JP2010150359A - 繊維強化成形品 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明は、強化繊維とマトリックス樹脂であるポリプロピレン系樹脂との接着性に優れ、かつ力学特性に優れた繊維強化成形品を提供せんとするものである。
【解決手段】本発明の繊維強化成形品は、下記成分(A)〜(C)を有してなる繊維強化成形品であって、該成分(A)が該成分(C)で被覆されてなり、被覆率が30〜100%であることを特徴とするものである。
(A)強化繊維 1〜50重量%
(B)第1のプロピレン系樹脂 30〜98.99重量%
(C)重合体鎖に結合したカルボン酸塩を少なくとも含む第2のプロピレン系樹脂であり、樹脂1グラム当たり、式(I)で表される基換算で総量0.05〜5ミリモル当量の濃度でカルボン酸塩を少なくとも有してなるプロピレン系樹脂 0.01〜20重量%
−C(=O)−O−・・・式(I)
【選択図】なし

Description

本発明は、強化繊維とマトリックス樹脂であるポリプロピレン系樹脂との接着性に優れ、かつ力学特性に優れた繊維強化成形品を提供することを目的とする。
強化繊維と熱可塑性樹脂とを複合させた繊維強化熱可塑性樹脂成形品は、力学特性や寸法安定性に優れることから、自動車、航空機、電気・電子機器、玩具、家電製品などの幅広い分野で使用されている。強化繊維の中でも炭素繊維は軽量、高強度、高剛性であることから近年注目を集めている。
また、複合材料用の熱可塑性樹脂として近年注目を集めているのがポリオレフィン系樹脂、中でもコストが安価であり、比重も小さく、成形性、耐薬品性などの優れた特性を有するポリプロピレン樹脂が注目されている。
しかしながら、ポリオレフィン系樹脂は極性が低いため、強化繊維との界面接着性に劣る。このため、以前より強化繊維の表面処理やサイジング剤の付与などで繊維とマトリックス樹脂との界面接着性を改善する試みが行われてきた。
特許文献1には、強化繊維である炭素繊維がマトリックスである熱可塑性樹脂と相溶性のある樹脂で付着被覆された炭素繊維含有熱可塑性樹脂成形品が開示されているが、いずれの樹脂に対しても強化繊維との接着性を向上させる試みがなされておらず、もともと極性の低いポリオレフィン系樹脂では十分な力学特性を得ることが出来ない。
また、特許文献2には、不飽和カルボン酸またはその誘導体で変性されたポリオレフィン樹脂を0.01〜10重量%含有する成形材料から得られる成形品が開示されている。しかしながら、特許文献2の手法では成形品とした際に、強化繊維まわりに不飽和カルボン酸またはその誘導体で変性されたポリオレフィン樹脂が優先的に存在しない可能性があり、その場合優れた界面接着性を得ることは出来ない。
このように、従来技術ではポリオレフィン系樹脂、中でもポリプロピレン系樹脂をマトリックスとした際に、優れた界面接着性および力学特性を発揮することは困難であり、これらの特性を満足できる繊維強化成形品の開発が望まれていた。
特許第3720589号公報 特開2000−290444号公報
本発明は、従来技術の背景に鑑み、強化繊維とマトリックス樹脂であるポリプロピレン系樹脂との接着性に優れ、かつ力学特性に優れた繊維強化成形品を提供することを目的とする。
本発明者らは上記目的を達成すべく鋭意検討した結果、上記課題を達成することができる、次の繊維強化成形品を見出した。
(1)下記成分(A)〜(C)を有してなる繊維強化成形品であって、該成分(A)が該成分(C)で被覆されてなり、被覆率が30〜100%である繊維強化成形品。
(A)強化繊維 1〜50重量%
(B)第1のプロピレン系樹脂 30〜98.99重量%
(C)重合体鎖に結合したカルボン酸塩を少なくとも含む第2のプロピレン系樹脂であり、樹脂1グラム当たり、式(I)で表される基換算で総量0.05〜5ミリモル当量の濃度でカルボン酸塩を少なくとも有してなるプロピレン系樹脂 0.01〜20重量%
−C(=O)−O−・・・式(I)
(2)前記成分(C)の重量平均分子量が1,000〜50,000の範囲である、(1)に記載の繊維強化成形品。
(3)前記成分(C)の重合体鎖に結合したカルボン酸塩の50〜100%が、リチウム塩、カリウム塩、ナトリウム塩、カルシウム塩、マグネシウム塩、亜鉛塩より選択される、1種または2種以上の金属塩で転化されてなるものである、(1)または(2)のいずれかに記載の繊維強化成形品。
(4)前記成分(C)の重合体鎖に結合したカルボン酸塩の50〜100%が、アンモニウム塩で転化されてなるものである、(1)または(2)に記載の強化繊維束。
(5)前記成分(C)の被覆厚みが0.01〜5μmである、(1)〜(4)のいずれかに記載の繊維強化成形品。
(6)前記成分(C)において、金属元素および/または窒素元素が1,000ppm以上である、(3)に記載の繊維強化成形品。
(7)前記成分(B)の重量平均分子量が30,000〜500,000の範囲である、(1)〜(6)のいずれかに記載の繊維強化成形品。
(8)前記成分(B)が、重合体鎖に結合したカルボン酸塩を少なくとも有してなり、重量平均分子量が50,000を越えて500,000以下である、(1)〜(6)のいずれかに記載の繊維強化成形品。
(9)カルボン酸および/またはその塩の基の、樹脂1グラム当たり、式(I)で表される基換算でのミリモル当量の序列が、成分(C)≧成分(B)である、(8)に記載の繊維強化成形品。
(10)前記成分(B)において、金属元素および/または窒素元素が1,000ppm未満である、(1)〜(9)のいずれかに記載の繊維強化成形品。
(11)射出成形により得られた成形品であって、前記成分(A)の重量平均繊維長が1〜6mmである、(1)〜(10)のいずれかに記載の繊維強化成形品。
(12)前記成分(A)の強化繊維が炭素繊維である、(1)〜(11)のいずれかに記載の繊維強化成形品。
(13)前記炭素繊維のX線光電子分光法(ESCA)で測定される表面酸素指数(O/C)が0.05〜0.5である、(12)に記載の繊維強化成形品。
本発明の繊維強化成形品は、熱可塑性樹脂からなるマトリックス樹脂との接着性、中でもポリプロピレン系マトリックス樹脂との接着性に優れ、かつ力学特性に優れた繊維強化成形品である。本発明の繊維強化成形品は、力学特性や寸法安定性に優れることから、自動車、電気・電子機器、家電製品などの各種部品・部材に極めて有用である。
本発明は、下記成分(A)〜(C)を有してなる繊維強化成形品であって、該成分(A)が該成分(C)で被覆されてなり、被覆率が30〜100%である繊維強化成形品である。
(A)強化繊維 1〜50重量%
(B)第1のプロピレン系樹脂 30〜98.99重量%
(C)重合体鎖に結合したカルボン酸塩を少なくとも含む第2のプロピレン系樹脂であり、樹脂1グラム当たり、式(I)で表される基換算で総量0.05〜5ミリモル当量の濃度でカルボン酸塩を少なくとも有してなるプロピレン系樹脂 0.01〜20重量%
−C(=O)−O−・・・式(I)。
まず本発明に係る繊維強化成形品を構成する構成要素について説明する。強化繊維(A)としては、例えば、炭素繊維、ガラス繊維、アラミド繊維、アルミナ繊維、炭化珪素繊維、ボロン繊維、金属繊維などの高強度、高弾性率繊維が使用でき、これらは1種または2種以上を併用してもよい。中でも、PAN系、ピッチ系、レーヨン系などの炭素繊維が力学特性の向上、成形品の軽量化効果の観点から好ましく、得られる成形品の強度と弾性率とのバランスの観点から、PAN系炭素繊維がさらに好ましい。また、導電性を付与する目的では、ニッケルや銅やイッテルビウムなどの金属を被覆した強化繊維を用いることもできる。
さらに炭素繊維としては、X線光電子分光法により測定される繊維表面の酸素(O)と炭素(C)の原子数の比である表面酸素濃度比[O/C]が0.05〜0.5であるものが好ましく、より好ましくは0.08〜0.4であり、さらに好ましくは0.1〜0.3である。表面酸素濃度比が0.05以上であることにより、炭素繊維表面の官能基量を確保でき、熱可塑性樹脂とより強固な接着を得ることができる。また、表面酸素濃度比の上限には特に制限はないが、炭素繊維の取扱い性、生産性のバランスから一般的に0.5以下とすることが例示できる。
炭素繊維の表面酸素濃度比は、X線光電子分光法により、次の手順にしたがって求めるものである。まず、溶剤で炭素繊維表面に付着しているサイジング剤などを除去した炭素繊維束を20mmにカットして、銅製の試料支持台に拡げて並べた後、X線源としてA1Kα1、2を用い、試料チャンバー中を1×108Torrに保つ。測定時の帯電に伴うピークの補正値としてC1sの主ピークの運動エネルギー値(K.E.)を1202eVに合わせる。C1sピーク面積をK.E.として1191〜1205eVの範囲で直線のベースラインを引くことにより求める。O1sピーク面積をK.E.として947〜959eVの範囲で直線のベースラインを引くことにより求める。
ここで、表面酸素濃度比とは、上記O1sピーク面積とC1sピーク面積の比から装置固有の感度補正値を用いて原子数比として算出する。X線光電子分光法装置として、国際電気社製モデルES−200を用い、感度補正値を1.74とする。
表面酸素濃度比[O/C]を0.05〜0.5に制御する手段としては、特に限定されるものではないが、例えば、電解酸化処理、薬液酸化処理および気相酸化処理などの手法をとることができ、中でも電解酸化処理が好ましい。
また、強化繊維の平均繊維径は特に限定されないが、得られる成形品の力学特性と表面外観の観点から、1〜20μmの範囲内であることが好ましく、3〜15μmの範囲内であることがより好ましい。
本発明の繊維強化成形品は、射出成形により得られた成形品であって、成形品に含まれる強化繊維の重量平均繊維長Lwが1〜6mmであることが好ましい。Lwが1mmより小さい場合、繊維強化成形品の力学特性が十分ではない場合があり、一方、Lwが6mmより大きい場合、成形品の外観が低下し、強度異方性も大きくなる場合があり好ましくない。また、射出成形は成形サイクルが短く生産性に優れるため、好ましい。射出成形の具体的な成形方法については、特に制限はなく、強化繊維と樹脂を一度溶融混練して成形材料としたコンパウンドペレットを用いた成形方法(1)、強化繊維を熱可塑性樹脂ペレットと混合してなる成形材料を直接成形機に供給し、または強化繊維と熱可塑性樹脂ペレットとを個別に直接成形機に供給し、成形品型に注入、冷却固化させる直接成形法(2)、強化繊維束を樹脂で被覆して長繊維ペレットの成形材料を用いた成形方法(3)などがある。中でも、強化繊維の重量平均繊維長Lwを上記の範囲に制御するためには、長繊維ペレットの成形材料を用いた射出成形方法が特に好ましい。
次に、本発明の繊維強化成形品は、上記の強化繊維(A)の他に、所定量の第1のプロピレン系樹脂(B)と第2のプロピレン系樹脂(C)とを含むことが重要である。以下、本発明においてプロピレン系樹脂とは、少なくともプロピレン単量体繰り返し単位を含む重合体のことを示す。
ここで第1のプロピレン系樹脂(B)は、プロピレンと少なくとも1種のα−オレフィン、共役ジエン、非共役ジエンなどとの共重合体が挙げられる。
α−オレフィンを構成する単量体繰り返し単位には、例えば、エチレン、1−ブテン、3−メチル−1−ブテン、4−メチル−1−ペンテン、3−メチル−1−ペンテン、4−メチル−1−ヘキセン、4,4ジメチル−1−ヘキセン、1−ノネン、1−オクテン、1−ヘプテン、1−ヘキセン、1−デセン、1−ウンデセン、1−ドデセン等のプロピレンを除く炭素数2〜12のα−オレフィン、共役ジエン、非共役ジエンを構成する単量体繰り返し単位にはブタジエン、エチリデンノルボルネン、ジシクロペンタジエン、1,5−ヘキサジエン等が挙げられ、これらその他の単量体繰り返し単位には、1種類または2種類以上を選択することができる。
第1のプロピレン系樹脂(B)の骨格構造としては、プロピレンと前記その他の単量体のうちの1種類または2種類以上のランダムあるいはブロック共重合体、または他の熱可塑性単量体との共重合体等を挙げることができる。例えば、ポリプロピレン、エチレン・プロピレン共重合体、プロピレン・1−ブテン共重合体、エチレン・プロピレン・1−ブテン共重合体などが好適なものとして挙げられる。
プロピレン系樹脂における前記単量体繰り返し単位の同定には、IR、NMR、質量分析および元素分析等の通常の高分子化合物の分析手法を用いて行うことができる。
第2のプロピレン系樹脂(C)は、重合体鎖に結合したカルボン酸塩を少なくとも含むプロピレン系樹脂である。これは強化繊維との相互作用を高めるうえでカルボン酸塩を含むことが効果的であるためである。
上記第2のプロピレン系樹脂(C)の原料としては、ポリプロピレン、エチレン・プロピレン共重合体、プロピレン・1−ブテン共重合体、エチレン・プロピレン・1−ブテン共重合体で代表される、プロピレンとα−オレフィンの単独または2種類以上との共重合体に、中和されているか、中和されていないカルボン酸基を有する単量体、および/またはケン化されているか、ケン化されていないカルボン酸エステルを有する単量体を、グラフト重合することにより得ることができる。上記プロピレンとα−オレフィンの単独または2種類以上との共重合体の単量体繰り返し単位および骨格構造は、第1のプロピレン系樹脂(B)と同様の考えで選定することができる。
ここで、中和されているか、中和されていないカルボン酸基を有する単量体、およびケン化されているか、ケン化されていないカルボン酸エステル基を有する単量体としては、たとえば、エチレン系不飽和カルボン酸、その無水物が挙げられ、またこれらのエステル、さらにはオレフィン以外の不飽和ビニル基を有する化合物なども挙げられる。
エチレン系不飽和カルボン酸としては、(メタ)アクリル酸、マレイン酸、フマール酸、テトラヒドロフタル酸、イタコン酸、シトラコン酸、クロトン酸、イソクロトン酸などが例示され、その無水物としては、ナジック酸TM(エンドシス−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボン酸)、無水マレイン酸、無水シトラコン酸などが例示できる。
オレフィン以外の不飽和ビニル基を有する単量体としては、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、i−ブチル(メタ)アクリレート、tert−ブチル(メタ)アクリレート、n−アミル(メタ)アクリレート、イソアミル(メタ)アクリレート、n−ヘキシル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、デシル(メタ)アクリレート、ドデシル(メタ)アクリレート、オクタデシル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、トリデシル(メタ)アクリレート、ラウロイル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレート、イソボロニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸エステル類、ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチルアクリレート、ラクトン変性ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピルアクリレート等の水酸基含有ビニル類、グリシジル(メタ)アクリレート、メチルグリシジル(メタ)アクリレート等のエポキシ基含有ビニル類、ビニルイソシアナート、イソプロペニルイソシアナート等のイソシアナート基含有ビニル類、スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、t−ブチルスチレン等の芳香族ビニル類、アクリルアミド、メタクリルアミド、N−メチロールメタクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド、ジアセトンアクリルアミド、マレイン酸アミド等のアミド類、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル等のビニルエステル類、N、N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N、N−ジエチルアミノエチル(メタアクリレート、N,N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリレート、N、N−ジプロピルアミノエチル(メタ)アクリレート、N、N−ジブチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N、N−ジヒドロキシエチルアミノエチル(メタ)アクリレート等のアミノアルキル(メタ)アクリレート類、スチレンスルホン酸、スチレンスルホン酸ソーダ、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸等の不飽和スルホン酸類、モノ(2−メタクリロイロキシエチル)アシッドホスフェート、モノ(2−アクリロイロキシエチル)アシッドホスフェート等の不飽和リン酸類等が挙げられる。
これらの単量体は単独で用いることもできるし、また2種類以上のものを用いることもできる。また、これらの中でも、酸無水物類が好ましく、さらには無水マレイン酸が好ましい。
上記第2のプロピレン系樹脂(C)の原料は、種々の方法で得ることができるが、例えば、有機溶剤中でプロピレン系樹脂と不飽和ビニル基を有するエチレン系不飽和カルボン酸やオレフィン以外の不飽和ビニル基を有する単量体とを重合開始剤の存在下で反応させた後に脱溶剤する方法や、プロピレン系樹脂を加熱溶融し得られた溶融物に不飽和ビニル基を有するカルボン酸および重合開始剤を攪拌下で反応させる方法や、プロピレン系樹脂と不飽和ビニル基を有するカルボン酸と重合開始剤とを混合したものを押出機に供給して加熱混練しながら反応させる方法等を挙げることができる。
ここで重合開始剤としては、ベンゾイルパーオキサイド、ジクロルベンゾイルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、ジ−tert−ブチルパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(ペルオキシベンゾエート)ヘキシン−3、1,4−ビス(tert−ブチルパーオキシイソプロピル)ベンゼン等が挙げられる。これらは、単独あるいは2種以上を混合して用いることができる。
また有機溶剤としては、キシレン、トルエン、エチルベンゼン等の芳香族炭化水素、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、デカン、イソオクタン、イソデカン等の脂肪族炭化水素、シクロヘキサン、シクロヘキセン、メチルシクロヘキサン、エチルシクロヘキサン等の脂環式炭化水素、酢酸エチル、n−酢酸ブチル、セロソルブアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、3メトキシブチルアセテート等のエステル系溶媒、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン系溶媒等の有機溶剤を用いることができ、またこれらの2種以上からなる混合物であっても構わない。これらの中でも、芳香族炭化水素、脂肪族炭化水素、及び脂環式炭化水素が好ましく、脂肪族炭化水素、脂環式炭化水素がより好適に用いられる。
上記のように得られた第2のプロピレン系樹脂(C)の原料を中和またはケン化することにより、第2のプロピレン系樹脂(C)を得ることができる。中和またはケン化する場合には、上記第2のプロピレン系樹脂(C)の原料を水分散体にして処理することが容易であり好ましい。
上記第2のプロピレン系樹脂(C)の原料の水分散体の中和またはケン化に用いる塩基性物質としては、ナトリウム、カリウム、リチウム、カルシウム、マグネシウム、亜鉛等のアルカリ金属および/またはアルカリ土類金属および/またはその他金属類、ヒドロキシルアミン、水酸化アンモニウム等の無機アミン、アンモニア、(トリ)メチルアミン、(トリ)エタノールアミン、(トリ)エチルアミン、ジメチルエタノールアミン、モルフォリン等の有機アミン、酸化ナトリウム、過酸化ナトリウム、アルカリ金属および/またはアルカリ土類金属の酸化物および/またはその他金属類、水酸化物、水素化物、炭酸ナトリウム等のアルカリ金属および/またはアルカリ土類金属および/またはその他金属類の弱酸塩を挙げることができる。塩基物質により中和またはケン化されたカルボン酸塩の基あるいはカルボン酸エステル基としては、カルボン酸ナトリウム、カルボン酸カリウム等のカルボン酸アルカリ金属塩またはカルボン酸アンモニウムが好適である。
また、中和度またはけん化度、すなわち、第2のプロピレン系樹脂(C)の原料が有するカルボン酸基の上記金属塩やアンモニウム塩等への転化率は、水分散体の安定性と、繊維との接着性の観点より、通常50〜100%、好ましくは70〜100%、さらに好ましくは85〜100%である。したがって、上記第2のプロピレン系樹脂(C)におけるカルボン酸基は、上記塩基物質によりすべて中和またはケン化されていることが望ましいが、中和またはケン化されずに一部カルボン酸基が残存していてもよい。上記のような酸基の塩成分を分析する手法としては、ICP発光分析で塩を形成している金属種の検出を行う方法や、IR、NMR、質量分析および元素分析等を用いて酸基の塩の構造を同定する方法が挙げられる。
ここでカルボン酸基の中和塩への転化率は、加熱トルエン中にプロピレン系樹脂を溶解し、0.1規定の水酸化カリウム−エタノール標準液で滴定し、プロピレン系樹脂の酸価を下式より求め、元のカルボン酸基の総モル数と比較して算出する方法などが挙げられる。
酸価=(5.611×A×F)/B (mgKOH/g)
A:0.1規定水酸化カリウム−エタノール標準液使用量(ml)
F:0.1規定水酸化カリウム−エタノール標準液のファクター
B:試料採取量(g)。
上記で算出した酸価を下式を用いて中和されていないカルボン酸基のモル数に換算する。
中和されていないカルボン酸基のモル数=酸価×1000/56(モル/g)。
カルボン酸基の中和塩への転化率は、別途IR、NMRおよび元素分析等を用いてカルボン酸基のカルボニル炭素の定量をおこなって算出したカルボン酸基の総モル数(モル/g)を用いて下式にて算出する。
転化率%=(1−r)×100(%)
r:中和されていないカルボン酸基のモル数/カルボン酸基の総モル数。
本発明の繊維強化成形品は、強化繊維(A)が第2のプロピレン系樹脂(C)で被覆されてなり、被覆率が30〜100%である。第2のプロピレン系樹脂(C)に含まれる重合体鎖に結合したカルボン酸塩の基が、強化繊維とマトリックス樹脂との接着性向上に作用することから、被覆率が30%より小さい場合、強化繊維とマトリックス樹脂との接着性が低下するため、結果として繊維強化成形品の力学特性も低下する。より好ましくは50%以上を被覆した状態であり、さらに好ましくは70%以上を被覆した状態である。
ここで繊維強化成形品の強化繊維に対する第2のポリプロピレン系樹脂の被覆率は、例えば成形品断面で観察される強化繊維において、強化繊維の繊維軸方向に垂直な断面の面積の1.3倍以内の面積として観察される強化繊維(つまり強化繊維の繊維軸方向に垂直な断面形状に近い形で観察される強化繊維のこと)を任意に5つ選び出し、SEM−EDX(エネルギー分散型X線分光法)による面分析により算出できる。SEM−EDXの面分析では、ポリプロピレン系樹脂に含まれるカルボン酸塩の金属塩由来の金属元素、あるいはアンモニウム塩の窒素元素由来の窒素を分析することにより、強化繊維がカルボン酸塩の金属塩および/またはアンモニウム塩を含むポリプロピレン系樹脂により被覆されているか否かを判断する。判断の基準は該部位における金属元素濃度および/または窒素元素濃度が1,000ppm以上である場合に、カルボン酸塩の金属塩および/またはアンモニウム塩を含むポリプロピレン系樹脂であると判断する。ここで、金属元素濃度および/または窒素元素濃度は、好ましくは2,000ppm以上、さらに好ましくは3,000ppm以上である。
被覆率の測定手順としては、まず、繊維強化成形品断面のSEM観察において、任意に5つの強化繊維断面を選び出す。それぞれの強化繊維断面について、SEM−EDXの面分析を行い、上記判断基準をもとにカルボン酸塩の金属塩および/またはアンモニウム塩を含むプロピレン系樹脂により強化繊維が被覆されている厚みを測定する。該厚みが0.01μm以上の領域をカルボン酸塩の金属塩および/またはアンモニウム塩を含むプロピレン系樹脂により被覆された領域と判断する。観察される強化繊維の周長に対して、該被覆された領域と判断される強化繊維の周長とから下式にて被覆率を算出する。測定は5つの強化繊維断面における平均値をもって被覆率とした。
被覆率(%)=カルボン酸塩の金属塩および/またはアンモニウム塩を含むプロピレン系樹脂により被覆された強化繊維円周/強化繊維円周×100
上記カルボン酸塩の金属塩および/またはアンモニウム塩を含むプロピレン系樹脂により強化繊維が被覆されている厚み(すなわち被覆厚み)は0.01〜5μmであることが好ましい。つまり、第2のプロピレン系樹脂(C)に含まれる重合体鎖に結合したカルボン酸塩の基による接着性向上効果を得るためには、被覆厚みが上記の範囲内であることが好ましい。さらに好ましい被覆厚みは0.5〜4.5μmである。
本発明の繊維強化成形品は、それぞれの成分の配合比率が、強化繊維(A)は1〜50重量%、第1のプロピレン系樹脂(B)は30〜98.99重量%、第2のプロピレン系樹脂(C)は0.01〜20重量%である。それぞれの成分の配合比率のうち、強化繊維(A)が1重量%より小さい場合、繊維強化成形品における補強効果がほとんどなく、十分な力学特性が得られない。一方、強化繊維(A)が50重量%より大きい場合、繊維強化成形品の成形性が劣り、さらに成形品中へ空隙も生じやすくなるため力学特性にも劣る。第2のプロピレン系樹脂(C)が0.01重量%より小さい場合、第2のプロピレン系樹脂(C)に含まれる重合体鎖に結合したカルボン酸塩の基による接着性向上効果が小さく、繊維強化成形品の力学特性が低下する。一方、繊維強化成形品のマトリックス樹脂としての特性を鑑みると、第2のプロピレン系樹脂(C)の配合比率は20重量%が上限である。
本発明の繊維強化成形品は、強化繊維との相互作用を高めて接着性を向上させる観点から、前記第2のプロピレン系樹脂(C)の重合体鎖に結合したカルボン酸塩の含有量は、樹脂1g当たり−C(=O)−O−で表される基換算で総量0.05〜5ミリモル当量の濃度である。より好ましくは0.1〜4ミリモル当量、さらに好ましくは0.3〜3ミリモル当量である。
本発明の第1のプロピレン系樹脂(B)と第2のプロピレン系樹脂(C)との重量平均分子量の関係は、第1のプロピレン系樹脂(B)の重量平均分子量の方が大きいことが好ましい。第2のプロピレン系樹脂(C)の重量平均分子量を第1のプロピレン系樹脂(B)の重量平均分子量よりも小さくすることで、成形時の樹脂溶融状態において、第2のプロピレン系樹脂(C)が強化繊維近傍に移動、すなわち強化繊維に被覆し、強化繊維と相互作用を形成しやすくなり、接着性が向上するものと推定する。
第2のプロピレン系樹脂(C)の重量平均分子量は、上記溶融時の移動作用の観点から、1,000〜50,000の範囲であることが好ましい。より好ましくは2,000〜40,000、さらに好ましくは5,000〜30,000である。なお重量平均分子量の測定はゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)を用いて測定する。
第1のプロピレン系樹脂(B)の重量平均分子量は、繊維強化成形品の力学特性を向上させる観点から、30,000〜500,000の範囲であることが好ましい。より好ましくは100,000〜400,000である。
また、本発明では、得られる成形品の強度を高める目的で、強化繊維との親和性がより大きくするために、第1のプロピレン系樹脂(B)としても、重合体鎖に結合したカルボン酸塩の基を含むポリプロピレン系樹脂を用いることができる。但し、第2のプロピレン系樹脂(C)とは異なり、繊維強化成形品の力学特性を向上させる観点から、重量平均分子量は同じく重合体鎖に結合したカルボン酸塩の基を含む第2のプロピレン系樹脂(C)のそれより大きく、50,000を越えて500,000以下であることが好ましい。
さらに、第1のプロピレン系樹脂(B)が重合体鎖に結合したカルボン酸塩を少なくとも含むプロピレン系樹脂である場合、そのカルボン酸塩の含有量は、樹脂1g当たり−C(=O)−O−で表される基換算での総量が第2のプロピレン系樹脂(C)と等しいかそれよりも少ないこと、すなわち、樹脂1g当たり−C(=O)−O−で表される基換算でのミリモル当量の序列が、成分(C)≧成分(B)であることが好ましい。これは酸変性ポリプロピレン樹脂への親和性を高めるための第1のプロピレン系樹脂(B)の酸変性量は、強化繊維との相互作用を考慮した第2のプロピレン系樹脂(C)ほどには必要ないためである。
本発明の繊維強化成形品には、プロピレン系樹脂の他に、本発明の効果を損なわない範囲で他の成分を含んでいても構わない。例えば、エラストマーあるいはゴム成分などの耐衝撃性向上剤、他の充填材や添加剤を含有しても良い。これらの例としては、無機充填材、難燃剤、導電性付与剤、結晶核剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、制振剤、抗菌剤、防虫剤、防臭剤、着色防止剤、熱安定剤、離型剤、帯電防止剤、可塑剤、滑剤、着色剤、顔料、染料、発泡剤、制泡剤、あるいは、カップリング剤が挙げられる。
本発明の繊維強化成形品は、種々の用途に展開できる。特にインストルメントパネル、ドアビーム、アンダーカバー、ランプハウジング、ペダルハウジング、ラジエータサポート、スペアタイヤカバー、フロントエンドなどの各種モジュール等の自動車部品、ノートパソコン、携帯電話、デジタルスチルカメラ、PDA、プラズマディスプレーなどの電気・電子部品、電話、ファクシミリ、VTR、コピー機、テレビ、電子レンジ、音響機器、トイレタリー用品、レーザーディスク、冷蔵庫、エアコンなどの家庭・事務電気製品部品に好適である。
以下、実施例により本発明をさらに具体的に説明するが、本発明は、特にこれに限定されるものではない。
(1)被覆率の測定
成形品断面で観察される強化繊維において、強化繊維の繊維軸方向に垂直な断面の面積の1.3倍以内の面積として観察される強化繊維(つまり強化繊維の繊維軸方向に垂直な断面形状に近い形で観察される強化繊維のこと)を任意に5つ選び出し、SEM−EDX(エネルギー分散型X線分光法)による面分析により算出した。SEM−EDXの面分析では、ポリプロピレン系樹脂に含まれるカルボン酸塩の金属塩由来の金属元素、あるいはアンモニウム塩由来の窒素元素を分析することにより、強化繊維がカルボン酸塩および/またはアンモニウム塩を含むポリプロピレン系樹脂により被覆されているか否かを判断した。判断の基準は該部位における金属元素濃度または窒素元素濃度が1,000ppm以上である場合に、カルボン酸塩の金属塩および/またはアンモニウム塩を含むポリプロピレン系樹脂であると判断した。
手順としては、まず、繊維強化成形品断面のSEM観察において、任意に5つの強化繊維断面を選び出した。それぞれの強化繊維断面について、SEM−EDXの面分析を行い、上記判断基準をもとにカルボン酸塩の金属塩あるいはアンモニウム塩を含むプロピレン系樹脂により強化繊維が被覆されている厚みを測定した。該厚みが0.01μm以上の領域を、カルボン酸塩の金属塩あるいはアンモニウム塩を含むプロピレン系樹脂により被覆された領域と判断した。観察される強化繊維の周長に対して、該被覆された領域と判断される強化繊維の周長とから下式にて被覆率を算出した。測定は5つの強化繊維断面における平均値をもって被覆率とした。
被覆率(%)=カルボン酸塩の金属塩あるいはアンモニウム塩を含むプロピレン系樹脂により被覆された強化繊維円周/強化繊維円周×100
(2)被覆厚みの測定
上記(1)のSEM−EDXの面分析による被覆率の測定時において、カルボン酸の金属塩あるいはアンモニウム塩を含むプロピレン系樹脂によって強化繊維が被覆されている厚み(つまり被膜厚み)を、1つの強化繊維断面につき任意の1ヶ所から放射線状に等間隔(つまり72°間隔)で5ヶ所の被膜厚みを測定した。測定は5つの強化繊維断面における、合計25ヶ所の平均をもって被覆厚みとした。
(3)重量平均繊維長の測定
成形品の一部を切り出し、電気炉にて空気中500℃で30分間加熱して熱可塑性樹脂を十分に焼却除去して強化繊維を分離した。分離した強化繊維を、無作為に少なくとも400本以上抽出し、光学顕微鏡にてその長さを1μm単位まで測定して、次式により重量平均繊維長(Lw)を求めた。
重量平均繊維長(Lw)=Σ(Li×Wi/100)
Li:測定した繊維長さ(i=1、2、3、・・・、n)
Wi:繊維長さLiの繊維の重量分率(i=1、2、3、・・・、n)。
なお、無作為に抽出する測定炭素繊維数を400本以上とすれば、算出される炭素繊維の重量平均繊維長の値にはほぼ変化はなくなる。
(4)繊維強化成形品の曲げ試験
ASTM D790(1997)に準拠し、3点曲げ試験冶具(圧子10mm、支点10mm)を用いて支持スパンを100mmに設定し、クロスヘッド速度5.3mm/分の試験条件にて曲げ強度を測定した。試験機として、"インストロン"(登録商標)万能試験機4201型(インストロン社製)を用いた。
曲げ強度の判定は、以下の基準でおこない、A〜Cを合格とした。
A:150MPa以上
B:130MPa以上150MPa未満
C:100MPa以上130MPa未満
D:100MPa未満。
(5)成形材料を用いて得られた成形品のアイゾット衝撃試験
ASTM D256(1993)に準拠し、モールドノッチ付きアイゾット衝撃試験を行った。用いた試験片の厚みは3.2mm、試験片の水分率0.1重量%以下において、アイゾット衝撃強度(J/m)を測定した。
アイゾット衝撃強度の判定は、以下の基準でおこない、A〜Cを合格とした。
A:250J/m以上
B:200J/m以上250J/m未満
C:150J/m以上200J/m未満
D:150J/m未満。
以下、実施例にて使用した材料について参考例として示す。
参考例1.炭素繊維1
ポリアクリロニトリルを主成分とする共重合体から紡糸、焼成処理、表面酸化処理を行い、総単糸数24,000本の連続炭素繊維を得た。この連続炭素繊維の特性は次に示す通りであった。
単繊維径:7μm
単位長さ当たりの質量:1.6g/m
比重:1.8
表面酸素濃度比 [O/C]:0.06
引張強度:4600MPa
引張弾性率:220GPa。
ここで表面酸素濃度比は、表面酸化処理を行ったあとの炭素繊維を用いて、X線光電子分光法により、次の手順にしたがって求めた。まず、炭素繊維束を20mmにカットして、銅製の試料支持台に拡げて並べた後、X線源としてA1Kα1、2を用い、試料チャンバー中を1×108Torrに保った。測定時の帯電に伴うピークの補正値としてC1sの主ピークの運動エネルギー値(K.E.)を1202eVに合わせた。C1sピーク面積をK.E.として1191〜1205eVの範囲で直線のベースラインを引くことにより求めた。O1sピーク面積をK.E.として947〜959eVの範囲で直線のベースラインを引くことにより求めた。O1sピーク面積とC1sピーク面積の比から装置固有の感度補正値を用いて原子数比として算出した。X線光電子分光法装置として、国際電気社製モデルES−200を用い、感度補正値を1.74とした。
参考例2.炭素繊維2
ポリアクリロニトリルを主成分とする共重合体から紡糸、焼成処理、表面酸化処理を行い、総単糸数24,000本の連続炭素繊維を得た。この連続炭素繊維の特性は次に示す通りであった。
単繊維径:7μm
単位長さ当たりの質量:1.6g/m
比重:1.8
表面酸素濃度比 [O/C]:0.12
引張強度:4600MPa
引張弾性率:220GPa。
参考例3.プロピレン系樹脂の混合物PP(1)の調整
第2のプロピレン系樹脂である無水マレイン酸変性プロピレン・エチレン共重合体(プロピレンから導かれる構成単位(以下「C3」とも記載する)=98モル%、Mw=2.5万、酸含有量=0.81ミリモル当量)9重量部に対して、プロピレン・ブテン・エチレン共重合体(C3=66モル%、Mw=9万)91重量部、界面活性剤であるオレイン酸カリウム3重量部を混合した。この混合物を2軸スクリュー押出機(池貝鉄工株式会社製、PCM−30,L/D=40)のホッパーより3000g/時間の速度で供給し、同押出機のベント部に設けた供給口より、20%の水酸化カリウム水溶液を90g/時間の割合で連続的に供給し、加熱温度210℃で連続的に押出した。押出した樹脂混合物を、同押出機口に設置したジャケット付きスタティックミキサーで110℃まで冷却し、さらに80℃の温水中に投入してエマルジョンを得た。得られたエマルジョンは固形分濃度:45%であった。
尚、無水マレイン酸変性プロピレン・エチレン共重合体(C3=98モル%、Mw=2.5万、酸含有量=0.81ミリモル当量)は、プロピレン・エチレン共重合体 96重量部、無水マレイン酸 4重量部、および重合開始剤としてパーヘキシ25B(日本油脂(株)製)0.4重量部を混合し、加熱温度160℃、2時間で変性を行って得られた。
参考例4.プロピレン系樹脂の混合物PP(2)の調整
無水マレイン酸変性プロピレン・エチレン重合体(C3=98モル%、Mw=0.5万、酸含有量=0.81ミリモル当量)を用いた以外は、参考例3と同様にしてエマルジョンを作製した。該エマルジョンは固形分濃度45重量%であった。
参考例5.プロピレン系樹脂の混合物PP(3)の調整
無水マレイン酸変性プロピレン・エチレン重合体(C3=95モル%、Mw=4万、酸含有量=0.81ミリモル当量)を用いた以外は、参考例3と同様にしてエマルジョンを作製した。該エマルジョンは固形分濃度45重量%であった。
参考例6.プロピレン系樹脂の混合物PP(4)の調整
無水マレイン酸変性プロピレン・エチレン重合体(C3=95モル%、Mw=2.5万、酸含有量=0.1ミリモル)を用いた以外は、参考例3と同様にしてエマルジョンを作製した。該エマルジョンは固形分濃度45重量%であった。
参考例7.プロピレン系樹脂の混合物PP(5)の調整
20%水酸化カリウム水溶液の供給量を90g/時間から43g/時間に変更した以外は、参考例3と同様にしてエマルジョンを作製した。該エマルジョンは固形分濃度45重量%であった。
参考例8.プロピレン系樹脂の混合物PP(6)の調整
20%水酸化カリウム水溶液を20%アンモニア水に変更し、供給量を90g/時間から150g/時間に変更した以外は、参考例3と同様にしてエマルジョンを作製した。該エマルジョンは固形分濃度45重量%であった。
参考例9.プロピレン系樹脂の混合物PP(7)の調整
20%水酸化カリウム水溶液を20%水酸化亜鉛水溶液に変更し、供給量を90g/時間から160g/時間に変更した以外は、参考例3と同様にしてエマルジョンを作製した。該エマルジョンは固形分濃度45重量%であった。
参考例10.プロピレン系樹脂の調整
無変性のポリプロピレン樹脂(Mw=10万)を粉砕し、平均粒径10μmのポリプロピレン樹脂パウダーを得た。該パウダーをn−ヘキサン中に投入し、撹拌することで無変性ポリプロピレン樹脂の懸濁液を調整した。固形分濃度は45%であった。
参考例11.マトリックスに用いる酸変性プロピレン系樹脂(1)の調整
プロピレン重合体 99.6重量部、無水マレイン酸 0.4重量部、および重合開始剤としてパーヘキシ25B(日本油脂(株)製)0.4重量部を混合し、加熱温度160℃、2時間で変性を行って、酸変性ポリプロピレン樹脂(Mw=9万、酸含有量=0.08ミリモル当量)を得た。
参考例12.マトリックスに用いる酸変性プロピレン系樹脂(2)の調整
無水マレイン酸変性プロピレン・エチレン共重合体(C3=98モル%、Mw=2.5万、酸含有量=0.81ミリモル当量)100重量部に、界面活性剤であるオレイン酸カリウム3重量部を混合した。この混合物を210℃に設定した2軸スクリュー押出機(池貝鉄工株式会社製、PCM−30,L/D=40)のホッパーより3000g/時間の速度で供給し、同押出機のベント部に設けた供給口より、20%の水酸化カリウム水溶液を90g/時間の割合で連続的に供給し、プロピレン系樹脂混合物を得た。得られたプロピレン系樹脂混合物から水分を除去したのち、加熱温度210℃で再度軸スクリュー押出機にて連続的に押し出し、これを冷却後、カッターで3mm長に切断して、酸変性プロピレン系樹脂ペレットを得た。
参考例13.繊維強化成形品の製造方法1
ポリプロピレン系樹脂を単軸押出機にて、その先端に取り付けたクロスヘッドダイ中に十分混練された状態で押し出すと同時に、連続した炭素繊維束も上記クロスヘッドダイ中に連続的に供給することによって、溶融したポリプロピレン系樹脂を炭素繊維束表面に被覆した。上記記載の方法により得られたポリプロピレン系樹脂により被覆された炭素繊維束を、冷却後、カッターにて7mmの長さに切断して芯鞘構造の炭素長繊維成形材料(長繊維ペレット)を得た。このとき、強化繊維の含有率を20重量%とするようにポリプロピレン系樹脂の量を調整した。
得られた炭素長繊維成形材料を、日本製鋼所(株)製J150EII−P型射出成形機を用いて、各試験片用の金型を用いて成形を行った。条件はいずれもシリンダー温度:210℃、金型温度:60℃、冷却時間30秒とした。成形後、真空下で80℃、12時間の乾燥を行い、かつデシケーター中で室温、3時間保管した乾燥状態の繊維強化成形品を特性評価用試験片とした。
参考例14.繊維強化成形品の製造方法2
炭素繊維束を、カートリッジカッターを用いて6mm長にカットし、チョップド炭素繊維束を得た。続いて、日本製鋼所(株)製TEX・30α型ニ軸押し出し機(スクリュー直径30mm、ダイス直径5mm、バレル温度210℃、回転数150rpm)を用いて、得られたチョップド炭素繊維束をサイドホッパーから投入し、またポリプロピレン系樹脂をメインホッパーから投入し、これらを十分混練した状態で不連続の炭素繊維を含有するガットを連続的に押し出し、これを冷却後、カッターで5mm長に切断して、炭素短繊維成形材料(短繊維ペレット)を得た。このとき、強化繊維の含有率を20重量%とするようにポリプロピレン系樹脂の量を調整した。
得られた炭素短繊維成形材料を、参考例14と同条件にて特性評価用試験片を作製した。
実施例1.
参考例1で得られた連続炭素繊維束に、参考例3で調整したプロピレン系樹脂の混合物PP(1)のエマルジョンを固形分濃度27重量%に調整してローラー含浸法にて付着させた後、オンラインで210℃雰囲気下にて2分間乾燥し、水分を除去することにより、プロピレン系樹脂が表面に付着した炭素繊維束を得た。プロピレン系樹脂の混合物PP(1)の付着量は20重量%であった。
得られた炭素繊維束、およびプロピレン・ブテン・エチレン共重合体(C3=66モル%、Mw=9万)を用いて、参考例14に記載された製造方法により繊維強化成形品を作製した。特性評価結果はまとめて表1に記載した。
実施例2.
プロピレン系樹脂の混合物PP(1)のエマルジョンの固形分濃度を10重量%としたこと以外は、実施例1と同様にして繊維強化成形品を作製した。特性評価結果はまとめて表1に記載した。
実施例3.
参考例4で調整したプロピレン系樹脂の混合物PP(2)のエマルジョンを用いたこと以外は、実施例1と同様にして繊維強化成形品を作製した。特性評価結果はまとめて表1に記載した。
実施例4.
参考例5で調整したプロピレン系樹脂の混合物PP(3)のエマルジョンを用いたこと以外は、実施例1と同様にして繊維強化成形品を作製した。特性評価結果はまとめて表1に記載した。
実施例5.
プロピレン系樹脂の混合物PP(1)のエマルジョンの固形分濃度を30重量%としたこと以外は、実施例1と同様にして繊維強化成形品を作製した。特性評価結果はまとめて表1に記載した。
実施例6.
参考例6で調整したプロピレン系樹脂の混合物PP(4)のエマルジョンを用いたこと以外は、実施例1と同様にして繊維強化成形品を作製した。特性評価結果はまとめて表1に記載した。
実施例7.
参考例7で調整したプロピレン系樹脂の混合物PP(5)のエマルジョンを用いたこと以外は、実施例1と同様にして繊維強化成形品を作製した。特性評価結果はまとめて表1に記載した。
実施例8.
参考例8で調整したプロピレン系樹脂の混合物PP(6)のエマルジョンを用いたこと以外は、実施例1と同様にして繊維強化成形品を作製した。特性評価結果はまとめて表1に記載した。
実施例9.
参考例9で調整したプロピレン系樹脂の混合物PP(7)のエマルジョンを用いたこと以外は、実施例1と同様にして繊維強化成形品を作製した。特性評価結果はまとめて表1に記載した。
実施例10.
参考例13におけるプロピレン系樹脂として、プロピレン・ブテン・エチレン共重合体(C3=66モル%、Mw=9万)50重量%と、参考例11で作製した酸変性プロピレン系樹脂50重量%とからなる樹脂を用いて長繊維ペレットを作製したこと以外は、実施例1と同様にして繊維強化成形品を作製した。特性評価結果はまとめて表1に記載した。
実施例11.
参考例2で得られた連続炭素繊維束を用いたこと以外は、実施例1と同様にして繊維強化成形品を作製した。特性評価結果はまとめて表1に記載した。
実施例12.
参考例14に記載された製造方法で繊維強化成形品を作製したこと以外は、実施例1と同様にして繊維強化成形品を作製した。特性評価結果はまとめて表1に記載した。
比較例1.
参考例10で調整したプロピレン系樹脂(8)のエマルジョンを用いたこと以外は、実施例1と同様にして繊維強化成形品を作製した。特性評価結果はまとめて表1に記載した。
比較例2.
プロピレン系樹脂の混合物PP(1)のエマルジョンの固形分濃度を1重量%としたこと以外は、実施例1と同様にして繊維強化成形品を作製した。特性評価結果はまとめて表1に記載した。
比較例3.
参考例13におけるプロピレン系樹脂として、参考例12で調整した酸変性プロピレン系樹脂(3)を用いて長繊維ペレットを作製したこと以外は、実施例1と同様にして繊維強化成形品を作製した。特性評価結果はまとめて表1に記載した。
Figure 2010150359
Figure 2010150359
以上のように、実施例1〜12においては、力学特性に優れた繊維強化成形品を得ることができた。
一方、比較例1および2においては、強化繊維とマトリックス樹脂との接着性が低く、繊維強化成形品の力学特性も低いものであった。また、比較例3においては、強化繊維とマトリックス樹脂との接着性は良好であると推定されるが、マトリックス樹脂自体の力学特性が低く、実施例よりも劣る結果となった。
本発明の繊維強化成形品は、強化繊維とマトリックス樹脂との優れた接着性を発揮し、高い力学特性を有するため、種々の用途に展開できる。特に自動車部品、電気・電子部品、家庭・事務電気製品部品に好適である。

Claims (13)

  1. 下記成分(A)〜(C)を有してなる繊維強化成形品であって、該成分(A)が該成分(C)で被覆されてなり、被覆率が30〜100%である繊維強化成形品。
    (A)強化繊維 1〜50重量%
    (B)第1のプロピレン系樹脂 30〜98.99重量%
    (C)重合体鎖に結合したカルボン酸塩を少なくとも含む第2のプロピレン系樹脂であり、樹脂1グラム当たり、式(I)で表される基換算で総量0.05〜5ミリモル当量の濃度でカルボン酸塩を少なくとも有してなるプロピレン系樹脂 0.01〜20重量%
    −C(=O)−O−・・・式(I)
  2. 前記成分(C)の重量平均分子量が1,000〜50,000の範囲である、請求項1に記載の繊維強化成形品。
  3. 前記成分(C)の重合体鎖に結合したカルボン酸塩の50〜100%が、リチウム塩、カリウム塩、ナトリウム塩、カルシウム塩、マグネシウム塩、亜鉛塩より選択される、1種または2種以上の金属塩で転化されてなるものである、請求項1または2のいずれかに記載の繊維強化成形品。
  4. 前記成分(C)の重合体鎖に結合したカルボン酸塩の50〜100%が、アンモニウム塩で転化されてなるものである、請求項1または2に記載の強化繊維束。
  5. 前記成分(C)の被覆の平均厚みが0.01〜5μmである、請求項1〜4のいずれかに記載の繊維強化成形品。
  6. 前記成分(C)において、金属元素および/または窒素元素が1,000ppm以上である、請求項3または4に記載の繊維強化成形品。
  7. 前記成分(B)の重量平均分子量が30,000〜500,000の範囲である、請求項1〜6のいずれかに記載の繊維強化成形品。
  8. 前記成分(B)が、重合体鎖に結合したカルボン酸塩を少なくとも有してなり、重量平均分子量が50,000を越えて500,000以下である、請求項1〜6のいずれかに記載の繊維強化成形品。
  9. カルボン酸および/またはその塩の基の、樹脂1グラム当たり、式(I)で表される基換算でのミリモル当量の序列が、成分(C)≧成分(B)である、請求項8に記載の繊維強化成形品。
  10. 前記成分(B)において、金属元素および/または窒素元素が1,000ppm未満である、請求項1〜9のいずれかに記載の繊維強化成形品。
  11. 射出成形により得られた成形品であって、前記成分(A)の重量平均繊維長が1〜6mmである、請求項1〜10のいずれかに記載の繊維強化成形品。
  12. 前記成分(A)の強化繊維が炭素繊維である、請求項1〜11のいずれかに記載の繊維強化成形品。
  13. 前記炭素繊維のX線光電子分光法(ESCA)で測定される表面酸素指数(O/C)が0.05〜0.5である、請求項12に記載の繊維強化成形品。
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