JP2017141442A - 透明両面粘着シート - Google Patents
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Abstract
画像表示装置構成部材の薄肉化に伴い、偏光板保護フィルムの薄肉化も進み、これにより十分な紫外線吸収機能が得難くなっているため、紫外線吸収機能を他の構成部材、例えば粘着層等で補う必要が生じてきている。
【解決手段】
(メタ)アクリル系共重合体(A)、架橋剤(B)を含有する、少なくとも中間層(α層)と表層(β層)を有する積層構成の透明両面粘着シートであって、前記α層は、波長405nmでの吸光係数が10mL/(g・cm)以上である光重合開始剤(C)および紫外線吸収剤(D)を含有することを特徴とする、透明両面粘着シートである。
【選択図】 なし
Description
特許文献2には、紫外線によって1次架橋した粘着シートを画像表示装置構成部材に貼合後、画像表示装置構成部材を介して粘着シートに紫外線照射し2次硬化させる方法が開示されている。
液晶や有機EL素子、偏光板等の紫外線劣化を防ぐために、画像表示装置構成部材は紫外線吸収機能が求められる場合があるが、本機能は偏光板保護フィルムにより担保されるのが一般的であった。しかし画像表示装置構成部材の薄肉化に伴い、偏光板保護フィルムの薄肉化も進み、これにより十分な紫外線吸収機能が得難くなっている。そのため、紫外線吸収機能を他の構成部材、例えば粘着層等で補う必要が生じてきている。
本発明は、(メタ)アクリル系共重合体(A)、架橋剤(B)を含有する透明両面粘着シートであって、α層を中間層、β層を表層に有する積層構成である透明両面粘着シートである。
透明両面粘着シートのベースポリマーとしての(メタ)アクリル系共重合体は、例えば、アルキル(メタ)アクリレートの単独重合体の他、これと共重合性を有するモノマー成分とを重合することにより得られる共重合体を挙げることができ、より好ましくは、アルキル(メタ)アクリレートと、これと共重合可能なカルボキシル基含有モノマー、水酸基含有モノマー、アミノ基含有モノマー、エポキシ基含有モノマー、アミド基含有モノマーその他ビニルモノマーから選択されるいずれか一つ以上のモノマーとをモノマー成分として含む共重合体を挙げることができる。
架橋剤(B)としては、少なくとも二重結合架橋を有する架橋剤が好ましい。例えば(メタ)アクリロイル基、エポキシ基、イソシアネート基、カルボキシル基、ヒドロキシル基、カルボジイミド基、オキサゾリン基、アジリジン基、ビニル基、アミノ基、イミノ基、アミド基から選ばれる少なくとも1種の架橋性官能基を有する架橋剤を挙げることができ、1種又は2種以上を組み合わせて使用してもよい。また、架橋剤(B)が(メタ)アクリル系共重合体(A)と化学結合した態様も包含される。
中でも、多官能(メタ)アクリレートを用いるのが好ましい。ここで、多官能は2つ以上の架橋性官能基を有するものを指す。なお、必要に応じて3つ以上、4つ以上の架橋性官能基を有してもよい。
なお、上記架橋性官能基は、脱保護可能な保護基で保護されていてもよい。
α層の架橋剤(B)の含有量は、α層中のアクリル系共重合体(A)100質量部に対して0.5〜50質量部、中でも1質量部以上或いは40質量部以下、その中でも5質量部以上或いは30質量部以下の割合であるのが好ましい。
架橋剤(B)を上記範囲で含有することで、硬化反応が短時間で十分に進行するため、硬化後の信頼性と耐湿熱白化性、柔軟性、シート状に成形する際の加工適性等をバランス化しやすくなる。
架橋剤(B)を上記範囲で含有することで、硬化反応が短時間で十分に進行するため、硬化後に粘着シートとして、タック性と信頼性、耐発泡性、段差吸収性(異物噛み込み性)、柔軟性、シート状に成形する際の加工適性等をバランス化しやすくなる。
光重合開始剤(C)は、前述の架橋剤(B)の架橋反応における反応開始助剤としての機能を果たすものである。可視光線、例えば380nm〜700nmの波長領域の光線の照射によって、ラジカルを発生させてベース樹脂の重合反応の起点となるものが好ましい。但し、可視光線の照射のみによってラジカルを発生させるものであってもよいし、また、可視光領域以外の波長領域の光線の照射によってもラジカルを発生させるものであってもよい。
これらは、これらのうちの何れか一種またはその誘導体を用いてもよいし、又、これらのうちの二種類以上を組み合わせて用いてもよい。また、波長405nmでの吸光係数が10mL/(g・cm)未満の光重合開始剤と併用してもよい。
また、光重合性開始剤特有の着色については、従来は粘着剤に可視光線を照射して硬化させる光重合開始剤を添加する場合、着色のおそれがあったが、反応分解物の可視光線域の吸収がなくなり、消色するものを適宜選択することが好ましい。
他方、水素引抜型の光重合開始剤は、紫外線などの活性エネルギー線照射によるラジカル発生反応時に、開裂型光重合開始剤のような分解物を生じないので、反応終了後に揮発成分となりにくく、被着体へのダメージを低減させることができる点で有用である。
この中でも、反応後に分解物となり消色する点で、ビス(2,4,6-トリメチルベンゾイル)-フェニルフォスフィンオキサイド、2,4,6-トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキサイド、(2,4,6-トリメチルベンゾイル)エトキシフェニルホスフィンオキサイド、ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)2,4,4−トリメチルペンチルフォスフィンオキサイド等のアシルホスフィンオキサイド系光開始剤が好ましい。
また、前記架橋剤(B)、光重合開始剤(C)以外の硬化剤または架橋性材料として、ポリジメチルシロキサン樹脂、有機過酸化物、イソシアネート化合物、エポキシ化合物やアミン化合物等の熱硬化剤などを必要に応じて配合してもよい。
光重合開始剤(C)の含有量を上記範囲とすることで、活性エネルギー線に対する適度な反応感度を得ることができる。
紫外線吸収剤(D)は、紫外線を吸収できる物質であればよく、目安としては、紫外線吸収剤(D)の添加によって、透明両面粘着シートの波長380nmでの吸光度を0.3mL/(g・cm)以上、中でも0.5mL/(g・cm)以上、その中でも1.0mL/(g・cm)以上とすることができる物質であるのが好ましい。
A380=−Log(T380/100)
A380:波長380nmでの吸光度
T380;透明両面粘着シートの380nmにおける透過率(%)
紫外線吸収剤(D)の含有量を上記範囲とすることで、粘着シートの耐湿熱信頼性や耐発泡性、耐白化性、光学特性(透明性および黄色度)を低下させることなく、十分な紫外線吸収性能を得ることが可能となる。
なお、β層を形成する樹脂組成物に光重合開始剤(C)、あるいはその分解生成物、もしくは紫外線吸収剤(D)が含まれている場合、例えばα層(中間層)とβ層(表層)を重ね合わせた後に光照射する際、表層であるβ層で光を吸収して中間層であるα層に届く光をカットしてしまったり、紫外線吸収剤(D)がβ層からα層に移行したりして、α層の光硬化を阻害してしまうおそれがある。
上記の観点から、β層は光硬化性を有さないことが好ましく、熱硬化性を有することがより好ましい。中でも、β層は光重合開始剤(C)および紫外線吸収剤(D)を含まない樹脂組成物であることがより好ましい。
よって、α層は、(メタ)アクリル系共重合体(A)、架橋剤(B)、波長405nmでの吸光係数が10mL/(g・cm)以上である光重合開始剤(C)及び紫外線吸収剤(D)を含有する粘着剤樹脂組成物からなる中間層であり、β層は、(メタ)アクリル系共重合体(A)及び架橋剤(B)を含有し、且つ紫外線吸収剤(D)を含有しない粘着剤樹脂組成物からなる表層であるのが好ましい。
本発明の透明両面粘着シートは、製膜時に光硬化可能であり、かつ紫外線吸収性能を有していることが特徴である。この紫外線吸収性能は、波長380nmでの光線透過率が好ましくは70%以下、より好ましくは50%以下、さらに好ましくは20%以下である。また、波長400nmでの光線透過率が好ましくは10〜90%、より好ましくは20%以上或いは80%以下、さらに好ましくは30%以上或いは70%以下である。また、波長420nmでの光線透過率が好ましくは70%以上、より好ましくは80%以上、さらに好ましくは85%以上である。
紫外線吸収性能は、α層に含まれる紫外線吸収剤(D)の種類や含有量、厚さを調整することで制御することができる。
本発明の透明両面粘着シートは、上記以外の成分として、通常の樹脂組成物に配合されている公知の成分を含有してもよい。例えば、粘着付与樹脂や、酸化防止剤、光安定化剤、金属不活性化剤、防錆剤、老化防止剤、吸湿剤、加水分解防止剤などの各種の添加剤を適宜含有させることが可能である。
また、必要に応じて反応触媒(三級アミン系化合物、四級アンモニウム系化合物、ラウリル酸スズ化合物など)を、必要に応じて適宜含有してもよい。
透明両面粘着シートは、α層を中間層、β層を表層に有していれば、その限りではない。具体的な積層構成としては、β層/α層/β層、β層/α層/β層/α層/β層などが挙げられる。中でもβ層/α層/β層である2種3層がより好ましい。
また、α層とβ層との間にアウトガスバリアー層をはじめとした他の層を必要に応じて介在させてもよい。
α層とβ層を積層する手順、硬化する手順については特に限定されない。具体的には以下の積層方法が挙げられる。
方法I:未硬化のα層とβ層を積層したのちに、光照射や熱などによってα層とβ層を硬化させる方法。
方法II:未硬化のα層に、熱などによって硬化させたβ層を積層したのち、光照射によってα層を硬化させる方法。
方法III:光照射によって硬化したα層に、未硬化のβ層を積層したのち、熱などによってβ層を硬化させる方法。
方法IV:別々に成形して硬化させたα層およびβ層を重ね合わせる方法。
中でも、層間密着力が強く、耐湿熱発泡性、信頼性に優れ、かつ紫外線吸収剤のブリードアウトを抑制することが可能であることから、方法IIがより好ましい。
β層を硬化させるための加熱温度については特に限定されず、β層に含まれる架橋剤(B)の種類と量に応じて適宜調整することが可能である。硬化前の樹脂組成物のハンドリング性や樹脂の耐熱性等を考慮すると、具体的には40〜200℃が好ましく、中でも50℃以上或いは180℃以下がより好ましく、中でも60℃以上或いは150℃以下がさらに好ましい。
β層の加熱手段としては、例えば各種の恒温槽や、ホットプレート、電磁加熱装置、加熱ロールなどを用いることができる。より効率的に貼合と加熱を行うためには、例えば電熱プレス機や、ダイアフラム方式のラミネータ、ロールラミネータなどが好ましく用いられる。
α層を硬化させるための光照射量は、波長405nm基準で、100〜8000mJ/cm2が好ましく、中でも500mJ/cm2以上或いは5000mJ/cm2以下がより好ましく、中でも1000mJ/cm2以上或いは4000mJ/cm2以下がさらに好ましい。
光を出射する光源としては、例えば高圧水銀ランプ、メタルハライドランプ、LEDランプなどを挙げることができる。
「380nm未満の波長の光を実質含まない光線」とは、380nm未満の波長の光の光線透過率が10%未満の光であるという意味である。紫外線領域の波長の光を含まない可視光線を照射する方法としては、紫外線領域の波長の光を含まない可視光線のみを出射する光源を用いてもよいし、紫外線領域の波長の光を透過しないフィルターを介して照射するようにしてもよい。
中間層であるα層としては、(メタ)アクリル系共重合体(A)、架橋剤(B)、波長405nmでの吸光係数が10mL/(g・cm)以上である光重合開始剤(C)及び紫外線吸収剤(D)を含有する樹脂組成物であることが好ましい。
一方、表層であるβ層としては、(メタ)アクリル系共重合体(A)、架橋剤(B)を含有する樹脂組成物であることが好ましい。
α層の厚さは10〜400μmであることが好ましく、中でも20μm以上或いは300μm以下がより好ましく、中でも30μm以上或いは200μm以下であることがさらに好ましい。
β層の厚さは1〜60μmであることが好ましく、中でも3μm以上或いは40μm以下がより好ましく、中でも5μm以上或いは25μm以下であることがさらに好ましい。
α層の厚さとβ層の厚さとの比率は1:1〜1:20であるのが好ましく、中でも1:2〜1:15であることがより好ましい。
α層(中間層)の厚さが上記範囲であれば、紫外線吸収性能が得られやすく、かつα層の光硬化性能と両立しやすくなる。また、柔軟すぎて裁断や取回しに係る作業性が劣るようになることがなく好ましい。β層(表層)の厚さが上記範囲であれば、凹凸や屈曲した面への追随性に劣ることがなく、被着体への接着力や濡れ性を維持することができるため好ましい。
厚さが上記範囲を満たすことによって、薄肉化要求に応えることができる一方で、被着面との接着力、凹凸追従性を十分に満たすことができる。
本発明の透明両面粘着シート(以下「本粘着シート」とも称する。)は、そのまま単独で使用することも可能である。また、他の部材と積層して使用することも可能である。
例えば、本粘着シートの一側又は両側に、フィルム例えば離型フィルムや保護フィルムやこれらを積層してなるフィルムを積層して粘着シート積層体(「本粘着シート積層体」と称する)を構成することが可能である。
かかる観点から、一方又は両方の離型フィルムが、波長410nm以下での光の光線透過率が40%以下であるのが好ましく、中でも30%以下、その中でも20%以下であるのがさらに好ましい。
離型フィルムの厚みは、厚すぎると裁断加工性に劣り、薄すぎるとハンドリング性に劣り、粘着シートに打痕がつき易くなる可能性がある。かかる観点から、離型フィルムの厚みは20μm以上300μm以下であるのが好ましく、中でも25μm以上或いは250μm以下、その中でも38μm以上或いは200μm以下であるのが好ましい。
両側に離型フィルムを積層した構成とする場合は、一方の離型フィルムと他方の離型フィルムの厚さや剥離力を異ならしめるのが好ましい。
かかる観点から、本粘着シート積層体における一側又は両側のフィルムは、波長380nm以上410nm以下での光の光線透過率が40%以下、中でも30%以下、その中でも20%以下、その中でも10%以下であるのがさらに好ましい。
本粘着シート積層体の少なくとも一方の面に、波長410nm以下での光の光線透過率が40%以下の表面保護フィルムを積層することで、本粘着シートが波長405nmでの吸光係数が10mL/(g・cm)以上である光重合開始剤(C)を含有していても、可視光の照射により光重合が進むのを効果的に防ぐことができるからである。
かかる観点から、本粘着シート積層体の一方又は両方面に積層する表面保護フィルムは、波長410nm以下での光の光線透過率が40%以下であるのが好ましく、中でも30%以下、その中でも20%以下であるのがさらに好ましい。
上記表面保護フィルムは、帯電防止層やハードコート層、アンカー層など、必要に応じて他の層を有していてもよい。
また、2つの画像表示装置用構成部材を、本粘着シートを介して積層して画像表示装置構成用積層体(「本画像表示装置構成用積層体」と称する)を構成することも可能である。
上記タッチパネルは、保護パネルにタッチパネル機能を内在させた構造体や、画像表示パネルにタッチパネル機能を内在させた構造体も含む。
本粘着シートは、紫外線によって硬化するものではなく、可視光によって硬化するため、画像表示装置構成部材が紫外線吸収性能を備えたものであっても、当該画像表示装置構成部材を通して可視光を照射することにより、本粘着シートのα層を硬化させることができる。
本粘着シートは、紫外線吸収機能と、紫外領域以外の波長の光線、特に可視光線の照射で硬化する硬化性を備えている。このような本粘着シートの特性を利用して、例えば次のようにして、本画像表示装置構成用積層体を作製することができる。
前記樹脂組成物をシート状に成形して本粘着シートを作製することができる。
樹脂組成物をシート状に成形する方法としては、現在公知の方の法を任意に採用することができる。
また、本粘着シートを購入するなどして、予め用意してもよい。よって、本工程は必ずしも必要でない。
また、樹脂組成物を、画像表示装置構成部材の上にシート状に製膜して、当該画像表示装置構成部材上に本粘着シートを積層するようにしてもよい。
本粘着シートは、β層の粘着性によって本粘着シートを介して2つの画像表示装置構成部材を重ねるだけで貼着することができる。
上記のような本粘着シート又は本画像表示装置構成用積層体を用いて、画像表示装置(「本画像表示装置」と称する)を構成することができる。
本画像表示装置としては、例えば液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイ、無機ELディスプレイ、電子ペーパー、プラズマディスプレイ及びマイクロエレクトロメカニカルシステム(MEMS)ディスプレイなどの画像表示装置を構成することができる。
本粘着シートは、紫外線によって硬化するものではなく、可視光によって硬化するため、画像表示装置構成部材が紫外線吸収性能を備えたものであっても、当該画像表示装置構成部材を通して可視光を照射することにより、本粘着シートのα層を硬化させることができる。
なお、一般的に「シート」とは、JISにおける定義上、薄く、その厚さが長さと幅のわりには小さく平らな製品をいい、一般的に「フィルム」とは、長さ及び幅に比べて厚さが極めて小さく、最大厚さが任意に限定されている薄い平らな製品で、通常、ロールの形で供給されるものをいう(日本工業規格JISK6900)。しかし、シートとフィルムの境界は定かでなく、本発明において文言上両者を区別する必要がないので、本発明においては、「フィルム」と称する場合でも「シート」を含むものとし、「シート」と称する場合でも「フィルム」を含むものとする。
また、画像表示パネル、保護パネル等のように「パネル」と表現する場合、板体、シートおよびフィルムを包含するものである。
また、「X以上」(Xは任意の数字)と記載した場合、特にことわらない限り「好ましくはXより大きい」の意を包含し、「Y以下」(Yは任意の数字)と記載した場合、特にことわらない限り「好ましくはYより小さい」の意も包含するものである。
(メタ)アクリル系共重合体(A)として、2−エチルヘキシルアクリレート76質量部、酢酸ビニル20質量部、アクリル酸4質量部からなる共重合体(A−1、質量平均分子量40万)1kgに対して、架橋剤(B)として、プロポキシ化ペンタエリスリトールテトラアクリレート(新中村化学社製、ATM−4P)(B−1)200g、光重合開始剤(C)としてイルガキュア369(C−1)(BASF社製)を8g、紫外線吸収剤(D)として2,2’−ジヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン(ケミプロ化成社製、Kemisorb111)(D−1)10g添加して均一混合し、粘着樹脂組成物1を得た。
光重合開始剤(C−1)の405nmにおける吸光係数は、1.6×102mL/(g・cm)であった。
粘着樹脂組成物1を、剥離処理した2枚のポリエチレンテレフタレートフィルム(三菱樹脂社製、ダイアホイルMRF、厚さ75μm/三菱樹脂社製、ダイアホイルMRT、厚さ38μm)で挟み、厚さ110μmとなるようシート状に賦形し、中間層用シート(α−1)を作成した。
さらに、剥離処理したポリエチレンテレフタレートフィルム(三菱樹脂社製、ダイアホイルMRQ、厚さ75μm)上にも同様に、粘着樹脂組成物2を乾燥後の厚さが20μmとなるように塗工した後、80℃で5分乾燥してβ層を熱硬化させ、表層用シート(β’−1)を作成した。
中間層用シート(α−1)の両側のPETフィルムを順次剥離除去すると共に、表層用シート(β−1)及び(β’−1)の粘着面を両表面に順次貼合し、(β−1)/(α−1)/(β’−1)からなる積層体を作製した。
(β−1)及び(β’−1)の表面に残るPETフィルムを介して、波長405nmの積算光量が1500mJ/cm2となるよう高圧水銀ランプを用いて照射し、α層を硬化させて、透明両面粘着シート積層体1(厚さ150μm)を作製した。
(メタ)アクリル系共重合体(A−1)1kgに対して、架橋剤(B−1)を200g、光重合開始剤(C)としてエザキュアKTO46(C−2)(Lanberti社製)を20g、紫外線吸収剤(D−1)を20g添加して均一混合し、粘着樹脂組成物3を得た。
光重合開始剤(C−2)の405nmにおける吸光係数は、7.4×101mL/(g・cm)であった。
粘着樹脂組成物3を、剥離処理した2枚のポリエチレンテレフタレートフィルム(三菱樹脂社製、ダイアホイルMRF、厚さ75μm/三菱樹脂社製、ダイアホイルMRT、厚さ38μm)で挟み、厚さ60μmとなるようシート状に賦形し、中間層用シート(α−2)を作成した。
実施例1同様に、中間層用シート(α−2)の両側のPETフィルムを順次剥離除去すると共に、表層用シート(β−1)及び(β’−1)の粘着面を両表面に順次貼合し、(β−1)/(α−2)/(β’−1)からなる積層体を作製した。
(β−1)及び(β’−1)の表面に残るPETフィルムを介して、波長405nmの積算光量が3000mJ/cm2となるよう高圧水銀ランプを用いて照射し、α層を硬化させて、透明両面粘着シート積層体2(厚さ100μm)を作製した。
(メタ)アクリル系共重合体(A−1)1kgに対して、架橋剤(B−1)を200g、光重合開始剤(C−2)を8g、紫外線吸収剤(D−1)を20g添加して均一混合し、粘着樹脂組成物4を得た。
粘着樹脂組成物4を、剥離処理した2枚のポリエチレンテレフタレートフィルム(三菱樹脂社製、ダイアホイルMRF、厚さ75μm/三菱樹脂社製、ダイアホイルMRT、厚さ38μm)で挟み、厚さ60μmとなるようシート状に賦形し、中間層用シート(α−3)を作成した。
実施例1同様に、中間層用シート(α−3)の両側のPETフィルムを順次剥離除去すると共に、表層用シート(β−1)及び(β’−1)の粘着面を両面に順次貼合し、(β−1)/(α−3)/(β’−1)からなる積層体を作製した。
(β−1)及び(β’−1)の表面に残るPETフィルムを介して、波長405nmの積算光量が3000mJ/cm2となるよう高圧水銀ランプを用いて照射し、α層を硬化させて、透明両面粘着シート積層体3(厚さ100μm)を作製した。
(メタ)アクリル系共重合体(A−1)1kgに対して、架橋剤(B−1)200g、光重合開始剤(C)としてエサキュアTZT(C−3)(Lanberti社製)を10g、紫外線吸収剤(D)として2,2’−ジヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン(ケミプロ化成社製、Kemisorb111)(D−1)20g添加して均一混合し、粘着樹脂組成物5を得た。
光重合開始剤(C−3)の405nmにおける吸光係数は、10mL/(g・cm)未満であり、低すぎて測定不能であった。
粘着樹脂組成物5を、剥離処理した2枚のポリエチレンテレフタレートフィルム(三菱樹脂社製、ダイアホイルMRF、厚さ75μm/三菱樹脂社製、ダイアホイルMRT、厚さ38μm)で挟み、厚さ110μmとなるようシート状に賦形し、中間層用シート(α−4)を作成した。
実施例1同様に、中間層用シート(α−4)の両側のPETフィルムを順次剥離除去すると共に、表層用シート(β−1)及び(β’−1)の粘着面を両表面に順次貼合し、(β−1)/(α−4)/(β’−1)からなる積層体を作製した。
(β−1)及び(β’−1)の表面に残るPETフィルムを介して、波長405nmの積算光量が1500mJ/cm2となるよう高圧水銀ランプを用いて照射し、α層を硬化させて、透明両面粘着シート積層体4(厚さ100μm)を作製した。
(メタ)アクリル系共重合体(A−1)1kgに対して、架橋剤(B−1)を200g、光重合開始剤(C−2)を8g加えて均一混合し、粘着樹脂組成物6を得た。この時、紫外線吸収剤(D)は添加しなかった。
粘着樹脂組成物6を、剥離処理した2枚のポリエチレンテレフタレートフィルム(三菱樹脂社製、ダイアホイルMRF、厚さ75μm/三菱樹脂社製、ダイアホイルMRT、厚さ38μm)で挟み、厚さ110μmとなるようシート状に賦形し、中間層用シート(α−5)を作成した。
実施例1と同様に、中間層用シート(α−5)の両側のPETフィルムを順次剥離除去すると共に、表層用シート(β−1)及び(β’−1)の粘着面を両表面に順次貼合し、(β−1)/(α−5)/(β’−1)からなる積層体を作製した。
(β−1)及び(β’−1)の表面に残るPETフィルムを介して、波長405nmの積算光量が1500mJ/cm2となるよう高圧水銀ランプを用いて照射し、α層を硬化させて、透明両面粘着シート積層体5(厚さ150μm)を作製した。
[紫外線吸収性能]
実施例及び比較例で作製した透明両面粘着シート積層体の両側のPETフィルムを順次剥離し、粘着シートを2枚のソーダライムガラス(54×82mm、厚さ0.5mm)で挟み込むように貼着したのち、オートクレーブ処理(70℃、ゲージ圧0.2MPa、20分)を施して仕上貼着し、紫外線吸収性能評価用サンプルとした。
作成した試験片の波長域360〜430nmにおける光線透過率を分光光度計(島津製作所株式会社製;機器名「UV2450」)にて測定した。380nmにおける光線透過率が50%未満のものを「○(good)」、50%以上のものを「×(poor)」と判定した。結果は表2に示す。
実施例及び比較例で作製した透明両面粘着シートについて、一方の剥離フィルムを剥がし、裏打ちフィルムとしてポリエチレンテレフタレートフィルム(東洋紡績社製;商品名「コスモシャインA4300」、厚さ100μm)をハンドローラーにてロール圧着した。これを10mm巾×100mm長の短冊状に裁断し、残る剥離フィルムを剥がして露出した粘着面を、ソーダライムガラスにハンドローラーを用いてロール貼着した。これをオートクレーブ処理(70℃、ゲージ圧0.2MPa、20分)を施して仕上貼着し、粘着力測定サンプルを作成した。裏打ちフィルムを180°をなす角度に剥離速度60mm/分にて引っ張りながらガラスから粘着シートを剥離し、ロードセルで引張強度を測定して、粘着シートのガラスに対する180°剥離強度を測定し、結果は表2に示す。
実施例及び比較例で作製した粘着シートを50mm×100mmに裁断した後、片面の剥離フィルムを剥がし、該粘着シートの片面が、裏打用のポリエチレンテレフタレートフィルム(厚さ38μm)に重なるようにハンドローラーで貼着し、これを巾25mm×長さ100mmの短冊状に裁断して試験片とした。次に、残る剥離フィルムを剥がして、垂直に立設したSUS板(厚さ120mm、5mm×1.5mm)に対して、試験片が20mmの長さだけ重なるようにしてハンドローラーで貼着した。この時、透明両面粘着シートとSUS板の貼着面積は25mm×20mmとなる。
その後、試験片を40℃の雰囲気下で15分養生させた後、試験片に荷重500gの錘を垂直方向に取り付けて掛けて30分間静置した後、SUSと試験片との貼着位置が下方にズレ長さ(mm)を測定した。
ズレ長さが1mm未満のものを「◎(Excellent)」、ズレ長さが1mm以上2mm未満のものを「〇(Good)」、ズレ長さが2mm以上のものを「×(poor)」と判定した。結果を表2に示す。
耐発泡信頼性評価用サンプルとして、紫外線吸収性能評価用サンプルと同じものを2枚使用した。これを85℃で100時間養生し、発泡等なく外観に変化がみられなかったものを「○(good)」、発泡や剥離がみられたものを「×(poor)」と判定した。結果を表2に示す。
実施例1〜3の粘着シート積層体は、粘着力や保持力、耐湿熱信頼性といった特性を維持しながら、優れた紫外線吸収性能を付与したものであった。
比較例1は波長405nmでの吸光係数が10mL/(g・cm)未満の光重合開始剤を用いた為、光照射しても粘着剤が硬化せず、粘着力や貼合後の信頼性に劣るものであった。
比較例2はα層に紫外線吸収剤(D)を含まないため、紫外線吸収性能に劣るものであった。
Claims (15)
- (メタ)アクリル系共重合体(A)、架橋剤(B)を含有する、少なくとも中間層(α層)と表層(β層)を有する積層構成の透明両面粘着シートであって、
前記α層は、波長405nmでの吸光係数が10mL/(g・cm)以上である光重合開始剤(C)および紫外線吸収剤(D)を含有することを特徴とする、透明両面粘着シート。 - (メタ)アクリル系共重合体(A)、架橋剤(B)、波長405nmでの吸光係数が10mL/(g・cm)以上である光重合開始剤(C)及び紫外線吸収剤(D)を含有する粘着剤樹脂組成物からなる中間層(α層)と、
(メタ)アクリル系共重合体(A)及び架橋剤(B)を含有し、且つ紫外線吸収剤(D)を含有しない粘着剤樹脂組成物からなる表層(β層)と、を有する、透明両面粘着シート。 - 前記紫外線吸収剤(D)は、ベンゾトリアゾール構造、トリアジン構造およびベンゾフェノン構造からなる群より1つ以上選択される構造を有することを特徴とする、請求項1又は2に記載の透明両面粘着シート。
- 前記光重合開始剤(C)100質量部に対して、前記紫外線吸収剤(D)は25〜400質量部含有することを特徴とする、請求項1〜3の何れかに記載の透明両面粘着シート。
- 前記β層は、熱硬化性を有するか若しくは熱硬化された層であることを特徴とする、請求項1〜4の何れかに記載の透明両面粘着シート。
- 積層構成が、β層/α層/β層であることを特徴とする、請求項1〜5の何れかに記載の透明両面粘着シート。
- 請求項1〜6の何れかに記載の透明両面粘着シートと、離型フィルムとを積層してなる構成を備えた透明両面粘着シート積層体。
- 上記離型フィルムは、波長410nm以下での光の光線透過率が40%以下であることを特徴とする、請求項7に記載の粘着シート積層体。
- 上記離型フィルムの表面に、波長410nm以下での光の光線透過率が40%以下である表面保護フィルムを積層してなる構成を備えた請求項7又は8に記載の粘着シート積層体。
- 請求項1〜6の何れかに記載の透明両面粘着シートと、
波長380nm以上410nm以下での光の光線透過率が40%以下であるフィルムと、を積層してなる構成を備えた粘着シート積層体。 - 2つの画像表示装置構成部材間を、請求項1〜6の何れかに記載の透明両面粘着シートを介して積層してなる構成を備えた画像表示装置構成用積層体。
- 上記2つの画像表示装置構成部材のうちの少なくとも一つが紫外線吸収性能を備えたものである請求項11に記載の画像表示装置構成用積層体。
- 前記画像表示装置構成部材が、タッチセンサー、画像表示パネル、表面保護パネル及び偏光フィルムからなる群のうちの何れか或いは2種類以上の組み合わせからなる積層体であることを特徴とする請求項11又は12に記載の画像表示装置構成用積層体。
- 請求項11〜13の何れかに記載の画像表示装置構成用積層体を用いて構成された画像表示装置。
- 画像表示装置を構成する画像表示装置構成部材のうちの少なくとも一つが紫外線吸収性能を備えたものである請求項14に記載の画像表示装置。
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