JP6550892B2 - ガラス積層体 - Google Patents

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Description

本発明はガラス積層体に係り、詳しくは耐衝撃性、耐薬品性、ガスバリア性、耐擦傷性、表面平滑性、透明性及び硬度に優れ、液晶表示装置やタッチパネル等の電子機器の保護板に好適に使用される透明樹脂板とガラスフィルムとの積層体に関する。
近年、液晶表示装置や、スマートフォン、電子ブック、タブレットPC等のようにタッチ入力機能を備えたタッチパネルが広く使用されている。これら電子機器の最表面側には、機器を保護するための保護板が配置されている。持ち歩いたり、手に持って操作したりすることの多い上記機器においては、軽量、かつ、耐擦傷性、耐衝撃性および硬度に優れる保護板が求められている。
液晶表示装置やタッチパネル等の電子機器の保護板には、ガラス板やプラスチック基板が使用されている。
ガラス板には、通常のガラスよりも強度を増した強化ガラスが使用されている。ガラス板は、耐衝撃性、耐薬品性、ガスバリア性、耐擦傷性、表面平滑性、透明性及び硬度に優れているものの、比重が高く重いという問題がある。また、強化ガラスは、切断、穴あけ等が困難であり、加工上の問題もある。
プラスチック基板は、軽量で加工性、透明性に優れているものの、耐薬品性、ガスバリア性、耐擦傷性、硬度についてはガラス基板には及ばない。
そこで、最近では、厚みの薄いガラスフィルムにプラスチック材料を積層させて、耐衝撃性、耐擦傷性、耐薬品性等を向上させた積層体が提案されている。
ガラスフィルムとプラスチック材料の積層体としては、例えば以下の開示がある。
特許文献1には、20μm〜200μmの厚みを有するガラスと、ガラスの片側に、比重が0.9g/cm〜1.5g/cm、且つ曲げ弾性率が1000MPa〜8000MPaの樹脂層を備える表示装置用保護基板が開示されている。
特許文献2には、ガラスフィルム及び透明樹脂層を含み、少なくとも3層以上の積層構造を有するガラスフィルム積層体であって、両最外層がガラスフィルムであり、ガラスフィルムの厚みが300μm以下であり、透明樹脂層の厚みがガラスフィルムの厚みよりも大きいガラスフィルム積層体が開示されている。
特開2013−37207号公報 特開2012−25152号公報
しかしながら、本発明者等の検討によれば、上記特許文献1に開示された表示装置用保護基板では、ガラスフィルムと樹脂層の熱膨張係数及び湿度膨張係数が異なるために、高温高湿の環境に曝すと反りが発生するという問題が判明した。
さらに、特許文献2に記載のガラスフィルム積層体は、液晶表示装置やタッチパネル等の表示装置の保護板としては、耐衝撃性が不充分であることが判明した。
本発明は、上記状況に鑑みてなされたものであり、その目的は透明樹脂板の両面にガラスフィルムを備えたガラス積層体であって、高温高湿の環境に曝した後の反り発生が抑制でき、耐衝撃性に優れたガラス積層体を提供することにある。
本発明者らは上記状況について鋭意検討した結果、弾性率の異なる樹脂層を有する透明樹脂板の両面に厚み10μm以上、200μm以下のガラスフィルムを備えることで、高温高湿の環境に曝した後の反り発生が抑制でき、耐衝撃性に優れたガラス積層体が得られることを見出した。
すなわち本発明は以下の通りである。
[1] 透明樹脂板の両面に厚みが10μm以上、200μm以下のガラスフィルムを備え、該透明樹脂板が少なくとも樹脂層A及び樹脂層Bからなり、該樹脂層Aの23℃における貯蔵弾性率が、該樹脂層Bの23℃における貯蔵弾性率よりも大きいことを特徴とするガラス積層体。
[2] 前記樹脂層Aの23℃における貯蔵弾性率が2.0GPa以上、10GPa以下であることを特徴とする[1]に記載のガラス積層体。
[3] 前記透明樹脂板の厚みが、前記ガラスフィルムの総厚みよりも大きいことを特徴とする[1]又は[2]に記載のガラス積層体。
[4] 前記透明樹脂板の厚みが300μm以上、1000μm以下であることを特徴とする[1]〜[3]のいずれかに記載のガラス積層体。
[5] 前記透明樹脂板と前記ガラスフィルムの間に、23℃における貯蔵弾性率が0.1MPa以上、2000MPa以下の接着層を有することを特徴とする[1]〜[4]のいずれかに記載のガラス積層体。
[6] ヘイズ値が5%以下であることを特徴とする[1]〜[5]のいずれかに記載のガラス積層体。
[7] 全光線透過率が80%以上であることを特徴とする[1]〜[6]のいずれかに記載のガラス積層体。
[8] 前記樹脂層Aが、前記透明樹脂板の少なくとも一方の表面を形成していることを特徴とする[1]〜[7]のいずれかに記載のガラス積層体。
[9] [1]〜[8]のいずれかに記載のガラス積層体を用いてなる電子機器用保護板。
[10] [9]に記載の電子機器用保護板を最表面に設けた電子機器であって、前記樹脂層Aを電子機器側に向けて配置されてなることを特徴とする電子機器。
本発明により、高温高湿の環境に曝した後の反り発生が抑制でき、耐衝撃性に優れ、また耐薬品性、ガスバリア性、耐擦傷性、表面平滑性、透明性及び硬度に優れたガラス積層体を提供でき、液晶表示装置やタッチパネル等の電子機器の保護板として好適に使用できる。
以下に本発明のガラス積層体の実施の形態を詳細に説明するが、以下の説明は、本発明の実施形態の一例(代表例)を説明するものであり、本発明はこれらの内容に特定されるものではない。
なお、本明細書においては、簡便のために、「ガラス積層体」を「本積層体」と称することがある。
図1(a)は、本発明の好ましい実施形態によるガラス積層体の概略断面図である。ガラス積層体10aは、透明樹脂板11の両面にガラスフィルム12、12’を備え、透明樹脂板11は、樹脂層A14、樹脂層B15で構成されている。
図1(b)は、本発明のさらに別の好ましい実施形態によるガラス積層体の概略断面図である。このガラス積層体10bは、ガラスフィルム12、12’と透明樹脂板11の間に接着層13、13’をさらに有する。
以下では、先ず、ガラスフィルムや透明樹脂板、樹脂層A、樹脂層B、及び接着層はじめ、本発明に係るガラス積層体に用いられる材料等について説明する。後述するガラス積層体の製造方法ではこれらの材料等が用いられる。
<1.ガラスフィルム>
本発明に用いられるガラスフィルムは、厚みが10μm以上、200μm以下の板状のものであれば、任意の適切なものが採用され得る。
厚みが200μm以下のガラスは、原理的にはガラス溶融体の固化する温度より上の温度にてガラス溶融体を引き延ばして作ることが可能である。ガラス組成、ガラス溶融体の厚み、温度、引き取り速度によりガラスフィルムの厚みを制御することができる。
ガラスフィルムの厚みは、10μm以上であることが重要であり、好ましくは30μm以上、より好ましくは50μm以上である。一方で、200μm以下であることが重要であり、好ましくは150μm以下、より好ましくは100μm以下である。10μm以上とすることで、機械的強度の極度の低下を防ぎ、例えば、表面に樹脂層が形成された際のストレスによる破損を防ぐことができる。一方で、200μm以下とすることで、ガラス単体での製造効率を悪化させず、ハンドリング性に優れたガラスフィルムを得ることができる。
ガラスフィルムの材料は特段限定されず、例えばソーダライムガラス、ホウケイ酸ガラス、無アルカリガラス等ほぼすべてのガラス組成のものが適用でき、強化、表面処理等の二次加工を施したものも適用可能であり、いずれも用途により使い分けられる。二次加工としては例えば、シランカップリング剤、チタンカップリング剤などによるカップリング剤処理、プライマー処理、酸処理、アルカリ処理、オゾン処理、イオン処理などの化成処理、プラズマ処理、グロー放電処理、アーク放電処理、コロナ処理などの放電処理、紫外線処理、X線処理、ガンマ線処理、レーザー処理などの電磁波照射処理、その他火炎処理などの表面処理などの各種表面処理があげられる。特に、樹脂層との密着性を向上させる観点から、プライマー処理や、シランカップリング剤で表面処理されていることが好ましい。
市販されているガラスフィルムの具体例としては、無アルカリガラスである日本電気硝子株式会社製の商品名「OA−10G」が挙げられる。
<1−1.ガラスフィルムの全光線透過率>
ガラスフィルムの全光線透過率は、80%以上が好ましく、85%以上がより好ましく、90%以上が特に好ましい。80%以上であれば、ガラス積層体のより高い光透過性を達成できる。
なお、全光線透過率は、例えば、JIS K 7361に準拠する方法で測定することができる。このとき、例えば、透過率計(村上色彩技術研究所製「HR−100」)を用いることができる。
<2.透明樹脂板>
本発明の透明樹脂板は、一対のガラスフィルムの間に設けられており、厚みが薄く耐衝撃性に乏しいガラスフィルムの破損を抑制する役割を果たす。
透明樹脂板は、少なくとも樹脂層A及び樹脂層Bからなり、樹脂層Aの23℃における貯蔵弾性率が、樹脂層Bの23℃における貯蔵弾性率よりも大きいことが重要である。かかる構成を有する透明樹脂板を用いることで、本積層体の耐衝撃性を向上させることができる。
<2−1.樹脂層A及び樹脂層B>
樹脂層A及び樹脂層Bを構成する材料としては、本発明の効果が得られる限りにおいて、任意の樹脂が採用され得る。上記樹脂としては、熱可塑性樹脂や、熱又は活性エネルギー線硬化性樹脂の硬化物が挙げられる。耐衝撃性や加工性の観点から、熱可塑性樹脂が好ましい。
<2−1−1.熱可塑性樹脂>
熱可塑性樹脂としては、具体的にはポリ(メタ)アクリレート系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート及びポリブチレンテレフタレート等のポリエステル系樹脂、ポリアリレート系樹脂、ポリイミド系樹脂、ポリエーテルサルフォン系樹脂、シクロオレフィン系樹脂、ポリエーテルエーテルイミド系樹脂が挙げられる。透明性・耐衝撃性・汎用性の観点から、ポリ(メタ)クリレート系樹脂やポリカーボネート系樹脂、ポリエステル系樹脂が好ましく、ポリメタクリレート系樹脂及びポリカーボネート系樹脂が特に好ましい。
なお、これらは1種又は2種以上を適宜組み合わせて使用することができる。異なる貯蔵弾性率の熱可塑性樹脂を組み合わせて使用することで、樹脂層A及び樹脂層Bの貯蔵弾性率を調整することが可能になる。
<2−1−2.熱又は活性エネルギー線硬化性樹脂>
熱又は活性エネルギー線硬化性樹脂としては、硬化処理によって重合反応が誘発され、硬化する成分であれば特に限定されないが、短時間かつ容易に硬化達成可能であることから、紫外線及び熱硬化性樹脂や、紫外線硬化性モノマー及びオリゴマーが好ましい例として挙げることができる。また、必要に応じて光重合開始剤を含んでも良い。
上記紫外線及び熱硬化性樹脂としては、アクリル系樹脂、ウレタン系樹脂、エポキシ系樹脂等の硬化性樹脂が挙げられ、耐熱性、機械的物性、加工性などの観点から、エポキシ系硬化性樹脂が好ましい。
エポキシ系硬化性樹脂としては、例えば脂環式化合物基を有するエポキシ樹脂、グリシジルエーテル基を有するエポキシ樹脂、芳香族基を有するエポキシ樹脂などが例示され、より具体的にはビスフェノールA型やビスフェノールF型のエポキシ樹脂があげられるが、特にこれにのみ限定されない。
上記紫外線硬化性モノマー及びオリゴマーとしては、機械的物性、透明性及び加工性などの観点から、(メタ)アクリルモノマー、および(メタ)アクリルオリゴマーとしては、(メタ)アクリレート、ウレタン(メタ)アクリレート、ポリエステル(メタ)アクリレート等のモノマーやオリゴマーが挙げられる。
さらに、これらのいくつかを例示すると、トリメチロールプロパントリアクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールトリメタクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ペンタエリスリトールテトラメタクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサメタクリレート、イソアミルアクリレート、エトキシジエチレングリコールアクリレート、メトキシジエチレングリコールアクリレート、トリシクロデカンジメタノールジアクリレートなど、1個以上の炭素−炭素二重結合を有する単官能、若しくは多官能のアクリルモノマー又はメタクリルモノマー類が好ましい。
<2−1−3.その他の成分>
樹脂層A及び樹脂層Bは、上記樹脂や硬化物の他にも、任意の適切な添加剤を含有し得る。例えば、シランカップリング剤、架橋剤、可塑剤、酸化防止剤、紫外線安定剤、紫外線吸収剤、重合禁止剤、及び充填材等を、硬度、透明性、吸水性等の物性に支障とならない範囲で任意で添加することができる。
なお、これらは1種又は2種以上を適宜組み合わせて使用することができる。
また、樹脂層A及び樹脂層Bは、各層を構成する樹脂中に適切な材料を加えることにより、貯蔵弾性率を調整することができる。例えば、各層を構成する樹脂よりも貯蔵弾性率の大きな材料を加えて混合することにより貯蔵弾性率を大きくすることができ、具体的には、硬質分散相材料を添加することが挙げられる。
硬質分散相材料としては、熱硬化性樹脂が挙げられ、具体的には、フェノール系樹脂、アミノ系樹脂、エポキシ系樹脂、シリコーン系樹脂、熱硬化性ポリイミド系樹脂、熱硬化性ポリウレタン系樹脂等の重縮合又は付加縮合系樹脂の他、熱硬化性アクリル系樹脂、ビニルエステル系樹脂、不飽和ポリエステル系樹脂、ジアリルフタレート系樹脂等の付加重合系樹脂が挙げられる。ただし、これらに限定されるものではない。熱硬化性樹脂は、単独で又は2種以上組み合わせて用いてもよい。また、これらの熱硬化性樹脂と架橋し得る不飽和結合を有する熱可塑性樹脂を組み合わせて使用してもよい。
硬質分散相の形状は、粒子状、球状、線状、繊維状等が挙げられ、樹脂中に均等に分散され易い点からは球状が好ましい。ただし、これに限定されるものではない。
硬質分散相の粒径は、硬質分散相を添加する樹脂層の貯蔵弾性率の調整範囲によるが、好ましくは0.1〜1000μmである。硬質分散相の樹脂層全体における配合量は、硬質分散相を添加する樹脂層の貯蔵弾性率の調整範囲によるが、好ましくは0.1〜60重量%である。
樹脂中に硬質分散相を含ませる方法としては、特に限定されないが、例えば次の方法が挙げられる。
a)樹脂中に硬質分散相を形成する熱硬化性樹脂を添加する。
b)次に、溶融混練し、所定形状に成型した後、相分離及び架橋を生じさせることにより硬質分散相を形成することができる。また、熱硬化性樹脂を予め粒子状等に硬化、成型し、樹脂中に添加し、熱硬化性樹脂の硬化物が溶解しない温度で混練及び成型してもよい。
<2−1−4.樹脂層A及び樹脂層Bの貯蔵弾性率>
樹脂層A及び樹脂層Bは、樹脂層Aの23℃における貯蔵弾性率が、樹脂層Bの23℃における貯蔵弾性率よりも大きいことが重要である。また樹脂層Aの23℃における貯蔵弾性率が2.0GPa以上、10GPa以下であることが好ましい。
樹脂層Aの貯蔵弾性率が、樹脂層Bの貯蔵弾性率よりも大きいことによって、樹脂層A又は樹脂層Bの単層からなる透明樹脂板を有するガラス積層体と比較して、耐衝撃性を向上することができる。
樹脂層単層からなる透明樹脂板の両面にガラスフィルムを備えたガラス積層体について、樹脂層の貯蔵弾性率が低い場合は、落球衝撃試験を実施すると、衝撃時の樹脂層の変形により、落球が衝突する側と反対側のガラスフィルムに引張応力が発生し、ガラスフィルムが破損してしまうおそれがあった。
また樹脂層の貯蔵弾性率が高い場合は、樹脂層の変形は抑制されるが、樹脂層自体が硬く脆いために、樹脂層自体が破損してしまうおそれがあった。
貯蔵弾性率の異なる樹脂層A及び樹脂層Bを有する透明樹脂板を用いることで、透明樹脂板全体の貯蔵弾性率を調整し、且つ、衝撃時に透明樹脂板の変形によって発生するガラスフィルムへの応力を低減させることができ、本積層体の耐衝撃性を向上させることができる。
また、本積層体の落球衝撃試験時には、図2に示すように落球が衝突する側と反対側の透明樹脂板表面が樹脂層Aで形成されていることが好ましい。樹脂層Bよりも弾性率の高い樹脂層Aを該位置にすることで、透明樹脂板の変形、それに伴うガラスフィルムの破損を抑制でき、本積層体の耐衝撃性をより向上させることができる。
樹脂層Aの23℃における貯蔵弾性率が2.0GPa以上、10GPa以下であることによって、衝撃時にガラスフィルムに発生する応力を低減させることができるため好ましい。
樹脂層Aの23℃における貯蔵弾性率は、2.0GPa以上が好ましく、2.5GPa以上がより好ましく、3.0GPa以上が特に好ましい。一方で、10GPa以下が好ましく、8.0GPa以下がより好ましく、5.0GPa以下が特に好ましい。
樹脂層Bの23℃における貯蔵弾性率は、前述のとおり、樹脂層Aの貯蔵弾性率よりも小さいことが重要であり、本積層体の強度の観点から、1.0GPa以上が好ましく、1.2GPa以上がより好ましく、1.5GPa以上が特に好ましい。一方で、耐衝撃性の観点から、3.5GPa以下が好ましく、3.0GPa以下がより好ましく、2.5GPa以下が特に好ましい。
<2−1−5.樹脂層A及び樹脂層Bの全光線透過率>
樹脂層A及び樹脂層Bの全光線透過率は、80%以上が好ましく、85%以上がより好ましく、90%以上が特に好ましい。80%以上であれば、ガラス積層体において、より高い光透過性を達成できる。
なお、全光線透過率は、例えば、JIS K 7361に準拠する方法で測定することができる。このとき、例えば、透過率計(村上色彩技術研究所製「HR−100」)を用いることができる。
<2−2.その他の層>
本発明に用いられる透明樹脂板は、樹脂層A及び樹脂層B以外にその他樹脂層を有していてもよい。
その他樹脂層を構成する材料としては、本発明の効果が得られる限りにおいて、任意の樹脂が採用され得る。例えば、樹脂層A及び樹脂層Bを構成する材料として前述した樹脂を適宜用いることができる。
本発明に用いられる透明樹脂板は、樹脂層A、樹脂層B、その他樹脂層の各樹脂層間に接着層を有していてもよい。
接着層を構成する材料としては、本発明の効果が得られる限りにおいて、任意の材料が採用されるが、例えば後述する粘着剤、接着剤等を適宜用いることができる。
<2−3.透明樹脂板の構成>
本発明に用いられる透明樹脂板としては、例えば下記(1)〜(10)のような構成が考えられる。透明樹脂板の構成は、特にこれらに限定されるものではない。本積層体の耐衝撃性を向上させる観点から、樹脂層Aが透明樹脂板の少なくとも一方の表面を形成していることが好ましい。
(1)樹脂層A/樹脂層B
(2)樹脂層A/樹脂層B/樹脂層A
(3)樹脂層B/樹脂層A/樹脂層B
(4)樹脂層A/接着層/樹脂層B
(5)樹脂層A/接着層/樹脂層B/接着層/樹脂層A
(6)樹脂層B/接着層/樹脂層A/接着層/樹脂層B
(7)樹脂層A/その他の樹脂層/樹脂層B
(8)樹脂層A/樹脂層B/その他の樹脂層
(9)その他の樹脂層/樹脂層A/樹脂層B
(10)樹脂層A/接着層/樹脂層B/接着層/その他の樹脂層
透明樹脂板の厚みは、300μm以上が好ましく、400μm以上がより好ましく、500μm以上が特に好ましい。一方で、1000μm以下が好ましく、800μm以下がより好ましく、700μm以下が特に好ましい。
300μm以上であれば、強度の高い保護板として使用することができ、1000μm以下であれば、厚みが薄い保護板として、例えば表示装置等に好適に使用することができる。
また、強度の観点から、透明樹脂板の厚みは、ガラスフィルムの総厚み(本積層体におけるガラスフィルムの合計厚み)よりも大きいことが好ましい。
樹脂層Aの厚み(樹脂層Aが複数ある場合は総厚み)dは、透明樹脂板全体の厚みdに対して、d/dが0.05〜0.95の範囲にあることが好ましい。より好ましくは0.10〜0.60、特に好ましくは、0.10〜0.40である。この範囲であれば、本積層体表面に衝撃が加わった際、透明樹脂板の変形が抑制され、ガラスフィルムに対して発生する応力が低減できるため、好ましい。
樹脂層Bの厚み(樹脂層Bが複数ある場合は総厚み)dは、透明樹脂板全体の厚みdに対して、d/dが0.05〜0.95の範囲にあることが好ましい。より好ましくは、0.40〜0.90、特に好ましくは、0.60〜0.90である。この範囲であれば、透明樹脂板の耐衝撃性を向上させることができるため好ましい。
<3.接着層>
本発明のガラス積層体においては、透明樹脂板とガラスフィルムは、良好な層間密着性を有する場合は、直接貼り合せることも可能であるが、透明樹脂板とガラスフィルムの間に接着層を有することが好ましい。接着層を介して透明樹脂板とガラスフィルムを貼り合せることによって、ガラス積層体の耐衝撃性をより向上させることが可能になる。
接着層の厚みは、0.5μm以上が好ましく、1μm以上がより好ましい。一方で、30μm以下が好ましく、20μm以下がより好ましく、10μm以下が特に好ましい。
0.5μm以上あれば充分に透明樹脂板とガラスフィルムを接着でき、厚みが30μm以下であれば、積層体全体の厚みに対して大きな影響を与えないため好ましい。
接着層に使用することができる材料としては、透明樹脂板とガラスフィルムの層間密着性を十分発現し、かつ本積層体の透明性やハンドリング性を損なわないものであれば特に限定されず、例えば公知の粘着剤や、紫外線硬化性接着剤及び熱硬化性接着剤を使用することができる。
粘着剤としてはアクリル系粘着剤、シリコーン系粘着剤、ゴム系粘着剤、ウレタン系粘着剤が挙げられる。透明性・密着性の観点からアクリル系粘着剤、シリコーン系粘着剤が特に好ましい。
上記紫外線硬化性接着剤及び熱硬化性接着剤としては、アクリル系樹脂、ウレタン系樹脂、エポキシ系樹脂、シリコーン系樹脂等の硬化性樹脂が挙げられる。
また、使用する材料の形態としては、液体状であって塗布により使用するものであっても、予め所定の厚みのフィルム形状に成形されておりラミネートして使用するものであっても良い。
接着層は、透明樹脂板とガラスフィルムの層間密着性をより向上させるために、必要に応じて添加剤を含んでもよい。添加剤としては、シランカップリング剤、増感剤、架橋剤等が挙げられる。硬化性や透明性等の物性に支障とならない範囲で、任意で添加することができる。
なお、これらは1種又は2種以上を適宜組み合わせて使用することができる。
<3−1.接着層の貯蔵弾性率>
接着層の23℃における貯蔵弾性率は0.1MPa以上が好ましく、1MPa以上がより好ましく、10MPa以上が特に好ましい。
一方で、2000MPa以下が好ましく、1000MPa以下がより好ましく、500MPa以下が特に好ましい。
このような範囲であれば、本積層体に衝撃が加わった場合に、過度な変形を抑制し、ガラスフィルムの破損を防止する効果が得られる。
<4.ガラス積層体>
本発明のガラス積層体は、透明樹脂板の両面にガラスフィルムを備え、必要に応じて、透明樹脂板とガラスフィルムの間に接着層を有する。
本発明のガラス積層体は、ガラスフィルムおよび透明樹脂板を備えることで耐衝撃性、耐薬品性、ガスバリア性、耐擦傷性、表面平滑性、透明性及び硬度に優れる。また、透明樹脂板の両面にガラスフィルムを備えることで、高温高湿の環境に曝した後の反り発生を抑制することができる。
また、本積層体はその効果を損なわない限りで、必要に応じて、前述した本積層体を構成する部材以外に、他の層を有していても良い。
他の層としては、例えば、ガラスフィルムを保護するために、ガラスフィルムの外側表面に設ける保護層や光学機能層などが挙げられる。
本積層体の厚みは、好ましくは0.3mm以上、1.5mm以下であり、より好ましくは、0.4mm以上、1.2mm以下、特に好ましくは0.5mm以上、1mm以下である。
本発明のガラス積層体の厚みが0.3mm以上、1.5mm以下であれば、強度、耐衝撃性及び厚みのバランスが取れたガラス積層体を得ることができる。
<4−1.ガラス積層体の透明性>
本発明のガラス積層体の全光線透過率は、80%以上が好ましく、85%以上がより好ましく、90%以上が特に好ましい。また、ヘイズ値は、2%以下が好ましく、1%以下が特に好ましい。このような光学特性を有することによって、例えば、液晶表示装置やタッチパネルといった表示装置における光透過面側に、本積層体を好適に用いることができる。
なお、全光線透過率及びヘイズ値は、例えば、JIS K 7361に準拠する方法で測定することができる。このとき、例えば、透過率計(村上色彩技術研究所製「HR−100」)を用いることができる。
<5.透明樹脂板の製造方法>
本発明に用いられる透明樹脂板の製造方法は特に限定されない。例えば、樹脂層A、樹脂層B、その他樹脂層として用いるため予め作製した樹脂シート同士を、加熱しながら直接ラミネートして製造する熱ラミネート法や、各樹脂層を構成する材料を各々溶融させた後、口金で合流させて共押出して得る方法、樹脂シート同士を、接着層を介して積層させる貼り合せ方法、樹脂シート表面に硬化性組成物をキャストした後、硬化性組成物を硬化させて樹脂層を積層する方法などが挙げられる。
前記貼り合せ方法として、具体的には、予め作製した樹脂シートの片側表面に、塗布やドライラミネートなどによって接着層を形成した後、さらに樹脂シートを積層し、加熱や乾燥、紫外線照射によって接着層を硬化させる方法が挙げられる。
<6.ガラス積層体の製造方法>
本発明のガラス積層体の製造方法は特に限定されない。例えば、前述の製造方法により作製された透明樹脂板とガラスフィルムを、加熱しながら直接ラミネートして製造する熱ラミネート法や、ガラスフィルムと透明樹脂板を、接着層を介して積層させる貼り合せ方法などが挙げられる。
さらには、前述の共押出した透明樹脂板を、両側からガラスフィルムで挟み込みながら冷却ロールなどで冷却し、同時に透明樹脂板の厚みを調整して製造する押出ラミネート法が挙げられる。
<7.ガラス積層体の用途>
本発明のガラス積層体は、保護板として様々な用途が存在するが、特に電子機器、例えば、液晶表示装置やタッチパネルなど表示装置の保護板として好適に用いることができる。
本積層体を保護板として、電子機器の最表面に配置して用いる場合、樹脂層Aが電子機器側に向けて配置されていることが好ましく、透明樹脂板における電子機器側の表面が樹脂層Aで形成されていることがさらに好ましい。
このような構成であれば、電子機器に対して保護板側から衝撃が加わった場合に、ガラスフィルムの破損が抑制され、結果、保護板として、より優れた耐衝撃性を示す。
電子機器としては特に制限はなく、種々のものに本発明のガラス積層体を保護板として用いることができる。電子機器としては、例えば、液晶表示装置やタッチパネルを挙げることができる。液晶表示装置の詳細は、例えば、国際公開第2013/175917号公報、国際公開第2013/027548号公報、国際公開第2010/125703号公報、国際公開第2011/108437号公報に記載されており、その記載は本明細書に参考として援用される。タッチパネルの詳細は、例えば、特表2011−511357号公報、特開2010−164938号公報、特開2008−310550号公報、特表2003−511799号公報、特表2010−541109号公報に記載されており、その記載は本明細書に参考として援用される。
<8.用語の説明>
本明細書において「X以上」(Xは任意の数字)或いは「Y以下」(Yは任意の数字)と表現した場合、「Xより大きいことが好ましい」或いは「Y未満であることが好ましい」旨の意図を包含する。
以下、実施例によって本発明をさらに詳細に説明するが、本発明が以下の実施例に記載の態様に限定されるものではない。
<評価>
実施例及び比較例で得られたガラス積層体を下記の方法で評価した。結果を表1に示す。
(1)全光線透過率及びヘイズ値測定
透過率計(村上色彩技術研究所製「HR−100」)を用い、JIS K 7361に準拠する方法でガラス積層体の全光線透過率及びヘイズ値を測定した。
(2)ガラスフィルムと透明樹脂板間の接着層の貯蔵弾性率
接着層材料を硬化させて、厚み50μm、幅4mm、長さ50mmの短冊状サンプルを作製した。なお、接着層として粘着剤シートを用いた場合は、上記大きさに切り出して、測定サンプルとした。
JISK−7198A法に記載の動的粘弾性測定法により、アイティー計測制御(株)製動的粘弾性測定装置「DVA−200」を用い、チャック間距離25mm、振動周波数10Hz、歪み0.3%にて、昇温速度3℃/分で−100℃から200℃まで測定し、得られたデータから温度23℃での貯蔵弾性率(E’)を求めた。
(3)樹脂層A及び樹脂層Bの貯蔵弾性率
樹脂層A及び樹脂層Bの各層を厚み150μmのシート状に押出成形した。成形したシートから縦方向(MD)4mm、横方向(TD)50mmの短冊状サンプルを切り出して、測定サンプルとした。JISK−7198A法に記載の動的粘弾性測定法により、アイティー計測制御(株)製動的粘弾性測定装置「DVA−200」を用い、チャック間距離25mm、振動周波数10Hz、歪み0.3%にて、昇温速度3℃/分で−100℃から200℃まで測定し、得られたデータから温度23℃での貯蔵弾性率(E’)を求めた。
(4)落球衝撃試験
10cm角ガラス積層体の両端1cmを治具で挟み、落球が衝突する側と反対側の透明樹脂板表面が樹脂層Aになるように、ガラス積層体を水平に固定した。
重量133g、直径3.17cmのスチール球を、ガラス積層体の表面を基準として高さ20cmの位置から、ガラス積層体表面に対して自由落下させた。
スチール球と衝突後のガラス積層体の外観を観察した。評価基準は以下の通りである。
○:外観に変化なし
×:ガラス積層体が破損する、もしくはガラスフィルムに傷やクラックが生じる。
(5)湿熱試験前後でのガラス積層体の反り量変化
サンプルサイズ10cm角のガラス積層体を温度23℃相対湿度50%の恒温恒湿槽に4時間入れた後、水平な定盤上に静置した。なお、ガラス積層体が反っている場合は、ガラス積層体の中央部が定盤に接するように置いた。
図3に示すように、定盤からガラス積層体下面における各辺中央部分までの鉛直距離を反り量として測定し、その平均値を算出した。
ガラス積層体を温度85℃相対湿度85%の恒温恒湿槽に24時間入れて湿熱試験をおこなった。
湿熱試験後、ガラス積層体を温度23℃相対湿度50%の恒温恒湿槽に4時間入れた後、ガラス積層体を恒温恒湿槽から取り出し、湿熱試験前と同様の測定を行い、反り量の平均値を算出した。
湿熱試験前後の反り量の平均値を比較し評価をおこなった。評価基準は以下の通りである。
○:湿熱試験前後での反り量の平均値の差が1mm未満
×:湿熱試験前後での反り量の平均値の差が1mm以上
[実施例1]
(透明樹脂板の作製)
アクリル系樹脂(Arkema社製、商品名「Altuglas HT121」、硬質分散相含有)のペレットをそのまま樹脂組成物Aとした。
ポリカーボネート系樹脂(住化スタイロン社製;商品名「CALIBRE301−4」)のペレットと、ポリカーボネート系樹脂(住化スタイロン社製;商品名「SDポリカ SP3030」)のペレットと、ポリエステル系樹脂(SKケミカル社製;商品名「SKYGREEN J2003」)のペレットとを55:25:20の質量割合で混合した後、260℃に加熱された二軸押出機を用いてペレット化して、樹脂組成物Bを作製した。
上記樹脂組成物A、Bをそれぞれ、押出機aおよびbに供給し、各押出機において、240℃および260℃で溶融混練した後、250℃に加熱された2種2層用のTダイに合流させ、樹脂層A/樹脂層Bの2層構成になるようにシート状に押出し、冷却固化して、厚み575μm(樹脂層A:80μm、樹脂層B:495μm)の透明樹脂板を得た。
(ガラス積層体の作製)
紫外線硬化性オリゴマー(第一工業製薬社製、商品名「ニューフロンティアR−1213」)97質量%、光重合開始剤として1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン(BASF社製、商品名「IRGACURE184」)3質量%を混合し紫外線硬化性接着剤(塗料C)を得た。上記で作製した透明樹脂板の樹脂層A側表面に塗料Cを、硬化後の厚みが10μmになるようにワイヤーバーコーターを用いて塗布し接着層を形成した後、さらに、ガラスフィルム(日本電気硝子株式会社製「OA−10G」、厚み:40μm)を透明樹脂板の塗布面に向けてハンドロール(硬度:90°)で透明樹脂板上にラミネートした。さらにラミネートしたガラスフィルム側から高圧水銀ランプ(160W/cm)を照射して、接着層を硬化させ、透明樹脂板の片面にガラスフィルムを有する積層体を得た。
前記積層体のガラスフィルムが形成されていない樹脂層B側表面に対し、樹脂層A側表面と同様に塗料Cを塗布し、ガラスフィルムをラミネートし、接着層を硬化させ、両面にガラスフィルムが形成されたガラス積層体1を得た。
得られたガラス積層体1について、各評価を実施した。結果は表1に示す。
[実施例2]
実施例1において、両面のガラスフィルムの厚みを50μmに変更した以外は同様にしてガラス積層体2を得た。
得られたガラス積層体2について、各評価を実施した。結果は表1に示す。
[実施例3]
接着層として、光学粘着剤シート(綜研化学社製「SK−1478」厚み:25μm)を用い、高圧水銀ランプ照射処理を省いた以外は、実施例1と同様にしてガラス積層体3を得た。
得られたガラス積層体3について、各評価を実施した。結果は表1に示す。
[実施例4]
透明樹脂板の作製において、樹脂組成物A、Bをそれぞれ、押出機aおよびbに供給し、各押出機において、240℃および260℃で溶融混練した後、250℃に加熱された2種3層用のTダイに合流させ、樹脂層A/樹脂層B/樹脂層Aの3層構成になるようにシート状に押出し、冷却固化して得られた、厚み655μm(樹脂層A:80μm、樹脂層B:495μm、樹脂層A:80μm)の透明樹脂板を用いた以外は実施例1と同様にしてガラス積層体4を得た。
得られたガラス積層体4について、各評価を実施した。結果は表1に示す。
[比較例1]
アクリル系樹脂(Arkema社製、商品名「Altuglas HT121」、硬質分散相含有)のみをシート状に押出し、冷却固化して得られた、厚み640μm透明樹脂板を用いた以外は実施例1と同様にしてガラス積層体5を得た。
得られたガラス積層体5について、各評価を実施した。結果は表1に示す。ガラス積層体5に対して、落球衝撃試験を実施したところ、透明樹脂板およびガラスフィルムが破損してしまった。
[比較例2]
透明樹脂板として厚み600μmのポリカーボネート樹脂板(旭硝子社製 商品名「カーボグラスポリッシュ」)を用いた以外は実施例1と同様にしてガラス積層体6を得た。
得られたガラス積層体6について、各評価を実施した。結果は表1に示す。ガラス積層体6に対して、落球衝撃試験を実施したところ、透明樹脂板は破損しなかったが、ガラスフィルムが破損してしまった。
[比較例3]
比較例2において、ガラスフィルムを透明樹脂板の片面のみに積層させた以外は同様にしてガラス積層体7を得た。
得られたガラス積層体7において、各評価を実施した。結果は表1に示す。
得られたガラス積層体7について、湿熱試験を実施したところ、ガラス積層体は、湿熱試験前に比べて反り量が大きく、10mm以上も反った箇所も確認された。
Figure 0006550892
本発明のガラス積層体は、透明性、耐衝撃性に優れ、高温高湿の環境に曝した後でも反りの発生が抑制される。
よって、電子機器の保護板として好適に用いることができる。
(a)(b)は、本発明の実施形態によるガラス積層体の一例を示す概略断面図である。 は、本発明の実施形態によるガラス積層体の落球衝撃試験の様子を示す概略図である。 は、本発明の実施形態によるガラス積層体の湿熱試験前後の反り量を測定する様子を示す概略図である。
10a、10b、10c ガラス積層体
11 透明樹脂板
12、12’ ガラスフィルム
13、13’ 接着層
14 樹脂層A
15 樹脂層B
16 スチール球
17 定盤
18 鉛直距離

Claims (8)

  1. 透明樹脂板の両面に厚みが10μm以上、200μm以下のガラスフィルムを備え、該透明樹脂板が少なくとも樹脂層A及び樹脂層Bからなり、該樹脂層Aの23℃における貯蔵弾性率が、該樹脂層Bの23℃における貯蔵弾性率よりも大きく、前記樹脂層Aの23℃における貯蔵弾性率が2.0GPa以上、10GPa以下であり、前記透明樹脂板と前記ガラスフィルムの間に、23℃における貯蔵弾性率が0.1MPa以上、2000MPa以下の接着層を有することを特徴とするガラス積層体。
  2. 前記透明樹脂板の厚みが、前記ガラスフィルムの総厚みよりも大きいことを特徴とする請求項に記載のガラス積層体。
  3. 前記透明樹脂板の厚みが300μm以上、1000μm以下であることを特徴とする請求項1または2に記載のガラス積層体。
  4. ヘイズ値が5%以下であることを特徴とする請求項1〜のいずれか1項に記載のガラス積層体。
  5. 全光線透過率が80%以上であることを特徴とする請求項1〜のいずれか1項に記載のガラス積層体。
  6. 前記樹脂層Aが、前記透明樹脂板の少なくとも一方の表面を形成していることを特徴とする請求項1〜のいずれか1項に記載のガラス積層体。
  7. 請求項1〜のいずれか1項に記載のガラス積層体を用いてなる電子機器用保護板。
  8. 請求項に記載の電子機器用保護板を最表面に設けた電子機器であって、前記樹脂層Aを電子機器側に向けて配置されてなることを特徴とする電子機器。
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