JP6565573B2 - 積層体とその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、画像表示装置の前面側(視認側)に配置して用いられる表面保護パネル、特にタッチパネル機能を有する携帯電話や液晶ペンタブレットや車載用ディスプレイ等のフロントカバー材として好適に使用することができる積層体とその製造方法に関する。
従来、電子機器のディスプレイ用カバー材等の分野では、硬度、耐熱性、透明性の観点から、広くガラスが用いられてきた。しかしながら、ガラスは衝撃により容易に割れ、またガラス自身の重量も重いことからプラスチックでの代替が検討されている。
また最近では、各種電子機器・装置の小型化、軽量化、高性能化、低価格化が進み、ディスプレイ用カバーを始めとした樹脂成形品の使用条件は一段と厳しくなっており、低価格化や少量・多品種生産に対応するためには、打ち抜き加工性に優れ、生産性の高い樹脂シートが強く求められている。
さらに、昨今のタッチパネル機能、ペン入力機能を有する電子機器・装置の著しい増加によって、優れた表面硬度の樹脂シートが強く求められている。
これらの用途には、透明性が高く、表面硬度にも優れていることからアクリル系樹脂が広く用いられている。さらに、アクリル系樹脂フィルム上に耐擦傷性皮膜(ハードコート層)が形成された構成が知られている。また、アクリル系樹脂の欠点である脆性、および耐擦傷性の低さを解消するものとして、例えば、特許文献1には、ポリカーボネート樹脂層とアクリル系樹脂層とを積層し、さらにアクリル系樹脂層上にハードコート層(硬化性樹脂層)が形成された構成が提案されている。
しかしながら、特許文献1に開示されている樹脂積層体では、高温高湿下では、ポリカーボネート樹脂層とアクリル系樹脂層との主に吸湿による膨張率の違い等による反り(環境反り)が発生するという問題があった。
このような反りを防止する方法として、例えば、特許文献2には、硬化性樹脂組成物b−1から形成される樹脂層B−1、アクリル系樹脂aを主成分とする樹脂層A、ポリカーボネート系樹脂を主成分とする樹脂層C、および硬化性樹脂組成物b−2から形成される樹脂層B−2の少なくとも四層をこの順に積層してなる樹脂積層体において、両側に配される樹脂層B−1および樹脂層B−2の弾性率および厚みを特定の関係を満たすように設定することにより、樹脂積層体の環境反りを抑制したことが開示されている。
特開2006−103169号公報 特開2015−020289号公報
特許文献2に記載の樹脂積層体のように、両面に硬化性樹脂層を有する積層体を作製する場合、生産性を高める観点からロールトゥロール方式の装置を用いて塗布する方法がある。この場合、同一のラインを通して片面ずつ硬化性樹脂層が積層される(以下において、片面側に硬化性樹脂層を積層する工程を「1stパス」、その後、もう一方の面側に硬化性樹脂層を積層する工程を「2ndパス」と称することがある。また、1stパスで積層される硬化性樹脂層を「1stパス面」、2ndパスで積層される硬化性樹脂層を「2ndパス面」と称することがある。)。ロールトゥロール方式の装置では、フィルムがロール径の小さい屈曲部を通る際に、大きな引張応力が発生することとなる。硬化性樹脂層を有する積層シートは、他の樹脂シートも製造する従来設備を用いて製造されることが多いが、硬化性樹脂層は優れた表面硬度を有することから柔軟性に劣り、上記ロール径の小さい屈曲部を通る際に発生する引張応力に耐えきれず、硬化性樹脂層にクラックが発生してしまうという問題があった。該クラックの発生は、特に、2ndパスにおいて、1stパス面に発生することが多かった。
1stパス面に発生するクラックは、1stパス面の硬度を低くし、柔軟性を高めることにより防止することは可能であるが、1stパス面と2ndパス面との硬度の差が大きくなると、1stパス面および2ndパス面により挟持される樹脂層の環境反りを抑制する効果が損なわれることがあった。また、例えば間に挟持される樹脂層が単層であり、該樹脂層自体に環境反りが発生していない場合でも、1stパス面と2ndパス面との高温高湿下において発生する反り挙動の違い等に起因して反りが発生してしまうことがあった。すなわち、硬化性樹脂層の柔軟性を高めてクラックを防止しようとすると反りが発生し易くなるという問題があった。
そこで、本発明は、優れた表面硬度を有し、クラックの発生が抑制されるとともに反りが抑制された積層体とその製造方法を提供することを課題とする。
本発明者らは、鋭意検討の結果、積層体の両面に積層される硬化性樹脂層の屈曲性に着目し、両面に積層される硬化性樹脂層の屈曲性が所定の関係式を満たすことにより、上記課題を解決し得ることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明の第1の態様は、樹脂基材(A)の片面に硬化性樹脂層(B1)を備え、もう一方の面に硬化性樹脂層(B2)を備えた積層体であって、JIS K 5600−5−1に準拠して行われるマンドレル試験により求められる、上記硬化性樹脂層(B1)および上記硬化性樹脂層(B2)の屈曲性が、以下の関係式(1)を満たすことを特徴とする積層体である。
(B1の屈曲性)≦(B2の屈曲性)<φ110mm・・・(1)
また、本発明の第2の態様は、樹脂基材(A)の片面に硬化性樹脂層(B1)を備え、もう一方の面に硬化性樹脂層(B2)を備えた積層体の製造方法であって、上記樹脂基材(A)に上記硬化性樹脂層(B1)を積層するB1積層工程と、上記樹脂基材(A)に上記硬化性樹脂層(B2)を積層するB2積層工程と、をこの順に有し、上記B1積層工程、および、上記B2積層工程は、ロールトゥロール方式の装置を用いて行われ、JIS K 5600−5−1に準拠して行われるマンドレル試験により求められる、
上記硬化性樹脂層(B1)および上記硬化性樹脂層(B2)の屈曲性が、以下の関係式(1)を満たすことを特徴とする積層体の製造方法。
(B1の屈曲性)≦(B2の屈曲性)<φ110mm・・・(1)
ここで、「屈曲性」とは、JIS K 5600−5−1に準拠して行われるマンドレル試験において、硬化性樹脂層(B1)または硬化性樹脂層(B2)にクラックが発生しはじめるマンドレルの直径を意味する。ただし、上記マンドレル試験において、樹脂基材(A)の厚みは700μmであり、硬化性樹脂層(B1)および硬化性樹脂層(B2)の厚みはそれぞれ12μmである。
本発明において、視認側に積層された上記硬化性樹脂層(B2)の鉛筆硬度が4H以上であることが好ましい。
本発明において、上記硬化性樹脂層(B1)および上記硬化性樹脂層(B2)の硬化収縮量が以下の関係式(2)を満たすことが好ましい。
|(B1の硬化収縮量)−(B2の硬化収縮量)|≦3.5mm・・・(2)
本発明において、上記樹脂基材(A)の厚みが0.1〜1.5mmであることが好ましい。
本発明において、上記樹脂基材(A)はポリカーボネート系樹脂層の少なくとも片面に熱可塑性樹脂層を有する積層体であることが好ましい。
本発明において、上記硬化性樹脂層(B1)および上記硬化性樹脂層(B2)が有機・無機ハイブリッド系硬化性樹脂組成物を硬化してなることが好ましい。
本発明によれば、優れた表面硬度を有し、クラックの発生が抑制されるとともに反りが抑制された積層体とその製造方法を提供することができる。
本発明の積層体の製造方法に用いるロールトゥロール方式の装置の一例を示す図である。 図2(a)は図1の左側部分の部分図、図2(b)は図1の右側部分の部分図であり、ロールトゥロール方式の装置を通過するシートの1stパスにおいて、硬化性樹脂層に強い引張応力が発生する部分を概略的に示す図である。 図3(a)は図1の左側部分の部分図、図3(b)は図1の右側部分の部分図であり、ロールトゥロール方式の装置を通過するシートの2ndパスにおいて、1stパス面に強い引張応力が発生する部分を概略的に示す図である。
1.積層体
以下、本発明の積層体(「本積層体」と称する)の一実施形態について説明する。但し、本発明が、以下に示す形態に限定されるものではない。
本積層体は、樹脂基材(A)の片面に硬化性樹脂層(B1)を備え、もう一方の面に硬化性樹脂層(B2)を備えた積層体であって、JIS K 5600−5−1に準拠して行われるマンドレル試験により求められる、上記硬化性樹脂層(B1)および上記硬化性樹脂層(B2)の屈曲性が、以下の関係式(1)を満たすことを特徴とする積層体である。
(B1の屈曲性)≦(B2の屈曲性)<φ110mm・・・(1)
<樹脂基材(A)>
樹脂基材(A)は、後述する硬化性樹脂層(B1)および硬化性樹脂層(B2)により挟持される基材となる層であり、本積層体に表面硬度、耐衝撃性、耐熱性等の機能を付与する層である。樹脂基材Aは、熱可塑性樹脂組成物から形成される。該熱可塑性樹脂組成物を構成する熱可塑性樹脂としては、溶融押出しによってフィルム、シート、あるいはプレートを形成し得る熱可塑性樹脂であれば特に制限はないが、具体的にはポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリプロピレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリ−1,4−シクロヘキシレンジメチレンテレフタレートなどの芳香族ポリエステル、ポリエチレン、ポリプロピレン、シクロオレフィン系樹脂などのポリオレフィン系樹脂、芳香族ポリカーボネート系樹脂(ビスフェノールA型、ビスフェノールC型等)、脂肪族ポリカーボネート系樹脂(イソソルバイド系との共重合ポリカーボネート等)、アクリル系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリエーテル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリフェニレンスルフィド系樹脂、ポリエステルアミド系樹脂、ポリエーテルエステル系樹脂、塩化ビニル系樹脂、アクリロニトリル−スチレン共重合体、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体、変性ポリフェニレンエーテル系樹脂、ポリアリレート系樹脂、ポリサルホン系樹脂、ポリエーテルイミド系樹脂、ポリアミドイミド系樹脂、ポリイミド系樹脂およびこれらを主たる成分とする共重合体、またはこれら樹脂の混合物等を挙げることができる。
例えば、本積層体が、画像表示装置の前面側(視認側)に配置される表面保護パネル、特にタッチパネル機能を有する携帯電話や液晶ペンタブレットや車載用ディスプレイとして用いられることを考慮すると、可視光線域における吸収がほとんどない、ポリエステル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、およびアクリル系樹脂が好ましい。
本積層体を構成する樹脂基材(A)は、耐衝撃性に優れるポリカーボネート系樹脂層の少なくとも片面に熱可塑性樹脂層を有する積層体であることが好ましい。
熱可塑性樹脂層としては、表面硬度を要求される場合にはアクリル系樹脂層やビスフェノールC型ポリカーボネート系樹脂層等が挙げられる。また、積層体の表面硬度と耐衝撃性とのバランスを要求される場合には、脂肪族ポリカーボネート系樹脂層等が挙げられる。
以下に本発明を構成する樹脂基材(A)の一例として、アクリル系樹脂層(C)とポリカーボネート系樹脂層(D)とを有する積層体を記載する。
<アクリル系樹脂層(C)>
該アクリル系樹脂層(C)は、アクリル系樹脂(C1)を主成分として含有する層である。
該アクリル系樹脂層(C)は、本積層体の機能の内、特に表面硬度や耐熱性などを発現させる機能を分担するものである。このため該アクリル系樹脂層(C)は、後述するポリカーボネート系樹脂層(D)の両面に積層されてもよいが、少なくとも片面に積層されていることが好ましい。ディスプレイパネルなどの場合には、外面側に該アクリル系樹脂層(C)が積層されていることが好ましい。
ここで表面硬度については、鉛筆硬度をひとつの指標として評価することができる。本発明においては、測定する表面に対して、JIS K5600−5−4に準じて荷重750gfで鉛筆硬度を測定した。アクリル系樹脂層(C)表面の鉛筆硬度がH以上であることが好ましく、2H以上であることがより好ましく、3H以上であることが特に好ましい。
<アクリル系樹脂(C1)>
該アクリル系樹脂(C1)は、(メタ)アクリル酸エステル単量体単位を主成分として重合した(共)重合体およびその誘導体を主成分として含有する樹脂である。尚、本明細書においては、(メタ)アクリル酸エステル単量体単位は、アクリル酸エステル単量体単位またはメタクリル酸エステル単量体単位を意味する。ここで構成する単量体単位としては、メタクリル酸メチル、メタクリル酸、アクリル酸、ベンジル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、i−ブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、トリデシル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−メトキシエチル(メタ)アクリレート、2−エトキシエチル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、ノルボルニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニルオキシエチル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、アクリル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、コハク酸2−(メタ)アクロイルオキシエチル、マレイン酸2−(メタ)アクロイルオキシエチル、フタル酸2−(メタ)アクロイルオキシエチル、ヘキサヒドロフタル酸2−(メタ)アクリオイルオキシエチル、ペンタメチルピペリジル(メタ)アクリレート、テトラメチルピペリジル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレートなどが例示できる。これらは、1種のみを単独でまたは2種以上を組み合わせて用いることができる。また、これらのアクリル系単量体単位と重合され得る他の単量体単位としては、例えばオレフィン系単量体単位、ビニル系単量体単位等が挙げられる。
ここで、後述する共重合体(C2)との相溶性や工業的に入手し易いことなどからメタクリル酸メチルの単独重合体やメタクリル酸メチルとアクリル酸メチルまたはアクリル酸エチルとの共重合体が好適に用いることができる。また、立体規則性についても特に制限はないが、(メタ)アクリル酸エステル単量体単位の立体構造はシンジオタクチック構造であるほどガラス転移温度が高くなり耐熱性が向上するため好ましい。具体的には、トリアッド分率のmm、mr、rrの内、rr構造のモル比率が最も高いものが好適に用いることができる。なお、トリアッド分率は、核磁気共鳴測定装置(H−NMR)を用い、公知の方法で測定することができる。
アクリル系樹脂(C1)は市販品を用いることも可能であり、具体例としては三菱レイヨン(株)製の商品名「アクリペット(Acrypet)」、住友化学(株)製の商品名「スミペックス(SUMIPEX)」、(株)クラレ製の商品名「パラペット(PARAPET)」などが例示できる。
<共重合体(C2)>
アクリル系樹脂層(C)には、吸水を抑制する観点から、上述のアクリル系樹脂(C1)に共重合体(C2)を混合させることができる。ここで、共重合体(C2)は、芳香族ビニル単量体単位、(メタ)アクリル酸エステル単量体単位および不飽和ジカルボン酸無水物単量体単位を有する共重合体である。
ここで、芳香族ビニル単量体単位としては、スチレン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、エチルスチレン、p−tert−ブチルスチレン、α−メチルスチレン、α−メチル−p−メチルスチレン等の各スチレン系単量体に由来する単位が挙げられる。これら芳香族ビニル単量体単位は、1種のみを単独でまたは2種以上を組み合わせて用いることができる。本発明においては、スチレン単位やα−メチルスチレン単位が好ましい。スチレン単位は、工業的に入手し易く、また経済性に優れるため好ましく、α−メチルスチレン単位はガラス転移温度を向上させることができるため好ましい。
(メタ)アクリル酸エステル単量体単位としては、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、n−ブチルメタクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート、ジシクロペンタニルメタクリレート、イソボルニルメタクリレート等の各メタクリル酸エステル単量体、およびアクリル酸メチル、アクリル酸エチル、n−ブチルアクリレート、2−メチルヘキシルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、デシルアクリレート等のアクリル酸エステル単量体に由来する単位が挙げられる。これら(メタ)アクリル酸エステル単量体単位は、1種のみを単独でまたは2種以上を組み合わせて用いることができる。ここで本発明においては、アクリル系樹脂(C1)との相溶性や外観などからメタクリル酸メチル単量体単位が好適に用いることができる。
不飽和ジカルボン酸無水物単量体単位としては、マレイン酸無水物、イタコン酸無水物、シトラコン酸無水物、アコニット酸無水物などの各無水物単量体に由来する単位が挙げられる。これら不飽和ジカルボン酸無水物単量体単位は、1種のみを単独でまたは2種以上を組み合わせて用いることができる。ここで本発明においては、アクリル系樹脂(C1)との相溶性や透明性などからマレイン酸無水物単量体単位が好適に用いることができる。
共重合体(C2)の構成単位は、好ましくは芳香族ビニル単量体単位45〜85質量%、(メタ)アクリル酸エステル単量体単位4〜45質量%、不飽和ジカルボン酸無水物単量体単位8〜20質量%であり、より好ましくは芳香族ビニル単量体単位55〜85質量%、(メタ)アクリル酸エステル単量体単位5〜30質量%、不飽和ジカルボン酸無水物10〜18質量%の範囲である。
ここで、共重合体(C2)の構成単位は、周知の方法、例えば、核磁気共鳴(NMR)測定装置、その他の機器分析装置で定性定量分析することができる。
ここで、芳香族ビニル単量体単位が好ましくは45質量%以上、より好ましくは55質量%以上であれば、熱安定性が向上し、アクリル系樹脂(C1)と混合した際に良好な外観が得られ、また、吸水性を低減できるので好ましい。(メタ)アクリル酸エステル単量体単位が好ましくは4質量%以上、より好ましく5質量%以上であれば、アクリル系樹脂(C1)との相溶性が向上し透明性が良好になるため好ましい。また、不飽和ジカルボン酸無水物単量体単位が好ましくは8質量%以上、より好ましく10質量%以上であれば、アクリル系樹脂(C1)との相溶性が向上し透明性や耐熱性が向上するため好ましい。
一方、芳香族ビニル単量体単位が好ましくは85質量%以下であれば、アクリル系樹脂(C1)との混合性を保持しながら、耐熱性の向上や吸水性の低減などが出来るため好ましい。(メタ)アクリル酸エステル単量体単位が好ましくは45質量%以下、より好ましくは30質量%以下であれば、アクリル系樹脂(C1)との相溶性を確保しながら、吸水性を抑制できるため好ましい。また、不飽和ジカルボン酸無水物単量体単位が好ましくは20質量%以下、より好ましくは18質量%以下であれば、アクリル系樹脂(C1)との相溶性を確保しながら、熱安定性の向上や吸水性を抑制できるため好ましい。
共重合体(C2)は、芳香族ビニル単量体単位、(メタ)アクリル酸エステル単量体単位、および不飽和ジカルボン酸無水物単量体単位以外の、共重合可能な単量体単位を共重合体中に本発明の効果を阻害しない範囲で含んでもよく、該共重合可能な単量体単位の含有量は、共重合体(C2)100質量%に対して好ましくは5質量%以下である。共重合可能な単位としては、アクリロニトリル、メタクリロニトリルなどのシアン化ビニル単量体、アクリル酸、メタクリル酸などのビニルカルボン酸単量体、N−メチルマレイミド、N−エチルマレイミド、N−ブチルマレイミド、N−シクロヘキシルマレイミドなどのN−アルキルマレイミド単量体、N−フェニルマレイミド、N−メチルフェニルマレイミド、N−クロルフェニルマレイミドなどのN−アリールマレイミド単量体などの各単量体に由来する単位が挙げられる。これら共重合可能な単量体単位は、1種のみを単独でまたは2種以上を組み合わせて用いることができる。
共重合体(C2)は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)にて測定されるポリスチレン換算の重量平均分子量(Mw)が100,000〜200,000であることが好ましい。ここで重量平均分子量(Mw)が該範囲であるとアクリル系樹脂(C1)と混合して得られるアクリル系樹脂層(C)の成形性や外観などに優れるため好ましい。かかる観点から、より好ましい重量平均分子量(Mw)の範囲は110,000〜180,000である。
共重合体(C2)の製造方法は、公知の重合方法で製造可能であり特に限定されるものではない。例えば、溶液重合や塊状重合等が適用でき、重合プロセスも回分式や半回分式および連続式などを適宜採用することができる。副生成物が少なく、また、分子量調整と透明性を制御し易いことなどから溶液重合で回分式重合プロセスが好適に用いることができる。
共重合体(C2)は市販品を用いることも可能であり、具体例としては電気化学工業(株)製の商品名「レジスファイ R−100」、「レジスファイ R−200」および「レジスファイ R−300」などが例示できる。
次にアクリル系樹脂層(C)は、アクリル系樹脂(C1)と、芳香族ビニル単量体単位、(メタ)アクリル酸エステル単量体単位および不飽和ジカルボン酸無水物単量体単位を有する共重合体(C2)と、を含有し、その混合質量比が(C1)/(C2)=80〜20/20〜80である。ここで、アクリル系樹脂(C1)と共重合体(C2)との混合割合が上記範囲内であれば、ポリカーボネート樹脂層(D)との層間密着性に優れ、アクリル系樹脂の特徴である表面硬度や透明性を維持しつつ、耐熱性の向上や吸水性が抑制されるため好ましい。また、表面硬度を重視する場合には、(C1)/(C2)=80〜55/20〜45であることが好ましく、耐熱性の向上や吸水性の抑制を重視する場合には、(C1)/(C2)=50〜20/50〜80であることが好ましい。
アクリル系樹脂層(C)には、本発明の効果を阻害しない範囲で適宜、種々の添加剤や他の樹脂を配合することができる。ここで添加剤としては、例えば酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、滑剤、難燃剤、着色剤などが挙げられる。また、他の樹脂としては、メタクリル酸メチル−無水マレイン酸共重合体などが挙げられる。
上記酸化防止剤は、1種のみを単独でまたは2種以上を組み合わせて用いることができる。
<ポリカーボネート系樹脂層(D)>
該ポリカーボネート系樹脂層(D)は、本積層体の機能の内、特に耐衝撃性や耐熱性などを発現させる機能を分担するものである。このため該ポリカーボネート系樹脂層(D)には、ポリカーボネート系樹脂(D1)を単体で用いてもよいが、種々の改質剤(D2)と混合して用いることができる。
(ポリカーボネート系樹脂(D1))
ポリカーボネート系樹脂(D1)は、芳香族ポリカーボネート系樹脂が好ましく用いることができるが脂肪族ポリカーボネート系樹脂でもよい。また、単独重合体でも他の共重合可能なモノマーとの共重合体のいずれであってもよい。さらに構造は分岐構造であっても、直鎖構造であってもよいし、分岐構造と直鎖構造との混合物であってもよい。
ポリカーボネート系樹脂(D1)の製造方法はホスゲン法やエステル交換法、ピリジン法など公知のいずれの方法を用いてもかまわない。
ポリカーボネート系樹脂(D1)の重量平均分子量は、通常、10,000〜100,000、好ましくは、20,000〜40,000、特に好ましくは、22,000〜28,000の範囲のものを用いることができる。ポリカーボネート系樹脂(D1)は1種のみを単独でまたは2種以上を組み合わせて用いることができる。ここで重量平均分子量が上記範囲にあれば、耐衝撃性が確保され、押出成形性も良好であるため好ましい。
ポリカーボネート系樹脂(D1)は市販品を用いることも可能であり、芳香族ポリカーボネート系樹脂の具体例としては住化スタイロンポリカーボネート(株)製の商品名「カリバー(CALIBRE)」、「SDポリカ(SD POLYCA)」、三菱エンジニアリングプラスチックス(株)製の商品名「ユーピロン(Iupilon)」、「ノバレックス(NOVAREX)」、帝人(株)製の商品名「パンライト(Panlite)」などが例示できる。また、脂肪族ポリカーボネート系樹脂の具体例としては三菱化学(株)製の商品名「デュラビオ(DURABIO)」などが例示できる。
ポリカーボネート系樹脂層(D)を構成する樹脂組成物には、本発明の効果を阻害しない範囲で適宜、上記した種々の添加剤や他の樹脂を配合することができる。ここで添加剤としては、例えば酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、滑剤、難燃剤、着色剤、加水分解防止剤などが挙げられる。
(加水分解防止剤)
加水分解防止剤としては、フェノール系化合物、カルボジイミド化合物の単量体または重合体およびオキサゾリン化合物の単量体または重合体などが例示できる。本発明においては、カルボジイミド化合物の単量体または重合体が好適に用いることができる。
該カルボジイミド化合物としては、下記一般式(1)に示す基本構造を有するものが挙げられる。
一般式(1)中、nは1以上の整数であり、Rは有機系結合単位を示す。例えば、Rは、脂肪族、脂環族、芳香族のいずれかであることができる。また、nは、通常、1〜50の間の適当な整数が選択される。nが2以上の整数である場合に、2以上のRは同一でも異なっていてもよい。
具体例としては、ビス(プロピルフェニル)カルボジイミド、ビス(ジプロピルフェニル)カルボジイミド、ポリ(4,4’−ジフェニルメタンカルボジイミド)、ポリ(p−フェニレンカルボジイミド)、ポリ(m−フェニレンカルボジイミド)、ポリ(トリルカルボジイミド)、ポリ(ジイソプロピルフェニレンカルボジイミド)、ポリ(メチル−ジイソプロピルフェニレンカルボジイミド)、ポリ(トリイソプロピルフェニレンカルボジイミド)、芳香族ポリカルボジイミド等、および、これらの単量体が、カルボジイミド化合物が例示できる。上記カルボジイミド化合物は、1種のみを単独でまたは2種以上を組み合わせて用いることができる。カルボジイミド化合物の重合体としては分子量が2,000〜50,000であることが好ましい。
該カルボジイミド化合物は市販品を用いることも可能であり具体例としては、Rhein Chemie GmbH社製の商品名「スタバクゾール(Stabaxol)P」、「スタバクゾール(Stabaxol)P100」、日清紡ケミカル(株)製の商品名「カルボジライト(CARBODILITE)HMV−8CA」、「カルボジライト(CARBODILITE)LA−1」などが例示できる。
該加水分解防止剤の添加量は、ポリカーボネート系樹脂層(D)を構成する樹脂組成物100質量部に対して、0.001〜1.0質量部の範囲であり、0.05〜0.5質量部添加することが好ましい。
(樹脂基材(A)の厚み)
樹脂基材(A)の厚みは、特に制限されるものではないが、0.1〜1.5mmである。該合計厚みは、0.1〜1.0mmであることが好ましく、0.1〜0.7mmであることがより好ましく、0.1〜0.5mmであることが特に好ましい。かかる範囲であれば、ロールトゥロール方式での塗工時にシートの張力を下げることが可能であり、ロール径の小さい屈曲部を通る際に、硬化性樹脂層への引張応力を低減しクラック発生を抑制可能である。
樹脂基材(A)に含まれるアクリル系樹脂層(C)の厚みは、特に制限されるものではないが、本積層体の表面硬度や耐衝撃性および高温や高湿な環境における形状安定性などに影響する。かかる観点から、アクリル系樹脂層(C)の厚みは、0.01〜0.25mmであることが好ましく、0.04〜0.20mmであることがより好ましく、0.06〜0.10mmであることがさらに好ましい。また、上記したアクリル系樹脂層(C)とポリカーボネート系樹脂層(D)とを有する樹脂基材(A)の総厚みを(T)した場合、アクリル系樹脂層(C)1層の厚み比((C)/(T))は、0.01〜0.35であることが好ましく、0.05〜0.30であることがより好ましく、0.07〜0.20であることがさらに好ましい。上記厚みと厚み比の範囲内であれば、本積層体の表面硬度や耐衝撃性および高温や高湿な環境における形状安定性に優れるため好ましい。
(樹脂基材(A)の作製方法)
樹脂基材(A)の作製方法としては、公知の方法、例えば単軸押出機、多軸押出機、バンバリーミキサー、ニーダーなどの溶融混合設備を有し、Tダイを用いる押出キャスト法がハンドリング性や生産性等の面から好適に用いることができる。樹脂基材(A)の形成方法としては、溶融混練された樹脂をフィードブロックあるいはマルチマニホールドを有するTダイにより共押出成形される方法が好適に用いることができる。また、本積層体の外観を良好にするためには、表面を鏡面処理された成形ロール(金属弾性ロールやポリシングロールなど)を用いることが好ましい。
Tダイを用いる押出キャスト法での成形温度は、用いる樹脂組成物の流動特性や製膜性等によって適宜調整されるが、概ね300℃以下、好ましくは、230〜270℃である。成形ロールは、概ね90〜130℃、好ましくは、95〜115℃である。
本発明においては、単軸押出機や多軸押出機が好適に用いることができるが各層の押出機にはベント機能とフィルター機能とを有することが好ましい。ベント機能は、各層に用いる樹脂組成物の乾燥や微量の揮発成分の除去などに活用でき、気泡などの欠陥が少ない積層体を得ることができるため好ましい。また、フィルター機能は、種々の方式があり、具体的には、リーフディスクフィルター、バックディスクフィルター、コーン型フィルター、キャンドルフィルター、円筒型フィルターなどが例示できる。中でも有効ろ過面積を確保し易いリーフディスクフィルターが好ましい。フィルター機能により異物や微小ゲルブツなどを除去することができ、外観不良の少ない樹脂基材(A)を得ることができるため好ましい。
樹脂基材(A)に用いる樹脂組成物は、予め各成分をタンブラー、V型ブレンダー、バンバリーミキサー、押出機などの混合機により混合して使用してもよく、また押出機の供給口に計量した各成分を直接供給したり、更には2ヶ所以上の供給口を有する押出機の各供給口に別々に計量した成分を供給したりしてもよい。さらに各種添加剤の混合方法は、公知の方法を用いることができる。例えば、(i)各種添加剤を適当なベース樹脂に高濃度(代表的な含有量としては3〜60質量%程度)に混合したマスターバッチを別途作製しておき、これを使用する樹脂に濃度を調整して混合する方法、(ii)使用する樹脂に直接各種添加剤を混合する方法などが挙げられる。
<硬化性樹脂層(B1、B2)>
本積層体は、片面に硬化性樹脂層(B1)を備え、もう一方の面に硬化性樹脂層(B2)を備える。本積層体を各種画像表示装置等のフロントカバー材として用いる場合、特に制限はないが、硬化性樹脂層(B2)が表面側(視認側)に、硬化性樹脂層(B1)が裏面側に配置されることが好ましい。硬化性樹脂層(B1)が表面側(視認側)に、硬化性樹脂層(B2)が裏面側に配置されても良い。
当該配置に対応するように、硬化性樹脂層(B1)は、印刷工程や所定サイズへの切断工程内等で本積層体に摩擦傷が入るのを防ぐための傷付防止層としての役割を果たし、硬化性樹脂層(B2)は本積層体に優れた表面硬度や耐擦傷性を付与する役割を果たす。また、硬化性樹脂層(B1)と硬化性樹脂層(B2)とは、間に樹脂基材(A)を挟持することにより、本積層体の環境反りを抑制する機能を有する。
本発明において、硬化性樹脂層(B1)および硬化性樹脂層(B2)の屈曲性が、以下の関係式(1)を満たすことが重要である。
(B1の屈曲性)≦(B2の屈曲性)<φ110mm・・・(1)
硬化性樹脂層(B1)および硬化性樹脂層(B2)の屈曲性が上記式(1)を満たすことにより、ロールトゥロール方式の装置を用いて硬化性樹脂層(B1)および硬化性樹脂層(B2)を積層する際に、シートがロール径の小さい屈曲部を通る場合でも、硬化性樹脂層(B1)および/または硬化性樹脂層(B2)にクラックが発生することを抑制することが可能となる。また、本積層体をロール状に巻いて保管もしくは輸送する際、ロール状に巻いた本積層体を巻き出して枚葉シート状に切断する際、または工程内でのハンドリング時等に発生する引張応力にも十分耐えることが可能となる。
かかる観点から、上記式(1)の右辺の数値は、φ110mmであることが重要であり、φ100mmであることが好ましく、φ90mmであることがより好ましい。
なお、硬化性樹脂層(B2)の屈曲性が小さすぎると、本積層体の表面硬度が発現し難くなるため、硬化性樹脂層(B2)の屈曲性は上記式(1)を満たしつつ、φ40mm以上であることが好ましく、φ60mm以上であることがより好ましく、φ80mm以上であることがさらに好ましい。
また、硬化性樹脂層(B1)と硬化性樹脂層(B2)との屈曲性の差が大きくなると、本積層体の環境反りを抑制する機能が発現し難くなるため、硬化性樹脂層(B1)と硬化性樹脂層(B2)との屈曲性の差は、φ100mmより小さいことが好ましく、φ70mmより小さいことがより好ましく、φ40mmより小さいことが更に好ましく、差が少ないことが特に好ましい。
硬化性樹脂層(B1)および硬化性樹脂層(B2)の硬化収縮量が以下の関係式(2)を満たすことが好ましい。
|(B1の硬化収縮量)−(B2の硬化収縮量)|≦3.5mm・・・(2)
硬化性樹脂層(B1)および硬化性樹脂層(B2)の硬化収縮量が上記式(1)を満たすことにより、すなわち硬化性樹脂層(B1)と硬化性樹脂層(B2)との差の絶対値が3.5mm以下であることにより、高温高湿環境下で両層の寸法変化挙動が近くなり、結果として環境反りが抑制されるため好ましい。かかる観点から、上記式(2)の右辺の数値は、3.5mmであることが重要であり、2.5mmであることが好ましく、1.5mmであることがより好ましい。
なお、本発明における「硬化収縮量」とは、10cm角、厚み188μmのPETフィルムの片面に硬化性樹脂層(B1)または硬化性樹脂層(B2)の材料となる硬化性樹脂を硬化後の厚みが10μm厚になるように塗布し、該硬化性樹脂を硬化させて積層体を作製した場合に測定される4隅反り量の平均値を意味する。
視認側に積層される硬化性樹脂層(B2)の表面の鉛筆硬度は、4H以上であることが好ましく、5H以上であることがより好ましく、7H以上であることが特に好ましい。鉛筆硬度が4H以上であれば、優れた表面硬度を有する本積層体を提供することができる。裏面側に積層される硬化性樹脂層(B1)の表面の鉛筆硬度は、HB以上であることが好ましく、F以上であることがより好ましく、H以上であることがさらに好ましい。鉛筆硬度がHB以上であれば、工程内での輸送や加工時に本積層体に摩擦傷が入るのを防ぐための傷付防止層として機能することができる。
次に、視認側に積層される硬化性樹脂層(B2)の表面の耐擦傷性については、スチールウール試験をひとつの指標として評価することができる。ここで、#0000のスチールウールを用いて荷重1000gfで擦ったときに、傷が発生するまでの往復回数が20回以上であることが好ましい。上記スチールウールで擦ったときに、表面に傷が発生するまでの往復回数が20回以上であれば、優れた耐擦傷性を有する傷のつきにくい本積層体を提供することができる。かかる観点から、表面に傷が発生するまでの往復回数は20回以上であることが好ましく、300回以上であることがより好ましく、500回以上であることが特に好ましい。
(硬化性樹脂)
硬化性樹脂としては、本発明において特に制限されるものではないが、電子線、放射線、紫外線などのエネルギー線を照射することにより硬化するか、あるいは加熱により硬化するものなどが適用できる。本発明においては、成形時間および生産性の観点から紫外線硬化性樹脂からなることが好ましい。
ここで、硬化性樹脂の具体例としては、アクリレート化合物、ウレタンアクリレート化合物、エポキシアクリレート化合物、カルボキシル基変性エポキシアクリレート化合物、ポリエステルアクリレート化合物、共重合系アクリレート、脂環式エポキシ樹脂、グリシジルエーテルエポキシ樹脂、ビニルエーテル化合物、オキセタン化合物などが例示できる。これらの硬化性樹脂は、1種のみを単独でまたは2種以上を組み合わせて用いることができる。より優れた表面硬度を付与する硬化性樹脂としては、多官能アクリレート化合物、多官能ウレタンアクリレート化合物、多官能エポキシアクリレート化合物など、ラジカル重合系の硬化性化合物や、アルコキシシラン、アルキルアルコキシシランなど、熱重合系の硬化性化合物を挙げることができ、さらに、上記硬化性樹脂に無機成分を含有させてなる有機・無機複合系硬化性樹脂組成物とすることもできる。
特に優れた表面硬度を付与する硬化性樹脂組成物として、有機・無機ハイブリッド系硬化性樹脂組成物を挙げることができる。有機・無機ハイブリッド系硬化性樹脂組成物としては、上記硬化性樹脂に反応性官能基を有する無機成分を含有させた硬化性樹脂組成物から構成されるものを挙げることができる。
このような反応性官能基を有する無機成分を利用して、例えば、この無機成分がラジカル重合性モノマーと共重合および架橋することで、単に有機バインダーに無機成分を含有させてなる有機・無機複合系硬化性樹脂組成物に比べて、硬化収縮が生じにくく、かつ高い表面硬度を発現することができるので好ましい。さらに、硬化収縮の低減の観点からは、反応性官能基を有する無機成分として紫外線反応性のコロイダルシリカを含む有機・無機ハイブリッド系硬化性樹脂組成物をより好ましい例として挙げることができる。
特に優れた表面硬度を付与する手段としては、硬化性樹脂層(B1)および硬化性樹脂層(B2)に含有される無機成分および/または反応性官能基を有する無機成分の濃度で調整する方法が挙げられる。
硬化性樹脂層(B1)および硬化性樹脂層(B2)に含有される無機成分および/または反応性官能基を有する無機成分の好ましい濃度の範囲は、10質量%以上、70質量%以下である。好ましい濃度の下限値は、10質量%以上であることが好ましく、20質量%以上であることがさらに好ましく、40質量%以上であることが特に好ましい。濃度が、10質量%以上であれば、硬化性樹脂層(B1)および硬化性樹脂層(B2)に優れた表面硬度を付与する効果が得られるので好ましい。一方、好ましい濃度の上限値は、70質量%以下であることが好ましく、60質量%以下であることがより好ましく、55質量%以下であることが特に好ましい。濃度が、70質量%以下であれば、硬化性樹脂層(B1)および硬化性樹脂層(B2)において、無機成分および/または反応性官能基を有する無機成分を最密に充填することが可能になり、優れた表面硬度を効果的に付与することができるので好ましい。
硬化性樹脂層(B1)および硬化性樹脂層(B2)の形成方法としては、例えば、上記した硬化性樹脂組成物を有機溶剤に溶解、あるいは分散させた塗料として樹脂基材(A)の表面に塗工した後、硬化膜とすることにより、樹脂基材(A)の表面に形成・積層する方法があるが、この方法に限定されるものではない。
樹脂基材(A)との積層方法としては、公知の方法が使用される。例えば、カバーフィルムを使用するラミネート方式、ディップコート法、ナチュラルコート法、リバースコート法、カンマコーター法、ロールコート法、スピンコート法、ワイヤーバー法、エクストルージョン法、カーテンコート法、スプレコート法、グラビアコート法等が挙げられる。その他、例えば、離型層に硬化性樹脂層(B1)および硬化性樹脂層(B2)が形成されてなる転写シートを用いて、該硬化性樹脂層(B1)および硬化性樹脂層(B2)を樹脂基材(A)に積層する方法を採用してもよい。
また、該硬化性樹脂層(B1)および硬化性樹脂層(B2)と樹脂基材(A)との密着性を向上させる目的で、樹脂基材(A)の表面にコロナ処理やプラズマ処理およびプライマー処理などの各種表面処理を行うことができる。
後述するように、本発明によれば、硬化性樹脂層(B1)および硬化性樹脂層(B2)の形成にロールトゥロール方式の装置を用いる場合でも、クラックの発生を抑制することができる。
硬化性樹脂層(B1)および硬化性樹脂層(B2)を形成する硬化性樹脂組成物は、成形時間および生産性の観点から紫外線硬化性樹脂からなるもの、即ち紫外線を照射することにより硬化するものからなることが好ましい。ここで紫外線を発する光源としては、無電極高圧水銀灯、有電極高圧水銀灯、無電極メタルハライドランプ、有電極メタルハライドランプ、キセノンランプ、超高圧水銀灯または水銀キセノンランプ等を用いることができる。中でも無電極高圧水銀灯は、高照度の紫外線を得られやすく、紫外線硬化性樹脂の硬化には有利となり好ましい。
また、紫外線硬化性樹脂は、添加される光重合開始剤が紫外線を吸収して、励起、活性化されることで重合反応を起こし、紫外線硬化性樹脂の硬化反応が起こる。したがって、紫外線硬化性樹脂に添加されている光重合開始剤に応じた、即ち光重合開始剤の励起波長に応じた光源を選択すると、紫外線硬化性樹脂の硬化に有利となり好ましい。
(光重合開始剤)
硬化性樹脂組成物が紫外線硬化性樹脂からなり紫外線を照射することにより硬化させる場合、硬化剤として光重合開始剤を使用する。光重合開始剤としては、例えば、ベンジル、ベンゾフェノンやその誘導体、チオキサントン類、ベンジルジメチルケタール類、α−ヒドロキシアルキルフェノン類、α−ヒドロキシアセトフェノン類、ヒドロキシケトン類、アミノアルキルフェノン類、アシルホスフィンオキサイド類などが挙げられる。中でも、α−ヒドロキシアルキルフェノン類は硬化時に黄変を起こしにくく、透明な硬化物が得られるので好ましい。また、アミノアルキルフェノン類は、非常に高い反応性を備え、優れた硬度の硬化物が得られるので好ましい。上記光重合開始剤は、1種のみを単独でまたは2種以上を組み合わせて用いることができる。なお、光重合開始剤の添加量は、硬化性樹脂100質量部に対して、0.1〜5質量部添加することが好ましい。
該光重合開始剤は市販品を用いることも可能であり具体例としては、“IRGACURE651”、“IRGACURE184”、“IRGACURE500”、“IRGACURE1000”、“IRGACURE2959”、“DAROCUR1173”、“IRGACURE127”、“IRGACURE907”、“IRGACURE369”、“IRGACURE379”、“IRGACURE1700”、“IRGACURE1800”、“IRGACURE819”、“IRGACURE784”〔以上のIRGACURE(イルガキュア)シリーズおよびDAROCUR(ダロキュア)シリーズは、BASF・ジャパン(株)製の商品名〕、“KAYACUREITX”、“KAYACUREDETX−S”、“KAYACUREBP−100”、“KAYACUREBMS”、“KAYACURE2−EAQ”〔以上のKAYACURE(カヤキュア)シリーズは、日本化薬(株)製の商品名〕などが例示できる。このうち、上記したα−ヒドロキシアルキルフェノン類に属するものとしては、例えば“IRGACURE184”を挙げることができ、一方、アミノアルキルフェノン類に属するものとして、例えば“IRGACURE907”、“IRGACURE369”、“IRGACURE379”を挙げることができる。
(表面調整成分)
硬化性樹脂層(B1)および硬化性樹脂層(B2)を形成する硬化性樹脂組成物は、表面調整成分としてレベリング剤を含むことができる。レベリング剤としては、シリコーン系レベリング剤、アクリル系レベリング剤、フッ素系レベリング剤などを挙げることができ、特に、末端に反応性の官能基を有するものが好ましく、2官能以上の反応性の官能基を有するものがより好ましい。
具体的には、両末端に2重結合を有するアクリル基を有するポリエーテル変性ポリジメチルシロキサン(例えば、ビックケミー・ジャパン(株)製の商品名「BYK−UV 3500」、「BYK−UV 3530」)や、2重結合を末端に2個ずつ計4個有するアクリル基を有するポリエステル変性ポリジメチルシロキサン(ビックケミー・ジャパン(株)製の商品名「BYK−UV 3570」)、DIC(株)製の商品名「メガファックRS−75」、ダイキン工業(株)製の商品名「オプツールDAC−HP」などが挙げられる。これらの中でも、ヘイズの値が安定し、かつ耐擦傷性の向上に寄与するアクリル基を有するポリエステル変性ポリジメチルシロキサンが特に好ましい。
(その他の成分)
硬化性樹脂層(B1)および硬化性樹脂層(B2)を形成する硬化性樹脂組成物は、硬化性樹脂成分のほかに、例えば、ケイ素系化合物、フッ素系化合物、またはこれらの混合化合物などの滑剤や、酸化防止剤、紫外線吸収剤、帯電防止剤、シリコーン系化合物などの難燃剤、フィラー、ガラス繊維、耐衝撃性改質剤等の各種添加剤を本発明の効果を阻害しない範囲で含有することができる。
硬化性樹脂組成物が紫外線硬化性樹脂からなり紫外線を照射することにより硬化させる場合、紫外線に対して透明度が高いため樹脂組成物の内部の硬化は速やかに進行する反面、酸素による硬化阻害作用(酸素障害と称する)のため、樹脂組成物の表面では硬化が滞る場合がある。この酸素障害に対しては、窒素ガスの供給により樹脂組成物周囲を窒素ガス雰囲気下とした上で紫外線を照射すると、樹脂組成物の内部とともに表面の硬化を速やかに進行させることができるので好ましい。
上記した硬化性樹脂層(B1)および硬化性樹脂層(B2)の厚みは、特に制限されるものではないが、1〜30μmの範囲であることが好ましく、3〜25μmの範囲であることがより好ましく、5〜20μmの範囲であることがさらに好ましく、7〜15μmの範囲であることが特に好ましい。ここで、硬化性樹脂層(B1)および硬化性樹脂層(B2)の厚みが上記範囲にあれば、耐擦傷性や表面硬度が付与でき、また、屈曲部を通る際の引張応力によるクラックが発生し難いため好ましい。また、硬化性樹脂層(B1)と硬化性樹脂層(B2)との厚みは、同一でもよいし異なっていてもよいが共に7〜15μmの範囲であり、かつ、硬化性樹脂層(B2)の厚みが硬化性樹脂層(B1)の厚みと同等以上であることが好ましい。
本積層体の硬化性樹脂層(B1)および硬化性樹脂層(B2)のうちの片面または両面に反射防止処理、防汚処理、帯電防止処理、耐候性処理および防眩処理のいずれか一つ以上を施すことができる。各々の処理の方法は特に限定されず、公知の方法を用いることができる。例えば反射低減塗料を塗布する方法、誘電体薄膜を蒸着する方法、帯電防止塗料を塗布する方法などが例示できる。
<層構成>
本積層体は、樹脂基材(A)の片面に硬化性樹脂層(B1)を備え、もう一方の面に硬化性樹脂層(B2)を備えるものである。また、樹脂基材(A)は、アクリル系樹脂層(C)とポリカーボネート系樹脂層(D)とを有するものであってもよい。層構成の具体例としては、(B1)/(C)/(D)/(B2)や(B1)/(C)/(D)/(C)/(B2)が例示できる。ここで層構成の中に同一分類層を2層以上有する場合には、該層は同一組成でもよいし、異なった組成でもよい。また、ディスプレイパネルなどの場合には、上記例示した層構成の(B2)が外面側、(B1)が内面側となるように配置される。
(本積層体の厚み)
本積層体の合計厚みは、本積層体の適用用途によっても好ましい範囲がある。例えば、各種画像表示装置のフロントカバー材に適用する場合には、0.1〜1.5mmであることが好ましく、0.1〜1.0mmであることがより好ましく、0.1〜0.7mmであることがさらに好ましく、0.1〜0.5mmであることが特に好ましい。該範囲内であれば、軽量性、剛性および高温や高湿な環境における形状安定性に優れるため好ましい。また、本積層体に粘着層などを積層し、ガラスなどの表面の汚れや傷付きから保護したり、破壊した破片などの飛散を防止したりする用途に適用する場合には、0.1〜0.6mmであることが好ましく、0.1〜0.3mmであることがより好ましい。
(全光線透過率)
本積層体の透明性の指標として全光線透過率を用いた場合、85%以上であることが好ましく、89%以上であることがより好ましく、90%以上がさらに好ましい。本発明における全光線透過率は、JIS K7361−1に準じて測定したものである。
(環境反り評価)
本積層体の環境反り評価は、次のようにして行ったものである。すなわち、得られた本積層体から100mm角の試験片(n=3)を切り出し、まず、温度23℃、湿度50%RH環境下に24時間放置した。次に各試験片を温度85℃、湿度85%RH環境下に120時間放置し、次いで温度23℃、湿度50%RH環境下に4時間放置した後、試験片を定盤に静置させ、四隅の定盤からの高さを反り量として測定しその絶対値の平均値を評価したものである。高温高湿環境下に放置する前後の環境条件を同一にすることで高温高湿環境下での影響のみを測定することができる。
本発明においては、該反り量は、2.0mm以下であることが好ましく、1.0mm以下であることがより好ましく、0.5mm以下であることがさらに好ましく、0mmであることが最も好ましい。上記範囲内であれば、本積層体をより広い用途や環境下で使用できるため好ましい。
上記環境反り評価については、本発明では温度85℃、湿度85%RH環境下で評価したが高温高湿環境としては、温度60℃、湿度90%RHや温度70℃、湿度90%RHなどの条件が用いられる場合もある。
また、環境反りの低減方法としては、本積層体を製造する際に悪影響を与える歪を付与しないように製膜したり、Tg近傍で数時間〜数日のアニーリングにより歪を緩和させたりする方法などが例示でき、具体的には、評価する環境条件下での熱収縮率を低減するように調整すればよい。さらに、後述する硬化性樹脂層(B1)および硬化性樹脂層(B2)の表裏面への塗布厚みや種類により調整することもできる。
2.積層体の製造方法
次に、本積層体の製造方法(「本製造方法」と称する)について説明する。但し、本発明が、以下に示す形態に限定されるものではない。
本製造方法は、樹脂基材(A)の片面に硬化性樹脂層(B1)を備え、もう一方の面に硬化性樹脂層(B2)を備えた積層体の製造方法であって、上記樹脂基材(A)に上記硬化性樹脂層(B1)を積層するB1積層工程と、上記樹脂基材(A)に上記硬化性樹脂層(B2)を積層するB2積層工程と、をこの順に有し、上記B1積層工程、および、上記B2積層工程は、ロールトゥロール方式の装置を用いて行われ、JIS K 5600−5−1に準拠して行われるマンドレル試験により求められる、上記硬化性樹脂層(B1)および上記硬化性樹脂層(B2)の屈曲性が、以下の関係式(1)を満たすことを特徴とする。
(B1の屈曲性)≦(B2の屈曲性)<φ110mm・・・(1)
本製造方法における樹脂基材(A)、硬化性樹脂層(B1)および硬化性樹脂層(B2)については上述した通りであり、ここでは詳細な説明を省略する。
以下、本製造方法が有するB1積層工程およびB2積層工程について、図1〜3を参照しつつ説明する。図1は、B1積層工程およびB2積層工程に用いるロールトゥロール方式の装置の一例を示す図である。該装置を構成するロールの径については、硬化性樹脂層の屈曲性よりも大きいことが好ましい。すなわち、ロール径はφ110mm以上であることが好ましく、φ120mm以上であることがより好ましく、φ150mm以上であることが更に好ましく、φ180mm以上であることが特に好ましい。ロール径の上限は特に制限はないが通常φ300mm程度である。かかる範囲であれば、1stパス、2ndパス時に硬化性樹脂層にクラックが入りにくくなるため好ましい。また、硬化性樹脂層(B2)とロール径との関係においては、硬化性樹脂層(B2)の屈曲性に対して、ロール径が10mm以上大きいことが好ましく、15mm以上大きいことがより好ましく、20mm以上大きいことが更に好ましい。かかる範囲であれば1stパス、2ndパス時に硬化性樹脂層にクラックが入りにくくなるため好ましい。
装置全体のシートにかかる張力についてはシートが撓まず蛇行しない程度に低く抑えることが好ましい。これにより、硬化性樹脂層に発生する引張応力を低減しクラックを抑制することが可能である。また、図2(a)は図1の左側部分の部分図、図2(b)は図1の右側部分の部分図であり、ロールトゥロール方式の装置を通過するシートの1stパスにおいて、硬化性樹脂層(1stパス面)に強い引張応力が発生する部分を概略的に示す図である。また、図3(a)は図1の左側部分の部分図、図3(b)は図1の右側部分の部分図であり、ロールトゥロール方式の装置を通過するシートの2ndパスにおいて、1stパス面に強い引張応力が発生する部分を概略的に示す図である。
まず、図1に示したロールトゥロール方式の装置について説明する。図1は、従来の樹脂シートに表面硬度がそれほど高くないハードコート層を積層するためにも用いられる、ロールトゥロール方式の従来装置である。ロール状に巻かれたシートは、まず図1の「巻出し」位置にセットされ、当該位置から「塗工部」に向けて巻き出される。巻き出されたシートは「塗工部」において、巻出し位置にセットされたロールの内面側に硬化性樹脂(本実施形態では、紫外線硬化性樹脂)が塗工される。「塗工部」を出たシートは「乾燥炉」に搬送され、そこで硬化性樹脂に含まれていた溶剤等が除去される。乾燥炉の条件としては、乾燥温度は50℃〜120℃であることが好ましく、60℃〜110℃であることがより好ましく、70℃〜100℃であることが更に好ましい。また乾燥時間は30秒〜10分であることが好ましく、45秒〜5分であることがより好ましく、1分〜3分であることが更に好ましい。かかる範囲であれば、硬化性樹脂に含まれていた溶剤等を除去しやすい。「乾燥炉」を出たシートは、「紫外線照射装置」へと送られ、そこで紫外線が照射されることにより硬化性樹脂が硬化し、ハードコート層が積層される。紫外線照射の条件としては、積算光量として、200〜1500mJであることが好ましく、300〜1200mJであることがより好ましく、500〜1000mJであることが更に好ましい。かかる範囲であれば、硬化性樹脂の硬化不良を抑制でき所望の表面硬度や耐擦傷性を得ることが可能である。「紫外線照射装置」を出たシートは「巻取り」位置へと搬送され、再度硬化性樹脂層を外面側にしてロール状に巻き取られる。これにより、シートの片面にハードコート層(1stパス面)を積層する1stパスが完了する。
その後、1stパスで巻き取られたロール状のシートを再度「巻出し」位置にセットし、1stパスと同様にして1stパス面と反対側の面(巻出し位置にセットされたロールの内面側)にハードコート層(2ndパス面)を積層することにより、2ndパスが完了する。
よって、本製造方法に本装置を用いる場合、B1積層工程が1stパス、B2積層工程が2ndパスに相当する。
<B1積層工程>
B1積層工程は、ロールトゥロール方式の装置を用いて、樹脂基材(A)の片面に硬化性樹脂層(B1)を積層する工程である。図1に示す装置を用いて本工程を行う場合、まず、上述するようにして作製した樹脂基材(A)をロール状に巻き取り、該ロール状の樹脂基材(A)を図1の「巻出し」位置にセットし、装置を稼働させることにより、樹脂基材(A)に硬化性樹脂層(B1)を積層させ、本工程を完了することができる。
従来、表面硬度や耐擦傷性に優れる1stパス面を形成しようとしても、紫外線照射装置等の硬化装置を通過後再び巻き取られるまでの間に、ロール径の小さい屈曲部を通る際に発生する引張応力により、1stパスの段階で1stパス面にクラックが発生してしまうことがあった。本製造方法によれば、硬化性樹脂層(B1)の屈曲性が上記式(1)を満たす(φ110mmより小さい)ことにより、B1積層工程において、硬化性樹脂層(B1)にクラックが発生することを抑制することができる。
<B2積層工程>
B2積層工程は、ロールトゥロール方式の装置を用いて、樹脂基材(A)のもう一方の面(硬化性樹脂層(B1)と反対側の面)に硬化性樹脂層(B2)を積層する工程である。図1に示す装置を用いて本工程を行う場合、上記B1積層工程により得られたロール状の樹脂基材(A)と硬化性樹脂層(B1)との積層体を図1の「巻出し」位置にセットし、装置を稼働させることにより、樹脂基材(A)のもう一方の面に硬化性樹脂層(B2)を積層させ、本工程を完了することができる。
従来、表面硬度や耐擦傷性に優れる1stパス面および2ndパス面を形成しようとした場合、2ndパスにおいても、1stパス面および/または2ndパス面にクラックが発生してしまうことがあった。クラックの発生は1stパスよりも2ndパスにおいて発生し易く、特に2ndパスにおいて1stパス面に発生することが多かった。
本発明者らはその理由を次のように推測する。すなわち、2ndパス面には、紫外線照射装置等の硬化装置を通過後再び巻き取られるまでの間に存在するロール径の小さい屈曲部(特に図2(b)に矢印で示す位置であり、このようにロールと接する反対面が硬化性樹脂層となるロール箇所では硬化性樹脂層に大きな引張応力が発生する。)を通る際にのみ、大きな引張応力が発生するのに対し、1stパス面については、2ndパスにおける巻き出し後塗工ヘッドに搬送されるまでの間に存在するロール径の小さい屈曲部(特に図3(a)に矢印で示す位置)および紫外線照射装置等の硬化装置を通過後再び巻き取られるまでの間に存在するロール径の小さい屈曲部(特に図3(b)に矢印で示す位置)において、大きな引張応力が発生するため、2ndパス面よりも過酷な条件下にあるためであると推測される。
本製造方法によれば、硬化性樹脂層(B1)および硬化性樹脂層(B2)の屈曲性が上記式(1)を満たすことにより、B2積層工程において、硬化性樹脂層(B1)および硬化性樹脂層(B1)にクラックが発生することを抑制することができる。
また、本製造方法によれば、従来設備に設計変更を加えることなく、硬化性樹脂層(B1)および硬化性樹脂層(B2)を積層することができるため、経済性に優れる。
(想定用途)
以上説明したように、本積層体は、汎用材料を主原料として用いることで経済性に優れ、透明性、耐衝撃性、表面硬度および高温や高湿な環境における形状安定性に優れるため、基板材料や保護材料等の種々の用途に適用することができ、用途は特に制限されるものではない。
特に、本積層体は各種基板材料や保護材料などとして用いることができる。具体的には、携帯型ディスプレイデバイス(携帯電話端末、スマートフォン、携帯型電子遊具、携帯情報端末、タブレット機器、モバイルパソコンなど)や設置型ディスプレイデバイス(液晶テレビ、液晶モニター、デスクトップパソコン、カーナビゲーション、自動車計器など)などに好適に用いることができる。
さらに、本積層体は、種々の加工方法で形状を付与してもよい。具体的には、金型を用いて加熱・加圧する方法、圧空成型や真空成型、ロールホーミング法などが例示できる。形状を付与することで曲面を有する画像表示装置や各種フレキシブル機器への適用が期待できる。
<用語の説明>
一般的に「フィルム」とは、長さおよび幅に比べて厚みが極めて小さく、最大厚みが任意に限定されている薄い平らな製品で、通常、ロールの形で供給されるものをいい(日本工業規格JIS K−6900)、一般的に「シート」とは、JISにおける定義上、薄く、一般にその厚みが長さと幅のわりには小さく平らな製品をいう。しかし、シートとフィルムの境界は定かでなく、本発明において文言上両者を区別する必要がないので、本発明においては、「フィルム」と称する場合でも「シート」を含むものとし、「シート」と称する場合でも「フィルム」を含むものとする。
本発明において、「X〜Y」(X,Yは任意の数字)と表現した場合、特にことわらない限り「X以上Y以下」を意味するものとする。
以下に実施例を示し、本発明を更に具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではなく、本発明の技術的思想を逸脱しない範囲内で種々の応用が可能である。
<測定および評価方法>
実施例・比較例で得られた樹脂層、および積層体の各種物性値の測定方法および評価方法について説明する。
(屈曲性)
実施例および比較例で得られた積層体について、JIS K 5600−5−1に準拠してマンドレル試験を行い、硬化性樹脂層(B1)および硬化性樹脂層(B2)にクラックが発生しはじめるマンドレルの直径(mm)を測定した。
(硬化収縮量)
実施例および比較例で使用する硬化性樹脂を、10cm角、厚み188μmのPETフィルムの片面に硬化後の厚みが10μm厚になるように塗布し、該硬化性樹脂を硬化させて積層体を作製した。乾燥条件は90℃1分間、紫外線照射条件は、積算光量700mJとした。該積層体の4隅における反り量を測定し、その平均値を硬化収縮量(mm)とした。
(外観評価)
実施例および比較例で得られた積層体について、外観のチェックを目視で行い、下記評価基準に基づいて外観を評価した。なお、本評価が「×」である場合、以降の評価は行わなかった。
○:積層体にクラックがない
×:積層体にクラックがある
(鉛筆硬度)
実施例および比較例で得られた積層体について、硬化性樹脂層(B2)表面の鉛筆硬度を、JIS K5600−5−4に準じて荷重750gfで測定した。
(環境試験後の反り評価)
得られた積層体から100mm角の試験片(n=3)を切り出し、まず、温度23℃、湿度50%RH環境下に24時間放置した。次に各試験片を温度85℃、湿度85%RH環境下に120時間放置し、次いで温度23℃、湿度50%RH環境下に4時間放置した後、試験片を定盤に静置させ、四隅の定盤からの高さを反り量として測定しその絶対値の平均値を下記の基準で評価した。
(◎)反り量が0.5mm以下
(○)反り量が0.5mmを超え、1.0mm以下
(△)反り量が1.0mmを超え、2.0mm以下
(×)反り量が2.0mmを超える
実施例、比較例に用いた主な原料を下記する。
(アクリル系樹脂(C1))
(C1−1);アクリル系樹脂(三菱レイヨン(株)製、商品名:アクリペット VH001、密度:1.19g/cm、メタクリル酸メチル/アクリル酸メチル=99/1質量%、立体規則性(トリアッド分率):mm(9.2モル%)、mr(41.8モル%)、rr(49.0モル%)、Tg:111℃、MFR(温度:230℃、荷重:37.3N):2.0g/10min)
(共重合体(C2))
(C2−1);共重合体(電気化学工業(株)製、商品名:レジスファイ R−100、密度:1.14g/cm、スチレン/メタクリル酸メチル/マレイン酸無水物=75/15/10質量%、Tg:127℃、MFR(温度:230℃、荷重:37.3N):4.2g/10min)
(ポリカーボネート系樹脂(D1))
(D1−1);ポリカーボネート系樹脂(住化スタイロンポリカーボネート(株)製、商品名:カリバー 301−15、密度:1.20g/cm、Tg:149℃、MFR(温度:300℃、荷重:11.8N):15.0g/10min)
(添加剤)(X)
(X−1);ホスファイト系酸化防止剤((株)ADEKA製、商品名:アデカスタブ PEP−36)
(硬化性樹脂)
(B−1):有機・無機ハイブリッド系紫外線硬化性樹脂組成物(MOMENTIVE社製、商品名「XR39−C6210」
(B−2):有機・無機ハイブリッド系紫外線硬化性樹脂組成物(MOMENTIVE社製、商品名「UVHC7800G」
(B−3):紫外線硬化性樹脂組成物(大成ファインケミカル社製)商品名「アクリット8BR―500」
(配合A):(B−1)のみ
(配合B):(B−1)/(B−2)=40/60(質量%)
(配合C):(B−1)/(B−3)=40/60(質量%)
(配合D):(B−2)のみ
<実施例1>
アクリル系樹脂層(C1)として、アクリル系樹脂(C1−1)60質量部、共重合体(C2−1)40質量部および添加剤として(X−1)0.15質量部の割合で混合した樹脂組成物、また、ポリカーボネート系樹脂層(D)として、ポリカーボネート系樹脂(D1−1)100質量部の樹脂組成物をそれぞれベント機能とフィルター機能とを有する別々の押出機に供給し、樹脂温240〜265℃で溶融混練し、フィードブロックで(C)層/(D)層の積層構成となるように、260℃のTダイにて共押出成形した後、95℃の鏡面ロールでキャスト冷却し、総厚みが0.70mm、各層厚みが(C)層/(D)層=0.08mm/0.62mmである樹脂基材(A)を得た。得られた樹脂基材(A)をロール状に巻き取り、ロールトゥロール方式の装置(ロール径φ110mm)を用いて、乾燥条件90℃1分間、紫外線照射条件700mJ(積算光量)で、1stパスで片面に配合Aを材料とする硬化性樹脂層(B1)を12μm厚みで積層し、2ndパスでもう一方の面に配合Bを材料とする硬化性樹脂層(B2)を12μm厚みで積層し、実施例1に係る積層体を得た。該積層体を用いて評価した結果を表1に示す。
<実施例2〜4、比較例1〜3>
硬化性樹脂層(B1)および硬化性樹脂層(B2)に用いる硬化性樹脂の配合を実施例1に示すように変更した以外は実施例1と同様に、実施例2〜4および比較例1〜3係る積層体を得た。該積層体を用いて評価した結果を表1に示す。
表1から明らかなように、実施例1〜4に係る本発明の積層体は優れた表面硬度を有し、硬化性樹脂層にクラックが発生しておらず、環境反りが抑制されていた。一方、比較例1の積層体は、1stパス面である硬化性樹脂層(B1)の屈曲性が2ndパス面である硬化性樹脂層(B2)の屈曲性よりも大きいため、硬化性樹脂層(B1)にクラックが発生した。比較例2の積層体は硬化性樹脂層(B2)の屈曲性がφ110mmを超えるため硬化性樹脂層(B2)にクラックが発生した。比較例3の積層体は、硬化性樹脂層(B1)および硬化性樹脂層(B2)の屈曲性がφ110mmを超えるため、両層にクラックが発生していた。

Claims (12)

  1. 樹脂基材(A)の片面に厚みが7〜15μmである硬化性樹脂層(B1)を備え、もう一方の面に硬化性樹脂層(B2)を備えた積層体であって、
    JIS K 5600−5−1に準拠して行われるマンドレル試験により求められる、前記硬化性樹脂層(B1)および前記硬化性樹脂層(B2)の屈曲性が、以下の関係式を満たすことを特徴とする積層体。
    (B1の屈曲性)≦(B2の屈曲性)<φ110mm・・・(1)、かつ、
    φ40mm≦(B2の屈曲性)
  2. 視認側に積層された前記硬化性樹脂層(B2)の鉛筆硬度が4H以上であることを特徴とする、請求項1に記載の積層体。
  3. 前記硬化性樹脂層(B1)および前記硬化性樹脂層(B2)の硬化収縮量が以下の関係式(2)を満たすことを特徴とする、請求項1または2に記載の積層体。
    |(B1の硬化収縮量)−(B2の硬化収縮量)|≦3.5mm・・・(2)
  4. 前記樹脂基材(A)の厚みが0.1〜1.5mmであることを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載の積層体。
  5. 前記樹脂基材(A)はポリカーボネート系樹脂層の少なくとも片面に熱可塑性樹脂層を有する積層体であることを特徴とする請求項1〜4の何れかに記載の積層体。
  6. 前記硬化性樹脂層(B1)および前記硬化性樹脂層(B2)が有機・無機ハイブリッド系硬化性樹脂組成物を硬化してなることを特徴とする請求項1〜5の何れかに記載の積層体。
  7. 樹脂基材(A)の片面に厚みが7〜15μmである硬化性樹脂層(B1)を備え、もう一方の面に硬化性樹脂層(B2)を備えた積層体の製造方法であって、
    前記樹脂基材(A)に前記硬化性樹脂層(B1)を積層するB1積層工程と、
    前記樹脂基材(A)に前記硬化性樹脂層(B2)を積層するB2積層工程と、
    をこの順に有し、
    前記B1積層工程、および、前記B2積層工程は、ロールトゥロール方式の装置を用いて行われ、
    JIS K 5600−5−1に準拠して行われるマンドレル試験により求められる、前記硬化性樹脂層(B1)および前記硬化性樹脂層(B2)の屈曲性が、以下の関係式を満たすことを特徴とする積層体の製造方法。
    (B1の屈曲性)≦(B2の屈曲性)<φ110mm・・・(1)、かつ、
    φ40mm≦(B2の屈曲性)
  8. 視認側に積層された前記硬化性樹脂層(B2)の鉛筆硬度が4H以上であることを特徴とする、請求項7に記載の積層体の製造方法。
  9. 前記硬化性樹脂層(B1)および前記硬化性樹脂層(B2)の硬化収縮量が以下の関係式(2)を満たすことを特徴とする、請求項7または8に記載の積層体の製造方法。
    |(B1の硬化収縮量)−(B2の硬化収縮量)|≦3.5mm・・・(2)
  10. 前記樹脂基材(A)の厚みが0.1〜1.5mmであることを特徴とする請求項7〜9の何れかに記載の積層体の製造方法。
  11. 前記樹脂基材(A)はポリカーボネート系樹脂層の少なくとも片面に熱可塑性樹脂層を有する積層体であることを特徴とする請求項7〜10の何れかに記載の積層体の製造方法。
  12. 前記硬化性樹脂層(B1)および前記硬化性樹脂層(B2)が有機・無機ハイブリッド系硬化性樹脂組成物を硬化してなることを特徴とする請求項7〜11の何れかに記載の積層体の製造方法。
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