JP5581453B2 - 電子機器、電子機器用筐体および表面保護板 - Google Patents

電子機器、電子機器用筐体および表面保護板 Download PDF

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Description

本発明は、携帯電話や携帯情報端末などの電子機器、特にその筐体または表面保護板に関し、特に、表面硬度が高く、カール(反り)防止性に優れ、耐衝撃性に優れる表面保護板を用いた電子機器に関する。
PCモニター、テレビ、携帯電話などの電子機器の筐体には、アクリル板やポリカーボネート板といった樹脂板やガラス板などからなる表面保護板が設置されている。このような表面保護板として、樹脂板を用いたときには、ガラス板のように割れないことや、軽量であることが利点であり、ガラス板を用いたときには、表面が傷つきにくいことや平面性が良いことが利点である。
近年、樹脂板には、従来の樹脂板の利点を維持しつつ、ガラス板の利点である表面が傷つきにくいことや平面性がよいなどの性能が求められ、ガラス板には、飛散防止性や軽量化が求められている(特許文献1)。
そして、樹脂板の性能をガラス板の性能に近づけるために、樹脂板表面にハードコート層を設けることが考えられる。また、ハードコート層を目的の表面硬度とするため、特定の硬化型樹脂を用いたフィルム積層体が提案されている(特許文献2)。
特許文献1:特開2003−140558号公報(従来の技術) 特許文献2:特開2008−37101号公報(背景技術)
しかし、樹脂フィルムや樹脂板の片面にハードコート層を設けた場合には、樹脂フィルムや樹脂板にカールが発生し、平面性が悪くなるといった問題がある。また電子機器の筐体に用いる場合には、樹脂フィルムや樹脂板の裏面側が傷つきやすくなるという問題もある。
一方、樹脂フィルムや樹脂板の両面に硬度の高いハードコート層を設けた場合には、表面に強い衝撃を受けたときに、衝撃を受けた面とは反対面のハードコート層にクラックを生じてしまうことがわかった。裏面側のクラックは、樹脂フィルム等を電子機器の表示面などの透明性が要求される部分に用いた場合には、透明性や美観を大きく損ねる。
そこで、平面性が良好で、強い衝撃を受けたときに、衝撃を受けた面とは反対面のハードコート層にクラックを生じない表面保護板を有する筐体を備えた電子機器を提供することを目的とする。
本発明者らは、強い衝撃を受けたときの衝撃を受ける面とは反対面のハードコート層のクラックが、両面に設けられる硬化層の組成や厚みのバランスを調整することによって解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、上記課題を解決する本発明の電子機器は、筐体と、筐体内に組み込まれる電子部品とを備えた電子機器であって、筐体が表面保護板を有するものであり、表面保護板は、プラスチックフィルムを含む基材の一方の面に第一の硬化層、他方の面に第二の硬化層が設けられ、前記第一の硬化層は、硬化型樹脂100重量部に対して無機系微粒子を50〜200重量部含み、前記第一の硬化層の厚みが前記第二の硬化層より厚く、前記表面保護板の第二の硬化層は筐体の内側向きに配置されることを特徴とする。
また本発明の表面保護板は、プラスチックフィルムを含む基材の一方の面に第一の硬化層、他方の面に第二の硬化層が設けられ、前記第一の硬化層は、硬化型樹脂100重量部に対して無機系微粒子を50〜200重量部含み、前記第一の硬化層の厚みが第二の硬化層より厚いことを特徴とする。
さらに本発明の電子機器または表面保護板は、表面保護板の第二の硬化層のJIS−K5600−5−1(1999)に準拠した円筒形マンドレル法で測定した耐屈曲試験の値が16mm以下であることを特徴とするものである。なお、本発明における上記耐屈曲試験の値は、188μmのポリエチレンテレフタレートを基材とし、その上に第二の硬化層を形成してなるサンプル片を測定した値である。
また本発明の電子機器または表面保護板は、第一の硬化層のJIS K5600−5−4(1999)における鉛筆硬度が4H以上であり、第二の硬化層のJIS K5600−5−4(1999)における鉛筆硬度がB以上2H以下であることを特徴とするものである。
また本発明の電子機器または表面保護板は、2枚以上のプラスチックフィルムが接着層を介して積層されたものであることを特徴とする。
また本発明の電子機器または表面保護板は、第一の硬化層に含まれる無機系微粒子の平均粒子径が3nm以上第一の硬化層の厚みの2/3以下であることを特徴とする。
さらに本発明の電子機器用筐体は、電子部品を内蔵し、少なくとも一つの面に表面保護板を備えた電子機器用筐体であって、表面保護板が上記本発明の表面保護板であるものである。
本発明によれば、表面が傷つきにくく、平面性がよく、軽量で、耐衝撃性に優れた表面保護板を有する筐体を備えた電子機器とすることができる。
本発明の電子機器に用いられる表面保護板の一実施例 本発明の表面保護板を有する筐体を備えた電子機器の一実施例 本発明の表面保護板を有する筐体を備えた電子機器の他の実施例 耐衝撃性試験の結果を示す顕微鏡写真を示す図で、(a)は実施例1の表面保護板(第一の硬化層)の表面、(b)は比較例1の表面保護板(第一硬化層)の表面を示す。
本発明の電子機器は、筐体と、筐体内に組み込まれる電子部品とを備えたものであって、筐体が表面保護板を有するものであり、表面保護板は、表面保護板の一方の面に第一の硬化層、他方の面に第二の硬化層が設けられ、第一の硬化層は、硬化型樹脂100重量部に対して無機系微粒子を50〜200重量部含み、第一の硬化層の厚みが第二の硬化層より厚く、前記表面保護板の第二の硬化層は筐体の内側向きに配置されるものである。
なお硬化型樹脂は、熱、光、電離放射線などのエネルギーによって不可逆的に硬化する樹脂の総称である。
また、第二の硬化層のJIS−K5600−5−1(1999)に準拠した円筒形マンドレル法で測定した耐屈曲試験の値が16mm以下であることを特徴とするものであり、第一の硬化層の鉛筆硬度が4H以上であり、第二の硬化層の鉛筆硬度がB以上2H以下であることを特徴とするものである。以下、本発明の電子機器の実施の形態について説明する。
本発明の電子機器は、筐体と、筐体内に組み込まれる電子部品とを備えるものである。筐体内に組み込まれる電子部品としては、液晶表示装置、プラズマ表示装置、EL表示装置などの表示装置のほか、音楽録音・再生用装置、携帯電話、デジタルカメラなどを構成する電子部品などがある。
また、筐体は、表面保護板を有するものである。表面保護板は、筐体のどの部分に用いられてもよい。例えば、表示装置用の筐体であれば、図2に示すように、透過性を有する表面保護板を表示装置の表示部分に用いても良いし、加飾印刷などを施した表面保護板を、図3に示すように、表示部分ではない部分に用いることも可能である。図3は、表示部分とは反対側の面に表面保護板が用いられた状態を示している。
本発明の電子機器に用いられる表面保護板は、図1に示すように、基材15と、その両面に設けられた硬化膜(10、13)とから構成される。硬化膜は、表側となる第一の硬化膜10と、筐体の内側となる第二の硬化膜13とからなり、後述するように、その組成や厚みが異なる。
基材として、プラスチックフィルム単体やプラスチックフィルムを接着材を介して貼り合わせた積層体を用いることができる。特に基材として、図1に示すような、2枚以上のプラスチックフィルム11、11が接着層12を介して積層されたものを用いることが好ましい。このような基材を用いた場合、プラスチックフィルム単層を基材とした同一厚み品と比べて、耐衝撃性に優れたものとすることができる。耐衝撃性に優れる理由は、次のように考えられる。硬化層が衝撃を受けたときに、硬化層から、基材、さらに反対面の硬化層へと衝撃が伝えられる。基材を、プラスチックフィルムが接着層を介して積層されたものとすることにより、基材中で各層に伝えられる衝撃を緩和していき、反対面の硬化層へと伝わる衝撃を減少させることができるためと考えられる。
プラスチックフィルムとしては、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステル系フィルムや、ポリエチレン、ポリプロピレン、トリアセチルセルロース、ポリ塩化ビニル、ポリカーボネートなどからなる各種のプラスチックフィルムを使用することができる。このうち、延伸加工、特に二軸延伸加工されたポリエチレンテレフタレートフィルムが、腰が強く、型抜きの際に割れにくい点で好ましい。また、3枚以上のプラスチックフィルムを用いる場合には、二軸延伸加工されたポリエチレンテレフタレートフィルムを両表面に配置し、他のプラスチックフィルムを挟み込むように用いることが好ましい。なお、プラスチックフィルムの表面には、コロナ放電処理や、下引き易接着処理などの易接着処理を施してもよい。また、透明な表面保護板とする場合には、透明性を有するプラスチックフィルムを用いる。
プラスチックフィルムの各々の厚みは、50〜400μmであることが好ましく、100〜350μmであることがより好ましく、150〜300μmであることがさらに好ましい。
接着層は、樹脂と必要に応じて添加される添加剤とからなる。接着層を構成する樹脂としては加熱及び/又は電離放射線照射等によって架橋硬化する熱硬化型樹脂や電離放射線硬化型樹脂が好適に使用される。これらの樹脂は、架橋硬化することによりプラスチックフィルムに対する接着性が上昇すると共に、積層板の腰を強くできる。
熱硬化型樹脂は、熱硬化型樹脂を含有する塗布液をプラスチックフィルム上に塗布した後、熱により架橋硬化させるという製法上の要請から、プラスチックフィルムの耐熱温度以下の熱により架橋硬化することができる熱硬化型樹脂が好ましい。具体的には、メラミン系、エポキシ系、アミノアルキッド系、ウレタン系、アクリル系、ポリエステル系、フェノール系等の架橋性樹脂を熱によって架橋硬化させるものが使用できる。特に、積層板としたときの腰を強くでき、プラスチックフィルムとの接着性も良好なアクリル系熱硬化型樹脂が好ましい。これらは単独でも使用可能であるが、架橋性、架橋硬化塗膜の硬度をより向上させるためには、硬化剤を加えることが望ましい。
硬化剤としては、ポリイソシアネート、アミノ樹脂、エポキシ樹脂、カルボン酸などの化合物を適合する樹脂に合わせて適宜使用することができる。
電離放射線硬化型樹脂としては、少なくとも電離放射線(紫外線若しくは電子線)の照射によって架橋硬化することができる塗料から形成されるものを使用することが好ましい。このような電離放射線硬化塗料としては、光カチオン重合可能な光カチオン重合性樹脂や、光ラジカル重合可能な光重合性プレポリマー若しくは光重合性モノマー、などの1種又は2種以上を混合したものを使用することができる。このような電離放射線硬化塗料には、種々の添加剤を添加することができるが、硬化の際に紫外線を用いる場合には、光重合開始剤、紫外線増感剤等を添加することが好ましい。
接着層は、上述した硬化性樹脂の他に、アクリル系粘着性樹脂等の熱可塑性樹脂を含んでいてもよい。熱可塑性樹脂を混合することにより、接着層に常温における感圧接着性を付与することができるため、プラスチックフィルムどうしを容易に貼着することができる。また熱可塑性樹脂を混合することにより、マルテンス硬さを低く調節することができ、型抜き処理を行ったときに、プラスチックフィルムと接着層との間に浮きや剥がれが生じにくくなる。腰の強い積層板を得るために、熱可塑性樹脂は、接着層を構成する樹脂の60%以下であることが好ましい。
接着層中には、上述した樹脂のほかに、レベリング剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤などの添加剤を添加してもよい。
接着層は、上述した熱硬化型樹脂や電離放射線硬化塗料を加熱及び/又は電離放射線照射することによって硬化する。ここでいう硬化は、常温で流動性を有する塗料の状態から流動性を失った状態への変化を言い、硬化の程度には幅があってもよい。硬化の程度は照射量により調整することができる。
硬化後の接着層の厚みは1〜50μmであることが好ましい。接着層の下限として更に好ましくは2μm以上、より好ましくは5μm以上、特に好ましくは10μm以上であり、上限として更に好ましくは40μm以下、より好ましくは30μm以下である。1μm以上とすることにより十分な腰と接着力が得られる。50μm以下とするのは、50μm以上としても厚みに起因する腰を強くする効果があまり得られないことと、機能性積層板の厚みが厚くなりすぎるためである。また、接着層の厚みを厚くすることによって、プラスチックフィルムに対する電離放射線の照射量が多くなるため、プラスチックフィルムの劣化を招くことにもなる。
基材の厚みは、特に限定されないが実用的には100μm〜1mmの範囲が好ましく、基材が1枚のプラスチックフィルムからなる場合には好ましくは100μm以上、より好ましくは188μm以上であり、また好ましくは400μm以下である。2枚以上のプラスチックフィルムを接着層により積層した場合には、好ましくは200μm以上、より好ましくは300μm以上であり、また好ましくは800μm以下、より好ましくは700μm以下である。
基材15の一方の面に設けられる第一の硬化層10は、硬化型樹脂100重量部に対して無機系微粒子を50〜200重量部含むものである。第一の硬化層に無機系微粒子を上記範囲含有させることにより、第一の硬化層の表面硬度と耐衝撃性を適切に調整することができる。
硬化型樹脂としては、ポリエステル系樹脂、アクリル系樹脂、アクリルウレタン系樹脂、ポリエステルアクリレート系樹脂、ポリウレタンアクリレート系樹脂、エポキシアクリレート系樹脂、ウレタン系樹脂、エポキシ系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、メラミン系樹脂、フェノール系樹脂、シリコーン系樹脂などの熱硬化型樹脂、電離放射線硬化型樹脂などから形成することができる。これら樹脂の中でも硬化することによって表面保護板の腰を強くできる電離放射線硬化型樹脂が好適に使用される。
硬化層は、上述した硬化型樹脂のほかに、その特性、特に表面硬度や耐衝撃性を阻害しない範囲で、熱可塑性樹脂等の樹脂を添加することが可能である。熱可塑性樹脂としては、塩化ビニル系樹脂、酢酸ビニル系樹脂、塩化ビニリデン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ウレタン系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリスチレン系樹脂、アクリル系樹脂、セルロース系樹脂、アセタール系樹脂、エポキシ系樹脂、フェノール系樹脂、メラミン系樹脂、シリコーン系樹脂等などがあげられ、硬化型樹脂の硬化がそこなわれない程度に、これらの1種または2種以上を硬化型樹脂と混合して用いることができる。
第一の硬化層に用いられる無機系微粒子は、平均粒子径が第一の硬化層の厚みの2/3以下であることが好ましい。平均粒子径は3nm以上、より好ましくは、5nm以上、さらに好ましくは、10nm以上である。また平均粒子径は、30μm以下、より好ましくは、1μm以下、さらに好ましくは、500nm以下である。平均粒子径は、一次粒子であっても、凝集体である二次粒子であってもかまわない。平均粒子径を3nm以上とすることにより、分散安定性を得ることができる。また、平均粒子径を第一の硬化層の厚みの2/3以下とすることにより、塗膜表面に無機系微粒子の突出が少なくなり、無機系微粒子の脱落を防止することができる。なお、表面保護板を透明用途に使用する場合には、無機系微粒子の平均粒子径は、300nm以下とすることが好ましく、100nm以下がより好ましく、80nm以下がさらに好ましい。
なお本発明でいう平均粒子径は、レーザー回折式粒度分布測定装置(例えば、島津製作所社:SALD−7000など)で測定されるメディアン径(D50)を指すものである。
無機系微粒子としては、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化ジルコニウム、酸化スズ、酸化アルミニウム、酸化コバルト、酸化マグネシウム、酸化鉄、酸化珪素、酸化セリウム、酸化インジウム、チタン酸バリウム、クレイ及びこれらナノ粒子の格子中に異種金属をドーピングしたもの並びに表面改質を施したものなどを用いることができる。このような無機系微粒子は、気相法又は液相法により作製したもの、また必要に応じて、焼成して微結晶化したものを用いることもできる。
また、無機系微粒子として、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化ジルコニウム、酸化スズ、酸化珪素などの粒子表面に水酸基が多く存在するものは、シランカップリング剤や分散剤などにより表面修飾して、塗膜中に安定的に存在させることができるため好ましい。
このような無機系微粒子は、硬化型樹脂100重量部に対し、50重量部以上が好ましく、60重量部以上がより好ましく、65重量部以上がさらに好ましい。50重量部以上とすることにより高い表面硬度とすることができる。また硬化型樹脂100重量部に対し、200重量部以下が好ましく、150重量部以下がより好ましく、120重量部以下がさらに好ましい。200重量部以下とすることにより硬化層の耐衝撃性の低下を防止することができる。
第一の硬化層の厚みは、10μm以上が好ましく、15μm以上がより好ましい。10μm以上とすることにより、十分な傷つき防止性を獲得することができる。また第一の硬化層の厚みは、40μm以下が好ましく、30μm以下がより好ましい。40μm以下とすることにより、耐衝撃性の低下を防止することができる。
また、第一の硬化層のJIS K5600−5−4(1999)における鉛筆硬度は、4H以上、より好ましくは5H以上、さらに好ましくは6H以上であり、10H以下、より好ましくは9H以下、さらに好ましくは8H以下である。鉛筆硬度は、樹脂の種類や無機系微粒子の添加量及び層の厚みを調整することにより調整できる。第一の硬化層の鉛筆硬度を上記範囲とすることにより、表面の傷付きを防止することができ、更に、筐体内部の電子部品や回路などを衝撃から守ることができる。
一方、第一の硬化層とは反対面に設けられる第二の硬化層13(図1)は、表面保護板の内側に配置される層であり、表面保護板の反りを防止するとともに耐衝撃性を向上するために設けられる。第二の硬化層として第一の硬化層と同じ組成、同じ厚みの硬化層を設けた場合には反りの防止を図ることができるが、第一の硬化膜が衝撃を受けた時に第二の硬化膜にクラックが発生しやすい。これに対し、本発明の表面保護板は、第二の硬化層の特性や厚みを第一の硬化層と異ならせることにより、反りの防止を図るとともに耐衝撃性を向上させたことが特徴である。
まず第二の硬化層の特性について説明する。
第二の硬化層は、JIS−K5600−5−1(1999)に準拠した円筒形マンドレル法で測定した耐屈曲試験の値が16mm以下であることが好ましく、さらに好ましくは、13mm以下である。なお、本発明では耐屈曲試験の値は、188μmのポリエチレンテレフタレートを基材としたサンプル片を測定した値である。耐屈曲試験の値を16mm以下とすることにより、耐衝撃性をよりよくすることができる。
また、第二の硬化層のJIS K5600−5−4(1999)における鉛筆硬度は、第一の硬化層よりも硬度が低いことが好ましく、具体的にはB〜3Hが好ましい。
上述した耐屈曲性及び鉛筆硬度は、第二の硬化層の厚みや樹脂の種類及び無機系微粒子の含有量を調整することにより好適な範囲に調整することができる。
第二の硬化層の厚みは、第一の硬化層の厚みよりも薄いことが好ましい。具体的な厚みとしては、第一の硬化層の厚みによるため一概には言えないが、2〜30μmが好ましい。第二の硬化層の厚みが、第一の硬化層の厚みに近くなると、第二の硬化層を、衝撃を受ける面とは反対面に配置したときに、衝撃による第二の硬化層のクラックを防止することができない。なお、一般に第一の硬化層と第二の硬化層の組成が同一で厚みが異なる場合には、厚みの違いに起因して平面性が悪くなる(反りが生じる)傾向があるが、本発明の表面保護板は、第一の硬化層と第二の硬化層の特性や組成を異ならせているため、厚みを異ならせても平面性が損なわれることがなく、耐衝撃性を高めることができる。
第二の硬化層に用いる硬化型樹脂としては、第一の硬化層について説明した材料と同じ材料から選択して用いることができるが、上記特性を得る目的で、樹脂や無機系微粒子の種類を第一の硬化層と第二の硬化層とで異ならせてもよい。例えば、第二の硬化膜に用いる樹脂として、第一の硬化膜の硬化樹脂よりも低い表面硬度となる硬化樹脂を用いてもよいし、また硬化樹脂以外の樹脂を添加することもできる。
また第二の硬化層は、無機系微粒子を含まなくてもよい。無機系微粒子を添加する場合には、硬化性樹脂に対する無機系微粒子の含有量は、第一の硬化層の硬化型樹脂100重量部に対する無機系微粒子の含有量の75%以下が好ましく、さらに好ましくは50%以下、より好ましくは25%以下である。第二の硬化層の無機系微粒子の含有量を、第一の硬化層の対樹脂含有量の75%以下とすることにより、第二の硬化層の耐衝撃性の低下を防止することができる。第二の硬化膜は無機系微粒子を含まなくてもよいが、その貼り付きを防止するためには、1%以上、好ましくは3%以上、より好ましくは5%以上無機系微粒子を含有するとよい。
また、第二の硬化層は、印刷適性を有することが好ましい。印刷適性は、例えば第二の硬化層の水に対する接触角を調整することにより付与することができる。水に対する接触角をJIS−R3257(1999)に準拠した方法で測定した値で80°以下に制御することにより、優れた印刷適性を得ることができ、図1に示すように、枠や文字、模様などの加飾印刷3を設けることができる。
このような表面保護板は、筐体の内部側に、第二の硬化層が位置するように配置される。このように第一の硬化層を、衝撃を受ける側に配置することによって、表面の傷付きを防止することができ、更に、筐体内部の電子部品や回路などを衝撃から守ることができる。
表面保護板の厚みとしては、125〜2000μmが好ましく、200〜1000μmが好ましい。125μmとすることにより、表面保護板の腰を強くすることができ、衝撃を受けたときに筐体内部の電子部品や回路などを衝撃から守ることができ、2000μm以下とすることにより、電子機器としたときの厚みを薄くすることができ、軽量化することができる。
本発明の表面保護板は、(1)第一の硬化層を設けたプラスチックフィルムと第二の硬化層を設けたプラスチックフィルムとを接着層を介して貼り合わせる、(2)プラスチックフィルムを、接着層を介して貼り合わせた後、第一・第二の硬化層を順次設ける、(3)第一及び第二の硬化層の一方を設けたプラスチックフィルムと硬化層を形成していないプラスチックフィルムを、接着層を介して貼り合わせた後、第一及び第二の硬化層の他方を設ける、などの方法により作製できる。
本発明の各層は、構成成分を適当な溶媒に溶解又は分散させて塗布液を調製したり、溶媒を用いることなく接着層の構成成分を混合して塗布液を調整したりすることにより塗布液を調整し、当該塗布液をロールコーティング法、バーコーティング法、スプレーコーティング法、エアナイフコーティング法などの公知の方法によりプラスチックフィルム上に塗布し、必要に応じて加熱や電離放射線照射する方法を用いることができる。電離放射線の照射量は、500〜1500mJ程度である。
また、各層には、必要に応じて、レベリング剤や紫外線吸収剤などの添加剤を添加することができる。
本発明の表面保護板は、用途に応じて所望の形状に型抜き処理することができる。型抜き処理は、例えばトムソン刃型(ビク刃型)を用いた型抜き機などを用いて従来公知の方法で行うことができる。
このように型抜き機を用いた型抜き処理を行うことで、複数枚や大面積の同時加工が可能であり、表面保護板の厚みを厚くしても加工時間が短く、レーザーによる切削加工に比べて生産効率を向上させることができる。また、型抜きの際に表面保護板が割れてしまうこともなく、硬化層やプラスチックフィルム、接着層との界面で剥がれや浮きを生じることもない。
以下、実施例により本発明を更に説明する。なお、「部」、「%」は特に示さない限り、重量基準とする。
1.表面保護板の作製
[実施例1]
厚み188μmの透明ポリエステルフィルムA(コスモシャインA4300:東洋紡績社)の一方の面に、下記の組成からなる第一の硬化層塗布液を、厚みが26μmとなるようにバーコーティング法により塗布、紫外線照射して、第一の硬化層を有する透明ポリエステルフィルムを作製した。
<第一の硬化層塗布液>
・電離放射線硬化型樹脂 60部
(ダイヤビームMH-7363:三菱レイヨン社、固形分40%)
・シリカ微粒子溶液 80部
(MIBK-ST:日産化学工業社、平均粒子径:10〜20nm、固形分30%)
・光重合開始剤 1.2部
(イルガキュア651:チバ・ジャパン社)
・希釈溶媒 22部
次いで、厚み188μmの透明ポリエステルフィルムB(コスモシャインA4300:東洋紡績社)の一方の面に、下記の組成からなる第二の硬化層塗布液を、厚みが6μmとなるようにバーコーティング法により塗布、紫外線照射して、第二の硬化層を有する透明ポリエステルフィルムを作製した。
<第二の硬化層塗布液>
・電離放射線硬化型樹脂 10部
(ビームセット575:荒川化学工業社、固形分100%)
・電離放射線硬化型樹脂 5部
(NKエステルA-1000:新中村化学工業社、固形分100%)
・光重合開始剤 0.75部
(イルガキュア651:チバ・ジャパン社)
・希釈溶媒 23部
次いで、透明ポリエステルフィルムBの第二の硬化層とは反対面に、下記の組成からなる接着層塗布液を、厚みが10μmとなるようにバーコーティング法により塗布、乾燥した。次いで、接着層上に前記第一の硬化層を有する透明ポリエステルフィルムA(コスモシャインA4300:東洋紡績社)の硬化層が形成されていない面を貼り合わせた後、温度40℃で1週間保管することにより、実施例1の表面保護板を作製した。
<接着層塗布液>
・熱硬化型樹脂 35部
(タケラック A975:三井化学社、固形分65%)
・硬化剤 5部
(タケネート A-3:三井化学社、固形分75%)
・希釈溶剤 66部
[実施例2〜実施例6]
第一の硬化層塗布液、第二の硬化層塗布液を表1記載の塗布液に代えた以外は、実施例1と同様にして実施例2〜6の表面保護板を作製した。
[比較例1〜3]
第一の硬化層塗布液、第二の硬化層塗布液を表2記載の塗布液に代えた以外は、実施例1と同様にして比較例1〜3の表面保護板を作製した。
[実施例7]
実施例1で用いた透明ポリエステルフィルムAおよびBの厚みを125μmに代えた以外は、実施例1と同様にして実施例7の表面保護板を作製した。
[実施例8]
厚み250μmの透明ポリエステルフィルム(コスモシャインA4300:東洋紡績社)の一方の面に、実施例1と同様に第一の硬化層を作製し、次いで、第一の硬化層とは反対面に、実施例1と同様に第二の硬化層を作製し、実施例8の表面保護板を作製した。
[実施例9]
第二の硬化層塗布液を下記記載の塗布液に代えた以外は、実施例1と同様にして実施例9の表面保護板を作製した。
<第二の硬化層塗布液>
・電離放射線硬化型樹脂 37.5部
(ダイヤビームMH-7363:三菱レイヨン社、固形分40%)
・光重合開始剤 0.75部
(イルガキュア651:チバ・ジャパン社)
・希釈溶媒 0.5部
[比較例4]
第一の硬化層塗布液、第二の硬化層塗布液を表2記載の塗布液に代え、第二の硬化層の厚みを26μmに代えた以外は、実施例1と同様にして比較例4の表面保護板を作製した。
[比較例5]
第二の硬化層の厚みを26μmに代えた以外は、実施例1と同様にして比較例5の表面保護板を作製した。
[比較例6]
実施例1で用いた透明ポリエステルフィルムAおよびBの厚みを125μmに代え、第一の硬化層塗布液、第二の硬化層塗布液を表2記載の塗布液に代え、第一の層の厚みを6μmに代えた以外は、実施例1と同様にして比較例6の表面保護板を作製した。
[比較例7]
厚み250μmの透明ポリエステルフィルム(コスモシャインA4300:東洋紡績社)の両面に、表2記載の塗布液を、厚みが6μmとなるようにバーコーティング法により塗布、紫外線照射して、比較例7の表面保護板を作製した。
Figure 0005581453
Figure 0005581453
2.電子機器の作製
実施例1〜9、比較例1〜7の表面保護板の第二の硬化層に、枠や文字などの加飾印刷を施し、所定の大きさに裁断した。そして、携帯電話用筐体に、表示装置やスピーカなどの必要な電子部品を組み込み、表示部分となる開口部に、実施例1〜9、比較例1〜7の表面保護板を第二の硬化層が筐体の内側になるように配置して、電子機器(携帯電話)を作製した。
(1)鉛筆硬度
実施例1〜9、比較例1〜7の第一・第二の硬化層のJIS K5600−5−4(1999)における鉛筆硬度を測定した。結果を表3に示す。
(2)耐屈曲試験
実施例1〜9、比較例1〜7の第二の硬化層を、188μmの透明ポリエステルフィルムに設け、厚みを各実験例と同じにしたサンプル片を用いて、JIS−K5600−5−1(1999)に準拠した円筒形マンドレル法で測定した耐屈曲試験の値を測定した。結果を表3に示す。
(3)耐衝撃試験
直径60mmの円筒上に、10cm×10cmに切断した実施例1〜9、比較例1〜7の表面保護板を円筒の中心とサンプル片の中心が重なるようにして、第一の硬化層を表面側として設置して、130gの球(クロム球、直径:1.25インチ)を落下させた。第一の硬化層にクラックが発生する高さを測定した。50cm以上の高さでクラックを生じないものを「○」、50cm未満の高さでクラックを生じるものを「×」とした。
また実施例1及び比較例1の表面保護板について、上記の球を50cmの高さから落下させた場合、落下点を含む第一の硬化層表面の顕微鏡写真を図4に示す。
また、同様に第一の硬化層を表面側として設置して、第二の硬化層にクラックが発生する高さを測定した。50cm以上の高さでクラックを生じないものを「◎」、40cm以上50cm未満の高さでクラックを生じるもの「○」、30cm以上40cm未満の高さでクラックを生じるものを「△」、30cm未満の高さでクラックを生じるものを「×」とした。結果を表3に示す。
(4)平面性
実施例1〜9、比較例1〜7の表面保護板を縦横10cm×10cmに裁断し、平らな面を持つ台の上に静置した。表面保護板の4つの端部について、台面から浮き上がった高さ(反り量)を測定し、反り量の四隅の合計が、0mm以上〜5mm未満であったものを「○」とし、5mm以上であったものを「×」とした。測定結果を表3に示す。
Figure 0005581453
以上の結果から明らかなように、実施例1〜9の電子機器は、第一の硬化層が、硬化型樹脂100重量部に対して無機系微粒子を50〜200重量部含むものであるため、ハードコート層の表面硬度が高く、鉛筆硬度で5H〜6Hと良好なものであった。
特に実施例1〜5及び7の電子機器は、2枚以上のプラスチックフィルムを接着層を介して積層されたものを基材として用いており、第二の硬化層は無機系微粒子を含まず、且つ第一の硬化層の厚みが第二の硬化層より厚いものであるため、耐衝撃性や平面性にも優れるものであった。
実施例6の電子機器は、第一の硬化層の組成は実施例3と同じで、第二の硬化層の硬化型樹脂100重量部に対する無機系微粒子の含有量が、第一の硬化層に含まれる硬化型樹脂100重量部に対する無機系微粒子の含有量の75%以下としたものである。第二の硬化層が無機系微粒子を含有しているため、耐屈曲試験の結果は実施例1〜5及び7よりも高い値を示したが、耐衝撃性及び平面性はともに良好であった。
実施例8の電子機器は、基材として1枚のプラスチックフィルムを用いているため、第二の硬化層の耐衝撃性は、他の実施例よりも劣っていたが、同じ1枚のプラスチックフィルムを用いた比較例7に比べ、第二の硬化層に生じるクラックが少なく、また第一の硬化層の表面硬度も比較例7のものより高かった。
実施例9の電子機器は、第二の硬化層の樹脂の種類を実施例1と異ならせたものであり、耐屈曲試験の結果は実施例1よりも高い値を示したが、耐衝撃性及び平面性はともに良好であった。
一方、比較例1の電子機器は、第一の硬化層が、硬化型樹脂100重量部に対して無機系微粒子を200重量部より多く含むものであったため、鉛筆硬度は6Hと優れるものであるが、耐衝撃試験において、第一の硬化層にクラックが生じてしまうものであった。
比較例2の電子機器は、第一の硬化層の硬化型樹脂100重量部に対する無機系微粒子の含有量が50重量部より少ないものであったため、表面硬度に劣るものであった。
比較例3の電子機器は、第一の硬化層および第二の硬化層をともに実施例1の第一の硬化層と同じ処方としたものである。第二の硬化層に含まれる無機系微粒子の含有量が、第一の硬化層に含まれる硬化型樹脂100重量部に対する無機系微粒子の含有量の75%より多いため、耐衝撃性に劣り、平面性もよくないものであった。
比較例4の電子機器は、比較例3と同様に第一の硬化層および第二の硬化層を同じ処方にして、両層の厚みを同じにしたものである。処方及び厚みを同じにすることにより平面性は良好になったが、第二の硬化層に含まれる無機系微粒子の含有量が第一の硬化層と同程度に多く且つ第二の硬化層の厚みも厚いことから、耐衝撃性に劣るものであった。
比較例5の電子機器は、第一の硬化層及び第二の硬化層の処方を実施例1と同様にし、第二の硬化層の厚みを第一の硬化層の厚みと同じにしたものである。第二の硬化層の厚みが厚いことから、耐衝撃性に劣り、平面性も良くないものであった。
比較例6の電子機器は、第一の硬化層及び第二の硬化層をともに実施例1の第二の硬化層と同じ無機系微粒子を含まない処方とし、両層の厚みを同じにしたものである。この電子機器は、耐衝撃性及び平面性が優れていたが、第一の硬化層が無機系微粒子を含まないため表面硬度が劣るものであった。
比較例7の電子機器は、第一の硬化層及び第二の硬化層の処方及び厚みを比較例6と同じにし、基材を一枚のプラスチックフィルムに代えたものであり、比較例6に比べて耐衝撃性に劣るものであった。
1・・・表面保護板
10・・第一の硬化層
11・・プラスチックフィルム
12・・接着層
13・・第二の硬化層
15・・基材
2・・・筐体
3・・・加飾印刷

Claims (13)

  1. 筐体と、筐体内に組み込まれる電子部品とを備えた電子機器であって、
    筐体が表面保護板を有するものであり、
    表面保護板は、プラスチックフィルムを含む基材の一方の面に第一の硬化層、他方の面に第二の硬化層が設けられ、前記第一の硬化層は、硬化型樹脂100重量部に対して無機系微粒子を50〜200重量部含み、前記第一の硬化層の厚みが前記第二の硬化層より厚く、前記表面保護板の第二の硬化層は筐体の内側向きに配置されることを特徴とする電子機器。
  2. 前記第二の硬化層のJIS−K5600−5−1(1999)に準拠した円筒形マンドレル法で測定した耐屈曲試験の値が16mm以下であることを特徴とする請求項1記載の電子機器。
  3. 前記第一の硬化層のJIS K5600−5−4(1999)における鉛筆硬度が4H以上であり、第二の硬化層のJIS K5600−5−4(1999)における鉛筆硬度がB以上2H以下であることを特徴とする請求項1又は2に記載の電子機器。
  4. 前記基材は、2枚以上のプラスチックフィルムが接着層を介して積層されたものであることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の電子機器。
  5. 前記第一の硬化層に含まれる無機系微粒子の平均粒子径が3nm以上第一の硬化層の厚みの2/3以下であることを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載の電子機器。
  6. 前記第二の硬化層は、無機系微粒子を含まないか、硬化型樹脂100重量部に対する無機系微粒子の含有量が、第一の硬化層に含まれる硬化型樹脂100重量部に対する無機系微粒子の含有量の75%以下であることを特徴とする請求項1から5のいずれか一項に記載の電子機器。
  7. プラスチックフィルムを含む基材の一方の面に第一の硬化層、他方の面に第二の硬化層が設けられ、前記第一の硬化層は、硬化型樹脂100重量部に対して無機系微粒子を50〜200重量部含み、前記第一の硬化層の厚みが第二の硬化層より厚いことを特徴とする表面保護板。
  8. 前記第二の硬化層のJIS−K5600−5−1(1999)に準拠した円筒形マンドレル法で測定した耐屈曲試験の値が16mm以下であることを特徴とする請求項7記載の表面保護板。
  9. 前記第一の硬化層のJIS K5600−5−4(1999)における鉛筆硬度が4H以上であり、第二の硬化層のJIS K5600−5−4(1999)における鉛筆硬度がB以上2H以下であることを特徴とする請求項7又は8に記載の表面保護板。
  10. 前記基材は、2枚以上のプラスチックフィルムが接着層を介して積層されたものであることを特徴とする請求項7から9のいずれか一項に記載の表面保護板。
  11. 前記第一の硬化層に含まれる無機系微粒子の平均粒子径が3nm以上第一の硬化層の厚みの2/3以下であることを特徴とする請求項7から10のいずれか一項に記載の表面保護板。
  12. 前記第二の硬化層は、無機系微粒子を含まないか、硬化型樹脂100重量部に対する無機系微粒子の含有量が、第一の硬化層に含まれる硬化型樹脂100重量部に対する無機系微粒子の含有量の75%以下であることを特徴とする請求項7から11のいずれか一項に記載の表面保護板。
  13. 電子部品を内蔵し、少なくとも一つの面に表面保護板を備えた電子機器用筐体であって、前記表面保護板が請求項7ないし12のいずれか一項記載の表面保護板である電子機器用筐体。
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