JP5574318B2 - 真空乾燥装置及び真空乾燥方法 - Google Patents

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本発明は、コールドトラップを備えた真空乾燥装置及び真空乾燥方法に関する。
医薬品、食品、化粧品又は化学品等の原料液を凍結して真空乾燥するための、コールドトラップを備えた真空乾燥装置が提案されている(例えば、特許文献1。)。
特許文献1の真空乾燥装置によれば、被乾燥物を収容する乾燥室に排気経路を介して真空ポンプが接続され、この排気経路の途中に、コールドトラップが設けられる。乾燥室内の被乾燥物から昇華した水蒸気を、コールドトラップにて凝結させて捕集することにより、被乾燥物を乾燥させることができる。
特開平5−272867号公報(段落[0013]−[0014]、図1)
水蒸気を凝結させて捕集するコールドトラップの捕集能力は凝結点の高低に影響されるため、水蒸気の捕集量を増やして被乾燥物の最終的な乾燥度を上げるためには、コールドトラップの冷却面の面積を大きくすると共に温度を下げる必要がある。この場合、乾燥初期の大きな水分凝縮負荷に対応でき、低負荷ではあるが高い真空度が要求される乾燥末期にも対応できるコールドトラップは、過大な冷凍設備と、冷凍回路を安定に動作させるための対策を必要とするため、設備の大型化、複雑化と、ランニングコストの増大を招くことになる。
以上のような事情に鑑み、本発明の目的は、簡単な設備で被乾燥物の最終的な乾燥度を上げることのできる真空乾燥装置及び真空乾燥方法を提供することにある。
上記目的を達成するため、本発明の一形態に係る真空乾燥装置は、乾燥室と、第1の排気経路と、第2の排気経路と、切替部と、排気部とを有する。
上記乾燥室は、被乾燥物を収容する。
上記第1の排気経路は、上記乾燥室に接続され、第1の温度に冷却されることが可能な第1の捕集面を有する。
上記第2の排気経路は、上記第1の排気経路と独立に上記乾燥室に接続され、上記第1の温度より低い第2の温度に冷却されることが可能な第2の捕集面を有する。
上記切替部は、上記第1の排気経路と上記第2の排気経路とを選択的に開放する。
上記排気部は、上記乾燥室内を排気する。
本発明の別の形態に係る真空乾燥方法は、被乾燥物を収容する乾燥室内の水分を、第1の捕集面で捕集することを含む。
後に、上記乾燥室内の水分は、上記第1の捕集面より低い温度に設定された第2の捕集面で捕集される。
本発明の一実施形態に係る真空乾燥装置を示す概略図である。 本発明の他の実施形態に係る真空乾燥装置を示す概略図である。
本発明の一実施形態に係る真空乾燥装置は、乾燥室と、第1の排気経路と、第2の排気経路と、切替部と、排気部とを有する。
上記乾燥室は、被乾燥物を収容する。
上記第1の排気経路は、上記乾燥室に接続され、第1の温度に冷却されることが可能な第1の捕集面を有する。
上記第2の排気経路は、上記第1の排気経路と独立に上記乾燥室に接続され、上記第1の温度より低い第2の温度に冷却されることが可能な第2の捕集面を有する。
上記切替部は、上記第1の排気経路と上記第2の排気経路とを選択的に開放する。
上記排気部は、上記乾燥室内を排気する。
この真空乾燥装置によれば、水蒸気の凝縮負荷を第1の捕集面及び第2の捕集面で分割しているので、第1の捕集面にて真空度の低い乾燥初期の大きな水分凝縮負荷に対応でき、第2の捕集面にて低負荷ではあるが真空度の高い乾燥末期にも対応することができる。これにより、簡単な設備で被乾燥物の最終的な乾燥度を上げることができる。
上記切替部は、上記第1の排気経路を開放且つ上記第2の排気経路を閉塞し、後に、上記第1の排気経路を閉塞且つ上記第2の排気経路を開放してもよい。
この真空乾燥装置によれば、第1の捕集面より低温の第2の捕集面を乾燥末期に用いることにより乾燥末期の圧力の低下を実現できるので、被乾燥物の最終的な乾燥度を上げることができる。
上記真空乾燥装置は、上記被乾燥物を所定の設定温度で加熱する加熱手段をさらに有してもよい。
この真空乾燥装置によれば、加熱手段により被乾燥物を加熱することで、被乾燥物の乾燥を促進できる。
上記切替部は、上記被乾燥物の温度を検知する温度検知部を有してもよい。
上記切替部は、上記温度検知部により検知された上記被乾燥物の温度と上記加熱手段の上記設定温度とに基き、上記第1の排気経路を閉塞且つ上記第2の排気経路を開放してもよい。
この真空乾燥装置によれば、温度検知部は、加熱手段により加熱される被乾燥物の温度に基き第1の排気経路及び第2の排気経路を選択的に開放するので、排気経路を開閉するタイミングを容易に決定することができる。
上記乾燥室内を排気するための排気部は、上記第1の排気経路及び上記第2の排気経路のうち少なくとも上記第1の排気経路に接続される。
排気部を第1の排気経路に接続した場合、第2の捕集面は、クライオポンプ等で構成することができる。また、第1の排気経路及び第2の排気経路に排気部を共通に接続することで、乾燥装置の構成の簡素化、低消費電力化を図ることができる。
本発明の一実施形態に係る真空乾燥方法は、被乾燥物を収容する乾燥室内の水分を、第1の捕集面で捕集することを含む。
後に、上記乾燥室内の水分は、上記第1の捕集面より低い温度に設定された第2の捕集面で捕集される。
この真空乾燥方法によれば、水蒸気の凝縮負荷を第1の捕集面及び第2の捕集面で分割しているので、第1の捕集面にて真空度の低い乾燥初期の大きな水分凝縮負荷に対応でき、第2の捕集面にて低負荷ではあるが真空度の高い乾燥末期にも対応することができる。また、第2の捕集面を第1の捕集面より低温とすることで、乾燥末期の圧力の低下を実現できるので、被乾燥物の最終的な乾燥度を上げることができる。
上記真空乾燥方法は、さらに、上記被乾燥物を加熱することを含んでもよい。
上記被乾燥物の温度が所定の値になったときに、上記第1の捕集面による捕集を終了させ、上記第2の捕集面による捕集を開始させることができる。
この真空乾燥方法によれば、被乾燥物を加熱することで、被乾燥物の乾燥を促進できる。また、被乾燥物の温度に基き第1の補集面による捕集から第2の補集面による捕集に切り替えるので、使用する捕集面を切り替えるタイミングを容易に決定することができる。
以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態を説明する。
<真空乾燥装置の構成>
図1は、本発明の一実施形態に係る真空乾燥装置を示す概略図である。
本実施形態に係る真空乾燥装置1は、例えば医薬品、食品、化粧品又は化学品等の原料液を凍結して真空乾燥するためのものである。被乾燥物は、上記原料液を容器に収容した液体状態であってもよいし、前工程で真空凍結させた固体状態(例えば塊状、粉末状)であってもよい。本実施形態は、前者の例で説明する。
真空乾燥装置1は、乾燥室2と、コントロールユニット6と、真空ポンプ9(排気部)と、第1の排気経路7に設けられた第1のコールドトラップ10と、第1の冷却ユニット13と、第2の排気経路8に設けられた第2のコールドトラップ16と、第2の冷却ユニット19とを有する。
乾燥室2は、被乾燥物たる試料Sを真空乾燥させるための空間である。乾燥室2内の真空度は、例えば5〜300Paの範囲で調整可能とされている。乾燥室2は、それぞれ試料Sが載置されたトレー(図示略)を支持する複数の棚3を多段に有する。
複数の棚3には、それぞれヒータ4が設けられている。ヒータ4は、コントロールユニット6に制御され、棚3に載置された試料Sを加熱する。ヒータ4としては、例えば、棚3の内部に温媒を循環させる機構や、シーズヒータなどの抵抗加熱式のヒータ等で構成することができる。ヒータ4の設定温度は特に限定されず、例えば20℃である。少なくともいずれか1つの棚3には、温度センサ5が設けられている。温度センサ5は、ヒータ4により加熱される棚3上に載置された試料Sの温度を検知し、これを検知信号としてコントロールユニット6に出力する。
乾燥室2には、それぞれ独立して第1の排気経路7及び第2の排気経路8が接続され、乾燥室2はこの第1の排気経路7及び第2の排気経路8を介して真空ポンプ9に連通される。真空ポンプ9は、乾燥室2内を所定の真空度に排気するためのポンプである。真空ポンプ9としては、ロータリーポンプやドライポンプ等の各種の真空ポンプを採用することができる。なお、第2の排気通路8は、第1の排気通路7から分岐して構成してもよい。
乾燥室2と真空ポンプ9とを連通させる一方の排気経路である第1の排気経路7には、第1のコールドトラップ10が設けられている。第1のコールドトラップ10は、水蒸気を凝結させて捕集することが可能な捕集面(第1の捕集面)を構成する。第1のコールドトラップ10は、後に説明する第2のコールドトラップ16よりも例えば大型とされ、より大量の水蒸気を捕集することが可能な主乾燥用のコールドトラップとして用いられる。第1のコールドトラップ10は、冷却媒体が流通するチューブがコイル状に巻回されて構成されている。これ以外にも、第1のコールドトラップは、平板(プレート)状に構成されていてもよい。第1のコールドトラップ10は、チューブの両端に冷媒の導入部11及び導出部12を有する。これら冷媒の導入部11及び導出部12は、第1のコールドトラップ10内に冷媒を供給し流通させる第1の冷却ユニット13に接続されている。
第1の冷却ユニット13は、コントロールユニット6により制御され、第1のコールドトラップ10内に冷媒を流通させる。第1の冷却ユニット13は、冷媒を圧縮する圧縮機と、圧縮された高温高圧冷媒を液化する凝縮器と、液体冷媒を断熱膨張させる膨張弁と、液体冷媒を気化する蒸発器とを有し、第1のコールドトラップ10は上記蒸発器に相当する。冷媒は、導入部11より第1のコールドトラップ10内に導入され、第1のコールドトラップ10を流通し、導出部12より導出されることにより循環する。なお、冷媒としては例えばフロンガスR404Aを用いることができる。第1の冷却ユニット13は、第1のコールドトラップ10の表面(第1の捕集面)を第1の温度に冷却する。第1の温度とは、第1のコールドトラップ10が乾燥室2内の試料Sから昇華した水蒸気の殆どを凝結させて捕集できることが可能な温度であり、その値は、乾燥対象物である試料の種類、乾燥室の到達圧力等に応じて設定され、本実施形態では、約−60℃である。
第1の排気経路7において、乾燥室2と第1のコールドトラップ10との間には、第1の切替弁14が設けられ、第1のコールドトラップ10と真空ポンプ9との間には、第1の切替弁15が設けられている。第1の切替弁14,15は、コントロールユニット6により開閉制御される。第1の切替弁14,15をともに開放することにより、乾燥室2と真空ポンプ9とが互いに連通される。第1の切替弁14,15をともに閉塞することにより、第1の排気通路7を介しての乾燥室2内の排気が制限される。
一方、乾燥室2と真空ポンプ9とを連通させる他方の排気経路である第2の排気経路8には、第2のコールドトラップ16が設けられている。第2のコールドトラップ16は、水蒸気を凝結させて捕集することが可能な捕集面(第2の捕集面)を構成する。第2のコールドトラップ16は、第1のコールドトラップ10と同様の構成を有するが、第1の捕集面よりも低い第2の温度に冷却されることが可能に構成されている。本実施形態において、第2のコールドトラップ16は、第1のコールドトラップ10よりも小型とされ、捕集可能な水蒸気量は第1のコールドトラップ10よりも少量であり、仕上げ乾燥用のコールドトラップとして用いられる。第2のコールドトラップ16は、チューブの両端に冷媒の導入部17及び導出部18を有する。これら冷媒の導入部17及び導出部18は、第2のコールドトラップ16内に冷媒を供給し流通させる第2の冷却ユニット19に接続されている。
第2の冷却ユニット19は、第1の冷却ユニット13と同様の構成を有し、コントロールユニット6により制御され、第2のコールドトラップ16内に冷媒を流通させる。冷媒は、導入部17より第2のコールドトラップ16内に導入され、第2のコールドトラップ16を流通し、導出部18より導出されることにより循環する。第2の冷却ユニット19は、第2のコールドトラップ16の表面(第2の捕集面)を、第1のコールドトラップ10の表面よりも低い、例えば、およそ−85℃に冷却する。なお、冷媒として、第1の冷却ユニット13と同種の冷媒を用いることが可能であるが、より表面温度を低下させる場合には、液体窒素等を用いてもよい。
第2の排気経路8において、乾燥室2と第2のコールドトラップ16との間には、第2の切替弁20が設けられ、第2のコールドトラップ16と真空ポンプ9との間には、第2の切替弁21が設けられている。第2の切替弁20,21は、コントロールユニット6により開閉制御される。第2の切替弁20,21をともに開放することにより、乾燥室2と真空ポンプ9とが互いに連通される。第2の切替弁20,21をともに閉塞することにより、第2の排気通路8を介しての乾燥室2内の排気が制限される。
この第2の切替弁20,21及び上述の第1の切替弁14,15は、コントロールユニット6により以下のように開閉制御される。すなわち、コントロールユニット6は、第1の切替弁14,15を開放且つ第2の切替弁20,21を閉塞し、又は、第1の切替弁14,15を閉塞且つ第2の切替弁20,21を開放するよう制御する。コントロールユニット6は、このように第1の切替弁14,15と第2の切替弁20,21とを選択的に開閉制御することにより、乾燥室2と真空ポンプ9とを、第1の排気経路7及び第2の排気経路8のいずれか一方により連通させる。
<真空乾燥装置による乾燥方法>
次に、以上のように構成された真空乾燥装置1による、乾燥室2の棚3に堆積された試料Sの真空乾燥方法について説明する。
[主乾燥工程]
コントロールユニット6は、第1の冷却ユニット13を駆動して第1のコールドトラップ10中に冷媒を流通させ、第1の切替弁14,15を開放且つ第2の切替弁20,21を閉塞し、真空ポンプ9を駆動して、乾燥室2を第1の排気経路7を介して排気する。これにより、乾燥室2の圧力が低下することで、試料Sの水分が蒸発する。真空ポンプ9は、水蒸気を含む乾燥室2内の気体を、第1の排気経路7を介して汲み出す。水蒸気は、第1のコールドトラップ10で捕集される。乾燥室2より汲み出された気体のうち窒素等の非凝結気体は、第1のコールドトラップ10で凝結せず真空ポンプ9により汲み出される。試料Sは、水分から蒸発潜熱を奪われることによって凍結する。
次に、コントロールユニット6は、ヒータ4を駆動して乾燥室2内の棚3を加熱する。ヒータ4は、乾燥室2内の棚3を20℃に加熱することにより試料Sを加熱することで、試料Sの乾燥を促進する。加熱された試料Sに含まれる氷は、この試料Sから潜熱を取り込み、昇華して水蒸気になる。真空ポンプ9は、この水蒸気を含む乾燥室2内の気体を、第1の排気経路7を介して汲み出す。真空ポンプ9により汲み出された気体のうち、水蒸気は第1のコールドトラップ10の表面で潜熱を放出し、凝結して氷になることで、第1のコールドトラップ10により捕集される。乾燥室2より汲み出された気体のうち窒素等の非凝結気体は、第1のコールドトラップ10で凝結せず真空ポンプ9により汲み出される。
真空ポンプ9による乾燥室2の排気動作が継続することで、乾燥室2は真空ポンプ9のもつ到達圧力に達する。また、乾燥室2内の水蒸気の凝結点が下がることで、第1のコールドトラップ10の捕集能力が劣化し、乾燥室2内の真空度の上昇が停止する。乾燥室2内の真空度の上昇が停止すると、試料Sに含まれる氷は昇華することができなくなる。その結果、昇華が行われない以上試料Sに含まれる氷は固体原料から潜熱を取り込むことがないので、ヒータ4の加熱作用により試料Sの温度が上昇する。棚3に設けられた温度センサ5は、ヒータ4により加熱される試料Sの表面温度を検知し、これを検知信号としてコントロールユニット6に出力する。コントロールユニット6は、温度センサ5からの検知信号に基き、試料Sの表面温度がヒータ4の加熱温度と等しくなって上限に達したことを判断すると、第1の冷却ユニット13の駆動を停止し、第1の切替弁14,15を閉塞する。
[仕上げ乾燥工程]
コントロールユニット6は、次に、第2の切替弁20,21を開放する。第2の冷却ユニット19を駆動して第2のコールドトラップ16中に冷媒を流通させる。なお、ヒータ4及び真空ポンプ9は、主乾燥工程から引き続き駆動状態とされている。また、第2の切替弁20,21が開放される前に、第2の冷却ユニットの駆動が開始されてもよい。
−85℃に冷却された第2のコールドトラップ16は、第1のコールドトラップ10で捕集できなかった水蒸気を捕集する。これに伴い乾燥室2の圧力が低下する。これにより、試料Sに残存する氷の昇華が再開される。試料Sに残存する氷は、試料Sから潜熱を取り込んで昇華し、発生した水蒸気は第2のコールドトラップ16の表面で潜熱を放出して凝結して氷になって第2のコールドトラップ16により捕集される。この仕上げ乾燥により、上記主乾燥が行われた試料Sをさらに乾燥させることができ、試料Sの最終的な乾燥度を上げることができる。
以上のように、本実施形態によれば、第2のコールドトラップ16を第1のコールドトラップ10より低温とすることで、仕上げ乾燥時の圧力の低下を実現できる。これにより、仕上げ乾燥において、主乾燥では捕集できなかった水分子を捕集することができるとともに、試料Sからの昇華をさらに促進して、試料Sの最終的な乾燥度を上げることができる。
また、本実施形態によれば、乾燥時の圧力を下げるためには、第1のコールドトラップ10が設けられた第1の排気経路7から、第2のコールドトラップ16が設けられた第2の排気経路8へと排気経路を切り替えればよい。すなわち、真空ポンプ9の回転数を多段に切り替えたり、真空ポンプ9を複数設けたりする必要がなく、小型の真空ポンプを用いることも可能である。これにより、乾燥装置1の大型化、消費電力の増加又はランニングコストの増加を招くことなく、簡単な設備で主乾燥工程で捕集できなかった水蒸気を捕集して試料Sの最終的な乾燥度を上げることができる。さらに、第1、第2の排気通路7,8にそれぞれ共通の真空ポンプ9を接続しているので、真空排気系の構成の簡素化、低消費電力化を図ることができる。
本実施形態によれば、水蒸気の凝縮負荷を複数台の冷凍回路で分割しているので、乾燥初期の大きな水分凝縮負荷に対応できるとともに、低負荷ではあるが真空度の高い乾燥末期にも対応することができる。これにより、過大な冷凍能力を有する設備が不要となり、簡素な構成で安定した冷凍能力を有する冷凍回路を構築することができる。
図2は、本発明の他の実施形態に係る真空乾燥装置を示す概略図である。なお、図1と対応する部分については同一の符号を付し、その詳細な説明は省略するものとする。
本実施形態の真空乾燥装置31において、真空ポンプ9は、第1の排気経路7に接続されているが、第2の排気経路8に接続されていない点で上述の実施形態と異なる。本実施形態では、第2の排気経路8にクライオポンプ39が接続されており、このクライオポンプ39の極低温面(冷却面)が第2のコールドトラップ16として構成されている。このように、第2のコールドトラップ16を極低温ポンプで構成しても、上述と同様の作用効果を得ることができる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、勿論、本発明はこれに限定されず、本発明の技術的思想に基づいて種々の変形が可能である。
例えば、以上の実施形態では、試料Sの表面温度が上限に達したことが判断され、これに基き排気経路の切り替えが行われたが、これに限られない。試料Sに含まれる氷の昇華が行われなくなったことが判断できればよい。例えば、乾燥室2内の湿度を検知し、これを検知信号としてコントロールユニット6に出力する湿度センサを設けてもよい。このときコントロールユニット6は、湿度センサからの検知信号に基き、乾燥室2が飽和水蒸気量に達したことを判断すると、第1の冷却ユニット13の駆動を停止し、第1の切替弁14,15を閉塞すればよい。
また、乾燥装置1では、第1の排気経路7に設けられた第1のコールドトラップ10と、第2の排気経路8に設けられた第2のコールドトラップ16との間で排気経路を切り替えた。しかしながら、これに限定されない。例えば、3つ以上の表面温度の異なるコールドトラップを有する複数の排気通路を乾燥室2に対してそれぞれ独立に設け、これらを表面温度の高いものから低いものへ順に切り替える装置としてもよい。
さらに、試料Sの乾燥をより促進するため、乾燥室2を第2の排気通路8を介して排気する際、真空ポンプ9よりも到達真空度の高い真空ポンプで排気するようにしてもよい。
1,31…真空乾燥装置
2…乾燥室
3…棚
4…ヒータ
5…温度センサ
6…コントロールユニット
7…第1の排気経路
8…第2の排気経路
9…真空ポンプ
10…第1のコールドトラップ
11,17…導入部
12,18…導出部
13…第1の冷却ユニット
14,15…第1の切替弁
16…第2のコールドトラップ
19…第2の冷却ユニット
20,21…第2の切替弁
39…クライオポンプ

Claims (6)

  1. 被乾燥物を収容する乾燥室と、
    前記乾燥室に接続され、前記被乾燥物から昇華した水分を凝結させて捕集することが可能な第1の温度に冷却されることが可能な第1の捕集面を有する第1の排気経路と、
    前記第1の排気経路と独立に前記乾燥室に接続され、前記第1の温度より低い第2の温度に冷却されることが可能であり前記第1の捕集面よりも小型の第2の捕集面を有する第2の排気経路と、
    前記被乾燥物に含まれる水分を昇華させることが可能な所定の設定温度で加熱する加熱手段と、
    前記第1の排気経路と前記第2の排気経路とを選択的に開放することが可能であり、前記第1の排気経路を開放且つ前記第2の排気経路を閉塞し、後に、前記第1の排気経路を閉塞且つ前記第2の排気経路を開放する切替部と、
    前記乾燥室内を排気するための排気部と
    を具備する真空乾燥装置。
  2. 請求項1に記載の真空乾燥装置であって、
    前記切替部は、前記被乾燥物の温度を検知する温度検知部を有し、
    前記切替部は、前記温度検知部により検知された前記被乾燥物の温度と前記加熱手段の前記設定温度とに基き、前記第1の排気経路を閉塞且つ前記第2の排気経路を開放する
    真空乾燥装置。
  3. 請求項1又は2に記載の真空乾燥装置であって、
    前記排気部は、前記第1の排気経路及び前記第2の排気経路のうち少なくとも前記第1の排気経路に接続されている
    真空乾燥装置。
  4. 請求項3に記載の真空乾燥装置であって、
    前記排気部は、前記第1の排気経路及び前記第2の排気経路に共通に接続されている
    真空乾燥装置。
  5. 乾燥室に接続された第1の排気経路を開放且つ前記第1の排気経路と独立して前記乾燥室に接続された第2の排気経路を閉塞し、
    前記乾燥室内に収容された被乾燥物に含まれる水分を昇華させることが可能な温度で前記被乾燥物を加熱し、
    前記被乾燥物から昇華した水分を、前記第1の排気経路に配置された第1の捕集面で捕集し、後に、
    前記第1の排気経路を閉塞且つ前記第2の排気経路を開放し、
    前記乾燥室内の水分を、前記第1の捕集面より低い温度に設定され前記第1の捕集面よりも小型の第2の捕集面で捕集する
    真空乾燥方法。
  6. 請求項5に記載の真空乾燥方法であって、さらに、
    前記被乾燥物の温度が所定の値になったときに、前記第1の捕集面による捕集を終了し、前記第2の捕集面による捕集を開始する
    真空乾燥方法。
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