JP5577026B2 - 丁合された印刷紙葉から形成され無線綴じされた中本の製造方法 - Google Patents

Description

この発明は、未綴じの中本を形成している印刷紙葉をいずれも移送部上で背部を下にして突立させながら無線綴じ装置の開放された搬送クリップに供給しその後閉鎖された搬送クリップによって平坦な外側面上で保持する、丁合された印刷紙葉から形成され無線綴じされた中本の製造方法ならびにその方法を実施するための装置に関する。

雑誌、カタログ、文庫本等の無線綴じ（接着綴じ）された印刷製品の工業的な生産に際して、最初の工程で印刷された紙葉が未綴じの中本に丁合され、その後無線綴じ機内で本の背部領域が加工および糊付けされ、表紙と接着あるいは結合される。紙葉の印刷画像の位置はその背縁部ならびに通常はさらにその頭縁部を基準にし、従って未綴じの中本の全ての紙葉をそれらの基準縁部上で整列させれば、中本内の全ての頁が互いに上下に整合する。従来の技術によれば、印刷紙葉は搬送路内において横にして周回する搬送要素によって丁合および整列される。そのように使用される丁合装置は例えば欧州特許出願公開第１７２６５５２号Ａ１明細書（特許文献１）によって開示されている。丁合の後にその背縁部が搬送方向に対して横断方向に整列されている未綴じの中本が９０°回転され、従ってその時点から背縁部は搬送方向に平行に整列される。その後の工程において未綴じの中本はその背縁部を下にして突立させられ、従ってその平らな側面が垂直に延在しその状態で下から無線綴じ機の搬送クリップ内に挿入される。この種の方式は、本願の出願人による未公開の欧州特許出願第０６４０５３３７．４号明細書（特許文献２）にも記載されている。綴じプロセス全体にわたって中本が周回する搬送クリップ内に挟み付けられ、その際その平らな側面が搬送方向に対して平行に延在するように垂直に突立し、背部領域は前記搬送クリップから幾らか突出して下方に指向する。搬送クリップ内における中本の位置精度が本の品質に対して決定的なものとなる。

欧州特許出願公開第１７２６５５２号Ａ１明細書 欧州特許出願第０６４０５３３７．４号明細書

従って、本発明の目的は、未綴じの丁合された印刷紙葉から形成された中本を精確に整合させて無線綴じ機の搬送クリップに挿入可能にすることである。

前記の課題は、本発明に従って、丁合された中本の印刷紙葉をその後の搬送区域上で搬送クリップから解放して誘導および整列させ、印刷紙葉の整列のために設定された搬送区域からの離脱前に搬送クリップを閉じることによってその後の加工搬送のために平らな外側面上で固定することによって解決される。

次に本発明につき、添付図面および実施例を参照しながら説明する。図中には説明中に記載のない詳細部分も示されている。

図１には、無線綴じ装置の移送部４とその移送部４に接続している加工路１２が示されており、その加工路が周回式の牽引手段１６上に一定間隔で固定された、未綴じの印刷紙葉１から形成された中本２を収容および搬送するための搬送クリップ５を有している。各搬送クリップ５はいずれも、前記牽引手段１６と固定的に結合されるとともに第１の締め付けジョー１７を形成している第１のクリップ部材１８と、搬送クリップ５を開閉するために搬送方向Ｆに対して横断方向に動作可能に前記第１のクリップ部材に対して配置および誘導されるとともに第２の締め付けジョー１９を形成している第２のクリップ部材２０とから形成され、それらの間に未綴じの中本２が締め付けられる。各搬送クリップ５は搬送方向Ｆに向かって後方端部１４上に中本２に対して割り当てられた駆動体１５（図２および図３も参照）を備えている。第１のクリップ部材１８はローラを使用してガイド３２内で搬送方向Ｆに向かって摺動可能に誘導され、牽引手段１６によって駆動される。第２のクリップ部材２０が、図示されていない閉じバネ（例えばスイス国特許第５０４９７７号明細書に記載）によって加工中に必要な締め付け力をもって第１のクリップ部材１８に対して予荷重される。可動式の第２のクリップ部材２０はさらに第２の締め付けジョー１９の締め付け面９を超えて突出していて中本２の平らな外側面６上に平面的に作用するとともに締め付け面９から引き戻し可能な固定装置２１を備えており、これが締め付け面９に向かって垂直に動作可能な複数の固定要素２３から形成され、それらが共通で引き戻し装置２４に割り当てられそれによって付勢可能になっている。実質的に引き戻し装置２４は第２のクリップ部材２０上において縦ガイド３３上で誘導されその第２のクリップ部材２０に対してバネ支承されている棒部材３５からなり、それがローラ３４を使用して制御レール８を介して搬送方向Ｆに対して横断方向に摺動可能になっている。搬送クリップ５内の中本２の推進に際して必要な固定圧力を形成するために、固定要素２３がいずれもバネ３１によって付加されるバネ圧力に対抗して支承されている。中本２を移送部４から推進路７あるいは整列領域１３に確実に搬送するために締め付け圧力に比べて小さな固定圧力を中本の外側面のうちの小さな部分面上に分配することによって、印刷紙葉１の相互間の付着および印刷紙葉１と締め付けジョー１７，１９との付着が防止される。搬送クリップ５の開閉動作のために開放レール２２が設けられており、それによって第２のクリップ部材２０が閉じバネの圧力に対抗して支承可能であるとともに中本２の印刷紙葉１を整列するために必要な開口幅Ｗをもって搬送クリップ５を開口させて保持する。推進装置１１を使用して、丁合されいずれも背部を下にして突立した印刷紙葉１から形成された未綴じの中本２が前記推進装置１１と移送部４によって形成された移送領域１０上で無線綴じ装置の開口している搬送クリップ５内に下から挿入される。移送部４の領域内において開口幅Ｗは、中本２の未綴じの印刷紙葉１が障害なく締め付けジョー１７，１９間に挿入可能となるように選択され、その際固定要素２３は引き戻し装置２４によってその非作用の末端位置に引き戻されている。実質的に推進装置１１は、軌道２５内で周回式に駆動されるとともにグリッパ２７を備えている複数の推進要素２６から形成されている。推進装置１１から無線綴じ装置の開口した搬送クリップ５への移送の間に中本２はいずれも背部を下にして突立してグリッパ２７によってその平らな側面６が締め付けられるかあるいは保持され、締め付けジョー１７，１９によって側方で誘導される。そのため推進要素２６は（図１に示されているように）実質的に水平に指向している。中本２を収容した推進要素２６の推進速度の水平成分は、搬送方向Ｆにおける搬送クリップ５の搬送速度に略相当する。推進要素２６が搬送方向Ｆに平行な軌道２５の上部の直線区間２８に到達すると同時に、中本２がその平らな外側面６を介して分散的に搬送クリップ５内の可動の固定要素２３と第１の締め付けジョー１７の間に所定の固定圧力をもって部分的に把持あるいは固定され、また推進要素２６のグリッパ２７が開放され軌道２５の逆方向区間２９に向かって転向する。そのため引き戻し装置２４が制御レール８を使用して搬送クリップ５に対して押圧されて固定要素２３が解放され、従ってそれがバネ３１の圧力によって印刷紙葉を第１のクリップ部材１８の第１の締め付けジョー１７に対して圧接することができる。そのようにして移送部４内で搬送クリップ５によって収容された中本２がその後推進部７に供給され、その推進部は整列部１３を有する整列台３０によって形成されており、その上で搬送クリップ５が充分に開口した状態において印刷紙葉１が整列される。推進部７内において固定要素２３が共通的に引き戻し装置２４によってその非作用の外側末端位置に再び引き戻される。ここで未綴じの中本２が第１の締め付けジョー１７と第２の締め付けジョー１９の間においてその平らな外側面６上で保持され、また背部３は整列台３によって下から支承されそれによって整列される。中本２の搬送方向Ｆへのさらなる搬送はいずれも搬送クリップ５の後端１４上に配置された駆動体１５によって実施され、同時に印刷紙葉１は駆動体１５上に均一に当接する。整列工程を補助するために、整列台３０を揺動するよう駆動するかあるいは振動を付加することができる。下流側に位置する整列台３０の端部の領域内で、あるいは印刷紙葉１を整列するために設けられた推進部７または整列部１３からの離脱前に搬送クリップ５が閉鎖され、中本２が締め付けジョー１７，１９の締め付け面９の間において加工のために必要な締め付け圧力をもって平らな外側面６上でその後の加工搬送のために締め付けられる。移送部４から推進部７への移動の間における搬送クリップ５による中本２上への固定圧力は、加工の間に作用する締め付け圧力に比べて著しく小さいものとなる。

無線綴じ装置の移送部とそれに続く加工路を示した概略図である。 搬送クリップと平行に固定された中本を示した上面図である。 図２の線ＩＩＩ−ＩＩＩに沿った搬送クリップの断面図である。

符号の説明

１ 印刷紙葉
２ 中本
３ 背部
４ 移送部
５ 搬送クリップ
６ 外側面
７ 搬送路
８ 制御レール
９ 締め付け面
１０ 移送領域
１１ 推進要素
１２ 加工路
１３ 整列部
１４ 端部
１５ 駆動体
１６ 牽引要素
１７，１９ 締め付けジョー
１８，２０ クリップ部材
２１ 固定装置
２２ 開放レール
２３ 固定要素
２４ 引き戻し装置
２５ 軌道
２６ 推進要素
２７ グリッパ
２８ 平行区間
２９ 逆方向区間
３０ 整列台
３１ バネ
３２ ガイド
３３ 縦ガイド
３４ ローラ
３５ 棒部材

Claims (10)

1. 未綴じの中本（２）を形成している印刷紙葉（１）をいずれも移送部（４）上で背部（３）を下にして突立させながら無線綴じ装置の開放された搬送クリップ（５）に供給しその後閉鎖された搬送クリップ（５）によって平坦な外側面（６）上で保持する、丁合された印刷紙葉（１）から形成され無線綴じされた中本の製造方法であり、丁合された中本（２）の印刷紙葉（１）をその後の搬送部（７）上で搬送クリップ（５）から解放して誘導および整列させ、印刷紙葉（１）の整列のために設定された搬送部（７）からの離脱前に前記搬送クリップ（５）を閉じることによってその後の加工搬送のために平らな外側面（６）上で締め付けるとともに、
   無線綴じ装置の移送部（４）によって移送領域（１０）を形成している未綴じの中本（２）を移送するための推進装置（１１）と前記移送部（４）に後続する無線綴じ装置の加工路（１２）からなり、前記加工路が周回式の牽引手段（１６）上に一定間隔で取り付けられた搬送クリップ（５）内に供給された中本（２）を有していて、搬送方向（Ｆ）において後方端部（１４）上に中本（２）に対して割り当てられた駆動体（１５）を備えている搬送クリップ（５）がいずれも前記牽引手段（１６）と固定的に結合された第１の締め付けジョー（１７）を形成する第１のクリップ部材（１８）と前記搬送クリップ（５）を開閉するために搬送方向（Ｆ）に対して横断方向に前記第１の締め付けジョーに対して移動可能に配置された第２の締め付けジョー（１９）を形成する第２のクリップ部材（２０）から形成されており、無線綴じ装置の移送部（４）に対して整列部（１３）が後置され、それに対して搬送クリップ（５）の制御された開放動作によって解除されて中本（２）の印刷紙葉（１）を突立状態で収容するガイド機構（３０）が割り当てられることを特徴とする方法。
2. 中本（２）が印刷紙葉（１）を整列する前にその平らな外側面（６）の一部分上で所定の固定圧力をもって搬送クリップ（５）内に分散的に保持されることを特徴とする請求項１記載の方法。
3. 中本（２）には整列後に搬送クリップ（５）の締め付け面（９）上で加工のために必要な締め付け圧力が荷重されることを特徴とする請求項１または２記載の方法。
4. 固定圧力は締め付け圧力よりも小さいことを特徴とする請求項２ないし３のいずれかに記載の方法。
5. 無線綴じ装置の移送部（４）によって移送領域（１０）を形成している未綴じの中本（２）を移送するための推進装置（１１）と前記移送部（４）に後続する無線綴じ装置の加工路（１２）からなり、前記加工路が周回式の牽引手段（１６）上に一定間隔で取り付けられた搬送クリップ（５）内に供給された中本（２）を有していて、搬送方向（Ｆ）において後方端部（１４）上に中本（２）に対して割り当てられた駆動体（１５）を備えている搬送クリップ（５）がいずれも前記牽引手段（１６）と固定的に結合された第１の締め付けジョー（１７）を形成する第１のクリップ部材（１８）と前記搬送クリップ（５）を開閉するために搬送方向（Ｆ）に対して横断方向に前記第１の締め付けジョーに対して移動可能に配置された第２の締め付けジョー（１９）を形成する第２のクリップ部材（２０）から形成された、請求項１ないし４のいずれかに記載の方法を実施するための装置であり、無線綴じ装置の移送部（４）に対して整列部（１３）が後置され、それに対して搬送クリップ（５）の制御された開放動作によって解除されて中本（２）の印刷紙葉（１）を突立状態で収容するガイド機構（３０）が割り当てられることを特徴とする装置。
6. 締め付け面（９）を超えて突出し中本（２）の平らな外側面（６）の部分面上に作用するとともに前記締め付け面（９）から引き戻し可能な固定装置（２１）によって可動式の第２のクリップ部材（２０）が形成されることを特徴とする請求項５記載の装置。
7. 第２の締め付けジョー（１９）と固定装置（２１）が、それぞれ個別の付勢手段（８、２２）に対して割り当てられることを特徴とする請求項６記載の装置。
8. 固定装置（２１）が締め付け面（９）に対して垂直に移動可能で共通に付勢可能である複数の固定要素（２３）を備えることを特徴とする請求項６または７記載の装置。
9. 固定要素（２３）がいずれもバネ圧力に対抗して支承されることを特徴とする請求項８記載の装置。
10. 固定要素（２３）が一つの引き戻し装置（２４）に対して共通で割り当てられることを特徴とする請求項８または９記載の装置。
    

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