JP2021055101A - 透明両面粘着シート - Google Patents

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晋也 福田
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かほる 新美
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誠 稲永
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Abstract

【課題】画像表示装置構成部材の薄肉化に伴い、偏光板保護フィルムの薄肉化も進み、これにより十分な紫外線吸収機能が得難くなっているため、紫外線吸収機能を他の構成部材、例えば粘着層等で補う必要が生じてきている。【解決手段】(メタ)アクリル系共重合体(A)、架橋剤(B)を含有する粘着剤樹脂組成物から形成される、少なくとも中間層(α層)と表層(β層)を有する積層構成の透明両面粘着シートであって、前記α層は、波長405nmでの吸光係数が10mL/(g・cm)以上である光重合開始剤(C)および紫外線吸収剤(D)を含有する粘着剤樹脂組成物から形成されることを特徴とする、透明両面粘着シートである。【選択図】 なし

Description

本発明は、例えばパソコン、モバイル端末(PDA)、ゲーム機、テレビ(TV)、カーナビ、タッチパネル、ペンタブレットなどのような画像表示装置の構成部材として好適に用いることができる透明両面粘着シートに関する。
近年、画像表示装置の視認性を向上させるために、液晶ディスプレイ(LCD)、プラズマディスプレイ(PDP)、エレクトロルミネッセンスディスプレイ(ELD)等の画像表示パネルと、その前面側(視認側)に配置する保護パネルやタッチパネル部材との間の空隙を接着剤で充填することにより、入射光や表示画像からの出射光の空気層界面での反射を抑えることが行われている。
このような画像表示装置用構成部材間の空隙を粘着剤で充填する方法として、画像表示装置用構成部材間の空隙を、粘着シートを用いて充填する方法が知られている。例えば、特許文献1には、紫外線によって硬化させることで得られる粘着シートが開示されている。光硬化は熱硬化に比べて反応が制御しやすいため、粘着シート作製工程でのハンドリング性に優れる。
特許文献2には、紫外線によって1次架橋した粘着シートを画像表示装置構成部材に貼合後、画像表示装置構成部材を介して粘着シートに紫外線照射し2次硬化させる方法が開示されている。
特開2006−169438号公報 特許4971529号公報
画像表示装置は薄肉化が進んでおり、新たな問題が生じてきている。
液晶や有機EL素子、偏光板等の紫外線劣化を防ぐために、画像表示装置構成部材は紫外線吸収機能が求められる場合があるが、本機能は偏光板保護フィルムにより担保されるのが一般的であった。しかし画像表示装置構成部材の薄肉化に伴い、偏光板保護フィルムの薄肉化も進み、これにより十分な紫外線吸収機能が得難くなっている。そのため、紫外線吸収機能を他の構成部材、例えば粘着層等で補う必要が生じてきている。
紫外線吸収機能を付与する方法としては、紫外線吸収剤を添加する方法がよく知られている。ただし、これを単に従来の紫外線硬化するタイプの粘着シートに適用すると、硬化しにくくなって粘着力や凝集力が低下するなどして、各種粘着特性とバランス化しにくいという問題があった。また、反応性のない低分子量の紫外線吸収剤を添加する場合には特に、経時でのブリードアウト等も懸念された。上記から、紫外線吸収機能を有する光硬化型粘着シートの新たな設計が望まれていた。
そこで、本発明は、(メタ)アクリル系共重合体(A)、架橋剤(B)を含有する粘着剤樹脂組成物から形成される透明両面粘着シートであって、α層を中間層、β層を表層に有する積層構成であり、かつ、α層は波長405nmでの吸光係数が10mL/(g・cm)以上である光重合開始剤(C)および紫外線吸収剤(D)が含まれる粘着剤樹脂組成物から形成されることを特徴とする、透明両面粘着シートを提案する。
本発明によれば、紫外線吸収機能を有する透明両面粘着シートを得ることができる。また、紫外線を照射することなく硬化させることができる。しかも、紫外線吸収剤を含有するα層の外側にβ層を設けることで、紫外線吸収剤のブリードアウトを抑制することができる。
<透明両面粘着シート>
本発明は、(メタ)アクリル系共重合体(A)、架橋剤(B)を含有する粘着剤樹脂組成物から形成される透明両面粘着シートであって、α層を中間層、β層を表層に有する積層構成である透明両面粘着シートである。
[(メタ)アクリル系共重合体(A)]
透明両面粘着シートのベースポリマーとしての(メタ)アクリル系共重合体は、例えば、アルキル(メタ)アクリレートの単独重合体の他、これと共重合性を有するモノマー成分とを重合することにより得られる共重合体を挙げることができ、より好ましくは、アルキル(メタ)アクリレートと、これと共重合可能なカルボキシル基含有モノマー、水酸基含有モノマー、アミノ基含有モノマー、エポキシ基含有モノマー、アミド基含有モノマーその他ビニルモノマーから選択されるいずれか一つ以上のモノマーとをモノマー成分として含む共重合体を挙げることができる。
より具体的には、側鎖の炭素数4〜18の直鎖又は分岐アルキル(メタ)アクリレート(以下「共重合性モノマーA」とも称する。)と、これと共重合可能なカルボキシル基含有モノマー(以下「共重合性モノマーB」とも称する。)、ビニルモノマー(以下「共重合性モノマーC」とも称する。)、側鎖の炭素数が1〜3の(メタ)アクリレート(以下「共重合性モノマーD」ともいう。)及び水酸基含有モノマー(以下「共重合性モノマーE)から選択されるいずれか一つ以上のモノマー成分から構成される共重合体を挙げることができる。
また、(a)共重合性モノマーAと、共重合性モノマーB及び/又は共重合性モノマーCを含むモノマー成分から構成される共重合体や、(b)共重合性モノマーAと、共重合性モノマーB及び/又は共重合性モノマーCと、共重合性モノマーD及び/又は共重合性モノマーEを含むモノマー成分から構成される共重合体も特に好適な例示として挙げることができる。
上記側鎖の炭素数4〜18の直鎖又は分岐アルキル(メタ)アクリレート(共重合性モノマーA)としては、例えば、n−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、sec−ブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、ペンチル(メタ)アクリレート、イソペンチル(メタ)アクリレート、ネオペンチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、ヘプチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、n−オクチル(メタ)アクリート、イソオクチル(メタ)アクリレート、ノニル(メタ)アクリレート、イソノニル(メタ)アクリレート、t−ブチルシクロヘキシル(メタ)アクリレート、デシル(メタ)アクリレート、イソデシル(メタ)アクリレート、ウンデシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、トリデシル(メタ)アクリレート、テトラデシル(メタ)アクリレート、セチル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、イソステアリル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、3,5,5−トリメチルシクロヘキサン(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニルオキシエチル(メタ)アクリレート等を挙げることができる。これらは1種又は2種以上を組み合わせて使用してもよい。
上記共重合性モノマーAは、共重合体の全モノマー成分中に、30質量%以上90質量%以下含有するのが好ましく、中でも35質量%以上或いは88質量%以下、その中でも特に40質量%以上或いは85質量%以下の範囲で含有するのがさらに好ましい。
上記カルボキシル基含有モノマー(共重合性モノマーB)としては、例えば、(メタ)アクリル酸、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルヘキサヒドロフタル酸、2−(メタ)アクリロイルオキシプロピルヘキサヒドロフタル酸、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルフタル酸、2−(メタ)アクリロイルオキシプロピルフタル酸、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルマレイン酸、2−(メタ)アクリロイルオキシプロピルマレイン酸、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルコハク酸、2−(メタ)アクリロイルオキシプロピルコハク酸、クロトン酸、フマル酸、マレイン酸、イタコン酸を挙げることができる。これらは1種又は2種以上を組み合わせてもよい。なお、「(メタ)アクリル」はアクリル及びメタクリルを包括する意味である。同様に「(メタ)アクリロイル」はアクリロイル及びメタクリロイルを包括する意味である。
上記ビニルモノマー(共重合性モノマーC)としては、ビニル基を分子内に有する化合物が挙げられる。このような化合物としては、アルキル基の炭素数が1〜12である(メタ)アクリル酸アルキルエステル類並びに分子内にヒドロキシル基、アミド基及びアルコキシルアルキル基等の官能基を有する官能性モノマー類並びにポリアルキレングリコールジ(メタ)アクリレート類並びに酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル及びラウリン酸ビニル等のビニルエステルモノマー並びにスチレン、クロロスチレン、クロロメチルスチレン、α−メチルスチレン及びその他の置換スチレン等の芳香族ビニルモノマーを例示することができる。これらは1種又は2種以上を組み合わせてもよい。
上記共重合性モノマーB及び上記共重合性モノマーCは、共重合体の全モノマー成分中に1.2質量%〜15質量%以下、中でも優れた粘着物性を得る観点から1.5質量%以上或いは10質量%以下、その中でも特に2質量%以上或いは8質量%以下の範囲で含有するのが好ましい。
上記側鎖の炭素数が1〜3の(メタ)アクリレート(共重合性モノマーD)としては、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−プロピル(メタ)アクリレート、i−プロピル(メタ)アクリレート等を挙げることができる。これらは1種又は2種以上を組み合わせてもよい。
上記共重合性モノマーDは、共重合体の全モノマー成分中に0質量%以上70質量%以下含有するのが好ましく、中でも3質量%以上或いは65質量%以下、その中でも特に5質量%以上或いは60質量%以下の範囲で含有するのがさらに好ましい。
上記水酸基含有モノマー(共重合性モノマーE)としては、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート等のヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート類を挙げることができる。これらは1種又は2種以上を組み合わせてもよい。
上記共重合性モノマーEは、共重合体の全モノマー成分中に0質量%以上30質量%以下含有するのが好ましく、中でも0質量%以上或いは25質量%以下、その中でも特に0質量%以上或いは20質量%以下の範囲で含有するのがさらに好ましい。
上記に掲げるものの他、無水マレイン酸、無水イタコン酸等の酸無水物基含有モノマー、(メタ)アクリル酸グリシジル、α−エチルアクリル酸グリシジル、(メタ)アクリル酸3,4−エポキシブチル等のエポキシ基含有モノマー、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート等のアミノ基含有(メタ)アクリル酸エステル系モノマー、(メタ)アクリルアミド、N−t−ブチル(メタ)アクリルアミド、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、N−メトキシメチル(メタ)アクリルアミド、N−ブトキシメチル(メタ)アクリルアミド、ダイアセトン(メタ)アクリルアミド、マレイン酸アミド、マレイミド等のアミド基を含有するモノマー、ビニルピロリドン、ビニルピリジン、ビニルカルバゾール等の複素環系塩基性モノマー等も必要に応じて適宜用いることができる。
(メタ)アクリル系(共)重合体の最も典型的な具体的な例としては、例えば、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリート、デシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、イソステアリル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、メチル(メタ)アクリレート等のモノマー成分(a)と、カルボキシル基をもつ(メタ)アクリル酸、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルヘキサヒドロフタル酸、2−(メタ)アクリロイルオキシプロピルヘキサヒドロフタル酸、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルフタル酸、2−(メタ)アクリロイルオキシプロピルフタル酸、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルマレイン酸、2−(メタ)アクリロイルオキシプロピルマレイン酸、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルコハク酸、2−(メタ)アクリロイルオキシプロピルコハク酸、クロトン酸、フマル酸、マレイン酸、イタコン酸等のモノマー成分(b)と、有機官能基等をもつヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、グリセロール(メタ)アクリレート、マレイン酸モノメチル、イタコン酸モノメチル、酢酸ビニル、グリシジル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリルアミド、(メタ)アクリロニトリル、フッ素化(メタ)アクリレート、シリコーン(メタ)アクリレート等のモノマー成分(c)と、を共重合させて得られる(メタ)アクリル酸エステル共重合体を挙げることができる。
(メタ)アクリル系(共)重合体の質量平均分子量は、10万〜150万、中でも15万以上或いは130万以下、その中でも特に20万以上或いは120万以下であるのが好ましい。
凝集力の高い粘着組成物を得たい場合は、分子量が大きい程分子鎖の絡み合いにより凝集力が得られる観点から、質量平均分子量は70万〜150万、特に80万以上或いは130万以下であるのが好ましい。一方、流動性や応力緩和性の高い粘着組成物を得たい場合は、質量平均分子量は10万から70万、特に15万以上或いは60万以下であるのが好ましい。また、粘着シート等を成形する際に溶剤を使用しない場合には、分子量が大きなポリマーを使用することが難しいため、アクリル系共重合体の質量平均分子量は10万〜70万、特に15万以上或いは60万以下、中でも特に20万以上或いは50万以下であるのが好ましい。
[架橋剤(B)]
架橋剤(B)としては、少なくとも二重結合架橋を有する架橋剤が好ましい。例えば(メタ)アクリロイル基、エポキシ基、イソシアネート基、カルボキシル基、ヒドロキシル基、カルボジイミド基、オキサゾリン基、アジリジン基、ビニル基、アミノ基、イミノ基、アミド基から選ばれる少なくとも1種の架橋性官能基を有する架橋剤を挙げることができ、1種又は2種以上を組み合わせて使用してもよい。また、架橋剤(B)が(メタ)アクリル系共重合体(A)と化学結合した態様も包含される。
中でも、多官能(メタ)アクリレートを用いるのが好ましい。ここで、多官能は2つ以上の架橋性官能基を有するものを指す。なお、必要に応じて3つ以上、4つ以上の架橋性官能基を有してもよい。
なお、上記架橋性官能基は、脱保護可能な保護基で保護されていてもよい。
例えば1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、グリセリンジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、グリセリングリシジルエーテルジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,9−ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、トリシクロデカンジメタクリレート、トリシクロデカンジメタノールジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAポリエトキシジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAポリプロポキシジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールFポリエトキシジ(メタ)アクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリオキシエチル(メタ)アクリレート、ε-カプロラクトン変性トリス(2-ヒドロキシエチル)イソシアヌレートトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、プロポキシ化ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、エトキシ化ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、プロポキシ化ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、エトキシ化ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリス(アクリロキシエチル)イソシアヌレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、トリペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、トリペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ヒドロキシビバリン酸ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ヒドロキシビバリン酸ネオペングリコールのε−カプロラクトン付加物のジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンポリエトキシトリ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート等の紫外線硬化型の多官能(メタ)アクリル系モノマーのほか、ポリエステル(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレート、ウレタン(メタ)アクリレート、ポリエーテル(メタ)アクリレート等の多官能(メタ)アクリル系オリゴマーを挙げることができる。
上記に挙げた中でも、α層に用いる架橋剤(B)については、β層との密着性や湿熱白化抑制の効果を向上させる観点から、水酸基やカルボキシル基等の極性官能基を含有する多官能モノマーもしくはオリゴマーが好ましい。その中でも、水酸基を有する多官能(メタ)アクリル系モノマーを用いるのがより好ましい。
また、β層に用いる架橋剤(B)については、熱硬化性を付与することができる観点から、(メタ)アクリロイル基、エポキシ基、イソシアネート基、メラミン基、グリコール基、シロキサン基およびアミノ基から選ばれる有機官能基を少なくとも1個含有する架橋剤が好ましい。
架橋剤(B)の含有量は、特に制限されるものではない。
α層の架橋剤(B)の含有量は、α層中のアクリル系共重合体(A)100質量部に対して0.5〜50質量部、中でも1質量部以上或いは40質量部以下、その中でも5質量部以上或いは30質量部以下の割合であるのが好ましい。
架橋剤(B)を上記範囲で含有することで、硬化反応が短時間で十分に進行するため、硬化後の信頼性と耐湿熱白化性、柔軟性、シート状に成形する際の加工適性等をバランス化しやすくなる。
β層の架橋剤(B)の含有量は、β層中のアクリル系共重合体(A)100質量部に対して0.1〜20質量部、中でも0.2質量部以上或いは10質量部以下の割合であるのが好ましい。
架橋剤(B)を上記範囲で含有することで、硬化反応が短時間で十分に進行するため、硬化後に粘着シートとして、タック性と信頼性、耐発泡性、段差吸収性(異物噛み込み性)、柔軟性、シート状に成形する際の加工適性等をバランス化しやすくなる。
また、β層に比べてα層により多くの架橋剤(B)が添加されることがより好ましい。硬化後のα層に高い弾性を付与して芯材としての機能を発揮させ、粘着シートに優れたハンドリング性を付与することが可能である。
[光重合開始剤(C)]
光重合開始剤(C)は、前述の架橋剤(B)の架橋反応における反応開始助剤としての機能を果たすものである。可視光線、例えば380nm〜700nmの波長領域の光線の照射によって、ラジカルを発生させてベース樹脂の重合反応の起点となるものが好ましい。但し、可視光線の照射のみによってラジカルを発生させるものであってもよいし、また、可視光領域以外の波長領域の光線の照射によってもラジカルを発生させるものであってもよい。
光重合開始剤(C)について、波長405nmでの吸光係数が10mL/(g・cm)以上であり、好ましくは15mL/(g・cm)以上、より好ましくは25mL/(g・cm)以上である。波長405nmでの吸光係数が10mL/(g・cm)以上であることによって、可視光線の照射による架橋が十分に進行することができる。一方、波長405nmでの吸光係数の上限としては、1×10mL/(g・cm)以下であるのが好ましく、1×10mL/(g・cm)以下であるのがより好ましい。
波長405nmでの吸光係数が10mL/(g・cm)以上である光重合開始剤としては、例えば2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)ブタン−1−オン、2−(4−メチルベンジル)−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)ブタン−1−オン、ビス(η5−2,4−シクロペンタジエン−1−イル)−ビス(2,6−ジフルオロ−3−(1H−ピロール−1−イル)フェニル)チタニウム、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイド、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキサイド、チオキサントン、2−クロロチオキサントン、3−メチルチオキサントン、2,4−ジメチルチオキサントン、2−メチルアントラキノン、2−エチルアントラキノン、2−tert−ブチルアントラキノン、2−アミノアントラキノン、1,2−オクタンジオン,1−(4−(フェニルチオ),2−(o−ベンゾイルオキシム))等を挙げることができる。ほかにも、光重合開始剤(C)が(メタ)アクリル系共重合体(A)と化学結合した態様も包含される。
これらは、これらのうちの何れか一種またはその誘導体を用いてもよいし、又、これらのうちの二種類以上を組み合わせて用いてもよい。また、波長405nmでの吸光係数が10mL/(g・cm)未満の光重合開始剤と併用してもよい。
光重合開始剤は、ラジカル発生機構によって大きく2つに分類され、光重合性開始剤自身の単結合を開裂分解してラジカルを発生させることができる開裂型光重合開始剤と、光励起した開始剤と系中の水素供与体とが励起錯体を形成し、水素供与体の水素を転移させることができる水素引抜型光重合開始剤と、に大別される。
これらのうちの開裂型光重合開始剤は、光照射によってラジカルを発生する際に分解して別の化合物となり、一度励起されると反応開始剤としての機能をもたなくなる。このため、架橋反応が終了した後の粘着剤中に活性種として残存することがなく、粘着剤に予期せぬ光劣化等をもたらす可能性がないため、好ましい。
また、光重合性開始剤特有の着色については、従来は粘着剤に可視光線を照射して硬化させる光重合開始剤を添加する場合、着色のおそれがあったが、反応分解物の可視光線域の吸収がなくなり、消色するものを適宜選択することが好ましい。
他方、水素引抜型の光重合開始剤は、紫外線などの活性エネルギー線照射によるラジカル発生反応時に、開裂型光重合開始剤のような分解物を生じないので、反応終了後に揮発成分となりにくく、被着体へのダメージを低減させることができる点で有用である。
前記開裂型光開始剤としては、例えば2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−プロパン−1−オン、1−(4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパン−1−オン、2−ヒロドキシ−1−[4−{4−(2−ヒドロキシ−2−メチル−プロピオニル)ベンジル}フェニル]−2−メチル−プロパン−1−オン、オリゴ(2−ヒドロキシ−2−メチル−1−(4−(1−メチルビニル)フェニル)プロパノン)、フェニルグリオキシリック酸メチル、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)ブタン−1−オン、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノプロパン−1−オン、2−(ジメチルアミノ)−2−[(4−メチルフェニル)メチル]−1−[4−(4−モルホリニル)フェニル]−1−ブタノン、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイド、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキサイド、(2,4,6-トリメチルベンゾイル)エトキシフェニルホスフィンオキサイドや、それらの誘導体などを挙げることができる。
この中でも、反応後に分解物となり消色する点で、ビス(2,4,6-トリメチルベンゾイル)-フェニルフォスフィンオキサイド、2,4,6-トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキサイド、(2,4,6-トリメチルベンゾイル)エトキシフェニルホスフィンオキサイド、ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)2,4,4−トリメチルペンチルフォスフィンオキサイド等のアシルホスフィンオキサイド系光開始剤が好ましい。
また、前記水素引抜型光開始剤としては、例えばベンゾフェノン、ミヒラーケトン、2−エチルアントラキノン、チオキサンソンやその誘導体などを挙げることができる。但し、光重合開始剤として前記に挙げた物質に限定するものではない。
また、前記架橋剤(B)、光重合開始剤(C)以外の硬化剤または架橋性材料として、ポリジメチルシロキサン樹脂、有機過酸化物、イソシアネート化合物、エポキシ化合物やアミン化合物等の熱硬化剤などを必要に応じて配合してもよい。
光重合開始剤(C)の含有量は特に制限されるものではない。α層中の(メタ)アクリル系共重合体(A)100質量部に対して0.1〜10質量部、中でも0.5質量部以上或いは5質量部以下、その中でも1質量部以上或いは3質量部以下の割合で含有するのが好ましい。
光重合開始剤(C)の含有量を上記範囲とすることで、活性エネルギー線に対する適度な反応感度を得ることができる。
[紫外線吸収剤(D)]
紫外線吸収剤(D)は、紫外線を吸収できる物質であればよく、目安としては、紫外線吸収剤(D)の添加によって、透明両面粘着シートの波長380nmでの吸光度を0.3mL/(g・cm)以上、中でも0.5mL/(g・cm)以上、その中でも1.0mL/(g・cm)以上とすることができる物質であるのが好ましい。
なお、波長380nmでの吸光度は以下の式より求められる。
380=−Log(T380/100)
380:波長380nmでの吸光度
380;透明両面粘着シートの380nmにおける透過率(%)
紫外線吸収剤(D)としては、例えばベンゾトリアゾール構造、ベンゾフェノン構造、トリアジン構造、ベンゾエート構造、オキサルアニリド構造、サリシレート構造及びシアノアクリレート構造からなる群より選択される1つ又は2つ以上の構造を有するものが好ましい。中でも、紫外線吸収性能の観点から、ベンゾトリアゾール構造、トリアジン構造又はベンゾフェノン構造を有するものがより好ましい。
紫外線吸収剤(D)の含有量は特に制限されるものではない。α層中の(メタ)アクリル系共重合体(A)100質量部に対して0.1〜10質量部、中でも0.5質量部以上或いは5質量部以下、その中でも1質量部以上或いは3質量部以下の割合で含有するのが好ましい。
紫外線吸収剤(D)の含有量を上記範囲とすることで、粘着シートの耐湿熱信頼性や耐発泡性、耐白化性、光学特性(透明性および黄色度)を低下させることなく、十分な紫外線吸収性能を得ることが可能となる。
また、本発明のα層は、紫外線を吸収しつつ、且つ、当該紫外線を除く可視光領域で光重合を開始する観点から、光重合開始剤(C)100質量部に対して、紫外線吸収剤(D)は25〜400質量部含有することが好ましく、中でも50質量部以上或いは300質量部以下がより好ましく、80質量部以上或いは250質量部以下がさらに好ましい。
また、本発明のβ層は、(メタ)アクリル系共重合体(A)および架橋剤(B)を有していれば特に限定されない。
なお、β層を形成する樹脂組成物に光重合開始剤(C)、あるいはその分解生成物、もしくは紫外線吸収剤(D)が含まれている場合、例えばα層(中間層)とβ層(表層)を重ね合わせた後に光照射する際、表層であるβ層で光を吸収して中間層であるα層に届く光をカットしてしまったり、紫外線吸収剤(D)がβ層からα層に移行したりして、α層の光硬化を阻害してしまうおそれがある。
上記の観点から、β層は光硬化性を有さないことが好ましく、熱硬化性を有することがより好ましい。中でも、β層は光重合開始剤(C)および紫外線吸収剤(D)を含まない樹脂組成物であることがより好ましい。
よって、α層は、(メタ)アクリル系共重合体(A)、架橋剤(B)、波長405nmでの吸光係数が10mL/(g・cm)以上である光重合開始剤(C)及び紫外線吸収剤(D)を含有する粘着剤樹脂組成物からなる中間層であり、β層は、(メタ)アクリル系共重合体(A)及び架橋剤(B)を含有し、且つ紫外線吸収剤(D)を含有しない粘着剤樹脂組成物からなる表層であるのが好ましい。
[特性]
本発明の透明両面粘着シートは、製膜時に光硬化可能であり、かつ紫外線吸収性能を有していることが特徴である。この紫外線吸収性能は、波長380nmでの光線透過率が好ましくは70%以下、より好ましくは50%以下、さらに好ましくは20%以下である。また、波長400nmでの光線透過率が好ましくは10〜90%、より好ましくは20%以上或いは80%以下、さらに好ましくは30%以上或いは70%以下である。また、波長420nmでの光線透過率が好ましくは70%以上、より好ましくは80%以上、さらに好ましくは85%以上である。
紫外線吸収性能は、α層に含まれる紫外線吸収剤(D)の種類や含有量、厚さを調整することで制御することができる。
本発明の透明両面粘着シートは、100℃における粘度が50〜5000Pa・sとなるのが好ましく、中でも100Pa・s以上或いは3000Pa・s以下、その中でも150Pa・s以上或いは2500Pa・s以下となるのがより好ましい。
[その他の成分]
本発明の透明両面粘着シートは、上記以外の成分として、通常の樹脂組成物に配合されている公知の成分を含有してもよい。例えば、粘着付与樹脂や、酸化防止剤、光安定化剤、金属不活性化剤、防錆剤、老化防止剤、吸湿剤、加水分解防止剤などの各種の添加剤を適宜含有させることが可能である。
また、必要に応じて反応触媒(三級アミン系化合物、四級アンモニウム系化合物、ラウリル酸スズ化合物など)を、必要に応じて適宜含有してもよい。
[積層構成]
透明両面粘着シートは、α層を中間層、β層を表層に有していれば、その限りではない。具体的な積層構成としては、β層/α層/β層、β層/α層/β層/α層/β層などが挙げられる。中でもβ層/α層/β層である2種3層がより好ましい。
また、α層とβ層との間にアウトガスバリアー層をはじめとした他の層を必要に応じて介在させてもよい。
(積層方法)
α層とβ層を積層する手順、硬化する手順については特に限定されない。具体的には以下の積層方法が挙げられる。
方法I:未硬化のα層とβ層を積層したのちに、光照射や熱などによってα層とβ層を硬化させる方法。
方法II:未硬化のα層に、熱などによって硬化させたβ層を積層したのち、光照射によってα層を硬化させる方法。
方法III:光照射によって硬化したα層に、未硬化のβ層を積層したのち、熱などによってβ層を硬化させる方法。
方法IV:別々に成形して硬化させたα層およびβ層を重ね合わせる方法。
中でも、層間密着力が強く、耐湿熱発泡性、信頼性に優れ、かつ紫外線吸収剤のブリードアウトを抑制することが可能であることから、方法IIがより好ましい。
β層は熱硬化させるのが好ましい。
β層を硬化させるための加熱温度については特に限定されず、β層に含まれる架橋剤(B)の種類と量に応じて適宜調整することが可能である。硬化前の樹脂組成物のハンドリング性や樹脂の耐熱性等を考慮すると、具体的には40〜200℃が好ましく、中でも50℃以上或いは180℃以下がより好ましく、中でも60℃以上或いは150℃以下がさらに好ましい。
β層の加熱手段としては、例えば各種の恒温槽や、ホットプレート、電磁加熱装置、加熱ロールなどを用いることができる。より効率的に貼合と加熱を行うためには、例えば電熱プレス機や、ダイアフラム方式のラミネータ、ロールラミネータなどが好ましく用いられる。
一方、α層は光硬化させるのが好ましい。
α層を硬化させるための光照射量は、波長405nm基準で、100〜8000mJ/cmが好ましく、中でも500mJ/cm以上或いは5000mJ/cm以下がより好ましく、中でも1000mJ/cm以上或いは4000mJ/cm以下がさらに好ましい。
光を出射する光源としては、例えば高圧水銀ランプ、メタルハライドランプ、LEDランプなどを挙げることができる。
このとき、波長380nm以下の波長の光を実質含まない光線、好ましくは可視光線を本粘着シートに照射し、本粘着シートを光架橋させてもよい。
「380nm未満の波長の光を実質含まない光線」とは、380nm未満の波長の光の光線透過率が10%未満の光であるという意味である。紫外線領域の波長の光を含まない可視光線を照射する方法としては、紫外線領域の波長の光を含まない可視光線のみを出射する光源を用いてもよいし、紫外線領域の波長の光を透過しないフィルターを介して照射するようにしてもよい。
本発明の透明両面粘着シートの特に好ましい組成の一例として、
中間層であるα層としては、(メタ)アクリル系共重合体(A)、架橋剤(B)、波長405nmでの吸光係数が10mL/(g・cm)以上である光重合開始剤(C)及び紫外線吸収剤(D)を含有する樹脂組成物であることが好ましい。
一方、表層であるβ層としては、(メタ)アクリル系共重合体(A)、架橋剤(B)を含有する樹脂組成物であることが好ましい。
[厚さ]
α層の厚さは10〜400μmであることが好ましく、中でも20μm以上或いは300μm以下がより好ましく、中でも30μm以上或いは200μm以下であることがさらに好ましい。
β層の厚さは1〜60μmであることが好ましく、中でも3μm以上或いは40μm以下がより好ましく、中でも5μm以上或いは25μm以下であることがさらに好ましい。
α層の厚さとβ層の厚さとの比率は1:1〜1:20であるのが好ましく、中でも1:2〜1:15であることがより好ましい。
α層(中間層)の厚さが上記範囲であれば、紫外線吸収性能が得られやすく、かつα層の光硬化性能と両立しやすくなる。また、柔軟すぎて裁断や取回しに係る作業性が劣るようになることがなく好ましい。β層(表層)の厚さが上記範囲であれば、凹凸や屈曲した面への追随性に劣ることがなく、被着体への接着力や濡れ性を維持することができるため好ましい。
本発明の透明両面粘着シートの厚さは、20〜450μmであるのが好ましく、中でも40μm以上或いは300μm以下がより好ましく、中でも50μm以上或いは200μm以下であるのがさらに好ましい。
厚さが上記範囲を満たすことによって、薄肉化要求に応えることができる一方で、被着面との接着力、凹凸追従性を十分に満たすことができる。
<粘着シート積層体>
本発明の透明両面粘着シート(以下「本粘着シート」とも称する。)は、そのまま単独で使用することも可能である。また、他の部材と積層して使用することも可能である。
(本粘着シート積層体)
例えば、本粘着シートの一側又は両側に、フィルム例えば離型フィルムや保護フィルムやこれらを積層してなるフィルムを積層して粘着シート積層体(「本粘着シート積層体」と称する)を構成することが可能である。
本粘着シート積層体において、一側又は両側の離型フィルムが、波長410nm以下での光の光線透過率が40%以下である離型フィルムである場合を例示することができる。少なくとも一方の離型フィルムが、波長410nm以下での光の光線透過率が40%以下であれば、当該離型フィルムを本粘着シートに積層することで、本粘着シートが波長405nmでの吸光係数が10mL/(g・cm)以上である光重合開始剤(C)を含有していても、可視光の照射により光重合が進むのを効果的に防ぐことができるからである。
かかる観点から、一方又は両方の離型フィルムが、波長410nm以下での光の光線透過率が40%以下であるのが好ましく、中でも30%以下、その中でも20%以下であるのがさらに好ましい。
ここで、波長410nm以下での光の光線透過率が40%以下である離型フィルム、すなわち可視光及び紫外光の透過を一部遮断する作用を有する離型フィルムとしては、例えば紫外線吸収剤を配合したポリエステル系、ポリプロピレン系、ポリエチレン系の樹脂からなるキャストフィルムや延伸フィルムに、シリコーン樹脂を塗布して離型処理したものを挙げることができる。また、紫外線吸収剤を配合したポリエステル系、ポリプロピレン系、ポリエチレン系の樹脂からなる層の片面若しくは両面に、紫外線吸収剤を含まない樹脂からなる層を成形してなる多層のキャストフィルムや延伸フィルムの一方の面に、シリコーン樹脂を塗布して離型処理したものを挙げることができる。また、ポリエステル系、ポリプロピレン系、ポリエチレン系の樹脂からなるキャストフィルムや延伸フィルムの一方の面に紫外線吸収剤を含む塗料を塗布して紫外線吸収層を設け、さらにその紫外線吸収層の上にシリコーン樹脂を塗布して離型処理したものを挙げることができる。また、ポリエステル系、ポリプロピレン系、ポリエチレン系の樹脂からなるキャストフィルムや延伸フィルムの一方の面に紫外線吸収剤を含む塗料を塗布して紫外線吸収層を設け、他方の面にシリコーン樹脂を塗布して離型処理したものを挙げることができる。また、一方の面を離型処理したポリエステル系、ポリプロピレン系、ポリエチレン系の樹脂からなる樹脂フィルムの他方面と、別途準備した離型処理を施していない樹脂フィルムとを、紫外線吸収剤を含む接着層乃至粘着層を介して積層したものを挙げることができる。
上記離型フィルムは、帯電防止層やハードコート層、アンカー層など、必要に応じて他の層を有していてもよい。
離型フィルムの厚みは、厚すぎると裁断加工性に劣り、薄すぎるとハンドリング性に劣り、粘着シートに打痕がつき易くなる可能性がある。かかる観点から、離型フィルムの厚みは20μm以上300μm以下であるのが好ましく、中でも25μm以上或いは250μm以下、その中でも38μm以上或いは200μm以下であるのが好ましい。
両側に離型フィルムを積層した構成とする場合は、一方の離型フィルムと他方の離型フィルムの厚さや剥離力を異ならしめるのが好ましい。
また、本粘着シート積層体において、一側又は両側のフィルムが、波長380nm以上410nm以下での光の光線透過率が40%以下であるフィルム、例えば離型フィルムや保護フィルムやこれらを積層してなるフィルムである場合を例示することができる。すなわち、本粘着シートの一側又は両側に、波長380nm以上410nm以下での光の光線透過率が40%以下であるフィルムを積層することで、少なくとも波長405nmが当該透明両面粘着シートに曝露されるのを抑制することができるから、光重合開始剤(C)がラジカル発生するのを抑制することができる。
かかる観点から、本粘着シート積層体における一側又は両側のフィルムは、波長380nm以上410nm以下での光の光線透過率が40%以下、中でも30%以下、その中でも20%以下、その中でも10%以下であるのがさらに好ましい。
なお、好ましい構成例として、本粘着シート積層体の片面若しくは両面に、波長410nm以下での光の光線透過率が40%以下である表面保護フィルムを積層する構成が挙げられる。
本粘着シート積層体の少なくとも一方の面に、波長410nm以下での光の光線透過率が40%以下の表面保護フィルムを積層することで、本粘着シートが波長405nmでの吸光係数が10mL/(g・cm)以上である光重合開始剤(C)を含有していても、可視光の照射により光重合が進むのを効果的に防ぐことができるからである。
かかる観点から、本粘着シート積層体の一方又は両方面に積層する表面保護フィルムは、波長410nm以下での光の光線透過率が40%以下であるのが好ましく、中でも30%以下、その中でも20%以下であるのがさらに好ましい。
ここで、波長410nm以下での光の光線透過率が40%以下である表面保護フィルム、すなわち可視光及び紫外光の透過を一部遮断する作用を有する表面保護フィルムとしては、例えばポリエステル系、ポリプロピレン系、ポリエチレン系のキャストフィルムや延伸フィルムの一方の面に、再剥離性をもつ微粘着樹脂を塗布し、他方の面に紫外線吸収剤を含む塗料を塗布してなる紫外線吸収層を備えた積層フィルムを挙げることができる。また、ポリプロピレン系、ポリエチレン系のキャストフィルムや延伸フィルムの一方の面に、紫外線吸収剤を配合した再剥離性をもつ微粘着樹脂を塗布したものを挙げることができる。また、紫外線吸収剤を配合したポリエステル系、ポリプロピレン系、ポリエチレン系の樹脂からなるキャストフィルムや延伸フィルムに、再剥離性をもつ微粘着樹脂を塗布したものを挙げることができる。また、紫外線吸収剤を配合したポリエステル系、ポリプロピレン系、ポリエチレン系の樹脂からなる層の片面若しくは両面に、紫外線吸収剤を含まない樹脂からなる層を成形してなる多層のキャストフィルムや延伸フィルムの一方の面に、再剥離性をもつ微粘着樹脂を塗布したものを挙げることができる。また、ポリエステル系、ポリプロピレン系、ポリエチレン系の樹脂からなるキャストフィルムや延伸フィルムの一方の面に紫外線吸収剤を含む塗料を塗布して紫外線吸収層を設け、さらにその紫外線吸収層の上に再剥離性をもつ微粘着樹脂を塗布したものを挙げることができる。また、ポリエステル系、ポリプロピレン系、ポリエチレン系の樹脂からなるキャストフィルムや延伸フィルムの一方の面に紫外線吸収剤を含む塗料を塗布して紫外線吸収層を設け、他方の面に再剥離性をもつ微粘着樹脂を塗布したものを挙げることができる。また、一方の面に再剥離性をもつ微粘着樹脂を塗布したポリエステル系、ポリプロピレン系、ポリエチレン系の樹脂からなる樹脂フィルムの他方面と、別途準備した樹脂フィルムとを、紫外線吸収剤を含む接着層乃至粘着層を介して積層したもの等を挙げることができる。
上記表面保護フィルムは、帯電防止層やハードコート層、アンカー層など、必要に応じて他の層を有していてもよい。
(本画像表示装置構成用積層体)
また、2つの画像表示装置用構成部材を、本粘着シートを介して積層して画像表示装置構成用積層体(「本画像表示装置構成用積層体」と称する)を構成することも可能である。
この際、2つの画像表示装置用構成部材としては、例えばタッチセンサー、画像表示パネル、表面保護パネル及び偏光フィルムからなる群のうちの何れか、或いは2種類以上の組み合わせを挙げることができる。
本画像表示装置構成用積層体の具体例としては、例えば離型シート/本粘着シート/タッチパネル、離型シート/本粘着シート/保護パネル、離型シート/本粘着シート/画像表示パネル、画像表示パネル/本粘着シート/タッチパネル、画像表示パネル/本粘着シート/保護パネル、画像表示パネル/本粘着シート/タッチパネル/本粘着シート/保護パネル、偏光フィルム/本粘着シート/タッチパネル、偏光フィルム/本粘着シート/タッチパネル/本粘着シート/保護パネルなどの構成を挙げることができる。但し、これらの積層例に限定されるものではない。
上記タッチパネルは、保護パネルにタッチパネル機能を内在させた構造体や、画像表示パネルにタッチパネル機能を内在させた構造体も含む。
本画像表示装置構成用積層体においては、上記2つの画像表示装置構成部材のうちの少なくとも一つが紫外線吸収性能を備えたもの、例えば紫外線吸収剤を含有するものであってもよい。
本粘着シートは、紫外線によって硬化するものではなく、可視光によって硬化するため、画像表示装置構成部材が紫外線吸収性能を備えたものであっても、当該画像表示装置構成部材を通して可視光を照射することにより、本粘着シートのα層を硬化させることができる。
[本画像表示装置構成用積層体の作製方法]
本粘着シートは、紫外線吸収機能と、紫外領域以外の波長の光線、特に可視光線の照射で硬化する硬化性を備えている。このような本粘着シートの特性を利用して、例えば次のようにして、本画像表示装置構成用積層体を作製することができる。
本粘着シートは、樹脂組成物をシート状に形成した後(シート作製工程)、光硬化前の本粘着シートを介して2つの画像表示装置構成部材を積層する(貼着工程)ことにより、2つの画像表示装置用構成部材の間に本粘着シートを配置する構成を備えた画像表示装置構成用積層体を作製することができる。
(シート作製工程)
前記樹脂組成物をシート状に成形して本粘着シートを作製することができる。
樹脂組成物をシート状に成形する方法としては、現在公知の方の法を任意に採用することができる。
また、本粘着シートを購入するなどして、予め用意してもよい。よって、本工程は必ずしも必要でない。
この際、上述のように、樹脂組成物を、上記離型フィルムの上にシート状に成膜して本粘着シートを作製するようにしてもよい。
また、樹脂組成物を、画像表示装置構成部材の上にシート状に製膜して、当該画像表示装置構成部材上に本粘着シートを積層するようにしてもよい。
(貼着工程)
本粘着シートは、β層の粘着性によって本粘着シートを介して2つの画像表示装置構成部材を重ねるだけで貼着することができる。
この際、2つの画像表示装置用構成部材としては、例えばタッチセンサー、画像表示パネル、表面保護パネル及び偏光フィルムからなる群のうちの何れか、或いは2種類以上の組み合わせを挙げることができる。
画像表示装置構成用積層体の具体例としては、例えば離型シート/本粘着シート/タッチパネル、離型シート/本粘着シート/保護パネル、離型シート/本粘着シート/液晶パネル、液晶パネル/本粘着シート/タッチパネル、液晶パネル/本粘着シート/保護パネル、液晶パネル/本粘着シート/タッチパネル/本粘着シート/保護パネル、偏光フィルム/本粘着シート/タッチパネル、偏光フィルム/本粘着シート/タッチパネル/本粘着シート/保護パネルなどの構成を挙げることができる。但し、これらの積層例に限定されるものではない。
積層させる際に用いる貼合装置は公知の装置を用いることができる。例えば、加熱板を備えた電熱プレス機や、ダイアフラム方式のラミネータ、ロールラミネータ、真空貼合機、ハンドロール等をあげることができる。
[本画像表示装置]
上記のような本粘着シート又は本画像表示装置構成用積層体を用いて、画像表示装置(「本画像表示装置」と称する)を構成することができる。
本画像表示装置としては、例えば液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイ、無機ELディスプレイ、電子ペーパー、プラズマディスプレイ及びマイクロエレクトロメカニカルシステム(MEMS)ディスプレイなどの画像表示装置を構成することができる。
本画像表示装置においては、画像表示装置を構成する画像表示装置構成部材のうちの少なくとも一つが紫外線吸収性能を備えたもの、例えば紫外線吸収剤を含有するものであってもよい。
本粘着シートは、紫外線によって硬化するものではなく、可視光によって硬化するため、画像表示装置構成部材が紫外線吸収性能を備えたものであっても、当該画像表示装置構成部材を通して可視光を照射することにより、本粘着シートのα層を硬化させることができる。
<語句の説明など>
なお、一般的に「シート」とは、JISにおける定義上、薄く、その厚さが長さと幅のわりには小さく平らな製品をいい、一般的に「フィルム」とは、長さ及び幅に比べて厚さが極めて小さく、最大厚さが任意に限定されている薄い平らな製品で、通常、ロールの形で供給されるものをいう(日本工業規格JISK6900)。しかし、シートとフィルムの境界は定かでなく、本発明において文言上両者を区別する必要がないので、本発明においては、「フィルム」と称する場合でも「シート」を含むものとし、「シート」と称する場合でも「フィルム」を含むものとする。
また、画像表示パネル、保護パネル等のように「パネル」と表現する場合、板体、シートおよびフィルムを包含するものである。
本明細書において、「X〜Y」(X,Yは任意の数字)と記載した場合、特にことわらない限り「X以上Y以下」の意と共に、「好ましくはXより大きい」或いは「好ましくはYより小さい」の意も包含するものである。
また、「X以上」(Xは任意の数字)と記載した場合、特にことわらない限り「好ましくはXより大きい」の意を包含し、「Y以下」(Yは任意の数字)と記載した場合、特にことわらない限り「好ましくはYより小さい」の意も包含するものである。
以下、実施例及び比較例によりさらに詳しく説明する。但し、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、後述の実施例および比較例で用いる各層の粘着樹脂組成物の組成は表1に示す。
[実施例1]
(メタ)アクリル系共重合体(A)として、2−エチルヘキシルアクリレート76質量部、酢酸ビニル20質量部、アクリル酸4質量部からなる共重合体(A−1、質量平均分子量40万)1kgに対して、架橋剤(B)として、プロポキシ化ペンタエリスリトールテトラアクリレート(新中村化学社製、ATM−4P)(B−1)200g、光重合開始剤(C)としてイルガキュア369(C−1)(BASF社製)を8g、紫外線吸収剤(D)として2,2’−ジヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン(ケミプロ化成社製、Kemisorb111)(D−1)10g添加して均一混合し、粘着樹脂組成物1を得た。
光重合開始剤(C−1)の405nmにおける吸光係数は、1.6×10mL/(g・cm)であった。
粘着樹脂組成物1を、剥離処理した2枚のポリエチレンテレフタレートフィルム(三菱樹脂社製、ダイアホイルMRF、厚さ75μm/三菱樹脂社製、ダイアホイルMRT、厚さ38μm)で挟み、厚さ110μmとなるようシート状に賦形し、中間層用シート(α−1)を作成した。
市販のアクリル系共重合体(A−2、質量平均分子量130万)からなる粘着剤溶液(綜研化学社製、SKダイン1882、固形分濃度約17%)1kgに対し、イソシアネート系架橋剤としてL−45(B−2)(綜研化学社製)を1.85g及びエポキシ系架橋剤としてE−5XM(B−3)(綜研化学社製)を0.5g添加して、粘着樹脂組成物2を調製した。剥離処理したポリエチレンテレフタレートフィルム(三菱樹脂社製、ダイアホイルMRV、厚さ100μm)上に、乾燥後の厚さが20μmとなるように上記粘接着層用塗工液を塗工した後、80℃で5分乾燥してβ層を熱硬化させ、表層用シート(β−1)を作成した。
さらに、剥離処理したポリエチレンテレフタレートフィルム(三菱樹脂社製、ダイアホイルMRQ、厚さ75μm)上にも同様に、粘着樹脂組成物2を乾燥後の厚さが20μmとなるように塗工した後、80℃で5分乾燥してβ層を熱硬化させ、表層用シート(β’−1)を作成した。
中間層用シート(α−1)の両側のPETフィルムを順次剥離除去すると共に、表層用シート(β−1)及び(β’−1)の粘着面を両表面に順次貼合し、(β−1)/(α−1)/(β’−1)からなる積層体を作製した。
(β−1)及び(β’−1)の表面に残るPETフィルムを介して、波長405nmの積算光量が1500mJ/cmとなるよう高圧水銀ランプを用いて照射し、α層を硬化させて、透明両面粘着シート積層体1(厚さ150μm)を作製した。
[実施例2]
(メタ)アクリル系共重合体(A−1)1kgに対して、架橋剤(B−1)を200g、光重合開始剤(C)としてエザキュアKTO46(C−2)(Lanberti社製)を20g、紫外線吸収剤(D−1)を20g添加して均一混合し、粘着樹脂組成物3を得た。
光重合開始剤(C−2)の405nmにおける吸光係数は、7.4×10mL/(g・cm)であった。
粘着樹脂組成物3を、剥離処理した2枚のポリエチレンテレフタレートフィルム(三菱樹脂社製、ダイアホイルMRF、厚さ75μm/三菱樹脂社製、ダイアホイルMRT、厚さ38μm)で挟み、厚さ60μmとなるようシート状に賦形し、中間層用シート(α−2)を作成した。
実施例1同様に、中間層用シート(α−2)の両側のPETフィルムを順次剥離除去すると共に、表層用シート(β−1)及び(β’−1)の粘着面を両表面に順次貼合し、(β−1)/(α−2)/(β’−1)からなる積層体を作製した。
(β−1)及び(β’−1)の表面に残るPETフィルムを介して、波長405nmの積算光量が3000mJ/cmとなるよう高圧水銀ランプを用いて照射し、α層を硬化させて、透明両面粘着シート積層体2(厚さ100μm)を作製した。
[実施例3]
(メタ)アクリル系共重合体(A−1)1kgに対して、架橋剤(B−1)を200g、光重合開始剤(C−2)を8g、紫外線吸収剤(D−1)を20g添加して均一混合し、粘着樹脂組成物4を得た。
粘着樹脂組成物4を、剥離処理した2枚のポリエチレンテレフタレートフィルム(三菱樹脂社製、ダイアホイルMRF、厚さ75μm/三菱樹脂社製、ダイアホイルMRT、厚さ38μm)で挟み、厚さ60μmとなるようシート状に賦形し、中間層用シート(α−3)を作成した。
実施例1同様に、中間層用シート(α−3)の両側のPETフィルムを順次剥離除去すると共に、表層用シート(β−1)及び(β’−1)の粘着面を両面に順次貼合し、(β−1)/(α−3)/(β’−1)からなる積層体を作製した。
(β−1)及び(β’−1)の表面に残るPETフィルムを介して、波長405nmの積算光量が3000mJ/cmとなるよう高圧水銀ランプを用いて照射し、α層を硬化させて、透明両面粘着シート積層体3(厚さ100μm)を作製した。
[比較例1]
(メタ)アクリル系共重合体(A−1)1kgに対して、架橋剤(B−1)200g、光重合開始剤(C)としてエサキュアTZT(C−3)(Lanberti社製)を10g、紫外線吸収剤(D)として2,2’−ジヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン(ケミプロ化成社製、Kemisorb111)(D−1)20g添加して均一混合し、粘着樹脂組成物5を得た。
光重合開始剤(C−3)の405nmにおける吸光係数は、10mL/(g・cm)未満であり、低すぎて測定不能であった。
粘着樹脂組成物5を、剥離処理した2枚のポリエチレンテレフタレートフィルム(三菱樹脂社製、ダイアホイルMRF、厚さ75μm/三菱樹脂社製、ダイアホイルMRT、厚さ38μm)で挟み、厚さ110μmとなるようシート状に賦形し、中間層用シート(α−4)を作成した。
実施例1同様に、中間層用シート(α−4)の両側のPETフィルムを順次剥離除去すると共に、表層用シート(β−1)及び(β’−1)の粘着面を両表面に順次貼合し、(β−1)/(α−4)/(β’−1)からなる積層体を作製した。
(β−1)及び(β’−1)の表面に残るPETフィルムを介して、波長405nmの積算光量が1500mJ/cmとなるよう高圧水銀ランプを用いて照射し、α層を硬化させて、透明両面粘着シート積層体4(厚さ100μm)を作製した。
[比較例2]
(メタ)アクリル系共重合体(A−1)1kgに対して、架橋剤(B−1)を200g、光重合開始剤(C−2)を8g加えて均一混合し、粘着樹脂組成物6を得た。この時、紫外線吸収剤(D)は添加しなかった。
粘着樹脂組成物6を、剥離処理した2枚のポリエチレンテレフタレートフィルム(三菱樹脂社製、ダイアホイルMRF、厚さ75μm/三菱樹脂社製、ダイアホイルMRT、厚さ38μm)で挟み、厚さ110μmとなるようシート状に賦形し、中間層用シート(α−5)を作成した。
実施例1と同様に、中間層用シート(α−5)の両側のPETフィルムを順次剥離除去すると共に、表層用シート(β−1)及び(β’−1)の粘着面を両表面に順次貼合し、(β−1)/(α−5)/(β’−1)からなる積層体を作製した。
(β−1)及び(β’−1)の表面に残るPETフィルムを介して、波長405nmの積算光量が1500mJ/cmとなるよう高圧水銀ランプを用いて照射し、α層を硬化させて、透明両面粘着シート積層体5(厚さ150μm)を作製した。
<評価>
[紫外線吸収性能]
実施例及び比較例で作製した透明両面粘着シート積層体の両側のPETフィルムを順次剥離し、粘着シートを2枚のソーダライムガラス(54×82mm、厚さ0.5mm)で挟み込むように貼着したのち、オートクレーブ処理(70℃、ゲージ圧0.2MPa、20分)を施して仕上貼着し、紫外線吸収性能評価用サンプルとした。
作成した試験片の波長域360〜430nmにおける光線透過率を分光光度計(島津製作所株式会社製;機器名「UV2450」)にて測定した。380nmにおける光線透過率が50%未満のものを「○(good)」、50%以上のものを「×(poor)」と判定した。結果は表2に示す。
[ガラス接着力]
実施例及び比較例で作製した透明両面粘着シートについて、一方の剥離フィルムを剥がし、裏打ちフィルムとしてポリエチレンテレフタレートフィルム(東洋紡績社製;商品名「コスモシャインA4300」、厚さ100μm)をハンドローラーにてロール圧着した。これを10mm巾×100mm長の短冊状に裁断し、残る剥離フィルムを剥がして露出した粘着面を、ソーダライムガラスにハンドローラーを用いてロール貼着した。これをオートクレーブ処理(70℃、ゲージ圧0.2MPa、20分)を施して仕上貼着し、粘着力測定サンプルを作成した。裏打ちフィルムを180°をなす角度に剥離速度60mm/分にて引っ張りながらガラスから粘着シートを剥離し、ロードセルで引張強度を測定して、粘着シートのガラスに対する180°剥離強度を測定し、結果は表2に示す。
[保持力(ズレ長さ)]
実施例及び比較例で作製した粘着シートを50mm×100mmに裁断した後、片面の剥離フィルムを剥がし、該粘着シートの片面が、裏打用のポリエチレンテレフタレートフィルム(厚さ38μm)に重なるようにハンドローラーで貼着し、これを巾25mm×長さ100mmの短冊状に裁断して試験片とした。次に、残る剥離フィルムを剥がして、垂直に立設したSUS板(厚さ120mm、5mm×1.5mm)に対して、試験片が20mmの長さだけ重なるようにしてハンドローラーで貼着した。この時、透明両面粘着シートとSUS板の貼着面積は25mm×20mmとなる。
その後、試験片を40℃の雰囲気下で15分養生させた後、試験片に荷重500gの錘を垂直方向に取り付けて掛けて30分間静置した後、SUSと試験片との貼着位置が下方にズレ長さ(mm)を測定した。
ズレ長さが1mm未満のものを「◎(Excellent)」、ズレ長さが1mm以上2mm未満のものを「〇(Good)」、ズレ長さが2mm以上のものを「×(poor)」と判定した。結果を表2に示す。
[耐発泡信頼性]
耐発泡信頼性評価用サンプルとして、紫外線吸収性能評価用サンプルと同じものを2枚使用した。これを85℃で100時間養生し、発泡等なく外観に変化がみられなかったものを「○(good)」、発泡や剥離がみられたものを「×(poor)」と判定した。結果を表2に示す。
Figure 2021055101
Figure 2021055101
実施例1〜3の粘着シート積層体を観察した結果、紫外線吸収剤(D)のブリードアウトは観察されなかった。
実施例1〜3の粘着シート積層体は、粘着力や保持力、耐湿熱信頼性といった特性を維持しながら、優れた紫外線吸収性能を付与したものであった。
比較例1は波長405nmでの吸光係数が10mL/(g・cm)未満の光重合開始剤を用いた為、光照射しても粘着剤が硬化せず、粘着力や貼合後の信頼性に劣るものであった。
比較例2はα層に紫外線吸収剤(D)を含まないため、紫外線吸収性能に劣るものであった。

Claims (14)

  1. (メタ)アクリル系共重合体(A)、架橋剤(B)を含有する粘着剤樹脂組成物から形成される、少なくとも中間層(α層)と表層(β層)を有する積層構成の透明両面粘着シートであって、
    前記α層は、波長405nmでの吸光係数が10mL/(g・cm)以上である光重合開始剤(C)および紫外線吸収剤(D)を含有する粘着剤樹脂組成物から形成されることを特徴とする、透明両面粘着シート。
  2. 前記紫外線吸収剤(D)は、ベンゾトリアゾール構造、トリアジン構造およびベンゾフェノン構造からなる群より1つ以上選択される構造を有することを特徴とする、請求項1に記載の透明両面粘着シート。
  3. 前記光重合開始剤(C)100質量部に対して、前記紫外線吸収剤(D)は25〜400質量部含有することを特徴とする、請求項1又は2に記載の透明両面粘着シート。
  4. 前記β層は、熱硬化性を有するか若しくは熱硬化された層であることを特徴とする、請求項1〜3の何れかに記載の透明両面粘着シート。
  5. 積層構成が、β層/α層/β層であることを特徴とする、請求項1〜4の何れかに記載の透明両面粘着シート。
  6. 請求項1〜5の何れかに記載の透明両面粘着シートと、離型フィルムとを積層してなる構成を備えた透明両面粘着シート積層体。
  7. 上記離型フィルムは、波長410nm以下での光の光線透過率が40%以下であることを特徴とする、請求項6に記載の粘着シート積層体。
  8. 上記離型フィルムの表面に、波長410nm以下での光の光線透過率が40%以下である表面保護フィルムを積層してなる構成を備えた請求項6又は7に記載の粘着シート積層体。
  9. 請求項1〜5の何れかに記載の透明両面粘着シートと、
    波長380nm以上410nm以下での光の光線透過率が40%以下であるフィルムと、を積層してなる構成を備えた粘着シート積層体。
  10. 2つの画像表示装置構成部材間を、請求項1〜5の何れかに記載の透明両面粘着シートを介して積層してなる構成を備えた画像表示装置構成用積層体。
  11. 上記2つの画像表示装置構成部材のうちの少なくとも一つが紫外線吸収性能を備えたものである請求項10に記載の画像表示装置構成用積層体。
  12. 前記画像表示装置構成部材が、タッチセンサー、画像表示パネル、表面保護パネル及び偏光フィルムからなる群のうちの何れか或いは2種類以上の組み合わせからなる積層体であることを特徴とする請求項10又は11に記載の画像表示装置構成用積層体。
  13. 請求項10〜12の何れかに記載の画像表示装置構成用積層体を用いて構成された画像表示装置。
  14. 画像表示装置を構成する画像表示装置構成部材のうちの少なくとも一つが紫外線吸収性能を備えたものである請求項13に記載の画像表示装置。
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