JP5589576B2 - 半導体装置の製造方法及び半導体基板 - Google Patents

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Description

本発明は、半導体装置の製造方法及び半導体基板に関する。
LSI等の半導体装置の製造工程では、半導体基板に複数の半導体素子を形成した後、ダイシングによって半導体基板を切断することにより、半導体基板を半導体素子毎に個片化する。
ダイシングは、半導体基板のスクライブ領域に沿ってダイシングブレードを当てることにより行うのが従来からの手法であったが、近年ではレーザー光を用いてダイシングを行う手法も採用されつつある。
ダイシングブレードとレーザー光のどちらを利用する場合でも、切断後の半導体素子に発生する不良を抑制するのが好ましい。
特開2004−188475号公報 特開2006−140311号公報 特開2004−221286号公報 特開2005−101181号公報 特開2005−116844号公報 特開平9−59765号公報 特開2008−305551号公報
四分一 敬、他2名、"フラクタクル構造による超撥水表面(2)"、インターネット<URL: http://www.asahi-net.or.jp1〜gt6s-sbic/chem/confernce/colloid95/index. html> "ナノ構造制御により親水性表面を超撥水表面へ"、インターネット<URL: http://www.aist.go.jp/aistj/aistinfo/aist-today/vol06-01/p26.html> "Plasma System "TAIKAI""、インターネット<URL: http://www.eu.ebara.com/technical/vol84-01.html>
半導体装置の製造方法及び半導体基板において、半導体素子の信頼性を維持することを目的とする。
以下の開示の一観点によれば、複数の半導体素子領域が形成された半導体基板のスクライブ領域の多層膜上に、中央部の厚さが端面より厚く、帯状で、レーザー光を透過する部材からなる2本の並行する保護膜を形成する工程と、前記2本の保護膜のそれぞれにレーザー光を照射して、前記スクライブ領域の前記多層膜を除去する工程とを含む半導体装置の製造方法が提供される。また、半導体基板の半導体素子領域の多層膜上方に疎水性膜を形成する工程と、前記疎水性膜を形成した後、前記半導体基板のスクライブ領域の多層膜上方に、中央部の厚さが端面より厚く、帯状で、レーザー光を透過する部材からなる保護膜を形成する工程と、前記保護膜にレーザー光を照射して、前記スクライブ領域の前記多層膜を除去する工程とを含む半導体装置の製造方法が提供される。
また、その開示の他の観点によれば、複数の半導体素子領域が形成され、スクライブ領域の多層膜上に、中央部の厚さが端面より厚く、帯状で、レーザー光を透過する部材からなる2本の並行する保護膜が形成されている半導体基板が提供される。また、半導体素子領域の多層膜上方に疎水性膜が形成され、スクライブ領域の多層膜上方に、中央部の厚さが端面より厚く、帯状で、レーザー光を透過する部材からなる保護膜が形成されている半導体基板が提供される。
以下の開示によれば、保護膜がレーザー光を集光するレンズとして機能するため、保護膜を透過したレーザー光のスポット径が安定する。その結果、レーザー光の照射によって多層膜に形成される溝の幅も安定し、当該溝の側壁がダイシングブレードに接触するのを防止できる。
図1は、予備的事項に係る半導体装置の製造途中の断面図(その1)である。 図2は、予備的事項に係る半導体装置の製造途中の断面図(その2)である。 図3は、予備的事項に係る半導体装置の製造途中の断面図(その3)である。 図4は、予備的事項に係る半導体装置の製造途中の断面図(その4)である。 図5は、予備的事項に係る半導体装置の製造途中の断面図(その5)である。 図6は、予備的事項に係る半導体装置の製造途中の断面図(その6)である。 図7は、予備的事項に係る半導体装置の製造方法の問題点について説明するための断面図である。 図8は、予備的事項に係る半導体装置の製造方法において、レーザーのスポット径がばらつくことを示す平面図である。 図9は、予備的事項に係る半導体装置の製造方法において、レーザーにより多層膜に溝を形成したときの断面図である。 図10は、予備的事項に係る半導体装置の製造方法において、ダイシングブレードを用いたダイシングについて説明するための平面図である。 図11は、第1実施形態に係る半導体装置の製造途中の断面図(その1)である。 図12は、第1実施形態に係る半導体装置の製造途中の断面図(その2)である。 図13は、第1実施形態に係る半導体装置の製造途中の断面図(その3)である。 図14は、第1実施形態に係る半導体装置の製造途中の断面図(その4)である。 図15は、第1実施形態に係る半導体装置の製造途中の断面図(その5)である。 図16は、第1実施形態に係る半導体装置の製造途中の断面図(その6)である。 図17は、第1実施形態に係る半導体装置の製造途中の平面図(その1)である。 図18は、第1実施形態に係る半導体装置の製造途中の平面図(その2)である。 図19は、第1実施形態に係る半導体装置の製造途中の平面図(その3)である。 図20は、第1実施形態に係る半導体装置の製造途中の平面図(その4)である。 図21は、第1実施形態に係る半導体装置の製造途中の平面図(その5)である。 図22は、第1実施形態に係る半導体装置の製造途中の斜視図である。 図23は、第2実施形態に係る半導体装置の製造途中の断面図(その1)である。 図24は、第2実施形態に係る半導体装置の製造途中の断面図(その2)である。 図25は、第2実施形態に係る半導体装置の製造途中の断面図(その3)である。 図26は、第2実施形態に係る半導体装置の製造途中の断面図(その4)である。 図27は、第2実施形態に係る半導体装置の製造途中の断面図(その5)である。 図28は、第3実施形態に係る半導体装置の製造途中の断面図(その1)である。 図29は、第3実施形態に係る半導体装置の製造途中の断面図(その2)である。 図30は、第3実施形態に係る半導体装置の製造途中の断面図(その3)である。 図31は、第3実施形態に係る半導体装置の製造途中の断面図(その4)である。 図32は、第3実施形態に係る半導体装置の製造途中の断面図(その5)である。 図33は、第3実施形態に係る半導体装置の製造途中の断面図(その6)である。 図34は、第4実施形態に係る半導体装置の製造途中の断面図(その1)である。 図35は、第4実施形態に係る半導体装置の製造途中の断面図(その2)である。 図36は、第4実施形態に係る半導体装置の製造途中の断面図(その3)である。 図37は、第4実施形態に係る半導体装置の製造途中の断面図(その4)である。 図38は、第5実施形態に係る半導体装置の製造途中の断面図(その1)である。 図39は、第5実施形態に係る半導体装置の製造途中の断面図(その2)である。 図40は、第5実施形態に係る半導体装置の製造途中の断面図(その3)である。 図41は、第5実施形態に係る半導体装置の製造途中の断面図(その4)である。 図42は、第6実施形態において、パシベーション膜の窓内の全領域に保護膜を形成した場合の断面図である。 図43は、図42のようにパシベーション膜の窓内の全領域に保護膜を形成した場合の斜視図である。 図44は、第6実施形態において、パシベーション膜の上面よりも保護膜の上面の端部を低くした場合の断面図である。 図45は、第6実施形態において、パシベーション膜の窓を完全に埋める厚さに保護膜を形成した場合の断面図である。 図46は、第7実施形態に係る半導体装置の製造途中の断面図(その1)である。 図47は、第7実施形態に係る半導体装置の製造途中の断面図(その2)である。 図48は、第7実施形態に係る半導体装置の製造途中の断面図(その3)である。 図49は、第7実施形態に係る半導体装置の製造途中の断面図(その4)である。 図50は、第7実施形態に係る半導体装置の製造途中の断面図(その5)である。 図51は、第8実施形態に係る半導体装置の製造途中の断面図(その1)である。 図52は、第8実施形態に係る半導体装置の製造途中の断面図(その2)である。 図53は、第8実施形態に係る半導体装置の製造途中の断面図(その3)である。 図54は、第8実施形態に係る半導体装置の製造途中の断面図(その4)である。 図55は、第8実施形態に係る半導体装置の製造途中の断面図(その5)である。 図56は、第8実施形態に係る半導体装置の製造途中の平面図(その1)である。 図57は、第8実施形態に係る半導体装置の製造途中の平面図(その2)である。 図58は、第8実施形態に係る半導体装置の製造途中の平面図(その3)である。 図59は、第8実施形態に係る半導体装置の製造途中の平面図(その4)である。 図60は、第8実施形態において、親水性薄膜と疎水性薄膜とを形成した半導体装置の製造途中の断面図である。 図61は、第8実施形態において、親水性薄膜と疎水性薄膜とを形成した半導体装置の製造途中の斜視図である。 図62(a)は第9実施形態に係る半導体装置の製造途中の全体平面図(その1)であり、図62(b)はその断面図である。 図63(a)は第9実施形態に係る半導体装置の製造途中の全体平面図(その2)であり、図63(b)はその断面図である。 図64は、第9実施形態において、図63(b)の領域Aを拡大した半導体基板の拡大断面図である。 図65は、第9実施形態において、一つの保護膜とその近傍の拡大断面図である。 図66は、第9実施形態において、レーザーを照射途中の半導体基板の拡大平面図である。 図67は、レーザーを照射した後の図66のX13−X13線に沿う断面図である。 図68は、レーザーを照射した後の図67のY1−Y1線に沿う断面図である。 図69は、第9実施形態において、半導体基板をダイシングするときの断面図である。 図70(a)は第10実施形態に係る半導体装置の製造途中の全体平面図であり、図70(b)はその断面図である。 図71は、第10実施形態において、半導体基板の外周付近の拡大平面図である。 図72(a)は図71のX15−X15線に沿う断面図であり、図72(b)は図71のX16−X16線に沿う断面図である。 図73は、第10実施形態において、レーザーアブレーションの途中における半導体基板の周縁部の拡大平面図である。 図74は、図73のX17−X17線に沿う断面図である。 図75は、レーザーアブレーションを終了した後における図71のX15−X15線に沿う断面図である。
本実施形態の説明に先立ち、基礎となる予備的事項について説明する。
半導体基板をダイシングするとき、ダイシングブレードを利用して半導体基板を機械的に切断する手法が従来より使用されている。
しかし、その切断面に現れる層間絶縁膜は機械的に脆いため、ダイシング時に層間絶縁膜に欠けが発生し、その欠けから水分が浸入して半導体基板の回路が不良になる恐れがある。
特に、酸化シリコンの比誘電率(約4.2)よりも比誘電率が低い低誘電率絶縁膜は、酸化シリコン膜と比較して脆いため、ダイシング時に欠けが発生する危険性が高まる。
そこで、以下のようにレーザーとダイシングブレードとを併用してダイシングを行う手法が考えられる。
図1〜図6は、予備的事項に係る半導体装置の製造途中の断面図である。
まず、図1に示すように、ダイシングの対象となる半導体基板30を用意する。
半導体基板30は、スクライブ領域Rsと、半導体素子が形成される複数の半導体素子領域Rcとを有する。
その半導体基板30を作製するには、まず、シリコン基板1の上に素子分離絶縁膜2としてLOCOS(Local Oxidation of Silicon)法により酸化シリコン膜を形成した後、その素子分離絶縁膜2で画定される活性領域にpウェル3を形成する。
そして、シリコン基板1の活性領域に、ゲート絶縁膜4、ゲート電極5、及びn型ソースドレイン領域6を備えたMOSトランジスタTRを形成する。
その後、MOSトランジスタTRを覆う第1の層間絶縁膜11を形成した後、第1の層間絶縁膜11をパターニングしてコンタクトホールを形成し、そのコンタクトホール内にタングステンを主にしてなる第1の導電性プラグ12を形成する。
次いで、第1の層間絶縁膜11と第1の導電性プラグ12の上に、第1の金属配線13、第2の層間絶縁膜14、第2の金属配線17、第3の層間絶縁膜18、第3の金属配線20、及び第4の層間絶縁膜21をこの順に形成する。
これらのうち、各金属配線13、17、20はアルミニウム膜を含み、上下の金属配線同士はタングステンを主にしてなる第2の導電性プラグ15や第3の導電性プラグ19により電気的に接続される。
また、各層間絶縁膜11、14、18、21の材料としては、酸化シリコン膜や低誘電率絶縁膜がある。このうち、低誘電率絶縁膜としては、例えば、SiOF膜、ポーラス酸化シリコン膜、及びポリアリールエーテル膜等がある。
ここまでの工程により、シリコン基板1の上に、各層間絶縁膜11、14、18、21や各金属配線13、17、20を含む多層膜29が得られる。
その後、その多層膜29の上にポリイミドの塗膜を形成し、それをパターニングすることにより、スクライブ領域Rsに窓25aを備えたパッシベーション膜25を形成する。
なお、ポリイミドの塗膜に代えて、酸化シリコン膜や窒化シリコン膜をパシベーション膜25と形成してもよい。
次いで、図2に示すように、半導体基板30の上側全面に保護膜31としてPVA(ポリビニルアルコール)の塗膜を形成した後、保護膜31を熱硬化させる。
この保護膜31は、後の工程で多層膜29にレーザーを照射するときに、レーザーの熱で蒸散した多層膜29の材料がパッシベーション膜25上に付着するのを防止する役割を担う。
そして、図3に示すように、保護膜31を通じて半導体基板30にレーザー光Lを照射する。
これにより、図4に示すように、保護膜31、多層膜29、及び素子分離絶縁膜2がレーザー光Lの熱により蒸散してこれらの膜に溝33が形成されると共に、その溝33の底部にシリコン基板1の表面が露出する。
このようにレーザー光Lにより多層膜29を蒸散させる工程を以下ではレーザーアブレーションとも呼ぶ。
そのレーザーアブレーションに先立ち、予め半導体基板30上に保護膜31を形成したので、蒸散した多層膜29の材料がパッシベーション膜25上に再付着してパッシベーション膜25の信頼性が低下するのを防止できる。
次いで、図5に示すように、上記のレーザーダイシングによってスクライブ領域Rsに露出したシリコン基板1にダイシングブレードDを当て、スクライブ領域Rsにおけるシリコン基板1を機械的に切断する。
既述のように、レーザーアブレーションによりスクライブ領域Rsにおける多層膜29を予め除去したことで、本工程ではダイシングブレードDが多層膜29に触れるのを防止できる。これにより、ダイシングブレードDとの接触が原因で多層膜29に欠けが発生する危険性を低くできる。
このようにしてダイシングを終了すると、図6に示すように、半導体基板30が半導体素子30a毎に個片化され、本例の基本工程を終える。
以上の例では、ダイシングブレードDによるダイシング(図5)に先立ち、レーザアブレーション(図4)によりスクライブ領域Rsにおける多層膜29を除去するので、ダイシングブレードDとの接触が原因の欠けが多層膜29に生じるのを抑制できる。
しかしながら、この手法には以下のような問題がある。
図7は、その問題を説明するための断面図である。
上記のように、保護膜31は、レーザー光Lにより蒸散した材料がパッシベーション膜25に再付着するのを防止する役割を担うものであるが、その上面は下地の凹凸に倣った形状となるため、図7のように起伏が生じることがある。
この状態で保護膜31にレーザー光Lを照射すると、保護膜31の上面の起伏がレンズのように機能し、多層膜29の表面上でのレーザー光Lのスポット径Dsが場所によってばらつく。
図8は、そのようなスポット径Dsのばらつきを示す平面図であって、先の図7は図8のX1−X1線に沿う断面に相当する。
図8に示すように、レーザーダイシングのときにはスクライブ領域Rsにスポット状にレーザー光Lを照射するが、レーザー光Lのスポット径Dsがスクライブ領域Rsの場所によってばらついている。
図9は、図8のようにレーザー光Lを照射して多層膜29を蒸散させた後の平面図である。
上記のようにスポット径Dsがばらつくことで、レーザー光Lの照射によりこれらの層間絶縁膜に形成される溝33の幅Wtも場所によりばらつく。
図10は、溝33の形成後にダイシングブレードDを用いて行われるダイシングの平面図である。
溝33の幅Wtがばらついていることから、スクライブ領域Rsの場所によっては幅WtがダイシングブレードDの幅Wdより狭い部分があり、この部分では多層膜29とダイシングブレードDとが接触してしまう。
こうなると、ダイシングブレードDと接触した部分の多層膜29に欠けが発生し、これがきっかけで多層膜29の層間絶縁膜11、14、18、21が剥離する恐れが生じてしまう。
なお、ダイシングブレードDと多層膜29とが接触するのを防止するためにスポット径Dsを大きくすることも考えられる。
しかし、スクライブ領域Rsの幅を超えてスポット径Dsを大きくすると、レーザー光Lによってパシベーション膜25が損傷を受けてしまうので、スポット径Dsの拡大には限度がある。
本願発明者は、このような知見に鑑みて、以下に説明するような実施形態に想到した。
(第1実施形態)
図11〜図16は本実施形態に係る半導体装置の製造途中の断面図であり、図17〜図21はその平面図である。
なお、これらの図において、予備的事項において説明したのと同じ要素には予備的事項と同じ符号を付し、以下ではその説明を省略する。
まず、図11に示すように、最上層にパシベーション膜25が形成された半導体基板30を用意する。そのパシベーション膜25はスクライブ領域Rsに窓25aを備え、その窓25aから多層膜29が露出する。
図17はこの半導体基板30の平面図であり、先の図11は図17のX2−X2線に沿う断面に相当する。
次いで、図12に示すように、不図示のデスペンサーを利用して窓25a内にPVAを塗布し、それを約150〜160℃の温度で熱硬化させて保護膜35とする。その保護膜35は、PVAの表面張力によって中央部35cにおける厚さが端面35eにおける厚さよりも厚い凸レンズ形状となる。
また、PVAはレーザーグルービングで使用するレーザーを透過する材料であって、保護膜35の材料として好適である。
なお、保護膜35に異物が取り込まれるのを防止するために、クリーンルーム等のようなクリーン環境内でPVAの塗布を行うのが好ましい。これについては、後述の各実施形態でも同様である。
図18は、この半導体基板30の平面図であり、先の図12は図18のX3−X3線に沿う断面に相当する。
また、図22は、本工程を終了後の斜視図である。
図22に示されるように、保護膜35は、スクライブ領域Rsの延在方向Dに長い帯状の平面形状を有する。
次に、図13に示すように、保護膜35を通じて多層膜29にレーザー光Lを照射し、多層膜29に対するレーザーグルービングを開始する。
レーザー光Lの種類は特に限定されないが、本実施形態では波長が約300nm〜400nmでパワーが3.0〜4.0Wのパルスレーザーを使用する。また、そのパルスレーザーの照射間隔は、数ナノ秒〜数フェムト秒とする。
このとき、レーザー光Lが照射される部分の多層膜29を保護膜35で覆ってあるので、レーザー光Lの熱により蒸散した多層膜29の材料が基板横方向に飛散し難くなり、その材料がパシベーション膜25上に再付着し難くなる。
更に、本工程では、保護膜35が凸レンズ状となっているため、レーザー光Lが多層膜29の表面に効率的に集光され、多層膜29の表面におけるレーザー光Lのスポット径DSのばらつきが抑制される。
例えば、レーザー光Lが平行光であって、保護膜35の屈折率が1.5でその表面の曲率半径が2.5μmのとき、保護膜35は焦点距離fが約5μmの凸レンズとして機能し、多層膜29の表面上でのスポット径DSは1μm程度の値に安定する。
なお、保護膜35の焦点距離fは、保護膜35の屈折率nと曲率半径rとを利用して、f=(n-1)/rで近似できる。
図19はレーザー光Lの照射位置について説明するための平面図であって、先の図13は図19のX4−X4線に沿う断面図に相当する。
図19に示されるように、レーザー光Lは、スクライブ領域Rsの延在方向Dに平行な保護膜35の延在方向に沿って所定の間隔をもってスポット状に照射される。そして、レーザー光Lのスポット径DSは保護膜35のレンズ作用によって安定し、スポット径DSが場所によりばらつくのが抑制される。
このようなレーザーグルービングによって、図14に示すように、多層膜29とその下の素子分離絶縁膜2に溝33が形成される。
なお、保護膜35の材料であるPVAは水溶性であるため、保護膜35は水洗により簡単に除去できる。その水洗は、溝33を形成した後に行ってもよいし、後述のダイシング時に供給される水を利用して行ってもよい。
図20は、本工程を終了した後の平面図であり、先の図14は図20のX5−X5線に沿う断面図に相当する。
図20に示すように、レーザー光Lのスポット径DSが安定することから、レーザー光Lによって多層膜29に形成される溝33の幅Wtも安定し、当該Wtが半導体基板30の場所によってばらつくのを抑制できる。
次いで、図15に示すように、溝33の底面に露出したシリコン基板1にダイシングブレードDを当てることにより、シリコン基板1を半導体素子30a毎に個片化する。
このとき、上記のように溝33の幅Wtのばらつきが抑制されているので、ダイシングブレードDが溝33の側面において多層膜29と接触する危険性が低減でき、ダイシングブレードDとの接触が原因の欠けが多層膜29に発生するのを防止できる。
特に、ポーラス酸化シリコン膜等の低誘電率絶縁膜は酸化シリコン膜と比較して脆く欠けが発生し易いので、本実施形態は多層膜29中の各絶縁膜11、14、18、21として低誘電率絶縁膜を形成する場合に実益がある。
図16は、このように個片化した後の半導体基板30の断面図である。また、図21は個片化後の半導体基板30の平面図であり、上記の図16は図21のX6−X6線に沿う断面図に相当する。
以上により、本実施形態に係る半導体装置の製造工程の基本工程を終了する。
上記した本実施形態によれば、図13に示したように、凸レンズ状の保護膜35によりレーザー光Lのスポット径Dsが安定するので、レーザー光Lで形成される溝33の形状のばらつきを防止でき、溝33とダイシングブレードD(図15参照)との接触を抑制できる。
その結果、溝33の側面でダイシングブレードDが多層膜29に接触して多層膜29に欠けが入るのを抑制でき、その欠けが原因で半導体装置の耐湿性が低下する危険性を低減できるようになる。
(第2実施形態)
本実施形態では、以下のようにして半導体基板30の表面に疎水性の程度が異なる二つの領域を形成することで、半導体基板30の所定領域のみに保護膜35を選択的に形成できるようにする。
図23〜図27は、本実施形態に係る半導体装置の製造途中の断面図である。なお、これらの図において、第1実施形態で説明したのと同じ要素には同じ符号を付し、以下ではその説明を省略する。
まず、図23に示すように、半導体基板30の上側全面にフォトレジストを塗布し、それを露光、現像することにより、パシベーション膜25の窓25a内にレジストパターン42を形成する。
次に、図24に示すように、レジストパターン42とパシベーション膜25の各々の上に、疎水性薄膜43としてフッ素系樹脂薄膜を10〜50nm程度の厚さに形成する。フッ素系樹脂薄膜の材料としてはテフロンを使用し得る。テフロンの一例としては、PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)、PFA(テトラフルオロエチレン・パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体)、FEP(テトラフルオロエチレン・ヘキサフルオロプロピレン共重合体)、ETFE(テトラフルオロエチレン・エチレン共重合体)、PVDF(ポリビニリデンフルオライド)、PCTFE(ポリクロロトリフルオロエチレン)、及びECTFE(クロロトリフルオエチレン・エチレン共重合体)等がある。
更に、疎水性薄膜43の形成方法は特に限定されない。例えば、テフロンターゲットにレーザーを照射して、これにより蒸散したテフロンからテフロン薄膜を形成するレーザーアブレーション法で疎水性薄膜43を形成し得る。
また、疎水性薄膜43はフッ素系樹脂薄膜に限定されず、微細なピンの集合体を疎水性薄膜43として形成してもよい。そのようなピンとしては、例えば、ピン状のブルーサイト型水酸化コバルト(BCH)の表面をラウリン酸ナトリウムでコーティングしたものがある。そのBCHのピンは、塩化コバルトに尿素を加えた溶液に基板30を浸漬して形成され得る。
ところで、疎水性薄膜43としてテフロン薄膜を形成した場合、疎水性薄膜43の表面における水の接触角は約110度程度であり、疎水性薄膜43は十分な撥水能力がある。
但し、その撥水能力を更に高めたい場合には、次の図25に示すように、疎水性薄膜43に対してプラズマ処理を行うのが好ましい。
そのプラズマ処理で使用するガスとしては、例えば、CF4等のフッ素系ガスがある。このようにプラズマ処理を行うと、疎水性薄膜43の表面にフッ素原子が付着して当該表面の撥水能力が高められる。
この後に、図26に示すように、レジストパターン42をリフトオフして、スクライブ領域Rsにおける不要な疎水性薄膜43を除去する。
ここまでの工程により、半導体基板30の素子形成領域Rcにおける表面の疎水性が、スクライブ領域Rsにおけるよりも高い構造が得られたことになる。
続いて、図27に示すように、第1実施形態の図12の工程と同様に、不図示のデスペンサーを利用して窓25a内にPVAを塗布し、それを熱硬化させて保護膜35を形成する。
このとき、多層膜29の表面よりも疎水性が高い疎水性薄膜43は保護膜35を弾くように機能するので、保護膜35は多層膜29の表面上にのみ選択的に形成される。
この後は、第1実施形態と同様にレーザーアブレーションとダイシングとを行うが、その詳細については省略する。
以上説明した本実施形態によれば、疎水性薄膜43によって半導体素子領域Rcにおける半導体基板30の表面の疎水性がダイシング領域Rsよりも高められる。そのため、保護膜35の材料である液状のPVAが半導体素子領域Rcから排除され、ダイシング領域Rs内にのみ凸レンズ状の保護膜35を選択的に形成できる。
(第3実施形態)
本実施形態では、以下のようにして半導体基板30の表面に親水性の領域を設け、当該領域に保護膜35を形成する。
図28〜図33は、本実施形態に係る半導体装置の製造途中の断面図である。なお、これらの図において第1、第2実施形態で説明したのと同じ要素にはこれらの実施形態と同じ符号を付し、以下ではその説明を省略する。
まず、図28に示すように、パシベーション膜25上と窓25a内とに、親水性薄膜41としてニッケル層を蒸着法で形成する。
その親水性薄膜41の膜厚は特に限定されないが、レーザーグルービングで使用するレーザーを透過するのに十分な薄さ、例えば10nm〜50nm程度に形成するのが好ましい。
次いで、図29に示すように、親水性薄膜41の上にフォトレジストを塗布し、それを露光、現像してレジストパターン42とする。
続いて、図30に示すように、レジストパターン42をマスクにして親水性薄膜41をウエットエッチングして、スクライブ領域Rsの内側のみに親水性薄膜41を残す。そのウエットエッチングでのエッチング溶液は特に限定されないが、本実施形態では過酸化物、硝酸、及び硫酸を含むエッチング溶液を使用する。
次に、図31に示すように、レジストパターン42とパシベーション膜25の各々の上に、疎水性薄膜43としてフッ素系樹脂薄膜をレーザーアブレーション法により10nm〜50nm程度の厚さに形成する。フッ素系樹脂薄膜の材料としては、第2実施形態と同様にテフロンを使用し得る。
その後に、図32に示すように、レジストパターン42をリフトオフして、レジストパターン42上の不要な疎水性薄膜43を除去することにより、半導体基板30の表面が各薄膜41、43で覆われた構造を得る。
これらの薄膜のうち、ニッケルを含む親水性薄膜41の表面での水の接触角は約67度であり、テフロンを含む疎水性薄膜43の表面での水の接触角は約110度である。このように、本実施形態では、疎水性の程度が異なる領域を半導体基板30に形成できる。
続いて、図33に示すように、第1実施形態の図12の工程と同様に、不図示のデスペンサーを利用して窓25a内にPVAを塗布し、それを熱硬化させて保護膜35を形成する。
このとき、上記のように半導体基板30の表面に疎水性の異なる二つの領域を形成したことで、塗布したPVAは親水性薄膜41上に留まり、疎水性薄膜43に濡れ広がらないので、スクライブ領域Rs内にのみ凸レンズ状の保護膜35を形成することができる。
この後は、第1実施形態と同様にレーザーアブレーションとダイシングとを行うが、その詳細については省略する。
以上説明した本実施形態によれば、スクライブ領域Rs内に親水性薄膜41を形成し、これ以外の領域では疎水性薄膜43を形成する。そのため、保護膜35の材料である液状のPVAは、疎水性薄膜43よりも疎水性が低い親水性薄膜41上に留まるようになり、保護膜35が半導体素子領域Rcに形成されるのを防止できる。
(第4実施形態)
第2、第3実施形態では、疎水性薄膜43の材料としてテフロン等のフッ素系樹脂を使用した。これに対し、本実施形態では、以下のように陽極酸化を利用して疎水性薄膜43を形成する。
図34〜図37は、本実施形態に係る半導体装置の製造途中の断面図である。なお、図34〜図37において、第1〜第3実施形態で説明したのと同じ要素にはこれらの実施形態におけるのと同じ符号を付し、以下ではその説明を省略する。
まず、第3実施形態の図28〜図30の工程を行った後、図34に示すように、シリコン基板30の上側全面に疎水性薄膜43としてアルミニウム膜を蒸着法により10nm〜50nm程度の厚さに形成する。
次いで、図35に示すように、疎水性薄膜43の表面を陽極酸化することにより、当該表面を処理前と比較して粗くする。その陽極酸化の条件は特に限定されないが、本実施形態では、硫酸(H2SO4)中で電流密度を10mA/cm2とする条件で陽極酸化を2時間行う。
陽極酸化により粗化された疎水性薄膜43の表面は、撥水性に優れたフラクタル構造になることが知られている。これにより、疎水性薄膜43は、陽極酸化前と比較して、後述の保護膜の材料であるPVAに対する撥水性が高められる。
なお、高い撥水性を確実に得るために、陽極酸化後の疎水性薄膜43の表面に対して化学的な疎水化処理を行ってもよい。その疎水化処理に際しては、ヘキサデカン、クロロホルム、四塩化炭素の混合溶媒をモレキュラーシーブ3Aで乾燥したものに、1H,1H,2H,2H-パーフルオロオクチルトリクロロシランを1〜0.5wt%混合した溶液を作成する。そして、この溶液に上記の疎水性薄膜43を約12時間浸漬することで、疎水性薄膜43の表面が化学的に疎水化される。
次に、図36に示すように、レジストパターン42をリフトオフすることにより、レジストパターン42上の不要な疎水性薄膜43を除去する。
続いて、図37に示すように、第1実施形態の図12の工程と同様に、不図示のデスペンサーを利用して窓25a内にPVAを塗布し、それを熱硬化させて凸レンズ状の保護膜35を形成する。
このとき、半導体素子領域Rcにおける半導体基板30は、疎水性薄膜43によってスクライブ領域Rsにおけるよりも疎水性が高められているので、塗布した液状のPVAは親水性薄膜41上に留まり、半導体素子領域Rcにまで濡れ広がらない、
この後は、第1実施形態と同様にレーザーアブレーションとダイシングとを行うが、その詳細については省略する。
以上説明した本実施形態でも、半導体素子領域Rcにおける半導体基板30上に疎水性材料膜48に形成したことで、当該領域Rcにおける疎水性がスクライブ領域Rsにおけるよりも高くなる。これにより、保護膜35の材料である液状が疎水性材料膜48に弾かれるため、保護膜35をスクライブ領域Rsのみに簡単に形成できる。
なお、上記ではスクライブ領域Rs内に親水性薄膜41を形成したが、多層膜29の表面の疎水性が十分に低い場合には親水性薄膜41を除去してもよい。
(第5実施形態)
本実施形態では、以下のようにプラズマ処理によりスクライブ領域Rsにおける半導体基板30の疎水性を低める。
図38〜図41は、本実施形態に係る半導体装置の製造途中の断面図である。なお、これらの図において、第1〜第4実施形態で説明したのと同じ要素にはこれらの実施形態におけるのと同じ符号を付し、以下ではその説明を省略する。
まず、図38に示すように、パシベーション膜25と多層膜29のそれぞれの上に、レーザーアブレーション法により疎水性薄膜43としてフッ素系樹脂薄膜を10nm〜50nm程度の厚さに形成する。そのフッ素樹脂薄膜の材料としては、第1実施形態と同様にテフロンを使用し得る。
次いで、図39に示すように、疎水性薄膜43の上にフォトレジストを塗布し、それを露光、現像してレジストパターン48を形成する。
その後、レジストパターン48の窓48aを通じて疎水性薄膜43にプラズマを照射する。これにより、プラズマの照射前と比較して、窓48aに露出している部分の疎水性薄膜43の表面の疎水性が低くなり、当該部分の疎水性薄膜43が親水性薄膜41に改質される。
本工程で使用するプラズマは特に限定されない。本実施形態では、酸素プラズマを使用して上記のように疎水性薄膜43を親水性に改質する。
そして、このようにプラズマ処理を終了した後、図40に示すように、レジストパターン48を除去する。
ここまでの工程により、スクライブ領域Rsにおける半導体基板30の疎水性が半導体素子領域Rcにおけるよりも低められた構造が得られる。
次に、図41に示すように、第1実施形態の図12の工程と同様にして不図示のデスペンサーを利用して窓25a内にPVAを塗布し、それを熱硬化させて保護膜35を形成する。
このとき、上記のようにスクライブ領域Rsに親水性薄膜41を形成したことで、液状のPVAは親水性薄膜41上を濡れ広がるものの、親水性薄膜41よりも疎水性が高い疎水性薄膜43上にまで濡れ広がらない。その結果、スクライブ領域Rs内の親水性薄膜41上にのみ保護膜35を簡単に形成できる。
この後は、第1実施形態と同様にレーザーアブレーションとダイシングとを行うが、その詳細については省略する。
以上説明した本実施形態によれば、プラズマ処理によって疎水性薄膜43を親水性薄膜41に改質することで、親水性薄膜41上にのみ選択的に保護膜35を形成することが可能となる。
(第6実施形態)
第2〜第5実施形態では、パシベーション膜25の窓25a内の一部領域にのみ凸レンズ状の保護膜35を形成した。
これに対し、本実施形態では、図42の断面図に示すように、窓25a内の全領域に保護膜35を形成する。
図43は、この場合の半導体装置の斜視図である。
本実施形態のように保護膜35を窓25a内の全域に形成したり、第2〜第5実施形態のように窓25a内の一部領域のみに形成したりすることで、保護膜35の上面の曲率半径を変えて保護膜35の焦点距離を調節できる。
また、保護膜35の焦点距離を調節する手法としては、以下のように保護膜35の厚さを変える方法もある。
図44は、第1実施形態で形成した保護膜35の上面の端部35dをパシベーション膜25の上面よりも低くすることにより、第1実施形態と比較して保護膜35の厚さを薄くした場合の断面図である。このように保護膜35の厚さを変えることで、保護膜35の焦点距離を調節することができる。
また、図45に示すように、パシベーション膜25の窓25aを完全に埋める厚さに保護膜35を形成して、パシベーション膜25の厚さTを変えることによって保護膜35の焦点距離を調節するようにしてもよい。
図45の例でパシベーション膜25の厚さTを2μmとした場合、保護膜35の屈折率が1.5でその上面の曲率半径が2.5μmのとき、保護膜35は焦点距離fが約7μmの凸レンズとして機能し、多層膜29の表面上でのスポット径DSは1μm程度となる。
なお、この場合の焦点距離fは、保護膜35の屈折率nと曲率半径rとを利用して、f=(n-1)/rで近似できる。また、この計算ではレーザー光Lが平行光であると仮定している。
また、図45の例では、保護膜35がパシベーション膜25上に形成されるのを防止するため、第2実施形態に従って疎水性薄膜43を形成しているが、パシベーション膜25の表面の疎水性が十分に高い場合には疎水性薄膜43を省略してもよい。
(第7実施形態)
本実施形態では、以下のようにしてパシベーション膜25の窓25aの側面をテーパー状に傾斜させる。
図46〜図50は、本実施形態に係る半導体装置の製造途中の断面図である。なお、これらの図において、第1実施形態で説明したのと同じ要素には第1実施形態と同じ符号を付し、以下ではその説明を省略する。
まず、図46に示すように、多層膜29の上にポリイミドの塗膜を形成し、それを熱硬化させてパッシベーション膜25とする。
次に、図47に示すように、パシベーション膜25の上にフォトレジストを塗布する。そして、そのフォトレジストを露光、現像することによりレジストパターン51を形成する。
続いて、図48に示すように、レジストパターン51をマスクに使用しながら、TMAH(水酸化テトラメチルアンモニウム)水溶液等のエッチング液でパシベーション膜25をウエットエッチングすることにより、スクライブ領域Rsにおけるパシベーション膜25に窓25aを形成する。
その後、図49に示すように、パシベーション膜25の材料であるポリイミドが軟化する温度、例えば300〜400℃にパシベーション膜25を加熱する。これにより、窓25aの側面がだれてテーパー状に傾斜し、窓25aの上側の開口端が下側の開口端よりも広くなる。
続いて、図50に示すように、不図示のデスペンサーを用いて窓25a内にPVAを塗布し、それを約150℃〜160℃の温度で熱硬化させて保護膜35とする。
このとき、上記のように窓25aの側面をテーパー状にしたことで、当該側面によってPVAを下側から保持し易くなり、硬化前の液状のPVAの表面形状が安定する。
この後は、第1実施形態と同様にレーザーアブレーションとダイシングとを行うが、その詳細については省略する。
以上説明した本実施形態によれば、パシベーション膜25の窓25aの側面をテーパー状にしたので、その側面によって保護膜35の材料である液状のPVAが下から保持されるようになり、保護膜35の上面のレンズ形状が安定する。
(第8実施形態)
本実施形態では、以下のようにしてスクライブ領域Rsに二本の保護膜35を形成する。
図51〜図55は本実施形態に係る半導体装置の製造途中の断面図であり、図56〜図59はその平面図である。なお、これらの図において第1実施形態で説明したのと同じ要素には第1実施形態と同じ符号を付し、以下ではその説明を省略する。
まず、図51に示すように、パシベーション膜25の窓25a内に露出する多層膜29の上に、不図示のデスペンサーを用いて液状のPVAを塗布し、そのPVAを熱硬化させて二本の保護膜35を形成する。
各保護膜35の形成順序は特に限定されないが、例えば、PVAを一列に塗布してそれを熱硬化させて一方の保護膜35を形成した後、残りの保護膜35を形成するためにPVAを一列に塗布するのが好ましい。このように一方の保護膜35を熱硬化させた後に他方の保護膜35を形成することで、二本の保護膜35同士が混合するのを防止できる。
図56は、本工程を終了した後の半導体基板30の平面図であり、先の図51は図56のX7−X7線に沿う断面図である。
図56に示されるように、二本の保護膜35は、それぞれスクライブ領域Rsの延在方向Dに長い帯状の平面形状を有する。
次に、図52に示すように、保護膜35を通じて多層膜29にレーザー光Lを照射し、多層膜29に対するレーザーグルービングを開始する。
このとき、各保護膜35は、第1実施形態と同様にレーザー光Lを集光するレンズとして機能するので、多層膜29上でのレーザー光Lのスポット径DSが多層膜29の場所によってばらつくのが抑制される。
なお、レーザー光Lが平行光である場合の各保護膜35の焦点距離fは、第1実施形態で説明したように、保護膜35の屈折率nと曲率半径rとを利用してf=(n-1)/rで近似できる。例えば、屈折率nが1.5、曲率半径rが2.5μmのとき、各保護膜35の焦点距離fは5μmとなり、レーザー光Lのスポット径DSは1μm程度となる。
図57は、本工程でのレーザー光Lの照射位置を示す平面図であって、先の図52は図57のX8−X8線に沿う断面図である。
図57に示すように、レーザー光Lは二本の保護膜35に個別にパルス状に照射され、一方の列の保護膜35にレーザー光Lを照射した後に他方の列の保護膜35にレーザー光Lを照射する。
このようなレーザーグルービングの結果、図53に示すように、多層膜29とその下の素子分離絶縁膜2に二本の溝33が形成される。
ここで、上記のように各保護膜35のレンズ作用によってレーザー光Lのスポット径のばらつきが抑制されることから、このレーザー光Lによって形成された各溝33の幅Wtも安定する。
なお、レーザー光Lの集光に利用した水溶性の保護膜35は、本工程を終了した後に水洗により除去してもよいし、後述のダイシング時に供給される水を利用して除去してもよい。
図58は、溝33を形成した後の平面図であって、先の図53は図58のX9−X9線に沿う断面図である。
図58に示すように、二本の溝33は、スクライブ領域Rsの延在方向Dに互いに並行して形成される。
次いで、図54に示すように、上記した二本の溝33の各々に重なるようにシリコン基板1にダイシングブレードDを当て、シリコン基板1を半導体素子30a毎に個片化する。
ここで、上記のように各溝33の幅Wtのばらつきが抑制されているので、本工程でダイシングブレードDが溝33の側面において多層膜29と接触する危険性が低減でき、ダイシングブレードDとの接触が原因の欠けが多層膜29に発生するのを防止することが可能となる。
図55は、このように個片化された各半導体素子30aの断面図である。また、図59は各半導体素子30aの平面図であり、上記の図55は図59のX10−X10線に沿う断面図に相当する。
以上により、本実施形態に係る半導体装置の製造工程の基本工程を終了する。
上記した本実施形態によれば、スクライブ領域Rsに二本の保護膜35を形成し、その各々にレーザー光Lを照射してレーザーグルービングを行う。これによれば、保護膜35を一つだけしか形成しない場合と比較して、スクライブ領域Rs内における広い領域の多層膜29を蒸散させることができ、スクライブ領域Rsの幅が広い品種に対しても保護膜35によるスポット径Dsのばらつき抑制の効果を得ることができる。
なお、本実施形態は上記に限定されず、図60のように親水性薄膜41と疎水性薄膜43とを形成してもよい。これらの薄膜41、43の形成方法は第2〜第5実施形態と同様なので、以下ではその説明を省略する。
また、図61は、各薄膜41、43を形成した場合の本実施形態に係る半導体装置の製造途中の斜視図である。
この場合、二本の保護膜35の各々が形成される領域に親水性薄膜41を形成し、これらの保護膜35の間の領域には疎水性薄膜43を形成するのが好ましい。このようにすると、二本の保護膜35の間の疎水性薄膜43によって各保護膜35の材料である液状のPVAが弾かれる。そのため、一方の保護膜35を形成するためにPVAを塗布した後、それを熱硬化することなく他の保護膜35を形成するためのPVAを塗布し、二本の保護膜35を同時に熱硬化することができ、作業効率が向上する。
なお、多層膜29の表面の疎水性が十分に低い場合には、親水性薄膜41を省き、多層膜29の上に二本の保護膜35を直接形成するようにしてもよい。
(第9実施形態)
第1〜第8実施形態では、保護膜35を形成するために半導体基板30上にPVAを塗布した。本実施形態では、PVAの塗布に有用な半導体装置の製造方法について説明する。
図62(a)と図63(a)は、本実施形態に係る半導体装置の製造途中の全体平面図である。また、図62(b)は図62(a)のX11−X11線に沿う断面図であり、図63(b)は図63(a)のX12−X12線に沿う断面図である。
まず、図62(a)、(b)に示すように、バックグラインドを終了した後の半導体基板30を用意する。その半導体基板30の両主面のうち、回路形成面には、バックグラインド時のダメージから半導体基板30の回路を保護するための保護テープ63が貼付されている。
そして、ダイシングテープ60の接着面上に上記の半導体基板30の裏面を貼付する。なお、そのダイシングテープ60の周縁には、ハンドリングを良好にするためのステンレス製のウエハリング61も貼付されている。
次いで、図63(a)、(b)に示すように、半導体基板30の表面から保護テープ63を剥離する。
そして、半導体基板30を内側に含むリング状のダム62をダイシングテープ60の接着面に貼付する。ダム62の材料は特に限定されない。ステンレス等の金属やフッ素樹脂等の樹脂をダム62の材料として採用し得る。
これ以降の工程について、図63(b)の領域Aを拡大して説明する。
図64は、図63(b)の領域Aを拡大した半導体基板30の拡大断面図である。
図64に示すように、ダム62の高さは、半導体基板30の厚さよりも高い。また、リング状のダム62の内径を半導体基板30の直径と同.じかそれよりも若干大きくし、半導体基板30の外周側面をダム62の内壁によって覆うのが好ましい。
そして、この状態でデスペンサー65を利用してスクライブ領域Rsにおける半導体基板30にPVAを塗布する。
このようにダム62を設けることで、本実施形態では、硬化前の液状のPVAがスクライブ領域Rsから溢れ出て半導体基板30の外周に流れ出るのを防止できる。
この後に、第1実施形態と同じ条件でPVAを熱硬化させ、各スクライブ領域Rsに凸レンズ状の保護膜35を形成する。
図65は、一つの保護膜35とその近傍の拡大断面図である。
図65に示すように、保護膜35を形成した後は、第1実施形態と同様にして保護膜35にレーザー光Lを照射し、多層膜29に対するレーザーグルービングを行う。
図66は、レーザー光Lを照射途中の半導体基板30の拡大平面図である。
図66に示されるように、レーザー光Lはスクライブ領域Rsの延在方向Dに沿ってスポット状に照射される。
図67は、レーザー光Lを照射した後の図66のX13−X13線に沿う断面図である。そして、図68は、レーザー光Lを照射した後の図66のY1−Y1線に沿う断面図である。
図67及び図68に示すように、レーザー光Lが照射された部分では、保護膜35とその下の多層膜29が蒸散し、多層膜29に溝33が形成される。
次に、図69に示すように、ダイシングブレードDを用いて溝33に沿ってシリコン基板30をダイシングすることにより、半導体基板30を半導体素子30a毎に個片化する。このとき、個片化された半導体素子30aはダイシングテープ60上に固着された状態となるので、各半導体素子30aが散らばるのを防止できる。
以上により、本実施形態の基本工程を終了する。
上記した本実施形態によれば、図64を参照して説明したように、半導体基板30の外周側面にダム62を設けたので、デスペンサー65から塗布された液状のPVAが半導体基板30の外周側面に流れ出るのを抑制できる。
(第10実施形態)
第1〜第9実施形態では、PVAを硬化させて保護膜35とした。
これに対し、本実施形態では、未硬化のPVAを保護膜35として利用する。
図70(a)は本実施形態に係る半導体装置の製造途中の全体平面図である。また、図70(b)は図70(a)のX14−X14線に沿う断面図である。なお、図70(a)、(b)において、第9実施形態で説明したのと同じ要素には第9実施形態におけるのと同じ符号を付し、以下ではその説明を省略する。
本実施形態では、図70(a)、(b)に示すように、リング状のダム62の内径を半導体基板30の直径よりも大きくすることにより、ダム62aの内壁と半導体基板30の外周側面との間に隙間Sを設ける。
図71は、半導体基板30の外周付近の拡大平面図である。
上記した隙間Sには保護膜35の材料である液状のPVAが充填され、その隙間Sに連通する各スクライブ領域RsにPVAが流入する。
図72(a)は図71のX15−X15線に沿う断面図であり、図72(b)は図71のX16−X16線に沿う断面図である。
図72(a)に示すように、保護膜35の材料となるPVAの塗布にはデスペンサー65が使用され、液状の保護膜35の上面は表面張力によって凸レンズ状の形状となる。
また、図72(b)に示すように、スクライブ領域Rsにおいてパシベーション膜25がない領域には、多層膜29の上面に保護膜35が形成される。
本実施形態では、液状の保護膜35を熱硬化させることなく、次のようにレーザーアブレーションを行う。
図73は、レーザーアブレーションの途中における半導体基板30の周縁部の拡大平面図である。
レーザーアブレーションに際しては、図73に示すように、スクライブ領域Rsの延在方向Dに沿ってポット状にレーザー光Lを照射し、レーザー光Lの熱によって多層膜29を蒸散させる。
図74は、図73のX17−X17線に沿う断面図である。
図74に示すように、レーザー光Lが照射された部分Pでは、多層膜29は除去されて溝33が形成され、当該溝33に液状の保護膜35が流入する。
このとき、シリコン基板1の外周側面とダム62の内壁との間のスペースSが保護膜35の液溜めとして機能するので、これからレーザー光Lが照射される部分のスクライブ領域RsにスペースSから液状の保護膜35が供給される。
その結果、多層膜29上における保護膜35の凸レンズ形状が維持され、これからレーザー光Lが照射される部分の保護膜35の集光作用が場所により変動するのを防止できる。
図75は、レーザーアブレーションを終了した後における図71のX15−X15線に沿う断面図である。
図75に示すように、レーザーアブレーションを終了した後でも溝33内に保護膜35が溜まっており、保護膜35の上面は凸レンズ形状となっている。
この後は、第9実施形態と同様にしてダイシングを行うが、以下ではその説明を省略する。
以上により、本実施形態に係る半導体装置の製造工程の基本工程を終了する。
上記した本実施形態によれば、図74に示したように、隙間Sを保護膜35の液溜めとして利用するので、スクライブ領域Rsにおける多層膜29上に保護膜35の材料であるPVAを常に供給することができ、保護膜35の凸レンズ形状を維持できる。
以上説明した各実施形態に関し、更に以下の付記を開示する。
(付記1) 複数の半導体素子領域が形成された半導体基板のスクライブ領域の多層膜上に、中央部の厚さが端面より厚く、帯状で、レーザー光を透過する部材からなる保護膜を形成する工程と、
前記保護膜にレーザー光を照射して、前記スクライブ領域の前記多層膜を除去する工程と、
を含むことを特徴とする半導体装置の製造方法。
(付記2) 前記スクライブ領域の前記多層膜上に2本の並行する前記帯状の保護膜を形成し、前記2本の保護膜のそれぞれにレーザー光を照射して、前記スクライブ領域上の多層膜を除去する工程、
を含むことを特徴とする付記1に記載の半導体装置の製造方法。
(付記3) 前記保護膜にレーザー光を照射して、前記スクライブ領域上の多層膜を除去する工程において、
前記レーザー光を、前記保護膜の延在する方向に沿って所定の間隔をもってスポット状に照射する
ことを特徴とする付記1又は付記2に記載の半導体装置の製造方法。
(付記4) さらに、前記スクライブ領域をダイシングブレードで切断し、前記半導体基板を前記半導体素子に個片化する工程と
を含むことを特徴とする付記1乃至3のいずれかに記載の半導体装置の製造方法。
(付記5) 前記保護膜を形成する工程において、
前記保護膜は、前記スクライブ領域にデスペンサーを用いて前記部材を塗布することにより形成される
ことを特徴とする付記1乃至4のいずれかに記載の半導体装置の製造方法。
(付記6)前記部材を塗布するときに、前記半導体基板の厚さよりも高いダムにより、前記半導体基板の外周側面を覆うことを特徴とする付記5に記載の半導体装置の製造方法。
(付記7) 前記保護膜を形成する工程において、
前記半導体基板の側方にダム設け、該ダムと前記半導体基板の外周側面との間に前記部材を溜めて、該部材を前記スクライブ領域に流通させて前記保護膜を形成する
ことを特徴とする付記1乃至4のいずれかに記載の半導体装置の製造方法。
(付記8) 前記保護膜を形成する工程の前に、前記スクライブ領域を除く領域にフッ素系コーティング処理又は表面を粗くする処理を施す工程と、
を含むことを特徴とする付記5に記載の半導体装置の製造方法。
(付記9) 前記保護膜を形成する工程の前に、前記スクラブ領域に、前記フッ素系コーティングよりも疎水性が低い膜を形成する工程と、
を含むことを特徴とする付記8に記載の半導体装置の製造方法。
(付記10) 前記保護膜を形成する工程の前に、前記スクライブ領域を除く領域にアルミニウム膜を形成し、該アルミニウム膜の表面を陽極酸化する工程と、
を含むことを特徴とする付記5に記載の半導体装置の製造方法。
(付記11) 前記保護膜を形成する工程の前に、前記スクライブ領域に選択的にプラズマを照射し、該プラズマの照射前と比較して前記スクライブ領域の疎水性を低くすることを特徴とする付記5に記載の半導体装置の製造方法。
(付記12) 前記保護膜を形成する工程の前に、前記スクライブ領域に窓を供えたパシベーション膜を形成する工程と、
前記パシベーション膜を加熱して軟化させることにより、前記窓の側面をだれさせて傾斜させる工程とを有し、
前記保護膜を形成する工程において、該保護膜の液体材料を前記窓内に塗布することを特徴とする付記5に記載の半導体装置の製造方法。
(付記13) 複数の半導体素子領域が形成され、スクライブ領域の多層膜上に、中央部の厚さが端面より厚く、帯状で、レーザー光を透過する部材からなる保護膜が形成されていることを特徴とする半導体基板。
(付記14) 前記スクライブ領域の前記多層膜上に、2本の並行する前記帯状の保護膜が形成されていることを特徴とする付記13記載の半導体基板。
(付記15) 前記多層膜は、低誘電率絶縁膜を含むことを特徴とする付記13記載の半導体基板。
(付記16) 前記保護膜は、PVA(ポリビニルアルコール)であることを特徴とする付記13乃至15のいずれかに記載の半導体基板。
(付記17) 前記半導体素子領域にフッ素系コーティングが施されていることを特徴とする付記16に記載の半導体基板。
(付記18) 前記半導体素子領域に、表面に陽極酸化が施されたアルミニウム膜が形成されたことを特徴とする付記16に記載の半導体基板。
1…シリコン基板、2…素子分離絶縁膜、3…pウェル、4…ゲート絶縁膜、5…ゲート電極、6…n型ソースドレイン領域、11…第1の層間絶縁膜、12…第1の導電性プラグ、13…第1の金属配線、14…第2の層間絶縁膜、15…第2の導電性プラグ、17…第2の金属配線、18…第3の層間絶縁膜、19…第3の導電性プラグ、20…第3の金属配線、21…第4の層間絶縁膜、25…パシベーション膜、25a…窓、29…多層膜、30…半導体基板、30a…半導体素子、33…溝、35…保護膜、35c…中央部、35d…端部、35e…端面、41…親水性薄膜、42…レジストパターン、43…疎水性薄膜、51…レジストパターン、60…ダイシングテープ、61…ウエハリング、62…ダム、63…保護テープ、65…デスペンサー、TR…トランジスタ、D…ダイシングブレード。

Claims (12)

  1. 複数の半導体素子領域が形成された半導体基板のスクライブ領域の多層膜上に、中央部の厚さが端面より厚く、帯状で、レーザー光を透過する部材からなる2本の並行する保護膜を形成する工程と、
    前記2本の保護膜のそれぞれにレーザー光を照射して、前記スクライブ領域の前記多層膜を除去する工程と、
    を含むことを特徴とする半導体装置の製造方法。
  2. 前記保護膜にレーザー光を照射して、前記スクライブ領域上の多層膜を除去する工程において、
    前記レーザー光を、前記保護膜の延在する方向に沿って所定の間隔をもってスポット状に照射する
    ことを特徴とする請求項1に記載の半導体装置の製造方法。
  3. さらに、前記スクライブ領域をダイシングブレードで切断し、前記半導体基板を半導体素子に個片化する工程と
    を含むことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の半導体装置の製造方法。
  4. 前記保護膜を形成する工程において、
    前記保護膜は、前記スクライブ領域にデスペンサーを用いて前記部材を塗布することにより形成される
    ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の半導体装置の製造方法。
  5. 前記保護膜を形成する工程の前に、前記スクライブ領域を除く領域にフッ素系コーティング処理又は表面を粗くする処理を施す工程と、
    を含むことを特徴とする請求項4に記載の半導体装置の製造方法。
  6. 複数の半導体素子領域が形成され、スクライブ領域の多層膜上に、中央部の厚さが端面より厚く、帯状で、レーザー光を透過する部材からなる2本の並行する保護膜が形成されていることを特徴とする半導体基板。
  7. 前記多層膜は、低誘電率絶縁膜を含むことを特徴とする請求項6に記載の半導体基板。
  8. 前記保護膜は、PVA(ポリビニルアルコール)であることを特徴とする請求項6又は請求項7に記載の半導体基板。
  9. 半導体基板の半導体素子領域の多層膜上方に疎水性膜を形成する工程と、
    前記疎水性膜を形成した後、前記半導体基板のスクライブ領域の多層膜上方に、中央部の厚さが端面より厚く、帯状で、レーザー光を透過する部材からなる保護膜を形成する工程と、
    前記保護膜にレーザー光を照射して、前記スクライブ領域の前記多層膜を除去する工程と、
    を含むことを特徴とする半導体装置の製造方法。
  10. 前記保護膜を形成する前に、前記スクライブ領域の多層膜上に親水性膜を形成する工程と
    を含むことを特徴とする請求項9に記載の半導体装置の製造方法。
  11. 半導体素子領域の多層膜上方に疎水性膜が形成され、スクライブ領域の多層膜上方に、中央部の厚さが端面より厚く、帯状で、レーザー光を透過する部材からなる保護膜が形成されていることを特徴とする半導体基板。
  12. 前記スクライブ領域の多層膜上と前記保護膜との間に親水性膜が形成されていることを特徴とする請求項11に記載の半導体基板。
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