JP5570735B2 - 空調室内機 - Google Patents
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Description
図1は本発明の一実施形態に係る空調室内機の外観斜視図である。図1において、空調室内機2は、下面に吸込口20a及び吹出口20bを有する本体20と、吸込口20aを開閉する可動パネル24及び吹出口20bを開閉する第1風向調節羽根52とを備えている。吸込口20aと吹出口20bとは一定距離を隔てて隣接しており、吹出口20bから吹き出された空気が吸込口20aに吸い込まれる現象、いわゆるショートサーキットが発生しないようになっている。本体20の下面は、化粧パネル21によって覆われており、実際に天井面に露出するのは化粧パネル21であって、吸込口20a及び吹出口20bの輪郭は化粧パネル21によって形成されている。
室内熱交換器12は、2つの熱交換器が異なる傾斜姿勢で隣接した形状をしており、説明の便宜上、上側の熱交換器を上部熱交換器12a、下側の熱交換器を下部熱交換器12bと呼ぶ。
室内ファン13は、クロスフローファンであり、幅寸法が直径よりも長く、回転軸と垂直な方向から空気を吸い込むので、単一の吸込口20aから空気を吸い込んで、単一の吹出口20bへ吹き出すことができる。吸い込まれた空気は、フィルタ9及び室内熱交換器12を通過して室内ファン13に入る。これ以後、吸込口20aから室内ファン13までの空気流路を吸込流路31aと呼ぶ。
空調室内機2は、可動パネル24の上方に、フィルタ清掃機構10を備えているので、フィルタ清掃機構10を備えていない標準空調室内機と比較して本体20の高さ寸法が大きくなる。空調室内機2は、標準空調室内機の本体を利用するために、標準空調室内機の本体に拡張枠を連結している。
図6は、フィルタ清掃機構のフィルタ収納枠の分解斜視図である。図6において、フィルタ収納枠104には、縁にラック101が形成されているフィルタ9、ピニオン歯車102aを有するローラー102、フィルタ9の浮き上がりを防止するフィルタ安定板103、及びフィルタ9の移動経路を形成するフィルタ収納枠104が取り付けられる。
フィルタ9は、網部9aと網部9aの周囲を保持する縁部9bを有しており、図3に示すように室内熱交換器12の前面側に配置され、室内から取り込まれた空気から塵埃を除去する。これにより、フィルタ9は、空気中に浮遊する塵埃が室内熱交換器12の表面を汚染することを防止している。フィルタ9の縁部9bには、ピニオン歯車102aと噛み合うラック101が形成されている。
ローラー102は、複数のピニオン歯車102aと、複数のピニオン歯車102aを同軸上に連結する連結軸102bとを有している。ピニオン歯車102aは、フィルタ9のラック101と噛み合い、回転することによってフィルタ9を水平に移動させる。
フィルタ収納枠104は、上枠104aと下枠104bとを有しており、上枠104aと下枠104bとが一定の間隔を隔てて上下に重なることによって、フィルタ収納部が形成される。また、上枠104aには、モータ収納部104cが形成されており、ピニオン歯車102aと噛み合う伝達歯車104d、伝達歯車104dを駆動する駆動歯車104e、及び駆動歯車104eを回転させるフィルタ駆動モータ104fが収納される。
図8において、フィルタ9は、フィルタ収納枠104内を移動し所定の位置で停止する。フィルタ9の停止位置は、位置検知スイッチ107によって検知される。位置検知スイッチ107は、前方収納部105の終端近傍、及び後方収納部106の終端近傍に配置されている。位置検知スイッチ107の外側には、レバーが蝶番によって装着されており、外力が加わると回動して位置検知スイッチ107のボタンを押す。
図7に示すように、ブラシ108の毛108aは、フィルタ9を挟んでローラー102と反対側に位置しフィルタ9に接触している。つまり、フィルタ9の上側にローラー102があり、フィルタ9の下方にブラシ108がある。毛108aの回転軸上には、最終伝達歯車108cが連結されており、ブラシ駆動モータ108fの回転軸には駆動歯車108eが連結されている。この駆動歯車108eと中間伝達歯車108dとが噛み合い、中間伝達歯車108dと最終伝達歯車108cとが噛み合っている。
図9において、ダストボックス109は、上部の吹出口20b寄りに、塵埃取り込み口109aを有しており、塵埃取り込み口109aの長手方向の両端で、軸受109bを介して回転軸108bを支持する。さらに、塵埃取り込み口109aには、ブラシ108がフィルタ9から掻き取った塵埃をブラシ108からふるい落とす櫛部109cが取り付けられている。
空調室内機2では、制御部により定期的に、或いは使用者が必要とするときにリモコンによってフィルタ9が自動的に清掃される。以下、その仕組みについて説明する。
図10は、化粧パネルの斜視図である。図10に示すように、化粧パネル21の天井側の面上には、昇降装置7以外に、ヒンジ連結装置6及びロック装置8が配置されている。以下、ヒンジ連結装置6、昇降装置7及びロック装置8の詳細構造について順に説明する。
ヒンジ連結装置6は、空調室内機2が稼動するとき、可動パネル24の一端を回動可能に支持し、可動パネル24をメンテナンス位置まで降下させるとき、可動パネル24の一端の支持を解除する。
図10、図11において、モータ65がピニオン歯車64を回転させると、ピニオン歯車64と噛み合うラック62aに動力が伝達されて滑り部材62は第1ピン63に沿って滑り移動し、滑り部材62の移動に伴って回動部材61が可動パネル24の方向、或はその反対の方向へ移動する。ここで説明の便宜上、回動部材61を可動パネル24と連結する方向へ移動するようにモータ65が回転することを正転と呼び、回動部材61と可動パネル24との連結を解除する方向へ移動するようにモータ65が回転することを逆転と呼ぶ。
図12は、昇降装置の分解斜視図である。図12において、昇降装置7は、ワイヤ71、滑車72、ボビン73、巻取り歯車74、駆動歯車75、昇降モータ76、スイッチ77及びケース78を有している。
図13は、昇降装置内部の部品の配置図である。図13において、昇降装置7がワイヤ71を繰り出す場合、昇降モータ76は駆動歯車75をCCW方向へ回転させ、巻取り歯車74をCW方向へ回転させる。これによって、ボビン73がワイヤ71を繰り出す方向に回転する。
可動パネル24が吸込口20aを閉じているとき、可動パネル24を本体20に支持しているのは、ヒンジ連結装置6と昇降装置7である。不測の要因で、ヒンジ連結装置6が誤動作し可動パネル24の支持を解除し、昇降装置7のワイヤ71が緩んでしまったときでも可動パネル24が落下しないように、空調室内機2はロック装置8をさらに備えている。
図14において、可動体81は、第1保持体82と第2保持体83に保持された状態であり、その状態でモータ84がピニオン歯車84aをCCW方向へ回転させたとき、ピニオン歯車84aの回転運動はラック81aによって直線運動に変換され、可動体81が壁822に向って滑り移動する。可動体81が所定距離移動したとき、可動体81は第2保持部83の案内孔83aから離れる。可動体81を保持しない第2保持体83は、上下方向の移動が許容されるので、可動パネル24の降下を妨げない。
図15は、可動パネルが吸込口を開いた状態の斜視図である。図15において、ヒンジ連結装置6が可動パネル24を連結した状態で、ロック装置8がロックを解除し、昇降装置7がワイヤ71を繰り出したとき、可動パネル24は自重によって降下する。しかし、可動パネル24の端部はヒンジ連結装置6に連結されているので、可動パネル24は端部を軸として吸込口20aを開く方向へ回動する。
図16は、可動パネルが降下している状態の斜視図である。図16において、ヒンジ連結装置6が可動パネル24の端部との連結を解除し、ロック装置8が可動パネル24のロックを解除し、昇降装置7がワイヤ71を繰り出したとき、可動パネル24は自重によって降下する。一方、昇降装置7がワイヤ71を巻き取るとき、可動パネル24は上昇し、可動パネル24が吸込口20aを完全に閉じたとき、ロック装置8が可動パネル24をロックする。
図17は吹出口モジュールの拡大断面図であり、図18は吹出口モジュールの斜視図である。図17、図18において、吹出口モジュール50は、第1吹出流路形成壁部51、第1風向調節羽根52、第2風向調節羽根53、長羽根支持部材54、短冊状羽根支持部材55及び断熱材56がモジュール化されたものである。
第1吹出流路形成壁部51は、空気流路の終端部に位置し吹出口20bに繋がる第1吹出流路51aを形成している。第1吹出流路形成壁部51は、第2吹出流路41aを形成する第2吹出流路形成壁部41(図3参照)の終端と向かい合う部分に、樹脂性のシール部材貼付面511を有しており、そこにシール部材59が貼り付けられる。シール部材貼付面511の幅寸法は、3mm以上に設定されている。
第1風向調節羽根52は、吹出口20bの近傍に位置し、吹出口20bの長手方向と平行に延びる2つの長羽根52a,52bを有している。長羽根52a,52bは、長羽根支持部材54によって第1吹出流路形成壁部51に連結されており、長羽根支持部材54の支持部54a,54bが吹出口20bの長手方向と並行な軸を中心として回動し、長羽根52a,52bの傾き角度を調節する。但し、空調室内機2が停止しているときは吹出口20bを閉じる。
第2風向調節羽根53は、第1風向調節羽根52の上流に位置し、複数の短冊状羽根53aと1本の駆動軸53bとを有している。各短冊状羽根53aは、短冊状羽根支持部材55によって第1吹出流路形成壁部51に連結され、所定の間隔で吹出口20bの長手方向に平行に並んでいる。また、複数の短冊状羽根53aは、駆動軸53bによって繋がっており、駆動軸53bが長手方向に往復運動することによって、吹出口20bの長手方向と直行する軸を中心に遥動する。
第1風向調節羽根駆動部57は、第1吹出流路形成壁部51の外側で第1風向調節羽根52の延長線上に位置する。第1風向調節羽根駆動部57は、内部にステッピングモータ(図示せず)と、そのステッピングモータの回転を長羽根支持部材54に伝達する伝達歯車(図示せず)を有している。
第2風向調節羽根駆動部58は、第1吹出流路形成壁部51の外側で第2風向調節羽根53の駆動軸53bの延長線上に位置する。第2風向調節羽根駆動部58は、内部にステッピングモータ(図示せず)と、そのステッピングモータの回転を駆動軸53bに伝達する伝達歯車(図示せず)を有している。
次に、昇降装置7のワイヤ71による可動パネル24の吊り下げ方法について説明する。図19は、可動パネルの端部の平面図である。図19において、可動パネル24の端部近傍には、昇降装置7のワイヤ71の先端が連結される吊り金具が取り付けられている。
図20は、昇降装置のワイヤの先端に連結される吊り金具の正面図である。図20において、吊り金具708は、上部リング708aと下部リング708bとを有している。上部リング708aと下部リング708bとは、金属線をアラビア数字の8の字状に加工することによって一体成形される。吊り金具708の上部リング708aには、昇降装置7のワイヤ71が接続され、下部リング708bは、可動パネル24の所定の部材に連結される。
図21(a)は、吊り金具が連結される吊り金具連結部材の平面図であり、(b)は、(a)のX−X線での断面図である。なお、図21(b)には、参考として、吊り金具708が連結されている状態を2点鎖線で表示している。図21(a),(b)において、吊り金具連結部材570は、ケース571、スライドレバー572及びスプリング573を含んでいる。
図19において、ダストボックス109が装着される領域の側方に、ダストボックスロック装置580が取り付けられている。ダストボックスロック装置580は、ダストボックス109が可動パネル24から外れないように固定している。
(1)
空調室内機2では、可動パネル24がダストボックス109をともなってメンテナンス位置まで降下するので、ダストボックス109及び可動パネル24それぞれを別個に降下させるよりも動作が簡単であり、その分、可動パネルの動作の信頼性が高い。また、使用者が空調室内機2からダストボックス109を運んでくる手間が省ける上に、使用者はメンテナンス位置でダストボックス109に貯まった塵埃を捨てることができるので使い勝手がよい。
空調室内機2では、可動パネル24の位置が、吊り上げによる降下量又は上昇量を変更することによって決まるので、天井の高さに対応したメンテナンス位置を設定することが可能となり、使用者にとって使い勝手がよい。
空調室内機2では、運転時、可動パネル24の一端が、ヒンジ連結装置6に支持されるので、天井の振動や、吸い込み空気の風圧によって可動パネル24が不安定に揺れることが防止される。さらに、メンテナンス位置へ移動するとき、ヒンジ連結装置6は可動パネル24の支持を解除するので、可動パネル24の移動が妨げられることはない。
空調室内機2では、ヒンジ連結装置6の滑り部材62が、可動パネル24の回転中心軸方向の移動を規制するので、天井の振動や、吸い込み空気の風圧などによる可動パネル24の回転中心軸方向の揺れが防止される。
6 ヒンジ連結装置(パネル支持手段)
7 昇降装置(昇降機構)
9 フィルタ
20 本体
20a 吸込口
24 可動パネル(昇降パネル)
24c 支持孔(第1回転支持部)
61 回動部材(第2回転支持部)
62 滑り部材(規制部)
109 ダストボックス
Claims (2)
- 本体(20)の下面に吸込口(20a)が位置し、前記吸込口(20a)から吸い込まれた空気に含まれる塵埃をフィルタ(9)によって除去し、前記フィルタ(9)に付着した前記塵埃をフィルタ清掃機構によって脱離させる、天井設置の空調室内機であって、
前記吸込口(20a)付近に在って、メンテナンス時に第1位置まで降下する昇降パネル(24)と、
前記昇降パネル(24)を上昇方向および降下方向に移動させる昇降機構(7)と、
前記フィルタ(9)の下方に位置し、前記昇降パネル(24)に脱着可能に取り付けられ前記フィルタ(9)から脱離した前記塵埃を貯めるダストボックス(109)と
を備え、
前記昇降機構(7)は、
運転時に、前記昇降パネル(24)を、前記吸込口(20a)から離れた前記第1位置よりも天井に近い第2位置へ移動させ、
停止時に、前記昇降パネル(24)を、前記吸込口(20a)を閉じる第3位置へ移動させ、
少なくとも前記第1位置へ移動する前記昇降パネル(24)は、前記ダストボックス(109)をともなっている、
空調室内機(2)。 - 前記昇降機構(7)は、前記昇降パネル(24)を吊り上げて、前記吊り上げによる降下量又は上昇量を変更することによって、前記昇降パネル(24)を前記第1位置、前記第2位置および前記第3位置のいずれかへ移動させる、
請求項1に記載の空調室内機(2)。
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