JP5583382B2 - コンクリート部材 - Google Patents

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Description

本発明は、建物の基礎、梁、柱等を構成するコンクリート部材に関する。
建物の基礎、梁、柱等を構成するコンクリート部材における従来の付着補強は、主筋周囲に生じる放射状の応力によって鉄筋表面からコンクリートが離間してしまう割裂ひび割れに対して、主筋に付着補強筋を配することで、当該割裂ひび割れの進展を防ぎ、割裂ひび割れの終局状態たる付着割裂破壊の発生を可及的に抑制するというメカニズムになっている。
従って、該付着補強筋は、割裂ひび割れ幅を微小とする範囲で付着割裂破壊の抑制に寄与するため、該付着補強筋には降伏に至る大きな応力が発生する虞はなく、せん断耐力を確保するためにせん断補強に用いる鉄筋として高強度筋を採用する場合であっても、付着補強筋には通常強度の鋼材が用いられる。
かかる主筋の補強としては、特許文献1のように、上端主筋と下端主筋を閉鎖型のせん断補強筋によって補強する方法が知られている。
当該補強方法は、せん断補強と付着補強とを当該せん断補強筋により同時に行うことを想定しているものであるが、コンクリート部材としてせん断耐力が十分である一方、付着耐力が不足している場合には、当該特許文献1の構成を採用することができない。のみならず、この様に上端主筋および下端主筋を同一の補強筋で接続すると、当該上端主筋と下端主筋との間となる中央部に開口を設けることができず、配管施工場所を予め計画していた箇所のみに制限せざるを得ず、現場での柔軟な対応を困難とした。
かかる問題を解決すべく、特許文献2には、U字形またはコ字形の補強筋を主筋に跨がせ配置することで、せん断耐力を向上させることなく、付着耐力のみを補強することを可能としたコンクリート部材の補強方法が開示されている。
しかし、この補強方法では、U字形またはコ字形補強筋が主筋をまたぐ形で配置されるので、かぶり厚の不足或いはコンクリート部材の断面寸法の拡大を余儀なくされていた。また、当該補強方法の補強筋は、主筋に跨がせているだけで当該主筋に取り付けられているので、固定しづらく不安定なものとなり、コンクリート打設時に位置がずれたり、回転したりして外れやすいという欠点があった。
この問題を解決するために、溶接等により主筋とは別の鉄筋に該補強筋を梯子状に接合しておき、この部材を主筋の周辺に配置する方法があるが、さらにかぶり厚が減少することになると共に、鋼材量が増えコスト高になっていた。
上記問題を解決すべく、特許文献3には、溶接により組み立てられた主筋とせん断補強筋とからなる鉄筋ユニットに対して、主筋周りにスパイラル筋を巻きつけた状態で配置することで当該スパイラル筋に付着割裂破壊防止能付与させたコンクリート部材が開示されている。
しかしながら、特許文献3に開示のコンクリート部材であっても、以下の問題があった。
まず、梁上下端部周りまたは梁側面周りのかぶり部にスパイラル筋を配置するので、当該スパイラル筋のかぶり厚を充分に確保することができないか、かぶり厚を確保するために断面寸法を大きくする必要があり、所望の性能に対して過大設計となる虞があった。
また、工場で組み立てられた鉄筋ユニットにスパイラル筋を配置することは、施工効率があまりにも悪く、建設現場では到底対応できないという問題があった。また、スパイラル筋を予め主筋に取り付けておき、その後、せん断補強筋と主筋とを溶接により組み立てることとする場合であっても同様に作業性が悪く、組立て精度を確保することも困難となるという問題があった。
実開平4−114911号公報 特開2003−56119号公報 特開2005−83122号公報
本発明は、上記のような問題を解決するためになされたものであり、断面の大きさを適正なものとしつつ主筋の付着強度を向上させ、構造安全性と施工性を両立させたコンクリート部材を提供することを目的としている。
本発明によれば、一対の主筋がコンクリート部材の中心軸に対して対向配置され、該一対の主筋間に、主筋に対して略垂直にせん断補強筋が設けられ、且つ、該主筋とコンクリート部材表面との間に生じる割裂ひび割れ発生を抑制する付着補強筋が前記せん断補強筋の間に設けられているコンクリート部材が提供される。
該コンクリート部材は、前記付着補強筋は長尺状であり、前記付着補強筋は長尺状に形成され、一方の端部が、前記主筋の表面のうち、前記コンクリート部材の中心軸からみて反対側に位置する外表面側に回りこむことなく前記主筋の側表面又は他方の主筋に対向する内表面に接合されると共に、他方の端部がコンクリート部材の中心軸側へ延長されていることを特徴とする。
上記構成からなるコンクリート部材によれば、付着補強筋が一対の主筋間に向けて突出することとなり、主筋間よりも外方に位置するコンクリートかぶりを主筋に対するもの以上に増大させる必要は無く、これによって、一対の主筋間方向のコンクリート断面の厚さを抑制して所望の性能に対応した断面とすることができる。
ところで、鉄筋は、所定の曲率以下に曲げてしまうと、曲がり部の性能が大幅に低下して破断等してしまう虞があるため、当該所定の曲率以下で曲げることは通常行われておらず、これにより、付着補強筋を主筋に取り付ける場合にも、当該付着補強筋を主筋の表面にぴったりと沿わせて周回させることはできず、これによって付着補強筋と主筋との間には隙間ができ、当該隙間分だけコンクリート部材の断面の厚さを増大させてしまう問題がある。これに対し、本発明においては、付着補強筋は長尺状に形成され、一端部が主筋の外表面に沿って周回することなく当該主筋の側表面或いは内表面に接合されるため、一対の主筋間方向に直行する幅方向のコンクリート断面の厚さを抑制することができ、所望の断面性能に対応した断面設計を可能とする。
なお、主筋の軸に対して垂直な方向における主筋の断面において、主筋の表面を4等分した場合、他方の主筋に対向する面を内表面、該内表面と反対側に位置する面を外表面、当該内外表面の間に位置する表面を側表面とする。
また、本発明においては、従来の如くこれら一対の主筋を接続するせん断補強筋と異なり、鋼材量を削減することができる。
また、上記構成からなるコンクリート部材は、各主筋をそれぞれ独立して補強する構成であるので、現場での対応力が高い。また、当該付着補強筋は、工場で主筋及びせん断補強筋と共に溶接等により容易に組み立てられるので、鉄筋ユニットの製作が効率的であり、現場での配筋作業も困難でない。また、事前に組立てを行わず、現場で該補強筋を主筋に接合する場合でも、従来の如きスパイラル筋とは異なり、容易に設置することができ、組立ての精度も容易に確保でき施工性が高い。
また、上記コンクリート部材において、前記付着補強筋は、前記せん断補強筋と略同一面内に配置されていることが好ましい。このような構成により、コンクリート部材の幅方向にもコンクリートかぶりのかぶり厚を増大させる必要は無く、さらに適正な断面とすることができる。
また、上記コンクリート部材において、前記一方の主筋に接合された付着補強筋と他方の主筋との間、又は、前記一方の主筋に接合された付着補強筋と他方の主筋に接合された付着補強筋との間には、配管を設置可能な無筋部が設けられていることが好ましい。
上記構成によれば、一方の主筋のみに付着補強筋を設ける場合には、当該付着補強筋と他方の主筋の間を配筋施工からコンクリート打設施工に至るまで一貫して無筋部とすることができ、当該コンクリート部材を貫通して設けられる配管の位置を予め設定しておく必要がない。或いは、配管の位置を予め設定する場合でも現場の状況に応じて変更等する場合は適宜変更することができ、施工性の向上を図ることができる。
同様に、両方の主筋に付着補強筋をそれぞれ設ける場合であっても、当該付着補強筋間を無筋部とすることができ、当該配管の設置を付着補強筋に阻害される虞はない。さらには、上下主筋と接続するせん断補強筋と異なり、鋼材量を削減できる。
また、上記コンクリート部材において、前記主筋の中心軸側に、前記主筋と略平行になるように並設筋がさらに設けられ、かつ前記付着補強筋は、当該並設筋にも接合されていることが好ましい。
上記構成によれば、付着補強筋が並設筋にも接合されることとなり、主筋の軸方向への移動に対し抵抗力を発揮する。すなわち、当該付着補強筋の曲げ抵抗により主筋のコンクリートからの抜け出しが拘束されることとなり、付着補強効果を向上させることができる。
また、付着割裂の進展によりひび割れが生じると、放射状の応力により、主筋と周囲のコンクリート間に微小な間隙が生じ、主筋がかぶり厚の薄い方向への移動してしまうことが考えられるが、上記構成によれば、主筋に接合されている付着補強筋が並設筋にも接合されているため、付着補強筋を当該主筋のかぶり方向への移動に対する引張抵抗として機能させることができ、付着補強効果をさらに向上させることができるのである。
また、前記一方の主筋に接合された前記付着補強筋は、前記並設筋よりも他方の主筋側にさらに延長されていることが好ましい。このような上記構成によれば、付着補強筋の定着長さが確保され、充分な割裂防止能を発揮させることが可能となる。
また、かかる点に鑑みれば、前記付着補強筋には、長尺方向の軸心から径外方向に膨出する定着部が設けられていることも好ましい。
本発明によれば、断面の大きさを適正なものとしつつ主筋の付着強度を向上させ、構造安全性と施工性を両立させたコンクリート部材を提供することができる。
本実施形態に係るコンクリート部材の概略図である。 無筋部が設けられたコンクリート部材の概略図である。 並設筋が設けられコンクリート部材の概略図である。 付着補強筋の他の形態を示すコンクリート部材の概略図である。 付着補強筋の他の形態を示すコンクリート部材の概略図である。
1 主筋
2 せん断補強筋
3 付着補強筋
4 コンクリート部材
5 無筋部
6 並設筋
7 定着部
以下に、本発明に係るコンクリート部材を実施形態に基づいて説明するが、これらの実施形態は本発明の理解を助けるために記載するものであって、本発明を以下に記載されたものに限定する趣旨で無いことは自明である。
[実施形態1]
図1に示すように、本実施形態に係るコンクリート部材は、両端部を柱に支持される梁部材であって、一対の主筋1がコンクリート部材4の中心軸Xに対して対向配置され、該一対の主筋1間に、主筋1に対して略垂直にせん断補強筋2が設けられ、且つ、該主筋1とコンクリート部材4の表面との間に生じる割裂ひび割れ発生を抑制する付着補強筋3が前記せん断補強筋2の間に設けられているコンクリート部材4である。
該コンクリート部材は、前記付着補強筋3が長尺状に形成され、一方の端部が、前記主筋1の表面のうち、前記コンクリート部材4の中心軸Xからみて反対側に位置する外表面側に回りこむことなく前記主筋1の側表面又は他方の主筋1に対向する内表面に接合されると共に、他方の端部がコンクリート部材4の中心軸側Xへ延長されていることを特徴とする。
上記構成からなるコンクリート部材によれば、付着補強筋3が一対の主筋1間に向けて突出することとなり、主筋1間よりも外方に位置するコンクリートかぶりを主筋1に対するもの以上に増大させる必要は無く、これによって、一対の主筋1間方向のコンクリート断面の厚さを抑制して所望の性能に対応した断面とすることができる。
ここで、コンクリート部材4の中心軸Xとは、図1に示すように、コンクリート部材4の長手方向の中心を通る軸である。また、一対の主筋1が該中心軸Xに対して対向配置されるとは、図1のA断面図に示すように、一対の主筋1が中心軸を対称軸として対称的に配置されることを意味する。
主筋1、又は後述する並設筋6は、太径の鉄筋一本からなってもよいし、あるいは比較的細径の鉄筋を複数本束ねて形成されてもよい。
主筋1又は並設筋6の形状・材料は問わないが、一般的には、鉄筋であることが好ましい。しかし、例えば、FRPやアルミニウム等の、鉄以外の材料であってもよい。
せん断補強筋2は、それぞれの主筋1に溶接等により接合され、所定の間隔を空けて設けられることが好ましい。また、せん断補強筋2は、主筋1と同様の材料を用いてもよい。
また、付着補強筋3は、どちらか一方の主筋1に溶接等により接合され、例えば、図1等に示すように、せん断補強筋2の間に所定間隔で設けられることが好ましい。
付着補強筋3は、図1等に示すように長尺状であり、主筋1やせん断補強筋2等と同様の材料を用いてもよい。
また、前記付着補強筋3は、前記せん断補強筋2と略同一面内に配置されていてもよい。このような構成とした場合、コンクリート部材4の幅方向にもコンクリートかぶりのかぶり厚を増大させる必要は無く、さらに適正な断面とすることができる。
該付着補強筋3を設けることにより、次のような作用が生じ、主筋1とコンクリート部材4の表面間に生じる割裂ひび割れの発生を抑制することができる。
付着補強筋3の一方の端部は、例えば図1(A断面)に示すように、コンクリート部材4の中心軸Xからみて反対側に位置する主筋1の外表面側に回りこむことなく、主筋1の側表面に接合される。あるいは、付着補強筋3の一方の端部が、他方の主筋1に対向する内表面に接合されてもよい。この場合、付着補強筋3は、接合される主筋1と略同一面内に配置されることになる。
a)付着補強筋3によるダボ作用
付着補強筋3の曲げ抵抗により主筋1のコンクリート部材4からの抜け出しを拘束する作用。
b)付着補強筋3の引張力による主筋1面外変位の拘束
付着割裂の進展によりコンクリート部材4にひび割れが生じると、放射状の応力により、主筋1と周囲のコンクリート間に微小な間隙が生じ、主筋1にはかぶり厚の薄い方向への移動が生じる。このかぶり方向への移動に対して、付着補強筋3が引張抵抗によって抑制して付着補強効果を発揮する。
上記構成によれば、付着補強筋3が主筋1の軸方向に亘って複数本設けられていることにより、主筋1の軸方向への移動に対する抵抗力が発揮される。すなわち、当該付着補強筋3の曲げ抵抗により主筋1のコンクリートからの抜け出しが拘束されることとなり、付着補強効果が向上することとなるのである。
また、付着割裂の進展によりコンクリート部分4にひび割れが生じると、放射状の応力により、主筋1と周囲のコンクリート間に微小な間隙が生じ、主筋1がかぶり厚の薄い方向への移動してしまうことが考えられるが、上記構成によれば、主筋1に接合されている付着補強筋3が異型鉄筋であり、当該付着補強筋3自体がコンクリートに付着することでコンクリートと付着補強筋3との間に付着力を発揮するものとなっているので、当該付着力が主筋1のかぶり方向への移動に対する引張抵抗として機能し、これによって付着補強効果がさらに高まるものとなる。
また、上記コンクリート部材において、一方の主筋1に接合された付着補強筋3と他方の主筋1との間、又は、一方の主筋1に接合された付着補強筋3と他方の主筋1に接合された付着補強筋3との間には、配管を設置可能な無筋部5が設けられていることが好ましい。
図2は無筋部5を説明するための図である。図2では理解しやすいように無筋部5を円形で示してある。このように、補強筋が存在しない無筋部5が設けられているため、コンクリート部材4の中央部に開口を設けることができる。
これにより、一方の主筋1のみに付着補強筋3を設ける場合には、当該付着補強筋3と他方の主筋1の間を配筋施工からコンクリート打設施工に至るまで一貫して無筋部5とすることができ、当該コンクリート部材4を貫通して設けられる配管の位置を予め設定しておく必要がない。或いは、配管の位置を予め設定する場合でも現場の状況に応じて変更等する場合は適宜変更することができ、施工性の向上を図ることができる。同様に、両方の主筋1に付着補強筋3をそれぞれ設ける場合であっても、当該付着補強筋3間を無筋部5とすることができ、当該配管の設置を付着補強筋3に阻害される虞はない。さらには、上下主筋1と接続するせん断補強筋2と異なり、鋼材量を削減できる。
[実施形態2]
本実施形態に係るコンクリート部材は、図3に示すように、主筋1の中心軸側に、主筋1と略平行になるように並設筋6がさらに設けられ、かつ付着補強筋3は、当該並設筋6にも接合されていることを特徴とする。このような構成により、付着補強筋3が並設筋6にも接合されることとなり、主筋1の軸方向への移動に対し抵抗力を発揮する。すなわち、当該付着補強筋3の曲げ抵抗により主筋1のコンクリートからの抜け出しが拘束されることとなり、付着補強効果を向上させることができる。
なお、実施形態2においては、当該特徴以外は実施形態1と同様であるので説明を省略する。
並設筋6は主筋1と略平行に配置され、該並設筋6にも付着補強筋3の他方の端部が接合されることとなり、これによって主筋1の軸方向への移動に対し上記実施形態1よりも大きく抵抗力を発揮する。
また、主筋1に接合されている付着補強筋3が並設筋6にも接合されているため、付着補強筋3を当該主筋1のかぶり方向への移動に対する引張抵抗がより確実に発揮され、付着補強効果がさらに向上するものとなる。
また、図4に示すように、付着補強筋3は、主筋1あるいはせん断補強筋2に対して所定の角度を付けて配置してもよい。また、図4に示すように、主筋1又は並設筋6を挟むように、該補強筋同士を交差させて配置してもよい。
かかる構成においては、主筋1に作用する荷重との関係でせん断補強筋の向きを定めるのが好ましく、例えば、図4に示す主筋1に対しては矢印S1の方向にのみ荷重が作用しない場合には、付着補強筋3の並設筋6に接合される他方の端部を当該主筋1に接合される一方の端部よりも矢印S1方向に対し後方となる位置で並設筋6に接合し、これによって斜め配置とすることが好ましい。
矢印S1及び当該矢印S1と反対方向に荷重が作用する場合には、上述の如く交差状に2つの付着補強筋3を斜めに配置することが好ましい。
[実施形態3]
本実施形態に係るコンクリート部材は、図5に示すように、付着補強筋3に、長尺方向の軸心から径外方向に膨出する定着部7が設けられていてもよい。このような構成により、付着補強筋3の定着性が確保され、充分な割裂防止能を発揮させることが可能となる。
なお、実施形態3においては、当該特徴以外は実施形態1と同様であるので説明を省略する。
定着部7は、付着補強筋3に設けられた突出部であり、長尺状である付着補強筋3の長手方向に対して垂直な方向に突出した形状であることが好ましい。このような定着部7が設けられた付着補強筋3としては、例えば、図5の(a)に示すようなT字型の部材であってもよいし、図5の(b)のような十時型の部材であってもよい。
また、付着補強筋3に定着部7を有する場合は、図5の(b)の例のように、主筋1と並設筋6との間に配置しても良い。
なお、付着補強筋3は、付着補強筋の定着長さを確保するために、図5の(c)のように、前記並設筋よりも他方の主筋側にさらに延長されていてもよい。これにより、付着補強筋3の定着長さが確保され、充分な割裂防止能を発揮させることが可能となる。
主筋1等の材料としては、特に限定されないが、例えば、主筋としてD−19(SD−345)、せん断補強筋としてD−10(SD−390)、付着補強筋としてD−10(SD−295)の組み合わせが耐力とコストの面からして好ましい。
以上、実施形態を挙げて説明したように、本発明に係るコンクリート部材によれば、薄肉断面のコンクリート部材において、異形鉄筋を主筋に用いた際の付着割裂を抑制し、付着強度を向上させることで、構造安全性と施工性を両立させたコンクリート構造を提供することができる。
なお、上記実施形態においては、梁部材について説明したが、本発明に係るコンクリート部材は、基礎梁は言うまでもなく、地上の各床を支持する梁や柱等、他のコンクリート構造部材にも適用できる。

Claims (6)

  1. 一対の主筋がコンクリート部材の中心軸に対して対向配置され、該一対の主筋間に、主筋に対して略垂直にせん断補強筋が設けられ、且つ、該主筋とコンクリート部材表面との間に生じる割裂ひび割れの発生を抑制する付着補強筋が前記主筋の軸方向に沿って且つ前記せん断補強筋の間に複数本設けられているコンクリート部材であって、
    前記付着補強筋は長尺状に形成され、一方の端部が、前記主筋の表面のうち、前記コンクリート部材の中心軸からみて反対側に位置する外表面側に回りこむことなく前記主筋の側表面又は他方の主筋に対向する内表面に接合されると共に、他方の端部がコンクリート部材の中心軸側へ延長されていることを特徴とするコンクリート部材。
  2. 前記付着補強筋は、前記せん断補強筋と略同一面内に配置されていることを特徴とする請求項1に記載のコンクリート部材。
  3. 前記一方の主筋に接合された付着補強筋と他方の主筋との間、又は、前記一方の主筋に接合された付着補強筋と他方の主筋に接合された付着補強筋との間には、配管を設置可能な無筋部が設けられていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のコンクリート部材。
  4. 前記主筋の中心軸側に、前記主筋と略平行になるように並設筋がさらに設けられ、かつ前記付着補強筋は該並設筋にも接合されていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載のコンクリート部材。
  5. 前記一方の主筋に接合された前記付着補強筋は、前記並設筋よりも他方の主筋側にさらに延長されていることを特徴とする請求項4に記載のコンクリート部材。
  6. 前記付着補強筋には、長尺方向の軸心から径外方向に膨出する定着部が設けられていることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載のコンクリート部材。
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