JP3825710B2 - 鉄筋コンクリート基礎のダブル配筋構造 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、住宅建築等における鉄筋コンクリート基礎の配筋構造として用いるのに適した鉄筋コンクリート基礎のダブル配筋構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
住宅建築等に用いられる鉄筋コンクリート基礎のダブル配筋構造は、一般に、水平に配置したベース筋枠の上に、ダブル配筋された梁筋枠が配置された構成となっている。ダブル配筋された梁筋枠は、上下2本ずつ所定間隔で平行に配置した梁主筋を、その長手方向に沿って一定のピッチで矩形に折り曲げたループ状のあばら筋で取り囲み、各あばら筋を結束筋によって各梁主筋に連結した構成となっている。また、あばら筋の両端には鋭角に折り曲げたフックが形成されている。
【0003】
ここで、鉄筋コンクリート基礎の配筋作業の効率化を図るために、フックを付ける代わりに溶接であばら筋の上下端を梁主筋に結合することが考えられる。この場合においては、鉄筋の靭性を損なうことの無いように、鉄筋の溶接強度は鉄筋母材の規格降伏点強度の1/3から2/3程度となるようにしている。
【0004】
すなわち、鉄筋においては、溶接により焼きが入ると、その硬度は増すものの靭性が低下してしまい、伸び率が低下し脆弱になってしまう。鉄筋コンクリート構造では鉄筋により引っ張り力を負担させ、脆性破壊を防止しているので、鉄筋には十分な伸び率が要求される。かかる観点から、鉄筋の靭性を損なうことの無いように、溶接強度を低く抑えている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、従来の鉄筋コンクリートにおける配筋設計の基本的な考え方は、鉄筋とコンクリートとの付着強度を高めて双方を一体化し、作用荷重によって発生する圧縮力をコンクリートに負担させ、引張力を鉄筋に負担させるというものである。この考え方に立脚すれば、梁の配筋に溶接を使用することは、鉄筋の靭性が低下するので避ける必要がある。
【0006】
しかしながら、鉄筋の挙動、特に、あばら筋の応力分担状態、梁の継ぎ手部分における実際の応力状態等については、依然として不明な点が多い。本発明者らは、この点に鑑みて、梁筋とあばら筋の結合強度等を変えて、鉄筋コンクリート梁の載荷試験等を行なうことにより、新たな配筋設計の考え方を案出するに至った。
【0007】
本発明の課題は、かかる新たな配筋設計の考え方に基づき考え出された鉄筋コンクリート基礎のダブル配筋構造を提案することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するために、本発明の鉄筋コンクリート基礎のダブル配筋構造は、
水平に配置されたベース筋枠ユニットと、このベース筋枠ユニットに対して垂直に立ち上がる状態に連結されているダブル配筋の梁筋枠ユニットとを有し、
前記梁筋枠ユニットは、一定間隔で平行に配置された左右の梁筋枠と、これら左右の梁筋枠の上端部分の間に一定のピッチで架け渡した連結用鉄筋とを備えており、
各梁筋枠は、所定間隔で平行に延びる上下の梁主筋と、これらに対して所定のピッチで溶接されたあばら筋とを備えており、
前記梁主筋と前記あばら筋との溶接強度が、鉄筋母材の規格降伏点強度以上とされていることを特徴としている。
【0009】
この構成の鉄筋コンクリート基礎のダブル配筋構造では、梯子上に組まれた左右の梁筋枠の面内剛性が高いので、この剛性によって基礎梁に作用する引張力および圧縮力に耐える。梁主筋とあばら筋の溶接強度は、それらの母材の規格降伏点強度よりも高いので、鉄筋が降伏状態になる前に溶接部分が破断あるいは分離することはない。このために、コンクリートが圧縮破壊状態に至っても梁筋枠ユニットによって保持されるので、鉄筋コンクリート梁全体としての靭性を高め、その脆性破壊を防止できる。
【0010】
このように、本発明では、コンクリートと鉄筋の付着強度だけでなく、溶接により梯子状に組み立てた梁筋およびあばら筋からなる梁筋枠ユニットの剛性も考慮して配筋を行なうようにしているので、各鉄筋の定着長さを、従来より短くしても、全体として強度の高い、しかも安全性の高い鉄筋コンクリート基礎梁を実現できる。
【0011】
また、工場生産されたベース筋枠ユニットおよび左右の梁筋枠を建築現場に搬入して、ベース筋枠ユニットを設置し、その上に左右の梁筋枠を配置して、連結用鉄筋を左右の梁筋枠に結束するという簡単な作業により配筋を行うことができる。従って、従来のように、現場において4本の梁主筋にループ状のあばら筋を一定のピッチで取り付けて結束するという煩雑な配筋作業が不要になる。よって、配筋作業を簡単かつ迅速に行うことが可能になる。
【0012】
ここで、前記連結用鉄筋は、左右の梁筋枠における上側の梁主筋の間に延びている水平部分と、この水平部分の両端から下方に延びている左右のフック部分とを備えた形状のものとすることができる。
【0013】
また、一般的には、各梁筋枠における上下の梁主筋の外側に各あばら筋を溶接しておけばよい。
【0014】
次に、前記梁筋枠を長手方向に接続するための継ぎ手部分に使用する継ぎ手筋ユニットを、所定間隔で平行に延びる上下の継ぎ手筋と、これらの継ぎ手筋に所定ピッチで取り付けられた複数本のあばら筋とを有し、各あばら筋の上下の端部を、それぞれ、上下の継ぎ手筋に溶接した構成とし、各あばら筋と上下の継ぎ手筋の溶接強度を、鉄筋母材の規格降伏点強度以上とすることが望ましい。
【0015】
この構成の継ぎ手筋ユニットでは、従来の継ぎ手筋のような定着強度のみによって継ぎ手部分の強度を確保する代わりに、定着強度と、強固に溶接された継ぎ手筋ユニットの剛性とによって、梁主筋の継ぎ手部分の強度を確保することができる。よって、従来に比べて、鉄筋の定着長さを短くすることができる。
【0016】
ここで、本発明の継ぎ手筋ユニットでは、各あばら筋が、上下の継ぎ手筋に対して同一の側に溶接されていることが望ましい。また、上下の継ぎ手筋の間隔は、上下の継ぎ手筋が、継ぎ対象の上下の梁主筋の間に納まる寸法とされていることが望ましい。
【0017】
このようにすれば、梁主筋の占有幅内に継ぎ手筋を納めることができるので、継ぎ手部分に必要となる鉄筋幅を、梁主筋の外径寸法と、その両側に位置するあばら筋の外径寸法の合計とすることができる。よって、鉄筋コンクリート製の梁幅を狭くすることができる。
【0018】
次に、前記ベース筋枠ユニットを、左右のベース主筋と、これらの間に直交する状態で一定のピッチで架け渡した横筋とを備え、各横筋の両端部分を、それぞれ、左右のベース主筋に溶接した構成とすることができる。この場合においても、各横筋と左右のベース主筋の溶接強度を、鉄筋母材の規格降伏点強度以上とすることが望ましい。
【0019】
次に、前記梁主筋、継ぎ手筋あるいは左右のベース主筋(以下、主筋という。)に対して前記あばら筋あるいは横筋(以下、せん断補強筋という。)をスポット溶接により接合することができる。このスポット溶接では、
所定の溶接電流を所定の時間だけ通電して本溶接を行い、
所定の焼き戻し冷却時間を置き、
前記溶接電流の約60ないし80%の範囲内の焼き戻し電流を所定の時間だけ通電して焼き戻し溶接を行い、
前記主筋に対する前記せん断補強筋の溶接強度を、当該せん断補強筋の規格降伏点強度以上の値とすることが望ましい。また、前記焼き戻し電流を前記溶接電流の約70%の値とすることが望ましい。
【0020】
このように焼き戻しを行うと、溶接後においても梁主筋の伸びを規格基準値以上に保持可能なことが確認された。
【0021】
この場合、前記焼き戻し電流の通電時間を、前記溶接電流の通電時間と同一とすることが望ましい。
【0022】
また、スポット溶接としては、
所定の溶接電流を所定の時間だけ通電して本溶接を行い、
所定の焼き戻し冷却時間を置き、
前記本溶接における溶接電流と通電時間の積で規定される溶接エネルギーの約60ないし80%の範囲内の溶接エネルギーとなるように、焼き戻し電流およびその通電時間を決めて焼き戻し溶接を行ない、
前記主筋に対する前記せん断補強筋の溶接強度を、前記せん断補強筋の規格降伏点強度以上の値とすることもできる。
【0023】
この場合において、前記焼き戻し時における溶接エネルギーを、前記本溶接時における前記溶接エネルギーの約70%とすることが望ましい。
【0024】
このスポット溶接により、溶接後においても確実に主筋の伸びを規格基準値以上に保持できることが確認された。
【0025】
また、前記焼き戻し冷却時間を、前記溶接電流を通電する時間と同一とすることが望ましい。
【0026】
【発明の実施の形態】
以下に、図面を参照して、本発明を適用した鉄筋コンクリート基礎梁の配筋構造の一例を説明する。
【0027】
図1は、本例の鉄筋コンクリート基礎梁の配筋構造を示す説明図である。本例の配筋構造1は、水平に配置されたベース筋枠ユニット2と、ここから垂直に起立している梁筋枠ユニット4から構成されている。ベース筋枠ユニット2は、一定間隔で平行に配置された左右の主筋21、22と、これらの間に掛け渡した横筋23とを備え、横筋23は一定のピッチで主筋21、22に直交する状態に配置され、各横筋23の左右の端部が左右の主筋21、22にスポット溶接によって接合されている。
【0028】
梁筋枠ユニット4は、一定間隔で平行に配置された同一構造をした左右の梁筋枠5、6と、これらの梁筋枠5、6の間に架け渡した連結用鉄筋7とを備えている。梁筋枠5は、一定間隔で平行に配置された上下の梁主筋51、52と、これらの間に架け渡したあばら筋53から構成されており、あばら筋53は、一定のピッチで梁主筋51、52に直交する状態に配置され、各あばら筋53の上下の端部がスポット溶接によって上下の梁主筋51、52に接合されている。本例では、各あばら筋53は上下の梁主筋51、52に対して同一の側に接合されている。他方の梁筋枠6も同一構造であり、上下の梁主筋61、62と、あばら筋63から構成されている。これらの梁筋枠5、6は、あばら筋53、63が外側に位置する状態に配置されており、各梁筋枠5、6の下側の梁主筋52、62が、ベース筋枠ユニット2の各横筋23に対して結束筋8によって結束されている。
【0029】
連結用鉄筋7は、各梁筋枠5、6の上側の梁主筋51、61に架け渡した水平部分71と、この水平部分71の両端部分を下方向および内側に向けて折り曲げることにより形成したフック部分72、73とを備えた形状をしている。この連結用鉄筋7は、一定のピッチで、上側の梁主筋51、61に対して直交する状態に上側から取り付けられている。
【0030】
なお、本例の梁筋枠5、6は、上下の梁主筋の間に、梁主筋に平行となるように1本の腹筋54、64がスポット溶接されている。梁丈が低い場合には腹筋が省略されることもあり、また、梁丈が高い場合には2本以上の腹筋が配置される場合もある。
【0031】
このように構成されているベース筋枠ユニット2および左右の梁筋枠5、6は一般には工場生産されて、建築現場に搬入され、図に示す状態に組み立てられる。
【0032】
ここで、本例では、あばら筋と継ぎ手筋の溶接強度は、これらの鉄筋母材の規格降伏点強度以上の値とされている。従って、梁筋枠を面内剛性の高い配筋構造とすることができるので、現行の規準のように鉄筋の付着力のみに頼っていた場合に比べて、鉄筋コンクリート梁の強度を高めることができる。
【0033】
なお、連結用鉄筋7は図1(c)に示すように、一方のフック72が直角に折れ曲がり、他方のフック73が内側に鋭角で折れ曲がった形状となっているが、図1(d)に示すように、双方のフック72A、73Aが共に水平部分71Aの両端から直角に折れ曲がった形状の連結用鉄筋7Aを用いることもできる。また、鉄筋以外の連結用金具を用いることも可能である。
【0034】
次に、図2には、上記構成の梁筋枠5および6を繋ぐための継ぎ手筋ユニット3を示してある。図においては一方の梁筋枠5(5(1)、5(2))の継ぎ手部分を示してある。他方の梁筋枠6の場合も同様である。本例の継ぎ手筋ユニット3は、上下一対の継ぎ手筋31、32と、これらの間に一定のピッチで架け渡した複数本のあばら筋33とを備えている。図示の例では4本のあばら筋33が架け渡されている。各あばら筋33の上下の端部は、それぞれ継ぎ手筋31、32にスポット溶接されている。継ぎ手筋ユニット3も一般的には工場生産される。また、あばら筋と継ぎ手筋の溶接強度は、これらの鉄筋母材の規格降伏点強度以上の値とされている。このようにすると、継ぎ手筋ユニット3の面内剛性を高めることができ、継ぎ手部分に作用する力の一部を当該剛性によって負担させることができる。
【0035】
図2(b)、(c)から分かるように、各あばら筋33は、上下の継ぎ手筋31、32に対して同一の側に溶接されている。また、上下の継ぎ手筋31、32は、上下の梁主筋51、52の間に納まるように、それらの間隔が決定されている。
【0036】
この構造の継ぎ手筋ユニット3を用いて継ぎ手部分を構成する場合には、直線状に配列した梁筋枠5(1)および5(2)の継ぎ手位置9に長さ方向の中心が位置するように、継ぎ手筋ユニット3を側方から梁筋枠5(1)、5(2)に取り付ける。すなわち、継ぎ手筋ユニット3の中心3aに継ぎ手位置9が一致するように、梁筋枠5(1)、5(2)におけるあばら筋取り付け側とは反対側に取り付ける。また、梁筋枠5(1)、5(2)におけるあばら筋53が取り付けられていない側に、継ぎ手筋ユニット3のあばら筋33が取付けられていない側を重ね合わせる。
【0037】
この結果、図2(b)に示すように、上下の梁主筋51、52の間に上下の継ぎ手筋31、32が入り込み、各継ぎ手筋31、32は梁側のあばら筋53に当たった状態になる。この状態で、継ぎ手筋31、32を、それぞれ、上下の梁主筋51、52に結束線(図示せず)を用いて結束する。このようにして、図2(a)に示すI型継ぎ手構造が構成される。
【0038】
本例のI型継ぎ手構造では、面内剛性の高い継ぎ手筋ユニット3を梁筋枠5あるいは6の継ぎ手部分に重ね合わせて結束しているので、当該継ぎ手部分の剛性を高めることができる。この結果、継ぎ手部分に作用する引張り力は、継ぎ手筋31、32のコンクリートに対する付着力と、継ぎ手筋31、32に溶接されているあばら筋33による支圧力により分担される。
【0039】
従って、コンクリート付着力を介して鉄筋コンクリート梁に作用する引張力を継ぎ手筋に負担させていた従来の継ぎ手構造に比べて、付着力への依存度を低減できるので、必要とされる継ぎ手筋の長さL1を短くできる。
【0040】
また、本例では、図2(b)に示すように、上下の梁主筋51、52の幅内に継ぎ手筋31、32が納まっているので、継ぎ手部分において必要な梁幅Wは、梁主筋の直径と、左右のあばら筋の直径との合計寸法に、左右のコンクリート被り厚さを足した寸法でよい。従って、梁幅の増加を抑制できる。
【0041】
(あばら筋のスポット溶接方法)
次に、上記構成のベース筋枠ユニット2、梁筋枠5、6および継ぎ手筋ユニット3は工場生産されるものであるが、それらにおける主筋にせん断補強筋(横筋あるいはあばら筋)をスポット溶接する方法を説明する。図3は本例のスポット溶接の1工程分を示す説明図である。この図に示すように、スポット溶接工程自体は一般的なものと同一であり、予熱工程Aと、本溶接工程Bと、焼き戻し冷却工程Cと、焼き戻し溶接工程Dとを含んでいる。
【0042】
本例では、本溶接工程Bにおける溶接電流の通電時間s1と、冷却工程Cの冷却時間s2と、焼き戻し溶接工程Dの通電時間s3を同一時間としている。また、焼き戻し溶接工程Dの溶接電流を、本溶接工程Bの溶接電流の約70%の値としている。従って、溶接電流値と通電時間の積で規定されている溶接エネルギーは、本溶接時を100%とすると、焼き戻し溶接時は約70%になる。
【0043】
この溶接条件によりスポット溶接を行ったところ、溶接強度をあばら筋の規格降伏点強度以上にできると共に、主筋の引張強度および伸びを溶接前の規格基準値以上に保持できることが確認された。
【0044】
ここで、各主筋径およびせん断補強筋径の組み合わせに対する好適な溶接条件を次の表に示す。なお、本溶接時の加圧力は550kg以上とし、主筋のD−19、D−22はSD345を使用し、それ以外の鉄筋はSD295Aを使用した。この表の条件に従ってスポット溶接を行うことにより、溶接強度をせん断補強筋の規格降伏点強度以上にでき、主筋の引張強度および伸びを規格基準値以上に保持できることが確認された。
【0045】
【表2】
【0046】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の鉄筋コンクリート基礎の配筋構造においては、主筋あるいは継ぎ手筋に対して、横筋、あばら筋などのせん断補強筋を鉄筋母材の規格降伏点強度以上の溶接強度で溶接してある。よって、面内剛性の高い配筋とすることができるので、現行の規準のように鉄筋の付着力のみに頼っていた場合に比べて、鉄筋コンクリート梁の強度を高めることができる。また、継ぎ手部分の剛性および強度も高めることができる。
【0047】
さらに、本発明では、上下の継ぎ手筋における一方の側面にあばら筋を溶接し、上下の継ぎ手筋が継ぎ対象の上下の梁主筋の内側に納まるようにしてあるので、継ぎ手部分の梁幅を狭くすることができる。
【0048】
さらにまた、従来のようなフック付きのループ状のあばら筋を梁主筋に結束する作業が不要となるので、配筋作業が簡単になる。また、継ぎ手部分などの配筋構造を単純化できるので、継ぎ手部分などにおけるコンクリートの回りを良くすることが出来るなどの利点もある。
【0049】
次に、本発明における主筋とあばら筋などのせん断補強筋とのスポット溶接では、その焼き戻し溶接時における溶接電流あるいは溶接エネルギーを、本溶接時における溶接電流あるいは溶接エネルギーに対して60ないし80%、好ましくは約70%としている。
【0050】
このようにスポット溶接を行うと、主筋に対するせん断補強筋の溶接強度を、せん断補強筋の規格降伏点強度以上にしながらも、主筋の伸びを溶接前の規格基準値以上の値に保持できる。また、主筋の引張強度も溶接前の規格基準値以上の値に保持できる。よって、剛性および靭性のあるベース筋枠ユニット、梁筋枠および継ぎ手筋枠ユニットを製作できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)および(b)は本発明を適用した鉄筋コンクリート基礎の配筋構造の例を示す斜視図および立面図であり、(c)および(d)は連結用鉄筋を示す説明図である。
【図2】図1の梁筋枠の継ぎ手部分の構造を示す説明図である。
【図3】図1の配筋構造におけるスポット溶接方法の工程を示す説明図である。
【符号の説明】
1 配筋構造
2 ベース筋枠ユニット
21、22 主筋
23 横筋
3 継ぎ手筋ユニット
31、32 継ぎ手筋
33 あばら筋
4 梁筋枠ユニット
5、6 梁筋枠
51、52、61、62 梁主筋
53、63 あばら筋
7 連結用鉄筋
8 結束筋
9 継ぎ手位置
A 予熱工程
B 本溶接工程
C 冷却工程
D 焼き戻し溶接工程
Claims (15)
- 水平に配置されたベース筋枠ユニットと、このベース筋枠ユニットに対して垂直に立ち上がる状態に連結されているダブル配筋の梁筋枠ユニットとを有し、
前記梁筋枠ユニットは、一定間隔で平行に配置された左右の梁筋枠と、これら左右の梁筋枠の上端部分の間に一定のピッチで架け渡した連結用鉄筋とを備えており、
各梁筋枠は、所定間隔で平行に延びる上下の梁主筋と、これらに対して所定のピッチで溶接されたあばら筋とを備えており、
前記梁主筋と前記あばら筋との溶接強度が、鉄筋母材の規格降伏点強度以上とされていることを特徴とする鉄筋コンクリート基礎のダブル配筋構造。 - 請求項1において、
前記連結用鉄筋は、左右の梁筋枠における上側の梁主筋の間に延びている水平部分と、この水平部分の両端から下方に延びている左右のフック部分とを備えていることを特徴とする鉄筋コンクリート基礎のダブル配筋構造。 - 請求項2において、
各梁筋枠における上下の梁主筋の外側に各あばら筋が溶接されていることを特徴とする鉄筋コンクリート基礎のダブル配筋構造。 - 請求項3において、
前記梁筋枠を長手方向に接続するための継ぎ手部分に使用する継ぎ手筋ユニットを有しており、
この継ぎ手筋ユニットは、所定間隔で平行に延びる上下の継ぎ手筋と、これらの継ぎ手筋に所定ピッチで取り付けられた複数本のあばら筋とを有し、
各あばら筋の上下の端部は、それぞれ、上下の継ぎ手筋に溶接されており、各あばら筋と上下の継ぎ手筋の溶接強度は、鉄筋母材の規格降伏点強度以上であることを特徴とする鉄筋コンクリート基礎のダブル配筋構造。 - 請求項4において、
前記継ぎ手筋ユニットの各あばら筋は、上下の継ぎ手筋に対して同一の側に溶接されていることを特徴とする鉄筋コンクリート基礎のダブル配筋構造。 - 請求項5において、
上下の継ぎ手筋の間隔は、上下の継ぎ手筋が、継ぎ対象の上下の梁主筋の間に納まる寸法とされていることを特徴とする鉄筋コンクリート基礎のダブル配筋構造。 - 請求項6において、
前記梁筋枠における上下の主筋の間に、前記継ぎ手筋ユニットの上下の継ぎ手筋が入るように、梁筋枠の継ぎ手部分に当該継ぎ手筋ユニットが重ね合わされており、
各梁筋枠の上下の梁主筋に対して、前記継ぎ手筋ユニットの上下の継ぎ手筋がそれぞれ所定のピッチで結束されていることを特徴とする鉄筋コンクリート基礎のダブル配筋構造。 - 請求項1ないし7のうちのいずれかの項において、
前記ベース筋枠ユニットは、左右のベース主筋と、これらの間に直交する状態で一定のピッチで架け渡した横筋とを備えており、
各横筋の両端部分は、それぞれ、左右のベース主筋に溶接されており、各横筋と左右のベース主筋の溶接強度は、鉄筋母材の規格降伏点強度以上であることを特徴とする鉄筋コンクリート基礎のダブル配筋構造。 - 請求項1ないし8のうちのいずれかの項において、
前記梁主筋、継ぎ手筋、あるいはベース主筋(以下、主筋という。)に対して前記あばら筋あるいは横筋(以下、せん断補強筋という。)がスポット溶接されており、
このスポット溶接では、
所定の溶接電流を所定の時間だけ通電して本溶接を行い、
所定の焼き戻し冷却時間を置き、
前記溶接電流の約60ないし80%の範囲内の焼き戻し電流を所定の時間だけ通電して焼き戻し溶接を行い、
前記主筋に対する前記せん断補強筋の溶接強度を、当該せん断補強筋の規格降伏点強度以上の値としたことを特徴とする鉄筋コンクリート基礎のダブル配筋構造。 - 請求項9において、
前記焼き戻し電流を前記溶接電流の約70%の値としたことを特徴とする鉄筋コンクリート基礎のダブル配筋構造。 - 請求項9または10において、
前記焼き戻し電流を通電する時間を、前記溶接電流を通電する時間と同一としたことを特徴とする鉄筋コンクリート基礎のダブル配筋構造。 - 請求項1ないし8のうちのいずれかの項において、
前記梁主筋、継ぎ手筋あるいはベース主筋(以下、主筋という。)に対して前記あばら筋あるいは横筋(以下、せん断補強筋という。)がスポット溶接されており、
このスポット溶接では、
所定の溶接電流を所定の時間だけ通電して本溶接を行い、
所定の焼き戻し冷却時間を置き、
前記本溶接における溶接電流と通電時間の積で規定される溶接エネルギーの約60ないし80%の範囲内の溶接エネルギーとなるように、焼き戻し電流およびその通電時間を決めて焼き戻し溶接を行ない、
前記主筋に対する前記せん断補強筋の溶接強度を、前記せん断補強筋の規格降伏点強度以上の値とすることを特徴とする鉄筋コンクリート基礎のダブル配筋構造。 - 請求項12において、
前記焼き戻し時における溶接エネルギーを、前記本溶接時における前記溶接エネルギーの約70%としたことを特徴とする鉄筋コンクリート基礎のダブル配筋構造。 - 請求項9または12において、
前記焼き戻し冷却時間を、前記溶接電流を通電する時間と同一としたことを特徴とする鉄筋コンクリート基礎のダブル配筋構造。
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