JP2014227449A - 切削加工用ポリウレタン樹脂組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】 本発明の目的は、成形品に優れた切削加工性および放射線遮へい性を付与する切削加工用ポリウレタン樹脂形成性組成物を提供する。【解決手段】 ポリオール、ポリイソシアネートおよび真比重が4.0〜6.0の無機フィラーを含有してなり、ポリオール、ポリイソシアネートおよび該無機フィラーの合計重量に基づく該無機フィラーの含有量が61〜70%である切削加工用ポリウレタン樹脂形成性組成物、および該組成物を反応硬化させ、成形してなる切削加工用ポリウレタン樹脂成形品;該無機フィラーが硫酸バリウムであることが好ましい。【選択図】なし

Description

本発明は、切削加工性に優れた切削加工用ポリウレタン樹脂形成性組成物に関する。さらに詳しくは、該組成物を硬化、成形してなる成形品に優れた放射線遮へい性能を付与する切削加工用ポリウレタン樹脂形成性組成物に関する。
放射線を遮へいする上で重要なことは材料の密度が大きいことである。そのため密度が大きい鉛やタングステン、鉄など真比重の高い材料を板材としてそのまま使用する、もしくは熱可塑性樹脂とこれらの無機フィラーを多く含有させたシート形状のものが多い(例えば特許文献1)。さらに石膏や、硫酸バリウムを組み合わせた無機ボード等もある(例えば特許文献2)。
特開2003−287590号公報 特開2010−32270号公報
しかしながら、密度を上げるために鉛を用いると環境負荷の問題が生じたり、切削加工性が悪くなる。またタングステンや鉄の板材、もしくは熱可塑性樹脂とこれらの無機フィラーを多く含有させシート形状のものは切削加工ができず、無機ボード用いると強度の観点から切削時に欠けが発生するという問題があった。
本発明の目的は、成形品に優れた切削加工性および放射線遮へい性を付与する切削加工用ポリウレタン樹脂形成性組成物を提供することにある。
本発明者は、上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、本発明に到達した。
すなわち本発明は、ポリオール(A)、ポリイソシアネート(B)および真比重が4.0〜6.0の無機フィラー(C)を含有してなり、(A)、(B)および(C)の合計重量に基づく(C)の含有量が61〜70%である切削加工用ポリウレタン樹脂形成性組成物、および該組成物を反応硬化させ、成形してなる切削加工用ポリウレタン樹脂成形品である。
本発明の切削加工用ポリウレタン樹脂形成性組成物は以下の効果を奏する。
(1)該組成物を反応硬化させてなる成形品に優れた切削加工性を付与する。
(2)該組成物を反応硬化させてなる成形品に優れた放射線遮へい性を付与する。
[ポリオール(A)]
本発明におけるポリオール(A)には、2〜8価またはそれ以上の低分子ポリオール(A1)[(250未満の水酸基(以下、OHと記載する。)当量(OH価に基づく、OH1個当たりの分子量)を有する]、2〜8価またはそれ以上の、高分子ポリオール(A2)[250以上のOH当量を有する]、およびこれらの2種以上の混合物が含まれる。 これらの中で切削加工性の観点から低分子ポリオール(A1)が好ましい。
低分子ポリオール(A1)には、多価アルコール(A11)、並びに低分子OH末端ポリマー(A12)[ポリエーテルポリオール(以下PTポリオールと略記することがある)、ポリエステルポリオール(以下PSポリオールと略記することがある)等]が含まれる。
上記多価アルコール(A11)には、以下のものが含まれる。
2価アルコール[炭素数(以下Cと略記)2〜20またはそれ以上、例えばC2〜12の脂肪族2価アルコール[(ジ)アルキレングリコール、例えばエチレングリコール(EG)、ジエチレングリコール(DEG)、プロピレングリコール(PG)、ジプロピレングリコール(DPG)、1,2−、2,3−、1,3−および1,4−ブタンジオール(BD)、1,6−ヘキサンジオール(HD)、ネオペンチルグリコール(NPG)および3−メチルペンタンジオール(MPD)、ドデカンジオール等];C6〜10の脂環式2価アルコール[1,4−シクロヘキサンジオール、シクロヘキサンジメタノール等];C8〜20の芳香環含有2価アルコール[キシリレングリコール、ビス(ヒドロキシエチル)ベンゼン等];
3価〜8価またはそれ以上の多価アルコール、例えば(シクロ)アルカンポリオールおよびそれらの分子内もしくは分子間脱水物[グリセリン(GR)、トリメチロールプロパン(TMP)、ペンタエリスリトール(PE)、ソルビトール(SO)およびジペンタエリスリトール(DPE)、1,2,6−ヘキサントリオール、エリスリトール、シクロヘキサントリオール、マンニトール、キシリトール、ソルビタン、ジグリセリンその他のポリグリセリン等]、糖類およびその誘導体[例えばショ糖、グルコース、フラクトース、マンノース、ラクトース、およびグリコシド(メチルグルコシド等)];
含窒素ポリオール(3級アミノ基含有ポリオールおよび4級アンモニウム基含有ポリオール):含窒素ジオール、例えばC1〜12の脂肪族、脂環式および芳香環含有1級モノアミン[メチルアミン、エチルアミン、1−および2−プロピルアミン、ヘキシルアミン、1,3−ジメチルブチルアミン、1−,2−および3−アミノヘプタン、ドデシルアミン、シクロプロピルアミン、シクロヘキシルアミン、アニリン、ベンジルアミン等]のビスヒドロキシアルキル(C2〜4)化物[ビス(2−ヒドロキシエチル)化物、ビス(ヒドロキシプロピル)化物等、例えば米国特許第4,271,217号明細書に記載の3級窒素原子含有ポリオール]、およびそれらの4級化物[上記米国特許明細書に記載の4級化剤またはジアルキルカーボネート(C1〜4のアルキル基を有するもの、例えばジメチル、ジエチルおよびジ−i−プロピルカーボネート)が含まれる。)による4級化物]、例えば上記米国特許明細書に記載の4級窒素原子含有ポリオール;および3価〜8価またはそれ以上の含窒素ポリオール、例えばトリアルカノール(C2〜4)アミン(トリエタノールアミン等)およびC2〜12の脂肪族、脂環式、芳香族および複素環ポリアミン[例えばエチレンジアミン、シクロヘキサンジアミン、トリレンジアミン、アミノエチルピペラジン]のポリヒドロキシアルキル(C2〜4)化物〔ポリ(2−ヒドロキシエチル)化物、ビス(ヒドロキシプロピル)化物等[例えばテトラキス(2−ヒドロキシプロピル)エチレンジアミン、ペンタキス(2−ヒドロキシプロピル)ジエチレントリアミン]〕、およびこれらの上記と同様の4級化物。
低分子OH末端ポリマー(A12)には、ポリエーテルポリオール(PTポリオール)、ポリエステルポリオール(PSポリオール)およびポリウレタンポリオール(以下PUポリオールと略記することがある)で250未満のOH当量を有するものが含まれる。
ここで、ポリウレタンポリオール(PUポリオール)とはウレタン結合を有するポリオールをいうものとする。
例えば、低重合度のアルキレンオキシド(以下AOと略記)開環重合物および活性水素原子含有多官能化合物の低モルAO付加物[例えば後述のポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール(以下それぞれPEG、PPG、PTMGと略記)等、ビス(ヒドロキシエトキシ)ベンゼンおよびビスフェノールAのエチレンオキシド2〜4モル付加物]、低縮合度の縮合ポリエステルポリオール(PSポリオール)およびポリオールの低モルラクトン付加物[ポリカルボン酸(後述)と過剰(カルボキシル基1個当り1モル)の多価アルコールとの縮合物(例えばジヒドロキシエチルアジペート)およびEGのカプロラクトン1モル付加物]、並びに低重合度のポリウレタンポリオール(PUポリオール)[後述のポリイソシアネート(以下PIということがある。)と過剰(イソシアネート基1個当り1モル)の多価アルコールとの反応生成物(例えば後述のTDI1モルとEG2モルとの反応生成物)]が挙げられる。
AOには、C2〜12またはそれ以上(好ましくはC2〜4)のAO、例えばエチレンオキシド、1,2−プロピレンオキシド、1,2−、2,3−および1,3−ブチレンオキシド、テトラヒドロフランおよび3−メチル−テトラヒドロフラン(以下それぞれEO、PO、BO、THFおよびMTHFと略記することがある)、1,3−プロピレンオキシド、イソブチレンオキシド、C5〜12のα−オレフィンオキシド、置換AO、例えばスチレンオキシドおよびエピハロヒドリン(エピクロルヒドリン等)、並びにこれらの2種以上の併用(ランダム付加および/またはブロック付加)が含まれる。
高分子ポリオール(A2)は、通常250〜3,000またはそれ以上のOH当量を有する。該ポリオールは、通常500〜6,000またはそれ以上、好ましくは500〜2,000、さらに好ましくは500〜1,000の数平均分子量(以下Mnと略記。測定はゲルパーミエイションクロマトグラフィー(GPC)法による。]を有し;好ましくは500〜3,000、さらに好ましくは500〜1,500の重量平均分子量 (以下Mwと略記。測定はGPC法による。)を有する。その例には、OH末端のポリマー[ポリエーテルポリオール(PTポリオール)、ポリエステルポリオール(PSポリオール)、ポリアミドポリオール(以下PDと略記することがある)、ポリウレタンポリオール(PUポリオール)、ビニル系ポリマー(以下VPと略記することがある) およびポリマーポリオール(以下P/Pと略記することがある)]、およびこれらの2種以上の混合物が含まれる。 OH末端のポリエーテルポリオール(PTポリオール)には、AOの開環重合物、少なくとも2個(2個〜8個またはそれ以上)の活性水素原子を有する開始剤に1種または2種以上のAOを付加させた構造を有するポリエーテルポリオール(PTポリオール)(AO付加物)、およびそれら(同一または異なる)の2分子またはそれ以上をカップリング剤でカップリングさせてなるポリエーテルポリオール(PTポリオール)が含まれる。
AO付加の開始剤には、例えば多価アルコール(前記)、アルカノールアミン、アミノカルボン酸およびヒドロキシカルボン酸;多価フェノール;並びにポリカルボン酸(後述)が含まれる。
アルカノールアミンには、C2〜10のもの、(ジ)アルカノールアミン、シクロアルカノールアミンおよびアルキルアルカノールアミン、例えばエタノールアミン、プロパノールアミン、ブタノールアミン、ヘキサノールアミン、ジエタノールアミン、ジ−n−およびi−プロパノールアミン、メチル−3,5,5−トリメチルシクロヘキサノールアミン、メチルエタノールアミンおよびエチルエタノールアミンが含まれる。これらのうち好ましいのは、エタノールアミンである。
アミノカルボン酸には、C2〜12のもの、例えばアミノ酸[グリシン、アラニン、バリン、(イソ)ロイシン、フェニルアラニン等]、ω−アミノアルカン酸(例えばω−アミノカプロン、ω−アミノエナント、ω−アミノカプリル、ω−アミノペルゴン、ω−アミノカプリン、11−アミノウンデカンおよび12−アミノドデカン酸)、および芳香族アミノカルボン酸(例えばo−、m−およびp−アミノ安息香酸)が含まれる。
ヒドロキシカルボン酸には、上記アミノカルボン酸に相当する(NHがOに置換った)もの(例えばω− ヒドロキシカプロン酸、サリチル酸、p−およびm−ヒドロキシ安息香酸)、並びにグリコール酸、グリセリン酸、タルトロン酸、リンゴ酸、酒石酸およびベンジル酸が含まれる。好ましいのは12−アミノドデカン酸である。
多価フェノールには、C6〜18の2価フェノール、例えば単環2価フェノール(ハイドロキノン、カテコール、レゾルシノール、ウルシオール等)、ビスフェノール(ビスフェノールA、F、C、B、ADおよびS、ジヒドロキシビフェニル、4,4’−ジヒドロキシジフェニル−2,2−ブタン等)、および縮合多環2価フェノール[ジヒドロキシナフタレン(例えば1,5−ジヒドロキシナフタレン)、ビナフトール等];並びに3価〜8価またはそれ以上の多価フェノール、例えば単環多価フェノール(ピロガロール、フロログルシノール、および1価もしくは2価フェノール(フェノール、クレゾール、キシレノール、レゾルシノール等)のアルデヒドもしくはケトン(ホルムアルデヒド、グルタールアルデヒド、グリオキザール、アセトン)低縮合物(例えばフェノールもしくはクレゾールノボラック樹脂、レゾールの中間体、フェノールとグリオキザールもしくはグルタールアルデヒドの縮合反応によって得られるポリフェノール、およびレゾルシンとアセトンの縮合反応によって得られるポリフェノール)が含まれる。
開始剤へのAOの付加は、通常の方法で行うことができ、無触媒、または触媒(アルカリ触媒、アンモニウム触媒、酸性触媒等)の存在下(とくにAO付加の後半の段階で)に常圧または加圧下に1段階または多段階で行なわれる。2種以上のAOは、ランダム付加、ブロック付加、両者の組合せ(例えばランダム付加に次いでブロック付加)のいずれでもよい。AO付加物のカップリング剤には、ポリハライド、例えばC1〜6のアルカンポリハライド(例えばC1〜4のアルキレンジハライド:メチレンジクロライド、1,2−ジブロモエタン等);エピハロヒドリン(エピクロルヒドリン等);およびポリエポキシドが含まれる。
OH末端のポリエーテルポリオール(PTポリオール)の例には、ポリエーテルジオール、例えばポリアルキレングリコール[例えばポリエチレングリコール(PEG)、ポリプロピレングリコール(PPG)およびポリテトラメチレングリコール(PTMG)、ポリ−3−メチルテトラメチレンエーテルグリコール]、共重合ポリオキシアルキレンジオール〔EO/PO共重合ジオール、THF/EO共重合ジオール、THF/MTHF共重合ジオール等(重量比、例えば1/9〜9/1)〕、芳香環含有ポリオキシアルキレンジオール[ポリオキシアルキレンビスフェノールA(ビスフェノールAのEOおよび/またはPO付加物等)];および3官能以上のポリエーテルポリオール(PTポリオール)、例えばポリオキシプロピレントリオール(GRのPO付加物等);並びにこれらの1種以上をメチレンジクロライドでカップリングしたものが含まれる。
OH末端のポリエステルポリオール(PSポリオール)には、縮合ポリエステルポリオール(縮合PSポリオール)、ポリラクトンポリオール(以下PLポリオールと略記することがある)、ヒマシ油系ポリオール[ヒマシ油(リシノール酸トリグリセリド)およびそのポリオール変性物]、およびポリカーボネートポリオールが含まれる。
縮合PSポリオールは、ポリオールとポリカルボン酸類(ポリカルボン酸もしくはそのエステル形成性誘導体を指す。以下同様。)(および必要によりヒドロキシカルボン酸)との重縮合、またはポリオールとポリカルボン酸無水物およびAOとの反応により、ポリラクトンポリオール(PLポリオール)はポリオールを開始剤とするラクトンの開環付加(またはポリオールとヒドロキシカルボン酸との重縮合)により、ヒマシ油のポリオール変性物はヒマシ油とポリオールとのエステル交換反応により、そしてポリカーボネートポリオールはポリオールを開始剤とするアルキレンカーボネートの開環付加/重縮合、ポリオールとジフェニルもしくはジアルキルカーボネートの重縮合(エステル交換)、またはポリオールもしくは2価フェノール(前記のもの:ビスフェノールA等)のホスゲン化により、製造することができる。
ポリエステルポリオール(PSポリオール)の製造に用いるポリオールは、通常1,000以下、好ましくは30〜500のOH当量(OH当たりの分子量)を有する。その例には、上記の多価アルコール[ジオール(例えばEG、1,4−BD、NPG、HDおよびDEG)および3価以上のポリオール(GR、TMP、PE等)]、上記ポリエーテルポリオール(PTポリオール)(PEG、PPG、PTMG等)、およびこれらの2種以上の混合物が含まれる。縮合PSポリオールの製造に好ましいのは、ジオール、およびそれと少割合(例えば10当量%以下)の3価以上のポリオールとの併用である。
ポリカルボン酸には、ジカルボン酸および3価〜4価またはそれ以上のポリカルボン酸が含まれる。それらの例には、C2〜30またはそれ以上(好ましくはC2〜12)の飽和および不飽和の脂肪族ポリカルボン酸、例えばC2〜15ジカルボン酸(例えばシュウ酸、コハク酸、マロン酸、アジピン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバチン酸、ドデカンジカルボン酸、マレイン酸、フマル酸およびイタコン酸)、C6〜20トリカルボン酸(例えばトリカルバリルおよびヘキサントリカルボン酸)];C8〜15の芳香族ポリカルボン酸、例えばジカルボン酸(例えばテレフタル酸、イソフタル酸およびフタル酸)、トリ−およびテトラ−カルボン酸(例えばトリメリット酸およびピロメリット酸);C6〜40の脂環式ポリカルボン酸(ダイマー酸等);およびスルホ基含有ポリカルボン酸[上記ポリカルボン酸にスルホ基を導入してなるもの、例えばスルホコハク酸、スルホマロン酸、スルホグルタル酸、スルホアジピン酸およびスルホイソフタル酸、およびそれらの塩(アルカリ金属、アルカリ土類金属およびIIB族金属塩、アンモニウム塩、アンモニウム塩、並びに4級アンモニウム塩等)];並びにカルボキシル基末端のポリマーが含まれる。
カルボキシル基末端のポリマーには、ポリエーテル(PT)ポリカルボン酸、例えばポリオール[上記の多価アルコール、ポリエーテルポリオール(PTポリオール)等]のカルボキシメチルエーテル(アルカリの存在下にモノクロル酢酸を反応させて得られる);およびポリアミド(PD)、ポリエステル(PS)および/またはポリウレタン(PU)ポリカルボン酸、例えば上記ポリカルボン酸を開始剤としてラクタムもしくはラクトン(前記)を開環重合させてなるポリラクタムポリカルボン酸およびポリラクトン(PL)ポリカルボン酸、上記ポリカルボン酸類の2分子またはそれ以上をポリオール(前記)またはポリアミンもしくはポリイソシアネート(以下PIと略記することがある、後述)でカップリング(エステル化またはアミド化)させてなる縮合PSポリカルボン酸および縮合ポリアミド(PD)ポリカルボン酸、および上記のポリカルボン酸類およびポリオールとポリイソシアネート(PI)を反応(ウレタン化およびエステル化もしくはアミド化)させてなるポリウレタン(PU)ポリカルボン酸が含まれる。
ラクタムには、C4〜15(好ましくはC6〜12)のもの、例えばε−カプロラクタム、エナントラクタム、ラウロラクタムおよびウンデカノラクタム;ラクトンには、例えばε−カプロラクトン、γ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトンが含まれる。
エステル形成性誘導体には、酸無水物、低級アルキル(C1〜4)エステルおよび酸ハライド、例えばコハク、マレイン、イタコンおよびフタル酸無水物 、テレフタル酸ジメチル、並びにマロニルジクロライドが含まれる。
縮合ポリオールの製造に好ましいのは、ジカルボン酸類、およびそれと少割合(例えば10当量%以下)の3価〜4価またはそれ以上のポリカルボン酸類との併用である。ラクトンおよびヒドロキシカルボン酸には前掲のものが含まれる。アルキレンカーボネートには、C2〜6のアルキレン基を有するもの、例えばエチレンおよびプロピレンカーボネートが含まれる。ジアルキルカーボネートには、C1〜4のアルキル基を有するもの、例えばジメチル、ジエチルおよびジ−i−プロピルカーボネートが含まれる。
OH末端のポリエステルポリオール(PSポリオール)の具体例には、ポリエチレンアジペート、ポリブチレンアジペート、ポリヘキサメチレンアジペート、ポリネオペンチレンアジペート、ポリエチレン/プロピレンアジペート、ポリエチレン/ブチレンアジペート、ポリブチレン/ヘキサメチレンアジペート、ポリジエチレンアジペート、ポリ(ポリテトラメチレンエーテル)アジペート、ポリエチレンアゼレート、ポリエチレンセバケート、ポリブチレンアゼレート、ポリブチレンセバケート、ポリカプロラクトンジオールおよびポリヘキサメチレンカーボネートジオールが含まれる。
OH末端のポリアミド(PD)ポリオールには、ポリカルボン酸類(上記)を、アルカノールアミン(前記)またはポリオール(上記)およびポリアミンと重縮合させてなる、ポリ(エステル)アミドポリオールが含まれる。
OH末端のポリウレタン(PU)ポリオールには、ポリオールをポリイソシアネート(PI)で変性してなるOH末端ウレタンプレポリマーが含まれる。ポリオールには、前記の、多価アルコール、高分子ポリオール[上記OH末端のポリエーテル(PT)ポリオールおよびポリエステル(PS)ポリオール、並びに後述のOH末端のビニル系ポリマー(VP)およびポリマーポリオール(P/P)]、並びにこれらの2種以上の併用が含まれる。ポリオールのうち、好ましいのは高分子ポリオール[とくにOH末端のポリエステル(PS)ポリオールおよびとくにポリエーテル(PT)ポリオール]およびこれと低分子ポリオール(とくに多価アルコール)との併用である。併用する低分子ポリオールの量は、要求される性能に応じて適宜変えることができるが、一般に、高分子ポリオール1当量に対して、0.01〜0.5当量、さらに0.02〜0.4当量とくに0.1〜0.2当量が好ましい。OH末端ウレタンプレポリマー製造にあたり、ポリオールとポリイソシアネート(PI)との当量比(OH/NCO比)は、通常1.1/1〜10/1、好ましくは1.4/1〜4/1とくに 1.4/1〜2/1である。ポリオールとPIとは、1段で反応させても、多段で反応[例えばポリオールもしくはポリイソシアネート(PI)の一部を反応させたのち残部を反応]させてもよい。
OH末端のビニル系ポリマー(VP)には、ポリブタジエン系ポリオール、例えばOH末端のブタジエンホモポリマーおよびコポリマー(スチレン−ブタジエンコポリマー、アクリロニトリル−ブタジエンコポリマー等)[1,2−ビニル構造を有するもの、1,4−トランス構造を有するもの、1,4−シス構造を有するもの、およびこれらの2種以上を有するもの(1,2−ビニル/1,4−トランス/1,4−シスのモル比100〜0/100〜0/100〜0、好ましくは10〜30/50〜70/10〜30]、並びにこれらの水素添加物(水素添加率:例えば20〜100%);アクリルポリオール、例えばアクリル共重合体[アルキル(C1〜20)(メタ)アクリレート、またはこれらと他のモノマー(スチレン、アクリル酸等)との共重合体]にヒドロキシル基を導入したもの[ヒドロキシル基の導入は主としてヒドロキシエチル(メタ)アクリレートによる];および部分鹸化エチレン/酢酸ビニル共重合体が含まれる。
ポリマーポリオール(P/P)は、ポリオール(前述のOH末端のポリエーテル(PT)ポリオールおよび/またはポリエステル(PS)ポリオール、またはこれと前記の多価アルコールとの混合物)中でエチレン性不飽和モノマーをその場で重合させることにより得られる。エチレン性不飽和モノマーには、アクリル系モノマー、例えば(メタ)アクリロニトリルおよびアルキル(C1〜20またはそれ以上)(メタ)アクリレート(メチルメタクリレート等);炭化水素系モノマー、例えば芳香族不飽和HC(スチレン等)および脂肪族不飽和炭化水素(C2〜20またはそれ以上のアルケン、アルカジエン等、例えばα−オレフィンおよびブタジエン);並びにこれらの2種以上の併用[例えばアクリロニトリル/スチレンの併用(重量比100/0〜80/20)]が含まれる。ポリマーポリオール(P/P)は、例えば5〜80%またはそれ以上、好ましくは30〜70%の重合体含量を有する。上記の高分子ポリオールのうちで好ましいのはポリエーテル(PT)ポリオールおよびポリエステル(PS)ポリオールである。
[ポリイソシアネート(B)]
本発明におけるポリイソシアネート(B)には、2〜6個またはそれ以上(好ましくは2〜3個とくに2個)のイソシアネート基を有する、下記のポリイソシアネート(PI)、およびこれらの2種以上の混合物が含まれる。
(1)C(NCO基中の炭素を除く、以下同様)2〜18の脂肪族ポリイソシアネート:
ジイソシアネート、例えばエチレンジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、ヘプタメチレンジイソシアネート、オクタメチレンジイソシアネート、デカメチレンジイソシアネート、ドデカメチレンジイソシアネート、2,2,4−および/または2,4,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、リジンジイソシアネート、2,6−ジイソシアナトメチルカプロエート、2,6−ジイソシアナトエチルカプロエート、ビス(2−イソシアナトエチル)フマレートおよびビス(2−イソシアナトエチル)カーボネート;
3官能以上のポリイソシアネート(トリイソシアネート等)、例えば1,6,1 1−ウンデカントリイソシアネート、1,8−ジイソシアネート−4−イソシアネートメチルオクタン、1,3,6−ヘキサメチレントリイソシアネートおよびリジンエステルトリイソシアネート(リジンとアルカノールアンモニウムとの反応生成物のホスゲン化物、2−イソシアナトエチル−2,6−ジイソシアナトヘキサノエート、2−および/または3−イソシアナトプロピル−2,6−ジイソシアナトヘキサノエート等);
(2)C4〜15の脂環含有ポリイソシアネート:
ジイソシアネート、例えばイソホロンジイソシアネート(IPDI)、ジシクロヘキシルメタン−4,4’−ジイソシアネート(水添MDI)、シクロヘキシレンジイソシアネート、 メチルシクロヘキシレンジイソシアネート、ビス(2−イソシアナトエチル)−4−シクロヘキシレン−1,2−ジカルボキシレートおよび2,5−および/または2,6−ノルボルナンジイソシアネート;3官能以上のポリイソシアネート(トリイソシアネート等)、例えばビシクロヘプタントリイソシアネート;
(3)C8〜15の芳香脂肪族ポリイソシアネート:
例えば、m−および/またはp−キシリレンジイソシアネート(XDI)、ジエチルベンゼンジイソシアネートおよびα,α,α’,α’−テトラメチルキシリレンジイソシアネート(TMXDI);
(4)C6〜20の芳香族ポリイソシアネート:
ジイソシアネート、例えば1,3−および/または1,4−フェニレンジイソシアネート、2,4−および/または2,6−トリレンジイソシアネート(TDI)、4, 4’−および/または2,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、m−およびp−イソシアナトフェニルスルホニルイソシアネート、4,4’−ジイソシアナトビフェニル、3,3’−ジメチル−4,4’−ジイソシアナトビフェニル、3,3’−ジメチル−4,4’−ジイソシアナトジフェニルメタンおよび1,5−ナフチレンジイソシアネート;3官能以上のポリイソシアネート(トリイソシアネート等)、例えば粗製TDI、粗製MDI(ポリメチレンポリフェニレンポリイソシアネート);
(5)ポリイソシアネートの変性体:
上記ポリイソシアネートの変性体、例えばカルボジイミド、ウレタン、ウレア、イソシアヌレート、ウレトイミン、アロファネート、ビウレット、オキサゾリドンおよび/またはウレトジオン基を有する変性体)、例えばMDI、TDI、HDI、IPDI等のウレタン変性物(ポリオールと過剰のポリイソシアネートとを反応させて得られるNCO末端ウレタンプレポリマー)、ビウレット変性物、イソシアヌレート変性物、トリヒドロカルビルホスフェート変性物、およびこれらの混合物。ウレタン変性に用いるポリオールには、前記の多価アルコール、ポリエーテルポリオール(PTポリオール)および/またはポリエステルポリオール(PSポリオール)が含まれる。好ましいのは、500以下とくに30〜200のOH当量を有するポリオール、例えばグリコール(EG、PG、DEG、DPG等)、トリオール(TMP、GR等)、4官能以上の高官能ポリオール(PE、SO等)およびこれらのAO(EOおよび/またはPO)(1〜40モル)付加物、とくにグリコールおよびトリオールである。ウレタン変性におけるポリイソシアネートとポリオールとの当量比(NCO/OH比)は、通常1.1/1〜10/1、好ましくは1.4/1〜4/1とくに1.4/1〜2/1である。上記変性PIの遊離イソシアネート基含量は通常8〜33%、好ましくは1 0〜30%、とくに好ましくは12〜29%である。
ポリオール(A)とポリイソシアネート(B)からポリウレタン樹脂を形成させるに際して、(A)と(B)の割合をイソシアネート指数[(NCO基/OH基の当量比)×100]で表した場合、該指数は種々変えることができるが、樹脂強度およびポリウレタン樹脂の切削加工のしやすさの観点から、好ましくは80〜140、さらに好ましくは85〜120、とくに好ましくは90〜115である。
[真比重が4.0〜6.0の無機フィラー(C)]
本発明における真比重が4.0〜6.0の無機フィラー(C)としては、例えば硫酸バリウム、酸化亜鉛、酸化チタンが挙げられ、これらの中で作業性の観点から高充填が可能でかつ増粘効果の小さい硫酸バリウムが好ましい。真比重が4.0未満であると該組成物を反応硬化させてなる成形品の放射線遮へい性が低下し、真比重が6.0を超えると切削抵抗が大きくなり切削加工性が悪くなる。
使用するのに好ましい性状は粉状であり、粒子径はとくに制限されないが、(C)の体積平均粒子径は、均一性および分散性の観点から好ましくは1〜50μm、さらに好ましくは10〜30μmである。
[切削加工用ポリウレタン樹脂形成性組成物]
本発明の切削加工用ポリウレタン樹脂形成性組成物は、前記ポリオール(A)、ポリイソシアネート(B)および無機フィラー(C)を含有してなる。
(A)、(B)および(C)の合計重量に基づく含有量は、(A)は通常10〜29%、成形性の観点から、好ましくは13〜25%、さらに好ましくは15〜22%;(B)は通常10〜29%、同様の観点から、好ましくは13〜25%、さらに好ましくは15〜22%;(C)は61〜70%、好ましくは62〜69%、さらに好ましくは63〜68%である。(C)が61%未満であると放射線遮へい性が劣るものとなり、70%を超えると切削加工性が劣るものとなる。
[切削加工用ポリウレタン樹脂成形品]
本発明の切削加工用ポリウレタン樹脂成形品は、例えば後述のポリオール成分(I)、イソシアネート成分(II)、および必要により後述の硬化触媒(D)を同時に連続的にメカニカルフロス発泡機に注入、混合、反応硬化させ、成形することにより得られる。
ポリオール成分(I)は、ポリオール(A)および無機フィラー(C)を含有してなり、イソシアネート成分(II)は、ポリイソシアネート(B)および無機フィラー(C)を含有してなり、硬化触媒(D)はポリオール成分(I)とイソシアネート成分(II)を混合する際に流量を制御しながら同時に添加する。
ポリオール成分(I)とイソシアネート成分(II)を例えば以下のように調製するのが好ましい。
ポリオール成分(I):
連続して送液できるポンプ付きの耐圧容器に、ポリオール(A)と無機フィラー(C)を投入する。耐圧容器を減圧にし、さらに窒素置換した後、25〜30℃に調整し、微加圧の条件下で30〜60分程度撹拌し、ポリオール成分(I)を得る。そのときの撹拌速度は1〜3m/s程度である。
イソシアネート成分(II):
連続して送液できるポンプ付きの耐圧容器に、ポリイソシアネート(B)と無機フィラー(C)を投入する。耐圧容器を減圧にし、さらに窒素置換した後、25〜30℃に調整し、微加圧の条件下で30〜60分程度撹拌し、イソシアネート成分(II)を得る。そのときの撹拌速度は1〜3m/s程度である。
調製した上記ポリオール成分(I)とイソシアネート成分(II)の2液は以下のメカニカルフロス発泡工程にて、連続的に混合し、当該混合物を吐出する。
メカニカルフロス発泡法とは 、内面に多数の歯の付いた円筒状のステーターと、ステーター内部に同じく多数の歯の付いたローターからなるメカニカルフロス発泡機のローターが回転中に、発泡させたい材料と不活性ガスを同時に連続的に当該発泡機に注入することにより、当該発泡機の吐出口から発泡材料を連続的に吐出させる方法(特許第3083751号公報の選択図3参照)である。
ポリオール成分(I)とイソシアネート成分(II)との送液比[NCO/OH当量比]は、好ましくは1.3/1〜0.8〜1さらに好ましくは1.2/1〜0.9/1となるような比率とし、後述の硬化触媒(D)はポリオール成分(I)とイソシアネート成分(II)の合計重量に対して0.001〜0.1重量%の比率で混合する。送速度はウレタン化の反応速度およびミキサー部での混合性の観点から好ましくは10〜20kg/分、さらに好ましくは12〜18kg/分で行う。
ミキサー部で混合された液は連続的に吐出口から供給されるため、予め吐出口に、金属製の金型を取り付け、供給されてきた混合液を受ける。受けた混合液は、硬化炉にて、好ましくは90〜130℃、さらに好ましくは100〜120℃で、0.5〜10時間、反応硬化させ、成形することにより成形品が得られる。
硬化触媒(D)としては、例えば、硝酸ビスマス、臭化ビスマス、ヨウ化ビスマス、硫化ビスマス等の他、ジブチルビスマスジラウレート、ジオクチルビスマスジラウレートや、2−エチルヘキサン酸ビスマス塩、ナフテン酸ビスマス塩、イソデカン酸ビスマス塩、ネオデカン酸ビスマス塩、ラウリル酸ビスマス塩、マレイン酸ビスマス塩、ステアリン酸ビスマス塩、オレイン酸ビスマス塩、リノール酸ビスマス塩、酢酸ビスマス塩、ビスマスリビスネオデカノエート、ジサリチル酸ビスマス塩、ジ没食子酸ビスマス塩等の有機酸ビスマス塩等の有機ビスマス化合物が挙げられる。
上記(D)のうち、反応性の観点から好ましいのは有機酸ビスマス塩、さらに好ましいのは2−エチルヘキサン酸ビスマス塩、ネオデカン酸ビスマス塩、ナフテン酸ビスマス塩、イソデカン酸ビスマス塩、とくに好ましいのは2−エチルヘキサン酸ビスマス塩である。
本発明の成形品の密度は、放射線遮へい性および切削加工性の観点から、好ましくは2.1〜2.5g/cm3、さらに好ましくは2.3〜2.5g/cm3である。該密度はポリオール(A)、ポリイソシアネート(B)の種類および量により適宜調整できるが、とりわけ無機フィラー(C)の種類および量、前記メカニカルフロス発泡工程の条件により、調整可能である。
本発明の切削加工用ポリウレタン樹脂成形品は、真比重が4.0〜6.0の無機フィラー(C)含有量を高くしても硬化時間を保ち作業性に優れ、且つ得られるウレタン樹脂の物性も低下しない。このため、切削加工可能な放射線遮へい材料として幅広く用いられ極めて有用である。
本発明の放射線遮へい材は、NCマシンと呼ばれるコンピュータ制御の工作機械のうち、通常、NCフライス盤やマシニングセンタによって切削加工(機械加工)されたり、のこぎり、のみ、かんな等を使用して切削加工(手加工)され、最後に仕上がり面をサンドペーパーで平滑にされてコリメータや治具となる。機械加工において使用される刃物は、ボールエンドミルやフラットエンドミルであり一般にハイス、超硬と呼ばれる材質のものが使用される。機械加工は主として3段階の切削工程からなり、初期が粗加工、中期が中加工、最後が仕上げ加工と呼ばれる。本発明切削加工用ポリウレタン樹脂成形品は、粗加工では好ましくは刃物の直径が20〜30mm、刃物送り速度1,000〜3,000mm/分、刃物回転数200〜5,000rpmで切削される。次に、中加工では好ましくは刃物直径10〜20mm、送り速度1,000〜2,000mm/分、回転数1,000〜3,000rpm、仕上げ加工では刃物直径5〜10mm、送り速度500〜1,500mm/分、回転数1,000〜2,000rpmで切削される。得られた放射線遮へい材は、放射線遮へい性に優れるため、コリメーターなどの放射線遮へい物品として極めて有用である。
本発明において、切削加工性は次の切削抵抗(単位:N、以下において数値のみを示すことがある)で評価できる。
切削抵抗は、材料をNCマシンで切削(切削刃:超硬スロウアウェイチップ、1枚刃、16mmφ、回転数:5,000rpm、送り速度:2,000mm/分、切り込み深さ:3mm)したときに、切削刃が刃物送り方向から受ける抵抗力を4成分動力計で測定した値を指す。該切削抵抗は、切削速度、精密な切削精度の観点から、好ましくは260N以下、さらに好ましくは240N以下である。切削抵抗が過度に大きいと、切削速度が遅くなったり、切削加工品に欠けが生じる恐れがある。
以下実施例により本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。なお、以下において部は重量部を表す。
実施例および比較例に使用した原料の組成、記号等は次の通りである。
ポリオール(A−1):グリセリンのPO付加物、OH当量133.3の
ポリエーテルポリオール[商品名「サンニックスGP400」、
三洋化成工業(株)製]
ポリオール(A−2):グリセリンのPO付加物、OH当量83.3の
ポリエーテルポリオール[商品名「サンニックスGP250」、
三洋化成工業(株)製]
ポリオール(A−3):リシノール酸トリグリセリド、OH当量353.3の
ポリエステルポリオール[商品名「ELA−DR」、豊国製油(株)製]
ポリイソシアネート(B−1):ポリメチレンポリフェニレンポリイソシアネート
[商品名「ルブラネートM20S」、BASF INOAC ポリウレタン(株)製]
無機フィラー(C−1):硫酸バリウム[商品名「BMH−100」、
体積平均粒径12μm、真比重4.5、堺化学工業(株)製]
無機フィラー(C−2):酸化亜鉛[商品名「酸化亜鉛 2種」、
体積平均粒径0.6μm、真比重5.6、日本化学工業(株)製]
無機フィラー(C−3):酸化チタン「商品名「酸化チタン」
体積平均粒径0.3μm、真比重4.3、テイカ(株)製」
無機フィラー(比C−1):炭酸カルシウム[商品名「ホワイトンSB赤」、
体積平均粒径1.8μm、真比重2.7、白石カルシウム(株)製]
無機フィラー(比C−2):鉄粉[商品名「KIP K−100T」、
体積平均粒径100μm、真比重7.8、JFEスチール(株)製]
硬化触媒(D−1):2−エチルヘキサン酸ビスマス塩
[商品名「ネオスタンU−600」、日東化成(株)製]
実施例1〜6、比較例1〜5
表1に示した樹脂組成(部)に従って、ポリオール成分(I)、イソシアネート成分(II)および硬化触媒(D)を混合してポリウレタン樹脂形成性組成物を得、以下のようにメカニカルフロス発泡工程後、反応硬化させることにより切削加工用ポリウレタン樹脂成形品を製造した。
[ポリオール成分(I)の調製]
連続して送液できるポンプ付きの2つの耐圧容器に、ポリオール(A)に無機フィラー(C)を投入した。反応槽を減圧にし、さらに窒素置換した後、25℃に調整し、微加圧の条件下で45分撹拌し、ポリオール成分(I)を得た。そのときの撹拌速度は3m/sとした。
[イソシアネート成分(II)の調製]
ポリオール成分(I)の調製において、ポリオール(A)をポリイソシアネート(B)に代えたこと以外は、ポリオール成分(I)の調製と同様にして、イソシアネート成分(II)を得た。
メカニカルフロス発泡工程、および切削加工用ポリウレタン樹脂成形品の製造は以下の方法で行った。
調製した上記ポリオール成分(I)、イソシアネート成分(II)および硬化触媒(D)はメカニカルフロス発泡工程にて混合物を吐出した。
ポリオール成分(I)とイソシアネート成分(II)との送液比[NCO/OH当量比]は、1.0/1.0とし、ポリオール成分(I)とイソシアネート成分(II)の合計の送液速度は15kg/分で行った。
ミキサー部で混合された液は連続的に吐出口から供給されるため、予め吐出口に、金属製の金型を取り付け、供給されてきた混合液を受け。受けた混合液は、硬化炉にて、110℃にて10時間、反応硬化させることにより切削加工用ポリウレタン樹脂成形品を得た。
上記により得た切削加工用ポリウレタン樹脂成形品の密度、硬度、切削抵抗、放射線遮へい率は以下の測定方法により行ない、評価結果を表1に示した。
<密度>
直方体形状の成形品のタテ×ヨコ×厚さを計測し体積を求め、次いで質量を計測し、この成形品の質量と体積の商を密度とした。
<ショアD硬度>
直方体形状の成形品を100×100×50mmに切断し、タイプDデュロメータを用いてJIS K6253に準じて測定し、ショアD硬度とした。
<切削抵抗>
作製した成形品を100mm×25mm×10mmに切断して試験片とし、NCマシン[型番M800(株)岩間工業所製]で切削(切削刃:超硬スロウアウェイチップ、1枚刃、16mmφ、回転数:5000rpm、送り速度:2000mm/分、切り込み深さ:3mm)したときに、切削刃が刃物送り方向から受ける抵抗力を4成分動力計(KISTLER製「9272型」、増幅器:KISTLER製「チャージアンプ5011型」、記録計:グラフテック製「WR7700」)で測定した。
<放射線遮へい率>
直方体形状の成形品をタテ50mm×ヨコ100mm×厚さ50mmに切断して、測定用試料とした。床から1mの高さに試料を置き、線源と検出器の間に、試料および鉛製コリメータ(φ15mm×ヨコ100mm)を介して、試料のヨコ方向から線源による放射線を照射した。その間に試料がない場合とある場合について、線量をそれぞれ10回測定し、その平均値から放射線遮へい率(%)を下記式により算出した。なお、試料のない時の線量は21.5μSv/hであった。

放射線遮へい率(%)=100−(試料ありの線量)×100/(試料なしの線量)

[測定条件]
線源:セシウム137線源 10MBq
日本アイソトープ協会 照射線量率標準ガンマ線源 CS454CE
測定器:NaIシンチレーションサーベイメータ アロカ TCS−171B
Figure 2014227449
表1から、本発明の切削加工用ウレタン樹脂形成性組成物を反応硬化させた成形品は、比較のものと比べ、切削加工性に優れ、かつ放射線遮へい性にも優れることがわかる。
本発明の切削加工用ポリウレタン樹脂形成性組成物は、成形品に優れた切削加工性および放射線遮へい性を付与できるため、切削可能な放射線遮へい材料として極めて有用である。さらに成形品を切削加工してなる放射線遮へい材は、コリメータ、複雑な形状が必要な放射線遮へい壁等に幅広く用いることができる。

Claims (5)

  1. ポリオール(A)、ポリイソシアネート(B)および真比重が4.0〜6.0の無機フィラー(C)を含有してなり、(A)、(B)および(C)の合計重量に基づく(C)の含有量が61〜70%である切削加工用ポリウレタン樹脂形成性組成物。
  2. 前記(C)が硫酸バリウムである請求項1記載の組成物。
  3. 請求項1または2記載の組成物を反応硬化させ、成形してなる切削加工用ポリウレタン樹脂成形品。
  4. 密度が2.1〜2.5g/cm3である請求項3記載の切削加工用ポリウレタン樹脂成形品。
  5. 請求項3または4記載の成形品を切削加工してなる放射線遮へい材。
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