JP5590283B2 - リチウム複合ニッケル酸化物およびその製造方法 - Google Patents
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Description
こうした材料として検討されているものに、平均粒径数μmの一次粒子が凝集して二次粒子を構成しているニッケル水酸化物を用いて作成したリチウム複合ニッケル酸化物がある。
特許文献1では、このような構造を持つニッケル水酸化物をリチウム化合物と混合後、所定温度で焼成することにより、内部に空隙を有するリチウム複合ニッケル酸化物凝集体を得、これを正極活物質とすれば、正極活物質としての比容量が高く、かつ電極プレス性に優れ、正極活物質層への高密度充填が可能なことから、電池の高容量化および高出力化に大いに寄与できるとしている。
以上述べたように、未だ従来の球状リチウム複合ニッケル酸化物では得られないハイレート特性の更なる向上として全く形状の異なるリチウム複合ニッケル酸化物は提供されていない。
(式中MはCo、Al少なくとも1種以上の元素を示す。)
(1)平均粒径が3μm以下の単分散状態のニッケル含有水酸化物一次粒子およびその製
造方法
本発明の、ニッケル含有水酸化物は一般式(1):NiM(OH)2で表され、式中のMはCo、Alのうち少なくとも1種以上の元素を示すものであり、動的光散乱法測定による平均粒径が3μm以下、好ましくは1μm以上、2μm以下の単分散の一次粒子である。本発明のニッケル含有水酸化物の粒径を3μm以下とするのは、これを用いて得るリチウム複合ニッケル酸化物の粒径を3μm以下とするためである。
本発明のニッケル含有水酸化物の表面状態がこのように安定な理由は明確ではないが、下記する製造方法が特別な表面状態の形成に関わっているものと推定している。
回収する。
用いうるアルカリ水酸化物としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム等を単独、もしくは混合して用いることができるが、取り扱いやすさ、安価であることより水酸化ナトリウムが好ましい。
本発明のニッケル含有酸化物は一般式(2):NiMOで表され、式中のMはCo、Alのうち少なくとも1種以上の元素を示すものであり、動的光散乱法測定による平均粒径が3μm以下、好ましくは1μm以上、2μm以下の単分散の一次粒子である。本発明のニッケル含有水酸化物の粒径を3μm以下とするのは、これを用いて得るリチウム複合ニッケル酸化物の粒径を3μm以下とするためである。
焙焼温度が300℃未満では酸化ニッケルのニッケル価数が安定せずその組成も安定していないため、特定の組成比を狙ったリチウムニッケル複合酸化物の合成が難しく、また900℃を越えると酸化ニッケルの結晶性が高くなりすぎて、リチウムニッケル複合酸化物に合成した際異相が発生するもしくは低結晶性の製品となる恐れがあるためである。
本発明のリチウム複合ニッケル酸化物は一般式(3):LiNiMO2で示され、式中Mは、Co、Alのうち少なくとも1種以上の元素を示す。そして、動的光散乱法測定による平均粒径が3μm以下の単分散の一次粒子である。これをリチウムイオン二次電池に用いると、単分散の一次粒子を充填することになり、間隙を有する二次粒子を充填する場合よりも充填密度を高くでき、かつ一次粒子間に間隙を持たせることができるため、リチウムイオンの移動も妨げられず、ハイレート特性が向上し、出力特性に優れた電池を得ることが出来る。
本発明において、平均粒径を3μm以下、好ましくは1〜2μmとするのは、平均粒径が3μm以上では、リチウムイオン二次電池とした場合に、粒子が大きすぎて固相内拡散抵抗が高くなり、ハイレート条件下では期待する出力を得ることが出来なくなるためである。
また、水分が存在すると、水分が粒子表面に吸着し、それが電極作成時に溶剤と反応し溶剤のゲル化を引き起こす虞がある。
また、このようなリチウム複合ニッケル酸化物を用いて作成した電池を使用すると、充放電時に水の電気分解により酸素や水素が発生し破裂の危険を引き起こす要因となることがあるからである。用いうる焙焼炉としては、雰囲気調整可能な炉であれば支障はないが、例えば、ボックス型電気炉、昇降炉等のバッチ式炉、ローラーハースキルン、プッシャー炉等の連続式炉を用いることが効率上好ましい。
平均粒径の測定は日機装株式会社製ナノトラック粒度分布測定装置「型式 UPA−EX150」を用いて測定し、単分散かどうかは、この値とSEM観察結果とを比較して確認した。
ハイレート放電特性については、下記の電池作製により製造したコインセルを用いて0.1C充電、2C放電を行った際の放電容量値と規定し、各例で測定した値(2C電池容量)を、後述する従来例の値を100とした相対値として求めた。
活物質粉末90wt%にアセチレンブラック5wt%およびPVDF(ポリ沸化ビニリデン)5wt%を混合し、NMP(n-メチルピロリドン)を加えペースト化した。これを20μm厚のアルミニウム箔に乾燥後の活物質重量が0.05g/cm2になるように塗布し、120℃で真空乾燥を行い、直径1cmの円板状に打ち抜いて正極とした。負極としてリチウム金属を、電解液には1モルのLiClO4を支持塩とするエチレンカーボネート(EC)とジエチルカーボネート(DEC)の等量混合溶液を用いた。ポリエチレンからなるセパレータに電解液を染み込ませ、露点が−80℃に管理されたAr雰囲気のグローブボックス中で、2032型のコイン電池を作成した。作成した電池は24時間程度放置し、OCVが安定した後カットオフ電圧4.3〜3.0Vで充放電試験を実施した。
塊状のNi0.82Co0.15Al0.03(OH)2の組成からなるニッケル含有水酸化物原料を粉砕して得た粉末1molを原料とし、これを反応槽内の水酸化ナトリウム水溶液(2.5mol/200cc)に懸濁させ十分攪拌させた後、反応槽の温度を140℃に保温し浴温が同温度に到達後30分保持し、その後冷却してニッケル含有水酸化物の粉末を得た。得られた粉末は平均粒子径1.6μmで単分散状態であった。また、組成はニッケル含有水酸化物原料と同じであった。
次に、得られた粉末を水酸化リチウム一水和物とスパルタンリューザーにてLi/(Ni+Co+Al)モル比=1.02となるよう混合し、760℃で炭酸ガス吸着設備と乾燥設備を通した工業用酸素気流中で24時間焼成を行った。得られた焼成物を解砕後、網目50μmの超音波篩で分級して粗大ゴミを除去し、篩下を真空乾燥して製品であるリチウム複合ニッケル酸化物を製造した。
得られたリチウム複合ニッケル酸化物の化学組成はLi1.02Ni0.818Co0.149Al0.033O2で有り、平均粒子径は1.5μmで単分散状態であった。
このリチウム複合ニッケル酸化物を用いて電池を作成し、電池容量を求めたところ、2C電池容量(相対比)は120であった。
水酸化ナトリウムの量をニッケル含有水酸化物原料粉末1molに対して1molとし、反応槽の温度を100℃とした以外は実施例1と同様にして平均粒子径0.7μmで単分散のニッケル含有水酸化物を得た。
次に、これを用いて実施例1と同様にしてリチウム複合ニッケル酸化物を製造した。
得られたリチウム複合ニッケル酸化物の化学組成はLi1.02Ni0.821Co0.150Al0.029O2で有り、平均粒子径は0.6μmで単分散状態であった。
このリチウム複合ニッケル酸化物を用いて電池を作成し、電池容量を求めたところ、2C電池容量(相対比)は126であった。
水酸化ナトリウムの量をニッケル含有水酸化物原料粉末1molに対して5molとし、反応槽の温度を180℃とした以外は実施例1と同様にして平均粒子径2.9μmで単分散のニッケル含有水酸化物を得た。
次に、これを用いて実施例1と同様にしてリチウム複合ニッケル酸化物を製造した。
得られたリチウム複合ニッケル酸化物の化学組成はLi1.02Ni0.821Co0.150Al0.029O2で有り、平均粒子径は2.9μmで単分散状態であった。
このリチウム複合ニッケル酸化物を用いて電池を作成し、電池容量を求めたところ、2C電池容量(相対比)は115であった。
水酸化ナトリウムの量をニッケル含有水酸化物原料粉末1molに対して1molとし、反応槽の温度を100℃とし、保持時間を120分とした以外は実施例1と同様にして平均粒子径1.3μmで単分散のニッケル含有水酸化物を得た。
次に、これを用いて実施例1と同様にしてリチウム複合ニッケル酸化物を製造した。得られたリチウム複合ニッケル酸化物の化学組成はLi1.02Ni0.821Co0.150Al0.029O2で有り、平均粒子径は1.4μmで単分散状態であった。
このリチウム複合ニッケル酸化物を用いて電池を作成し、電池容量を求めたところ、2C電池容量(相対比)は122であった。
水酸化ナトリウムの量をニッケル含有水酸化物原料粉末1molに対して1.5molとし、反応槽の温度を140℃とし、保持時間を60分とした以外は実施例1と同様にして平均粒子径1.7μmで単分散のニッケル含有水酸化物を得た。
次に、これを用いて実施例1と同様にしてリチウム複合ニッケル酸化物を製造した。得られたリチウム複合ニッケル酸化物の化学組成はLi1.02Ni0.821Co0.150Al0.029O2で有り、平均粒子径は1.7μmで単分散状態であった。
このリチウム複合ニッケル酸化物を用いて電池を作成し、電池容量を求めたところ、2C電池容量(相対比)は120であった。
水酸化ナトリウムの量をニッケル含有水酸化物原料粉末1molに対して5molとし、反応槽の温度を90℃とし、保持時間を120分とした以外は実施例1と同様にして平均粒子径0.9μmで単分散のニッケル含有水酸化物を得た。
次に、これを用いて実施例1と同様にしてリチウム複合ニッケル酸化物を製造した。
得られたリチウム複合ニッケル酸化物の化学組成はLi1.02Ni0.821Co0.150Al0.029O2で有り、平均粒子径は0.9μmで単分散状態であった。
このリチウム複合ニッケル酸化物を用いて電池を作成し、電池容量を求めたところ、2C電池容量(相対比)は125であった。
本例は反応温度が高い場合の比較例に相当するものである。
水酸化ナトリウムの量をニッケル含有水酸化物原料粉末1molに対して2.5molとし、反応槽の温度を220℃とし、保持時間を60分とした以外は実施例1と同様にして平均粒子径5.2μmで単分散のニッケル含有水酸化物を得た。
次に、これを用いて実施例1と同様にしてリチウム複合ニッケル酸化物を製造した。得られたリチウム複合ニッケル酸化物の化学組成はLi1.02Ni0.820Co0.151Al0.029O2で有り、平均粒子径は5.1μmで単分散状態であった。
このリチウム複合ニッケル酸化物を用いて電池を作成し、電池容量を求めたところ、2C電池容量(相対比)は98と低かった。
本例は保持時間が短い場合の比較例に相当するものである。
水酸化ナトリウムの量をニッケル含有水酸化物原料粉末1molに対して2.5molとし、反応槽の温度を140℃とし、保持時間を20分とした以外は実施例1と同様にして行ったが単分散とならず原料凝集塊が多く残るニッケル含有水酸化物を得た。
本例は保持時間が長い場合の比較例に相当するものである。
水酸化ナトリウムの量をニッケル含有水酸化物原料粉末1molに対して2.5molとし、反応槽の温度を140℃とし、保持時間を150分とした以外は実施例1と同様にして長径4μmの単分散の板状ニッケル含有水酸化物を得た。
実施例1で得られた平均粒子径1.6μmで単分散のニッケル含有水酸化物粉末を水酸化リチウム一水和物とスパルタンリューザーにてLi/(Ni+Co+Al)モル比=1.02となるよう混合し、680℃で炭酸ガス吸着設備と乾燥設備を通した工業用酸素気流中で24時間焼成を行った以外は、実施例1と同様にしてリチウム複合ニッケル酸化物を製造した。
得られたリチウム複合ニッケル酸化物の化学組成はLi1.02Ni0.821Co0.150Al0.029O2で有り、平均粒子径は1.6μmで単分散状態であった。
このリチウム複合ニッケル酸化物を用いて電池を作成し、電池容量を求めたところ、2C電池容量(相対比)は114であった。
実施例1で得られた平均粒子径1.6μmで単分散のニッケル含有水酸化物粉末を水酸化リチウム一水和物とスパルタンリューザーにてLi/(Ni+Co+Al)モル比=1.02となるよう混合し、800℃で炭酸ガス吸着設備と乾燥設備を通した工業用酸素気流中で24時間焼成を行った以外は、実施例1と同様にしてリチウム複合ニッケル酸化物を製造した。
得られたリチウム複合ニッケル酸化物の化学組成はLi1.02Ni0.821Co0.150Al0.029O2で有り、平均粒子径は1.8μmで単分散状態であった。
このリチウム複合ニッケル酸化物を用いて電池を作成し、電池容量を求めたところ、2C電池容量(相対比)は116であった。
本例は、焙焼時の雰囲気を空気中とした比較例に相当する。
実施例1で得られた平均粒子径1.6μmで単分散のニッケル含有水酸化物粉末を水酸化リチウム一水和物とスパルタンリューザーにてLi/(Ni+Co+Al)モル比=1.02となるよう混合し、680℃で空気を流しつつ24時間焼成を行った以外は、実施例1と同様にしてリチウム複合ニッケル酸化物を製造した。
得られたリチウム複合ニッケル酸化物の化学組成はLi1.02Ni0.821Co0.150Al0.029O2で有り、平均粒子径は1.6μmで単分散状態であった。
このリチウム複合ニッケル酸化物を用いて電池を作成し、電池容量を求めたところ、2C電池容量(相対比)は88であった。
本例は、焙焼時の温度を低くした比較例に相当する。
実施例1で得られた平均粒子径1.6μmで単分散のニッケル含有水酸化物粉末を水酸化リチウム一水和物とスパルタンリューザーにてLi/(Ni+Co+Al)モル比=1.02となるよう混合し、600℃で炭酸ガス吸着設備と乾燥設備を通した工業用酸素気流中で24時間焼成を行った以外は、実施例1と同様にしてリチウム複合ニッケル酸化物を製造した。
得られたリチウム複合ニッケル酸化物の化学組成はLi1.02Ni0.820Co0.149Al0.031O2で有り、平均粒子径は1.6μmで単分散状態であった。
このリチウム複合ニッケル酸化物を用いて電池を作成し、電池容量を求めたところ、2C電池容量(相対比)は92であった。
本例は、焙焼時の温度を高くした比較例に相当する。
実施例1で得られた平均粒子径1.6μmで単分散のニッケル含有水酸化物粉末を水酸化リチウム一水和物とスパルタンリューザーにてLi/(Ni+Co+Al)モル比=1.02となるよう混合し、900℃で炭酸ガス吸着設備と乾燥設備を通した工業用酸素気流中で24時間焼成を行った以外は、実施例1と同様にしてリチウム複合ニッケル酸化物を製造した。
得られたリチウム複合ニッケル酸化物の化学組成はLi1.02Ni0.820Co0.149Al0.031O2で有り、平均粒子径は2.0μmで単分散状態であった。
このリチウム複合ニッケル酸化物を用いて電池を作成し、電池容量を求めたところ、2C電池容量(相対比)は90であった。
水酸化リチウム一水和物の代わりに酸化リチウムを用いた以外は実施例1と同様にしてリチウム複合ニッケル酸化物を製造した。得られたリチウム複合ニッケル酸化物の化学組成はLi1.02Ni0.821Co0.150Al0.029O2で有り、平均粒子径は1.5μmで単分散状態であった。
このリチウム複合ニッケル酸化物を用いて電池を作成し、電池容量を求めたところ、2C電池容量(相対比)は120であった。
水酸化リチウム一水和物の代わりに塩化リチウムを用いた以外は実施例1と同様にしてリチウム複合ニッケル酸化物を製造した。得られたリチウム複合ニッケル酸化物の化学組成はLi1.02Ni0.820Co0.148Al0.032O2で有り、平均粒子径は1.4μmで単分散状態であった。
このリチウム複合ニッケル酸化物を用いて電池を作成し、電池容量を求めたところ、2C電池容量(相対比)は121であった。
水酸化リチウム一水和物の代わりに炭酸リチウムを用いた以外は実施例1と同様にしてリチウム複合ニッケル酸化物を製造した。得られたリチウム複合ニッケル酸化物の化学組成はLi1.02Ni0.821Co0.149Al0.030O2で有り、平均粒子径は1.5μmで単分散状態であった。
このリチウム複合ニッケル酸化物を用いて電池を作成し、電池容量を求めたところ、2C電池容量(相対比)は120であった。
水酸化リチウム一水和物の代わりに硝酸リチウムを用いた以外は実施例1と同様にしてリチウム複合ニッケル酸化物を製造した。得られたリチウム複合ニッケル酸化物の化学組成はLi1.02Ni0.820Co0.150Al0.030O2で有り、平均粒子径は1.6μmで単分散状態であった。
このリチウム複合ニッケル酸化物を用いて電池を作成し、電池容量を求めたところ、2C電池容量(相対比)は120であった。
ニッケル含有水酸化物原料を、Ni0.845Co0.155(OH)2の組成のものに変更した以外は実施例1と同様にして平均粒子径1.7μmで単分散のニッケル含有水酸化物を得た。
次に、これを用いて実施例1と同様にしてリチウム複合ニッケル酸化物を製造した。得られたリチウム複合ニッケル酸化物の化学組成はLi1.02Ni0.845Co0.155O2で有り、平均粒子径は1.6μmで単分散状態であった。
このリチウム複合ニッケル酸化物を用いて電池を作成し、電池容量を求めたところ、2C電池容量(相対比)は128であった。
実施例1で得られたニッケル含有水酸化物を、一度スラリー濃度300g/Lとなるよう純水に懸濁させ、これにNi0.82:Co0.15:Al0.03の組成になるようアルミン酸ナトリウムを溶解させ更に硫酸で中和することで得られたAl(OH)3が粒子表面に付着したニッケル含有水酸化物にし、水酸化リチウム一水和物と混合した以外は全て実施例19と同様にしてリチウム複合ニッケル酸化物を製造した。得られたリチウム複合ニッケル酸化物の化学組成はLi1.02Ni0.822Co0.149Al0.029O2で有り、平均粒子径は1.6μmで単分散状態であった。
このリチウム複合ニッケル酸化物を用いて電池を作成し、電池容量を求めたところ、2C電池容量(相対比)は120であった。
実施例1で得られたニッケル含有水酸化物を、Ni0.82:Co0.15:Al0.03の組成になるようAl2O3をメカノフュージョンにより粒子表面に付着したニッケル含有水酸化物にし、水酸化リチウム一水和物と混合した以外は全て実施例19と同様にしてリチウム複合ニッケル酸化物を製造した。得られたリチウム複合ニッケル酸化物の化学組成はLi1.02Ni0.821Co0.150Al0.029O2で有り、平均粒子径は1.5μmで単分散状態であった。
このリチウム複合ニッケル酸化物を用いて電池を作成し、電池容量を求めたところ、2C電池容量(相対比)は121であった。
実施例1で得られたニッケル含有水酸化物粉末を水酸化リチウム一水和物と混合する前にサブミクロンまで微粉砕したAl(OH)3とNi0.82:Co0.15:Al0.03の組成になるようにしたニッケル含有水酸化物にし、これと水酸化リチウム一水和物と混合した以外は全て実施例19と同様にしてリチウム複合ニッケル酸化物を製造した。得られたリチウム複合ニッケル酸化物の化学組成はLi1.02Ni0.821Co0.150Al0.029O2で有り、平均粒子径は1.5μmで単分散状態であった。
このリチウム複合ニッケル酸化物を用いて電池を作成し、電池容量を求めたところ、2C電池容量(相対比)は119であった。
実施例1で得られたニッケル含有水酸化物を水酸化リチウム一水和物と混合する前に一度400℃大気雰囲気にて焙焼しニッケル含有酸化物に変更した以外は実施例1と同様の方法にてリチウムニッケル複合酸化物を製造した。得られたリチウム複合ニッケル酸化物の化学組成はLi1.02Ni0.820Co0.150Al0.030O2で有り、平均粒子径は1.4μmで単分散状態であった。
このリチウム複合ニッケル酸化物を用いて電池を作成し、電池容量を求めたところ、2C電池容量(相対比)は119であった。
実施例1で得られたニッケル含有水酸化物を水酸化リチウム一水和物と混合する前に一度900℃大気雰囲気にて焙焼しニッケル含有酸化物に変更した以外は実施例1と同様の方法にてリチウムニッケル複合酸化物を製造した。得られたリチウム複合ニッケル酸化物の化学組成はLi1.02Ni0.821Co0.151Al0.028O2で有り、平均粒子径は1.4μmで単分散状態であった。
このリチウム複合ニッケル酸化物を用いて電池を作成し、電池容量を求めたところ、2C電池容量(相対比)は120であった。
実施例1で得られたニッケル含有水酸化物を水酸化リチウム一水和物と混合する前に一度650℃大気雰囲気にて焙焼しニッケル含有酸化物に変更した以外は実施例1と同様の方法にてリチウムニッケル複合酸化物を製造した。得られたリチウム複合ニッケル酸化物の化学組成はLi1.02Ni0.821Co0.151Al0.028O2で有り、平均粒子径は1.4μmで単分散状態であった。
このリチウム複合ニッケル酸化物を用いて電池を作成し、電池容量を求めたところ、2C電池容量(相対比)は120であった。
得られたニッケル含有水酸化物を水酸化リチウム一水和物と混合する前に一度300℃大気雰囲気にて焙焼しニッケル含有酸化物に変更した以外は全て実施例1同様の方法にてリチウムニッケル複合酸化物を製造した。
得られたリチウム複合ニッケル酸化物の化学組成はLi1.03Ni0.821Co0.151Al0.028O2で有り、平均粒子径は1.4μmで単分散状態であった。
このリチウム複合ニッケル酸化物を用いて電池を作成し、電池容量を求めたところ、2C電池容量(相対比)は120であった。
ただし、本実施については合成するにあたり、組成の制御が非常に困難である。
得られたニッケル含有水酸化物を水酸化リチウム一水和物と混合する前に一度1000℃大気雰囲気にて焙焼しニッケル含有酸化物に変更した以外は全て実施例1と同様の方法にてリチウムニッケル複合酸化物を製造した。
得られたリチウム複合ニッケル酸化物の化学組成はLi1.02Ni0.819Co0.149Al0.032O2で異相が確認でき、電池材料として用いることの出来ないものであった。
Ni0.845Co0.155(OH)2の組成からなるニッケル含有水酸化物原料を用い、得られたニッケル含有水酸化物が平均粒径が1.7μmとなった以外は実施例1と同様にしてリチウム複合ニッケル酸化物を製造した。得られたリチウム複合ニッケル酸化物の化学組成はLi1.02Ni0.844Co0.156O2で有り、平均粒子径は1.7μmで単分散状態であった。
このリチウム複合ニッケル酸化物を用いて電池を作成し、電池容量を求めたところ、2C電池容量(相対比)は129であった。
実施例27で得られたニッケル含有水酸化物を、一度スラリー濃度300g/Lとなるよう純水に懸濁させ、これにNi0.82:Co0.15:Al0.03の組成になるようアルミン酸ナトリウムを溶解させ更に硫酸で中和することで得られたAl(OH)3が粒子表面に付着したニッケル含有水酸化物とし、これを用いた以外は実施例28と同様にしてリチウム複合ニッケル酸化物を製造した。
得られたリチウム複合ニッケル酸化物の化学組成はLi1.02Ni0.819Co0.149Al0.032O2で有り、平均粒子径は1.5μmで単分散状態であった。
このリチウム複合ニッケル酸化物を用いて電池を作成し、電池容量を求めたところ、2C電池容量(相対比)は121であった。
(実施例29)
得られたニッケル含有水酸化物を、Ni0.82:Co0.15:Al0.03の組成になるようAl2O3をメカノフュージョンにより粒子表面に付着させたニッケル含有水酸化物とし、これを用いた以外は実施例28と同様にしてリチウム複合ニッケル酸化物を製造した。
得られたリチウム複合ニッケル酸化物の化学組成はLi1.02Ni0.820Co0.150Al0.030O2で有り、平均粒子径は1.4μmで単分散状態であった。
このリチウム複合ニッケル酸化物を用いて電池を作成し、電池容量を求めたところ、2C電池容量(相対比)は119であった。
得られたニッケル含有水酸化物粉末を水酸化リチウム一水和物と混合する前にサブミクロンまで微粉砕した水酸化アルミニウムとNi0.82:Co0.15:Al0.03の組成になるよう混合した以外は実施例28と同様にしてリチウム複合ニッケル酸化物を製造した。得られたリチウム複合ニッケル酸化物の化学組成はLi1.02Ni0.818Co0.151Al0.031O2で有り、平均粒子径は1.4μmで単分散状態であった。
このリチウム複合ニッケル酸化物を用いて電池を作成し、電池容量を求めたところ、2C電池容量(相対比)は118であった。
Ni0.82Co0.15Al0.03(OH)2の組成になるよう硫酸ニッケルと硫酸コバルトを混合した水溶液、アルミン酸ナトリウム水溶液、アンミン錯塩を形成させるアンモニア水、pH調整用に苛性ソーダ等を同時に反応槽中に滴下してニッケル含有水酸化物を得る従来の晶析法にてニッケル含有水酸化物を得た。反応温度は50℃とし、pHは11とし、滞留時間を8時間とした。得られたニッケル含有水酸化物の組成はNi0.82Co0.15Al0.03(OH)2で有り、一次粒子が凝集して2次粒子を構成している球状のニッケル含有水酸化物であった。
これを用いた以外は実施例1と同様にしてリチウムニッケル複合酸化物を製造した。
得られたリチウム複合ニッケル酸化物の化学組成はLi1.02Ni0.821Co0.149Al0.030O2で有り、一次粒子が凝集して二次粒子を構成したものであり、二次粒子の平均粒子径は11.1μmとなっていた。
このリチウム複合ニッケル酸化物を用いて電池を作成し、電池容量を求め、この値を100とし、他実施例の良否判定基準とした。
Claims (4)
- 一般式(1):NiM(OH) 2 (式中MはCo、Alのうち少なくとも1種以上の元素を示す。)に示され、かつ単分散の一次粒子であり、動的光散乱法測定による平均粒径が3μm以下であるニッケル含有水酸化物、あるいは前記ニッケル含有水酸化物を300〜900℃で焙焼して得られ、一般式(2):NiMO(式中MはCo、Alのうち少なくとも1種以上の元素を示す。)に示され、かつ単分散の一次粒子であり、動的光散乱法測定による平均粒径が3μm以下であるニッケル含有酸化物の内の少なくとも1種とリチウム化合物とを混合し、炭酸ガスを含まない乾燥状態の含酸素雰囲気中において680〜800℃で焙焼して得られるものであって、下記一般式(3)に示され、かつ単分散の一次粒子であり、動的光散乱法測定による平均粒径が3μm以下であることを特徴とするリチウム複合ニッケル酸化物。
一般式(3):LiNiMO 2
(式中MはCo、Alのうち少なくとも1種以上の元素を示す。) - 前記ニッケル含有水酸化物と前記ニッケル含有酸化物の内の少なくとも1種とリチウム化合物とを混合し、炭酸ガスを含まない乾燥状態の含酸素雰囲気中において680〜800℃で焙焼することを特徴とする請求項1記載のリチウム複合ニッケル酸化物の製造方法。
- 前記680〜800℃で焙焼するに際して、前記ニッケル含有水酸化物と前記ニッケル含有酸化物の内の少なくとも1種と、リチウム化合物、および水酸化アルミニウム、酸化アルミニウムの内の少なくとも1つとを混合して焙焼することを特徴とする請求項2記載のリチウム複合ニッケル酸化物の製造方法。
- リチウム化合物としてリチウムの水酸化物、酸化物、塩化物、炭酸塩、硝酸塩の内から選ばれる少なくとも1つを用いることを特徴とする請求項2又は3記載のリチウム複合ニッケル酸化物の製造方法。
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