JP5578818B2 - モータアッセンブリ - Google Patents

Description

本発明は、モータアッセンブリに係り、より詳細には、力伝達構造体を有するモータアッセンブリに係る。

通常、乗物のウインドウのウインドウリフトシステムは、駆動モータと、ウインドウのガラスを上下移動するためのリフト装置と、モータの出力シャフトの回転をリフト装置に伝達するための力伝達構造体とを備えている。この伝達構造体は、駆動プレートと、この駆動プレートに結合されたシャフトとを含む。駆動プレートは、ギア装置を経てモータの出力シャフトに接続される。シャフトは、シャフトの端に取り付けられたピニオンを経てリフト装置に接続され、リフト装置のギアとかみ合う。動作中、モータは、駆動プレートを回転駆動させる。駆動プレートは、シャフトを回転駆動させ、これにより、リフト装置がウインドウのガラスを上下に移動させる。

従来、シャフトは、円筒状の結合端を経て、その両側の２つのフラットな面が駆動プレートのくびれ状の穴にぴったり受け入れられるようにして、駆動プレートに結合される。シャフトの結合端と駆動プレートの穴との間には２つの対向するフラットな界面が形成される。動作中に、シャフトの結合端の２つのフラットな面に２つの逆方向の力が作用し、シャフト及び駆動プレートに衝撃を発生して振動及びノイズを生じさせる。

従って、上述した問題を解消できる改良された遷移構造体が要望される。

従って、本発明は、その１つの態様において、装着穴を有する駆動プレートと、該駆動プレートと共に回転するようにその装着穴に取り付けられたシャフトとを備え、装着穴は、共通エリアで互いに相互接続された少なくとも３つの区分を有し、シャフトは、シャフトが駆動プレート共に回転するべく固定されるように、装着穴の区分にぴったり受け入れられる少なくとも３つの歯を伴う歯付き部分を有する、力伝達構造体を提供する。

好ましくは、駆動プレートは、本体と、該本体の中心に形成されたカップリングとを備え、このカップリングは、本体の軸方向において本体より深く、装着穴は、カップリングに形成される。

好ましくは、カップリングは、隣接区分間に各々位置する緩衝穴を有する。

好ましくは、駆動プレートは、本体の第１の側に形成されて駆動部材と係合するように構成された複数の突起を有し、その駆動部材は、駆動プレートを駆動することができ、シャフトは、更に、被駆動部材を駆動するように構成されたピニオンを含む。

好ましくは、駆動プレートは、更に、本体の反対の第２の側に形成された複数のリブを含む。

好ましくは、装着穴及び歯付き部分は、Ｙ字型である。

好ましくは、駆動プレートは、プラスチック材料で作られる。

本発明は、第２の態様によれば、モータと、駆動プレート及びシャフトを含む力伝達構造体と、モータを駆動プレートに接続して駆動プレートを駆動するためのギア装置とを備え、駆動プレートは、共通エリアで互いに相互接続された少なくとも３つの区分をもつ装着穴を有し、シャフトは、シャフトが駆動プレート共に回転するべく固定されるように、駆動プレートの装着穴の区分にぴったり受け入れられる少なくとも３つの歯を伴う歯付き部分を有する、モータアッセンブリを提供する。

好ましくは、ギア装置は、モータにより駆動されるウォームと、このウォームとかみ合うウォームギアと、このウォームギアに取り付けられてそれと共に回転できるダンパーとを備え、駆動プレートは、ウォームギアによりダンパーを通して駆動される。

好ましくは、ウォームギアは、内側リングと、外側リングと、内側リングから外側リングへ延びる複数のリブとを含み、ダンパーは、内側リングと外側リングとの間に形成されたスペースに受け入れられ、そしてリブを各々ぴったり受け入れるための複数の第１スロットを有している。

好ましくは、駆動プレートは、本体と、本体の片側に形成された複数の突起とを含み、そしてダンパーは、駆動プレートの突起に係合する複数の第２スロットを有する。

好ましくは、突起はＶ字型であり、突起の巾は、本体の半径方向に最も内側の部分から最も外側の部分に向かって徐々に増加する。

好ましくは、駆動プレートは、更に、本体の中心に形成されたカップリングを含み、このカップリングは、本体より大きな軸方向深さを有し、そしてカップリングには装着穴が形成される。

好ましくは、カップリングは、装着穴の隣接区分間に各々配置された緩衝穴を有する。

好ましくは、装着穴及びシャフトの歯付き部分は、Ｙ字型である。

好ましくは、駆動プレートは、プラスチック材料で作られ、そしてダンパーは、ゴムで作られる。

好ましくは、シャフトは、更に、ウインドウリフトシステムのギアを駆動するためのピニオンを含む。

好ましくは、シャフトは、歯付き部分の遠方端の溝内に配置されたサークリップにより装着穴内に捕獲保持される。

以下、添付図面を参照して本発明の好ましい実施形態を一例として説明する。２つ以上の図面に現れる同一の構造体、要素又は部品は、一般的に、それらが現れる全ての図面において同じ参照番号で示される。図示されたコンポーネント及び特徴部の大きさは、一般的に、表現の便宜上及び明瞭化のために選択されたもので、必ずしも正しいスケールで示されていない。

本発明の一実施形態によるモータアッセンブリの部分断面図である。 図１のモータアッセンブリの分解図である。 図１のモータアッセンブリの駆動プレートの平面図である。 図１のモータアッセンブリのシャフトの斜視図である。 図３の駆動プレート及び図４のシャフトの組立図である。 駆動プレートとシャフトとの間に作用する力を示す概略図である。 駆動プレートとシャフトとの間に作用する力を示す概略図である。

図１は、本発明の好ましい実施形態によるモータアッセンブリの部分断面図である。このモータアッセンブリは、モータ１０と、モータ１０により駆動されるギア装置とを備えている。ギア装置は、力伝達構造体を含む。ギア装置は、ギアハウジング１４に収容され、そしてウィンドウリフトメカニズムの一部分であるキャプスタン１６が背部に見える。このキャプスタンは、モータアッセンブリによりギア（図示せず）を通して駆動される。

図２は、種々のコンポーネントを示すためにギアハウジングが除去されたギア装置の分解図である。ギア装置は、モータ１０により駆動されるモータシャフト１２に取り付けられたウォーム２０と、このウォーム２０にかみ合うウォームギア３０と、ダンパー４０と、駆動プレート５０と、シャフト６０とを備えている。力伝達構造体は、駆動プレート５０及びシャフト６０で構成される。ウォーム２０は、モータシャフト１２にプレスフィットされる。或いは又、ウォーム２０は、モータシャフト１２と一体的に形成されてもよい。ウォームギア３０は、内側リング３１、外側リング３３、及び内側リングから外側リングへ半径方向に延びる複数のリブ３２を備えている。ウォーム２０とかみ合うために外側リング３３の外周面には歯が形成されている。ダンパー４０は、ゴム材料で作られ、その中心に貫通開口を有し、そしてその半径方向に延びる複数の第１スロット４１及び第２スロット４２を有している。これらスロット４１、４２は、周囲方向に交互に配列される。

図３も参照すれば、エンジニアリングプラスチック材料で形成できる駆動プレート５０は、丸い本体５２と、本体５２の中心に形成されたカップリング５４と、本体５２の片側に形成された複数のＶ字型突起５６と、本体５２の反対側に形成された複数のリブ５８とを含む。カップリング５４は、本体５２の反対の軸方向に本体５２を越えて延び、それ故、カップリング５４は、深さ又は厚みが本体５２より大きい。カップリング５４は、その中心にＹ字型の装着穴５５を有し、即ち装着穴５５は、その中心で相互接続された３つの区分を含む。カップリング５４は、複数の緩衝穴５７を更に有するのが好ましい。この実施形態では、緩衝穴５７は、カップリング５４を軸方向に完全に貫通しない３つのめくら穴で、周囲方向に均一に分布され、各１つがＹ字型穴５５の隣接区分間に配置される。この実施形態では、突起５６は、周囲方向に均一に分布された３つの突起５６より成り、突起の巾は、本体５２の半径方向にその最も内側の部分から最も外側の部分に向かって徐々に増加する。各突起５６の中心線は、本体５２の中心を通して半径方向に延びる。突起５６は、ダンパー４０の第２スロット４２に嵌合する形状及びサイズにされる。

図４を参照すれば、好ましい実施形態においてギアボックスの出力シャフトであるシャフト６０は、丸い部分６１と、この丸い部分の一端に形成された歯付き部分６２と、この丸い部分の他端に形成されたピニオン６４とを含む。歯付き部分６２は、Ｙ字型の断面を有し、シャフト６０の周囲方向に均一に分布された３つの歯を含む。歯付き部分６２の歯の形状及びサイズは、駆動プレート５０の装着穴５５に適合する。好ましくは、シャフト６０は、低合金スチールで作られる。或いは又、シャフト６０は、他の金属材料で作られてもよい。ピニオン６４は、ウインドウリフトシステムのリフトメカニズムのギア装置のようなギアに結合するように構成される。

図１及び５を参照すれば、組立時に、ダンパー４０がウォーム３０の内側リング３１と外側リング３３との間に形成されたスペースに配置され、そしてウォーム３０のリブ３２がダンパー４０の第１スロット４１に受け入れられる。駆動プレート５０の突起５６が、各々、ダンパー４０の第２スロット４２に締りばめ式に受け入れられる。従って、駆動プレート５０は、ウォーム２０がウォームギア３０を駆動するときにダンパー４０及びウォームギア３０によって回転される。

シャフト６０のＹ字型の歯付き部分６２は、ウォームギア３０の内側リング３１を通して延びて、駆動プレート５０のＹ字型の装着穴５５に嵌合される。シャフト６０の歯付き部分６２の自由端は、カップリング５４を越えて延びる。歯付き部分６２の自由端に形成されたスロット６６にサークリップ７０が嵌合されて、歯付き部分６２が装着穴５５から外れるのを防止する。動作中に、モータ１０は、モータシャフト１２を回転し、次いで、ウォーム２０を回転し、次いで、ウォームギア３０を駆動し、次いで、ダンパー４０を経て駆動プレート５０を回転し、ひいては、シャフト６０を回転する。駆動プレート５０は、駆動プレートのＹ字型の装着穴５５がシャフト６０のＹ字型の歯付き部分６２にかみ合うことにより、シャフト６０を回転駆動する。その結果、ピニオン６４がウインドウリフトシステムの１つ以上のギア（図示せず）を経てキャプスタン１６を駆動し、ウインドウのガラスを上げ下げする。ウインドウリフトシステムは、ガラスを上げ下げするためにキャプスタンに周りに巻かれたワイヤを有する。

図６Ａ及び６Ｂを参照すれば、本発明の実施形態において、シャフト６０が駆動プレート５０により回転されるときには、カップリング５４からの３つの等しい力Ａ、Ｂ、Ｃがシャフト６０の歯付き部分６２の３つの歯に各々作用する。歯付き部分６２の３つの歯に作用するこれら３つの力Ａ、Ｂ、Ｃは、図６Ｂに示す三角形を構成する。それ故、シャフト６０は、安定して回転され、これにより、ウインドウリフトシステムのガラスを静かに上下に移動させる。更に、シャフト６０の歯と、駆動プレート５０のカップリング５４との間の接触面積が慣習的な設計の場合より大きくなり、その結果、カップラーとシャフトとの間の接続が大きなトルクに耐えるようになる。更に、駆動プレート５０は、理想的にも、優れた強度及び耐衝撃性を有し且つ振動を吸収できるエンジニアリングプラスチック材料で形成され、これは、ギア装置により発生されるノイズを減少する上でも役立つ。緩衝穴５７は、装着穴５５の歪を減少するためにプラスチック材料が鋳型において冷却するときに逃げ(relief)を与えることにより駆動プレートをモールドする上で助けとなる。

本発明の説明及び特許請求の範囲において、動詞「備える(comprise)」、「含む(include)」、「収容する(contain)」及び「有する(have)」並びにその変化は、各々、そこに述べたアイテムの存在を特定するために包括的な意味で使用され、付加的なアイテムの存在を除外するものではない。

本発明は、１つ以上の好ましい実施形態を参照して説明したが、当業者であれば、種々の変更がなされ得ることが明らかであろう。それ故、本発明の範囲は、特許請求の範囲によって決定されるものとする。

１０：モータ
１２：モータシャフト
１４：ギアハウジング
１６：キャプスタン
２０：ウォーム
３０：ウォームギア
３１：内側リング
３２：リブ
３３：外側リング
４０：ダンパー
４１：第１スロット
４２：第２スロット
５０：駆動プレート
５２：本体
５４：カップリング
５５：装着穴
５６：Ｖ字型突起
５７：緩衝穴
５８：リブ
６０：シャフト
６１：丸い部分
６２：歯付き部分
６４：ピニオン
６６：スロット
７０：サークリップ

Claims (16)

1. 装着穴を有する駆動プレートと、該駆動プレートと共に回転するようにその装着穴に取り付けられるシャフトとを備え、前記装着穴は、前記駆動プレートの周囲方向に均一に分布され且つ共通エリアで互いに相互接続された３つの区分を有するＹ字型であり、前記シャフトは、このシャフトが前記駆動プレート共に回転するべく固定されるように、前記Ｙ字型装着穴の区分にぴったり受け入れられる３つの歯を伴うＹ字型歯付き部分を有し、前記駆動プレートは、該駆動プレートの周囲方向に均一に分布され且つ該駆動プレートの本体の第１の側に形成されて駆動部材と係合するように構成された３つの突起を有し、前記駆動部材は、前記駆動プレートを駆動することができ、各突起は、前記装着穴の隣接する２つの区分の間に延びている、力伝達構造体。
2. 前記駆動プレートは、前記本体と、該本体の中心に形成されたカップリングとを備え、このカップリングは、本体の軸方向において本体より深く、前記装着穴は、前記カップリングに形成される、請求項１に記載の力伝達構造体。
3. 前記カップリングは、隣接区分間に各々位置する緩衝穴を有する、請求項２に記載の力伝達構造体。
4. 前記シャフトは、更に、被駆動部材を駆動するように構成されたピニオンを含む、請求項１、２又は３に記載の力伝達構造体。
5. 前記駆動プレートは、更に、前記本体の反対の第２の側に形成され且つ前記本体の反対の第２の側を越えて延びる前記カップリングの軸端に接続された複数のリブを含む、請求項４に記載の力伝達構造体。
6. 前記駆動プレートは、プラスチック材料で作られる、請求項１から５のいずれかに記載の力伝達構造体。
7. モータと、
   駆動プレート及びシャフトを含む力伝達構造体と、
   前記モータを前記駆動プレートに接続して前記駆動プレートを駆動するギア装置と、
   を備え、前記駆動プレートは、共通エリアで互いに相互接続された少なくとも３つの区分をもつ装着穴を有し、前記シャフトは、そのシャフトが前記駆動プレート共に回転するべく固定されるように、前記駆動プレートの前記装着穴の区分にぴったり受け入れられる少なくとも３つの歯を伴う歯付き部分を有し、
   前記駆動プレートは、更に、該駆動プレートの本体の中心に形成されたカップリングを含み、前記カップリングには前記装着穴が形成され、前記カップリングは、該カップリングの遠方端が前記本体の側面を越えて延びるように前記本体より大きな軸方向深さを有し、複数のリブが前記本体の側面に形成され且つ前記カップリングの遠方端に接続されている、モータアッセンブリ。
8. 前記ギア装置は、前記モータにより駆動されるウォームと、このウォームとかみ合うウォームギアと、このウォームギアに取り付けられてそれと共に回転できるダンパーとを備え、前記駆動プレートは、前記ウォームギアにより前記ダンパーを通して駆動される、請求項７に記載のモータアッセンブリ。
9. 前記ウォームギアは、内側リングと、外側リングと、内側リングから外側リングへと延びる複数のリブとを含み、前記ダンパーは、内側リングと外側リングとの間に形成されたスペースに受け入れられ、そして前記リブを各々ぴったり受け入れるための複数の第１スロットを有する、請求項８に記載のモータアッセンブリ。
10. 前記駆動プレートは、前記本体と、該本体の片側に形成された複数の突起とを含み、そして前記ダンパーは、前記駆動プレートの突起に係合する複数の第２スロットを有する、請求項８又は９に記載のモータアッセンブリ。
11. 前記突起はＶ字型であり、前記突起の巾は、前記本体の半径方向に最も内側の部分から最も外側の部分に向かって徐々に増加する、請求項１０に記載のモータアッセンブリ。
12. 前記カップリングは、前記装着穴の隣接区分間に各々配置された緩衝穴を有する、請求項７から１１のいずれかに記載のモータアッセンブリ。
13. 前記駆動プレートは、プラスチック材料で作られ、そして前記ダンパーは、ゴムで作られる、請求項８から１２のいずれかに記載のモータアッセンブリ。
14. 前記装着穴及び前記シャフトの歯付き部分は、Ｙ字型である、請求項７から１３のいずれかに記載のモータアッセンブリ。
15. 前記シャフトは、更に、ウインドウリフトシステムのギアを駆動するためのピニオンを含む、請求項７から１４のいずれかに記載のモータアッセンブリ。
16. 前記シャフトは、前記歯付き部分の遠方端の溝内に配置されたサークリップにより前記装着穴内に捕獲保持される、請求項７から１５のいずれかに記載のモータアッセンブリ。

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