本発明の第1の実施形態に係る積層型フィルタについて、図を参照して説明する。
<回路説明>
まず、積層型フィルタ10の回路構成について説明する。図1は本実施形態に係る積層型フィルタ10の回路図である。
積層型フィルタ10は、不平衡型信号を入出力する不平衡端子Punbと、平衡型信号を入出力する第1平衡端子Pb1および第2平衡端子Pb2を備える。
不平衡端子Punbとグランドとの間には、不平衡側キャパシタC1と不平衡側インダクタL1との並列共振回路が接続されている。
第1平衡端子Pb1と第2平衡端子Pb2との間には、三個の平衡側インダクタL3,L2,L4が直列接続されている。この際、平衡側インダクタL3,L2,L4は、第1平衡端子Pb1側から、平衡側インダクタL3,L2,L4の順で接続されている。これら平衡側インダクタL3,L2,L4は、後述するように、巻き方向が同じとなるヘリカル状のコイルによって実現される。なお、本実施形態では、三個の平衡側インダクタを用いたが、一個を除く奇数であれば、平衡側インダクタ数は他の数であってもよい。
また、平衡側インダクタL2は、不平衡側インダクタL1と電磁界結合するように、配置されている。この構成より、平衡側インダクタL2と不平衡側インダクタL1との間には相互インダクタMが作用する。
また、第1平衡端子Pb1と第2平衡端子Pb2との間には、第1平衡側キャパシタC2と第2平衡側キャパシタC3との直列回路が接続されている。この際、第1平衡側キャパシタC2と第2平衡側キャパシタC3とは、第1平衡端子Pb1側から、第1平衡側キャパシタC2、第2平衡側キャパシタC3の順で接続されている。
このような構成の積層型フィルタ10では、不平衡端子Punbから不平衡型信号が入力されると、不平衡平衡変換され、第1平衡端子Pb1および第2平衡端子Pb2から所定の位相の平衡型信号が出力される。さらに、不平衡側インダクタL1と不平衡側キャパシタC1との共振回路により、フィルタ通過帯域の中心周波数が設計される。これにより、不平衡平衡変換機能付きのフィルタが構成される。
また、平衡側インダクタL3,L4及び第1、第2平衡側キャパシタC2,C3を所望の素子値に設定することで、平衡型信号の出力インピーダンスを所望値に設定することができる。また、平衡側インダクタL3,L2,L4の巻き方向を同じにすることで、損失を低下させ、挿入損失の小さいフィルタを構成することができる。
さらに、第1平衡側キャパシタC2、第2平衡側キャパシタC3を所望の素子値に設定することで、第1平衡端子Pb1および第2平衡端子Pb2から出力される平衡型信号の位相バランスを所望値に設計することができる。
<構造説明>
次に、上述の回路構成からなる積層型フィルタ10の構造について説明する。図2は本実施形態に係る積層型フィルタ10の外観斜視図である。図3は本実施形態に係る積層型フィルタ10の分解斜視図である。
積層型フィルタ10は、7層の誘電体層101−107を順次積層した積層体100によって実現される。
積層体100は、図2に示すように、外形形状が略直方体形状からなる。積層体100の第1側面には、不平衡端子用の外部電極(以下、不平衡端子Punbと称する。)、グランド電極(以下、グランド端子GNDと称する。)、および第1平衡端子用の外部電極(以下、第1平衡端子Pb1と称する。)が、この順で配列形成されている。前記第1側面に対向する積層体100の第2側面には、二個のグランド端子GNDと、第2平衡端子用の外部電極(以下、第2平衡端子Pb2と称する。)が、この順で配列形成されている。この際、第1平衡端子Pb1と第2平衡端子Pb2とが対向するように配置されている。
積層型フィルタ10の外部端子となる、これら不平衡端子Punb、第1平衡端子Pb1、第2平衡端子Pb2、およびグランド端子GNDは、積層方向に延びる形状からなり、積層体100を構成する全ての誘電体層101−107に亘る電極パターンで形成されている。なお、以下の各誘電体層の説明では、内層電極との接続関係を除き、これら外部端子の形成位置および形状の説明は省略する。
次に、各誘電体層101−107の電極形成パターンについて、具体的に説明する。なお、積層体100は最上層を誘電体層101として、下層に向かうほど符番が大きくなり、最下層を誘電体層107として説明する。
積層体100の最上層となる誘電体層101には、上記外部端子の電極パターンのみが形成されている。なお、図示しないが、誘電体層101の天面、すなわち積層体100の天面に、実装方向を定義するためのマーキング電極が形成されている。
誘電体層102には、コイル電極201が形成されている。コイル電極201の一方端は第1側面の第1平衡端子Pb1に接続されている。コイル電極201は平面視して、当該一方端を始点として、巻回形に形成されている。コイル電極201の他方端は導電性のビア電極VH23を介して、誘電体層103のコイル電極301の一方端に接続されている。このコイル電極201により、平衡側インダクタL3が構成される。
誘電体層103には、コイル電極301が形成されている。コイル電極301の一方端は、上述のようにビア電極VH23を介してコイル電極201の他方端に接続されている。
コイル電極301は、当該一方端を始点として巻回形に形成されている。この際、コイル電極301は、積層体100を平面視してコイル電極201と巻回方向が一致するように形成されている。コイル電極301の他方端は導電性のビア電極VH34を介して、誘電体層104のコイル電極401の一方端に接続されている。このコイル電極301により、平衡側インダクタL2が構成される。
誘電体層104には、コイル電極401、コイル電極402が形成されている。コイル電極401の一方端は、上述のようにビア電極VH34を介してコイル電極301の他方端に接続されている。
コイル電極401は、当該一方端を始点として巻回形に形成されている。この際、コイル電極401は、積層体100を平面視してコイル電極201,301と巻回方向が一致するように形成されている。コイル電極401の他方端は、第2側面の第2平衡端子Pb2に接続されている。このコイル電極401により、平衡側インダクタL4が構成される。
コイル電極402は、一方端が第2側面の中央のグランド端子GNDに接続されている。コイル電極402は、当該一方端を始点として巻回形に形成されている。この際、コイル電極402は、積層体100を平面視してコイル電極201と巻回方向が逆になるように形成されている。コイル電極402の他方端は、導電性のビア電極VH45を介して誘電体層105の平板電極501に接続されている。このコイル電極402により、不平衡側インダクタL1が構成される。
なお、コイル電極402は、コイル電極301に対して電磁界結合するように、積層体を平面視してコイル電極301と少なくとも一部が重なる位置に形成されている。これにより、平衡側インダクタL2と不平衡側インダクタL1とによる相互インダクタMが実現される。
誘電体層105には、平面視して略四角形の平板電極501が形成されている。平板電極501は、第1側面の不平衡端子Punbに接続されるとともに、上述のようにビア電極VH45を介してコイル電極402に接続されている。この平板電極501は、不平衡側キャパシタC1の一方の対向電極に相当する。
誘電体層106には、平面視して略四角形の平板電極601,602が形成されている。平板電極602は、誘電体層105の平板電極501と積層方向に沿って対向するように、形成されている。この構成により、平板電極602が不平衡側キャパシタC1の他方の対向電極となり、平板電極501,602と誘電体層105とにより、不平衡側キャパシタC1が構成される。
平板電極602は、第1側面のグランド端子GNDおよび第2側面の中央のグランド端子GNDに接続されている。これにより、不平衡側キャパシタC1と不平衡側インダクタL1との共振回路が構成される。
平板電極601は、グランド端子GNDを含む外部端子のいずれにも接続しない浮き電極からなる。
誘電体層107には、平面視して略四角形の平板電極701,702が形成されている。平板電極701は、誘電体層106の平板電極601と積層方向に沿って対向するように、形成されている。この構成により、平板電極601,701間に誘電体層106が介在した第1平衡側キャパシタC2が構成される。平板電極701は、第1側面の第1平衡端子Pb1に接続されている。
また、平板電極702は、誘電体層106の平板電極601と積層方向に沿って対向するように、形成されている。この構成により、平板電極601,702間に誘電体層106が介在した第2平衡側キャパシタC3が構成される。平板電極702は、第2側面の第2平衡端子Pb2に接続されている。
以上のような構成により、図1の回路構成からなる積層型フィルタ10を、積層体100を用いて実現することができる。
そして、上述のように、第1平衡側キャパシタC2および第2平衡側キャパシタC3を構成する対向電極の一方を、グランド端子GNDに接続されていない内層の平板電極601で実現することで、平衡端子間での位相バランスは、マザー基板のグランド配線パターンや実装状態の影響を受けない。これにより、安定した位相バランスの積層型フィルタを実現することができる。
また、第1平衡側キャパシタC2および第2平衡側キャパシタC3を構成する対向電極の一方を共通化することで、第1平衡側キャパシタC2と第2平衡側キャパシタC3との間の配線パターンを省略できる。これにより、より安定した位相バランスを実現できるとともに、小型化も可能になる。
次に、第2の実施形態に係る積層型フィルタについて、図を参照して説明する。図4は本実施形態の積層型フィルタ10Aの回路図である。図4に示すように、本実施形態の積層型フィルタ10Aは、第1の実施形態に示した積層型フィルタ10に対して、回路構成としては、平衡側インダクタL2の所定点がグランドに接続された点で異なる。また、本実施形態の積層型フィルタ10Aの外部端子構成は、第1の実施形態に示した積層型フィルタ10と同じである。したがって、回路構成および外部端子構成の説明は省略する。
図5は、本実施形態に係る積層型フィルタ10Aの分解斜視図である。積層型フィルタ10Aは、8層の誘電体層101−108を順次積層してなる。最上層である誘電体層101については、第1の実施形態の積層型フィルタ10の場合と同じ構造である。
誘電体層102には、コイル電極201A,202Aが形成されている。コイル電極201Aは一方端が第1側面の第1平衡端子Pb1に接続されている。コイル電極201Aは、平面視して、当該一方端を始点として、巻回形に形成されている。コイル電極201Aの他方端は導電性のビア電極VH23を介して、誘電体層103のコイル電極301Aの一方端に接続されている。このコイル電極201Aにより、平衡側インダクタL3が構成される。
コイル電極202Aは、一方端が第1側面の不平衡端子Punbに接続されている。コイル電極202Aは、平面視して、当該一方端を始点として、巻回形に形成されている。コイル電極202Aの他方端は導電性のビア電極VH24を介して、誘電体層104のコイル電極402Aの一方端に接続されている。
コイル電極202Aは、誘電体層103のコイル電極301Aと電磁界結合するように、積層体を平面視してコイル電極301Aと少なくとも一部が重なる位置に形成されている。
誘電体層103には、コイル電極301Aが形成されている。コイル電極301Aの一方端は、上述のようにビア電極VH23を介してコイル電極201Aの他方端に接続されている。
コイル電極301Aは、当該一方端を始点として略全面に亘るように巻回形に形成されている。コイル電極301Aの他方端は導電性のビア電極VH34を介して、誘電体層104のコイル電極401Aの一方端に接続されている。このコイル電極301Aにより、平衡側インダクタL2が構成される。
また、コイル電極301Aは、巻回形の所定位置から第2側面の端のグランド端子GNDに接続されている。これにより、平衡側インダクタL2の所定点がグランド接続される。このように、平衡側インダクタL2を接地させることにより、平衡側信号の位相バランスがより安定する。
誘電体層104には、コイル電極401A,402Aが形成されている。コイル電極401Aの一方端は、上述のようにビア電極VH34を介してコイル電極301Aの他方端に接続されている。
コイル電極401Aは、当該一方端を始点として巻回形に形成されている。この際、コイル電極401Aは、積層体100を平面視してコイル電極201Aと巻回方向が一致するように形成されている。コイル電極401Aの他方端は、第2側面の第2平衡端子Pb2に接続されている。このコイル電極401Aにより、平衡側インダクタL4が構成される。
コイル電極402Aの一方端は、上述のようにビア電極VH24を介してコイル電極202Aの他方端に接続されている。コイル電極402Aは、当該一方端を始点として巻回形に形成されている。この際、コイル電極402Aは、積層体を平面視してコイル電極202Aと巻回方向が一致するように形成されている。コイル電極402Aの他方端は、第2側面の中央のグランド端子GNDに接続されている。これらコイル電極202A、ビア電極VH24、およびコイル電極402Aによって、不平衡側インダクタL1が構成される。
なお、コイル電極402Aも、コイル電極202Aと同様に、コイル電極301Aに対して電磁界結合するように、平面視して少なくとも一部が重なる位置に形成されている。これにより、平衡側インダクタL2と不平衡側インダクタL1とによる相互インダクタMが実現される。本実施例においては、コイル電極202Aとコイル電極402Aにより、コイル電極301Aが積層方向に挟まれる形となっているため、平衡側インダクタL2と不平衡側インダクタL1との間の相互インダクタMをより大きくできる。
誘電体層105には、内層電極パターンが形成されていない。
誘電体層106には、平面視して略四角形の平板電極601Aが形成されている。平板電極601Aは、積層体100を平面視して、不平衡側インダクタL1を構成するコイル電極202A,402Aの形成領域側、すなわち、コイル電極202A,402Aと平面視して重なる領域に形成されている。この平板電極601Aは、不平衡側キャパシタC1の一方の対向電極に相当する。
誘電体層107には、平面視して略四角形の平板電極701A,702Aが形成されている。平板電極701Aは、平板電極601Aと積層方向に沿って対向する位置に形成されている。この構成により、平板電極701Aが不平衡側キャパシタC1の他方の対向電極となり、平板電極601A,701Aと誘電体層106とにより、不平衡側キャパシタC1が構成される。平板電極701Aは、第1側面のグランド端子GNDおよび第2側面の中央のグランド端子GNDに接続されている。これにより、不平衡側キャパシタC1と不平衡側インダクタL1との共振回路が構成される。
平板電極702Aは、グランド端子GNDを含む外部端子のいずれにも接続しない浮き電極からなる。
誘電体層108には、平面視して略四角形の平板電極801A,802Aが形成されている。平板電極801Aは、平板電極702Aと積層方向に沿って対向するように、形成されている。この構成により、平板電極801A,702A間に誘電体層107が介在した第1平衡側キャパシタC2が構成される。平板電極801Aは、第1側面の第1平衡端子Pb1に接続されている。
また、平板電極802Aは、平板電極702Aと積層方向に沿って対向するように、形成されている。この構成により、平板電極802A,702A間に誘電体層107が介在した第2平衡側キャパシタC3が構成される。平板電極802Aは、第2側面の第2平衡端子Pb2に接続されている。
以上のような構成により、図4の回路構成からなる積層型フィルタ10Aを、積層体100を用いて実現することができる。そして、図5に示すような構成を用いることで、第1の実施形態と同様に、位相バランスが安定した積層型フィルタ10Aを実現することができる。
次に、第3の実施形態に係る積層型フィルタについて、図を参照して説明する。なお、本実施形態の積層型フィルタ10Bは、回路構成が第2の実施形態に示した積層型フィルタ10Aと同じであるので、回路構成の説明は省略する。
図6は本実施形態に係る積層型フィルタ10Bの外観斜視図である。図7は本実施形態に係る積層型フィルタ10Bの分解斜視図である。
積層型フィルタ10Bは、13層の誘電体層101−113を順次積層した積層体100Bによって実現される。
積層体100Bは、図6に示すように、外形形状が略直方体形状からなる。積層体100Bの第1側面には、不平衡端子Punb、グランド端子GND、および第1平衡端子Pb1が、この順で配列形成されている。前記第1側面に対向する積層体100Bの第2側面には、二個のグランド端子GNDと、第2平衡端子Pb2とが、この順で配列形成されている。この際、第1平衡端子Pb1と第2平衡端子Pb2とが対向するように配置されている。また、これらの側面に直交する第3側面および第4側面には、それぞれ接続用電極Seが形成されている。接続用電極Seは、後述する所定の内層電極を接続するパターンであり、当該積層型フィルタ10Bが実装されるマザー基板の機能回路パターンには接続されない。
誘電体層101には、外部端子群およびマーキング電極のみが形成されている。
誘電体層102には、平面視して略四角形の平板電極201Bが形成されている。平板電極201Bは、誘電体層102の第1平衡端子Pb1および第2平衡端子Pb2側の領域に所定面積(図では略半面)で形成されている。平板電極201Bは、接続用電極Seに接続されている。
誘電体層103には、平面視して略四角形の平板電極301Bが形成されている。平板電極301Bは、平板電極201Bと積層方向に沿って対向する位置に形成されている。平板電極301Bは、第1側面の第1平衡端子Pb1に接続されている。
誘電体層102の平板電極201Bと、誘電体層103の平板電極301Bと、これらの間に介在する誘電体層102とにより、第1平衡側キャパシタC2が構成される。
誘電体層104には、内層電極パターンが形成されていない。
誘電体層105には、コイル電極501Bが形成されている。コイル電極501Bは一方端が第1側面の第1平衡端子Pb1に接続されている。コイル電極501Bは、平面視して、当該一方端を始点として、巻回形に形成されている。コイル電極501Bの他方端は導電性のビア電極VH56を介して、誘電体層106のコイル電極601Bの一方端に接続されている。
誘電体層106には、コイル電極601B,602Bが形成されている。コイル電極601Bの一方端は、ビア電極VH56を介してコイル電極501Bの他方端に接続されている。コイル電極601Bは、平面視して、当該一方端を始点として、巻回形に形成されている。この際、コイル電極601Bは、コイル電極501Bと同じ巻回方向で形成される。これらコイル電極501B,601Bとビア電極VH56とにより、平衡側インダクタL3が構成される。
コイル電極601Bの他方端は導電性のビア電極VH67を介して、誘電体層107のコイル電極701Bの一方端に接続されている。
コイル電極602Bの一方端は、第1側面の不平衡端子Punbに接続されている。コイル電極602Bは、平面視して、当該一方端を始点として、巻回形に形成されている。コイル電極602Bの他方端は導電性のビア電極VH68を介して、誘電体層108のコイル電極802Bの一方端に接続されている。
コイル電極602Bは、誘電体層107のコイル電極701Bと電磁界結合するように、積層体を平面視してコイル電極701Bと少なくとも一部が重なる位置に形成されている。
誘電体層107には、コイル電極701Bが形成されている。コイル電極701Bの一方端は、上述のようにビア電極VH67を介してコイル電極601Bの他方端に接続されている。コイル電極701Bは、当該一方端を始点として略全面に亘るように巻回形に形成されている。コイル電極701Bの他方端は導電性のビア電極VH78を介して、誘電体層108のコイル電極801Bの一方端に接続されている。このコイル電極701Bにより、平衡側インダクタL2が構成される。
また、コイル電極701Bは、巻回形の所定位置が第2側面の端のグランド端子GNDに接続されている。これにより、平衡側インダクタL2の所定点がグランド接続される。
誘電体層108には、コイル電極801B,802Bが形成されている。コイル電極802Bの一方端は、上述のようにビア電極VH68を介してコイル電極602Bの他方端に接続されている。コイル電極802Bは、当該一方端を始点として巻回形に形成されている。この際、コイル電極802Bは、積層体100Bを平面視してコイル電極602Bと巻回方向が一致するように形成されている。コイル電極802Bの他方端は、第2側面の端のグランド端子GNDに接続されている。これらコイル電極602B、ビア電極VH68、およびコイル電極802Bによって、不平衡側インダクタL1が構成される。
なお、コイル電極802Bも、コイル電極602Bと同様に、コイル電極701Bに対して電磁界結合するように、積層体を平面視してコイル電極701Bと少なくとも一部が重なる位置に形成されている。これにより、平衡側インダクタL2と不平衡側インダクタL1とによる相互インダクタMが実現される。本実施例においては、コイル電極602Bとコイル電極802Bにより、コイル電極701Bが積層方向に挟まれる形となっているため、平衡側インダクタL2と不平衡側インダクタL1間の相互インダクタMをより大きくできる。
コイル電極801Bの一方端は、上述のようにビア電極VH78を介してコイル電極701Bの他方端に接続されている。コイル電極801Bは、当該一方端を始点として巻回形に形成されている。この際、コイル電極801Bは、積層体100Bを平面視してコイル電極501B,601Bと巻回方向が一致するように形成されている。コイル電極801Bの他方端は、ビア電極VH89を介して、誘電体層109のコイル電極901Bの一方端に接続されている。
誘電体層109には、コイル電極901Bが形成されている。コイル電極901Bの一方端は、上述のようにビア電極VH89を介してコイル電極801Bの他方端に接続されている。コイル電極901Bは、当該一方端を始点として巻回形に形成されている。この際、コイル電極901Bは、積層体100Bを平面視してコイル電極801Bと巻回方向が一致するように形成されている。コイル電極901Bの他方端は、第2側面の第2平衡端子Pb2に接続されている。このコイル電極801B、ビア電極VH89、コイル電極901Bにより、平衡側インダクタL4が構成される。
誘電体層110には、内層電極パターンが形成されていない。
誘電体層111には、平面視して略四角形の平板電極1101Bが形成されている。平板電極1101Bは、積層体100Bを平面視して、不平衡側インダクタL1を構成するコイル電極602B,802Bの形成領域側、すなわち、コイル電極602B,802Bと平面視して重なる領域に形成されている。
誘電体層112には、平面視して略四角形の平板電極1201B,1202Bが形成されている。平板電極1202Bは、平板電極1101Bと積層方向に沿って対向する位置に形成されている。この構成により、平板電極1202B,1101Bと誘電体層111とにより、不平衡側キャパシタC1が構成される。平板電極1202Bは、第1側面のグランド端子GNDおよび第2側面の中央のグランド端子GNDに接続されている。これにより、不平衡側キャパシタC1と不平衡側インダクタL1との共振回路が構成される。
平板電極1201Bは、積層体100Bを平面視して、平衡側インダクタL3,L4を構成するコイル電極501B,601B,801B,901Bの形成領域側、すなわち、コイル電極501B,601B,801B,901Bと平面視して重なる領域に形成されている。平板電極1201Bは、第2側面の第2平衡端子Pb2に接続されている。
誘電体層113には、平面視して略四角形の平板電極1301Bが形成されている。平板電極1301Bは、平板電極1201Bと積層方向に沿って対向するように、形成されている。平板電極1301Bは、接続用電極Seに接続されている。
誘電体層112の平板電極1201Bと、誘電体層113の平板電極1301Bと、これらの間に介在する誘電体層112とにより、第2平衡側キャパシタC3が構成される。
以上の構成では、第1平衡側キャパシタC2の平板電極201Bと第2平衡側キャパシタC3の平板電極1301Bとは、接続用電極Seで接続され、グランド端子GNDに接続されない。したがって、これら平板電極201B,1301Bは、グランド端子GNDに接続しない浮き電極となる。これにより、上述の実施形態と同様に、安定したバランス特性の積層型フィルタ10Bを実現することができる。
さらに、本実施形態に示すように、第1平衡側キャパシタC2と第2平衡側キャパシタC3とを、積層方向に沿って列ぶように形成することで、第1平衡側キャパシタC2と第2平衡側キャパシタC3とを、上述の各実施形態と同じキャパシタンスに設定する場合に、上述の各実施形態の構成よりも平面形状を小さくすることができる。また、同じ平面形状であれば、より大きなキャパシタンスを実現することができる。
さらに、第1平衡側キャパシタC2と第2平衡側キャパシタC3は、積層方向に不平衡側インダクタL1と平衡側インダクタL2,L3,L4を挟んで配置されるので、より安定したバランス特性が得られる。
次に、第4の実施形態に係る積層型フィルタについて、図を参照して説明する。本実施形態の積層型フィルタ10Cは、第1の実施形態に示した積層型フィルタ10に対して、DCフィード端子を追加したものである。
図8は本実施形態に係る積層型フィルタ10Cの回路図である。図8に示すように、積層型フィルタ10Cは、平衡側インダクタL2の中点にDCフィード端子Pdcが接続されている。DCフィード端子Pdcと平衡側インダクタL2との接続ラインは、キャパシタCgを介してグランドへ接続されている。なお、その他の構成は、第1の実施形態に示した積層型フィルタ10と同じであるので、回路構成の説明は省略する。
図9は本実施形態に係る積層型フィルタ10Cの外観斜視図である。図9に示すように、外形形状が略直方体形状からなる。積層体100Cの第1側面には、不平衡端子Punb、DCフィード端子Pdcの外部電極(以下、DCフィード端子Pdcと称する。)、および第1平衡端子Pb1が、この順で配列形成されている。前記第1側面に対向する積層体100Cの第2側面には、二個のグランド端子GNDと、第2平衡端子Pb2とが、この順で配列形成されている。この際、第1平衡端子Pb1と第2平衡端子Pb2とが対向するように配置されている。また、これらの側面に直交する第3側面および第4側面には、それぞれ接続用電極Seが形成されている。接続用電極Seは、後述する所定の内層電極を接続するパターンであり、当該積層型フィルタ10Cが実装されるマザー基板の機能回路パターンには接続されない。
図10は本実施形態に係る積層型フィルタ10Cの分解斜視図である。積層型フィルタ10Cは、13層の誘電体層101−113を順次積層した積層体100Cによって実現される。
誘電体層101には、外部端子群およびマーキング電極のみが形成されている。
誘電体層102には、平面視して略四角形の平板電極201Cが形成されている。平板電極201Cは、誘電体層102の第1平衡端子Pb1および第2平衡端子Pb2側の領域に所定面積(図では略半面)で形成されている。平板電極201Cは、接続用電極Seに接続されている。
誘電体層103には、平面視して略四角形の平板電極301Cが形成されている。平板電極301Cは、平板電極201Cと積層方向に沿って対向する位置に形成されている。平板電極301Cは、第1側面の第1平衡端子Pb1に接続されている。
誘電体層102の平板電極201Cと、誘電体層103の平板電極301Cと、これらの間に介在する誘電体層102とにより、第1平衡側キャパシタC2が構成される。
誘電体層104には、内層電極パターンが形成されていない。
誘電体層105には、コイル電極501Cが形成されている。コイル電極501Cは一方端が第1側面の第1平衡端子Pb1に接続されている。コイル電極501Cは、平面視して、当該一方端を始点として、巻回形に形成されている。コイル電極501Cの他方端は導電性のビア電極VH56を介して、誘電体層106のコイル電極601Cの一方端に接続されている。
誘電体層106には、コイル電極601C,602Cが形成されている。コイル電極601Cの一方端は、ビア電極VH56を介してコイル電極501Cの他方端に接続されている。コイル電極601Cは、平面視して、当該一方端を始点として、巻回形に形成されている。この際、コイル電極601Cは、コイル電極501Cと同じ巻回方向で形成される。これらコイル電極501C,601Cとビア電極VH56とにより、平衡側インダクタL3が構成される。
コイル電極601Cの他方端は導電性のビア電極VH67を介して、誘電体層107のコイル電極701Cの一方端に接続されている。
コイル電極602Cの一方端は、第1側面の不平衡端子Punbに接続されている。コイル電極602Cは、平面視して、当該一方端を始点として、巻回形に形成されている。コイル電極602Cの他方端は導電性のビア電極VH68を介して、誘電体層108のコイル電極802Cの一方端に接続されている。
コイル電極602Cは、誘電体層107のコイル電極701Cと電磁界結合するように、積層体を平面視してコイル電極701Cと少なくとも一部が重なる位置に形成されている。
誘電体層107には、コイル電極701Cが形成されている。コイル電極701Cの一方端は、上述のようにビア電極VH67を介してコイル電極601Cの他方端に接続されている。コイル電極701Cは、当該一方端を始点として略全面に亘るように巻回形に形成されている。コイル電極701Cの他方端は導電性のビア電極VH78を介して、誘電体層108のコイル電極801Cの一方端に接続されている。このコイル電極701Cにより、平衡側インダクタL2が構成される。コイル電極701Cの巻回方向の所定位置は、誘電体層108,109を貫通するビア電極VH710を介して、誘電体層110の平板電極1001Cに接続されている。
誘電体層108には、コイル電極801C,802Cが形成されている。コイル電極802Cの一方端は、上述のようにビア電極VH68を介してコイル電極602Cの他方端に接続されている。コイル電極802Cは、当該一方端を始点として巻回形に形成されている。この際、コイル電極802Cは、積層体100Cを平面視してコイル電極602Cと巻回方向が一致するように形成されている。コイル電極802Cの他方端は、第2側面の端のグランド端子GNDに接続されている。これらコイル電極602C、ビア電極VH68、およびコイル電極802Cによって、不平衡側インダクタL1が構成される。
なお、コイル電極802Cも、コイル電極602Cと同様に、コイル電極701Cに対して電磁界結合するように、積層体を平面視してコイル電極701Cと少なくとも一部が重なる位置に形成されている。これにより、平衡側インダクタL2と不平衡側インダクタL1とによる相互インダクタMが実現される。本実施例においては、コイル電極602Cとコイル電極802Cにより、コイル電極701Cが積層方向に挟まれる形となっているため、平衡側インダクタL2と不平衡側インダクタL1間の相互インダクタMをより大きくできる。
コイル電極801Cの一方端は、上述のようにビア電極VH78を介してコイル電極701Cの他方端に接続されている。コイル電極801Cは、当該一方端を始点として巻回形に形成されている。この際、コイル電極801Cは、積層体100Cを平面視してコイル電極501C,601Cと巻回方向が一致するように形成されている。コイル電極801Cの他方端は、ビア電極VH89を介して、誘電体層109のコイル電極901Cの一方端に接続されている。
誘電体層109には、コイル電極901Cが形成されている。コイル電極901Cの一方端は、上述のようにビア電極VH89を介してコイル電極801Cの他方端に接続されている。コイル電極901Cは、当該一方端を始点として巻回形に形成されている。この際、コイル電極901Cは、積層体100Cを平面視してコイル電極801Cと巻回方向が一致するように形成されている。コイル電極901Cの他方端は、第2側面の第2平衡端子Pb2に接続されている。このコイル電極801C、ビア電極VH89、コイル電極901Cにより、平衡側インダクタL4が構成される。
誘電体層110には、平面視して略四角形の平板電極1001Cが形成されている。平板電極1001Cは、積層体100Cを平面視して、不平衡側インダクタL1を構成するコイル電極の形成領域側に形成されている。平板電極1001Cは、第1側面のDCフィード端子Pdcに接続されている。
誘電体層111には、平面視して略四角形の平板電極1101Cが形成されている。平板電極1101Cは、積層体100Cを平面視して、不平衡側インダクタL1を構成するコイル電極の形成領域側に形成されている。この際、平板電極1101Cは、平板電極1001Cと、積層方向に沿って対向する位置に形成されている。これら平板電極1001C,1101Cと誘電体層110とにより、DCフィード端子Pdc保護用のキャパシタCgが構成される。このキャパシタCgにより、DCフィード端子を通過する信号の高周波成分を除去することができる。
誘電体層112には、平面視して略四角形の平板電極1201C,1202Cが形成されている。平板電極1202Cは、平板電極1101Cと積層方向に沿って対向する位置に形成されている。この構成により、平板電極1202C,1101Cと誘電体層111とにより、不平衡側キャパシタC1が構成される。平板電極1202Cは、第1側面の不平衡端子Punbに接続される。この構成により、不平衡側キャパシタC1と不平衡側インダクタL1との共振回路が構成される。
平板電極1201Cは、積層体100Cを平面視して、平衡側インダクタL3,L4を構成するコイル電極の形成領域側に形成されている。平板電極1201Cは、第2側面の第2平衡端子Pb2に接続されている。
誘電体層113には、平面視して略四角形の平板電極1301Cが形成されている。平板電極1301Cは、平板電極1201Cと積層方向に沿って対向するように、形成されている。平板電極1301Cは、接続用電極Seに接続されている。
誘電体層112の平板電極1201Cと、誘電体層113の平板電極1301Cと、これらの間に介在する誘電体層112とにより、第2平衡側キャパシタC3が構成される。
このように、本実施形態の構成を用いることで、DCフィード端子Pdcを有する構成であっても、第3実施形態と同様の作用効果を得ることができる。
次に、第5の実施形態に係る積層型フィルタについて、図を参照して説明する。上述の各実施形態では、一個の積層体で一個のバランスフィルタ回路を形成する例を示したが、以下の各実施形態では、一個の積層体で二個のバランスフィルタ回路を形成する例を示す。
図11は本実施形態の積層型フィルタ10Dの回路図である。図11に示すように、本実施形態の積層型フィルタ10Dは、第2実施形態の図4に示したフィルタ回路を一個の積層体で二個形成したものである。
<回路構成>
積層型フィルタ10Dを構成する第1フィルタ回路は、不平衡型信号を入出力する不平衡端子Punbaと、平衡型信号を入出力する第1平衡端子Pba1および第2平衡端子Pba2を備える。
不平衡端子Punbaとグランドとの間には、不平衡側キャパシタC1aと不平衡側インダクタL1aとの並列共振回路が接続されている。
第1平衡端子Pba1と第2平衡端子Pba2との間には、三個の平衡側インダクタL3a,L2a,L4aが直列接続されている。この際、平衡側インダクタL3a,L2a,L4aは、第1平衡端子Pba1側から、平衡側インダクタL3a,L2a,L4aの順で接続されている。これら平衡側インダクタL3a,L2a,L4aは、後述するように、巻き方向が同じとなるヘリカル状のコイルによって実現される。なお、本実施形態では、三個の平衡側インダクタを用いたが、一個を除く奇数であれば、平衡側インダクタ数は他の数であってもよい。
平衡側インダクタL2aは、不平衡側インダクタL1aと電磁界結合するように、配置されている。この構成より、平衡側インダクタL2aと不平衡側インダクタL1aとの間には相互インダクタMaが作用する。平衡側インダクタL2aは、所定点がグランドに接続されている。このように、平衡側インダクタL2aを接地させることにより、平衡側信号の位相バランスがより安定する。
第1平衡端子Pba1と第2平衡端子Pba2との間には、第1平衡側キャパシタC2aと第2平衡側キャパシタC3aとの直列回路が接続されている。この際、第1平衡側キャパシタC2aと第2平衡側キャパシタC3aとは、第1平衡端子Pba1側から、第1平衡側キャパシタC2a、第2平衡側キャパシタC3aの順で接続されている。
積層型フィルタ10Dを構成する第2フィルタ回路は、不平衡型信号を入出力する不平衡端子Punbbと、平衡型信号を入出力する第1平衡端子Pbb1および第2平衡端子Pbb2を備える。
不平衡端子Punbbとグランドとの間には、不平衡側キャパシタC1bと不平衡側インダクタL1bとの並列共振回路が接続されている。
第1平衡端子Pbb1と第2平衡端子Pbb2との間には、三個の平衡側インダクタL3b,L2b,L4bが直列接続されている。この際、平衡側インダクタL3b,L2b,L4bは、第1平衡端子Pbb1側から、平衡側インダクタL3b,L2b,L4bの順で接続されている。これら平衡側インダクタL3b,L2b,L4bは、後述するように、巻き方向が同じとなるヘリカル状のコイルによって実現される。なお、本実施形態では、三個の平衡側インダクタを用いたが、一個を除く奇数であれば、平衡側インダクタ数は他の数であってもよい。
平衡側インダクタL2bは、不平衡側インダクタL1bと電磁界結合するように、配置されている。この構成より、平衡側インダクタL2bと不平衡側インダクタL1bとの間には相互インダクタMbが作用する。平衡側インダクタL2bは、所定点がグランドに接続されている。
第1平衡端子Pbb1と第2平衡端子Pbb2との間には、第1平衡側キャパシタC2bと第2平衡側キャパシタC3bとの直列回路が接続されている。この際、第1平衡側キャパシタC2bと第2平衡側キャパシタC3bとは、第1平衡端子Pbb1側から、第1平衡側キャパシタC2b、第2平衡側キャパシタC3bの順で接続されている。
<構造説明>
次に、上述の回路構成からなる積層型フィルタ10Dの構造について説明する。図12は本実施形態に係る積層型フィルタ10Dの外観斜視図である。図13は本実施形態に係る積層型フィルタ10Dの分解斜視図である。
第1フィルタ回路を構成する各回路素子と、第2フィルタ回路を構成する各回路素子とは、高周波的に結合しないように、積層体100Dを平面視して個別の領域に形成されている。また、具体的な巻回形状は図13に示すが、インダクタの巻回方向は、フィルタ回路同士で逆になっている。これにより、第1フィルタ回路と第2フィルタ回路との結合が抑制される。
積層型フィルタ10Dは、10層の誘電体層101T−110Tを順次積層した積層体100Dによって実現される。
積層体100Dは、図12に示すように、外形形状が略直方体形状からなる。積層体100Dの第1側面には、第1フィルタ回路の不平衡端子用の外部電極(以下、不平衡端子Punbaと称する。)、二つのグランド電極(以下、グランド端子GNDと称する。)、および第2フィルタ回路の不平衡端子用の外部電極(以下、不平衡端子Punbbと称する。)が、この順で配列形成されている。
前記第1側面に対向する積層体100Dの第2側面には、第1フィルタ回路の第1、第2平衡端子用の外部電極(以下、第1平衡端子Pba1、第2平衡端子Pba2と称する。)、第2フィルタ回路の第2、第1平衡端子用の外部電極(以下、第2平衡端子Pbb2、第1平衡端子Pbb1と称する。)がこの順で配列形成されている。この際、第1フィルタ回路の不平衡端子Punbaと第1平衡端子Pba1とが対向するように配置されている。上述の各実施形態と同様に、以下の各誘電体層の説明では、内層電極との接続関係を除き、これら外部端子の形成位置および形状の説明は省略する。
積層体100Dの最上層となる誘電体層101Tには、上記外部端子の電極パターンのみが形成されている。なお、図示しないが、誘電体層101Tの天面、すなわち積層体100Dの天面に、実装方向を定義するためのマーキング電極が形成されている。
誘電体層102Tには、コイル電極201Da,201Dbが形成されている。コイル電極201Daは一方端が第2側面の第1フィルタ回路の第1平衡端子Pba1に接続されている。コイル電極201Daは平面視して、当該一方端を始点として、巻回形に形成されている。コイル電極201Daの他方端は導電性のビア電極VH23aを介して、誘電体層103Tのコイル電極301Daの一方端に接続されている。
コイル電極201Dbは一方端が第2側面の第2フィルタ回路の第1平衡端子Pbb1に接続されている。コイル電極201Dbは平面視して、当該一方端を始点として、巻回形に形成されている。コイル電極201Dbの他方端は導電性のビア電極VH23bを介して、誘電体層103Tのコイル電極301Dbの一方端に接続されている。
誘電体層103Tには、コイル電極301Da,301Db,301Dc,301Ddが形成されている。
コイル電極301Daは一方端がビア電極VH23aを介してコイル電極201Daの他方端に接続されている。コイル電極301Daは平面視して、当該一方端を始点として、コイル電極201Daと同じ方向へ巻回する巻回形に形成されている。コイル電極301Daの他方端は導電性のビア電極VH34aを介して、誘電体層104Tのコイル電極401Daの一方端に接続されている。コイル電極301Daと、コイル電極201Daおよびビア電極VH23aとにより、第1フィルタ回路の平衡側インダクタL3aが構成される。
コイル電極301Dbは一方端がビア電極VH23bを介してコイル電極201Dbの他方端に接続されている。コイル電極301Dbは、平面視して、当該一方端を始点として、コイル電極201Dbと同じ方向へ巻回する巻回形に形成されている。コイル電極301Dbの他方端は導電性のビア電極VH34bを介して、誘電体層104Tのコイル電極401Dbの一方端に接続されている。コイル電極301Dbと、コイル電極201Dbおよびビア電極VH23bとにより、第2フィルタ回路の平衡側インダクタL3bが構成される。
コイル電極301Dcは、一方端が第1側面の第1フィルタのグランド端子GNDに接続されている。コイル電極301Dcは、平面視して、当該一方端を始点として巻回形に形成されている。コイル電極301Dcの他方端は導電性のビア電極VH35aを介して、誘電体層105Tのコイル電極501Dcの一方端に接続されている。
コイル電極301Ddは、一方端が第1側面の第2フィルタのグランド端子GNDに接続されている。コイル電極301Ddは、平面視して、当該一方端を始点として巻回形に形成されている。コイル電極301Ddの他方端は導電性のビア電極VH35bを介して、誘電体層105Tのコイル電極501Ddの一方端に接続されている。
誘電体層104Tには、コイル電極401Da,401Dbが形成されている。コイル電極401Daの一方端は、ビア電極VH34aを介して、コイル電極301Daの他方端に接続されている。コイル電極401Daは、その少なくとも一部がコイル電極301Dcと平面視して重なり合うように、すなわち、コイル電極301Dcと電磁界結合するように、巻回形状に形成されている。コイル電極401Daの他方端は、ビア電極VH45aを介して、誘電体層105Tのコイル電極501Daの一方端に接続されている。このコイル電極401Daにより、第1フィルタ回路の平衡側インダクタL2aが構成される。
コイル電極401Dbの一方端は、ビア電極VH34bを介して、コイル電極301Dbの他方端に接続されている。コイル電極401Dbは、その少なくとも一部がコイル電極301Ddと平面視して重なり合うように、すなわち、コイル電極301Ddと電磁界結合するように、巻回形状に形成されている。コイル電極401Dbの他方端は、ビア電極VH45bを介して、誘電体層105Tのコイル電極501Dbの一方端に接続されている。このコイル電極401Dbにより、第2フィルタ回路の平衡側インダクタL2bが構成される。
また、コイル電極401Da,401Dbは、巻回形の所定位置から第1側面のグランド端子GNDに接続されている。これにより、平衡側インダクタL2a,L2bの所定点がグランド接続される。
誘電体層105Tには、コイル電極501Da,501Db,501Dc,501Ddが形成されている。
コイル電極501Daの一方端は、ビア電極VH45aを介してコイル電極401Daに接続されている。コイル電極501Daは、平面視して、当該一方端を始点する巻回形に形成されている。この際、コイル電極501Daは、積層体100Dを平面視して第1フィルタ回路の第1、第2平衡端子Pba1,Pba2側の領域、すなわち、上述のコイル電極201Da,301Daと重なり合うような領域に形成されている。コイル電極501Daの他方端は、ビア電極VH56aを介して、誘電体層106Tのコイル電極601Daの一方端に接続されている。
コイル電極501Dbの一方端は、ビア電極VH45bを介してコイル電極401Dbに接続されている。コイル電極501Dbは、平面視して、当該一方端を始点する巻回形に形成されている。この際、コイル電極501Dbは、積層体100Dを平面視して第2フィルタ回路の第1、第2平衡端子Pbb1,Pbb2側の領域、すなわち、上述のコイル電極201Db,301Dbと重なり合うような領域に形成されている。コイル電極501Dbの他方端は、ビア電極VH56bを介して、誘電体層106Tのコイル電極601Dbの一方端に接続されている。
コイル電極501Dcの一方端は、ビア電極VH35aを介してコイル電極301Dcに接続されている。コイル電極501Dcは、平面視して、当該一方端を始点としてコイル電極301Dcと同じ方向に巻回する巻回形に形成されている。この際、コイル電極501Dcも、コイル電極401Daと電磁界結合するように、積層体を平面視してコイル電極401Daと少なくとも一部が重なる位置に形成されている。コイル電極501Dcの他方端は、第1フィルタ回路の不平衡端子Punbaに接続されている。コイル電極501Dcと、コイル電極301Dcおよびビア電極VH35aにより、第1フィルタ回路の不平衡側インダクタL1aが構成される。
コイル電極501Ddの一方端は、ビア電極VH35bを介してコイル電極301Ddに接続されている。コイル電極501Ddは、平面視して、当該一方端を始点としてコイル電極301Ddと同じ方向に巻回する巻回形に形成されている。この際、コイル電極501Ddも、コイル電極401Dbと電磁界結合するように、積層体を平面視してコイル電極401Dbと少なくとも一部が重なる位置に形成されている。コイル電極501Ddの他方端は、第2フィルタ回路の不平衡端子Punbbに接続されている。コイル電極501Ddと、コイル電極301Ddおよびビア電極VH35bとにより、第2フィルタ回路の不平衡側インダクタL1bが構成される。
誘電体層106Tには、コイル電極601Da,601Dbが形成されている。コイル電極601Daの一方端は、ビア電極VH56aを介してコイル電極501Daの他方端に接続されている。コイル電極601Daは、平面視して、当該一方端を始点としてコイル電極501Daと同じ方向に巻回する巻回形状に形成されている。コイル電極601Daと、コイル電極501Daおよびビア電極VH56aとにより、第1フィルタ回路の平衡側インダクタL4aが構成される。
コイル電極601Dbの一方端は、ビア電極VH56bを介してコイル電極501Dbの他方端に接続されている。コイル電極601Dbは、平面視して、当該一方端を始点としてコイル電極501Dbと同じ方向に巻回する巻回形状に形成されている。コイル電極601Dbと、コイル電極501Dbおよびビア電極VH56bとにより、第2フィルタ回路の平衡側インダクタL4bが構成される。
誘電体層107Tには、それぞれが所定の面積からなり、平面視して略四角形の平板電極701Da,701Db、701Dc,701Ddが形成されている。
平板電極701Dcは、積層体100Dを平面視した第1フィルタ回路の不平衡端子Punba側の領域に形成されている。すなわち、平板電極701Dcは、積層体100Dを平面視して、コイル電極301Dc,501Dcの形成領域と重なるように形成されている。平板電極701Dcは、第1側面のグランド端子GNDに接続されている。
平板電極701Ddは、積層体100Dを平面視した第2フィルタ回路の不平衡端子Punbb側の領域に形成されている。すなわち、平板電極701Ddは、積層体100Dを平面視して、コイル電極301Dd,501Ddの形成領域と重なるように形成されている。平板電極701Ddは、第1側面のグランド端子GNDに接続されている。
平板電極701Daは、積層体100Dを平面視した第1フィルタ回路の第1、第2平衡端子Pba1,Pba2側の領域に形成されている。平板電極701Daは、グランド端子GNDを含む外部電極に接続しない浮き電極である。
平板電極701Dbは、積層体100Dを平面視した第2フィルタ回路の第1、第2平衡端子Pbb1,Pbb2側の領域に形成されている。平板電極701Dbは、グランド端子GNDを含む外部電極に接続しない浮き電極である。
誘電体層108Tには、それぞれが所定の面積からなり、平面視して略四角形の平板電極801Da,801Db,801Dc,801Dd,801De,801Dfが形成されている。
平板電極801Deは、積層体100Dを平面視して、平板電極701Dcと対向するように形成されている。これら平板電極801De,701Dcおよび誘電体層107Tにより、第1フィルタ回路の不平衡側キャパシタC1aが構成される。平板電極801Deは、第1側面の第1フィルタ回路の不平衡端子Punbaに接続されている。
平板電極801Dfは、積層体100Dを平面視して、平板電極701Ddと積層方向に沿って対向するように形成されている。これら平板電極801Df,701Ddおよび誘電体層107Tにより、第2フィルタ回路の不平衡側キャパシタC1bが構成される。平板電極801Dfは、第1側面の第2フィルタ回路の不平衡端子Punbbに接続されている。
平板電極801Da,801Dbは、それぞれ平板電極701Daと積層方向に沿って対向するように形成されている。平板電極801Daは、第2側面の第1フィルタの第1平衡端子Pba1へ接続されており、平板電極801Dbは、第2側面の第1フィルタの第2平衡端子Pba2へ接続されている。
平板電極801Dc,801Ddは、それぞれ平板電極701Dbと積層方向に沿って対向するように形成されている。平板電極801Dcは、第2側面の第2フィルタの第2平衡端子Pbb2へ接続されており、平板電極801Ddは、第2側面の第2フィルタの第1平衡端子Pbb1へ接続されている。
誘電体層109Tには、それぞれが所定の面積からなり、平面視して略四角形の平板電極901Da,901Dbが形成されている。平板電極901Daは、平板電極801Da,801Dbと積層方向に沿って対向するように形成されている。これら平板電極901Da,801Da,701Daと誘電体層107T,108Tとにより、第1フィルタ回路の第1平衡側キャパシタC2aが構成される。これら平板電極901Da,801Db,701Daと誘電体層107T,108Tとにより、第1フィルタ回路の第2平衡側キャパシタC3aが構成される。
平板電極901Dbは、平板電極801Dc,801Ddと積層方向に沿って対向するように形成されている。
誘電体層110Tには、それぞれが所定の面積からなり、平面視して略四角形の平板電極1001Da,1001Dbが形成されている。平板電極1001Da,1001Dbは、それぞれ平板電極901Dbと積層方向に沿って対向するように形成されている。
平板電極701Db,801Dc,901Db,1001Daと誘電体層107T,108T,109Tとにより第2フィルタ回路の第2平衡側キャパシタC3bが構成される。平板電極701Db,801Dd,901Db,1001Dbと誘電体層107T,108T,109Tとにより第2フィルタ回路の第1平衡側キャパシタC2bが構成される。
平板電極1001Daは、第2フィルタ回路の第2平衡端子Pbb2に接続されている。平板電極1001Dbは、第2フィルタ回路の第1平衡端子Pbb1に接続されている。
以上のように、本実施形態の構成を用いれば、単体の積層体に複数のフィルタ回路を形成するような場合であっても、上述の各実施形態と同様に、安定したバランス特性の積層型フィルタを実現することができる。
次に、第6の実施形態に係る積層型フィルタについて、図を参照して説明する。本実施形態の積層型フィルタ10Eは、第5の実施形態に示した積層型フィルタ10Dに対して、平衡側インダクタL2a,L2bの所定点をグランド接続する構成ではなく、平衡側インダクタL2a,L2bの所定点にDCフィード端子Pdcを接続した構成からなる。
図14は本実施形態に係る積層型フィルタ10Eの回路図である。図14に示すように、第1フィルタ回路の平衡側インダクタL2aの所定点は、DCフィード端子Pdcに接続されている。Dcフィード端子Pdcと平衡側インダクタL2aとの接続ラインは、Cgaを介してグランドへ接続されている。なお、その他の構成は、第5の実施形態に示した積層型フィルタ10Dの第1フィルタ回路と同じであるので、回路構成の説明は省略する。
また、図14に示すように、第2フィルタ回路の平衡側インダクタL2bの所定点は、DCフィード端子Pdcに接続されている。Dcフィード端子Pdcと平衡側インダクタL2bとの接続ラインは、Cgbを介してグランドへ接続されている。なお、その他の構成は、第5の実施形態に示した積層型フィルタ10Dの第2フィルタ回路と同じであるので、回路構成の説明は省略する。
図15は、本実施形態に係る積層型フィルタ10Eの外観斜視図である。図16は、本実施形態に係る積層型フィルタ10Eの分解斜視図である。
積層型フィルタ10Eは、11層の誘電体層101T−111Tを順次積層した積層体100Eによって実現される。
積層体100Eは、図15に示すように、外形形状が略直方体形状からなる。積層体100Eの第1側面には、第1フィルタ回路の不平衡端子用の外部電極(以下、不平衡端子Punbaと称する。)、DCフィード端子用の電極(以下、DCフィード用端子Pdcと称する。)、グランド電極(以下、グランド端子GNDと称する。)、および第2フィルタ回路の不平衡端子用の外部電極(以下、不平衡端子Punbbと称する。)が、この順で配列形成されている。
前記第1側面に対向する積層体100Eの第2側面には、第1フィルタ回路の第1、第2平衡端子用の外部電極(以下、第1平衡端子Pba1、第2平衡端子Pba2と称する。)、第2フィルタ回路の第2、第1平衡端子用の外部電極(以下、第2平衡端子Pbb2、第1平衡端子Pbb1と称する。)がこの順で配列形成されている。この際、第1フィルタ回路の不平衡端子Punbaと第1平衡端子Pba1とが対向するように配置されている。上述の各実施形態と同様に、以下の各誘電体層の説明では、内層電極との接続関係を除き、これら外部端子の形成位置および形状の説明は省略する。
積層体100Eの最上層となる誘電体層101Tには、上記外部端子の電極パターンのみが形成されている。なお、図示しないが、誘電体層101Tの天面、すなわち積層体100Eの天面に、実装方向を定義するためのマーキング電極が形成されている。
誘電体層102Tには、コイル電極201Ea,201Ebが形成されている。コイル電極201Eaは一方端が第2側面の第1フィルタ回路の第1平衡端子Pba1に接続されている。コイル電極201Eaは平面視して、当該一方端を始点として、巻回形に形成されている。コイル電極201Eaの他方端は導電性のビア電極VH23aを介して、誘電体層103Tのコイル電極301Eaの一方端に接続されている。
コイル電極201Ebは一方端が第2側面の第2フィルタ回路の第1平衡端子Pbb1に接続されている。コイル電極201Ebは平面視して、当該一方端を始点として、巻回形に形成されている。コイル電極201Ebの他方端は導電性のビア電極VH23bを介して、誘電体層103Tのコイル電極301Ebの一方端に接続されている。
誘電体層103Tには、コイル電極301Ea,301Eb,301Ec,301Edが形成されている。
コイル電極301Eaは一方端がビア電極VH23aを介してコイル電極201Eaの他方端に接続されている。コイル電極301Eaは平面視して、当該一方端を始点として、コイル電極201Eaと同じ方向へ巻回する巻回形に形成されている。コイル電極301Eaの他方端は導電性のビア電極VH34aを介して、誘電体層104Tのコイル電極401Eaの一方端に接続されている。コイル電極301Eaと、コイル電極201Eaおよびビア電極VH23aとにより、第1フィルタ回路の平衡側インダクタL3aが構成される。
コイル電極301Ebは一方端がビア電極VH23bを介してコイル電極201Ebの他方端に接続されている。コイル電極301Ebは、平面視して、当該一方端を始点として、コイル電極201Ebと同じ方向へ巻回する巻回形に形成されている。コイル電極301Ebの他方端は導電性のビア電極VH34bを介して、誘電体層104Tのコイル電極401Ebの一方端に接続されている。コイル電極301Ebと、コイル電極201Ebおよびビア電極VH23bとにより、第2フィルタ回路の平衡側インダクタL3bが構成される。
コイル電極301Ecは、一方端が第1側面の第1フィルタの不平衡端子Punbaに接続されている。コイル電極301Ecは、平面視して、当該一方端を始点として巻回形に形成されている。コイル電極301Ecの他方端は導電性のビア電極VH35aを介して、誘電体層105Tのコイル電極501Ecの一方端に接続されている。
コイル電極301Edは、一方端が第1側面の第2フィルタの不平衡端子Punbbに接続されている。コイル電極301Edは、平面視して、当該一方端を始点として巻回形に形成されている。コイル電極301Edの他方端は導電性のビア電極VH35bを介して、誘電体層105Tのコイル電極501Edの一方端に接続されている。
誘電体層104Tには、コイル電極401Ea,401Ebが形成されている。コイル電極401Eaの一方端は、ビア電極VH34aを介して、コイル電極301Eaの他方端に接続されている。コイル電極401Eaは、その少なくとも一部がコイル電極301Ecと平面視して重なり合うように、すなわち、コイル電極301Ecと電磁界結合するように、巻回形状に形成されている。コイル電極401Eaの他方端は、ビア電極VH45aを介して、誘電体層105Tのコイル電極501Eaの一方端に接続されている。このコイル電極401Eaにより、第1フィルタ回路の平衡側インダクタL2aが構成される。
コイル電極401Ebの一方端は、ビア電極VH34bを介して、コイル電極301Ebの他方端に接続されている。コイル電極401Ebは、その少なくとも一部がコイル電極301Ddと平面視して重なり合うように、すなわち、コイル電極301Edと電磁界結合するように、巻回形状に形成されている。コイル電極401Ebの他方端は、ビア電極VH45bを介して、誘電体層105Tのコイル電極501Ebの一方端に接続されている。このコイル電極401Ebにより、第2フィルタ回路の平衡側インダクタL2bが構成される。
また、コイル電極401Eaは、ビア電極VH47aにより、巻回形の所定位置が誘電体層107Tの平板電極701Eaに接続されている。コイル電極401Ebは、ビア電極VH47bにより、巻回形の所定位置が誘電体層107Tの平板電極701Ea接続されている。
誘電体層105Tには、コイル電極501Ea,501Eb,501Ec,501Edが形成されている。
コイル電極501Eaの一方端は、ビア電極VH45aを介してコイル電極401Eaに接続されている。コイル電極501Eaは、平面視して、当該一方端を始点する巻回形に形成されている。この際、コイル電極501Eaは、積層体100Eを平面視して第1フィルタ回路の第1、第2平衡端子Pba1,Pba2側の領域、すなわち、上述のコイル電極201Ea,301Eaと重なり合うような領域に形成されている。コイル電極501Eaの他方端は、ビア電極VH56aを介して、誘電体層106Tのコイル電極601Eaの一方端に接続されている。
コイル電極501Ebの一方端は、ビア電極VH45bを介してコイル電極401Ebに接続されている。コイル電極501Ebは、平面視して、当該一方端を始点する巻回形に形成されている。この際、コイル電極501Ebは、積層体100Eを平面視して第2フィルタ回路の第1、第2平衡端子Pbb1,Pbb2側の領域、すなわち、上述のコイル電極201Eb,301Ebと重なり合うような領域に形成されている。コイル電極501Ebの他方端は、ビア電極VH56bを介して、誘電体層106Tのコイル電極601Ebの一方端に接続されている。
コイル電極501Ecの一方端は、ビア電極VH35aを介してコイル電極301Ecに接続されている。コイル電極501Ecは、平面視して、当該一方端を始点としてコイル電極301Ecと同じ方向に巻回する巻回形に形成されている。この際、コイル電極501Ecも、コイル電極401Eaと電磁界結合するように、積層体を平面視してコイル電極401Eaと少なくとも一部が重なる位置に形成されている。コイル電極501Ecの他方端は、第1フィルタ回路の不平衡端子Punbaに接続されている。コイル電極501Ecと、コイル電極301Ecおよびビア電極VH35aにより、第1フィルタ回路の不平衡側インダクタL1aが構成される。
コイル電極501Edの一方端は、ビア電極VH35bを介してコイル電極301Edに接続されている。コイル電極501Edは、平面視して、当該一方端を始点としてコイル電極301Edと同じ方向に巻回する巻回形に形成されている。この際、コイル電極501Edも、コイル電極401Ebと電磁界結合するように、積層体を平面視してコイル電極401Ebと少なくとも一部が重なる位置に形成されている。コイル電極501Edの他方端は、第2フィルタ回路の不平衡端子Punbbに接続されている。コイル電極501Edと、コイル電極301Edおよびビア電極VH35bとにより、第2フィルタ回路の不平衡側インダクタL1bが構成される。
誘電体層106Tには、コイル電極601Ea,601Ebが形成されている。コイル電極601Eaの一方端は、ビア電極VH56aを介してコイル電極501Eaの他方端に接続されている。コイル電極601Eaは、平面視して、当該一方端を始点としてコイル電極501Eaと同じ方向に巻回する巻回形状に形成されている。コイル電極601Eaと、コイル電極501Eaおよびビア電極VH56aとにより、第1フィルタ回路の平衡側インダクタL4aが構成される。
コイル電極601Ebの一方端は、ビア電極VH56bを介してコイル電極501Ebの他方端に接続されている。コイル電極601Ebは、平面視して、当該一方端を始点としてコイル電極501Ebと同じ方向に巻回する巻回形状に形成されている。コイル電極601Ebと、コイル電極501Ebおよびビア電極VH56bとにより、第2フィルタ回路の平衡側インダクタL4bが構成される。
誘電体層107Tには、平面視して略四角形の平板電極701Eaが形成されている。平板電極701Eaは、積層体100Eを平面視して、誘電体層104Tのコイル電極401Ea,401Ebの形成領域と重なるような領域に形成されている。平板電極701Eaは、第1側面のDCフィード端子Pdcに接続されている。
誘電体層108Tには、平面視してそれぞれが略四角形の平板電極801Ea,801Eb,801Ecが形成されている。平板電極801Ecは、平板電極701Eaと積層方向に沿って対向するように形成されている。平板電極801Ecは、第1側面のグランド端子GNDに接続されている。平板電極801Ec,701Eaおよび誘電体層107Tにより、DCフィード用のキャパシタCga,Cgbが構成される。
このような誘電体層107T,108Tの構成および誘電体層104Tのコイル電極401Ea,401Ebへのビア電極VH47a,VH47bの接続構成により、積層型フィルタ10E内の異なるフィルタ回路を構成する平衡側インダクタL2a,L2bへのDCフィード回路が共通の構成で実現される。このため、積層型フィルタ10Eを小型にできる。
平板電極801Eaは、積層体100Eを平面視した第1フィルタ回路の第1、第2平衡端子Pba1,Pba2側の領域に形成されている。平板電極801Eaは、グランド端子GNDを含む外部端子に接続しない浮き電極である。
平板電極801Ebは、積層体100Eを平面視した第2フィルタ回路の第1、第2平衡端子Pbb1,Pbb2側の領域に形成されている。平板電極801Ebは、グランド端子GNDを含む外部端子に接続しない浮き電極である。
誘電体層109Tには、それぞれが所定の面積からなり、平面視して略四角形の平板電極901Ea,901Eb,901Ec,901Ed,901Ee,901Efが形成されている。
平板電極901Eeは、積層体100Eを平面視して、平板電極801Ecと対向するように形成されている。これら平板電極901Ee,801Ecおよび誘電体層108Tにより、第1フィルタ回路の不平衡側キャパシタC1aが構成される。平板電極901Eeは、第1側面の不平衡端子Punbaに接続されている。
平板電極901Efは、積層体100Eを平面視して、平板電極801Ecと対向するように形成されている。これら平板電極901Ef,801Ecおよび誘電体層108Tにより、第2フィルタ回路の不平衡側キャパシタC1bが構成される。平板電極901Efは、第1側面の不平衡端子Punbbに接続されている。
平板電極901Ea,901Ebは、それぞれ平板電極801Eaと積層方向に沿って対向するように形成されている。平板電極901Ec,Edは、それぞれ平板電極801Ebと積層方向に沿って対向するように形成されている。
誘電体層110Tには、平面視してそれぞれが略四角形の平板電極1001Ea,1001Ebが形成されている。平板電極1001Eaは、積層体100Eを平面視して、平板電極801Ea,901Eaと対向するように形成されている。これら平板電極1001Ea,901Ea,801Eaと誘電体層108T,109Tとにより、第1フィルタ回路の第1平衡側キャパシタC2aが構成される。また、平板電極1001Eaは、積層体100Eを平面視して、平板電極801Ea,901Ebと対向するように形成されている。これら平板電極1001Ea,901Eb,801Eaと誘電体層108T,109Tとにより、第1フィルタ回路の第2平衡側キャパシタC3aが構成される。
平板電極1001Ebは、積層体100Eを平面視して、平板電極901Ec,901Edと対向するように形成されている。
誘電体層111Tには、平面視してそれぞれが略四角形の平板電極1101Ea,1101Ebが形成されている。平板電極1101Eaは、積層体100Eを平面視して、平板電極801Eb,901Ec,1001Ebと対向するように形成されている。これら平板電極1101Ea,1001Eb,901Ec,801Ebと誘電体層108T,109T,110Tとにより、第2フィルタ回路の第2平衡側キャパシタC3bが構成される。
平板電極1101Ebは、積層体100Eを平面視して、平板電極801Eb,901Ed,1001Ebと対向するように形成されている。これら平板電極1101Eb,1001Eb,901Ed,801Ebと誘電体層108T,109T,110Tとにより、第2フィルタ回路の第1平衡側キャパシタC2bが構成される。
このような構成であっても、上述の各実施形態と同様に、安定したバランス特性の積層型フィルタを実現することができる。
次に、第7の実施形態に係る積層型フィルタについて、図を参照して説明する。図17は、本実施形態に係る積層型フィルタ10Fの回路図である。図17に示すように、回路構成としては、本実施形態の積層型フィルタ10Fは、第5の実施形態に示した積層型フィルタ10Dに対して、第1フィルタ回路の不平衡端子Punbaと不平衡側インダクタL1aおよび不平衡側キャパシタC1aの共振回路との間に、キャパシタC0aを直列接続し、第2フィルタ回路の不平衡端子Punbbと不平衡側インダクタL1bおよび不平衡側キャパシタC1bの共振回路との間に、キャパシタC0bを直列接続したものである。したがって、他の回路構成の説明は省略する。
図18は本実施形態に係る積層型フィルタ10Fの外観斜視図である。図19は本実施形態に係る積層型フィルタ10Fの分解斜視図である。
積層型フィルタ10Fは、15層の誘電体層101T−115Tを順次積層した積層体100Fによって実現される。
積層体100Fは、図18に示すように、外形形状が略直方体形状からなる。積層体100Fの第1側面には、第1フィルタ回路の不平衡端子用の外部電極(以下、不平衡端子Punbaと称する。)、グランド電極(以下、グランド端子GNDと称する。)、および第2フィルタ回路の不平衡端子用の外部電極(以下、不平衡端子Punbbと称する。)が、この順で配列形成されている。
前記第1側面に対向する積層体100Fの第2側面には、第1フィルタ回路の第1、第2平衡端子用の外部電極(以下、第1平衡端子Pba1、第2平衡端子Pba2と称する。)、第2フィルタ回路の第2、第1平衡端子用の外部電極(以下、第2平衡端子Pbb2、第1平衡端子Pbb1と称する。)がこの順で配列形成されている。この際、第1フィルタ回路の不平衡端子Punbaと第1平衡端子Pba1とが対向するように配置されている。
第1側面および第2側面に直交し、第1フィルタ回路側となる第3側面には接続用電極Sea1,Sea2が配列形成されている。第1側面および第2側面に直交し、第2フィルタ回路側となる第4側面には接続用電極Seb1,Seb2が配列形成されている。上述の各実施形態と同様に、以下の各誘電体層の説明では、内層電極との接続関係を除き、これら外部端子の形成位置および形状の説明は省略する。
積層体100Fの最上層となる誘電体層101Tには、上記外部端子の電極パターンのみが形成されている。なお、図示しないが、誘電体層101Tの天面、すなわち積層体100Fの天面に、実装方向を定義するためのマーキング電極が形成されている。
誘電体層102Tには、平面視して略四角形の平板電極201Faが形成されている。平板電極201Faは、積層体100Fを平面視して、第1フィルタ回路側の第1、第2平衡端子Pba1,Pba2側の領域に形成されている。平板電極201Faは、第1側面の第2フィルタ回路の第1平衡端子Pba1に接続されている。
誘電体層103Tには、平面視してそれぞれが略四角形の平板電極301Fa,301Fbが形成されている。平板電極301Faは、平板電極201Faと積層方向に沿って対向するように形成されている。平板電極301Faは、第3側面の接続用電極Sea1に接続されている。
平板電極301Fbは、積層体100Fを平面視して、第2フィルタ回路側の第1、第2平衡端子Pbb1,Pbb2側の領域に形成されている。平板電極301Fbは、第4側面の接続用電極Seb1に接続されている。
誘電体層104Tには、平面視してそれぞれが略四角形の平板電極401Fa,401Fbが形成されている。平板電極401Faは、平板電極301Faと積層方向に沿って対向するように形成されている。平板電極401Faは、第2側面の第1フィルタ回路の第1平衡端子Pba1に接続されている。
平板電極401Fa,301Fa,201Faと誘電体層102T,103Tとにより、第1フィルタ回路の第1平衡側キャパシタC2aが構成される。
平板電極401Fbは、平板電極301Fbと積層方向に沿って対向するように形成されている。平板電極401Fbは、第2側面の第2フィルタ回路の第1平衡端子Pbb1に接続されている。平板電極401Fb,301Fbと誘電体層103Tとにより、第2フィルタ回路の第1平衡側キャパシタC2bが構成される。
誘電体層105Tには、第1フィルタ回路側の領域内に、コイル電極501Faが形成されている。コイル電極501Faの一方端は、第2側面の第1フィルタ回路の第1平衡端子Pba1に接続されている。コイル電極501Faは、当該一方端を始点として平面視して所定の方向に巻回する巻回形に形成されている。コイル電極501Faの他方端は、ビア電極VH56aを介して、誘電体層106Tのコイル電極601Faの一方端に接続されている。
誘電体層106Tには、第1フィルタ回路側の領域にコイル電極601Faが形成され、第2フィルタ回路側の領域にコイル電極601Fbが形成されている。
コイル電極601Faの一方端は、ビア電極VH56aを介してコイル電極501Faに接続されている。コイル電極601Faは、当該一方端を始点として、コイル電極501Faと同じ方向に巻回する巻回形に形成されている。コイル電極601Faの他方端は、ビア電極VH67aを介して、誘電体層107Tのコイル電極701Faの一方端に接続されている。
コイル電極601Fbの一方端は、第2側面の第2フィルタ回路の第1平衡端子Pbb1に接続されている。コイル電極601Fbは、コイル電極601Faと逆方向で巻回する巻回形に形成されている。コイル電極601Fbの他方端は、ビア電極VH67bを介して、誘電体層107Tのコイル電極701Fbの一方端に接続されている。
誘電体層107Tには、第1フィルタ回路側の領域にコイル電極701Fa,701Fcが形成され、第2フィルタ回路側の領域にコイル電極701Fb,701Fdが形成されている。
コイル電極701Faの一方端は、ビア電極VH67aを介してコイル電極601Faの他方端に接続されている。コイル電極701Faは、当該一方端を始点として、コイル電極601Faと同じ方向に巻回する巻回形に形成されている。コイル電極701Fa,601Fa,501Faとビア電極VH56a,VH67aにより、第1フィルタ回路の平衡側インダクタL3aが構成される。コイル電極701Faの他方端は、ビア電極VH78aを介して、誘電体層108Tのコイル電極801Faの一方端に接続されている。
コイル電極701Fbの一方端は、ビア電極VH67bを介してコイル電極601Fbの他方端に接続されている。コイル電極701Fbは、当該一方端を始点として、コイル電極601Fbと同じ方向に巻回する巻回形に形成されている。コイル電極701Fb,601Fbとビア電極VH67bとにより、第2フィルタ回路の平衡側インダクタL3bが構成される。コイル電極701Fbの他方端は、ビア電極VH78bを介して、誘電体層108Tのコイル電極801Fbの一方端に接続されている。
コイル電極701Fcは、平面視して、コイル電極701Faよりも第1側面側、すなわち第1フィルタ回路の不平衡端子Punba側に形成されている。コイル電極701Fcは、一方端が第3側面の接続用電極Sea2に接続されている。コイル電極701Fcは、当該一方端を始点として巻回形に形成されている。コイル電極701Fcの他方端は、ビア電極VH79aを介して、誘電体層109Tのコイル電極901Fcの一方端に接続されている。
コイル電極701Fdは、平面視して、コイル電極701Fbよりも第1側面側、すなわち第2フィルタ回路の不平衡端子Punbb側に形成されている。コイル電極701Fdは、一方端が第4側面の接続用電極Seb2に接続されている。コイル電極701Fdは、当該一方端を始点としてコイル電極701Fcと逆方向の巻回形に形成されている。コイル電極701Fdの他方端は、ビア電極VH79bを介して、誘電体層109Tのコイル電極901Fdの一方端に接続されている。
誘電体層108Tには、第1フィルタ回路側の領域にコイル電極801Faが形成され、第2フィルタ回路側の領域にコイル電極801Fbが形成されている。
コイル電極801Faの一方端は、ビア電極VH78aを介して、コイル電極701Faの他方端に接続されている。コイル電極801Faは、当該一方端を始点とする巻回形に形成されている。この際、コイル電極801Faは、平面視してコイル電極701Fcと少なくとも部分的に重なり合い、コイル電極701Fcと電磁界結合する形状で形成されている。コイル電極801Faの他方端は、ビア電極VH89aを介して、誘電体層109Tのコイル電極901Faの一方端に接続されている。コイル電極801Faが第1フィルタ回路の平衡側インダクタL2aとなる。
コイル電極801Fbの一方端は、ビア電極VH78bを介して、コイル電極701Fbの他方端に接続されている。コイル電極801Fbは、当該一方端を始点とする巻回形に形成されている。この際、コイル電極801Fbは、平面視してコイル電極701Fdと少なくとも部分的に重なり合い、コイル電極701Fdと電磁界結合する形状で形成されている。コイル電極801Fbの他方端は、ビア電極VH89bを介して、誘電体層109Tのコイル電極901Fbの一方端に接続されている。コイル電極801Fbが第2フィルタ回路の平衡側インダクタL2bとなる。
誘電体層109Tには、第1フィルタ回路側の領域にコイル電極901Fa,901Fcが形成され、第2フィルタ回路側の領域にコイル電極901Fb,901Fdが形成されている。
コイル電極901Fcの一方端は、ビア電極VH79aを介してコイル電極701Fcの他方端に接続されている。コイル電極901Fcは、当該一方端を始点としてコイル電極701Fcと同じ方向に巻回する巻回形に形成されている。この際、コイル電極901Fcとコイル電極701Fcとは、それぞれの形成領域が平面視して略重なるように形成されている。コイル電極901Fc,701Fcおよびビア電極VH79aにより、第1フィルタ回路の不平衡側インダクタL1aが構成される。コイル電極901Fcの他方端は、第1側面のグランド端子GNDに接続されている。
コイル電極901Fbの一方端は、ビア電極VH79bを介して、コイル電極701Fdの他方端に接続されている。コイル電極901Fdは、一方端を始点としてコイル電極701Fdと同じ方向に巻回する巻回形に形成されている。この際、コイル電極701Fdとコイル電極901Fdとは、それぞれの形成領域が平面視して略重なるように形成されている。コイル電極901Fd,701Fdおよびビア電極VH79bにより、第2フィルタ回路の不平衡側インダクタL1bが構成されている。コイル電極901Fdの他方端は、第1側面のグランド端子GNDに接続されている。
コイル電極901Faの一方端は、ビア電極VH89aを介して、コイル電極801Faの他方端に接続されている。コイル電極901Faは、コイル電極901Fcに対して第2側面側の領域に形成されており、当該一方端を始点としてコイル電極701Faと同じ方向に巻回する巻回形に形成されている。コイル電極901Faの他方端は、ビア電極VH910aを介して、誘電体層110Tのコイル電極1001Faの一方端に接続されている。
コイル電極901Fbの一方端は、ビア電極VH89bを介して、コイル電極801Fbの他方端に接続されている。コイル電極901Fbは、コイル電極901Fdに対して第2側面側の領域に形成されており、当該一方端を始点としてコイル電極701Fbと同じ方向に巻回する巻回形に形成されている。コイル電極901Fbの他方端は、ビア電極VH910bを介して、誘電体層110Tのコイル電極1001Fbの一方端に接続されている。
誘電体層110Tには、第1フィルタ回路側の領域にコイル電極1001Faが形成され、第2フィルタ回路側の領域にコイル電極1001Fbが形成されている。コイル電極1001Faの一方端は、ビア電極VH910aを介してコイル電極901Faの他方端に接続されている。コイル電極1001Faは、当該一方端を始点としてコイル電極901Faと同じ方向に巻回する巻回形に形成されている。コイル電極1001Faの他方端は、ビア電極VH1011aを介して、誘電体層111Tのコイル電極1101Faの一方端に接続されている。
コイル電極1001Fbの一方端は、ビア電極VH910bを介してコイル電極901Fbの他方端に接続されている。コイル電極1001Fbは、当該一方端を始点としてコイル電極901Fbと同じ方向に巻回する巻回形に形成されている。コイル電極1001Fb,901Fbとビア電極VH910bとにより、第2フィルタ回路の平衡側インダクタL4bが構成される。コイル電極1001Fbの他方端は、第2側面の第2フィルタ回路の第2平衡端子Pbb2に接続されている。
誘電体層111Tには、第1フィルタ回路側の領域にコイル電極1101Faが形成されている。コイル電極1101Faの一方端は、ビア電極VH1011aを介してコイル電極1001Faの他方端に接続されている。コイル電極1101Faは、当該一方端を始点としてコイル電極1001Faと同じ方向に巻回する巻回形に形成されている。コイル電極1101Fa,1001Fa,901Faとビア電極VH910a,VH1011aとにより、第1フィルタ回路の平衡側インダクタL4aが構成される。コイル電極1101Faの他方端は、第2側面の第1フィルタ回路の第2平衡端子Pba2に接続されている。
誘電体層112Tには、それぞれが所定の面積からなり、平面視して略四角形の平板電極1201Fa,1201Fb,1201Fc,1201Fdが形成されている。
平板電極1201Fcは、積層体100Fを平面視した第1フィルタ回路の不平衡端子Punba側の領域に形成されている。すなわち、平板電極1201Fcは、積層体100Fを平面視して、コイル電極701Fc,901Fcの形成領域と重なるように形成されている。平板電極1201Fcは、第1側面のグランド端子GNDに接続されている。
平板電極1201Fdは、積層体100Fを平面視した第2フィルタ回路の不平衡端子Punbb側の領域に形成されている。すなわち、平板電極1201Fdは、積層体100Fを平面視して、コイル電極701Fd,901Fdの形成領域と重なるように形成されている。平板電極1201Fdは、第1側面のグランド端子GNDに接続されている。
平板電極1201Faは、積層体100Fを平面視した第1フィルタ回路の第1、第2平衡端子Pba1,Pba2側の領域に形成されている。すなわち、平板電極1201Faは、積層体100Fを平面視して、コイル電極901Fa,1001Fa,1101Faの形成領域と重なるように形成されている。平板電極1201Faは、第2側面の第1フィルタ回路の第2平衡端子Pba2に接続されている。
平板電極1201Fbは、積層体100Fを平面視した第2フィルタ回路の第1、第2平衡端子Pbb1,Pbb2側の領域に形成されている。すなわち、平板電極1201Fbは、積層体100Fを平面視して、コイル電極901Fb,1001Fbの形成領域と重なるように形成されている。平板電極1201Fbは、第2側面の第2フィルタ回路の第2平衡端子Pbb2に接続されている。
誘電体層113Tには、それぞれが所定の面積からなり、平面視して略四角形の平板電極1301Fa,1301Fb,1301Fc,1301Fdが形成されている。
平板電極1301Fcは、平板電極1201Fcと積層方向に沿って対向するように、形成されている。平板電極1301Fc,1201Fcと誘電体層112Tとにより、第1フィルタ回路の不平衡側キャパシタC1aが構成される。平板電極1301Fcは、第3側面の接続用電極Sea2に接続されている。
平板電極1301Fdは、平板電極1201Fdと積層方向に沿って対向するように、形成されている。平板電極1301Fd,1201Fdと誘電体層112Tとにより、第2フィルタ回路の不平衡側キャパシタC1bが構成される。平板電極1301Fdは、第4側面の接続用電極Seb2に接続されている。
平板電極1301Faは、平板電極1201Faと積層方向に沿って対向するように、形成されている。平板電極1301Faは、第3側面の接続用電極Sea1に接続されている。
平板電極1301Fbは、平板電極1201Fbと積層方向に沿って対向するように、形成されている。平板電極1301Fbは、第4側面の接続用電極Seb1に接続されている。平板電極1301Fb,1201Fbと誘電体層112Tとにより、第2フィルタ回路の第2平衡側キャパシタC3bが構成される。
誘電体層114Tには、それぞれが所定の面積からなり、平面視して略四角形の平板電極1401Fa,1401Fc,1401Fdが形成されている。
平板電極1401Faは、平板電極1301Faと積層方向に沿って対向するように、形成されている。平板電極1401Fa,1301Fa,1201Faと誘電体層112T,113Tとにより、第1フィルタ回路の第2平衡側キャパシタC3aが構成される。平板電極1401Faは、第2側面の第1フィルタ回路の第2平衡端子Pba2に接続されている。
平板電極1401Fcは、平板電極1301Fcと積層方向に沿って対向するように、形成されている。平板電極1401Fcは、第1側面の第1フィルタ回路の不平衡端子Punbaに接続されている。
平板電極1401Fdは、平板電極1301Fdと積層方向に沿って対向するように、形成されている。平板電極1401Fd,1301Fdと誘電体層113Tとにより、第2フィルタ回路のキャパシタC0bが構成される。
誘電体層115Tには、所定の面積からなり、平面視して略四角形の平板電極1501Fcが形成されている。平板電極1501Fcは、平板電極1401Fcと積層方向に沿って対向するように形成されている。平板電極1501Fc,1401Fc,1301Fcと誘電体層113T,114Tとにより、第1フィルタ回路のキャパシタC0aが構成される。
このように、本実施形態の構成であっても、上述の各実施形態と同様に、安定した位相バランスの積層型フィルタを実現することができる。さらに、不平衡端子にキャパシタが直列接続されることで、不平衡端子側からの不要な直流信号の入力を抑制することができる。
次に、第8の実施形態に係る積層型フィルタについて、図を参照して説明する。図20は、本実施形態に係る積層型フィルタ10Gの回路図である。図20に示すように、本実施形態の積層型フィルタ10Gは、第7の実施形態に示した積層型フィルタ10Fに対して、さらに、各平衡端子Pba1,Pba2,Pbb1,Pbb2に直列接続するキャパシタC4a,C5a,C4b,C5bを備えたものであり、他の回路構成は同じである。したがって、より詳細な回路説明は省略する。また、本実施形態の積層型フィルタ10Gは、第7の実施形態に示した積層型フィルタ10Fと外部端子の構成が同じであるので、この点についても説明を省略する。
図21は、本実施形態に係る積層型フィルタ10Gの分解斜視図である。積層体100Gの最上層となる誘電体層101Tには、上記外部端子の電極パターンのみが形成されている。なお、図示しないが、誘電体層101Tの天面、すなわち積層体100Gの天面に、実装方向を定義するためのマーキング電極が形成されている。
誘電体層102Tには、平面視して略四角形の平板電極201Ga,201Gbが形成されている。平板電極201Gaは、積層体100Gを平面視して、第1フィルタ回路側の第1、第2平衡端子Pba1,Pba2側の領域に形成されている。平板電極201Gaは、第3側面の接続用電極Sea1に接続されている。
平板電極201Gbは、積層体100Gを平面視して、第2フィルタ回路側の第1、第2平衡端子Pbb1,Pbb2側の領域に形成されている。平板電極201Gbは、第4側面の接続用電極Seb1に接続されている。
誘電体層103Tには、平面視して略四角形の平板電極301Ga,301Gbが形成されている。平板電極301Gaは、外部端子に直接接続しない浮き電極であり、平板電極201Gaと積層方向に沿って対向するように形成されている。平板電極301Gaは、ビア電極VH35aを介して、誘電体層105Tの平板電極501Gaに接続されている。
平板電極301Gbは、外部端子に直接接続しない浮き電極であり、平板電極201Gbと積層方向に沿って対向するに形成されている。平板電極301Gbは、ビア電極VH35bを介して、誘電体層105Tの平板電極501Gbに接続されている。
誘電体層104Tには、平面視して略四角形の平板電極401Ga,401Gbが形成されている。平板電極401Gaは、平板電極301Gaと積層方向に沿って対向するように形成されている。平板電極401Gaは、第2側面の第1フィルタ回路の第1平衡端子Pba1に接続されている。平板電極401Ga,301Ga,201Gaと誘電体層102T,103Tとにより、第1フィルタ回路の第1平衡側キャパシタC2aが構成される。
平板電極401Gbは、平板電極301Gbと積層方向に沿って対向するように形成されている。平板電極401Gbは、第2側面の第2フィルタ回路の第1平衡端子Pbb1に接続されている。平板電極401Gb,301Gb,201Gbと誘電体層102T,103Tとにより、第2フィルタ回路の第1平衡側キャパシタC2bが構成される。
誘電体層105Tには、外部端子に直接接続しない浮き電極であり、平面視して略四角形の平板電極501Ga,501Gbが形成されている。平板電極501Gaは、平板電極401Ga,301Gaと積層方向に沿って対向するように形成されている。平板電極501Gaは、ビア電極VH35aを介して平板電極301Gaに接続されるとともに、ビア電極VH56aを介して誘電体層106Tのコイル電極601Gaの一方端に接続されている。平板電極501Ga,401Gaと誘電体層104Tとにより、第1フィルタ回路のキャパシタC4aが構成される。
平板電極501Gbは、平板電極401Gb,301Gbと積層方向に沿って対向するように形成されている。平板電極501Gbは、ビア電極VH35bを介して平板電極301Gbに接続されるとともに、ビア電極VH56bを介して誘電体層106Tのコイル電極601Gbの一方端に接続されている。平板電極501Gb,401Gbと誘電体層104Tとにより、第2フィルタ回路のキャパシタC4bが構成される。
誘電体層106Tには、第1フィルタ回路側の領域にコイル電極601Gaが形成され、第2フィルタ回路側の領域にコイル電極601Gbが形成されている。コイル電極601Gaは、第1フィルタ回路の第1、第2平衡端子Pba1,Pba2側に形成されている。コイル電極601Gaの一方端は、ビア電極VH56aを介して、平板電極501Gaに接続されている。コイル電極601Gaは、当該一方端を始点として所定方向に巻回する巻回形に形成されている。コイル電極601Gaの他方端は、ビア電極VH67aを介して、誘電体層107Tのコイル電極701Gaに接続されている。
コイル電極601Gbは、第2フィルタ回路の第1、第2平衡端子Pbb1,Pbb2側に形成されている。コイル電極601Gbの一方端は、ビア電極VH56bを介して、平板電極501Gbに接続されている。コイル電極601Gbは、当該一方端を始点としてコイル電極601Gaと逆に巻回する巻回形に形成されている。コイル電極601Gbの他方端は、ビア電極VH67bを介して、誘電体層107Tのコイル電極701Gbに接続されている。
誘電体層107Tには、第1フィルタ回路側の領域にコイル電極701Ga,701Gcが形成され、第2フィルタ回路側の領域にコイル電極701Gb,701Gdが形成されている。
コイル電極701Gaの一方端は、ビア電極VH67aを介してコイル電極601Gaの他方端に接続されている。コイル電極701Gaは、当該一方端を始点として、コイル電極601Gaと同じ方向に巻回する巻回形に形成されている。コイル電極701Ga,601Gaとビア電極VH67aにより、第1フィルタ回路の平衡側インダクタL3aが構成される。コイル電極701Gaの他方端は、ビア電極VH78aを介して、誘電体層108Tのコイル電極801Gaの一方端に接続されている。
コイル電極701Gbの一方端は、ビア電極VH67bを介してコイル電極601Gbの他方端に接続されている。コイル電極701Gbは、当該一方端を始点として、コイル電極601Gbと同じ方向に巻回する巻回形に形成されている。コイル電極701Gb,601Gbとビア電極VH67bとにより、第2フィルタ回路の平衡側インダクタL3bが構成される。コイル電極701Gbの他方端は、ビア電極VH78bを介して、誘電体層108Tのコイル電極801Gbの一方端に接続されている。
コイル電極701Gcは、平面視して、コイル電極701Gaよりも第1側面側、すなわち第1フィルタ回路の不平衡端子Punba側に形成されている。コイル電極701Gcは、一方端が第3側面の接続用電極Sea2に接続されている。コイル電極701Gcは、当該一方端を始点として巻回形に形成されている。コイル電極701Gcの他方端は、ビア電極VH79aを介して、誘電体層109Tのコイル電極901Gcの一方端に接続されている。
コイル電極701Gdは、平面視して、コイル電極701Gbよりも第1側面側、すなわち第2フィルタ回路の不平衡端子Punbb側に形成されている。コイル電極701Gdは、一方端が第4側面の接続用電極Seb2に接続されている。コイル電極701Gdは、当該一方端を始点としてコイル電極701Gcと逆方向の巻回形に形成されている。コイル電極701Gdの他方端は、ビア電極VH79bを介して、誘電体層109Tのコイル電極901Gdの一方端に接続されている。
誘電体層108Tには、第1フィルタ回路側の領域にコイル電極801Gaが形成され、第2フィルタ回路側の領域にコイル電極801Gbが形成されている。
コイル電極801Gaの一方端は、ビア電極VH78aを介して、コイル電極701Gaの他方端に接続されている。コイル電極801Gaは、当該一方端を始点とする巻回形に形成されている。この際、コイル電極801Gaは、平面視してコイル電極701Gcと少なくとも部分的に重なり合い、コイル電極701Gcと電磁界結合する形状で形成されている。コイル電極801Gaの他方端は、ビア電極VH89aを介して、誘電体層109Tのコイル電極901Gaの一方端に接続されている。コイル電極801Gaが第1フィルタ回路の平衡側インダクタL2aとなる。
コイル電極801Gbの一方端は、ビア電極VH78bを介して、コイル電極701Gbの他方端に接続されている。コイル電極801Gbは、当該一方端を始点とする巻回形に形成されている。この際、コイル電極801Gbは、平面視してコイル電極701Gdと少なくとも部分的に重なり合い、コイル電極701Gdと電磁界結合する形状で形成されている。コイル電極801Gbの他方端は、ビア電極VH89bを介して、誘電体層109Tのコイル電極901Gbの一方端に接続されている。コイル電極801Gbが第2フィルタ回路の平衡側インダクタL2bとなる。
誘電体層109Tには、第1フィルタ回路側の領域にコイル電極901Ga,901Gcが形成され、第2フィルタ回路側の領域にコイル電極901Gb,901Gdが形成されている。
コイル電極901Gcの一方端は、ビア電極VH79aを介してコイル電極701Gcの他方端に接続されている。コイル電極901Gcは、当該一方端を始点としてコイル電極701Gcと同じ方向に巻回する巻回形に形成されている。この際、コイル電極901Gaとコイル電極701Gcとは、それぞれの形成領域が平面視して略重なるように形成されている。コイル電極901Gc,701Gcおよびビア電極VH79aにより、第1フィルタ回路の不平衡側インダクタL1aが構成される。コイル電極901Gcの他方端は、第1側面のグランド端子GNDに接続されている。
コイル電極901Gaの一方端は、ビア電極VH89aを介して、コイル電極801Gaの他方端に接続されている。コイル電極901Gaは、コイル電極901Gcに対して第2側面側の領域に形成されており、当該一方端を始点としてコイル電極701Gaと同じ方向に巻回する巻回形に形成されている。コイル電極901Gaの他方端は、ビア電極VH910aを介して、誘電体層110Tのコイル電極1001Gaの一方端に接続されている。
コイル電極901Gbの一方端は、ビア電極VH89bを介して、コイル電極801Gbの他方端に接続されている。コイル電極901Gbは、コイル電極901Gdに対して第2側面側の領域に形成されており、当該一方端を始点としてコイル電極701Gbと同じ方向に巻回する巻回形に形成されている。コイル電極901Gbの他方端は、ビア電極VH910bを介して、誘電体層110Tのコイル電極1001Gbの一方端に接続されている。
誘電体層110Tには、第1フィルタ回路側の領域にコイル電極1001Gaが形成され、第2フィルタ回路側の領域にコイル電極1001Gbが形成されている。コイル電極1001Gaの一方端は、ビア電極VH910aを介してコイル電極901Gaの他方端に接続されている。コイル電極1001Gaは、当該一方端を始点としてコイル電極901Gaと同じ方向に巻回する巻回形に形成されている。コイル電極1001Ga,901Gaとビア電極VH910aとにより、第1フィルタ回路の平衡側インダクタL4aが構成される。コイル電極1001Gaの他方端は、ビア電極VH1011aを介して、誘電体層111Tの平板電極1101Gaに接続されている。
コイル電極1001Gbの一方端は、ビア電極VH910bを介してコイル電極901Gbの他方端に接続されている。コイル電極1001Gbは、当該一方端を始点としてコイル電極901Gbと同じ方向に巻回する巻回形に形成されている。コイル電極1001Gb,901Gbとビア電極VH910bとにより、第2フィルタ回路の平衡側インダクタL4bが構成される。コイル電極1001Gbの他方端は、ビア電極VH1011bを介して、誘電体層111Tの平板電極1101Gbに接続されている。
誘電体層111Tには、外部端子に直接接続しない浮き電極であり、それぞれが所定の面積からなり、平面視して略四角形の平板電極1101Ga,1101Gbが形成されている。
平板電極1101Gaは、積層体100Gを平面視した第1フィルタ回路の第1、第2平衡端子Pba1,Pba2側の領域に形成されている。すなわち、平板電極1101Gaは、積層体100G平面視して、コイル電極901Ga,1001Gaの形成領域と重なるように形成されている。平板電極1101Gaは、ビア電極VH1113aを介して、誘電体層113Tの平板電極1301Gaに接続されている。
平板電極1101Gbは、積層体100Gを平面視した第2フィルタ回路の第1、第2平衡端子Pbb1,Pbb2側の領域に形成されている。すなわち、平板電極1101Gbは、積層体100G平面視して、コイル電極901Gb,1001Gbの形成領域と重なるように形成されている。平板電極1101Gbは、ビア電極VH1113bを介して、誘電体層113Tの平板電極1301Gbに接続されている。
誘電体層112Tには、それぞれが所定の面積からなり、平面視して略四角形の平板電極1201Ga,1201Gb,1201Gc,1201Gdが形成されている。
平板電極1201Gaは、平板電極1101Gaと積層方向に沿って対向するように形成されている。平板電極1201Ga,1101Gaと誘電体層111Tとにより、第1フィルタ回路のキャパシタC5aが構成される。平板電極1201Gaは、第2側面の第1フィルタ回路の第2平衡端子Pba2に接続されている。
平板電極1201Gbは、平板電極1101Gbと積層方向に沿って対向するように形成されている。平板電極1201Gb,1101Gbと誘電体層111Tとにより、第2フィルタ回路のキャパシタC5bが構成される。平板電極1201Gbは、第2側面の第2フィルタ回路の第2平衡端子Pbb2に接続されている。
平板電極1201Gcは、積層体100Gを平面視した第1フィルタ回路の不平衡端子Punba側の領域に形成されている。すなわち、平板電極1201Gcは、積層体100Gを平面視して、コイル電極701Gc,901Gcの形成領域と重なるように形成されている。平板電極1201Gcは、第1側面のグランド端子GNDに接続されている。
平板電極1201Gdは、積層体100Gを平面視した第2フィルタ回路の不平衡端子Punbb側の領域に形成されている。すなわち、平板電極1201Gdは、積層体100Gを平面視して、コイル電極701Gd,901Gdの形成領域と重なるように形成されている。平板電極1201Gdは、第1側面のグランド端子GNDに接続されている。
誘電体層113Tには、それぞれが所定の面積からなり、平面視して略四角形の平板電極1301Ga,1301Gb,1301Gc,1301Gdが形成されている。
平板電極1301Gcは、平板電極1201Gcと積層方向に沿って対向するように、形成されている。平板電極1301Gc,1201Gcと誘電体層112Tとにより、第1フィルタ回路の不平衡側キャパシタC1aが構成される。平板電極1301Gcは、第3側面の接続用電極Sea2に接続されている。
平板電極1301Gdは、平板電極1201Gdと積層方向に沿って対向するように、形成されている。平板電極1301Gd,1201Gdと誘電体層112Tとにより、第2フィルタ回路の不平衡側キャパシタC1bが構成される。平板電極1301Gdは、第4側面の接続用電極Seb2に接続されている。
平板電極1301Gaは、平板電極1101Ga,1201Gaと積層方向に沿って対向するように、形成されている。平板電極1301Gaは、外部端子に直接接続しない浮き電極である。平板電極1301Gaは、ビア電極VH1113aを介して平板電極1101Gaに接続されている。
平板電極1301Gbは、平板電極1101Gb,1201Gbと積層方向に沿って対向するように、形成されている。平板電極1301Gbは、外部端子に直接接続しない浮き電極である。平板電極1301Gbは、ビア電極VH1113bを介して平板電極1101Gbに接続されている。
誘電体層114Tには、それぞれが所定の面積からなり、平面視して略四角形の平板電極1401Ga,1401Gb,1401Gc,1401Gdが形成されている。
平板電極1401Gaは、平板電極1301Gaと積層方向に沿って対向するように形成されている。平板電極1401Gaは、第3側面の接続用電極Sea1に接続されている。平板電極1401Ga,1301Ga,1201Gaと誘電体層112T,113Tとにより、第1フィルタ回路の第2平衡側キャパシタC3aが構成される。
平板電極1401Gbは、平板電極1301Gbと積層方向に沿って対向するように形成されている。平板電極1401Gbは、第4側面の接続用電極Seb1に接続されている。平板電極1401Gb,1301Gb,1201Gbと誘電体層112T,113Tとにより、第2フィルタ回路の第2平衡側キャパシタC3bが構成される。
平板電極1401Gcは、平板電極1301Gcと積層方向に沿って対向するように形成されている。平板電極1401Gcは、第1側面の第1フィルタ回路の不平衡端子Punbaに接続されている。
平板電極1401Gdは、平板電極1301Gdと積層方向に沿って対向するように形成されている。平板電極1401Gd,1301Gdと誘電体層113Tとにより、第2フィルタ回路のキャパシタC0bが構成される。平板電極1401Gdは、第1側面の第2フィルタ回路の不平衡端子Punbbに接続されている。
誘電体層115Tには、所定面積で平面視して略四角形の平板電極1501Gcが形成されている。平板電極1501Gcは、平板電極1401Gcと積層方向に沿って対向するように形成されている。平板電極1501Gc,1401Gc,1301Gcと誘電体層113T,114Tとにより、第1フィルタ回路のキャパシタC0aが構成される。
このように、本実施形態の構成であっても、上述の各実施形態と同様に、安定した位相バランスの積層型フィルタを実現することができる。さらに、不平衡端子と平衡端子にキャパシタが直列接続されることで、不平衡端子側および平衡端子側からの不要な直流信号の入力を抑制することができる。
次に、第9の実施形態に係る積層型フィルタについて、図を参照して説明する。本実施形態の積層型フィルタ10Hは、第5実施形態で示した積層型フィルタ10Dと回路構成が同じであるので、回路構成の説明は省略する。
図22は本実施形態に係る積層型フィルタ10Hの外観斜視図である。図23は本実施形態に係る積層型フィルタ10Hの分解斜視図である。
第1フィルタ回路を構成する各回路素子と、第2フィルタ回路を構成する各回路素子とは、高周波的に結合しないように、積層体100Hを平面視して個別の領域に形成されている。また、具体的な巻回形状は図23に示すが、インダクタの巻回方向は、フィルタ回路同士で逆になっている。これにより、第1フィルタ回路と第2フィルタ回路との結合が抑制される。
積層型フィルタ10Hは、10層の誘電体層101T−110Tを順次積層した積層体100Hによって実現される。
積層体100Hは、図22に示すように、外形形状が略直方体形状からなる。積層体100Hの第1側面には、第1フィルタ回路の不平衡端子用の外部電極(以下、不平衡端子Punbaと称する。)、グランド電極(以下、グランド端子GNDと称する。)、および第2フィルタ回路の不平衡端子用の外部電極(以下、不平衡端子Punbbと称する。)が、この順で配列形成されている。本実施形態では、第1側面に形成されているグランド接続端子GNDは一個である。
前記第1側面に対向する積層体100Hの第2側面には、第1フィルタ回路の第2平衡端子用の外部電極(以下、第2平衡端子Pba2と称する。)、第2フィルタ回路の第2平衡端子用の外部電極(以下、第2平衡端子Pbb2と称する。)が、NC端子を挟んで、この順で配列形成されている。この際、第1フィルタ回路の不平衡端子Punbaと第2平衡端子Pba2とが対向するように配置されている。
第1側面および第2側面に直交し、第1フィルタ回路側となる第3側面には、第1フィルタ回路の第1平衡端子用の外部電極(以下、第1平衡端子Pba1と称する。)が形成されている。第1側面および第2側面に直交し、第2フィルタ回路側となる第4側面には、第2フィルタ回路の第1平衡端子用の外部電極(以下、第1平衡端子Pbb1と称する。)が形成されている。上述の各実施形態と同様に、以下の各誘電体層の説明では、内層電極との接続関係を除き、これら外部端子の形成位置および形状の説明は省略する。
積層体100Hの最上層となる誘電体層101Tには、上記外部端子の電極パターンのみが形成されている。なお、図示しないが、誘電体層101Tの天面、すなわち積層体100Hの天面に、実装方向を定義するためのマーキング電極が形成されている。
誘電体層102Tには、コイル電極201Ha,201Hbが形成されている。コイル電極201Haは一方端が第2側面の第1フィルタ回路の第2平衡端子Pba2に接続されている。コイル電極201Haは平面視して、当該一方端を始点として、巻回形に形成されている。コイル電極201Haの他方端は導電性のビア電極VH23aを介して、誘電体層103Tのコイル電極301Haの一方端に接続されている。
コイル電極201Hbは一方端が第2側面の第2フィルタ回路の第2平衡端子Pbb2に接続されている。コイル電極201Hbは平面視して、当該一方端を始点として、巻回形に形成されている。コイル電極201Hbの他方端は導電性のビア電極VH23bを介して、誘電体層103Tのコイル電極301Hbの一方端に接続されている。
誘電体層103Tには、コイル電極301Ha,301Hb,301Hc,301Hdが形成されている。
コイル電極301Haは一方端がビア電極VH23aを介してコイル電極201Haの他方端に接続されている。コイル電極301Haは平面視して、当該一方端を始点として、コイル電極201Haと同じ方向へ巻回する巻回形に形成されている。コイル電極301Haの他方端は導電性のビア電極VH34aを介して、誘電体層104Tのコイル電極401Haの一方端に接続されている。コイル電極301Haと、コイル電極201Haおよびビア電極VH23aとにより、第1フィルタ回路の平衡側インダクタL4aが構成される。
コイル電極301Hbは一方端がビア電極VH23bを介してコイル電極201Hbの他方端に接続されている。コイル電極301Hbは、平面視して、当該一方端を始点として、コイル電極201Hbと同じ方向へ巻回する巻回形に形成されている。コイル電極301Hbの他方端は導電性のビア電極VH34bを介して、誘電体層104Tのコイル電極401Hbの一方端に接続されている。コイル電極301Hbと、コイル電極201Hbおよびビア電極VH23bとにより、第2フィルタ回路の平衡側インダクタL4bが構成される。
コイル電極301Hcは、一方端が第1側面のグランド端子GNDに接続されている。コイル電極301Hcは、平面視して、当該一方端を始点として巻回形に形成されている。コイル電極301Hcの他方端は導電性のビア電極VH35aを介して、誘電体層105Tのコイル電極501Hcの一方端に接続されている。
コイル電極301Hdは、一方端が第1側面のグランド端子GNDに接続されている。コイル電極301Hdは、平面視して、当該一方端を始点として巻回形に形成されている。コイル電極301Hdの他方端は導電性のビア電極VH35bを介して、誘電体層105Tのコイル電極501Hdの一方端に接続されている。なお、コイル電極301Hc,301Hdの一方端は、共通グランド接続用電極により、一個のグランド端子GNDへ接続されている。
誘電体層104Tには、コイル電極401Haが形成されている。コイル電極401Haの一方端は、ビア電極VH34aを介して、コイル電極301Haの他方端に接続されている。コイル電極401Haは、その少なくとも一部がコイル電極301Hcと平面視して重なり合うように、すなわち、コイル電極301Hcと電磁界結合するように、巻回形状に形成されている。コイル電極401Haの他方端は、ビア電極VH45aを介して、誘電体層105Tのコイル電極501Haの一方端に接続されている。このコイル電極401Haにより、第1フィルタ回路の平衡側インダクタL2aが構成される。
コイル電極401Hbの一方端は、ビア電極VH34bを介して、コイル電極301Hbの他方端に接続されている。コイル電極401Hbは、その少なくとも一部がコイル電極301Hdと平面視して重なり合うように、すなわち、コイル電極301Hdと電磁界結合するように、巻回形状に形成されている。コイル電極401Hbの他方端は、ビア電極VH45bを介して、誘電体層105Tのコイル電極501Hbの一方端に接続されている。このコイル電極401Hbにより、第2フィルタ回路の平衡側インダクタL2bが構成される。
また、コイル電極401Ha,401Hbは、巻回形の所定位置が共通グランド接続用電極により第1側面のグランド端子GNDに接続されている。これにより、平衡側インダクタL2a,L2bの所定点がグランド接続される。
誘電体層105Tには、コイル電極501Ha,501Hb,501Hc,501Hdが形成されている。
コイル電極501Haの一方端は、ビア電極VH45aを介してコイル電極401Haに接続されている。コイル電極501Haは、平面視して、当該一方端を始点する巻回形に形成されている。この際、コイル電極501Haは、積層体100Hを平面視して第1フィルタ回路の第1、第2平衡端子Pba1,Pba2側の領域、すなわち、上述のコイル電極201Ha,301Haと重なり合うような領域に形成されている。コイル電極501Haの他方端は、ビア電極VH56aを介して、誘電体層106Tのコイル電極601Haの一方端に接続されている。
コイル電極501Hbの一方端は、ビア電極VH45bを介してコイル電極401Hbに接続されている。コイル電極501Hbは、平面視して、当該一方端を始点する巻回形に形成されている。この際、コイル電極501Hbは、積層体100Hを平面視して第2フィルタ回路の第1、第2平衡端子Pbb1,Pbb2側の領域、すなわち、上述のコイル電極201Hb,301Hbと重なり合うような領域に形成されている。コイル電極501Hbの他方端は、ビア電極VH56bを介して、誘電体層106Tのコイル電極601Hbの一方端に接続されている。
コイル電極501Hcの一方端は、ビア電極VH35aを介してコイル電極301Hcに接続されている。コイル電極501Hcは、平面視して、当該一方端を始点としてコイル電極301Hcと同じ方向に巻回する巻回形に形成されている。この際、コイル電極501Hcも、コイル電極401Haと電磁界結合するように、積層体を平面視してコイル電極401Haと少なくとも一部が重なる位置に形成されている。コイル電極501Hcの他方端は、第1フィルタ回路の不平衡端子Punbaに接続されている。コイル電極501Hcと、コイル電極301Hcおよびビア電極VH35aにより、第1フィルタ回路の不平衡側インダクタL1aが構成される。
コイル電極501Hdの一方端は、ビア電極VH35bを介してコイル電極301Hdに接続されている。コイル電極501Hdは、平面視して、当該一方端を始点としてコイル電極301Hdと同じ方向に巻回する巻回形に形成されている。この際、コイル電極501Hdも、コイル電極401Hbと電磁界結合するように、積層体を平面視してコイル電極401Hbと少なくとも一部が重なる位置に形成されている。コイル電極501Hdの他方端は、第2フィルタ回路の不平衡端子Punbbに接続されている。コイル電極501Hdと、コイル電極301Hdおよびビア電極VH35bとにより、第2フィルタ回路の不平衡側インダクタL1bが構成される。
誘電体層106Tには、コイル電極601Ha,601Hbが形成されている。コイル電極601Haの一方端は、ビア電極VH56aを介してコイル電極501Haの他方端に接続されている。コイル電極601Haは、平面視して、当該一方端を始点としてコイル電極501Haと同じ方向に巻回する巻回形状に形成されている。コイル電極601Haと、コイル電極501Haおよびビア電極VH56aとにより、第1フィルタ回路の平衡側インダクタL3aが構成される。
コイル電極601Hbの一方端は、ビア電極VH56bを介してコイル電極501Hbの他方端に接続されている。コイル電極601Hbは、平面視して、当該一方端を始点としてコイル電極501Hbと同じ方向に巻回する巻回形状に形成されている。コイル電極601Hbと、コイル電極501Hbおよびビア電極VH56bとにより、第2フィルタ回路の平衡側インダクタL3bが構成される。
誘電体層107Tには、それぞれが所定の面積からなり、平面視して略四角形の平板電極701Ha,701Hb、701Hc,701Hdが形成されている。
平板電極701Hcは、積層体100Hを平面視した第1フィルタ回路の不平衡端子Punba側の領域に形成されている。すなわち、平板電極701Hcは、積層体100Hを平面視して、コイル電極301Hc,501Hcの形成領域と重なるように形成されている。平板電極701Hcは、第1側面のグランド端子GNDに接続されている。
平板電極701Hdは、積層体100Hを平面視した第2フィルタ回路の不平衡端子Punbb側の領域に形成されている。すなわち、平板電極701Hdは、積層体100Hを平面視して、コイル電極301Hd,501Hdの形成領域と重なるように形成されている。平板電極701Hdは、第1側面のグランド端子GNDに接続されている。
この際、平板電極701Hc,701Hdは、共通グランド接続用電極により、一個のグランド端子GNDへ接続されている。
平板電極701Haは、積層体100Hを平面視した第1フィルタ回路の第2平衡端子Pba2側の領域に形成されている。平板電極701Haは、グランド端子GNDを含む外部端子に接続しない浮き電極である。
平板電極701Hbは、積層体100Hを平面視した第2フィルタ回路の第2平衡端子Pbb2側の領域に形成されている。平板電極701Hbは、グランド端子GNDを含む外部端子に接続しない浮き電極である。
誘電体層108Tには、それぞれが所定の面積からなり、平面視して略四角形の平板電極801Ha,801Hb,801Hc,801Hd,801He,801Hfが形成されている。
平板電極801Heは、積層体100Hを平面視して、平板電極701Hcと対向するように形成されている。これら平板電極801He,701Hcおよび誘電体層107Tにより、第1フィルタ回路の不平衡側キャパシタC1aが構成される。平板電極801Heは、第1側面の第1フィルタ回路の不平衡端子Punbaに接続されている。
平板電極801Hfは、積層体100Hを平面視して、平板電極701Hdと積層方向に沿って対向するように形成されている。これら平板電極801Hf,701Hdおよび誘電体層107Tにより、第2フィルタ回路の不平衡側キャパシタC1bが構成される。平板電極801Hfは、第1側面の第2フィルタ回路の不平衡端子Punbbに接続されている。
平板電極801Ha,801Hcは、それぞれ平板電極701Haと積層方向に沿って対向するように形成されている。平板電極801Haは第2側面の第1フィルタの第2平衡端子Pba2へ接続されており、平板電極801Hcは第3側面の第1フィルタの第1平衡端子Pba1へ接続されている。
平板電極801Hb,801Hdは、それぞれ平板電極701Hbと積層方向に沿って対向するように形成されている。平板電極801Hbは第2側面の第2フィルタの第2平衡端子Pbb2へ接続されており、平板電極801Hdは第4側面の第2フィルタの第1平衡端子Pbb1へ接続されている。
誘電体層109Tには、それぞれが所定の面積からなり、平面視して略四角形の平板電極901Ha,901Hbが形成されている。平板電極901Haは、平板電極801Ha,801Hcと積層方向に沿って対向するように形成されている。これら平板電極901Ha,801Ha,701Haと誘電体層107T,108Tとにより、第1フィルタ回路の第2平衡側キャパシタC3aが構成される。これら平板電極901Ha,801Hc,701Haと誘電体層107T,108Tとにより、第1フィルタ回路の第1平衡側キャパシタC2aが構成される。
平板電極901Hbは、平板電極801Hb,801Hdと積層方向に沿って対向するように形成されている。
誘電体層110Tには、それぞれが所定の面積からなり、平面視して略四角形の平板電極1001Hb,1001Hdが形成されている。平板電極1001Hb,1001Hdは、それぞれ平板電極901Hbと積層方向に沿って対向するように形成されている。
平板電極701Hb,801Hb,901Hb,1001Hbと誘電体層107T,108T,109Tとにより第2フィルタ回路の第2平衡側キャパシタC3bが構成される。平板電極701Hb,801Hd,901Hb,1001Hdと誘電体層107T,108T,109Tとにより第2フィルタ回路の第1平衡側キャパシタC2bが構成される。
平板電極1001Hbは、第2側面の第2フィルタ回路の第2平衡端子Pbb2に接続されている。平板電極1001Hdは、第2側面の第2フィルタ回路の第1平衡端子Pbb1に接続されている。
以上のように、本実施形態の構成を用いても、上述の各実施形態と同様に、安定したバランス特性の積層型フィルタを実現することができる。さらに、グランド端子GNDが第1フィルタ回路と第2フィルタ回路とで共用され、積層体100Hの側面に一個だけで形成されているので、積層体100Hをより小型化することができる。
なお、上述の各実施形態の説明では、平衡側キャパシタC2,C3のキャパシタンス(容量)比を特に示していないが、積層型フィルタを構成する他の回路素子や回路パターンに応じて、キャパシタンス比は適宜設定することができる。この場合、平衡側キャパシタC2,C3を構成する平板電極の対向面積をそれぞれ変化させればよい。
また、上述の各実施形態で示した積層数は、仕様等に応じて適宜設定することができる。