JP5582260B2 - 高分子化合物、電荷輸送性ポリマー、有機電界発光素子用組成物、有機電界発光素子、有機el表示装置及び有機el照明 - Google Patents

高分子化合物、電荷輸送性ポリマー、有機電界発光素子用組成物、有機電界発光素子、有機el表示装置及び有機el照明 Download PDF

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Description

本発明は高分子化合物、とりわけ電荷輸送性ポリマーに関し、特に、有機電界発光素子の正孔注入層及び正孔輸送層として有用な電荷輸送性ポリマー、該電荷輸送性ポリマーを含有する有機電界発光素子用組成物、並びに、この有機電界発光素子を有する有機ELディスプレイ及び有機EL照明に関する。
有機電界発光素子における有機層の形成方法としては、真空蒸着法と湿式成膜法が挙げられる。真空蒸着法は積層化が容易であるため、陽極及び/又は陰極からの電荷注入の改善、励起子の発光層封じ込めが容易であるという利点を有する。一方で、湿式成膜法は真空プロセスが要らず、大面積化が容易で、様々な機能をもった複数の材料を混合した塗布液を用いることにより、容易に、様々な機能をもった複数の材料を含有する層を形成できる等の利点がある。
しかしながら、湿式成膜法は積層化が困難であるため、真空蒸着法による素子に比べて駆動安定性に劣り、一部を除いて実用レベルに至っていないのが現状である。
そこで、湿式成膜法による積層化を行うために、架橋性基を有する電荷輸送性ポリマーが所望され、またその開発が行われている。例えば、特許文献1〜4には、特定の電荷輸送性ポリマーを含有し、湿式成膜法によって、積層化された有機電界発光素子が開示されている。
しかしながら、これらの素子は、駆動電圧が高く、輝度が低く、駆動寿命が短いという問題点があった。
国際公開第2009/123269号 国際公開第2010/018813号 国際公開第2011/078387号 国際公開第2011/093428号
本発明は、正孔注入輸送能が高い高分子化合物、電荷輸送性ポリマーと、該電荷輸送性ポリマーを含む有機電界発光素子用組成物を提供することを課題とする。
また本発明は、駆動電圧が低く、輝度が低く、また駆動寿命が長い有機電界発光素子を提供することを課題とする。
本発明者らは、鋭意検討した結果、特定の位置に特定の架橋性基を有する電荷輸送性ポリマーを用いることで、上記課題を解決することを見出し、本発明を完成させた。
即ち、本発明は、以下に存する。
[1]炭素原子に結合する側鎖として、下記式(1)で表される基を有する、高分子化合物。
Figure 0005582260
(式(1)中のベンゾシクロブテン環は、置換基を有していてもよい。また、置換基同士が、互いに結合して環を形成してもよい。
Arは、置換基を有していてもよい芳香族炭化水素基又は置換基を有していてもよい芳香族複素環基を表し、
nは1〜6の整数を表す。
また、n個のArは、同じでもよく、また異なっていてもよい。)
[2] 式(1)で表される基が結合する炭素原子が、sp3混成軌道の中心となる炭素原子である[1]に記載の高分子化合物。
[3] 主鎖にsp3混成軌道の中心となる窒素原子を有する、[1]又は[2]に記載の高分子化合物。
[4] 部分構造としてフルオレン環由来の1価又は2価以上の基を含む、[1]〜[3]のいずれか一項に記載の高分子化合物。
[5] 重量平均分子量(Mw)が20,000以上であり、分散度(Mw/Mn)が2.5以下である(但し、Mnは数平均分子量を表す。)、[1]〜[4]のいずれか一項に記載の高分子化合物。
[6] 重量平均分子量(Mw)が60,000以上であり、分散度(Mw/Mn)が2.0以下である、[5]に記載の高分子化合物。
[7] 下記式(2)で表される繰り返し単位を含む、[1]〜[6]のいずれか一項に記載の高分子化合物。
Figure 0005582260
(式中、mは0〜3の整数を表し、
Ar11、及びAr12は、各々独立して、直接結合、置換基を有していてもよい芳香族炭化水素基又は置換基を有していてもよい芳香族複素環基を表し、
Ar13〜Ar15は、各々独立に、置換基を有していてもよい芳香族炭化水素基又は置換基を有していてもよい芳香族複素環基を表す。
m個のAr14同士及びAr15同士は、各々、同じでもよく、異なっていてもよい。
但し、Ar11及びAr12が同時に、直接結合であることはない。)
[8] 下記式(3)で表される繰り返し単位を含む、[1]〜[7]のいずれか一項に記載の高分子化合物。
Figure 0005582260
(式中、pは1〜6の整数を表し、qは0〜3の整数を表し、
Ar21及びAr22は、各々独立して、直接結合、置換基を有していてもよい芳香族炭化水素基又は置換基を有していてもよい芳香族複素環基を表し、
Ar23〜Ar27は、各々独立に、置換基を有していてもよい芳香族炭化水素基又は置換基を有していてもよい芳香族複素環基を表す。
は、水素原子、置換基を有していてもよい炭素数1〜24のアルキル基、置換基を有していてもよい炭素数1〜24のアルコキシ基、置換基を有してもよい芳香族炭化水素基又は置換基を有してもよい芳香族複素環基を表す。
また、p個のAr27は、同じでもよく、また異なっていてもよい。
q個のAr24同士及びAr25同士は、各々、同じでもよく、異なっていてもよい。
但し、Ar21及びAr22が同時に、直接結合であることはない。)
[9] 前記式(1)で表される基を、分子量1,000あたり0.01個以上、3個以下有する、[1]〜[8]のいずれか一項に記載の高分子化合物。
[10] [1]〜[9]のいずれか一項に記載の高分子化合物が、電荷輸送性を有するものである電荷輸送性ポリマー。
[11] [10]に記載の電荷輸送性ポリマーを含有する、有機電界発光素子用組成物。
[12] 基板上に、陽極、陰極、及び該陽極と該陰極の間に有機層を有する有機電界発光素子であって、
該有機層が、[11]に記載の有機電界発光素子用組成物を用いて、湿式成膜法で形成された層を含む、有機電界発光素子。
[13] 前記湿式成膜法で形成された層が、正孔注入層及び正孔輸送層のうちの少なくとも1つである、[12]に記載の有機電界発光素子。
[14] 陽極と陰極の間に正孔注入層、正孔輸送層及び発光層を含み、前記正孔注入層、正孔輸送層及び発光層は、全て湿式成膜法により形成されたものである、[12]又は[13]に記載の有機電界発光素子。
[15] [12]〜[14]のいずれか一項に記載の有機電界発光素子を有する有機EL表示装置。
[16] [12]〜[14]のいずれか一項に記載の有機電界発光素子を有する有機EL照明。
本発明の高分子化合物は、架橋基がトラップの要因となることがなく、正孔輸送能が高く、有機溶剤に対する溶解性に優れ、成膜性及び電気化学的安定性に優れ、少ない量の架橋基によって有機溶剤に対して難溶とすることができ、また、架橋反応を行う際に架橋反応開始剤を必要としない。
また、本発明の高分子化合物を電荷輸送性ポリマーとして使用し、前記ポリマーを含有する有機電界発光素子用組成物を用いて湿式成膜後、電荷輸送性ポリマーを架橋して得られる層(架橋層)は、有機溶剤に対して難溶であり、クラックなどが生じることがなく、平坦な層が得られる。
本発明における架橋層を有する有機電界発光素子によれば、駆動電圧が低く、駆動寿命が長い。
また、本発明の高分子化合物は、電気化学的安定性に優れる為、前記高分子化合物を用いて形成された層を含む素子は、フラットパネル・ディスプレイ(例えばOAコンピュータ用や壁掛けテレビ)、車載表示素子、携帯電話表示や面発光体としての特徴を生かした光源(例えば、複写機の光源、液晶ディスプレイや計器類のバックライト光源)、表示板、標識灯への応用が考えられ、その技術的価値は大きいものである。
以下に本発明の実施の形態を詳細に説明するが、以下に記載する構成要件の説明は、本発明の実施態様の一例(代表例)であり、本発明はその要旨を超えない限り、これらの内容に特定されない。
本発明の高分子化合物は、電荷輸送性ポリマーとして使用することが好適である。以下、電荷輸送性ポリマー及び前記ポリマーを使用した有機電界発光素子としての実施態様を詳細に説明する。
<電荷輸送性ポリマー>
本発明の電荷輸送性ポリマーは、炭素原子に結合する側鎖として、下記式(1)で表される基を有することを特徴とする、電荷輸送性ポリマーである。
Figure 0005582260
(式(1)中のベンゾシクロブテン環は、置換基を有していてもよい。また、置換基同士が、互いに結合して環を形成してもよい。Arは、置換基を有していてもよい芳香族炭化水素基又は置換基を有していてもよい芳香族複素環基を表し、nは1以上、6以下の整数を表す。また、n個のArは、同じでもよく、また異なっていてもよい。)
本発明の電荷輸送性ポリマーは、主鎖中の炭素原子に、1〜6個の芳香族炭化水素基又は芳香族複素環基を介して、ベンゾシクロブテン環が存在する。
本発明の電荷輸送性ポリマーは、主鎖と架橋基との間に、1〜6個の芳香族炭化水素基又は芳香族複素環基を介することから、主鎖同士が適度に離れており、凝集などが起こらず、更に、架橋した主鎖間での電荷移動も促進される。また、主鎖と架橋基との間が剛直な構造であることから、耐熱性にも優れる。
本発明の電荷輸送性ポリマーは、主鎖に存在するsp混成軌道の中心となる炭素原子に、1〜6個の芳香族炭化水素基又は芳香族複素環基を介して、ベンゾシクロブテン環が存在することが好ましい。
sp混成軌道の中心となる炭素原子は、π共役系に関与しないため、sp混成軌道の中心となる炭素原子に結合する側鎖である架橋基は電荷輸送の妨げとなりにくくいため、電荷輸送性ポリマー及び電荷輸送性ポリマーを架橋して得られる網目状ポリマーは電荷輸送性がより向上する。
さらに、ポリマーの主鎖に存在するsp混成軌道の中心である原子は、sp混成軌道の中心である原子に比べ、周りの結合の回転が起こりやすいため、電荷輸送性ポリマーにおける架橋基は効率よく反応するため、架橋基の数が少なくても、又は、架橋反応の条件が穏和であっても有機溶剤に対して難溶とすることができる。
[1.式(1)で表される基について]
式(1)中のベンゾシクロブテン環が、Ar以外に有していてもよい置換基としては、後述の[置換基群Z]の項に記載のものが挙げられる。また、置換基による立体障害や、置換基の電子的効果による架橋反応時の影響が小さい点で、式(1)中のベンゾシクロブテン環は、Ar以外に置換基を有さないことが好ましい。
[1−1.Arについて]
Arは、置換基を有していてもよい芳香族炭化水素基、置換基を有していてもよい芳香族複素環基を表す。
芳香族炭化水素基としては、例えば、ベンゼン環、ナフタレン環、アントラセン環、フェナントレン環、ペリレン環、テトラセン環、ピレン環、ベンズピレン環、クリセン環、トリフェニレン環、アセナフテン環、フルオランテン環、フルオレン環などの、6員環の単環又は2〜5縮合環の1価以上の基が挙げられる。
芳香族複素環基としては、例えば、フラン環、ベンゾフラン環、チオフェン環、ベンゾチオフェン環、ピロール環、ピラゾール環、イミダゾール環、オキサジアゾール環、インドール環、カルバゾール環、ピロロイミダゾール環、ピロロピラゾール環、ピロロピロール環、チエノピロール環、チエノチオフェン環、フロピロール環、フロフラン環、チエノフラン環、ベンゾイソオキサゾール環、ベンゾイソチアゾール環、ベンゾイミダゾール環、ピリジン環、ピラジン環、ピリダジン環、ピリミジン環、トリアジン環、キノリン環、イソキノリン環、シノリン環、キノキサリン環、フェナントリジン環、ベンゾイミダゾール環、ペリミジン環、キナゾリン環、キナゾリノン環、アズレン環などの、5又は6員環の単環又は2〜4縮合環の1価以上の基が挙げられる。
電荷輸送性が優れる点、耐久性に優れる点から、Arは、ベンゼン環、ナフタレン環、アントラセン環、フェナントレン環、からなる群より選ばれる環由来の基が好ましく、ベンゼン環由来の基、すなわち、フェニレン基であることが最も好ましい。
芳香族炭化水素基、芳香族複素基が有してもよい置換基としては、特に制限はないが、例えば、下記置換基群Zから選ばれる基が挙げられ、アルキル基、アルコキシ基、芳香族炭化水素基、芳香族複素環基が好ましい。
電荷輸送性が優れる点、耐久性に優れる点から、Arは、置換基を含めて、その炭素数が、通常3以上、好ましくは5以上、さらに好ましくは6以上であり、通常36以下、好ましくは24以下、さらに好ましくは12以下である。
[置換基群Z]
例えばメチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、i−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、n−ヘキシル基、シクロヘキシル基、ドデシル基などの、炭素数が通常1以上であり、通常24以下、好ましくは12以下である、直鎖、分岐、又は環状のアルキル基;
例えばビニル基等の、炭素数が通常2以上であり、通常24以下、好ましくは12以下であるアルケニル基;
例えばエチニル基等の、炭素数が通常2以上であり、通常24以下、好ましくは12以下であるアルキニル基;
例えばメトキシ基、エトキシ基等の、炭素数が通常1以上であり、通常24以下、好ましくは12以下であるアルコキシ基;
例えばフェノキシ基、ナフトキシ基、ピリジルオキシ基等の、炭素数が通常4以上、好ましくは5以上であり、通常36以下、好ましくは24以下であるアリールオキシ基;
例えばメトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基等の、炭素数が通常2以上であり、通常24以下、好ましくは12以下であるアルコキシカルボニル基;
例えばジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基等の、炭素数が通常2以上であり、通常24以下、好ましくは12以下であるジアルキルアミノ基;
例えばジフェニルアミノ基、ジトリルアミノ基、N−カルバゾリル基等の、炭素数が通常10以上、好ましくは12以上であり、通常36以下、好ましくは24以下のジアリールアミノ基;
例えばフェニルメチルアミノ基等の、炭素数が通常7以上であり、通常36以下、好ましくは24以下であるアリールアルキルアミノ基;
例えばアセチル基、ベンゾイル基等の、炭素数が通常2以上であり、通常24以下、好ましくは12以下であるアシル基;
例えばフッ素原子、塩素原子等のハロゲン原子;
例えばトリフルオロメチル基等の、炭素数が通常1以上であり、通常12以下、好ましくは6以下のハロアルキル基;
例えばメチルチオ基、エチルチオ基等の、炭素数が通常1以上であり、通常24以下、好ましくは12以下のアルキルチオ基;
例えばフェニルチオ基、ナフチルチオ基、ピリジルチオ基等の、炭素数が通常4以上、好ましくは5以上であり、通常36以下、好ましくは24以下であるアリールチオ基;
例えばトリメチルシリル基、トリフェニルシリル基等の、炭素数が通常2以上、好ましくは3以上であり、通常36以下、好ましくは24以下であるシリル基;
例えばトリメチルシロキシ基、トリフェニルシロキシ基等の、炭素数が通常2以上、好ましくは3以上であり、通常36以下、好ましくは24以下であるシロキシ基;
シアノ基;
例えばフェニル基、ナフチル基等の、炭素数が通常6以上であり、通常36以下、好ましくは24以下である芳香族炭化水素基;
例えばチエニル基、ピリジル基等の、炭素数が通常3以上、好ましくは4以上であり、通常36以下、好ましくは24以下である芳香族複素環基。
これらの置換基の中でも、溶解性の点から、炭素数1〜12のアルキル基及び炭素数1〜12のアルコキシ基が好ましい。
また、上記各置換基がさらに置換基を有していてもよく、その例としては置換基群Zの項に例示した基から選択される。
[1−2.nについて]
nは1以上、6以下の整数を表す。架橋反応が進行しやすい点、架橋反応後に主鎖が凝集したり、離れすぎたりすることがなく電荷輸送性に優れる点で、nは1以上、3以下の整数であることが好ましい。また、n個のArは、同じでもよく、また異なっていてもよい。
[2.好ましい部分構造]
本発明の電荷輸送性ポリマーは、電荷輸送性に優れる点で主鎖にアミン構造を有すること、すなわち、主鎖にsp混成軌道の中心となる窒素原子を有することが好ましい。
また、本発明の電荷輸送性ポリマーは、電荷輸送性に優れる点に加え、架橋反応前の溶解性に優れる点で、部分構造としてフルオレン環由来の1価又は2価以上の基を含むことが、好ましい。
[3.好ましい分子量分布]
本発明の電荷輸送性ポリマーは、電荷輸送性に優れる点、架橋反応後に有機溶剤に対して難溶となり易い点から、重量平均分子量(Mw)が20,000以上であることが好ましく、60,000以上であることがさらに好ましい。
本発明の電荷輸送性ポリマーは、電荷輸送性に優れる点、架橋反応後に有機溶剤に対して難溶となり易い点から、分散度(Mw/Mn)が2.5以下であることが好ましく、2.0以下であることがさらに好ましい。
この重量平均分子量(Mw)及び分散度(Mw/Mn)は、SEC(サイズ排除クロマトグラフィー)測定により決定される。SEC測定では高分子量成分ほど溶出時間が短く、低分子量成分ほど溶出時間が長くなるが、分子量既知のポリスチレン(標準試料)の溶出時間から算出した校正曲線を用いて、サンプルの溶出時間を分子量に換算することによって、重量平均分子量が算出される。
[4.式(2)で表される繰り返し単位]
本発明の電荷輸送性ポリマーは、電荷輸送性に優れる点、電気的耐久性に優れる点から、下記式(2)で表される繰り返し単位を含むことが好ましい。
Figure 0005582260
(式中、mは0以上、3以下の整数を表し、
Ar11、及びAr12は、各々独立して、直接結合、置換基を有していてもよい芳香族炭化水素基又は置換基を有していてもよい芳香族複素環基を表し、Ar13〜Ar15は、各々独立に、置換基を有していてもよい芳香族炭化水素基又は置換基を有していてもよい芳香族複素環基を表す。m個のAr14同士及びAr15同士は、各々、同じでもよく、異なっていてもよい。但し、Ar11及びAr12が同時に、直接結合であることはない。)
[4−1.Ar11〜Ar15について]
式(2)中、Ar11及びAr12は、各々独立して、直接結合、置換基を有していてもよい芳香族炭化水素基、又は置換基を有していてもよい芳香族複素環基を表し、Ar13〜Ar15は、各々独立に、置換基を有していてもよい芳香族炭化水素基又は置換基を有していてもよい芳香族複素環基を表す。
置換基を有していてもよい芳香族炭化水素基としては、例えば、ベンゼン環、ナフタレン環、アントラセン環、フェナントレン環、ペリレン環、テトラセン環、ピレン環、ベンズピレン環、クリセン環、トリフェニレン環、アセナフテン環、フルオランテン環、フルオレン環などの、6員環の単環又は2〜5縮合環由来の基が挙げられる。
置換基を有していてもよい芳香族複素環基としては、例えばフラン環、ベンゾフラン環、チオフェン環、ベンゾチオフェン環、ピロール環、ピラゾール環、イミダゾール環、オキサジアゾール環、インドール環、カルバゾール環、ピロロイミダゾール環、ピロロピラゾール環、ピロロピロール環、チエノピロール環、チエノチオフェン環、フロピロール環、フロフラン環、チエノフラン環、ベンゾイソオキサゾール環、ベンゾイソチアゾール環、ベンゾイミダゾール環、ピリジン環、ピラジン環、ピリダジン環、ピリミジン環、トリアジン環、キノリン環、イソキノリン環、シノリン環、キノキサリン環、フェナントリジン環、ベンゾイミダゾール環、ペリミジン環、キナゾリン環、キナゾリノン環、アズレン環などの、5又は6員環の単環又は2〜4縮合環由来の基が挙げられる。
溶剤に対する溶解性及び耐熱性の点から、Ar11〜Ar15は、各々独立に、ベンゼン環、ナフタレン環、アントラセン環、フェナントレン環、トリフェニレン環、ピレン環、チオフェン環、ピリジン環、フルオレン環からなる群より選ばれる環由来の基が好ましい。
また、Ar11〜Ar15としては、前記群から選ばれる1種又は2種以上の環を直接結合により連結した基も好ましく、ビフェニル基、ビフェニレン基及びターフェニル基、ターフェニレン基がさらに好ましい。
前記置換基を有していてもよい芳香族炭化水素基及び置換基を有していてもよい芳香族複素環基が有していてもよい置換基としては、前述の[置換基群Z]に記載の基が挙げられる。
電荷輸送性に優れる点から、Ar11〜Ar15は、置換基を含めて、その炭素数は、通常3以上、好ましくは5以上、さらに好ましくは6以上であり、通常72以下、好ましくは48以下、さらに好ましくは25以下である。
[4−2.mについて]
式(2)におけるmは、0以上、3以下の整数を表す。
架橋性ポリマーの、有機溶剤に対する溶解性及び成膜性が高められる点で、mは0であることが好ましい。また、ポリマーの正孔輸送能が向上する点で、mは1以上、3以下であることが好ましい。
なお、mが2以上である場合、前記式(2)で表される繰り返し単位は、2個以上のAr14及びAr15を有することになる。その場合、Ar14同士及びAr15同士は、各々、同じでもよく、異なっていてもよい。さらに、Ar14同士、Ar15同士は、各々互いに直接又は連結基を介して結合して環状構造を形成していてもよい。
[5.式(3)で表される繰り返し単位]
本発明の電荷輸送性ポリマーは、電荷輸送性に優れる点、電気的耐久性に優れる点から、下記式(3)で表される繰り返し単位を含むことが好ましい。
Figure 0005582260
(式中、pは1以上、6以下の整数を表し、qは0以上、3以下の整数を表し、
Ar21及びAr22は、各々独立して、直接結合、置換基を有していてもよい芳香族炭化水素基又は置換基を有していてもよい芳香族複素環基を表し、
Ar23〜Ar27は、各々独立に、置換基を有していてもよい芳香族炭化水素基又は置換基を有していてもよい芳香族複素環基を表す。
は、水素原子、置換基を有していてもよい炭素数1〜24のアルキル基、置換基を有していてもよい炭素数1〜24のアルコキシ基、置換基を有してもよい芳香族炭化水素基又は置換基を有してもよい芳香族複素環基を表す。
p個のAr27は、同じでもよく、また異なっていてもよい。q個のAr24同士及びAr25同士は、各々、同じでもよく、異なっていてもよい。但し、Ar21及びAr22が同時に、直接結合であることはない。)
[5−1.Ar21〜Ar26、qについて]
式(3)中、Ar21、Ar22は、各々独立して、直接結合、置換基を有していてもよい芳香族炭化水素基、又は置換基を有していてもよい芳香族複素環基を表し、Ar21及びAr22が同時に、直接結合であることはない。
Ar23〜Ar26は、各々独立に、置換基を有していてもよい芳香族炭化水素基又は置換基を有していてもよい芳香族複素環基を表す。
Ar21〜Ar26の具体例、好ましい例は、前述の、Ar11〜Ar15と同様である。
式(3)におけるqは、0以上、3以下の整数を表す。架橋性ポリマーの、有機溶剤に対する溶解性及び成膜性が高められる点で、qは0であることが好ましい。また、ポリマーの正孔輸送能が向上する点で、qは1以上、3以下であることが好ましい。
なお、qが2以上である場合、前記式(3)で表される繰り返し単位は、2個以上のAr24及びAr25を有することになる。その場合、Ar24同士及びAr25同士は、各々、同じでもよく、異なっていてもよい。さらに、Ar24同士、Ar25同士は、各々互いに直接又は連結基を介して結合して環状構造を形成していてもよい。
[5−2.Ar27、pについて]
式(3)における(Ar27)pは、sp混成軌道の中心となる炭素原子とベンゾシクロブテン環に結合する基であり、式(1)における(Arである。Ar27は、置換基を有していてもよい芳香族炭化水素基又は置換基を有していてもよい芳香族複素環基を表し、pは0以上、6以下の整数を表す。また、p個のAr27は、同じでもよく、また異なっていてもよい。Ar27の具体例、好ましい例は、前述の、Arと同様である。
[5−3.Rについて]
は、水素原子、置換基を有していてもよい炭素数1〜24のアルキル基、置換基を有していてもよい炭素数1〜24のアルコキシ基、置換基を有してもよい芳香族炭化水素基又は置換基を有してもよい芳香族複素環基を表す。中でも、電荷輸送性に優れる点から、架橋反応前の溶解性が高い点から、アルキル基が好ましい。
アルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、i−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、n−ヘキシル基、シクロヘキシル基、ドデシル基などの、炭素数が通常1以上であり、通常24以下、好ましくは12以下である基が好ましく、アルコキシ基としてはメトキシ基、エトキシ基等の、炭素数が通常1以上であり、通常24以下、好ましくは12以下である基が好ましい。有してもよい置換基としては、前述の置換基群Zから選ばれる基が挙げられ、アルキル基、アルコキシ基、芳香族炭化水素基、芳香族複素環基が好ましい。
置換基を有してもよい芳香族炭化水素基、置換基を有してもよい芳香族複素環基である場合の具体例、好ましい例は、前述のAr11〜Ar15について記載したものと同様である。
[6.式(1)で表される基の数]
本発明においては、本発明の電荷輸送性ポリマーが有する式(1)で表される基の数を、分子量1000あたりの数で表す。ここで、電荷輸送性ポリマーの分子量1000あたりの式(1)で表される基の数は、電荷輸送性ポリマーからその末端基を除いて、合成時の仕込みモノマーのモル比と、構造式から算出することができる。
例えば、後述の実施例1で用いた電荷輸送性ポリマー(H1)の場合で説明する。電荷輸送性ポリマー(H1)において、末端基を除いた分子量は589.94であり、また式(1)で表される基の数は、1分子当たり平均0.05個である。これを単純比例により計算すると、分子量1000あたりの式(1)で表される基の数は、0.085個と算出される。本発明の電荷輸送性ポリマーが有する式(1)で表される基の数は、分子量1000あたり、通常3.0個以下、好ましくは2.0個以下、さらに好ましくは1.0個以下、また通常0.01個以上、好ましくは0.05個以上である。
この上限値を上回ると、クラックによって平坦な膜が得られなかったり、また、架橋密度が大きくなりすぎて、架橋層中に未反応の式(1)で表される基が増えて、得られる素子の寿命に影響を及ぼしたりするおそれがある。一方、この下限値を下回ると、架橋層の不溶化が不十分となり、湿式成膜法で多層積層構造が形成できないおそれがある。
Figure 0005582260
[7.具体例について]
以下、本発明の電荷輸送性ポリマーの繰り返し単位の好ましい例を示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。
Figure 0005582260
Figure 0005582260
<合成方法>
本発明の電荷輸送性ポリマーは、目的とする化合物の構造に応じて原料を選択し、公知の手法を用いて合成することができる。
式(1)で表される基を有するモノマーの合成方法としては、公知のカップリング手法が適用可能である。例えば、下記式のようにSuzuki反応によって合成される。
Figure 0005582260
(式中、Gは、ポリマー化の際に反応をする基を表し、BRはボロン酸基又はボロン酸エステル基を表す。Rは、水素原子、置換基を有していてもよい炭素数1〜24のアルキル基、置換基を有していてもよい炭素数1〜24のアルコキシ基、置換基を有してもよい芳香族炭化水素基又は置換基を有してもよい芳香族複素環基を表す。Arは、置換基を有していてもよい芳香族炭化水素基又は置換基を有していてもよい芳香族複素環基を表し、nは1〜6の整数を表す。また、n個のArは、同じでもよく、また異なっていてもよい。)
本発明のポリマーの製造方法は特には制限されず、本発明のポリマーが得られる限り任意である。例えば、Suzuki反応による重合方法、Grignard反応による重合方法、Yamamoto反応による重合方法、Ullmann反応による重合方法、Buchwald−Hartwig反応による重合方法等などによって製造できる。
Ullmann反応による重合方法及びBuchwald−Hartwig反応による重合方法の場合、例えば、式(1a)及び(2a)で表されるジハロゲン化アリール(XはI、Br、Cl、F等のハロゲン原子を表す。)と式(3a)で表される1級アミノアリール又は2級ジアミノアリールとを反応させることにより、本発明のポリマーが合成される。
Figure 0005582260
(上記式中、Xはハロゲン原子を表す。mは0〜3の整数を表し、pは1〜6の整数を表す。Ar11は、直接結合、置換基を有していてもよい芳香族炭化水素基又は置換基を有していてもよい芳香族複素環基を表し、Ar13〜Ar15は、各々独立に、置換基を有していてもよい芳香族炭化水素基又は置換基を有していてもよい芳香族複素環基を表す。Ar21は、直接結合、置換基を有していてもよい芳香族炭化水素基又は置換基を有していてもよい芳香族複素環基を表し、Ar26及びAr27は、各々独立に、置換基を有していてもよい芳香族炭化水素基又は置換基を有していてもよい芳香族複素環基を表す。Rは、水素原子、置換基を有していてもよい炭素数1〜24のアルキル基、置換基を有していてもよい炭素数1〜24のアルコキシ基、置換基を有してもよい芳香族炭化水素基又は置換基を有してもよい芳香族複素環基を表す。また、p個のAr27は、同じでもよく、また異なっていてもよい。m個のAr14同士及びAr15同士は、各々、同じでもよく、異なっていてもよい。)
なお前記の重合方法において、通常、N−アリール結合を形成する反応は、例えば炭酸カリウム、tert−ブトキシナトリウム、トリエチルアミン等の塩基存在下で行う。また、例えば銅、ニッケル、パラジウム等の遷移金属触媒存在下で行うこともできる。遷移金属触媒としては、パラジウム化合物とホスフィン配位子とを使用することが好ましい。パラジウム化合物としては、塩化パラジウム、酢酸パラジウム、ビス(ジベンジリデンアセトン)パラジウム、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウムクロロホルム錯体が好ましく、ホスフィン配位子としては、トリ−tert−ブチルホスフィン、トリシクロヘキシルホスフィン、ジ−tert−ブチルフェニルホスフィン、ジ−tert−ブチル(4−ジメチルアミノフェニル)ホスフィン、2−ジシクロヘキシルホスフィノ−2',6’−ジメトキシビフェニルが好ましい。
Suzuki反応のよる重合方法の場合、例えば、式(1b)及び(2b)で表されるホウ素誘導体(BRはボロン酸基又はボロン酸エステル基を表す。)と式(2c)で表されるジハロゲン化アリール(XはI、Br、Cl、F等のハロゲン原子を表す。)を反応させることにより、本発明のポリマーが合成される。
Figure 0005582260
(上記式中、BRはボロン酸基又はボロン酸エステル基を表し、Xはハロゲン原子を表す。mは0〜3の整数を表し、pは1〜6の整数を表す。Ar12〜Ar15は、各々独立に、置換基を有していてもよい芳香族炭化水素基又は置換基を有していてもよい芳香族複素環基を表し、Ar21、Ar27、Ar31〜Ar33は各々独立に、置換基を有していてもよい芳香族炭化水素基又は置換基を有していてもよい芳香族複素環基を表す。Rは、水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアルコキシ基、置換基を有してもよい芳香族炭化水素基又は置換基を有してもよい芳香族複素環基を表す。また、p個のAr27は、同じでもよく、また異なっていてもよい。m個のAr14同士及びAr15同士は、各々、同じでもよく、異なっていてもよい。)
なお前記の重合方法において、通常、ホウ素誘導体とジハロゲン化物との反応工程は、例えば炭酸カリウム、tert−ブトキシナトリウム、トリエチルアミン等の塩基存在下で行う。また、必要に応じて、例えば銅やパラジウム錯体等の遷移金属触媒存在下で行うこともできる。さらにホウ素誘導体との反応工程では、例えば、炭酸カリウム、リン酸カリウム、tert−ブトキシナトリウム、トリエチルアミン等の塩基、及び、パラジウム錯体等の遷移金属触媒の存在下で行うことができる。
また、本発明の電荷輸送性ポリマーは、上述した重合方法以外にも、日本国特開2001−223084号公報に記載の重合方法、日本国特開2003−213002号公報に記載の重合方法、日本国特開2004−2740号公報に記載の重合方法、さらには、不飽和二重結合を有する化合物のラジカル重合、エステル結合やアミド結合を形成する反応による逐次重合などを用いることができる。
その他、公知のカップリング反応が使用可能である。公知のカップリング手法としては、具体的には、「Palladium in Heterocyclic Chemistry:A guide for the Synthetic Chemist」(第二版、2002、Jie Jack Li and Gordon W.Gribble、Pergamon社)、「遷移金属が拓く有機合成 その多彩な反応形式と最新の成果」(1997年、辻二郎、化学同仁社)、「ボルハルト・ショアー現代有機化学 下」(2004年、K.P.C.Vollhardt、化学同人社)などに記載又は引用されている、ハロゲン化アリールとアリールボレートとのカップリング反応などの、環同士の結合(カップリング)反応を用いることができる。
なお、前記式(1)で表される基は、前述したように、予め本発明の電荷輸送性ポリマーの原料であるモノマーに結合させておき、これを重合することにより本発明の電荷輸送性ポリマーを得てもよいし、また、本発明の電荷輸送性ポリマーの主鎖にあたる部分を合成した後に、所望の部分に式(1)で表される基を結合してもよい。
化合物の精製方法としては、「分離精製技術ハンドブック」(1993年、(財)日本化学会編)、「化学変換法による微量成分及び難精製物質の高度分離」(1988年、(株)アイ ピー シー発行)、あるいは「実験化学講座(第4版)1」(1990年、(財)日本化学会編)の「分離と精製」の項に記載の方法をはじめとし、公知の技術を利用可能である。具体的には、抽出(懸濁洗浄、煮沸洗浄、超音波洗浄、酸塩基洗浄を含む)、吸着、吸蔵、融解、晶析(溶剤からの再結晶、再沈殿を含む)、蒸留(常圧蒸留、減圧蒸留)、蒸発、昇華(常圧昇華、減圧昇華)、イオン交換、透析、濾過、限外濾過、逆浸透、圧浸透、帯域溶解、電気泳動、遠心分離、浮上分離、沈降分離、磁気分離、各種クロマトグラフィー(形状分類:カラム、ペーパー、薄層、キャピラリー、移動相分類:ガス、液体、ミセル、超臨界流体。分離機構:吸着、分配、イオン交換、分子ふるい、キレート、ゲル濾過、排除、アフィニティー)などが挙げられる。
生成物の確認や純度の分析方法としては、ガスクロマトグラフ(GC)、高速液体クロマトグラフ(HPLC)、高速アミノ酸分析計(有機化合物)、キャピラリー電気泳動測定(CE)、サイズ排除クロマトグラフ(SEC)、ゲル浸透クロマトグラフ(GPC)、交差分別クロマトグラフ(CFC)、質量分析(MS、LC/MS,GC/MS,MS/MS)、核磁気共鳴装置(NMR(1HNMR,13CNMR))、フーリエ変換赤外分光高度計(FT−IR)、紫外可視近赤外分光高度計(UV.VIS,NIR)、電子スピン共鳴装置(ESR)、透過型電子顕微鏡(TEM−EDX)電子線マイクロアナライザー(EPMA)、金属元素分析(イオンクロマトグラフ、誘導結合プラズマ−発光分光(ICP−AES)原子吸光分析(AAS)、蛍光X線分析装置(XRF))、非金属元素分析、微量成分分析(ICP−MS,GF−AAS,GD−MS)等を必要に応じ、適用可能である。
<有機電界発光素子用組成物>
本発明の有機電界発光素子用組成物は、本発明の電荷輸送性ポリマーと溶剤とを含む組成物である。
本発明の有機電界発光素子用組成物は、陽極と陰極の間に配置された有機層を有する有機電界発光素子において、通常、該有機層を湿式成膜法により形成する際の塗布液として用いられる。本発明の有機電界発光素子用組成物は、該有機層のうち、正孔注入層、及び/又は、正孔輸送層を形成するために用いられることが好ましい。
なお、ここでは、有機電界発光素子における陽極−発光層間の層が1つの場合には、これを「正孔輸送層」と称し、2つ以上の場合は、陽極に接している層を「正孔注入層」、それ以外の層を総称して「正孔輸送層」と称す。また、陽極−発光層間に設けられた層を総称して「正孔注入・輸送層」と称する場合がある。
本発明の有機電界発光素子用組成物は、本発明の電荷輸送性ポリマーを含有することを特徴とするが、通常、さらに溶剤を含有する。
該溶剤は、本発明の電荷輸送性ポリマーを溶解するものが好ましく、通常、高分子化合物を常温で0.05重量%以上、好ましくは0.5重量%以上、さらに好ましくは1重量%以上溶解する溶剤である。
本発明の有機電界発光素子用組成物は、正孔注入層を形成するために用いる場合、形成した層の抵抗値を低下する点で、さらに電子受容性化合物を含有することが好ましい。
電子受容性化合物としては、酸化力を有し、上述の正孔輸送性化合物から一電子受容する能力を有する化合物が好ましい。具体的には、電子親和力が4eV以上である化合物が好ましく、5eV以上の化合物である化合物がさらに好ましい。
電子受容性化合物の例としては、例えば、4−イソプロピル−4’−メチルジフェニルヨードニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボラート等の有機基の置換したオニウム塩(国際公開第2005/089024号)、塩化鉄(III)(日本国特開平11−251067号公報)、ペルオキソ二硫酸アンモニウム等の高原子価の無機化合物、テトラシアノエチレン等のシアノ化合物、トリス(ペンタフルオロフェニル)ボラン(日本国特開2003−31365号公報)等の芳香族ホウ素化合物、フラーレン誘導体、ヨウ素等が挙げられる。
上記の化合物のうち、強い酸化力を有する点で、有機基の置換したオニウム塩、高原子価の無機化合物等が好ましい。また、種々の溶剤に対する溶解性が高く湿式成膜法で膜を形成するのに適用可能である点で、有機基の置換したオニウム塩、シアノ化合物、芳香族ホウ素化合物等が好ましい。
本発明の有機電界発光素子用組成物に含有される溶剤としては、特に制限されるものではないが、本発明のポリマーを溶解させる必要があることから、例えば、エーテル系溶剤、エステル系溶剤、芳香族炭化水素系溶剤、アミド系溶剤などが好ましい。
エーテル系溶剤としては、例えば、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、プロピレングリコール−1−モノメチルエーテルアセタート(PGMEA)等の脂肪族エーテル及び1,2−ジメトキシベンゼン、1,3−ジメトキシベンゼン、アニソール、フェネトール、2−メトキシトルエン、3−メトキシトルエン、4−メトキシトルエン、2,3−ジメチルアニソール、2,4−ジメチルアニソール等の芳香族エーテル等が挙げられる。
エステル系溶剤としては、例えば、酢酸フェニル、プロピオン酸フェニル、安息香酸メチル、安息香酸エチル、安息香酸プロピル、安息香酸n−ブチル等の芳香族エステル等が挙げられる。
芳香族炭化水素系溶剤としては、例えば、トルエン、キシレン、シクロヘキシルベンゼン、3−イソプロピルビフェニル、1,2,3,4−テトラメチルベンゼン、1,4−ジイソプロピルベンゼン、シクロヘキシルベンゼン、メチルナフタレン等が挙げられる。アミド系溶剤としては、例えば、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド等が挙げられる。
これらの他、ジメチルスルホキシド等も用いることができる。
これらの溶剤の組成物中の濃度は、通常10重量%以上、好ましくは30重量%以上、より好ましくは50重量%以上である。
(有機薄膜の形成方法)
本発明の有機電界発光素子用組成物を用いて成膜する場合、塗布後、通常加熱を行う。加熱の手法は特に限定されないが、加熱乾燥の場合の条件としては、通常100℃以上、好ましくは120℃以上、より好ましくは150℃以上、また通常400℃以下、好ましくは350℃以下、より好ましくは300℃以下に、有機電界発光素子用組成物を用いて形成された層を加熱する。加熱時間としては、通常1分以上、好ましくは24時間以下である。加熱手段としては特に限定されないが、形成された層を有する積層体をホットプレート上に載せたり、オーブン内で加熱するなどの手段が用いられる。例えば、ホットプレート上で120℃以上、1分間以上加熱する等の条件を用いることができる。
<有機電界発光素子>
以下に、本発明の有機電界発光素子、有機電界発光照明装置及び有機電界発光表示装置の実施態様を詳細に説明するが、本発明はその要旨を超えない限り、これらの内容により限定されるものではない。
(基板)
基板は、有機電界発光素子の支持体となるものであり、通常、石英やガラスの板、金属板や金属箔、プラスチックフィルムやシート等が用いられる。これらのうち、ガラス板や、ポリエステル、ポリメタクリレート、ポリカーボネート、ポリスルホン等の透明な合成樹脂の板が好ましい。基板は、外気による有機電界発光素子の劣化が起こり難いことからガスバリア性の高い材質とするのが好ましい。このため、特に合成樹脂製の基板等のようにガスバリア性の低い材質を用いる場合は、基板の少なくとも片面に緻密なシリコン酸化膜等を設けてガスバリア性を下げるのが好ましい。
(陽極)
陽極は、発光層側の層に正孔を注入する機能を担う。陽極は、通常、アルミニウム、金、銀、ニッケル、パラジウム、白金等の金属;インジウム及び/又はスズの酸化物等の金属酸化物;ヨウ化銅等のハロゲン化金属;カーボンブラック及びポリ(3−メチルチオフェン)、ポリピロール、ポリアニリン等の導電性高分子等により構成される。陽極の形成は、通常、スパッタリング法、真空蒸着法等の乾式法により行われることが多い。また、銀等の金属微粒子、ヨウ化銅等の微粒子、カーボンブラック、導電性の金属酸化物微粒子、導電性高分子微粉末等を用いて陽極を形成する場合には、適当なバインダー樹脂溶液に分散させて、基板上に塗布することにより形成することもできる。また、導電性高分子の場合は、電解重合により直接基板上に薄膜を形成したり、基板上に導電性高分子を塗布して陽極を形成することもできる(Appl.Phys.Lett.,60巻,2711頁,1992年)。
陽極は、通常、単層構造であるが、適宜、積層構造としてもよい。陽極が積層構造である場合、1層目の陽極上に異なる導電材料を積層してもよい。
陽極の厚みは、必要とされる透明性と材質等に応じて、決めればよい。特に高い透明性が必要とされる場合は、可視光の透過率が60%以上となる厚みが好ましく、80%以上となる厚みが更に好ましい。陽極の厚みは、通常5nm以上、好ましくは10nm以上であり、また、通常1000nm以下、好ましくは500nm以下とするのが好ましい。一方、透明性が不要な場合は、陽極の厚みは必要な強度等に応じて任意の厚みとすればよく、この場合、陽極は基板と同一の厚みでもよい。
陽極の表面に成膜を行う場合は、成膜前に、紫外線+オゾン、酸素プラズマ、アルゴンプラズマ等の処理を施すことにより、陽極上の不純物を除去すると共に、そのイオン化ポテンシャルを調整して正孔注入性を向上させておくのが好ましい。
(正孔注入層)
正孔注入層は、陽極から発光層側に正孔を輸送する機能を強化する点で、用いることが好ましい。正孔注入層を用いる場合、通常、正孔注入層は、陽極上に形成される。
正孔注入層の膜厚は、通常1nm以上、好ましくは5nm以上、また、通常1000nm以下、好ましくは500nm以下である。
正孔注入層の形成方法は、真空蒸着法でも、湿式成膜法でもよい。成膜性が優れる点では、湿式成膜法により形成することが好ましい。
正孔注入層は、正孔輸送性化合物を含むことが好ましく、正孔輸送性化合物と電子受容性化合物とを含むことがより好ましい。更には、正孔注入層中にカチオンラジカル化合物を含むことが好ましく、カチオンラジカル化合物と正孔輸送性化合物とを含むことが特に好ましい。
(正孔輸送性化合物)
正孔注入層形成用組成物は、通常、正孔注入層となる正孔輸送性化合物を含有する。また、湿式成膜法の場合は、通常、更に溶剤も含有する。正孔注入層形成用組成物は、正孔輸送性が高く、注入された正孔を効率よく輸送できるのが好ましい。このため、正孔移動度が大きく、トラップとなる不純物が製造時や使用時等に発生し難いのが好ましい。また、安定性に優れ、イオン化ポテンシャルが小さく、可視光に対する透明性が高いことが好ましい。特に、正孔注入層が発光層と接する場合は、発光層からの発光を消光しないものや発光層とエキサイプレックスを形成して、発光効率を低下させないものが好ましい。
正孔輸送性化合物としては、陽極から正孔注入層への電荷注入障壁の観点から、4.5eV〜6.0eVのイオン化ポテンシャルを有する化合物が好ましい。正孔輸送性化合物の例としては、芳香族アミン系化合物、フタロシアニン系化合物、ポルフィリン系化合物、オリゴチオフェン系化合物、ポリチオフェン系化合物、ベンジルフェニル系化合物、フルオレン基で3級アミンを連結した化合物、ヒドラゾン系化合物、シラザン系化合物系化合物、キナクリドン系化合物等が挙げられる。
上述の例示化合物のうち、非晶質性及び可視光透過性の点から、芳香族アミン化合物が好ましく、芳香族三級アミン化合物が特に好ましい。ここで、芳香族三級アミン化合物とは、芳香族三級アミン構造を有する化合物であって、芳香族三級アミン由来の基を有する化合物も含む。
芳香族三級アミン化合物の種類は、特に制限されないが、表面平滑化効果により均一な発光を得やすい点から、重量平均分子量が1000以上、1000000以下の高分子化合物(繰り返し単位が連なる重合型化合物)を用いるのが好ましい。
中でも、本発明に記載の電荷輸送性ポリマーを用いることが好ましい。
芳香族三級アミン化合物の好ましい他の例としては、下記式(I)で表される繰り返し単位を有する高分子化合物等が挙げられる。
Figure 0005582260
(式(I)中、Ar及びArは、それぞれ独立して、置換基を有していてもよい芳香族炭化水素基又は置換基を有していてもよい芳香族複素環基を表す。Ar〜Arは、それぞれ独立して、置換基を有していてもよい芳香族炭化水素基又は置換基を有していてもよい芳香族複素環基を表す。Yは、下記の連結基群の中から選ばれる連結基を表す。また、Ar〜Arのうち、同一のN原子に結合する二つの基は互いに結合して環を形成してもよい。
Figure 0005582260
(上記各式中、Ar〜Ar16は、それぞれ独立して、置換基を有していてもよい芳香族炭化水素基又は置換基を有していてもよい芳香族複素環基を表す。R及びRは、それぞれ独立して、水素原子又は任意の置換基を表す。)
Ar〜Ar16の芳香族炭化水素基及び芳香族複素環基としては、高分子化合物の溶解性、耐熱性、正孔注入輸送性の点から、ベンゼン環、ナフタレン環、フェナントレン環、チオフェン環、ピリジン環由来の基が好ましく、ベンゼン環、ナフタレン環由来の基がさらに好ましい。
式(I)で表される繰り返し単位を有する芳香族三級アミン化合物の具体例としては、国際公開第2005/089024号に記載のもの等が挙げられる。
(電子受容性化合物)
正孔注入層には、正孔輸送性化合物の酸化により、正孔注入層の導電率を向上させることができるため、電子受容性化合物を含有していることが好ましい。電子受容性化合物の例は<有機電界発光素子用組成物>に前述したとおりである。
(カチオンラジカル化合物)
カチオンラジカル化合物としては、正孔輸送性化合物から一電子取り除いた化学種であるカチオンラジカルと、対アニオンとからなるイオン化合物が好ましい。但し、カチオンラジカルが正孔輸送性の高分子化合物由来である場合、カチオンラジカルは高分子化合物の繰り返し単位から一電子取り除いた構造となる。
カチオンラジカルとしては、正孔輸送性化合物として前述した化合物から一電子取り除いた化学種であることが好ましい。正孔輸送性化合物として好ましい化合物から一電子取り除いた化学種であることが、非晶質性、可視光の透過率、耐熱性、及び溶解性などの点から好適である。
ここで、カチオンラジカル化合物は、前述の正孔輸送性化合物と電子受容性化合物を混合することにより生成させることができる。即ち、前述の正孔輸送性化合物と電子受容性化合物とを混合することにより、正孔輸送性化合物から電子受容性化合物へと電子移動が起こり、正孔輸送性化合物のカチオンラジカルと対アニオンとからなるカチオンイオン化合物が生成する。
PEDOT/PSS(Adv.Mater.,2000年,12巻,481頁)やエメラルジン塩酸塩(J.Phys.Chem.,1990年,94巻,7716頁)等の高分子化合物由来のカチオンラジカル化合物は、酸化重合(脱水素重合)することによっても生成する。
ここでいう酸化重合は、モノマーを酸性溶液中で、ペルオキソ二硫酸塩等を用いて化学的に、又は、電気化学的に酸化するものである。この酸化重合(脱水素重合)の場合、モノマーが酸化されることにより高分子化されるとともに、酸性溶液由来のアニオンを対アニオンとする、高分子の繰り返し単位から一電子取り除かれたカチオンラジカルが生成する。
<湿式成膜法による正孔注入層の形成>
湿式成膜法により正孔注入層を形成する場合、通常、正孔注入層となる材料を可溶な溶剤(正孔注入層用溶剤)と混合して成膜用の組成物(正孔注入層形成用組成物)を調製し、この正孔注入層形成用組成物を正孔注入層の下層に該当する層(通常は、陽極)上に塗布して成膜し、乾燥させることにより形成させる。本発明の有機電界発光素子用組成物を正孔注入層形成用組成物として用いることが好ましい。
正孔注入層形成用組成物中における正孔輸送性化合物の濃度は、本発明の効果を著しく損なわない限り任意であるが、膜厚の均一性の点では、低い方が好ましく、また、一方、正孔注入層に欠陥が生じ難い点では、高い方が好ましい。具体的には、0.01重量%以上であるのが好ましく、0.1重量%以上であるのが更に好ましく、0.5重量%以上であるのが特に好ましく、また、一方、70重量%以下であるのが好ましく、60重量%以下であるのが更に好ましく、50重量%以下であるのが特に好ましい。
溶剤としては、例えば、エーテル系溶剤、エステル系溶剤、芳香族炭化水素系溶剤、アミド系溶剤などが挙げられる。溶剤の例は<有機電界発光素子用組成物>に前述したとおりである。
正孔注入層の湿式成膜法による形成は、通常、正孔注入層形成用組成物を調製後に、これを、正孔注入層の下層に該当する層(通常は、陽極)上に塗布成膜し、乾燥することにより行われる。
正孔注入層は、通常、成膜後に、加熱や減圧乾燥等により塗布膜を乾燥させる。
<真空蒸着法による正孔注入層の形成>
真空蒸着法により正孔注入層を形成する場合には、通常、正孔注入層の構成材料(前述の正孔輸送性化合物、電子受容性化合物等)の1種類又は2種類以上を真空容器内に設置された坩堝に入れ(2種類以上の材料を用いる場合は、通常各々を別々の坩堝に入れ)、真空容器内を真空ポンプで10−4Pa程度まで排気した後、坩堝を加熱して(2種類以上の材料を用いる場合は、通常各々の坩堝を加熱して)、坩堝内の材料の蒸発量を制御しながら蒸発させ(2種類以上の材料を用いる場合は、通常各々独立に蒸発量を制御しながら蒸発させ)、坩堝に向き合って置かれた基板上の陽極上に正孔注入層を形成させる。なお、2種類以上の材料を用いる場合は、それらの混合物を坩堝に入れ、加熱、蒸発させて正孔注入層を形成することもできる。
蒸着時の真空度は、本発明の効果を著しく損なわない限り限定されないが、通常0.1×10−6Torr(0.13×10−4Pa)以上、9.0×10−6Torr(12.0×10−4Pa)以下である。蒸着速度は、本発明の効果を著しく損なわない限り限定されないが、通常0.1A/秒以上、5.0A/秒以下である。蒸着時の成膜温度は、本発明の効果を著しく損なわない限り限定されないが、好ましくは10℃以上、50℃以下で行われる。
なお、正孔注入層は、後述の正孔輸送層と同様に架橋されていてもよい。
(正孔輸送層)
正孔輸送層は、陽極側から発光層側に正孔を輸送する機能を担う層である。正孔輸送層は、本発明の有機電界発光素子では、必須の層では無いが、陽極から発光層に正孔を輸送する機能を強化する点では、この層を用いるのが好ましい。正孔輸送層を用いる場合、通常、正孔輸送層は、陽極と発光層の間に形成される。また、上述の正孔注入層がある場合は、正孔注入層と発光層の間に形成される。
正孔輸送層の膜厚は、通常5nm以上、好ましくは10nm以上であり、また、一方、通常300nm以下、好ましくは100nm以下である。
正孔輸送層の形成方法は、真空蒸着法でも、湿式成膜法でもよい。成膜性が優れる点では、湿式成膜法により形成することが好ましい。
正孔輸送層は、通常、正孔輸送層となる正孔輸送性化合物を含有する。正孔輸送層に含まれる正孔輸送性化合物としては、特に、4,4’−ビス[N−(1−ナフチル)−N−フェニルアミノ]ビフェニルで代表される、2個以上の3級アミンを含み2個以上の縮合芳香族環が窒素原子に置換した芳香族ジアミン(日本国特開平5−234681号公報)、4,4’,4’’−トリス(1−ナフチルフェニルアミノ)トリフェニルアミン等のスターバースト構造を有する芳香族アミン化合物(J.Lumin.,72−74巻、985頁、1997年)、トリフェニルアミンの四量体から成る芳香族アミン化合物(Chem.Commun.,2175頁、1996年)、2,2’,7,7’−テトラキス−(ジフェニルアミノ)−9,9’−スピロビフルオレン等のスピロ化合物(Synth.Metals,91巻、209頁、1997年)、4,4’−N,N’−ジカルバゾールビフェニルなどのカルバゾール誘導体などが挙げられる。また、例えばポリビニルカルバゾール、ポリビニルトリフェニルアミン(日本国特開平7−53953号公報)、テトラフェニルベンジジンを含有するポリアリーレンエーテルサルホン(Polym.Adv.Tech.,7巻、33頁、1996年)等も好ましく使用できる。
正孔注入層と同様に、正孔輸送層も、非晶質性及び可視光透過性の点から、芳香族アミン化合物が好ましく、芳香族三級アミン化合物を用いることが好ましい。ここで、芳香族三級アミン化合物とは、芳香族三級アミン構造を有する化合物であって、芳香族三級アミン由来の基を有する化合物も含む。
芳香族三級アミン化合物の種類は、特に制限されないが、表面平滑化効果により均一な発光を得やすい点から、重量平均分子量が1000以上1000000以下の高分子化合物(繰り返し単位が連なる重合型化合物)を用いるのが好ましい。
中でも、本発明に記載の電荷輸送性ポリマーを用いることが好ましい。
<湿式成膜法による正孔輸送層の形成>
湿式成膜法で正孔輸送層を形成する場合は、通常、上述の正孔注入層を湿式成膜法で形成する場合と同様にして、正孔注入層形成用組成物の代わりに正孔輸送層形成用組成物を用いて形成させる。本発明の有機電界発光素子用組成物を正孔輸送層形成用組成物として用いることが好ましい。
湿式成膜法で正孔輸送層を形成する場合は、通常、正孔輸送層形成用組成物は、更に溶剤を含有する。正孔輸送層形成用組成物に用いる溶剤は、上述の正孔注入層形成用組成物で用いる溶剤と同様の溶剤を使用することができる。
正孔輸送層形成用組成物中における正孔輸送性化合物の濃度は、正孔注入層形成用組成物中における正孔輸送性化合物の濃度と同様の範囲とすることができる。
正孔輸送層の湿式成膜法による形成は、前述の正孔注入層成膜法と同様に行うことができる。
<真空蒸着法による正孔輸送層の形成>
真空蒸着法で正孔輸送層を形成する場合についても、通常、上述の正孔注入層を真空蒸着法で形成する場合と同様にして、正孔注入層形成用組成物の代わりに正孔輸送層形成用組成物を用いて形成させることができる。蒸着時の真空度、蒸着速度及び温度などの成膜条件などは、前記正孔注入層の真空蒸着時と同様の条件で成膜することができる。
(発光層)
発光層は、一対の電極間に電界が与えられた時に、陽極から注入される正孔と陰極から注入される電子が再結合することにより励起され、発光する機能を担う層である。発光層は、陽極と陰極の間に形成される層であり、発光層は、陽極の上に正孔注入層がある場合は、正孔注入層と陰極の間に形成され、陽極の上に正孔輸送層がある場合は、正孔輸送層と陰極の間に形成される。
発光層の膜厚は、本発明の効果を著しく損なわない限り任意であるが、膜に欠陥が生じ難い点では厚い方が好ましく、また、一方、薄い方が低駆動電圧としやすい点で好ましい。このため、3nm以上であるのが好ましく、5nm以上であるのが更に好ましく、また、一方、通常200nm以下であるのが好ましく、100nm以下であるのが更に好ましい。
発光層は、少なくとも、発光の性質を有する材料(発光材料)を含有するとともに、好ましくは、電荷輸送性を有する材料(電荷輸送性材料)とを含有する。
(発光材料)
発光材料は、所望の発光波長で発光し、本発明の効果を損なわない限り特に制限はなく、公知の発光材料を適用可能である。発光材料は、蛍光発光材料でも、燐光発光材料でもよいが、発光効率が良好である材料が好ましく、内部量子効率の観点から燐光発光材料が好ましい。
蛍光発光材料としては、例えば、以下の材料が挙げられる。
青色発光を与える蛍光発光材料(青色蛍光発光材料)としては、例えば、ナフタレン、ペリレン、ピレン、アントラセン、クマリン、クリセン、p−ビス(2−フェニルエテニル)ベンゼン及びそれらの誘導体等が挙げられる。
緑色発光を与える蛍光発光材料(緑色蛍光発光材料)としては、例えば、キナクリドン誘導体、クマリン誘導体、Al(CNO)などのアルミニウム錯体等が挙げられる。
黄色発光を与える蛍光発光材料(黄色蛍光発光材料)としては、例えば、ルブレン、ペリミドン誘導体等が挙げられる。
赤色発光を与える蛍光発光材料(赤色蛍光発光材料)としては、例えば、DCM(4−(dicyanomethylene)−2−methyl−6−(p−dimethylaminostyryl)−4H−pyran)系化合物、ベンゾピラン誘導体、ローダミン誘導体、ベンゾチオキサンテン誘導体、アザベンゾチオキサンテン等が挙げられる。
また、燐光発光材料としては、例えば、長周期型周期表(以下、特に断り書きの無い限り「周期表」という場合には、長周期型周期表を指すものとする。)の第7〜11族から選ばれる金属を含む有機金属錯体等が挙げられる。周期表の第7〜11族から選ばれる金属として、好ましくは、ルテニウム、ロジウム、パラジウム、銀、レニウム、オスミウム、イリジウム、白金、金等が挙げられる。
有機金属錯体の配位子としては、(ヘテロ)アリールピリジン配位子、(ヘテロ)アリールピラゾール配位子などの(ヘテロ)アリール基とピリジン、ピラゾール、フェナントロリンなどが連結した配位子が好ましく、特にフェニルピリジン配位子、フェニルピラゾール配位子が好ましい。ここで、(ヘテロ)アリールとは、アリール基又はヘテロアリール基を表す。
好ましい燐光発光材料として、具体的には、例えば、トリス(2−フェニルピリジン)イリジウム、トリス(2−フェニルピリジン)ルテニウム、トリス(2−フェニルピリジン)パラジウム、ビス(2−フェニルピリジン)白金、トリス(2−フェニルピリジン)オスミウム、トリス(2−フェニルピリジン)レニウム等のフェニルピリジン錯体及びオクタエチル白金ポルフィリン、オクタフェニル白金ポルフィリン、オクタエチルパラジウムポルフィリン、オクタフェニルパラジウムポルフィリン等のポルフィリン錯体等が挙げられる。
高分子系の発光材料としては、ポリ(9,9−ジオクチルフルオレン−2,7−ジイル)、ポリ[(9,9−ジオクチルフルオレン−2,7−ジイル)−co−(4,4’−(N−(4−sec−ブチルフェニル))ジフェニルアミン)]、ポリ[(9,9−ジオクチルフルオレン−2,7−ジイル)−co−(1,4−ベンゾ−2{2,1’−3}−トリアゾール)]などのポリフルオレン系材料、ポリ[2−メトキシ−5−(2−ヘチルヘキシルオキシ)−1,4−フェニレンビニレン]などのポリフェニレンビニレン系材料が挙げられる。
(電荷輸送性材料)
電荷輸送性材料は、正電荷(正孔)又は負電荷(電子)輸送性を有する材料であり、本発明の効果を損なわない限り、特に制限はなく、公知の発光材料を適用可能である。
電荷輸送性材料は、従来、有機電界発光素子の発光層に用いられている化合物等を用いることができ、特に、発光層のホスト材料として使用されている化合物が好ましい。
電荷輸送性材料としては、具体的には、芳香族アミン系化合物、フタロシアニン系化合物、ポルフィリン系化合物、オリゴチオフェン系化合物、ポリチオフェン系化合物、ベンジルフェニル系化合物、フルオレン基で3級アミンを連結した化合物、ヒドラゾン系化合物、シラザン系化合物、シラナミン系化合物、ホスファミン系化合物、キナクリドン系化合物等の正孔注入層の正孔輸送性化合物として例示した化合物等が挙げられる他、アントラセン系化合物、ピレン系化合物、カルバゾール系化合物、ピリジン系化合物、フェナントロリン系化合物、オキサジアゾール系化合物、シロール系化合物等の電子輸送性化合物等が挙げられる。
また、例えば、4,4’−ビス[N−(1−ナフチル)−N−フェニルアミノ]ビフェニルで代表わされる2個以上の3級アミンを含み2個以上の縮合芳香族環が窒素原子に置換した芳香族ジアミン(日本国特開平5−234681号公報)、4,4’,4”−トリス(1−ナフチルフェニルアミノ)トリフェニルアミン等のスターバースト構造を有する芳香族アミン系化合物(J.Lumin.,72−74巻、985頁、1997年)、トリフェニルアミンの四量体から成る芳香族アミン系化合物(Chem.Commun.,2175頁、1996年)、2,2’,7,7’−テトラキス−(ジフェニルアミノ)−9,9’−スピロビフルオレン等のフルオレン系化合物(Synth.Metals,91巻、209頁、1997年)、4,4’−N,N’−ジカルバゾールビフェニルなどのカルバゾール系化合物等の正孔輸送層の正孔輸送性化合物として例示した化合物等も好ましく用いることができる。また、この他、2−(4−ビフェニリル)−5−(p−ターシャルブチルフェニル)−1,3,4−オキサジアゾール(tBu−PBD)、2,5−ビス(1−ナフチル)−1,3,4−オキサジアゾール(BND)などのオキサジアゾール系化合物、2,5−ビス(6’−(2’,2”−ビピリジル))−1,1−ジメチル−3,4−ジフェニルシロール(PyPySPyPy)等のシロール系化合物、バソフェナントロリン(BPhen)、2,9−ジメチル−4,7−ジフェニル−1,10−フェナントロリン(BCP、バソクプロイン)などのフェナントロリン系化合物等も挙げられる。
<湿式成膜法による発光層の形成>
発光層の形成方法は、真空蒸着法でも、湿式成膜法でもよいが、成膜性に優れることから、湿式成膜法が好ましく、スピンコート法及びインクジェット法が更に好ましい。湿式成膜法により発光層を形成する場合は、通常、上述の正孔注入層を湿式成膜法で形成する場合と同様にして、正孔注入層形成用組成物の代わりに、発光層となる材料を可溶な溶剤(発光層用溶剤)と混合して調製した発光層形成用組成物を用いて形成させる。
溶剤としては、例えば、正孔注入層の形成について挙げたエーテル系溶剤、エステル系溶剤、芳香族炭化水素系溶剤、アミド系溶剤の他、アルカン系溶剤、ハロゲン化芳香族炭化水系溶剤、脂肪族アルコール系溶剤、脂環族アルコール系溶剤、脂肪族ケトン系溶剤及び脂環族ケトン系溶剤などが挙げられる。以下に溶媒の具体例を挙げるが、本発明の効果を損なわない限り、これらに限定されるものではない。
例えば、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、プロピレングリコール−1−モノメチルエーテルアセタート(PGMEA)等の脂肪族エーテル系溶剤;1,2−ジメトキシベンゼン、1,3−ジメトキシベンゼン、アニソール、フェネトール、2−メトキシトルエン、3−メトキシトルエン、4−メトキシトルエン、2,3−ジメチルアニソール、2,4−ジメチルアニソール、ジフェニルエーテル等の芳香族エーテル系溶剤;酢酸フェニル、プロピオン酸フェニル、安息香酸メチル、安息香酸エチル、安息香酸エチル、安息香酸プロピル、安息香酸n−ブチル等の芳香族エステル系溶剤;トルエン、キシレン、メチシレン、シクロヘキシルベンゼン、テトラリン、3−イロプロピルビフェニル、1,2,3,4−テトラメチルベンゼン、1,4−ジイソプロピルベンゼン、シクロヘキシルベンゼン、メチルナフタレン等の芳香族炭化水素系溶媒;N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド等のアミド系溶剤;n−デカン、シクロヘキサン、エチルシクロヘキサン、デカリン、ビシクロヘキサン等のアルカン系溶剤;クロロベンゼン、ジクロロベンゼン、トリクロロベンゼン等のハロゲン化芳香族炭化水素系溶剤;ブタノール、ヘキサノール等の脂肪族アルコール系溶剤;シクロヘキサノール、シクロオクタノール等の脂環族アルコール系溶剤;メチルエチルケトン、ジブチルケトン等の脂肪族ケトン系溶剤;シクロヘキサノン、シクロオクタノン、フェンコン等の脂環族ケトン系溶剤等が挙げられる。これらのうち、アルカン系溶剤及び芳香族炭化水素系溶剤が特に好ましい。
(正孔阻止層)
発光層と後述の電子注入層との間に、正孔阻止層を設けてもよい。正孔阻止層は、発光層の上に、発光層の陰極側の界面に接するように積層される層である。
この正孔阻止層は、陽極から移動してくる正孔を陰極に到達するのを阻止する役割と、陰極から注入された電子を効率よく発光層の方向に輸送する役割とを有する。正孔阻止層を構成する材料に求められる物性としては、電子移動度が高く正孔移動度が低いこと、エネルギーギャップ(HOMO、LUMOの差)が大きいこと、励起三重項準位(T1)が高いことが挙げられる。
このような条件を満たす正孔阻止層の材料としては、例えば、ビス(2−メチル−8−キノリノラト)(フェノラト)アルミニウム、ビス(2−メチル−8−キノリノラト)(トリフェニルシラノラト)アルミニウム等の混合配位子錯体、ビス(2−メチル−8−キノラト)アルミニウム−μ−オキソ−ビス−(2−メチル−8−キノリラト)アルミニウム二核金属錯体等の金属錯体、ジスチリルビフェニル誘導体等のスチリル化合物(日本国特開平11−242996号公報)、3−(4−ビフェニルイル)−4−フェニル−5−(4−tert−ブチルフェニル)−1,2,4−トリアゾール等のトリアゾール誘導体(日本国特開平7−41759号公報)、バソクプロイン等のフェナントロリン誘導体(日本国特開平10−79297号公報)などが挙げられる。更に、国際公開第2005/022962号に記載の2,4,6位が置換されたピリジン環を少なくとも1個有する化合物も、正孔阻止層の材料として好ましい。
正孔阻止層の形成方法に制限はない。従って、湿式成膜法、蒸着法や、その他の方法で形成できる。
正孔阻止層の膜厚は、本発明の効果を著しく損なわない限り任意であるが、通常0.3nm以上、好ましくは0.5nm以上であり、また、通常100nm以下、好ましくは50nm以下である。
(電子輸送層)
電子輸送層は素子の電流効率をさらに向上させることを目的として、発光層と電子注入層との間に設けられる。
電子輸送層は、電界を与えられた電極間において陰極から注入された電子を効率よく発光層の方向に輸送することができる化合物より形成される。電子輸送層に用いられる電子輸送性化合物としては、陰極又は電子注入層からの電子注入効率が高く、かつ、高い電子移動度を有し注入された電子を効率よく輸送することができる化合物であることが必要である。
電子輸送層に用いる電子輸送性化合物は、通常、陰極又は電子注入層からの電子注入効率が高く、注入された電子を効率よく輸送できる化合物が好ましい。電子輸送性化合物としては、具体的には、例えば、8−ヒドロキシキノリンのアルミニウム錯体などの金属錯体(日本国特開昭59−194393号公報)、10−ヒドロキシベンゾ[h]キノリンの金属錯体、オキサジアゾール誘導体、ジスチリルビフェニル誘導体、シロール誘導体、3−ヒドロキシフラボン金属錯体、5−ヒドロキシフラボン金属錯体、ベンズオキサゾール金属錯体、ベンゾチアゾール金属錯体、トリスベンズイミダゾリルベンゼン(米国特許第5645948号明細書)、キノキサリン化合物(日本国特開平6−207169号公報)、フェナントロリン誘導体(日本国特開平5−331459号公報)、2−t−ブチル−9,10−N,N’−ジシアノアントラキノンジイミン、n型水素化非晶質炭化シリコン、n型硫化亜鉛、n型セレン化亜鉛などが挙げられる。
電子輸送層の膜厚は、通常1nm以上、好ましくは5nm以上であり、また、一方、通常300nm以下、好ましくは100nm以下である。
電子輸送層は、前記と同様にして湿式成膜法、或いは真空蒸着法により正孔阻止層上に積層することにより形成される。通常は、真空蒸着法が用いられる。
(電子注入層)
電子注入層は、陰極から注入された電子を効率よく、電子輸送層又は発光層へ注入する役割を果たす。
電子注入を効率よく行うには、電子注入層を形成する材料は、仕事関数の低い金属が好ましい。例としては、ナトリウムやセシウム等のアルカリ金属、バリウムやカルシウムなどのアルカリ土類金属等が用いられる。その膜厚は通常0.1nm以上、5nm以下が好ましい。
更に、バソフェナントロリン等の含窒素複素環化合物や8−ヒドロキシキノリンのアルミニウム錯体などの金属錯体に代表される有機電子輸送材料に、ナトリウム、カリウム、セシウム、リチウム、ルビジウム等のアルカリ金属をドープする(日本国特開平10−270171号公報、日本国特開2002−100478号公報、日本国特開2002−100482号公報などに記載)ことも、電子注入・輸送性が向上し優れた膜質を両立させることが可能となるため好ましい。
膜厚は通常、5nm以上、好ましくは10nm以上、また、通常200nm以下、好ましくは100nm以下の範囲である。
電子注入層は、湿式成膜法或いは真空蒸着法により、発光層又はその上の正孔阻止層上に積層することにより形成される。
湿式成膜法の場合の詳細は、前述の発光層の場合と同様である。
(陰極)
陰極は、発光層側の層(電子注入層又は発光層など)に電子を注入する役割を果たす。
陰極の材料としては、前記の陽極に使用される材料を用いることが可能であるが、効率良く電子注入を行なう上では、仕事関数の低い金属を用いることが好ましく、例えば、スズ、マグネシウム、インジウム、カルシウム、アルミニウム、銀等の金属又はそれらの合金などが用いられる。具体例としては、例えば、マグネシウム−銀合金、マグネシウム−インジウム合金、アルミニウム−リチウム合金等の低仕事関数の合金電極などが挙げられる。
素子の安定性の点では、陰極の上に、仕事関数が高く、大気に対して安定な金属層を積層して、低仕事関数の金属からなる陰極を保護するのが好ましい。積層する金属としては、例えば、アルミニウム、銀、銅、ニッケル、クロム、金、白金等の金属が挙げられる。
陰極の膜厚は通常、陽極と同様である。
(その他の層)
本発明の有機電界発光素子は、本発明の効果を著しく損なわなければ、更に他の層を有していてもよい。すなわち、陽極と陰極との間に、上述の他の任意の層を有していてもよい。
<その他の素子構成>
なお、上述の説明とは逆の構造、即ち、基板上に陰極、電子注入層、発光層、正孔注入層、陽極の順に積層することも可能である。
<その他>
本発明の有機電界発光素子を有機電界発光装置に適用する場合は、単一の有機電界発光素子として用いても、複数の有機電界発光素子がアレイ状に配置された構成にして用いても、陽極と陰極がX−Yマトリックス状に配置された構成にして用いてもよい。
<有機EL表示装置>
本発明の有機EL表示装置は、上述の本発明の有機電界発光素子を用いたものである。本発明の有機EL表示装置の型式や構造については特に制限はなく、本発明の有機電界発光素子を用いて常法に従って組み立てることができる。
例えば、「有機ELディスプレイ」(オーム社、平成16年8月20日発行、時任静士、安達千波矢、村田英幸著)に記載されているような方法で、本発明の有機EL表示装置を形成することができる。
<有機EL照明>
本発明の有機EL照明は、上述の本発明の有機電界発光素子を用いたものである。本発明の有機EL照明の型式や構造については特に制限はなく、本発明の有機電界発光素子を用いて常法に従って組み立てることができる。
次に、本発明を実施例によって更に具体的に説明するが、本発明はその要旨を超えない限り、以下の実施例の記載に限定されるものではない。
(モノマーの合成)
<化合物1の合成>
Figure 0005582260
フラスコに、窒素気流下で4’−ブロモアセトフェノン13.2g(66.41mmol)、フェノール75.0g(796.94mmol)、酢酸85mLを入れ室温で攪拌した。これに塩酸(12M)240mLを入れ、90℃で24時間加熱還流した。反応後、反応液を熱水に注ぎ、不溶物を集めて酢酸エチルに溶解、水洗し、硫酸マグネシウムで乾燥後、濃縮した。さらに、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=4:1)で精製することにより、化合物1(11.73g)を得た。
<化合物3の合成>
Figure 0005582260
フラスコに、窒素気流下で化合物1、11.73g(31.77mmol)、化合物2、8.05g(34.94mmol)、1,2−ジメトキシエタン200mLを入れ室温で攪拌した。これに2M炭酸カリウム水溶液75mLを入れ、30分間、室温で窒素バブリングを行った。次いで、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム0.75g(0.65mmol)を入れ、窒素下で5時間加熱還流した。放冷後、酢酸エチルで抽出し、水洗し、硫酸マグネシウムで乾燥後、濃縮した。さらに、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=3:1)で精製することにより、化合物3(10.8g)を得た。
<化合物4の合成>
Figure 0005582260
−5℃で、化合物3、14.8g(37.71mmol)を、塩化メチレン(250ml)と、トリエチルアミン19.0g(188.5mmol)の混合物に溶解させ、トリフルオロメタンスルホン酸無水物31.9g(113.13mmol)を70mlの塩化メチレンに溶かしてゆっくり滴下、4時間攪拌した後、反応液を氷水に注ぎ、塩化メチレンで抽出、水洗し、硫酸マグネシウムで乾燥後、濃縮した。さらに、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:塩化メチレン=3:1)で精製することにより、化合物4(19.5g)を得た。
<化合物5の合成>
Figure 0005582260
窒素気流下、500mlのフラスコに200mlのジメチルスルホキシド、化合物4、19.5g(29.70mmol)、ビス(ピナコラト)ジボロン18.1g(71.28mmol)、酢酸カリウム17.5g(178.2mmol)を入れ、60℃で30分間攪拌した。その後1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン−パラジウム(II)ジクロリド−ジクロロメタン〔PdCl(dppf)CHCl〕1.2g(1.49mmol)を加え、85℃で4時間加熱攪拌した。反応液を減圧濾過し、濾液にトルエンを加え、水洗し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。濾過後、濾液を濃縮し、メタノールで洗浄し、無色固体の化合物5(収量15.0g、収率82.5%)を得た。
<化合物6の合成>
Figure 0005582260
窒素気流下、1000mlのフラスコにトルエン300ml、エタノール100ml、化合物5、15.0g(24.49mmol)、1−ブロモ−4−ヨードベンゼン14.5g(51.43mmol)、りん酸カリウム水溶液(2M、すなわち2mol/L濃度)100mlを入れて、60℃で30分間加熱攪拌した。その後テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム〔Pd(PPh〕0.57g(0.49mmol)を加え、5時間還流した。反応液に水を加え、トルエンで抽出し、硫酸マグネシウムおよび活性白土を加え、攪拌後、ろ過し、濾液を濃縮した。シリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒:n−ヘキサン:塩化メチレン=4:1)により精製し、無色固体の目的物を得た(収量4.8g、収率29.2%)。
<化合物7の合成>
Figure 0005582260
4−(3−アミノフェニル)ベンゾシクロブテン8.77g(45mmol)およびN−メチルピロリドン60mLを混合し、−5℃まで冷却した。濃塩酸8.59mL(99mmol)、脱塩水30mLを加え、30分攪拌した。続いて、−5℃まで冷却した亜硝酸ナトリウム水溶液(3.20g(46.35mmol)、30mL)を5℃以下で加え、30分攪拌し、ジアゾニウム塩溶液とした。60℃に加熱したヨウ化カリウム水溶液(22.63g(136.35mmol)、400mL)に上記ジアゾニウム塩溶液を滴下し、2時間攪拌した。反応液に、ジクロロメタンを加えて、抽出し、水洗、チオ硫酸ナトリウム溶液での洗浄後、硫酸マグネシウムを加え、攪拌後、ろ過し、濾液を濃縮した。シリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒:n−ヘキサン)により精製し、無色オイルの目的物を得た(収量7.8、収率56.6%)。
<化合物8の合成>
Figure 0005582260
窒素気流下、200mlのフラスコに100mlのジメチルスルホキシド、化合物7、5.00g(16.3mmol)、ビス(ピナコラト)ジボロン5.39g(21.2mmol)、酢酸カリウム4.00g(40.8mmol)を入れ、60℃で30分間攪拌した。その後1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン−パラジウム(II)ジクロリド−ジクロロメタン〔PdCl(dppf)CHCl〕0.33g(0.41mmol)を加え、85℃で8時間加熱攪拌した。反応液にトルエンを加え、水洗し、硫酸マグネシウムを加え、攪拌後、濾過した。濾液に活性白土を加え、攪拌後、濾過した。濾液を濃縮し、無色固体の化合物8(収量4.71g、収率94.2%)を得た。
<化合物9の合成>
Figure 0005582260
窒素気流下、300mlのフラスコにトルエン100ml、エタノール50ml、化合物8、4.00g(13.1mmol)、1,3,5−トリブロモベンゼン4.11g(13.1mmol)、2Mの炭酸ナトリウム水溶液50mlを入れて、60℃で30分間加熱攪拌した。その後テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム〔Pd(PPh〕0.30g(0.26mmol)を加え、2時間還流した。反応液に水を加え、トルエンで抽出し、硫酸マグネシウムおよび活性白土を加え、攪拌後、ろ過し、濾液を濃縮した。シリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒:n−ヘキサン:トルエン=5:1)により精製し、無色オイルの目的物を得た(収量3.89g、収率71.9%)。
<実施例1>
Figure 0005582260
2,2−ビス〔4−(4−ブロモフェニル)フェニル〕−4−メチルペンタン(6.85g、12.50mmol)、2−アミノ−9,9−ジヘキシルフルオレン(8.74g、25.00mmol)、及びtert−ブトキシナトリウム(7.69g、80.00mmol)、トルエン(130ml)を仕込み、系内を十分に窒素置換して、60℃まで加温した(溶液A)。トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウムクロロホルム錯体(0.259g、0.25mmol)のトルエン20ml溶液に、トリ−tert−ブチルホスフィン(0.405g、2.00mmol)を加え、60℃まで加温した(溶液B)。窒素気流中、溶液Aに溶液Bを添加し、2.0時間、加熱還流反応した。続いて、2,2−ビス〔4−(4−ブロモフェニル)フェニル〕−4−メチルペンタン(5.60g、8.56mmol)、化合物6(1.04g、1.55mmol)を追添加した。2.0時間加熱還流後、反応液を放冷して、反応液をエタノール1200ml中に滴下し、粗ポリマー1を晶出させた。
得られた粗ポリマー1をトルエン350mlに溶解させ、N,N−ジフェニルアミン(1.69g)、tert−ブトキシナトリウム(7.69g)を仕込み、系内を十分に窒素置換して、60℃まで加温した(溶液C)。トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウムクロロホルム錯体(0.259g、0.25mmol)のトルエン20ml溶液に、トリ−tert−ブチルホスフィン(0.405g、2.00mmol)を加え、60℃まで加温した(溶液D)。窒素気流中、溶液Cに溶液Dを添加し、3時間、加熱還流反応した。ブロモベンゼン(3.93g)を添加し、3時間、加熱還流反応した。反応液を放冷し、エタノール(1500ml)溶液に滴下し、エンドキャップした粗ポリマー1を得た。
このエンドキャップした粗ポリマー1をトルエンに溶解させ、希塩酸にて洗浄し、アンモニア含有エタノールに再沈殿させた。得られたポリマーをトルエンに溶解し、アセトンに再沈殿させ、析出したポリマーを濾取した。得られたポリマーをカラムクロマトグラフィーにより精製し、ポリマー1を得た(3.1g)。
重量平均分子量(Mw)=192000
数平均分子量(Mn)=98600
分散度(Mw/Mn)=1.95
<実施例2>
Figure 0005582260
4,4”−ジブロモ−p−ターフェニル(8.100g、20.8709mmol)、2−アミノ−9,9−ジヘキシルフルオレン(14.591g、41.7418mmol)、及びtert−ブトキシナトリウム(15.464g、160.9147mmol)、トルエン(60ml)を仕込み、系内を十分に窒素置換して、95℃まで加温した(溶液A)。トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウムクロロホルム錯体(0.432g、0.4174mmol)のトルエン13ml溶液に、トリ−tert−ブチルホスフィン(1.140g、5.6351mmol)を加え、60℃まで加温した(溶液B)。窒素気流中、溶液Aに溶液Bを添加し、2.0時間、加熱還流反応した。4,4”−ジブロモ−p−ターフェニル、2−アミノ−9,9−ジヘキシルフルオレンが消失したことを確認し、4,4”−ジブロモ−p−ターフェニル(7.160g、18.4499mmol)、化合物6(1.259g、1.8784mmol)を追添加した。1.0時間加熱還流後、反応液を放冷して、反応液をエタノール3000ml中に滴下し、粗ポリマー2を晶出させた。
得られた粗ポリマー2をトルエン650mlに溶解させ、N,N−ジフェニルアミン(1.4g)、tert−ブトキシナトリウム(7.7g)を仕込み、系内を十分に窒素置換して、60℃まで加温した(溶液C)。トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウムクロロホルム錯体(0.432g、0.4174mmol)のトルエン13ml溶液に、トリ−tert−ブチルホスフィン(1.140g、5.6351mmol)を加え、60℃まで加温した(溶液D)。窒素気流中、溶液Cに溶液Dを添加し、3時間、加熱還流反応した。ブロモベンゼン(6.6g)を添加し、3時間、加熱還流反応した。反応液を放冷し、エタノール(3000ml)溶液に滴下し、エンドキャップした粗ポリマー2を得た。
このエンドキャップした粗ポリマー2をトルエンに溶解させ、希塩酸にて洗浄し、アンモニア含有エタノールに再沈殿させた。得られたポリマーをトルエンに溶解し、アセトンに再沈殿させ、析出したポリマーを濾取した。得られたポリマーをカラムクロマトグラフィーにより精製し、ポリマー2を得た(9.8g)。
重量平均分子量(Mw)=73800
数平均分子量(Mn)=49400
分散度(Mw/Mn)=1.49
<実施例3>
Figure 0005582260
4,4’−ジブロモビフェニル(1.25g、4.00mmol)、2−アミノ−9,9−ジヘキシルフルオレン(2.80g、8.00mmol)、及びtert−ブトキシナトリウム(2.61g、24.0mmol)、トルエン(22ml)を仕込み、系内を十分に窒素置換して、95℃まで加温した(溶液A)。トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウムクロロホルム錯体(0.083g、0.080mmol)のトルエン4ml溶液に、トリ−tert−ブチルホスフィン(0.13g、0.64mmol)を加え、60℃まで加温した(溶液B)。窒素気流中、溶液Aに溶液Bを添加し、2.0時間、加熱還流反応した。4,4’−ジブロモビフェニル(1.00g、3.20mmol)、化合物9(0.166g、0.400mmol)を追添加した。1.0時間加熱還流後、反応液を放冷して、反応液をエタノール300ml中に滴下し、粗ポリマー4を晶出させた。
得られた粗ポリマー4をトルエン55mlに溶解させ、N,N−ジフェニルアミン(0.27g)、tert−ブトキシナトリウム(1.48g)を仕込み、系内を十分に窒素置換して、60℃まで加温した(溶液C)。トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウムクロロホルム錯体(0.041g)のトルエン4ml溶液に、トリ−tert−ブチルホスフィン(0.069g)を加え、60℃まで加温した(溶液D)。窒素気流中、溶液Cに溶液Dを添加し、3時間、加熱還流反応した。ブロモベンゼン(1.26g)を添加し、溶液Dを再度添加し、3時間、加熱還流反応した。反応液を放冷し、エタノール(3500ml)溶液に滴下し、エンドキャップした粗ポリマー4を得た。
このエンドキャップした粗ポリマー4をトルエンに溶解させ、希塩酸にて洗浄し、アンモニア含有エタノールに再沈殿させた。得られたポリマーをトルエンに溶解し、アセトンに再沈殿させ、析出したポリマーを濾取した。得られたポリマーをカラムクロマトグラフィーにより精製し、ポリマー4を得た(1.47g)。
重量平均分子量(Mw)=63400
数平均分子量(Mn)=43100
分散度(Mw/Mn)=1.47
<比較例1>
Figure 0005582260
4,4”−ジブロモ−p−ターフェニル(15.000g、38.6498mmol)、2−アミノ−9,9−ジヘキシルフルオレン(25.669g、73.4347mmol)、4−(3−アミノフェニル)ベンゾシクロブテン(0.755g、3.8650mmol)及びtert−ブトキシナトリウム(28.637g、297.9907mmol)、トルエン(415ml)を仕込み、系内を十分に窒素置換して、95℃まで加温した(溶液A)。トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウムクロロホルム錯体(0.800g、0.7730mmol)のトルエン26ml溶液に、トリ−tert−ブチルホスフィン(2.111g、10.4355mmol)を加え、60℃まで加温した(溶液B)。窒素気流中、溶液Aに溶液Bを添加し、2.0時間、加熱還流反応した。4,4”−ジブロモ−p−ターフェニル、及び2−アミノ−9,9−ジヘキシルフルオレン、4−(3−アミノフェニル)ベンゾシクロブテンが消失したことを確認した後、4,4”−ジブロモ−p−ターフェニル(13.350g、34.3984mmol)、2,2−ビス〔4−(4−ブロモフェニル)フェニル〕−4−メチルペンタン(1.907g、3.4785mmol)を追添加した。1.0時間加熱還流後、反応液を放冷して、反応液をエタノール4700ml中に滴下し、粗ポリマー3を晶出させた。
得られた粗ポリマー3をトルエン750mlに溶解させ、N,N−ジフェニルアミン(2.611g)、tert−ブトキシナトリウム(14.234g)を仕込み、系内を十分に窒素置換して、95℃まで加温した(溶液C)。トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウムクロロホルム錯体(0.800g、0.7730mmol)のトルエン26ml溶液に、トリ−tert−ブチルホスフィン(2.111g、10.4355mmol)を加え、60℃まで加温した(溶液D)。窒素気流中、溶液Cに溶液Dを添加し、3時間、加熱還流反応した。この反応液に、ブロモベンゼン(12.112g)を添加し、3時間、加熱還流反応した。反応液を放冷し、エタノール(3300ml)溶液に滴下し、エンドキャップした粗ポリマー3を得た。
このエンドキャップした粗ポリマー3をトルエンに溶解させ、希塩酸にて洗浄し、アンモニア含有エタノールに再沈殿させた。得られたポリマーをトルエンに溶解し、アセトンに再沈殿させ、析出したポリマーを濾取した。得られたポリマーをカラムクロマトグラフィーにより精製し、ポリマー3を得た(24.5g)。
重量平均分子量(Mw)=70000
数平均分子量(Mn)=49000
分散度(Mw/Mn)=1.43
<実施例3>
以下の方法により、(陽極/正孔注入層/正孔輸送層/発光層/電子注入層/陰極)の層構成である有機電界発光素子を作製した。
ガラス基板の上にインジウム・スズ酸化物(ITO)透明導電膜を70nm成膜したもの(スパッタ成膜品、シート抵抗15Ω)を通常のフォトリソグラフィ技術により2mm幅のストライプにパターニングして陽極を形成した。パターン形成したITO基板を、アセトンによる超音波洗浄、純水による水洗、イソプロピルアルコールによる超音波洗浄の順で洗浄後、窒素ブローで乾燥させ、最後に紫外線オゾン洗浄を行った。
まず、下記式(H1)に示すポリマー(Mw=70000、Mn=40000)、4−イソプロピル−4’−メチルジフェニルヨードニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボラートおよび安息香酸エチルを含有する正孔注入層形成用塗布液を調製した。この塗布液を下記条件で陽極上にスピンコートにより成膜して、膜厚30nmの正孔注入層を得た。なお、構造式(H1)に示すポリマーは国際公開第2009/123269号に記載の方法で合成した。
Figure 0005582260
<正孔注入層形成用塗布液>
溶媒 安息香酸エチル
塗布液濃度 H1:2.5重量%
A1:0.5重量%
<正孔注入層の成膜条件>
スピナ回転時間 30秒
スピンコート雰囲気 大気中
加熱条件 230℃、1時間
引き続き、実施例2で合成した下記式(H2)に示すポリマー(重量平均分子量:Mw=73800,Mn=49400)を含有する正孔輸送層形成用塗布液を調製し、下記の条件でスピンコートにより成膜して、膜厚15nmの正孔輸送層を形成した。
Figure 0005582260
<正孔輸送層形成用塗布液>
溶媒 シクロヘキシルベンゼン
塗布液濃度 1.0重量%
<正孔輸送層の成膜条件>
スピナ回転時間 30秒
スピンコート雰囲気 窒素中
加熱条件 230℃、1時間
引き続き、下記式(M1)に示す化合物、(M2)に示す化合物、及び(M3)に示す化合物を含有する発光層形成用塗布液を調製し、下記の条件でスピンコートにより成膜して、膜厚15nmの発光層を形成した。
Figure 0005582260
<正孔輸送層形成用塗布液>
溶媒 シクロヘキシルベンゼン
塗布液濃度 M1:1.2重量%
M2:3.6重量%
M3:0.72重量%
<正孔輸送層の成膜条件>
スピナ回転時間 30秒
スピンコート雰囲気 窒素中
加熱条件 130℃、10分間
得られた発光層の上に、真空蒸着法により正孔阻止層として下記構造の化合物E1を膜厚10nmとなるように、次いで、電子輸送層として下記構造の化合物E2を膜厚20nmとなるように、それぞれ順次積層した。
Figure 0005582260
その後、真空蒸着法により、電子注入層としてフッ化リチウム(LiF)を膜厚0.5nmとなるように、陰極としてアルミニウムを膜厚80nmとなるように、それぞれ陽極であるITOストライプと直交する形状の2mm幅のストライプ状に積層した。以上の様にして、2mm×2mmのサイズの発光面積部分を有する有機電界発光素子が得られた。
この素子からは、M3由来のELピーク波長564nmの黄色発光が得られることを確認した。この素子に8Vの電圧を印加したときの、電流密度は15.7mA/cm、輝度は7030cd/mであった。正孔輸送層に本発明のポリマーを用いることで、定電圧での電流密度が大きく(すなわち、駆動電圧が低く)、輝度が高い素子が得られた。本実施例3と後述の比較例2で得られた有機電界発光素子の特性を表1に示す。
Figure 0005582260
<比較例2>
正孔輸送層を下記のように形成した以外は、実施例3と同様に有機電界発光素子を作製した。
比較例1で合成した下記式(H3)に示すポリマー(重量平均分子量:Mw=70000,Mn=49000)を含有する正孔輸送層形成用塗布液を調製し、下記の条件でスピンコートにより成膜して、膜厚15nmの正孔輸送層を形成した。
(H3)
<正孔輸送層形成用塗布液>
溶媒 シクロヘキシルベンゼン
塗布液濃度 1.0重量%
<正孔輸送層の成膜条件>
スピナ回転時間 30秒
スピンコート雰囲気 窒素中
加熱条件 230℃、1時間
Figure 0005582260
この素子からは、M3由来のELピーク波長564nmの黄色発光が得られることを確認した。この素子に8Vの電圧を印加したときの、電流密度は15.0mA/cm、輝度は6710cd/mであった。
本発明を詳細にまた特定の実施形態を参照して説明したが、本発明の精神と範囲を逸脱することなく様々な変更や修正を加えることができることは当業者にとって明らかである。本出願は、2012年6月18日出願の日本特許出願(特願2012−136946)に基づくものであり、その内容はここに参照として取り込まれる。

Claims (16)

  1. 炭素原子に結合する側鎖として、下記式(1)で表される基を有する、高分子化合物。
    Figure 0005582260
    (式(1)中のベンゾシクロブテン環は、置換基を有していてもよい。また、置換基同士が、互いに結合して環を形成してもよい。
    Arは、置換基を有していてもよい芳香族炭化水素基又は置換基を有していてもよい芳香族複素環基を表し、
    nは1〜6の整数を表す。
    また、n個のArは、同じでもよく、また異なっていてもよい。)
  2. 式(1)で表される基が結合する炭素原子が、sp3混成軌道の中心となる炭素原子である、請求項1に記載の高分子化合物。
  3. 主鎖にsp3混成軌道の中心となる窒素原子を有する、請求項1又は請求項2に記載の高分子化合物。
  4. 部分構造としてフルオレン環由来の1価又は2価以上の基を含む、請求項1〜請求項3のいずれか一項に記載の高分子化合物。
  5. 重量平均分子量(Mw)が20,000以上であり、分散度(Mw/Mn)が2.5以下である(但し、Mnは数平均分子量を表す。)、請求項1〜請求項4のいずれか一項に記載の高分子化合物。
  6. 重量平均分子量(Mw)が60,000以上であり、分散度(Mw/Mn)が2.0以下である、請求項5に記載の高分子化合物。
  7. 下記式(2)で表される繰り返し単位を含む、請求項1〜請求項6のいずれか一項に記載の高分子化合物。
    Figure 0005582260
    (式中、mは0〜3の整数を表し、
    Ar11、及びAr12は、各々独立して、直接結合、置換基を有していてもよい芳香族炭化水素基又は置換基を有していてもよい芳香族複素環基を表し、
    Ar13〜Ar15は、各々独立に、置換基を有していてもよい芳香族炭化水素基又は置換基を有していてもよい芳香族複素環基を表す。
    m個のAr14同士及びAr15同士は、各々、同じでもよく、異なっていてもよい。
    但し、Ar11及びAr12が同時に、直接結合であることはない。)
  8. 下記式(3)で表される繰り返し単位を含む、請求項1〜請求項7のいずれか一項に記載の高分子化合物。
    Figure 0005582260
    (式中、pは1〜6の整数を表し、qは0〜3の整数を表し、
    Ar21及びAr22は、各々独立して、直接結合、置換基を有していてもよい芳香族炭化水素基又は置換基を有していてもよい芳香族複素環基を表し、
    Ar23〜Ar27は、各々独立に、置換基を有していてもよい芳香族炭化水素基又は置換基を有していてもよい芳香族複素環基を表す。
    は、水素原子、置換基を有していてもよい炭素数1〜24のアルキル基、置換基を有していてもよい炭素数1〜24のアルコキシ基、置換基を有してもよい芳香族炭化水素基又は置換基を有してもよい芳香族複素環基を表す。
    また、p個のAr27は、同じでもよく、また異なっていてもよい。
    q個のAr24同士及びAr25同士は、各々、同じでもよく、異なっていてもよい。
    但し、Ar21及びAr22が同時に、直接結合であることはない。)
  9. 前記式(1)で表される基を、分子量1,000あたり0.01個以上、3個以下有する、請求項1〜請求項8のいずれか一項に記載の高分子化合物。
  10. 請求項1〜請求項9のいずれか一項に記載の高分子化合物が、電荷輸送性を有するものである電荷輸送性ポリマー。
  11. 請求項10に記載の電荷輸送性ポリマーを含有する、有機電界発光素子用組成物。
  12. 基板上に、陽極、陰極、及び該陽極と該陰極の間に有機層を有する有機電界発光素子であって、
    該有機層が、請求項11に記載の有機電界発光素子用組成物を用いて、湿式成膜法で形成された層を含む、有機電界発光素子。
  13. 前記湿式成膜法で形成された層が、正孔注入層及び正孔輸送層のうちの少なくとも1つである、請求項12に記載の有機電界発光素子。
  14. 陽極と陰極の間に正孔注入層、正孔輸送層及び発光層を含み、前記正孔注入層、正孔輸送層及び発光層は、全て湿式成膜法により形成されたものである、請求項12又は請求項13に記載の有機電界発光素子。
  15. 請求項12〜請求項14のいずれか一項に記載の有機電界発光素子を有する有機EL表示装置。
  16. 請求項12〜請求項14のいずれか一項に記載の有機電界発光素子を有する有機EL照明。
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