JP7054813B2 - 素子チップの製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、素子チップの製造方法に関し、詳細には、保持シートに貼着された基板を、プラズマエッチングにより個片化する方法に関する。
基板をダイシングする方法として、プラズマ照射によるプラズマダイシングが注目されている。プラズマダイシングに供される基板の表面において、プラズマエッチングされる領域(分割領域)を除く素子領域はマスクで覆われている。マスクは、通常、マスクの原料を含む原料液を、スピンコート法あるいはスプレーコート法により基板に塗布して塗膜を形成し、これを乾燥させて得られる保護膜をパターニングすることにより形成される(特許文献1および2)。
特開2005-191039号公報 特開2013-65822号公報
塗膜の乾燥は、通常、塗膜の単位体積あたりの露出面積が広く、外部雰囲気に晒されやすい部分、つまり基板の端部(エッジ付近)から中央に向かって進行する。このとき、エッジ付近の塗膜の内部にある未乾燥の原料液は、徐々に基板の中央側に寄せられる。一方、基板の主面の表面側からも塗膜の乾燥は進み、固化し始める。そのため、塗膜の内部を端部から中央側へと寄せられた原料液はやがて行き場を失い、基板の端部から中央までの領域で上方に盛り上がり、そのまま乾燥する。つまり、塗膜を乾燥して得られる保護膜は、基板の端部では薄い一方、一部、盛り上がって厚くなる場合がある。
このような保護膜の厚みのバラツキは、特に、低粘度の原料液を用いて形成した厚い塗膜を、加熱によって乾燥させる場合に多く見られる。保護膜の厚みがばらつくとマスクの厚みもばらつく。そのため、パターニング工程において、分割領域のマスクが厚い部分では所望のパターンが得られない一方、プラズマエッチング工程において、素子領域のマスクの薄い部分がエッチングされ得る。その結果、得られる素子チップの品質が低下する。なお、厚い塗膜は、例えば、スピンコート法において回転速度を低くすること等により形成され得る。
本発明の一局面は、保持シートに保持された基板から、プラズマエッチングにより素子チップを製造する方法であって、前記基板は、複数の素子領域および前記素子領域を画定する分割領域を備えるとともに、第1の面および前記第1の面とは反対側の第2の面を有しており、前記素子チップの製造方法は、前記保持シートに前記第2の面が貼着された前記基板を準備する第1工程と、前記保持シートの少なくとも一部および前記保持シートに貼着された前記基板を被覆する保護膜を形成する第2工程と、前記保護膜に開口を形成して、前記第1の面における前記分割領域を露出させる第3工程と、露出した前記分割領域の前記第1の面から前記第2の面までをプラズマエッチングして、前記基板を複数の素子チップに個片化する第4工程と、を備え、前記保持シートは前記基板よりも大きく、前記第2工程は、前記保護膜の原料および溶媒を含む原料液を、前記基板および前記保持シートに液体状で供給して、前記第1の面および前記基板の端面を被覆し、流動性を備える第1被覆層と、前記第1被覆層を取り囲み、かつ、前記保持シートの少なくとも一部を被覆し、流動性を備える第2被覆層と、を形成する塗布工程と、前記第1被覆層および前記第2被覆層を乾燥して、前記保護膜を形成する乾燥工程と、を備える、素子チップの製造方法に関する。
本発明によれば、高品質な素子チップを得ることができる。
本発明の一実施形態に係る基板を模式的に示す断面図である。 本発明の一実施形態に係る基板および搬送キャリアを概略的に示す上面図である。 図2AのA-A線における断面図である。 本発明の実施形態に係る第2工程における基板および搬送キャリアを模式的に示す断面図である。 本発明の実施形態に係る第2工程の塗布工程により被覆層が形成された基板および搬送キャリアを模式的に示す断面図である。 本発明の実施形態に係る第2工程の乾燥工程により形成された保護膜を備える基板および搬送キャリアを模式的に示す断面図である。 本発明の実施形態に係る第3工程により開口が形成された基板を保持する保持シートを模式的に示す断面図である。 本発明の実施形態に係る第4工程で作製された素子チップを模式的に示す断面図である。 プラズマ処理装置の構造を断面で示す概念図である。 第2実施形態に係る基板および凸部が形成された搬送キャリアを概略的に示す上面図である。 図7AのB-B線における断面図である。 第3実施形態に係る基板および表面処理領域が形成された搬送キャリアを概略的に示す上面図である。 図8AのC-C線における断面図である。 第4実施形態に係る基板および搬送キャリアを概略的に示す断面図である。 原料液が供給された直後の基板および保持シートを模式的に示す断面図である。 図10Aの原料液を乾燥させた後の基板および保持シートを模式的に示す断面図である。
本実施形態は、乾燥の進行しやすい塗膜の端部を、基板の表面以外の部分に形成するという、ユニークな思想に基づく。すなわち、本実施形態に係る方法は、基板を保持シートに貼着した後、保護膜の原料および溶媒を含む原料液を、基板の表面(第1の面および端面)だけでなく、基板の周囲の保持シートにまで供給する。これにより、塗膜の端部は保持シート上に形成されて、その乾燥によって生じ得る保護膜の盛り上がりは、基板上には形成されない。
原料液は液体状で基板の表面に供給されており、塗膜は流動性を維持している。そのため、塗膜はセルフレベリング作用により基板の主面(第1の面)に均一に広がり、その状態で乾燥される。よって、第1の面に形成される保護膜の厚みは均一になる。
また、本実施形態によれば、基板をこの保持シートに保持した状態でプラズマダイシングに供されるため、製造工程が簡略化される。
[第1実施形態]
以下、第1実施形態に係る製造方法について、適宜図面を参照しながら説明する。
本実施形態に係る素子チップの製造方法は、保持シートに貼着された基板を準備する第1工程と、保持シートの少なくとも一部および保持シートに貼着された基板を被覆する保護膜を形成する第2工程と、保護膜に開口を形成して、第1の面における分割領域を露出させる第3工程と、露出した分割領域の第1の面から第2の面までをプラズマエッチングして、基板を複数の素子チップに個片化する第4工程と、を備える。保持シートは基板よりも大きい。第2工程は、保護膜の原料および溶媒を含む原料液を、基板および保持シートに液体状で供給して、第1の面および基板の端面を被覆し、流動性を備える第1被覆層と、第1被覆層を取り囲み、かつ、保持シートの少なくとも一部を被覆し、流動性を備える第2被覆層と、を形成する塗布工程と、第1被覆層および第2被覆層を乾燥して、保護膜を形成する乾燥工程と、を備える。
(1)第1工程
まず、ダイシングの対象となる基板を準備する。
図1に基板10の断面を模式的に示す。
(基板)
基板10は、複数の素子領域R1と素子領域R1を画定する分割領域R2とを備えるとともに、第1の面10X、第2の面10Yおよび端面10Zを備える。基板10は、例えば、半導体層11と、半導体層11の第1の面10X側に積層される回路層12と、を備える。基板10の分割領域R2をエッチングすることにより素子チップが得られる。
基板10の大きさは特に限定されず、例えば、最大径50mm~300mm程度である。基板10の形状も特に限定されず、例えば、円形、角型である。また、基板10には、オリエンテーションフラット(オリフラ)、ノッチ等の切欠き(いずれも図示せず)が設けられていてもよい。
半導体層11は、例えば、シリコン(Si)、ガリウム砒素(GaAs)、窒化ガリウム(GaN)、炭化ケイ素(SiC)等を含む。保持シートに貼着される半導体層11の厚みは特に限定されず、例えば、20μm~1000μmであり、100μm~300μmであってもよい。
回路層12は、例えば、半導体回路、電子部品素子、MEMS等を構成しており、絶縁膜、金属材料、樹脂保護層(例えば、ポリイミド)、レジスト層、電極パッド、バンプ等を備えてもよい。絶縁膜は、配線用の金属材料との積層体(多層配線層あるいは再配線層)として含まれてもよい。
基板10の第2の面10Yは、保持シートに貼着される。保持シートのハンドリング性を高めるために、保持シートの外周縁には、例えば環状のフレームが貼着される。
保持シートおよびフレームの一実施形態について、図2Aおよび図2Bを参照しながら説明する。図2Aは、本発明の一実施形態に係る基板、保持シートおよびフレームを概略的に示す上面図であり、図2Bは、図2Aに示すA-A線での断面図である。図示例では、便宜上、同じ機能を備える部材に同じ符号を付している。また、円形の基板を例示しているが、基板の形状はこれに限定されない。
(フレーム)
フレーム21は、例えば、基板10より大きい開口を有した枠体であり、所定の幅および略一定の薄い厚みを有している。フレーム21は、保持シート22および基板10を保持した状態で搬送できる程度の剛性を有している。フレーム21の開口の形状は特に限定されないが、例えば、円形や、矩形、六角形など多角形であってもよい。フレーム21には、位置決めのためのノッチ21aやコーナーカット21bが設けられていてもよい。フレーム21の材質としては、例えば、アルミニウム、ステンレス鋼等の金属や、樹脂等が挙げられる。以下、フレーム21と、フレーム21に固定された保持シート22とを併せて、搬送キャリア20と称する。
(保持シート)
保持シート22の材質は特に限定されない。なかでも、基板10が貼着され易い点で、保持シート22は、粘着層および基材層の積層体であることが好ましい。
基材層の材質は特に限定されず、例えば、ポリエチレンおよびポリプロピレン等のポリオレフィン、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル等の熱可塑性樹脂が挙げられる。樹脂フィルムには、伸縮性を付加するためのゴム成分(例えば、エチレン-プロピレンゴム(EPM)、エチレン-プロピレン-ジエンゴム(EPDM)等)、可塑剤、軟化剤、酸化防止剤、導電性材料等の各種添加剤が配合されていてもよい。また、上記熱可塑性樹脂は、アクリル基等の光重合反応を示す官能基を有していてもよい。基材層の厚みは特に限定されず、例えば、50μm~300μmであり、好ましくは50μm~150μmである。
保持シート22の粘着層側の面(第3の面22X)の外周縁は、フレーム21の一方の面に貼着しており、フレーム21の開口を覆っている。第3の面22Xのフレーム21の開口から露出した部分に、基板10の一方の主面(第2の面10Y)が貼着される。プラズマ処理の際、保持シート22の基材層側の面(第4の面22Y)と、プラズマ処理装置内に設置されるステージとが接するように、ステージに載置される。すなわち、プラズマエッチングは、第2の面10Yとは反対側の第1の面10X側から行われる。
粘着層は、紫外線(UV)の照射によって粘着力が減少する粘着成分からなることが好ましい。これにより、プラズマダイシング後に素子チップをピックアップする際、UV照射を行うことにより、素子チップが粘着層から容易に剥離されて、ピックアップし易くなる。例えば、粘着層は、基材層の片面に、UV硬化型アクリル粘着剤を5μm~100μm(好ましくは5μm~15μm)の厚みに塗布することにより得られる。
(2)第2工程
第2工程は、保護膜の原料および溶媒を含む原料液を、基板10および保持シート22に液体状で供給して、基板10の第1の面10Xおよび端面10Z(以下、まとめて基板の表面と称す場合がある)を被覆する第1被覆層と、第1被覆層を取り囲み、かつ、保持シート22の少なくとも一部を被覆する第2被覆層と、を形成する塗布工程と、第1被覆層および第2被覆層を乾燥して、保護膜を形成する乾燥工程と、を備える。保護膜は、第1被覆層に対応する第1保護膜と、第2被覆層に対応する第2保護膜とを備える。
(塗布工程)
保護膜の原料および溶媒を含む原料液を、基板10だけでなく、保持シート22にも供給する。図3Aは、塗布工程における基板10、搬送キャリア20およびノズル301を模式的に示す断面図である。塗布工程および乾燥工程において、基板10を保持する搬送キャリア20は、例えば、テーブル302に水平に載置される。テーブル302は、搬送キャリア20を吸着することができる機構(図示せず)を備えていてもよい。
保護膜の原料としては、例えば、ポリイミド等の熱硬化性樹脂、フェノール樹脂等のフォトレジスト、あるいは、アクリル樹脂等の水溶性レジスト等の、いわゆるレジスト材料が挙げられる。溶媒は、保護膜の原料を溶解させることができる限り特に限定されず、原料に応じて選択される。水溶性レジストの場合、溶媒としては、例えば、水、水溶性の有機溶媒(メタノール、エタノール、アセトン、エチルメチルケトン、アセトニトリル、ジメチルアセトアミド等)が挙げられる。これらは1種を単独で、あるいは2種以上を組み合わせて用いられる。
原料液30は、液体状のままノズル301に設けられた開口(図示せず)から供給される。そのため、原料液30は、速やかに基板10の表面および保持シート22の第3の面22X上に広がって被覆層31(図3B参照)を形成する。よって、塗布工程にかかる時間が短縮される。また、原料液30を、基板10以外の領域にはみ出して供給することが許容されるため、ノズル位置を精密に制御することまで要しない。この点においても、塗布工程にかかる時間の短縮が図れる。
さらに、形成された被覆層31は、まだ流動性を有している。そのため、被覆層31は基板10の第1の面10Xで均一に濡れ広がる。流動性があるとは、被覆層31は、吐出された直後の原料液30とほぼ同程度の濃度を維持しており、基板10上で不定形に変化し得ることを意味する。被覆層31に占める溶媒量は、例えば、固形分に対して100体積%以上である。
ノズル301の開口の形状は特に限定されず、例えば、円形であってもよいし、スリット形状であってもよい。開口が円形である場合、ノズル301を基板10の径方向に往復移動させながら、原料液30を供給してもよい。このとき、原料液30が大きく移動しない程度の速度(例えば、100rpm以下)で基板10を回転させてもよい。開口がスリット形状である場合、例えば、ノズル301あるいは基板10を一方向に移動させながら、原料液30を供給する。原料液30の粘度が十分に低い場合、ノズル301および基板10をいずれも移動させずに、原料液30を供給してもよい。
原料液30の粘度は特に限定されない。生産性の観点から、原料液30のJIS Z 8803に準拠して測定される20℃における粘度は、1mPa・s~1000mPa・sであってもよい。原料液30の固形分濃度も特に限定されず、粘度が上記範囲になるように適宜設定すればよい。本実施形態によれば、原料液30の粘度および固形分濃度にかかわらず、基板10の第1の面10Xに、厚みの均一な保護膜40(図3C参照)を形成することができる。
図3Bは、被覆層31で被覆された基板10および保持シート22を模式的に示す断面図である。第1の面10Xおよび端面10Zは第1被覆層31aで覆われており、第3の面22Xの一部は第2被覆層31bで覆われている。第2被覆層31bは第1被覆層31aを取り囲んでおり、第1被覆層31aと第2被覆層31bとは連続している。つまり、被覆層31全体の端部は、保持シート22上に位置している。
各被覆層の厚みは特に限定されない。第1被覆層31aの厚みは、所望の第1保護膜40a(図3C参照)の厚み、原料液30の固形分濃度等を考慮して適宜設定する。第1被覆層31aに対応する第1保護膜40a(特に、第1の面10Xに形成される第1保護膜40a)の厚みは、後のプラズマエッチングに影響するためである。一方、第2被覆層31bに対応する第2保護膜40bの厚みは、プラズマエッチングには影響しない。ただし、第2被覆層31bの最大の厚みは、基板10の厚みを考慮して設定することが好ましい。第2被覆層31bの最大の厚みは、第1の面10Xに形成される第1保護膜40aの厚みの均一性に影響する場合があるためである。第2被覆層31bの厚みは均一であってもよいし、均一でなくてもよい。
被覆層31は流動性を備えるため、例えば、原料液30の粘度が低い場合、図10Aに示すように、原料液30が乾燥する過程において、基板10のエッジE付近の原料液30は保持シート22に向かって移動し易い。そのため、第1の面10X上に形成される保護膜140のエッジE近傍の厚みは、他の部分より小さくなる(図10B参照)。この現象は、基板10が厚い場合にも生じ易い。
第2被覆層31bの最大の厚みT31bを基板10の厚みT10より大きくすることにより、基板10のエッジE付近の原料液30は保持シート22側へと移動し難くなって、結果的に、第1の面10X上の第1保護膜40aの厚みは均一になる。厚みT31b>厚みT10にすることにより、得られる保護膜40の厚みが被覆層31の厚みの1/20以下になるような固形分濃度が低い(粘度が低い)場合でも、第1の面10X上の第1保護膜40aの厚みを均一にすることができる。言い換えれば、本実施形態によれば、粘度の低い原料液30を用いて厚い被覆層31を形成する場合であっても、第1保護膜40aの厚みを均一にすることができる。
コストの観点から、第2被覆層31bの最大の厚みT31bは過度に大きくなくてもよく、第1の面10X上の第1被覆層31aの厚みT31aと基板10の厚みT10との和以下であればよい。
第1の面10X上の第1被覆層31aの表面(液面)と第2被覆層31bの表面(液面)とを、面一にしてもよい。この場合も、原料液30の流動が抑制されるため、第1の面10X上の第1保護膜40aの厚みは均一になる。
厚みT31bは、第2被覆層31bの保持シート22の第3の面22Xから最も離れた地点と第3の面22Xとの最短距離である。厚みT31aは、第1の面10X上に形成された第1保護膜40aの任意の3点おける平均の厚みである。基板10の厚みT10は、任意の3点における平均の厚みである。
保持シート22の第3の面22Xの基板10に対向する領域以外が、すべて第2被覆層31bで覆われてもよい。この場合、第2被覆層31bの端部はフレーム21の端面に接触するため、端部からの乾燥は進行し難い。被覆層31の乾燥は主に面方向から進行し、保護膜40の盛り上がりの形成は抑制される。
(乾燥工程)
続いて、第1被覆層31aおよび第2被覆層31bを乾燥して、各被覆層に含まれる溶媒を除去し、保護膜40を形成する。保護膜40は、第1被覆層31aに対応する第1保護膜と、第2被覆層31bに対応する第2保護膜とを備える。図3Cは、乾燥工程により形成された保護膜40を備える基板10および搬送キャリア20を模式的に示す断面図である。
乾燥方法は特に限定されず、加熱乾燥であってもよいし、減圧乾燥であってもよい。本実施形態によれば、特に保護膜の盛り上がりが形成され易い加熱乾燥を採用することができる。加熱乾燥は、例えば、テーブル302の上方から加熱装置により加熱してもよいし、テーブル302の内部に加熱装置を配置して、搬送キャリア20の下方から加熱してもよい。加熱の条件は特に限定されず、保持シート22の材質および厚み、原料液30に含まれる溶媒の沸点等を考慮して適宜設定すればよい。なかでも、保持シート22の耐熱温度よりも低い温度、例えば、90℃以下で加熱することが好ましく、50℃以下(例えば、40℃以下)で加熱してもよい。
第1保護膜40aの厚みは特に限定されないが、第3工程におけるプラズマエッチングにより完全には除去されない程度であることが好ましい。第1保護膜40aの厚みは、例えば、第3工程において第1保護膜40aがエッチングされる量(厚み)を算出し、このエッチング量以上になるように設定される。第1の面10X上の第1保護膜40aの厚みは、例えば、15μm~50μmであればよい。
第2保護膜40bの厚みも特に限定されず、第1保護膜40aの厚みより大きくてもよい。第2保護膜40bの厚みは、例えば、20μm~70μmであってもよい。第2保護膜40bの厚みは均一であってもよいし、均一でなくてもよい。第2保護膜40bは、図3Cに示すように、盛り上がり部分Zを有していてもよい。第1保護膜40aの厚みおよび第2保護膜40bの厚みは、それぞれ任意の3点おける平均の厚みである。
(3)第3工程
保護膜40に開口を形成して、分割領域R2を露出させる。
図4は、開口が形成された基板を保持する保持シートを模式的に示す断面図である。
開口は、例えば、フォトレジストにより形成された保護膜40のうち、分割領域R2に対応する領域をフォトリソグラフィ法によって除去することにより形成される。熱硬化性樹脂あるいは水溶性レジストにより形成された保護膜40のうち、分割領域R2に対応する領域をレーザスクライビングによりパターニングして、開口を形成してもよい。
本工程では、図4に示すように、分割領域R2において半導体層11を露出させてもよい。すなわち、本工程において、回路層12を、素子領域R1に従って複数に分離してもよい。回路層12の分離は、例えば、レーザスクライビング、メカニカルダイシング、プラズマエッチング等により行われる。プラズマエッチングによる回路層12の分離は、後述する第4工程において行ってもよい。この場合、回路層12を除去するためのプラズマを発生させる条件と、半導体層11を除去するためのプラズマを発生させる条件とは異なり得る。例えば、Arを含むプロセスガスを原料とするプラズマにより回路層12を除去した後、ボッシュ法が実行される条件に切り替えて、半導体層11のエッチングが行われる。
(4)第4工程
本工程では、基板10をプラズマに晒して、開口から露出する分割領域R2を第2の面10Yまでエッチングし、基板10から複数の素子チップを形成する。複数の素子チップは、保持シート22に保持された状態で得られる。図5に、素子チップ200の断面を模式的に示す。
図6を参照しながら、プラズマエッチングに使用されるプラズマ処理装置100を具体的に説明する。プラズマ処理装置は、これに限定されるものではない。図6は、プラズマ処理装置100の構造を概略的に示す断面図であり、便宜上、保護膜40を省略している。
(プラズマ処理装置)
プラズマ処理装置100は、ステージ111を備えている。搬送キャリア20は、保持シート22の第3の面22Xが上方を向くように、ステージ111に搭載される。ステージ111は、搬送キャリア20の全体を載置できる程度の大きさを備える。ステージ111の上方には、基板10の少なくとも一部を露出させるための窓部124Wを有するカバー124が配置されている。カバー124には、フレーム21がステージ111に載置されている状態のとき、フレーム21を押圧するための押さえ部材107が配置されている。押さえ部材107は、例えば、フレーム21と点接触できる部材(例えば、コイルバネや弾力性を有する樹脂)である。これにより、フレーム21およびカバー124の熱が互いに影響し合うことを抑制しながら、フレーム21の歪みを矯正することができる。
ステージ111およびカバー124は、真空チャンバ103内に配置されている。真空チャンバ103は、上部が開口した概ね円筒状であり、上部開口は蓋体である誘電体部材108により閉鎖されている。真空チャンバ103を構成する材料としては、アルミニウム、ステンレス鋼(SUS)、表面をアルマイト加工したアルミニウム等が例示できる。誘電体部材108を構成する材料としては、酸化イットリウム(Y23)、窒化アルミニウム(AlN)、アルミナ(Al23)、石英(SiO2)等の誘電体材料が例示できる。誘電体部材108の上方には、上部電極としての第1の電極109が配置されている。第1の電極109は、第1の高周波電源110Aと電気的に接続されている。ステージ111は、真空チャンバ103内の底部側に配置される。
真空チャンバ103には、ガス導入口103aが接続されている。ガス導入口103aには、プラズマ発生用ガス(プロセスガス)の供給源であるプロセスガス源112およびアッシングガス源113が、それぞれ配管によって接続されている。また、真空チャンバ103には、排気口103bが設けられており、排気口103bには、真空チャンバ103内のガスを排気して減圧するための真空ポンプを含む減圧機構114が接続されている。真空チャンバ103内にプロセスガスが供給された状態で、第1の電極109に第1の高周波電源110Aから高周波電力が供給されることにより、真空チャンバ103内にプラズマが発生する。
ステージ111は、それぞれ略円形の電極層115と、金属層116と、電極層115および金属層116を支持する基台117と、電極層115、金属層116および基台117を取り囲む外周部118とを備える。外周部118は導電性および耐エッチング性を有する金属により構成されており、電極層115、金属層116および基台117をプラズマから保護する。外周部118の上面には、円環状の外周リング129が配置されている。外周リング129は、外周部118の上面をプラズマから保護する役割をもつ。電極層115および外周リング129は、例えば、上記の誘電体材料により構成される。
電極層115の内部には、静電吸着(Electrostatic Chuck)用電極(以下、ESC電極119と称す。)と、第2の高周波電源110Bに電気的に接続された第2の電極120とが配置されている。ESC電極119には、直流電源126が電気的に接続されている。静電吸着機構は、ESC電極119および直流電源126により構成されている。静電吸着機構によって、保持シート22はステージ111に押し付けられて固定される。以下、保持シート22をステージ111に固定する固定機構として、静電吸着機構を備える場合を例に挙げて説明するが、これに限定されない。保持シート22のステージ111への固定は、図示しないクランプによって行われてもよい。
金属層116は、例えば、表面にアルマイト被覆を形成したアルミニウム等により構成される。金属層116内には、冷媒流路127が形成されている。冷媒流路127は、ステージ111を冷却する。ステージ111が冷却されることにより、ステージ111に搭載された保持シート22が冷却されるとともに、ステージ111にその一部が接触しているカバー124も冷却される。これにより、基板10や保持シート22が、プラズマ処理中に加熱されることによって損傷されることが抑制される。冷媒流路127内の冷媒は、冷媒循環装置125により循環される。
ステージ111の外周付近には、ステージ111を貫通する複数の支持部122が配置されている。支持部122は、搬送キャリア20のフレーム21を支持する。支持部122は、昇降機構123Aにより昇降駆動される。搬送キャリア20が真空チャンバ103内に搬送されると、所定の位置まで上昇した支持部122に受け渡される。支持部122の上端面がステージ111と同じレベル以下にまで降下することにより、搬送キャリア20は、ステージ111の所定の位置に載置される。
カバー124の端部には、複数の昇降ロッド121が連結しており、カバー124を昇降可能にしている。昇降ロッド121は、昇降機構123Bにより昇降駆動される。昇降機構123Bによるカバー124の昇降の動作は、昇降機構123Aとは独立して行うことができる。
制御装置128は、第1の高周波電源110A、第2の高周波電源110B、プロセスガス源112、アッシングガス源113、減圧機構114、冷媒循環装置125、昇降機構123A、昇降機構123Bおよび静電吸着機構を含むプラズマ処理装置100を構成する要素の動作を制御する。
基板10のエッチングは、基板10が保持された搬送キャリア20を真空チャンバ内に搬入し、基板10がステージ111に載置された状態で行われる。
基板10の搬入の際、真空チャンバ103内では、昇降ロッド121の駆動により、カバー124が所定の位置まで上昇している。図示しないゲートバルブが開いて搬送キャリア20が搬入される。複数の支持部122は、上昇した状態で待機している。搬送キャリア20がステージ111上方の所定の位置に到達すると、支持部122に搬送キャリア20が受け渡される。搬送キャリア20は、保持シート22の粘着層が上方を向くように、支持部122の上端面に受け渡される。
搬送キャリア20が支持部122に受け渡されると、真空チャンバ103は密閉状態に置かれる。次に、支持部122が降下を開始する。支持部122の上端面が、ステージ111と同じレベル以下にまで降下することにより、搬送キャリア20は、ステージ111に載置される。続いて、昇降ロッド121が駆動する。昇降ロッド121は、カバー124を所定の位置にまで降下させる。このとき、カバー124に配置された押さえ部材107がフレーム21に点接触できるように、カバー124とステージ111との距離は調節されている。これにより、フレーム21が押さえ部材107によって押圧されるとともに、フレーム21がカバー124によって覆われ、基板10は窓部124Wから露出する。
カバー124は、例えば、略円形の外形輪郭を有したドーナツ形であり、一定の幅および薄い厚みを備えている。カバー124の内径(窓部124Wの直径)はフレーム21の内径よりも小さく、カバー124の外径はフレーム21の外径よりも大きい。したがって、搬送キャリア20をステージの所定の位置に搭載し、カバー124を降下させると、カバー124は、フレーム21を覆うことができる。窓部124Wからは、基板10の少なくとも一部が露出する。
カバー124は、例えば、セラミックス(例えば、アルミナ、窒化アルミニウムなど)や石英などの誘電体や、アルミニウムあるいは表面がアルマイト処理されたアルミニウムなどの金属で構成される。押さえ部材107は、上記の誘電体や金属の他、樹脂材料で構成され得る。
搬送キャリア20が支持部122に受け渡された後、直流電源126からESC電極119に電圧を印加する。これにより、保持シート22がステージ111に接触すると同時にステージ111に静電吸着される。なお、ESC電極119への電圧の印加は、保持シート22がステージ111に載置された後(接触した後)に、開始されてもよい。
プラズマの発生条件は、エッチングされる回路層12および半導体層11の材質などに応じて設定される。半導体層11は、例えば、ボッシュプロセスによりプラズマエッチングされる。ボッシュプロセスでは、半導体層11が深さ方向に垂直にエッチングされる。半導体層11がSiを含む場合、ボッシュプロセスは、堆積ステップと、堆積膜エッチングステップと、Siエッチングステップとを順次繰り返すことにより、半導体層11を深さ方向に掘り進む。
堆積ステップは、例えば、プロセスガスとしてCを150~250sccmで供給しながら、真空チャンバ103内の圧力を15~25Paに調整し、第1の高周波電源110Aから第1の電極109への投入電力を1500~2500Wとして、第2の高周波電源110Bから第2の電極120への投入電力を0~50Wとして、2~15秒間、処理する条件で行われる。
堆積膜エッチングステップは、例えば、プロセスガスとしてSFを200~400sccmで供給しながら、真空チャンバ103内の圧力を5~15Paに調整し、第1の高周波電源110Aから第1の電極109への投入電力を1500~2500Wとして、第2の高周波電源110Bから第2の電極120への投入電力を300~1000Wとして、2~10秒間、処理する条件で行われる。
Siエッチングステップは、例えば、プロセスガスとしてSFを200~400sccmで供給しながら、真空チャンバ103内の圧力を5~15Paに調整し、第1の高周波電源110Aから第1の電極109への投入電力を1500~2500Wとして、第2の高周波電源110Bから第2の電極120への投入電力を50~500Wとして、10~20秒間、処理する条件で行われる。
上記のような条件で、堆積ステップ、堆積膜エッチングステップ、および、Siエッチングステップを繰り返すことにより、Siを含む半導体層11は、10~20μm/分の速度で深さ方向に垂直にエッチングされ得る。
なお、金属材料を含む回路層12は、以下のような条件でプラズマエッチングされ得る。例えば、プロセスガスとしてCFとArの混合ガス(CF:Ar=1:4)を150~250sccmで供給しながら、真空チャンバ103内の圧力を0.2~1.5Paに調整する。第1の高周波電源110Aから第1の電極109に1500~2500W、周波数13.56MHzの高周波電力を供給するとともに、第2の高周波電源110Bから第2の電極120に500~1800W、周波数100kHz以上(例えば、400~500kHz、あるいは、13.56MHz)の高周波電力を投入する。
エッチングが終了すると、真空チャンバ103内のガスが排出され、ゲートバルブが開く。複数の素子チップ200を保持する搬送キャリア20は、ゲートバルブから進入した搬送機構によって、プラズマ処理装置100から搬出される。搬送キャリア20が搬出されると、ゲートバルブは速やかに閉じられる。搬送キャリア20の搬出プロセスは、上記のような搬送キャリア20をステージ111に搭載する手順とは逆の手順で行われてもよい。すなわち、カバー124を所定の位置にまで上昇させた後、ESC電極119への印加電圧をゼロにして、搬送キャリア20のステージ111への吸着を解除し、支持部122を上昇させる。支持部122が所定の位置まで上昇した後、搬送キャリア20は搬出される。
エッチング終了後、搬送キャリア20を搬出する前に、アッシングを行ってもよい。これにより、カバー124の窓部124Wから露出している保護膜40が除去される。
アッシングは、例えば、アッシングガスとしてCFとOとの混合ガス(流量比CF:O=1:10)を150~300sccmで供給しながら、真空チャンバ103内の圧力を5~15Paに調整し、第1の高周波電源110Aから第1の電極109への印加電力を1500~5000Wとして、第2の高周波電源110Bから第2の電極120への印加電力を0~300Wとする条件により行われる。なお、アッシング工程における第2の電極120への印加電力は、エッチング工程における第2の電極120への印加電力よりも小さくなるように設定することが望ましい。
なお、保護膜40が水溶性である場合、アッシングに替えて、水洗により保護膜40を除去してもよい。
最後に素子チップ200を保持シート22から取り外す。
素子チップ200は、例えば、保持シート22の第4の面22Y側から、保持シート22とともに突き上げピンで突き上げる。これにより、素子チップ200の少なくとも一部は、保持シート22から浮き上がる。その後、ピックアップ装置により、素子チップ200は保持シート22から取り外される。
[第2実施形態]
本実施形態は、第2工程の前に、保持シート22の第3の面22Xに、基板10を取り囲む環状の凸部を形成する第5工程を備え、塗布工程において、原料液30を、上記凸部に囲まれた領域に供給すること以外、第1実施形態と同様である。図7Aは、本実施形態に係る基板および凸部が形成された搬送キャリアの上面図であり、図7Bは、図7AのB-B線における断面図である。図7Aでは、便宜上、凸部60にハッチングを付して示している。
環状の凸部60は、フレーム21と基板10の外縁との間に形成される。原料液30は、環状の凸部60に囲まれた領域内にある基板10および保持シート22に供給される。よって、被覆層31の端部の位置、および、第2被覆層31bの最大の厚みT31bの制御が容易になるとともに、原料液30の使用量が低減される。
環状の凸部60を形成する方法は特に限定されない。例えば、保持シート22の所定の位置に、原料液30に対する耐性を有する樹脂材料をディスペンサあるいはスプレーで塗布してもよい。あるいは、原料液30に対する耐性を有する材料を用いて予め環状に形成された部材を、保持シート22の所定の位置に配置してもよい。保持シート22の第3の面22Xが粘着層を有している場合、上記部材は容易に固定される。第5工程は、第2工程の前に行われればよく、第1工程の前に行われてもよいし、第1工程の後、第2工程の前に行われてもよい。
凸部60の保持シート22からの高さは特に限定されず、第2被覆層31bの最大の厚みT31bを考慮して適宜設定すればよい。凸部60の高さは、基板10の厚みT10および第2被覆層31bの最大の厚みT31bより大きくてもよい。
[第3実施形態]
本実施形態は、第2工程の前に、保持シート22の第3の面22Xに、基板10を取り囲み、原料液30に対する濡れ性の低い環状の表面処理領域を形成する第6工程を備え、塗布工程において、原料液30を、上記表面処理領域に囲まれた領域に供給すること以外、第1実施形態と同様である。図8Aは、本実施形態に係る基板および表面処理領域が形成された搬送キャリアの上面図であり、図8Bは、図8AのC-C線における断面図である。図8Aでは、便宜上、表面処理領域70にハッチングを付して示している。
環状の表面処理領域70は、フレーム21と基板10の外縁との間に形成される。原料液30は、環状の表面処理領域70に囲まれた領域内にある基板10および保持シート22に供給される。よって、被覆層31の端部の位置の制御が容易になるとともに、原料液30の使用量が低減される。
環状の表面処理領域70を形成する方法は特に限定されない。原料液30が水溶性である場合、表面処理領域70は撥水性を有していればよい。撥水性の表面処理領域70は、例えば、保持シート22の所定の位置にプラズマ処理あるいは紫外線照射等を行うか、あるいは、撥水剤をスプレー等することにより形成され得る。第6工程は、第2工程の前に行われればよく、第1工程の前に行われてもよいし、第1工程の後、第2工程の前に行われてもよい。
[第4実施形態]
本実施形態は、塗布工程において、保持シート22のフレーム21との貼着領域(第1貼着領域22a)が、保持シート22の基板10との貼着領域(第2貼着領域22b)よりも上方に配置されていること以外、第1実施形態と同様である。図9は、本実施形態に係る塗布工程における基板、搬送キャリアを示す断面図である。
本実施形態では、例えば、フレーム21をテーブル302に対して上方に持ち上げる。すると、フレーム21とともに、フレーム21に貼着されている保持シート22の一部もテーブル302から離間する。一方、基板10は、保持シート22を介してテーブル302に載置されている。そのため、保持シート22は、第3の面22Xを内表面として備え、底部に基板10を収容する容器のような形状になる。
この容器に基板10を覆うように原料液30を供給すると、自ずと第1被覆層31aおよび第2被覆層31bが形成される。さらに、第1の面10X上の第1被覆層31aの液面と第2被覆層31bの液面とが面一になる。第1の面10X上の第1被覆層31aの厚みは、第1貼着領域22aと第2貼着領域22bとの第1高低差D1および供給される原料液30の量により制御される。本実施形態によれば、原料液30の粘度、供給スピード等の調整を要しないため塗布工程が非常にシンプルになって、塗布工程にかかる時間はさらに短縮される。なお、塗布工程および乾燥工程の間、基板10がテーブル302上に水平に載置されるように、基板10は、保持シート22を介してテーブル302に真空吸着あるいは静電吸着されていることが好ましい。
フレーム21を上方に持ち上げる方法は、特に限定されない。例えば、フレーム21を、昇降可能な押し上げピンで押し上げてもよい。あるいは、テーブル302のフレーム21が載置される位置に押し上げ部材を設置しておいてもよい。この場合、基板10を保持する搬送キャリア20をテーブル302に載置すると、フレーム21は押し上げ部材によってテーブル302から離間した状態になる一方、基板10は、保持シート22を介してテーブル302に載置されたままである。
第1高低差D1は、特に限定されない。第1高低差D1は、例えば、200μm~1500μm程度である。また、第1貼着領域22aとテーブル302との第2高低差D2も特に限定されず、保持シート22の厚み等を考慮して適宜設定すればよい。第2高低差D2は、例えば、1mm~2mmであってもよい。高低差D1およびD2は、それぞれ任意の3点における平均の高低差である。
本発明の製造方法は、保持シートに貼着された基板を、プラズマエッチングにより個片化して素子チップを製造する方法として有用である。
10:基板
10X:第1の面
10Y:第2の面
10Z:端面
11:半導体層
12:回路層
20:搬送キャリア
21:フレーム
21X:対向面
21a:ノッチ
21b:コーナーカット
22:保持シート
22X:第3の面
22Y:第4の面
22a:第1貼着領域
22b:第2貼着領域
30:原料液
31:被覆層
31a:第1被覆層
31b:第2被覆層
40:保護膜
40a:第1保護膜
40b:第2保護膜
60:凸部
70:表面処理領域
100:プラズマ処理装置
103:真空チャンバ
103a:ガス導入口
103b:排気口
108:誘電体部材
109:第1の電極
110A:第1の高周波電源
110B:第2の高周波電源
111:ステージ
112:プロセスガス源
113:アッシングガス源
114:減圧機構
115:電極層
116:金属層
117:基台
118:外周部
119:ESC電極
120:第2の電極
121:昇降ロッド
122:支持部
123A、123B:昇降機構
124:カバー
124W:窓部
125:冷媒循環装置
126:直流電源
127:冷媒流路
128:制御装置
129:外周リング
140:保護膜
200:素子チップ
301:ノズル
302:テーブル

Claims (3)

  1. 保持シートに保持された基板から、プラズマエッチングにより素子チップを製造する方法であって、
    前記基板は、複数の素子領域および前記素子領域を画定する分割領域を備えるとともに、第1の面および前記第1の面とは反対側の第2の面を有しており、
    前記素子チップの製造方法は、
    前記保持シートに前記第2の面が貼着された前記基板を準備する第1工程と、
    前記保持シートの少なくとも一部および前記保持シートに貼着された前記基板を被覆する保護膜を形成する第2工程と、
    前記保護膜に開口を形成して、前記第1の面における前記分割領域を露出させる第3工程と、
    露出した前記分割領域の前記第1の面から前記第2の面までをプラズマエッチングして、前記基板を複数の素子チップに個片化する第4工程と、を備え、
    前記保持シートは前記基板よりも大きく、
    前記第2工程は、前記保護膜の原料および溶媒を含む原料液を、前記基板および前記保持シートに液体状で供給して、前記第1の面および前記基板の端面を被覆し、流動性を備える第1被覆層と、前記第1被覆層を取り囲み、かつ、前記保持シートの少なくとも一部を被覆し、流動性を備える第2被覆層と、を形成する塗布工程と、
    前記第1被覆層および前記第2被覆層を乾燥して、前記保護膜を形成する乾燥工程と、を備え
    前記第2工程の前に、前記保持シートに、前記基板を取り囲み、前記原料液に対する濡れ性の低い環状の表面処理領域を形成する第6工程を備え、
    前記塗布工程において、前記原料液を、前記表面処理領域に囲まれた領域に供給する、素子チップの製造方法。
  2. 保持シートに保持された基板から、プラズマエッチングにより素子チップを製造する方法であって、
    前記基板は、複数の素子領域および前記素子領域を画定する分割領域を備えるとともに、第1の面および前記第1の面とは反対側の第2の面を有しており、
    前記素子チップの製造方法は、
    前記保持シートに前記第2の面が貼着された前記基板を準備する第1工程と、
    前記保持シートの少なくとも一部および前記保持シートに貼着された前記基板を被覆する保護膜を形成する第2工程と、
    前記保護膜に開口を形成して、前記第1の面における前記分割領域を露出させる第3工程と、
    露出した前記分割領域の前記第1の面から前記第2の面までをプラズマエッチングして、前記基板を複数の素子チップに個片化する第4工程と、を備え、
    前記保持シートは前記基板よりも大きく、
    前記第2工程は、前記保護膜の原料および溶媒を含む原料液を、前記基板および前記保持シートに液体状で供給して、前記第1の面および前記基板の端面を被覆し、流動性を備える第1被覆層と、前記第1被覆層を取り囲み、かつ、前記保持シートの少なくとも一部を被覆し、流動性を備える第2被覆層と、を形成する塗布工程と、
    前記第1被覆層および前記第2被覆層を乾燥して、前記保護膜を形成する乾燥工程と、を備え、
    前記保持シートの外周縁は、環状体のフレームに貼着されており、
    前記保持シートは、前記フレームが貼着する第1貼着領域と、前記基板が貼着する第2貼着領域とを備え、
    前記塗布工程において、前記第1貼着領域は、前記第2貼着領域よりも上方に配置されている、素子チップの製造方法。
  3. 前記塗布工程において、前記第2被覆層の厚みは、前記基板の厚みよりも大きい、請求項1または2に記載の素子チップの製造方法。
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