JP5565492B2 - 硬貨収納装置 - Google Patents

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Description

本発明は、予め設定した複数枚の硬貨を積層して包装した棒状硬貨を収納する硬貨収納装置に関するものである。
昨今のスーパーマーケットやコンビニエンスストアでは、POS(Point Of Sales)レジスタに釣銭機と称される貨幣処理装置が接続されているのが一般的である。貨幣処理装置は、例えば貨幣が投入された場合にこれを鑑別して収納する一方、POSレジスタから出金指令が与えられた場合には該当する金額の貨幣を払い出すようにしたものである。
この種の貨幣処理装置には、硬貨収納装置が付設されている場合がある。硬貨収納装置は、予め設定した複数枚の硬貨を積層して包装した棒状硬貨を準備金として収納するものである。この硬貨収納装置に収納された棒状硬貨は、貨幣処理装置において不足した釣銭として随時用いることができる。また、貨幣収納装置においては、棒状硬貨の有無が検出されており、有り高が予め設定した金額となるように監視されている。従って、硬貨収納装置を適用した場合には、貨幣処理装置自体の大型化を招来することなく、釣銭切れによる貨幣処理装置の稼働時間低下、つまりはPOSレジスタの稼働時間低下を防止することが可能となる。
ところで、POSレジスタが配置された実際の現場においては、貨幣のみならず、貨幣の代わりとして買い物客からビール券等の各種商品券が手渡される場合がある。商品券は、貨幣と同様に商品と交換できる有価媒体ではあるものの、貨幣処理装置においてはこれを鑑別することができない。また、買い物客から手渡された貨幣が変形していたり、破損している場合には、貨幣処理装置においてこれらが異物と判断される恐れがある。このため、レジスタ担当者の作業性を考慮した場合、これら商品券、変形・破損貨幣については、別途収納しておくスペースがあることが好ましい。
このため従来では、硬貨収納装置の収納箱に商品券や紙幣、バラ硬貨を収納する収納スペースを確保し、上述した問題を解決するようにしたものも提供されている(例えば、特許文献1参照)。
特開2008−299568号公報
しかしながら、従来の硬貨収納装置では、収納箱を引き出した際に、有り高を監視する必要がある棒状硬貨と、監視が不要な商品券や紙幣、バラ硬貨とが同時に外部に露出されることになり、棒状硬貨を管理する上で、必ずしも好ましいものとはいえない。特に、棒状硬貨の取り扱い者を限定しようとする場合、収納箱を引き出した際に常に棒状硬貨が外部に晒される構成の硬貨収納装置は、その導入に抵抗があるのは否めない。
本発明は、上記実情に鑑みて、適用するレジスタでの作業性を向上させ、かつ棒状硬貨の管理をより確実に行うことのできる硬貨収納装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明に係る硬貨収納装置は、装置本体の前面から手前側に向けて引き出し可能に配設し、上面が開口した箱状を成す収納箱を備え、複数枚の硬貨を積層して包装した棒状硬貨を前記収納箱の内部に収納する硬貨収納装置において、前記収納箱は、互いに独立し、かつ前記装置本体に対して個別に引き出し可能に構成した第1の収納体及び第2の収納体を有し、前記第1の収納体は、その内部に、上面に棒状硬貨を個別に収納する硬貨収納凹部を有した硬貨収納トレイを備えたものであり、前記第2の収納体は、その内部の収納領域に対して有価媒体を受け入れるための媒体受入口を前壁に有し、この媒体受入口は、前記前壁に対して着脱可能に配設した入口ブロックに形成したものであることを特徴とする。
また、本発明に係る他の硬貨収納装置は、上述した発明において、前記第1の収納体及び前記第2の収納体は、前記装置本体に対して互いに上下に並設したことを特徴とする。
また、本発明に係る他の硬貨収納装置は、上述した発明において、前記第1の収納体及び前記第2の収納体は、前記装置本体に対して互いに左右に並設したことを特徴とする。
また、本発明に係る他の硬貨収納装置は、上述した発明において、前記収納箱に永久磁石を配設し、前記収納領域に磁気吸引力が作用した磁気吸引領域を構成したことを特徴とする。
また、本発明に係る他の硬貨収納装置は、上述した発明において、前記収納箱の前面、もしくは前記本体筐体の上面に、前記磁気吸引領域を外部に連通させる開口を形成したことを特徴とする。
本発明によれば、収納箱を第1の収納体及び第2の収納体に分割し、第1の収納体に棒状硬貨を収納する一方、第2の収納体に商品券や紙幣、バラ硬貨、変形・破損貨幣等、その他の有価媒体を収納するように構成している。従って、棒状硬貨とその他の有価媒体とを個別に取り扱うことができ、適用するレジスタでの作業性を向上させ、かつ棒状硬貨の管理をより確実に行うことができるようになる。さらに、収納体それぞれの引き出し量が小さくなるため、奥行方向に十分なスペースがない場合にも設置して使用することが可能となる。
図1は、本発明の実施の形態1である硬貨収納装置において収納箱を全閉状態とした斜視図である。 図2は、図1の硬貨収納装置において収納箱が中途位置にある状態を示す斜視図である。 図3は、図1の硬貨収納装置において収納箱を全開状態とした斜視図である。 図4は、図1の硬貨収納装置に適用した停止機構の動作を示す概念図である。 図5は、図1の硬貨収納装置において収納箱の収納容器を取り外した状態を示す斜視図である。 図6は、図1の硬貨収納装置において入口ブロックを取り外した状態を示す斜視図である。 図7は、図1の硬貨収納装置において硬貨収納トレイの硬貨収納凹部を示す要部斜視図である。 図8−1は、図7において通常の棒状硬貨を収納する硬貨収納凹部の断面図である。 図8−2は、図7において通常の棒状硬貨及び長さの短い棒状硬貨を収納することのできる硬貨収納凹部の断面図である。 図9−1は、図8−1に示した硬貨収納凹部に通常の棒状硬貨を収納した状態を示す断面図である。 図9−2は、図8−2に示した硬貨収納凹部に通常の棒状硬貨を収納した状態を示す断面図である。 図10は、図8−2に示した硬貨収納凹部に長さの短い棒状硬貨を収納した状態を示す断面図である。 図11は、図1の硬貨収納装置において棒状硬貨の検出制御系を示すブロック図である。 図12は、本発明の実施の形態2である硬貨収納装置において収納箱を全閉状態とした斜視図である。 図13は、図12に示した硬貨収納装置において第2の収納体を引き出した状態の斜視図である。 図14は、図12に示した硬貨収納装置において第1の収納体を引き出した状態の斜視図である。 図15は、図1に示した硬貨収納装置の第1変形例及びその動作を示す概念図である。 図16は、本発明の実施の形態3である硬貨収納装置の外観斜視図である。 図17は、図16に示した硬貨収納装置の内部を概念的に示す平面図である。
以下、添付図面を参照しながら本発明に係る硬貨収納装置の好適な実施の形態について詳細に説明する。
(実施の形態1)
図1〜図4は、本発明の実施の形態1である硬貨収納装置を示したものである。ここで例示する硬貨収納装置1は、図には明示していないが、POSレジスタに接続された釣銭機に補充する棒状硬貨を準備金として収納するものである。棒状硬貨とは、図3に示すように、同一金種の硬貨を予め設定した枚数だけ積層して包装し、1つの取扱単位として構成したものである。本実施の形態1では、1円硬貨、5円硬貨、10円硬貨、50円硬貨、100円硬貨、500円硬貨をそれぞれ50枚ずつ包装した棒状硬貨BCと、500円硬貨を20枚包装した長さの短い棒状硬貨BC′とを収納対象とする硬貨収納装置1を例示している。
図1〜図4からも明らかなように、硬貨収納装置1は、装置本体10と、装置本体10の内部に配設した収納箱20とを備えている。装置本体10は、前面が開口した直方体状を成すものである。この装置本体10には、その内部に左右一対の本体側ガイド部材11a,11bが配設してある。正面向かって左側に設けた本体側ガイド部材11aは、装置本体10の側壁内面に取り付けてある。一方、正面向かって右側に設けた本体側ガイド部材11bは、装置本体10の側壁内面から間隔を確保した位置に取り付けてある。
収納箱20は、装置本体10に設けた一対の本体側ガイド部材11a,11bの間に挿入可能となる大きさに構成した箱体であり、上面全面が開口した直方体状を成している。この収納箱20には、両側壁の外面にそれぞれ箱側ガイド部材21(図においては一方のみを示す)が配設してある。箱側ガイド部材21は、収納箱20の外面から外方に向けて突出したものである。それぞれの箱側ガイド部材21は、装置本体10に設けた本体側ガイド部材11a,11bに摺動自在に当接することにより、収納箱20を装置本体10の前面に設けた開口から引き出し可能に支持している。
装置本体10と収納箱20との間には、停止機構30が設けてある。停止機構30は、装置本体10に対する収納箱20の移動を制限するものである。本実施の形態1では、装置本体10に可動ストッパ片31を設ける一方、収納箱20に前後一対の係止片32,33を設けることによって停止機構30を構成している。
可動ストッパ片31は、図4に示すように、装置本体10に設けたストッパ本体34に軸35を介して揺動可能に支持させてあり、収納箱20の一方の側壁外面に対して近接離反移動することが可能である。可動ストッパ片31の先端部は、収納箱20に近接する方向に向けて略直角に屈曲して係合部31aを構成している。
ストッパ本体34には、押圧バネ36及び電磁ソレノイド37が設けてある。押圧バネ36は、ストッパ本体34と可動ストッパ片31との間に設けたもので、可動ストッパ片31の係合部31aを常時装置本体10の側壁外面に当接させるように押圧している。電磁ソレノイド37は、励磁した場合に押圧バネ36の押圧力に抗して可動ストッパ片31を吸着し、係合部31aを装置本体10の側壁外面から離隔させるものである。
収納箱20に設けた一対の係止片32,33は、それぞれ側壁外面から外方に向けて突設したもので、前方に向けて漸次突出量が多くなるように傾斜し、かつ最も前方となる部位に係止面32a,33aを構成している。収納箱20の前側に設けた係止片32は、図4の(a)に示すように、装置本体10に対して収納箱20を全閉状態に配置した場合、先端の係止面32aが可動ストッパ片31の係合部31aに係合することにより、収納箱20の前方への移動を阻止するように機能する。収納箱20の後側に設けた係止片33は、図4の(c)に示すように、収納箱20を装置本体10から引き出した場合に収納箱20の前半部分20Fが装置本体10から外部に露出し、かつ収納箱20の後半部分20Rが装置本体10に覆われた位置において可動ストッパ片31の係合部31aに係合し、収納箱20の前方への移動を阻止するように機能する。
収納箱20の内部には、図2及び図3に示すように、複数の収納容器40及び複数の硬貨収納トレイ50が配設してある。収納容器40は、互いの同一の外形寸法を有したもので、収納箱20の内部において手前側に位置する前半部分20Fに左右に並べた状態で着脱可能に配置してある。本実施の形態1では、図2〜図4に示すように、収納箱20の前半部分20Fに中央に隙間調整用部材45(図5参照)を介して左右方向に沿って4つ並設することができ、かつ収納箱20の後側に設けた係止片33が可動ストッパ片31の係合部31aに係合した場合に外部に露出するように収納容器40の寸法が設定してある。
正面向かって左側に配置した3つ(左側の2つ、および隙間調整部材45の右側の1つ)の収納容器40は、個々の内部を前後に仕切る仕切壁40aを有するとともに、前後の収納空間をさらに左右二分割する仕切板41が着脱可能に設けられたものである(図5参照)。仕切壁40aや仕切板41によって内部が複数の収納空間に区画された収納容器40(以下、収納容器を区別する場合に「小物収納容器40S」という)は、例えばバラ硬貨や変形硬貨等、縦横寸法が比較的小さい有価媒体、あるいはクリップ、印鑑、収入印紙等のように縦横寸法が比較的小さい小型物品を収納するのに好適である。
これに対して正面向かって右側(右端)に配置した収納容器40は、内部を一つの収納空間として用いるものである。内部を一つの収納空間として用いる収納容器(以下、収納容器を区別する場合に「大物収納容器40B」という)は、例えばビール券やその他の商品券、あるいは紙幣等、縦横寸法が比較的大きな有価媒体、あるいは筆記用具やハサミ、ステープラ等のように縦横寸法が比較的大きな大型物品を収納するのに好適である。
尚、これら小物収納容器40S及び大物収納容器40Bには、それぞれ上面の開口を覆うための蓋体42を着脱可能に配設することが可能である。この蓋体42は、図には明示していないが、それぞれの収納容器40に対して開口を覆うように配置した場合にも、後述する収納箱20の前壁22に設けた装着孔22aに対応する部位を常時開放するものである。
図6に示すように、収納箱20の前壁22において収納容器40に対応する部位には、それぞれ入口ブロック60A,60B,60C,60Dが配設してある。入口ブロック60A,60B,60C,60Dは、互いに同一の外形寸法に形成したブロック状部材であり、前壁22に設けた4つの矩形状を成す装着孔22aに対してそれぞれが着脱可能である。これらの入口ブロックのうちの3つ60A,60B,60Cには、互いに異なる形態の媒体受入口61が形成してある。本実施の形態1では、バラ硬貨に対応したバラ硬貨投入口61aを有する入口ブロック60A、変形硬貨に対応した変形硬貨投入口61bを有する入口ブロック60B、商品券や紙幣に対応した紙葉類投入口61cを有する入口ブロック60Cが用意してある。バラ硬貨投入口61aは、硬貨を1枚ずつ挿入することのできる寸法に形成した横長の開口であり、入口ブロック60Aの中央部に形成してある。変形硬貨投入口61bは、バラ硬貨投入口61aよりも上下方向の寸法を大きく構成した横長の開口であり、入口ブロック60Bの中央部に形成してある。紙葉類投入口61cは、紙葉を挿入することのできる寸法に形成した横長の開口であり、入口ブロック60Cの幅方向いっぱいに形成してある。残りの1つの入口ブロック60Dは、前壁22の装着孔22aを単に閉塞するためのものである。本実施の形態1では、紙葉類投入口61cを有した入口ブロック60Cを正面向かって最も右側に位置する前壁22の装着孔22aに装着し、バラ硬貨投入口61aを有した入口ブロック60Aを右から2番目の装着孔22aに装着し、変形硬貨投入口61bを有した入口ブロック60Bを右から3番目の装着孔22aに装着し、媒体受入口61の無い入口ブロック60Dを正面向かって最も左側に位置する前壁22の装着孔22aに装着してある。
また、収納箱20の前壁22において入口ブロック60A,60B,60C,60Dよりも下方となる部位には、複数のLED(light emitting diode)70が配設してある。これらのLED70は、後述する硬貨収納トレイ50の硬貨収納凹部51に棒状硬貨BC,BC′が収納されているか否かを点灯表示するためのもので、棒状硬貨BC,BC′の種類に応じた数だけ用意してある。
尚、図中の符号45は、中央に位置する2つの収納容器40の間に配設した隙間調整用部材45である。本実施の形態1では、この隙間調整用部材45の上面に前後方向寸法に対して左右方向寸法の小さい収納空間45aが構成してある。この隙間調整用部材45に設けた収納空間45aは、例えばボールペンや鉛筆等の筆記用具のように、細長い物品を収納するのに好適である。
硬貨収納トレイ50は、それぞれ矩形のプレート状を成すもので、収納箱20の内部において奥方側に位置する後半部分20Rに左右に並べた状態で配置してある。本実施の形態1では、3つの硬貨収納トレイ50が収納箱20の内部に並設してある。これら硬貨収納トレイ50には、個々の上面に複数の硬貨収納凹部51が設けてある。硬貨収納凹部51は、図7〜図10に示すように、棒状硬貨BCを横倒しの状態で収納するための半円筒状の凹所であり、軸心が収納箱20の前後方向に沿う状態で個々の硬貨収納トレイ50に4つずつ形成してある。
このうち、正面向かって左側に配置した硬貨収納トレイ50には、最も左側に位置する硬貨収納凹部51(以下、その他の硬貨収納凹部と区別する場合に「500円硬貨収納凹部51A」という)の中央部にケース収納部51aが付設してあるとともに、このケース収納部51aに嵌合される硬貨収納ケース52が用意してある。ケース収納部51aは、500円硬貨収納凹部51Aよりも内径の大きな半円筒状の凹所であり、内底部に突起貫通孔51bを有している。硬貨収納ケース52は、500円硬貨を20枚包装した長さの短い棒状硬貨BC′を収納するための半円筒状に形成した容器であり、ケース収納部51aに嵌合する大きさに形成してある。硬貨収納ケース52には、識別用突起52aが設けてある。識別用突起52aは、硬貨収納ケース52の外周面から径外方向に向けて突設した舌片状部分である。この識別用突起52aは、硬貨収納ケース52をケース収納部51aに嵌合させた場合に突起貫通孔51bを介して硬貨収納トレイ50の裏面に突出されるだけの長さを有している。
それぞれの硬貨収納凹部51には、検出部53として、磁気コイル53a、一対の当接レバー53b、投光素子53c及び受光素子53dが設けてある。磁気コイル53aは、硬貨収納凹部51に棒状硬貨BCが収納された場合に磁気インピーダンスが変化するもので、硬貨収納トレイ50の裏面において硬貨収納凹部51のほぼ中央となる部位に配設してある。それぞれの磁気コイル53aには、コイル検出回路53e(図11参照)が付設してある。コイル検出回路53eは、磁気コイル53aの磁気インピーダンスが変化した場合に検出信号を出力するものである。
一対の当接レバー53bは、硬貨収納凹部51の両端に形成した開口51cから内部に出没するように揺動可能に配設したものである。個々の当接レバー53bには、それぞれの先端部が開口51cから内部に突出するように押圧するレバーバネ53fが設けてある。これらの当接レバー53bは、硬貨収納凹部51に50枚包装した棒状硬貨BCが収納された場合にだけ両者が共に硬貨収納凹部51から退避移動するように構成してある。それぞれの当接レバー53bには、レバーセンサ53gが付設してある。レバーセンサ53gは、当接レバー53bの先端部が硬貨収納凹部51に突出した状態にあるか否かを個別に検出するものである。
投光素子53c及び受光素子53dは、硬貨収納凹部51に形成したスリット51dを介して互いに対向するように配置したもので、投光素子53cから照射した光が受光素子53dに入射した場合に検出信号を出力する。
さらに、500円硬貨収納凹部51Aには、突起センサ53hが設けてある。突起センサ53hは、突起貫通孔51bを介して硬貨収納ケース52の識別用突起52aが硬貨収納トレイ50の裏面に突出された場合に検出信号を出力するものである。
図11は、棒状硬貨BC,BC′の検出制御系を示すブロック図である。図11に示す検出制御部54は、硬貨収納トレイ50に設けた各硬貨収納凹部51の検出部53から検出信号が与えられた場合に硬貨収納凹部51に棒状硬貨BC,BC′が収納されているか否かを判断するものである。例えば、図8−1に示すように、レバーセンサ53gによって当接レバー53bのそれぞれの先端部が硬貨収納凹部51に突出されていることが検出され、かつ受光素子53dに対して投光素子53cからの入射光があり、さらにコイル検出回路53eによって検出される磁気コイル53aの磁気インピーダンスに変化がない場合、検出制御部54は、硬貨収納凹部51に棒状硬貨BC,BC′が収納されていないと判断する。硬貨収納凹部51に棒状硬貨BC,BC′が収納されていないと判断した検出制御部54は、該当する金種に対応したLED70を消灯した状態に維持する処理を行う。
これに対してレバーセンサ53gによって当接レバー53bがいずれも硬貨収納凹部51から退避されていることが検出され、かつ受光素子53dに対して投光素子53cからの入射光がなく、さらにコイル検出回路53eによって検出される磁気コイル53aの磁気インピーダンスに変化が生じた場合、検出制御部54は、硬貨収納凹部51に50枚包装した正規の棒状硬貨BCが収納されていると判断する。この場合、検出制御部54は、該当する硬貨の種類に対応したLED70を点灯する処理を行う。従って、収納箱20が全閉状態に維持された状態にあっても、収納箱20の内部に棒状硬貨BCが収納されているか否かを判断することが可能となる。
尚、レバーセンサ53gによって少なくとも一方の当接レバー53bが硬貨収納凹部51から退避されていることが検出され、かつ受光素子53dに対して投光素子53cからの入射光がなく、コイル検出回路53eによって検出される磁気コイル53aの磁気インピーダンスに変化が生じた場合、検出制御部54は、硬貨収納凹部51に異物が収納されていると判断する。例えば、50枚に満たない棒状硬貨BCが硬貨収納凹部51に収納された場合、上述した結果となる。この場合、検出制御部54は、例えば外部に対してエラー出力し、LED70を点滅表示する等して硬貨収納凹部51に異物が収納されていることを報知する。
但し、500円硬貨収納凹部51Aにおいては、レバーセンサ53gによって少なくとも一方の当接レバー53bが退避されていることが検出され、かつ受光素子53dに対して投光素子53cからの入射光がなく、コイル検出回路53eによって磁気コイル53aの磁気インピーダンス変化を検出した場合、以下の処理を実施し、500円硬貨を20枚包装した棒状硬貨BC′が収納されているか否かの判断を行う。すなわち、少なくとも一方の当接レバー53bが退避されていることが検出された場合、検出制御部54は、突起センサ53hによって硬貨収納ケース52の識別用突起52aが硬貨収納トレイ50の裏面に突出されているか否かを判断する。突起センサ53hによって識別用突起52aを検出した場合には、500円硬貨収納凹部51Aに硬貨収納ケース52が嵌合された状態にある。従って、検出制御部54は、硬貨収納ケース52に20枚包装された500円の棒状硬貨BC′が収納されていると判断し、該当するLED70を点灯する処理を行う。これにより、500円硬貨収納凹部51Aにおいては、50枚包装された棒状硬貨BCが収納されているか否かに加え、20枚包装された棒状硬貨BC′が収納されているか否かを判断することができるようになる。
尚、図中の符号80は、収納箱の内部に設けられた電源である。
上記のように構成した硬貨収納装置1は、図には明示していないが、例えば装置本体10の上面に釣銭機が載置され、さらにその上面にPOSレジスタが載置された状態でスーパーマーケットやコンビニエンスストアに設置される。硬貨収納トレイ50の各硬貨収納凹部51には、準備金として所望金種の棒状硬貨BC,BC′が予め収納された状態にあり、上述した検出制御部54の制御により、該当するLED70が点灯した状態にある。収納箱20の前半部分20Fに配設された収納容器40には、バラ硬貨、筆記用具、ハサミ、ステープラ、印鑑、収入印紙等々、レジスタ作業において必要となる物品を予め収納させておく。
店舗が開店すると、釣銭機においては、POSレジスタとの間において適宜情報交換を行い、買い物客からの入金額に対して商品の購入金額が小さい場合、その差額を釣銭として払い出す処理を行うことになる。硬貨収納装置1においては、電磁ソレノイド37が消磁された状態のままであり、図1及び図4の(a)に示すように、押圧バネ36の押圧力によって可動ストッパ片31の係合部31aが収納箱20の前側に設けた係止片32と係合した状態に維持されるため、外部から収納箱20を引き出すことが困難な状態にある。
ここで、買い物客から商品券が手渡された場合、レジスタ担当者は、これを紙葉類投入口61cから収納箱20の内部に投入すれば、商品券を大物収納容器40Bに格納することができる。同様に、買い物客から手渡された紙幣や硬貨が破損していたり、変形していたりした場合には、該当する媒体受入口61から内部に投入すれば、破損紙幣を大物収納容器40Bに格納することができ、変形硬貨を小物収納容器40Sに格納することができる。上述した収納容器40への格納操作は、いずれも装置本体10に対して収納箱20を引き出す必要がない。従って、レジスタ作業の容易化を図ることができるばかりでなく、収納箱20が全閉状態に維持される結果、棒状硬貨BC,BC′が外部に晒される事態を招来することがなく、棒状硬貨BC,BC′の管理上及びセキュリティ上、きわめて有利となる。
一方、領収証に対して収入印紙を貼り付け、これに印鑑を押す等の作業が必要となった場合、レジスタ担当者は、POSレジスタを介して収納箱20を開放する操作を一度実施すれば良い。すなわち、POSレジスタからの制御信号によって電磁ソレノイド37が一旦励磁されると、可動ストッパ片31が吸着されるため、収納箱20の前側に設けた係止片32との係合状態が解除される。その後、可動ストッパ片31は、再び押圧バネ36の押圧力によって電磁ソレノイド37から離隔し、収納箱20の側壁外面に当接された状態となる。
この間、可動ストッパ片31と係止片32との係合状態が解除された収納箱20は、装置本体10との間に設けた引き出しスプリング81の押圧力によって手前側に押し出されることになり、収納箱20の後側に設けた係止片33が可動ストッパ片31の係合部31aに係合するまで引き出してその内部を外部に露出することが可能である。つまり、図2及び図4の(c)に示すように、収納箱20の前半部分20Fが外部に露出されることになる。これにより、POSレジスタから離れることなく収納容器40に収納させた収入印紙や印鑑を取り出して上述のレジスタ作業を迅速に実施することができるようになり、その作業性を向上させることが可能となる。しかも、上述のレジスタ作業を実施している間においても、棒状硬貨BC,BC′を収納した硬貨収納トレイ50が外部に露出することはなく、棒状硬貨BC,BC′の管理上及びセキュリティ上、きわめて有利となる。尚、上述の中途位置から収納箱20を装置本体10に対して押し込めば、係止片32の傾斜作用によって可動ストッパ片31が適宜移動し、係止片32よりも前側に位置した状態で収納箱20の側壁外面に当接された状態となる。従って、POSレジスタへの操作を伴うことなく収納箱20を全閉状態に復帰させることができる。
一方、釣銭機の釣銭が不足した場合、レジスタ担当者は、POSレジスタを介して収納箱20を全開する操作を実施し、硬貨収納トレイ50に収納された棒状硬貨BC,BC′を釣銭機に補充する作業を行う。尚、レジスタ担当者が棒状硬貨BCの管理権限を有していない場合には、釣銭機の釣銭が不足した時点で管理者を呼び出し、以下の作業を行うものとする。
まず、POSレジスタを介して電磁ソレノイド37を一旦励磁させ、収納箱20の前半部分20Fを外部に露出させた状態とする。この状態からさらにPOSレジスタを介して電磁ソレノイド37を励磁させると、可動ストッパ片31の係合部31aと収納箱20の後側に設けた係止片33との係合状態が解除されることになる。この状態から収納箱20を引き出せば、これを全開状態とすることができる。すなわち、収納箱20の後半部分20Rに配置した硬貨収納トレイ50を装置本体10の外部に露出させ、それぞれの硬貨収納凹部51に収納された棒状硬貨BC,BC′から該当するものを抜き出して釣銭機に補充することができるようになる。
これにより、釣銭機自体の大型化を招来することなく、釣銭切れによる釣銭機の稼働時間低下、つまりはPOSレジスタの稼働時間低下を防止することが可能となる。しかも、収納箱20の前半部分20Fを引き出した状態からPOSレジスタに電磁ソレノイド37を励磁させる場合には、操作者の氏名入力及び管理者のみが知り得るパスワードの入力を必須とすれば、これを記録することにより、棒状硬貨BC,BC′の管理を確実に行うことが可能となる。尚、硬貨収納装置1から棒状硬貨BC,BC′が抜き出された場合には、該当する硬貨収納凹部51の検出部53を通じて検出制御部54により検出されることになり、該当するLED70が消灯した状態となる。さらに、検出制御部54の検出結果は、POSレジスタに通知され、例えば硬貨収納装置1の準備金管理に利用されることになる。
また、上記硬貨収納装置1では、収納箱20に対して収納容器40が着脱可能に配設してあるとともに、収納箱20の前壁22に形成した4つの装着孔22aに対して入口ブロック60A,60B,60C,60Dが着脱可能に配設してある。従って、収納箱20の内部に配置する収納容器40の順番を変更するとともに、収納容器40に応じて入口ブロック60A,60B,60C,60Dの位置を変更すれば、同じ硬貨収納装置1でありながら、内部が異なるものを構成することができるようになる。さらに、小物収納容器40Sにおいて、仕切板41を着脱することにより、収納空間の大きさを変更することができるようになる。
尚、上述した実施の形態1では、装置本体10に可動ストッパ片31を設ける一方、収納箱20に前後一対の係止片32,33を設けることによって停止機構30を構成しているが、必ずしもこれに限定されない。例えば、図12に示すように、装置本体110にガイド部材111及びローラ112を配設するとともに、収納箱120の対応する部位にガイド部材121及びローラ122を配設し、さらに双方のガイド部材111,121の適宜箇所に段部111a,121aを形成するようにしても同様の作用効果を期待することができる。
すなわち、図12の(a)に示す全閉状態から装置本体110に対して収納箱120を引き出し、図12の(b)に示す中途位置においてローラ112,122がガイド部材111,121の段部111a,121aに達するように構成すれば、これらローラ112,122及び段部111a,121aの作用により、収納箱120を引き出す際の移動が一旦停止することになる。つまり、中途位置から収納箱120を図12の(c)に示す全開状態とするには、ローラ112,122がガイド部材111,121の段部111a,121aから逸脱する必要があり、単に収納箱120を引き出す場合に比べて大きな操作力が必要となる。従って、実施の形態1と同様に、収納箱120の後半部分に硬貨収納トレイを配置すれば、単に収納箱120を引き出した際には、収納箱120の後半部分が装置本体110によって覆われた状態となり、棒状硬貨BC,BC′が外部に露出することはなく、棒状硬貨BC,BC′の管理上及びセキュリティ上有利となる。
(実施の形態2)
図13〜図15は、本発明の実施の形態2である硬貨収納装置を示したものである。ここで例示する硬貨収納装置201は、実施の形態1と同様に、POSレジスタに接続された釣銭機に補充する棒状硬貨BC,BC′を準備金として収納するもので、実施の形態1とは、収納箱の構成のみが異なっている。すなわち、実施の形態2の硬貨収納装置201では、独立した上下2つの収納体220A,220Bを備えて収納箱220を構成している。
上方に配設した収納体(以下、区別する場合に「上方収納体220A」という)と下方に配設した収納体(以下、区別する場合に「下方収納体220B」という)は、上面全面が開口した直方体状を成す箱体である。これらの収納体220A,220Bは、それぞれの両側側面に設けた箱側ガイド部材221を装置本体210に設けた本体側ガイド部材211に摺動自在に当接させることにより、装置本体210の前面に設けた開口から個別に引き出し可能に配設してある。上方収納体220Aの奥行寸法及び下方収納体220Bの奥行寸法は、いずれも実施の形態1の収納箱20よりも十分に短く構成してある。
図には明示していないが、装置本体210とそれぞれの収納体220A,220Bとの間には、それぞれ個別の停止機構230が設けてある。停止機構230は、装置本体210に対する収納体220A,220Bの移動を個別に制限するものである。本実施の形態2では、装置本体210に上下2つの可動ストッパ片(図示せず)を設ける一方、各収納体220A,220Bの前側となる部位にそれぞれ係止片232を設けることによって停止機構230を構成している。
実施の形態1と同様に、停止機構230の可動ストッパ片(図示せず)は、装置本体210に設けたストッパ本体234に揺動可能に支持させてあり、対応する収納体220A,220Bの側壁外面に対して近接離反移動することが可能である。図には明示していないが、可動ストッパ片の先端部に屈曲した係合部が設けてある点、ストッパ本体234に押圧バネ(図示せず)及び電磁ソレノイド237が設けてある点も実施の形態1と同様である。
収納体220A,220Bに設けた係止片232は、それぞれ側壁外面から外方に向けて突設したもので、前方に向けて漸次突出量が多くなるように傾斜し、かつ最も前方となる部位に係止面232aを構成している。それぞれ係止片232は、装置本体210に対して収納体220A,220Bを全閉状態に配置した場合、先端の係止面232aが可動ストッパ片(図示せず)の係合部に係合することにより、収納体220A,220Bの前方への移動を阻止するように機能する。本実施の形態2で示す停止機構230は、収納体220A,220Bを中途位置で停止させるための機能を有しておらず、可動ストッパ片(図示せず)の係合部と係止片232との係合状態が解除された場合、それぞれの収納体220A,220Bを全閉状態から同じ操作力でそのまま全開位置まで引き出すことが可能である。
2つの収納体220A,220Bには、4つの収納容器40及び2つの硬貨収納トレイ250が個別に配設してある。本実施の形態2では、上方収納体220Aに4つの収納容器40が配設してある一方、下方収納体220Bに2つの硬貨収納トレイ250が配設してある。収納容器40は、実施の形態1と同様の構成を有したものであり、上方収納体220Aを全開状態に配置した場合に全てが外部に露出されることになる。硬貨収納トレイ250は、下方収納体220Bの奥行寸法に合致した長さを有する矩形のプレート状を成すもので、左右に並べた状態で配置してある。硬貨収納凹部251は、軸心が下方収納体220Bの左右方向に沿う状態で個々の硬貨収納トレイ250に複数ずつ形成してある。図からも明らかなように、正面向かって左側に配置した硬貨収納トレイ250には、最も奥方に位置する部位に実施の形態1と同様の500円硬貨収納凹部251Aが設けてあるとともに、最も手前側に位置する部位に縦横寸法が比較的小さい物品を収納するための収納空間255が構成してある。また、下方収納体220Bの正面向かって右側には、縦横寸法が比較的大きい物品を収納することのできる蓋体257付きの収納空間256が構成してある。尚、収納容器40の詳細構成並びに硬貨収納トレイ250の詳細構成及び検出制御系の構成に関しては、いずれも実施の形態1と同様であるため、同一の符号を付してそれぞれの詳細説明を省略する。
また、収納容器40を配設した上方収納体220Aには、その前壁222Aにおいて収納容器40に対応する部位にそれぞれ入口ブロック60A,60B,60C,60Dが配設してあり、硬貨収納トレイ250を配設した下方収納体220Bには、その前壁222Bに複数のLED70が配設してある。これら入口ブロック60A,60B,60C,60Dの構成及びLED70の構成に関しても、実施の形態1と同様であるため、同一の符号を付してそれぞれの詳細説明は省略する。
上記のように構成した硬貨収納装置201は、図には明示していないが、例えば装置本体210の上面に釣銭機が載置され、さらにその上面にPOSレジスタが載置された状態でスーパーマーケットやコンビニエンスストアに設置される。硬貨収納トレイ250の各硬貨収納凹部251には、準備金として所望金種の棒状硬貨BC,BC′が予め収納された状態にあり、上述した検出制御部54の制御により、該当するLED70が点灯した状態にある。上方収納体220Aに配設された収納容器40には、バラ硬貨、筆記用具、ハサミ、ステープラ、印鑑、収入印紙等々、レジスタ作業において必要となる物品を予め収納させておく。
店舗が開店すると、釣銭機においては、POSレジスタとの間において適宜情報交換を行い、買い物客からの入金額に対して商品の購入金額が小さい場合、その差額を釣銭として払い出す処理を行うことになる。硬貨収納装置201においては、2つの電磁ソレノイド237がいずれも消磁された状態のままであり、それぞれの収納体220A,220Bに設けた係止片232と可動ストッパ片(図示せず)とが係合した状態に維持されるため、外部から収納体220A,220Bを引き出すことが困難な状態にある。
ここで、買い物客から商品券が手渡された場合、レジスタ担当者は、これを紙葉類投入口61cから上方収納体220Aの内部に投入すれば、商品券を大物収納容器40Bに格納することができる。同様に、買い物客から手渡された紙幣や硬貨が破損していたり、変形していたりした場合には、該当する媒体受入口61から内部に投入すれば、破損紙幣を大物収納容器40Bに格納することができ、変形硬貨を小物収納容器40Sに格納することができる。上述した収納容器40への格納操作は、いずれも装置本体210に対して上方収納体220A及び下方収納体220Bを引き出す必要がない。従って、レジスタ作業の容易化を図ることができるばかりでなく、収納体220A,220Bが全閉状態に維持される結果、棒状硬貨BC,BC′並びにバラ硬貨が外部に晒される事態を招来することがなく、これらの管理上及びセキュリティ上、きわめて有利となる。
一方、領収証に対して収入印紙を貼り付け、これに印鑑を押す等の作業が必要となった場合、レジスタ担当者は、POSレジスタを介して上方収納体220Aを開放する操作を実施すれば良い。すなわち、POSレジスタからの制御信号によって上方収納体220Aに対応した電磁ソレノイド237が励磁されると、可動ストッパ片(図示せず)が吸着されるため、上方収納体220Aに設けた係止片232との係合状態が解除される。この結果、装置本体210との間に設けた引き出しスプリング81の押圧力によって上方収納体220Aが手前側に押し出されることになり、これを全開状態まで引き出してその内部を外部に露出することが可能である。これにより、POSレジスタから離れることなく収納容器40に収納させた収入印紙や印鑑を取り出して上述のレジスタ作業を迅速に実施することができるようになり、その作業性を向上させることが可能となる。しかも、上述のレジスタ作業を実施している間においても、下方収納体220Bは全閉状態に維持されているため、棒状硬貨BC,BC′を収納した硬貨収納トレイ250が外部に露出することはなく、棒状硬貨BC,BC′の管理上及びセキュリティ上、きわめて有利となる。尚、上方収納体220Aを装置本体210に対して押し込めば、係止片232の傾斜作用によって可動ストッパ片(図示せず)が適宜移動し、係止片232よりも前側に位置した状態で上方収納体220Aの側壁外面に当接された状態となる。従って、POSレジスタへの操作を伴うことなく上方収納体220Aを全閉状態に復帰させることができる。
一方、釣銭機の釣銭が不足した場合、レジスタ担当者は、POSレジスタを介して下方収納体220Bを開放する操作を実施し、硬貨収納トレイ250に収納された棒状硬貨BC,BC′を釣銭機に補充する作業を行う。すなわち、POSレジスタからの制御信号によって下方収納体220Bに対応した電磁ソレノイド237が励磁されると、可動ストッパ片(図示せず)が吸着されるため、下方収納体220Bに設けた係止片232との係合状態が解除される。この結果、装置本体210との間に設けた引き出しスプリング81の押圧力によって下方収納体220Bが手前側に押し出されることになり、これを全開状態まで引き出してその内部を外部に露出することが可能である。これにより、下方収納体220Bに配置した硬貨収納トレイ250を装置本体210の外部に露出させ、それぞれの硬貨収納凹部251に収納された棒状硬貨BC,BC′から該当するものを抜き出して釣銭機に補充することができるようになる。尚、実施の形態1と同様、レジスタ担当者が棒状硬貨BC,BC′の管理権限を有していない場合には、釣銭機の釣銭が不足した時点で管理者を呼び出し、上述の作業を行うものとする。
これにより、釣銭機自体の大型化を招来することなく、釣銭切れによる釣銭機の稼働時間低下、つまりはPOSレジスタの稼働時間低下を防止することが可能となる。しかも、下方収納体220Bに対応した電磁ソレノイド237を励磁させる場合には、操作者の氏名入力及び管理者のみが知り得るパスワードの入力を必須とすれば、これを記録することにより、棒状硬貨BC,BC′の管理を確実に行うことが可能となる。尚、硬貨収納装置201から棒状硬貨BC,BC′が抜き出された場合には、該当する硬貨収納凹部251の検出部53を通じて検出制御部54により検出されることになり、該当するLED70が消灯した状態となる。さらに、検出制御部54の検出結果は、POSレジスタに通知され、例えば硬貨収納装置201の準備金管理に利用されることになる。
また、上記硬貨収納装置201では、上方収納体220Aに対して収納容器40が着脱可能に配設してあるとともに、上方収納体220Aの前壁222Aに形成した4つの装着孔22aに対して入口ブロック60A,60B,60C,60Dが着脱可能に配設してある。従って、上方収納体220Aの内部に配置する収納容器40の順番を変更するとともに、収納容器40に応じて入口ブロック60A,60B,60C,60Dの位置を変更すれば、同じ硬貨収納装置201でありながら、内部が異なるものを構成することができるようになる。さらに、小物収納容器40Sにおいて、仕切板41を着脱することにより、収納空間の大きさを変更することができるようになる。
尚、上述した実施の形態2では、装置本体に対して収納体を上下に配設することにより,収納箱を構成するようにしているが、装置本体に対して収納体を左右に並設することによって収納箱を構成することも可能である。また、収納体を上下に配設する場合に上述した実施の形態2では、上方収納体に収納容器を配設し、かつ下方収納体に硬貨収納トレイを配設するようにしているが、逆の態様であっても構わない。
さらに、上述した実施の形態1及び2では、いずれも前壁に形成した装着孔に入口ブロックを着脱可能に配設しているが、例えば前壁に一条の溝を形成し、この溝に対して複数の入口ブロックをスライド可能に配設するように構成しても良い。このように溝に対して入口ブロックをスライド可能に配設した場合には、複数の入口ブロックの幅を同一とする必要がなく、互いに異なる幅の入口ブロックを適用することが可能である。この場合、入口ブロックに対応する収納容器の幅に関しても互いに異なる幅のものを適用することが可能になる。
(実施の形態3)
図16及び図17は、本発明の実施の形態3である硬貨収納装置を示したものである。ここで例示する硬貨収納装置301は、実施の形態1と同様に、POSレジスタに接続された釣銭機に補充する棒状硬貨BC,BC′を準備金として収納するもので、実施の形態1の硬貨収納装置に対して磁気吸引領域340を追加したものである。
すなわち、実施の形態3の硬貨収納装置301では、収納箱320において正面向かって最も左側に位置する部位の前側に磁気吸引領域340を設けている。磁気吸引領域340は、収納容器341の底壁外面に永久磁石342を配設することによって構成したものである。一方、収納箱320の前壁322において磁気吸引領域340に対応する部位には、磁気吸引領域340を外部に連通させるための開口345が設けてある。尚、実施の形態3において実施の形態1と同様の構成に関しては、同一の符号を付してそれぞれの詳細説明を省略する。
上記のように構成した硬貨収納装置301によれば、実施の形態1のものに加え、収納箱320を全閉状態に維持した状態で前壁322の開口345を介してクリップやステープラの針を収納箱320の内部に構成した磁気吸引領域340に収納させることが可能である。しかも、磁気吸引領域340には、その底部に永久磁石342が配設してあるため、その磁気吸引力によってこれらクリップやステープラの針を確実に収納することができる。従って、これらクリップやステープラの針が釣銭機の硬貨投入口や紙幣投入口から誤って内部に侵入する虞れがなくなる。
尚、磁気吸引領域340を外部に連通させる開口は、必ずしも収納箱320の前面である必要はなく、装置本体10の上面に形成しても良い。
また、磁気吸引領域340を外部に連通させる開口は、実施の形態2で示した硬貨収納装置201において収納容器40を配置した収納体に設けるようにしても構わない。
1 硬貨収納装置
10 装置本体
20 収納箱
22 前壁
22a 装着孔
30 停止機構
31 可動ストッパ片
31a 係合部
32,33 係止片
32a,33a 係止面
40 収納容器
50 硬貨収納トレイ
51 硬貨収納凹部
51a ケース収納部
51b 突起貫通孔
52 硬貨収納ケース
52a 識別用突起
53 検出部
53a 磁気コイル
53b 当接レバー
53c 投光素子
53d 受光素子
53e コイル検出回路
53f レバーバネ
53g レバーセンサ
53h 突起センサ
54 検出制御部
60A,60B,60C,60D 入口ブロック
61 媒体受入口
110 装置本体
111,121 ガイド部材
111a,121a 段部
112,122 ローラ
120 収納箱
201 硬貨収納装置
210 装置本体
220 収納箱
220A,220B 収納体
222A 前壁
222B 前壁
230 停止機構
232 係止片
232a 係止面
234 ストッパ本体
237 電磁ソレノイド
250 硬貨収納トレイ
251 硬貨収納凹部
301 硬貨収納装置
320 収納箱
322 前壁
340 磁気吸引領域
341 収納容器
342 永久磁石
345 開口
BC,BC′ 棒状硬貨

Claims (5)

  1. 装置本体の前面から手前側に向けて引き出し可能に配設し、上面が開口した箱状を成す収納箱を備え、複数枚の硬貨を積層して包装した棒状硬貨を前記収納箱の内部に収納する硬貨収納装置において、
    前記収納箱は、互いに独立し、かつ前記装置本体に対して個別に引き出し可能に構成した第1の収納体及び第2の収納体を有し、前記第1の収納体は、その内部に、上面に棒状硬貨を個別に収納する硬貨収納凹部を有した硬貨収納トレイを備えたものであり、前記第2の収納体は、その内部の収納領域に対して有価媒体を受け入れるための媒体受入口を前壁に有し、この媒体受入口は、前記前壁に対して着脱可能に配設した入口ブロックに形成したものである
    ことを特徴とする硬貨収納装置。
  2. 前記第1の収納体及び前記第2の収納体は、前記装置本体に対して互いに上下に並設したことを特徴とする請求項1に記載の硬貨収納装置。
  3. 前記第1の収納体及び前記第2の収納体は、前記装置本体に対して互いに左右に並設したことを特徴とする請求項1に記載の硬貨収納装置。
  4. 前記収納箱に永久磁石を配設し、前記収納領域に磁気吸引力が作用した磁気吸引領域を構成したことを特徴とする請求項1に記載の硬貨収納装置。
  5. 前記収納箱の前面、もしくは前記本体筐体の上面に、前記磁気吸引領域を外部に連通させる開口を形成したことを特徴とする請求項4に記載の硬貨収納装置。
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