシアナトメチ ルカプロエート、2,6−ジイソシアナトエチルカプロエート、ビス(2−イソシアナトエチル)フマレートおよびビス(2−イソシアナトエチル)カーボネート;
3官能以上のPI(トリイソシアネート等)、例えば1,6,1 1−ウンデカントリイソシアネート、1,8−ジイソシアネート−4−イソシアネートメチルオクタン、1,3,6−ヘキサメチレントリイソシアネートおよびリジンエステルトリイソシアネート(リジンとアルカノールアンモニウムとの反応生成物のホスゲン化物、2−イソシアナトエチル−2,6−ジイソシアナトヘキサノエート、2−および/または3−イソシアナトプロピル−2,6−ジイソシアナトヘキサノエート等);
(2)C4〜15の脂環式PI:
DI、例えばイソホロンDI(IPDI)、ジシクロヘキシルメタン−4,4’−DI(水添MDI)、シクロヘキシレンDI、 メチルシクロヘキシレンDI、ビス(2−イソシアナトエチル)−4−シクロヘキシレン−1,2−ジカルボキシレートおよび2,5−および/または2,6−ノルボルナンDI;3官能以上のPI(トリイソシアネート等)、例えばビシクロヘプタントリイソシアネート;
(3)C8〜15の芳香脂肪族PI:
m−および/またはp−キシリレンDI(XDI)、ジエチルベンゼンDIおよびα,α,α’,α’−テトラメチルキシリレンDI(TMXDI);
(4)C6〜20の芳香族PI:
DI、例えば1,3−および/または1,4−フェニレンDI、2,4−および/または2,6−トリレンDI(TDI)、4, 4’−および/または2,4’−ジフェニルメタンDI(MDI)、m−およびp−イソシアナトフェニルスルホニルイソシアネート、4,4’−ジイソシアナトビフェニル、3,3’−ジメチル−4,4’−ジイソシアナトビフェニル、3,3’−ジメチル−4,4’−ジイソシアナトジフェニルメタンおよび1,5−ナフチレンDI;3官能以上のPI(トリイソシアネート等)、例えば粗製TDI、粗製MDI(ポリメチレンポリフェニレンポリイソシアネート);
DI、例えばイソホロンDI(IPDI)、ジシクロヘキシルメタン−4,4’−DI(水添MDI)、シクロヘキシレンDI、 メチルシクロヘキシレンDI、ビス(2−イソシアナトエチル)−4−シクロヘキシレン−1,2−ジカルボキシレートおよび2,5−および/または2,6−ノルボルナンDI;3官能以上のPI(トリイソシアネート等)、例えばビシクロヘプタントリイソシアネート;
(3)C8〜15の芳香脂肪族PI:
m−および/またはp−キシリレンDI(XDI)、ジエチルベンゼンDIおよびα,α,α’,α’−テトラメチルキシリレンDI(TMXDI);
(4)C6〜20の芳香族PI:
DI、例えば1,3−および/または1,4−フェニレンDI、2,4−および/または2,6−トリレンDI(TDI)、4, 4’−および/または2,4’−ジフェニルメタンDI(MDI)、m−およびp−イソシアナトフェニルスルホニルイソシアネート、4,4’−ジイソシアナトビフェニル、3,3’−ジメチル−4,4’−ジイソシアナトビフェニル、3,3’−ジメチル−4,4’−ジイソシアナトジフェニルメタンおよび1,5−ナフチレンDI;3官能以上のPI(トリイソシアネート等)、例えば粗製TDI、粗製MDI(ポリメチレンポリフェニレンポリイソシアネート);
(5)PIの変性体:
上記PIの変性体、例えばカルボジイミド、ウレタン、ウレア、イソシアヌレート、ウレトイミン、アロファネート、ビウレット、オキサゾリドンおよび/またはウレトジオン基を有する変性体)、例えばMDI、TDI、HDI、IPDI等のウレタン変性物(ポリオールと過剰のPIとを反応させて得られるNCO末端ウレタンプレポリマー)、ビウレット変性物、イソシアヌレート変性物、トリヒドロカルビルホスフェート変性物、およびこれらの混合物。ウレタン変性に用いるポリオールには、前記の多価アルコール、PTポリオールおよび/またはPSポリオールが含まれる。好ましいのは、500以下とくに30〜200のOH当量を有するポリオール、例えばグリコール(EG、PG、DEG、DPG等)、トリオール(TMP、GR等)、4官能以上の高官能ポリオール(PE、SO等)およびこれらのAO(EOおよび/またはPO)(1〜40モル)付加物、とくにグリコールおよびトリオールである。ウレタン変性におけるPIとポリオールとの当量比(NCO/OH比)は、通常1.1/1〜10/1、好ましくは1.4/1〜4/1とくに1.4/1〜2/1である。上記変性PIの遊離イソシアネート基含量は通常8〜33%、好ましくは10〜30%、とくに好ましくは12〜29%である。
上記PIの変性体、例えばカルボジイミド、ウレタン、ウレア、イソシアヌレート、ウレトイミン、アロファネート、ビウレット、オキサゾリドンおよび/またはウレトジオン基を有する変性体)、例えばMDI、TDI、HDI、IPDI等のウレタン変性物(ポリオールと過剰のPIとを反応させて得られるNCO末端ウレタンプレポリマー)、ビウレット変性物、イソシアヌレート変性物、トリヒドロカルビルホスフェート変性物、およびこれらの混合物。ウレタン変性に用いるポリオールには、前記の多価アルコール、PTポリオールおよび/またはPSポリオールが含まれる。好ましいのは、500以下とくに30〜200のOH当量を有するポリオール、例えばグリコール(EG、PG、DEG、DPG等)、トリオール(TMP、GR等)、4官能以上の高官能ポリオール(PE、SO等)およびこれらのAO(EOおよび/またはPO)(1〜40モル)付加物、とくにグリコールおよびトリオールである。ウレタン変性におけるPIとポリオールとの当量比(NCO/OH比)は、通常1.1/1〜10/1、好ましくは1.4/1〜4/1とくに1.4/1〜2/1である。上記変性PIの遊離イソシアネート基含量は通常8〜33%、好ましくは10〜30%、とくに好ましくは12〜29%である。
上記ポリイソシアネート(B)のうち、中性子線遮へい性および施工性の観点から好ましいのは、脂肪族PI、脂環式PIである。
なお、ポリイソシアネート(B)は1種単独使用でも、2種以上を併用してもいずれでもよい。
なお、ポリイソシアネート(B)は1種単独使用でも、2種以上を併用してもいずれでもよい。
<無機フィラー(D)>
本発明における無機フィラー(D)は、天然存在比において熱中性子線吸収断面積が100〜50,000バーンである元素を構成元素として含む無機フィラーである。
上記元素としては、例えば、ホウ素(759)、ロジウム(155)、カドミウム(2450)、インジウム(194)、サマリウム(5800)、ユーロピウム(4300)、ガドリニウム(46000)、ジスプロシウム(940)、エルビウム(160)、ハフニウム(104)が挙げられる。なお、括弧内の数値は、各元素の熱中性子線吸収断面積(単位:バーン)を表わす。
該熱中性子線吸収断面積が100未満では、中性子線遮へい性が劣り、一方、50,000を超えるものは、入手困難である。
また、本発明における熱中性子線吸収断面積は、データ・シート「JAERI6010」、(日本原子力研究所、1962年3月)に基づいた。
本発明における無機フィラー(D)は、天然存在比において熱中性子線吸収断面積が100〜50,000バーンである元素を構成元素として含む無機フィラーである。
上記元素としては、例えば、ホウ素(759)、ロジウム(155)、カドミウム(2450)、インジウム(194)、サマリウム(5800)、ユーロピウム(4300)、ガドリニウム(46000)、ジスプロシウム(940)、エルビウム(160)、ハフニウム(104)が挙げられる。なお、括弧内の数値は、各元素の熱中性子線吸収断面積(単位:バーン)を表わす。
該熱中性子線吸収断面積が100未満では、中性子線遮へい性が劣り、一方、50,000を超えるものは、入手困難である。
また、本発明における熱中性子線吸収断面積は、データ・シート「JAERI6010」、(日本原子力研究所、1962年3月)に基づいた。
前記無機フィラー(D)のうち、中性子線遮へい性および工業上の観点から、好ましいのは、ホウ素化合物(D1)、ガドリニウム化合物(D2)、サマリウム化合物(D3)およびユーロピウム化合物(D4)からなる群から選ばれる少なくとも1種である。
さらに、上記(D1)〜(D4)のうちで、中性子遮へい性の観点から好ましいのは(D2)のガドリニウム化合物である。
さらに、上記(D1)〜(D4)のうちで、中性子遮へい性の観点から好ましいのは(D2)のガドリニウム化合物である。
ホウ素化合物(D1)としては、炭化ホウ素、コレマナイト、酸化ホウ素、ホウ砂、窒化ホウ素、ホウ素10の濃度を高めた濃縮ホウ素等が挙げられ、これらは単独使用でも又は併用してもよい。(D1)のうち、中性子線遮へい性および入手のしやすさの観点から好ましいのは窒化ホウ素である。
ガドリニウム化合物(D2)としては、酸化ガドリニウム、硫酸ガドリニウム、ガドリニウム等が挙げられ、これらは単独使用でも又は併用してもよい。(D2)のうち、中性子線遮へい性および入手のし易さの観点から好ましいのは酸化ガドリニウムである。
サマリウム化合物(D3)としては酸化サマリウム、硫化サマリウム、ハロゲン化サマリウム等が挙げられ、これらは単独使用でも又は併用してもよい。(D3)のうち中性子遮へい性および入手のしやすさの観点から好ましいのは酸化サマリウムである。
ユーロピウム化合物(D4)としては酸化ハフニウム、塩化ユーロピウム、硫酸ユーロピウム等が挙げられ、これらは単独使用でも又は併用してもよい。(D4)のうち中性子線遮へい性および入手のしやすさの観点から好ましいのは酸化ハフニウムである。
また、(D)の体積平均粒子径は、施工性および中性子線遮へい性の観点から、好ましくは1〜100μm、さらに好ましくは5〜50μmである。
<中性子線遮へい材用ポリウレタン樹脂形成性組成物(X)>
本発明の中性子線遮へい材用ポリウレタン樹脂形成性組成物(X)は、前記ポリオール(A)と、ポリイソシアネート(B)と前記無機フィラー(D)とを含有してなる。
該組成物の全重量に基づく、無機フィラー(D)の含有量[(D)/(X)]は、5〜30%であり、好ましくは7〜25%、さらに好ましくは10〜20%である。該(D)の含有量が5%未満では中性子線遮へい性に劣る。一方、該(D)の含有量が30%超では施工性(作業性)に劣る。
本発明の中性子線遮へい材用ポリウレタン樹脂形成性組成物(X)は、前記ポリオール(A)と、ポリイソシアネート(B)と前記無機フィラー(D)とを含有してなる。
該組成物の全重量に基づく、無機フィラー(D)の含有量[(D)/(X)]は、5〜30%であり、好ましくは7〜25%、さらに好ましくは10〜20%である。該(D)の含有量が5%未満では中性子線遮へい性に劣る。一方、該(D)の含有量が30%超では施工性(作業性)に劣る。
本発明の中性子線遮へい材用ポリウレタン樹脂形成性組成物(X)には、さらに後述の有機フィラー(C)を含有してもよい。
[有機フィラー(C)]
有機フィラー(C)としては公知の有機フィラーが挙げられるが、中性子線遮へい性の観点から、好ましいのは飽和炭化水素、さらに好ましいのはポリエチレン、ポリプロピレン、パラフィンである。これらは単独使用でも又は併用してもよい。
有機フィラー(C)は、高速中性子を低速中性子にする弾性散乱の確率を上げるため添加することが好ましい。
また、(C)の体積平均粒子径は、施工性および中性子線遮へい性の観点から、好ましくは1〜100μm、さらに好ましくは5〜50μmである。
有機フィラー(C)としては公知の有機フィラーが挙げられるが、中性子線遮へい性の観点から、好ましいのは飽和炭化水素、さらに好ましいのはポリエチレン、ポリプロピレン、パラフィンである。これらは単独使用でも又は併用してもよい。
有機フィラー(C)は、高速中性子を低速中性子にする弾性散乱の確率を上げるため添加することが好ましい。
また、(C)の体積平均粒子径は、施工性および中性子線遮へい性の観点から、好ましくは1〜100μm、さらに好ましくは5〜50μmである。
上記(C)は、減速された中性子の中に若干混在する高速中性子と、大部分の0.5MeV以下の中、低速中性子を、水素を含む物質中を拡散して行く間に弾性散乱により減速させ、遅い中性子にするとともに、水素原子及びその他の元素により中性子を捕獲吸収させ得る。なお、(C)は、後述の中性子線遮へい材用ポリウレタン樹脂成形品の水素原子濃度の観点からも含有させることが好ましい。
有機フィラー(C)を含有しない場合、組成物の全重量に基づく、ポリオール(A)の含有量[(A)/(X)]は作業性(施工性)、中性子線遮へい性の観点から、好ましくは40〜71%、さらに好ましくは50〜68%、とくに好ましくは58〜65%;(B)の含有量[(B)/(X)]は同様の観点から好ましくは17〜40%、さらに好ましくは18〜32%、とくに好ましくは19〜29%;(D)の含有量[(D)/(X)]は同様の観点から、好ましくは5〜30%、さらに好ましくは7〜25%、とくに好ましくは10〜20%である。
有機フィラー(C)を含有する場合、組成物の全重量に基づく、ポリオール(A)の含有量[(A)/(X)]は作業性(施工性)、中性子線遮へい性の観点から、好ましくは30〜70%、さらに好ましくは35〜60%、とくに好ましくは40〜55%;(B)の含有量[(B)/(X)]は同様の観点から好ましくは10〜35%、さらに好ましくは12〜32%、とくに好ましくは13〜25%;(C)の含有量[(C)/(X)]は同様の観点から、好ましくは1〜35%、さらに好ましくは1〜30%、とくに好ましくは1〜20%;(D)の含有量[(D)/(X)]は同様の観点から、好ましくは5〜30%、さらに好ましくは7〜25%、とくに好ましくは10〜20%である。
ポリオール(A)とポリイソシアネート(B)との混合比[NCO/OH当量比]は、好ましくは1.3/1〜0.8/1さらに好ましくは1.2/1〜0.9/1となるような比率とし、後述の硬化触媒はポリオール(A)とポリイソシアネート(B)の合計重量に対して好ましくは0.001〜0.1重量%の比率で混合する。
前記硬化触媒としては、例えば、硝酸ビスマス、臭化ビスマス、ヨウ化ビスマス、硫化ビスマス等の他、ジブチルビスマスジラウレート、ジオクチルビスマスジラウレートや、2−エチルヘキサン酸ビスマス塩、ナフテン酸ビスマス塩、イソデカン酸ビスマス塩、ネオデカン酸ビスマス塩、ラウリル酸ビスマス塩、マレイン酸ビスマス塩、ステアリン酸ビスマス塩、オレイン酸ビスマス塩、リノール酸ビスマス塩、酢酸ビスマス塩、ビスマスリビスネオデカノエート、ジサリチル酸ビスマス塩、ジ没食子酸ビスマス塩等の有機酸ビスマス塩等の有機ビスマス化合物が挙げられる。
上記硬化触媒のうち、反応性の観点から好ましいのは有機酸ビスマス塩、さらに好ましいのは2−エチルヘキサン酸ビスマス塩、ネオデカン酸ビスマス塩、ナフテン酸ビスマス塩、イソデカン酸ビスマス塩、とくに好ましいのは2−エチルヘキサン酸ビスマス塩である。
上記硬化触媒のうち、反応性の観点から好ましいのは有機酸ビスマス塩、さらに好ましいのは2−エチルヘキサン酸ビスマス塩、ネオデカン酸ビスマス塩、ナフテン酸ビスマス塩、イソデカン酸ビスマス塩、とくに好ましいのは2−エチルヘキサン酸ビスマス塩である。
本発明の中性子線遮へい材用ポリウレタン形成性樹脂組成物には、本発明の効果を阻害しない範囲で、必要により前記(A)、(B)、(C)、(D)および硬化触媒以外に、通常のポリウレタン樹脂の製造に用いられるものはすべて含有してもよく、具体的には、脱水剤、消泡剤等が挙げられる。
本発明の中性子線遮へい材用ポリウレタン樹脂形成性組成物(X)は、例えばポリオール(A)とポリイソシアネート(B)と、前記無機フィラー(D)と、必要により有機フィラー(C)と、硬化触媒とを同時にペール缶などの容器に入れ、真空ハンドミキサーを用いて好ましくは15分〜30分脱泡混合して得られる。そのときの撹拌速度は1〜3m/sが好ましい。
本発明におけるポリウレタン樹脂形成性組成物の粘度は、前記混合を15分間してなる組成物の5分後の30℃での測定値である。該粘度は中性子線遮へい性および作業性の観点から、好ましくは100〜50,000mPa・s、さらに好ましくは150〜20,000mPa・s、特に好ましくは200〜8,000mPa・sである。
[中性子線遮へい材用ポリウレタン樹脂成形品]
本発明の中性子線遮へい材用ポリウレタン樹脂成形品は、前記中性子線遮へい材用ポリウレタン樹脂形成性組成物(X)が硬化したものである。
本発明の中性子線遮へい材用ポリウレタン樹脂成形品は、前記中性子線遮へい材用ポリウレタン樹脂形成性組成物(X)が硬化したものである。
上記中性子線へい材用ポリウレタン樹脂成形品の水素原子濃度は、中性子線遮へい性および施工性(作業性)の観点から、好ましくは4.5×1022個/cm3〜7.0×1022個/cm3、さらに好ましくは4.8×1022個/cm3〜6.5×1022個/cm3、とくに好ましくは5.0×1022個/cm3〜6.0×1022個/cm3ある。
なお、本発明において成形品の水素原子濃度(単位:個/cm3)は、下記式(1)により算出できる。
[水素原子濃度]=mH×NA×ρ/m (1)
但し、
mH:成形品中の全水素原子の質量(重量)
NA:アボガドロ数(6.022×1023)
ρ:成形品の密度(単位:g/cm3、25℃)
m:成形品中の全原子の質量(重量)
なお、mHは組成物の各成分の全水素原子の質量の総和であり、mは組成物の各成分の全原子の質量の総和であって、ρは組成物の各成分の密度と重量比から算出できる。
また、後述の実施例における水素原子濃度は、前記組成物(X)の構成成分とその重量比、成形品の密度から、上記式(1)に基づいて算出した。
なお、本発明において成形品の水素原子濃度(単位:個/cm3)は、下記式(1)により算出できる。
[水素原子濃度]=mH×NA×ρ/m (1)
但し、
mH:成形品中の全水素原子の質量(重量)
NA:アボガドロ数(6.022×1023)
ρ:成形品の密度(単位:g/cm3、25℃)
m:成形品中の全原子の質量(重量)
なお、mHは組成物の各成分の全水素原子の質量の総和であり、mは組成物の各成分の全原子の質量の総和であって、ρは組成物の各成分の密度と重量比から算出できる。
また、後述の実施例における水素原子濃度は、前記組成物(X)の構成成分とその重量比、成形品の密度から、上記式(1)に基づいて算出した。
上記成形品の水素原子濃度を前述の範囲にするためには、前記ポリオール(A)、ポリイソシアネート(B)および無機フィラー(D)の種類や量、さらに必要により加えられる有機フィラー(C)の種類や量を、適宜調整すること等により可能である。
すなわち、(A)、(B)、(D)および(C)は、それぞれ好ましいものを選択する等、また、(A)、(B)、(D)および(C)の量は、それぞれ好ましい範囲にする等により、成形品の水素原子濃度は好ましい範囲とすることができる。
すなわち、(A)、(B)、(D)および(C)は、それぞれ好ましいものを選択する等、また、(A)、(B)、(D)および(C)の量は、それぞれ好ましい範囲にする等により、成形品の水素原子濃度は好ましい範囲とすることができる。
上記ポリウレタン樹脂成形品の製造方法としては、とくに限定されないが、例えば、ポリオール(A)を含有してなる主剤成分と、ポリイソシアネート(B)を含有してなる硬化剤成分とを混合して混合液、すなわち組成物(X)を得て、注型し、必要により加熱(例えば100℃)することにより、反応、硬化させて得る方法が挙げられる。
該製造方法においては、無機フィラー(D)および、必要により含有させる有機フィラー(C)は、主剤成分、硬化剤成分、それぞれに含有させることが好ましく、また硬化触媒は主剤成分に含有させることが好ましい。
該製造方法においては、無機フィラー(D)および、必要により含有させる有機フィラー(C)は、主剤成分、硬化剤成分、それぞれに含有させることが好ましく、また硬化触媒は主剤成分に含有させることが好ましい。
注型された混合液は、硬化炉にて、好ましくは70〜130℃、さらに好ましくは80〜120℃で、好ましくは0.5〜10時間硬化させることにより成形品が得られる。
型の材質は金属(アルミニウム、ステンレス等)やプラスチック(ポリプロピレンやポリカーボネート等)が通常使用される。
型の材質は金属(アルミニウム、ステンレス等)やプラスチック(ポリプロピレンやポリカーボネート等)が通常使用される。
また、現場施工においては、例えば前記主剤成分と硬化剤成分とをプレミックスしたものを、吹きつけた後、反応硬化させて、中性子線遮へい材用ポリウレタン樹脂成形品を得ることができる。
[中性子線遮へい材]
本発明の中性子線遮へい材は、前記中性子線遮へい材用ポリウレタン樹脂成形品を加工してなる。すなわち、該成形品を、必要により切削、切断、裁断、抜き打ち、熱プレス等の加工を行うことにより、中性子線遮へい材が得られる。また、前記中性子線遮へい材用ポリウレタン樹脂形成性組成物(X)を金型中で硬化してポリウレタン樹脂成形品を得て、これを中性子線遮へい材としてもよい。
本発明の中性子線遮へい材は、前記中性子線遮へい材用ポリウレタン樹脂成形品を加工してなる。すなわち、該成形品を、必要により切削、切断、裁断、抜き打ち、熱プレス等の加工を行うことにより、中性子線遮へい材が得られる。また、前記中性子線遮へい材用ポリウレタン樹脂形成性組成物(X)を金型中で硬化してポリウレタン樹脂成形品を得て、これを中性子線遮へい材としてもよい。
本発明の中性子線遮へい材用ポリウレタン樹脂成形性組成物(X)は、粘度が低いため施工性(作業性)に優れ、高い中性子遮へい性を有する。このため、中性子線遮へい材料、とりわけ現場施工の中性子線遮へい材料として幅広く用いられ極めて有用である。
以下実施例により本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。なお、以下において部は重量部を表す。
実施例および比較例に使用した原料の組成、記号等は次の通りである。
ポリオール(A−1):
ヒマシ油(リシノール酸トリグリセリド)、
OH当量333.3のポリエステルポリオール、
商品名「ELA−DR」、豊国製油(株)製]、
ポリオール(A−2):
グリセリンのPO付加物、OH当量83.3のポリエーテルポリオール
[商品名「サンニックスGP250」、三洋化成工業(株)製]
ポリオール(A−3):
グリセリンのPO付加物、OH当量133.3のポリエーテルポリオール
[商品名「サンニックスGP400」、三洋化成工業(株)製]
ポリオール(A−1):
ヒマシ油(リシノール酸トリグリセリド)、
OH当量333.3のポリエステルポリオール、
商品名「ELA−DR」、豊国製油(株)製]、
ポリオール(A−2):
グリセリンのPO付加物、OH当量83.3のポリエーテルポリオール
[商品名「サンニックスGP250」、三洋化成工業(株)製]
ポリオール(A−3):
グリセリンのPO付加物、OH当量133.3のポリエーテルポリオール
[商品名「サンニックスGP400」、三洋化成工業(株)製]
ポリイソシアネート(B−1):
イソホロンジイソシアネート、[商品名「VESTANAT IPDI」、
エボニックデグサジャパン(株)製]
ポリイソシアネート(B−2):
ヘキサンジイソシアネート(HDI)、[商品名「デュラネート50M」、
旭化成ケミカルズ(株)製]
ポリイソシアネート(B−3):
ポリメリックMDI、[商品名「ルプラネートM20S」、
BASFジャパン(株)製]
イソホロンジイソシアネート、[商品名「VESTANAT IPDI」、
エボニックデグサジャパン(株)製]
ポリイソシアネート(B−2):
ヘキサンジイソシアネート(HDI)、[商品名「デュラネート50M」、
旭化成ケミカルズ(株)製]
ポリイソシアネート(B−3):
ポリメリックMDI、[商品名「ルプラネートM20S」、
BASFジャパン(株)製]
無機フィラー(D1−1):
窒化ホウ素、[商品名「ショービエヌUHP−2」、体積平均粒径11μm、
真比重2.26 、昭和電工(株)製]
無機フィラー(D1−2):
炭化ホウ素、[商品名「B4C A」、体積平均粒径1μm、
真比重2.5 、エイアールブイ(株)製]
無機フィラー(D1−3):
酸化ホウ素、[商品名「酸化ほう素」、体積平均粒径250μm、
真比重2.5 、日本電工(株)製」
無機フィラー(D2−1):
酸化ガドリニウム[商品名「酸化ガドリニウム」、体積平均粒径3.5μm、
真比重7.4 、日本イットリウム(株)製]
無機フィラー(D2−2)
ガドリニウム [商品名「ガドリニウム粉末」、体積平均粒径150μm、
真比重7.9 、(株)ニコラ製]
無機フィラー(D3−1)
酸化サマリウム[商品名「酸化サマリウム」、体積平均粒径30μm、
真比重8.35 、和光純薬工業(株)製]
無機フィラー(D4−1)
酸化ユーロピウム[商品名「酸化ユーロピウム」、体積平均粒径30μm、
真比重7.4 、和光純薬工業(株)製]
窒化ホウ素、[商品名「ショービエヌUHP−2」、体積平均粒径11μm、
真比重2.26 、昭和電工(株)製]
無機フィラー(D1−2):
炭化ホウ素、[商品名「B4C A」、体積平均粒径1μm、
真比重2.5 、エイアールブイ(株)製]
無機フィラー(D1−3):
酸化ホウ素、[商品名「酸化ほう素」、体積平均粒径250μm、
真比重2.5 、日本電工(株)製」
無機フィラー(D2−1):
酸化ガドリニウム[商品名「酸化ガドリニウム」、体積平均粒径3.5μm、
真比重7.4 、日本イットリウム(株)製]
無機フィラー(D2−2)
ガドリニウム [商品名「ガドリニウム粉末」、体積平均粒径150μm、
真比重7.9 、(株)ニコラ製]
無機フィラー(D3−1)
酸化サマリウム[商品名「酸化サマリウム」、体積平均粒径30μm、
真比重8.35 、和光純薬工業(株)製]
無機フィラー(D4−1)
酸化ユーロピウム[商品名「酸化ユーロピウム」、体積平均粒径30μm、
真比重7.4 、和光純薬工業(株)製]
有機フィラー(C−1):
ポリエチレン粉末、[商品名「セラフラワー991」、体積平均粒径5μm、
真比重0.95、ビッグケミージャパン(株)製]
有機フィラー(C−2):
ポリプロピレン粉末、[商品名「セラフラワー915」、体積平均粒径34μm、
真比重0.90、ビックケミージャパン(株)製]
有機フィラー(C−3):
パラフィン粉末、[商品名「パラフィンワックス HNP−51」、
体積平均粒径50μm、真比重0.86、日本精蝋(株)製]
ポリエチレン粉末、[商品名「セラフラワー991」、体積平均粒径5μm、
真比重0.95、ビッグケミージャパン(株)製]
有機フィラー(C−2):
ポリプロピレン粉末、[商品名「セラフラワー915」、体積平均粒径34μm、
真比重0.90、ビックケミージャパン(株)製]
有機フィラー(C−3):
パラフィン粉末、[商品名「パラフィンワックス HNP−51」、
体積平均粒径50μm、真比重0.86、日本精蝋(株)製]
消泡剤:ジメチルポリシロキサン、二酸化ケイ素の混合物
[商品名「SH5500」、東レダウコーニング(株)製]
脱水剤:合成ゼオライト
[商品名「モレキュラーシーブ3ABパウダー」、ユニオン昭和(株)製]
硬化触媒:2−エチルヘキサン酸ビスマス塩
[商品名「ネオスタンU−600」、日東化成(株)製]
[商品名「SH5500」、東レダウコーニング(株)製]
脱水剤:合成ゼオライト
[商品名「モレキュラーシーブ3ABパウダー」、ユニオン昭和(株)製]
硬化触媒:2−エチルヘキサン酸ビスマス塩
[商品名「ネオスタンU−600」、日東化成(株)製]
実施例1〜17、比較例1〜3(比較例3はポリエチレンブロックについて記載)
表1に示した樹脂組成(部)に従って、ポリオール(A)に必要に応じて有機フィラー(C)、無機フィラー(D)を真空条件下で15分間真空条件下で撹拌混合してプレミックスとし、次いでポリイソシアネート(B)を混合して真空条件下でハンドミキサーを用いて15分間撹拌混合し、各中性子線遮へい材用ポリウレタン樹脂形成性組成物(X)を得て、その組成物(X)を金型(タテ35cm×ヨコ35cm×高さ15cm)へ流し込んだ。
表1に示した樹脂組成(部)に従って、ポリオール(A)に必要に応じて有機フィラー(C)、無機フィラー(D)を真空条件下で15分間真空条件下で撹拌混合してプレミックスとし、次いでポリイソシアネート(B)を混合して真空条件下でハンドミキサーを用いて15分間撹拌混合し、各中性子線遮へい材用ポリウレタン樹脂形成性組成物(X)を得て、その組成物(X)を金型(タテ35cm×ヨコ35cm×高さ15cm)へ流し込んだ。
上記工程、および成形品の製造は以下の方法で行った。
ポリオール(A)とイソシアネート(B)の混合比[NCO/OH当量比]は、1.0/1.0とした。
ハードミキサーを用いて真空条件下で混合された液[組成物(X)]を、金属製の金型に流し込んだ。受けた混合液は、硬化炉にて、110℃にて10時間硬化して、各成形品を得た。
ポリオール(A)とイソシアネート(B)の混合比[NCO/OH当量比]は、1.0/1.0とした。
ハードミキサーを用いて真空条件下で混合された液[組成物(X)]を、金属製の金型に流し込んだ。受けた混合液は、硬化炉にて、110℃にて10時間硬化して、各成形品を得た。
上記により得た各ポリウレタン樹脂形成性組成物の粘度、成形品の密度、施工性(作業性)、および中性子線遮へい率は以下の評価方法により行ない、評価結果を表1に示した。
<密度>
直方体形状の成形品をタテ35mm×ヨコ35mm×厚さ50mmに切断して測定用試料とし、JIS K7112に準じて水中置換法により測定した。
測定は比重測定装置[型番 AUX320](株)島津製作所製を使用した。
直方体形状の成形品をタテ35mm×ヨコ35mm×厚さ50mmに切断して測定用試料とし、JIS K7112に準じて水中置換法により測定した。
測定は比重測定装置[型番 AUX320](株)島津製作所製を使用した。
<粘度>
撹拌混合し終えた組成物について5分後の粘度(30℃)を、B型粘度計にてJISK7117−1に準じて測定した。なお、測定はB型粘度測定装置[型番 TBV−10]東機産業(株)を使用した。
撹拌混合し終えた組成物について5分後の粘度(30℃)を、B型粘度計にてJISK7117−1に準じて測定した。なお、測定はB型粘度測定装置[型番 TBV−10]東機産業(株)を使用した。
<施工性(作業性)>
作業する上での取扱いやすさ、吹きつけ等のしやすさを上記<粘度>に基づいて下記の判断基準で評価した。
[判断基準]
◎:粘度が8,000mPa・s以下
○:粘度が8,000mPa・s超、50,000mPa・s以下
×:粘度が50,000mPa・s超
作業する上での取扱いやすさ、吹きつけ等のしやすさを上記<粘度>に基づいて下記の判断基準で評価した。
[判断基準]
◎:粘度が8,000mPa・s以下
○:粘度が8,000mPa・s超、50,000mPa・s以下
×:粘度が50,000mPa・s超
<中性子線遮へい率>
直方体形状の成形品をタテ200mm×ヨコ200mm×厚さ100mmに切断して、測定用試料とした。実験台上に左側から順番に、線源、試料、中性子線用コリメータ(40mmφ×90mm)、測定器を設置した。試料は線源に対して、厚さが100mmになるように設置した。試料がある場合とない場合について、線源による中性子線を照射して、測定器により線量を測定した。それぞれの場合の測定を10回行った。それぞれの平均値から、中性子線遮へい率(%)を下記式により算出した。なお、試料のない時の線量は12.7μSv/hであった。
中性子線遮へい率(%)=100−(試料ありの線量)×100/(試料なしの線量)
[測定条件]
線源:カリホルニウム252(Cf−252)中性子線源 3.7MBq
Eckert&Ziegler N−252 S.N CA406S102S
測定器:アロカ 中性子サーベイメータ TPS−451BS S.N.46R928
直方体形状の成形品をタテ200mm×ヨコ200mm×厚さ100mmに切断して、測定用試料とした。実験台上に左側から順番に、線源、試料、中性子線用コリメータ(40mmφ×90mm)、測定器を設置した。試料は線源に対して、厚さが100mmになるように設置した。試料がある場合とない場合について、線源による中性子線を照射して、測定器により線量を測定した。それぞれの場合の測定を10回行った。それぞれの平均値から、中性子線遮へい率(%)を下記式により算出した。なお、試料のない時の線量は12.7μSv/hであった。
中性子線遮へい率(%)=100−(試料ありの線量)×100/(試料なしの線量)
[測定条件]
線源:カリホルニウム252(Cf−252)中性子線源 3.7MBq
Eckert&Ziegler N−252 S.N CA406S102S
測定器:アロカ 中性子サーベイメータ TPS−451BS S.N.46R928
表1から、本発明の中性子線遮へい材用ウレタン樹脂形成性組成物は、比較のものと比べ、粘度が低く施工性(作業性)に優れ、該組成物が硬化した成形品は、中性子線遮へい性に優れることがわかる。
本発明のポリウレタン樹脂形成性組成物は、施工性(作業性)に優れ、さらに成形品に中性子線遮へい性を付与できるため、中性子線遮へい材料として極めて有用である。さらに成形品を加工した中性子線遮へい材は、コリメータ、複雑な形状が必要な中性子線遮へい壁等に幅広く用いることができる。
Claims (9)
- ポリオール(A)、ポリイソシアネート(B)、および天然存在比において熱中性子線吸収断面積が100〜50,000バーンである元素を構成元素として含む無機フィラー(D)を含有してなる組成物であって、該組成物の重量に基づく該(D)の含有量が5〜30重量%である中性子線遮へい材用ポリウレタン樹脂形成性組成物(X)。
- 前記無機フィラー(D)が、ホウ素化合物(D1)、ガドリニウム化合物(D2)、サマリウム化合物(D3)およびユーロピウム化合物(D4)からなる群から選ばれる少なくとも1種である請求項1記載の組成物。
- 前記ポリオール(A)が、ヒマシ油ポリオールを30重量%以上含有してなる請求項1または2記載の組成物。
- 前記ポリイソシアネート(B)が脂肪族および/または脂環式ポリイソシアネートである請求項1〜3のいずれか記載の組成物。
- さらに、有機フィラー(C)を含有してなる請求項1〜4のいずれか記載の組成物。
- 前記有機フィラー(C)が、飽和炭化水素である請求項5記載の組成物。
- 請求項1〜6のいずれか記載の組成物(X)が硬化した中性子線遮へい材用ポリウレタン樹脂成形品。
- 水素原子濃度が4.5×1022個/cm3〜7.0×1022個/cm3である請求項7記載のポリウレタン樹脂成形品。
- 請求項8に記載のポリウレタン樹脂成形品を加工した中性子線遮へい材。
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---|---|
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Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2017179108A (ja) * | 2016-03-30 | 2017-10-05 | 極東産業株式会社 | 放射線遮蔽塗料、その製造方法及びその塗装方法 |
JP2020030088A (ja) * | 2018-08-22 | 2020-02-27 | 株式会社安藤・間 | 樹脂組成物、その硬化物、および樹脂組成物を用いた積層体の製造方法 |
CN113912341A (zh) * | 2021-09-23 | 2022-01-11 | 中国核电工程有限公司 | 一种用于中子吸收和屏蔽的混凝土材料及其制备方法 |
CN115215659A (zh) * | 2021-04-16 | 2022-10-21 | 国立大学法人筑波大学 | 用于放射线屏蔽材料的烧结体、放射线屏蔽材料及其制造方法 |
CN118048105A (zh) * | 2024-04-16 | 2024-05-17 | 潍坊市兴源防水材料股份有限公司 | 一种用于医疗实验室的防辐射防水涂料 |
-
2016
- 2016-07-01 JP JP2016131282A patent/JP2017058363A/ja active Pending
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