JP5585007B2 - ボイラ群の制御方法、プログラム、制御器及びボイラシステム - Google Patents

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Description

この発明は、段階的な燃焼位置で制御される複数のボイラを備えたボイラ群の制御方法、プログラム、制御器及びボイラシステムに関する。
従来、段階的な燃焼位置で制御される複数のボイラを備えたボイラ群において、いずれかのボイラを給蒸状態とするために燃焼を開始する場合、燃焼開始するボイラが給蒸可能となるまでの間に生じる不足蒸発量を、既に最下位燃焼位置以上にあり燃焼位置を上位に移行することが可能なボイラによってバックアップする場合がある。
バックアップは、燃焼停止位置にあるボイラでは、燃焼を開始して缶体内の水を沸点近傍まで上昇させるのに所定の加熱時間が必要なのに対して、既に最下位燃焼位置以上の燃焼位置にあるボイラでは缶体内の水が沸点近傍で保持されているために所定の蒸発量を短時間で給蒸できることに基づいており、例えば、三位置制御ボイラからなるボイラ群の負荷追従性を向上するために、低燃焼位置にあるボイラを高燃焼位置に移行してバックアップする技術が開示されている(例えば、特許文献1参照。)。
特開平1−256704号公報
しかしながら、バックアップに用いるボイラのバックアップ蒸発量(バックアップのために一段階上位の燃焼位置に移行した場合に増加する蒸発量であり、移行前後の蒸発量の差)が、不足蒸発量(バックアップを必要とするボイラを燃焼停止位置から第1燃焼位置に移行することで増加する蒸発量に相当)より大きい場合、過剰なバックアップ蒸発量によりバックアップをすることになり、その結果、オーバシュートやハンチングを起こす場合がある。
本発明は、このような事情を考慮してなされたものであり、段階的な燃焼位置で制御される複数のボイラを備えたボイラ群において、いずれかのボイラを給蒸させるために燃焼開始する際に、過剰な蒸発量によるバックアップを抑制して安定した制御が可能なボイラ群の制御方法、プログラム、制御器及びボイラシステムを提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、この発明は以下の手段を提案している。
請求項1に記載の発明は、蒸発量を段階的に増減する複数のボイラを備え、一のボイラの燃焼位置を一段階上位の燃焼位置に移行させた際に増加する差分蒸発量が、他のボイラの燃焼停止位置から第1燃焼位置に移行した際に増加する第1差分蒸発量より大きく設定されたボイラ群を制御するプログラムであって、前記ボイラ群において、蒸発量を増加するために、前記他のボイラが燃焼開始を指示されて給蒸するまでの間に、燃焼位置にあるボイラを上位の燃焼位置に移行してバックアップする際に、前記バックアップにより増加するバックアップ蒸発量が前記他のボイラが前記燃焼開始を指示されて給蒸するまでの間に生じる不足蒸発量の合計より大きい場合に、不足蒸発量の合計とバックアップに用いる各ボイラのバックアップ蒸発量を合計した総バックアップ蒸発量とが以下の(1)式を満たした後に、
(不足蒸発量の合計)
≧((バックアップに用いる各ボイラのバックアップ蒸発量を合計した総バックアップ蒸発量)×K1) ・・・(1)
K1:定数(0<K1<1)
上記(1)式を満足する最大台数のボイラによりバックアップする第1のバックアップ手段を備えて構成されていることを特徴とする。
請求項2に記載の発明は、制御器であって、請求項1に記載のプログラムを備えることを特徴とする。
請求項3に記載の発明は、ボイラシステムであって、請求項2に記載の制御器を備えることを特徴とする。
請求項4に記載の発明は、蒸発量を段階的に増減する複数のボイラを備え、一のボイラの燃焼位置を一段階上位の燃焼位置に移行させた際に増加する差分蒸発量が、他のボイラの燃焼停止位置から第1燃焼位置に移行した際に増加する第1差分蒸発量より大きく設定されたボイラ群の制御方法であって、前記ボイラ群において、蒸発量を増加するために、前記他のボイラが燃焼開始を指示されて給蒸するまでの間に、燃焼位置にあるボイラを上位の燃焼位置に移行してバックアップする際に、前記バックアップにより増加するバックアップ蒸発量が前記他のボイラが前記燃焼開始を指示されて給蒸するまでの間に生じる不足蒸発量の合計より大きい場合に、不足蒸発量の合計とバックアップに用いる各ボイラのバックアップ蒸発量を合計した総バックアップ蒸発量とが以下の(1)式を満たした後に、
(不足蒸発量の合計)
≧((バックアップに用いる各ボイラのバックアップ蒸発量を合計した総バックアップ蒸発量)×K1) ・・・(1)
K1:定数(0<K1<1)
上記(1)式を満足する最大台数のボイラによりバックアップすることを特徴とする。
この発明に係るプログラム、制御器、ボイラシステム、ボイラ群の制御方法によれば、給蒸するために燃焼開始を指示されたボイラが給蒸するまでの間に、第1燃焼位置以上の燃焼位置にあり給蒸しているボイラによってバックアップする際に、バックアップにより増加するバックアップ蒸発量が不足蒸発量の合計より大きい場合に、不足蒸発量の合計とバックアップに用いる各ボイラのバックアップ蒸発量を合計した総バックアップ蒸発量とが以下の(1)式を満たした後に、
(不足蒸発量の合計)
≧((バックアップに用いる各ボイラのバックアップ蒸発量を合計した総バックアップ蒸発量)×K1) ・・・(1)
K1:定数(0<K1<1)
上記(1)式を満足する最大台数のボイラによりバックアップするので、過剰な蒸発量によるバックアップを抑制し、オーバシュートやハンチングの発生を抑制することができる。
この明細書において、差分蒸発量とは、ボイラを一段階上位の燃焼位置に移行した場合に増加する蒸発量、すなわち、移行した後の燃焼位置の蒸発量と移行前の燃焼停止位置(又は燃焼位置)の蒸発量との差をいう。
また、一段階上位に移行して第N燃焼位置(Nは、1以上の整数)となることで増加する蒸発量を、「第N燃焼位置の差分蒸発量」、又は「第N差分蒸発量」といい、例えば、燃焼停止位置から第1燃焼位置に移行した場合に増加する蒸発量を「第1燃焼位置の差分蒸発量」、又は「第1差分蒸発量」と、第1燃焼位置から第2燃焼位置に移行した場合に増加する蒸発量を「第2燃焼位置の差分蒸発量」、又は「第2差分蒸気量」という。
また、バックアップ蒸発量とは、燃焼停止位置にあるボイラが燃焼開始を指示されて給蒸するまでの間に、燃焼位置にある他のボイラが一時的に燃焼位置を一段階上位に移行してバックアップする際に増加させる蒸発量をいう。
この発明に係るボイラ群の制御方法、プログラム、制御器、ボイラシステムによれば、過剰な蒸発量によるバックアップを抑制して、オーバシュートやハンチングの発生を抑制することで、ボイラ群を安定して制御することができる。
本発明の一実施形態に係るボイラシステムの概略構成を示す図である。 一実施形態に係るボイラ群を説明する概念図である。 一実施形態に係るプログラムの一例を説明する概略フロー図である。 一実施形態に係るプログラムの第1のサブルーチンを説明する概略フロー図である。 一実施形態に係るプログラムの第2のサブルーチンを説明する概略フロー図である。 一実施形態に係るボイラシステムにおけるバックアップの一例を示す図である。 この発明の他の実施形態に係るボイラシステムにおけるバックアップの一例を示す図である。
以下、図1から図6を参照し、この発明の一実施形態について説明する。
図1は、本発明に係る制御器の一実施形態を示す図であり、符号1はボイラシステムを示している。
ボイラシステム1は、複数のボイラから構成されるボイラ群2と、制御部(制御器)4と、スチームヘッダ6と、スチームヘッダ6に設けられた圧力センサ7とを備え、ボイラ群2で発生させた蒸気を蒸気使用設備18に供給するようになっている。
この実施形態において、ボイラ群2は、例えば、第1ボイラ21、第2ボイラ22、第3ボイラ23、第4ボイラ24、第5ボイラ25を備え、5台の蒸気ボイラから構成されている。
この実施形態における要求負荷は、圧力センサ7が検出するスチームヘッダ6内の蒸気の圧力(物理量)により代用されており、この圧力に基づいて蒸気使用設備18の消費蒸気量と対応する蒸発量を算出するようになっている。
スチームヘッダ6は、第1ボイラ21、・・・、第5ボイラ25と蒸気管11により接続されるとともに、蒸気使用設備18と蒸気管12により接続されており、ボイラ群2で発生させた蒸気を集合し、各ボイラ相互間の圧力差及び圧力変動を調整して蒸気使用設備18に蒸気を供給するようになっている。
ボイラ群2を構成している各ボイラ21、・・・、25は、例えば、図2に示すように同一の構成とされ、それぞれ燃焼停止状態(燃焼停止位置に対応)、低燃焼状態(第1燃焼位置に対応)、高燃焼状態(第2燃焼位置に対応)での燃焼が制御可能な三位置ボイラとされている。
また、燃焼停止位置から第1燃焼位置に燃焼位置を一段階高くした場合に増加する第1差分蒸発量は、1000(Kg/h)、第1燃焼位置から第2燃焼位置に燃焼位置を一段階高くした場合に増加する第2差分蒸発量は、2500(Kg/h)に設定されている。つまり、第2燃焼位置で燃焼した場合の蒸発量すなわち定格蒸発量は3500(Kg/h)とされている。
また、各ボイラ21、・・・、25の燃焼停止位置、第1燃焼位置、第2燃焼位置への移行は、周知の燃焼位置制御技術によって制御されるようになっており、例えば、スチームヘッダ6の圧力が高くなった場合には蒸発量を減少させ、圧力が低くなった場合には蒸発量を増加させるようになっている。
図2において、各枠内に示した〈1〉から〈10〉は、ボイラ群2が蒸発量を増加する際の優先順位を示しており、ボイラ群2を構成する各ボイラは、燃焼停止位置から第1燃焼位置への移行と、第1燃焼位置から第2燃焼位置への移行を、それぞれ第1ボイラ21から第5ボイラ25の順で行うようになっている。すなわち、バックアップの場合を除き、第1燃焼位置から第2燃焼位置への移行は、すべてのボイラが第1燃焼位置に移行した後に行われるようになっている。
また、バックアップをするために、第1燃焼位置から第2燃焼位置に一時的に燃焼位置を移行する場合、第1燃焼位置にあるボイラのうち優先順位が高いボイラを優先して行なうようになっている。
制御部4は、入力部41と、メモリ42と、演算部43と、ハードディスク44と、出力部46と、通信線47とを備え、入力部41、メモリ42、演算部43、ハードディスク44、出力部46は通信線47により相互にデータ等を通信可能に接続され、ハードディスク44にはデータベース45が格納されている。
入力部41は、例えば、図示しないキーボード等のデータ入力機器を有していて設定等を演算部43に出力可能とされるとともに、圧力センサ7、各ボイラ21、・・・、25と信号線13、信号線16により接続され、圧力センサ7から入力された圧力信号及び各ボイラ21、・・・、25から入力された信号(例えば、燃焼位置等の情報)を演算部43に出力するようになっている。
出力部46は、各ボイラ21、・・・、25と信号線14により接続され、演算部43から出力された制御信号を各ボイラ21、・・・、25に出力するようになっている。
演算部43は、メモリ42の記憶媒体(例えば、ROM)に格納されたプログラムを読み込んで実行し、例えば、要求負荷に対応する蒸発量の算出、入力部41から入力された各ボイラの運転状態に関する情報等に基づいてバックアップを行なうかどうかを判断、及びボイラ群2において燃焼させるボイラ及びその燃焼位置を選択し、その結果に基づき出力部46を介して各ボイラ21、・・・、25に制御信号を出力するようになっている。
データベース45は、第1のデータベース45Aと、第2のデータベース45Bとを備えている。
第1のデータベース45Aは、圧力信号(mV)と圧力(Pa)との関係を示すデータテーブルが数値データとして格納されており、圧力センサ7からの圧力信号(mV)に基づいてスチームヘッダ6内の圧力(Pa)が算出されるようになっている。
また、第2のデータベース45Bは、例えば、各ボイラ21、・・・、25の燃焼位置の構成、各燃焼位置の差分蒸発量、各燃焼位置の蒸発量等のデータが格納されており、これらデータを、演算部43が演算する際に参照するようになっている。
一実施形態に係るプログラムは、メインルーチンと、第1サブルーチン(第1のバックアップ手段)と、第2サブルーチン(第2のバックアップ手段)とを備えており、メインルーチンは、圧力センサ7が検出したスチームヘッダ6の圧力に基づいて、ボイラ群2において燃焼させるボイラ及び燃焼位置を選択してボイラ群2の蒸発量を制御するように構成されている。この実施形態において、燃焼させるボイラ及び燃焼位置は、優先順位に基づいて行なわれるようになっている。
第1のサブルーチンは、ボイラ群2の蒸発量を増加させるために、各ボイラ21、・・・、25のいずれかに給蒸のために燃焼開始を指示する信号が出力され、既に第1燃焼位置(最下位燃焼位置)にあるボイラを第2燃焼位置に移行してバックアップする際に、バックアップにより増加するバックアップ蒸発量が、燃焼開始を指示されたボイラが給蒸状態に到達していないために不足する不足蒸発量の合計より大きい場合に、バックアップを開始するタイミングを遅らせるように構成されている。
具体的には、各ボイラ21、・・・、25の不足蒸発量を合計した合計不足蒸発量JLが、
合計不足蒸発量JL
≧((バックアップに用いる各ボイラのバックアップ蒸発量を合計した総バックアップ蒸発量)×K1) ・・・(1)
K1:定数(0<K1<1)となった場合にバックアップを開始し、数式(1)を満足する最大台数によりバックアップするようになっている。
また、第2のサブルーチンは、ボイラ群2において、バックアップ燃焼中のボイラが存在する状況で合計不足蒸発量JLが減少した場合に、バックアップ又はバックアップの一部を早期に解除して、過剰蒸発量によるバックアップが継続するのを抑制するようになっており、具体的には、
合計不足蒸発量JL
≦((バックアップに用いている各ボイラのバックアップ蒸発量を合計した総バックアップ蒸発量)×K2) ・・・(2)
K2:定数(0<K2<K1)
を満足する最小台数のボイラによりバックアップし、最小台数を超えるボイラによるバックアップを解除するようになっている。
メインルーチン、第1のサブルーチン及び第2のサブルーチンの動作手順は、例えば、図3、図4、図5に示すフロー図のような概略構成とされている。
なお、メインルーチンにおける圧力センサ7からの圧力信号に基づいて蒸発量増加の必要性を判断は、上述のように周知の燃焼位置制御技術が用いられるものとし、説明を省略する。
以下、図3を参照して、メインルーチンについて説明する。
1)まず、ボイラ群2における合計不足蒸発量JL、総バックアップ蒸発量JBKを設定するとともに、合計不足蒸発量JL、総バックアップ蒸発量JBKに、それぞれ初期値(=0)を設定する(S1)。
2)ボイラ群2が運転中かどうかを判断する(S2)。
ボイラ群2が運転中の場合にはS3に移行し、運転が停止している場合にはプログラムを終了する。
3)演算部43は、入力部41を介して取得した各ボイラ21、・・・、25の運転状態に関する情報等に基づいて新たに給蒸可能となったボイラの有無を判断する(S3)。
給蒸可能となったボイラがない場合にはS4に移行し、給蒸可能となったボイラがある場合にはS18に移行する。
4)演算部43は、入力部41を介して取得した圧力センサ7の圧力信号に基づいて蒸発量増加の必要性を判断する(S4)。
蒸発量を増加する必要性がある場合にはS5に移行し、蒸発量を増加する必要性がない場合にはS11に移行する。
5)演算部43は、優先順位に基づき蒸発量増加するための信号を出力する(S5)。
6)演算部43は、S5において出力した蒸発量増加のための信号出力が、燃焼停止位置から第1燃焼位置への移行かどうかを判断する(S6)。
燃焼停止位置から第1燃焼位置への移行である場合にはS7に移行し、燃焼停止位置から第1燃焼位置への移行ではない場合にはS2に移行する。
7)演算部43は、燃焼停止位置から第1燃焼位置への移行である場合に、バックアップ可能なボイラがあるかどうかを判断する(S7)。
バックアップ可能なボイラがある場合にはS8に移行し、バックアップ可能なボイラがない場合にはS2に移行する。
8)演算部43は、バックアップ可能なボイラがある場合には、合計不足蒸発量JLを算出し、メモリ42に格納する(S8)。
合計不足蒸発量JLを算出したら、S10の第1のサブルーチンに移行する。
合計不足蒸発量JLは、燃焼停止位置から第1燃焼位置に移行する信号を出力した後に運転状態に関する情報が給蒸可能状態となっていない各ボイラ21、・・・、25の第1差分蒸発量を合計して算出する。
9)第1のサブルーチンの実行が終了したら、S2に移行する(S10)。
10)S4において蒸発量増加の必要性がないと判断された場合、演算部43は、入力部41を介して取得した各ボイラ21、・・・、25の運転状態に関する情報をチェックして、燃焼開始の指示を受けて給蒸可能となるまでの間の各ボイラ21、・・・、25が、ボイラ群2の必要蒸発量が減少して燃焼不要となることで合計不足蒸発量JLが減少していないかどうかを判断する(S11)。
合計不足蒸発量JLの減少がある場合にはS12に移行し、合計不足蒸発量JLの減少がない場合にはS2に移行する。
11)演算部43は、S11において合計不足蒸発量JLの減少がある場合には、合計不足蒸発量JLを算出し、合計不足蒸発量JLを算出したらS13の第2のサブルーチンに移行する(S12)。このとき、算出した合計不足蒸発量JLは、メモリ42に格納する。
12)第2のサブルーチンの実行が終了したら、S2に移行する(S13)。
13)演算部43は、S3において新たに給蒸可能となったボイラがある場合には、合計不足蒸発量JLを算出し、合計不足蒸発量JLを算出したらS20の第2のサブルーチンに移行する(S18)。このとき、算出した合計不足蒸発量JLは、メモリ42に格納する。
14)第2のサブルーチンの実行が終了したら、S2に移行する(S20)。
上記1)から14)を繰り返して実行する。
〔第1のサブルーチン〕
以下、図4を参照して、第1のサブルーチンについて説明する。第1のサブルーチンは、ボイラ群2において、燃焼位置が燃焼停止位置から第1燃焼位置に移行する信号が出力されて、メインルーチンのS10への移行により開始する。
1)まず、ボイラ群2における現在の総バックアップ蒸発量JBKと、バックアップ燃焼をする場合に優先順位に基づいて新たに燃焼させる次優先バックアップボイラのバックアップ蒸発量JBK1とを合計し、この(総バックアップ蒸発量JBK+次優先バックアップボイラのバックアップ蒸発量JBK1)と定数K1(0<K1<1)との積を算出してJAに置き換える(S101)。JAは、数式(1)を判断するために用いる変数である。
ここで、次優先バックアップボイラとは、バックアップに用いることが可能なボイラのうち、バックアップに関しての優先順位が最上位のボイラをいう。
2)演算部43は、合計不足蒸発量JL≧JAかどうかを判断する(S102)。
合計不足蒸発量JL≧JAである場合にはS103に移行し、合計不足蒸発量JL≧JAでない場合にはプログラムを終了する。
3)演算部43は、次優先バックアップボイラに1段階上位の燃焼位置に移行する信号を出力して、S104に移行する(S103)。
4)演算部43は、S101で算出した(総バックアップ蒸発量JBK+次優先バックアップボイラのバックアップ蒸発量JBK1)を新たな総バックアップ蒸発量JBKに置き換えてS101に移行する(S104)。なお、新たな総バックアップ蒸発量JBKは、メモリ42に格納する。
5)演算部43は、入力部41を介して取得した各ボイラ21、・・・、25の運転状態に関する情報等に基づいて次優先バックアップボイラの有無を判断する(S105)。
次優先バックアップボイラがある場合にはS101に移行し、次優先バックアップボイラがない場合には、数式(1)を満足していなくともプログラムを終了する。
上記1)から5)を繰り返して実行する。
このようにして、数式(1)を満足する最大台数を決定する。
〔第2のサブルーチン〕
以下、図5を参照して、第2のサブルーチンについて説明する。第2のサブルーチンは、ボイラ群2において、合計不足蒸発量JLの減少が検出されて、メインルーチンのS13又はS20に移行することにより開始する。
1)まず、ボイラ群2におけるバックアップ中のボイラの有無を判断する(S201)。
バックアップ中のボイラの有無の判断は、現在の総バックアップ蒸発量JBKがゼロの場合は、バックアップ中のボイラは存在しないものと判断し、総バックアップ蒸発量JBKがゼロでない場合は、バックアップ中のボイラが存在すると判断する。
バックアップ中のボイラが存在する場合には、S202に移行し、バックアップ中のボイラが存在しない場合には、第2のサブルーチンを終了する。
2)次に、ボイラ群2における現在の総バックアップ蒸発量JBKと定数K2(0<K2<K1)との積を算出してJBに置き換える(S202)。JBは、数式(2)を判断するために用いる変数である。
3)演算部43は、合計不足蒸発量JL≦JBかどうかを判断する(S203)。
合計不足蒸発量JL≦JBである場合にはS204に移行し、合計不足蒸発量JL≦JBでない場合には第2のサブルーチンを終了する。
4)演算部43は、最下位優先バックアップボイラにバックアップ燃焼を解除する信号を出力して1段階下位の燃焼位置に移行し、S205に移行する(S204)。
5)演算部43は、(総バックアップ蒸発量JBK−最下位優先バックアップボイラのバックアップ蒸発量JBK2)を算出して、新たな総バックアップ蒸発量JBKに置き換えてS201に移行する(S205)。なお、新たな総バックアップ蒸発量JBKは、メモリ42に格納する。
上記1)から5)を繰り返して実行する。
このようにして、数式(2)を満足する最小台数を決定する。
次に、図6を参照してボイラシステム1の作用について説明する。
図6は、プログラムを用いてボイラ群2の燃焼を制御する場合の各ボイラ21、・・・、25の燃焼状態を示す概略図であり、四角枠は各ボイラ21、・・・、25のそれぞれ第1燃焼位置、第2燃焼位置の燃焼状態を、左側に示した数値1000、2500はそれぞれ第1差分蒸発量及び第2差分蒸発量を示している。
また、図6において網かけで示した燃焼位置は燃焼中であることを示し、網かけと「R」を施したボイラは燃焼指示を受けて給蒸するまでの状態を示し、網かけと「BK」を施したボイラはバックアップ中であることを示している。
なお、各ボイラ21、・・・、25において、例えば、数式(1)に係る定数K1=0.7、数式(2)に係る定数K2=0.4に設定されているものとする。
また、ボイラ群2は、便宜のため、例えば、図6(A)に示すように、第1ボイラ21、第2ボイラ22の2台が第1燃焼位置にあり、この時点で、第1ボイラ21、第2ボイラ22ともに給蒸可能であるとする。この場合、合計不足蒸発量JLはゼロ、総バックアップ蒸発量JBKはゼロである。
1)まず、図6(A)に示すように、第1ボイラ21、第2ボイラ22の2台が第1燃焼位置にある。
この場合、
バックアップ蒸発量を除く蒸発量は、2000(kg/h)
合計不足蒸発量JLは、ゼロ
総バックアップ蒸発量JBKは、ゼロ
次優先バックアップ蒸発量は、2500(kg/h)
である。
2)演算部43は、S2、S3を経由してS4を実行する。
要求負荷が増加した場合、演算部43は、蒸発量を増加する必要があると判断(S4)し、優先順位に基づいて蒸発量を増加する信号を出力(S5)する。
その結果、図6(B)に示すように、第3ボイラ23が燃焼停止位置から第1燃焼位置に移行する。
この時点で、第3ボイラ23の第1燃焼位置は、燃焼指示を受けて給蒸するまでの間の状態であり、
バックアップ蒸発量を除く蒸発量は、2000(kg/h)
合計不足蒸発量JLは、1000(kg/h)
総バックアップ蒸発量JBKは、ゼロ
次優先バックアップ蒸発量は、2500(kg/h)
である。
3)蒸発量を増加する信号が出力(S5)されると、演算部43は、蒸発量の増加が、新たなボイラを燃焼停止位置から第1燃焼位置への移行によるものかどうかを判断する(S6)。
図6(B)では、第3ボイラ23が燃焼開始しているので、燃焼停止位置から第1燃焼位置への移行による蒸発量の増加と判断する(S6)。
次に、演算部43は、第1ボイラ21、第2ボイラ22が第1燃焼位置であるから、バックアップ可能なボイラが存在すると判断(S7)し、S8を実行して合計不足蒸発量JL(=1000(kg/h))を算出する。S8において合計不足蒸発量JLを算出したら、第1のサブルーチン(S10)に移行する。
4)演算部43は、第1のサブルーチンにおいて、S101を実行してJA=2500×0.7(=1750(kg/h))を算出する。
次に、S102を実行して、合計不足蒸発量JL1000(kg/h)とJAとを比較する。
その結果、合計不足蒸発量JL(=1000(kg/h))<JA(=1750(kg/h))であるから、数式(1)を満足する最大台数のボイラはゼロとなり、第1ボイラ21、第2ボイラ22によるバックアップをせずに、図6(B)に示すように、第1ボイラ21によるバックアップをすることなく、第1のサブルーチンを終了する。
5)次に、演算部43は、S2、S3を経由してS4を実行する。
ここで、要求負荷が増加し、演算部43は、蒸発量を増加する必要があると判断(S4)したものとする。次いで、演算部43は、優先順位に基づいて蒸発量を増加する信号を出力(S5)する。
その結果、図6(C)に示すように、第4ボイラ24が燃焼停止位置から第1燃焼位置に移行する。
この時点で、第3ボイラ23及び第4ボイラ24は、燃焼指示を受けて第1燃焼位置に移行して給蒸するまでの間の状態であり、
バックアップ蒸発量を除く蒸発量は、2000(kg/h)
合計不足蒸発量JLは、2000(kg/h)
総バックアップ蒸発量JBKは、ゼロ
次優先バックアップ蒸発量は、2500(kg/h)
である。
6)蒸発量を増加する信号が出力(S5)されると、演算部43は、蒸発量の増加が、新たなボイラを燃焼停止位置から第1燃焼位置への移行によるものかどうかを判断する(S6)。
図6(C)では、第4ボイラ24が燃焼開始しているので、燃焼停止位置から第1燃焼位置への移行による蒸発量の増加と判断する(S6)。
次に、演算部43は、第1ボイラ21、第2ボイラ22が第1燃焼位置であるから、バックアップ可能なボイラが存在すると判断(S7)し、S8を実行して合計不足蒸発量JL(=2000(kg/h))を算出する。S8において合計不足蒸発量JLを算出したら、第1のサブルーチン(S10)に移行する。
7)演算部43は、第1のサブルーチンにおいて、S101を実行してJA=2500×0.7(=1750(kg/h))を算出する。
次に、S102を実行して、合計不足蒸発量JL2000(kg/h)とJAとを比較する。
その結果、合計不足蒸発量JL(=2000(kg/h))≧JA(=1750(kg/h))であるから、S103に移行して、次優先バックアップボイラである第1ボイラ21によるバックアップを開始する信号を出力する。
8)その結果、図6(D)に示すように、第1ボイラ21を第1燃焼位置から第2燃焼位置に移行して、バックアップを開始する。
この時点で、
バックアップ蒸発量を除く蒸発量は、2000(kg/h)
合計不足蒸発量JLは2000(kg/h)
総バックアップ蒸発量JBKは、2500(kg/h)
次優先バックアップ蒸発量は、2500(kg/h)
最下位優先バックアップ蒸発量は、2500(kg/h)
である。
9)次に、数式(1)を満足する最大台数のボイラを算出するために、演算部43は、第1のサブルーチンにおいてS104を実行して、JBK+次優先バックアップボイラのバックアップ蒸発量JBK1を算出する。
次いで、S101を実行してJA(=(2500+2500)×0.7(=3500(kg/h)))を算出し、S102を実行して合計不足蒸発量JL1000(kg/h)とJAとを比較する。
その結果、合計不足蒸発量JL(=2000(kg/h))<JA(=3500(kg/h))であるから、数式(1)を満足する最大台数のボイラは1台となり、図6(B)に示すように、第2ボイラ22によるバックアップをせずに第1ボイラ21によるバックアップを維持して、第1のサブルーチンを終了する。
10)次に、演算部43は、S2、S3を経由してS4を実行する。
ここで、要求負荷が増加し、演算部43は、蒸発量を増加する必要があると判断(S4)したものとする。次いで、演算部43は、優先順位に基づいて蒸発量を増加する信号を出力(S5)する。
その結果、図6(E)に示すように、第5ボイラ25が燃焼停止位置から第1燃焼位置に移行する。
この時点で、第3ボイラ23から第5ボイラ25の3台が、第1燃焼位置は、燃焼指示を受けて給蒸するまでの間の状態であり、
バックアップ蒸発量を除く蒸発量は、2000(kg/h)
合計不足蒸発量JLは、3000(kg/h)
総バックアップ蒸発量JBKは、2500(kg/h)
次優先バックアップ蒸発量は、2500(kg/h)
最下位優先バックアップ蒸発量は、2500(kg/h)
である。
11)蒸発量を増加する信号が出力(S5)されると、演算部43は、蒸発量の増加が、新たなボイラを燃焼停止位置から第1燃焼位置への移行によるものかどうかを判断する(S6)。
図6(E)では、第5ボイラ25が燃焼開始しているので、燃焼停止位置から第1燃焼位置への移行による蒸発量の増加と判断する(S6)。
次に、演算部43は、第2ボイラ22が第1燃焼位置であるから、バックアップ可能なボイラが存在すると判断(S7)し、S8を実行して合計不足蒸発量JL(=3000(kg/h))を算出する。S8において合計不足蒸発量JLを算出したら、第1のサブルーチン(S10)に移行する。
12)演算部43は、第1のサブルーチンにおいて、S101を実行してJA(=(2500+2500)×0.7(=3500(kg/h)))を算出する。
次に、S102を実行して、合計不足蒸発量JL3000(kg/h)とJAとを比較する。
その結果、合計不足蒸発量JL(=3000(kg/h))<JA(=3500(kg/h))であるから、数式(1)を満足する最大台数のボイラは1台のままであり、第2ボイラ22によるバックアップをせずに、図6(E)に示すように、第1ボイラ21によるバックアップを維持して、第1のサブルーチンを終了する。
13)次に、演算部43は、S2を経由してS3を実行する。
ここで、演算部43がS3を実行する前に、図6(F)に示すように、第3ボイラ23が給蒸可能となったものとする。
この時点で、第4ボイラ24及び第5ボイラ25の2台が、燃焼指示を受けて給蒸するまでの間の状態であり、
バックアップ蒸発量を除く蒸発量は、3000(kg/h)
合計不足蒸発量JLは、2000(kg/h)
総バックアップ蒸発量JBKは、2500(kg/h)
次優先バックアップ蒸発量は、2500(kg/h)
最下位優先バックアップ蒸発量は、2500(kg/h)
である。
14)演算部43は、新たに給蒸可能となったボイラが存在すると判断(S3)して、S18に移行し、S18を実行して合計不足蒸発量JL(=2000(kg/h))を算出する。S18において合計不足蒸発量JLを算出したら、第2のサブルーチン(S20)に移行する。
15)演算部43は、第2のサブルーチンにおいて、S201を実行してJBK(=2500(kg/h)がゼロでないことからバックアップ中のボイラがあることを判断し、S202に移行する。
16)演算部43は、第2のサブルーチンにおいて、S202を実行してJB(=2500×0.4(=1000(kg/h))を算出する。
次いで、S203を実行して、合計不足蒸発量JL2000(kg/h)とJBとを比較する。
その結果、合計不足蒸発量JL(=2000(kg/h))>JB(=1000(kg/h))であるから、数式(2)を満足する最大台数のボイラは1台のままであり、図6(F)に示すように、第1ボイラ21によるバックアップを解消することなく維持し、第2のサブルーチンを終了する。
17)次に、演算部43は、S2を経由してS3を実行する。
ここで、演算部43がS3を実行する前に、図6(G)に示すように、第4ボイラ24が給蒸可能となったものとする。
この時点で、第5ボイラ25が、燃焼指示を受けて給蒸するまでの間の状態であり、
バックアップ蒸発量を除く蒸発量は、4000(kg/h)
合計不足蒸発量JLは、1000(kg/h)
総バックアップ蒸発量JBKは、2500(kg/h)
次優先バックアップ蒸発量は、2500(kg/h)
最下位優先バックアップ蒸発量は、2500(kg/h)
である。
18)演算部43は、新たに給蒸可能となったボイラが存在すると判断(S3)して、S18に移行し、S18を実行して合計不足蒸発量JL(=1000(kg/h))を算出する。S18において合計不足蒸発量JLを算出したら、第2のサブルーチン(S20)に移行する。
19)演算部43は、第2のサブルーチンにおいて、S201を実行してJBK(=2500(kg/h)がゼロでないことからバックアップ中のボイラがあることを判断し、S202に移行する。
20)演算部43は、第2のサブルーチンにおいて、S202を実行してJB(=2500×0.4(=1000(kg/h))を算出する。
次いで、S203を実行して、合計不足蒸発量JL1000(kg/h)とJBとを比較する。
その結果、合計不足蒸発量JL(=1000(kg/h))≦JB(=1000(kg/h))であるから、S204に移行して、最下位優先バックアップボイラである第1ボイラ21によるバックアップを解消する信号を出力する。ここで、数式(2)を満足する最大台数のボイラはゼロである。
21)その結果、図6(H)に示すように、第1ボイラ21が第2燃焼位置から第1燃焼位置に移行して、第1ボイラ21によるバックアップが解消される。
この時点で、第5ボイラ25が、燃焼指示を受けて給蒸するまでの間の状態となり、
バックアップ蒸発量を除く蒸発量は、4000(kg/h)
合計不足蒸発量JLは1000(kg/h)
総バックアップ蒸発量JBKは、ゼロ
である。
22)次いで、演算部43は、総バックアップ蒸発量JBK−最下位優先バックアップボイラのバックアップ蒸発量JBK2)(=2500−2500(=ゼロ))を算出(S205)して新たなJBKに置き換え、S201に移行する。
23)演算部43は、JBKがゼロであるため、バックアップボイラが存在しないと判断(S201)して、第2のサブルーチンを終了する。
なお、図6には、図示していないが、燃焼開始の指示を受けて給蒸可能となるまでの間のボイラが、ボイラ群2の必要蒸発量が減少して燃焼不要となることにより合計不足蒸発量JLが減少した場合には、合計不足蒸発量JLを算出(S12)して第2のサブルーチンを実行(S13)し、数式(2)を満足する最小台数のボイラによりバックアップを行なうとともに最小台数を超えるボイラによるバックアップを解除するようになっている。
以上のように、一実施形態に係るプログラム、ボイラシステム1によれば、バックアップにおいて、不足蒸発量が、数式(1)を満足する場合に、式(1)を満足する場合に、式(1)を満足する最大台数のボイラによりバックアップするので、過剰なバックアップ蒸発量によるバックアップが抑制され、バックアップによるオーバシュート、ハンチングの発生を抑制することができる。
その結果、バックアップにおけるボイラ群2の制御を安定して行なうことができる。
また、不足蒸発量が、数式(2)を満足する場合に、式(2)を満足する最小台数のボイラによりバックアップし、他のボイラのバックアップ燃焼を解除するので過剰な蒸発量によるバックアップの継続を抑制して、オーバシュート、ハンチングの発生を抑制することができる。
なお、この発明は上記実施の形態に限定されるものではなく、発明の趣旨を逸脱しない範囲において、種々の変更をすることが可能である。
例えば、上記実施の形態においては、ボイラシステム1を構成するボイラ群2の(第1差分蒸発量:第2差分蒸発量)が2:5に設定された三位置制御される5台のボイラ21、・・・、25により構成される場合について説明したが、いずれかのボイラの燃焼停止位置から第1燃焼位置に移行した際に増加する第1差分蒸発量が、他のボイラにおいて燃焼位置を一段階上位の燃焼位置に移行させた際に増加する差分蒸発量より大きく設定された2台以上の任意の台数のボイラから構成されるボイラ群2に適用可能である。
例えば、図7に示すように、各ボイラの(第1差分蒸発量:第2差分蒸発量)が1:1であっても、バックアップに用いるボイラ(No.1)のバックアップ蒸発量が、バックアップを要求するボイラ(No.2からNo.4)の第1差分蒸発量の合計よりも大きく設定されたボイラ群におけるバックアップに適用してもよい。
なお、図7において、(A)は、No.1ボイラが第1燃焼位置にあり蒸発量2000(kg/h)で給蒸している状態を、(B)は、第1燃焼位置(第1差分蒸発量は、各1000(kg/h)のNo.2からNo.4ボイラに燃焼開始の指示が出力されて給蒸するまでの状態(R)を、(C)はNo.1ボイラが第2燃焼位置(第2差分蒸発量は、2000(kg/h))に移行してバックアップ(BK)している状態を、概略図示したものである。
また、この場合、(第1差分蒸発量:第2差分蒸発量)は、1:1以外に設定されてもよいことはいうまでもない。
また、四位置ボイラ、五位置ボイラ又はこれら以上の燃焼位置を有するボイラを対象としてもよく、この場合、(第1差分蒸発量:いずれかの燃焼位置の差分蒸発量)が、1:1以外に設定されてもよい。
また、ボイラ群2を構成する5台のボイラ21、・・・、25のうち一部が、例えば故障、修理等により計画停止されている場合に稼動可能な一部のボイラを対象として燃焼制御してもよい。
また、例えば、ボイラ群2が、四位置ボイラ以上の燃焼位置を有するボイラを備えている場合に、いずれかのボイラの燃焼位置を上位に2段階以上移行させることによりバックアップ制御する構成としてもよい。
また、上記実施の形態においては、ボイラ群2が、燃焼位置の構成(燃焼位置数及び各燃焼位置の差分蒸発量)が同一とされる複数のボイラから構成されている場合について説明したが、例えば、ボイラ群を構成するボイラの一部又は全部について、最大蒸発量、各燃焼位置の差分蒸発量を異なる構成としてもよい。
また、上記実施の形態においては、蒸気量と対応する物理量としてスチームヘッダ6内の圧力を用いて蒸発量を制御し、圧力に基づいて算出される不足蒸発量に基づいてバックアップする場合について説明したが、圧力に代えて、例えば、蒸気使用設備18における蒸気の使用量、温度等、蒸発量と対応する他の物理量に基づいてボイラ群2を制御して、バックアップをし、又はバックアップ中のボイラの燃焼を解除する構成としてもよい。
また、バックアップ蒸発量が、不足蒸発量の合計より大きいかどうかを判断する際に、数式(1)以外の手段により判断してもよい。
例えば、数式(1)における定数K1に代えて関数を用いてもよく、例えば、複数の定数、複数の定数と関数、複数の関数を用いて、バックアップを開始するタイミングを遅らせる構成としてもよい。
例えば、バックアップを要求するボイラの第1差分蒸発量と、バックアップに用いる燃焼位置の差分蒸発量のいずれか一方又は双方が異なる場合に、第1の燃焼位置、バックアップ用燃焼位置に対応する定数等を異なる設定としてもよい。
また、上記実施の形態においては、第1のサブルーチン、第2のサブルーチンにおいて判断する数式が、それぞれ「≦」、「≧」により定義される場合について説明したが、それぞれ「<」、「>」を用いた数式により判断する構成としてもよい。
また、上記実施の形態においては、プログラムが、第1のサブルーチン、第2のサブルーチンの双方を備える場合について説明したが、第1のサブルーチン、第2のサブルーチンのうちいずれか一方のサブルーチンを備える構成、すなわち、例えば、周知の方法によってバックアップし、又はバックアップしているボイラの燃焼を解除する構成としてもよい。
また、上記実施の形態においては、本発明に係る制御をプログラムによって行なう場合について説明したが、プログラムによらずオペアンプ等を用いたアナログ制御によってこの発明に係る制御方法を実施してもよいことは当然である。
また、燃焼開始及びバックアップに関する優先順位が第1ボイラ21、・・・、第5ボイラ25の順である場合について説明したが、かかる優先順位は任意に設定してもよいし、例えば、予め設定された優先順位を任意に変更可能な構成としてもよい。
また、プログラムを格納するための記憶媒体として、ROMを用いる場合について説明したが、ROM以外にも、例えば、EP−ROM、 ハードディスク、フレキシブルディスク、光ディスク、光磁気ディスク、CD−ROM、CD−R、磁気テープ、不揮発性のメモリカードなどを用いることができる。また、演算部が読出したプログラムを実行することにより上記実施形態の作用が実現されるだけでなく、そのプログラムの指示に基づき、演算部で稼働しているOS(オペレーティングシステム)などが実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって上記実施形態の作用が実現される場合も含まれる。さらに、記憶媒体から読出されたプログラムが、演算部に挿入された機能拡張ボードや演算部に接続された機能拡張ユニットに備わるメモリに書込まれた後、そのプログラムの指示に基づき、その機能拡張ボードや機能拡張ユニットに備わるCPUなどが実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって前述した実施形態の作用が実現される場合も含まれることはいうまでもない。
ボイラ群の制御に関し、過剰な蒸発量によるバックアップを抑制して安定した制御を行なうことができるので、産業上利用可能である。
1 ボイラシステム
2 ボイラ群
4 制御部(制御器)
21、22、23、24、25 ボイラ

Claims (4)

  1. 蒸発量を段階的に増減する複数のボイラを備え、一のボイラの燃焼位置を一段階上位の燃焼位置に移行させた際に増加する差分蒸発量が、他のボイラの燃焼停止位置から第1燃焼位置に移行した際に増加する第1差分蒸発量より大きく設定されたボイラ群を制御するプログラムであって、
    前記ボイラ群において、蒸発量を増加するために、前記他のボイラが燃焼開始を指示されて給蒸するまでの間に、燃焼位置にあるボイラを上位の燃焼位置に移行してバックアップする際に、
    前記バックアップにより増加するバックアップ蒸発量が前記他のボイラが前記燃焼開始を指示されて給蒸するまでの間に生じる不足蒸発量の合計より大きい場合に、
    不足蒸発量の合計とバックアップに用いる各ボイラのバックアップ蒸発量を合計した総バックアップ蒸発量とが以下の(1)式を満たした後に、
    (不足蒸発量の合計)
    ≧((バックアップに用いる各ボイラのバックアップ蒸発量を合計した総バックアップ蒸発量)×K1) ・・・(1)
    K1:定数(0<K1<1)
    上記(1)式を満足する最大台数のボイラによりバックアップする第1のバックアップ手段を備えて構成されていることを特徴とするプログラム。
  2. 請求項1に記載のプログラムを備えることを特徴とする制御器。
  3. 請求項2に記載の制御器を備えることを特徴とするボイラシステム。
  4. 蒸発量を段階的に増減する複数のボイラを備え、一のボイラの燃焼位置を一段階上位の燃焼位置に移行させた際に増加する差分蒸発量が、他のボイラの燃焼停止位置から第1燃焼位置に移行した際に増加する第1差分蒸発量より大きく設定されたボイラ群の制御方法であって、
    前記ボイラ群において、蒸発量を増加するために、前記他のボイラが燃焼開始を指示されて給蒸するまでの間に、燃焼位置にあるボイラを上位の燃焼位置に移行してバックアップする際に、
    前記バックアップにより増加するバックアップ蒸発量が前記他のボイラが前記燃焼開始を指示されて給蒸するまでの間に生じる不足蒸発量の合計より大きい場合に、
    不足蒸発量の合計とバックアップに用いる各ボイラのバックアップ蒸発量を合計した総バックアップ蒸発量とが以下の(1)式を満たした後に、
    (不足蒸発量の合計)
    ≧((バックアップに用いる各ボイラのバックアップ蒸発量を合計した総バックアップ蒸発量)×K1) ・・・(1)
    K1:定数(0<K1<1)
    上記(1)式を満足する最大台数のボイラによりバックアップすることを特徴とするボイラ群の制御方法。
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