JP4421885B2 - 噴霧式真空乾燥法による封入装置 - Google Patents

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本発明は噴霧式真空凍結乾燥法による封入装置に関するものであり、更に詳しくは、医薬品、食品、化粧品等の有効成分である化学物質の微粉末、または同化学物質もしくは微粒化学物質を内包するマイクロカプセル(以降、化学物質のマイクロカプセルと略すことがある)を加熱変性させることなく、かつ無菌的に封入容器へ封入する封入装置に関するものである。
近年、医薬品、食品、化粧品等に使用される化学物質の微粉末または化学物質のマイクロカプセルにおいては、粒子径が100μm以下の微粒子からなるものが要求されている。すなわち、医薬品を呼吸器官への吸入用エアロゾルとする場合には粒子径が2μm程度であることを要し、注射用とする場合には注射針の孔を容易に通過させるために粒子径が10μm以下でなければならない。化粧品においても上記微粉末またはマイクロカプセルを含むローションやクリームとする場合に、それらを構成する微粒子の粒子径が大であると塗布時の感触を低下させる。このことは食品においても同様であり、添加する微粉末またはマイクロカプセルの微粒子の粒子径は食感に影響する。そのほか食品には加熱変性されて風味の損なわれるものがあり、医薬品には加熱変性されて生理活性を失うものがあるが、それらの微粉末またはマイクロカプセルの乾燥時には30〜40℃以上の高い温度をかけることはできない。
このような場合に対し、従来は医薬品、食品、または化粧品の有効成分である化学物質が溶媒に溶解された溶液、または化学物質のマイクロカプセルが分散媒に分散された分散液を原料液としてトレイのような容器に入れ凍結させてブロック状凍結物とし、次いで真空下にブロック状凍結物から溶媒または分散媒を昇華させて乾燥し得られるブロック状乾燥物を粉砕することにより目的の微粒子を得ている。すなわち、上記ブロック状乾燥物を例えば破砕機にかけ、次いでジェット式粉砕機にかけて微粉末とした後、微粉末を含む空気流から微粒子を捕捉するサイクロンにかけて微粒子を取り出している。しかし、原料液を凍結用容器に入れる作業をはじめとして、凍結、乾燥、粉砕のプロセスにおける各作業は人手またはロボットによってバッチ的に行われており、それらの作業を外部から汚染されない無菌的なものとするために、上記の各プロセスはクリーンルーム内に収容することを要しており、装置コストおよびランニングコストが大となっている。
これに対して、密閉系の中で、原料液を垂直な中空管の内面に一定の厚さに流し凍結させてチューブ状凍結物とし、液成分を真空下に昇華させて乾燥し、次いで中空管から落下させて得られる乾燥品を粉砕機にかけて微粉末とするプロセスを連続的に行う凍結乾燥装置が提案されている(例えば特許文献1を参照。)。
特開2002−130941号公報(第5頁、[0022から[0023]まで、および第2図)
特許文献1の装置は、クリーンルーム内への設置を要せずに無菌的な真空凍結乾燥が可能なものとなっているが、液材料を中空管の内壁面または外壁面に凍結させているので凍結濃縮を生じ易く、乾燥させて得られるチューブ状乾燥物を粉砕しても全てが微粒子とはならない。また、化学物質のマイクロカプセルが分散媒に分散された分散液から特許文献1の凍結乾燥装置によってマイクロカプセルを取り出す場合には、凍結時および粉砕時にマイクロカプセルが破壊され易いと言う問題もある。
本発明は上述の問題に鑑みてなされ、化学物質が溶解されている溶液、または化学物質を内包するマイクロカプセルが分散されている分散液を原料液とし、その原料液を真空下に噴霧し凍結させて濃度の均一な微小凍結物とし、微小凍結物から溶媒または分散媒を昇華させ乾燥して均一な微粒子からなる化学物質の微粉末または化学物質のマイクロカプセルとした後、それらを封入容器内へ収容するまでを連続的かつ無菌的に低コストで行うことのできる封入装置を提供することを課題とする。
上記の課題は請求項1の構成によって解決されるが、その解決手段を説明すれば次に示す如くである。
上記の噴霧式真空凍結乾燥法による封入装置は、化学物質が溶媒中に溶解された溶液、または化学物質もしくは微粒化学物質を内包するマイクロカプセルが分散媒中に分散された分散液である原料液を真空下にノズルから噴霧して微小凍結物とする凍結プロセスと、微小凍結物に含まれる溶媒または分散媒を真空下に昇華させる乾燥プロセスが同一塔内で連続して行われる真空凍結乾燥塔を少なくとも有し、真空凍結乾燥塔の外部に原料液を塔内のノズルへ供給する原料液供給容器が設けられ、真空凍結乾燥塔の内部に収集部と移送部とが設けられており、収集部は原料液が噴霧され凍結されて降下する微小凍結物を受け収集して乾燥させ、乾燥後に残る化学物質の微粉末、または化学物質のマイクロカプセルを開口部から下方へ落下させるもの、移送部は落下する上記の微粉末またはマイクロカプセルを受けて真空凍結乾燥塔の底部排出口へ振動により移送するものであり、底部排出口に第1真空弁を介して分岐部が接続されており、分岐部に微粉末またはマイクロカプセルを収容する複数の封入容器が切り換え可能に、かつ真空凍結乾燥塔の作動中にも着脱可能に取り付けられている装置である。
このような噴霧式真空凍結乾燥法による封入装置は、真空下に原料液をノズルから噴霧し凍結させて微小凍結物とし、微小凍結物から溶媒または分散媒を昇華させることにより、高温度をかけることなく、また粉砕操作を要せずして微粒子からなる化学物質の微粉末、または化学物質のマイクロカプセルとすることができる。そして上記微粉末または上記マイクロカプセルは塔内を底部排出口へ移送され、底部排出口に第1真空弁を介して接続された分岐部に取り付けられる複数の封入容器へ収容されるが、複数の封入容器は切り換え可能に、かつ真空凍結乾燥塔の作動中にも着脱可能に取り付けられていることから、原料液の噴霧、凍結から微粉末またはマイクロカプセルを封入容器へ収容するまでを高い稼動率で、かつ人手によらず、また外気に接触させることなく無菌的に行うことが可能であり、更には凍結プロセスと乾燥プロセスが同一の真空凍結乾燥塔において連続して行なわれることから、装置コストおよび装置の設置スペースを格段に低減させる。なお、上記の真空弁とは真空シールが可能な弁を意味し、通常的には、弁体と弁座とがO−リング等を介して当接されて弁が閉じられるものである。
上記の噴霧式真空凍結乾燥法による封入装置は、原料液供給容器に原料液の上部空間を加圧する加圧管および/または上部空間を減圧する減圧管が接続されるか、または加圧と減圧との可能な加圧・減圧管にまとめて接続されている装置である。
このような噴霧式真空凍結乾燥法による封入装置は、原料液の上部空間を加圧して原料液の噴霧圧力を調整することによりノズルから噴霧して形成される微小液滴の粒子径を調整することができるほか、原料液が気泡を有しており、その気泡によってノズルからの噴霧状態が乱される場合には、事前に原料液の上部空間を 減圧することにより原料液を減圧脱泡することができる。
上記の噴霧式真空凍結乾燥法による封入装置は、原料液供給容器に原料液の冷却装置が取り付けられている装置である。
このような噴霧式真空凍結乾燥法による封入装置は、原料液の温度を低下させることによりノズルから噴霧して形成される原料液の微小液滴を直ちに凍結させることが可能になる。
上記の噴霧式真空凍結乾燥法による封入装置は、収集部が漏斗形状とされ、広口の受け面部と、受け面部の中央に形成された開口部からなっている装置である。
このような噴霧式真空凍結乾燥法による封入装置は、収集部の受け面部で受けた微小凍結物から溶媒または分散媒を昇華させつつ微小凍結物を中央の開口部へ向って移動させ、開口部でまとめて下方へ落下させる。
上記の噴霧式真空凍結乾燥法による封入装置は、移送部が中央の始端部からスパイラル状に拡がりつつ下降して終端部に至る移送面を備えた振動コンベアからなっている装置である。
このような噴霧式真空凍結乾燥法による封入装置は、移送面の始端部で受けた微小凍結物を終端部までの長い移送面で移送して真空凍結乾燥塔の底部排出口へ至らせるが、その長い移送面を振動され混合されつつ移送されることにより微小凍結物からの溶媒または分散媒の昇華の度合いが均等に高められ、終端部では化学 物質の微粉末または化学物質のマイクロカプセルとなって移送される。なお、ここに言う振動コンベアは振動フィーダと称されるものを含む。
上記の噴霧式真空凍結乾燥法による封入装置は、収集部と移送部との少なくとも何れかの上面に存在する微小凍結物を加熱する装置が取り付けられている装置である。
このような噴霧式真空凍結乾燥法による封入装置は、微小凍結物を適切な温度に加熱して、微小凍結物からの溶媒または分散媒の昇華を加速させる。
上記の噴霧式真空凍結乾燥法による封入装置は、分岐部に設けられ複数の分岐路のそれぞれに第2真空弁を介して封入容器が取り付けられている装置である。
このような噴霧式真空凍結乾燥法による封入装置は、一つの封入容器において化学物質の微粉末または化学物質のマイクロカプセルの収容量が所定の値に達すると、一つの封入容器が接続されている第2真空弁を閉じ、他の封入容器が接続されている第2真空弁を開けることにより他の封入容器へ切り換えて収容することができる。そして、一方の封入容器に対応する第2真空弁は閉られているので、微粉末またはカプセルに収容された一方の封入容器を第2真空弁から取り外し、新しい封入容器を交換に取り付けることが可能であり、そのことによって真空凍結乾燥塔の真空度は影響されないので、封入容器の切り換え、着脱は真空凍結乾燥塔の作動とは無関係に行うことができる。
上記の噴霧式真空凍結乾燥法による封入装置は、分岐部に第1付属真空弁付き接続部が取り付けられており、その接続部は不活性ガスによる加圧ラインと減圧ラインの何れとも接続可能とされている装置である。
このような噴霧式真空凍結乾燥法による封入装置は、分岐部を大気圧に開放した後に元に復帰させる場合、封入容器を取り付けた後に、内部の空気を不活性ガスで置換してから減圧することにより真空凍結乾燥塔と同等の真空度にすることができる。
上記の噴霧式真空凍結乾燥法による封入装置は、封入容器に第2付属真空弁付き接続部が取り付けられており、その接続部は不活性ガスによる加圧ラインと減圧ラインの何れとも接続可能とされている装置である。
このような噴霧式真空凍結乾燥法による封入装置は、大気圧に開放した封入容器を閉じられた第2真空弁に取り付けた後、不活性ガスで置換してから減圧することによって真空凍結乾燥塔との接続が可能になる。また、微粒子またはカプセルを収容し第2真空弁を閉じた後、要すれば封入容器を不活性ガスで加圧して、封入容器を第2真空弁と共に分岐部から取り外すことにより封入されている微粉末またはカプセルを大気に接触させることなく次工程へ搬送することができる。
霧式真空凍結乾燥法による封入装置によれば、原料液が噴霧された微小液滴を微小凍結物とする凍結プロセスと、微小凍結物から溶媒または分散媒を昇華させて乾燥する乾燥プロセスを同一塔内で連続して行われる真空凍結乾燥塔を少なくとも有しており、乾燥された化学物質の微粉末または化学物質のマイクロカプセルは真空凍結乾燥塔の底部排出口に第1真空弁を介して接続された分岐部に切り換え可能に、かつ真空凍結乾燥塔の作動中にも着脱可能に取り付けられた複数の封入容器へ収容されるので、真空下に原料液をノズルから噴霧して凍結し乾燥させることにより、化学物質を加熱変性させることなく、また粉砕操作を要せずに、微粒子からなる化学物質の微粉末または化学物質のマイクロカプセルが得られる。また原料液の噴霧から封入容器への微粉末またはマイクロカプセルの収容までの操作を人手によらず外気に触れることもなく無菌的に施すことができるほか、真空凍結乾燥塔の作動中にも封入容器の切り換えや着脱が可能であることから、封入装置の稼動率を高く維持できる。更には原料液を噴霧して微小凍結物とする凍結プロセスと、微小凍結物から溶媒または分散媒を昇華させる乾燥プロセスが同一の真空凍結乾燥塔内で連続して行なわれることにより、装置コストおよび装置の設置スペースが格段に低減される。
上記の噴霧式真空凍結乾燥法による封入装置によれば、原料液供給容器に原料液の上部空間を加圧または減圧することが可能であるので、原料液の上部空間を加圧することによりノズルから噴霧される噴霧圧力を調整して微小液滴の粒子径を調整することができ、原料液が気泡を有している場合には、原料液の上部空間を減圧することにより原料液を減圧脱泡することができる。
上記の噴霧式真空凍結乾燥法による封入装置によれば、原料液供給容器に原料液の冷却装置が取り付けられているので、原料液の温度を低下させ、ノズルからの噴霧によって形成される微小液滴を直ちに凍結させて生産性を高め得る。
上記の噴霧式真空凍結乾燥法による封入装置によれば、収集部が漏斗形状とされ、広口の受け面部と、受け面部の中央に形成された開口部からなっているので、受け面部で受けた微小凍結物を中央の開口部分へ向かって移動させながら乾燥させ、乾燥後に残る化学物質の微粉末または化学物質のマイクロカプセルを開口部から下方へ落下させることができ、所定外の経路への落下を防ぐことができる。
上記の噴霧式真空凍結乾燥法による封入装置によれば、移送部が振動コンベアからなり、その移送面が中央の始端部からスパイラル状に拡がりつつ下降するものとされているので、乾燥が充分でない微小凍結物を長い移送面で移送しつつ昇華を促進し乾燥させて、その終端から底部排出口へ定量的に移送することができる。
上記の噴霧式真空凍結乾燥法による封入装置によれば、収集部および移送部に存在する微小凍結物を加熱する装置が取り付けられているので、微小凍結物を適切な温度に加熱して、微小凍結物に含まれている溶媒または分散媒の昇華を加速させることができる。
上記の噴霧式真空凍結乾燥法による封入装置によれば、第1真空弁に接続された二股分岐部の分岐路のそれぞれに第2真空弁を介して封入容器が取り付けられているので、一方の封入容器内へ移送されてくる化学物質の微粉末または化学物質のマイクロカプセルの量が所定の値に達すると、分岐路を切り換えて他方の 封入容器へ収容することができる。そして、一方の封入容器は第2真空弁を閉じた状態で分岐路から取り外して新しい封入容器と交換することができ、封入容器への収容を連続して行うことができる。
上記の噴霧式真空凍結乾燥法による封入装置によれば、閉じた第1真空弁に分岐部を接続した状態で、第2真空弁が閉じて、分岐部内の空気を不活性ガスで置換し減圧することができるので、何らかの理由で大気に接触した分岐部を、元の状態に復帰させることができる。
上記の噴霧式真空凍結乾燥法による封入装置によれば、封入容器を閉じた第2真空弁に取り付けた状態として、封入容器内の空気を、不活性ガスで置換して減圧することができるので、新しい封入容器であっても第2真空弁に難なくとりつけることができる。

上述したように、本発明の噴霧式真空凍結乾燥法による封入装置は、化学物質が溶媒中に溶解された溶液、または化学物質もしくは微粒化学物質を内包するマイクロカプセルが分散媒中に分散された分散液である原料液を真空下にノズルから噴霧して微小凍結物とする凍結プロセスと、微小凍結物に含まれる溶媒または分散媒を真空下に昇華させる乾燥プロセスとが同一塔内で連続して行われる真空凍結乾燥塔を少なくとも有し、真空凍結乾燥塔の外部に原料液を塔内のノズルへ供給する原料液供給容器が設けられ、真空凍結乾燥塔の内部に収集部と移送部とが設けられており、該収集部は原料液が噴霧され凍結されて降下する微小凍結物を受け収集して乾燥させ、乾燥後に残る化学物質の微粉末、または化学物質のマイクロカプセルを開口部から下方へ落下させるもの、移送部は落下する上記の微粉末またはマイクロカプセルを受けて真空凍結乾燥塔の底部排出口へ移送するものであり、かつ底部排出口に第1真空弁を介して分岐部が接続されており、分岐部に微粉末またはマイクロカプセルを収容する複数の封入容器が切り換え可能に、かつ真空凍結乾燥塔の作動中にも着脱可能に取り付けられている装置である。
真空下に原料液をノズルから噴霧して形成される微小液滴は溶媒または分散媒が蒸発して微小液滴から蒸発の潜熱を奪うため微小液滴は凍結して微小凍結物となるが、噴霧後に直ちに凍結させるためには、原料液の温度は可及的に下げておくことが望ましく、原料液供給タンクは原料液の冷却装置を備えたものとされる。また、噴霧によって形成される微小液滴の粒子径は、微小液滴が凍結される微小凍結物の粒子径、更には微小凍結物から溶媒または分散媒が昇華して残る化学物質の微粉末または化学物質のマイクロカプセルを構成する微粒子の粒子径を支配するので、微小液滴の粒子径を決定する因子は厳密な制御されねばならない。
微小液滴の粒子径は真空凍結乾燥塔の真空度やノズルの孔径のほか、ノズルからの噴霧圧力によっても支配されるので、原料液供給容器は噴霧圧力を調製することができるように原料液の上部空間を加圧する加圧管または加圧ポンプを備えたものであることが望ましい。ノズルには原料液を噴霧し凍結乾燥させる場合に一般的に使用されているものがそのまま使えるが、孔径の異なるものが交換可能とされていることが好ましい。そのほか、原料液が気泡を有しておりノズルからの噴霧状態を乱す怖れがある場合には、原料液の上部空間を減圧し得る減圧管を原料液供給容器に設けておくことにより、噴霧の事前に原料液供給容器を利用して原料液を減圧脱泡させることができる。
収集部は真空凍結乾燥塔内を枝垂れ状に降下してくる微小凍結物を受けて収集し、微小凍結物からの溶媒または分散媒を昇華させて下方へ落下させ得るものであれば如何なる形状のものであってもよいが、受けた微小凍結物からの溶媒または分散媒の昇華を効果的に進行させ、その間、所定の経路以外へ散逸を防ぐには漏斗形状のもの、すなわち、真空凍結乾燥塔内にほぼ一杯に広がる受け面部を有し、微小凍結物が受け面部の傾斜に沿い中央へ向かって自重で移動して、中央の開口部から落下するものであることが好ましい。上記とは逆に、受け面部を高い中心部から塔の内壁へ向って下がり傾斜の面を有する円錐状の受け面部とし、その周辺から落下する化学物質の微粉末、または化学物質のマイクロカプセルを集めて移送部へ落下させるようにしてもよい。
移送部は収集部から受ける微小凍結物が乾燥の充分でない場合であっても、溶媒または分散媒を充分に昇華させて真空凍結乾燥塔の底部排出口へ導くことができるものであればよいが、例えば中央の始端部からスパイラル状に拡がりつつ下降する移送面を電磁的に捩り振動させる振動コンベアは、移送面が下降するほど長くなり面積が大になることから微小凍結物は厚さが減じ昇華が促進されるので好ましい。そのほか、微小凍結物を直線状に下方へ移送する振動コンベアの複数台を組み合わせたものとすることができるが、移送距離を長く取ることができ、その間に充分に真空乾燥できるものであることが望ましい。なお、昇華が容易であるものについては、スパイラル状に形成された断面が樋状のシュートとしてもよい。
収集部および移送部にある微小凍結物からの溶媒または分散媒の昇華を加速させるために、微小凍結物を加熱することができる加熱装置を設けることが好ましい。通常的には、抵抗加熱式ヒータを収集部の受け面部に埋め込むことが行なわれる。勿論、振動コンベアの移送面にも抵抗加熱式ヒータを埋め込んでもよい。また、赤外線ランプで加熱することも可能である。そのほか、真空凍結乾燥塔の外側に高周波発生装置を設けて、その装置からの高周波を塔内へ導入し、溶媒または分散媒の誘電損失を利用する高周波加熱を行うようにしてもよい。高周波加熱は溶媒または分散媒のみを加熱し、収集部や移送部、化学物質の微粉末自体または化学物質のマイクロカプセル自体を加熱しないので、加熱エネルギーが有効に利用される。なお、化学物質の加熱変性を避けるために、加熱の上限温度は例えば30℃に設定される。
本発明の封入装置は、真空凍結乾燥塔の底部排出口に第1真空弁を介して接続された分岐部に複数の封入容器が切り換え可能に、かつ真空凍結乾燥塔の作動中にも着脱可能に取り付けられたものであるが、これを封入容器が2基の場合で説明すると、化学物質の微粉末または化学物質のマイクロカプセルの移送路を二本に分岐させる二股分岐部が第1真空弁に接続され、二股に分かれた分岐路それぞれの端部には第2真空弁を介して封入容器が取り付けられる。そして上記の微粉末またはマイクロカプセルが何れの封入容器の方へ収容されるかの分岐路の選択は二股分岐部の分岐個所に設けられた例えば振り分け羽根によって行われる。勿論、選択手段は振り分け羽根以外であってもよい。そして、一方の封入容器に所定量の微粉末またはマイクロカプセルが収容されると、対応する第2真空弁を閉じると共に、振り分け羽根を他方の封入容器へ導くように切り換える。微粉末またはマイクロカプセルを収容した一方の封入容器は、対応する第2真空弁が閉じられているので、第2真空弁から取り外し、交換に新しい封入容器を取り付けることができる。すなわち、上記の封入容器の切り換えや着脱によって真空凍結塔の真空度が乱されることはない。
更には、二股分岐部および封入容器は、不活性ガスによる加圧ラインと減圧ラインの何れとも接続可能な付属真空弁付き接続部を取り付けたものとすることが好ましい。すなわち、真空凍結乾燥塔と二股分岐部との間の第1真空弁を閉じてから微粉末またはマイクロカプセルを収容した封入容器を第2真空弁と共に二股分岐部から取り外すことによって微粉末やマイクロカプセルを大気に接触させることなく次工程へ搬送することができるが、二股分岐部は大気に開放されることになる。また、新しい封入容器も大気に開放された状態で開口側を二股分岐部に取り付けるので、取り付けただけの状態で第1真空弁を開けることはできないからである。その状態において、二股分岐部の付属真空弁付き接続部に不活性ガスの加圧ラインを接続して加圧しパージする操作を繰り返して、二股分岐部と封入容器内の空気を不活性ガスで置換することができ、その後、付属真空弁付き接続部から加圧ラインを外して減圧ラインを接続し、真空凍結乾燥塔の真空度まで減圧することによって第1真空弁を開けることができるからである。
封入容器に付属真空弁付き接続部を取り付けるのは、真空状態にある二股分岐部に閉とされた第2真空弁を介して大気に開放された封入容器を取り付ける場合、取り付けただけの状態で第2真空弁を開けることはできないからである。その状態において、封入容器の付属真空弁付き接続部に不活性ガスの加圧ラインを接続し加圧しパージして封入容器内の空気を不活性ガスで置換し、続いて減圧ラインで封入容器内を真空凍結乾燥塔の真空度まで減圧することによって第2真空弁を開けることができるからである。そのほか、付属真空弁付き接続部は、第2真空弁が閉じられた状態で内部が真空になっている封入容器を第2真空弁から取り外す時に、封入容器へ空気を導入するか、不活性ガスで大気圧まで加圧する時にも使用される。
そして、真空凍結乾燥塔内を排気する真空ポンプは、勿論、コールドトラップを介して、真空凍結乾燥塔の上端部に接続される。コールドトラップは溶媒または分散媒の蒸気を凝結させるが、その凝結面温度は真空凍結乾燥塔内の微小凍結物の温度より低い温度とされる。すなわち、微小凍結物面における溶媒または分散媒の蒸気圧よりもコールドトラップの凝結面における溶媒または分散媒の蒸気圧を低くすることにより昇華した蒸気をコールドトラップ側へ移動させるドライビングフォースを生ずるからである。そのために、コールドトラップの凝結面は例えば液体窒素によって冷却される。また、凝結面が溶媒または分散媒の蒸気の凝結物によって覆われてドライビングフォースが低下する場合に備え、コールドトラップは切り換え運転が可能なように2基を並列に設けることが好ましい。すなわち、一方が排気の凝結に使用されている場合には、他方は凝結物の除去、すなわち凝結面の霜取り行われる。また、真空凍結乾燥塔内の上端部には原料液が噴霧され凍結した微小凍結物が排気と共に流れ出さないように邪魔板を設けることが好ましい。
図1は実施例の噴霧式真空凍結乾燥法による封入装置1の構成を概略的に示す図である。同封入装置1はビタミンB1が水に溶解した状態で存在する水溶液を原料液Rとし、この原料液Rを真空下に噴霧して凍結させ、形成される微小凍結物Fから水分を昇華させて乾燥することにより、ビタミンB1の微粉末Pを取り出す真空凍結乾燥塔11を少なくとも有する装置である。詳しくは後述するが、真空凍結乾燥塔11の上端部には真空凍結乾燥塔11内を排気するための真空ポンプ23がコールドトラップ22を介して接続されている。また、真空凍結乾燥塔11の外部に設けられた原料液供給タンク31からの原料液供給管32が真空凍結乾燥塔11の上端側の内部に挿入されており、その下向きの先端部には原料液Rを噴霧させるノズル12が取り付けられている。そして、真空下にノズル12から噴霧されて形成される原料液Rの微小液滴は水分が蒸発し、蒸発の潜熱を奪われることにより凍結して微小凍結物Fとなるが、含まれている水分が更に昇華することによって微小凍結物Fは乾燥される。
図1において、真空凍結乾燥塔11の右側上方には、二系統の真空排気系が並列に設けられている。すなわち、真空凍結乾燥塔11の上端部から二股に分かれた排気管21の一方の分岐管21aには、真空凍結乾燥塔11内を排気するための真空ポンプ23aがコールドトラップ22aを介して接続されており、コールドトラップ22aの上流側には開閉弁21va、コールドトラップ22aと真空凍結乾燥塔11との間には排気弁22vaが設けられている。また他方の分岐管21bにも同様に開閉弁21va、コールドトラップ22b、排気弁22vb、真空ポンプ23bが接続されている。
排気である水蒸気を凝結させるためのコールドトラップ22a、22bの凝結面は真空凍結乾燥塔11内の微小凍結物Fの温度よりも低い温度とするために液体窒素で冷却されている。凝結面が霜によって覆われると凝結能力が低下し、水蒸気をコールドトラップ22a(または22b)の方へ移動させるためのドライビングフォースが低下するので、長時間の運転が行なわれる場合には、二系統のうちの一方が真空排気している時には、他方はコールドトラップの霜取りを行うように交互に切り換えて使用するためである。そのほか、真空凍結乾燥塔11の上端部内には排気に対する複数枚の邪魔板10が設けられている。排気に同伴されて微小凍結物Fが排出されることを防ぐためのものである。
また図1において、真空凍結乾燥塔1の左側の上方には、原料液供給タンク31が設置されている。原料液供給タンク31の底部から真空凍結乾燥塔11の上端側の内部へ挿入されている原料液供給管32の先端部には上述した噴霧用のノズル12が取り付けられており、原料液供給タンク31とノズル12との間には開閉弁32vが設けられている。そして、原料液供給タンク31の上部には、原料液補給管33が開閉弁33vと共に接続されており、原料液Rの上部空間を加圧または減圧するための加圧・減圧管34が圧力調整弁34vと共に接続されている。図1に示すように、加圧・減圧管34は開閉弁36vを備えた圧縮機36からなる加圧源と、開閉弁37vを備えた真空ポンプ37からなる真空排気源とが1本にまとめられたものである。すなわち、原料液Rの上部空間を加圧することにより、ノズル12からの噴出圧力を調整することができる。また、原料液Rが気泡を有しておりノズル12における噴霧状態を乱す場合には、噴霧を開始する前に原料液Rの上部空間を減圧して原料液Rを減圧脱泡することができる。
更には、原料液Rをノズル12から噴霧され形成される微小液滴を可及的に早く凍結させるために、原料液Rは原料液供給タンク31内で冷却される。そのために図示せずとも原料液供給タンク31には冷却装置が設置されている。そして原料液供給管32の原料液供給タンク31から真空凍結乾燥塔11に至る部分には図示せずとも断熱材が巻かれており、供給の途中で原料液Rが温度上昇しないように保冷されている。
真空凍結乾燥塔11の内部には、上記ノズル12のほか、上方から降下する微小凍結物Fを受けて乾燥させる漏斗形状の収集部13が設けられている。すなわち、収集部13は真空凍結乾燥塔11の内径に近い外径を有する上開きの受け面部13fと、中央部から垂下された短管部13pとからなっている。そして、受け面部13fで受けられた微小凍結物Fは自重によって受け面部13fの傾斜面に沿って中央部へ移動し、その間に水分が昇華することによって乾燥されながら中央の短管部13p内を経て下方へ落下するようになっている。そして、受け面部13fには図示せずとも微小凍結物Fを加熱して水分の昇華を加速させるための抵抗加熱式ヒータが埋め込まれている。
収集部13の下方には、収集部13の短管部13pから落下してくる乾燥が充分でない微小凍結物Fを受けて底部排出口18へ移送しながら水分を昇華させて乾燥する移送部としての振動コンベア14が設置されている。図2は振動コンベア14を示す図であり、図2のAは振動コンベア14の駆動部41を示す。図2のAにおいては、駆動部41を明確に示すために、スパイラル状移送部15は一点鎖線で示されている。また、図2のBはスパイラル状移送部15の平面図である。すなわち、スパイラル状移送部15は全体として傘状に形成されており、その移送面16は始端部である中央の頂面16tから漸次下降する螺旋状に形成されているが、移送面16の下流端部は螺旋部から離隔した直線状に形成されており、補強板部15rによって連結されており螺旋状部と一体的に振動するようになっている。そして移送面16の終端16eは真空凍結乾燥塔11の底部排出口18に近接した位置となっている。なお、移送面16の断面は側壁17によって樋状になっている。すなわち、振動コンベア14はスパイラル状移送部15の移送面16の始端部である頂面16tで乾燥が充分でない微小凍結物Fを受け、スパイラル状に拡がる移送面16によって漸次下方へ移送しながら乾燥させるが、そのことによって昇華が促進され均等化される。そして、充分に乾燥されて残るビタミンB1の微粉末Pを真空凍結乾燥塔11の底部排出口18へ導く。
図2のAを参照し、駆動部41においては、スパイラル状移送部15の内側の下面の水平部に円板状の可動コア42が一体的に取り付けられており、その可動コア42は90度の角度間隔で四方に配置された4本の傾斜板バネ43によって固定ブロック44と連結されている。固定ブロック44は真空凍結乾燥塔11の底部Bに固定されているブロックである。そして、固定ブロック44上にはコイル45を巻装した電磁石46が可動コア42と僅かな間隙gをあけて対向するように固定されている。従って、コイル45に交流が通電されると、電磁石46による可動コア42の吸引と、吸引によって変形された傾斜板バネ43の復帰とが交互に生じ、スパイラル状移送部15に捩り振動が与えられるので、微小凍結物Fはスパイラル状移送部15の移送面16の下がり傾斜に沿って、また図2のBに矢印で示すようにスパイラル状に下方へ移送される。
図1へ戻り、真空凍結乾燥塔11の底部には底部排出口18が設けられており、その底部排出口18に第1真空弁19を介して二股分岐部51が接続されている。二股分岐部51および封入容器55a、55b部分の拡大図である図3を参照して、二股分岐部51はビタミンB1の微粉末Pの移送路を二本の分岐路51a、51bに分岐させるものであり、分岐個所に設けられ、下端部を支点Oとして左右に倒れる振り分け羽根52によって何れかの分岐路が選択される。更には、窒素ガスによる加圧ラインと減圧ラインの何れとも接続が可能な第1付属真空弁付き接続部53が取り付けられている。そして、分岐路51aには第2真空弁54aを介して封入容器55aが接続されており、その封入容器55aには第2付属真空弁付き接続部56aが取り付けられている。同様に、分岐路51bには第2真空弁54bを介して封入容器55bが接続されており、その封入容器55bにも第2付属真空弁付き接続部56bが取り付けられている。上記の第2付属真空弁付き接続部56a、56bは窒素ガスによる加圧ラインと減圧ラインの何れとも接続が可能とされている。
実施例の噴霧式真空凍結乾燥法による封入装置1は以上のように構成されるが、次にその作用を説明する。図1を参照して、真空凍結乾燥塔11は上端部に接続された真空排気管21の開閉弁21va、排気弁22vaが開とされて、コールドトラップ22a、真空ポンプ23aからなる真空排気系により所定の真空度に維持されており、コールドトラップ22b、真空ポンプ23b側の真空排気系は、真空ポンプ23bは稼動しているものの、開閉弁21vb、22vbを閉じて休止されているものとする。また、原料液供給管32の開閉弁32vは閉じられて、原料液供給タンク21には原料液RとしてのビタミンB1の水溶液が収容されており、原料液Rの上部空間に接続されている加圧・減圧管34は圧縮機36による加圧側とされ、圧力調整弁34vよって所定の圧力に加圧されているものとする。
また、真空凍結乾燥塔11の内部では、収集部13の受け面部13fの上面は埋め込まれている抵抗加熱式ヒータによって所定の温度、例えば30℃に加熱されており、振動コンベア14は駆動部41のコイル45に交流が通電されてスパイラル状移送部15に捩り振動が与えられており、底部排出口18の第1真空弁19は開とされ、二股分岐部51の振り分け羽根52は右側へ倒されており、第1付属真空弁付き接続部53の真空弁は閉じられているものとする。また、第2真空弁54a、および第2真空弁54aに取り付けられている封入容器55aの第2付属真空弁付き接続部56aの真空弁は閉とされており、移送されてくるビタミンB1の微粉末Pは封入容器54aへ収容されるようになっているものとする。そして、上記以外の弁は全て閉じられているものとする。
上記の状態から原料液供給管32の開閉弁32vを開けることにより、原料液供給タンク31から原料液Rが真空凍結乾燥塔11内へ供給されノズル12から一定の圧力で噴霧される。噴霧によって形成される原料液Rの微小液滴は真空によって水分が蒸発し、蒸発の潜熱を奪われて直ちに凍結し微小凍結物Fとなる。そして微小凍結物Fは図1に示すように枝垂れ状になって降下する。降下する微小凍結物Fは下方の収集部13の受け面部13fで受けられて層状に堆積するようになるが、その間、微小凍結物Fに含まれる水分の昇華を伴いながら、受け面部13fの傾斜に沿い中央部へ向かって移動する。また、微小凍結物Fは埋め込まれている抵抗式加熱ヒータで加熱された受け面部13fの熱によって加熱されることから昇華が加速されながら、受け面部13fの中央へ集まり短管部13pから下方へ落下する。
乾燥が充分でない微小凍結物Fは短管部13pから捩り振動している振動コンベア14のスパイラル状移送部15の移送面16の中央の頂面16tへ落下し、頂面16tから径を拡大しつつ旋回して下降する移送面16によって下方へ移送されるが、その間に昇華が促進され乾燥されてビタミンB1の微粉末Pが残り、移送面16の終端16eから真空凍結乾燥塔11の底部排出口18へ落下する。続いて、ビタミンB1の微粉末Pは底部排出口18に取り付けられており、開とされている第1真空弁19を経由して二股分岐部51へ落下する。そして図3を参照し、ビタミンB1の微粉末Pは二股分岐部51の分岐個所において右側へ倒れている振り分け羽根52によって左側の分岐路51aへ導かれ、開とされている第2真空弁54aを経て封入容器55a内へ収容される。
そして、封入容器55aに所定量のビタミンB1の微粉末Pが収容されると、二股分岐部51の第2真空弁54aを閉じると共に、二股分岐部51の振り分け羽根52を反対側へ倒して分岐路51bを開放し、第2真空弁54bを開として封入容器55bへのビタミンB1の微粉末Pの収容が開始される。なお、ビタミンB1の微粉末Pの収容が完了した封入容器55aは第2真空弁54aへの取り付けを外して次工程へ搬送され、第2真空弁54aには、第2付属真空弁付き接続部を備えた新しい封入容器が交換に取り付けられる。そして取り付けた後に、第2付属真空弁付き接続部に窒素ガスの加圧ラインを接続して内部の空気を窒素置換し、次いで付属真空弁付き接続部に減圧ラインを接続して封入容器の内部を真空凍結乾燥塔11の真空度まで減圧し、接続部56aの付属真空弁を閉じてから第2真空弁54aが開けられる。なお、上記封入容器54aの取り外し、および新しい封入容器の取り付けは第2真空弁53aを閉じてから行なわれているので、真空凍結乾燥塔11内の真空度を乱さない。すなわち、真空凍結乾燥塔11の作動とは無関係に封入容器54aを取り外して交換することができる。
本実施例の噴霧式真空凍結乾燥法による封入装置は以上のように構成され、作用するが、本発明はこれに限られることなく、本発明の技術的思想に基づいて種々の変形が可能である。
例えば本実施例においては、微小凍結物Fが収集部13の受け面部13fの中心部へ向かって下がり傾斜の面を短管部13pへ向かって自重で移動する場合を示したが、移動が円滑でない場合には、受け面部13fの下面に電磁バイブレータを取り付けてもよい。また、受け面部13fと微小凍結物Fとの間の摩擦抵抗を軽減させるために、受け面部13fの上面にフッ素樹脂の被膜を形成させてもよい。
また本実施例においては、二股分岐部51は第1付属真空弁付き接続部53を備えたものとしたが、封入物が大気と接触しても酸化されず、第2真空弁54a、54bを取り外す必要がない場合には、付属真空弁付き接続部53を設けなくてもよい。
また本実施例においては、真空凍結乾燥塔11の底部排出口18の第1真空弁19に二股分岐部51を接続して封入容器54aと封入容器54bを取り付けるものとしたが、二股分岐部51に代えて複数の分岐路を選択し得る接続部を使用し、複数の封入容器を取り付ける構成としてもよい。
また本実施例においては、封入容器55a、55bの本体に第2付属真空弁付き接続部56a、56bを取り付けたものとしたが、開口部に真空弁を設け、封入物が真空弁を経由して収容されるものとしてもよい。
また本実施例においては、空気に接触して酸化されないビタミンB1の微粉末を封入容器55へ収容する場合を説明したが、酸化され易いビタミンCの微粉末を取り扱う場合には、例えば封入容器55aを第2真空弁54aと共に二股分岐部51から取り外して次工程へ搬送される。
また本実施例においては、ビタミンB1の水溶液を真空下に噴霧し凍結、乾燥させて得られるビタミンB1の微粉末を真空下に封入容器へ無菌的に低コストで封入する封入装置を例示したが、例えば化学物質を内包するマイクロカプセルが水系分散媒に分散された分散液を真空下に噴霧し凍結、乾燥させて得られる化学物質のマイクロカプセルを封入容器へ無菌的に封入することも可能である。
実施例の噴霧式真空凍結乾燥法による封入装置の構成を示す図である。 振動コンベアを示す図であり、Aは駆動部を示す側面図、Bはスパイラル状移送部の平面図である。 二股分岐部近傍の部分破断拡大図であり、分岐個所に設けられた振り分け羽根の作動を示す。
符号の説明
1 封入装置 11 真空凍結乾燥
13 収集部 14 振動コンベア
15 スパイラル状移送部 19 第1真空弁
22 コールドトラップ 23 真空ポンプ
31 原料液供給タンク 34 加圧・減圧管
41 駆動部 51 二股分岐部
53 第1付属真空弁付き接続部
54a、54b 第2真空弁
55a、55b 封入容器
56a、56b 第2付属真空弁付き接続部
F 微小凍結物 P ビタミンB1の微粉末
R 原料液 g 間隙

Claims (7)

  1. 化学物質が溶媒中に溶解された溶液、または前記化学物質もしくは微粒化学物質を内包するマイクロカプセルが分散媒中に分散された分散液である原料液を真空下にノズルから噴霧して微小凍結物とする凍結プロセスと、前記微小凍結物に含まれる前記溶媒または前記分散媒を真空下に昇華させる乾燥プロセスとが同一塔内で連続して行われる真空凍結乾燥塔を少なくとも有し、
    前記真空凍結乾燥塔の外部に前記原料液を前記ノズルへ供給する原料液供給容器が設けられ、
    前記真空凍結乾燥塔の内部に収集部と移送部とが設けられており、
    前記収集部は前記原料液が噴霧され凍結されて降下する前記微小凍結物を受け収集して乾燥させ、乾燥後に残る前記化学物質の微粉末、または前記化学物質もしくは前記微粒化学物質を内包する前記マイクロカプセルを開口部から下方へ落下させ、
    前記移送部は落下する前記微粉末または前記マイクロカプセルを受けて前記真空凍結乾燥塔の底部排出口へ振動により移送し、
    前記底部排出口に第1真空弁を介して分岐部が接続されており、
    前記分岐部に前記微粉末または前記マイクロカプセルを収容する複数の封入容器が切り換え可能に、かつ前記真空凍結乾燥塔の作動中にも着脱可能に取り付けられ
    前記分岐部に設けられた複数の分岐路のそれぞれに第2真空弁を介して前記封入容器が取り付けられ、
    前記分岐部に第1付属真空弁付き接続部が取り付けられており、該接続部は不活性ガスによる加圧ラインと減圧ラインの何れとも接続可能とされている
    ことを特徴とする噴霧式真空凍結乾燥法による封入装置。
  2. 前記原料液供給容器に前記原料液の上部空間を加圧する加圧管および/または前記上部空間を減圧する減圧管が接続されるか、または加圧と減圧との可能な加圧・減圧管にまとめて接続されている
    ことを特徴とする請求項1に記載の噴霧式真空凍結乾燥法による封入装置。
  3. 前記原料液供給容器に前記原料液の冷却装置が取り付けられている
    ことを特徴とする請求項1に記載の噴霧式真空凍結乾燥法による封入装置。
  4. 前記収集部が漏斗形状とされ、広口の受け面部と、前記受け面部の中央に形成された前記開口部からなっている
    ことを特徴とする請求項1に記載の噴霧式真空凍結乾燥法による封入装置。
  5. 前記移送部が中央の始端部からスパイラル状に拡がりつつ下降して終端部に至る移送面を備えた振動コンベアからなっている
    ことを特徴とする請求項1に記載の噴霧式真空凍結乾燥法による封入装置。
  6. 前記収集部および前記移送部に存在する前記微小凍結物を加熱する装置が取り付けられている
    ことを特徴とする請求項1に記載の噴霧式真空凍結乾燥法による封入装置。
  7. 前記封入容器に第2付属真空弁付き接続部が取り付けられており、該接続部は不活性ガスによる加圧ラインと減圧ラインの何れとも接続可能とされている
    ことを特徴とする請求項に記載の噴霧式真空凍結乾燥法による封入装置。
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