JP5584977B2 - 強化繊維束 - Google Patents

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Description

本発明は、熱可塑性樹脂との接着性、特にポリオレフィン系、なかでもポリプロピレン樹脂との接着性に優れ、取扱い性が良好な強化繊維束に関する。
強化繊維を熱可塑性樹脂と複合させた繊維強化熱可塑性樹脂成形品は、力学特性や寸法安定性に優れることから、自動車、航空機、電気・電子機器、玩具、家電製品などの幅広い分野で使用されている。強化繊維の中でも炭素繊維は軽量、高強度、高剛性であることから近年注目を集めている。
また複合材料用の熱可塑性樹脂として近年注目を集めているのがポリオレフィン系樹脂、中でもコストが安価であり、比重も小さく、成形性、耐薬品性などの優れた特性を有するポリプロピレン樹脂が注目されている。
しかしながら、ポリオレフィン系樹脂は極性が低いため、強化繊維との界面接着性に劣る。このため、以前より強化繊維の表面処理やサイジング剤の付与などで繊維とマトリックス樹脂との界面接着性を改善する試みが行われてきた。
特許文献1には、不飽和ジカルボン酸またはその塩で変性されたポリプロピレン系樹脂を用いた繊維処理剤が記載されており、特許文献2には、ポリプロピレン樹脂に適したサイジング剤として酸価が23〜120mgKOH/gの酸変性ポリプロピレン樹脂を付与することが開示されているが、いずれも十分な界面接着性は得られていない。
また特許文献3には、アイオノマー樹脂が0.1〜8重量%付着した炭素繊維が開示されている。同様に特許文献4には、2種類の酸変性ポリプロピレン系樹脂を0.1〜8重量%付着した炭素繊維について記載されている。いずれの特許文献も、炭素繊維にポリオレフィン樹脂と親和性のあるポリマーを付与することで、炭素繊維とマトリックス樹脂との界面接着性を改善することを目的としている。
しかしながら、これらの特許文献に明確に記載されているとおり、アイオノマー樹脂または自己乳化型ポリプロピレン系樹脂などの変性オレフィン成分のみを主に付着させていることから、樹脂成分の被膜形成が十分ではなく、炭素繊維に被膜形成させて界面接着や繊維束の取り扱い性を積極的に向上させるには効果が不十分であった。
このように、従来技術ではポリオレフィン樹脂をマトリックスとして成形した際に、優れた界面接着性を発揮し、取扱い性が良好な強化繊維束を得ることが困難であり、これらの特性を満足できる強化繊維束の開発が望まれていた。
特開平6−107442号公報 特開2005−48343号公報 特開2006−124852号公報 国際公開第2006/101269号パンフレット
本発明は、従来技術の背景に鑑み、熱可塑性樹脂からなるマトリックス樹脂との接着性、特にポリオレフィン系マトリックス樹脂と強化繊維との接着性に優れ、取扱い性が良好な強化繊維束を提供することを目的とする。
本発明者らは上記目的を達成すべく鋭意検討した結果、上記課題を達成することができる、次の強化繊維を見出した。
(1)オレフィン成分のプロピレンから導かれる構成単位が50〜99モル%である第1のプロピレン系樹脂(A)と、第1のプロピレン系樹脂(A)100重量部に対して0.3〜45重量部の第2のプロピレン系樹脂(B)とを少なくとも含む混合物が付着物として付着されている強化繊維束であって、第1のプロピレン系樹脂(A)が、重量平均分子量Mwが30,000以上150,000未満の範囲であるプロピレン系樹脂(A−1)30〜100重量%と、重量平均分子量Mwが150,000以上500,000以下の範囲であるプロピレン系樹脂(A−2)0〜70重量%とを有してなり、第1のプロピレン系樹脂(A)の重量平均分子量Mwが第2のプロピレン系樹脂(B)よりも大きく、かつ第2のプロピレン系樹脂(B)は重合体鎖に結合したカルボン酸塩を少なくとも含むプロピレン系樹脂であり、第1のプロピレン系樹脂(A)と第2のプロピレン系樹脂(B)との混合物である付着物の付着量が0.1〜30重量%の範囲内である強化繊維束。
(2)前記第1のプロピレン系樹脂(A)が未変性のプロピレン系樹脂である、(1)に記載の強化繊維束。
(3)前記第1のプロピレン系樹脂(A)が、重合体鎖に結合したカルボン酸塩を少なくとも含むプロピレン系樹脂である、(1)に記載の強化繊維束。
(4)カルボン酸またはその塩の、樹脂1グラム当たり、式(I)で表される基換算での第2のプロピレン系樹脂(B)のミリモル当量が、第1のプロピレン系樹脂よりも大きいミリモル当量である、(3)に記載の強化繊維束。
−C(=O)−O−・・・式(I)
(5)前記強化繊維が炭素繊維である、(1)〜(4)のいずれかに記載の強化繊維束。
(6)オレフィン成分のプロピレンから導かれる構成単位が50〜99モル%である第1のプロピレン系樹脂(A)と、第1のプロピレン系樹脂(A)100重量部に対して0.3〜45重量部の第2のプロピレン系樹脂(B)とを少なくとも含む混合物が付着物として付着されている強化繊維束であって、強化繊維が炭素繊維であり、第1のプロピレン系樹脂(A)の重量平均分子量Mwが第2のプロピレン系樹脂(B)よりも大きく、第1のプロピレン系樹脂(A)が未変性のプロピレン系樹脂であり、かつ第2のプロピレン系樹脂(B)は重合体鎖に結合したカルボン酸塩を少なくとも含むプロピレン系樹脂であり、第1のプロピレン系樹脂(A)と第2のプロピレン系樹脂(B)との混合物である付着物の付着量が0.1〜30重量%の範囲内である強化繊維束。
)前記第2のプロピレン系樹脂(B)が、樹脂1グラム当たり、式(I)で表される基換算で総量0.05〜5ミリモル当量の濃度でカルボン酸塩を少なくとも有してなる、(1)〜()のいずれかに記載の強化繊維束。
−C(=O)−O−・・・式(I)
)前記第2のプロピレン系樹脂(B)の重合体鎖に結合したカルボン酸塩の50〜100%が、リチウム塩、カリウム塩、ナトリウム塩、カルシウム塩、マグネシウム塩、亜鉛塩より選択される、1種または2種以上の金属塩で転化されてなるものである、(1)〜()のいずれかに記載の強化繊維束。
)前記第2のプロピレン系樹脂(B)の重合体鎖に結合したカルボン酸塩の50〜100%が、アンモニウム塩で転化されてなるものである、(1)〜()のいずれかに記載の強化繊維束。
10)前記第2のプロピレン系樹脂(B)の重量平均分子量Mwが1,000〜50,000の範囲である、(1)〜()のいずれかに記載の強化繊維束。
11)前記第1のプロピレン系樹脂(A)が、重量平均分子量Mwが50,000を超えて150,000未満である、(1)〜(10)のいずれかに記載の強化繊維束。
12)強化繊維束を形成する単繊維の表面の60%以上が前記プロピレン系樹脂(A)および(B)との混合物で被覆されている、(1)〜(11)のいずれかに記載の強化繊維束。
13)擦過毛羽評価方法で測定される擦過毛羽数が1m当たり10個以下である、(1)〜(12)のいずれかに記載の強化繊維束。
14)フックドロップ法で測定されるフックドロップ値が、1〜80cmの範囲である、(1)〜(13)のいずれかに記載の強化繊維束。
(15)前記炭素繊維のX線光電子分光法(ESCA)によって測定される表面酸素濃度比(O/C)が0.05〜0.5である、(5)または(6)に記載の強化繊維束。
(16)前記強化繊維束が20,000〜100,000本の単繊維からなる、(1)〜(15)のいずれかに記載の強化繊維束。
(17)前記強化繊維束が繊維長1〜30mmのチョップド糸である、(1)〜(16)のいずれかに記載の強化繊維束。
本発明の強化繊維束は、熱可塑性樹脂からなるマトリックス樹脂との接着性、ポリオレフィン系マトリックス樹脂との接着性に優れ、取扱い性および成形時の繊維分散性が良好な強化繊維束である。本発明の強化繊維束を用いた成形品は力学特性や寸法安定性にも優れることから、自動車、電気・電子機器、家電製品などの各種部品・部材に極めて有用である。
本発明の強化繊維束は、オレフィン成分のプロピレンから導かれる構成単位が50〜99モル%である第1のプロピレン系樹脂(A)と第2のプロピレン系樹脂(B)との混合物が付着物として付着されており、第1のプロピレン系樹脂(A)の重量平均分子量Mwが第2のプロピレン系樹脂(B)よりも大きく、かつ第2のプロピレン系樹脂(B)は重合体鎖に結合したカルボン酸塩を少なくとも含むプロピレン系樹脂であり、第1のプロピレン系樹脂(A)と第2のプロピレン系樹脂(B)との混合物が付着した強化繊維束である。
本発明の第1の態様では、第1のプロピレン系樹脂(A)が、重量平均分子量Mwが30,000以上150,000未満の範囲であるプロピレン系樹脂(A−1)30〜100重量%と、重量平均分子量Mwが150,000以上500,000以下の範囲であるプロピレン系樹脂(A−2)0〜70重量%とを有してなる必要があり、本発明の第2の態様では、強化繊維が炭素繊維であるとともに、第1のプロピレン系樹脂(A)が未変性のプロピレン系樹脂である必要がある。
まず、本発明に係る強化繊維束を構成する構成要素について説明する。本発明の第1の態様では、強化繊維束を構成する強化繊維としては、例えば、炭素繊維、ガラス繊維、アラミド繊維、アルミナ繊維、炭化珪素繊維、ボロン繊維、金属繊維などの高強度、高弾性率繊維が使用でき、これらは1種または2種以上を併用してもよい。中でも、PAN系、ピッチ系、レーヨン系などの炭素繊維が力学特性の向上、成形品の軽量化効果の観点から好ましく、得られる成形品の強度と弾性率とのバランスの観点から、PAN系炭素繊維がさらに好ましい。また、導電性を付与する目的では、ニッケルや銅やイッテルビウムなどの金属を被覆した強化繊維を用いることもできる。
本発明の第2の態様では、強化繊維として炭素繊維を用いる必要がある。
さらに炭素繊維としては、X線光電子分光法により測定される繊維表面の酸素(O)と炭素(C)の原子数の比である表面酸素濃度比[O/C]が0.05〜0.5であるものが好ましく、より好ましくは0.08〜0.4であり、さらに好ましくは0.1〜0.3である。表面酸素濃度比が0.05以上であることにより、炭素繊維表面の官能基量を確保でき、熱可塑性樹脂とより強固な接着を得ることができる。また、表面酸素濃度比の上限には特に制限はないが、炭素繊維の取扱い性、生産性のバランスから一般的に0.5以下とすることが例示できる。
炭素繊維の表面酸素濃度比は、X線光電子分光法により、次の手順にしたがって求めるものである。まず、溶剤で炭素繊維表面に付着しているサイジング剤などを除去した炭素繊維束を20mmにカットして、銅製の試料支持台に拡げて並べた後、X線源としてA1Kα1、2を用い、試料チャンバー中を1×10Torrに保つ。測定時の帯電に伴うピークの補正値としてC1sの主ピークの運動エネルギー値(K.E.)を1202eVに合わせる。C1sピーク面積をK.E.として1191〜1205eVの範囲で直線のベースラインを引くことにより求める。O1sピーク面積をK.E.として947〜959eVの範囲で直線のベースラインを引くことにより求める。
ここで、表面酸素濃度比とは、上記O1sピーク面積とC1sピーク面積の比から装置固有の感度補正値を用いて原子数比として算出する。X線光電子分光法装置として、国際電気社製モデルES−200を用い、感度補正値を1.74とする。
表面酸素濃度比[O/C]を0.05〜0.5に制御する手段としては、特に限定されるものではないが、例えば、電解酸化処理、薬液酸化処理および気相酸化処理などの手法をとることができ、中でも電解酸化処理が好ましい。
また、強化繊維の平均繊維径は特に限定されないが、得られる成形品の力学特性と表面外観の観点から、1〜20μmの範囲内であることが好ましく、3〜15μmの範囲内であることがより好ましい。強化繊維束の単糸数には、特に制限はなく、100〜350,000本の範囲内で使用することができ、とりわけ1,000〜250,000本の範囲内で使用することが好ましい。また強化繊維の生産性の観点からは、単糸数が多いものが好ましく、20,000〜100,000本の範囲内で使用することが好ましい。
次に 本発明の強化繊維束は、オレフィン成分のプロピレンから導かれる構成単位が50〜99モル%である第1のプロピレン系樹脂(A)と重合体鎖に結合したカルボン酸塩を少なくとも含む第2のプロピレン系樹脂(B)との混合物が付着物として付着してなることが重要である。以下、本発明においてプロピレン系樹脂とは、少なくともプロピレン単量体繰り返し単位を含む重合体のことを示す。
ここで第1のプロピレン系樹脂(A)は、プロピレンと少なくとも1種のα−オレフィン、共役ジエン、非共役ジエンなどとの共重合体が挙げられる。
α−オレフィンを構成する単量体繰り返し単位には、例えば、エチレン、1−ブテン、3−メチル−1−ブテン、4−メチル−1−ペンテン、3−メチル−1−ペンテン、4−メチル−1−ヘキセン、4,4ジメチル−1−ヘキセン、1−ノネン、1−オクテン、1−ヘプテン、1−ヘキセン、1−デセン、1−ウンデセン、1−ドデセン等のプロピレンを除く炭素数2〜12のα−オレフィン、共役ジエン、非共役ジエンを構成する単量体繰り返し単位にはブタジエン、エチリデンノルボルネン、ジシクロペンタジエン、1,5−ヘキサジエン等が挙げられ、これらその他の単量体繰り返し単位には、1種類または2種類以上を選択することができる。
第1のプロピレン系樹脂(A)の骨格構造としては、プロピレンと前記その他の単量体のうちの1種類または2種類以上のランダムあるいはブロック共重合体、または他の熱可塑性単量体との共重合体等を挙げることができる。例えば、エチレン・プロピレン共重合体、プロピレン・1−ブテン共重合体、エチレン・プロピレン・1−ブテン共重合体などが好適なものとして挙げられる。
とりわけ、マトリックス樹脂に使用されるポリプロピレン樹脂との親和性を高めることと、結晶性を落として第2のプロピレン系樹脂との親和性を高めるために、第1のプロピレン系樹脂(A)はプロピレンから導かれる構成単位を50〜99モル%有してなることが重要であり、好ましくは55〜98モル%、さらに好ましくは60〜97モル%を有してなることである。
プロピレン系樹脂における前記単量体繰り返し単位の同定には、IR、NMR、質量分析および元素分析等の通常の高分子化合物の分析手法を用いて行うことができる。
また、第1のプロピレン系樹脂(A)は樹脂自体の強度を確保し、強化繊維との接着を高める観点から、本発明の第1の態様では、未変性であることが好ましく、本発明の第2の態様では、未変性であることが必要である。ここで、未変性とは、全く変性されていないことである。
第2のプロピレン系樹脂(B)は、重合体鎖に結合したカルボン酸塩を少なくとも含むプロピレン系樹脂である。これは、強化繊維との相互作用を高めるうえでカルボン酸塩を含むことが効果的であるためである。
上記第2のプロピレン系樹脂(B)の原料としては、ポリプロピレン、エチレン・プロピレン共重合体、プロピレン・1−ブテン共重合体、エチレン・プロピレン・1−ブテン共重合体で代表される、プロピレンとα−オレフィンの単独または2種類以上との共重合体に、中和されているか、中和されていないカルボン酸基を有する単量体、および/またはケン化されているか、ケン化されていないカルボン酸エステルを有する単量体を、グラフト重合することにより得ることができる。上記プロピレンとα−オレフィンの単独または2種類以上との共重合体の単量体繰り返し単位および骨格構造は、第1のプロピレン系樹脂(A)と同様の考えで選定することができる。
ここで、中和されているか、中和されていないカルボン酸基を有する単量体、およびケン化されているか、ケン化されていないカルボン酸エステル基を有する単量体としては、たとえば、エチレン系不飽和カルボン酸、その無水物が挙げられ、またこれらのエステル、さらにはオレフィン以外の不飽和ビニル基を有する化合物なども挙げられる。
エチレン系不飽和カルボン酸としては、(メタ)アクリル酸、マレイン酸、フマール酸、テトラヒドロフタル酸、イタコン酸、シトラコン酸、クロトン酸、イソクロトン酸などが例示され、その無水物としては、ナジック酸 TM(エンドシス−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボン酸)、無水マレイン酸、無水シトラコン酸などが例示できる。
オレフィン以外の不飽和ビニル基を有する単量体としては、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、i−ブチル(メタ)アクリレート、tert−ブチル(メタ)アクリレート、n−アミル(メタ)アクリレート、イソアミル(メタ)アクリレート、n−ヘキシル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、デシル(メタ)アクリレート、ドデシル(メタ)アクリレート、オクタデシル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、トリデシル(メタ)アクリレート、ラウロイル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレート、イソボロニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸エステル類、ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチルアクリレート、ラクトン変性ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピルアクリレート等の水酸基含有ビニル類、グリシジル(メタ)アクリレート、メチルグリシジル(メタ)アクリレート等のエポキシ基含有ビニル類、ビニルイソシアナート、イソプロペニルイソシアナート等のイソシアナート基含有ビニル類、スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、t−ブチルスチレン等の芳香族ビニル類、アクリルアミド、メタクリルアミド、N−メチロールメタクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド、ジアセトンアクリルアミド、マレイン酸アミド等のアミド類、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル等のビニルエステル類、N、N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N、N−ジエチルアミノエチル(メタアクリレート、N,N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリレート、N、N−ジプロピルアミノエチル(メタ)アクリレート、N、N−ジブチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N、N−ジヒドロキシエチルアミノエチル(メタ)アクリレート等のアミノアルキル(メタ)アクリレート類、スチレンスルホン酸、スチレンスルホン酸ソーダ、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸等の不飽和スルホン酸類、モノ(2−メタクリロイロキシエチル)アシッドホスフェート、モノ(2−アクリロイロキシエチル)アシッドホスフェート等の不飽和リン酸類等が挙げられる。
これらの単量体は単独で用いることもできるし、また2種類以上のものを用いることもできる。また、これらの中でも、酸無水物類が好ましく、さらには無水マレイン酸が好ましい。
上記第2のプロピレン系樹脂(B)の原料は、種々の方法で得ることができるが、例えば、有機溶剤中でプロピレン系樹脂と不飽和ビニル基を有するエチレン系不飽和カルボン酸やオレフィン以外の不飽和ビニル基を有する単量体とを重合開始剤の存在下で反応させた後に脱溶剤する方法や、プロピレン系樹脂を加熱溶融し得られた溶融物に不飽和ビニル基を有するカルボン酸および重合開始剤を攪拌下で反応させる方法や、プロピレン系樹脂と不飽和ビニル基を有するカルボン酸と重合開始剤とを混合したものを押出機に供給して加熱混練しながら反応させる方法等を挙げることができる。
ここで重合開始剤としては、ベンゾイルパーオキサイド、ジクロルベンゾイルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、ジ−tert−ブチルパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(ペルオキシベンゾエート)ヘキシン−3、1,4−ビス(tert−ブチルパーオキシイソプロピル)ベンゼン等が挙げられる。これらは、単独あるいは2種以上を混合して用いることができる。
また有機溶剤としては、キシレン、トルエン、エチルベンゼン等の芳香族炭化水素、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、デカン、イソオクタン、イソデカン等の脂肪族炭化水素、シクロヘキサン、シクロヘキセン、メチルシクロヘキサン、エチルシクロヘキサン等の脂環式炭化水素、酢酸エチル、n−酢酸ブチル、セロソルブアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、3メトキシブチルアセテート等のエステル系溶媒、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン系溶媒等の有機溶剤を用いることができ、またこれらの2種以上からなる混合物であっても構わない。これらの中でも、芳香族炭化水素、脂肪族炭化水素、及び脂環式炭化水素が好ましく、脂肪族炭化水素、脂環式炭化水素がより好適に用いられる。
上記のように得られた第2のプロピレン系樹脂(B)の原料を中和またはケン化することにより、第2のプロピレン系樹脂(B)を得ることができる。中和またはケン化する場合には、上記第2のプロピレン系樹脂(B)の原料を水分散体にして処理することが容易であり好ましい。
上記第2のプロピレン系樹脂(B)の原料の水分散体の中和またはケン化に用いる塩基性物質としては、ナトリウム、カリウム、リチウム、カルシウム、マグネシウム、亜鉛等のアルカリ金属および/またはアルカリ土類金属および/またはその他金属類、ヒドロキシルアミン、水酸化アンモニウム等の無機アミン、アンモニア、(トリ)メチルアミン、(トリ)エタノールアミン、(トリ)エチルアミン、ジメチルエタノールアミン、モルフォリン等の有機アミン、酸化ナトリウム、過酸化ナトリウム、アルカリ金属および/またはアルカリ土類金属の酸化物および/またはその他金属類、水酸化物、水素化物、炭酸ナトリウム等のアルカリ金属および/またはアルカリ土類金属および/またはその他金属類の弱酸塩を挙げることができる。塩基物質により中和またはケン化されたカルボン酸塩の基あるいはカルボン酸エステル基としては、カルボン酸ナトリウム、カルボン酸カリウム等のカルボン酸アルカリ金属塩またはカルボン酸アンモニウムが好適である。
また、中和度またはけん化度、すなわち、第2のプロピレン系樹脂(B)の原料が有するカルボン酸基の上記金属塩やアンモニウム塩等への転化率は、水分散体の安定性と、繊維との接着性の観点より、通常50〜100%、好ましくは70〜100%、さらに好ましくは85〜100%である。したがって、上記第2のプロピレン系樹脂(B)におけるカルボン酸基は、上記塩基物質によりすべて中和またはケン化されていることが望ましいが、中和またはケン化されずに一部カルボン酸基が残存していてもよい。上記のような酸基の塩成分を分析する手法としては、ICP発光分析で塩を形成している金属種の検出を行う方法や、IR、NMR、質量分析および元素分析等を用いて酸基の塩の構造を同定する方法が挙げられる。
ここでカルボン酸基の中和塩への転化率は、加熱トルエン中にプロピレン系樹脂を溶解し、0.1規定の水酸化カリウム−エタノール標準液で滴定し、プロピレン系樹脂の酸価を下式より求め、元のカルボン酸基の総モル数と比較して算出する方法などが挙げられる。
酸価=(5.611×A×F)/B (mgKOH/g)
A:0.1規定水酸化カリウム−エタノール標準液使用量(ml)
F:0.1規定水酸化カリウム−エタノール標準液のファクター
B:試料採取量(g)。
上記で算出した酸価を下式を用いて中和されていないカルボン酸基のモル数に換算する。
中和されていないカルボン酸基のモル数=酸価×1000/56(モル/g)。
カルボン酸基の中和塩への転化率は、別途IR、NMRおよび元素分析等を用いてカルボン酸基のカルボニル炭素の定量をおこなって算出したカルボン酸基の総モル数(モル/g)を用いて下式にて算出する。
転化率%=(1−r)×100(%)
r:中和されていないカルボン酸基のモル数/カルボン酸基の総モル数。
また、強化繊維との相互作用を高める観点から、前記第2のプロピレン系樹脂(B)の重合体鎖に結合したカルボン酸塩の含有量は、第2のプロピレン系樹脂1g当たり、−C(=O)−O−で表される基換算で総量0.05〜5ミリモル当量であることが好ましい。より好ましくは0.1〜4ミリモル当量、さらに好ましくは0.3〜3ミリモル当量である。上記のようなカルボン酸塩の含有量を分析する手法としては、ICP発光分析で塩を形成している金属種の検出を定量的に行う方法や、IR、NMRおよび元素分析等を用いてカルボン酸塩のカルボニル炭素の定量をおこなう方法が挙げられる。
また、本発明の第1のプロピレン系樹脂(A)と第2のプロピレン系樹脂(B)との重量平均分子量Mwの関係は、第1のプロピレン系樹脂(A)の重量平均分子量Mwの方が大きいことが重要である。第2のプロピレン系樹脂(B)の重量平均分子量Mwを第1のプロピレン系樹脂(A)の重量平均分子量Mwよりも小さくすることで、成形時に第2のプロピレン系樹脂(B)が強化繊維近傍に移動し、強化繊維と相互作用を形成しやすくなり、接着性が向上するためである。
第2のプロピレン系樹脂(B)の重量平均分子量Mwは、上記相互作用の観点および、第1のプロピレン系樹脂(A)との分子鎖同士の絡み合いを形成し、第1のプロピレン系樹脂(A)との相互作用を高める観点とから、1,000〜50,000であることが好ましい。より好ましくは2,000〜40,000、さらに好ましくは5,000〜30,000である。なお重量平均分子量の測定はゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)を用いて測定する。
また、第1のプロピレン系樹脂(A)は溶融時の被膜形成性、該被膜の強度およびマトリックス樹脂となるポリオレフィン系樹脂との親和性の観点から、本発明の第1の態様では、重量平均分子量Mwが30,000以上150,000未満であるプロピレン系樹脂(A−1)を30〜100重量%と、重量平均分子量Mwが150,000以上500,000以下であるプロピレン系樹脂(A−2)を0〜70重量%とを有してなることが必要であり、本発明の第2の態様では、重量平均分子量Mwが30,000以上150,000未満であるプロピレン系樹脂(A−1)を30〜100重量%と、重量平均分子量Mwが150,000以上500,000以下であるプロピレン系樹脂(A−2)を0〜70重量%とを有してなることが好ましい。プロピレン系樹脂(A−1)の重量平均分子量Mwは好ましくは35,000以上140,000以下である。またプロピレン系樹脂(A−2)の重量平均分子量Mwは好ましくは150,000以上450,000以下である。上記範囲とすることで、被膜化したプロピレン系樹脂(A)および(B)が効果的に強化繊維およびマトリックス樹脂と相互作用を形成あるいは相溶し、接着性を向上させる観点から好ましい。上限については重量平均分子量Mwが大きくなりすぎると、強化繊維束が硬くなり、取り扱い性が困難になる場合があり、上記する範囲内とすることが好ましい。配合量は、より好ましくはプロピレン系樹脂(A−1)を35〜100重量%と、プロピレン系樹脂(A−2)を0〜65重量%である。
本発明の強化繊維束には、プロピレン系樹脂の他に、本発明の効果を損なわない範囲で他の成分が付着していても構わない。例えば、プロピレン系樹脂をエマルジョン形態として強化繊維束に付与する場合は、エマルジョンを安定化させる界面活性剤などを別途加えていても構わない。
上記したプロピレン系樹脂の混合物の強化繊維束への付着量は0.1〜30重量%の範囲内であることが重要である。付着量が0.1重量%未満の場合は、強化繊維束を被覆できない部分が存在し、良好な接着性を安定して発現できない場合がある。さらには強化繊維束の取り扱い性が不十分となる場合がある。ここでいう取り扱い性とは例えば、繊維束をボビンに巻き取る際の繊維束の硬さやさばけ易さであったり、繊維束をカットしてチョップド繊維束として使用する場合には、チョップド繊維束の集束性のことをいう。一方、付着量が30重量%よりも多くなると、成形品の力学特性が極端に低下したりする場合や、繊維束が極端に硬くなり、ボビンに巻けなくなるなどの不具合を生じる場合がある。付着量は接着性と強化繊維束の取り扱い性とのバランスから、好ましくは1〜20重量%であり、さらに好ましくは3〜10重量%である。
前記プロピレン系樹脂の混合物を強化繊維束に付着させる方法については、特に制限はないが、均一に単繊維間に付着させやすいという観点から、プロピレン系樹脂の混合物のエマルジョンを強化繊維束に付与したのちに乾燥させる方法が好ましい。強化繊維束にエマルジョンを付与する方法としては、ローラー浸漬法、ローラー転写法、スプレー法などの既存の手法により付与する方法を用いることができる。
本発明の強化繊維束を用いて成形品を成形する際のマトリックス樹脂については、特に制限されるものではないが、例えば、ポリカーボネート樹脂、スチレン系樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂、ポリフェニレンスルフィド樹脂(PPS樹脂)、変性ポリフェニレンエーテル樹脂(変性PPE樹脂)、ポリアセタール樹脂(POM樹脂)、液晶ポリエステル、ポリアリーレート、ポリメチルメタクリレート樹脂(PMMA)などのアクリル樹脂、塩化ビニル、ポリイミド(PI)、ポリアミドイミド(PAI)、ポリエーテルイミド(PEI)、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリケトン、ポリエーテルケトン、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン、変性ポリオレフィン、フェノール樹脂、フェノキシ樹脂などの熱可塑性樹脂、さらにはエチレン/プロピレン共重合体、エチレン/1−ブテン共重合体、エチレン/プロピレン/ジエン共重合体、エチレン/一酸化炭素/ジエン共重合体、エチレン/(メタ)アクリル酸エチル共重合体、エチレン/(メタ)アクリル酸グリシジル、エチレン/酢酸ビニル/(メタ)アクリル酸グリシジル共重合体、ポリエーテルエステルエラストマー、ポリエーテルエーテルエラストマー、ポリエーテルエステルアミドエラストマー、ポリエステルアミドエラストマー、ポリエステルエステルエラストマーなどの各種エラストマー類などが挙げられ、これらの1種または2種以上を併用しても良い。特に極性の低いポリオレフィン系の樹脂が好ましく、中でもコスト、成形品の軽量性の観点からはポリプロピレンあるいは変性ポリプロピレン樹脂、特に酸変性ポリプロピレン樹脂が好ましい。
特にマトリックス樹脂に酸変性ポリプロピレンを用いる場合には、マトリックス樹脂との接着性を高める観点からは、本発明の第1の態様では、前記第1のプロピレン系樹脂(A)においても重合体鎖に結合したカルボン酸塩を少なくとも含むプロピレン系樹脂であることが好ましく、その変性量が樹脂1g当たり−C(=O)−O−で表される基換算で0.05ミリモル当量以上であることが好ましい。また、前記第1のプロピレン系樹脂(A)の重量平均分子量Mwは50,000を超え、150,000未満であることが好ましい。より好ましくは60,000〜130,000である。該重量平均分子量Mwの範囲とすることで、強化繊維に対して効果的に被膜形成も可能となり、接着性の向上に好適である。
さらに、前記第1のプロピレン系樹脂(A)が重合体鎖に結合したカルボン酸塩を少なくとも含むプロピレン系樹脂である場合、そのカルボン酸塩の含有量は、樹脂1g当たり−C(=O)−O−で表される基換算での総量が第2のプロピレン系樹脂(B)と等しいかそれよりも少ないこと、すなわち、カルボン酸またはその塩の、樹脂1g当たり−C(=O)−O−で表される基換算での第2のプロピレン系樹脂(B)のミリモル当量が、第1のプロピレン系樹脂のミリモル当量よりも大きいことが好ましい。これは酸変性ポリプロピレン樹脂への親和性を高めるための第1のプロピレン系樹脂(A)の酸変性量は、強化繊維との相互作用を考慮した第2のプロピレン系樹脂(B)ほどには必要ないためである。前記重合体鎖に結合したカルボン酸塩を少なくとも含む第1のプロピレン系樹脂(A)の製造方法としては、前述の第2のプロピレン系樹脂(B)と同様にして製造することができる。
第1のプロピレン系樹脂(A)と第2のプロピレン系樹脂(B)の混合物の配合量は、第1のプロピレン系樹脂(A)100重量部に対して、第2のプロピレン系樹脂(B)0.3〜45重量部であることが重要である。上記配合とすることで、混合物自体の強度を確保し、また強化繊維との親和性も確保が可能となるためである。好ましくは、第1のプロピレン系樹脂(A)100重量部に対して第2のプロピレン系樹脂1〜35重量部、より好ましくは第1のプロピレン系樹脂(A)100重量部に対して第2のプロピレン系樹脂5〜25重量部、さらに好ましくは第1のプロピレン系樹脂(A)100重量部に対して第2のプロピレン系樹脂7〜20重量部である。第2のプロピレン系樹脂(B)が0.3重量部より少なくなると、強化繊維との親和性が確保できなくなり、接着特性に劣る可能性がある。また第2のプロピレン系樹脂(B)が45重量部よりも多くなると、混合物自体の強度が低下する場合があり、強固な接着特性を維持出来ない可能性がある。
本発明の強化繊維束を形成する単繊維は、より強い接着性を発揮するために、単繊維表面の60%以上が第1のプロピレン系樹脂(A)と第2のプロピレン系樹脂(B)とを含む混合物で被覆されていることが好ましい。被覆されていない部分は接着性を発揮することができず、剥離の起点となり結果として全体の接着性を下げてしまうことがある。より好ましくは70%以上を被覆した状態であり、さらに好ましくは80%以上を被覆した状態である。被覆状態は走査型電子顕微鏡(SEM)または繊維表面の元素分析でカルボン酸塩の金属元素をトレースする手法などを用いることができる。
また、本発明の強化繊維束は取り扱い性および強化繊維束の品位を良好とするために擦過毛羽評価方法で測定される擦過毛羽数が1m当たり10個以下であることが好ましい。より好ましくは8個以下、さらに好ましくは5個以下である。ここで擦過毛羽評価方法は、評価サンプルである強化繊維束のボビンを、温度23±5℃、相対湿度60±20%に管理された温調室に30分以上放置する。次に、上記温度と湿度条件が設定されている温調室内にある擦過毛羽装置を用いて、図1に示した糸道図に従い、強化繊維を、パウダークラッチを内蔵したクリール1に仕掛けて、糸道を作製する。まず、擦過毛羽を発生させるために、直径10mmの固定した表面が鏡面加工された擦過ピン2の4個に強化繊維をかけて、毛羽カウンター3を通過させる。毛羽カウンターは、ランプ光から走行糸に照射し、その照射光をレンズで集光せしめた状態で、フォトトランジスタで毛羽数を検出するものである。検出精度としては、糸長2mm以上で、かつ強化繊維の単繊維径が3ミクロン以上の毛羽を検出することができる。走行時のスリップが発生しないように駆動ローラー4に強化繊維を5回以上巻いて、ワインダー5に巻き付ける。糸速を3m/分に設定して、図1に示したローラー6を介した糸道で強化繊維の走行を開始する。糸道が安定したことを確認し、毛羽カウント機器3から駆動ローラー4の間で測定した走行時の強化繊維の張力が6gf/texになるように、パウダークラッチで初期張力を調整する。その後、毛羽カウンターを作動させて、走行状態での擦過毛羽の評価を、サンプル毎に1分間測定を3回繰り返す。それぞれ1分間でカウントされた擦過毛羽数をX1、X2、X3として、下式から擦過毛羽数X[個/m]を算出する。
X=(X1+X2+X3)/9。
上記擦過毛羽数が小さい場合は、強化繊維束の毛羽立ちが少ないことを意味し、強化繊維束の品位としては良好となる傾向にある。
さらに強化繊維束の取り扱い性の指標となるフックドロップ値が1〜80cmの範囲内であることが好ましい。フックドロップ値は繊維束の集束性および繊維束の硬さに関するパラメータであり、フックドロップ値が大きいほど、繊維束の集束性は低く、繊維束は軟らかくなる傾向を示す。逆にフックドロップ値が小さいほど、繊維束がばらけにくくなるが、繊維束が硬くなる傾向にあり、繊維束の取り扱い性の観点からは好ましい範囲が存在する。ここで、フックドロップ値の測定は次の手順にて行う。すなわち、温度23±2℃、湿度50±5%の雰囲気中で強化繊維束を2時間放置する。強化繊維束を1.5m長に切り、下部に100gの荷重をつけ繊維束を垂直に吊り下げる。これに1mmφ、長さ100mm程度のステンレスワイヤーの下部20〜30mmを曲げ、全重量が12gとなるように荷重を掛けたものを、上部20〜30mmをUの字に曲げた部分で繊維束幅方向の中央に引っ掛ける。30分経過後の前記荷重の落下距離(単位、cm)をフックドロップ値とする。少なくとも5回の測定を行い、平均値をとる。本発明の強化繊維束は、より好ましくはフックドロップ値が2〜60cm、さらに好ましくは3〜40cmである。
本発明における強化繊維束の好ましい形状の一つとして、連続繊維であるロービングを所定の長さにカットしたチョップド強化繊維束、粉砕したミルド糸が挙げられ、取扱い性の観点から、チョップド強化繊維束が好ましく用いられる。このチョップド強化繊維束における繊維長さは特に限定されるものでは無いが、集束性を十分に発揮しカットされたあとの形状を十分に維持し、取扱いやすい観点から1〜30mmの範囲が好ましく、2〜15mmの範囲がより好ましい。チョップド強化繊維束の集束性が不足すると、チョップド強化繊維束を搬送する際などの擦過で毛羽立ちが発生し、ファイバーボールとなって取扱い性が悪くなる場合がある。特にコンパウンド用途への使用時には、ファイバーボール発生により押出機へのチョップド糸の供給性が悪くなり、生産性を低下させる可能性がある。集束性の指標としては、チョップド強化繊維束の嵩密度が挙げられる。嵩密度は一定重量のチョップド強化繊維束を容器に充填させてその占有体積を求め、重量を体積で除することで求められる。
本発明の強化繊維束を用いた成形方法については、特に制限はなく、本発明の強化繊維束と上述のマトリックス樹脂を一度溶融混練して成形材料としたコンパウンドペレットを用いた成形方法(1)、強化繊維束を上述のマトリックス樹脂ペレットと混合してなる成形材料を直接成形機に供給し、または強化繊維束と上述のマトリックス樹脂ペレットとを個別に直接成形機に供給し、成形品型に注入、冷却固化させる直接成形法(2)、強化繊維束を上述のマトリックス樹脂で被覆して長繊維ペレットの成形材料を用いた成形方法(3)などがある。
本発明の強化繊維束は、種々の用途に展開できる。特にインストルメントパネル、ドアビーム、アンダーカバー、ランプハウジング、ペダルハウジング、ラジエータサポート、スペアタイヤカバー、フロントエンドなどの各種モジュール等の自動車部品、ノートパソコン、携帯電話、デジタルスチルカメラ、PDA、プラズマディスプレーなどの電気・電子部品、電話、ファクシミリ、VTR、コピー機、テレビ、電子レンジ、音響機器、トイレタリー用品、レーザーディスク、冷蔵庫、エアコンなどの家庭・事務電気製品部品に好適である。
以下、実施例により本発明をさらに詳細に説明する。
(1)プロピレン系樹脂の強化繊維束への付着量測定
プロピレン系樹脂の付着した強化繊維束を約5g取り、120℃で3時間乾燥し、その重量W(g)を測定した。次いで強化繊維束を窒素雰囲気中で、450℃で15分間加熱後、室温まで冷却しその重量W(g)を測定した。W(g)およびW(g)を用いて付着量は次式にて算出した。
付着量=[(W−W)/W]×100(重量%)。
(2)プロピレン系樹脂の重量平均分子量測定
第1のプロピレン系樹脂(A)および第2のプロピレン系樹脂(B)をゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)にて測定した。GPCカラムにはポリスチレン架橋ゲルを充填したものを用いた。溶媒に1,2,4−トリクロロベンゼンを用い、150℃にて測定した。分子量は標準ポリスチレン換算にて算出した。
(3)プロピレン系樹脂の構造解析
第1および第2の各プロピレン系樹脂について、有機化合物元素分析、誘導結合プラズマ(ICP)発光分析、IR(赤外吸収)スペクトル分析、1H−NMR測定および13C−NMR測定を実施し、プロピレン系樹脂の含有元素量、官能基構造の同定、各帰属プロトン、カーボンのピーク強度より単量体構造の含有割合について評価を実施した。
有機化合物元素分析は、有機元素分析装置2400II(PerkinElmer社製)を用いて実施した。ICP発光分析はICPS−7510(島津製作所社製)を用いて実施した。IRスペクトル分析はIR−Prestige−21(島津製作所製)を用いて実施した。1H−NMR測定および13C−NMR測定はJEOL JNM−GX400スペクトロメーター(日本電子製)を用いて実施した。
(4)プロピレン系樹脂のカルボン酸塩含有量の測定
第1および第2の各プロピレン系樹脂に対して、以下の操作をおこなうことでカルボン酸塩含有量および中和されていないカルボン酸含有量を測定した。
プロピレン系樹脂0.5gをトルエン200ml中で加熱還流し、溶解させた。この溶液を0.1規定の水酸化カリウム−エタノール標準溶液で滴定し、下式より酸価を算出した。指示薬にはフェノールフタレインを用いた。
酸価=(5.611×A×F)/B (mgKOH/g)
A:0.1規定水酸化カリウム−エタノール標準液使用量(ml)
F:0.1規定水酸化カリウム−エタノール標準液のファクター(1.02)
B:試料採取量(0.50g)。
上記で算出した酸価を下式を用いて中和されていないカルボン酸基のモル数に換算した。
中和されていないカルボン酸基のモル数=酸価×1000/56(モル/g)
カルボン酸基の中和塩への転化率を、別途IR、NMRおよび元素分析等を用いてカルボン酸基のカルボニル炭素の定量をおこなって算出したカルボン酸基の総モル数(モル/g)を用いて下式にて算出した。
転化率%=(1−r)×100(%)
r:中和されていないカルボン酸基のモル数/カルボン酸基の総モル数。
(5)プロピレン系樹脂の繊維表面被覆率
プロピレン系樹脂が付着した強化繊維束を走査型電子顕微鏡で観察し、樹脂被覆部分と強化繊維表面露出部分の面積比より繊維表面被覆率を算出した。観察範囲は強化繊維束の単繊維を繊維軸方向に単繊維径の10倍の長さ分について任意の5ヶ所で観察した。単繊維を任意で5本選択し、それぞれ任意の5ヶ所で観察し、合計25ヶ所の平均をもって繊維表面被覆率とした。
繊維表面被覆率=樹脂被覆部分/(樹脂被覆部分+強化繊維表面露出部分)。
(6)擦過毛羽数測定
評価サンプルである強化繊維束のボビンを、温度23±5℃、相対湿度60±20%に管理された温調室に30分以上放置した。次に、上記温度と湿度条件が設定されている温調室内にある擦過毛羽装置を用いて、図1に示した糸道図に従い、強化繊維を、パウダークラッチを内蔵したクリール1に仕掛けて、糸道を作製した。まず、擦過毛羽を発生させるために、直径10mmの固定した表面が鏡面加工された擦過ピン2の4個に強化繊維をかけて、毛羽カウンター3を通過させた。走行時のスリップが発生しないように駆動ローラー4に強化繊維を5回以上巻いて、ワインダー5に巻き付けた。糸速を3m/分に設定して、図1に示したローラー6を介した糸道で強化繊維の走行を開始した。糸道が安定したことを確認し、毛羽カウント機器3から駆動ローラー4の間で測定した走行時の強化繊維の張力が6gf/texになるように、パウダークラッチで初期張力を調整した。その後、毛羽カウンターを作動させて、走行状態での擦過毛羽の評価を、サンプル毎に1分間測定を3回繰り返した。それぞれ1分間でカウントされた擦過毛羽数をX1、X2、X3として、下式から擦過毛羽数X[個/m]を算出した。
X=(X1+X2+X3)/9。
擦過毛羽数の判定は以下の基準でおこない、A〜Cを合格とした。
A:0〜2個/m
B:3〜5個/m
C:6〜10個/m
D:11個/m以上。
(7)強化繊維束のプロセス性判定(フックドロップ値測定)
温度23±2℃、湿度50±5%の雰囲気中で強化繊維束を2時間放置した。強化繊維束を1.5m長に切り、下部に100gの荷重をつけ繊維束を垂直に吊り下げた。これに1mmφ、長さ100mm程度のステンレスワイヤーの下部20〜30mmを曲げ、全重量が12gとなるように荷重を掛けたものを、上部20〜30mmをUの字に曲げた部分で繊維束幅方向の中央に引っ掛けた。30分経過後の前記荷重の落下距離(単位、cm)を測定した。少なくとも5回の測定を行い、平均値をもってフックドロップ値とした。プロセス性の判定は以下の基準でおこない、A〜Bを合格とした。
A:フックドロップ値が3cm以上40cm未満の範囲
B:フックドロップ値が1cm以上3cm未満および40cm以上80cm以下の範囲
C:フックドロップ値が1cm未満または80cmを超える場合。
(8)チョップド強化繊維束の嵩密度評価
チョップド強化繊維束30gを500mlメスシリンダーに投入し、メスシリンダーを2cmの高さよりゴムシート上に落下させながら50回タッピングしてチョップド強化繊維束を十分に充填させた。充填後の容積を読み取り、以下の式よりチョップド強化繊維束の嵩密度を算出した。
チョップド強化繊維束の嵩密度=30(g)/充填後の容積(ml)
嵩密度の判定は以下の基準でおこない、A〜Cを合格とした。
A:0.4g/ml以上
B:0.3g/ml以上0.4g/ml未満
C:0.2g/ml以上0.3g/ml未満
D:0.2g/ml未満。
(9)界面剪断強度の評価
評価詳細については次の文献を参考にした。
Drzal, L.T., Mater. Sci. Eng. A126, 289(1990)
プロピレン系樹脂が付着した強化繊維束より長さ20cmの単繊維1本を取り出した。続いて未変性ポリプロピレン樹脂(プライムポリマー(株)製“プライムポリプロ”J105G(登録商標))50重量%と、酸変性ポリプロピレン樹脂(三井化学(株)製“アドマー”QB510(登録商標))50重量%とからなる厚み150μmの樹脂フィルムを20×20cm角の大きさで2枚作製し、前記取り出した単繊維を1枚目の樹脂フィルム上に直線状に配置した。もう1枚の樹脂フィルムを単繊維を挟むように重ねて配置し、200℃で3分間、0.5MPaの圧力で加圧プレスし、単繊維が樹脂に埋め込まれたサンプルを作製した。得られたサンプルを切り出し、短繊維が中央に埋没した厚さ0.2mm,幅10mm,長さ70mmの試験片を得た。上記と同様にして試験片を10ピース作製した。
該試験片を通常の引張試験治具を用いて、試験長25mmに設定し、歪速度0.5mm/minで測定した。強化繊維破断がもはや起こらなくなった時の、平均破断繊維長(l)を透過型顕微鏡で測定した。
界面剪断強度(τ)は下式より求めた。
τ=(σf ・d)/(2・lc )
lc =(4/3)・l
ここで、l(μm)は最終的な繊維の破断長さの平均値、σ f(MPa) は繊維の引張強さ、d(μm)は繊維の直径である。
σf は、強化繊維の引張強度分布がワイブル分布に従うとして次の方法により求めた。即ち、単繊維を用い、試料長が5,25,50mmで得られた平均引張強度から最小2乗法により、試料長と平均引張強度との関係式を求め、試料長lc の時の平均引張強度を算出した。
界面剪断強度の判定は以下の基準でおこない、A〜Dを合格とした。
A:16MPa以上
B:14MPa以上16MPa未満
C:12MPa以上14MPa未満
D:10MPa以上12MPa未満
E:10MPa未満。
以下、実施例にて使用した材料について参考例として示す。
参考例1.炭素繊維1
ポリアクリロニトリルを主成分とする共重合体から紡糸、焼成処理、表面酸化処理を行い、総単糸数24,000本の連続炭素繊維を得た。この連続炭素繊維の特性は次に示す通りであった。
単繊維径:7μm
単位長さ当たりの質量:1.6g/m
比重:1.8
表面酸素濃度比 [O/C]:0.06
引張強度:4600MPa
引張弾性率:220GPa。
ここで表面酸素濃度比は、表面酸化処理を行ったあとの炭素繊維を用いて、X線光電子分光法により、次の手順にしたがって求めた。まず、炭素繊維束を20mmにカットして、銅製の試料支持台に拡げて並べた後、X線源としてA1Kα1、2を用い、試料チャンバー中を1×10Torrに保った。測定時の帯電に伴うピークの補正値としてC1sの主ピークの運動エネルギー値(K.E.)を1202eVに合わせた。C1sピーク面積をK.E.として1191〜1205eVの範囲で直線のベースラインを引くことにより求めた。O1sピーク面積をK.E.として947〜959eVの範囲で直線のベースラインを引くことにより求めた。O1sピーク面積とC1sピーク面積の比から装置固有の感度補正値を用いて原子数比として算出した。X線光電子分光法装置として、国際電気社製モデルES−200を用い、感度補正値を1.74とした。
参考例2.炭素繊維2
ポリアクリロニトリルを主成分とする共重合体から紡糸、焼成処理、表面酸化処理を行い、総単糸数24,000本の連続炭素繊維を得た。この連続炭素繊維の特性は次に示す通りであった。
単繊維径:7μm
単位長さ当たりの質量:1.6g/m
比重:1.8
表面酸素濃度比 [O/C]:0.12
引張強度:4600MPa
引張弾性率:220GPa。
参考例3.プロピレン系樹脂の混合物PP(1)の調整
プロピレン系樹脂(A)として、プロピレン・ブテン・エチレン共重合体(A−1)(C3=66モル%、Mw=90,000)91重量部、プロピレン系樹脂(B)の原料として、無水マレイン酸変性プロピレン・エチレン共重合体(C3=98モル%、Mw=25,000、酸含有量=0.81ミリモル当量)9重量部、界面活性剤(C)として、オレイン酸カリウム3重量部を混合した。この混合物を2軸スクリュー押出機(池貝鉄工株式会社製、PCM−30,L/D=40)のホッパーより3000g/時間の速度で供給し、同押出機のベント部に設けた供給口より、20%の水酸化カリウム水溶液を90g/時間の割合で連続的に供給し、加熱温度210℃で連続的に押出した。押出した樹脂混合物を、同押出機口に設置したジャケット付きスタティックミキサーで110℃まで冷却し、さらに80℃の温水中に投入してエマルジョンを得た。得られたエマルジョンは固形分濃度:45%であった。
尚、無水マレイン酸変性プロピレン・エチレン共重合体(C3=98モル%、Mw=25,000、酸含有量=0.81ミリモル当量)は、プロピレン・エチレン共重合体 96重量部、無水マレイン酸 4重量部、および重合開始剤としてパーヘキシ25B(日本油脂(株)製)0.4重量部を混合し、加熱温度160℃、2時間で変性を行って得られた。
参考例4.プロピレン系樹脂の混合物PP(2)の調整
プロピレン系樹脂(B)の原料として、無水マレイン酸変性プロピレン・エチレン重合体(C3=98モル%、Mw=5,000、酸含有量=0.81ミリモル当量)を用いた以外は、参考例3と同様にしてエマルジョンを作製した。該エマルジョンは固形分濃度45重量%であった。
参考例5.プロピレン系樹脂の混合物PP(3)の調整
プロピレン系樹脂(B)の原料として、無水マレイン酸変性プロピレン・エチレン重合体(C3=95モル%、Mw=40,000、酸含有量=0.81ミリモル当量)を用いた以外は、参考例3と同様にしてエマルジョンを作製した。該エマルジョンは固形分濃度45重量%であった。
参考例6.プロピレン系樹脂の混合物PP(4)の調整
プロピレン系樹脂(B)の原料として、無水マレイン酸変性プロピレン・エチレン重合体(C3=95モル%、Mw=25,000、酸含有量=0.1ミリモル当量)を用いた以外は、参考例3と同様にしてエマルジョンを作製した。該エマルジョンは固形分濃度45重量%であった。
参考例7.プロピレン系樹脂の混合物PP(5)の調整
20%水酸化カリウム水溶液の供給量を90g/時間から43g/時間に変更した以外は、参考例3と同様にしてエマルジョンを作製した。該エマルジョンは固形分濃度45重量%であった。
参考例8.プロピレン系樹脂の混合物PP(6)の調整
20%水酸化カリウム水溶液を20%アンモニア水に変更し、供給量を90g/時間から150g/時間に変更した以外は、参考例3と同様にしてエマルジョンを作製した。該エマルジョンは固形分濃度45重量%であった。
参考例9.プロピレン系樹脂の混合物PP(7)の調整
20%水酸化カリウム水溶液を20%水酸化亜鉛水溶液に変更し、供給量を90g/時間から160g/時間に変更した以外は、参考例3と同様にしてエマルジョンを作製した。該エマルジョンは固形分濃度45重量%であった。
参考例10.プロピレン系樹脂の混合物PP(8)の調整
プロピレン系樹脂(A)として、プロピレン・ブテン・エチレン共重合体(A−1)(C3=66モル%、Mw=90,000)45.5重量部と、プロピレン・ブテン共重合体(A−2)(C3=81モル%、Mw=300,000)45.5重量部との混合樹脂を用いた以外は、参考例3と同様にしてエマルジョンを作製した。該エマルジョンは固形分濃度45重量%であった。
参考例11.プロピレン系樹脂の混合物PP(9)の調整
プロピレン系樹脂(A)として、無水マレイン酸変性プロピレン・ブテン・エチレン共重合体(A−3)(C3=66モル%、Mw=70,000、酸含有量:0.81ミリモル当量)を用いた以外は、参考例3と同様にしてエマルジョンを作製した。該エマルジョンは固形分濃度45重量%であった。
参考例12.プロピレン系樹脂の混合物PP(10)の調整
無変性のポリプロピレン樹脂(重量平均分子量100,000)を粉砕し、平均粒径10μmのポリプロピレン樹脂パウダーを得た。該パウダーをn−ヘキサン中に投入し、撹拌することで無変性ポリプロピレン樹脂の懸濁液を調整した。固形分濃度は45%であった。
参考例13.プロピレン系樹脂の混合物PP(11)の調整
プロピレン系樹脂(A)として、プロピレン系樹脂(B)の原料に用いた無水マレイン酸変性プロピレン・エチレン共重合体(A−4)(C3=98モル%、Mw=25,000、酸含有量=0.81ミリモル当量)を用いた以外は、参考例3と同様にしてエマルジョンを作製した。該エマルジョンは固形分濃度45重量%であった。
参考例14.プロピレン系樹脂の混合物PP(12)の調整
プロピレン系樹脂(B)の原料として、無水マレイン酸変性プロピレン・エチレン重合体(C3=95モル%、Mw=200,000、酸含有量=0.81ミリモル当量)を用いた以外は、参考例3と同様にしてエマルジョンを作製した。該エマルジョンは固形分濃度45重量%であった。
実施例1.
参考例1で得られた連続炭素繊維束に、参考例3で調整したプロピレン系樹脂の混合物PP(1)のエマルジョンを固形分濃度6重量%に調整してローラー含浸法にて付着させた後、オンラインで210℃で2分間乾燥し、水分を除去した。得られた炭素繊維束の特性を表1に記載した。プロピレン系樹脂の混合物PP(1)の付着量は3重量%であった。得られた炭素繊維束は繊維表面被覆率測定、擦過毛羽数測定、プロセス性評価および界面剪断強度の評価に用いた。
得られた炭素繊維束をカートリッジカッターを用いて該連続炭素繊維束を6mm長にカットし、チョップド炭素繊維束を得た。チョップド炭素繊維束は嵩密度評価に用いた。
特性はまとめて表1に記載した。
実施例2.
プロピレン系樹脂の混合物PP(1)のエマルジョンの固形分濃度を0.6重量%としたこと以外は、実施例1と同様にして炭素繊維束を作成した。特性評価結果はまとめて表1に記載した。
実施例3.
プロピレン系樹脂の混合物PP(1)のエマルジョンの固形分濃度を2重量%としたこと以外は、実施例1と同様にして炭素繊維束を作成した。特性評価結果はまとめて表1に記載した。
実施例4.
参考例4で調整したプロピレン系樹脂の混合物PP(2)のエマルジョンを用いたこと以外は、実施例1と同様にして炭素繊維束を作成した。特性評価結果はまとめて表1に記載した。
実施例5.
参考例5で調整したプロピレン系樹脂の混合物PP(3)のエマルジョンを用いたこと以外は、実施例1と同様にして炭素繊維束を作成した。特性評価結果はまとめて表1に記載した。
実施例6.
プロピレン系樹脂の混合物PP(1)のエマルジョンの固形分濃度を30重量%としたこと以外は、実施例1と同様にして炭素繊維束を作成した。特性評価結果はまとめて表1に記載した。
実施例7.
参考例6で調整したプロピレン系樹脂の混合物PP(4)のエマルジョンを用いたこと以外は、実施例1と同様にして炭素繊維束を作成した。特性評価結果はまとめて表に記載した。
実施例8.
参考例7で調整したプロピレン系樹脂の混合物PP(5)のエマルジョンを用いたこと以外は、実施例1と同様にして炭素繊維束を作成した。特性評価結果はまとめて表に記載した。
実施例9.
参考例8で調整したプロピレン系樹脂の混合物PP(6)のエマルジョンを用いたこと以外は、実施例1と同様にして炭素繊維束を作成した。特性評価結果はまとめて表に記載した。
実施例10.
参考例9で調整したプロピレン系樹脂の混合物PP(7)のエマルジョンを用いたこと以外は、実施例1と同様にして炭素繊維束を作成した。特性評価結果はまとめて表に記載した。
実施例11.
参考例10で調整したプロピレン系樹脂の混合物PP(8)のエマルジョンを用いたこと以外は、実施例1と同様にして炭素繊維束を作成した。特性評価結果はまとめて表に記載した。
比較実施例
参考例11で調整したプロピレン系樹脂の混合物PP(9)のエマルジョンを用いたこと以外は、実施例1と同様にして炭素繊維束を作成した。特性評価結果はまとめて表に記載した。
実施例13.
参考例2で得られた連続炭素繊維束を用いたこと以外は、実施例1と同様にして炭素繊維束を作成した。特性評価結果はまとめて表に記載した。
比較例1.
参考例1で得られた連続炭素繊維束にプロピレン系樹脂の混合物を付着させずにそのまま評価に供した。特性評価結果はまとめて表に記載した。
比較例2.
参考例1で得られた連続炭素繊維束に、参考例3で調整したプロピレン系樹脂の混合物PP(1)のエマルジョンの固形分濃度を30重量%としてローラー含浸法にて付着させた後、オンラインで210℃で2分間乾燥し、水分を除去した。得られた炭素繊維束に、再度、プロピレン系樹脂の混合物PP(1)のエマルジョンの固形分濃度を30重量%としてローラー含浸法にて付着させた後、オンラインで210℃で2分間乾燥し、水分を除去して炭素繊維束を作成した。特性評価結果はまとめて表に記載した。
比較例3.
参考例12で調整したプロピレン系樹脂の混合物PP(10)のn−ヘキサン懸濁液を用いたこと以外は、実施例1と同様にして炭素繊維束を作成した。特性評価結果はまとめて表に記載した。
比較例4.
参考例13で調整したプロピレン系樹脂PP(11)のエマルジョンを用いたこと以外は、実施例1と同様にして炭素繊維束を作成した。特性評価結果はまとめて表に記載した。
比較例5.
参考例14で調整したプロピレン系樹脂PP(12)のエマルジョンを用いたこと以外は、実施例1と同様にして炭素繊維束を作成した。特性評価結果はまとめて表に記載した。
以上のように、実施例1〜11および13〜16においては、強化繊維束は取扱い性に優れ、また該強化繊維束を用いることで力学特性に優れた成形品を得ることができた。
一方、比較例1においては、炭素繊維束に何も付着させておらず、接着性も低いものであった。また擦過毛羽数が多く、チョップド炭素繊維束の嵩密度も低く取扱い性が極めて悪い状態であった。また、比較例2〜5では強化繊維束の取扱い性は比較的良好であったが、接着性が実施例よりも劣る結果となった。
本発明の強化繊維束は取り扱い性に優れ、マトリックス樹脂にポリオレフィン系樹脂、特にポリプロピレン樹脂を用いた場合に優れた接着性を発揮し、高い力学特性を有する繊維強化熱可塑性樹脂成形品を得ることが可能であり、種々の用途に展開できる。特に自動車部品、電気・電子部品、家庭・事務電気製品部品に好適である。
擦過毛羽評価方法に用いられる糸道の概略図。
符号の説明
1 パウダークラッチを内蔵したクリール
2 表面が鏡面加工された擦過ピン
3 毛羽カウンター
4 駆動ローラー
5 ワインダー
6 ローラー

Claims (17)

  1. オレフィン成分のプロピレンから導かれる構成単位が50〜99モル%である第1のプロピレン系樹脂(A)と、第1のプロピレン系樹脂(A)100重量部に対して0.3〜45重量部の第2のプロピレン系樹脂(B)とを少なくとも含む混合物が付着物として付着されている強化繊維束であって、第1のプロピレン系樹脂(A)が、重量平均分子量Mwが30,000以上150,000未満の範囲であるプロピレン系樹脂(A−1)30〜100重量%と、重量平均分子量Mwが150,000以上500,000以下の範囲であるプロピレン系樹脂(A−2)0〜70重量%とを有してなり、第1のプロピレン系樹脂(A)の重量平均分子量Mwが第2のプロピレン系樹脂(B)よりも大きく、かつ第2のプロピレン系樹脂(B)は重合体鎖に結合したカルボン酸塩を少なくとも含むプロピレン系樹脂であり、第1のプロピレン系樹脂(A)と第2のプロピレン系樹脂(B)との混合物である付着物の付着量が0.1〜30重量%の範囲内である強化繊維束。
  2. 前記第1のプロピレン系樹脂(A)が未変性のプロピレン系樹脂である、請求項1に記載の強化繊維束。
  3. 前記第1のプロピレン系樹脂(A)が、重合体鎖に結合したカルボン酸塩を少なくとも含むプロピレン系樹脂である、請求項1に記載の強化繊維束。
  4. カルボン酸またはその塩の、樹脂1グラム当たり、式(I)で表される基換算での第2のプロピレン系樹脂(B)のミリモル当量が、第1のプロピレン系樹脂よりも大きいミリモル当量である、請求項3に記載の強化繊維束。
    −C(=O)−O−・・・式(I)
  5. 前記強化繊維が炭素繊維である、請求項1〜4のいずれかに記載の強化繊維束。
  6. オレフィン成分のプロピレンから導かれる構成単位が50〜99モル%である第1のプロピレン系樹脂(A)と、第1のプロピレン系樹脂(A)100重量部に対して0.3〜45重量部の第2のプロピレン系樹脂(B)とを少なくとも含む混合物が付着物として付着されている強化繊維束であって、強化繊維が炭素繊維であり、第1のプロピレン系樹脂(A)の重量平均分子量Mwが第2のプロピレン系樹脂(B)よりも大きく、第1のプロピレン系樹脂(A)が未変性のプロピレン系樹脂であり、かつ第2のプロピレン系樹脂(B)は重合体鎖に結合したカルボン酸塩を少なくとも含むプロピレン系樹脂であり、第1のプロピレン系樹脂(A)と第2のプロピレン系樹脂(B)との混合物である付着物の付着量が0.1〜30重量%の範囲内である強化繊維束。
  7. 前記第2のプロピレン系樹脂(B)が、樹脂1グラム当たり、式(I)で表される基換算で総量0.05〜5ミリモル当量の濃度でカルボン酸塩を少なくとも有してなる、請求項1〜6のいずれかに記載の強化繊維束。
    −C(=O)−O−・・・式(I)
  8. 前記第2のプロピレン系樹脂(B)の重合体鎖に結合したカルボン酸塩の50〜100%が、リチウム塩、カリウム塩、ナトリウム塩、カルシウム塩、マグネシウム塩、亜鉛塩より選択される、1種または2種以上の金属塩で転化されてなるものである、請求項1〜7のいずれかに記載の強化繊維束。
  9. 前記第2のプロピレン系樹脂(B)の重合体鎖に結合したカルボン酸塩の50〜100%が、アンモニウム塩で転化されてなるものである、請求項1〜8のいずれかに記載の強化繊維束。
  10. 前記第2のプロピレン系樹脂(B)の重量平均分子量Mwが1,000〜50,000の範囲である、請求項1〜9のいずれかに記載の強化繊維束。
  11. 前記第1のプロピレン系樹脂(A)が、重量平均分子量Mwが50,000を超えて150,000未満である、請求項1〜10のいずれかに記載の強化繊維束。
  12. 強化繊維束を形成する単繊維の表面の60%以上が前記プロピレン系樹脂(A)および(B)との混合物で被覆されている、請求項1〜11のいずれかに記載の強化繊維束。
  13. 擦過毛羽評価方法で測定される擦過毛羽数が1m当たり10個以下である、請求項1〜12のいずれかに記載の強化繊維束。
  14. フックドロップ法で測定されるフックドロップ値が、1〜80cmの範囲である、請求項1〜13のいずれかに記載の強化繊維束。
  15. 前記炭素繊維のX線光電子分光法(ESCA)によって測定される表面酸素濃度比(O/C)が0.05〜0.5である、請求項5または6に記載の強化繊維束。
  16. 前記強化繊維束が20,000〜100,000本の単繊維からなる、請求項1〜15のいずれかに記載の強化繊維束。
  17. 前記強化繊維束が繊維長1〜30mmのチョップド糸である、請求項1〜16のいずれかに記載の強化繊維束。
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