JP4894773B2 - 空調室内機 - Google Patents
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Description
図1は本発明の一実施形態に係る空調室内機の外観斜視図である。図1において、空調室内機2は、下面に吸込口20a及び吹出口20bを有する本体20と、吸込口20aを開閉する可動パネル24及び吹出口20bを開閉する第1風向調節羽根52とを備えている。吸込口20aと吹出口20bとは一定距離を隔てて隣接しており、吹出口20bから吹き出された空気が吸込口20aに吸い込まれる現象、いわゆるショートサーキットが発生しないようになっている。本体20の下面は、化粧パネル21によって覆われており、実際に天井面に露出するのは化粧パネル21であって、吸込口20a及び吹出口20bの輪郭は化粧パネル21によって形成されている。
室内熱交換器12は、2つの熱交換器が異なる傾斜姿勢で隣接した形状をしており、説明の便宜上、上側の熱交換器を上部熱交換器12a、下側の熱交換器を下部熱交換器12bと呼ぶ。
室内ファン13は、クロスフローファンであり、幅寸法が直径よりも長く、回転軸と垂直な方向から空気を吸い込むので、単一の吸込口20aから空気を吸い込んで、単一の吹出口20bへ吹き出すことができる。吸い込まれた空気は、フィルタ9及び室内熱交換器12を通過して室内ファン13に入る。これ以後、吸込口20aから室内ファン13までの空気流路を吸込流路31aと呼ぶ。
空調室内機2は、可動パネル24の上方に、フィルタ清掃機構10を備えているので、フィルタ清掃機構10を備えていない標準空調室内機と比較して本体20の高さ寸法が大きくなる。空調室内機2は、標準空調室内機の本体を利用するために、標準空調室内機の本体に拡張枠を連結している。
図9は、フィルタ清掃機構のフィルタ収納枠の分解斜視図である。図9において、フィルタ収納枠104には、縁にラック101が形成されているフィルタ9、ピニオン歯車102aを有するローラー102、フィルタ9の浮き上がりを防止するフィルタ安定板103、及びフィルタ9の移動経路を形成するフィルタ収納枠104が取り付けられる。
フィルタ9は、網部9aと網部9aの周囲を保持する縁部9bを有しており、図3に示すように室内熱交換器12の前面側に配置され、室内から取り込まれた空気から塵埃を除去する。これにより、フィルタ9は、空気中に浮遊する塵埃が室内熱交換器12の表面を汚染することを防止している。フィルタ9の縁部9bには、ピニオン歯車102aと噛み合うラック101が形成されている。
ローラー102は、複数のピニオン歯車102aと、複数のピニオン歯車102aを同軸上に連結する連結軸102bとを有している。ピニオン歯車102aは、フィルタ9のラック101と噛み合い、回転することによってフィルタ9を水平に移動させる。
フィルタ収納枠104は、上枠104aと下枠104bとを有しており、上枠104aと下枠104bとが一定の間隔を隔てて上下に重なることによって、フィルタ収納部が形成される。また、上枠104aには、モータ収納部104cが形成されており、ピニオン歯車102aと噛み合う伝達歯車104d、伝達歯車104dを駆動する駆動歯車104e、及び駆動歯車104eを回転させるフィルタ駆動モータ104fが収納される。
図11において、フィルタ9は、フィルタ収納枠104内を移動し所定の位置で停止する。フィルタ9の停止位置は、位置検知スイッチ107によって検知される。位置検知スイッチ107は、前方収納部105の終端近傍、及び後方収納部106の終端近傍に配置されている。位置検知スイッチ107の外側には、レバーが蝶番によって装着されており、外力が加わると回動して位置検知スイッチ107のボタンを押す。
図10に示すように、ブラシ108の毛108aは、フィルタ9を挟んでローラー102と反対側に位置しフィルタ9に接触している。つまり、フィルタ9の上側にローラー102があり、フィルタ9の下方にブラシ108がある。毛108aの回転軸上には、最終伝達歯車108cが連結されており、ブラシ駆動モータ108fの回転軸には駆動歯車108eが連結されている。この駆動歯車108eと中間伝達歯車108dとが噛み合い、中間伝達歯車108dと最終伝達歯車108cとが噛み合っている。
図12において、ダストボックス109は、上部の吹出口20b寄りに、塵埃取り込み口109aを有しており、塵埃取り込み口109aの長手方向の両端で、軸受109bを介して回転軸108bを支持する。さらに、塵埃取り込み口109aには、ブラシ108がフィルタ9から掻き取った塵埃をブラシ108からふるい落とす櫛部109cが取り付けられている。
空調室内機2では、制御部により定期的に、或いは使用者が必要とするときにリモコンによってフィルタ9が自動的に清掃される。以下、その仕組みについて説明する。
図13は、化粧パネルの斜視図である。図13に示すように、化粧パネル21の天井側の面上には、昇降装置7以外に、ヒンジ連結装置6及びロック装置8が配置されている。以下、ヒンジ連結装置6、昇降装置7及びロック装置8の詳細構造について順に説明する。
ヒンジ連結装置6は、空調室内機2が稼動するとき、可動パネル24の一端を回動可能に支持し、可動パネル24をメンテナンス位置まで降下させるとき、可動パネル24の一端の支持を解除する。
図13、図14において、モータ65がピニオン歯車64を回転させると、ピニオン歯車64と噛み合うラック62aに動力が伝達されて滑り部材62は第1ピン63に沿って滑り移動し、滑り部材62の移動に伴って回動部材61が可動パネル24の方向、或はその反対の方向へ移動する。ここで説明の便宜上、回動部材61を可動パネル24と連結する方向へ移動するようにモータ65が回転することを正転と呼び、回動部材61と可動パネル24との連結を解除する方向へ移動するようにモータ65が回転することを逆転と呼ぶ。
図15は、昇降装置の分解斜視図である。図15において、昇降装置7は、ワイヤ71、滑車72、ボビン73、巻取り歯車74、駆動歯車75、昇降モータ76、スイッチ77及びケース78を有している。
図16は、昇降装置内部の部品の配置図である。図16において、昇降装置7がワイヤ71を繰り出す場合、昇降モータ76は駆動歯車75をCCW方向へ回転させ、巻取り歯車74をCW方向へ回転させる。これによって、ボビン73がワイヤ71を繰り出す方向に回転する。
可動パネル24が吸込口20aを閉じているとき、可動パネル24を本体20に支持しているのは、ヒンジ連結装置6と昇降装置7である。不測の要因で、ヒンジ連結装置6が誤動作し可動パネル24の支持を解除し、昇降装置7のワイヤ71が緩んでしまったときでも可動パネル24が落下しないように、空調室内機2はロック装置8をさらに備えている。
図17において、可動体81は、第1保持体82と第2保持体83に保持された状態であり、その状態でモータ84がピニオン歯車84aをCCW方向へ回転させたとき、ピニオン歯車84aの回転運動はラック81aによって直線運動に変換され、可動体81が壁822に向って滑り移動する。可動体81が所定距離移動したとき、可動体81は第2保持部83の案内孔83aから離れる。可動体81を保持しない第2保持体83は、上下方向の移動が許容されるので、可動パネル24の降下を妨げない。
図18は、可動パネルが吸込口を開いた状態の斜視図である。図18において、ヒンジ連結装置6が可動パネル24を連結した状態で、ロック装置8がロックを解除し、昇降装置7がワイヤ71を繰り出したとき、可動パネル24は自重によって降下する。しかし、可動パネル24の端部はヒンジ連結装置6に連結されているので、可動パネル24は端部を軸として吸込口20aを開く方向へ回動する。
図19は、可動パネルが降下している状態の斜視図である。図19において、ヒンジ連結装置6が可動パネル24の端部との連結を解除し、ロック装置8が可動パネル24のロックを解除し、昇降装置7がワイヤ71を繰り出したとき、可動パネル24は自重によって降下する。一方、昇降装置7がワイヤ71を巻き取るとき、可動パネル24は上昇し、可動パネル24が吸込口20aを完全に閉じたとき、ロック装置8が可動パネル24をロックする。
ダストボックス109内に貯えられた塵埃を捨てるときは、ダストボックス109が空調室内機2の可動パネル24から取り外される。しかし、ダストボックス109は、使用者の手の届かない可動パネル24に取り付けられているので、使用者は、使用者の手が届くメンテナンス位置まで可動パネル24を降下させてから、ダストボックス109を可動パネル24から取り外す。可動パネル24の降下の仕組みは、可動パネル24の昇降動作のところで詳細を述べているので説明を省略し、ここでは降下した可動パネル24からダストボックス109を取り外す方法について説明する。
(第1カム部材111)
第1カム部材111は、フック112、受けカム113、押しカム114、接続部115及び軸116が一体に成形された樹脂部品であり、3つの機能を有している。第1カム部材111の第1の機能は、ダストボックス109を収納部24aに保持する機能であり、ダストボックス109が収納部24aに装着されたときに、フック112がダストボックス109の両端に設けられた凹部109e(図20参照)に嵌り、ダストボックス109が上方へ突出することを防止している。つまり、フック112がダストボックス109の保持部材として機能している。
第1位置決め部材121は、ケース122、ボタンケース123及び取付板124が一体に成形された樹脂部品であり、3つの機能を有している。第1位置決め部材121の第1の機能は、第1カム部材111を保持する機能であり、ケース122が軸受125を介して第1カム部材111の軸116を回転可能に支持している。但し、ケース122が第1カム部材111の押しカム114を囲んでいるので、第1カム部材111は反時計方向へ回転することはできない。
第1カバー131は、隔壁132とバネケース133とが一体に成形された樹脂部品であり、2つの機能を有する。第1カバー131の第1の機能は、ダストボックス109の収納部24aの端部と可動パネル24とを仕切る機能であり、ダストボックス109が収納部24aから取り出されたとき、隔壁132が、収納部24aの端部を塞ぎ、可動パネル24内部が外から見えることを防止している。第1カバー131の第2の機能は、第1板バネ141を保持する機能であり、隔壁132のほぼ中央に第1板バネ141が収納されるバネケース133が設けられている。
第1板バネ141は、バネ用ステンレス鋼板で成形された部品であり、ダストボックス109を長手方向に押して固定する機能を有している。第1板バネ141によって、収納部24aにおけるダストボックス109のガタツキが防止されている。
ボタン151は、操作部152とガイド部153が一体に成形された樹脂部品であり、第1カム部材111を回転させる機能を有している。操作部152の表面には、押しボタンであることをユーザーに示唆する文字が表示されている。ガイド部153は、第1位置決め部材121のボタンケース123と嵌合し、往復直線運動が許容されている。操作部152を押すと、ガイド部153が直進して第1カム部材111の受けカム113を押し、第1カム部材111を軸116周りに回転させる。
コイルバネ161は、バネ用ステンレス鋼線でコイル状に成形された部品であり、ボタン151に、押し方向とは反対の力を作用させる機能を有している。コイルバネ161は、ボタンケース123の支持棒123bに挿入された後に、ボタンケース123と、ボタン151のガイド部153とによって圧縮されるので、ボタン151に反発力が生じる。
(第2カム部材211)
第2カム部材211は、フック212、押しカム214、接続部215及び軸216が一体に成形された樹脂部品であり、2つの機能を有している。第2カム部材211の第1の機能は、ダストボックス109を収納部24aに保持する機能であり、ダストボックス109が収納部24aに装着されたときに、フック212がダストボックス109の両端に設けられた凹部109e(図20参照)に嵌り、ダストボックス109が上方へ突出することを防止している。つまり、フック212がダストボックス109の保持部材として機能している。
第2位置決め部材221は、ケース222及び取付板224が一体に成形された樹脂部品であり、2つの機能を有している。第2位置決め部材221の第1の機能は、第2カム部材211を保持する機能であり、ケース222が軸受225を介して第2カム部材211の軸216を回転可能に支持している。但し、ケース222が第2カム部材211の押しカム214を囲んでいるので、第2カム部材211は時計方向へ回転することはできない。
第2カバー231は、隔壁232とバネケース233とが一体に成形された樹脂部品であり、2つの機能を有する。第2カバー231の第1の機能は、ダストボックス109の収納部24aの端部と可動パネル24とを仕切る機能であり、ダストボックス109が収納部24aから取り出されたとき、隔壁232が、収納部24aの端部を塞ぎ、可動パネル24内部が外から見えることを防止している。第2カバー231の第2の機能は、第2板バネ241を保持する機能であり、隔壁232のほぼ中央に第2板バネ241が収納されるバネケース233が設けられている。
第2板バネ241は、バネ用ステンレス鋼板で成形された部品であり、ダストボックス109を長手方向に押して固定する機能を有している。第2板バネ241によって、収納部24aにおけるダストボックス109のガタツキが防止されている。
伝達部310は、第1押し出し部110の第1カム部材111の変位が第2押し出し部210の第2カム部材211に伝達されるように、第1カム部材111と第2カム部材211とを結ぶ。伝達部310は、伝達部材311と調節手段312とから成り、調節手段312は、調節ネジ313及び接続部材314を含む。
伝達部材311は、ステンレス鋼線で加工された部品であり、一方の端部311aが第1押し出し部110の第1カム部材111に連結され、他方の端部311bが第2押し出し部210の第2カム部材211に間接的に連結されている。端部311aは、接続部115の孔115aにかけられるように曲げ加工されている。端部311bは、調節ネジ313を螺合させるために、ネジ切り加工されている。
調節ネジ313は、黄銅で加工された部品であり、正六角柱状のネジ本体313aの中央には、軸方向に沿ってネジ切り加工されたネジ孔313bが設けられている。このネジ孔313bと伝達部材311の端部311bが螺合する。
接続部材314は、保持部315と接続部316とが一体に成形された樹脂部品であり、第2カム部材211と伝達部材311とを連結する機能を有する。保持部315は、調節ネジ313を保持できるように、ネジ本体313aの複数の外側面と接触する凹部が設けられている。本実施形態では、凹部の形状は、調節ネジ313の空回りを防止するために、調節ネジ313の4つの外側面と接触するように成形されている。但し、これに限定されるものではなく、例えば、直方体形状に成形されていても、調節ネジ313の空回りを防止することができる。
図19において、ユーザーは、ボタン151を押してダストボックス109を収納部24aから取り外す。ボタン151が押されると、受けカム113が押されて、第1カム部材111が回転し、押しカム114がダストボックス109の一端を押す。
図23は吹出口モジュールの拡大断面図であり、図24は吹出口モジュールの斜視図である。図23、図24において、吹出口モジュール50は、第1吹出流路形成壁部51、第1風向調節羽根52、第2風向調節羽根53、長羽根支持部材54、短冊状羽根支持部材55及び断熱材56がモジュール化されたものである。
第1吹出流路形成壁部51は、空気流路の終端部に位置し吹出口20bに繋がる第1吹出流路51aを形成している。第1吹出流路形成壁部51は、第2吹出流路41aを形成する第2吹出流路形成壁部41(図3参照)の終端と向かい合う部分に、樹脂性のシール部材貼付面511を有しており、そこにシール部材59が貼り付けられる。シール部材貼付面511の幅寸法は、3mm以上に設定されている。
第1風向調節羽根52は、吹出口20bの近傍に位置し、吹出口20bの長手方向と平行に延びる2つの長羽根52a,52bを有している。長羽根52a,52bは、長羽根支持部材54によって第1吹出流路形成壁部51に連結されており、長羽根支持部材54の支持部54a,54bが吹出口20bの長手方向と並行な軸を中心として回動し、長羽根52a,52bの傾き角度を調節する。但し、空調室内機2が停止しているときは吹出口20bを閉じる。
第2風向調節羽根53は、第1風向調節羽根52の上流に位置し、複数の短冊状羽根53aと1本の駆動軸53bとを有している。各短冊状羽根53aは、短冊状羽根支持部材55によって第1吹出流路形成壁部51に連結され、所定の間隔で吹出口20bの長手方向に平行に並んでいる。また、複数の短冊状羽根53aは、駆動軸53bによって繋がっており、駆動軸53bが長手方向に往復運動することによって、吹出口20bの長手方向と直行する軸を中心に遥動する。
第1風向調節羽根駆動部57は、第1吹出流路形成壁部51の外側で第1風向調節羽根52の延長線上に位置する。第1風向調節羽根駆動部57は、内部にステッピングモータ(図示せず)と、そのステッピングモータの回転を長羽根支持部材54に伝達する伝達歯車(図示せず)を有している。
第2風向調節羽根駆動部58は、第1吹出流路形成壁部51の外側で第2風向調節羽根53の駆動軸53bの延長線上に位置する。第2風向調節羽根駆動部58は、内部にステッピングモータ(図示せず)と、そのステッピングモータの回転を駆動軸53bに伝達する伝達歯車(図示せず)を有している。
(1)
空調室内機2では、フィルタ9に接触するブラシ108がダストボックス109に取り付けられ、ダストボックス109が可動パネル24に取り付けられている。ダストボックス109は、可動パネル24の回動軸側に寄って配置されているので、可動パネル24が吸込口20aを開けたとき、ダストボックス109がブラシ108と共にフィルタ9から離れ、吸込空気の通路を拡大する。
空調室内機2は、フィルタ9がローラー102の回転によって移動するので、ブラシ108を移動させる必要がなく、可動パネル24上に移動機構を設ける必要がなく、可動パネル24の構造を簡素化することができる。
次に、上記実施形態の変形例について図面を参照しながら説明する。なお、上記実施形態と共通する部分は、同一の符号を付して説明を省略する。図25は変形例に係る空調室内機の可動パネルの斜視図であり、図26は図25のC部の拡大図である。
図25において、可動パネル524は、ヒンジ530によって化粧パネル21に回動可能に支持される。図26に示すように、ヒンジ530は、水平方向に延びる水平棒部531と、水平棒部531から垂直に延びるレバー532と、レバー532の端部から鉤状に曲がるフック533を有し、水平棒部531を上にした状態で静止している。
図28は、可動パネルが吸込口を閉じているときのヒンジ及びヒンジ連結機構の平面図であり、図29は、可動パネルが吸込口を開けるときのヒンジ及びヒンジ連結機構の平面図であり、図30は、可動パネルが吸込口から離れるときのヒンジ及びヒンジ連結機構の平面図である。
図31(a)は下部本体の断面図であり、(b)は可動パネルが吸込口を開ける直前の下部本体の部分断面図であり、(c)は可動パネルが吸込口を開けた直後の下部本体の部分断面図である。図28、図31(a)において、ヒンジ530の水平棒部531の下方空間には、水平棒部531を受けるヒンジ受761,762と、フック533と接触する突起部763が化粧パネル21側から突出している。可動パネル524が、吸込口20aを閉じているときは、フック533が突起部763と接触するので、水平棒部531は、回動軸部534を中心に時計方向へ回動した状態で静止している。このとき、水平棒部531とヒンジ受761,762とは未だ接触していない。
図32(a)は下部本体の断面図であり、(b)は可動パネルが降下を開始した直後の下部本体の部分断面図であり、(c)は、可動パネルが降下したときの下部本体の部分断面図である。図28、図32(a)において、ヒンジ530の水平棒部531の下方空間には、水平棒部531を受けるヒンジ受761,762と、フック533と接触する突起部763が化粧パネル21側から突出している。可動パネル524が、吸込口20aを閉じているときは、フック533が突起部763と接触するので、水平棒部531は、回動軸部534を中心に時計方向へ回動した状態で静止している。このとき、水平棒部531とヒンジ受761,762とは未だ接触していない。
図28において、パネルロック機構780は、パネルロックレバー781、カム782、パネルロックリング783、ロック検知スイッチ784、及びスプリング785を含んでいる。カム782は、ヒンジ連結機構760のスライド部材764の端部に固定され、カム面782aを有している。
図28に示すように、可動パネル524が吸込口20aを閉じているときは、ヒンジ連結機構760のスライド部材764が停止しているので、カム782がカム接触部781bを動作させることはできない。一方、図30に示すように、スライド部材764がE方向へ移動したときは、カム782がカム接触部781bを回動させるので、パネルロック部781cが回動軸部781aを中心に回動し、パネルロックリング783から抜け出る。
次に、昇降装置7のワイヤ71による可動パネル524の吊り下げ方法について説明する。図34は、可動パネルの端部の平面図である。図34において、可動パネル524の端部近傍には、昇降装置7のワイヤ71の先端が連結される吊り金具708が取り付けられている。
図35は、昇降装置のワイヤの先端に連結される吊り金具の正面図である。図35において、吊り金具708は、上部リング708aと下部リング708bとを有している。上部リング708aと下部リング708bとは、金属線をアラビア数字の8の字状に加工することによって一体成形される。吊り金具708の上部リング708aには、昇降装置7のワイヤ71が接続され、下部リング708bは、可動パネル524の所定の部材に連結される。
図36(a)は、吊り金具が連結される吊り金具連結部材の平面図であり、(b)は、(a)のX−X線での断面図である。なお、図36(b)には、参考として、吊り金具708が連結されている状態を2点鎖線で表示している。図36(a),(b)において、吊り金具連結部材570は、ケース571、スライドレバー572及びスプリング573を含んでいる。
図34において、ダストボックス109が装着される領域の側方に、ダストボックスロック装置580が取り付けられている。ダストボックスロック装置580は、ダストボックス109が可動パネル524から外れないように固定している。
空調室内機2では、昇降装置7の故障等によって可動パネル524を静止させる機能が著しく低下したときでも、パネルロック機構780のパネルロックレバー781が可動パネル524のパネルロックリング783に嵌まり込んでいるので、可動パネル524が吸込口20aから勝手に降下するような事態が回避される。また、スプリング785だけでパネルロックレバー781をパネルロックリング783へ移動させることができるので、電気系統の故障によりモータ765が動作しないときでも、可動パネル524を確実に拘束することができる。
9 フィルタ
20 本体
20a 吸込口
20b 吹出口
21 化粧パネル(下面パネル)
26 上部本体
28 下部本体
24 可動パネル
102 ローラー(フィルタ駆動部)
108 ブラシ
109 ダストボックス
109d 傾斜した面(空気抵抗低減構造)
Claims (16)
- 天井設置の空調室内機であって、
下面に、吸込口(20a)と、前記吸込口(20a)と反対側に位置する吹出口(20b)とを有する本体(20)と、
一端近傍を回動軸として回動することによって前記吸込口(20a)を開閉する可動パネル(24)と、
前記吸込口(20a)よりも前記本体(20)の奥側に位置し、前記吸込口(20a)から流入する空気に含まれる塵埃を除去するフィルタ(9)と、
前記フィルタ(9)に付着した前記塵埃を前記フィルタ(9)から脱離させる清掃部材(108)と、
前記可動パネル(24)の上側に取り付けられ前記フィルタ(9)から脱離した前記塵埃を貯めるダストボックス(109)と、
を備え、
前記回動軸が前記吸込口(20a)と前記吹出口(20b)との間に位置し、
前記ダストボックス(109)が、前記可動パネル(24)において前記回動軸側に寄って配置され、
前記可動パネル(24)が回動して前記吸込口(20a)を開けたとき、前記可動パネル(24)は前記吸込口(20a)の下方に位置し、前記空気は前記可動パネル(24)の上方を通って前記吸込口(20a)に向う、
空調室内機(2)。 - 天井設置の空調室内機であって、
下面に、吸込口(20a)と、前記吸込口(20a)と反対側に位置する吹出口(20b)とを有する本体(20)と、
一端近傍を回動軸として回動することによって前記吸込口(20a)を開閉する可動パネル(24)と、
前記吸込口(20a)よりも前記本体(20)の奥側に位置し、前記吸込口(20a)から流入する空気に含まれる塵埃を除去するフィルタ(9)と、
前記フィルタ(9)に付着した前記塵埃を前記フィルタ(9)から脱離させる清掃部材(108)と、
前記可動パネル(24)の上側に取り付けられ前記フィルタ(9)から脱離した前記塵埃を貯めるダストボックス(109)と、
を備え、
前記可動パネル(24)が回動して前記吸込口(20a)を開けたとき、前記可動パネル(24)は前記吸込口(20a)の下方に位置し、前記空気が前記可動パネル(24)の上方を通って前記吸込口(20a)に向い、
前記ダストボックス(109)は、向って来る前記空気を前記フィルタ(9)の方向へ滑らかに向わせる空気抵抗低減構造(109d)を有する、
空調室内機(2)。 - 前記ダストボックス(109)が、前記可動パネル(24)において前記回動軸側に寄って配置されている、
請求項2に記載の空調室内機(2)。 - 前記回動軸が前記吸込口(20a)と前記吹出口(20b)との間に位置する、
請求項3に記載の空調室内機(2)。 - 前記ダストボックス(109)は、向って来る空気を前記フィルタ(9)の方向へ滑らかに向わせる空気抵抗低減構造(109d)を有する、
請求項1に記載の空調室内機(2)。 - 前記清掃部材(108)が、前記ダストボックス(109)に取り付けられている、
請求項1又は請求項2に記載の空調室内機(2)。 - 前記ダストボックス(109)の上端部に開口が形成されており、
前記清掃部材(108)が、前記開口に配置されている、
請求項6に記載の空調室内機(2)。 - 前記清掃部材(108)は、前記吸込口(20a)において前記吹出口(20b)側に寄って配置されている、
請求項7に記載の空調室内機(2)。 - 前記清掃部材(108)は、
前記可動パネル(24)が前記吸込口(20a)を閉じたとき、前記フィルタ(9)に接触し、
前記可動パネル(24)が前記吸込口(20a)を開けたとき、前記フィルタ(9)から離れる、
請求項7又は請求項8に記載の空調室内機(2)。 - 前記フィルタ(9)を清掃するときに前記フィルタ(9)を移動させるフィルタ駆動部(102)をさらに備えた、
請求項1から請求項7に記載の空調室内機(2)。 - 前記フィルタ駆動部(102)は、前記フィルタ(9)を挟んで前記清掃部材(108)と対向しており、
前記清掃部材(108)は、前記フィルタ(9)の下側に位置する、
請求項10に記載の空調室内機(2)。 - 天井設置の空調室内機であって、
下面に、吸込口(20a)と、前記吸込口(20a)と反対側に位置する吹出口(20b)とを有する本体(20)と、
一端近傍を回動軸として回動することによって前記吸込口(20a)を開閉する可動パネル(24)と、
前記吸込口(20a)よりも前記本体(20)の奥側に位置し、前記吸込口(20a)から流入する空気に含まれる塵埃を除去するフィルタ(9)と、
前記フィルタ(9)に付着した前記塵埃を前記フィルタ(9)から脱離させる清掃部材(108)と、
前記可動パネル(24)の上側に取り付けられ前記フィルタ(9)から脱離した前記塵埃を貯めるダストボックス(109)と、
を備え、
前記ダストボックス(109)の上端部には、前記吹出口(20b)側に寄った位置に開口が形成され、前記開口に前記清掃部材(108)が配置されており、
前記可動パネル(24)が回動して前記吸込口(20a)を開けたとき、前記可動パネル(24)は前記吸込口(20a)の下方に位置し、前記空気が前記可動パネル(24)の上方を通って前記吸込口(20a)に向う、
空調室内機(2)。 - 天井設置の空調室内機であって、
下面に、吸込口(20a)を有する本体(20)と、
一端近傍を回動軸として回動することによって前記吸込口(20a)を開閉する可動パネル(24)と、
前記吸込口(20a)よりも前記本体(20)の奥側に位置し、前記吸込口(20a)から流入する空気に含まれる塵埃を除去するフィルタ(9)と、
前記フィルタ(9)に付着した前記塵埃を前記フィルタ(9)から脱離させる清掃部材(108)と、
前記可動パネル(24)の上側に取り付けられ前記フィルタ(9)から脱離した前記塵埃を貯めるダストボックス(109)と、
前記フィルタ(9)を清掃するときに前記フィルタ(9)を移動させるフィルタ駆動部(102)と、
を備え、
前記可動パネル(24)が回動して前記吸込口(20a)を開けたとき、前記可動パネル(24)は前記吸込口(20a)の下方に位置し、前記空気が前記可動パネル(24)の上方を通って前記吸込口(20a)に向う、
空調室内機(2)。 - 前記フィルタ駆動部(102)は、前記フィルタ(9)を挟んで前記清掃部材(108)と対向しており、
前記清掃部材(108)は、前記フィルタ(9)の下側に位置する、
請求項13に記載の空調室内機(2)。 - 前記本体(20)は、上部本体(26)と下部本体(28)とを有し、
前記下部本体(28)には、前記吸込口(20a)の輪郭を形成する下面パネル(21)が含まれる、
請求項1から請求項14のいずれか1項に記載の空調室内機(2)。 - 前記清掃部材(108)がブラシである、
請求項1から請求項15のいずれか1項に記載の空調室内機(2)。
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