JP5584531B2 - エンジン制御プログラム及び装置 - Google Patents

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Description

本技術は、エンジンの制御技術に関する。
近年のエンジン(例えばディーゼルエンジン)においては、エミッションの低減及び燃費の向上を目的として、吸気制御系により新気流量(MAF:Mass Air Flow)及び吸気圧(MAP:Manifold Air Pressure)が最適にコントロールされている。
一般的に、図1に示すように、ディーゼルエンジンの吸気制御系は、吸気圧制御系と新気量制御系を含み、吸気圧と新気量は、互いに独立に制御されている。吸気圧制御系は、排気中のスス(PM:Particulate Matter)を低減するために、可変ノズルターボVNT(Variable Nozzle Turbo)のノズル径を制御して吸気圧をコントロールしている。一方、新気量制御系は、排気中の窒素酸化物(NOx)を低減するために、排気をシリンダ内に再循環させる排気循環器EGR(Exhaust Gas Recirculation)のバルブ開度を制御して新気量をコントロールしている。
このような吸気圧制御系と新気量制御系とが独立に制御される場合における制御系のブロック線図を図2に示す。図2に示すように、吸気制御系は、上段の新気量制御系と下段の吸気圧制御系の2つを含む。新気量制御系は、EGRのバルブ開度を調節して新気量をコントロールしている。一方、吸気圧制御系は、VNTのノズル開度を調節して吸気圧をコントロールしている。具体的には、運転条件(燃料噴射量及びエンジン回転数の設定)が入力された計画器は、対応する新気量目標値及び吸気圧目標値とEGR目標値及びVNT目標値とを出力する。そして、新気量制御器は、新気量目標値と新気量測定値との差に応じて制御値を出力する。そうすると、当該制御値とEGR目標値との和がEGRのバルブ開度としてエンジンに入力される。一方、吸気圧制御器は、吸気圧目標値と吸気圧測定値との差に応じて制御値を出力する。そうすると、当該制御値とVNT目標値との和がVNTのノズル開度としてエンジンに入力される。
このような吸気制御系では、新気量制御系と吸気圧制御系のそれぞれが、目標値からの偏差を無くすようにEGRのバルブ開度とVNTのノズル開度とを独立に計算して、エンジンを操作している。しかし、エンジンの特性として直達要素Gp11及びGp22に加えて、干渉要素Gp12及びGp21があり、一方の制御量の変化が両方の測定値、そしてその後の制御量に影響を与える。そのため、2つの独立した制御系では、新気量と吸気圧を同時に目標に追従させることが難しい。
そこで、図3に示すような非干渉化フィルタ5001及び5003を有する協調制御系が提案されている。非干渉化フィルタ5001は干渉要素Gp12を、非干渉化フィルタ5003は干渉要素Gp21をそれぞれ打ち消す効果を有し、新気量と吸気圧を同時に目標値に追従させるものである。
例えば、エンジンの特性Gpを以下のように表すものとする。
Figure 0005584531
そして、ゲインK及び時定数Tpを図4に示すような値に設定してシミュレーションを行うものとする。このとき、図2のような吸気圧制御系の場合における新気量(MAF)及び吸気圧(MAP)の変化を図5A及び図5Bに示す。図5A及び5Bにおいては、ステップ型の目標値に対して直達項及び干渉項との和である応答値は、アンダーシュートやオーバーシュートを含み、追従性が良くないことが分かる。一方、図3のような吸気制御系の場合における新気量(MAF)及び吸気圧(MAP)の変化を図6A及び6Bに示す。図6A及び6Bにおいては、同様のステップ型の目標値に対して直達項及び干渉項との和である応答値は、図5A及び5Bに比して追従性が良くなっていることが分かる。
しかしながら、一般的には、吸気制御系の制御量であるEGRのバルブ開度及びVNTノズル開度の変更可能範囲は、その構造上全閉と全開の範囲に限られる。このような特性は「飽和特性」と呼ばれる。図3の吸気圧制御系に飽和特性が存在する制御系を図7に示す。飽和特性5011及び5013は、エンジンに入力される指令値が制限されることになるので、エンジンの直前に存在する。例えば、図7で太線で示すようにVNTのノズル開度が飽和した場合、Gp21及びGp22を通過する部分が固定値となり、結果的に新気量及び吸気圧ともに目標値に追従できなくなってしまうという問題点がある。なお、この問題点は図7のような協調制御系に限定されることは無く、最適制御などの他の協調制御系でも同様の問題がある。
図7に示すような吸気制御系においてVNTのノズル開度が飽和した場合、応答特性等は図8A乃至8Dに示すようになる。図8Aは、新気量制御器からの制御量から非干渉化フィルタ5003からの出力値を差し引いた後の、EGRバルブに対する制御量の時間変化を表している。ここではVNTのノズル開度が飽和する場合であるから、飽和要素を通過してもEGRバルブに対する制御量は同じ値となる。図8Bは、吸気圧制御器からの制御量から非干渉化フィルタ5001からの出力値を差し引いた後の、VNTノズルに対する制御値の時間変化を表している。但し、点線がこの制御量そのものを表しており、大きく下方向に変化している。しかしながら、計画器からのVNT目標値が「5」となっているので、このVNT目標値と加算するとVNTノズルに対する制御量が「−5」以下になると飽和特性により「0」で飽和してしまう。図8Bでは、VNT目標値「5」との関係で有効となる制御量を実線で表している。
このようにVNTのノズル開度が飽和すると、図8Cに示すように、新気量については、一点鎖線で示す干渉項の値が飽和の影響で固定化されて、新気量の応答値に急激なオーバーシュートが生じてしまっている。一方、図8Dに示すように、吸気圧についても直達項の値があまり減少しなくなってオーバーシュートが小さくなっている。
一方、図7に示すような吸気圧制御系においてEGRのバルブ開度が飽和した場合、応答特性等は図9A乃至9Dに示すようになる。図9Aは、新気量制御器からの制御量から非干渉化フィルタ5003からの出力値を差し引いた後の、EGRバルブに対する制御量の時間変化を表している。但し、点線がこの制御量そのものを表しており、大きく下方向に変化している。しかしながら、計画器からのEGR目標値が「2」となっているので、このEGR目標値と加算するとEGRバルブに対する制御量が「−2」以下になると飽和特性により「0」で飽和してしまう。図9Aでは、EGR目標値「2」との関係で有効となる制御量を実線で表している。一方、図9Bは、吸気圧制御器からの制御値から非干渉化フィルタ5001からの出力値を差し引いた後の、VNTノズルに対する制御量の時間変化を表している。ここではEGRのバルブ開度が飽和する場合であるから、飽和特性を通過しても、VNTノズルに対する制御量は同じ値となる。
このように、EGRのバルブ開度が飽和すると、図9Cに示すように、新気量については一点鎖線で表す干渉項の値にアンダーシュートが発生して、全体としての応答値にもアンダーシュートが発生すると共に、目標値に達することができない状態になる。また、図9Dに示すように、吸気圧については、一点鎖線で表す干渉項が上昇しないために、応答値も目標値に達することができない状態となる。
従来このような飽和特性に対しては「アンチワインドアップ」という手法が一般的に用いられている。図10にアンチワインドアップを導入した制御系の一例を示す。図10に示すように、飽和要素の前後の値の差分をエンジンモデル(すなわちアンチワインドアップ補償器5101)に入力し、その出力をセンサ値に加える構成が採用されている。これによって、本来飽和が無い場合に予想される吸気圧及び新気量の出力を予想することが出来る。
図11A乃至11Dに、アンチワインドアップ補償器5101を導入した構成を採用し、VNTのノズル開度が飽和する際の応答特性等を示す。図11Aは、新気量制御器からの制御量から非干渉化フィルタ5003からの出力値を差し引いた後の、EGRバルブに対する制御量の時間変化を表している。ここではVNTのノズル開度が飽和する場合であるから、飽和要素を通過してもEGRバルブに対する制御量は同じ値となる。図11Bは、吸気圧制御器からの制御量から非干渉化フィルタ5001からの出力値を差し引いた後の、VNTノズルに対する制御量の時間変化を表している。但し、点線がこの制御量そのものを表しており、大きく下方向に変化している。しかしながら、計画器からのVNT目標値が「5」となっているので、このVNT目標値と加算するとVNTノズルに対する制御量が「−5」以下になると飽和特性により「0」で飽和してしまう。図11Bでは、VNT目標値「5」との関係で有効となる制御値を実線で表している。
図11Cは新気量の時間変化を表している。新気量については一点鎖線で示される干渉項の値に飽和要素の影響にて下限が設定されてしまい、結果として実線で表される新気量の応答値にオーバーシュートが生じてしまっている。図11Dは吸気圧の時間変化を表している。ここでは、細点線で表される直達項のゲインが落ちている部分があるので、実線で表される吸気圧の応答値は比較的良好な結果が得られている。
図12A乃至12Dに、アンチワインドアップ補償器5101を導入した構成を採用し、EGRのバルブ開度が飽和する際の応答特性等を示す。図12Aは、新気量制御器からの制御量から非干渉化フィルタ5003からの出力値を差し引いた後の、EGRバルブに対する制御量の時間変化を表している。但し、点線がこの制御量そのものを表しており、大きく下方向に変化している部分がある。しかしながら、計画器からのEGR目標値が「2」となっているので、このEGR目標値と加算するとEGRバルブに対する制御量が「−2」以下になると飽和特性により「0」で飽和してしまう。図12Aでは、EGR目標値「2」との関係で有効となる制御量を実線で表している。一方、図12Bは、吸気圧制御器からの制御量から非干渉化フィルタ5001からの出力値を差し引いた後の、VNTノズルに対する制御量の時間変化を表している。ここではEGRのバルブ開度が飽和する場合であるから、飽和特性を通過しても、VNTノズルに対する制御量は同じ値となる。
図12Cは新気量の時間変化を表している。ここでは、一点鎖線で示されている干渉項の値に大きなアンダーシュートが発生してしまっているため、実線で示されている新気量の応答値にもアンダーシュートが発生し、目標値にも到達しない状態となっている。図12Dは吸気圧の時間変化を表している。ここでは、点線で表される直達項が上昇していないので、結果として実線で表される吸気圧の応答値も目標値に達していない。
アンチワインドアップ補償器5101の本来の目的は、制御量の飽和により目標値追従が遅れて偏差の積分値が過剰に増大することに起因するワインドアップ現象を低減すること(すなわち飽和によるワインドアップの防止)であるため、図12Dに示すように、飽和したVNTのノズル開度に対応する吸気圧についてのワインドアップ現象は抑制されるが、非飽和のEGRのバルブ開度に対応する新気量については改善効果はなく、2入力2出力の系では期待した効果が無いことがわかる。
また、飽和現象そのものを起こらないようにする方式も提案されている。この方式は、飽和要素の前後の差分に対し積分器の後段に設置したフィルタ特性の逆特性を掛けて飽和の原因となる入力を推定、フィルタの入り口に負帰還することで、飽和現象そのものを起きないようにしている。この方式では、確かに飽和現象自体はなくなるが、結果的に目標値追従が遅れて偏差の積分値が過剰に増大する状況に変化は無く、また非飽和側の改善効果も無い。
以上述べた従来手法はいずれの場合も飽和要素の前後の差分を負帰還する(図10はセンサ値に正帰還しているが、センサ値が目標値に負帰還されるため実際は負帰還である)ことで、飽和による制御入力の増大を防止しようとしている。しかしながら、2入力2出力の協調制御系では、必ずしも効果的ではないことが分かってきた。
特開2009−24550号公報 特開2008−248863号公報
従って、本技術の目的は、排気循環器及び可変ノズルターボを有するエンジンに対する飽和要素を含む吸気制御において、適切な態様で目標値追従性を向上させる新規な技術を提供することである。
本技術の一側面に係るエンジン制御方法は、(A)排気循環器及び可変ノズルターボを有するエンジンに対する燃料噴射量の設定値と、エンジン回転数の設定値と、エンジンの吸気圧の測定値及び新気量の測定値とを取得するステップと、(B)燃料噴射量の設定値及びエンジン回転数の設定値に対応する吸気圧の目標値及び新気量の目標値と、燃料噴射量の設定値及びエンジン回転数の設定値に対応する可変ノズルターボのノズル開度の目標値及び排気循環器のバルブ開度の目標値とを取得するステップと、(C)吸気圧の目標値及び新気量の目標値と吸気圧の測定値及び新気量の測定値とから、可変ノズルターボのノズル開度の制御量及び排気循環器のバルブ開度の制御量を算出する制御量算出ステップと、(D)可変ノズルターボのノズル開度の制御量及び排気循環器のバルブ開度の制御量と、可変ノズルターボのノズル開度の目標値及び排気循環器のバルブ開度の目標値と、排気循環器のバルブ開度の飽和に対して可変ノズルターボのノズル開度を補償するための第1の飽和補償量、及び可変ノズルターボのノズル開度の飽和に対して排気循環器のバルブ開度を補償するための第2の飽和補償量とから、可変ノズルターボのノズル開度の指令値及び排気循環器のバルブ開度の指令値を算出する指令値算出ステップとを含む。
排気循環器及び可変ノズルターボを有するエンジンに対する飽和要素を含む吸気制御において、適切な態様で目標値追従性を向上させることができるようになる。
図1は、エンジンの模式図である。 図2は、エンジンの従来の制御系を説明するためのブロック線図である。 図3は、他の従来の制御系を説明するためのブロック線図である。 図4は、パラメータの設定例を示す図である。 図5Aは、従来の制御系による新気量の応答特性を示す図である。 図5Bは、従来の制御系による吸気圧の応答特性を示す図である。 図6Aは、他の従来の制御系による新気量の応答特性を示す図である。 図6Bは、他の従来の制御系による吸気圧の応答特性を示す図である。 図7は、飽和特性を有するエンジンの制御系を示すブロック線図である。 図8Aは、図7の制御系においてVNTノズル開度が飽和した場合におけるEGR制御量の時間変化を示す図である。 図8Bは、図7の制御系においてVNTノズル開度が飽和した場合におけるVNT制御量の時間変化を示す図である。 図8Cは、図7の制御系においてVNTノズル開度が飽和した場合における新気量の応答特性を示す図である。 図8Dは、図7の制御系においてVNTノズル開度が飽和した場合における吸気圧の応答特性を示す図である。 図9Aは、図7の制御系においてEGRバルブ開度が飽和した場合におけるEGR制御量の時間変化を示す図である。 図9Bは、図7の制御系においてEGRバルブ開度が飽和した場合におけるVNT制御量の時間変化を示す図である。 図9Cは、図7の制御系においてEGRバルブ開度が飽和した場合における新気量の応答特性を示す図である。 図9Dは、図7の制御系においてEGRバルブ開度が飽和した場合における吸気圧の応答特性を示す図である。 図10は、アンチワインドアップを導入した場合のエンジン制御系のブロック線図である。 図11Aは、図10の制御系においてVNTノズル開度が飽和した場合におけるEGR制御量の時間変化を示す図である。 図11Bは、図10の制御系においてVNTノズル開度が飽和した場合におけるVNT制御量の時間変化を示す図である。 図11Cは、図10の制御系においてVNTノズル開度が飽和した場合における新気量の応答特性を示す図である。 図11Dは、図10の制御系においてVNTノズル開度が飽和した場合における吸気圧の応答特性を示す図である。 図12Aは、図10の制御系においてEGRバルブ開度が飽和した場合におけるEGR制御量の時間変化を示す図である。 図12Bは、図10の制御系においてEGRバルブ開度が飽和した場合におけるVNT制御量の時間変化を示す図である。 図12Cは、図10の制御系においてEGRバルブ開度が飽和した場合における新気量の応答特性を示す図である。 図12Dは、図10の制御系においてEGRバルブ開度が飽和した場合における吸気圧の応答特性を示す図である。 図13は、本技術の実施の形態に係るエンジン及びエンジン制御装置を示す図である。 図14は、第1の実施の形態に係るエンジン制御装置のブロック線図である。 図15Aは、図14の制御系においてVNTノズル開度が飽和した場合におけるEGR制御量の時間変化を示す図である。 図15Bは、図14の制御系においてVNTノズル開度が飽和した場合におけるVNT制御量の時間変化を示す図である。 図15Cは、図14の制御系においてVNTノズル開度が飽和した場合における新気量の応答特性を示す図である。 図15Dは、図14の制御系においてVNTノズル開度が飽和した場合における吸気圧の応答特性を示す図である。 図16Aは、図14の制御系においてEGRバルブ開度が飽和した場合におけるEGR制御量の時間変化を示す図である。 図16Bは、図14の制御系においてEGRバルブ開度が飽和した場合におけるVNT制御量の時間変化を示す図である。 図16Cは、図14の制御系においてEGRバルブ開度が飽和した場合における新気量の応答特性を示す図である。 図16Dは、図14の制御系においてEGRバルブ開度が飽和した場合における吸気圧の応答特性を示す図である。 図17は、第1の実施の形態に係るエンジン制御装置の機能ブロック図である。 図18は、第1の実施の形態に係るエンジン制御装置の処理フローを示す図である。 図19は、第2の実施の形態に係るエンジン制御装置のブロック線図である。 図20Aは、図19の制御系においてVNTノズル開度が飽和した場合におけるEGR制御量の時間変化を示す図である。 図20Bは、図19の制御系においてVNTノズル開度が飽和した場合におけるVNT制御量の時間変化を示す図である。 図20Cは、図19の制御系においてVNTノズル開度が飽和した場合における新気量の応答特性を示す図である。 図20Dは、図19の制御系においてVNTノズル開度が飽和した場合における吸気圧の応答特性を示す図である。 図21Aは、図19の制御系においてEGRバルブ開度が飽和した場合におけるEGR制御量の時間変化を示す図である。 図21Bは、図19の制御系においてEGRバルブ開度が飽和した場合におけるVNT制御量の時間変化を示す図である。 図21Cは、図19の制御系においてEGRバルブ開度が飽和した場合における新気量の応答特性を示す図である。 図21Dは、図19の制御系においてEGRバルブ開度が飽和した場合における吸気圧の応答特性を示す図である。 図22は、第3の実施の形態に係るエンジン制御装置のブロック線図である。 図23Aは、図22の制御系においてVNTノズル開度が飽和した場合におけるEGR制御量の時間変化を示す図である。 図23Bは、図22の制御系においてVNTノズル開度が飽和した場合におけるVNT制御量の時間変化を示す図である。 図23Cは、図22の制御系においてVNTノズル開度が飽和した場合における新気量の応答特性を示す図である。 図23Dは、図22の制御系においてVNTノズル開度が飽和した場合における吸気圧の応答特性を示す図である。 図24Aは、図22の制御系においてEGRバルブ開度が飽和した場合におけるEGR制御量の時間変化を示す図である。 図24Bは、図22の制御系においてEGRバルブ開度が飽和した場合におけるVNT制御量の時間変化を示す図である。 図24Cは、図22の制御系においてEGRバルブ開度が飽和した場合における新気量の応答特性を示す図である。 図24Dは、図22の制御系においてEGRバルブ開度が飽和した場合における吸気圧の応答特性を示す図である。 図25は、第4の実施の形態に係るエンジン制御装置のブロック線図である。 図26Aは、図25の制御系においてVNTノズル開度が飽和した場合におけるEGR制御量の時間変化を示す図である。 図26Bは、図25の制御系においてVNTノズル開度が飽和した場合におけるVNT制御量の時間変化を示す図である。 図26Cは、図25の制御系においてVNTノズル開度が飽和した場合における新気量の応答特性を示す図である。 図26Dは、図25の制御系においてVNTノズル開度が飽和した場合における吸気圧の応答特性を示す図である。 図27は、第4の実施の形態に係るエンジン制御装置の機能ブロック図である。 図28は、第4の実施の形態に係るエンジン制御装置の処理フローを示す図である。 図29は、第5の実施の形態に係るエンジン制御装置のブロック線図である。 図30は、第6の実施の形態に係るエンジン制御装置のブロック線図である。 図31は、エンジン制御装置をコンピュータで実装する場合のブロック図である。 図32は、エンジン制御装置の機能ブロック図である。
[実施の形態1]
図13に、本技術の実施の形態に係るエンジンの一例としてディーゼルエンジンを示す。エンジン本体1には、エンジン本体1からの排ガスを供給する排気循環器EGRと、排ガスの圧力にてタービンを回して新気(Fresh Air)を圧縮してエンジン本体1に供給する可変ノズルターボVNTとが接続されている。可変ノズルターボVNTのノズル開度を調整することによって、可変ノズルターボVNTのタービンの回転が調整され、吸気圧(MAP)センサで測定される吸気圧(MAP)が調整される。一方、排気循環器EGRに設けられているEGRバルブのバルブ開度を調整することによって、新気量(MAF)センサで測定される新気量(MAF)が調整される。
本実施の形態に係るエンジン制御装置1000には、MAPセンサからの吸気圧測定値と、MAFセンサからの新気量測定値と、外部から与えられる燃料噴射量の設定値と、同じく外部から与えられるエンジン回転数の設定値とが入力されるようになっている。また、エンジン制御装置1000からは、EGRバルブのバルブ開度がEGRバルブに出力され、VNTノズルのノズル開度がVNTノズルに出力されるようになっている。
本実施の形態に係るエンジン制御装置1000のブロック線図を図14に示す。すなわち、燃料噴射量の設定値とエンジン回転数の設定値とが入力されて、燃料噴射量の値及びエンジン回転数の値に対応付けてEGRバルブ開度の目標値及びVNTノズル開度の目標値の組み合わせと新気量MAFの目標値及び吸気圧MAPの目標値の組み合わせが登録されている計画器11から、燃料噴射量の設定値及びエンジン回転数の設定値に対応するEGRバルブ開度の目標値及びVNTノズル開度の目標値と、新気量MAFの目標値及び吸気圧MAPの目標値とを読み出す。そして、新気量MAFの目標値と新気量MAFの測定値との差が新気量制御器12に入力され、この入力に応じて新気量制御器12は、よく知られた方法でEGRバルブ開度の制御量を生成して出力する。また、吸気圧MAPの目標値と吸気圧MAPの測定値との差が吸気圧制御器16に入力され、この入力に応じて吸気圧制御器16は、よく知られた方法でVNTノズル開度の制御量を生成して出力する。
EGRバルブ開度の制御量は、VNTノズル開度の制御量に対する非干渉化フィルタ15(伝達関数Gp21/Gp11)の出力分だけ減じられて、EGRバルブ開度のフィードバック制御量が生成される。また、VNTノズル開度の制御量は、EGRバルブ開度の制御量に対する非干渉化フィルタ14(伝達関数Gp12/Gp22)の出力分だけ減じられて、VNTノズル開度のフィードバック制御量が生成される。
さらに、EGRバルブ開度のフィードバック制御量は、EGRバルブ開度の目標値と、VNTノズル開度の飽和に対してEGRバルブ開度を補償するための第1飽和補償量を生成する第1飽和補償器19(Gp21/Gp11)の出力である第1飽和補償量と加算され、EGRバルブ開度の指令値が生成される。また、VNTノズル開度のフィードバック制御量は、VNTノズル開度の目標値と、EGRバルブ開度の飽和に対してVNTノズル開度を補償するための第2飽和補償器18(伝達関数Gp12/Gp22)の出力である第2飽和補償量と加算され、VNTノズル開度の指令値が生成される。
EGRバルブ開度の指令値は、飽和要素13に入力され、予め設定されている上限値と下限値の間に制限されて、EGRバルブ開度の最終指令値が生成され、この最終指令値でエンジン1のEGRバルブが制御される。同様に、VNTノズル開度の指令値は、飽和要素17に入力され、予め設定されている上限値と下限値の間に制限されて、VNTノズル開度の最終指令値が生成され、この最終指令値でエンジン1のVNTノズルが制御される。
エンジン1のエンジン特性は、EGRバルブ開度の最終指令値に応じた新気量MAFを出力するための直達要素Gp11と、EGRバルブ開度の最終指令値に応じた吸気圧MAPを出力するための干渉要素Gp12と、VNTノズル開度の最終指令値に応じた吸気圧MAPを出力するための直達要素Gp22と、VNTノズル開度の最終指令値に応じた新気量MAFを出力するための干渉要素Gp21とを有するものとする。従って、直達要素Gp11の出力と干渉要素Gp21の出力との和が新気量センサで測定されると、新気量MAFの測定値が得られる。また、直達要素Gp22の出力と干渉要素Gp12の出力との和が吸気圧センサで測定されると、吸気圧MAPの測定値が得られる。
第1飽和補償器19は、VNTノズル開度が飽和した際に干渉要素Gp21を介して新気量側に供給される成分が不足するため、その分を補償するために設けられている。VNTノズル開度が飽和した際に不足する分を補償するため、飽和要素17の入出力の差が用いられる。なお、第1飽和補償量は飽和要素13の前で加算されるために、そのままでは直達要素Gp11が余分に作用することになる。そこで、その作用を除去するためにGp21/Gp11という形の伝達関数となる。
また、第2飽和補償器18は、EGRバルブ開度が飽和した際に干渉要素Gp12を介して吸気圧側に供給される成分が不足するため、その分を補償するために設けられている。EGRノズル開度が飽和した際に不足する分を補償するため、飽和要素13の入出力の差が用いられる。なお、第2飽和補償量は飽和要素17の前で加算されるために、そのままでは直達要素Gp22が余分に作用することになる。そこで、その作用を除去するためにGp12/Gp22という形の伝達関数となる。
このように飽和要素がある場合、飽和要素の前後の差分に対し、飽和側から非飽和側への干渉要素を非飽和側の直達要素で除した伝達関数を掛けて、非飽和側のフィードバック制御量に加えることにより、飽和側から非飽和側への作用の減少を補い、非飽和側の応答値の目標値追従性を改善するものである。
図15A乃至15Dに、VNTノズル開度が飽和する際のシミュレーション結果等を示す。図15Aは、EGRバルブ開度のフィードバック制御量の時間変化を表す。EGRバルブ開度については飽和していないので、EGRバルブ開度のフィードバック制御量は、飽和要素13の後でもそのまま有効である。図15Bは、VNTノズル開度のフィードバック制御量の時間変化を表す。但し、点線は、VNTノズル開度のフィードバック制御量そのものを表しており、大きく下方向に変化している。しかしながら、計画器11からのVNT目標値が「5」となっているので、このVNT目標値と加算するとVNTノズル開度のフィードバック制御量が「−5」以下になると飽和特性により「0」で飽和してしまう。図15Bでは、VNT目標値「5」との関係で有効となるフィードバック制御量を実線で表している。
このようにVNTのノズル開度が飽和すると、図15Cに示すように、新気量MAFについては、細点線で表す直達要素Gp11からの出力(直達項として表す)においてオーバーシュートが無くなっている。このため、実線で表す応答値は、長点線で表す目標値に対する追従性が向上している。一方、吸気圧MAPの時間変化を表す図15Dに示すように、実線で表す、吸気圧MAPの応答値には小さなオーバーシュートが発生してしまっている。
また、図16A乃至16Dに、EGRバルブ開度が飽和する際のシミュレーション結果等を示す。図16Aは、EGRバルブ開度のフィードバック制御量の時間変化を表す。但し、点線は、EGRバルブ開度のフィードバック制御量そのものを表しており、大きく下方向に変化している。しかしながら、計画器11からのEGR目標値が「2」となっているので、このEGR目標値と加算するとEGRバルブ開度のフィードバック制御量が「−2」以下になると飽和特性により「0」で飽和してしまう。図16Aでは、EGR目標値「2」との関係で有効となるフィードバック制御量を実線で表している。一方、図16Bは、VNTノズル開度のフィードバック制御量の時間変化を表す。VNTノズル開度については飽和していないので、VNTノズル開度のフィードバック制御量は、飽和要素1の後でもそのまま有効である。
このように、EGRのバルブ開度が飽和すると、図16Cに示すように、新気量MAFについては、一点鎖線で表す干渉要素Gp12からの出力にアンダーシュートが発生して、実線で表す新気量MAFの応答値にもアンダーシュートが発生してしまう。一方、図16Dに示すように、吸気圧MAPについては、細点線で表す直達要素Gp22からの出力が適切に増加しており、実線で表す応答値は、長点線で表す目標値に適切に追従している。
このように、非飽和側の目標値追従性が向上していることが分かる。
このようなブロック線図の機能を実現するためのエンジン制御装置1000の機能ブロック図を図17に示す。
エンジン制御装置1000は、(A)燃料噴射量Qの設定値を取得する燃料噴射量検出部101と、(B)エンジン回転数RPMの設定値を取得するエンジン回転数検出部102と、(C)吸気圧センサ2及び新気量センサ3から吸気圧の測定値及び新気量の測定値の組み合わせX(=[MAF,MAP])を取得するセンサ値取得部103と、(D)燃料噴射量の値及びエンジン回転数の値の組み合わせに対応付けてUref=[EGRバルブ開度の目標値,VNTノズル開度の目標値])及びXref(=[MAFの目標値,MAPの目標値])が登録されている目標値テーブル104と、(E)燃料噴射量検出部101から出力される燃料噴射量Qの設定値とエンジン回転数検出部102から出力されるエンジン回転数RPMの設定値とを受け取り、目標値テーブル104から対応するUref及びXrefを読み出す目標値生成部105と、(F)センサ値取得部103からの新気量及び吸気圧の測定値Xと目標値生成部105からの新気量及び吸気圧の目標値XrefとからEGRバルブ開度及びVNTノズル開度のフィードバック制御量Ufb(=[EGRバルブ開度のフィードバック制御量,VNTノズル開度のフィードバック制御量])を生成するフィードバック制御量生成部107と、(G)フィードバック制御量Ufbと目標値Urefと以下で説明する飽和補償量Ucomp(=[EGRバルブ開度の飽和補償量,VNTバルブ開度の飽和補償量])とから指令値U=([EGRバルブ開度の指令値,VNTノズル開度の指令値])を生成する指令値生成部108と、(H)所定の上限値以上の指令値を上限値に設定し、所定の下限値以下の指令値を下限値に設定する処理を実施して最終指令値Usat(=[EGRバルブ開度の最終指令値,VNTノズル開度の最終指令値])を生成する飽和処理部109と、(I)指令値Uと最終指令値Usatから飽和補償量Ucompを生成する飽和補償量計算部110とを有する。
なお、飽和処理部109の出力に応じて、エンジン1のEGRバルブ開度及びVNTノズル開度が制御される。
図18を用いて、図17に示すエンジン制御装置1000の動作を説明する。。まず、動作開始時には、時刻はt=1に設定される(図18:ステップS1)。そして、燃料噴射量検出部101、エンジン回転数検出部102及びセンサ値取得部103は、燃料噴射量の設定値Q[t]、エンジン回転数の設定値RPM[t]及びセンサ値X[t]を取得する(ステップS3)。
そして、目標値生成部105は、燃料噴射量の設定値Q[t]及びエンジン回転数の設定値RPM[t]に対応する目標値Xref[t]及びUref[t]を、目標値テーブル104から読み出すことによって生成する(ステップS5)。また、フィードバック制御量生成部107は、目標値生成部105が生成した目標値Xref[t]と、センサ値取得部103が取得したセンサ値X[t]とから、フィードバック制御量Ufb[t](=f(X[t],Xref[t]))を生成する(ステップS7)。なお、フィードバック量Ufb[t]は、基本的には従来と同じように生成される。具体的には、新気量MAFの目標値と新気量MAFのセンサ値との差を新気量制御器12に入力して得られるEGRバルブ開度の制御量と、非干渉化フィルタ15の出力結果との差が、EGRバルブ開度のフィードバック制御量である。また、吸気圧MAPの目標値と吸気圧MAPのセンサ値との差を吸気圧制御器16に入力して得られるVNTノズル開度の制御量と、非干渉化フィルタ14の出力結果との差が、VNTノズル開度のフィードバック制御量である。
そうすると、指令値生成部108は、目標値生成部105の出力Uref[t]と、フィードバック制御量生成部107の出力Ufb[t]と、1単位時間前の飽和補償量Ucomp[t-1]とを加算して、指令値U[t]を算出する(ステップS9)。すなわち、U[t]=Ufb[t]+Uref[t]+Ucomp[t-1]が算出される。U[t]は、上でも述べたように、排気循環器EGRに設けられているEGRバルブのバルブ開度と、可変ノズルターボVNTのノズル開度との組み合わせ(=[EGRバルブ開度の指令値,VNTノズル開度の指令値])である。Ucomp[t-1]については、以下で述べる。
その後、飽和処理部109は、飽和処理(Usat[t]=saturation(U[t]))を実施する(ステップS11)。飽和処理は、上でも述べたように所定の上限値以上の指令値であれば上限値を最終指令値として出力し、所定の下限値以下の指令値であれば下限値を最終指令値として出力し、それ以外の値の指令値についてはそのまま出力する処理である。このような処理をEGRバルブ開度及びVNTノズル開度のいずれに対しても実施する。そして、飽和処理部109は、最終指令値をエンジン1に対して出力する(ステップS13)。
さらに、飽和補償量計算部110は、指令値生成部108からの指令値U[t]及び飽和処理部109からの最終指令値Usat[t]とを用いて飽和補償量Ucomp[t]を算出する(ステップS15)。この飽和補償量Ucomp[t](=[EGRcomp[t],VNTcomp[t])は、次の時刻t+1で用いられる。
図14で示した第1飽和補償器19は、Gp21/Gp11という伝達関数で表され、第2飽和補償器18は、Gp12/Gp22という伝達関数で表される。Gp21は、VNTノズル開度の最終指令値(すなわちエンジン1に対して有効な指令値)が新気量MAFに作用する度合いを表しているが、これには実際には遅延成分が含まれる。また、Gp12は、EGRバルブ開度の最終指令値(すなわちエンジン1に対して有効な指令値)が吸気圧MAPに作用する度合いを表しているが、これには実際には遅延成分が含まれる。さらに、Gp11は、EGRバルブ開度の最終指令値が新気量MAFに作用する度合いを表すが、これについても実際には遅延成分が含まれる。同様に、Gp22は、VNTノズル開度の最終指令値が吸気圧MAPに作用する度合いを表すが、これについても実際には遅延成分が含まれる。
従って、EGRcomp[t]及びVNTcomp[t]は、以下のように表される。
VNTcomp[t]=D12/C12×EGRcomp[t-1]
+A22/C12×(EGR[t]−EGRsat[t])
−B22/C12×(EGR[t-1]−EGRsat[t-1])
EGRcomp[t]=D21/C21×VNTcomp[t-1]
+A11/C21×(VNT[t]−VNTsat[t])
−B11/C21×(VNT[t-1]−VNTsat[t-1])
ここでC12及びD12は、干渉要素Gp12に関連する係数であり、A22及びB22は、直達要素Gp22に関連する係数である。これらの係数は実際のエンジン1の特性に合わせて設定する。同様に、C21及びD21は、干渉要素Gp21に関連する係数であり、A11及びB11は、直達要素Gp11に関連する係数である。これらの係数についても実際のエンジン1の特性に合わせて設定する。
上で示したように、第2飽和補償量VNTcomp[t]は、1単位時間前の影響を表す第1項と、現在の指令値EGR[t]と最終指令値EGR sat [t]との差の影響を表す第2項と、1単位時間前の指令値EGR[t-1]と最終指令値EGR sat [t-1]との差の影響を表す第3項との和となっている。また、第1飽和補償量EGRcomp[t]は、1単位時間前の影響を表す第1項と、現在の指令値VNT[t]と最終指令値VNT sat [t]との差の影響を表す第2項と、1単位時間前の指令値VNT[t-1]と最終指令値VNT sat [t-1]との差の影響を表す第3項との和となっている。1単位時間前のデータについては、メモリ等に格納しておき、それを読み出して用いる。さらに、現在の値については、メモリ等に格納しておき、1単位時間後に読み出して用いる。
そして、ステップS15の後にtを1インクリメントして(ステップS17)、ステップS3に戻る。なお、処理はエンジン停止などの状態になるまで繰り返される。
このようにすることによって、図14に示したブロック線図を実現し、非飽和側の目標値追従性を向上させることができる。
[実施の形態2]
第1の実施の形態では、非飽和側の目標値追従性を向上させていたが、実際のエンジン1の吸気制御系では、新気量MAFを優先させたい場合がある。このような場合には、図19に示すようなブロック線図で表されるエンジン制御装置1000を導入する。
図14に示した第1の実施の形態におけるブロック線図と異なる部分は、第2飽和補償器18の代わりに第3飽和補償器20(伝達関数Gp11/Gp21)を導入した点である。
本実施の形態でも、第1飽和補償器19は、VNTノズル開度が飽和した際に干渉要素Gp21を介して新気量側に供給される成分が不足するため、その分を補償するために設けられている。VNTノズル開度が飽和した際に不足する分を補償するため、飽和要素17の入出力の差が用いられる。なお、第1飽和補償量は飽和要素13の前で加算されるために、そのままでは直達要素Gp11が余分に作用することになるので、その作用を除去するためにGp21/Gp11という形の伝達関数となる。
また、本実施の形態では第1の実施の形態とは異なり、第3飽和補償器20は、EGRバルブ開度が飽和した際に直達要素Gp11を介して新気量側に供給される成分が不足するため、その分を補償するため設けられる。すなわち、EGRノズル開度が飽和した際に不足する分を補償するため、飽和要素13の入出力の差が用いられる。なお、第3飽和補償量は飽和要素17の前で加算されるために、そのままでは干渉要素Gp21が余分に作用することになるので、その作用を除去するためにGp11/Gp21という形の伝達関数となる。
このように、EGR側の飽和要素の前後の差分に対しては、飽和側の直達要素を非飽和側から飽和側への干渉要素で除した伝達関数を掛けて、非飽和側のフィードバック制御量に加えることにより、EGRの直達側の減少を補い、新気量の目標値追従性を改善するものである。
図20A乃至20Dに、VNTノズル開度が飽和する際のシミュレーション結果等を示す。図20Aは、EGRバルブ開度のフィードバック制御量の時間変化を表す。EGRバルブ開度については飽和していないので、EGRバルブ開度のフィードバック制御量は、飽和要素13の後でもそのまま有効である。図20Bは、VNTノズル開度のフィードバック制御量の時間変化を表す。但し、点線は、VNTノズル開度のフィードバック制御量そのものを表しており、大きく下方向に変化している。しかしながら、計画器11からのVNT目標値が「5」となっているので、このVNT目標値と加算するとVNTノズル開度のフィードバック制御量が「−5」以下になると飽和特性により「0」で飽和してしまう。図20Bでは、VNT目標値「5」との関係で有効となるフィードバック制御量を実線で表している。
このようにVNTのノズル開度が飽和すると、図20Cに示すように、新気量MAFについては、細点線で表す直達要素Gp11からの出力(直達項として表す)においてオーバーシュートが無くなっている。このため、実線で表す応答値は、長点線で表す目標値に対する追従性が従来技術より向上している。一方、図20Dに示すように、実線で表す吸気圧MAPの応答値には小さなオーバーシュートが発生してしまっている。第1飽和補償器19は第1の実施の形態と同じであるので、同様の特性が得られている。
一方、図21A乃至21Dに、EGRバルブ開度が飽和する際のシミュレーション結果等を示す。図21Aは、EGRバルブ開度のフィードバック制御量の時間変化を表す。但し、点線は、EGRバルブ開度のフィードバック制御量そのものを表しており、大きく下方向に変化している。しかしながら、計画器11からのEGR目標値が「2」となっているので、このEGR目標値と加算するとEGRバルブ開度のフィードバック制御量が「−2」以下になると飽和特性により「0」で飽和してしまう。図21Aでは、EGR目標値「2」との関係で有効となるフィードバック制御量を実線で表している。一方、図21Bは、VNTノズル開度のフィードバック制御量の時間変化を表す。VNTノズル開度については飽和していないので、VNTノズル開度のフィードバック制御量は、飽和要素1の後でもそのまま有効である。
このように、EGRのバルブ開度が飽和すると、図21Cに示すように、新気量MAFについては、一点鎖線で表す干渉要素Gp12からの出力にはアンダーシュートが無くなり適切に調整されており、実線で表す新気量MAFの応答値は適切に細点線で表される目標値に追従している。一方、図21Dに示すように、吸気圧MAPについては、細点線で表す直達要素Gp22からの出力が減少してしまい、実線で表す応答値は、長点線で表す目標値から離れてしまっている。
このように、新気量の目標値追従性が向上していることが分かる。
このようなブロック線図の機能を実現するためのエンジン制御装置1000の機能ブロック図は、第1の実施の形態の機能ブロック図と同じ図17で表される。但し、飽和補償量計算部110の処理内容が異なる。同様に、処理フロー自体も図18に示すものと流れ自体は同じであるが、ステップS15における演算内容が異なる。
具体的には、EGRcomp[t]及びVNTcomp[t]は、以下のように表される。
VNTcomp[t]=D11/C11×EGRcomp[t-1]
+A21/C11×(EGR[t]−EGRsat[t])
−B21/C11×(EGR[t-1]−EGRsat[t-1])
EGRcomp[t]=D21/C21×VNTcomp[t-1]
+A11/C21×(VNT[t]−VNTsat[t])
−B11/C21×(VNT[t-1]−VNTsat[t-1])
上でも述べたように、A21、B21、C21及びD21は、干渉要素Gp21に関連する係数であり、A11、B11、C11及びD11は、直達要素Gp11に関連する係数である。これらの係数についても実際のエンジン1の特性に合わせて設定する。
上で示したように、第2飽和補償量VNTcomp[t]は、1単位時間前の影響を表す第1項と、現在の指令値EGR[t]と最終指令値EGR sat [t]との差の影響を表す第2項と、1単位時間前の指令値EGR[t-1]と最終指令値EGR sat [t-1]との差の影響を表す第3項との和となっている。また、第1飽和補償量EGRcomp[t]は、1単位時間前の影響を表す第1項と、現在の指令値VNT[t]と最終指令値VNT sat [t]との差の影響を表す第2項と、1単位時間前の指令値VNT[t-1]と最終指令値VNT sat [t-1]との差の影響を表す第3項との和となっている。1単位時間前のデータについては、メモリ等に格納しておき、それを読み出して用いる。さらに、現在の値については、メモリ等に格納しておき、1単位時間後に読み出して用いる。
このようにすることによって、図19に示したブロック線図を実現し、新気量の目標値追従性を向上させることができる。
[実施の形態3]
第2の実施の形態では、新気量の目標値追従性を向上させていたが、実際のエンジン1の吸気制御系では、吸気圧MAPを優先させたい場合がある。このような場合には、図22に示すようなブロック線図で表されるエンジン制御装置1000を導入する。
図14に示した第1の実施の形態におけるブロック線図と異なる部分は、第1飽和補償器19の代わりに第4飽和補償器21(伝達関数Gp22/Gp12)を導入した点である。
本実施の形態では第1の実施の形態とは異なり、第4飽和補償器21は、VNTノズル開度が飽和した際に直達要素Gp22を介して吸気圧側に供給される成分が不足するため、その分を補償するために設けられている。VNTノズル開度が飽和した際に不足する分を補償するため、飽和要素17の入出力の差が用いられる。なお、第4飽和補償量は飽和要素13の前で加算されるために、そのままでは干渉要素Gp12が余分に作用することになるので、その作用を除去するためにGp22/Gp12という形の伝達関数となる。
また、第2飽和補償器18は、EGRバルブ開度が飽和した際に干渉要素Gp12を介して吸気圧側に供給される成分が不足するため、その分を補償するために設けられている。EGRノズル開度が飽和した際に不足する分を補償するため、飽和要素13の入出力の差が用いられる。なお、第2飽和補償量は飽和要素17の前で加算されるために、そのままでは直達要素Gp22が余分に作用することになるので、その作用を除去するためにGp12/Gp22という形の伝達関数となる。
このように、VNT側の飽和要素の前後の差分に対しては、飽和側の直達要素を非飽和側から飽和側への干渉要素で除した伝達関数を掛けて、非飽和側のフィードバック制御量に加えることにより、VNTの直達成分の減少を補い、吸気圧の目標値追従性を改善するものである。
図23A乃至23Dに、VNTノズル開度が飽和する際のシミュレーション結果等を示す。図23Aは、EGRバルブ開度のフィードバック制御量の時間変化を表す。EGRバルブ開度については飽和していないので、EGRバルブ開度のフィードバック制御量は、飽和要素13の後でもそのまま有効である。図23Bは、VNTノズル開度のフィードバック制御量の時間変化を表す。但し、点線は、VNTノズル開度のフィードバック制御量そのものを表しており、大きく下方向に変化している。しかしながら、計画器11からのVNT目標値が「5」となっているので、このVNT目標値と加算するとVNTノズル開度のフィードバック制御量が「−5」以下になると飽和特性により「0」で飽和してしまう。図23Bでは、VNT目標値「5」との関係で有効となるフィードバック制御量を実線で表している。
このようにVNTのノズル開度が飽和すると、図23Cに示すように、新気量MAFについては、細点線で表す直達要素Gp11からの出力(直達項として表す)においてオーバーシュートが大きくなっている。このため、実線で表す応答値は、大きなオーバーシュートが形成されてしまっている。一方、吸気圧MAPの時間変化を表す図23Dに示すように、一点鎖線で示す干渉要素Gp12からの適切な出力によって、実線で表す吸気圧MAPの応答値は、細点線で表される目標値に適切に追従している。
一方、図24A乃至24Dに、EGRバルブ開度が飽和する際のシミュレーション結果等を示す。図24Aは、EGRバルブ開度のフィードバック制御量の時間変化を表す。但し、点線は、EGRバルブ開度のフィードバック制御量そのものを表しており、大きく下方向に変化している。しかしながら、計画器11からのEGR目標値が「2」となっているので、このEGR目標値と加算するとEGRバルブ開度のフィードバック制御量が「−2」以下になると飽和特性により「0」で飽和してしまう。図24Aでは、EGR目標値「2」との関係で有効となるフィードバック制御量を実線で表している。一方、図24Bは、VNTノズル開度のフィードバック制御量の時間変化を表す。VNTノズル開度については飽和していないので、VNTノズル開度のフィードバック制御量は、飽和要素1の後でもそのまま有効である。
このように、EGRのバルブ開度が飽和すると、図24Cに示すように、新気量MAFについては、一点鎖線で表す干渉要素Gp21からの出力に大きなアンダーシュートが発生しており、実線で表す新気量MAFの応答値はあまり目標値に追従していない。一方、図24Dに示すように、吸気圧MAPについては、細点線で表す直達要素Gp22からの出力が適切に作用して、実線で表す応答値は、長点線で表す目標値に適切に追従している。
このように、吸気圧の目標値追従性が向上していることが分かる。
このようなブロック線図の機能を実現するためのエンジン制御装置1000の機能ブロック図は、第1の実施の形態の機能ブロック図と同じ図17で表される。但し、飽和補償量計算部110の処理内容が異なる。同様に、処理フロー自体も図18に示すものと流れ自体は同じであるが、ステップS15における演算内容が異なる。
具体的には、EGRcomp[t]及びVNTcomp[t]は、以下のように表される。
VNTcomp[t]=D12/C12×EGRcomp[t-1]
+A22/C12×(EGR[t]−EGRsat[t])
−B22/C12×(EGR[t-1]−EGRsat[t-1])
EGRcomp[t]=D22/C22×VNTcomp[t-1]
+A12/C22×(VNT[t]−VNTsat[t])
−B12/C22×(VNT[t-1]−VNTsat[t-1])
上でも述べたように、A12、B12、C12及びD12は、干渉要素Gp12に関連する係数であり、A22、B22、C22及びD22は、直達要素Gp22に関連する係数である。これらの係数についても実際のエンジン1の特性に合わせて設定する。
上で示したように、第2飽和補償量VNTcomp[t]は、1単位時間前の影響を表す第1項と、現在の指令値EGR[t]と最終指令値EGR sat [t]との差の影響を表す第2項と、1単位時間前の指令値EGR[t-1]と最終指令値EGR sat [t-1]との差の影響を表す第3項との和となっている。また、第1飽和補償量EGRcomp[t]は、1単位時間前の影響を表す第1項と、現在の指令値VNT[t]と最終指令値VNT sat [t]との差の影響を表す第2項と、1単位時間前の指令値VNT[t-1]と最終指令値VNT sat [t-1]との差の影響を表す第3項との和となっている。1単位時間前のデータについては、メモリ等に格納しておき、それを読み出して用いる。さらに、現在の値については、メモリ等に格納しておき、1単位時間後に読み出して用いる。
このようにすることによって、図22に示したブロック線図を実現し、吸気圧の目標値追従性を向上させることができる。
[実施の形態4]
第1の実施の形態では非飽和側の目標値追従性が改善されていたが、飽和側については十分とは言えない。そこで、第1の実施の形態に対して図25に示すようなアンチワインドアップ補償器31及び32を導入する。図25は、第4の実施の形態についてのブロック線図を示しているが、第1の実施の形態のブロック線図を示す図14との差は、(A)飽和要素13の入力であるEGRバルブ開度の指令値と飽和要素13の出力であるEGRバルブ開度の最終指令値との差に、EGRバルブ開度が新気量MAFに作用する度合いを表す直達要素Gp11を乗じた結果を新気量MAFの測定値に加えてネガティブフィードバックする部分と、(B)飽和要素17の入力であるVNTノズル開度の指令値と飽和要素17の出力であるVNTノズル開度の最終指令値との差に、VNTノズル開度が吸気圧MAPに作用する度合いを表す直達要素Gp22を乗じた結果を吸気圧MAPの測定値に加えてネガティブフィードバックする部分とである。すなわち、飽和がない場合の直達要素Gp11分の新気量とGp22分の吸気圧を予測して、フィードバックするものである。
このようなアンチワインドアップを導入すると、応答特性等は図26A乃至26Dに示すように変化する。なお、図26A乃至26Dは、VNTノズル開度が飽和する例を示している。
図26Aは、EGRバルブ開度のフィードバック制御量の時間変化を表す。EGRバルブ開度については飽和していないので、EGRバルブ開度のフィードバック制御量は、飽和要素13の後でもそのまま有効である。図26Bは、VNTノズル開度のフィードバック制御量の時間変化を表す。但し、点線は、VNTノズル開度のフィードバック制御量そのものを表しており、大きく下方向に変化している部分がある。しかしながら、計画器11からのVNT目標値が「5」となっているので、このVNT目標値と加算するとVNTノズル開度のフィードバック制御量が「−5」以下になると飽和特性により「0」で飽和してしまう。図26Bでは、VNT目標値「5」との関係で有効となるフィードバック制御量を実線で表している。
本実施の形態では、第1の実施の形態で示した図15Cと同様に、新気量MAFについては、図26Cに示すように細点線で表す直達要素Gp11からの出力においてオーバーシュートが無くなっている。このため、実線で表す応答値は、長点線で表す目標値に対する追従性が向上している。一方、吸気圧MAPの時間変化を表す図26Dに示すように、一点鎖線で表す干渉要素G12の出力及び細点線で表す直達要素Gp22の出力が適切に調整され、実線で表す吸気圧MAPの応答値は、太点線で表す目標値に適切に追従している。
このように、アンチワインドアップ補償器31及び32を導入することによって、飽和側についても目標値追従性が改善されている。
このようなブロック線図の機能を実現するためのエンジン制御装置1000の機能ブロック図を図27に示す。
エンジン制御装置1000は、(A)燃料噴射量Qの設定値を取得する燃料噴射量検出部101と、(B)エンジン回転数RPMの設定値を取得するエンジン回転数検出部102と、(C)吸気圧センサ2及び新気量センサ3から吸気圧の測定値及び新気量の測定値の組み合わせX(=[MAF,MAP])を取得するセンサ値取得部103と、(D)センサ値取得部103からの測定値の組み合わせXと以下で述べるアンチワインドアップ計算部112からのアンチワインドアップ補償量Xawu(=[新気量の補償量,吸気圧の補償量])とを加算して補償済測定値X2(=[補償済みMAF,補償済みMAP])を生成する加算部111と、(F)燃料噴射量の値及びエンジン回転数の値の組み合わせに対応付けてUref=[EGRバルブ開度の目標値,VNTノズル開度の目標値])及びXref(=[MAFの目標値,MAPの目標値])が登録されている目標値テーブル104と、(G)燃料噴射量検出部101から出力される燃料噴射量Qの設定値とエンジン回転数検出部102から出力されるエンジン回転数RPMの設定値とを受け取り、目標値テーブル104から対応するUref及びXrefを読み出す目標値生成部105と、(H)加算部111からの補償済測定値X2と目標値生成部105からの新気量及び吸気圧の目標値XrefとからEGRバルブ開度及びVNTノズル開度のフィードバック制御量Ufb(=[EGRバルブ開度のフィードバック制御量,VNTノズル開度のフィードバック制御量])を生成するフィードバック制御量生成部107と、(I)フィードバック制御量Ufbと目標値Urefと以下で説明する飽和補償量Ucomp(=[EGRバルブ開度の飽和補償量,VNTバルブ開度の飽和補償量])とから指令値U=([EGRバルブ開度の指令値,VNTノズル開度の指令値])を生成する指令値生成部108と、(J)所定の上限値以上の指令値を上限値に設定し、所定の下限値以下の指令値を下限値に設定する処理を実施して最終指令値Usat(=[EGRバルブ開度の最終指令値,VNTノズル開度の最終指令値])を生成する飽和処理部109と、(K)指令値Uと最終指令値Usatとから飽和補償量Ucompを生成する飽和補償量計算部110と、(L)指令値Uと最終指令値Usatからアンチワインドアップ補償量Xawuを生成するアンチワインドアップ計算部112とを有する。
なお、飽和処理部109の出力に応じて、エンジン1のEGRバルブ開度及びVNTノズル開度が制御される。
図28を用いて、図27に示すエンジン制御装置1000の動作を説明する。。まず、動作開始時には、時刻はt=1に設定される(図28:ステップS31)。そして、燃料噴射量検出部101、エンジン回転数検出部102及びセンサ値取得部103は、燃料噴射量の設定値Q[t]、エンジン回転数の設定値RPM[t]及びセンサ値X[t]を取得する(ステップS33)。
そして、目標値生成部105は、燃料噴射量の設定値Q[t]及びエンジン回転数の設定値RPM[t]に対応する目標値Xref[t]及びUref[t]を、目標値テーブル104から読み出すことによって生成する(ステップS35)。また、加算部111は、センサ値取得部103が取得したセンサ値X[t]とアンチワインドアップ計算部112が生成したアンチワインドアップ補償量Xawu[t-1]とを加算して補償済測定値X2[t]を生成する(ステップS37)。アンチワインドアップ補償量Xawu[t-1]については1単位時間前の値を加算する。アンチワインドアップ補償量Xawu[t-1]の計算については後に説明する。
さらに、フィードバック制御量生成部107は、目標値生成部105が生成した目標値Xref[t]と、加算部111が生成した補償済測定値X2[t]とから、フィードバック制御量Ufb[t](=f(X2[t],Xref[t]))を生成する(ステップS39)。なお、フィードバック量Ufb[t]は、第1の実施の形態と同じ関数である。具体的には、新気量MAFの目標値と新気量MAFの補償済測定値との差を新気量制御器12に入力して得られるEGRバルブ開度の制御量と、非干渉化フィルタ15の出力結果との差が、EGRバルブ開度のフィードバック制御量である。また、吸気圧MAPの目標値と吸気圧MAPの補償済測定値との差を吸気圧制御器16に入力して得られるVNTノズル開度の制御量と、非干渉化フィルタ14の出力結果との差が、VNTノズル開度のフィードバック制御量である。
そうすると、指令値生成部108は、目標値生成部105の出力Uref[t]と、フィードバック制御量生成部107の出力Ufb[t]と、1単位時間前の飽和補償量Ucomp[t-1]とを加算して、指令値U[t]を算出する(ステップS41)。すなわち、U[t]=Ufb[t]+Uref[t]+Ucomp[t-1]が算出される。U[t]は、上でも述べたように、排気循環器EGRに設けられているEGRバルブのバルブ開度と、可変ノズルターボVNTのノズル開度との組み合わせ(=[EGRバルブ開度の指令値,VNTノズル開度の指令値])である。Ucomp[t-1]については、第1の実施の形態と同じである。
その後、飽和処理部109は、飽和処理(Usat[t]=saturation(U[t]))を実施する(ステップS43)。飽和処理は、上でも述べたように所定の上限値以上の指令値であれば上限値を最終指令値として出力し、所定の下限値以下の指令値であれば下限値を最終指令値として出力し、それ以外の値の指令値についてはそのまま出力する。このような処理をEGRバルブ開度及びVNTノズル開度のいずれに対しても実施する。そして、飽和処理部109は、最終指令値をエンジン1に出力する(ステップS45)。
さらに、飽和補償量計算部110は、指令値生成部108からの指令値U[t]及び飽和処理部109からの最終指令値Usat[t]とを用いて飽和補償量Ucomp[t]を算出する(ステップS47)。この飽和補償量Ucomp[t](=[EGRcomp[t],VNTcomp[t])は、次の時刻t+1で用いられる。計算方法自体は第1の実施の形態と同じである。但し、アンチワインドアップ補償量との関係があるので、計算式だけは再度示しておく。
VNTcomp[t]=D12/C12×EGRcomp[t-1]
+A22/C12×(EGR[t]−EGRsat[t])
−B22/C12×(EGR[t-1]−EGRsat[t-1])
EGRcomp[t]=D21/C21×VNTcomp[t-1]
+A11/C21×(VNT[t]−VNTsat[t])
−B11/C21×(VNT[t-1]−VNTsat[t-1])
また、アンチワインドアップ計算部112は、指令値生成部108からの指令値U[t]及び飽和処理部109からの最終指令値Usat[t]とを用いてアンチワインドアップ補償量Xawu[t]を算出する(ステップS49)。このアンチワインドアップ補償量Xawu[t](=(MAFawu[t],MAPawu[t]))は、次の時刻t+1で用いられる。
図25で示した新気量についてのアンチワインドアップ補償器31はGp11という伝達関数で表され、吸気圧についてのアンチワインドアップ補償器32はGp22という伝達関数で表される。このような直達成分Gp11及びGp22についても、上で述べたように遅延成分が含まれている。
従って、MAFawu[t]及びMAPawu[t]は、以下のように表される。
MAFawu[t]=D11/C11×MAFawu[t-1]
+K11/C11×(EGR[t]−EGRsat[t])
MAPawu[t]=D22/C22×MAPawu[t-1]
+K22/C22×(VNT[t]−VNTsat[t])
ここでC11及びD11は、直達要素Gp11に関連する係数であり、D22及びC22は、直達要素Gp22に関連する係数である。これらの係数は実際のエンジン1の特性に合わせて設定する。飽和補償量の式と同じ記号は同じ値を表す。K11及びK2は、所定の係数であるがこれらの係数についても実際のエンジン1の特性に合わせて設定する。
上で示したように、MAFawu[t]及びMAPawu[t]は、1単位時間前の影響を表す第1項と、現在の指令値EGR[t](又はVNT[t])と最終指令値EGR sat [t](又はVNT sat [t])との差の影響を表す第2項との和となっている。1単位時間前のデータについては、メモリ等に格納しておき、それを読み出して用いる。さらに、現在の値については、メモリ等に格納しておき、1単位時間後に読み出して用いる。
そして、ステップS49の後にtを1インクリメントして(ステップS51)、ステップS33に戻る。なお、処理はエンジン停止などの状態になるまで繰り返される。
このようにすることによって、図25に示したブロック線図を実現し、飽和側及び非飽和側の目標値追従性を向上させることができる。
[実施の形態5]
第2の実施の形態では新気量を優先して目標値追従性を改善していたが、吸気圧については十分とは言えない。そこで、第2の実施の形態に対して図29に示すようなアンチワインドアップ補償器31及び32を導入する。図29は、第5の実施の形態についてのブロック線図を示しているが、第2の実施の形態のブロック線図を示す図19との差は、第4の実施の形態と同じであり、(A)飽和要素13の入力であるEGRバルブ開度の指令値と飽和要素13の出力であるEGRバルブ開度の最終指令値との差に、エンジン1におけるEGRバルブ開度が新気量MAFに作用する度合いを表す直達要素Gp11を乗じた結果を新気量MAFの測定値に加えてネガティブフィードバックする部分と、(B)飽和要素17の入力であるVNTノズル開度の指令値と飽和要素17の出力であるVNTノズル開度の最終指令値との差に、エンジン1におけるVNTノズル開度が吸気圧MAPに作用する度合いを表す直達要素Gp22を乗じた結果を吸気圧MAPの測定値に加えてネガティブフィードバックする部分とである。すなわち、飽和がない場合の直達要素Gp11分の新気量と直達要素Gp22分の吸気圧を予測して、フィードバックするものである。
このようなアンチワインドアップを導入することで、吸気圧についての目標値追従性も向上することが期待される。
機能ブロック図及び処理フローについては、第4の実施の形態において述べたものに第1の実施の形態に対して第2の実施の形態で行った変更を行えばよい。
[実施の形態6]
第3の実施の形態では吸気圧を優先して目標値追従性を改善していたが、新気量については十分とは言えない。そこで、第3の実施の形態に対して図30に示すようなアンチワインドアップ補償器31及び32を導入する。図30は、第6の実施の形態についてのブロック線図を示しているが、第3の実施の形態のブロック線図を示す図22との差は、第4の実施の形態と同じであり、(A)飽和要素13の入力であるEGRバルブ開度の指令値と飽和要素13の出力であるEGRバルブ開度の最終指令値との差に、エンジン1におけるEGRバルブ開度が新気量MAFに作用する度合いを表す直達Gp11を乗じた結果を新気量MAFの測定値に加えてネガティブフィードバックする部分と、(B)飽和要素17の入力であるVNTノズル開度の指令値と飽和要素17の出力であるVNTノズル開度の最終指令値との差に、エンジン1におけるVNTノズル開度が吸気圧MAPに作用する度合いを表す直達Gp22を乗じた結果を吸気圧MAPの測定値に加えてネガティブフィードバックする部分とである。すなわち、飽和がない場合の直達要素Gp11分の新気量と直達要素Gp22分の吸気圧を予測して、フィードバックするものである。
このようなアンチワインドアップを導入することで、新気量についての目標値追従性も向上することが期待される。
機能ブロック図及び処理フローについては、第4の実施の形態において述べたものに第1の実施の形態に対して第3の実施の形態で行った変更を行えばよい。
以上本技術の実施の形態を説明したが、本技術はこれに限定されるものではない。例えば、処理フローにおいては便宜上直列的に処理ステップを示しているが、処理結果が変わらない限り並列に実施するようにしても良い。例えばステップS47及びS49については並列実施可能である。また、機能ブロック図についても説明上の都合上ブロック分けしたものであり、必ずしも実際のプログラムモジュール構成と一致するわけではない。
なお、上で述べたエンジン制御装置1000は、コンピュータ装置であって、図31に示すように、RAM(Random Access Memory)2501とプロセッサ2503とROM(Read Only Memory)2507とセンサ群2515とがバス2519で接続されている。本実施の形態における処理を実施するための制御プログラム(及び存在している場合にはオペレーティング・システム(OS:Operating System))は、ROM2507に格納されており、プロセッサ2503により実行される際にはROM2507からRAM2501に読み出される。必要に応じてプロセッサ2503は、センサ群(吸気圧センサ2及び新気量センサ3。場合によっては燃料噴射量測定部及びエンジン回転数測定部など。)を制御して、必要な測定値を取得する。また、処理途中のデータについては、RAM2501に格納される。なお、プロセッサ2503は、ROM2507を含む場合もあり、さらに、RAM2501を含む場合もある。本技術の実施の形態では、上で述べた処理を実施するための制御プログラムは、コンピュータ読み取り可能なリムーバブル・ディスクに格納されて頒布され、ROMライタによってROM2507に書き込まれる場合もある。このようなコンピュータ装置は、上で述べたプロセッサ2503、RAM2501、ROM2507などのハードウエアと制御プログラム(場合によってはOSも)とが有機的に協働することにより、上で述べたような各種機能を実現する。
但し、エンジン制御装置全体をハードウエアのみにて実装することも可能である。以上述べた本実施の形態をまとめると以下のようになる。
本実施の形態に係るエンジン制御方法は、(A)排気循環器及び可変ノズルターボを有するエンジンに対する燃料噴射量の設定値、エンジン回転数の設定値、エンジンの吸気圧の測定値及び新気量の測定値を取得するステップと、(B)燃料噴射量の設定値及びエンジン回転数の設定値に対応する吸気圧の目標値及び新気量の目標値と、燃料噴射量の設定値及びエンジン回転数の設定値に対応する可変ノズルターボのノズル開度の目標値及び排気循環器のバルブ開度の目標値とを取得するステップと、(C)吸気圧の目標値及び新気量の目標値と吸気圧の測定値及び新気量の測定値とから、可変ノズルターボのノズル開度の制御量及び排気循環器のバルブ開度の制御量(例えば実施の形態におけるフィードバック制御量)を算出する制御量算出ステップと、(D)可変ノズルターボのノズル開度の制御量及び排気循環器のバルブ開度の制御量と、可変ノズルターボのノズル開度の目標値及び排気循環器のバルブ開度の目標値と、排気循環器のバルブ開度の飽和に対して可変ノズルターボのノズル開度を補償するための第1の飽和補償量及び可変ノズルターボのノズル開度の飽和に対して排気循環器のバルブ開度を補償するための第2の飽和補償量とから、可変ノズルターボのノズル開度の指令値及び排気循環器のバルブ開度の指令値を算出する指令値算出ステップとを含む。
上で述べたような第1及び第2飽和補償量を導入することによって、飽和があっても目標値追従性を向上させることができるようになる。
さらに、上で述べたエンジン制御方法は、(E)可変ノズルターボのノズル開度の指令値がエンジンの吸気圧に作用する度合いに応じたエンジンの吸気圧のアンチワインドアップ補償量を算出するステップと(F)排気循環器のバルブ開度の指令値がエンジンの新気量に作用する度合いに応じたエンジンの新気量のアンチワインドアップ補償量を算出するステップとをさらに含むようにしても良い。その際、制御量算出ステップにおいて、エンジンの吸気圧のアンチワインドアップ補償量とエンジンの新気量のアンチワインドアップ補償量とをさらに用いて可変ノズルターボのノズル開度の制御量及び排気循環器のバルブ開度の制御量を算出するようにしてもよい。このようにすれば、ワインドアップ現象を低減させることができるようになる。なお、制御量算出ステップでは、実施の形態において述べた非干渉化フィルタの処理も含めている場合もある。
さらに、上で述べたエンジン制御方法は、(G)可変ノズルターボのノズル開度の指令値がエンジンの新気量に作用する度合いに関する第1の干渉成分と可変ノズルターボのノズル開度の指令値がエンジンの吸気圧に作用する度合いに関する第1の直達成分とを含む上記第1の飽和補償量を算出するステップと、(H)排気循環器のバルブ開度の指令値がエンジンの吸気圧に作用する度合いに関する第2の干渉成分と排気循環器のバルブ開度の指令値がエンジンの新気量に作用する度合いに関する第2の直達成分とを含む第2の飽和補償量を算出するステップとをさらに含むようにしてもよい。
例えば第1又は第4の実施の形態のように、非飽和側を優先して目標値に追従させる場合には効果的である。
さらに、上で述べたエンジン制御方法は、(I)排気循環器のバルブ開度の指令値がエンジンの吸気圧に作用する度合いに関する第2の干渉成分と排気循環器のバルブ開度の指令値がエンジンの新気量に作用する度合いに関する第2の直達成分とを含む第1の飽和補償量を算出するステップと、(J)第2の干渉成分と第2の直達成分とを含む第2の飽和補償量を算出するステップとをさらに含むようにしてもよい。
例えば第2又は第5の実施の形態のように、新気量を優先して目標値に追従させる場合には効果的である。
また、上で述べたエンジン制御方法は、(K)可変ノズルターボのノズル開度の指令値がエンジンの新気量に作用する度合いに関する第1の干渉成分と排気循環器のバルブ開度の指令値がエンジンの新気量に作用する度合いに関する第2の直達成分とを含む第1の飽和補償量を算出するステップと、(L)第1の干渉成分と第2の直達成分とを含む第2の飽和補償量を算出するステップと、をさらに含むようにしてもよい。
例えば第3又は第6の実施の形態のように、吸気圧を優先して目標値に追従させる場合には効果的である。
また、エンジン制御装置(図32)は、(A)排気循環器及び可変ノズルターボを有するエンジンに対する燃料噴射量の設定値、エンジン回転数の設定値、エンジンの吸気圧の測定値及び新気量の測定値を取得するセンサ値取得部と、(B)燃料噴射量の設定値及びエンジン回転数の設定値に対応する吸気圧の目標値及び新気量の目標値と、燃料噴射量の設定値及びエンジン回転数の設定値に対応する可変ノズルターボのノズル開度の目標値及び排気循環器のバルブ開度の目標値とを取得する目標値取得部と、(C)吸気圧の目標値及び新気量の目標値と吸気圧の測定値及び新気量の測定値とから、可変ノズルターボのノズル開度の制御量及び排気循環器のバルブ開度の制御量を算出する制御量算出部と、(D)可変ノズルターボのノズル開度の制御量及び排気循環器のバルブ開度の制御量と、可変ノズルターボのノズル開度の目標値及び排気循環器のバルブ開度の目標値と、排気循環器のバルブ開度の飽和に対して可変ノズルターボのノズル開度を補償するための第1の飽和補償量及び可変ノズルターボのノズル開度の飽和に対して排気循環器のバルブ開度を補償するための第2の飽和補償量とから、可変ノズルターボのノズル開度の指令値及び排気循環器のバルブ開度の指令値を算出する指令値生成部とを有する。
なお、上記方法による処理をプロセッサに行わせるためのプログラムを作成することができ、当該プログラムは、例えばフレキシブルディスク、CD−ROM、光磁気ディスク、半導体メモリ、ハードディスク等のコンピュータ読み取り可能な記憶媒体又は記憶装置に格納される。尚、中間的な処理結果はメインメモリ等の記憶装置に一時保管される。
以上の実施例を含む実施形態に関し、さらに以下の付記を開示する。
(付記1)
排気循環器及び可変ノズルターボを有するエンジンに対する燃料噴射量の設定値と、エンジン回転数の設定値と、前記エンジンの吸気圧の測定値及び新気量の測定値とを取得するステップと、
前記燃料噴射量の設定値及び前記エンジン回転数の設定値に対応する前記吸気圧の目標値及び前記新気量の目標値と、前記燃料噴射量の設定値及び前記エンジン回転数の設定値に対応する前記可変ノズルターボのノズル開度の目標値及び前記排気循環器のバルブ開度の目標値とを取得するステップと、
前記吸気圧の目標値及び前記新気量の目標値と前記吸気圧の測定値及び前記新気量の測定値とから、前記可変ノズルターボのノズル開度の制御量及び前記排気循環器のバルブ開度の制御量を算出する制御量算出ステップと、
前記可変ノズルターボのノズル開度の制御量及び前記排気循環器のバルブ開度の制御量と、前記可変ノズルターボのノズル開度の目標値及び前記排気循環器のバルブ開度の目標値と、前記排気循環器のバルブ開度の飽和に対して前記可変ノズルターボのノズル開度を補償するための第1の飽和補償量、及び前記可変ノズルターボのノズル開度の飽和に対して前記排気循環器のバルブ開度を補償するための第2の飽和補償量とから、前記可変ノズルターボのノズル開度の指令値及び前記排気循環器のバルブ開度の指令値を算出する指令値算出ステップと、
を、プロセッサに実行させるためのエンジン制御プログラム。
(付記2)
前記可変ノズルターボのノズル開度の指令値が前記エンジンの吸気圧に作用する度合いに応じた前記エンジンの吸気圧のアンチワインドアップ補償量を算出するステップと、
前記排気循環器のバルブ開度の指令値が前記エンジンの新気量に作用する度合いに応じた前記エンジンの新気量のアンチワインドアップ補償量を算出するステップと、
をさらに前記プロセッサに実行させ、
前記制御量算出ステップにおいて、
前記エンジンの吸気圧のアンチワインドアップ補償量と前記エンジンの新気量のアンチワインドアップ補償量とをさらに用いて前記可変ノズルターボのノズル開度の制御量及び前記排気循環器のバルブ開度の制御量を算出する
付記1記載のエンジン制御プログラム。
(付記3)
前記可変ノズルターボのノズル開度の指令値が前記エンジンの新気量に作用する度合いに関する第1の干渉成分と前記可変ノズルターボのノズル開度の指令値が前記エンジンの吸気圧に作用する度合いに関する第1の直達成分とを含む前記第1の飽和補償量を算出するステップと、
前記排気循環器のバルブ開度の指令値が前記エンジンの吸気圧に作用する度合いに関する第2の干渉成分と前記排気循環器のバルブ開度の指令値が前記エンジンの新気量に作用する度合いに関する第2の直達成分とを含む前記第2の飽和補償量を算出するステップと、
をさらに、前記プロセッサに実行させるための付記1又は2記載のエンジン制御プログラム。
(付記4)
前記排気循環器のバルブ開度の指令値が前記エンジンの吸気圧に作用する度合いに関する第2の干渉成分と前記排気循環器のバルブ開度の指令値が前記エンジンの新気量に作用する度合いに関する第2の直達成分とを含む前記第1の飽和補償量を算出するステップと、
前記第2の干渉成分と前記第2の直達成分とを含む前記第2の飽和補償量を算出するステップと、
をさらに、前記プロセッサに実行させるための付記1又は2記載のエンジン制御プログラム。
(付記5)
前記可変ノズルターボのノズル開度の指令値が前記エンジンの新気量に作用する度合いに関する第1の干渉成分と前記排気循環器のバルブ開度の指令値が前記エンジンの新気量に作用する度合いに関する第2の直達成分とを含む前記第1の飽和補償量を算出するステップと、
前記第1の干渉成分と前記第2の直達成分とを含む前記第2の飽和補償量を算出するステップと、
をさらに、前記プロセッサに実行させるための付記1又は2記載のエンジン制御プログラム。
(付記6)
排気循環器及び可変ノズルターボを有するエンジンに対する燃料噴射量の設定値と、エンジン回転数の設定値と、前記エンジンの吸気圧の測定値及び新気量の測定値とを取得するステップと、
前記燃料噴射量の設定値及び前記エンジン回転数の設定値に対応する前記吸気圧の目標値及び前記新気量の目標値と、前記燃料噴射量の設定値及び前記エンジン回転数の設定値に対応する前記可変ノズルターボのノズル開度の目標値及び前記排気循環器のバルブ開度の目標値とを取得するステップと、
前記吸気圧の目標値及び前記新気量の目標値と前記吸気圧の測定値及び前記新気量の測定値とから、前記可変ノズルターボのノズル開度の制御量及び前記排気循環器のバルブ開度の制御量を算出する制御量算出ステップと、
前記可変ノズルターボのノズル開度の制御量及び前記排気循環器のバルブ開度の制御量と、前記可変ノズルターボのノズル開度の目標値及び前記排気循環器のバルブ開度の目標値と、前記排気循環器のバルブ開度の飽和に対して前記可変ノズルターボのノズル開度を補償するための第1の飽和補償量、及び前記可変ノズルターボのノズル開度の飽和に対して前記排気循環器のバルブ開度を補償するための第2の飽和補償量とから、前記可変ノズルターボのノズル開度の指令値及び前記排気循環器のバルブ開度の指令値を算出する指令値算出ステップと、
を含むエンジン制御方法。
(付記7)
排気循環器及び可変ノズルターボを有するエンジンに対する燃料噴射量の設定値と、エンジン回転数の設定値と、前記エンジンの吸気圧の測定値及び新気量の測定値とを取得するセンサ値取得部と、
前記燃料噴射量の設定値及び前記エンジン回転数の設定値に対応する前記吸気圧の目標値及び前記新気量の目標値と、前記燃料噴射量の設定値及び前記エンジン回転数の設定値に対応する前記可変ノズルターボのノズル開度の目標値及び前記排気循環器のバルブ開度の目標値とを取得する目標値取得部と、
前記吸気圧の目標値及び前記新気量の目標値と前記吸気圧の測定値及び前記新気量の測定値とから、前記可変ノズルターボのノズル開度の制御量及び前記排気循環器のバルブ開度の制御量を算出する制御量算出部と、
前記可変ノズルターボのノズル開度の制御量及び前記排気循環器のバルブ開度の制御量と、前記可変ノズルターボのノズル開度の目標値及び前記排気循環器のバルブ開度の目標値と、前記排気循環器のバルブ開度の飽和に対して前記可変ノズルターボのノズル開度を補償するための第1の飽和補償量、及び前記可変ノズルターボのノズル開度の飽和に対して前記排気循環器のバルブ開度を補償するための第2の飽和補償量とから、前記可変ノズルターボのノズル開度の指令値及び前記排気循環器のバルブ開度の指令値を算出する指令値生成部と、
を有するエンジン制御装置。
101 燃料噴射量検出部 102 エンジン回転数検出部
103 センサ値取得部 104 目標値テーブル
105 目標値生成部 107 フィードバック制御量生成部
108 指令値生成部 109 飽和処理部
110 飽和補償量計算部 111 加算部
112 アンチワインドアップ計算部
1 エンジン 2 吸気圧センサ 3 新気量センサ

Claims (9)

  1. 排気循環器及び可変ノズルターボを有するエンジンに対する燃料噴射量の設定値と、エンジン回転数の設定値と、前記エンジンの吸気圧の測定値及び新気量の測定値とを取得するステップと、
    前記燃料噴射量の設定値及び前記エンジン回転数の設定値に対応する前記吸気圧の目標値及び前記新気量の目標値と、前記燃料噴射量の設定値及び前記エンジン回転数の設定値に対応する前記可変ノズルターボのノズル開度の目標値及び前記排気循環器のバルブ開度の目標値とを取得するステップと、
    前記吸気圧の目標値及び前記新気量の目標値と前記吸気圧の測定値及び前記新気量の測定値とから、前記可変ノズルターボのノズル開度の制御量及び前記排気循環器のバルブ開度の制御量を算出する制御量算出ステップと、
    前記排気循環器のバルブ開度の指令値が前記エンジンの吸気圧に作用する度合いに関する第1の干渉成分と前記排気循環器のバルブ開度の指令値が前記エンジンの新気量に作用する度合いに関する第1の直達成分とを含み、前記排気循環器のバルブ開度を補償するための第1の飽和補償量を算出するステップと、
    前記可変ノズルターボのノズル開度の指令値が前記エンジンの新気量に作用する度合いに関する第2の干渉成分と前記可変ノズルターボのノズル開度の指令値が前記エンジンの吸気圧に作用する度合いに関する第2の直達成分とを含み、前記可変ノズルターボのノズル開度を補償するための第2の飽和補償量を算出するステップと、
    前記可変ノズルターボのノズル開度の制御量及び前記排気循環器のバルブ開度の制御量と、前記可変ノズルターボのノズル開度の目標値及び前記排気循環器のバルブ開度の目標値と、前記第1の飽和補償量及び前記第2の飽和補償量とから、前記可変ノズルターボのノズル開度の指令値及び前記排気循環器のバルブ開度の指令値を算出する指令値算出ステップと、
    を、プロセッサに実行させるためのエンジン制御プログラム。
  2. 排気循環器及び可変ノズルターボを有するエンジンに対する燃料噴射量の設定値と、エンジン回転数の設定値と、前記エンジンの吸気圧の測定値及び新気量の測定値とを取得するステップと、
    前記燃料噴射量の設定値及び前記エンジン回転数の設定値に対応する前記吸気圧の目標値及び前記新気量の目標値と、前記燃料噴射量の設定値及び前記エンジン回転数の設定値に対応する前記可変ノズルターボのノズル開度の目標値及び前記排気循環器のバルブ開度の目標値とを取得するステップと、
    前記吸気圧の目標値及び前記新気量の目標値と前記吸気圧の測定値及び前記新気量の測定値とから、前記可変ノズルターボのノズル開度の制御量及び前記排気循環器のバルブ開度の制御量を算出する制御量算出ステップと、
    前記排気循環器のバルブ開度の指令値が前記エンジンの吸気圧に作用する度合いに関する干渉成分と前記排気循環器のバルブ開度の指令値が前記エンジンの新気量に作用する度合いに関する直達成分とを含み、前記排気循環器のバルブ開度を補償するための第1の飽和補償量を算出するステップと、
    前記干渉成分と前記直達成分とを含み、前記可変ノズルターボのノズル開度を補償するための第2の飽和補償量を算出するステップと、
    前記可変ノズルターボのノズル開度の制御量及び前記排気循環器のバルブ開度の制御量と、前記可変ノズルターボのノズル開度の目標値及び前記排気循環器のバルブ開度の目標値と、前記第1の飽和補償量及び前記第2の飽和補償量とから、前記可変ノズルターボのノズル開度の指令値及び前記排気循環器のバルブ開度の指令値を算出する指令値算出ステップと、
    を、プロセッサに実行させるためのエンジン制御プログラム。
  3. 排気循環器及び可変ノズルターボを有するエンジンに対する燃料噴射量の設定値と、エンジン回転数の設定値と、前記エンジンの吸気圧の測定値及び新気量の測定値とを取得するステップと、
    前記燃料噴射量の設定値及び前記エンジン回転数の設定値に対応する前記吸気圧の目標値及び前記新気量の目標値と、前記燃料噴射量の設定値及び前記エンジン回転数の設定値に対応する前記可変ノズルターボのノズル開度の目標値及び前記排気循環器のバルブ開度の目標値とを取得するステップと、
    前記吸気圧の目標値及び前記新気量の目標値と前記吸気圧の測定値及び前記新気量の測定値とから、前記可変ノズルターボのノズル開度の制御量及び前記排気循環器のバルブ開度の制御量を算出する制御量算出ステップと、
    前記可変ノズルターボのノズル開度の指令値が前記エンジンの新気量に作用する度合いに関する干渉成分と前記排気循環器のバルブ開度の指令値が前記エンジンの新気量に作用する度合いに関する直達成分とを含み、前記排気循環器のバルブ開度を補償するための前記第1の飽和補償量を算出するステップと、
    前記干渉成分と前記直達成分とを含み、前記可変ノズルターボのノズル開度を補償するための第2の飽和補償量を算出するステップと、
    前記可変ノズルターボのノズル開度の制御量及び前記排気循環器のバルブ開度の制御量と、前記可変ノズルターボのノズル開度の目標値及び前記排気循環器のバルブ開度の目標値と、前記第1の飽和補償量及び前記第2の飽和補償量とから、前記可変ノズルターボのノズル開度の指令値及び前記排気循環器のバルブ開度の指令値を算出する指令値算出ステップと、
    を、プロセッサに実行させるためのエンジン制御プログラム。
  4. 排気循環器及び可変ノズルターボを有するエンジンに対する燃料噴射量の設定値と、エンジン回転数の設定値と、前記エンジンの吸気圧の測定値及び新気量の測定値とを取得するステップと、
    前記燃料噴射量の設定値及び前記エンジン回転数の設定値に対応する前記吸気圧の目標値及び前記新気量の目標値と、前記燃料噴射量の設定値及び前記エンジン回転数の設定値に対応する前記可変ノズルターボのノズル開度の目標値及び前記排気循環器のバルブ開度の目標値とを取得するステップと、
    前記吸気圧の目標値及び前記新気量の目標値と前記吸気圧の測定値及び前記新気量の測定値とから、前記可変ノズルターボのノズル開度の制御量及び前記排気循環器のバルブ開度の制御量を算出する制御量算出ステップと、
    前記排気循環器のバルブ開度の指令値が前記エンジンの吸気圧に作用する度合いに関する第1の干渉成分と前記排気循環器のバルブ開度の指令値が前記エンジンの新気量に作用する度合いに関する第1の直達成分とを含み、前記排気循環器のバルブ開度を補償するための第1の飽和補償量を算出するステップと、
    前記可変ノズルターボのノズル開度の指令値が前記エンジンの新気量に作用する度合いに関する第2の干渉成分と前記可変ノズルターボのノズル開度の指令値が前記エンジンの吸気圧に作用する度合いに関する第2の直達成分とを含み、前記可変ノズルターボのノズル開度を補償するための第2の飽和補償量を算出するステップと、
    前記可変ノズルターボのノズル開度の制御量及び前記排気循環器のバルブ開度の制御量と、前記可変ノズルターボのノズル開度の目標値及び前記排気循環器のバルブ開度の目標値と、前記第1の飽和補償量及び前記第2の飽和補償量とから、前記可変ノズルターボのノズル開度の指令値及び前記排気循環器のバルブ開度の指令値を算出する指令値算出ステップと、
    を含むエンジン制御方法。
  5. 排気循環器及び可変ノズルターボを有するエンジンに対する燃料噴射量の設定値と、エンジン回転数の設定値と、前記エンジンの吸気圧の測定値及び新気量の測定値とを取得するステップと、
    前記燃料噴射量の設定値及び前記エンジン回転数の設定値に対応する前記吸気圧の目標値及び前記新気量の目標値と、前記燃料噴射量の設定値及び前記エンジン回転数の設定値に対応する前記可変ノズルターボのノズル開度の目標値及び前記排気循環器のバルブ開度の目標値とを取得するステップと、
    前記吸気圧の目標値及び前記新気量の目標値と前記吸気圧の測定値及び前記新気量の測定値とから、前記可変ノズルターボのノズル開度の制御量及び前記排気循環器のバルブ開度の制御量を算出する制御量算出ステップと、
    前記排気循環器のバルブ開度の指令値が前記エンジンの吸気圧に作用する度合いに関する干渉成分と前記排気循環器のバルブ開度の指令値が前記エンジンの新気量に作用する度合いに関する直達成分とを含み、前記排気循環器のバルブ開度を補償するための第1の飽和補償量を算出するステップと、
    前記干渉成分と前記直達成分とを含み、前記可変ノズルターボのノズル開度を補償するための第2の飽和補償量を算出するステップと、
    前記可変ノズルターボのノズル開度の制御量及び前記排気循環器のバルブ開度の制御量と、前記可変ノズルターボのノズル開度の目標値及び前記排気循環器のバルブ開度の目標値と、前記第1の飽和補償量及び前記第2の飽和補償量とから、前記可変ノズルターボのノズル開度の指令値及び前記排気循環器のバルブ開度の指令値を算出する指令値算出ステップと、
    を含むエンジン制御方法。
  6. 排気循環器及び可変ノズルターボを有するエンジンに対する燃料噴射量の設定値と、エンジン回転数の設定値と、前記エンジンの吸気圧の測定値及び新気量の測定値とを取得するステップと、
    前記燃料噴射量の設定値及び前記エンジン回転数の設定値に対応する前記吸気圧の目標値及び前記新気量の目標値と、前記燃料噴射量の設定値及び前記エンジン回転数の設定値に対応する前記可変ノズルターボのノズル開度の目標値及び前記排気循環器のバルブ開度の目標値とを取得するステップと、
    前記吸気圧の目標値及び前記新気量の目標値と前記吸気圧の測定値及び前記新気量の測定値とから、前記可変ノズルターボのノズル開度の制御量及び前記排気循環器のバルブ開度の制御量を算出する制御量算出ステップと、
    前記可変ノズルターボのノズル開度の指令値が前記エンジンの新気量に作用する度合いに関する干渉成分と前記排気循環器のバルブ開度の指令値が前記エンジンの新気量に作用する度合いに関する直達成分とを含み、前記排気循環器のバルブ開度を補償するための前記第1の飽和補償量を算出するステップと、
    前記干渉成分と前記直達成分とを含み、前記可変ノズルターボのノズル開度を補償するための第2の飽和補償量を算出するステップと、
    前記可変ノズルターボのノズル開度の制御量及び前記排気循環器のバルブ開度の制御量と、前記可変ノズルターボのノズル開度の目標値及び前記排気循環器のバルブ開度の目標値と、前記第1の飽和補償量及び前記第2の飽和補償量とから、前記可変ノズルターボのノズル開度の指令値及び前記排気循環器のバルブ開度の指令値を算出する指令値算出ステップと、
    を含むエンジン制御方法。
  7. 排気循環器及び可変ノズルターボを有するエンジンに対する燃料噴射量の設定値と、エンジン回転数の設定値と、前記エンジンの吸気圧の測定値及び新気量の測定値とを取得するセンサ値取得部と、
    前記燃料噴射量の設定値及び前記エンジン回転数の設定値に対応する前記吸気圧の目標値及び前記新気量の目標値と、前記燃料噴射量の設定値及び前記エンジン回転数の設定値に対応する前記可変ノズルターボのノズル開度の目標値及び前記排気循環器のバルブ開度の目標値とを取得する目標値取得部と、
    前記吸気圧の目標値及び前記新気量の目標値と前記吸気圧の測定値及び前記新気量の測定値とから、前記可変ノズルターボのノズル開度の制御量及び前記排気循環器のバルブ開度の制御量を算出する制御量算出部と、
    前記排気循環器のバルブ開度の指令値が前記エンジンの吸気圧に作用する度合いに関する第1の干渉成分と前記排気循環器のバルブ開度の指令値が前記エンジンの新気量に作用する度合いに関する第1の直達成分とを含み、前記排気循環器のバルブ開度を補償するための第1の飽和補償量を算出し、前記可変ノズルターボのノズル開度の指令値が前記エンジンの新気量に作用する度合いに関する第2の干渉成分と前記可変ノズルターボのノズル開度の指令値が前記エンジンの吸気圧に作用する度合いに関する第2の直達成分とを含み、前記可変ノズルターボのノズル開度を補償するための第2の飽和補償量を算出する飽和補償量計算部と、
    前記可変ノズルターボのノズル開度の制御量及び前記排気循環器のバルブ開度の制御量と、前記可変ノズルターボのノズル開度の目標値及び前記排気循環器のバルブ開度の目標値と、前記第1の飽和補償量及び前記第2の飽和補償量とから、前記可変ノズルターボのノズル開度の指令値及び前記排気循環器のバルブ開度の指令値を算出する指令値生成部と、
    を有するエンジン制御装置。
  8. 排気循環器及び可変ノズルターボを有するエンジンに対する燃料噴射量の設定値と、エンジン回転数の設定値と、前記エンジンの吸気圧の測定値及び新気量の測定値とを取得するセンサ値取得部と、
    前記燃料噴射量の設定値及び前記エンジン回転数の設定値に対応する前記吸気圧の目標値及び前記新気量の目標値と、前記燃料噴射量の設定値及び前記エンジン回転数の設定値に対応する前記可変ノズルターボのノズル開度の目標値及び前記排気循環器のバルブ開度の目標値とを取得する目標値取得部と、
    前記吸気圧の目標値及び前記新気量の目標値と前記吸気圧の測定値及び前記新気量の測定値とから、前記可変ノズルターボのノズル開度の制御量及び前記排気循環器のバルブ開度の制御量を算出する制御量算出部と、
    前記排気循環器のバルブ開度の指令値が前記エンジンの吸気圧に作用する度合いに関する干渉成分と前記排気循環器のバルブ開度の指令値が前記エンジンの新気量に作用する度合いに関する直達成分とを含み、前記排気循環器のバルブ開度を補償するための第1の飽和補償量を算出し、前記干渉成分と前記直達成分とを含み、前記可変ノズルターボのノズル開度を補償するための第2の飽和補償量を算出する飽和補償量計算部と、
    前記可変ノズルターボのノズル開度の制御量及び前記排気循環器のバルブ開度の制御量と、前記可変ノズルターボのノズル開度の目標値及び前記排気循環器のバルブ開度の目標値と、前記第1の飽和補償量及び前記第2の飽和補償量とから、前記可変ノズルターボのノズル開度の指令値及び前記排気循環器のバルブ開度の指令値を算出する指令値生成部と、
    を有するエンジン制御装置。
  9. 排気循環器及び可変ノズルターボを有するエンジンに対する燃料噴射量の設定値と、エンジン回転数の設定値と、前記エンジンの吸気圧の測定値及び新気量の測定値とを取得するセンサ値取得部と、
    前記燃料噴射量の設定値及び前記エンジン回転数の設定値に対応する前記吸気圧の目標値及び前記新気量の目標値と、前記燃料噴射量の設定値及び前記エンジン回転数の設定値に対応する前記可変ノズルターボのノズル開度の目標値及び前記排気循環器のバルブ開度の目標値とを取得する目標値取得部と、
    前記吸気圧の目標値及び前記新気量の目標値と前記吸気圧の測定値及び前記新気量の測定値とから、前記可変ノズルターボのノズル開度の制御量及び前記排気循環器のバルブ開度の制御量を算出する制御量算出部と、
    前記可変ノズルターボのノズル開度の指令値が前記エンジンの新気量に作用する度合いに関する干渉成分と前記排気循環器のバルブ開度の指令値が前記エンジンの新気量に作用する度合いに関する直達成分とを含み、前記排気循環器のバルブ開度を補償するための前記第1の飽和補償量を算出し、前記干渉成分と前記直達成分とを含み、前記可変ノズルターボのノズル開度を補償するための第2の飽和補償量を算出する飽和補償量計算部と、
    前記可変ノズルターボのノズル開度の制御量及び前記排気循環器のバルブ開度の制御量と、前記可変ノズルターボのノズル開度の目標値及び前記排気循環器のバルブ開度の目標値と、前記第1の飽和補償量及び前記第2の飽和補償量とから、前記可変ノズルターボのノズル開度の指令値及び前記排気循環器のバルブ開度の指令値を算出する指令値生成部と、
    を有するエンジン制御装置。
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