JP5564745B2 - 塗料用樹脂組成物、塗料および該塗料から得られる塗膜を有する物品 - Google Patents
塗料用樹脂組成物、塗料および該塗料から得られる塗膜を有する物品 Download PDFInfo
- Publication number
- JP5564745B2 JP5564745B2 JP2006346005A JP2006346005A JP5564745B2 JP 5564745 B2 JP5564745 B2 JP 5564745B2 JP 2006346005 A JP2006346005 A JP 2006346005A JP 2006346005 A JP2006346005 A JP 2006346005A JP 5564745 B2 JP5564745 B2 JP 5564745B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- paint
- vinyl
- polymer
- mass
- coating film
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Active
Links
Landscapes
- Paints Or Removers (AREA)
Description
(i)鋼板に化成処理を施す工程。
(ii)化成処理された鋼板に電着塗料を塗装する工程。
(iii)さらに中塗り塗料を塗装する工程。
(iv)さらに上塗り塗料を塗装する工程。
自動車の塗装においては、下層の塗料を塗装した後、該塗料を乾燥させる(焼き付ける)前に次の層の塗料を塗装し、複数層の塗料を同時に焼き付ける、いわゆるウェットオンウェットによって塗膜を形成する場合がある。
(1)ベース塗料の層とクリヤー塗料の層とを同時に焼き付ける2コート1ベーク方式。
(2)中塗り塗料の層とベース塗料の層とクリヤー塗料の層とを同時に焼き付ける3コート1ベーク方式。
しかし、ウェットオンウェットで塗膜を形成する場合、クリヤー塗料を塗装する際に、ベース塗料の層中の光輝性顔料の配向に問題を生じる(メタル配向性が低下する)ことがある。
しかし、アクリル樹脂をさらに低分子量化した場合、塗膜中のメタル配向性がさらに低下する。
塗膜中のメタル配向性が低下すると、塗膜のメタリック感が不十分となるため、メタル配向性の低下を抑えることが求められている。
しかし、尿素系化合物を用いても、メタル配向性の低下を十分に抑えることはできない。また、尿素系化合物を用いることによって、塗膜にムラが生じる等、塗装作業性に問題が生じ、さらに塗膜の耐水性も低下することがある。
(ビニル系重合体(a))
全ビニル系単量体(100質量%)のうち、下記式(1)で表されるビニル系単量体(a1)50〜95質量%と、ヒドロキシ基含有ビニル系単量体(a2)5〜50質量%と、酸基含有ビニル系単量体(a3)0〜5質量%と、他のビニル系単量体(a4)0〜45質量%とを重合したビニル系重合体(a)。
CH2=CR1−CO−O−R2 ・・・(1)。
式中、R1は、水素原子またはメチル基であり、R2は、炭素数が1または2の炭化水素基である。
本発明の塗料は、本発明の塗料用樹脂組成物と、光輝性顔料とを含むことを特徴とする。
本発明の物品は、本発明の塗料から得られる塗膜を有することを特徴とする。
本発明の塗料によれば、塗装作業性および塗膜の耐水性を維持しつつ、メタル配向性に優れた塗膜を形成できる。
本発明の物品は、メタリック感に優れ、かつムラの少ない塗膜を有する。
ビニル系重合体(a)は、式(1)で表されるビニル系単量体(a1)と、ヒドロキシ基含有ビニル系単量体(a2)と、必要に応じて酸基含有ビニル系単量体(a3)と、必要に応じて他のビニル系単量体(a4)とを重合して得られる重合体である。
CH2=CR1−CO−O−R2 ・・・(1)。
式中、R1は、水素原子またはメチル基であり、R2は、炭素数が1または2の炭化水素基である。
R2の炭化水素基の炭素数が、3以上の場合、塗装作業性および塗膜のメタル配向性が不十分となる。
ビニル系単量体(a2)としては、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸3−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシブチル、(メタ)アクリル酸4−ヒドロキシブチル、(メタ)アクリル酸6−ヒドロキシヘキシル等の基を有する(メタ)アクリル酸ヒドロキシアルキル類;(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチルへのε−カプロラクトンまたはγ−ブチロラクトンの開環付加物(ダイセル化学工業社製の「プラクセルF(商品名)」、UCC社製の「トーンM(商品名)」等。);モノエポキシ化合物と、(メタ)アクリル酸、フマール酸、マレイン酸等とのエステル化反応物(シエル化学社製の合成脂肪酸グリシジルエステル「カージュラE(商品名)」等。);p−ヒドロキシスチレン、2−ヒドロキシエチルビニルエーテル、3−ヒドロキシプロピルビニルエーテル、2−ヒドロキシプロピルビニルエーテル、4−ヒドロキシブチルビニルエーテル、3−ヒドロキシブチルビニルエーテル、5−ヒドロキシペンチルビニルエーテル、6−ヒドロキシヘキシルビニルエーテル等のヒドロキシ基含有ビニル類;2−ヒドロキシエチルアリルエーテル、4−ヒドロキシブチルアリルエーテル、グリセロールモノアリルエーテル等のヒドロキシ基含有アリルエーテル類;アリルアルコール;末端がヒドロキシ基であるポリオキシアルキレン鎖を有する単量体等が挙げられる。ビニル系単量体(a2)は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
ビニル系単量体(a3)としては、(メタ)アクリル酸、2−(メタ)アクリロキシエチルヘキサヒドロフタル酸、2−(メタ)アクリロキシプロピルヘキサヒドロフタル酸、2−(メタ)アクリロキシエチルテトラヒドロフタル酸、2−(メタ)アクリロキシプロピルテトラヒドロフタレル酸、5−メチル−2−(メタ)アクリロキシエチルヘキサヒドロフタル酸、2−(メタ)アクリロキシエチルフタル酸、2−(メタ)アクリロキシプロピルフタル酸、2−(メタ)アクリロキシエチルシュウ酸、2−(メタ)アクリロキシプロピルシュウ酸、クロトン酸、フマル酸、マレイン酸、イタコン酸、ソルビン酸等のカルボキシ基含有ビニル系単量体;無水マレイン酸、無水イタコン酸等の酸無水物等が挙げられる。ビニル系単量体(a3)は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
ビニル系単量体(a4)としては、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸i−ブチル、(メタ)アクリル酸t−ブチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸n−ラウリル、(メタ)アクリル酸n−ステアリル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル等の(メタ)アクリル酸エステル類;N−フェニルマレイミド、N−シクロヘキシルマレイミド、N−ブチルマレイミド等のマレイミド誘導体;アクロレイン、ジアセトンアクリルアミド、ホルミルスチロール、ビニルアルキルケトン、(メタ)アクリルアミドピバリンアルデヒド、ジアセトン(メタ)アクリレート、アセトニルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレートアセチルアセテート、アセトアセトキシエチル(メタ)アクリレート、ブタンジオール−1,4−アクリレート−アセチルアセテート、アクリルアミドメチルアニスアルデヒド等のアルデヒド基またはカルボニル基を有するビニル系単量体;アクリルアミド、メタクリルアミド、クロトンアミド、N−メチロールアクリルアミド等のアミド基含有ビニル系単量体;アリルグリシジルエーテル、(メタ)アクリル酸グリシジル等のエポキシ基含有ビニル系単量体;スチレン、α−メチルスチレン等の芳香族ビニル系単量体;アクリロニトリル等のニトリル基含有ビニル系単量体;ブタジエン等のオレフィン系単量体等が挙げられる。
ビニル系単量体(a4)の割合は、全単量体(100質量%)のうち、0〜90質量%である。
質量平均分子量は、GPC装置を用いて測定される、ポリスチレン換算の質量平均分子量である。
溶液(A)は、ビニル系重合体(a)を含む溶液である。
溶液(A)は、例えば、ビニル系単量体(a1)と、ビニル系単量体(a2)と、必要に応じてビニル系単量体(a3)と、必要に応じてビニル系単量体(a4)とを、溶液重合法によって重合することによって得ることができる。
混合物の供給方法としては、混合物を滴下する方法等が挙げられる。
重合温度は、60〜200℃が好ましい。
重合時間は、3〜10時間が好ましい。
ビニル系単量体と溶剤との比(ビニル系単量体/溶剤)は、30/70〜80/20(質量比)が好ましい。
連鎖移動剤としては、2−メルカプトエタノール、n−オクチルメルカプタン、n−ドデシルメルカプタン等のメルカプタン類;α−メチルスチレンダイマー等が挙げられる。
尿素化合物(b)は、イソシアネート化合物とアミン化合物との付加生成物である。
イソシアネート化合物としては、芳香族ジイソシアネート、芳香族脂肪族ジイソシアネート、脂環式ジイソシアネート、脂肪族ジイソシアネート;これらジイソシアネートから誘導されたポリイソシアネート(例えば、イソシアヌレートタイプの化合物等。)等が挙げられる。
アミン化合物としては、第一級または第二級アミノ基を有するモノアミン、第一級または第二級アミノ基を有するポリアミン等が挙げられる。
尿素化合物(b)としては、イソシアネート化合物とアミン化合物とを、イソシアネート基あたり0.7〜1.5個のアミノ基の化学量論比で反応させたものが好ましく、イソシアネート基あたり0.9〜1.1個のアミノ基の化学量論比で反応させたものがより好ましい。
重合体組成物(B)は、溶液(A)中に固体の尿素化合物(b)を析出させた組成物である。
尿素化合物(b)の析出量は、溶液(A)100質量部に対して、1〜10質量部が好ましい。
(I)溶液(A)中でイソシアネート化合物とアミン化合物とを反応させる方法。
(II)溶液(A)に尿素化合物(b)を加熱しながら溶解し、ついで冷却する方法。
溶液(A)へのイソシアネート化合物とアミン化合物の添加方法としては、(I−1)溶液(A)にアミン化合物を添加し、ついでイソシアネート化合物を添加する方法、(I−2)溶液(A)にイソシアネート化合物を添加し、ついでアミン化合物を添加する方法、(I−3)溶液(A)にイソシアネート化合物およびアミン化合物を同時に添加する方法が挙げられる。
(I)の方法は、尿素化合物(b)が、付加反応の途中に、または付加反応が完了した後の冷却中または冷却後に、溶液(A)中で沈殿を形成する、または微細に分割された固形物として晶出するような条件で行うことが好ましい。
溶液(A)への尿素化合物(b)の溶解は、尿素化合物(b)の凝固点または融点より高い温度まで行う。
尿素化合物(b)を溶解した溶液(A)の冷却は、尿素化合物(b)の凝固点または融点より低い温度まで行う。
遥変性は、PaarPhysica社製の「MCR300」を用いて下記測定条件により測定した粘度に基づいて、下記計算式から算出する。
測定プローブ直径:50mm、
測定プローブ角:2°、
測定温度:23℃、
計算式:粘度(せん断速度=1[1/s])/粘度(せん断速度=100[1/s])。
重合体(C)としては、通常のベース塗料に用いられる公知の熱硬化性樹脂が挙げられる。該熱硬化性樹脂としては、水酸基、カルボキシル基、シラノール基、エポキシ基等の架橋性官能基を有する、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、アルキド樹脂、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂、シリコーン含有樹脂等が挙げられる。
重合体(C)は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
また、重合体(C)として、上述のビニル系重合体(a)を用いてもよい。
硬化剤(D)としては、重合体(C)の架橋性官能基と反応しうる化合物が挙げられる。該化合物としては、アミノ樹脂、イソシアネートプレポリマー、ブロックドポリイソシアネート、シランカップリング剤、アルミニウムキレート系硬化剤等が挙げられる。
本発明の塗料用樹脂組成物は、重合体組成物(B)と、重合体(C)と、硬化剤(D)とを含む組成物である。
塗料用樹脂組成物の製造方法としては、ビニル系重合体(a)を含む溶液(A)中に、尿素化合物(b)を析出させて重合体組成物(B)を得た後、該重合体組成物(B)に重合体(C)および硬化剤(D)を加える方法が挙げられる。
本発明の塗料は、本発明の塗料用樹脂組成物と、光輝性顔料とを含むメタリック塗料である。
光輝性顔料としては、無着色の、または着色された金属性光輝材(金属、合金等。);該金属性光輝材を含む混合物;干渉マイカ粉、着色マイカ粉、ホワイトマイカ粉、グラファイト、無色または有色の偏平顔料等が挙げられる。これらのうち、分散性に優れ、透明感の高い塗膜を形成できる点から、金属性光輝材およびその混合物、干渉マイカ粉、着色マイカ粉、ホワイトマイカ粉が好ましい。
前記金属としては、例えば、アルミニウム、酸化アルミニウム、銅、亜鉛、鉄、ニッケル、スズ等が挙げられる。
光輝性顔料の量は、本発明の塗料用樹脂組成物100質量部に対して、0.01〜20.0質量部が好ましい。
本発明の物品は、本発明の塗料から得られる塗膜を有する物品である。
該物品としては、自動車のボディ、自動車のバンパー等が挙げられる。
(i)所望の形状の鋼板に化成処理を施す工程。
(ii)化成処理された鋼板に電着塗料を塗装する工程。
(iii)さらに中塗り塗料を塗装する工程。
(iv)さらに上塗り塗料を塗装する工程。
化成処理としては、リン酸亜鉛処理等の公知の化成処理が挙げられる。
電着塗料としては、カチオン系電着塗料、アニオン系電着塗料等の公知の電着塗料が挙げられる。
塗装方法としては、浸漬塗装等の公知の塗装方法が挙げられる。
中塗り塗料としては、塗膜形成樹脂と硬化剤とを含む塗料が挙げられる。塗膜形成樹脂としては、アミノアルキッド樹脂、オイルフリーポリエステル樹脂、エポキシエステル樹脂等が挙げられる。硬化剤としては、アミノ樹脂等が挙げられる。
塗装方法としては、スプレー塗装等の公知の塗装方法が挙げられる。
(iv)の工程においては、通常、光輝性顔料を配合したベース塗料と、これを保護するクリヤー塗料とが用いられる。
ベース塗料としては、本発明の塗料を用いる。
クリヤー塗料としては、透明性、耐酸エッチング性等の点から、アクリル樹脂および/またはポリエステル樹脂と、アミノ樹脂との組み合わせ、またはカルボン酸・エポキシ硬化系を有するアクリル樹脂および/またはポリエステル樹脂等が好ましい。
クリヤー塗料の固形分は、クリヤー塗料(100質量%)のうち、30〜70質量%であり、35〜65質量%が好ましい。
クリヤー塗料は、必要に応じて、硬化触媒、表面調製剤等を含んでいてもよい。
重合体組成物(B)の遥変性は、PaarPhysica社製の「MCR300」を用いて下記測定条件により測定した粘度に基づいて、下記計算式から算出した。
測定プローブ直径:50mm、
測定プローブ角:2°、
測定温度:23℃、
計算式:粘度(せん断速度=1[1/s])/粘度(せん断速度=100[1/s])。
試料を105℃で2時間加熱した後、残分をはかりとり、下記計算式より固形分を算出した。
計算式:固形分(%)=残分(g)/試料(g)×100。
溶液(A)に含まれるビニル系重合体(a)の質量平均分子量(以下、Mwと記す。)は、GPC法によって測定される標準ポリスチレン換算平均値とした。
試験片(塗装板)の塗膜のIV値は、関西ペイント社製の表面形状測定装置「ALCOPE LMR−100」を用いて測定した。IV値が高いほどメタリック感が良好であり、メタル配向性に優れている。
試験片(塗装板)の塗膜を目視し、塗装ムラ状態を下記基準により評価した。ムラが少ないほど、塗装作業性に優れている。
◎:ムラなし。
○:ムラが極僅かに見られる。
△:ムラが僅かに見られる。
×:ムラが顕著に見られる。
試験片(塗装板)を40℃の温水に10日間浸漬した。試験片を1時間洗浄した後、外観を目視により観察し、下記基準により評価した。
○:異常なし。
×:全面にふくれ、白化等がある。
クリヤー塗料CL1の調製:
下記カルボキシル基含有アクリル樹脂50部(固形分)、下記エポキシ基含有アクリル樹脂50部(固形分)、紫外線吸収剤(チバガイギ社製、「チヌビン900(商品名)」)1部、テトラブチルアンモニウムブロマイドとモノブチルりん酸との当量配合物2部、および表面調整剤(ビッグケミー社製、「BYK−300(商品名)」)0.1部を混合した。該混合物を、炭化水素系溶剤(1)(新日本石油化学社製、「SS100(商品名)」)50部、炭化水素系溶剤(2)(新日本石油化学社製、「SS150(商品名)」)50部からなる希釈シンナーにて、粘度がNo.4フォードカップで24秒(20℃)となるように希釈し、クリヤー塗料CL1を得た。
無水マレイン酸のメタノールハーフエステル化物20部、2−ヒドロキシエチルアクリレート15部、2−エチルヘキシルアクリレート45部、およびスチレン20部からなる単量体成分を重合した共重合体。数平均分子量4,000、水酸基価73mgKOH/g、酸価86mgKOH/g。
グリシジルメタクリレート30部、2−ヒドロキシエチルアクリレート15部、n−ブチルアクリレート38部およびスチレン17部からなる単量体成分を重合した共重合体。数平均分子量3,000、水酸基価73mgKOH/g。
ビニル系重合体溶液(A−1)の製造:
撹拌機、温度制御装置、コンデンサーを備えた容器に、キシレン39.8部およびプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(以下、PMAと記す。)4部を仕込んだ。容器の内容物を攪拌しながら、温度を135℃まで上昇させた。ついで、容器内に表1に示す組成のビニル系単量体および重合開始剤の混合物を3時間かけて滴下し、さらに過酸化ベンゾイルを0.3部添加し、135℃で2時間攪拌した。キシレン10部を添加し、反応を終了させ、ビニル系重合体溶液(A−1)を得た。ビニル系重合体溶液(A−1)の特性を表1に示す。
ビニル系重合体溶液(A−2〜A−5)の製造:
ビニル系単量体および重合開始剤の混合物の組成を表1に示すように変更した以外は、製造例1と同様にして、ビニル系重合体溶液(A−2〜A−5)を得た。ビニル系重合体溶液(A−2〜A−5)の特性を表1に示す。
ビニル系重合体溶液(A−6、A−7)の製造:
撹拌機、温度制御装置、コンデンサーを備えた密閉容器に、酢酸ブチル19.9部およびPMA19.9部を仕込んだ。容器の内容物を攪拌しながら、温度を160℃まで上昇させた。ついで、容器内に表1に示す組成のビニル系単量体および重合開始剤の混合物を3時間かけて滴下し、さらにジ−t−ブチルパーオキサイドを0.3部添加し、160℃で1時間攪拌した。酢酸ブチル5部を添加し、反応を終了させ、ビニル系重合体溶液(A−6、A−7)を得た。ビニル系重合体溶液(A−6、A−7)の特性を表1に示す。
MMA:メタクリル酸メチル、
St:スチレン、
EA:アクリル酸エチル、
t−BMA:メタクリル酸t−ブチル、
SLMA:メタクリル酸ドデシルとメタクリル酸トリデシルとの混合物(三菱レイヨン社製)、
HEA:アクリル酸2−ヒドロキシエチル、
FM2:メタクリル酸2−ヒドロキシエチルのε−カプロラクトン2モル付加物(ダイセル化学工業製、水酸基含有ビニル系単量体)、
AA:アクリル酸、
PO1:t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート(日本油脂社製)、
PO2:ジ−t−アミルパーオキサイド(アルケマ吉富社製)。
重合体組成物(B−1)の製造:
撹拌機、温度制御装置、コンデンサー、滴下ロートを備えた容器に、ビニル系重合体溶液(A−1)84.6部、キシレン10.4部、ベンジルアミン(以下、BAと記す。)2.8部を仕込んだ。ついで、攪拌しながらヘキサメチレンジイソシアネート(以下、HMDIと記す。)2.2部を添加し、撹拌を続け、固体尿素化合物を析出させ、アミノ基とイソシアネート基との比(NH/NCO)が1.0(モル比)の重合体組成物(B−1)を得た。重合体組成物(B−1)の特性を表2に示す。
重合体組成物(B−2〜B−5)の製造:
ビニル系重合体溶液を表2に示すものに変更した以外は、製造例8と同様にして、重合体組成物(B−2〜B−5)を得た。重合体組成物(B−2〜B−5)の特性を表2に示す。
重合体組成物(B−6、B−7)の製造:
ビニル系重合体溶液を表2に示すものに変更し、仕込み量をビニル系重合体溶液79.7部、キシレン15.3部に変更した以外は、製造例8と同様にして、重合体組成物(B−6、B−7)を得た。重合体組成物(B−6、B−7)の特性を表2に示す。
重合体溶液(C−1):
製造例1と同様にして得られたビニル系重合体溶液(A−1)を、重合体溶液(C−1)とした。
重合体溶液(C−2):
製造例6と同様にして得られたビニル系重合体溶液(A−6)を、重合体溶液(C−2)とした。
メタリック用ベース塗料の調製:
配合用容器に、重合体組成物(B−1)35部、重合体溶液(C−1)75.4部、ブチル化メラミン樹脂(三井化学社製、「ユーバン20SE(商品名)」)30部、アルミニウム顔料(旭化成ケミカルズ社製、「アルミペーストMH−8801(商品名)」)14部を入れ、卓上攪拌機で攪拌した。該混合物を、トルエン40部、酢酸エチル30部、炭化水素系溶剤(新日本石油化学社製、「SS100(商品名)」)30部からなる希釈シンナーにて、粘度がNo.4フォードカップで13秒となるように希釈し、ベース塗料を得た。
リン酸亜鉛処理した鋼板(30cm×45cm)に、自動車用カチオン系電着塗料を塗装し、180℃で30分焼き付け、塗膜を形成した。
ついで、該塗膜上に、アルキッド樹脂およびアミノ樹脂を含む中塗り塗料を塗装し、160℃で30分焼き付けた後、塗膜をサンディングし、水研し、乾燥させた。
ついで、該塗膜上に、ベース塗料を、乾燥膜厚が15μmとなるように、スプレー塗装し、室温で5分間放置した後、クリヤー塗料CL1をウェットオンウェット方式で乾燥膜厚が40μmとなるように重ね塗りした。
未乾燥の重ね塗り塗膜を室温で10分間セッティング後、140℃で25分間焼き付け、試験片(塗装板)を得た。該試験片について、評価を行った。表3に示す。
重合体組成物、重合体溶液を表3に示すように変更した以外は、実施例1と同様にしてベース塗料を得た。
該ベース塗料を用いた以外は、実施例1と同様にして試験片を得た。該試験片について、評価を行った。表3に示す。
表2に示すように、式(1)で表されるビニル系単量体(a1)を含む単量体成分を重合したビニル系重合体(a)を含む重合体組成物(B−1〜B−4、B−6)は、式(1)で表されるビニル系単量体(a1)を含まない単量体成分を重合したビニル系重合体を含む重合体組成物(B−5、B−7)に比べ、良好な遥変性を示した。
また、表3に示すように、重合体組成物(B−1〜B−4、B−6)を含む実施例1、2、4、比較例1、参考例1のベース塗料から形成された塗膜は、IV値が高く、ムラが少なかった。また、実施例1、2、4、参考例1のベース塗料から形成された塗膜は、耐水性に優れていた。
これに対し、重合体組成物(B−5、B−7)を含む比較例2、3のベース塗料から形成された塗膜は、IV値が低く、ムラが多かった。比較例1のベース塗料から形成された塗膜は、耐水性が不良となった。
Claims (3)
- 下記ビニル系重合体(a)を含む溶液(A)中に、イソシアネート化合物とアミン化合物との付加生成物である尿素化合物(b)を析出させて得られた重合体組成物(B)に、
架橋性官能基を有する重合体(C)と、
前記重合体(C)の架橋性官能基と反応する硬化剤(D)と
を加えて得られた、塗料用樹脂組成物。
(ビニル系重合体(a))
全ビニル系単量体(100質量%)のうち、下記式(1)で表されるビニル系単量体(a1)50〜95質量%と、ヒドロキシ基含有ビニル系単量体(a2)5〜50質量%と、酸基含有ビニル系単量体(a3)0〜5質量%と、他のビニル系単量体(a4)0〜45質量%とを重合したビニル系重合体(a)。
CH2=CR1−CO−O−R2 ・・・(1)。
式中、R1は、水素原子またはメチル基であり、R2は、炭素数が1または2の炭化水素基である。 - 請求項1に記載の塗料用樹脂組成物と、
光輝性顔料と
を含む、塗料。 - 請求項1に記載の塗料用樹脂組成物と光輝性顔料とを含む塗料から得られる塗膜を有す
る物品。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2006346005A JP5564745B2 (ja) | 2006-12-22 | 2006-12-22 | 塗料用樹脂組成物、塗料および該塗料から得られる塗膜を有する物品 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2006346005A JP5564745B2 (ja) | 2006-12-22 | 2006-12-22 | 塗料用樹脂組成物、塗料および該塗料から得られる塗膜を有する物品 |
Publications (3)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2008156455A JP2008156455A (ja) | 2008-07-10 |
JP2008156455A5 JP2008156455A5 (ja) | 2010-12-24 |
JP5564745B2 true JP5564745B2 (ja) | 2014-08-06 |
Family
ID=39657748
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2006346005A Active JP5564745B2 (ja) | 2006-12-22 | 2006-12-22 | 塗料用樹脂組成物、塗料および該塗料から得られる塗膜を有する物品 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP5564745B2 (ja) |
Family Cites Families (13)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
NL176864C (nl) * | 1976-11-25 | 1985-06-17 | Akzo Nv | Werkwijze voor de bereiding van een thixotrope bekledingssamenstelling. |
US4139514A (en) * | 1977-06-29 | 1979-02-13 | Union Carbide Corporation | Aqueous vehicles |
JPS5450031A (en) * | 1977-09-28 | 1979-04-19 | Kansai Paint Co Ltd | Cold-curable high-solid type of coating composition |
JPS59157159A (ja) * | 1983-02-25 | 1984-09-06 | Dainippon Ink & Chem Inc | 塗料用樹脂組成物 |
JPS6197375A (ja) * | 1984-10-17 | 1986-05-15 | Nippon Oil & Fats Co Ltd | 厚膜に塗装可能な熱硬化性被覆組成物 |
NL8500476A (nl) * | 1985-02-20 | 1986-09-16 | Akzo Nv | Thixotrope bekledingssamenstelling. |
NL8500475A (nl) * | 1985-02-20 | 1986-09-16 | Akzo Nv | Thixotrope bekledingssamenstelling. |
JPH0268179A (ja) * | 1988-08-31 | 1990-03-07 | Kansai Paint Co Ltd | メタリック仕上げ方法 |
GB2237277A (en) * | 1989-10-26 | 1991-05-01 | Ici Plc | Thixotropic binder system |
JP3020310B2 (ja) * | 1991-06-29 | 2000-03-15 | マツダ株式会社 | 積層塗装用塗料組成物 |
DE4310413A1 (de) * | 1993-03-31 | 1994-10-06 | Basf Lacke & Farben | Nichtwäßriger Lack und Verfahren zur Herstellung einer zweischichtigen Decklackierung |
JP3753964B2 (ja) * | 2001-09-17 | 2006-03-08 | 大日本インキ化学工業株式会社 | 着色塗料用樹脂組成物及び積層塗装方法 |
JP2003286304A (ja) * | 2002-01-25 | 2003-10-10 | Daicel Chem Ind Ltd | 水性樹脂分散液及びその製造方法 |
-
2006
- 2006-12-22 JP JP2006346005A patent/JP5564745B2/ja active Active
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2008156455A (ja) | 2008-07-10 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP4872247B2 (ja) | 熱硬化性塗料組成物 | |
JP5601760B2 (ja) | 水性プライマー組成物、及びこの組成物を用いた塗装方法 | |
JP5142525B2 (ja) | 塗料用水酸基含有樹脂及び塗料組成物 | |
JP2863076B2 (ja) | 硬化性樹脂組成物、塗料組成物および塗膜形成方法 | |
EP3167014B1 (en) | Two-component paint composition and multilayer coating formation method using this | |
EP3733797B1 (en) | Coating material composition | |
JP5230518B2 (ja) | 積層塗膜形成方法および塗装物 | |
JP5408888B2 (ja) | 水分散型樹脂、二液型熱硬化性樹脂組成物及びこれらの製造方法 | |
WO2018012552A1 (ja) | 塗料組成物 | |
JP2002201410A (ja) | 二層分離型カチオン電着塗料組成物 | |
JP5575295B1 (ja) | 水系下塗塗料組成物 | |
JP2741379B2 (ja) | クリヤーコート用塗料 | |
JP5564745B2 (ja) | 塗料用樹脂組成物、塗料および該塗料から得られる塗膜を有する物品 | |
JP4000573B2 (ja) | 耐ハジキ性に優れているカチオン電着塗料組成物 | |
JP6265860B2 (ja) | 複層塗膜の形成方法及び複層塗膜 | |
JP3584238B2 (ja) | 顔料分散用樹脂、該樹脂を含有する顔料分散体及び調色塗料 | |
JP2009275170A (ja) | ビニル系重合体の製造方法、該ビニル系重合体を含有する塗料及び該塗料を用いた塗膜の形成方法。 | |
JP3876591B2 (ja) | 硬化性塗料組成物及び硬化塗膜 | |
JPH04371265A (ja) | 熱硬化被覆組成物 | |
JP2693999B2 (ja) | 塗装仕上げ方法 | |
JPH06145565A (ja) | 水性塗料組成物 | |
JP2009155396A (ja) | クリヤー塗料組成物及び複層塗膜形成方法 | |
JP2010069372A (ja) | Abs基材の塗装方法及び塗装物品 | |
JP2015183138A (ja) | ラテックス、水性コーティング組成物、及び成型体 | |
JPH0538482A (ja) | 三層系上塗塗膜の形成方法 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20091221 |
|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20091221 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20101105 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20120717 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20120903 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20130625 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20130823 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20140520 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20140602 |
|
R151 | Written notification of patent or utility model registration |
Ref document number: 5564745 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
S533 | Written request for registration of change of name |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533 |
|
R350 | Written notification of registration of transfer |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |